JP2016140925A - マルチワイヤ放電加工装置 - Google Patents

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Yasunobu Tawa
靖展 多和
正毅 淵山
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正毅 淵山
智久 加藤
Tomohisa Kato
智久 加藤
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Abstract

【課題】ワイヤを断線させることなく、効率的に加工することができるマルチワイヤ放電加工装置を提供すること。
【解決手段】マルチワイヤ放電加工装置1は、ワイヤRとインゴットIに高周波パルス電力を供給する高周波パルス電源ユニット60を備える。高周波パルス電源ユニット60は、加工電源61と、加工電源61からの電力を並列したワイヤRに接触して印加する給電子70と、加工電源61と給電子70とをスイッチを介して接続する接続回路80とを備える。給電子70は、異なる列のワイヤRに接触し、互いに絶縁された第1の給電子71と第2の給電子72を含んでいる。接続回路80は、第1のスイッチ81aを介して第1の給電子71と加工電源61とを接続する第1の回路81と、第2のスイッチ82aを介して第2の給電子72と加工電源61とを接続する第2の回路82と、を有している。
【選択図】図3

Description

本発明は、マルチワイヤ放電加工装置に関する。
従来、円柱状インゴットからウエーハを切り出す場合等における切断手段として、砥粒を用いたワイヤーソーが知られている。このワイヤーソーでは、複数のガイドローラ間に巻回された切断用ワイヤをその長手方向に高速駆動しながら、そのワイヤに対してワークを切断送りすることにより、このワークから多数枚の薄片が同時に切り出される。切り出されたウエーハは、ワイヤーソーによって発生したスクラッチを研削して除去しつつ平坦化して、表面にデバイスを形成し半導体ウエーハとなる。
しかし、このようなワイヤーソーでは、ガイドローラ間に形成された複数本のワイヤ分に対し、加工用砥粒が混合された加工液(スラリー)を同時供給する必要があり、その取扱いは容易でない。また、ワイヤがワークに直接接触するため、特に、ワークが硬度の高いSiC等で構成される場合、切断中にワイヤが断線するおそれがあり、このような断線が生じた場合には復旧までに長時間を要する不都合があった。そこで、マルチワイヤ放電加工装置が発案された(特許文献1)。
特開2000−94221号公報
特許文献1に示されたマルチワイヤ放電加工装置は、ワイヤに高周波パルスで印加した電力によってワイヤとワークの間で放電を発生させ、ワークの一部を除去して切削する。マルチワイヤ放電加工装置は、パルスの数だけ放電が発生するため、高周波パルスで電力を印加することにより、より早く加工が進むよう設定されている。
しかし、マルチワイヤ放電加工装置は、放電によってワイヤにもダメージが発生するため、ワイヤに印加する電力の周波数を高くしすぎるとパルス間隔が短すぎてワイヤの断線につながる。よって、特許文献1に示されたマルチワイヤ放電加工装置は、ワイヤが断線しない程度の周波数の電力しかワイヤに印加できずに、電源で発生する高周波パルスを用いて効率的に加工することが困難になるという問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ワイヤを断線させることなく、効率的に加工することができるマルチワイヤ放電加工装置を提供することである。
