JP6798128B2 - 分子濃度の連続測定装置及び分子濃度の連続測定方法 - Google Patents

分子濃度の連続測定装置及び分子濃度の連続測定方法 Download PDF

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本発明は、ガスに含まれる対象分子の分子濃度を連続的に測定するための、分子濃度の連続測定装置及び分子濃度の連続測定方法に関する。
近年、環境負荷ガスの大気中への放出が大きな社会問題となっており、法規制も年々厳しくなっている。特に、工場または車から大気中に放出される排ガス等の環境負荷ガスに対する取り組みは重要となっている。大気中に拡散される環境負荷ガスを低減するための対策を行う上で重要なことは、多種類の環境負荷ガスの発生挙動を正確に、かつ迅速に把握することである。特に大気中においては、風向および風速等の気象条件が時々刻々と変化するので、測定結果も短時間で大きく変化し得る。そのため、環境負荷ガスを含む大気ガスについての測定を、リアルタイムに、かつ高精度に行う技術が求められている。
一般に、大気中の環境負荷ガスの成分とされる芳香族分子等の有機化合物の分子の検出および同定には、質量分析(MS:Mass Spectrometry)法が用いられることが多い。質量分析法は、原子および分子等を何らかの方法でイオン化し、イオン化した原子および分子等を真空中に飛行させ、電磁気力により質量電荷比ごとに分離することにより、質量スペクトルを取得する方法である。この質量スペクトルに基づいて、対象となる分子(対象分子)の分子濃度を測定することができる。
質量分析法の一例であるガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS:Gas Chromatography MS)は、クロマトグラフィを用いて有機化合物の質量スペクトルを得る方法であり、有機化合物の分子濃度の測定法として一般的に用いられている。例えば、下記特許文献1には、一定温度で瞬間的に加熱可能なGC/MS装置に関する技術が開示されている。当該技術によれば、大気中の有機化合物の分子濃度を、高い安定度で、高感度に測定することができる。
また、有機化合物の検出および同定をリアルタイムで行う手段として、質量分析法の一例であるレーザと質量分析装置とを組み合わせたレーザイオン化質量分析法の活用が進んでいる。レーザイオン化質量分析法は、レーザにより有機化合物の原子および分子をイオン化し、イオン化された原子および分子について質量スペクトルを得る方法である。レーザイオン化質量分析法として、例えば、一光子イオン化(SPI:Single Photon Ionization)法によるMS法(SPI−MS)、共鳴多光子イオン化(REMPI:Resonance Enhanced Multi Photon Ionization)法によるMS法(REMPI−MS)等が存在する。
レーザイオン化質量分析法によれば、多成分のガスに係る測定をリアルタイムで行うことが可能である。例えば、下記特許文献2には、車両にレーザイオン化質量分析装置を搭載した装置に関する技術が開示されている。当該技術によれば、大気ガスに含まれる対象分子の分子濃度を、リアルタイムに、かつオンサイトで測定することが可能である。
国際公開第2014/178147号 特開2011−252893号公報
一般的に、大気中において人体等に影響を及ぼし始める有害分子(対象分子)の分子濃度は数十pptのオーダである。環境負荷ガスが与える影響を低減させるためには、この濃度レベルで対象分子を測定することが要求される。
上記特許文献1に開示されているようなGC/MS法では、低濃度である対象分子の分子濃度の測定は可能であるが、一回の測定に長時間を要するので、測定結果のリアルタイム性に乏しい。その結果、当該文献に開示された技術では、大気ガスに含まれる対象分子の分子濃度をその場で連続的に測定することは困難である。
また、上記特許文献2に開示された技術では、測定結果のリアルタイム性が確保されても、数十pptのような濃度レベルを測定することは困難である。例えば、ガスを捕集して濃縮することにより、上述したような低い濃度レベルの対象分子の分子濃度を測定することは可能となるが、対象分子の分子濃度が高い環境においては、対象分子の濃縮量が飽和してしまうため、濃縮された対象分子を用いて当該環境における分子濃度を測定することは適切ではない。したがって、対象分子の分子濃度の濃度域が大きく変化するような環境において、連続的に当該分子濃度を測定することは困難である。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ガスに含まれる対象分子の分子濃度を幅広い濃度域について連続的に測定することが可能な、新規かつ改良された分子濃度の連続測定装置及び分子濃度の連続測定方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ガスに含まれる測定対象である対象分子の分子濃度を測定する測定装置と、上記ガスを上記測定装置に導入可能な第1導入路と、上記第1導入路と並列に設けられ、中間部に上記対象分子を吸着可能である濃縮部を備え、上記濃縮部を経由して上記ガスを上記測定装置に導入可能な第2導入路と、上記測定装置に導入される上記ガスの導入路を、上記第1導入路と上記第2導入路との間で切り替える第1の切替装置と、上記濃縮部の上流側および下流側において第2及び第3の切替装置を介して上記第2導入路と接続されているバイパス管と、上記第1導入路または上記第2導入路のいずれか一方の導入路から上記測定装置に導入された上記ガスに含まれる上記対象分子の分子濃度の上記測定装置による測定結果に基づいて、上記測定装置に導入される上記ガスの導入路を、上記第1の切替装置により上記一方の導入路から他方の導入路に切り替えるか否かを判定する制御部と、上記第2導入路の上記濃縮部よりも上流側において、第4の切替装置を介して、上記第2導入路に接続され、上記対象分子とは異なる分子からなるキャリアガスを上記第2導入路に導入可能なキャリアガス導入路と、上記第4の切替装置より上流側で上記ガスの上記第2導入路への導入を遮断する弁体と、を備え、上記制御部は、上記測定装置に導入される上記ガスの導入路が上記第2導入路に切り替えられている場合、上記第2及び第3の切替装置を用いて上記濃縮部を密閉して、上記弁体により、上記ガスの上記第2導入路への導入を遮断し、上記キャリアガス導入路から上記第2導入路に上記キャリアガスを導入し、さらに、上記濃縮部から上記対象分子が脱離される間は上記キャリアガスを上記キャリアガス導入路及び上記バイパス管を経由して上記測定装置に導入し、上記濃縮部から上記対象分子が脱離した後には、上記第2及び第3の切替装置を用いて上記濃縮部を開放して、上記キャリアガスを上記濃縮部に導入し、上記濃縮部から脱離した対象分子を上記キャリアガスと共に上記測定装置に導入する、分子濃度の連続測定装置が提供される。
