JP7108506B2 - 回転伝達装置 - Google Patents

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Description

この発明は、2軸の相互間において回転の伝達と遮断の切換えを行う回転伝達装置に関するものである。
同軸上に配置された2軸の相互間において回転の伝達と遮断の切換えを行うために、電磁式ローラクラッチを備えた回転伝達装置が用いられる。この種の回転伝達装置として、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。
特許文献1の回転伝達装置は、2方向クラッチと、その2方向クラッチの係合、解除を制御する電磁クラッチとからなる。2方向クラッチは、外輪の内側に内輪を組込み、その内輪の外周に、外輪の内周に形成された円筒面との間で周方向の両端部に向けて狭小となるくさび空間を形成する複数のカム面を備え、各カム面と円筒面との間にローラからなる係合子を組込んで、そのローラを保持器で保持している。また、保持器と内輪との間にはスイッチばねが組み込まれている。
電磁クラッチは、外輪の開口端に対向して配置されたアーマチュアと、アーマチュアに対向して配置されて外輪に接続されたロータと、ロータに対向して配置された電磁石とを備えている。電磁石に通電しない状態では、アーマチュアとロータとの間に十分な摩擦力が働かないため、保持器及びローラは、スイッチばねの弾性力によって係合解除された中立位置に保持されている。電磁石に対する通電によりロータにアーマチュアを吸着させると、スイッチばねの弾性力に抗して保持器と内輪とが相対回転し、その相対回転により、ローラは外輪の円筒面および内輪のカム面に係合し、内輪と外輪との相互間で回転トルクが伝達可能な状態とされる。
保持器には周方向に沿ってローラと同数のポケットが形成され、各ポケットにローラが一つずつ組込まれている。保持器は周方向に回転可能で、保持器の回転とともにローラも周方向に移動する。ローラがカム面の中央付近にある中立状態では、ローラと外輪との間には隙間があり、内輪と外輪とは非係合状態にある。ローラがカム面の端部付近に移動すると、ローラは外輪と係合して外輪と内輪とを一体化する。
特開2007-247713号公報
特許文献1の回転伝達装置では、電磁クラッチの電磁石に通電しない状態では、アーマチュアとロータとが接触しないように、両者の間に離反ばねを配置している。しかし、この非通電時において、ロータと離反ばね、アーマチュアと離反ばねとはそれぞれ常に接触している状態である。このため、例えば、想定を超えるような高速回転が発生すると、これらの接触部での摺動により、部材の摩耗が発生する可能性がある。
このため、本願の出願人は、特願2018-001275において、入力軸の外周に設けられた入力軸溝に止め輪を挿入し、その止め輪で、アーマチュアを電磁石から離反させる弾性部材を支持することで、アーマチュアと弾性部材、電磁石と弾性部材との摺動部を無くして、部材の摩耗の発生を抑えることを実現している。
しかし、この特願2018-001275の回転伝達装置では、アーマチュアは、電磁石に対する摩擦面の反対側の面(反摩擦面)が入力軸の段差部に突き当てられて位置決めされ、弾性部材は、アーマチュアの摩擦面と止め輪との間で押圧されて、弾性力を発生させている。したがって、弾性部材の荷重、すなわち、組み込み時における弾性部材のセット高さを決定する寸法要素として、入力軸の段差部から止め輪位置(入力軸溝位置)までの軸方向距離、アーマチュア板厚、止め輪板厚の3要素があり、これに弾性部材単体の荷重や高さのばらつきの要素が加わることとなる。このため、弾性部材の組み込み時における荷重のばらつきが大きくなるという問題がある。
そこで、この発明の課題は、弾性部材の組み込み時における荷重のばらつきをできる限り抑えることである。
