JP2016141619A - 脱水縮合剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】脱水縮合反応により、エステル、アミド等のカルボン酸誘導体を製造する際の縮合剤として有用な新規化合物、及び該化合物からなる脱水縮合剤の提供。
【解決手段】式(I)で表されるトリアジン型四級アンモニウム化合物、及び該化合物からなる脱水縮合剤。

[RはC1−4アルキル基;R及びRは各々独立に置換/未置換のアルキル基又は結合する窒素原子と一緒に置換/未置換の第2級環状アミノ基等;Xは置換/未置換のアルコキシ基又は置換/未置換のアリールオキシ基;Xは置換/未置換のアルキル基、置換/未置換のシクロアルキル基等;Yは求核性がないか又は求核性が低い対アニオン]
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なトリアジン化合物に関する。本発明はまた、水中又は含水有機溶媒中で、種々のカルボン酸誘導体(例えば、エステル、アミド等)を効率良く製造するための、上記トリアジン化合物からなる脱水縮合剤に関する。
エステル、アミド等のカルボン酸誘導体は、医薬、農薬、高分子化合物等の様々な有機化合物の基本骨格を形成する重要な化合物である。それ故、カルボン酸誘導体の製造方法は古くから検討されてきた。中でも、緩和な反応条件下でアミド化合物を製造することが可能な、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)等のカルボジイミド系縮合剤は、工業的にも最も汎用されている。しかし、カルボジイミド系縮合剤は、かぶれ等の問題を引き起こす化合物が多いため、取扱いに注意が必要である上に、プロトン性有機溶媒中での縮合反応に使用した場合、反応収率が低下する等の問題点を有していた。
また、緩和な反応条件下でエステル化合物を製造するための縮合剤として、向山らによりピリジニウムオキシド化合物が報告された(非特許文献1)が、該ピリジニウムオキシド化合物を製造する際には、発がん性が指摘されているヨウ化メチルを用いなければならないため、作業環境に細心の注意を払わなければならない等の問題があった。
一方、かぶれ等を引き起こさないアミド化合物合成用縮合剤として、カミンスキーら及び本発明者らによりほぼ同時期に報告された4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(非特許文献2、3)が近年注目を集めている。しかし、カミンスキーらのアミド化合物の製造方法では、カルボン酸化合物と縮合剤をそれぞれ等モル反応させて中間体としての反応性誘導体を一旦生成させた後に、該反応性誘導体とアミン化合物とを反応させてアミド化合物を得ていたため、アミド化合物の収率は17〜73%とばらつきが大きく、満足の行くものではなかった。
本発明者らは、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(以下、DMT−MMと略記することもある。)等のジメトキシトリアジン型四級アンモニウム塩を用いたアミド製造方法を検討した結果、該四級アンモニウム塩が、アミン化合物と共存させても高い縮合活性を示すことを見出した。これにより四級アンモニウム塩、カルボン酸化合物及びアミン化合物の3種類の反応試剤を共存させることが可能となり、反応収率を向上させることに成功した(非特許文献3、4;特許文献1)。しかし、上記ジメトキシトリアジン型四級アンモニウム塩は、その温和な反応性のために、使用する反応基質によっては、長時間の反応時間を要したり、反応収率が低下する等の課題が残されていた。また、上記ジメトキシトリアジン型四級アンモニウム塩を用いる反応では、メタノールのようなプロトン性溶媒中と比較してテトラヒドロフラン(THF)のような非プロトン性溶媒中での反応収率が低いという問題も残されていた。
国際公開第2000/53544号
Mukaiyama, T.et al., Bull. Chem. Soc. Jpn., 1977, 50, 1863-1866. Kaminski, Z. J. et al., J. Org. Chem., 1998, 63, 4248-4255. Kunishima, M. et al., Tetrahedron Lett., 1999, 40, 5327-5330. Kunishima, M. et al., Chem. Eur. J., 2012, 18, 15856-15867.
本発明の目的は、前記ジメトキシトリアジン型四級アンモニウム塩の利点を活かしつつ、副反応が生じない程度に縮合剤としての反応性を適度に高めることにより、メタノールのようなプロトン性有機溶媒のみならずTHFのような非プロトン性有機溶媒や水を含む広範な溶媒中で安定に使用し得、高収率且つ短時間で目的とするカルボン酸誘導体を製造することができる実用的な脱水縮合剤として有用な新規化合物を提供することである。
本発明者は、かかる状況下、鋭意検討を重ねた結果、前記トリアジン型四級アンモニウム塩におけるトリアジン環上の2つのアルコキシ基のうちの少なくとも1つを、アルコキシ基と比較して電子供与性を抑えた炭素官能基(例、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等)に置き換えることで、目的とするカルボン酸誘導体の収率を低下させることなく、カルボン酸誘導体の製造に要する反応時間を顕著に短縮できる縮合剤となること、並びに反応性の低いカルボン酸化合物及び/又はアミン化合物を用いた場合でも収率良くアミド化反応を進行させる縮合剤となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]式(I):
[式中、
は、C1−4アルキル基を示し、
及びRは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基を示すか、又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第2級環状アミノ基を形成し、或いは、
、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第3級環状アミノ基を形成し;
は、置換されていてもよいアルコキシ基、又は置換されていてもよいアリールオキシ基を示し、且つXは、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基を示すか、或いは
及びXが、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基を示し;ならびに
は、求核性がないか、又は求核性が低い対アニオンを示す。]
で表される化合物;
[2]Rが、メチル基であり、
及びRが、それぞれ独立して、C1−4アルキル基であるか、又はR及びRが、それらが結合する窒素原子と一緒になってモルホリノ基、チオモルホリノ基、ピペリジル基又はピロリジル基を形成し、或いは、
、R及びRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよいキヌクリジニル基を形成し;
が、置換されていてもよいC1−4アルコキシ基であり、且つXが、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいC6−10アリール基であるか、或いは
及びXが、それぞれ独立して、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいC6−10アリール基であり;ならびに
が、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド、置換されていてもよいアルキルスルホナート、置換されていてもよいアリールスルホナート、ペルクロラート、テトラフルオロボラート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモナート、テトラフェニルボラート及びアルセナートからなる群より選択される対アニオンである、上記[1]記載の化合物;
[3]Rが、メチル基であり;
及びRが、それぞれ独立して、メチル基又はエチル基であるか、又はR及びRが、それらが結合する窒素原子と一緒になってモルホリノ基を形成し;
が、メトキシ基であり、且つXが、置換されていてもよいC1−4アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいフェニル基であるか、或いは、X及びXが、それぞれ独立して、置換されていてもよいC1−4アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいフェニル基であり;ならびに
が、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキルスルホナート、置換されていてもよいC6−10アリールスルホナート、及びペルクロラートからなる群より選択される対アニオンである、上記[1]記載の化合物;
[4]Rが、メチル基であり、
及びRが、それらが結合する窒素原子と一緒になってモルホリノ基を形成し;
が、メトキシ基であり、且つXが、C1−4アルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいフェニル基であるか、或いは
及びXが、それぞれ独立して、C1−4アルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいフェニル基であり;ならびに
が、クロリド、トリフルオロメタンスルホナート、ベンゼンスルホナート、トルエンスルホナート、及びペルクロラートからなる群より選択される対アニオンである、上記[1]記載の化合物;
[5]上記[1]〜[4]のいずれかに記載の化合物からなる脱水縮合剤;
[6]式(I):
[式中、
は、C1−4アルキル基を示し、
及びRは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基を示すか、又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第2級環状アミノ基を形成し、或いは、
、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第3級環状アミノ基を形成し;
は、置換されていてもよいアルコキシ基、又は置換されていてもよいアリールオキシ基を示し、且つXは、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基を示すか、或いは
及びXが、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基を示し;ならびに
は、求核性がないか、又は求核性が低い対アニオンを示す。]
で表される化合物の製造方法であって、
下記式(II):
[式中、X及びXの定義は、前記と同義を示し;
Y’は、ハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニロキシ基、メタンスルホニロキシ基、又はトルエンスルホニロキシ基を示す。]
で表される化合物と、下記式(III):
[式中、R、R及びRの定義は、前記と同義を示す。]
で表される化合物とを、溶媒中で混合する工程、
を包含する、方法;
[7]更に対アニオン交換する工程を包含する、上記[6]記載の方法;
[8]溶媒が、低級アルコール、テトラヒドロフラン、又は水を含む、上記[6]又は[7]に記載の方法;
[9]カルボン酸誘導体の製造方法であって、
カルボキシ基を有する化合物、
求核性官能基を有する化合物とを、
上記[1]〜[4]のいずれかに記載の化合物の存在下、溶媒中で混合する工程を包含する、方法;
[10]カルボン酸誘導体の製造方法であって、
カルボキシ基を有する化合物、
求核性官能基を有する化合物、
下記式(II):
[式中、Xは、置換されていてもよいアルコキシ基、又は置換されていてもよいアリールオキシ基を示し、且つXは、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基を示すか、或いは
及びXが、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基を示し;及び
Y’は、ハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニロキシ基、メタンスルホニロキシ基、又はトルエンスルホニロキシ基を示す。]
で表される化合物、ならびに
下記式(III):
[式中、
は、C1−4アルキル基を示し、R及びRは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基を示すか、又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第2級環状アミノ基を形成し、或いは、R、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第3級環状アミノ基を形成する。]
で表される化合物を、溶媒中で混合する工程、
を包含する、方法;
[11]溶媒が、低級アルコール、テトラヒドロフラン、又は水を含む、上記[9]又は[10]に記載の方法;
[12]求核性官能基を有する化合物が、第1級アミン又はアルコールである、上記[9]〜[11]のいずれかに記載の方法;
[13]式(II):
[式中、Xは、置換されていてもよいアルコキシ基、又は置換されていてもよいアリールオキシ基を示し、且つXは、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基を示すか、或いは
及びXが、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基を示し;及び
Y’は、ハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニロキシ基、メタンスルホニロキシ基、又はトルエンスルホニロキシ基を示す。]
で表される化合物と、
下記式(III):
[式中、
は、C1−4アルキル基を示し、R及びRは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基を示すか、又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第2級環状アミノ基を形成し、或いは、R、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第3級環状アミノ基を形成する。]
で表される化合物の混合物;
等に関する。
本発明によれば、メタノールのようなプロトン性有機溶媒のみならずTHFのような非プロトン性有機溶媒や水を含む広範な溶媒中で安定に使用し得、カルボン酸化合物、アミン化合物等の原料化合物の反応性の如何に関わらず、高収率且つ短時間で目的とするカルボン酸誘導体を製造することができる実用的な脱水縮合剤として有用な化合物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
(定義)
本明細書中、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
本明細書中、「置換されていてもよいアルキル基」における「アルキル基」とは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1以上のアルキル基を意味し、特に炭素数範囲の限定がない場合には、好ましくは、C1−20アルキル基であり、中でも、C1−12アルキル基がより好ましく、C1−6アルキル基が更に好ましく、C1−4アルキル基が特に好ましい。
本明細書中、「C1−20アルキル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜20のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、エイコシル等が挙げられる。
本明細書中、「C1−12アルキル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜12のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等が挙げられる。
