JP2016139679A - レーザー加工用銅膜形成用組成物、配線基板の製造方法、および電子機器 - Google Patents

レーザー加工用銅膜形成用組成物、配線基板の製造方法、および電子機器 Download PDF

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健朗 田中
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Keisuke Sato
啓介 佐藤
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和人 渡部
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Sugio Shimoda
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Abstract

【課題】レーザー加工によるパターニングによって、低抵抗な銅配線基板を、低エネルギーで高い精度で形成できるレーザー加工用銅膜形成用組成物、レーザー加工用銅膜形成用組成物を用いた配線基板の製造方法、および配線基板の製造方法によって得られた配線基板を有する電子機器を提供する【解決手段】、銅塩(A)、および溶剤(B)を含むレーザー加工用銅膜形成用組成物を調製する。配線基板の製造方法は、基板上に、そのレーザー加工用銅膜形成用組成物を塗布し、塗膜を形成する工程(1)、および前記塗膜を加熱し、銅膜を形成する工程(2)、および前記銅膜をレーザー加工し、銅配線を形成する工程(3)を有する。電子機器は、その配線基板の製造方法によって製造された配線基板を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、レーザー加工用銅膜形成用組成物、配線基板の製造方法、および電子機器に関する。
配線基板は、プリント配線基板等とも称され、電子機器の分野において、他の電子部品を固定して配線するための主要な機器となっている。この配線基板は、パターニングされた金属膜が基板上に形成されて、配線、電極および端子等を構成している。電子機器の分野において、プリント配線基板と同様に、パターニングされた金属膜を基板上に形成し、それらを配線等として用いるものとしては、他にタッチパネル、液晶表示素子および有機EL素子等がある。
配線基板を製造する場合、基板上に金属膜である配線等のパターンを形成する方法としては、例えば、フォトリソグラフィ技術を利用する方法が知られている。この方法では、先ず、均質なベタ状の金属膜を基板上に形成する。金属膜の形成方法としては、例えば、メッキ法が用いられる。また、蒸着法やスパッタ法等の利用も可能である。そして、形成された金属膜の上にレジスト液を塗布してレジスト層を形成する。次に、このレジスト層に対し、フォトマスクを用いて、紫外線等照射し、その後、現像することによってレジスト層のパターニングを行う。次いで、レジスト層で被覆されていない金属膜をエッチングにより除去し、さらに残存するレジスト部分を剥離することによってパターニングされた金属膜を得る。フォトリソグラフィ技術を利用する方法は、形成される配線パターンの線幅を細くして、例えば、サブミクロンオーダーにすることも可能であり、微細な金属膜パターンの形成に有効な方法となる。
こうしたフォトリソグラフィ技術を利用する方法では、上述したように、パターニングされる金属膜の形成にメッキ法が用いられる。メッキ法においては、通常、スパッタ法によるシード層の形成とメッキ処理が必要となる。スパッタ法は、真空中で行う必要があるため、装置や操作上の制約が大きく、また、処理に長時間を要して製造効率が低い。さらに、メッキ法においては、メッキ処理用のメッキ液の廃液処理が環境上の大きな問題となる。
同様に、金属膜の形成に蒸着法やスパッタ法等を用いる場合においても、真空中で金属膜の形成を行う必要があるため、装置や操作上の制約が大きく、処理に長時間を要して効率良く簡便に金属膜を形成することができない。
そのため、装置等および環境上の制約が少なく、簡便に低抵抗の金属膜を形成し、それをパターニングして配線等を形成することができる技術が求められている。
そこで近年、金属微粒子を分散して含む分散体の導電性ペースト組成物を用い、レーザー加工によるエッチング技術と組み合わせて、基板上に微細な配線を形成する配線形成技術が検討されている(特許文献1)。