上記の課題を解決するために、この発明は、同軸上に配置された第1軸と第2軸とを係合及び解除する電磁クラッチを備え、前記電磁クラッチは、前記第1軸に対して軸方向へ移動自在のアーマチュアと、前記第1軸の外周に玉軸受を介して配置され前記第1軸に対して軸回り回転自在に支持されて前記アーマチュアと軸方向で対向する電磁石と、前記アーマチュアを前記電磁石から離反する方向へ付勢する弾性部材とを備え、前記玉軸受は、前記第1軸の外周に固定される軸受内輪と前記電磁石の内周に固定される軸受外輪と前記軸受内輪と前記軸受外輪との間に配置される転動体とを備え、前記弾性部材は、前記軸受内輪と前記アーマチュアとの間で支持されている回転伝達装置を採用した。
ここで、前記軸受内輪は、前記弾性部材が発生させる荷重以下では抜け出すことがないシメシロで前記第1軸の外周に圧入されている構成を採用することができる。
また、前記アーマチュアは、前記電磁石側に向く摩擦面の反対側の反摩擦面が前記第1軸の外周に形成された段差部に突き当てられて前記電磁石から遠ざかる方向への移動が規制されている構成を採用することができる。
さらに、前記軸受内輪は、前記第1軸の外周に形成された係止段部に突き当てられて軸方向へ位置決めされている構成を採用することができる。
前記弾性部材として、例えば、コイルスプリングを採用することができる。また、前記弾性部材として、ウェーブスプリングを採用することができる。あるいは、前記弾性部材として、皿ばねを採用することができる。
この発明は、第1軸に配置する弾性部材支持用の止め輪を廃止し、第1軸と電磁石とを軸周り回転自在に支持する玉軸受の軸受内輪とアーマチュアとの間で、アーマチュアを付勢する弾性部材を支持したので、弾性部材のセット高さを決定する要素として、止め輪の板厚寸法のばらつき要素をなくすことが可能となり、その結果、弾性部材の荷重のばらつきを抑えることができる。
この発明の実施形態を示す縦断面図 図1の要部拡大図 ロータとアーマチュアが密着した状態を示す要部拡大図 図2の要部拡大断面図 図2のV-V断面図 図2のVI-VI断面図 アーマチュアと第1軸との接続部付近の斜視図 (a)~(c)は、弾性部材の例を示す要部拡大縦断面図
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、この実施形態の回転伝達装置の縦断面図である。回転伝達装置は、入力側である第1軸S1と、その第1軸S1と同軸上に配置された出力側である第2軸S2と、第1軸S1から第2軸S2への回転の伝達と遮断とを行なう2方向クラッチ10、及び、その2方向クラッチ10の係合、解除を制御する電磁クラッチ40とを備えている。2方向クラッチ10が係合すると第1軸S1から第2軸S2への回転の伝達が可能となり、2方向クラッチ10の係合が解除されると第1軸S1から第2軸S2への回転の伝達が遮断される。
この実施形態では、円筒状を成す第2軸S2の端部の軸心に設けた孔に軸状の出力軸S2’が挿通され、セレーションやスプライン等の結合手段を介して、第2軸S2と出力軸S2’とが一体回転可能となっている。なお、この第2軸S2と出力軸S2’とを、一体の軸状部材で構成した態様も考えられる。また、第1軸S1は一体の軸状部材で構成されているが、この第1軸S1を円筒状を成す部材とし、その円筒状の第1軸S1の軸心に設けた孔に別部材からなる入力軸を挿通して、第1軸S1と入力軸とを一体回転可能に結合した態様も考えられる。
2方向クラッチ10及び電磁クラッチ40は、第1軸S1の軸方向に沿って並設され、その2方向クラッチ10及び電磁クラッチ40は、筒状のハウジング11によって覆われている。
第一軸S1は、ハウジング11の軸方向一端側の端壁12に形成された軸挿入孔13に軸端部が挿入され、その軸挿入孔13内に組み込まれた軸受18、及び、電磁クラッチ40の内径側に組み込まれた玉軸受58等によって、ハウジング11に対して軸周り回転自在に支持されている。