上述した課題を解決するために、本発明に係るマルチワイヤ放電加工装置は、間隔をおいて配設された複数のガイドローラと、該ガイドローラの軸方向に間隔をあけて複数回巻き掛けられ該ガイドローラ間で並列しインゴットを切断するワイヤと、インゴットを固定する基台部と、該ワイヤと該基台部に固定されたインゴットに高周波パルス電力を供給する高周波パルス電源ユニットと、を備え、該ワイヤで該インゴットを放電加工するマルチワイヤ放電加工装置であって、該高周波パルス電源ユニットは、高周波パルスで電力を出力する加工電源と、該加工電源からの電力を該ガイドローラ間で並列した該ワイヤに接触して印加する給電子と、該加工電源と該給電子とをスイッチを介して接続する接続回路と、該スイッチを制御する制御手段と、を備え、該給電子は、並列した該ワイヤのそれぞれ異なる列のワイヤに接触し、互いに絶縁された第1の給電子と第2の給電子とを少なくとも含み、該接続回路は、第1のスイッチを介して該第1の給電子と該加工電源とを接続する第1の回路と、第2のスイッチを介して該第2の給電子と該加工電源とを接続する第2の回路と、を有し、該制御手段は、高周波パルス電力のパルスとパルスの間で該第1のスイッチと該第2のスイッチとを順番に開閉し、該加工電源からの電力が該第1の給電子と該第2の給電子とに順番に供給されることを特徴とする。
上記マルチワイヤ放電加工装置では、前記スイッチはトランジスタによって構成されているものとすることができる。
上記マルチワイヤ放電加工装置では、前記加工電源は、高周波パルスの周波数を調整可能であり、周波数に対応して前記スイッチを開閉するタイミングも調整されるものとすることができる。
そこで、本願発明のマルチワイヤ放電加工装置では、高周波パルス電力のパルスとパルスとの間で第1のスイッチと第2のスイッチとを順番に開閉し、第1の給電子に接触するワイヤと第2の給電子に接触するワイヤとに順番に印加する。したがって、マルチワイヤ放電加工装置は、ワイヤに局所的にかかるダメージを増加させることなく、加工電源が発生する高周波パルスの電力を効率よくワイヤに印加することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態1に係るマルチワイヤ放電加工装置の構成例を示す概略図である。 図2は、実施形態1に係るマルチワイヤ放電加工装置の切断ワイヤ部の構成例を示す斜視図である。 図3は、実施形態1に係るマルチワイヤ放電加工装置の高周波パルス電源ユニットの構成例を示す図である。 図4は、実施形態1に係るマルチワイヤ放電加工装置の加工電源の構成例を示す図である。 図5は、実施形態1に係るマルチワイヤ放電加工装置の加工電源が出力する高周波パルス電力などを示す図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態1〕
実施形態1に係るマルチワイヤ放電加工装置について説明する。図1は、実施形態1に係るマルチワイヤ放電加工装置の構成例を示す概略図である。図2は、実施形態1に係るマルチワイヤ放電加工装置の切断ワイヤ部の構成例を示す斜視図である。図3は、実施形態1に係るマルチワイヤ放電加工装置の高周波パルス電源ユニットの構成例を示す図である。図4は、実施形態1に係るマルチワイヤ放電加工装置の加工電源の構成例を示す図である。図5(a)は、実施形態1に係るマルチワイヤ放電加工装置の加工電源が出力する高周波パルス電力を示す図である。図5(b)は、実施形態1に係るマルチワイヤ放電加工装置の第1の給電子に印加される電力を示す図である。図5(c)は、実施形態1に係るマルチワイヤ放電加工装置の第2の給電子に印加される電力を示す図である。
マルチワイヤ放電加工装置1は、ワイヤRでインゴットIを放電加工するものであり、図1に示すように、繰り出しボビン20と、巻き取りボビン21と、ガイドローラ部30と、ワイヤRと、基台部41と、高周波パルス電源ユニット60とを備えている。
繰り出しボビン20には、黄銅などの金属線であるワイヤRが一定量巻回されている。繰り出しボビン20は、ガイドローラ部30に向けてワイヤRを繰り出す。ガイドローラ部30は、繰り出しボビン20の近傍に配設され、繰り出しボビン20から繰り出されたワイヤRを案内する。ガイドローラ部30は、複数のガイドローラ30a〜30jから構成されている。ガイドローラ30a〜30jは、円柱状に形成され、ワイヤRが走行する方向に間隔をおいて互いに平行に配設されている。
