JP2016138782A - ガス検出装置 - Google Patents

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政俊 中川
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Ritsuo Kanetsuki
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Abstract

【課題】検出対象ガスと一緒に検出される水分量を補正して、検出対象ガスの濃度を高精度で測定できるガス検出装置を提供する。
【解決手段】大気を通気する第1の通気部11aおよび第2の通気部11bと、第1の通気部11aおよび第2の通気部11bに大気を通気させる通気手段と、第1の通気部11aに配置された疎水性を有する第1の吸着剤30aと、第1の吸着剤30aを加熱する第1の加熱手段40aと、第1の吸着剤30aから脱離した第1の脱離ガスを検出する第1のガスセンサ50aと、第2の通気部に配置された親水性を有する第2の吸着剤30bと、第2の吸着剤30bを加熱する第2の加熱手段40bと、第2の吸着剤30bから脱離した第2の脱離ガスを検出する第2のガスセンサ50bとを備え、第1の脱離ガスの検出値と第2の脱離ガスの検出値を用いて大気中の検出対象ガスの濃度を求めることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明はガス検出装置に関する。
ガスセンサにより検出可能なガスとしては、例えば、揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compound);メタンなどの可燃性ガス;一酸化炭素や窒素酸化物などの有毒ガス;硫黄化合物などの悪臭ガスが挙げられる。上記ガスの中でも、VOCは毒性の高い化学物質を含み、頭痛やめまい、吐き気などの健康被害の原因となる、代表的な大気汚染物質として知られている。
ガスセンサは、酸化物半導体や導電性高分子膜などをセンサの感応面に用い、空気や試料ガス中に含まれる検出対象ガスが、センサの感応面に付着することにより生ずる該センサの物理的変化を、電気的又は光学的に検出するものである。比較的低濃度の検出対象ガスを検出する場合、検出対象ガスの濃度を高めるために、加熱脱着法によるガス濃縮処理が行われることがある。このようなガス濃縮処理を行うガス検出装置として、例えば、特許文献1のにおい識別装置を挙げることができる。
図8に示すように、特許文献1のにおい識別装置200では、サンプルガス導入部201からサンプルガスを捕集剤202に導入し、におい成分を捕集剤202に吸着させて濃縮する。その後、捕集剤202を加熱部203で加熱して、濃縮したにおい成分を脱離させ、キャリアガス供給部204から供給するキャリアガスにより、ガスセンサ205に導いて検出している。
特開2002−22694号公報
しかしながら、特許文献1のようにガス濃縮処理を行うガス検出装置では、ガス濃縮処理において、捕集剤202に吸着した水分が検出対象ガスと一緒に脱離し、ガスセンサ205で検出されることで、検出対象ガスの濃度を正確に検出できないという問題があった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、検出対象ガスと一緒に検出される水分量を補正して、検出対象ガスの濃度を高精度で測定できるガス検出装置を提供することにある。
本発明のガス検出装置は、大気を通気する第1の通気部および第2の通気部と、第1の通気部および第2の通気部に大気を通気させる通気手段と、第1の通気部に配置された疎水性を有する第1の吸着剤と、第1の吸着剤を加熱する第1の加熱手段と、第1の吸着剤から脱離した第1の脱離ガスを検出する第1のガスセンサと、第2の通気部に配置された親水性を有する第2の吸着剤と、第2の吸着剤を加熱する第2の加熱手段と、第2の吸着剤から脱離した第2の脱離ガスを検出する第2のガスセンサとを備え、第1の脱離ガスの検出値と第2の脱離ガスの検出値を用いて大気中の検出対象ガスの濃度を求めることを特徴とする。