第2軸S2は、ハウジング11の軸方向他端側の開口部内に組み込まれた軸受15によりハウジング11に対して軸周り回転自在で、且つ、止め輪15a,15b,50等によって軸方向へ非可動の状態で支持されている。第2軸S2とハウジング11の他端部の内周間は、シール部材16によって密閉されている。
2方向クラッチ10は、第2軸S2に設けられた環状の外方部材2と、第1軸S1に設けられて外方部材2の内径側に組み込まれた内方部材1と、その内方部材1と外方部材2の対向部間に組み込まれた係合子としてのローラ4と、そのローラ4を保持する環状の保持器3等を備えた2方向ローラクラッチである。ここで、内方部材1や外方部材2は、それぞれ第1軸S1や第2軸S2と一体の部材で形成されているが、その内方部材1と第1軸S1、あるいは、外方部材2と第2軸S2をそれぞれ別部材で構成するとともに、互いにセレーションやスプライン等の結合手段により一体化してもよい。
第1軸S1には、内方部材1の軸方向の両端部にその内方部材1よりも小径の小径軸部が設けられ、第2軸S2と対向する軸方向他端側の小径軸部が、軸受19によって第2軸S2に対して軸周り回転自在に支持されている。図1中の符号19a,19bで示す部材は、軸受19を第1軸S1、第2軸S2に対して軸方向へ固定する止め輪である。
内方部材1の外周には、外方部材2の内周に形成された円筒面2aとの間で周方向の両端が狭小となるくさび空間を形成する複数の平坦なカム面1aが、周方向に沿って等間隔に形成されている。各カム面1aと円筒面2aとの間に、円筒状を成すローラ4が組み込まれている。
保持器3には、内方部材1のカム面1aと径方向で対向する位置にポケット3aが形成され、そのポケット3a内にそれぞれローラ4が収容されている。ローラ4は、外周に転動面4aを有する円筒状の部材である。内方部材1に対して保持器3が相対回転した際に、ローラ4は、円筒面2a及びカム面1aに係合して第1軸S1と第2軸S2とを結合させ、その第1軸S1と第2軸S2との相互間で回転トルクを伝達する。
保持器3には、第1軸S1と対向する軸方向他端側の端部に、内向きのフランジ3cを備えている。フランジ3cが、内方部材1の軸方向他端側の小径軸部に回転自在に嵌合されている。また、フランジ3cは、内方部材1の軸方向他端側の小径軸部の外周に取り付けた止め輪26によって軸方向に位置決めされている。
内方部材1の軸方向一端側の小径軸部上には、ローラ4が円筒面2a及びカム面1aと係合解除する中立位置に、保持器3を弾性保持する中立保持用弾性部材5が設けられている。この実施形態では、中立保持用弾性部材5として、図6に示すスイッチばね(以下、スイッチばね5と称する。)を採用しているが、他の種別からなるスプリング等であってもよい。
スイッチばね5は、周方向の一部に切り離し端を有するリング部5aの両端に一対の係合片5bを外向きに設けた構成とされている。スイッチばね5は、リング部5aが小径軸部の外径面上に嵌め合されて内方部材1の一端面に形成された円形凹部1c内に嵌合され、一対の係合片5bが円形凹部1cの外周壁に形成された切欠部1bから保持器3の一端部に形成された切欠き3b内に挿入されている。また、スイッチばね5の軸方向一端側に環状のスイッチばね押え6が配置され、スイッチばね押え6は止め輪24で第1軸S1に固定されている。このスイッチばね押え6及び止め輪24により、スイッチばね5の軸方向への移動が規制されている。
スイッチばね5の組み込みによって、一対の係合片5bが切欠部1b及び切欠き3bの周方向で対向する両端部を相反する方向に向けて押圧する。その押圧によって保持器3はローラ4が円筒面2a及びカム面1aに対して係合解除する中立位置に弾性保持される。スイッチばね5は、内方部材1に対する保持器3の相対回転により弾性変形した際、その弾性力によりローラ4が中立位置に維持されるように、保持器3を周方向へ付勢している。