レーザー加工は、レーザー光を集束して得られる高エネルギー密度を利用し、各種材料を融解・気化して切断、穴あけ、または、溶接等を行う加工法である。レーザー加工は、微小面積をきわめて短時間で加熱できるため、エッチング加工等に利用することができる。そして、周知の電子ビーム加工と同様に非接触加工が行える一方、真空を必要とせずに空気中での加工が可能となる。このようなレーザー加工は、微細なパターニングを高い精度で実現できるという優れた特徴を有する。
特許文献1には、金属微粒子とともに、無機フィラーおよび樹脂結着剤等の多様な成分を主成分とする導電性ペースト組成物が記載されている。そして、その導電性ペースト組成物の塗膜にレーザー加工を適用してエッチングを行い、基板上に配線を形成する技術が記載されている。
特開2014−2992号公報
本発明の目的は、レーザー加工によるパターニングによって、低抵抗な銅配線基板を、低エネルギーで高い精度で形成できるレーザー加工用銅膜形成用組成物、レーザー加工用銅膜形成用組成物を用いた配線基板の製造方法、および配線基板の製造方法によって得られた配線基板を有する電子機器を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、以下の構成を有するレーザー加工用銅膜形成用組成物を用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の[1]〜[6]に関する。
[1]レーザー加工による配線基板の製造に用いられる銅膜形成用組成物であって、銅塩(A)、および溶剤(B)を含むことを特徴とするレーザー加工用銅膜形成用組成物。
[2]前記銅塩(A)がカルボン酸銅塩またはその水和物である、[1]に記載のレーザー加工用銅膜形成用組成物。
[3]前記カルボン酸銅塩がギ酸銅(II)、又はその水和物である、[2]に記載のレーザー加工用銅膜形成用組成物。
[4]前記溶剤(B)がアミン化合物である、[1]〜[3]のいずれかに記載のレーザー加工用銅膜形成用組成物。
[5]基板上に、[1]〜[4]のいずれかに記載のレーザー加工用銅膜形成用組成物を塗布し、塗膜を形成する工程(1)、および前記塗膜を加熱し、銅膜を形成する工程(2)、および前記銅膜をレーザー加工し、銅配線を形成する工程(3)を有することを特徴とする配線基板の製造方法。
[6][5]に記載の配線基板の製造方法によって得られた配線基板を有することを特徴とする電子機器。
以下、本発明を実施するための形態について好適態様も含めて説明する。
<レーザー加工用銅膜形成用組成物>
本発明のレーザー加工用銅膜形成用組成物は、レーザー加工による配線基板の製造に用いられる銅膜形成用組成物であって、銅塩(A)、および溶剤(B)を含むことを特徴とする。
「銅膜」とは、銅を成分として含むベタ状の膜を示す。
「銅配線」とは、電極や端子を電気的に接続する金属膜、並びに電極および端子を示す。
「配線基板」とは、プリント配線基板として知られた配線基板だけでなく、パターニングされた金属膜が基板上に形成されて、銅配線、電極および端子等を構成している基板を全て含む。「配線基板」には、例えば、タッチパネル、液晶表示素子および有機EL素子等を構成するための基板が挙げられる。
〔銅塩(A)〕
銅塩(A)とは、銅カチオン、およびアニオンを含有する化合物を示す。
銅塩(A)としては、銅フッ化物、銅塩化物、銅臭化物、銅ヨウ化物、亜硝酸銅塩、硝酸銅塩、亜硫酸銅塩、硫酸銅塩、亜リン酸銅塩、リン酸銅塩、ピロリン酸銅塩、およびカルボン酸銅塩、並びにこれらの水和物等が挙げられる。これら銅塩のなかでも、カルボン酸銅塩、およびこれらの水和物が、良好な銅膜を形成できることから好ましい。銅塩(A)は、1種単独でも用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カルボン酸銅塩、およびその水和物としては、例えば、ギ酸銅(II)、酢酸銅(I)、酢酸銅(II)、ヒドロキシ酢酸銅(II)、グリオキシル酸銅(I)、乳酸銅(I)、シュウ酸銅(I)、シュウ酸銅(II)、酒石酸銅(II)、リンゴ酸銅(II)、およびクエン酸銅(II)、並びにこれらの水和物を挙げることができる。これらカルボン酸銅塩の中でも、低抵抗の銅膜や銅配線を形成できることから、ギ酸銅(II)、およびギ酸銅(II)4水和物、並びにこれらの組み合わせが好ましい。
銅塩(A)の純度については、特に限定するものではない。しかし、低純度であると、銅膜や配線を形成する際に、それらの導電性を低下させる懸念がある。したがって、ギ酸銅の純度は90%以上が好ましく、95%以上がさらに好ましい。
レーザー加工用銅膜形成用組成物中に含まれる銅塩(A)の含有割合は、通常、0.01質量%〜50質量%、好ましくは0.1質量%〜30質量%である。銅塩(A)の含有割合を上記範囲とすることで、貯蔵安定性に優れた銅膜形成用組成物を得ることができ、また、優れた導電性を有する銅膜を形成できる。