また、第2の脱離ガスの検出値から大気中の水分量を算出し、第1の脱離ガスの検出値から水分量を補正することを特徴とする。
また、第1の通気部および第2の通気部において、大気を通気して吸着剤に検出対象ガスを吸着させる濃縮工程と、吸着剤を加熱して検出対象ガスを脱離させる脱離工程と、吸着剤から脱離した脱離ガスを検出する検出工程が、それぞれ同じタイミングで行われることを特徴とする。
また、第1の吸着剤および第2の吸着剤を段階的に加熱し、複数の検出対象ガスの濃度を求めることを特徴とする。
また、第1の吸着剤および第2の吸着剤はゼオライトであり、第1の吸着剤は、シリカ/アルミナ比が30以上であり、第2の吸着剤は第1の吸着剤よりもシリカ/アルミナ比が小さいことを特徴とする。
また、ガスセンサは、表面プラズモン共鳴法を用いたセンサであることを特徴とする。
本発明によれば、検出対象ガスと一緒に検出される水分量を補正して、検出対象ガスの濃度を高精度で測定できるガス検出装置を提供することができる。
実施形態1のガス検出装置の断面図である。 実施形態1のガス検出装置の検出方法を説明するグラフである。 実施形態2のガス検出装置の検出方法を説明するグラフである。 実施形態3のガス検出装置の断面図である。 実施形態4のガス検出装置の断面図である。 実施形態5のガス検出装置に用いる表面プラズモン検出装置の概略構成図である。 表面プラズモン検出装置の遮蔽部の平面図である。 従来のにおい識別装置の概略図である。
以下、本発明のガス検出装置について図面を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。なお、実施形態の説明において、説明の便宜上、上、下、左、右の表現を用いるが、これらの表現は示した図に基づくものであって発明の構成を限定するものではない。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1に係るガス検出装置110の概略構成を示した断面図である。実施形態1のガス検出装置110は、筐体10と、筐体10内部の通気部11に大気を通気するための通気手段20と、大気中の検出対象ガスを吸着する吸着剤30と、吸着剤30を加熱する加熱手段40と、吸着剤30から脱離した脱離ガスを検出するガスセンサ50を備えている。
筐体10は、耐熱性、非腐食性を備える樹脂材料もしくは金属材料で形成された筒状体であり、内部には仕切りで分離された第1の通気部11aと第2の通気部11bを備えている。
第1の通気部11aには、疎水性を有する第1の吸着剤30aと、第1の吸着剤30aを加熱する第1の加熱手段40aと、第1の吸着剤30aから脱離した第1の脱離ガスを検出する第1のガスセンサ50aが設置されている。
また、第2の通気部11bには、親水性を有する第2の吸着剤30bと、第2の吸着剤30bを加熱する第2の加熱手段40bと、第2の吸着剤30bから脱離した第2の脱離ガスを検出する第2のガスセンサ50bが設置されている。
通気手段20は、外部の大気1を第1の通気部11aおよび第2の通気部11bに導入し、ガスセンサ50から吸着剤30の方向に大気1を通気させる。通気手段20は、例えば、一般的なファンユニット21が用いられ、送風方向を切り替えて、吸着剤30からガスセンサ50の方向に大気1を通気させることも可能となっている。通気手段20としては、ファンユニット21以外にも真空ポンプ等を用いることもできる。
吸着剤30は、例えば、直方体や円柱体の形状であり、内部には大気1を通過させる通気孔31が設けられている。吸着剤30の材料としては、シリカとアルミナを主成分とし多孔質構造を有するゼオライトが適している。
第1の吸着剤30aは、第1の通気部11aにおいて大気中の検出対象ガスを主に吸着し、濃縮・脱離するために用いる。このため、第1の吸着剤30aは、例えば、S/A比(シリカ/アルミナ比)が30以上で構成される疎水性のゼオライトが適している。