上記キャリアガスが不活性ガスであってもよい。また、上記濃縮部は、上記ガスを通過させつつ、上記ガスに含まれる上記対象分子を吸着する吸着管と、上記吸着管を加熱して上記吸着管に吸着された上記対象分子を上記吸着管から脱離させる加熱装置と、からなり、上記加熱装置はキュリーポイントパイロライザーであってもよい。また、上記制御部は、上記第1 導入路を通過して導入された上記ガスに含まれる上記対象分子の分子濃度の上記測定結果が所定の閾値を下回る場合、上記測定装置に導入される上記ガスの導入路を上記第1 導入路から上記第2 導入路に切り替えてもよい。
上記制御部は、上記第2導入路を通過して導入された上記ガスに含まれる上記対象分子の分子濃度の上記測定結果が所定の閾値を上回る場合、上記測定装置に導入される上記ガスの導入路を上記第2導入路から上記第1導入路に切り替えてもよい。
上記連続測定装置は上記第2導入路の上記濃縮部よりも上流側において、上記対象分子とは異なる分子からなるキャリアガスを上記第2導入路に導入可能なキャリアガス導入路をさらに備え、上記測定装置に導入される上記ガスの導入路が上記第2導入路に切り替えられている場合、上記キャリアガス導入路から上記第2導入路に上記キャリアガスが導入されてもよい。
上記測定装置は、レーザ光を用いて上記対象分子の分子濃度を測定する測定装置であってもよい。
上記測定装置は、一光子イオン化質量分析法(Single Photon Ionization-Mass Spectrometry:SPI−MS)を用いた測定装置であってもよい。
上記第1導入路を通過して導入された上記ガスに含まれる上記対象分子の分子濃度の上記測定結果が1ppbを下回る場合に、上記制御部は、上記測定装置に導入される上記ガスの導入路を上記第1導入路から上記第2導入路に切り替えてもよい。
上記第2導入路を通過して導入された上記ガスに含まれる上記対象分子の分子濃度の上記測定結果が5ppbを上回る場合に、上記制御部は、上記測定装置に導入される上記ガスの導入路を上記第2導入路から上記第1導入路に切り替えてもよい。
上記対象分子は、芳香族分子を含んでもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ガスに含まれる測定対象である対象分子の分子濃度を測定する測定装置と、上記ガスを上記測定装置に導入可能な第1導入路と、上記第1導入路と並列に設けられ、中間部に上記対象分子を吸着可能である濃縮部を備え、上記濃縮部を経由して上記ガスを上記測定装置に導入可能な第2導入路と、上記測定装置に導入される上記ガスの導入路を、上記第1導入路と上記第2導入路との間で切り替える第1の切替装置と、上記濃縮部の上流側および下流側において第2及び第3の切替装置を介して上記第2導入路と接続されているバイパス管と、上記第2導入路の上記濃縮部よりも上流側において、第4の切替装置を介して、上記第2導入路に接続され、上記対象分子とは異なる分子からなるキャリアガスを上記第2導入路に導入可能なキャリアガス導入路と、上記第4の切替装置より上流側で上記ガスの上記第2導入路への導入を遮断する弁体と、を用いて、上記第1導入路または上記第2導入路のいずれか一方の導入路から上記測定装置に上記ガスを導入し、上記測定装置を用いて上記ガスに含まれる上記対象分子の分子濃度を連続的に測定し、上記測定装置による上記対象分子の分子濃度に係る測定結果に基づいて、上記測定装置に導入される上記ガスの導入路を上記一方の導入路から他方の導入路に切り替えるか否かを判定し、上記測定装置に導入される上記ガスの導入路が上記第2導入路に切り替えられている場合、上記第2及び第3の切替装置を用いて上記濃縮部を密閉して、上記弁体により、上記ガスの上記第2導入路への導入を遮断し、上記キャリアガス導入路から上記第2導入路に上記キャリアガスを導入し、さらに、上記濃縮部から上記対象分子が脱離される間は上記キャリアガスを上記キャリアガス導入路及び上記バイパス管を経由して上記測定装置に導入し、上記濃縮部から上記対象分子が脱離した後には、上記第2及び第3の切替装置を用いて上記濃縮部を開放して、上記キャリアガスを上記濃縮部に導入し、上記濃縮部から脱離した対象分子を上記キャリアガスと共に上記測定装置に導入する、分子濃度の連続測定方法が提供される。
かかる構成によれば、第1導入路から直接的に導入されたガスに含まれる対象分子の分子濃度の測定結果に基づいて、第2導入路において濃縮された対象分子についての測定を行うか否かの判定が行われ、判定結果に応じてガスの導入路の切り替えが行われる。この場合、対象分子の分子濃度がある基準を満たしていなければ、濃縮された対象分子の分子濃度に基づいて、上記ガスに含まれる対象分子の分子濃度が測定される。一方、対象分子の分子濃度が当該基準を満たしていれば、測定結果がそのまま大気中の分子濃度として扱われる。また、第2導入路において濃縮された対象分子の測定結果に基づいて、第1導入路から直接的に導入されるガスに含まれる対象分子についての測定を行うかの判定が行われ、判定結果に応じてガスの導入路の切り替えが行われる。この場合、対象分子の分子濃度がある基準を満たしていなければ、大気から直接的に導入される大気ガスに含まれる対象分子の分子濃度が測定される。これにより、ガスに含まれる対象分子の分子濃度の高低に関わらず、切れ目なく連続的に測定することができる。
