JP6787398B2 - 一本鎖核酸分子用モノマーの製造方法 - Google Patents

一本鎖核酸分子用モノマーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、標的遺伝子の発現を抑制可能な一本鎖核酸分子の製造に用いるモノマーの製造方法に関する。
US2012/0035246には標的遺伝子の発現を抑制可能な一本鎖核酸分子の製造方法が記載されており、その製造に使用するモノマーとして、実施例A3には式(3)
Figure 0006787398
で示される化合物(以下、化合物(3)と記す)及びその鏡像異性体の製造が記載されている。
しかし、US2012/0035246に記載の方法で得られる化合物(3)を使用した場合の一本鎖核酸分子の収量は必ずしも充分なものではなかった。
本発明は、高い収量で一本鎖核酸分子を製造することのできる化合物(3)の製造方法を提供する。
本発明は以下の通りである。
〔1〕 式(1)
Figure 0006787398
で示される化合物(以下、化合物(1)と記す)又はその鏡像異性体を溶媒中、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシコハク酸イミド、エチル(ヒドロキシイミノ)シアノアセタート、炭酸N,N’−ジスクシンイミジル、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシピペリジン、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン及びN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミドからなる群より選ばれる添加剤並びに縮合剤の存在下、6−ヒドロキシヘキサン酸と反応させた後、得られた反応混合物と、水と、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、二環式アミジン化合物、アルカリ金属アルコキシド及び第4級アンモニウム水酸化物からなる群より選ばれる塩基とを混合して式(2)
Figure 0006787398
で示される化合物(以下、化合物(2)と記す)又はその鏡像異性体を製造する工程及び
前記工程で得られた式(2)で示される化合物又はその鏡像異性体と2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイトとを、カップリングアクチベーターの存在下、溶媒中で反応させて、化合物(3)又はその鏡像異性体を得る工程
を含む化合物(3)又はその鏡像異性体の製造方法。
〔2〕 塩基がアルカリ金属水酸化物である、〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕 縮合剤が1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、1,1−カルボニルジイミダゾール、1−プロピルホスホン酸無水物環状三量体又は2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンである〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕 添加剤が1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシコハク酸イミド、エチル(ヒドロキシイミノ)シアノアセタート又は炭酸N,N’−ジスクシンイミジルである〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の製造方法。
〔5〕 カップリングアクチベーターがジイソプロピルアミンテトラゾール塩、1H−テトラゾール、5−(エチルチオ)−1H−テトラゾール、5−(ベンジルチオ)−1H−テトラゾール又は4,5−ジシアノイミダゾールである〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の製造方法。
本発明の製造方法に用いられる化合物(1)は、US2012/0035246に記載の方法により得ることができる。より具体的には、後述の参考例4により得ることができる。
化合物(1)を溶媒中、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシコハク酸イミド、エチル(ヒドロキシイミノ)シアノアセタート、炭酸N,N’−ジスクシンイミジル、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシピペリジン、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン及びN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミドからなる群より選ばれる添加剤並びに縮合剤の存在下、6−ヒドロキシヘキサン酸と反応させた後、得られた反応混合物と、水と、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、二環式アミジン化合物、アルカリ金属アルコキシド及び第4級アンモニウム水酸化物からなる群より選ばれる塩基とを混合して化合物(2)を製造する工程について記載する。
溶媒としては、脱水縮合反応に不活性な溶媒、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N’−ジメチルプロピレン尿素等のウレア類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、及びジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄化合物類が挙げられる。溶媒の使用量は、一般に化合物(1)の0.5〜100重量倍である。
