JP2016090257A - ガス測定装置及びそれを用いたガス測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ガスセンサの検出精度に影響を与える水分量を補正して、測定対象ガスの濃度を高精度で測定できるガス測定装置を提供する。【解決手段】 大気中の測定対象ガスを吸着させる吸着剤と、吸着剤を加熱する加熱手段と、吸着剤から脱離させた測定対象ガスの濃度を測定するガスセンサとを備えたガス測定装置であって、ガスセンサから吸着剤の方向に大気を通気させる通気手段を設け、吸着剤に通気する前の大気から水分量をガスセンサで測定し、水分量に基づいて測定対象ガスの濃度を補正することを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明はガス測定装置及びそれを用いたガス測定方法に関する。
ガスセンサにより検出可能なガスとしては、例えば、揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compound);メタンなどの可燃性ガス;一酸化炭素や窒素酸化物などの有毒ガス;硫黄化合物などの悪臭ガスが挙げられる。上記ガスの中でも、VOCは毒性の高い化学物質を含み、頭痛やめまい、吐き気などの健康被害の原因となる、代表的な大気汚染物質として知られている。
ガスセンサは、酸化物半導体や導電性高分子膜などをセンサの感応面に用い、空気や試料ガス中に含まれる測定対象ガスが、センサの感応面に付着することにより生ずる該センサの物理的変化を、電気的又は光学的に測定するものである。比較的低濃度の測定対象ガスを検出する場合、測定対象ガスの濃度を高めるために、加熱脱着法によるガス濃縮処理が行われることがある。このようなガス濃縮処理を行うガス測定装置として、例えば、特許文献1のにおい識別装置を挙げることができる。
図8に示すように、特許文献1のにおい識別装置200では、サンプルガス導入部201からサンプルガスを捕集剤202に導入し、におい成分を捕集剤202に吸着させて濃縮する。その後、捕集剤202を加熱部203で加熱して、濃縮したにおい成分を脱離させ、キャリアガス供給部204から供給するキャリアガスにより、ガスセンサ205に導いて検出している。
特開2002−22694号公報
しかしながら、特許文献1のようにガス濃縮処理を行うガス測定装置では、ガス濃縮処理において水分が捕集剤202に吸着すると、捕集剤202に吸着した水分が測定対象ガスと一緒に脱離されてガスセンサ205で同時に検出されることで、測定対象ガス単独の正確な濃度を測定することができないという問題があった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガスセンサの検出精度に影響を与える水分量を補正して、測定対象ガスの濃度を高精度で測定できるガス測定装置を提供することにある。
本発明は、大気中の測定対象ガスを吸着させる吸着剤と、吸着剤を加熱する加熱手段と、吸着剤から脱離させた測定対象ガスの濃度を測定するガスセンサとを備えたガス測定装置であって、ガスセンサから吸着剤の方向に大気を通気させる通気手段を設け、吸着剤に通気する前の大気から水分量をガスセンサで測定し、水分量に基づいて測定対象ガスの濃度を補正することを特徴とする。
また、本発明のガス測定装置は、ガスセンサは、通気手段の動作中に水分量を測定することを特徴とする。
また、本発明のガス測定装置は、測定対象ガスの濃度は、水分量の平均値に基づいて補正されることを特徴とする。
また、本発明のガス測定装置は、ガスセンサは、表面プラズモン共鳴法を用いたセンサであることを特徴とする。