本明細書中、「C1−6アルキル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜6のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル等が挙げられる。
本明細書中、「C1−4アルキル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜3のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等が挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよいアルコキシ基」における「アルコキシ基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1以上のアルコキシ基を意味し、特に炭素数範囲は限定されないが、好ましくは、C1−6アルコキシ基である。
本明細書中、「C1−6アルコキシ基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜6のアルコキシ基を意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。中でも、C1−4アルコキシ基が好ましい。
本明細書中、「置換されていてもよいアルケニル基」における「アルケニル基」とは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数2以上のアルケニル基を意味し、特に炭素数範囲の限定がない場合には、好ましくは、C2−20アルケニル基であり、中でも、C2−10アルケニル基がより好ましく、C2−8アルケニル基が特に好ましい。
本明細書中、「C2−10アルケニル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数2〜10のアルケニルを意味し、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニル、1−オクテニル等が挙げられる。中でも、C2−8アルケニル基が好ましい。
本明細書中、「置換されていてもよいアルキニル基」における「アルキニル基」とは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数2以上のアルキニル基を意味し、特に炭素数範囲の限定がない場合には、好ましくは、C2−20アルキニル基であり、中でも、C2−10アルキニル基がより好ましく、C2−8アルキニル基が特に好ましい。
本明細書中、「C2−10アルキニル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数2〜10のアルキニルを意味し、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−メチル−1−プロピニル、1−メチル−2−プロピニル、2−メチル−2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−ヘプチニル、1−オクチニル等が挙げられる。中でも、C2−8アルキニル基が好ましい。
本明細書中、「置換されていてもよいシクロアルキル基」における「シクロアルキル基」とは、炭素原子数3以上の環状アルキル基を意味し、特に炭素数範囲の限定がない場合には、好ましくは、C3−10シクロアルキル基であり、中でも、C3−8シクロアルキル基がより好ましく、C3−6シクロアルキル基が特に好ましい。
本明細書中、「C3−10シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。中でも、C3−8シクロアルキル基が好ましく、C3−6シクロアルキル基がより好ましく、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基が特に好ましい。
本明細書中、「置換されていてもよいシクロアルケニル基」における「シクロアルケニル基」とは、炭素原子数3以上の環状アルケニル基を意味し、特に炭素数範囲の限定がない場合には、好ましくは、C3−10シクロアルケニル基であり、中でも、C3−8シクロアルケニル基がより好ましく、C3−6シクロアルケニル基が特に好ましい。
本明細書中、「C3−10シクロアルケニル基」としては、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル等が挙げられる。中でも、C3−6シクロアルケニル基が好ましい。
上記のC3−10シクロアルキル基及びC3−10シクロアルケニル基は、それぞれベンゼン環と縮合して縮合環基を形成していてもよく、このような縮合環基としては、例えば、インダニル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル、フルオレニル等が挙げられる。
また、上記のC3−10シクロアルキル基及びC3−10シクロアルケニル基は、C7−10橋かけ式炭化水素基であってもよい。C7−10橋かけ式炭化水素基としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル(ノルボルニル)、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[4.3.1]デシル、アダマンチル等が挙げられる。
さらに、上記のC3−10シクロアルキル基及びC3−10シクロアルケニル基は、それぞれC3−10シクロアルカン又はC3−10シクロアルケンとスピロ環基を形成していてもよい。ここで、C3−10シクロアルカン及びC3−10シクロアルケンとしては、上記のC3−10シクロアルキル基及びC3−10シクロアルケニル基に対応する環が挙げられる。このようなスピロ環基としては、スピロ[4.5]デカン−8−イル等が挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよいアリール」、「置換されていてもよいアリールオキシ基」における「アリール基」とは、芳香族性を示す単環式或いは多環式(縮合)の炭化水素基を意味し、具体的には、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル、ターフェニル、ジフェニルナフチル、2−アンスリル、フェナントリル等のC6−22アリール基を示す。中でも、C6−10アリール基が好ましい。
本明細書中、「C6−10アリール基」としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルが挙げられ、フェニルが特に好ましい。
本明細書中、「置換されていてもよいアリールオキシ基」とは、酸素原子に「置換されていてもよいアリール基」が結合した基を意味する。「アリールオキシ基」としては、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ等のC6−10アリールオキシ基が挙げられ、中でも、フェノキシ基が好ましい。
本明細書中、「アラルキル」とは、「アルキル基」に「アリール基」が置換した基を意味し、好ましくは、「C7−14アラルキル」である。
本明細書中、「C7−14アラルキル」とは、「C1−4アルキル基」に「C6−10アリール基」が置換した基を意味し、例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、(ナフチル−1−イル)メチル、(ナフチル−2−イル)メチル、1−(ナフチル−1−イル)エチル、1−(ナフチル−2−イル)エチル、2−(ナフチル−1−イル)エチル、2−(ナフチル−2−イル)エチル、ビフェニリルメチル等が挙げられる。
本明細書中、「アラルキルオキシ基」とは、酸素原子に「アラルキル基」が結合した基を意味する。「アラルキルオキシ基」としては、例えば、ベンジロキシ、1−ナフチルメチルオキシ、2−ナフチルメチルオキシ等のC7−14アラルキルオキシ基が挙げられ、中でも、ベンジロキシ基が好ましい。
本明細書中、「複素環基」としては、芳香族複素環基及び非芳香族複素環基が挙げられる。
ここで、芳香族複素環基としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1乃至4個含有する4乃至7員(好ましくは5又は6員)の単環式芳香族複素環基及び縮合芳香族複素環基が挙げられる。該縮合芳香族複素環基としては、例えば、これら4乃至7員の単環式芳香族複素環基に対応する環と、1又は2個の窒素原子を含む5又は6員の芳香族複素環(例、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリジン、ピリミジン)、1個の硫黄原子を含む5員の芳香族複素環(例、チオフェン)及びベンゼン環から選ばれる1又は2個が縮合した環から誘導される基等が挙げられる。
芳香族複素環基の好適な例としては、
フリル、チエニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル等の単環式芳香族複素環基;
キノリル、イソキノリル、キナゾリル、キノキサリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、インダゾリル、ピロロピラジニル、イミダゾピリジル、チエノピリジル、イミダゾピラジニル、ピラゾロピリジル、ピラゾロチエニル、ピラゾロトリアジニル、ピリドピリジル等の縮合芳香族複素環基;
等が挙げられる。
本明細書中、「含窒素芳香族複素環基」とは、前記「芳香族複素環基」として例示した「芳香族複素環基」の中で、環構成原子として少なくとも1個の窒素原子を含み、さらに酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1又は2個含有していてもよい単環式芳香族複素環基若しくは縮合芳香族複素環基を意味する。
含窒素芳香族複素環基の好適な例としては、
ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル等の単環式含窒素芳香族複素環基;
キノリル、イソキノリル、キナゾリル、キノキサリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、インダゾリル、ピロロピラジニル、イミダゾピリジル、チエノピリジル、イミダゾピラジニル、ピラゾロピリジル、ピラゾロチエニル、ピラゾロトリアジニル、ピリドピリジル等の縮合含窒素芳香族複素環基;
等が挙げられる。
非芳香族複素環基としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1乃至4個含有する3乃至7員(好ましくは4乃至7員、より好ましくは5又は6員)の単環式非芳香族複素環基及び縮合非芳香族複素環基が挙げられる。該縮合非芳香族複素環基としては、例えば、これら3乃至7員の単環式非芳香族複素環基に対応する環と、1又は2個の窒素原子を含む5又は6員の芳香族複素環(例、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリジン、ピリミジン)、1個の硫黄原子を含む5員の芳香族複素環(例、チオフェン)及びベンゼン環から選ばれる1又は2個の環が縮合した環から誘導される基、並びに該基の部分飽和により得られる基等が挙げられる。
非芳香族複素環基の好適な例としては、
アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジル、モルホリニル(例、モルホリノ)、チオモルホリニル、ピペラジニル、ヘキサメチレンイミニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、イミダゾリニル、ジオキソリル、ジオキソラニル、ジヒドロオキサジアゾリル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、チオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフリル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、テトラヒドロピリミジニル、ジヒドロトリアゾリル、テトラヒドロトリアゾリル等の単環式非芳香族複素環基;
ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ジヒドロベンゾジオキセピニル、テトラヒドロベンゾフラニル、クロメニル、ジヒドロクロメニル、ジヒドロキノリル、テトラヒドロキノリル、ジヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ジヒドロフタラジニル、ヘキサヒドロフロピロリル等の縮合非芳香族複素環基;
等が挙げられる。
非芳香族複素環基は、架橋されていてもよい。架橋非芳香族複素環基の好適な例としては、(1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル等が挙げられる。
本明細書中、前記「複素環基」は、置換可能な位置に1乃至3個の置換基を有していてもよい。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
本明細書中、「置換アミノ基」とは、アミノ基の2個の水素原子のうちの少なくとも1個が水素原子以外の基で置換された基を意味し、2個の水素原子の両方が置換基により置換されている場合には、該置換基は、同一又は異なっていてもよい。
本明細書中、「置換アミノ基」を構成する置換基としては、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley and Sons刊(1980)に記載のアミノ基の保護基等を使用し得、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C6−10アリール基、複素環基、C7−14アラルキル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、アシル基(例、ホルミル基、C1−6アルキル−カルボニル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、C2−6アルケニロキシカルボニル基、C6−10アリール−カルボニル基、C7−14アラルキル−カルボニル基、C6−10アリールオキシ−カルボニル基、C7−14アラルキルオキシ−カルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、C6−10アリールスルホニル基、モノ若しくはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、フタロイル基等)、トリ置換シリル基等の基が挙げられる。上記の置換基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、シアノ基、ニトロ基等でそれぞれ更に置換されていてもよい。当該置換アミノ基の置換基の具体例としては、それぞれ独立して、メチル、エチル、イソプロピル、ベンジル、フェニル、ピリジル、メトキシ、アセチル、トリフルオロアセチル、ピバロイル、ベンゾイル、ナフトイル、tert−ブトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル、ベンズヒドリル、トリチル、フタロイル、アリルオキシカルボニル、メタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、p−トルエンスルホニル、o−ニトロベンゼンスルホニル、トリメチルシリルエトキシカルボニル、ジメチルカルバモイル等が挙げられ、好ましくは、それぞれハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい、メチル、フェニル、メトキシ、アセチル、ベンゾイル、メタンスルホニル、ベンゼンスルホニル等である。
「置換アミノ基」の別の好適な例としては、置換されていてもよい第2級環状アミノ基が挙げられる。