以上説明したように本発明によれば、ガスに含まれる対象分子の分子濃度を幅広い濃度域について連続的に測定することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る連続測定装置の概略構成の一例を示す図である。 同実施形態に係る連続測定装置による測定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 同実施形態に係る連続測定装置に導入されるガスの流路の第1の例を示す図である。 同実施形態に係る連続測定装置に導入されるガスの流路の第2の例を示す図である。 同実施形態に係る連続測定装置に導入されるガスの流路の第3の例を示す図である。 同実施形態に係る連続測定装置による測定処理の流れの変形例を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.連続測定装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る連続測定装置1の概略構成の一例を示す図である。図1を参照すると、本実施形態に係る連続測定装置1は、測定装置2、第1導入路3、第2導入路4、切替装置10a〜10e、共通導入管20、および制御部100を備える。また、第1導入路3は、第1導入管30により構成される。第2導入路4は、濃縮部5、ポンプ6、第2導入管40、バイパス管41、キャリアガス導入管42およびガス導出管43により構成される。第1導入路3と第2導入路4は並列に設けられる。
また、図1を参照すると、共通導入管20と第1導入管30と第2導入管40との接続箇所には切替装置10aが設けられる。第2導入管40とガス導出管43との接続箇所には切替装置10bが設けられる。濃縮部5の下流側および上流側における第2導入管40とバイパス管41との接続箇所にはそれぞれ切替装置10cおよび10dが設けられる。第2導入管40とキャリアガス導入管42との接続箇所には切替装置10eが設けられる。
なお、共通導入管20、第1導入管30、第2導入管40、バイパス管41、キャリアガス導入管42およびガス導出管43を形成する配管の材質、長さおよび内径は特に限定されない。ただし、配管の材質は、対象分子が配管の内部で吸着しない材質であることが好ましい。また、配管の長さおよび内径は、ガスの導入タイミングと測定タイミングとのズレが所定の時間を超えない程度となるサイズであることが好ましい。例えば、上記配管の長さおよび内径は、所定の時間およびガスの配管内の吸引速度等を考慮して適宜設定され得る。
測定装置2は、測定対象である対象分子の分子濃度を測定する機能を有する装置である。ここで、対象分子とは、例えば、環境負荷ガスに含まれる有害分子等であり、より具体的には、ベンゼン、ナフタレン、またはクレゾール等の芳香族分子である。また、これらの有害分子は、例えば、石炭、コークスまたはタール等の乾留処理または加熱処理により工場から放出される揮発性分子等であり得る。
本実施形態に係る測定装置2は、例えば、ポンプを用いて共通導入管20からガスを吸引し、吸引されたガスに含まれる対象分子をイオン化し、イオン化された対象分子の質量スペクトルを取得することにより分子濃度を測定する質量分析装置により実現される。特に本実施形態に係る測定装置2は、連続的に分子濃度を測定するために、レーザ光の照射により対象分子をイオン化するレーザイオン化質量分析装置であることが好ましく、より具体的には、SPI−MS装置であることが好ましい。
SPI−MS装置は、ターボ分子ポンプ等のポンプによりガスを吸引するガス導入部、レーザ光を励起するレーザ部、ガス導入部により導入されたガスに含まれる分子をレーザ光によりイオン化するイオン化部、およびイオン化された分子の質量分析を行う質量分析部と、により構成される。当該SPI−MS装置により、例えば芳香族分子を一光子でイオン化することができる。したがって、迅速に測定対象物質の質量を分析することができるので、対象分子の分子濃度をリアルタイムで測定することが可能となる。例えば、一般的なSPI−MS装置は、ガスが導入されてから約1秒以内に、当該ガスに含まれる分子濃度の測定結果を出力することが可能である。また、一般的なSPI−MS装置による分子濃度の検出下限は、約1ppb程度である。
なお、本実施形態に係る測定装置2はSPI−MS装置に限定されない。例えば、測定装置2は、レーザ吸収分光法または赤外線単線吸収分光法等、レーザ光を用いた測定装置であってもよい。対象分子の種類等に応じて、測定装置に適用される測定方法は適宜変更され得る。本実施形態では、測定装置2はSPI−MS装置であるものとして説明する。
測定装置2は、測定結果を制御部100に出力する。
第1導入路3を構成する配管である第1導入管30は、一端において大気ガスを導入するための導入口を有し、他端において切替装置10aを介して共通導入管20と接続されている。
第2導入路4を主に構成する配管である第2導入管40は、第1導入管30と並行して設けられ、一端において大気ガスを導入するための導入口を有し、他端において切替装置10aを介して共通導入管20と接続されている。また、第2導入管40の中間部分には濃縮部5が設けられている。
濃縮部5は、大気ガスに含まれる対象分子を吸着することにより濃縮する機能を有する。濃縮部5は、第2導入管40の上流側から導入された大気ガスに含まれる対象分子を吸収し、加熱により当該対象分子を脱着させて第2導入管40の下流側に導出する。
図1に示すように、濃縮部5は、吸着管50および加熱装置51を備える。吸着管50は第2導入管40の途中に設けられ、導入された大気ガスから対象分子を吸着する。吸着管50として、例えば、TENAX等の活性炭系の吸着材を含む吸着管などが用いられる。
また、加熱装置51は、吸着管50を加熱し、吸着管50に吸着された対象分子を脱着させる。本実施形態に係る加熱装置51として、瞬間的な加熱が可能であり、再現性が良好であるキュリーポイントパイロライザーを用いることが好ましい。また、加熱装置51は、セラミックヒータ等であってもよい。加熱装置51による加熱処理の実行および終了のタイミング、並びに加熱温度等は、制御部100により制御される。
なお、本実施形態に係る吸着管50の内径は、4mm以上、かつ、5mm以下であることが好ましい。当該内径が4mmを下回る場合、吸着管50の内部に吸着される対象分子の吸着量が十分でないことがある。また、当該内径が5mmを上回る場合、加熱装置51により与えられる熱が吸着管50の内部において伝わりにくくなることにより加熱ムラが生じ、吸着管50に吸着された対象分子を全て脱着させることが困難となる。したがって、吸着管50の内径を4mm以上、かつ、5mm以下とすることにより、対象分子を十分吸着しつつ、加熱装置51による加熱時において吸着管50全体が均等に加熱され、吸着された対象分子を全て脱着させることが可能となる。
また、本実施形態に係る吸着管50の長さは、20mm以下であることが好ましい。当該長さが20mmを上回る場合、上述したような加熱ムラが生じやすくなる。なお、吸着管50の長さの下限値は特に限定されないが、少なくとも測定装置2の対象分子についての検出下限以上の分子量を吸着可能であるような長さであることが好ましい。また、吸着管50の長さは、後述する導入路の切り替えにおいて用いられる分子濃度の閾値に相当する量の分子を少なくとも吸着可能であるような長さであることが好ましい。