縮合剤としては、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、1,1−カルボニルジイミダゾール、1−プロピルホスホン酸無水物環状三量体又は2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン等の脱水縮合反応に用いられる縮合剤が挙げられる。
反応には、化合物(1)1モルに対して、添加剤が一般に0.1モル〜20モルの割合、縮合剤が一般に1モル〜10モルの割合で使用される。
反応には3級アミンを添加してもよい。3級アミンとしては、例えばトリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミンが挙げられる。3級アミンの添加量は、化合物(1)1モルに対して一般に0.1〜30モルの割合である。
反応温度は、沸点が70℃以上の溶媒を用いる際は、通常10℃〜70℃の範囲内であり、沸点が70℃未満の溶媒を用いる際は、通常10℃〜溶媒の還流温度の範囲内である。
反応時間は通常、0.5時間〜150時間である。
反応後、水及び塩基と混合するに際し、通常、溶媒を留去して濃縮する。また、溶媒を留去して得た残渣に他の溶媒を加えた後、水及び塩基と混合してもよい。
エーテル類、アミド類、ウレア類又はニトリル類を溶媒として用いる場合は、得られた反応混合物をそのまま又は溶媒を留去することにより濃縮して、水並びにアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、二環式アミジン化合物、アルカリ金属アルコキシド及び第4級アンモニウム水酸化物からなる群より選ばれる塩基と混合する。また、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エステル類、ケトン類又は含硫黄化合物類を溶媒として用いる場合は、得られた反応混合物の溶媒を留去することにより濃縮した残渣をエーテル類、アミド類、ウレア類又はニトリル類で希釈した後、水並びにアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、二環式アミジン化合物、アルカリ金属アルコキシド及び第4級アンモニウム水酸化物からなる群より選ばれる塩基と混合する。
アルカリ金属水酸化物としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが挙げられる。
アルカリ金属炭酸塩としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸セシウムが挙げられる。
二環式アミジン化合物としては、例えばジアザビシウクロウンデセン、ジアザビシクロノネンが挙げられる
アルカリ金属アルコキシドとしては、例えばナトリウムメトキシド及びカリウムtert−ブトキシドが挙げられる。
第4級アンモニウム水酸化物としては、例えば水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化トリエチルメチルアンモニウム及び水酸化トリブチルメチルアンモニウムが挙げられる。
塩基の使用量は、化合物(1)1モルに対して一般に0.1モル〜10モルの割合である。
水の使用量は、一般に化合物(1)の0.1〜10重量倍である。
化合物(1)、水及び塩基の混合順序は限定されず、塩基と水とを混合した後、化合物(1)と混合してもよい。
混合物は通常、0.5〜150時間保持される。
沸点が70℃以上の溶媒を用いる場合は、通常10℃〜70℃の範囲内に混合物が保持され、沸点が70℃未満の溶媒を用いる場合は、通常10℃〜溶媒の還流温度の範囲内で混合物が保持される。
その後、有機溶媒で抽出し、濃縮することにより、化合物(2)を単離することができる。
次に、得られた化合物(2)と2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイトとを、カップリングアクチベーターの存在下、不活性な溶媒中で反応させて化合物(3)を得る工程について記載する。
溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N’−ジメチルプロピレン尿素等のウレア類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、及びジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄化合物類が挙げられる。溶媒の使用量は、一般に化合物(2)の0.5〜100重量倍である。
カップリングアクチベーターとは、ホスホロアミダイト法によるオリゴヌクレオチド合成に用いられるカップリングアクチベーターを意味し、例えばTetrahedron, 69, 2013, 3615-3637に記載がある。カップリングアクチベーターの具体例は以下の(i)、(ii)及び(iii)である。
(i)アゾールカップリングアクチベーター
1H−テトラゾール;
5−(4−ニトロフェニル)−1H−テトラゾール、5−(ビス−3,5−トリフルオロメチルフェニル)−1H−テトラゾール、5−エチルチオ−1H−テトラゾール、5−ベンジルチオ−1H−テトラゾール、5−メチルチオ−1H−テトラゾール、5−メルカプト−1H−テトラゾール等の修飾テトラゾールカップリングアクチベーター;
4,5−ジシアノイミダゾール、2−ブロモ−4,5−ジシアノイミダゾール、2−ベンジル−4,5−ジシアノイミダゾール、2−ブロモ−4,5−ジエチル−カルボキシルイミダゾール等のイミダゾールカップリングアクチベーター;
1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール、6−トリフルオロメチル−1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール、4−ニトロ−1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール等の1−ヒドロキシベンゾトリアゾールカップリングアクチベーター;
3−ニトロトリアゾール等の3−ニトロトリアゾールカップリングアクチベーター;
