JP2016141972A - 拡幅部の天井部分の土留方法および地下部分の拡幅方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)拡幅予定箇所に対し、天井用拡幅土留め体が挿入できる空間部を形成し、該空間部の奥行き方向に向かって天井用拡幅土留め体を配置する。
(2)天井用拡幅土留め体の下側を縦方向に掘削して下部拡幅空間を形成してから、側壁部分に下部拡幅縦土留め体を配置する。
また、本願の第2発明は、前記第1発明において、地下部分の掘削側に配置したジャッキでもって前記土留具を押し込むことを特徴とする。
また、本願の第3発明は、地下部分の掘削途中から拡幅部を設けるための方法であって、(a)拡幅予定箇所に達するまで、土留壁の構築および掘削側地盤の掘削を行い、(b)拡幅予定箇所の上部の土層内に支持梁を設け、(c)前記支持梁に案内されるように、複数の土留具を順次継ぎ足しながら押し込んで、拡幅予定箇所の上部の土層内に土留面を構築し、(d)前記(c)工程の完了後または並行して、前記土留面によって土留された拡幅予定箇所を掘削して拡幅部を形成する、ことを特徴とする。
なお、各工程は、作業に矛盾の無い限り、順番の入れ換えや同時並行での実施が可能である。
まず、拡幅予定箇所Aの上部周辺に達するまで、土留壁10の構築および掘削側地盤の掘削を行う。
本実施例では、前記土留壁10の構築に親杭横矢板工法を用いる。
この親杭横矢板工法では、所定間隔を設けて地盤中に打設した複数の親杭11間に、順次横矢板12を挿入することで、土留壁10を構築する。
この時点で拡幅予定箇所Aの上部周辺まで達した掘削部分の切り土面は、横矢板で土留された土留壁10が構築された状態となっている。
次に、拡幅予定箇所Aの上部にある土層(上部土層B)内に横孔20を設け、横孔20の孔内に支持梁30を設置する。
横孔20は、公知の削孔方法によって形成することができる。
横孔20の長さは、拡幅予定箇所Aの奥行き長を超える(上部土層Bを貫通する)ように設定することが望ましい。その理由は後述する支持梁の設置の欄で説明する。
この根入れ部31を設けることにより、支持梁30は、少なくとも根入れ部31による片持ち状態で、上部土層Bを支持することができる。
なお、地盤の状態によっては、さらに、親杭11の表面に設けた受けピース32で支持梁30の後端側(掘削側)を支持しておき、前記した根入れ部31とともに支持梁30を二点支持した態様としてもよい。
その他、支持梁の後端側を親杭11や受けピース32に溶接する方法も考えられる。
次に、対向する土留壁10間に、切梁50を、腹起51を介して架設したのち、前記切梁50に反力支持梁を介してジャッキ60を設ける。
このジャッキ60は、各土留具を、地中へと押し込むための部材である。
次に、拡幅予定箇所Aが完全に露出する位置まで、掘削地盤を掘削する。
なお、仮に拡幅予定箇所Aの地盤の自立が期待できない場合には、事前に当該箇所を改良しておくなどの対策を施しておけばよい。
次に、先端土留具70を上部土層Bへと圧入していく。
圧入方法としては、まず先端土留具70の後端をジャッキ60にセットし、ジャッキ60を伸張して先端土留具70を上部土層Bに押し込んでいく。
このとき、先端土留具70は、隣り合う支持梁30の間に位置することとなる。
よって先端土留具70は、該先端土留具70の両側にある支持梁30の溝部によって案内されながら地中に配置される。
先端土留具70を、ジャッキ60である程度地中に圧入した後には、ジャッキ60を戻して、先端土留具70とジャッキ60との間の空間に、後続土留具80を継ぎ足す。
そして、ジャッキ70を再度伸張させて、拡幅予定箇所Aへの先端土留具70による圧入を再開する。
この圧入作業により、後続土留具80も上部土層Bの地中へと配置することとなり、一体化した前記先端土留具70および後続土留具80は連続する土留面90を形成し、拡幅部の天井部分に相当する土留面90は徐々に延長されていくこととなる。
本実施例では、先端土留具70と後続土留具80、ならびに後続土留具80同士は、ボルト連結が可能な構造を呈している。
拡幅予定箇所Aのうち、先端土留具70や後続土留具80によって上部土層Bが土留された部分(土留された上部土層B1)の下方にある拡幅予定箇所Aは、掘削が可能な状態となる。
よって、この掘削可能な拡幅予定箇所Aについて公知の方法で掘削を行っていく。
この掘削作業は、前記した各土留具による土留が完全に完了した後に実施しても良いし、土留部分が構築されていく度に適宜実施していってもよい。
上記<6>の工程を繰り返しつつ、適宜<7>の工程を実施することで、上部土層Bは、土留された上部土層B1となり、拡幅予定箇所Aは、徐々に掘削されて拡幅部Cが形成される。
深さ方向に拡幅部Yを拡張する必要がある際には、ライナープレート工法などの公知の拡幅工法で、拡幅部Cの拡張・地盤掘削を行っていく。
本発明は、各土留具の圧入作業において、前記した第1実施例中の工程<5>に係る切梁50に設けたジャッキ60による方法に限られない。