第2の吸着剤30bは、第2の通気部11bにおいて大気中の水分を主に吸着し、濃縮・脱離するために用いられている。このため、第2の吸着剤30bは、例えば、S/A比が30以下で構成される親水性のゼオライトが適している。
なお、ゼオライトは、結晶構造の違いによって細孔の大きさや吸着能力が変わるため、第1の吸着剤30aに用いる疎水性ゼオライト、第2の吸着剤30bに用いる親水性ゼオライトは、結晶構造が異なるゼオライトから選択してもよい。
また、第1の吸着剤30aは、検出対象ガスの種類に応じて、吸着能力が異なる複数のゼオライトを組合せて構成してもよい。
ここで、吸着能力の差異とは、検出対象ガスと吸着剤30の性状に起因するもので、具体的には、検出対象ガスの分子サイズと吸着剤30が備える細孔の大きさの大小関係や、検出対象ガスと吸着剤30との間の相互作用(極性、静電引力、水素結合、分子間力等に由来する)の大きさの違い等により、吸着し易い物質や吸着量が異なることを意味する。
加熱手段40は、吸着剤30の全体を、例えば、60〜200℃程度まで加熱する能力を有する加熱手段が用いられる。なお、図1に示すガス検出装置110では、第1の加熱手段40aと第2の加熱手段40bを別々に設けているが、1つの加熱手段40で共用してもよい。
加熱手段40は、例えば、ニクロム線、フィルムヒーター等を吸着剤30の周囲に巻き付けて構成することができる。また、吸着剤30の外周を覆う中空形状のセラミックヒーターを配置した構成や、吸着剤の外周を覆う中空形状の金属材料にフィルムヒーターやセラミックヒーター等を取り付け、金属材料を通して間接的に吸着剤30を加熱する構成でもよい。
ガスセンサ50は、例えば、SnO2等の酸化物半導体からなる一般的な半導体式ガスセンサを用いることができる。第1のガスセンサ50aと第2のガスセンサ50bは、検出条件を等しくするため同一構成のセンサを用いている。
ガスセンサ50の検知方式は、半導体式のセンサに限定されるものではなく、ガスによる赤外・紫外光吸収や表面プラズモン共鳴等を利用した光学センサ、干渉増幅反射(IER)方式センサ、ガス吸着膜を形成した水晶振動子の周波数変化を検出する方式のセンサ、ガス吸着膜を形成したSAW(表面弾性波)デバイスの周波数変化を検出するセンサなども用いることができる。
ガスセンサ50は、少なくとも感応面が通気部11の内部で露出するよう配置されており、通気部11においてはガスセンサ50が吸着剤30の前段(大気の流れの上流側)に配置されている。
実施形態1のガス検出装置110のガス検出方法は、下記の3つの工程を含む。
1.大気中の検出対象ガスを吸着剤に吸着して濃縮させる濃縮工程
2.吸着剤を加熱して濃縮した検出対象ガスを脱離させる脱離工程
3.吸着剤から脱離した検出対象ガスの濃度をガスセンサで検出する検出工程
最初に、濃縮工程では、通気手段20のファンユニット21を動作させて、外部の大気1を通気部11に吸引し、ガスセンサ50から吸着剤30の方向に大気1を通気させている。第1の通気部11aを通気する大気1からは、主に検出対象ガスが第1の吸着剤30aに吸着され、第2の通気部11bを通気する大気1からは、主に水分が第2の吸着剤30bに吸着される。また、通気手段20により通気が所定時間行われる間に、第1の吸着剤30aに吸着された検出対象ガスが濃縮され、第2の吸着剤30bに吸着された水分が濃縮される。
脱離工程では、第1の吸着剤30aと第2の吸着剤30bを同時に加熱することにより、第1の吸着剤30aに濃縮された検出対象ガスと、第2の吸着剤30bに濃縮された水分を脱離させている。加熱温度は、検出目的とする検出対象ガスの物性値に応じて、例えば60〜200℃の所定温度に設定されている。
検出工程では、通気手段20であるファンユニット21を逆回転させて、第1の吸着剤30aから脱離した脱離ガスを第1のガスセンサ50aに導き、第2の吸着剤30bから脱離した脱離ガスを第2のガスセンサ50bに導き、それぞれの脱離ガスを検出する。