(ii)塩錯体カップリングアクチベーター
ピリジン塩酸塩、トリフルオロ酢酸ピリジン塩等のピリジニウム塩錯体カップリングアクチベーター;
ベンズイミダゾールトリフルオロ酢酸塩、N−フェニルイミダゾールトリフルオロ酢酸塩等のアゾリウム塩錯体カップリングアクチベーター;
サッカリン−1−メチルイミダゾール塩等のサッカリン塩錯体カップリングアクチベーター;
ジアルキル(シアノメチル)アンモニウムテトラフルオロボレート、ジイソプロピルアミンテトラゾール塩等のアンモニウム塩錯体カップリングアクチベーター;
(iii)ホスホロアミダイト法によるオリゴ核酸合成に用いられるその他のカップリングアクチベーター
トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、2,4−ジニトロ安息香酸等のカルボン酸カップリングアクチベーター;
塩化鉄(III)、塩化アルミニウム(III)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、塩化ジルコニウム(IV)、塩化ビスマス(III)等のルイス酸カップリングアクチベーター;
トリメチルクロロシラン;
2,4−ジニトロフェノール;
反応には、化合物(2)1モルに対して2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイトが一般に1モル〜10モルの割合、カップリングアクチベーターが一般に0.1モル〜10モルの割合で使用される。
反応温度は沸点が70℃以上の溶媒を用いる際は、通常10℃〜70℃の範囲内であり、沸点が70℃未満の溶媒を用いる際は、通常10℃〜溶媒の還流温度の範囲内である。反応時間は通常0.5時間〜150時間である。
反応終了後は、飽和重曹水等で洗浄した後、有機層を濃縮することにより、化合物(3)を単離することができる。
また、得られた化合物(3)は、クロマトグラフィー等により精製することができる。
一本鎖核酸分子は、ホスホロアミダイト法に基づき、化合物(3)を用いて製造することができる。
上記の化合物(3)の製造方法は化合物(3)の鏡像異性体に適用することができる。原料となる化合物(1)の鏡像異性体は化合物(1)と同様に市販の原料より容易に調製することができる。US2012/0035246に記載されているように、化合物(3)の鏡像異性体もまた有用である。
実施例1
化合物(1)16.94mmol(8.28g)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩20.33mmol(3.90g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール40.62mmol(6.22g)、トリエチルアミン61.00mmol(8.50ml)及び無水ジクロロメタン(160mL)を混合した。この混合液に、さらに、窒素雰囲気下室温で6−ヒドロキシヘキサン酸20.0mmol(2.64g)を加え、その後、窒素雰囲気下室温で3時間撹拌した。得られた混合液をジクロロメタン800mLで希釈し、飽和食塩水1000mLで3回洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で留去して10.40gの残渣を得た。
得られた残渣5.20g、テトラヒドロフラン10.4mL及び水5.2mlを混合し、そこに水酸化リチウム一水和物17.25mmol(0.72g)を加え、40℃〜50℃で6時間撹拌した。得られた混合物を室温まで放冷した後、トルエン26mL及び水52mLを加え、室温で15分撹拌した。分取した有機層を重曹水(炭酸水素ナトリウム2.76gと水52mLとを混合)で2回洗浄し、減圧下で溶媒を留去した。残渣をアセトニトリル31.2mLに溶解した後、減圧下で溶媒を留去して化合物(2)を得た(純度93%、収率85%)。
得られた化合物(2)7.13mmol(4.30g)を無水アセトニトリルと混合し、室温で3回共沸脱水を行った。得られた残渣にジイソプロピルアミンテトラゾール塩8.53mmol(1.46g)を加え、減圧下で脱気した後窒素ガスを充填した。得られた混合物に無水アセトニトリル5mLを加え、さらに、2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト8.56mmol(2.58g)の無水アセトニトリル溶液3.5mLを加えた。この混合物を、窒素雰囲気下室温で2時間撹拌した。得られた混合物をジクロロメタン50mLで希釈し、飽和重曹水100mLで洗浄を3回行った後、飽和食塩水100mLで洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣を、充填剤としてアミノシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=1:3、0.05%ピリジン含有)に供し、化合物(3)を得た(収率82.4%)。
実施例2
参考例4に記載の方法で得られた化合物(1)6.00g及びクロロホルム120mLの混合物に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩2.83g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール4.51g及びトリエチルアミン4.47gを加えた。得られた混合物に6−ヒドロキシヘキサン酸1.95gを加え、窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。得られた混合物をクロロホルムで希釈し、5%塩化ナトリウム水溶液で洗浄を3回行った。有機層の溶媒を減圧下で留去した。この残渣にテトラヒドロフラン15mLを加えた後、水酸化リチウム0.59gと水7.4mLとの混合物を加えた。得られた混合物を室温で22時間撹拌した後、トルエンを加え、水で洗浄して得られた有機層を、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄を3回行った後、溶媒を減圧下で留去した。残渣をアセトニトリルと混合し、再び減圧下で溶媒を留去することにより、化合物(2)を25.80g得た。