バイパス管41は、濃縮部5の上流側および下流側において切替装置10dおよび10cを介して第2導入管40と接続されている。このバイパス管41は、ガスを濃縮部5に通過させずに迂回させるための配管であり、第2導入管40、共通導入管20および測定装置2のパージのために用いられる。
キャリアガス導入管42は、キャリアガス導入路の一例であり、一端においてキャリアガスを導入するための導入口を有し、他端において切替装置10eを介して第2導入管40と接続されている。このキャリアガス導入管42は、外部からキャリアガスを導入するための配管である。不図示のキャリアガス送出部から導入されたキャリアガスは、第2導入管40、共通導入管20および測定装置2のパージのために、並びに濃縮部5において濃縮された対象分子を測定装置2に流すために用いられる。なお、当該キャリアガスは、例えば、N、ArまたはHe等の不活性ガスであることが好ましい。
ガス導出管43は、一端においてポンプ6と接続され、他端において切替装置10bを介して第2導入管40と接続されている。このガス導出管43は、第2導入管40を介して濃縮部5において大気ガスに含まれる対象分子を濃縮する場合、および一度濃縮部5に吸着されていた対象分子を脱着させて排出させる場合において、大気ガスおよび対象分子を連続測定装置1の外部にポンプ6を用いて排出するための配管である。
なお、ポンプ6の種類は特に限定されないが、本実施形態に係るポンプ6は、所定の吸引時間内において所定の吸引量を吸引することが可能なポンプ容量を有するポンプであることが好ましい。所定の吸引量とは、上記の所定の吸引時間内において、吸着管50に対象分子が十分吸着するのに必要な大気ガスの吸引量を意味する。例えば、吸着管50の内部に対象分子を十分に吸着させるのに少なくとも2Lの大気ガスの吸引が必要であり、所定の吸引時間が30秒である場合、ポンプ6に求められるポンプ容量は、少なくとも4L/minとなる。
切替装置10a〜10e(以下、特に区別する場合を除き、切替装置10と総称する)は、各配管におけるガスの流れを切り替えるための装置である。切替装置10は、例えば、バルブにより実現される。切替装置10を実現するバルブの種類は特に限定されないが、三方弁など、複数の配管の接続部における流路を切り替えることが可能なバルブであることが好ましい。本実施形態に係る切替装置10は、不図示のバルブアクチュエータにより開閉操作されるバルブであることが好ましい。これにより、後述する制御部100の制御により、切替装置10による配管の切替操作が自動的に行われる。なお、バルブアクチュエータの方式は、空気作動式、電動式、電磁作動式または油圧作動式など、特に限定されない。
切替装置10aは、測定装置2に導入されるガスの導入路を、第1導入路3(第1導入管30)と第2導入路4(第2導入管40)との間で切り替える。切替装置10bは、第2導入管40の中を流れてきたガスを、測定装置2に導入させるか、ガス導出管43を介して外部に排出するかを切り替える。切替装置10cおよび10dは、第2導入管40の中を流れてきたガスの流路を、濃縮部5とバイパス管41との間で切り替える。また、切替装置10eは、第2導入路4に導入するガスを、大気ガスとキャリアガス導入管42を介して導入されるキャリアガスとの間で切り替える。各配管の遮断は、切替装置10に備えられる弁体等を用いて行われる。
制御部100は、CPU(Central Processor Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ストレージ、および通信装置等のハードウェア構成を備える情報処理装置により実現される。制御部100は、所定のタイミング、および測定装置2による測定結果に基づいて、切替装置10による各配管の切替を制御する。具体的には、制御部100は、切替装置10を制御して、第1導入路3または第2導入路4のいずれか一方の導入路を、他方の導入路に切り替える。制御部100による切替装置10の制御については後述する。
また、制御部100は、入出力制御機能を有してもよい。例えば、制御部100は、測定装置2により得られた測定結果、または連続測定装置1の稼働状態に関する情報を、不図示のディスプレイまたはプリンタ等に出力する機能を有してもよい。これにより、連続測定装置1を使用する作業者は、測定装置2により得られる測定結果、および連続測定装置1の稼働状態について知得することができる。また、例えば、制御部100は、不図示のキーボードまたはタッチパネル等により得られる入力情報を取得する機能を有してもよい。これにより、上記作業者は、連続測定装置1の始動または停止等に係る指示を入力することができる。
また、制御部100は、測定装置2により得られる測定結果を逐次的に記憶する記憶機能を有してもよい。かかる記憶機能はストレージ等により実現される。
なお、本実施形態における測定装置2および制御部100は分離して構成されているが、他の実施形態においては、測定装置2と制御部100は一体となって構成されていてもよい。例えば、測定装置2は、切替装置10による各配管の切り替えを制御する機能を有する。
<2.連続測定装置による測定処理の流れ>
以上、本実施形態に係る連続測定装置1の構成の一例について説明した。次に、本実施形態に係る連続測定装置1による測定処理の流れの一例について、図2〜図5を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係る連続測定装置1による測定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図2に示すフローチャートには、まず第1導入路3を経由して測定装置2に大気ガスが導入され、当該大気ガスに含まれる対象分子の分子濃度に基づいて、制御部100がガスの導入路を第1導入路3から第2導入路4に切り替えるか否かを判定する例が含まれている。
まず、連続測定装置1に導入される大気ガスの導入路が第1導入路3に切り替えられる(ステップS101)。この場合、制御部100は、第1導入路3を介して大気ガスが測定装置2に導入されるよう、切替装置10をそれぞれ制御する。図3は、本実施形態に係る連続測定装置1に導入されるガスの流路の第1の例を示す図である。図3に示すように、制御部100は、各切替装置10a〜10eにそれぞれ設けられる弁体11a〜11eを適宜開閉し、大気ガスが第1導入路3を経由して測定装置2に導入されるための流路を確保する。なお、大気ガスの導入路がもともと第1導入路3に切り替えられている場合、制御部100によるステップS101に係る処理は行われなくてもよい。