また、本発明のガス測定装置は、大気中の測定対象ガスを吸着剤に吸着させて濃縮させる濃縮工程と、吸着剤を加熱して測定対象ガスを脱離させる脱離工程と、吸着剤から脱離させた測定対象ガスの濃度をガスセンサで測定する測定工程と、を含むガス測定方法であって、濃縮工程において、ガスセンサで吸着剤に通気する前の大気から水分量を測定し、測定工程の後に水分量に基づいて測定対象ガスの濃度を補正することを特徴とする。
本発明によれば、ガスセンサの検出精度に影響を与える水分量を補正して、測定対象ガスの濃度を高精度で測定できるガス測定装置を提供することができる。
実施形態1のガス測定装置110の概略構成を示す断面図である。 ガスセンサのセンサ出力と湿度の関係を示すグラフである。 実施形態2のガス測定装置120の概略構成を示す断面図である。 実施形態3のガス測定装置130の概略構成を示す断面図である。 実施形態4のガス測定装置140の概略構成を示す断面図である。 表面プラズモン検出装置の概略構成図である。 遮蔽部材と検出した暗線の変化を示す平面図である。 従来のにおい識別装置の概略構成図である。
以下、本発明のガス測定装置について図面を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。なお、実施形態の説明において、説明の便宜上、上、下、左、右の表現を用いるが、これらの表現は示した図に基づくものであって発明の構成を限定するものではない。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1に係るガス測定装置110の概略構成を示した断面図である。実施形態1のガス測定装置110は、筐体10と、筐体10内部の通気部11に大気を通気するための通気手段20と、大気中の測定対象ガスを吸着する吸着剤30と、吸着剤30を加熱するための加熱手段40と、測定対象ガスを検出するためのガスセンサ50を備えている。
吸着剤30及びガスセンサ50の感応面は、筐体10内部の通気部11に配置されており、通気手段20は、ガスセンサ50から吸着剤30の方向に大気1を通気できるように設けられている。さらに、通気手段20は、通気方向を切り替え可能であり、吸着剤30からガスセンサ50の方向に大気1を通気することも可能となっている。
筐体10は、耐熱性、非腐食性を備える樹脂材料もしくは金属材料の筒状体であり、内部に設けられた空間で大気1を通気するための通気部11を構成している。
通気手段20は、例えば、一般的なファンユニット21が用いられ、通気部11に通気する大気が、ガスセンサ50から吸着剤30の方向に流れるように設置されている。通気手段20としては、ファンユニット21以外にも真空ポンプ等を用いることもできる。
吸着剤30は、通気部11に流れる大気から測定対象ガスを吸着させて濃縮する。吸着剤30は、天然ゼオライトまたは合成ゼオライト、活性炭、シリカ、アルミナ等の多孔質材料が用いられている。さらに、吸着剤30は、例えば、直方体や円柱体の形状であり、吸着剤30の内部には通気部11の通気方向に通気孔31が設けられている。
なお、吸着剤30は、吸着性能が異なる複数の吸着剤を組合せて構成してもよい。ここで、吸着性能の差異とは、測定対象ガスと吸着剤30の性状に起因するもので、具体的には、測定対象ガスの分子サイズと吸着剤30が備える細孔の大きさの大小関係や、測定対象ガスと吸着剤30の間の相互作用(極性、静電引力、水素結合、分子間力等に由来する)の大きさの違い等により、吸着量が異なることを意味する。
さらに、吸着剤30は、水分を吸着し難くする疎水性を有するものであれば、測定対象ガスの検出精度をより向上させるので好ましい。例えば合成ゼオライトであればシリカ/アルミナ比が高い(例えば5以上)ものが好ましい。
加熱手段40は、吸着剤30の全体を、例えば、60〜200℃程度まで加熱する能力を有する加熱手段が用いられる。加熱手段40は、例えば、ニクロム線、フィルムヒーター等を吸着剤30の周囲に巻き付けて構成することができる。
