JP2005283429A - 有機揮発物測定用捕集管及び有機揮発物測定方法 - Google Patents

有機揮発物測定用捕集管及び有機揮発物測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】試験片から揮発する吸着性の強い有機揮発物に対しても精度良く測定することが可能な有機揮発物測定用捕集管及び有機揮発物測定方法を提供する。
【解決手段】捕集管10は管状体であり、一次捕集管12と二次捕集管14に分割され、コネクタ32によって連結される。一次捕集管12の上端開口にはガス供給栓16が取り付けられ、その下流に試験片18を収容する試験片収容部20と吸着部22と気流案内部材24とが配置されている。二次捕集管14には36捕集剤充填部が配置され、下端開口にガス排出栓40が取り付けられている。一次捕集管12及び二次捕集管14はそれぞれ単独で熱脱着型ガスクロマトグラフ装置の熱脱着部に装填可能とされる。
【選択図】 図1

Description

本発明は有機揮発物測定用捕集管及び有機揮発物測定方法に係り、特に有機材料などの試験片から微量に揮発する吸着性の強い有機揮発物を測定する場合に好適な有機揮発物測定用捕集管及び有機揮発物測定方法に関する。
クリーンルームを構成する壁材や床材又はクリーンルーム内に設置される各種機器にはさまざまな有機材料が使用されている。これらの有機材料から有機揮発物が発生する。代表的なものとしてジオクチルフタル酸(DOP)がある。このジオクチルフタル酸はプラスチック材中の可塑性の添加剤として多く使用される。ジオクチルフタル酸の性質は沸点が360℃であり、常温ではわずかに揮発する。このためジオクチルフタル酸は通常クリーンルーム雰囲気中には0.1から1ng/Lの微量含まれている。ジブチルフタル酸(DBP)やジオクチルアジピン酸(DOA)なども同様にクリーンルーム雰囲気中に微量含まれている。クリーンルーム雰囲気中に存在するこれらの有機揮発物が半導体ウェハ表面に吸着し、その電気特性に影響を与える問題がある。そこで、このような有機揮発物のうちウェハ表面に吸着するものを評価する必要がある。
現在、有機材料などの試験片から揮発する有機揮発物の測定は日本空気清浄協会の「クリーンルーム構成材料から発生する分子状汚染物質の測定方法指針(案)」で記述されている方法が使用されている。その概要図を図10に示した。この測定方法は、試験片1から揮発する有機揮発物を吸引ポンプ5により吸引し、積算流量計6で測定時間を調整しながら、気流にのせて吸引ポンプ手前の捕集部で捕集する方法である。まず、測定対象となる有機材料などの試験片1をチャンバー2に入れる。このチャンバー2の材質はステンレス製又はガラス製容器を使用している。チャンバー2内上部の注入口から清浄空気又は窒素ガスなどを注入し、試験片1から揮発する有機揮発物を気流に同伴させ、チャンバー2上部の排出口に接続された配管7を通じてインビンジャー3又は捕集剤4などの捕集部で捕集する。その後、捕集部に捕集された有機揮発物を熱脱着式ガスクロマトグラフなどによって分析し、有機揮発物の種類及び量を測定している。
また、特許文献1には汚染物質が吸着した試験片を吸着管容器に収容し、この吸着管容器ごと質量分析装置に装着することによって試験片に吸着された汚染物質の熱脱着を行い、汚染物質の種類及び質量を測定して被測定個所の汚染度を評価する方法が記載されている。
特開2001−264295号公報
しかしながら前記指針による測定方法では、試験片から発生した有機揮発物のうち前記したジオクチルフタル酸(DOP)などの吸着性の強いものは、チャンバー2内部、又は配管7の内壁に吸着されてしまい、捕集部に到達できない。このため発生した有機揮発物の種類・量を精度良く測定することは困難である。また、特許文献1に記載された方法は試験片に吸着された汚染物質を測定し評価する方法であって、プラスチック構成材などの試験片から揮発する有機揮発物を測定するための方法ではない。