次に、大気ガスが第1導入路3および第2導入路4をそれぞれ経由して吸引される(ステップS103)。図3に示すように、まず、測定装置2に内蔵されるポンプにより第1導入路3に吸引される大気ガスは、第1導入路3を経由して測定装置2に導入される(ステップS105)。
次に、測定装置2は、第1導入路3を経由した大気ガスに含まれる対象分子の分子濃度を連続的に測定する(ステップS107)。また、ポンプ6により第2導入路4に吸引される大気ガスは濃縮部5に導入され、濃縮部5を通過した大気ガスはガス導出管43を介して排出される。このとき、第2導入路4を経由した大気ガスに含まれる対象分子は、吸着管50の内部に吸着される。ステップS107において、第1導入路3を経由した大気ガスに含まれる対象分子の分子濃度の測定、および第2導入路4に導入される大気ガスの吸引は、所定時間にわたり行われる。当該所定時間は、吸着管50に対象分子が十分吸着するのに必要な大気ガスの吸引量を吸引するための時間である。当該時間は、ポンプの吸引能力、または吸着管50の内径および長さ等に応じて適宜設定される。
次に、制御部100は、測定装置2による測定結果に基づいて、測定装置2に導入されるガスの導入路を第1導入路3から第2導入路4に切り替えるか否かを判定する(ステップS109)。例えば、制御部100は、測定装置2に導入される大気ガスに含まれる対象分子の分子濃度の測定結果が所定の閾値を下回る場合、切替装置10に対してガスの導入路を第1導入路3から第2導入路4に切り替える制御を行う。一方、制御部100は、当該測定結果が所定の閾値以上である場合、切替装置10に対して導入路を切り替える制御を行わない。ここでいう測定結果は、例えば、測定装置2により測定された分子濃度の時系列データの平均値、中央値、最大値もしくは最小値等の統計値、またはステップS109の判定処理時における分子濃度であってもよい。
なお、当該閾値は、例えば、測定装置2がSPI−MS装置である場合、検出限界値(例えば1ppb)であってもよい。測定された分子濃度が検出限界値を下回った場合に、制御部100は、切替装置10に対してガスの導入路を第1導入路3から第2導入路4に切り替える制御を行ってもよい。
また、当該閾値は、測定装置2による測定結果のSN(シグナルノイズ)比に基づいて設定されてもよい。第1導入路3を経由して測定装置2に導入される大気ガスに含まれる対象分子の分子濃度が検出限界値に近い場合、測定結果のSN比は小さくなり、測定結果の誤差が大きくなる。一方、詳しくは後述するが、対象分子の大気中における分子濃度が低くても、第2導入路4を経由して濃縮部5で濃縮された後に吸着管50から脱着して測定装置2に導入される対象分子の分子濃度は局所的に高い数値を示す。そのため、吸着管50から脱着した対象分子の分子濃度の測定結果のSN比は高くなる。したがって、許容されるSN比を示すレベルの分子濃度を閾値として設定することにより、直接的な測定結果を可能な限り得ることができる。なお、当該閾値は、検出限界値の一例である1ppb等に限られず、測定状況および測定環境に応じて適宜設定され得る。
ステップS109において、制御部100が測定装置2に導入されるガスの導入路を第1導入路3から第2導入路4に切り替えないと判定した場合(S109/NO)、測定装置2には第1導入路3を経由した大気ガスが導入され、測定装置2は継続して対象分子の分子濃度の測定を継続する(ステップS111)。また、吸着管50に吸着された対象分子は、加熱装置51による加熱により吸着管50から脱着され、ポンプ6の吸引によりガス導出管43を経由して外部に排出される(ステップS113)。
一方、ステップS109において、制御部100が測定装置2に導入されるガスの導入路を第1導入路3から第2導入路4に切り替えると判定した場合(S109/YES)、濃縮部5が密閉され、ガスの導入路が第1導入路3から第2導入路4に切り替えられる(ステップS115)。このとき、まず、制御部100は、濃縮部5を密閉し、第2導入管40および測定装置2にキャリアガスが導入されるよう切替装置10を制御する。図4は、本実施形態に係る連続測定装置1に導入されるガスの流路の第2の例を示す図である。図4に示すように、弁体11aが第1導入管30を遮断し、弁体11bがガス導出管43を遮断し、弁体11cおよび11dが濃縮部5を密閉し、弁体11eが第2導入管40の大気ガス導入口を遮断するよう、制御部100が切替装置10を制御する。これにより、図4に示すように、キャリアガスがキャリアガス導入管42およびバイパス管41を経由して測定装置2に導入されるための流路が確保される。
第2導入路4への切替後、まずキャリアガスによる第2導入路4および測定装置2のパージが行われる(ステップS117)。第2導入管40、共通導入管20および測定装置2のガス導入部の内側に滞留または付着している対象分子またはコンタミ等を除去するためである。当該パージにより、測定装置2による誤測定を防ぎ、濃縮部5において濃縮された対象分子の分子濃度のみを測定することが可能となる。
また、当該パージと並行して、濃縮部5の吸着管50の加熱装置51による加熱処理が行われる(ステップS119)。これにより、吸着管50に吸着していた対象分子が脱着される。ステップS117におけるパージ処理およびステップS119における加熱処理が同時に行われる場合に各処理に係る時間は、例えば、加熱処理に費やされる時間に応じて設定される。例えば、150℃〜200℃程度で吸着管50を加熱する場合、全ての対象分子の脱着にかかる時間は5秒程度である。なお、吸着管50の温度を200℃より高温に加熱すると、冷却に必要な時間が長くなり本発明のリアルタイム性の確保が困難となる。
加熱処理後、制御部100は、濃縮部5の吸着管に吸着された対象分子が測定装置2に導入されるよう切替装置10を制御する(ステップS121)。図5は、本実施形態に係る連続測定装置1に導入されるガスの流路の第3の例を示す図である。図5に示すように、弁体11cおよび11dがバイパス管41を遮断し、濃縮部5を開放するよう、制御部100が切替装置10を制御する。これにより、キャリアガスが濃縮部5において吸着管50から脱離した対象分子を下流側に運ぶので、脱着した対象分子がキャリアガスとともに測定装置2に導入される。