得られた化合物(2)20.64gにアセトニトリル30mLを加えた後、ジイソプロピルアミンテトラゾール塩2.02g及び2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト3.55gを加え、窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。反応終了後、得られた混合物をトルエンで希釈し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄を3回行った。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣の一部をトリエチルアミンで処理したシリカゲルを用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘプタン:酢酸エチル=50:50)を行い、化合物(3)を得た。
実施例3
化合物(1)20.00g及びクロロホルム200mLの混合物に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩9.42g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール15.04g及びトリエチルアミン14.91gを加えた。得られた混合物に6−ヒドロキシヘキサン酸6.49gを加え、窒素雰囲気下室温で3時間撹拌した。得られた混合物をクロロホルムで希釈し、5%塩化ナトリウム水溶液で洗浄を3回行った。有機層の溶媒を減圧下で留去し、残渣29.87gを得た。残渣4.98gにアセトニトリル10mLを加えた後、水酸化ナトリウム0.55gと水5.0mLとの混合物を加えた。得られた混合物を30℃で18時間撹拌した後、トルエンを加え、水で洗浄して得られた有機層を、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄した後、溶媒を減圧下で留去した。残渣をアセトニトリルと混合し、再び減圧下で溶媒を留去することにより、化合物(2)を5.03g得た。
得られた化合物(2)5.03gにアセトニトリル21mLを加えた後、ジイソプロピルアミンテトラゾール塩1.40g及び2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト2.47gを加え、窒素雰囲気下室温で1.5時間撹拌した。得られた混合物をトルエンで希釈し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄を3回行った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣の一部をトリエチルアミンで処理したシリカゲルを用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘプタン:酢酸エチル:トリエチルアミン=40:60:10)を行い、化合物(3)を得た。
実施例4
化合物(1)20.00g及びクロロホルム200mLの混合物に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩9.42g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール15.04g及びトリエチルアミン14.91gを加えた。得られた混合物に6−ヒドロキシヘキサン酸6.49gを加え、窒素雰囲気下室温で3時間撹拌した。得られた混合物をクロロホルムで希釈し、5%塩化ナトリウム水溶液で洗浄を3回行った。有機層の溶媒を減圧下で留去し、残渣29.87gを得た。残渣4.98gにテトラヒドロフラン10mLを加えた後、ジアザビシウクロウンデセン2.08gと水1.0mLとの混合物を加えた。得られた混合物を50℃で1872時間撹拌した後、トルエンを加え、水で洗浄して得られた有機層を、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄した後、溶媒を減圧下で留去した。残渣をアセトニトリルと混合し、再び減圧下で溶媒を留去することにより、化合物(2)を8.78g得た。
得られた化合物(2)5.03gにアセトニトリル21mLを加えた後、ジイソプロピルアミンテトラゾール塩1.40g及び2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト2.47gを加え、窒素雰囲気下室温で1.5時間撹拌した。得られた混合物をトルエンで希釈し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄を3回行った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣の一部をトリエチルアミンで処理したシリカゲルを用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘプタン:酢酸エチル:トリエチルアミン=40:60:10)を行い、化合物(3)を得た。
実施例5
化合物(1)20.00g及びクロロホルム200mLの混合物に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩9.42g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール15.04g及びトリエチルアミン14.91gを加えた。得られた混合物に6−ヒドロキシヘキサン酸6.49gを加え、窒素雰囲気下室温で3時間撹拌した。得られた混合物をクロロホルムで希釈し、5%塩化ナトリウム水溶液で洗浄を3回行った。有機層の溶媒を減圧下で留去し、残渣29.87gを得た。残渣4.98gにテトラヒドロフラン10mLを加えた後、カリウムtert−ブトキシド1.53gと水5.0mLとの混合物を加えた。得られた混合物を30℃で22時間撹拌した後、トルエンを加え、水で洗浄して得られた有機層を、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄した後、溶媒を減圧下で留去した。残渣をアセトニトリルと混合し、再び減圧下で溶媒を留去することにより、化合物(2)を4.78g得た。