本発明の目的は、試験片から揮発する吸着性の強い有機揮発物に対しても精度良く測定することが可能な有機揮発物測定用捕集管及び有機揮発物測定方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る有機揮発物測定用捕集管は、気流の流入口と流出口を備えた管状体と、この管状体の上流部に配置されて試験片を収容可能な試験片収容部と、前記管状体の下流部に配置された有機揮発物の捕集剤充填部と、前記試験片収容部と捕集剤充填部との中間に配置された有機揮発物の吸着部と、当該吸着部を通過する気流を管内壁に案内する気流案内部材とを具備し、熱脱着型ガスクロマトグラフ装置の熱脱着部に直接に装填可能とされたことを特徴とする。
また、本発明に係る有機揮発物測定用捕集管は、前記有機揮発物測定用捕集管が一次捕集管と二次捕集管に分割されており、一次捕集管には前記試験片収容部と前記吸着部と前記気流案内部材とが配置され、二次捕集管には前記捕集剤充填部が配置され、前記一次捕集管及び二次捕集管がそれぞれ単独で熱脱着型ガスクロマトグラフ装置の熱脱着部に装填可能とされたことを特徴とする。
前記気流案内部材はフィルタ部材の中央部に気流遮断部材を配した構成とされ、管断面に対して前記気流を環状に案内するようにされた方が好ましい。
また、本発明に係る有機揮発物測定方法は、上記構成の捕集管を気流の流入口が上方に位置するように鉛直に配置し、前記試験片を前記流入口から吊り下げた状態で前記捕集管に収容し、当該捕集管内に空気を導入して前記試験片から揮発した有機揮発物を前記吸着部及び捕集剤充填部で吸着、捕集する第1工程と、第1工程後の捕集管から前記試験片を抜き出した後に、当該捕集管を熱脱着型ガスクロマトグラフ装置の熱脱着部に装填し、前記捕集管に吸着、捕集された有機揮発物を前記熱脱着型ガスクロマトグラフ装置によって分析する第2工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、試験片を捕集管に収容し、試験片から揮発した有機揮発物を即座に当該捕集管内で捕集し、この捕集管を熱脱着型ガスクロマトグラフ装置の熱脱着部に直接に装填可能にした。このため、試験片から揮発するジオクチルフタル酸(DOP)などの吸着性の強い有機揮発物に対しても精度良く測定することができる。特に吸着部を通過する気流を管内壁に案内する気流案内部材を配置することによって、捕集管を熱脱着型ガスクロマトグラフ装置の熱脱着部に装填し熱脱着を行う際には、キャリアガスが管内壁に吸着している有機揮発物と十分に接触し、有機揮発物を確実に脱着させる。このため、有機揮発物の脱着率を高くすることができ、熱脱着型ガスクロマトグラフ装置での測定精度を向上させることができる。
また、捕集管が一次捕集管と二次捕集管に分割されており、サンプリング時には両者を連結して使用し、測定・分析時には両者を切り離して一次捕集管及び二次捕集管をそれぞれ単独で熱脱着型ガスクロマトグラフ装置の熱脱着部に装填して測定・分析を行えるようにした。このため、試験片から揮発する有機揮発物の種類、量の測定のみならず、揮発した有機揮発物の吸着性に関する傾向を究明する場合に有効である。さらに、一次捕集管に試験片収容部と吸着部と気流案内部材を配置し、吸着部を通過する気流を管内壁に案内するようにした。このため、一次捕集管で捕集された吸着性の強い有機揮発物の熱脱着型ガスクロマトグラフ装置での測定精度を向上させることができる。
これによりクリーンルームを構成する有機材料などの選択と、クリーンルーム雰囲気で許容される有機揮発物量との関係を明確にすることができる。よってクリーンルーム構成材料の開発時に含有する有機揮発物の影響などへ指針を与えることが可能となる。
本発明の実施形態を添付図面に従って説明する。図1は本発明に係る有機揮発物測定用捕集管の第1実施形態を示す断面図である。当該捕集管10は一次捕集管12と二次捕集管14とに分割されている。一次捕集管12は石英製の管状体で形成され、上端開口には気流の流入口であるガス供給栓16が取リ付けられ、上流部が試験片18を収容可能な試験片収容部20とされる。試験片収容部20の下方エリアは有機揮発物の吸着部22とされる。吸着部22には当該吸着部22を通過する気流を管内壁に案内する気流案内部材24が配置されている。気流案内部材24は管断面を塞ぐように配置した石英フィルタ24Aの中央部に気流遮断部材として石英板24Bを固定した構造であり、石英板24Bの側部と管内壁との間には環状の隙間Sが形成されている。吸着部を通過する気流は石英板24Bを避けて環状の隙間Sを通ることになり、その結果、気流は管内壁に案内される。気流案内部材24の下方は先細状のテーパ部26とされ、テーパ部26の下端に連結部28が形成されている。