上記の濃縮工程、脱離工程、検出工程を経ることで、検出対象ガスが大気中に低濃度のVOCガスであっても検出することができる。図2は、脱離工程における加熱温度と、検出工程における第1のガスセンサ50aの第1の検出値と、第2のガスセンサ50bの第2の検出値を示している。
加熱温度が所定温度T1に達すると、第1の吸着剤30aから脱離した脱離ガスが第1のガスセンサ50aで第1の検出値として検出される。また、第2の吸着剤30bから脱離した脱離ガスが第2のガスセンサ50bで第2の検出値として検出される。
大気中には湿度に相当する水分が存在しているため、第1のガスセンサ50aの第1の検出値および第2のガスセンサ50bの第2の検出値には、脱離ガスの他にこのような湿度相当の水分の量がベース部分として含まれている。
第1の検出値で、ピーク値S1には、第1の吸着剤30aが疎水性であるため検出対象ガスが多く含まれているが、第1の吸着剤30aに吸着された水分もある程度含まれている。
第2の検出値で、ピーク値S2には、第2の吸着剤30bが親水性であるため大気中の水分が多く含まれているが、第2の吸着剤30b吸着された検出対象ガスもある程度含まれている。
なお、大気中の水分は検出対象ガスよりも桁違いに多いため、第1の検出値のピーク値S1よりも第2の検出値のピーク値S2の方が大きくなっている。
本発明のガス検出装置は、上記のように第1の吸着剤30aと第2の吸着剤30bの吸着特性の違いを利用して、大気中の検出対象ガスの量と水分の量を分別して求めることを特徴としている。
具体的には、第1の吸着剤30aと第2の吸着剤30bに、それぞれ検出対象ガスと水分が吸着・脱離される度合いを吸着係数とし、第1の検出値(S1)と第2の検出値(S2)を解とする連立方程式から、検出対象ガス量Aと水分量Bを算出する。
S1=A・a1+B・b1
S2=A・a2+B・b2
ここで、a1は第1の吸着剤30aに対する検出対象ガスの吸着係数であり、b1は第1の吸着剤30aに対する水分の吸着係数である。また、a2は第2の吸着剤30bに対する検出対象ガスの吸着係数であり、b2は第2の吸着剤30bに対する水分の吸着係数である。各吸着係数は、第1の吸着剤30aと第2の吸着剤30bを用いて実験値として予め求めておくことができる。
連立方程式より水分量Bを算出できれば、以降、大気中の湿度の大きな変動がない限り、検出値S1から水分量を補正することにより、正確な検出対象ガスの濃度を求めることができる。
なお、第1の吸着剤30aと第2の吸着剤30bに対して、濃縮工程、脱離工程、検出工程を同じタイミングで行うことで、大気中の湿度が時間により変動する場合でも、大気中の湿度に相当する水分量を式S1と式S2から相殺することができる。
〔実施形態2〕
図3は、ガス検出装置110を用いて複数の検出対象ガスを検出する方法を示した図である。実施形態2では、実施形態1と同じガス検出装置110を用い、検出対象ガスの脱離工程で吸着剤30を段階的に昇温することを特徴としている。
検出対象ガスは、沸点が低いホルムアルデヒドや、沸点の高いトルエンやキシレンなど、沸点が異なる様々なVOCガスがあるが、吸着剤30の加熱温度を段階的に設定することで複数の検出対象ガスを検出することができる。
例えば、図3において加熱温度T1を70℃とし、このとき第1の検出値S11と第2の検出値S21とからV1としてホルムアルデヒドの量を検出したあと、加熱温度T2を120℃にして、このとき第1の検出値S12と第2の検出値S22とからV2としてトルエンの量を検出することができる。
〔実施形態3〕
図4は、実施形態3のガス検出装置120の概略構成を示した断面図である。実施形態3のガス検出装置120は、実施形態1のガス検出装置110の通気手段20のファンユニット21に代えて、真空ポンプ22、キャリアガス導入手段25、三方バルブ26を設けたことを特徴しており、ガス検出装置120の他の構成要素については実施形態1と同じであるため、同じ符号を付記して重複する説明を省略する。
実施形態3のガス検出装置120のガス検出方法は、実施形態1と同様に下記の3つの工程を含む。
1.大気中の検出対象ガスを吸着剤に吸着して濃縮させる濃縮工程