また、吸着剤30の外周を覆う中空形状のセラミックヒーターを配置した構成や、吸着剤の外周を覆う中空形状の金属材料にフィルムヒーターやセラミックヒーター等を取り付け、金属材料を通して間接的に吸着剤を加熱する構成でもよい。
ガスセンサ50は、例えば、SnO2等の酸化物半導体からなる一般的な半導体式ガスセンサを用いることができる。
ガスセンサ50の検知方式は、半導体式のセンサに限定されるものではなく、ガスによる赤外・紫外光吸収や表面プラズモン共鳴等を利用した光学センサ、干渉増幅反射(IER)方式センサ、ガス吸着膜を形成した水晶振動子の周波数変化を検出する方式のセンサ、ガス吸着膜を形成したSAW(表面弾性波)デバイスの周波数変化を検出するセンサなども用いることができる。
ガスセンサ50は、少なくとも感応面が通気部11の内部で露出するよう配置されており、通気部11においてはガスセンサ50が吸着剤30の前段(大気の流れの上流側)に配置されている。
実施形態1のガス測定装置110のガス測定方法は、下記の3つの工程を含む。
1.大気中の測定対象ガスを吸着剤に吸着して濃縮させる濃縮工程
2.吸着剤を加熱して濃縮した測定対象ガスを脱離させる脱離工程
3.吸着剤から脱離した測定対象ガスの濃度をガスセンサで測定する測定工程
最初に、濃縮工程では、通気手段20のファンユニット21を動作させて、外部の大気1を通気部11に吸引し、ガスセンサ50と吸着剤30に大気1を通気させている。大気中に含まれる測定対象ガスは、通気部11に配置された吸着剤30に吸着され、通気が所定時間行われる間に吸着剤30に濃縮される。
脱離工程では、測定対象ガスを吸着した吸着剤30を加熱することにより、濃縮した測定対象ガスを吸着剤30から脱離させている。加熱温度は、検出目的とする測定対象ガスの物性値に応じて、例えば60〜200℃の温度範囲に設定される。
測定工程では、通気手段20であるファンユニット21を逆回転させて吸着剤30の方向に送風し、吸着剤30から濃縮した測定対象ガスをガスセンサ50に導いている。ガスセンサ50には、大気中に含まれる低濃度の測定対象ガスが濃縮されて送られるため、測定対象ガスの濃度を高精度で測定することが可能となる。
なお、大気は湿度に応じて測定対象ガスよりも大量の水分を含んでおり、濃縮工程では測定対象ガスと共に水分も吸着剤30に吸着され、また、脱離工程では測定対象ガスと共に水分も吸着剤30から脱離する。このような水分がガスセンサ50の感応膜に付着すると、水分の影響を受けてガスセンサ50の測定精度が低下するため、大気中の水分量を補正する必要がある。
図2は、大気中の湿度が変化した時のガスセンサ50のセンサ出力を示すグラフである。ガスセンサ50は、測定対象ガスを含まない大気(湿度のみ)を測定したとき、大気中の湿度の増加に対してセンサ出力が増加する傾向がある。また、測定対象ガス(トルエン)を測定したときのセンサ出力は、測定対象ガスと一緒に検出される水分の影響を受けるため、検知対象ガス濃度が一定であっても、湿度の増加と共に大きくなる傾向がある。
このため、本発明のガス測定装置110は、濃縮工程で測定対象ガスが吸着剤30に濃縮される前に、予めガスセンサ50を通過する大気1を測定している。ここで測定されたデータは、測定対象ガスが濃縮される前であり、大気中の測定対象ガスよりも桁違いに多い水分量を測定したデータに相当する。
言い換えると、ガスが濃縮される前の大気中における水分以外の成分の濃度は無視できる程度に小さいため、測定されたデータは水分量を測定したデータとみなすことができる。ここで測定したガスが濃縮される前の大気中における水分量は、濃縮後の測定対象ガスの測定データに含まれる水分の寄与の度合に対して相関を持っている。
本発明のガス測定装置110は、ガスが濃縮される前の大気中における水分量から濃縮後の測定対象ガスの測定データに含まれる水分の寄与の度合を算出して補正するための補正用データを備えている。
補正用データは、濃縮前後で検出される水分量の比率であり、吸着剤30の特性や湿度ごとに補正用テーブルに記憶している。