また、保持器3の軸方向一端側の端部には、突片部3dが設けられている。突片部3dは、アーマチュア41に設けられた孔43にスライド自在に嵌合される。これにより、アーマチュア41は保持器3に対して回り止めされている。
電磁クラッチ40は、第1軸S1と第2軸S2とを係合し、及び、その係合を解除する機能を備える。電磁クラッチ40は、保持器3に対して回り止めされて且つ第1軸S1に対して軸方向へ移動自在に支持されたアーマチュア41と、第1軸S1の外周に配置され第1軸S1に対して軸回り回転自在に支持されてアーマチュア41と軸方向で対向する電磁石44と、アーマチュア41を電磁石44から離反する方向へ付勢する弾性部材20とを備えている。
電磁石44は、磁性体からなるロータ45と、そのロータ45に保持された電磁コイル46とを備えている。ロータ45は、内筒部と外筒部とを軸方向他端側の端壁で結んだ断面コ字状の筒状部材で構成される。ロータ45の軸方向他端側の端壁がアーマチュア41と軸方向で対向し、内筒部と第1軸S1との間に組み込まれた玉軸受58により、第1軸S1に対して軸周り回転自在に支持されている。また、ロータ45は、非磁性体からなる筒体47を介して、2方向クラッチ10の外方部材2に連結され、外方部材2と一体に回転する。
ここで、外方部材2と筒体47との連結は、外方部材2の軸方向一端側の端部の外径面に突出部を設け、その突出部を筒体47の軸方向他端側の端部の内径面に開口する切欠部に嵌合して、さらに、筒体47の外径面に取り付けた止め輪50によって、突出部の抜け止めとしている。
また、ロータ45と筒体47との連結は、筒体47の軸方向一端側の端部に嵌合されたロータ45の外筒部の一端部外径面に突出部51を設け、その突出部51を、筒体47の軸方向一端側の内径面に開口する切欠部52に嵌合し、さらに、筒体47の内径面に取り付けた止め輪53によって、突出部51の抜け止めとしている。電磁コイル46の軸方向一端は、ハウジング11に固定されたプレート54に当接して保持されている。プレート54は、止め輪55及びシム56を介して、ハウジング11に対して軸方向移動が規制された状態に固定されている。
アーマチュア41は、第1軸S1に設けられた突起23と、アーマチュア41に設けられた切欠き42との噛合いにより、電磁石44への非通電時において、第1軸S1との相対回転が防止されている。電磁石44への通電時においては、この噛合いは解除され、第1軸S1とアーマチュア41とは相対回転可能な状態となる。
この実施形態では、突起23は、第1軸S1の外周の周方向に沿って、その一部が外径側へ突出するように設けられ、切欠き42はアーマチュア41の軸心の孔の内周41aの周方向に沿って、その一部が外径側へ凹むように設けられているが、これ以外にも、例えば、突起23は第1軸S1の外周に設けたフランジ部の側面(軸方向へ向く面)から、その一部が軸方向側へ突出するように設けられ、切欠き42はアーマチュア41の側面(軸方向へ向く面)に、その一部が軸方向へ凹むように設けられた態様も考えられる。
突起23とそれに対応する切欠き42は、図5や図7に示すように、周方向に沿って複数箇所(実施形態では3箇所)設けることができるが、相対回転防止の機能が発揮できるものであれば、突起23とそれに対応する切欠き42は、周方向のいずれかの箇所に少なくとも1箇所あればよい。
このように、第1軸S1に突起23を設け、アーマチュア41には、これに対応する切欠き42を設けて相対回転防止機能を発揮させたので、突起23は、第1軸S1の鍛造時に同時に成形できるという利点がある。また、突起23は、第1軸S1と一体の部材で形成できるため、肉厚の設定にあまり制限がなく強度の確保が容易である。