2.吸着剤を加熱して検出対象ガスを脱離させる脱離工程
3.吸着剤から脱離した検出対象ガスの濃度をガスセンサで検出する検出工程
濃縮工程では、通気部11と真空ポンプ22とを連結するように三方バルブ26を切換え、通気手段20である真空ポンプ22を動作させて外部の大気1を通気部11に吸引し、大気1をガスセンサ50から吸着剤30の方向に通気させている。大気中の検出対象ガスは、通気部11に配置された吸着剤30に吸着され、通気を所定時間続けることにより、検出対象ガスが吸着剤30に濃縮される。
脱離工程では、検出対象ガスを吸着した吸着剤30を加熱することにより、吸着剤30に濃縮した検出対象ガスを脱離させている。加熱温度は、検出目的とする検出対象ガスの物性値に応じて、例えば60〜200℃の温度範囲に設定される。
検出工程では、通気部11を真空ポンプ22に代えてキャリアガス導入手段25と連結するように三方バルブ26を切換え、通気部11に乾燥した不活性のキャリアガス3を導入することで、吸着剤30から脱離した検出対象ガスをガスセンサ50に導いて検出している。
実施形態3のガス検出装置120では、第1の吸着剤30aおよび第2の吸着剤30bから検出対象ガスや水分を脱離させた後、大気1の送風ではなくキャリアガス3により第1のガスセンサ50a、第2のガスセンサ50bに導いており、第1の検出値や第2の検出値に含まれていた大気1の湿度に相当する水分量を低減できるため、検出対象ガスや水分量をより正確に算出することができる。
〔実施形態4〕
図5は、実施形態4に係るガス検出装置130の断面図である。実施形態4のガス検出装置130では、実施形態1のガス検出装置110を縦置きにして用いることを特徴しており、ガス検出装置130の他の構成要素については実施形態1と同じであるため、同じ符号を付記して重複する説明を省略する。
実施形態4に係るガス検出装置130のガス検出方法は、実施形態1と同様に下記の3つの工程を含む。
1.大気中の検出対象ガスを吸着剤に吸着して濃縮させる濃縮工程
2.吸着剤を加熱して検出対象ガスを脱離させる脱離工程
3.吸着剤から脱離した検出対象ガスの濃度をガスセンサで検出する検出工程
濃縮工程では、通気手段20のファンユニット21を動作させて外部から大気1を吸引し、ガスセンサ50から吸着剤30の方向に大気1を通気させている。大気中の検出対象ガスは、通気部11に配置された吸着剤30に吸着され、通気を所定時間続けることにより、大気中の検出対象ガスが吸着剤30に濃縮する。
脱離工程では、検出対象ガスを吸着した吸着剤30を加熱することにより、吸着剤30に濃縮した検出対象ガスを脱離させている。加熱温度は、検出目的とする検出対象ガスの物性値に応じて、例えば60〜200℃の温度範囲に設定される。
検出工程では、通気手段20であるファンユニット21を動作させずに、吸着剤30から脱離した脱離ガス2を「煙突効果」を利用してガスセンサ50に導いている。
実施形態4のガス検出装置130では、ガス検出装置130を縦置きにすることで、吸着剤30から検出対象ガスを脱離させるときに、筐体10の通気部11と、吸着剤30の通気孔31が煙突のように機能する。脱離ガス2に含まれる検出対象ガスと水分は、加熱手段40によって暖められているため、通気部11や通気孔31の内部を煙突のように上昇する。また、通気部11や通気孔31の内部が負圧となることで、さらに下方にある検出対象ガスと水分が上方に誘引される(煙突効果)。
したがって、通気手段20で送風することやキャリアガス3を導入することなく、吸着剤30から脱離した検出対象ガスを吸着剤30の鉛直上方にあるガスセンサ50に導いて検出することができる。
なお、「煙突効果」による大気の流れが弱く、吸着剤30から脱離した検出対象ガスをガスセンサ50に十分導けない場合は、通気手段20を吸着工程とは逆方向に動作させて上向きの気流を発生させることで、検出対象ガスをガスセンサ50へ導く補助を行うようにしてもよい。