〔溶剤(B)〕
(B)溶剤は、少なくとも銅塩(A)を溶解または分散するために用いられる成分である。
溶剤(B)としては、例えば、水、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール(1−プロパノール)、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール(1−ブタノール)、i−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノニルアルコール、デカノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ターピネオール、ジヒドロターピネオール等のアルコール類;ヘキシルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、テトラデカン、シクロヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、i−プロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;およびアミン化合物が挙げられる。これらの中でもアミン化合物は、銅塩(A)を銅に還元する際の還元剤として機能することから、好ましい。
溶剤(B)は1種単独でも用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アミン化合物としては、下記一般式(1)〜(3)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2016139679
上記一般式(1)中、R、Rは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1から18のアルキル基、または、炭素数3から18の脂環式炭化水素基を示す。Rは、単結合、メチレン基、炭素数2から12のアルキレン基、または、炭素数6〜20のアリーレン基を示す。Rは、水素原子、炭素数1から18のアルキル基、炭素数3から18の脂環式炭化水素基、アミノ基、ジメチルアミノ基、または、ジエチルアミノ基を示す。
Figure 2016139679
上記一般式(2)中、R、Rは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1から18のアルキル基、または、炭素数3から18の脂環式炭化水素基を示す。Rは、メチレン基、炭素数2から12のアルキレン基、または、炭素数6〜20のアリーレン基を示す。Rは、炭素数1から18のアルキル基、または、炭素数3から18の脂環式炭化水素基を示す。但し、RおよびRが水素原子の場合、Rはメチル基およびエチル基以外を示す。
Figure 2016139679
上記一般式(3)中、R、R10は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1から18のアルキル基、または、炭素数3から18の脂環式炭化水素基を示す。R11は、メチレン基、炭素数2から12のアルキレン基、または、炭素数6〜20のアリーレン基を示す。R12、R13は、それぞれ独立に、炭素数1から18のアルキル基、または、炭素数3から18の脂環式炭化水素基を示す。
一般式(1)で表されるアミン化合物としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン、イソプロピルアミン、sec−ブチルアミン、イソブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソペンチルアミン、ネオペンチルアミン、tert−ペンチルアミン、1−エチルプロピルアミン、1,1−ジメチルプロピルアミン、1,2−ジメチルプロピルアミン、1,1,2−トリメチルプロピルアミン、1,2,2−トリメチルプロピルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、ネオペンチルアミン、1,5−ジメチルヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、4−ヘプチルアミン、2−ヘプチルアミン、シクロヘキシルアミン、およびシクロペンチルアミンが挙げられる。