そして、測定対象ガスの測定工程で、測定データを予め測定した水分量の測定データと補正用データに基づき補正することで、より正確な測定対象ガスの濃度を算出している。
したがって、本発明のガス測定装置110によれば、湿度センサを用いることなくガスセンサで大気中の水分量を検出できるため、ガス測定装置を低コストで小型軽量化することができる。また、測定対象ガスの濃縮工程において大気中の水分量を検出しているため、測定に余分な時間を必要とすることなく、測定対象ガスの濃度を精度よく算出することができる。
また、濃縮工程において大気中の水分量をガスセンサ50で検知する際に、濃縮工程の間に一度だけ測定するのではなく、濃縮工程の間で複数回測定し、その平均値を使用して補正を行うことが好ましい。そうすることで濃縮工程の間での湿度変動の影響を低減することができる。
〔実施形態2〕
図3は、実施形態2に係るガス測定装置120の断面図である。実施形態2のガス測定装置120では、通気手段20のファンユニット21に代えて、真空ポンプ22、キャリアガス導入手段25、三方バルブ26を設けたことを特徴しており、ガス測定装置120の他の構成要素については実施形態1と同じであるため、同じ符号を付記して重複する説明を省略する。
実施形態2のガス測定装置120のガス測定方法は、実施形態1と同様に下記の3つの工程を含む。
1.大気中の測定対象ガスを吸着剤に吸着して濃縮させる濃縮工程
2.吸着剤を加熱して測定対象ガスを脱離させる脱離工程
3.吸着剤から脱離した測定対象ガスの濃度をガスセンサで測定する測定工程
濃縮工程では、通気部11と真空ポンプ22とを連結するように三方バルブ26を切換え、通気手段20である真空ポンプ22を動作させて外部の大気1を通気部11に吸引し、大気1をガスセンサ50から吸着剤30の方向に通気させている。大気中の測定対象ガスは、通気部11に配置された吸着剤30に吸着され、通気を所定時間続けることにより、測定対象ガスが吸着剤30に濃縮される。
また、濃縮工程では、測定対象ガスが吸着剤30に濃縮される前に、ガスセンサ50で大気1を測定する。ここで測定されたデータは、測定対象ガスが濃縮される前であり、大気中の測定対象ガスよりも桁違いに多い水分量を測定したデータに相当する。
脱離工程では、測定対象ガスを吸着した吸着剤30を加熱することにより、吸着剤30に濃縮した測定対象ガスを脱離させている。加熱温度は、検出目的とする測定対象ガスの物性値に応じて、例えば60〜200℃の温度範囲に設定される。
測定工程では、通気部11を真空ポンプ22に代えてキャリアガス導入手段25と連結するように三方バルブ26を切換え、通気部11に乾燥した不活性のキャリアガス3を導入することで、吸着剤30から脱離した測定対象ガスをガスセンサ50に導いて測定している。そして、測定データを予め測定した水分量の測定データと補正用データに基づき補正する。
実施形態2のガス測定装置120では、測定工程でキャリアガス3の導入により吸着剤30から脱離した測定対象ガスをガスセンサ50に導いているため、濃縮された測定対象ガスと水分が再び大気によって稀釈されることがない。このため、ガスセンサ50は、低濃度の測定対象ガスであっても、予め測定した水分量で補正することで、より正確な濃度を算出することができる。
〔実施形態3〕
図4は、実施形態3に係るガス測定装置130の断面図である。実施形態3のガス測定装置130では、実施形態1のガス測定装置110を縦置きにして用いることを特徴しており、ガス測定装置130の他の構成要素については実施形態1と同じであるため、同じ符号を付記して重複する説明を省略する。
実施形態3に係るガス測定装置130のガス測定方法は、実施形態1と同様に下記の3つの工程を含む。
1.大気中の測定対象ガスを吸着剤に吸着して濃縮させる濃縮工程
2.吸着剤を加熱して測定対象ガスを脱離させる脱離工程