また、通気手段20は吸着剤30の上方に配置してもよいが、下方に配置する方がより望ましい。上方に配置した場合には、加熱工程おいて吸着剤より脱離し上昇する高温の検出対象ガスに通気手段20がさらされるため、通気手段20に耐熱性が求められるが、下方に設置すると高温の検出対象ガスに晒されずに済み、通気手段20の耐熱性が不要となる。
以上、実施形態4に係るガス検出装置130によれば、吸着剤30から脱離した検出対象ガスを「煙突効果」により誘引してガスセンサ50に導いているため、吸着剤30に濃縮された検出対象ガスがキャリアガス3等によって希釈されることを低減できる。そのため高濃度の検出対象ガスをガスセンサ50で検出することができ、検出対象ガスの検出精度を向上することができる。
〔実施形態5〕
実施形態5のガス検出装置では、ガスセンサ50として表面プラズモン検出装置(SPR)を用いていることを特徴しており、実施形態5のガス検出装置の他の構成要素については実施形態1と同じであるため、重複する説明を省略する。
実施形態5のガス検出装置は、ガスセンサ50に表面プラズモン検出装置60を用いることにより、検出対象ガスをさらに高精度で検出することができる。図6は、実施形態5のガス検出装置に用いる表面プラズモン検出装置60の構成を示す概略図である。
表面プラズモン検出装置60は、投光部61、受光部62、表面プラズモン素子65および演算処理部66を備える。投光部61は、表面プラズモン素子65に向けて入射光L1を投光する。受光部62は、表面プラズモン素子65から反射された反射光L2を受光し光量を検出する。受光部62は、演算処理部66に接続されている。
受光部62は、遮蔽部材63および受光素子64を含む。表面プラズモン素子65によって反射された反射光L2は、図示しないコリメートレンズによって平行光束に変換される。平行光束に変換された反射光L2は、遮蔽部材63に設けられた開口部63a(図7参照)を通過して受光素子64にて受光される。開口部63aは、受光部62の受光領域を規定する。受光素子64としては、たとえばフォトダイオードを採用することができる。
演算処理部66は、受光素子64が検出した反射光L2の光量に基づいて、揮発性有機物等の検出対象ガスの濃度等を算出する。演算処理部66は、後述する処理部67、記憶部68、テーブル記憶部69を含む。
図7は、図6に示す遮蔽部材63を用いて検出した場合における暗線の位置の変化の一例を示す平面図である。図7を参照して、表面プラズモン検出装置60を用いたガス検出装置の検出方法について説明する。
図7に示すように、遮蔽部材63としては、円形形状の開口部63aが形成された遮蔽部材63を用いる。表面プラズモン現象によって形成される暗線BLの位置は、検出対象ガス(VOC)の量および大気中の水分の量により変化する。
このため、装置内に検出対象ガスが無い状態で、反射光L2の光量を予め受光部62にて検出する。予め検出された光量は、基準量として記憶部68に記憶されている。また、基準量からの変動量に基づいてガス濃度を算出するための換算テーブルもテーブル記憶部69に記憶されている。
脱離工程において、吸着剤30によって濃縮された検出対象ガスを含む大気を、表面プラズモン素子65の主表面に接触させた状態で、上記界面にて反射された反射光L2の光量を受光部62で検出する。暗線BLの位置は、表面プラズモン素子65の金属薄膜の表面状態によって変動し、上記1軸方向に対向する方向に平行な方向に移動する。本実施の形態においては、暗線BLは、開口部63aの中心線C1から図中AR1方向に離れた位置に移動する。
処理部67は、検出時に検出された反射光L2の光量と上記基準量との差分(変動量)を算出するとともに、上記換算テーブルを用いて、検出対象ガスの濃度を算出する。
本実施の形態においては、暗線BLの移動方向に対して、開口部63aの面積の変化率が一定でない。すなわち上記1軸方向に対応する方向に垂直方向の開口部63aの長さd1の変化率が一定でない。
これにより、暗線BLの初期位置にずれが生じると、暗線BLの移動量が同じであっても、暗線BLの面積の変化量が異なる。このため、上述のような換算テーブルを用いることにより確実に検出対象ガスの濃度を算出することができる。