本明細書中、「環状アミノ基」とは、アミノ基の窒素原子と共に形成される、第2級又は第3級の飽和又は部分不飽和の含窒素非芳香族複素環基を意味する。「環状アミノ基」としては、アミノ基の窒素原子の他の環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を有していてもよく、4乃至7員(好ましくは5又は6員)の単環式含窒素非芳香族複素環基及び縮合含窒素非芳香族複素環基が挙げられる。「環状アミノ基」の例としては、例えば、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピペリジル、アゼパニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロピリミジニル、ジヒドロトリアゾリル、テトラヒドロトリアゾリル等の4ないし7員の単環式含窒素非芳香族複素環基、該単環式含窒素非芳香族複素環と1又は2個の炭素環(例、ベンゼン環、ビシクロ環(例、ノルボルネン等)等)が縮合した環基等の第2級環状アミノ基、ならびにキヌクリジニル基等の第3級環状アミノ基が挙げられる。
「置換されていてもよい(第2級)環状アミノ基」の好適な例としては、例えば、それぞれ置換されていてもよい、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピペリジル、アゼパニル、モルホリニル、チオモルホリニル、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル(コハク酸イミド基)、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−イル(フタルイミド基)、2,5−ジオキソ−3−ピロリン−1−イル(マレインイミド基)、2−ピペリドン−1−イル、1,2−ジヒドロ−2−オキソピリジン−1−イル、1,4−ジヒドロ−4−オキソピリジン−1−イル、9H−カルバゾール−9−イル、1,3−ジオキソ−1,3,3a,4,7,7a−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−2H−イソインドール−2−イル(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド)、2−オキソイミダゾリン−1−イル等の第2級環状アミノ基が挙げられ、好ましくは、モルホリニル、2,5−ジオキソ−3−ピロリン−1−イル、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−イル、2−ピペリドン−1−イル、1,2−ジヒドロ−2−オキソピリジン−1−イル、1,4−ジヒドロ−4−オキソピリジン−1−イル、2−オキソイミダゾリン−1−イル又は9H−カルバゾール−9−イルである。
「置換されていてもよい第3級環状アミノ基」の好適な例としては、例えば、置換されていてもよいキヌクリジニル(例、キヌクリジニル、3−アミノキヌクリジニル、3−ヒドロキシキヌクリジニル等)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクチル(DABCO)、ストリキニーネ、ブルシン、キニーネ、キニジン、メキタジン等が挙げられ、好ましくは、キヌクリジニルである。
本明細書中、「置換メルカプト基」としては、例えば、それぞれ置換されていてもよい、C1−20アルキル基、C2−20アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルケニル基、C6−10アリール基、C7−14アラルキル基、アシル基(例、C1−20アルキル−カルボニル基、C6−10アリール−カルボニル基、C1−20アルキルスルホニル基、C6−10アリールスルホニル基等)、置換されていてもよいシリル基(例、トリC1−4アルキルシリル基等)、複素環基等から選ばれる置換基で置換されたメルカプト基が挙げられる。
「置換メルカプト基」の好適な例としては、例えば、製造時の取扱い易さの観点から無臭チオール由来の基が挙げられる。具体的には、例えば、Node, M. et al., Tetrahedron Lett., 2001, 42, 9207に記載のドデシルチオ基、4−ドデシルフェニルチオ基等が好ましく、市販品から誘導可能なドデシルチオ基が特に好ましい。
本明細書中、「置換されていてもよいアシル基」における「アシル基」とは、例えば、ホルミル基、C1−20アルキル−カルボニル基、C1−20アルコキシ−カルボニル基、C3−10シクロアルキル−カルボニル基、C3−10シクロアルキルオキシ−カルボニル基、C7−14アラルキル−カルボニル基、C7−14アラルキルオキシ−カルボニル基、C6−10アリール−カルボニル基、C6−10アリールオキシ−カルボニル基、カルバモイル基(−CONH)、モノ若しくはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基、モノ若しくはジ−C3−10シクロアルキル−カルバモイル基、モノ若しくはジ−複素環カルバモイル基、C1−20アルキルスルホニル基、C6−10アリールスルホニル基、環状アミノカルボニル基、複素環カルボニル基、チオカルバモイル基(−CSNH)、モノ若しくはジ−C1−6アルキルチオカルバモイル基、モノ若しくはジ−C3−10シクロアルキルチオカルバモイル基、環状アミノカルボニル基、複素環カルボニル基、スルファモイル基(−S(O)NH)、モノ若しくはジ−C1−6アルキルスルファモイル基、モノ若しくはジ−C3−10シクロアルキルスルファモイル基、環状アミノスルホニル基、複素環スルホニル基等を包含する基を意味する。
「置換されていてもよいアシル基」の好適な例としては、置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基(例、アセチル、ピバロイル等)、置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、置換されていてもよいC7−14アラルキルオキシ−カルボニル基(例、ベンジロキシカルボニル等)、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル−カルボニル基(例、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル等)、置換されていてもよいC3−10シクロアルキルオキシ−カルボニル基、置換されていてもよいC6−10アリール−カルボニル基(例、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル等)、置換されていてもよいジ(C1−6アルキル)カルバモイル基(例、ジメチルカルバモイル等)、置換されていてもよいC1−20アルキルスルホニル基(例、メタンスルホニル等)、置換されていてもよいC6−10アリールスルホニル基(例、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル等)、置換されていてもよいジ(C1−6アルキル)スルファモイル基(例、ジメチルスルファモイル等)、置換されていてもよい環状アミノカルボニル基(例、ピロリジルカルボニル、ピペリジルカルボニル、モルホリニルカルボニル等)、置換されていてもよい環状アミノスルホニル基(例、ピロリジルスルホニル、ピペリジルスルホニル、モルホリニルスルホニル等)、置換されていてもよい複素環カルボニル基(例、ピリジルカルボニル等)等が挙げられる。中でも、アセチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ベンゾイル、メタンスルホニル、ドデシルスルホニル、ドデシルスルフィニル、トリフルオロメタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル、ジメチルカルバモイル等のアシル基が特に好ましい。
本明細書中、「環状アミノカルボニル基」又は「環状アミノスルホニル基」とは、含窒素非芳香族複素環基の環構成窒素原子にカルボニル又はスルホニルが結合したものであり、例えば、ピロリジニルカルボニル基、ピペリジルカルボニル基、モルホリニルカルボニル基、ピロリジニルスルホニル基、ピペリジルスルホニル基、モルホリニルスルホニル基、等が挙げられる。「環状アミノ」としては、前記「置換されていてもよい環状アミノ基」における「環状アミノ基」として例示した「第2級環状アミノ基」が挙げられる。
本明細書中、「複素環カルボニル基」又は「複素環スルホニル基」の複素環としては、前記「複素環基」として例示した「芳香族複素環基」及び「非芳香族複素環基」が挙げられる。
「C1−6アルキル−カルボニル基」とは、−C(=O)−に「C1−6アルキル基」が結合した基を意味し、例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec−ブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、イソペンチルカルボニル、ネオペンチルカルボニル、ヘキシルカルボニル等が挙げられる。中でも、C1−4アルキル−カルボニル基が好ましく、アセチル基が特に好ましい。
本明細書中、「C6−10アリール−カルボニル基」とは、−C(=O)−に「C6−10アリール基」が結合した基を意味し、例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル等が挙げられる。中でも、ベンゾイル基が好ましい。
本明細書中、「C1−6アルコキシ−カルボニル基」とは、−C(=O)−に「C1−6アルコキシ基」が結合した基を意味し、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル等が挙げられる。中でも、C1−4アルコキシ−カルボニル基が好ましい。
本明細書中、「アルキルスルフィニル基」とは、−S(O)−に「アルキル基」が結合した基を意味し、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、sec−ブチルスルフィニル、tert−ブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニル、イソペンチルスルフィニル、ネオペンチルスルフィニル、ヘキシルスルフィニル、ヘプチルスルフィニル、オクチルスルフィニル、ノニルスルフィニル、デシルスルフィニル、ウンデシルスルフィニル、ドデシルスルフィニル等のC1−20アルキルスルフィニル基が挙げられる。中でも、ドデシルスルフィニル基が好ましい。
本明細書中、「アリールスルフィニル基」とは、−S(O)−に「アリール基」が結合した基を意味し、例えば、フェニルスルフィニル、1−ナフチルスルフィニル、2−ナフチルスルフィニル等のC6−10アリールスルフィニル基が挙げられる。中でも、フェニルスルフィニル基が好ましい。
本明細書中、「アルキルスルホニル基」とは、−S(O)−に「アルキル基」が結合した基を意味し、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、イソペンチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニル、ヘプチルスルホニル、オクチルスルホニル、ノニルスルホニル、デシルスルホニル、ウンデシルスルホニル、ドデシルスルホニル等のC1−20アルキルスルホニル基が挙げられる。中でも、ドデシルスルホニル基が好ましい。
本明細書中、「アリールスルホニル基」とは、−S(O)−に「アリール基」が結合した基を意味し、例えば、フェニルスルホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニル等のC6−10アリールスルホニル基が挙げられる。中でも、フェニルスルホニル基が好ましい。
本明細書中、「置換されていてもよいアルキルスルホニロキシ基」における「アルキルスルホニロキシ基」とは、−S(O)−O−の硫黄原子に「アルキル基」が結合した基を意味し、例えば、メチルスルホニロキシ、エチルスルホニロキシ、プロピルスルホニロキシ、イソプロピルスルホニロキシ、ブチルスルホニロキシ、イソブチルスルホニロキシ、sec−ブチルスルホニロキシ、tert−ブチルスルホニロキシ、ペンチルスルホニロキシ、イソペンチルスルホニロキシ、ネオペンチルスルホニロキシ、ヘキシルスルホニロキシ等のC1−6アルキルスルホニロキシ基が挙げられる。中でも、C1−4アルキルスルホニロキシ基が好ましい。「置換されていてもよいアルキルスルホニロキシ基」としては、ハロゲン原子により置換されていてもよいメチルスルホニロキシ基(例、トリフルオロメタンスルホニロキシ基)が特に好ましい。
本明細書中、「置換されていてもよいアリールスルホニロキシ基」とは、−S(O)−O−の硫黄原子に「アリール基」が結合した基を意味し、例えば、フェニルスルホニロキシ、1−ナフチルスルホニロキシ、2−ナフチルスルホニロキシ等が挙げられる。中でも、フェニルスルホニロキシ基が好ましい。「置換されていてもよいアリールスルホニロキシ基」としては、メチル基により置換されていてもよいフェニルスルホニロキシ基(例、ベンゼンスルホニロキシ基、p−トルエンスルホニロキシ基)が特に好ましい。
本明細書中、「置換されていてもよいアルキルスルホナート」における「アルキルスルホナート」とは、−SO に「アルキル基」が結合した基を意味し、例えば、メチルスルホナート、エチルスルホナート、プロピルスルホナート、イソプロピルスルホナート、ブチルスルホナート、イソブチルスルホナート、sec−ブチルスルホナート、tert−ブチルスルホナート、ペンチルスルホナート、イソペンチルスルホナート、ネオペンチルスルホナート、ヘキシルスルホナート等が挙げられる。中でも、C1−4アルキルスルホナートが好ましい。「置換されていてもよいアルキルスルホナート」としては、ハロゲン原子により置換されていてもよいメチルスルホナート(例、トリフルオロメタンスルホナート)が特に好ましい。
本明細書中、「置換されていてもよいアリールスルホナート」における「アリールスルホナート」とは、−SO に「アリール基」が結合した基を意味し、例えば、フェニルスルホナート、1−ナフチルスルホナート、2−ナフチルスルホナート等のC6−10アリールスルホナートが挙げられる。中でも、フェニルスルホナートが好ましい。「置換されていてもよいアリールスルホナート」における「アリールスルホナート」としては、メチル基により置換されていてもよいフェニルスルホナート(例、ベンゼンスルホナート、p−トルエンスルホナート)が特に好ましい。
本明細書中、「トリ置換シリル基」とは、同一又は異なる3個の置換基(例、C1−6アルキル基、C6−10アリール基等)により置換されたシリル基を意味し、当該基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよい」とは、特に規定する場合を除き、1個以上の置換基を有していてもよいことを意味し、該「置換基」としては、(1)ハロゲン原子、(2)ニトロ基、(3)シアノ基、(4)ヒドロキシ基、(5)置換アミノ基、(6)オキソ基、(7)チオキソ基、(8)置換メルカプト基、(9)C1−6アルキル基、(10)C3−8シクロアルキル基、(11)C3−8シクロアルケニル基、(12)C2−8アルケニル基、(13)C2−8アルキニル基、(14)C1−6アルコキシ基、(15)C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基、(16)C1−6アルキレンジオキシ基、(17)C6−10アリール基、(18)C6−10アリールオキシ基、(19)C7−14アラルキル基、(20)C7−14アラルキルオキシ基、(21)C1−6アルコキシ−カルボニル基、(22)C7−14アラルキルオキシ−カルボニル基、(23)C1−6アルキル−カルボニル基、(24)C6−10アリール−カルボニル基、(25)C1−6アルキル−カルボニロキシ基、(26)C6−10アリール−カルボニロキシ基、(27)C6−10アリールオキシ−カルボニル基、(28)C1−6アルキルスルホニル基、(29)C6−10アリールスルホニル基、(30)ホルミル基、(31)アジド基、(32)C1−20アルキルチオ基、(33)C6−10アリールチオ基、(34)ジ(C1−6アルキル)カルバモイル基、(35)トリ置換シリル基、(36)ウレイド基、(37)環状アミノカルボニル基、(38)環状アミノスルホニル基、(39)ジアルキルホスホノ基、(40)アミジノオキシ基等が挙げられる。中でも、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、メチレンジオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニル、ベンジルオキシカルボニル、アセチル、ベンゾイル、ホルミル、ベンジル、トリチル、フェニル、フェノキシ、ナフチル、アジド、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルアミノ、tert−ブトキシカルボニルアミノが好ましい。また、複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記置換基は、さらに上記置換基で置換されていてもよい。置換基の数は、置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1乃至5個、より好ましくは1乃至3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