得られた化合物(2)4.78gにアセトニトリル21mLを加えた後、ジイソプロピルアミンテトラゾール塩1.40g及び2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト2.47gを加え、窒素雰囲気下室温で1.5時間撹拌した。反応終了後、得られた混合物をトルエンで希釈し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で3回洗浄した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣の一部をトリエチルアミンで処理したシリカゲルを用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘプタン:酢酸エチル:トリエチルアミン=40:60:10)を行い、化合物(3)を得た。
実施例6
化合物(1)20.00g及びクロロホルム200mLの混合物に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩9.42g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール15.04g及びトリエチルアミン14.91gを加えた。得られた混合物に6−ヒドロキシヘキサン酸6.49gを加え、窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。得られた混合物をクロロホルムで希釈し、5%塩化ナトリウム水溶液で洗浄を3回行った。得られた有機層の溶媒を減圧下で留去し、残渣29.87gを得た。残渣4.98gにテトラヒドロフラン10mLを加えた後、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム水溶液(40wt%)5.70gと水1.6mLとの混合物を加えた。得られた混合物を30℃で6時間撹拌した後、トルエンを加え、水で洗浄して得られた有機層を、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄した後、溶媒を減圧下で留去した。残渣をアセトニトリルと混合し、再び減圧下で溶媒を留去することにより、化合物(2)を10.21g得た。
得られた化合物(2)10.21gにアセトニトリル21mLを加えた後、ジイソプロピルアミンテトラゾール塩1.40g及び2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト2.47gを加え、窒素雰囲気下室温で1.5時間撹拌した。得られた混合物をトルエンで希釈し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄を3回行った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣の一部をトリエチルアミンで処理したシリカゲルを用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘプタン:酢酸エチル:トリエチルアミン=40:60:10)を行い、化合物(3)を得た。
参考例1
実施例1で製造した化合物(3)を用いて、US2012/0035246の実施例(B1)に記載の一本鎖核酸分子(式(A)
Figure 0006787398
(式中、Cはシチジンモノリン酸ナトリウム塩を意味し、Aはアデノシンモノリン酸ナトリウム塩を意味し、Uはウリジンモノリン酸ナトリウム塩を意味し、Gはグアノシンモノリン酸ナトリウム塩を意味する)
で示される核酸分子。以下、化合物(A)と記す。)を製造した。
核酸合成機としてNTS M−4MX−E(日本テクノサービス株式会社製)を用いて3’側から5’側に向かって合成した。合成には、US2012/0035246の実施例2に記載のウリジンEMMアミダイト、実施例3に記載のシチジンEMMアミダイト、実施例4に記載のアデノシンEMMアミダイト及び実施例5に記載のグアノシンEMMアミダイトを使用し、固相担体として多孔質ガラスを使用し、デブロッキング溶液として高純度トリクロロ酢酸トルエン溶液を使用し、縮合剤として5−ベンジルメルカプト−1H−テトラゾールを使用し、酸化剤としてヨウ素溶液を使用し、キャッピング溶液としてフェノキシ酢酸溶液とN−メチルイミダゾール溶液を使用して行った。
化合物(A)を2回合成した結果、2回の平均OD260は27.7ODであり、2回の平均純度は94.0%であった。OD260とは1mL溶液(pH=7.5)における10mm光路長あたりのUV260nmの吸光度を表す。一般的にRNAでは1OD=40μgであることが知られていることから、2回の平均収量は1108μgとなる。
参考例2
US2012/0035246の実施例(A3)の(3)及び(4)の記載にしたがって化合物(3)を製造した(収率85.5%)。得られた化合物(3)を、上記参考例1の記載にしたがって化合物(A)を得た。
化合物(A)を2回合成した結果、2回の平均OD260は17.8ODであり、2回の平均純度は93.0%であった。一般的にRNAでは1OD=40μgであることが知られていることから、2回の平均収量は712μgとなる。
参考例1及び参考例2の結果に見られるように、本発明の製造方法で得られる化合物(3)を使用することにより、従来の製造方法で得られる化合物(3)を使用する場合に比べて化合物(A)が高い収量で得られる。
参考例3
上記参考例2に記載の化合物(3)、実施例3〜6で製造した化合物(3)を用い、上記参考例1の記載に準じて化合物(A)を得た。結果を下記表1に示す。参考例3の結果に見られるように、本発明の製造方法で得られる化合物(3)を使用することにより、従来の製造方法で得られる化合物(3)を使用する場合に比べて化合物(A)が高い収量で得られる。