例えば、切梁50の代わりに、親杭11に接続した鋼材(図9(a))や、カウンターウェイト(図9(b))や、アンカー(図示せず)などに、ジャッキ60を設ける態様を採用することができる。
また、土留具を押し込む方法として、ジャッキ60の代わりに、バックホウによって土留具を押し込む方法や、土留具に振動をかけながら圧入する方法などの公知の圧入方法を適宜採用することができる。
また、拡幅予定箇所Aに至る土留壁10の構築方法は、親杭横矢板工法(図9(a))に限らず、ライナープレート工法(図9(b))など、公知の方法を適宜採用することができる。
本発明における支持梁の設置工程は、第1実施例のように横孔を形成する工程を省略することもできる。
例えば、支持梁30を上部土層Bに圧入して地中に埋め込み可能な構成としてもよい。
先端土留具70は、上部土層に複数の土留具を配置するにあたり、最も先端側に取り付ける土留具である。
図10は第1実施例に係る先端土留具を上下に返した状態の斜視図である。
先端土留具70の先端は、一部または全部をくさび形状とすることが望ましい。これは、先端土留具を地中への押し込みを容易としたり、押し込んだ際の排土を促したりするためである。
図10に示す先端土留具70では、底面71の一部について、先端72から後端73にかけて傾斜させた傾斜面711を設けている。
先端土留具70のくさび形状の例は、図10に示す形状に限られず、排土性能に優れる形状の中から適宜採用すればよい。
図11は、第2実施例に係る先端土留具を上下に返した状態の分解斜視図である。
本実施例に係る先端土留具70は、幅方向に複数分割してなる複数の分割体からなる。これらの分割体は公知の連結構造によって、着脱自在に構成している。
図11に示す構成では、先端土留具は幅方向に三分割されており、それぞれを、右側部70a、中央部70b、左側部70cと称している。
また、これらの分割体の分割面にはテーパを設けておくことが好ましい。
このような構成としておけば、幅長の異なる別体の中央部70bを別途用意しておくことで、中央部70bの交換により、先端土留具70全体の幅長を調整可能な構成とすることができる。よって、拡幅部の幅が異なる現場での転用が容易となる。
また、当該構成によれば、図12に示すように、先端土留具70の回収が容易となる点で有益である。
図12にその一例を示す。先端土留具70を回収する際には、まず中央部70bを撤去し、その空いた空間に、支持梁30の溝部に一部が収容されている右側部70aや左側部70cを引き寄せて取り出すことができる。
図13は、後続土留具を上下に返した状態の斜視図である。
後続土留具80は、先端土留具70の後方に継ぎ足されることで土留面を延伸するための部材である。
図13に示す後続土留具80も、図11における先端土留具と同様、幅方向に複数分割してなる分割体(右側部80a、中央部80b、左側部80c)から構成している。
当該構成により、該分割体を交換によって後続土留具全体の幅長を調整することができる。
前記分割体は、平板状のパネルからなる上面81と、上面81の全縁に設けた側面82とを有している。
先端側および後端側の側面82には、先端土留具70や別体の後続土留具80との連結孔を設けておき、左右側の側面82には別体の分割体と連結するための連結孔を設けた構成とする。
後続土留具の形状は、図13に示す形状に限られず、公知形状の中から適宜採用することができる。
B:上部土層 B1:土留された上部土層
C:拡幅部
10:土留壁 11:親杭 12:横矢板
20:横杭
30:支持梁 31:根入れ部 32:受けピース
40:充填材
50:切梁 51:腹起 52:鋼材
53:カウンターウェイト
60:ジャッキ
70:先端土留具
70a:右側部 70b:中央部 70c:左側部
71:底面 711:傾斜面
72:先端
80:後続土留具
80a:右側部 80b:中央部 80c:左側部
81:上面
82:側面
90:土留面
Claims (3)
- 地下部分の掘削途中から設ける拡幅部の天井部分の土留方法であって、
拡幅予定箇所の上部の土層内に支持梁を設け、
前記支持梁に案内されるように、複数の土留具を順次継ぎ足しながら押し込んで、拡幅部の天井部分を土留する、
ことを特徴とする、拡幅部の天井部分の土留方法。 - 地下部分の掘削側に配置したジャッキでもって前記土留具を押し込むことを特徴とする、
請求項1に記載の拡幅部の天井部分の土留方法。 - 地下部分の掘削途中から拡幅部を設けるための方法であって、
(a)拡幅予定箇所に達するまで、土留壁の構築および掘削側地盤の掘削を行い、
(b)拡幅予定箇所の上部の土層内に支持梁を設け、
(c)前記支持梁に案内されるように、複数の土留具を順次継ぎ足しながら押し込んで、拡幅予定箇所の上部の土層内に土留面を構築し、
(d)前記(c)工程の完了後または並行して、前記土留面によって土留された拡幅予定箇所を掘削して拡幅部を形成する、
ことを特徴とする、地下部分の拡幅方法。
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