(本発明の化合物)
本発明の化合物は、下記式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)と称することもある。)である。
式(I):
[式中、
は、C1−4アルキル基を示し、
及びRは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基を示すか、又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第2級環状アミノ基を形成し、或いは、
、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第3級環状アミノ基を形成し;
は、置換されていてもよいアルコキシ基、又は置換されていてもよいアリールオキシ基を示し、且つXは、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基を示すか、或いは
及びXが、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基を示し;ならびに
は、求核性がないか、又は求核性が低い対アニオンを示す。]
で表される化合物である。
以下、本発明の化合物(I)の各基について説明する。
は、C1−4アルキル基を示し、好ましくは、メチル基である。
がC1−4アルキル基を示す場合、
及びRは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基であり、より好ましくは、メチル基又はエチル基である。)を示すか、又は
及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第2級環状アミノ基(好ましくは、モルホリノ基、チオモルホリノ基、ピペリジル基若しくはピロリジル基であり、より好ましくは、モルホリノ基である。)を形成する。各基は、それぞれ前述した置換基により置換されていてもよく、複数の置換基を有する場合、それらは、同一でも異なっていてもよい。
また、別の態様として、R、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第3級環状アミノ基(好ましくは、キヌクリジニル基)を形成してもよい。
、R及びRとしては、
が、メチル基であり、且つR及びRが、それらが結合する窒素原子と一緒になってモルホリノ基を形成するのが、特に好ましい。
は、置換されていてもよいアルコキシ基、又は置換されていてもよいアリールオキシ基を示し、好ましくは、C1−4アルコキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基である。
は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基を示す。
は、好ましくは、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいC6−10アリール基である。
は、より好ましくは、置換されていてもよいC1−4アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいフェニル基である
は、特に好ましくは、C1−4アルキル基(例、メチル基、エチル基、t−ブチル基等)、置換されていてもよいC2−8アルキニル基(例、エチニル基、1−オクチニル基、トリメチルシリルエチニル基等)、又は置換されていてもよいフェニル基(例、フェニル基、トリル基、キシリル基、メトキシフェニル基、トリイソプロピルフェニル基、ジシアノフェニル基等)である。
また、別の態様として、X及びXは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基を示す。
別の好ましい態様としては、X及びXは、それぞれ独立して、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいC6−10アリール基である。
別のより好ましい態様としては、X及びXは、それぞれ独立して、置換されていてもよいC1−4アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいフェニル基である。
別の特に好ましい態様としては、X及びXは、それぞれ独立して、C1−4アルキル基(例、メチル基、エチル基、t−ブチル基等)、置換されていてもよいC2−8アルキニル基(例、エチニル基、1−オクチニル基、トリメチルシリルエチニル基等)、又は置換されていてもよいフェニル基(例、フェニル基、トリル基、キシリル基、メトキシフェニル基、トリイソプロピルフェニル基、ジシアノフェニル基等)である。
は、求核性がないか、又は求核性が低い対アニオンを示し、好ましくは、例えば、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド、置換されていてもよいアルキルスルホナート、置換されていてもよいアリールスルホナート、ペルクロラート、テトラフルオロボラート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモナート、テトラフェニルボラート、及びアルセナートからなる群より選択される対アニオンである。
は、より好ましくは、クロリド、トリフルオロメタンスルホナート、ベンゼンスルホナート、トルエンスルホナート、又はペルクロラートであり、特に好ましくは、クロリド又はトリフルオロメタンスルホナートである。
化合物(I)としては、以下の化合物が好適である。
[化合物(IA)]
が、メチル基であり;
及びRが、それぞれ独立して、C1−4アルキル基であり;
が、置換されていてもよいC1−4アルコキシ基であり;
が、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいC6−10アリール基であり;及び
が、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド、置換されていてもよいアルキルスルホナート、置換されていてもよいアリールスルホナート、ペルクロラート、テトラフルオロボラート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモナート、テトラフェニルボラート又はアルセナートである、化合物(I)。
[化合物(IB)]
が、メチル基であり;
及びRが、それらが結合する窒素原子と一緒になってモルホリノ基、チオモルホリノ基、ピペリジル基又はピロリジル基を形成し;
が、置換されていてもよいC1−4アルコキシ基であり;
が、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいC6−10アリール基であり;及び
が、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド、置換されていてもよいアルキルスルホナート、置換されていてもよいアリールスルホナート、ペルクロラート、テトラフルオロボラート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモナート、テトラフェニルボラート又はアルセナートである、化合物(I)。
[化合物(IC)]
、R及びRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよいキヌクリジニル基を形成し;
が、置換されていてもよいC1−4アルコキシ基であり;
が、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいC6−10アリール基であり;及び
が、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド、置換されていてもよいアルキルスルホナート、置換されていてもよいアリールスルホナート、ペルクロラート、テトラフルオロボラート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモナート、テトラフェニルボラート又はアルセナートである、化合物(I)。
[化合物(IA’)]
が、メチル基であり;
及びRが、それぞれ独立して、C1−4アルキル基であり;
及びXは、それぞれ独立して、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいC6−10アリール基であり;及び
が、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド、置換されていてもよいアルキルスルホナート、置換されていてもよいアリールスルホナート、ペルクロラート、テトラフルオロボラート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモナート、テトラフェニルボラート又はアルセナートである、化合物(I)。
[化合物(IB’)]
が、メチル基であり;
及びRが、それらが結合する窒素原子と一緒になってモルホリノ基、チオモルホリノ基、ピペリジル基又はピロリジル基を形成し;
及びXは、それぞれ独立して、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいC6−10アリール基であり;及び
が、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド、置換されていてもよいアルキルスルホナート、置換されていてもよいアリールスルホナート、ペルクロラート、テトラフルオロボラート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモナート、テトラフェニルボラート又はアルセナートである、化合物(I)。
[化合物(IC’)]
、R及びRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよいキヌクリジニル基を形成し;
及びXは、それぞれ独立して、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいC6−10アリール基であり;及び
が、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド、置換されていてもよいアルキルスルホナート、置換されていてもよいアリールスルホナート、ペルクロラート、テトラフルオロボラート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモナート、テトラフェニルボラート又はアルセナートである、化合物(I)。
[化合物(ID)]
が、メチル基であり;
及びRが、それぞれ独立して、メチル基又はエチル基であり;
が、メトキシ基であり;
が、置換されていてもよいC1−4アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいフェニル基であり;及び
が、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキルスルホナート、置換されていてもよいC6−10アリールスルホナート、又はペルクロラートである、化合物(I)。
[化合物(IE)]
が、メチル基であり;
及びRが、それらが結合する窒素原子と一緒になってモルホリノ基を形成し;
が、メトキシ基であり;
が、C1−4アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいフェニル基であり;及び
が、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキルスルホナート、置換されていてもよいC6−10アリールスルホナート、又はペルクロラートである、化合物(I)。
[化合物(ID’)]
が、メチル基であり;
及びRが、それぞれ独立して、メチル基又はエチル基であり;
及びXが、それぞれ独立して、C1−4アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいフェニル基であり;及び
が、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキルスルホナート、置換されていてもよいC6−10アリールスルホナート、又はペルクロラートである、化合物(I)。
[化合物(IE’)]
が、メチル基であり;
及びRが、それらが結合する窒素原子と一緒になってモルホリノ基を形成し;
及びXが、それぞれ独立して、C1−4アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいフェニル基であり;及び
が、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキルスルホナート、置換されていてもよいC6−10アリールスルホナート、又はペルクロラートである、化合物(I)。
[化合物(IF)]
が、メチル基であり;
及びRが、それらが結合する窒素原子と一緒になってモルホリノ基を形成し;
が、メトキシ基であり;
が、C1−4アルキル基(例、メチル基、エチル基、t−ブチル基等)、置換されていてもよいC2−8アルキニル基(例、エチニル基、1−オクチニル基、トリメチルシリルエチニル基等)、又は置換されていてもよいフェニル基(例、フェニル基、トリル基、キシリル基、メトキシフェニル基、トリイソプロピルフェニル基、ジシアノフェニル基等)であり;及び
が、クロリド、トリフルオロメタンスルホナート、ベンゼンスルホナート、トルエンスルホナート、又はペルクロラートである、化合物(I)。
[化合物(IF’)]
が、メチル基であり;
及びRが、それらが結合する窒素原子と一緒になってモルホリノ基を形成し;
及びXが、それぞれ独立して、C1−4アルキル基(例、メチル基、エチル基、t−ブチル基等)、置換されていてもよいC2−8アルキニル基(例、エチニル基、1−オクチニル基、トリメチルシリルエチニル基等)、又は置換されていてもよいフェニル基(例、フェニル基、トリル基、キシリル基、メトキシフェニル基、トリイソプロピルフェニル基、ジシアノフェニル基等)であり;及び
が、クロリド、トリフルオロメタンスルホナート、ベンゼンスルホナート、トルエンスルホナート、又はペルクロラートである、化合物(I)。
好適な化合物(I)としては、具体的には、後述する実施例に記載の化合物(II−1)〜化合物(II−14)と化合物(III)(例、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン等)との反応により得られる化合物が挙げられ、より好ましくは、化合物(II−1)〜化合物(II−14)とN−メチルモルホリンとの反応により得られる化合物である。
また、本願発明には、上記化合物(I)の合成前駆体である式(II):
[式中、Xは、置換されていてもよいアルコキシ基、又は置換されていてもよいアリールオキシ基を示し、且つXは、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基を示し;及び
Y’は、ハロゲン原子(好ましくは、塩素原子)、トリフルオロメタンスルホニロキシ基、メタンスルホニロキシ基、又はトルエンスルホニロキシ基を示す。]
で表される化合物(以下、化合物(II)と称する。)と、下記式(III):
[式中、Rは、C1−4アルキル基を示し、