3.吸着剤から脱離した測定対象ガスの濃度をガスセンサで測定する測定工程
濃縮工程では、通気手段20のファンユニット21を動作させて外部から大気1を吸引し、ガスセンサ50から吸着剤30の方向に大気1を通気させている。大気中の測定対象ガスは、通気部11に配置された吸着剤30に吸着され、通気を所定時間続けることにより、大気中の測定対象ガスが吸着剤30に濃縮される。
また、濃縮工程において、測定対象ガスが吸着剤30に濃縮される前に、予めガスセンサ50を通過する大気1を測定している。ここで測定されたデータは、測定対象ガスが濃縮される前であり、大気中の測定対象ガスよりも桁違いに多い水分量を測定したデータに相当する。
脱離工程では、測定対象ガスを吸着した吸着剤30を加熱することにより、吸着剤30に濃縮した測定対象ガスを脱離させている。加熱温度は、検出目的とする測定対象ガスの物性値に応じて、例えば60〜200℃の温度範囲に設定される。
測定工程では、通気手段20であるファンユニット21を動作させずに、吸着剤30から脱離した測定対象ガスを「煙突効果」を利用してガスセンサ50に導いている。そして、測定した測定データを水分量の測定データと補正用データに基づき補正することで、適正な測定対象ガスの濃度を算出している。
実施形態3のガス測定装置130では、ガス測定装置110を縦置きにすることで、吸着剤30から測定対象ガスを脱離させるときに、筐体10の通気部11と、吸着剤30の通気孔31が煙突のように機能する。測定対象ガスと水分は、加熱手段40によって暖められているため、通気部11や通気孔31の内部を煙突のように上昇する。また、通気部11や通気孔31の内部が負圧となることで、さらに下方にある測定対象ガスと水分が上方に誘引される(煙突効果)。
したがって、通気手段20で送風することやキャリアガス3を導入することなく、吸着剤30から脱離した測定対象ガスを吸着剤30の鉛直上方にあるガスセンサ50に導いて検出することができる。
なお、「煙突効果」による大気の流れが弱く、吸着剤30から脱離した測定対象ガスをガスセンサ50に十分導けない場合は、通気手段20を吸着工程とは逆方向に動作させて上向きの気流を発生させることで、測定対象ガスをガスセンサ50へ導く補助を行うようにしてもよい。
また、通気手段20は吸着剤30の上方に配置してもよいが、下方に配置する方がより望ましい。上方に配置した場合には、加熱工程おいて吸着剤より脱離し上昇する高温の測定対象ガスに通気手段20がさらされるため、通気手段20に耐熱性が求められるが、下方に設置すると高温の測定対象ガスに晒されずに済み、通気手段20の耐熱性が不要となる。
以上、実施形態3に係るガス測定装置130によれば、吸着剤30から脱離した測定対象ガスを「煙突効果」により誘引してガスセンサ50に導いているため、吸着剤30に濃縮された測定対象ガスがキャリアガス3当によって希釈されることを低減できる。そのため高濃度の測定対象ガスをガスセンサ50で検出することができ、測定対象ガスの検出精度を向上することができる。
〔実施形態4〕
図5は、実施形態4に係るガス測定装置140の断面図である。実施形態4のガス測定装置140では、ガスセンサ50として表面プラズモン検出装置(SPR)を用いていることを特徴しており、ガス測定装置140の他の構成要素については実施形態1と同じであるため、同じ符号を付記して重複する説明を省略する。
実施形態4のガス測定装置140のガス測定方法は、実施形態1と同様に下記の3つの工程を含む。
1.大気中の測定対象ガスを吸着剤に吸着して濃縮させる濃縮工程
2.吸着剤を加熱して濃縮した測定対象ガスを脱離させる脱離工程
3.吸着剤から脱離した測定対象ガスの濃度をガスセンサで測定する測定工程