なお、上記の各態様において、突起23と切欠き42を入れ替えて、切欠き42を第1軸S1に、突起23をアーマチュア41に設けた態様としてもよい。
アーマチュア41は、電磁石44側に向く摩擦面41bの反対側の面である反摩擦面41cが、第1軸S1の外周に形成された段差部22に突き当てられて、それ以上、電磁石44から遠ざかる方向への移動が規制されている。この段差部22が、弾性部材20を組み込む際のセット高さに関し、軸方向他端側の基準面となる。
第1軸S1と電磁石44との間に配置される玉軸受58は、第1軸S1の外周に固定される軸受内輪58aと、電磁石44の内周に固定される軸受外輪58bと、軸受内輪58aと軸受外輪58bとの間に配置されるボールからなる転動体58cとを備えている。転動体58cは、軸受内輪58aと軸受外輪58bとの間に複数備えられ、それらが環状の保持器58dによって周方向に保持されている。この実施形態の玉軸受58は深溝玉軸受であるが、これを、転動体58cとしてボールを採用する他の形態の玉軸受としてもよい。
弾性部材20は、軸受内輪58aとアーマチュア41との間で支持されている。ここでは、弾性部材20の一端は、軸受内輪58aの他端側の端面58eで支持され、弾性部材20の他端はアーマチュア41の摩擦面41bのうち、ロータ45への接触部以外の部分で支持されている。これにより、弾性部材20は、その弾性力で、端面58eと摩擦面41bとの間で、アーマチュア41を電磁石44から遠ざける方向へ突っ張る構成である。ここで、玉軸受58の軸受内輪58aは、軸方向一端側から軸方向他端側へ向かって、第1軸S1の外周に形成された係止段部25に突き当たるまで圧入されている。このため、玉軸受58は、第1軸S1の軸方向に対して正確に位置決めされる。この端面58eが、弾性部材20を組み込む際のセット高さに関し、軸方向一端側の基準面となる。
また、軸受内輪58aは、弾性部材20が発生させる荷重以下では抜け出すことがないシメシロで、第1軸S1の外周に圧入されている。すなわち、弾性部材20が発生し得る最大の弾性力によって軸受内輪58aが軸方向一端側へ押圧されても、軸受内輪58aが第1軸S1に対して軸方向へ相対移動しないように、軸受内輪58aは、所定以上のシメシロで第1軸S1の外周に圧入されている。これにより、弾性部材20は、軸受内輪58aに反力を負担させながら、その弾性力で、アーマチュア41をロータ45から離反する方向(軸方向他端側)へ常時安定して押圧することができる。
電磁クラッチ40の電磁石44に対する通電が無い場合には、弾性部材20の押圧力で、アーマチュア41は第1軸S1の突起23側に押されているため、図1、図2及び図4に示すように、突起23と切欠き42とが噛合い、第1軸S1に対してアーマチュア41が回転することはなく、ローラ4の引き摺りトルクによるミス係合を防止できる。また、弾性部材20はアーマチュア41とロータ45とを離反させているものの、そのアーマチュア41とロータ45とが互いに相対回転する際に、第1軸S1と弾性部材20、弾性部材20とアーマチュア41との間には、互いに摺動する部分が無いため、部材の摩耗の発生を防止することが可能となる。
電磁コイル46への通電の遮断状態では、2方向クラッチ10のローラ4は、図6に示すように、外方部材2の円筒面2a及び内方部材1のカム面1aに対して係合解除する中立位置に保持されている。すなわち、ローラ4は、カム面1aの中央付近(周方向に対する中央付近)に位置し、2方向クラッチ10は係合解除状態にある。
ここで、回転伝達装置は、第1軸S1と第2軸S2のいずれを入力側として使用してもよい。この実施形態のように、第1軸S1を入力側として使用する場合においては、2方向クラッチ10が係合解除とされる状態で第1軸S1が回転すると、その回転は第2軸S2に伝達されず、第1軸S1および内方部材1がフリー回転する。このとき、内方部材1の回転はスイッチばね5を介して保持器3に伝達されて、保持器3及びローラ4が共に回転する。また、アーマチュア41は、保持器3に回り止めされているため、アーマチュア41も回転する。