次に、測定装置2は、濃縮部5から導入されるキャリアガスに含まれる対象分子の分子濃度を測定する(ステップS123)。ここで測定される分子濃度はあくまでも濃縮部5において濃縮されていた対象分子の分子濃度である。測定時において当該対象分子は濃縮されているので、測定結果により示される分子濃度は実際の大気中の分子濃度とは異なる。ここで、ステップS107において吸着管50に対象分子を吸着させるのに費やされた時間をt(sec)、およびステップS123における分子濃度の測定に要した時間をt(sec)とし、さらに測定時の分子濃度をC(t)とすると、下記式(1)を用いて分子濃度(の平均値)Cを求めることができる。この分子濃度Cが、大気ガスに含まれる対象分子の分子濃度の測定結果として扱われる。
Figure 0006798128
また、ステップS121により濃縮部5が開放されたあと、吸着管50の冷却が行われる(ステップS125)。吸着管50の冷却は自然冷却であってもよいし、送風機等の各種冷却機構により行われる強制冷却であってもよい。なお、第2導入路4に切り替えられていない場合、吸着管50の加熱後により対象分子を排出した後に、ステップS125における吸着管50の冷却が行われる。冷却を開始してから所定時間経過した後、測定を継続するか否かが判断される(ステップS127)。この所定時間は、例えば、吸着管50の冷却のために設けられる時間である。測定を継続する場合において(S127/YES)、ステップS109で第2導入路4に導入路が切り替えられている場合は、再度ステップS101において第1導入路3に導入路が切り替えられる。測定を継続しない場合は(S127/NO)、本実施形態に係る連続測定装置1による測定処理を終了する。
<3.変形例>
図2に示したフローチャートは、はじめに第1導入路3を経由して大気ガスが測定装置2に導入され、測定装置2による大気ガスに含まれる対象分子の分子濃度の測定結果に基づいて、制御部100がガスの導入路を第1導入路3から第2導入路4に切り替えるか否かを判定する場合の処理の流れを示しているが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、連続測定装置1による測定処理の流れとして、はじめに第2導入路4を経由して導入された大気ガスに含まれる対象分子が濃縮部5に濃縮され、濃縮された対象分子が測定装置2に導入され、測定装置2による濃縮された対象分子の分子濃度の測定結果に基づいて、制御部100がガスの導入路を第2導入路4から第1導入路3に切り替えるか否かを判定してもよい。以下、制御部100による第2導入路4から第1導入路3への切り替えの判定処理を含む、連続測定装置1による測定処理の流れの変形例について説明する。
図6は、本実施形態に係る連続測定装置1による測定処理の流れの変形例を示すフローチャートである。図6を参照すると、まず、連続測定装置1に導入される大気ガスの導入路が第1導入路3に切り替わっている場合、当該大気ガスの導入路は第2導入路に切り替えられる(ステップS201)。
次に、大気ガスが第2導入路4を経由して吸引される(ステップS203)。このとき、大気ガスは、ポンプ6により第2導入路4に吸引されて濃縮部5に導入され、濃縮部5を通過した大気ガスはガス導出管43を介して排出される。このとき、第2導入路4を経由した大気ガスに含まれる分子は、吸着管50の内部に吸着される。第2導入路4を経由した大気ガスの吸引は、所定時間にわたり行われる。
所定時間吸引後、濃縮部5が密閉され、吸着管50が加熱される(ステップS205)。その際、図4に示すようにキャリアガスによる第2導入路4および測定装置2のパージが並行して行われる。なお、吸着管50に対する加熱処理の条件等については、上述した例と同一である。
その後、制御部100は、濃縮部5の吸着管に吸着された対象分子が測定装置2に導入されるよう切替装置10を制御する(ステップS207)。切替装置10に対する制御は、図5に示したガスの流路に切り替える制御と同一である。これにより、キャリアガスが濃縮部5において吸着管50から脱離した対象分子を下流側に運ぶので、脱着した対象分子がキャリアガスとともに測定装置2に導入される。
次に、測定装置2は、濃縮部5から導入されるキャリアガスに含まれる対象分子の分子濃度を測定する(ステップS209)。測定終了後、吸着管50の冷却が行われる(ステップS211)。その際、吸着管50の冷却は自然冷却であってもよいし、送風機等の各種冷却機構により行われる強制冷却であってもよい。
次いで、制御部100は、測定装置2による測定結果に基づいて、測定装置2に導入されるガスの導入路を第2導入路4から第1導入路3に切り替えるか否かを判定する(ステップS213)。例えば、制御部100は、測定装置2に導入される大気ガスに含まれる対象分子の分子濃度の測定結果が所定の閾値を上回る場合、切替装置10に対してガスの導入路を第2導入路4から第1導入路3に切り替える制御を行う。一方、制御部100は、当該測定結果が所定の閾値以下である場合、切替装置10に対して導入路を切り替える制御を行わない。
なお、当該閾値は、吸着管50の最大吸着量に相当する分子濃度の値であってもよい。より具体的には、本実施形態に係る閾値は5ppbであってもよい。この値は、吸着管50の長さが20mmである場合の吸着管50の最大吸着量に応じた分子濃度である。濃縮部5に最大吸着量を上回る量の対象分子が流れてきた場合、最大吸着量を上回る量の対象分子を吸着することができない。この場合、測定装置2による測定結果は最大吸着量に相当する分子濃度となり、当該分子濃度以上の分子濃度を測定することができない。この場合、導入路の切り替えが求められる。
最大吸着量に相当する対象分子を閾値として導入路を切り替えることにより、直接大気から吸引された大気ガスに含まれる対象分子の分子濃度が測定装置2に導入される。これにより、濃縮部5が濃縮可能な濃度以上の対象分子の分子濃度を測定することができる。なお、当該閾値は、5ppbに限られず、測定状況および測定環境に応じて適宜設定され得る。
ステップS213において、制御部100が測定装置2に導入されるガスの導入路を第2導入路4から第1導入路3に切り替えないと判定した場合(S213/NO)、切替制御は行われない。一方で、制御部100が測定装置2に導入されるガスの導入路を第2導入路4から第1導入路3に切り替えると判定した場合(S213/YES)、ガスの導入路が第2導入路4から第1導入路3に切り替えられる(ステップS215)。