及びRは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基を示すか、又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第2級環状アミノ基を形成し、或いは、
、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第3級環状アミノ基を形成する。]
との混合物も含まれる。
好適な化合物(II)と化合物(III)の混合物における好適な化合物(II)としては、前記した化合物(IA)、化合物(IA’)、化合物(IB)、化合物(IB’)、化合物(IC)、化合物(IC’)、化合物(ID)、化合物(ID’)、化合物(IE)、化合物(IE’)、化合物(IF)及び化合物(IF’)における基N(R)(R)(R) Yが、それぞれ基Y’(ハロゲン原子(好ましくは、塩素原子)、トリフルオロメタンスルホニロキシ基、メタンスルホニロキシ基、又はトルエンスルホニロキシ基であり、好ましくは、ハロゲン原子又はトリフルオロメタンスルホニロキシ基であり、特に好ましくは、塩素原子又はトリフルオロメタンスルホニロキシ基である。)に置換された化合物が挙げられる。
好適な化合物(II)としては、具体的には、後述する実施例に記載の化合物(II−1)〜化合物(II−14)である。
好適な化合物(II)と化合物(III)の混合物における好適な化合物(III)としては、例えば、N−メチルモルホリン(以下、NMMともいう。)、N−メチルピペリジン、N−エチル−4−tert−ブチルピペリジン等が挙げられ、中でも、N−メチルモルホリンが特に好ましい。
(本発明の化合物(I)の合成)
本発明の化合物(I)の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、以下のような反応を経て合成することができる。
原料化合物は、特に述べない限り、市販品として容易に入手できるか、或いは、自体公知の方法(Hintermann, L. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 2008, 47, 8246-8250; Yamada, K. et al., Chem. Eur. J., 2014, 20, 12274-12278)又はこれらに準ずる方法に従って製造することができる。
なお、以下の反応式中の各工程で得られた化合物は、反応液のままか粗生成物として次の反応に用いることもできる。あるいは、該化合物は常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの通常の分離手段により容易に精製することができる。
本発明の化合物(I)は、例えば、製造法1又は2により製造することができる。
(製造法1)
[式中、Y’’は、ハロゲン原子であり、他の各記号は、前記と同義である。]
工程1
当該工程は、化合物(1a)の3個のY’基(好ましくは、塩素原子である。)のうちの1個をXで置換することにより、化合物(1b)を製造する工程である。
当該反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中、化合物(1a)をグリニャール試薬(XMgY’’)と反応させることにより行われる。
MgY’’の使用量は、化合物(1a)1モルに対して、通常1〜1.2モルである。
溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコール−ジメチルエーテル(DME)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム(diglyme))等のエーテル類が挙げられ、中でもTHFが特に好ましい。
反応温度は、通常−78℃〜120℃、好ましくは−10℃〜80℃、より好ましくは0℃〜60℃である。
反応時間は、通常0.1〜30時間である。
工程2
当該工程は、化合物(1b)の2個のY’基(好ましくは、塩素原子である。)のうちの1個をXで置換することにより、化合物(II)を製造する工程である。
当該反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中、塩基の存在下、化合物(1b)をXH(例、アルコール化合物、フェノール化合物等)と反応させることにより行われる。
一方、化合物(II)におけるXがX同一の基である場合には、前記工程1において、XMgY’’を前記の2倍量用いることで、本工程を省略することができる。
Hの使用量は、化合物(1b)1モルに対して、通常1〜1.2モルである。
塩基としては、例えば、水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素アルカリ金属;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピコリン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン(NMM)、N,N−ジメチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、テトラメチルグアニジン、1,10−フェナントロリン等の有機塩基類等が挙げられ、中でも水素化ナトリウム又は1,10−フェナントロリンが好ましい。
該塩基の使用量は、化合物(1b)1モルに対して、通常1〜1.5モルである。
溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコール−ジメチルエーテル(DME)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム(diglyme))等のエーテル類;ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等の尿素類等が挙げられ、中でもTHFが特に好ましい。
反応温度は、通常−78℃〜120℃、好ましくは−10℃〜80℃、より好ましくは0℃〜60℃である。
反応時間は、通常0.1〜30時間である。
工程3
当該工程は、化合物(II)と化合物(III)との反応により、化合物(I’)を製造する工程である。
当該反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中で行われる。
化合物(III)の使用量は、化合物(II)1モルに対して、通常1〜4モルであり、好ましくは1〜1.5モルである。
溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;1,4−ジオキサン、THF、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、DME、ジグライム等のエーテル類;ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;アセトニトリル等のニトリル類;メタノール、エタノール等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類;1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等の尿素類;水あるいはリン酸塩等を含む緩衝液;それらの混合溶媒等が挙げられ、中でもジクロロメタン、クロロホルム、THF、ジエチルエーテル、アセトニトリル、ヘキサン等が特に好ましい。
反応温度は、通常0℃〜120℃、好ましくは室温〜80℃である。
反応時間は、通常0.1〜6時間である。
工程4
当該工程は、工程3により得られた化合物(I’)を、反応に影響を及ぼさない溶媒中、MYと混合することにより、対アニオンであるY’を他の対アニオンYへと変換し、化合物(I)を合成する工程である。なお、本工程は、Y’がYと同一の基である場合には、省略することができる。
MYで表される反応剤におけるMは、金属原子、または4級アンモニウム基を示し、具体的には、例えば、リチウム、カリウム、ナトリウム、セシウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、金、銀等の貴金属、タリウム等の重金属、テトラメチルアンモニウム基等が挙げられ、中でも好ましくは、リチウム、ナトリウムまたは銀である。
MYで表される反応剤におけるYは、前記Yに対応する基のうち、Y’としてなり得る塩素原子、置換されていてもよいアルキルスルホニロキシ基又は置換されていてもよいアリールスルホニロキシ基以外の求核性がないか、又は求核性が低い基を示し、具体的には、例えば、ペルクロラート、テトラフルオロボラート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモナート、テトラフェニルボラート、アルセナート等が挙げられる。
該MYの使用量は、化合物(I)1モルに対して、通常1〜10モルであり、好ましくは、1〜3当量である。
溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;1,4−ジオキサン、THF、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、DME、ジグライム等のエーテル類;ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;メタノール、エタノール等のアルコール類;酢酸エチル等のエステル類;1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等の尿素類;水;それらの混合溶媒(例、混合有機溶媒、水と有機溶媒の二層系等)等が挙げられ、中でもジクロロメタン、エーテル、ヘキサンが特に好ましい。
反応温度は、通常−30〜100℃、好ましくは0〜40℃である。
反応時間は、通常0.1〜30時間である。
また、工程4は、工程3に組み込むこともできる。すなわち、MYで表される反応剤の存在下で工程3を行うことにより、化合物(II)から化合物(I)を直接調製することも可能である。
(製造法2)
[式中、Rは、置換されていてもよいアルキル基または置換されていてもよいアリール基を示し、他の各記号は、前記と同義である。]
工程5
当該工程は、化合物(II)のY’基をヒドロキシ基へと変換することにより、化合物(IVa)(実際には、その互変異性体である化合物(IVb))を製造する工程である。
当該反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中、カルボン酸塩および3級アミンを用いて行われる。
カルボン酸塩および3級アミンの使用量は、化合物(II)1モルに対して、通常1〜3モルであり、好ましくは、1〜2モルである。
カルボン酸塩としては、カルボン酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩であればよく、カルボン酸の種類は問わない。具体的には、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸テトラエチルアンモニウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸テトラエチルアンモニウム等が挙げられるが、実用的観点から、酢酸ナトリウムが特に好ましい。
3級アミンとしては、化合物(II)と反応して脱水縮合能を有するトリアジニルアンモニウム塩を形成するものであればよく、具体的には、例えば、4−メチルモルホリン、メチルピペリジン、ジエチルメチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、キヌクリジン、メチルピロリジン等が挙げられ、中でも4−メチルモルホリンが特に好ましい。
溶媒としては、反応基質を溶解するものであればよく、例えば、THF等のエーテル類、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、アルコール系溶媒、水、水−アルコール系混合溶媒等が挙げられ、中でもアルコール系溶媒若しくは水−アルコール系混合溶媒が好ましい。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(2−プロパノール)、ブタノール、tert−ブタノールが挙げられ、中でもメタノールが特に好ましい。
反応温度は、通常−30〜120℃、好ましくは0〜100℃である。
反応時間は、通常0.1〜30時間である。
工程6
当該工程は、化合物(IVa)(若しくは化合物(IVb))のヒドロキシ基を置換されていてもよいアルキルスルホニロキシ基または置換されていてもよいアリールスルホニロキシ基(RSO−O基)へと変換することにより、化合物(V)を製造する工程である。
当該反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中、アルキルスルホニル化剤またはアリールスルホニル化剤を用いて行われ、塩基の存在下で行うのが好ましい。
該アルキルスルホニル化剤またはアリールスルホニル化剤としては、置換されていてもよいアルキルスルホン酸無水物、置換されていてもよいアルキルスルホン酸ハロゲン化物(クロリド、ブロミドまたはヨージド)、置換されていてもよいアリールスルホン酸無水物、置換されていてもよいアリールスルホン酸ハロゲン化物等が挙げられる。該アルキルスルホニル化剤またはアリールスルホニル化剤の使用量は、化合物(IVa)(若しくは化合物(IVb))1モルに対して、通常1〜3モルであり、好ましくは、1〜2モルである。該アルキルスルホニル化剤またはアリールスルホニル化剤としては、トリフルオロメタンスルホニル化剤が好ましく、中でも、トルフルオロメタンスルホン酸無水物が特に好ましい。
塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素アルカリ金属;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン)、ピリジン、ピコリン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、テトラメチルグアニジン等の有機塩基類等が挙げられ、中でもトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等が好ましい。
該塩基の使用量は、化合物(IVa)(若しくは化合物(IVb))1モルに対して、通常1〜3モルであり、好ましくは、1〜2モルである。
溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;1,4−ジオキサン、THF、ジエチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、DME、ジグリム等のエーテル類;ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類が挙げられ、中でもジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類が特に好ましい。
反応温度は、通常−30〜120℃、好ましくは0〜100℃である。
反応時間は、通常0.1〜30時間である。
化合物(V)は、前記製造法1の工程3、すなわち、化合物(III)との反応、に付すことにより、化合物(I)を製造することができる。
化合物(I)が、光学異性体、立体異性体、位置異性体等の異性体を有する場合には、いずれの異性体もそれらの混合物も本発明の化合物(I)に包含される。例えば、化合物(I)に光学異性体が存在する場合には、ラセミ体から分割された光学異性体も化合物(I)に包含される。これらの異性体は、自体公知の合成手法、分離手法(例、濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶)等によりそれぞれを光学的に純粋な化合物として得ることができる。
化合物(I)は、溶媒和物(例、水和物、アルコール和物等)であっても、無溶媒和物であってもよい。
化合物(I)はまた、同位元素(例、H,14C等)などで標識されていてもよい。
さらに、化合物(I)は、重水素変換体であってもよい。
(本発明の化合物(I)を脱水縮合剤として用いるカルボン酸誘導体の製造方法)