上記一般式(2)で表されるアミン化合物としては、例えば、プロポキシメチルアミン、プロポキシエチルアミン、イソプロポキシプロピルアミン、プロポキシプロピルアミン、プロポキシブチルアミン、ブトキシメチルアミン、ブトキシエチルアミン、ブトキシプロピルアミン、(エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、イソブトキシプロピルアミン、ブトキシブチルアミン、およびオキシビス(エチルアミン)が挙げられる。
上記一般式(3)で表されるアミン化合物としては、例えば、アミノアセトアルデヒドジエチルアセタールが挙げられる。
溶剤(B)の含有割合は、通常、0.01質量%から99.99質量%、好ましくは1質量%から99質量%、より好ましくは2質量%から70質量%である。
〔その他任意成分〕
本発明のレーザー加工用銅膜形成用組成物は、上述した(A)成分および(B)成分に加え、本発明の目的や効果を損なわない限りにおいて、銅粒子、分散剤、酸化防止剤、濃度調整剤、表面張力調整剤、粘度調整剤、および塗膜形成補助剤等の成分を含有することが可能である。
〔レーザー加工用銅膜形成用組成物の製造〕
レーザー加工用銅膜形成用組成物は、少なくとも銅塩(A)、および溶剤(B)を均一に混合することで、製造することができる。混合する順序は特に限定するものではない。また、ゴミを取り除くために、各成分を均一に混合した後、得られた混合物をフィルター等で濾過してもよい。
前記混合は、例えば、撹拌羽による撹拌、スターラー、および撹拌子による撹拌、超音波ホモジナイザー、ビーズミル、ペイントシェーカー、並びに攪拌脱泡装置を使用して行う。
<配線基板の製造方法>
本発明の配線基板の製造方法は、基板上に、本願発明のレーザー加工用銅膜形成用組成物を塗布し、塗膜を形成する工程(1)、前記塗膜を加熱し、銅膜を形成する工程(2)、および前記銅膜をレーザー加工し、銅配線を形成する工程(3)を有する。
工程(1)〜(3)は、大気下(以下、空気雰囲気下とも言う。)または非酸化性雰囲気下で、後述する温度条件で加熱することにより、基板上に銅膜を形成することができる。非酸化性雰囲気とは、例えば、窒素雰囲気、ヘリウム雰囲気、アルゴン雰囲気、および水素ガス雰囲気を示す。これらの中でも、安価な窒素ガスを用いることができる窒素雰囲気が好ましい。
〔工程(1)〕
工程(1)は、基板上に、本願発明のレーザー加工用銅膜形成用組成物を塗布し、塗膜を形成する工程である。
基板としては、例えば、低密度ポリエチレン樹脂基板、高密度ポリエチレン樹脂基板、ABS樹脂基板、アクリル樹脂基板、スチレン樹脂基板、塩化ビニル樹脂基板、ポリエステル基板、ポリアセタール基板、およびセルロース誘導体樹脂基板等の樹脂基板;銅板、鉄板、およびアルミ板等の金属基板;ソーダガラス基板、ホウケイ酸ガラス基板、石英ガラス基板、アルミナ基板、サファイア基板、ジルコニア基板、チタニア基板、酸化イットリウム基板、およびITO基板の無機酸化物基板;並びに窒化ケイ素基板等の無機窒化物基板が挙げられる。
塗布して塗膜を形成する方法としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷、ディップコーティング、スリットコーティング、スピンコーティング、およびスプレーコーティングが挙げられる。
〔工程(2)〕
工程(2)は、工程(1)で形成した塗膜を加熱し銅膜を形成する工程である。
塗膜中に含まれる銅塩(A)の銅イオンが加熱することで還元され銅膜を形成する。塗膜中には溶剤(B)が含まれることから、溶剤(B)が銅塩(A)の銅イオンの還元を促進するような物質、例えば、溶剤(B)がアミン化合物である場合、より効率的に銅膜を形成することができる。
加熱温度(T(℃))は、銅塩(A)の銅イオンが還元され、且つ溶剤(B)等の有機物が揮発または分解してから揮発する温度であればよく、通常、50℃〜300℃の範囲、好ましくは100℃〜250℃の範囲である。
加熱時間は、溶剤(B)の種類、所望する銅膜の導電性(抵抗値)を考慮して適宜選択すればよく、通常、1分間〜30分間である。
銅膜の膜厚は、通常0.001μm〜20μmである。
〔工程(3)〕
工程(3)は、工程(2)で形成した銅膜にレーザーを選択的に照射することで、銅膜を選択的に加工し、銅配線を形成する工程である。
工程(2)で形成した銅膜にレーザーを選択的に照射することで、銅膜のレーザーが照射された部分は分解(エッチング)し、基板表面から除去される。その結果、基板上に銅配線を形成することができる。
レーザーを選択的に照射する方法としては、例えば、レーザー光をレンズ等により集束して、銅膜の形成された基板とレーザー光との相対的な位置関係を変える方法;およびレーザー光をレーザーを選択的に遮光するマスクを介して照射する方法が挙げられる。