この第1軸S1のフリー回転状態において、電磁クラッチ40の電磁コイル46に通電すると、アーマチュア41が電磁石44のロータ45に磁気吸引されてロータ45の端壁にアーマチュア41が近づき、アーマチュア41はロータ45の端壁に吸着される(図3参照)。
アーマチュア41がロータ45側へと軸方向へ移動するので、突起23と切欠き42との噛合いは解除され、第1軸S1に対してアーマチュア41が相対回転可能な状態となる。ロータ45は、筒体47を介して外方部材2に連結されているため、アーマチュア41の吸着により保持器3は外方部材2に連結され、保持器3と内方部材1とが相対回転する。
これにより、保持器3は、アーマチュア41とともに、第1軸S1(内方部材1)に対して相対回転する。このとき、アーマチュア41の軸方向への移動は、保持器3に設けた突片部3dによってガイドされている。突片部3dは、アーマチュア41に設けた回り止め孔43内に軸方向へスライド自在に挿入されているので、アーマチュア41の軸方向移動とともに、その突片部3dが回り止め孔43内で進退することで、アーマチュア41の軸方向移動のガイドが行われる。
なお、電磁コイル46への電力の供給は、リード線を通じて行っている。リード線は、電磁コイル46から軸方向一端側へ伸びて、ハウジング11に設けた孔から封止用のグロメットを介してハウジング11の外部へ引き出されている。
保持器3と内方部材1との相対回転により、ローラ4は、外方部材2の円筒面2a及び内方部材1のカム面1aに係合し、2方向クラッチ10は係合状態となり、内方部材1の回転が外方部材2に伝達されて、第2軸S2が回転する。
保持器3と内方部材1とが相対回転した際、図6に示す切欠部1bの端面と切欠き3bの端面とが周方向に位置がずれ、スイッチばね5のリング部5aが弾性変形して縮径する。このため、電磁コイル46に対する通電を解除すると、スイッチばね5の復元弾性により保持器3が復帰回動し、ローラ4が係合解除する中立位置に戻され、2方向クラッチ10が係合解除する。その係合解除によって第1軸S1から第2軸S2への回転トルクの伝達が遮断される。
なお、図1に示す第2軸S2を入力側として使用する場合は、2方向クラッチ10の係合解除状態において、入力軸の回転によって第2軸S2が回転すると、その第2軸S2と外方部材2、筒体47及び電磁石44が共にフリー回転する。
第2軸S2のフリー回転状態において、電磁コイル46に通電すると、前述と同様に、ロータ45の端壁にアーマチュア41が吸着され、そのアーマチュア41及び筒体47を介して保持器3が外方部材2に連結される。これにより、内方部材1と保持器3とが相対回転する。この相対回転により、ローラ4は、外方部材2の円筒面2a及び内方部材1のカム面1aに係合し、2方向クラッチ10が係合状態となり、第2軸S2の回転が第1軸S1に伝達されることとなる。
この発明では、第1軸S1と電磁石44のロータ45とを軸周り回転自在に支持する軸受を玉軸受58とし、その玉軸受58の軸受内輪58aとアーマチュア41との間で、アーマチュア41を付勢する弾性部材20を支持する構成を採用した。これにより、弾性部材20のセット高さを決定する要素として、第1軸S1の段差部22から軸受内輪58aの端面58eまでの軸方向距離と、アーマチュア41の板厚が存在するのみとなり、従来のような止め輪の板厚は、その要素に含まれなくなる。このため、弾性部材20の組み込み時におけるセット高さのばらつきが抑えられ、その結果、弾性部材20の荷重のばらつきを抑えることができる。これにより、電磁クラッチ40の吸引力に対して、より安定的にアーマチュア41を吸引することが可能となり、クラッチ係合の信頼性が向上する。