二次捕集管14も一次捕集管12と同様に石英製の管状体で形成され、上端に連結部30が形成されている。この連結部30と一次捕集管12の連結部28とをコネクタ32によって連結することにより、一次捕集管12と二次捕集管14は連通する。二次捕集管14内には石英フィルタ34が取り付けられている。石英フィルタ34の下方エリアが有機揮発物の捕集剤充填部36とされ、例えば多孔性ポリマー吸着剤(商品名:テナックス)などの捕集剤が充填されている。捕集剤充填部36の下端側には石英ウール38が詰め込まれており、前記捕集剤を固定して捕集剤が下方に落下することを防いでいる。二次捕集管14の下端開口にはガス排出栓40が取り付けられており、このガス排出栓40が気流の流出口とされる。一次捕集管12と二次捕集管14とは、コネクタ32を取り外すことによって切り離し可能とされる。切り離した一次捕集管12及び二次捕集管14のそれぞれが単独で熱脱着型ガスクロマトグラフ装置の熱脱着部に装填可能とされる。
以下、上記の捕集管10を用いた有機揮発物の測定方法を図2に基づいて説明する。まず、測定前の予備処理として一次捕集管12と二次捕集管14を切り離した状態で、それぞれの加熱清浄処理を別個に行う(S100)。一次捕集管12の加熱清浄処理は、試験片収容部20に試験片18を収容しない空の状態で管内に高純度窒素を流しつつ、280℃で1時間、加熱する。この加熱によって管内壁や石英フィルタ24A、石英板24Bに吸着している有機揮発物が揮発し、一次捕集管12内が浄化される。二次捕集管14の加熱清浄処理も同様に管内に高純度窒素を流しつつ、280℃で3時間、加熱し、捕集剤充填部36の捕集剤などに吸着している有機揮発物を揮発させ排出する。加熱時間を3時間と長くする理由は有機揮発物に対する捕集剤の吸着力が強いので、有機揮発物を完全に脱着させるために時間を要するからである。次のS110で一次捕集管12と二次捕集管14とをコネクタ32を用いて連結する。なお、このS100とS110では上記の手順とは逆に一次捕集管12と二次捕集管14を連結した状態で一次捕集管12のガス供給栓16又は二次捕集管14のガス排出栓40のいずれか一方から高純度窒素を流して、一次捕集管12と二次捕集管14を同時に加熱清浄処理するようにしてもよい。
S120では試験片18の予備処理を行う。試験片18は測定対象である有機材料などを一次捕集管12の試験片収容部20に収容可能な寸法に加工したものである。予備処理ではこの試験片18を空気に暴露する。暴露用の空気としては有機物などの不純物を除去した清浄空気を用いる。また、暴露時間は例えば48時間程度とする。この予備処理は試験片18を測定対象である材料が例えばクリーンルームの構成材として実際に使用される時と同じ状態にすることを目的としている。したがって、測定対象である材料が実際に使用される状態を勘案して予備処理での暴露条件を適宜、設定することになる。
S130では上記予備処理が終了した試験片18を一次捕集管12の試験片収容部20に装着する。図1には試験片18を装着した状態が示されている。すなわち、一次捕集管12をガス供給栓16が上方に位置するように鉛直に配置し、試験片18を径が0.1mm程度のステンレス細線42を用いてガス供給栓16から吊り下げる。