本発明の化合物(I)は、カルボキシ基を有する化合物(以下、カルボン酸化合物と称することもある。)と求核性官能基を有する化合物(例、アルコール化合物、メルカプト(チオール)化合物、アミン化合物等)とからカルボン酸誘導体(例、エステル化合物、チオエステル化合物、アミド化合物等)を製造する際の脱水縮合剤として好適に使用することができる。中でも、アミド化合物又はエステル化合物を製造する際の脱水縮合剤として、本発明の化合物(I)は、特に好適に使用することができる。
本発明のカルボン酸誘導体の製造方法において、縮合剤として使用する化合物(I)の種類及びその使用量は特に限定されず、反応系に応じて適宜決定すればよい。化合物(I)の使用量については、あまりに少ないと縮合反応が未完に終わり、またあまりに多いと副反応を起こす可能性があるので、副反応の起こり易さ等も考慮して、例えば、アミド化反応の場合には、カルボン酸1モルに対して通常0.9〜1.3モル、好ましくは0.95〜1.2モルであり、エステル化反応の場合には、カルボン酸1モルに対して通常0.9〜3モル、好ましくは0.95〜2.5モルである。
本発明のカルボン酸誘導体の製造方法において使用されるカルボン酸化合物としては、カルボキシ基を有する化合物であれば何ら制限なく使用することができる。本発明の化合物(I)を縮合剤として用いることにより、前述したDMT−MM等のジメトキシトリアジン型四級アンモニウム塩を縮合剤として用いた場合には、縮合反応が進行しなかったり、反応完結に長時間を要した化合物(立体障害を有するカルボン酸化合物、求核性の低いカルボン酸化合物、立体障害を有するアミン化合物等)を反応基質として用いた場合でも、反応時間の短縮と目的物の収率の改善効果が確認された。
本発明のカルボン酸誘導体の製造方法の中で、アミド化合物の製造方法において使用されるアミン化合物としては、第1級アミノ基又は第2級アミノ基を有する化合物であれば何ら制限なく使用することができる。
本発明のアミド化合物の製造方法における、カルボン酸化合物及びアミン化合物の使用量は特に制限されないが、該製造方法におけるカルボキシ基とアミノ基との反応は量論反応であるため、各基をそれぞれ分子内に1個ずつ有する化合物同士の反応においては、カルボン酸1モルに対して、アミン化合物を、通常0.8〜1.2モル、好ましくは0.9〜1.1モル使用する。
本発明のアミド化合物の製造方法における脱水縮合反応(アミド化反応)は、溶媒中で行うのが好適である。通常、アミド化反応のように脱水を伴う縮合反応は、脱水された非プロトン性溶媒中で行うのが一般的であるが、本発明の化合物(I)を縮合剤として用いた場合には、非プロトン性溶媒中のみならず、水、プロトン性有機溶媒、又は含水有機溶媒のような広範な溶媒中で縮合反応を行うことができる。
アミド化反応の溶媒としては、工業的に使用できる溶媒が何等制限なく用いることができる。溶媒の具体例としては、例えば、水、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジメチルカーボネート等のカーボネート類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等を挙げることができる。中でも高い反応収率が期待できるという点で、THF、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン
、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジメチルカーボネート等のカーボネート類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;又は水若しくはリン酸塩等を含む緩衝液が好適に使用される。これらの溶媒は単独で使用しても、二以上の溶媒を混合して使用してもよい。
リン酸塩等を含む緩衝液を溶媒として使用する場合のpHは、通常2〜12であり、好ましくは5〜9である。
アミド化反応における反応温度は、使用するカルボン酸化合物とアミン化合物の種類により最適な温度は異なるが、通常−30〜60℃、好ましくは−20〜50℃の範囲の温度を採用するのが好適である。
アミド化反応における反応時間は、使用するカルボン酸化合物とアミン化合物の種類により異なるが、通常0.1〜8時間、好ましくは0.2〜4時間が好適である。また、アミド化反応は、常圧、加圧、又は減圧のいずれでも実施できる。化合物(I)を縮合剤として用いるアミド化反応は、前述したDMT−MM等のジメトキシトリアジン型四級アンモニウム塩を用いた場合と比較して、反応時間が顕著に短縮できることが特徴である。
化合物(I)を縮合剤として用いるアミド化反応の操作手順(反応基質や化合物(I)を添加する順序等)は、特に限定されないが、前述したDMT−MM等のジメトキシトリアジン型四級アンモニウム塩を使用する場合と同様、反応収率の高さ等の観点から、3種類の反応試剤(すなわち、化合物(I)、カルボン酸化合物、及びアミン化合物)を混合して反応させるのが好適である。上記3種類の反応試剤の混合方法は特に限定されず、各反応試剤を同時に反応系に添加、混合してもよく、また、各反応試剤を順次に反応系に添加、混合してもよいが、操作性及び反応収率の点から、予め所定の温度に保たれた反応溶媒中に各反応試剤を順次且つ時間をおかずに添加、混合するのが特に好ましい。
上記アミド化反応により得られるアミド化合物は、常法に従って反応混合物から単離することができ、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの通常の分離手段により容易に精製することができる。
本発明のカルボン酸誘導体の製造方法の中で、エステル化合物の製造方法において使用されるアルコール化合物としては、第1級アルコール、第2級アルコール又は第3級アルコールの如何を問わず、ヒドロキシ基を有する化合物であれば何ら制限なく使用することができる。
本発明のエステル化合物の製造方法における、カルボン酸化合物及びアルコール化合物の使用量は特に制限されないが、カルボン酸化合物のカルボキシ基に対してアルコール化合物のヒドロキシ基が量論的に反応すること、及びアルコール自身が溶媒としての機能を兼ねることを考慮すると、1価アルコールを用いる場合、カルボン酸1モルに対して、アルコール化合物を通常1モル以上用いていればその上限は特に制限されない。しかし、カルボン酸化合物に対して、アルコール化合物の使用量が多すぎると、バッチあたりのエステル化合物の収量が少なくなり経済的ではないため、アルコール化合物中のカルボン酸化合物の濃度が0.1重量%以上になるようにアルコール化合物を用いるのが好適である。
本発明のエステル化合物の製造方法における脱水縮合反応(エステル化反応)は、使用するアルコール化合物の融点が0℃以下であれば、通常該アルコール化合物を溶媒として用いて行われるが、他の溶媒を用いて反応を行うことも可能である。その際に使用される溶媒としては、工業的に使用できる溶媒が何等制限なく用いることができ、前記アミド化反応における好適な溶媒と同じものを具体例として挙げることができる。前述したDMT−MM等のジメトキシトリアジン型四級アンモニウム塩を用いたエステル化反応については、非プロトン性溶媒(THF)を反応溶媒として用いると反応が遅く、且つエステル化の収率も低かった、本発明の化合物(I)を縮合剤として用いることにより、エステル化反応を短時間で完結させることが可能になり、エステル化合物の反応収率も改善することができる。
エステル化反応における反応温度は、使用するカルボン酸化合物とアルコール化合物の種類により最適な温度は異なるが、通常−30〜60℃、好ましくは−20〜50℃の範囲の温度を採用するのが好適である。
エステル化反応における反応時間は、使用するアルコール化合物の種類や量により異なるが、通常0.1〜40時間、好ましくは0.2〜6時間が好適である。また、エステル化反応は、常圧、加圧、又は減圧のいずれでも実施できる。
化合物(I)を縮合剤として用いるエステル化反応の操作手順(反応基質や化合物(I)を添加する順序等)は、特に限定されないが、操作性及び反応収率の点から、3種類の反応試剤(すなわち、化合物(I)、カルボン酸化合物、及びアルコール化合物)を混合して反応させるのが好適である。
上記エステル化反応により得られるエステル化合物は、常法に従って反応混合物から単離することができ、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの通常の分離手段により容易に精製することができる。
(本発明の化合物(II)と化合物(III)の混合物を用いるカルボン酸誘導体の製造方法)(本発明の化合物(I)を用いるカルボン酸誘導体の製造方法の別法)
化合物(I)を用いる前記カルボン酸誘導体の製造方法において、化合物(I)に換えて、化合物(II)と化合物(III)の混合物を用いることにより、反応系中で化合物(I)を生成させることを含む、カルボン酸誘導体の製造方法も、本発明のカルボン酸誘導体の製造方法に包含される。本製造方法によっても、化合物(I)を縮合剤として用いた場合と同様にカルボン酸誘導体を短時間且つ収率よく得ることができる。
化合物(II)と化合物(III)の混合物を用いるカルボン酸誘導体の製造方法において使用する反応溶媒、反応温度、反応時間等の反応条件、及び反応基質(カルボン酸化合物、アミン化合物及びアルコール化合物)の使用量については、化合物(I)を用いる前記カルボン酸誘導体の製造方法と同様である。また、化合物(II)と化合物(III)の当量関係は、前記した化合物(I)の製造法の工程3における両者のモル比と同様である。
本発明のカルボン酸誘導体の製造方法としては、上記2つの製造方法(化合物(I)を用いる方法と、化合物(II)と化合物(III)の混合物を用いる方法)が挙げられるが、脱水縮合剤(すなわち、化合物(I))の単離精製工程を省略できるので、実験操作の簡便性という点において、後者がより優れている。しかし、化合物(I)の単離精製が容易な場合には、前者も好適な方法である。
以下に実施例及び実験例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
反応は、Merck 60 F254 シリカゲルプレート(厚さ0.25mm)を用いて、薄層クロマトグラフィーによりモニターした。
H及び13C−NMRスペクトルは、JEOL ECS400またはECS600を用い、重クロロホルムまたは重メタノールを溶媒として測定した。H−NMRについてのデータは、化学シフト(δppm)、多重度(s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、m=マルチプレット、dd=ダブルダブレット、dt=ダブルトリプレット、brs=ブロードシングレット、sep=セプテット)、カップリング定数(Hz)、積分及び割当てとして報告する。
高分解能質量スペクトル解析(HRMS)は、JEOL JMS-SX102Aを用いて実行した。
融点(mp)測定は、柳本微量融点測定器を用いて行った。
元素分析は、Yanaco CHN Corder MT−5を用いて実行した。
分取薄層クロマトグラフィーは、Merck 60 F254 シリカゲルプレート(厚さ0.5mm)を用いて行った。フラッシュクロマトグラフィーは、関東化学株式会社(日本、東京)のシリカゲル60Nを用いて行った。
以下の実施例中の「室温」は通常約10℃ないし約30℃を示す。混合溶媒において示した比は、特に断らない限り容量比を示す。%は、特に断らない限り重量%を示す。
以下の実施例において、化合物(I)及び化合物(II)の合成に使用した原料化合物である2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン(塩化シアヌル)は、市販品(東京化成工業株式会社製)をそのまま使用した。その他の原料化合物は、市販品をそのまま使用するか、又は自体公知の方法(Hintermann, L. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 2008, 47, 8246-8250; Yamada, K. et al., Chem. Eur. J., 2014, 20, 12274-12278)若しくはこれらに準ずる方法に従って製造することができる。
実施例1
2−クロロ−4−メトキシ−6−(2,6−キシリル)−1,3,5−トリアジン(化合物(II−1))
塩化シアヌル(3.69g,20.0mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に、Grignard反応剤(2,6−キシリルマグネシウムブロミド、0.80M,26.3mL,21.0mmol)を窒素雰囲気下、0℃で滴下した。滴下終了後、4時間撹拌し、1M塩酸(15mL)で希釈した後、ジエチルエーテルで抽出を行った。抽出した有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、ろ過、濃縮した。得られた残渣をクロロホルムから再結晶して2,4−ジクロロ−6−(2,6−キシリル)−1,3,5−トリアジン(3.66g,収率72%)を得た。得られた2,4−ジクロロ−6−(2,6−キシリル)−1,3,5−トリアジン(3.66g,14.4mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液に、ナトリウムメトキシド(15.8mmol)を含むTHF懸濁液(10mL)を窒素雰囲気下、0℃で滴下した。滴下終了後、2時間反応させ、1M塩酸(30mL)で希釈した後、ジクロロメタンで抽出を行った。抽出した有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、ろ過、濃縮した。得られた残渣を、ヘキサンを用いた再結晶により精製し、目的物(2.86g,収率80%)を得た。
収率58%(二段階での収率)、白色固体;
mp:57.1−58.1℃;
H−NMR(400MHz,CDCl):δ 7.24(t,J=7.8Hz,1H),7.11(d,J=7.8Hz,2H),4.14(s,3H),2.20(s,6H);
13C−NMR(100MHz,CDCl);δ 179.53,172.33,171.48,135.66,135.43,129.58,127.98,56.20,19.97;
HRMS(DART):計算値(C1213Cl(M+H)):250.0747;実測値:250.0731.
実施例2
2−クロロ−4,6−ビス(2,6−キシリル)−1,3,5−トリアジン(化合物(II−2))
塩化シアヌル(2.21g,12.0mmol)のテトラヒドロフラン(12mL)溶液に、上記で調整したGrignard反応剤(2,6−キシリルグネシウムブロミド、0.80M,30.0mL,24.0mmol)を窒素雰囲気下、0℃で滴下した。滴下終了後、加熱還流下4時間撹拌し、0℃で1M塩酸(10mL)を加え、ジエチルエーテルで抽出を行った。抽出した有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、ろ過、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム=1:4)にて分離精製を行った。さらに、ヘキサンを用いた再結晶を行って目的物(2.38g,収率73%)を得た
収率73%、白色固体;
mp:109.2−110.5℃;
H−NMR(400MHz,CDCl):δ 7.26(t,J=7.7Hz,2H),7.12(d,J=7.7Hz,4H),2.21(s,12H);
13C−NMR(100MHz,CDCl);δ 178.53,171.84,135.79,135.20,129.67,127.95,19.96;
HRMS(DART):計算値(C1919Cl(M+H)):324.1268;実測値:324.1239.
(実施例3)〜(実施例14)は、上記(実施例1)又は(実施例2)と同様の方法により、塩化シアヌルから化合物(II−3)〜化合物(II−14)を合成した。化合物(II−3)〜(II−14)の化学収率、及び物性データを以下に示す。
(実施例3)
2−クロロ−4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン(化合物(II−3))
収率33%、白色固体;
mp:62.0−62.9℃;
H−NMR(400MHz,CDCl):δ 4.08(s,3H),2.60(s,3H);
HRMS(DART):計算値(CCl(M+H)):160.0278;実測値:160.0255.
