JP2016141423A - 蓋体付き容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】容器本体2の前壁部13には、陥凹部2Bが形成され、陥凹部2Bを画成する壁面のうち、前方を向く奥壁面16には、前方に向けて突出する係止部17が形成され、蓋体4には、陥凹部2B内へ下方に向けて突出する突出部28が配設され、突出部28には、後方に向けて突出して係止部17にアンダーカット嵌合する被係止部28Aが形成され、陥凹部2Bには、押圧壁部31及び押圧壁部31から後方に向けて突出する摺接部35を有する押釦体5が後方に向けて押込移動自在に配設され、押釦体5を押し込んだときに、摺接部35のが、突出部28の前面に摺接して突出部28を押し上げることにより、被係止部28Aが係止部17を乗り越え、摺接部35のうち少なくとも後端部が、被係止部28Aよりも下方に位置する。
【選択図】図3
Description
この場合では、突出部を摺接部の傾斜に沿って摺接させることによって突出部に対して押し上げる力を付与させやすくなるので、容器本体を開放するために必要な押釦体の押込力をさらに低減できる。
また、蓋体を容器本体に対してヒンジ部回りに回動させて蓋体を閉じる際に、例えば押釦体が押込位置にあることによって突出部が摺接部に当接した状態で蓋体をヒンジ部回りにさらに押し込んでも、突出部の前面が摺接部に沿って摺接し、これによって押釦体が前方に復帰する。そのため、押釦体を事前に前方へ復帰させた状態で蓋体を閉じる必要がなくなり、蓋体付き容器の操作性をさらに向上させることができる。
さらに、摺接部と突出部の前面とが面接触する場合には、押釦体を押し込んだ力が突出部に対して点接触や線接触のように局所的にかかることを防止するので、突出部及び摺接部にかかる負荷を低減できる。さらに、局所的に力がかからないので、容器本体の開閉動作が安定する。
この場合では、後側部分と前側部分との移行部分を突出部に対して点接触または線接触させることにより、面接触している場合と比較して、押釦体を押し込む力を、突出部を後方へ押し込む力ではなく突出部を押し上げる力に変換させやすくなる。すなわち、押釦体を後方に押し込む過程において、まず、水平面とのなす角度が大きい後側部分を突出部に当接させることにより、前壁部のうち奥壁面が形成されている部分を後方に弾性変形させつつ、突出部の下に潜り込ませる。そして、上記移行部分を突出部に対して点状または線状に当接させることにより、押釦体を押し込む力が効率的に突出部を押し上げる力に変換され、係止部と被係止部との係止状態をより容易に解除できる。その後、水平面に対する傾斜角度が小さい前側部分を突出部に当接させることで、この前側部分を突出部の下に潜り込ませやすくなり、押釦体を押し込む力が突出部を押し上げる力により変換させやすくなる。このように、後側部分と前側部分との移行部分を突出部に対して点接触または線接触させることにより、係止部と被係止部とをより効果的に係合解除させることができる。
ここで、本実施形態では、蓋体4側を上側とし、容器本体2側を下側とする。また、上下方向に直交する方向のうちヒンジ部3側を後側とし、その反対側を前側とする。さらに、上下方向及び前後方向の双方に直交する方向を左右方向とする。
第1前壁部13の左右方向の中間部には、前方及び上方に一体に開口する陥凹部2Bが形成されており、この陥凹部2Bを画成する壁部のうち前方を向く奥壁面16には、図2及び図3に示すように、前方に向けて突出する係止部17が形成されている。また、奥壁面16のうち係止部17よりも下方に位置する部分には、前方に向けて突出し、押釦体5が上方へ抜けることを防止する係止板部18が形成されている。さらに、陥凹部2Bを画成する壁部のうち上方を向く下壁面19には、前後方向に延在し、上方に開口する一対の引掛溝部19Aが左右方向に間隔をあけて形成されている。
天壁部21は、蓋体4の閉状態において容器本体2の底壁部11の上方で対向して配置されている。天壁部21の前後両端部それぞれには、図2に示すように、第1周壁部12の後述する左右一対の第2側壁部27と共に天壁部21に鏡体23を接合する空間を画成する一対の鏡枠部21Aが左右方向の全長にわたって直線状に延設されている。