S140ではサンプリングを行う。このサンプリングは図1に示したように試験片18を一次捕集管12の試験片収容部20に中吊とし、試験片18が管内壁に接触しない状態で、ガス供給栓16から空気を流すことによって行う。サンプリング用の空気としては有機物などを活性炭によって除去した清浄空気を所定の温湿度に調整したものを用いる。また、供給空気量は管内の空気流速が0.1〜2.0m/秒となるようにする。サンプリング時間は25〜320分の範囲とする。このサンプリングによって試験片18に含まれる有機揮発物が試験片18の表面から継続的に揮発する。揮発した有機揮発物のうち、吸着性が強いものは図3に示したように主に一次捕集管12の吸着部22の管内壁や下部の石英フィルタ24Aと石英板24Bに吸着する。一方、吸着性が弱い有機揮発物は一次捕集管12を通り抜けて、主に二次捕集管14の捕集剤充填部36で捕集される。すなわち、捕集剤充填部36に充填された多孔性ポリマー吸着剤(商品名:テナックス)は有機揮発物に対する吸着力が大きい捕集剤であり、吸着性が弱い低濃度の有機揮発物であってもその吸着力によって確実に捕集する。なお、試験片18を吊るステンレス細線42からも微量の有機揮発物が揮発する恐れがあるが、ステンレス細線42の表面積は試験片18の表面積に比べて著しく小さいので、その影響は無視できる。
S140のサンプリングが終了すると次のS150の測定・分析に移る。測定・分析には熱脱着型ガスクロマトグラフ装置を用い、一次捕集管12と二次捕集管14について別個に測定・分析する。サンプリングが終了した捕集管10を一次捕集管12と二次捕集管14に切り離し、一次捕集管12については試験片18を抜き出した後に熱脱着型ガスクロマトグラフ装置にかける。図4は熱脱着型ガスクロマトグラフ装置の模式図である。当該装置50は熱脱着部52、ガスクロマトグラフ54、質量分析部56とからなり、熱脱着部52に前記の一次捕集管12又は二次捕集管14を装填することによって、それぞれの捕集管に捕集された有機揮発物の種類と量を測定・分析する。
すなわち、熱脱着部52では装填した捕集管12(又は14)にガスボンベ58からキャリアガスを流しながら、捕集管12(又は14)をヒータ59によって所定の温度に加熱する。すると、捕集管12(又は14)に吸着されていた有機揮発物が捕集管12(又は14)の各部位から脱着し、ガスクロマトグラフ54に送られる。ガスクロマトグラフ54では複数種の有機揮発物がそれぞれの吸着性によって移動速度に差異を生じて展開・分離され、時間差を有して質量分析部56に到達する。したがって、質量分析部56では有機揮発物の種類ごとにその量を検出することができる。
図5は一次捕集管が熱脱着部52で熱脱着を受ける際のキャリアガスの流れ状況を示した説明図であり、(1)は本発明に係る一次捕集管12の場合、(2)は本発明外の一次捕集管60の場合を示す。図5(1)に示した本発明に係る一次捕集管12では吸着部22には石英フィルタ24Aと石英板24Bからなる気流案内部材24が配置されている。このため吸着部22を通過するキャリアガスCは石英板24Bを避けて環状の隙間Sを通ることになり、キャリアガスCは管内壁に案内される。したがって、キャリアガスCは管内壁に吸着している有機揮発物と十分に接触し、有機揮発物を確実に脱着させる。このため、有機揮発物の脱着率を高くすることができ、熱脱着型ガスクロマトグラフ装置50の測定精度を向上させる。一方、図5(2)に示した気流案内部材を有しない本発明外の一次捕集管60では、キャリアガスCが管中心部に流れ易い。このため、キャリアガスCと管内壁に吸着している有機揮発物との接触が不十分となり、有機揮発物の脱着が不確実になる。したがって、有機揮発物の脱着率が低くなり、熱脱着型ガスクロマトグラフ装置50の測定精度が低下する。
図6は図5(1)に示した本発明に係る一次捕集管12を用いた場合の熱脱着型ガスクロマトグラフ装置50での質量分析結果を例示したスペクトル図である。一次捕集管での検出において、保持時間25分で検出された有機揮発物は吸着性の強いジオクチルフタル酸(DOP)である。二次捕集管ではDOPは検出されていない。このことから、サンプリング時に使用した試験片からはDOPが盛んに揮発していること、及び揮発したDOPのほぼ全量が石英フィルタ24Aと石英板24Bを含む吸着部22に吸着・捕集され、二次捕集管14には到達しなかったことを如実に示している。