Figure 0006787398
*US2012/0035246の実施例(A3)の(3)及び(4)
参考例4
窒素置換した反応容器にN−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−L−プロリン30.00gとアセトニトリル420mLとを混合し、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール32.68gを加えた。得られた混合物に4−アミノ−1−ブタノール9.51gを加え、さらにジシクロヘキシルカルボジイミド22.02gのアセトニトリル溶液210mLを室温で滴下した後、室温で1時間撹拌した。反応終了後、生成した沈殿を濾過により除去し、得られた濾液の溶媒を減圧下で留去した。残渣にトルエンを加え、10%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層の溶媒を減圧下で留去することにより、式(a)
Figure 0006787398
〔式中、Fmocは9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を表す。〕
で示される化合物を得た。
得られた式(a)で示される化合物全量にトルエン90mLを加えて共沸脱水操作を行った。得られた式(a)で示される化合物のトルエン溶液71.72g、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン91mg及びピリジン50mLを混合し、4,4’−ジメトキシトリチルクロリド32.64gを0〜5℃で加えた後、窒素雰囲気下、室温で30分間撹拌した。反応終了後、メタノールを加えて20分間撹拌した。得られた混合物をトルエンで希釈し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層の溶媒を減圧下で留去することにより、式(b)
Figure 0006787398
〔式中、Fmocは9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を表す。〕
で示される化合物を得た。
得られた式(b)で示される化合物にトルエン50mLを加えた後、ピペリジン59.89gを0〜5℃で滴下した後、窒素雰囲気下、室温で30分間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した。残渣にトルエンを加え、共沸脱水操作を行った。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:メタノール=80:20)に供し、化合物(1)を得た。
本発明方法により、高い収量で標的遺伝子の発現を抑制可能な一本鎖核酸分子を製造することのできる化合物(3)又はその鏡像異性体を製造することができる。

Claims (5)

  1. 式(1)
    Figure 0006787398
    で示される化合物又はその鏡像異性体を溶媒中、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシコハク酸イミド、エチル(ヒドロキシイミノ)シアノアセタート、炭酸N,N’−ジスクシンイミジル、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシピペリジン、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン、及びN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミドからなる群より選ばれる添加剤並びに縮合剤の存在下、6−ヒドロキシヘキサン酸と反応させた後、得られた反応混合物と、水と、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、二環式アミジン化合物、アルカリ金属アルコキシド及び第4級アンモニウム水酸化物からなる群より選ばれる塩基とを混合して式(2)
    Figure 0006787398
    で示される化合物又はその鏡像異性体を製造する工程、及び
    前記工程で得られた式(2)で示される化合物又はその鏡像異性体と2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイトとを、カップリングアクチベーターの存在下、溶媒中で反応させて、式(3)
    Figure 0006787398
    で示される化合物又はその鏡像異性体を得る工程
    を含む、式(3)で示される化合物又はその鏡像異性体の製造方法。
  2. 塩基がアルカリ金属水酸化物である請求項1に記載の製造方法。
  3. 縮合剤が1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、1,1−カルボニルジイミダゾール、1−プロピルホスホン酸無水物環状三量体又は2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンである請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 添加剤が1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシコハク酸イミド、エチル(ヒドロキシイミノ)シアノアセタート又は炭酸N,N’−ジスクシンイミジルである請求項1又は2に記載の製造方法。
  5. カップリングアクチベーターがジイソプロピルアミンテトラゾール塩、1H−テトラゾール、5−(エチルチオ)−1H−テトラゾール、5−(ベンジルチオ)−1H−テトラゾール又は4,5−ジシアノイミダゾールである請求項1又は2に記載の製造方法。
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