ガイドローラ30a,30bは、繰り出しボビン20の近傍に配設され、繰り出しボビン20により繰り出されたワイヤRを巻き掛けてワイヤRをガイドローラ30c〜30iに向けて送り出す。
ガイドローラ30c〜30iは、ワイヤRを巻き掛けて、ワイヤRが並列ワイヤ部310を構成し、ワイヤRを環状に支持するように配設されている。例えば、並列ワイヤ部310のガイドローラ30c,30d,30e,30g,30h,30iは、環状に配設されたワイヤRを内側から支持し、ガイドローラ30fは、環状に配設された並列ワイヤ部310のワイヤRに対して外側から支持するように配設されている。並列ワイヤ部310は、ガイドローラ30a,30bにより送り出されたワイヤRを軸方向に一定の間隔をおいて複数回巻き掛ける。並列ワイヤ部310のワイヤRは、例えば、軸方向に0.5mm〜数mm程度の間隔をあけてガイドローラ30c〜30iに8周巻き掛けられている。
並列ワイヤ部310において、ガイドローラ30cは、ガイドローラ30bにより送り出されたワイヤRを巻き掛けてガイドローラ30dに送り出す。ガイドローラ30dは、ガイドローラ30cにより送り出されたワイヤRを巻き掛けてガイドローラ30eに送り出す。ガイドローラ30eは、ガイドローラ30dにより送り出されたワイヤRを巻き掛けてガイドローラ30fに送り出す。ガイドローラ30fは、ガイドローラ30eにより送り出されたワイヤRを巻き掛けてガイドローラ30gに送り出す。ガイドローラ30gは、ガイドローラ30fにより送り出されたワイヤRを巻き掛けてガイドローラ30hに送り出す。ガイドローラ30hは、ガイドローラ30gにより送り出されたワイヤRを巻き掛けてガイドローラ30iに送り出す。ガイドローラ30iは、ガイドローラ30hにより送り出されたワイヤRを巻き掛けてガイドローラ30cに送り出す。これで、並列ワイヤ部310を構成するガイドローラ30c〜30iに1周巻き掛けられたことになる。ワイヤRは、軸方向に0.5mm〜数mm程度の間隔をあけつつ並列ワイヤ部310のガイドローラ30c〜30iに残り7周巻き掛けられる。並列ワイヤ部310は、8周巻き掛けられた最後のワイヤRをガイドローラ30jに送り出す。
ガイドローラ30jは、巻き取りボビン21の近傍に配設され、並列ワイヤ部310から送り出されたワイヤRを巻き掛けて巻き取りボビン21に送り出す。巻き取りボビン21は、ガイドローラ30jから送り出されたワイヤRを巻き取って回収する。
なお、繰り出しボビン20、巻き取りボビン21及びガイドローラ30a〜30jは、図示しないモータによって回転駆動される。全てのガイドローラ30a〜30jをモータ駆動とする必要はなく、例えば、並列ワイヤ部310を構成しないガイドローラ30a,30b,30jを従動ローラとしてもよい。
並列ワイヤ部310のワイヤRは、ガイドローラ30c,30d,30e,30f,30g,30h,30iの軸方向に間隔をあけて複数回(実施形態1では、8回)巻き掛けられている。並列ワイヤ310のワイヤRは、ガイドローラ30c,30d,30e,30f,30g,30h,30i間で並列し、インゴットIを切断するものである。並列ワイヤ部310のワイヤRは、基台部41を挟んで配設されたガイドローラ30gとガイドローラ30hにより鉛直方向に沿って一定のテンションを有して張設されている。ここで、鉛直方向とは、水平面に対して垂直である上向き方向又は下向き方向である。例えば、ガイドローラ30gとガイドローラ30hにより張設されたワイヤRは、鉛直方向に平行になるように張設してもよいし、鉛直方向に対して若干傾きを有するように張設してもよい。ガイドローラ30gとガイドローラ30hにより張設されかつ基台部41の近傍に位置するワイヤRは、インゴットIをスライスする切断ワイヤ部320を構成する。切断ワイヤ部320のワイヤRは、鉛直方向に沿って上向き(矢印方向Q)へ走行する。
インゴットIは、円柱形状であり、切断ワイヤ部320のワイヤRの間隔で円板状にスライスされる。インゴットIは、導電性がある材料であり、SiC、単結晶ダイヤ等の硬質な材料で形成される。また、本発明では、インゴットIは、シリコン、GaN(窒化ガリウム)で構成されてもよい。