図7は図5(2)に示した本発明外の一次捕集管60を用いた場合の熱脱着型ガスクロマトグラフ装置50での質量分析結果を例示したスペクトル図である。サンプリング条件は図6に示した条件と同一である。この場合でも図6に示した結果と同様の傾向がある。しかしながら、一次捕集管での検出において、保持時間25分で検出されたDOPの量が半分程度に低下している。このことから、本発明外の一次捕集管60を用いた場合には、熱脱着型ガスクロマトグラフ装置50の熱脱着部52でのDOPの脱着が不十分であるため、DOPの質量分析値が小さくなること及び測定繰り返し再現性が悪くなることを示している。
上述のとおり、本実施形態の有機揮発物測定用捕集管10は、一次捕集管12と二次捕集管14に分割されており、一次捕集管12には試験片収容部20と吸着部22とが配置されている。また、二次捕集管14には捕集剤充填部36が配置されている。したがって、サンプリング時には両者を連結して使用し、測定・分析時には両者を切り離して一次捕集管12及び二次捕集管14をそれぞれ単独で熱脱着型ガスクロマトグラフ装置50の熱脱着部52に装填して測定・分析を行うことができる。このため、試験片18から揮発する有機揮発物の種類、量のみならず、揮発した有機揮発物の吸着性に関する傾向を究明する場合に有効である。また、一次捕集管12には気流案内部材24が配置されており、吸着部22を通過する気流を管内壁に案内するようにしている。このため、一次捕集管12を熱脱着型ガスクロマトグラフ装置50の熱脱着部52に装填して熱脱着を行う際には、キャリアガスが管内壁に吸着している有機揮発物と十分に接触し、有機揮発物を確実に脱着させる。このため、有機揮発物の脱着率を高くすることができ、熱脱着型ガスクロマトグラフ装置50での測定精度を向上させることができる。
図8は一次捕集管12に配置する気流案内部材の変形例を示す断面図である。図8(1)は気流遮断部材である石英板24Bが管中央に位置するように支持材24Dによって支持した例である。図8(2)は(1)と同様の石英板24Bの下方に石英ウール24Eを配置した例である。図8(3)は環状の石英フィルタ24Fの中央部に石英板24Bを埋め込み、一体化したものを管内壁に融着した例である。(2)(3)に示したものはサンプリング時には石英ウール24Eや石英フィルタ24Fが吸着性の強い有機揮発物を捕集する上で補助的な役割を果たす。
図9は本発明に係る有機揮発物測定用捕集管の第2実施形態を示す断面図である。当該捕集管70は管状体で形成され、上端開口に気流の流入口であるガス供給栓72が取り付けられる。そして、気流の上流側から順次、試験片18を収容可能な試験片収容部73、有機揮発物の吸着部74と、この吸着部74を通過する気流を管内壁に案内する気流案内部材76と、有機揮発物の捕集剤充填部78が配置されている。下端開口には気流の流出口であるガス排出栓80が取り付けられる。
この捕集管70を用いて有機揮発物を測定する場合にも、図2に示した手順と同様の方法で、サンプリングと測定・分析を行う。ただし、捕集管70は第1実施形態のように分割されていないので、図2におけるS110の連結操作は不要である。この捕集管70にも気流案内部材76が配置されており、吸着部74を通過する気流を管内壁に案内するようにしている。したがって、サンプリング終了後の捕集管70を熱脱着型ガスクロマトグラフ装置の熱脱着部に装填して熱脱着を行う際には、キャリアガスが管内壁に吸着している有機揮発物と十分に接触し、有機揮発物を確実に脱着させる。このため、有機揮発物の脱着率を高くすることができ、熱脱着型ガスクロマトグラフ装置での測定精度を向上させることができる。なお、捕集管70を熱脱着部に装填する際には装填方向を逆向きとし、熱脱着時にキャリアガスがガス排出栓80側から流入し、ガス供給栓72から抜けるようにすることが好ましい。このように装填することによって、吸着力が強い捕集剤充填部78の捕集剤から脱着した有機揮発物が再吸着を繰り返すことなくキャリアガスに円滑に運ばれるので、熱脱着操作を効率よく行うことができ、測定精度を向上させることができる。
上記実施形態では捕集管を構成する各部の材料が主に石英である場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限らず、捕集管を構成する各部の材料として他の材質のものを用いるようにしてもよい。例えば、シリコン系ウエハに対する有機揮発物の付着状況を調べたい場合には、捕集管を構成する各部の材料としてシリコン系のものを用いることが望ましい。調査対象品が金属やガラスである場合にも、捕集管を構成する各部の材料として同材質のものを選択することが望ましい。