次に、第1導入路3を経由して大気ガスが測定装置2に吸引される(ステップS217)。そして、測定装置2は、吸引した大気ガスに含まれる対象分子の分子濃度を測定する(ステップS219)。
ステップS213において導入路が第1導入路3に切り替えられた場合はステップS219の処理の後に、または、ステップS213において導入路が第1導入路3に切り替えられていない場合はステップS213における判定処理の後に、測定を継続するか否かが判断される(ステップS221)。測定を継続する場合において(S221/YES)、ステップS211で第1導入路3に導入路が切り替えられている場合は、再度ステップS201において第2導入路4に導入路が切り替えられる。測定を継続しない場合は(S221/NO)、本実施形態に係る連続測定装置1による測定処理を終了する。
以上、本実施形態に係る連続測定装置1による測定処理の流れの変形例について説明した。なお、他の実施形態における測定処理の流れは、図2および図6に示した測定処理の流れのフローチャートが複合化されたものであってもよい。例えば、図2および図6に示したフローチャートにより実現される測定処理の流れが、互いに途中で入れ替わる形態も可能である。より具体的には、測定処理の流れが、図2または図6に示されるフローチャートの一方から他方に切り替えられてもよい。当該測定処理の流れを切り替えるか否かの判断は、例えば、制御部100により行われてもよい。当該判断は、例えば、測定結果または一回の測定処理におけるガスの導入路の切り替えの発生の有無等に基づいて行われてもよい。
例えば、図2のステップS127に係る処理を行う時点でガスの導入路が第2導入路4に切り替えられていた場合、次の処理として、図6のステップS201に係る処理が行われてもよい。すなわち、次回の測定において、測定処理当初のガスの導入路が第2導入路4のままに維持されていてもよい。これは、特に、測定された対象分子の分子濃度が上記の閾値以下となったときに、1回の測定で終わらず、測定をさらに継続する場合に好適な形態である。次回の測定においても分子濃度が当該閾値以下となる可能性が高いためである。
一方、図6のステップS221に係る処理を行う時点でガスの導入路が第1導入路3に切り替えられていた場合、次の処理として、図2のステップS101に係る処理が行われてもよい。すなわち、次回の測定において、測定処理当初のガスの導入路が第1導入路3のままに維持されていてもよい。これは、特に、測定された対象分子の分子濃度が上記の閾値以上となったときに、1回の測定で終わらず、測定をさらに継続する場合に好適な形態である。次回の測定においても、分子濃度が当該閾値以上となる可能性が高いためである。
また、上述した測定結果等にかかわらず、適宜測定処理を図2または図6のいずれかに示すフローチャートにより実現される流れに切り替えることが可能である。例えば、連続測定装置1が用いられる環境または状況等に応じて、適宜測定処理の流れを切り替えることも可能である。
<4.まとめ>
以上、本実施形態に係る連続測定装置1による測定処理の流れについて説明した。以上説明した処理を繰り返すことにより、大気ガスに含まれる対象分子の分子濃度を連続的に測定することができる。例えば、測定装置2により測定された対象分子の大気中の分子濃度が上記の閾値より低い場合は、大気ガスの導入路を第1導入路3から第2導入路4に切り替え、濃縮部5において濃縮された対象分子の分子濃度が測定される。これにより、測定装置2の検出下限を下回る分子濃度を測定することも可能である。また、対象分子の大気中の分子濃度が上記の閾値以上である場合は、大気ガスの導入路を第2導入路4から第1導入路3に切り替え、濃縮部5において濃縮された対象分子ではなく、大気から直接導入された大気ガスに含まれる対象分子の分子濃度を測定することもできる。これにより、対象分子の分子濃度を、数十pptオーダからppmオーダまでの幅広い濃度域について連続的に測定することが可能となる。
また、本実施形態に係る測定装置2として、レーザ光を用いた測定装置であることが好ましく、SPI−MS装置を用いることがさらに好ましい。これにより、対象分子の分子濃度の測定に費やされる時間を、吸着管50への対象分子の吸着に要する時間、並びに吸着管50の加熱および冷却に要する時間よりも短くすることができるので、連続測定の律速要因となることを回避することができる。したがって、連続測定装置1のリアルタイム性を向上させることができる。
なお、上記実施形態に係る測定装置2の測定対象である対象分子は芳香族分子であるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。他の実施形態においては、対象分子は、吸着管50に吸着可能な分子であれば、特に限定されない。
また、上記実施形態に係る連続測定装置1は大気ガスに含まれる対象分子の分子濃度を連続的に測定するが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、連続測定装置は、建築構造物の内部空間、または坑道等の地下空間等に存在する対象分子の分子濃度を測定してもよい。
また、図1に示す構成は、あくまで本実施形態に係る連続測定装置1の一例であり、連続測定装置1の具体的な構成はかかる例に限定されない。連続測定装置は、上述した本実施形態に係る連続測定方法を実現可能に構成されればよく、一般的に想定され得るあらゆる構成を取ることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 連続測定装置
2 測定装置
3 第1導入路
4 第2導入路
5 濃縮部
6 ポンプ
10 切替装置
11 弁体
20 共通導入管
30 第1導入管
40 第2導入管
41 バイパス管
42 キャリアガス導入管
43 ガス導出管
50 吸着管
51 加熱装置
100 制御部

Claims (11)

  1. ガスに含まれる測定対象である対象分子の分子濃度を測定する測定装置と、
    前記ガスを前記測定装置に導入可能な第1導入路と、
    前記第1導入路と並列に設けられ、中間部に前記対象分子を吸着可能である濃縮部を備え、前記濃縮部を経由して前記ガスを前記測定装置に導入可能な第2導入路と、
    前記測定装置に導入される前記ガスの導入路を、前記第1導入路と前記第2導入路との間で切り替える第1の切替装置と、