最初に、濃縮工程では、通気手段20のファンユニット21を動作させて外部から大気1を吸引し、ガスセンサ50と吸着剤30に大気1を通気させている。大気中の測定対象ガスは、通気部11に配置された吸着剤30に吸着され、通気が所定時間行われる間に吸着剤30に濃縮する。
また、濃縮工程では、測定対象ガスが吸着剤30に濃縮される前に、ガスセンサ50で大気1を測定することで、大気中を予め検出している。ここで測定されたデータは、測定対象ガスが濃縮される前であり、大気中の測定対象ガスよりも桁違いに多い水分量を測定したデータに相当する。
脱離工程では、測定対象ガスを濃縮した吸着剤30を加熱することにより、吸着剤30から測定対象ガスを脱離させている。加熱温度は、検出目的とする測定対象ガスの物性値に応じて、例えば60〜200℃の温度範囲に設定される。
測定工程では、通気手段20であるファンユニット21を逆回転させて吸着剤30の方向に送風し、吸着剤30に濃縮されてから脱離した測定対象ガスをガスセンサ50に導いて測定している。そして、測定データを水分量の測定データと補正用データに基づき補正することで、より正確な測定対象ガスの濃度を算出している。
実施形態4のガス測定装置140は、ガスセンサ50に表面プラズモン検出装置60を用いることにより、測定対象ガスをさらに高精度で測定することができる。図6は、本実施形態のガス測定装置140に用いた表面プラズモン検出装置60の構成を示す概略図である。
表面プラズモン検出装置60は、投光部61、受光部62、表面プラズモン素子65および演算処理部66を備える。投光部61は、表面プラズモン素子65に向けて入射光L1を投光する。受光部62は、表面プラズモン素子65から反射された反射光L2を受光し光量を検出する。受光部62は、演算処理部66に接続されている。
受光部62は、遮蔽部材63および受光素子64を含む。表面プラズモン素子65によって反射された反射光L2は、図示しないコリメートレンズによって平行光束に変換される。平行光束に変換された反射光L2は、遮蔽部材63に設けられた開口部63a(図7参照)を通過して受光素子64にて受光される。開口部63aは、受光部62の受光領域を規定する。受光素子64としては、たとえばフォトダイオードを採用することができる。
演算処理部66は、受光素子64が検出した反射光L2の光量に基づいて、揮発性有機物等の測定対象ガスの濃度等を算出する。演算処理部66は、後述する処理部67、記憶部68、テーブル記憶部69を含む。
図7は、図6に示す遮蔽部材を用いて検出した場合における暗線の位置の変化の一例を示す平面図である。図7を参照して、表面プラズモン検出装置60を用いたガス測定装置140の測定方法について説明する。この場合においては、揮発性有機物の濃度を測定する方法について説明する。
図7に示すように、遮蔽部材63としては、円形形状の開口部63aが形成された遮蔽部材を用いる。表面プラズモン現象によって形成される暗線BLの位置は、測定対象ガス(揮発性有機物)の濃度だけでなく、大気中の水分量により変化する。
このため、濃縮工程において吸着剤30に送られる大気を表面プラズモン素子65で測定し、反射光L2の光量を予め受光部62にて検出する。予め検出された各光量は、測定対象ガスよりも圧倒的に多い大気中の水分量として記憶部68に記憶されている。また、大気中の水分量に基づいてガス濃度を算出するための換算テーブルもテーブル記憶部69に記憶されている。
続いて、脱離工程において、吸着剤30によって濃縮された測定対象ガスを含む大気を、表面プラズモン素子65の主表面に接触させた状態で、上記界面にて反射された反射光L2の光量を受光部62で検出する。上述のように暗線BLの位置は、表面プラズモン素子65の金属薄膜の表面状態によって変動し、上記1軸方向に対向する方向に平行な方向に移動する。本実施の形態においては、暗線BLは、開口部63aの中心線C1から図中AR1方向に離れた位置に移動する。