レーザーとしては、通常、波長が0.2μm〜10μm、パワー密度が、1×10W/cm以上であり、例えば、Nd:YAGレーザー(基本波、第2高長波、第3高長波等)、KrFエキシマレーザー、および炭酸ガスレーザーが挙げられる。
Nd:YAGレーザーとしては、第2高長波以外に基本波(波長1.06μm)、第3高長波(波長0.353μm)、第4高長波(波長0.265μm)等が適用できる。
本発明の配線基板の製造方法によれば、レーザーのエネルギー量が低くても、銅膜を加工し配線基板を製造することができる。エネルギー量が低くても銅膜を加工し配線基板を製造できる理由としては、本発明の配線基板の製造方法によれば銅膜中の銅結晶粒界が小さく緻密であるためであると推定される。
以上の工程(1)〜工程(3)を行うことで、配線基板を製造することができる。工程(3)の後、分解した銅膜を洗浄する操作を行っても良い。
<電子機器>
本発明の電子機器は、本発明の配線基板の製造方法によって得られた配線基板を有することを特徴とする。
電子機器としては、例えば、アンテナ、およびタッチパネルを有するセンサー機器、液晶表示装置、および有機EL表示装置等の表示装置を挙げることができる。
以下、実施例に基づいて本発明の実施形態をより具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。以下の実施例の記載において、特に言及しない限り、「部」は「質量部」の意味で用いる。
<1.レーザー加工用銅膜形成用組成物の製造>
[実施例1A〜6A]
冷却ジャケットおよび攪拌機を装備したガラス製反応器へ、表1に示す各種成分を入れ、液温を30℃にコントロールしながら300rpmで20時間混合し、金属膜形成組成物を製造した。
Figure 2016139679
[実施例7A]
冷却ジャケットおよび攪拌機を装備したガラス製反応器へ、1−ブタノール(32.3部)、2−エチルヘキシルアミン(46.2部)、オレイン酸(3.2部)、及び無水ギ酸銅(II)(18.3部)を入れ、窒素流通下で均一溶解するまで攪拌した。次いで、100℃60分間加熱攪拌した。反応液を室温にした後、ガラス製反応器に、メタノール(100部)を入れ、遠心分離により上澄みを分離除去し、銅ナノ粒子の分散体を得た(銅ナノ粒子の含有割合は10.2質量%)。また、透過型電子顕微鏡(TEM)によると、得られた銅ナノ粒子の平均粒径は54nmであった。
前記銅ナノ粒子分散体(39.2部)、オレイン酸(0.4部)、オクチルアミン(0.3部)、n−オクタン(3.5部)、ブタノール(3.5部)、及びソルスパース24000(商品名、ルーブリゾール社製、0.1部)を遊星式撹拌・脱泡混合器にて混合し、金属膜形成用組成物を製造した。
[比較例1A]
実施例1Aにおいて、ギ酸銅4水和物に代えて無水ギ酸銅(22部)、オクチルアミンに代えて2−エチルヘキシルアミン(58部)、及び銅粉(商品名「1020Y」、三井金属鉱業社製、20部)を用いた以外は、実施例1Aと同様の操作にて、金属膜形成組成物を製造した。
<2.配線基板の製造>
[実施例1B]
実施例1Aの金属膜形成用組成物を、基板として、UVクリーニング処理を施した厚さ0.1mmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、バーコート法(スペーサ厚0.1mm、バー速度5cm/秒)にて塗布し塗膜を形成した。
塗膜を有する基板を、窒素雰囲気下、170℃10分間加熱し、厚さ0.5μmの銅膜を形成した。
YAGレーザー加工機(商品名「LAVIA1000SG」、住友重機械社製)を用い、下記加工条件にて、前記銅膜を、ライン/スペースパターン(ライン幅30μm、ライン間20μm、ライン長10mm)に加工し、配線基板を製造した。
加工条件
発信器:波長355nm
出力:10W
加工点出力:0.015mJ
レーザービーム径:直径0.02mm
ガルバノ周波数:700Hz
加工モード:バーストモード
エネルギー量:1500〜10500μJ/mm
[実施例2B〜6B、および比較例1B]
実施例1Bにおいて、実施例1Aの金属膜形成用組成物を実施例2A〜6A、および比較例1Aの金属膜形成用組成物に代える以外は実施例1Bと同様の操作にて、配線基板を製造した。
[実施例7B]
実施例1Bにおいて、実施例1Aの金属膜形成用組成物を実施例7Aの金属膜形成用組成物に、基板をポリエチレンテレフタレートフィルムから厚さ0.9mmのガラス基板に、加熱温度を250℃に変更した以外は実施例1Bと同様の操作にて、配線基板を製造した。
[比較例2B]