第2前壁部24には、図2及び図3に示すように、下方に向けて突出し、陥凹部2Bに上方から進入する突出部28が配設されており、この突出部28には、後方に向けて突出し、係止部17にアンダーカット嵌合する被係止部28Aが形成されている。また、突出部28の前方を向く前面は、後方から前方に向かうにしたがって漸次上方に向かうように傾斜している。なお、本実施形態では、突出部28の前面の水平面に対する傾斜角は、一定となっているが、一定でなくてもよい。
ヒンジ軸壁部25は、図1及び図2に示すように、ヒンジ凹部14Aの左右方向の内側に配設されており、ヒンジ軸壁部25の左右方向の外端部とヒンジ凹部14Aとは、軸部29を介して連結されている。これにより、容器本体2に対して蓋体4を回動可能に支持するヒンジ部3を構成する。
下壁部33は、係止板部18と陥凹部2Bの下壁面19との間に配設されており、下壁部33の後端部には、下方に向けて突出し、引掛溝部19A内へ各別に突出する一対の引掛突出部33Aが左右方向に間隔をあけて設けられている。引掛突出部33Aは、引掛溝部19Aに係止することによって、押釦体5が前方へ抜けることを防止する。
横壁部34は、押釦体5の操作時に突出部28に接触しないように構成されている。
摺接部35は、前後方向の長さが係止板部18の前後方向の長さよりも短くなっており、押釦体5を後方へ押し込み、係止板部18の前端部が押圧壁部31の後面に当接したときに摺接部35の後端部が陥凹部2Bを画成する奥壁面16に押し付けられないように構成されている。また、摺接部35のうち少なくとも後端部は、被係止部28Aよりも下方に位置し、突出部28の前面に当接している。なお、摺接部35の後端部は、押釦体5の押込前に突出部28の前面に当接していなくてもよい。
まず、蓋体4を開く場合には、押釦体5を後方へ押し込むと、摺接部35が突出部28の前面を後方へ押圧する。これにより、摺接部35の後端部は、突出部28を押圧する力の反力によって下方へ弾性変形すると共に、第1前壁部13のうち奥壁面16が形成されている部分は、突出部28を介して伝達される力によって、その下端部を起点として後方へ弾性変形する。ここで、摺接部35が突出部28の前面のうち下端よりも上方に位置する部分に当接し、かつ突出部28の前面が後方から前方に向かうにしたがって上方に向かうように傾斜しているので、第1前壁部13のうち奥壁面16が形成されている部分を後方へ弾性変形させながら、摺接部35が突出部28を後方に押圧する力の一部が突出部28を押し上げる力に変換される。
突出部28の被係止部28Aは、摺接部35によって押し上げられることにより、奥壁面16に形成された係止部17を上方に乗り越え、係止部17と被係止部28Aとの係止状態を解除する。
これにより、蓋体4をヒンジ部3回りに回動させ、容器本体2の収容凹部2Aを開放する。
以上のようにして、蓋体付き容器1を開閉する。
突出板部103は、第1実施形態における摺接部35と同様の構成となっている。
一対の傾斜板部104は、上壁部32と突出板部103とを接続している。傾斜板部104のうち後方を向く後面は、後方から前方に向かうにしたがって漸次上方に向けて延在するように傾斜している。また、傾斜板部104は、被係止部28Aよりも下方に位置して突出部28の前面に面接触する後側部分104Aと、後側部分104Aに前方から連なり突出部28の前面との間に上下方向の隙間が設けられた前側部分104Bと、を有する。すなわち、後側部分104Aの後面における水平面に対する傾斜角は、前側部分104Bの後面における水平面に対する傾斜角よりも大きくなっている。さらに、後側部分104の前後方向の長さは、前側部分104Bの前後方向の長さよりも短い。なお、突出板部103及び傾斜板部104は、当初から突出部28の前面に当接していなくてもよい。
これにより、蓋体4をヒンジ部3回りに回動させ、容器本体2の収容凹部2Aを開放する。