切断ワイヤ部320の近傍に位置する基台部41は、インゴットIを支持する支持機構40を構成する。支持機構40は、基台部41、支持柱42及び駆動手段43を備えている。基台部41は、インゴットIを固定するものである。基台部41は、その前面41aにインゴットIの側面Iを導電性接着剤Bにより接着して固定する。インゴットIは、その端面Iが切断ワイヤ部320のワイヤRが走行する矢印方向Qと平行になるように基台部41の前面41aに固定される。
支持柱42は、棒状に形成されており、一端に基台部41が固定されている。駆動手段43は、支持柱42に固定された基台部41を移動させる。駆動手段43は、水平方向に沿って延在される図示しないボールねじと、パルスモータ等で構成される駆動源とを有する。駆動手段43は、ボールねじのナットに固定された支持柱42の他端を水平方向に沿って移動させ、支持柱42に固定された基台部41のインゴットIを切断ワイヤ部320のワイヤRに向けて水平方向(横方向P)に沿って移動させる。駆動手段43は、水平方向に平行になるように基台部41を移動させてもよいし、水平方向から若干傾きを有する方向に基台部41を移動させてもよい。例えば、切断ワイヤ部320のワイヤRの傾きと直角を成すように水平方向に沿って基台部41を移動させる。
マルチワイヤ放電加工は、誘電体である水や油などの加工液Fの中で実施される。切断ワイヤ部320及び基台部41に固定されたインゴットIは、加工液Fが貯留された加工槽50の中に浸漬されている。加工槽50の中で、加工液Fに浸漬された切断ワイヤ部320のワイヤRがインゴットIを加工する。
加工槽50の前面51には、図2に示すように、基台部41を取り付けるための円形の開口穴52が設けられている。加工槽50の開口穴52に基台部41が差し込まれ、図示しないシール部材により開口穴52と基台部41との隙間が密閉されている。加工槽50に対して基台部41が往復移動するように取り付けられている。
加工槽50は、その上面に開口部53を有しており、ガイドローラ30fにより送り出されたワイヤRは、開口部53から加工槽50の内部に進入する。加工槽50の内部に進入したワイヤRは、加工槽50内に配設されたガイドローラ30gにより開口部53から加工槽50の外部に送り出される。
高周波パルス電源ユニット60は、ワイヤRと、基台部41に固定されたインゴットIに高周波パルス電力を供給するものである。高周波パルス電源ユニット60は、図3に示すように、加工電源61と、給電子70と、接続回路80と、制御手段100とを備える。
加工電源61は、高周波パルスで直流の電力DW(図5(a)に示し、高周波パルス電力に相当する)を出力するものである。加工電源61は、図5(a)に示すように、高周波パルス電力としてのパルス状の直流の電力DWを、例えば100kHz〜300kHzの周波数で出力する。なお、図5の横軸は、時間を示している。以下、加工電源61が出力するパルス状の直流の電力DW即ち高周波パルス電力の周波数をF(Hz)と記載し、パルス状の直流の電力DWの時間的な長さをTと記載する。実施形態1では、加工電源61は、181、8kHzの周波数で、かつTが1μsecのパルス状の直流の電力DWを出力する。
加工電源61は、図4に示すように、商用電源62などから供給される交流の電力を直流の電力に変換する直流変換器63と、直流変換器63により変換された直流の電力を前述した周波数Fのパルス状の直流の電力DW即ち高周波パルス電力に変換するコンバータ64とを備えている。
直流変換器63は、商用電源62などから供給される交流の電力を通すコイル63a、トランス63b、4個のダイオード63cで構成されたダイオードブリッジ63d及びコンデンサ63eを備えて、交流の電力を直流の電力に変換する。