    前記濃縮部の上流側および下流側において第2及び第3の切替装置を介して前記第2導入路と接続されているバイパス管と、
    前記第1導入路または前記第2導入路のいずれか一方の導入路から前記測定装置に導入された前記ガスに含まれる前記対象分子の分子濃度の前記測定装置による測定結果に基づいて、前記測定装置に導入される前記ガスの導入路を、前記第1の切替装置により前記一方の導入路から他方の導入路に切り替えるか否かを判定する制御部と、
    前記第2導入路の前記濃縮部よりも上流側において、第4の切替装置を介して、前記第2導入路に接続され、前記対象分子とは異なる分子からなるキャリアガスを前記第2導入路に導入可能なキャリアガス導入路と、
    前記第4の切替装置より上流側で前記ガスの前記第2導入路への導入を遮断する弁体と、を備え、
    前記制御部は、前記測定装置に導入される前記ガスの導入路が前記第2導入路に切り替えられている場合、前記第2及び第3の切替装置を用いて前記濃縮部を密閉して、前記弁体により、前記ガスの前記第2導入路への導入を遮断し、前記キャリアガス導入路から前記第2導入路に前記キャリアガスを導入し、さらに、前記濃縮部から前記対象分子が脱離される間は前記キャリアガスを前記キャリアガス導入路及び前記バイパス管を経由して前記測定装置に導入し、前記濃縮部から前記対象分子が脱離した後には、前記第2及び第3の切替装置を用いて前記濃縮部を開放して、前記キャリアガスを前記濃縮部に導入し、前記濃縮部から脱離した対象分子を前記キャリアガスと共に前記測定装置に導入する、分子濃度の連続測定装置。
  2. 前記キャリアガスが不活性ガスである、請求項1に記載の分子濃度の連続測定装置。
  3. 前記濃縮部は、
    前記ガスを通過させつつ、前記ガスに含まれる前記対象分子を吸着する吸着管と、
    前記吸着管を加熱して前記吸着管に吸着された前記対象分子を前記吸着管から脱離させる加熱装置と、
    からなり、
    前記加熱装置はキュリーポイントパイロライザーである、
    請求項1または2に記載の分子濃度の連続測定装置。
  4. 前記制御部は、前記第1導入路を通過して導入された前記ガスに含まれる前記対象分子の分子濃度の前記測定結果が所定の閾値を下回る場合、前記測定装置に導入される前記ガスの導入路を前記第1導入路から前記第2導入路に切り替える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の分子濃度の連続測定装置。
  5. 前記制御部は、前記第2導入路を通過して導入された前記ガスに含まれる前記対象分子の分子濃度の前記測定結果が所定の閾値を上回る場合、前記測定装置に導入される前記ガスの導入路を前記第2導入路から前記第1導入路に切り替える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の分子濃度の連続測定装置。
  6. 前記測定装置は、レーザ光を用いて前記対象分子の分子濃度を測定する測定装置である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の分子濃度の連続測定装置。
  7. 前記測定装置は、一光子イオン化質量分析法(Single Photon Ionization-Mass Spectrometry:SPI−MS)を用いた測定装置である、請求項6に記載の分子濃度の連続測定装置。
  8. 前記第1導入路を通過して導入された前記ガスに含まれる前記対象分子の分子濃度の前記測定結果が1ppbを下回る場合に、
    前記制御部は、前記測定装置に導入される前記ガスの導入路を前記第1導入路から前記第2導入路に切り替える、請求項7に記載の分子濃度の連続測定装置。
  9. 前記第2導入路を通過して導入された前記ガスに含まれる前記対象分子の分子濃度の前記測定結果が5ppbを上回る場合に、
    前記制御部は、前記測定装置に導入される前記ガスの導入路を前記第2導入路から前記第1導入路に切り替える、請求項7に記載の分子濃度の連続測定装置。
  10. 前記対象分子は、芳香族分子を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の分子濃度の連続測定装置。
  11. ガスに含まれる測定対象である対象分子の分子濃度を測定する測定装置と、
    前記ガスを前記測定装置に導入可能な第1導入路と、
    前記第1導入路と並列に設けられ、中間部に前記対象分子を吸着可能である濃縮部を備え、前記濃縮部を経由して前記ガスを前記測定装置に導入可能な第2導入路と、
    前記測定装置に導入される前記ガスの導入路を、前記第1導入路と前記第2導入路との間で切り替える第1の切替装置と、
    前記濃縮部の上流側および下流側において第2及び第3の切替装置を介して前記第2導入路と接続されているバイパス管と、
    前記第2導入路の前記濃縮部よりも上流側において、第4の切替装置を介して、前記第2導入路に接続され、前記対象分子とは異なる分子からなるキャリアガスを前記第2導入路に導入可能なキャリアガス導入路と、
    前記第4の切替装置より上流側で前記ガスの前記第2導入路への導入を遮断する弁体と、
    を用いて、
    前記第1導入路または前記第2導入路のいずれか一方の導入路から前記測定装置に前記ガスを導入し、
    前記測定装置を用いて前記ガスに含まれる前記対象分子の分子濃度を連続的に測定し、
    前記測定装置による前記対象分子の分子濃度に係る測定結果に基づいて、前記測定装置に導入される前記ガスの導入路を前記一方の導入路から他方の導入路に切り替えるか否かを判定し、
    前記測定装置に導入される前記ガスの導入路が前記第2導入路に切り替えられている場合、前記第2及び第3の切替装置を用いて前記濃縮部を密閉して、前記弁体により、前記ガスの前記第2導入路への導入を遮断し、前記キャリアガス導入路から前記第2導入路に前記キャリアガスを導入し、さらに、前記濃縮部から前記対象分子が脱離される間は前記キャリアガスを前記キャリアガス導入路及び前記バイパス管を経由して前記測定装置に導入し、前記濃縮部から前記対象分子が脱離した後には、前記第2及び第3の切替装置を用いて前記濃縮部を開放して、前記キャリアガスを前記濃縮部に導入し、前記濃縮部から脱離した対象分子を前記キャリアガスと共に前記測定装置に導入する、分子濃度の連続測定方法。
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