(実施例4)
2−クロロ−4−エチル−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン(化合物(II−4))
収率38%、白色固体;
mp:34.9−36.1℃;
H−NMR(400MHz,CDCl):δ 4.09(s,3H),2.85(q,J=7.6Hz,2H),1.34(t,J=7.6Hz,3H);
13C−NMR(100MHz,CDCl);δ 184.62,171.94,171.34,55.87,31.92,11.27;
HRMS(DART):計算値(CCl(M+H)):174.0434;実測値:174.0457.
(実施例5)
2−t−ブチル−4−クロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン(化合物(II−5))
収率71%、無色油状物;
H−NMR(400MHz,CDCl):δ 4.09(s,3H),1.37(s,9H);
13C−NMR(100MHz,CDCl);δ 190.12,171.99,171.28,55.73,39.76,28.56;
HRMS(DART):計算値(C13Cl(M+H)):202.0747;実測値:202.0767.
(実施例6)
2,4−ジ−t−ブチル−6−クロロ−1,3,5−トリアジン(化合物(II−6))
収率74%、白色固体;
mp:55.5−55.9℃;
H−NMR(400MHz,CDCl):δ 1.37(s,18H);
13C−NMR(100MHz,CDCl);δ 187.66,171.09,39.79,28.73.
(実施例7)
2−クロロ−4−メトキシ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン(化合物(II−7))
収率60%、白色固体;
mp:72.8−73.6℃;
H−NMR(400MHz,CDCl):δ 8.49(dd,J=8.0,1.1Hz,2H),7.61(t,J=7.6Hz,1H),7.51(t,J=7.6Hz,2H),4.17(s,3H);
13C−NMR(100MHz,CDCl);δ 174.90,172.46,171.66,133.81,133.68,129.38,128.74,55.93;
HRMS(DART):計算値(C1010Cl(M+H)):223.0512;実測値:223.0485.
(実施例8)
2−クロロ−4−メトキシ−6−(o−トリル)−1,3,5−トリアジン(化合物(II−8))
収率45%、白色固体;
mp:69.0−70.7℃;
H−NMR(400MHz,CDCl):δ 8.15(d,J=7.7Hz,1H),7.44(td,J=7.7,1.4Hz,1H)7.33(t,J=7.7Hz,1H),7.31(d,J=7.7Hz,1H),4.15(s,3H),2.70(s,3H);
13C−NMR(100MHz,CDCl);δ 177.28,171.92,171.27,139.65,133.59,132.07,131.46,126.14,55.99,22.30;
HRMS(DART):計算値(C1111Cl(M+H)):236.0591;実測値:236.0597.
(実施例9)
2−クロロ−4−メトキシ−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(化合物(II−9))
収率70%、白色固体;
mp:133.8−139.0℃;
H−NMR(400MHz,CDCl):δ 8.46(d,J=9.2Hz,2H),6.99(d,J=9.2Hz,2H),4.15(s,3H),3.90(s,3H);
HRMS(DART):計算値(C1111Cl(M+H)):252.0540;実測値:252.0552.
(実施例10)
2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物(II−10))
収率40%、白色固体;
H−NMR(400MHz,CDCl):δ 8.65−8.63(m,4H),7.67−7.62(m,2H),7.59−7.54(m,4H);
13C−NMR(100MHz,CDCl);δ 174.82,172.04,134.73,132.61,129.92,129.06;
HRMS(DART):計算値(C1511Cl(M+H)):268.0642;実測値:268.0661.
(実施例11)
2−クロロ−4,6−ジ(o−トリル)−1,3,5−トリアジン(化合物(II−11))
収率40%、白色固体;
mp:87.4−88.0℃;
H−NMR(400MHz,CDCl):δ 8.20(dd,J=7.8,1.4Hz,1H),7.46(td,J=7.3,1.4Hz,1H)7.36(t,J=7.8Hz,1H),7.34(d,J=7.3Hz,1H),2.75(s,6H);
13C−NMR(100MHz,CDCl);δ 175.52,170.97,139.63,134.17,132.07,131.88,131.58,126.20,22.26;
HRMS(DART):計算値(C1715Cl(M+H)):296.0955;実測値:296.0972.
(実施例12)
2−クロロ−4−メトキシ−6−(1−オクチン−1−イル)−1,3,5−トリアジン(化合物(II−12))
収率66%、橙色油状物;
H−NMR(400MHz,CDCl):δ 4.09(s,3H),2.48(t,J=7.3Hz,2H),1.65(tt,J=7.3,7.3Hz,2H),1.44(tt,J=7.3,7.3Hz,2H),1.35−1.28(m,4H),0.90(t,J=6.9Hz,3H);
13C−NMR(100MHz,CDCl);δ 172.10,171.18,162.44,98.04,78.28,56.22,31.21,28.63,27.58,22.44,19.49,14.01;
HRMS(DART):計算値(C1217Cl(M+H)):254.1060;実測値:254.1087.
(実施例13)
2−クロロ−4,6−ビス(1−オクチン−1−イル)−1,3,5−トリアジン(化合物(II−13))
収率15%、橙色油状物;H−NMR(400MHz,CDCl):δ 2.49(t,J=7.3Hz,2H),1.64(tt,J=7.3,7.3Hz,2H),1.44(tt,J=7.3,7.3Hz,2H),1.37−1.25(m,4H),0.89(t,J=7.1Hz,3H);
HRMS(DART):計算値(C1927Cl(M+H)):332.1894;実測値:332.1891.
(実施例14)
2−クロロ−4−メトキシ−6−[(トリメチルシリル)エチニル]−1,3,5−トリアジン(化合物(II−14))
収率56%、白色固体;
mp:91.2−91.8℃;
H−NMR(400MHz,CDCl):δ 4.11(s,3H),0.29(s,9H);
HRMS(DART):計算値(C13ClSi(M+H)):242.0516;実測値:242.0522.
(実施例15)
4−[4,6−ビス(2,6−キシリル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−4−メチルモルホリニウム ペルクロラート(化合物(I−1))の合成
過塩素酸リチウム(23.4mg,0.22mmol)と2−クロロ−4,6−ビス(2,6−キシリル)−1,3,5−トリアジン(化合物(II−1))(64.8mg,0.20mmol)のテトラヒドロフラン溶液に、N−メチルモルホリン(24.2μL,0.22mmol)を窒素雰囲気下、室温で滴下した。50分間撹拌後、デカンテーションにより上澄みを除き、THF(3mL)で3回洗浄して、目的物(93.4mg,収率96%)を得た。
収率96%、白色固体;
H−NMR(400MHz,CDCN):δ 7.39(t,J=7.8Hz,2H),7.25(d,J=7.8Hz,4H),4.51−4.45(m,2H),4.17−4.10(m,2H),3.97−3.86(m,4H),3.61(s,3H),2.30(s,12H);
13C−NMR(100MHz,CDCN):δ 180.53,170.40,137.82,135.68,131.73,129.48,62.43,61.03,54.94,20.78;
HRMS(ESI):計算値(C2429(M)):389.2341;実測値:389.2368.
(実施例16)、(実施例17)及び(実施例18)は、上記(実施例15)と同様の方法により、化合物(II−1)、(II−5)及び(II−6)から化合物(I−2)、(I−3)及び(I−4)をそれぞれ合成した。化合物(I−2)〜化合物(I−4)の化学収率、及び物性データを以下に示す。
(実施例16)
4−[4−メトキシ−6−(2,6−キシリル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−4−メチルモルホリニウム ペルクロラート(化合物(I−2))
収率92%、白色固体;
mp:215.6−216.2℃;
H−NMR(400MHz,CDCN):δ 7.34(t,J=7.8Hz,1H),7.20(d,J=7.8Hz,2H),4.52−4.46(m,2H),4.20(s,3H)4.09−4.01(m,2H),3.84−3.76(m,4H),3.46(s,3H),2.25(s,6H);
13C−NMR(100MHz,CDCN):δ 181.56,173.80,170.50,137.49,135.81.131.31.129.23.62.60,61.01,57.95,56.46,20.42;
HRMS(ESI):計算値(C1723(M)):315.1821;実測値:315.1803.
(実施例17)
4−(4−t−ブチル−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウム トリフルオロメタンスルホナート(化合物(I−3))
収率99%、白色固体;
H−NMR(400MHz,CDOD):δ 4.59‐4.55(m,2H),4.20(s,3H),4.11‐4.06(m,2H),3.94‐3.88(m,2H),3.84‐3.78(m,2H),3.53(s,3H),1.43(s,9H).
(実施例18)
4−(4,6−ジ−t−ブチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウム クロリド(化合物(I−4))
収率38%、白色固体;
mp:95.0−97.3℃;
H−NMR(400MHz,CDOD):δ 4.60−4.56(m,2H),4.14−4.09(m,2H),4.00−3.93(m,2H),3.82−3.76(m,2H),3.56(s,3H),1.46(s,18H);
HRMS(ESI):計算値(C1629(M)):293.2341;実測値:293.2312.