コンバータ64は、スイッチ素子64aと抵抗64bとが直列に接続されたスイッチング回路64cが複数並列に接続されて、直流変換器63により変換された直流の電力を高周波パルス電力(パルス状の直流の電力DW)に変換する。複数のスイッチング回路64cは、スイッチ素子64aのオンとなる時間をTとし、オンとなる周波数が前述した周波数Fとなるように、スイッチ素子64aのオンオフが同期して制御手段100により切り換えられる(制御される)。スイッチ素子64aとして、ダイオードやMOS(metal-oxide-semiconductor)型FET(field-effect transistor)を用いることができる。このように、加工電源61は、スイッチ素子64aがダイオードやMOS型FETで構成されて、スイッチ素子64aのオンオフのタイミングを適宜調整可能とされることで、高周波パルス電力(パルス状の直流の電力DW)の周波数を調整可能である。
コンバータ64は、複数のスイッチング回路64cを並列に接続することで、パルス状の直流の電力DWをワイヤRでインゴットIを放電加工可能な電力まで上昇させる。なお、実施形態1では、コンバータ64は、スイッチング回路64cを5つ備えている。コンバータ64は、変換後のパルス状の直流の電力DWのプラス側が基台部41に接続され、マイナス側が給電子70に接続されて、ワイヤRとインゴットIにパルス状の直流の電力DWを供給する。
給電子70は、加工電源61からの電力をガイドローラローラ30h,30i間で並列したワイヤRに接触して印加するものである。給電子70は、並列したワイヤRのそれぞれ異なる列のワイヤRに接触し、互いに絶縁された第1の給電子71と、第2の給電子72とを少なくとも含んでいる。第1の給電子71と、第2の給電子72とは、ガイドローラ30h,30iの軸線方向と平行な棒状に形成され、ガイドローラ30h,30iの軸線方向即ちワイヤRの並列方向に並べられている。第1の給電子71と第2の給電子72とは、それぞれ4列のワイヤRに接触している。
接続回路80は、加工電源61が出力するパルス状の直流の電力DWのマイナス側と、給電子70とをスイッチを介して接続するものである。接続回路80は、第1の回路81と、第2の回路82とを有している。第1の回路81は、スイッチとしての第1のスイッチ81aを介して、第1の給電子71と加工電源61が出力するパルス状の直流の電力DWのマイナス側とを接続するものである。第2の回路82は、スイッチとしての第2のスイッチ82aを介して、第2の給電子72と加工電源61が出力するパルス状の直流の電力DWのマイナス側とを接続するものである。第1のスイッチ81a及び第2のスイッチ82aは、ベースが制御手段100により制御されるトランジスタによって構成されている。第1のスイッチ81a及び第2のスイッチ82aは、制御手段100によりオンオフが制御される。
制御手段100は、第1のスイッチ81a及び第2のスイッチ82aのオンオフを制御するものである。また、制御手段100は、マルチ放電加工装置1を構成する上述した構成要素をそれぞれ制御して、インゴットIに対する放電加工動作をマルチ放電加工装置1に行わせるものである。具体的には、制御手段100は、繰り出しボビン20、巻き取りボビン21及びガイドローラ30a〜30jにモータ駆動信号を出力し、ワイヤRの繰り出しや巻き取り、ワイヤRを案内するように制御する。また、制御手段100は、駆動手段43にモータ駆動信号を出力してインゴットIを切断ワイヤ部320のワイヤRに切り込ませるように制御する。また、制御手段100は、高周波パルス電源ユニット60に制御信号を出力して高周波パルス電力(パルス状の直流の電力DW)の周波数や電圧値、出力時間などを制御する。
制御手段100が高周波パルス電源ユニット60に制御信号を出力してパルス状の直流の電力DWの周波数を制御する際には、スイッチ素子64a、第1のスイッチ81a及び第2のスイッチ82aのオンオフを制御する。制御手段100は、加工電源61のスイッチ素子64aのオンオフをパルス状の直流の電力DWの周波数が前述した周波数F(Hz)となるように制御する。