上記実施形態では熱脱着型ガスクロマトグラフ装置として、質量分析部を備えたものを説明した。しかしながら、本発明に係る熱脱着型ガスクロマトグラフ装置はこれに限らず、質量分析部に代わる各種の分析部を備えたものを用いることができる。
本発明に係る有機揮発物測定用捕集管の第1実施形態を示す断面図である。 本発明に係る有機揮発物測定方法の測定手順を示す説明図である。 一次捕集管の吸着部における有機揮発物の吸着状況を示す説明図である。 熱脱着型ガスクロマトグラフ装置の模式図である。 一次捕集管が熱脱着部で熱脱着を受ける際のキャリアガスの流れ状況を示した説明図である。 本発明に係る一次捕集管を用いた場合の熱脱着型ガスクロマトグラフ装置での質量分析結果を例示したスペクトル図である。 本発明外の一次捕集管を用いた場合の熱脱着型ガスクロマトグラフ装置での質量分析結果を例示したスペクトル図である。 一次捕集管に配置する気流案内部材の変形例を示す断面図である。 本発明に係る有機揮発物測定用捕集管の第2実施形態を示す断面図である。 従来技術に係る有機揮発物測定方法を示す概要図である。
符号の説明
10………捕集管、12………一次捕集管、14………二次捕集管、16………ガス供給栓、18………試験片、20………試験片収容部、22………吸着部、24………気流案内部材、24A………石英フィルタ、24B………石英板、28,30………連結部、32………コネクタ、34………石英フィルタ、36………捕集剤充填部、38………石英ウール、40………ガス排出栓、50………熱脱着型ガスクロマトグラフ装置、52………熱脱着部、54………ガスクロマトグラフ、56………質量分析部、60………(本発明外の)一次捕集管、70………捕集管、72………ガス供給栓、73………試験片収容部、74………吸着部、76………気流案内部材、78………捕集剤充填部、80………ガス排出栓。

Claims (4)

  1. 気流の流入口と流出口を備えた管状体と、この管状体の上流部に配置されて試験片を収容可能な試験片収容部と、前記管状体の下流部に配置された有機揮発物の捕集剤充填部と、前記試験片収容部と捕集剤充填部との中間に配置された有機揮発物の吸着部と、当該吸着部を通過する気流を管内壁に案内する気流案内部材とを具備し、熱脱着型ガスクロマトグラフ装置の熱脱着部に直接に装填可能とされたことを特徴とする有機揮発物測定用捕集管。
  2. 前記有機揮発物測定用捕集管が一次捕集管と二次捕集管に分割されており、一次捕集管には前記試験片収容部と前記吸着部と前記気流案内部材とが配置され、二次捕集管には前記捕集剤充填部が配置され、前記一次捕集管及び二次捕集管がそれぞれ単独で熱脱着型ガスクロマトグラフ装置の熱脱着部に装填可能とされたことを特徴とする請求項1に記載の有機揮発物測定用捕集管。
  3. 前記気流案内部材がフィルタ部材の中央部に気流遮断部材を配した構成とされ、管断面に対して前記気流を環状に案内することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機揮発物測定用捕集管。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された前記捕集管を気流の流入口が上方に位置するように鉛直に配置し、前記試験片を前記流入口から吊り下げた状態で前記捕集管に収容し、当該捕集管内に空気を導入して前記試験片から揮発した有機揮発物を前記吸着部及び捕集剤充填部で吸着、捕集する第1工程と、第1工程後の捕集管から前記試験片を抜き出した後に、当該捕集管を熱脱着型ガスクロマトグラフ装置の熱脱着部に装填し、前記捕集管に吸着、捕集された有機揮発物を前記熱脱着型ガスクロマトグラフ装置によって分析する第2工程とを含むことを特徴とする有機揮発物測定方法。

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