また、玉軸受58の軸受内輪58aは、第1軸S1の外径面に圧入されている。この玉軸受58は、第1軸S1の外周に形成された係止段部25に突き当たるまで圧入されるので、軸方向に対して正確に位置決めされる。また、軸受内輪58aの抜け荷重は、弾性部材20が発生し得る最大荷重(最大の弾性力)よりも大きくなるように、第1軸S1に対する軸受内輪58aの圧入時のシメシロが設定されている。このため、弾性部材20の荷重によって、玉軸受58が軸方向一端側へ抜け出すことはない。
弾性部材20の具体的構成としては、例えば、図8(a)に示すように、弾性部材20として皿ばねを採用することができる。皿ばねは、軸方向に沿って複数配置してよい。また、それ以外にも、弾性部材20として図8(b)に示すウェーブスプリングや、図8(c)に示すコイルスプリングを採用することができる。このように、弾性部材20としては種々の構成のものを採用できる。
ただし、弾性部材20は、その構造によっては高速回転に伴う遠心力で拡径し、所定の性能を発揮できない場合もあり得る。このため、その回転伝達装置が使用される回転数(遠心力)の領域に応じて、複数の種別の弾性部材20の中から最適なものを使い分けることが望ましい。
例えば、比較的遠心力が小さい低回転域で使用される回転伝達装置では、弾性部材20としてコイルスプリングを採用することができる。コイルスプリングは、コイルの螺旋の内部空間に第1軸S1を挿通させて使用できる。また、コイルスプリングはコストが安いという利点がある。逆に、比較的遠心力が大きい高回転域で使用される回転伝達装置では、弾性部材20として皿ばねを採用することができる。皿ばねは環状のものを使用し、その環状の皿ばねの中央の孔に第1軸S1を挿通させて使用できる。皿ばねは、比較的コストが高い場合もあるが、大きな遠心力が作用する条件下でも、所定の性能を発揮することができる。また、高回転域と低回転域との間の中間領域では、弾性部材20としてウェーブスプリングを採用することができる。ウェーブスプリングは、耐遠心力性能においてコイルスプリングと皿ばねとの間の中間的な性能を発揮することができ、また、コスト面においても同様である。
上記の実施形態では、2方向クラッチ10は、第1軸S1に設けられた内方部材1と、第2軸S2に設けられた外方部材2との間で構成され、外方部材2の内周に円筒面2a、内方部材1の外周にカム面1aを備えた構成としたが、これを内外逆転させた構成を採用することができる。
例えば、第1軸S1に設けられた内方部材1と、第2軸S2に設けられた外方部材2との間で構成され、内方部材1の外周に円筒面、外方部材2の内周にカム面を備えた2方向クラッチ10の構成である。この場合、弾性部材20は第2軸S2の内周に配置されるので、遠心力による弾性部材20の変形を考慮する必要がないという利点がある。
さらに、他の実施形態として、2方向クラッチ10を用いずに電磁クラッチ40のみによって、第1軸S1と第2軸S2とを係合及び解除する構成においても、この発明を適用できる。
この場合、電磁クラッチ40は、第1軸S1に対して軸方向移動自在のアーマチュア41と、アーマチュア41に対して軸回り回転自在でそのアーマチュア41と軸方向で対向する電磁石44と、アーマチュア41を電磁石44から離反する方向へ付勢する弾性部材20とを備えた構成となる。また、アーマチュア41は第1軸S1に対して軸方向移動自在で、電磁石44は、玉軸受58を介して、第1軸S1に対して軸回り回転自在に支持された構成となる。通電によるアーマチュア41の電磁石44への吸着によりアーマチュア41と電磁石44とが一体となり、第1軸S1と第2軸S2とが係合する。また、通電の解除により、アーマチュア41と電磁石44とが離反すると、第1軸S1と第2軸S2との係合は解除される。このとき、弾性部材20は、第1軸S1に固定された玉軸受58の軸受内輪58aとアーマチュア41の摩擦面41bとの間で支持されることとなる。このため、弾性部材20は電磁石44に対して摺動部を有していない構成となっている。