制御手段100は、加工電源61からのパルス状の直流の電力DW(即ちパルス)と次のパルス状の直流の電力DW(即ちパルス)との間で第1のスイッチ81aと第2のスイッチ82aとを順番に開閉し、加工電源61からのパルス状の直流の電力DWが第1の給電子71と第2の給電子72とに順番に供給されるように、第1のスイッチ81a及び第2のスイッチ82aのオンオフを制御する。また、制御手段100は、加工電源61からのパルス状の直流の電力DWの周波数に対応して、第1のスイッチ81a及び第2のスイッチ82aを開閉するタイミングも調整する。
具体的には、制御手段100は、図5(a)に示す加工電源61からの周波数Fのパルス状の直流の電力DWのうちの一つおきのパルス状の電力DW(図5(b)に示し、以下、符号DW1で記す)が第1の給電子71に供給されるとともに、これら一つおきのパルス状の直流の電力DW1が第2の給電子72に供給されることを規制するように、第1のスイッチ81a及び第2のスイッチ82aのオンオフを制御する。また、制御手段100は、図5(a)に示す加工電源61からの周波数Fのパルス状の直流の電力DWのうちの第1の給電子71に供給されることが規制される一つおきのパルス状の直流の電力DW(図5(c)に示し、以下、符号DW2で記す)が第2の給電子72に供給されるように、第1のスイッチ81a及び第2のスイッチ82aのオンオフを制御する。こうして、制御手段100は、切断ワイヤ部320において、第1の給電子71が接触しているワイヤRに供給されるパルス状の直流の電力DW1の位相と、第2の給電子72が接触しているワイヤRに供給されるパルス状の直流の電力DW2の位相とをずらす。なお、実施形態1では、第1の給電子71に供給されるパルス状の直流の電力DW1の周波数と、第2の給電子72に供給されるパルス状の直流の電力DW2の周波数は、加工電源61が出力する高周波パルス電力DWの周波数Fの1/2となっている。
なお、制御手段100は、例えばCPU等で構成された演算処理装置やROM、RAM等を備える図示しないマイクロプロセッサを主体として構成されており、加工動作の状態を表示する表示手段や、オペレータが加工内容情報などを登録する際に用いる操作手段と接続されている。
次に、マルチワイヤ放電加工装置1の加工動作について説明する。まず、基台部41にインゴットIを固定し、加工槽50内に加工液Fを貯留して、オペレータが加工内容情報を登録し、加工動作の開始指示があった場合に、加工動作を開始する。加工動作において、マルチワイヤ放電加工装置1の制御手段100は、繰り出しボビン20からワイヤRを繰り出してガイドローラ部30によりワイヤRを案内し、切断ワイヤ部320のワイヤRをインゴットIの下方から上方へ向かう矢印方向Qに走行させる。制御手段100は、高周波パルス電源ユニット60を制御してパルス状の直流の電力DW1,DW2をワイヤRとインゴットIに供給する。
制御手段100は、駆動手段43を制御してインゴットIを切断ワイヤ部320のワイヤRに向けて移動させ、ワイヤRとインゴットIとの極間に電圧を印加する。ワイヤRとインゴットIが接近すると、ワイヤRは、インゴットIに対して放電を行い、パルス状の直流の電力DW1,DW2は、給電子71,72、主にワイヤ切断部320のワイヤR、基台部41とに流れることとなる。加工液Fの液中で絶縁状態にあるインゴットIとワイヤRの間隔が数十μm位まで近づいて、両者の絶縁が破壊されて放電が発生すると、インゴットIが加熱されて溶融され、さらに加工液Fの温度が急激に上昇することにより加工液Fが気化し、体積膨張によってインゴットIの溶融箇所を飛散させる。パルス状の直流の電力DW1,DW2を供給して極間に電圧を印加することで、ワイヤRによりインゴットIを溶融すると共に飛散させる処理を断続的に行って放電加工を実施し、インゴットIを複数のウエーハにスライスする。
以上のように、実施形態1に係るマルチワイヤ放電加工装置1によれば、パルス状の直流の電力DWと次のパルス状の直流の電力DWとの間で第1のスイッチ81aと第2のスイッチ82aとを順番に開閉し、加工電源61からのパルス状の直流の電力DWを第1の給電子71に接触するワイヤRと第2の給電子72に接触するワイヤRとに順番に印加する。このために、マルチワイヤ放電加工装置1は、第1の給電子71を介してワイヤRに供給するパルス状の直流の電力DW1の位相と、第2の給電子72を介してワイヤRに供給するパルス状の直流の電力DW2の位相とをずらしている。