実施例1Bにおいて、基板として、UVクリーニング処理を施した厚さ0.1mmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、バッチ式スパッタリング装置(装置名「SX−200」、アルバック社製)にて、厚さ0.5μmの銅膜を用いる以外は実施例1Bと同様の走査にて、配線基板を製造した。
[実施例1C]
実施例1Aの金属膜形成用組成物を、基板として、UVクリーニング処理を施した厚さ0.1mmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、バーコート法(スペーサ厚0.1mm、バー速度5cm/秒)にて塗布し塗膜を形成した。
塗膜を有する基板を、窒素雰囲気下、170℃10分間加熱し、厚さ0.5μmの銅膜を形成した。
LD励起Nd:YVO4レーザー加工機(武井電気工業(株)製)を用い、下記加工条件にて、前記銅膜を、ライン/スペースパターン(ライン幅50μm、ライン間30μm、ライン長10mm)に加工し、配線基板を製造した。
加工条件
発信器:波長1064nm
パルス幅:20nsec
周波数域:15kHz〜100kHz
出力:7W
光学系:fθレンズによる集光光学系(集光スポット径:30μm)
走査方法:ガルバノスキャナー
エネルギー量:1200〜9200μJ/mm
[実施例2C〜6C、および比較例1C]
実施例1Cにおいて、実施例1Aの金属膜形成用組成物を実施例2A〜6A、および比較例1Aの金属膜形成用組成物に代える以外は実施例1Cと同様の操作にて、配線基板を製造した。
[実施例7C]
実施例1Cにおいて、実施例1Aの金属膜形成用組成物を実施例7Aの金属膜形成用組成物に、基板をポリエチレンテレフタレートフィルムから厚さ0.9mmのガラス基板に、焼成温度を250℃に変更した以外は実施例1Cと同様の操作にて、配線基板を製造した。
[比較例2C]
実施例1Cにおいて、基板として、UVクリーニング処理を施した厚さ0.1mmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、バッチ式スパッタリング装置(装置名「SX−200」、アルバック社製)にて、厚さ0.5μmの銅膜を用いる以外は実施例1Cと同様の走査にて、配線基板を製造した。
<3.評価>
実施例1B〜7B、比較例1B、2B、実施例1C〜7C、および比較例1C、2Cで製造した配線基板の配線の比抵抗値、および配線間の抵抗値を測定した。比抵抗値等の測定はデジタルマルチメーター(商品名「Keithley2000」、ケスレーインスツルメンツ(株)製)にて行った。評価結果を表2に示す。
Figure 2016139679
本発明の銅膜形成用組成物は、エレクトロニクス分野における回路基板の導電パターンの形成用の組成物として好適に使用できる。そして、本発明の銅膜は、エレクトロニクス分野等における電子部品等の製造に用いることができる。例えば、本発明の銅膜は、配線、回路基板、アンテナ、センサー、演算素子および表示素子の製造に用いることができる。さらに、本発明の銅膜形成用組成物は、レーザー加工に好適な導電性インクとしてインクジェット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビアオフセット印刷、リバースオフセット印刷等の各種印刷に好適に用いることができ、所望とする形状の導電パターンを形成することができる。

Claims (6)

  1. レーザー加工による配線基板の製造に用いられる銅膜形成用組成物であって、
    銅塩(A)、および溶剤(B)を含むことを特徴とするレーザー加工用銅膜形成用組成物。
  2. 銅塩(A)が、カルボン酸銅塩またはその水和物である請求項1に記載のレーザー加工用銅膜形成用組成物。
  3. 前記カルボン酸銅塩がギ酸銅(II)、又はその水和物であることを特徴とする請求項2に記載のレーザー加工用銅膜形成用組成物。
  4. 溶剤(B)がアミン化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザー加工用銅膜形成用組成物。
  5. 基板上に、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザー加工用銅膜形成用組成物を塗布し、塗膜を形成する工程(1)、および前記塗膜を加熱し、銅膜を形成する工程(2)、および前記銅膜をレーザー加工し、銅配線を形成する工程(3)を有することを特徴とする配線基板の製造方法。
  6. 請求項5に記載の配線基板の製造方法によって得られた配線基板を有することを特徴とする電子機器。
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