また、たとえば検出対象ガスの濃度が低く、暗線BLがわずかにしか動かない場合には、暗線BLの初期位置が中心線C1から離れた部分に位置するように設定することが好ましい。開口部63aの長さd1の変化率は、中心線C1から離れるほど大きくなる。
このため、初期位置が中心線C1から離れた位置に設定されている場合には、初期位置が中心線近傍に設定されている場合と比較して、暗線BLがわずかに移動した場合であっても、暗線BLの面積の変化量が大きくなる。このため、検出される光量と基準量との差分が大きくなり検出感度を高くすることができる。
このように、実施形態5のガス検出装置においては、表面プラズモン検出装置60をガスセンサ50として用いることにより、極低濃度の検出対象ガスを高感度で検出する必要がある場合にも対応することできる。また、実施形態5に係るガス検出装置は、表面プラズモン検出装置60の受光部62の構成により、使用環境に合わせて検出感度を最適化することもできる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 大気
2 脱離ガス
3 キャリアガス
10 筐体
11 通気部
11a 第1の通気部
11b 第2の通気部
20 通気手段
21 ファンユニット
22 真空ポンプ
25 キャリアガス導入手段
26 三方バルブ
30 吸着剤
30a 第1の吸着剤
30b 第2の吸着剤
31 通気孔
40 加熱手段
40a 第1の加熱手段
40b 第2の加熱手段
50 ガスセンサ
50a 第1のガスセンサ
50b 第2のガスセンサ
60 表面プラズモン検出装置
61 投光部
62 受光部
63 遮蔽部材
63a 開口部
64 受光素子
65 表面プラズモン素子
66 演算処理部
67 処理部
68 記憶部
69 テーブル記憶部
110 ガス検出装置
120 ガス検出装置
130 ガス検出装置

Claims (6)

  1. 大気を通気する第1の通気部および第2の通気部と、
    前記第1の通気部および前記第2の通気部に大気を通気させる通気手段と、
    前記第1の通気部に配置された疎水性を有する第1の吸着剤と、
    前記第1の吸着剤を加熱する第1の加熱手段と、
    前記第1の吸着剤から脱離した第1の脱離ガスを検出する第1のガスセンサと、
    前記第2の通気部に配置された親水性を有する第2の吸着剤と、
    前記第2の吸着剤を加熱する第2の加熱手段と、
    前記第2の吸着剤から脱離した第2の脱離ガスを検出する第2のガスセンサとを備え、
    前記第1の脱離ガスの検出値と前記第2の脱離ガスの検出値を用いて大気中の検出対象ガスの濃度を求めることを特徴とするガス検出装置。
  2. 前記第2の脱離ガスの検出値から大気中の水分量を算出し、前記第1の脱離ガスの検出値から前記水分量を補正することを特徴とする請求項1に記載のガス検出装置。
  3. 前記第1の通気部および前記第2の通気部において、
    大気を通気して吸着剤に検出対象ガスを吸着させる濃縮工程と、
    吸着剤を加熱して検出対象ガスを脱離させる脱離工程と、
    吸着剤から脱離した脱離ガスを検出する検出工程が、それぞれ同じタイミングで行われることを特徴とする請求項1に記載のガス検出装置。
  4. 前記第1の吸着剤および前記第2の吸着剤を段階的に加熱し、複数の検出対象ガスの濃度を求めることを特徴とする請求項1に記載のガス検出装置。
  5. 前記第1の吸着剤および前記第2の吸着剤はゼオライトであり、前記第1の吸着剤は、シリカ/アルミナ比が30以上であり、前記第2の吸着剤は前記第1の吸着剤よりもシリカ/アルミナ比が小さいことを特徴とする請求項1に記載のガス検出装置。
  6. 前記ガスセンサは、表面プラズモン共鳴法を用いたセンサであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のガス検出装置。
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