こうして、マルチワイヤ放電加工装置1は、切断ワイヤ部320の並列する複数のワイヤRを複数のグループに分け、グループ毎に異なる給電子71,72でパルス状の直流の電力DW1,DW2を印加し、印加するパルス状の直流の電力DW1,DW2の位相をグループごとにずらして印加する。このために、マルチワイヤ放電加工装置1は、切断ワイヤ部320のワイヤRに供給されるパルス状の直流の電力DW1,DW2の周波数を、加工電源61が出力するパルス状の直流の電力DWの周波数の1/2程度にすることができ、切断ワイヤ部320のワイヤRに対して局所的にかかるダメージを増加させることを抑制することができる。
したがって、マルチワイヤ放電加工装置1は、切断ワイヤ部320のワイヤRに局所的にかかるダメージを増加させることなく、加工電源61が出力するパルス状の直流の電力DWを効率よく切断ワイヤ部320のワイヤRに印加することができるという効果を奏する。また、マルチワイヤ放電加工装置1は、一つの加工電源61から複数の給電子71,72にパルス状の直流の電力DW1,DW2を供給できるため、加工電源61を増やす必要もないという効果も奏する。よって、マルチワイヤ放電加工装置1は、加工電源61を増加させる必要もないとともに、ワイヤRを断線させることなく、効率的に加工することができる、という効果を奏する。
前述した実施形態1では、給電子71,72と回路81,82をそれぞれ二つ設けているが、本発明では、これら三つ以上ずつ設けても良い。
1 マルチワイヤ放電加工装置
30a〜30j ガイドローラ
41 基台部
60 高周波パルス電源ユニット
61 加工電源
70 給電子
71 第1の給電子
72 第2の給電子
80 接続回路
81 第1の回路
81a 第1のスイッチ(スイッチ)
82 第2の回路
82a 第2のスイッチ(スイッチ)
100 制御手段
I インゴット
R ワイヤ
DW,DW1,DW2 パルス状の直流の電力(高周波パルス電力)

Claims (3)

  1. 間隔をおいて配設された複数のガイドローラと、該ガイドローラの軸方向に間隔をあけて複数回巻き掛けられ該ガイドローラ間で並列しインゴットを切断するワイヤと、インゴットを固定する基台部と、該ワイヤと該基台部に固定されたインゴットに高周波パルス電力を供給する高周波パルス電源ユニットと、を備え、該ワイヤで該インゴットを放電加工するマルチワイヤ放電加工装置であって、
    該高周波パルス電源ユニットは、
    高周波パルスで電力を出力する加工電源と、
    該加工電源からの電力を該ガイドローラ間で並列した該ワイヤに接触して印加する給電子と、
    該加工電源と該給電子とをスイッチを介して接続する接続回路と、
    該スイッチを制御する制御手段と、を備え、
    該給電子は、
    並列した該ワイヤのそれぞれ異なる列のワイヤに接触し、互いに絶縁された第1の給電子と第2の給電子とを少なくとも含み、
    該接続回路は、
    第1のスイッチを介して該第1の給電子と該加工電源とを接続する第1の回路と、
    第2のスイッチを介して該第2の給電子と該加工電源とを接続する第2の回路と、を有し、
    該制御手段は、
    高周波パルス電力のパルスとパルスの間で該第1のスイッチと該第2のスイッチとを順番に開閉し、該加工電源からの電力が該第1の給電子と該第2の給電子とに順番に供給されるマルチワイヤ放電加工装置。
  2. 前記スイッチはトランジスタによって構成されている請求項1記載のマルチワイヤ放電加工装置。
  3. 前記加工電源は、高周波パルスの周波数を調整可能であり、
    周波数に対応して前記スイッチを開閉するタイミングも調整される請求項1又は2記載のマルチワイヤ放電加工装置。
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