処理部67は、測定時に検出された反射光L2の光量と上記水分量との差分(変動量)を算出するとともに、上記換算テーブルを用いて、測定対象ガスの濃度を算出する。
本実施の形態においては、暗線BLの移動方向に対して、開口部63aの面積の変化率が一定でない。すなわち上記1軸方向に対応する方向に垂直方向の開口部63aの長さd1の変化率が一定でない。
これにより、暗線BLの初期位置にずれが生じると、暗線BLの移動量が同じであっても、暗線BLの面積の変化量が異なる。このため、上述のような換算テーブルを用いることにより確実に測定対象ガスの濃度を算出することができる。
また、たとえば測定対象ガスの濃度が低く、暗線BLがわずかにしか動かない場合には、暗線BLの初期位置が中心線C1から離れた部分に位置するように設定することが好ましい。開口部63aの長さd1の変化率は、中心線C1から離れるほど大きくなる。
このため、初期位置が中心線C1から離れた位置に設定されている場合には、初期位置が中心線近傍に設定されている場合と比較して、暗線BLがわずかに移動した場合であっても、暗線BLの面積の変化量が大きくなる。このため、検出される光量と基準量との差分が大きくなり検出感度を高くすることができる。
このように、本実施形態のガス測定装置140においては、表面プラズモン検出装置60をガスセンサ50として用いることにより、極低濃度の測定対象ガスを高感度で測定する必要がある場合にも対応することできる。また、本実施の形態に係るガス測定装置140は、表面プラズモン検出装置60の受光部62の構成により、使用環境に合わせて検出感度を最適化することもできる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 大気
3 キャリアガス
10 筐体
11 通気部
20 通気手段
21 ファンユニット
22 真空ポンプ
25 キャリアガス導入手段
26 三方バルブ
30 吸着剤
31 通気孔
40 加熱手段
50 ガスセンサ
60 表面プラズモン検出装置
61 投光部
62 受光部
63 遮蔽部材
63a 開口部
64 受光素子
65 表面プラズモン素子
66 演算処理部
67 処理部
68 記憶部
69 テーブル記憶部
110 ガス測定装置
120 ガス測定装置
130 ガス測定装置
140 ガス測定装置

Claims (5)

  1. 大気中の測定対象ガスを吸着させる吸着剤と、前記吸着剤を加熱する加熱手段と、前記吸着剤から脱離させた前記測定対象ガスの濃度を測定するガスセンサとを備えたガス測定装置であって、
    前記ガスセンサから前記吸着剤の方向に大気を通気させる通気手段を設け、前記吸着剤に通気する前の大気から水分量を前記ガスセンサで測定し、前記水分量に基づいて前記測定対象ガスの濃度を補正することを特徴とするガス測定装置。
  2. 前記ガスセンサは、前記通気手段の動作中に前記水分量を測定することを特徴とする請求項1に記載のガス測定装置。
  3. 前記測定対象ガスの濃度は、前記水分量の平均値に基づいて補正されることを特徴とする請求項2に記載のガス測定装置。
  4. 前記ガスセンサは、表面プラズモン共鳴法を用いたセンサであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のガス測定装置。
  5. 大気中の測定対象ガスを吸着剤に吸着させて濃縮させる濃縮工程と、
    前記吸着剤を加熱して測定対象ガスを脱離させる脱離工程と、
    前記吸着剤から脱離させた前記測定対象ガスの濃度をガスセンサで測定する測定工程と、
    を含むガス測定方法であって、
    前記濃縮工程において、前記ガスセンサで前記吸着剤に通気する前の大気から水分量を測定し、前記測定工程の後に前記水分量に基づいて前記測定対象ガスの濃度を補正することを特徴とするガス測定方法。
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