(実験例1)
脱水縮合剤として化合物(I)を用いる、本発明のアミド化合物の製造方法(方法1)
(実験操作例)10mLのナスフラスコにメタノール(溶媒)(2mL)、3−フェニルプロピオン酸(60.1mg,0.40mmol)及び2−フェネチルアミン(55μL,0.44mmol)を加えた。その溶液に、化合物(I)(0.44mmol)を加え、室温下で撹拌した。1M硫酸水素カリウム水溶液4mLを加え反応を終了させた。溶液をエバポレーターで留去したのち、残渣にクロロホルムを加えて希釈し、1M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過にて硫酸ナトリウムを除去し、濃縮した。その後、残渣に内部標準物質として6−メチルクマリン(64mg,0.40mmol)を加えてH−qNMRを用いて目的のアミド化合物を定量した。
(実験例2)
化合物(II)及びN−メチルモルホリン(NMM)(化合物(III))の混合により反応系中で生成する脱水縮合剤を用いる、本発明のアミド化合物の製造方法(方法2)
(実験操作例)10mLのナスフラスコにメタノール(溶媒)(2mL)、3−フェニルプロピオン酸(60.1mg,0.40mmol)、2−フェネチルアミン(55μL,0.44mmol)、N−メチルモルホリン(化合物(III))(53μL,0.48mmol)を加えた。その溶液に、化合物(II)(0.44mmol)を加え、室温下で撹拌した。1M硫酸水素カリウム水溶液4mLを加え反応を終了させた。溶液をエバポレーターで留去したのち、残渣にクロロホルムを加えて希釈し、1M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過にて硫酸ナトリウムを除去し、濃縮した。その後、残渣に内部標準物質として6−メチルクマリン(64mg,0.40mmol)を加えてH−qNMRを用いて目的のアミド化合物を定量した。
(実験例3)
化合物(II)及びNMM(化合物(III))の混合により反応系中で生成する脱水縮合剤を用いる、本発明のエステル化合物の製造方法
(実験操作例)10mLのナスフラスコにTHF(溶媒)(2mL)、3−フェニルプロピオン酸(60.1mg,0.40mmol)、N−メチルモルホリン(化合物(III))(53μL,0.48mmol)を加えた。その溶液に、化合物(II)(0.44mmol)を加え、室温下で反応させた。原料消失を確認後、1N硫酸水素カリウム水溶液4mLを加え、ジクロロメタンで希釈し、1M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、濃縮した。得られた混合物についてH−qNMRを用いて目的のエステル化合物を定量した。
種々の化合物(I)、又は化合物(II)と化合物(III)の混合物を用いて、上記実験例1〜3の方法に従い、カルボン酸化合物と、アミン化合物又はアルコール化合物との縮合反応を行い、得られた結果を表1に示す。
表1に示すように、本発明の化合物(I)、又は化合物(II)と化合物(III)(すなわち、NMM)の混合物を縮合剤として用いることにより、種々のカルボン酸化合物と、アミン化合物若しくはアルコール化合物の縮合反応において、メタノールのようなプロトン性有機溶媒、又はTHFのような非プロトン性有機溶媒のいずれの溶媒中でも短時間且つ良好な収率で、対応するアミド化合物若しくはエステル化合物が得られた。また、本願発明の縮合剤を用いることにより、立体的に嵩高いカルボン酸化合物((CHCCOH(ピバル酸)、(CHCHCOH(イソ酪酸))や立体的に嵩高く、求核性も低いアミン化合物(ジエチルアミン等の2級アミン化合物)のような反応性の低い反応基質を用いた場合の縮合反応においても、良好な結果が得られた。
(実験例4)
脱水縮合反応における本発明の化合物(II)と化合物(III)の混合物と、公知のCDMTとNMMの混合物との脱水縮合剤としての性能の比較
(1)アミド化反応の反応速度の比較
本発明の化合物(I)、又はその前駆体である化合物(II)と化合物(III)の混合物をアミド化反応の縮合剤として使用した場合には、上記表1に示したように、通常の反応性を有するカルボン酸化合物(3−フェニルプロピオン酸)と通常の反応性を有するアミン化合物(2−フェニルエチルアミン)との縮合反応は、短時間(殆どの場合において、10分以内)で完結し、良好な収率で対応するアミド化合物が得られた。これに対して、DMT−MM、又は公知の用時調製型の縮合剤であるCDMTとNMMの混合物を用いた場合には、反応完結に通常3時間以上を要することが分かった。
(2)反応性の比較
(i)THF中でのエステル化反応における、本願発明の縮合剤(化合物(II)と化合物(III)との混合により形成される用時調製型の縮合剤)と、CDMT及びNMMから形成される公知の縮合剤との反応収率の比較
(i−1)立体的に嵩高いカルボン酸化合物と、立体的に嵩高いアミン化合物との縮合反応における、本願発明の縮合剤(化合物(II)と化合物(III)との混合による用時調製型の縮合剤)と、CDMT及びNMMから形成される公知の縮合剤との反応収率の比較
立体的に嵩高いカルボン酸化合物(イソ酪酸)と、立体的に嵩高いアミン化合物(ジエチルアミン)との縮合反応に、CDMT及びNMMから形成される公知の縮合剤を用いた場合、22時間経過後でも目的のアミド体は低収率(69%)でしか得られず、CDMTがNMMではなくジエチルアミンと反応してジエチルアミノ化された化合物が36%も副生した。これに対し、本願発明の化合物(II−2)とNMMの混合物を縮合剤として用いた場合には、目的のアミド化合物のみを高収率(83%)で与えた。
(i−2)立体的に嵩高いカルボン酸化合物と、アミン化合物との縮合反応における、本願発明の縮合剤(化合物(II)と化合物(III)との混合により形成される用時調製型の縮合剤)と、CDMT及びNMMから形成される公知の縮合剤との反応収率の比較
立体的に嵩高いカルボン酸化合物(ピバル酸)と、アミン化合物(2−フェニルエチルアミン)との縮合反応に、CDMT及びNMMから形成される公知の縮合剤を用いた場合、目的のアミド体は低収率(63%)でしか得られなかった。これに対し、本願発明の化合物(II−1)とNMMの混合物、又は化合物(II−2)とNMMの混合物を縮合剤として用いた場合には、目的のアミド化合物の収率が顕著に改善された。
(ii)THF中でのエステル化反応における、本願発明の縮合剤(化合物(II)と化合物(III)との混合により形成される用時調製型の縮合剤)と、CDMT及びNMMから形成される公知の縮合剤との反応収率の比較
CDMT及びNMMから形成される公知の縮合剤を用いた場合、THF中でのエステル化反応の収率は、3時間経過後も低収率だった(49%)が、本願発明の化合物(II)(化合物(II−1)、化合物(II−2)又は化合物(II−12))とNMMの混合物を縮合剤として用いた場合には、エステル化合物の収率は、顕著に改善された。
以上より、本発明の化合物(I)(又は化合物(II)と化合物(III)の混合物)は、公知のDMT−MMのようなジアルコキシトリアジン型四級アンモニウム塩におけるトリアジン環上の2つのアルコキシ基のうちの少なくとも1つを、電子供与性を抑えた炭素官能基に置き換えることにより、ジアルコキシトリアジン型四級アンモニウム塩と比較して、脱水縮合剤として以下のような優れた利点を有することが明らかになった。
すなわち、
1.エステル化反応において、DMT−MM(又はCDMTとNMMの混合物)を用いた場合は、大過剰量のアルコール化合物を要し、且つ非プロトン性有機溶媒中では反応の進行が極めて遅いが、本発明の化合物(I)(又は化合物(II)と化合物(III)の混合物)を用いることで、アルコール化合物の使用量を低減することができ、且つ非プロトン性有機溶媒(例、THF)中でも短時間で反応が完結する点、
2.アミド化反応においても、DMT−MM(又はCDMTとNMMの混合物)を用いた場合は、非プロトン性有機溶媒中では反応の進行が極めて遅いが、本発明の化合物(I)(又は化合物(II)と化合物(III)の混合物)を用いることで、非プロトン性有機溶媒(例、THF)のみならず、プロトン性有機溶媒や水を含む広範な溶媒中でDMT−MMと比較して極めて短時間で反応が完結する点、及び
3.DMT−MM(又はCDMTとNMMの混合物)を縮合剤として用いた場合には反応が進行しにくかった立体的に嵩高いカルボン酸化合物や、立体的に嵩高く、反応性も低い(求核性の低い)アミン化合物を用いるアミド化反応も、本発明の化合物(I)(又は化合物(II)と化合物(III)の混合物)を用いることにより反応基質に依らず、収率よくアミド化合物のみを得ることができる点。
本発明の化合物(I)は、固体として安定に単離することができ、取扱いが容易であり、メタノールのようなプロトン性有機溶媒のみならずTHFのような非プロトン性有機溶媒や水等の広範な溶媒を含む反応系中でも失活することなく、脱水縮合剤として使用することができる。また、本発明によれば、化合物(II)と化合物(III)の混合物を用時調製型脱水縮合剤として用いることにより化合物(I)の単離精製工程を省略でき、実験操作の利便性を高めることも可能である。さらに、本発明によれば、毒性が低く、安全に使用することができ、高収率且つ短時間で目的とするカルボン酸誘導体を製造することができる安定且つ実用的な脱水縮合剤、及びそれを用いるカルボン酸誘導体の製造方法を提供することができる。

Claims (13)

  1. 式(I):
    [式中、
    は、C1−4アルキル基を示し、
    及びRは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基を示すか、又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第2級環状アミノ基を形成し、或いは、
    、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第3級環状アミノ基を形成し;
    は、置換されていてもよいアルコキシ基、又は置換されていてもよいアリールオキシ基を示し、且つXは、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基を示すか、或いは
    及びXが、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基を示し;ならびに
    は、求核性がないか、又は求核性が低い対アニオンを示す。]
    で表される化合物。
  2. が、メチル基であり、
    及びRが、それぞれ独立して、C1−4アルキル基であるか、又はR及びRが、それらが結合する窒素原子と一緒になってモルホリノ基、チオモルホリノ基、ピペリジル基又はピロリジル基を形成し、或いは、
    、R及びRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよいキヌクリジニル基を形成し;
    が、置換されていてもよいC1−4アルコキシ基であり、且つXが、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいC6−10アリール基であるか、或いは
    及びXが、それぞれ独立して、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいC6−10アリール基であり;ならびに
    が、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド、置換されていてもよいアルキルスルホナート、置換されていてもよいアリールスルホナート、ペルクロラート、テトラフルオロボラート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモナート、テトラフェニルボラート及びアルセナートからなる群より選択される対アニオンである、請求項1記載の化合物。
  3. が、メチル基であり;
    及びRが、それぞれ独立して、メチル基又はエチル基であるか、又はR及びRが、それらが結合する窒素原子と一緒になってモルホリノ基を形成し;
    が、メトキシ基であり、且つXが、置換されていてもよいC1−4アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいフェニル基であるか、或いは、X及びXが、それぞれ独立して、置換されていてもよいC1−4アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいフェニル基であり;ならびに
    が、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキルスルホナート、置換されていてもよいC6−10アリールスルホナート、及びペルクロラートからなる群より選択される対アニオンである、請求項1記載の化合物。
  4. が、メチル基であり、
    及びRが、それらが結合する窒素原子と一緒になってモルホリノ基を形成し;
    が、メトキシ基であり、且つXが、C1−4アルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいフェニル基であるか、或いは
    及びXが、それぞれ独立して、C1−4アルキル基、置換されていてもよいC2−8アルキニル基、又は置換されていてもよいフェニル基であり;ならびに
    が、クロリド、トリフルオロメタンスルホナート、ベンゼンスルホナート、トルエンスルホナート、及びペルクロラートからなる群より選択される対アニオンである、請求項1記載の化合物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物からなる脱水縮合剤。
  6. 式(I):

    [式中、
    は、C1−4アルキル基を示し、
    及びRは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基を示すか、又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第2級環状アミノ基を形成し、或いは、
    、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第3級環状アミノ基を形成し;
    は、置換されていてもよいアルコキシ基、又は置換されていてもよいアリールオキシ基を示し、且つXは、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基を示すか、或いは
    及びXが、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基を示し;ならびに
    は、求核性がないか、又は求核性が低い対アニオンを示す。]
    で表される化合物の製造方法であって、
    下記式(II):

    [式中、X及びXの定義は、前記と同義を示し;
    Y’は、ハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニロキシ基、メタンスルホニロキシ基、又はトルエンスルホニロキシ基を示す。]
    で表される化合物と、下記式(III):

    [式中、R、R及びRの定義は、前記と同義を示す。]
    で表される化合物とを、溶媒中で混合する工程、
    を包含する、方法。
  7. 更に対アニオン交換する工程を包含する、請求項6記載の方法。
  8. 溶媒が、低級アルコール、テトラヒドロフラン、又は水を含む、請求項6又は7記載の方法。
  9. カルボン酸誘導体の製造方法であって、
    カルボキシ基を有する化合物、
    求核性官能基を有する化合物とを、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物の存在下、溶媒中で混合する工程を包含する、方法。
  10. カルボン酸誘導体の製造方法であって、
    カルボキシ基を有する化合物、
    求核性官能基を有する化合物、
    下記式(II):

    [式中、Xは、置換されていてもよいアルコキシ基、又は置換されていてもよいアリールオキシ基を示し、且つXは、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基を示すか、或いは
    及びXが、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基を示し;及び
    Y’は、ハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニロキシ基、メタンスルホニロキシ基、又はトルエンスルホニロキシ基を示す。]
    で表される化合物、ならびに
    下記式(III):

    [式中、
    は、C1−4アルキル基を示し、R及びRは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基を示すか、又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第2級環状アミノ基を形成し、或いは、R、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第3級環状アミノ基を形成する。]
    で表される化合物を、溶媒中で混合する工程、
    を包含する、方法。
  11. 溶媒が、低級アルコール、テトラヒドロフラン、又は水を含む、請求項9又は10記載の方法。
  12. 求核性官能基を有する化合物が、第1級アミン又はアルコールである、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 式(II):

    [式中、Xは、置換されていてもよいアルコキシ基、又は置換されていてもよいアリールオキシ基を示し、且つXは、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基を示すか、或いは
    及びXが、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基を示し;及び
    Y’は、ハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニロキシ基、メタンスルホニロキシ基、又はトルエンスルホニロキシ基を示す。]
    で表される化合物と、
    下記式(III):

    [式中、
    は、C1−4アルキル基を示し、R及びRは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基を示すか、又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第2級環状アミノ基を形成し、或いは、R、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって置換されていてもよい第3級環状アミノ基を形成する。]
    で表される化合物の混合物。
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