また、蓋体4を閉じるときに突出部28が摺接部102に当接しても、突出部28の前面が一対の傾斜板部104に沿って摺接し、押釦体101が前方へ移動するので、例えば押釦体5が押込位置にあっても、蓋体4を閉じる操作が押釦体101によって阻害されず、蓋体付き容器100の操作性をさらに向上させることができる。
さらに、傾斜板部104と突出部28の前面とが面接触しており、押釦体101を押し込んだ力が突出部28に対して局所的にかかることを防止するので、突出部28及び摺接部102にかかる負荷を低減し、容器本体2の開閉動作を安定させる。
また、以下の表1では、比較例1の押釦体201において前述の係止状態を解除させるためにかけた押込力を1(100%)としている。
例えば、第1実施形態において、摺接部は、押圧壁部から後方に向けて延在しているが押圧壁部から延設されている必要はなく、例えば上壁部と摺接部とを接続する接続壁部を設けることによって摺接部を押釦体に一体的に形成してもよい。同様に、第2実施形態において、摺接部は、突出板部の左右両端に設けられた一対の傾斜板部を有しているが、上壁部から延在すると共に前方から後方に向かうにしたがって漸次下方に向けて傾斜する板部材によって摺接部を構成するなど、他の構成を有してもよい。
第2実施形態において、傾斜板部は、突出部と面接触するように構成されているが、突出部と点接触や線接触するように構成されてもよい。また、傾斜板部の前側部分は、係止部と被係止部との係止状態を解除した後で、突出部に摺接しているが、係止部と被係止部との係止状態を解除する前に、突出部に摺接してもよい。さらに、傾斜板部は、上縁の傾斜角が異なる後側部分と前側部分とを有しているが、上縁の傾斜角を一定としてもよく、後側部分の上端縁と前側部分の上端縁とを滑らかに接続する上端縁を有する移行部分を後側部分と前側部分との間に設けてもよい。
押釦体の形状は、箱状に限らず、例えば左右一対の横壁部が設けられていない形状など、他の形状であってもよい。
容器本体や蓋体の形状は、上面視で矩形状に限らず、円状など他の形状であってもよく、また、扁平形状に限られない。
容器本体は、1つの内容物を収容する構成となっているが、複数の内容物を収容するように構成されてもよい。ここで、容器本体には、例えばパフやブラシなどの塗布具を収容してもよい。
蓋体付き容器は、コンパクト容器に限らず、蓋体が設けられている他の容器であってもよい。
内容物は、ファンデーションやアイシャドウ、アイライナなどの化粧料に限られない。
Claims (3)
- 上方に向けて開口する収容凹部が形成された容器本体と、
前記容器本体の後壁部にヒンジ部を介して連結され、前記収容凹部を開閉する蓋体と、
を備え、
前記容器本体の前壁部には、前方及び上方に一体的に開口する陥凹部が形成され、前記陥凹部を画成する壁面のうち、前方を向く奥壁面には、前方に向けて突出する係止部が形成され、
前記蓋体には、前記陥凹部内へ下方に向けて突出する突出部が配設され、前記突出部には、後方に向けて突出して前記係止部にアンダーカット嵌合する被係止部が形成され、
前記陥凹部には、前記前壁部から外部に露呈する押圧壁部及び前記押圧壁部から後方に向けて突出する摺接部を有する押釦体が後方に向けて押込移動自在に配設され、
前記押釦体を押し込んだときに、前記摺接部のうち少なくとも後端部が、前記突出部の表面のうち前方を向く前面に摺接して前記突出部を押し上げることにより、前記被係止部が前記係止部を乗り越える蓋体付き容器であって、
前記摺接部のうち少なくとも前記後端部が、前記被係止部よりも下方に位置することを特徴とする蓋体付き容器。 - 前記摺接部と前記突出部の前面とが、後方から前方に向かうにしたがって漸次上方に向けて延在することを特徴とする請求項1に記載の蓋体付き容器。
- 前記摺接部が、前記被係止部よりも下方に位置して前記突出部の前面に当接可能な後側部分と、前記後側部分に前方から連なり、前記後側部分が前記突出部の前面に当接している状態で前記突出部の前面との間に上下方向の隙間が設けられた前側部分と、を有することを特徴とする請求項2に記載の蓋体付き容器。
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