上記の各実施形態では、2方向クラッチ10として2方向ローラクラッチを採用したが、他の構成からなる2方向クラッチ10を採用してもよい。また、上記した実施形態には限定されず、電磁クラッチ40によって係合、解除の制御できる種々のクラッチを採用してもよい。
S1 第1軸
S2 第2軸
1 内方部材
1a カム面
2 外方部材
2a 円筒面
3 保持器
4 ローラ
5 中立保持用弾性部材(スイッチばね)
10 2方向クラッチ(2方向ローラクラッチ)
20 弾性部材
22 段差部
25 係止段部
40 電磁クラッチ
41 アーマチュア
41b 摩擦面
41c 反摩擦面
44 電磁石
58 玉軸受
58a 軸受内輪
58b 軸受外輪
58c 転動体

Claims (6)

  1. 同軸上に配置された第1軸(S1)と第2軸(S2)とを係合及び解除する電磁クラッチ(40)を備え、
    前記電磁クラッチ(40)は、前記第1軸(S1)に対して軸方向へ移動自在のアーマチュア(41)と、前記第1軸(S1)の外周に玉軸受(58)を介して配置され前記第1軸(S1)に対して軸回り回転自在に支持されて前記アーマチュア(41)と軸方向で対向する電磁石(44)と、前記アーマチュア(41)を前記電磁石(44)から離反する方向へ付勢する弾性部材(20)と、を備え、
    前記玉軸受(58)は、前記第1軸(S1)の外周に固定される軸受内輪(58a)と前記電磁石(44)の内周に固定される軸受外輪(58b)と前記軸受内輪(58a)と前記軸受外輪(58b)との間に配置される転動体(58c)とを備え、
    前記弾性部材(20)は、前記軸受内輪(58a)と前記アーマチュア(41)との間で支持され、
    前記軸受内輪(58a)は、前記弾性部材(20)が発生させる荷重以下では抜け出すことがないシメシロで前記第1軸(S1)の外周に圧入されている回転伝達装置。
  2. 同軸上に配置された第1軸(S1)と第2軸(S2)とを係合及び解除する電磁クラッチ(40)を備え、
    前記電磁クラッチ(40)は、前記第1軸(S1)に対して軸方向へ移動自在のアーマチュア(41)と、前記第1軸(S1)の外周に玉軸受(58)を介して配置され前記第1軸(S1)に対して軸回り回転自在に支持されて前記アーマチュア(41)と軸方向で対向する電磁石(44)と、前記アーマチュア(41)を前記電磁石(44)から離反する方向へ付勢する弾性部材(20)と、を備え、
    前記玉軸受(58)は、前記第1軸(S1)の外周に固定される軸受内輪(58a)と前記電磁石(44)の内周に固定される軸受外輪(58b)と前記軸受内輪(58a)と前記軸受外輪(58b)との間に配置される転動体(58c)とを備え、
    前記弾性部材(20)は、前記軸受内輪(58a)と前記アーマチュア(41)との間で支持され、
    前記アーマチュア(41)は、前記電磁石(44)側に向く摩擦面(41b)の反対側の反摩擦面(41c)が前記第1軸(S1)の外周に形成された段差部(22)に突き当てられて前記電磁石(44)から遠ざかる方向への移動が規制されている回転伝達装置。
  3. 前記軸受内輪(58a)は、前記第1軸(S1)の外周に形成された係止段部(25)に突き当てられて軸方向へ位置決めされている請求項1又は2に記載の回転伝達装置。
  4. 前記弾性部材(20)は、コイルスプリングである請求項1からのいずれか一つに記載の回転伝達装置。
  5. 前記弾性部材(20)は、ウェーブスプリングである請求項1からのいずれか一つに記載の回転伝達装置。
  6. 前記弾性部材(20)は、皿ばねである請求項1からのいずれか一つに記載の回転伝達装置。
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