JP6767116B2 - 高沸点有機物を処理するフィルタの評価方法、フィルタの評価システム、及びvoc処理装置 - Google Patents

高沸点有機物を処理するフィルタの評価方法、フィルタの評価システム、及びvoc処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、高沸点有機物を処理するフィルタの評価方法、及びフィルタの評価システムに関する。
被処理空気をゼオライトや活性炭などの吸着剤により吸着濃縮処理することで、VOC(揮発性有機化合物:volatile organic compounds)を回収処理、又は燃焼処理するVOC処理装置がある。被処理空気中には、微量の高沸点有機物が含まれることがある。高沸点有機物とは、例えば沸点が200℃以上の高分子有機物の総称であり、疎水性のものが多い。高沸点有機物は、高温処理による再生処理で完全な脱着ができず、吸着材に蓄積することがある。高沸点有機物の吸着剤への蓄積は、処理対象であるVOCの吸脱着性能(濃縮性能)を低下させることが懸念される。VOCの吸脱着性能の低下を軽減するため、吸着材による吸着濃縮処理の前処理として高沸点有機物を活性炭などのフィルタで除去する方法が知られている。一方、ここで使用される前処理フィルタは、比較的短期で破過するため、例えば負荷の高い使用条件では、交換期間を半年から1年に設定し、交換することも多い。しかし、かなりの余寿命を持って交換している場合が多く、結果的にフィルタ使用量が多くなりコストアップにつながっている。
高沸点有機物の濃度を評価することができれば、高沸点有機物を処理するフィルタの評価が可能となり、高沸点有機物を処理するフィルタの交換時期をより正確に把握できると考えられる。しかしながら、高沸点有機物は、例えばVOCと比較して凝縮性が高いため、VOCのようにリアルタイムで濃度を評価できる技術が確立されていない。高沸点有機物の濃度は、ガスクロマトグラフィー(GC)装置によって評価できることが知られている。但し、GC装置は微量分析装置であり、ある程度クリーンな設置環境とともに付帯設備として水素やヘリウム、アルゴンなどの高純度なガスの供給設備が必要となる。つまり、GC装置による評価には、多くの手間とコストが必要となる。
ここで、例えば、特許文献1には、保管空間(前室、搬送室、保管室)内の有機物汚染の程度を評価する評価装置が開示されている。また、特許文献1には、表面が絶縁性、又は導電性の基板表面に滴下された液滴の接触角の変化を利用した評価装置が開示されている。また、例えば、特許文献2には、半導体製造環境の評価装置が開示されている。また、特許文献2には、フィルタを備えた試験チャンバを設け、フィルタの下流側に置いた評価用のウエハの汚染度を評価することが開示されている。特許文献3には、目盛とスクリーンに投影された液滴の像とに基づいて、被測定体の清浄度を測定することが開示されている。
特開平9−303838号公報 特開平4−314348号公報 特開2006−308503号公報
高沸点有機物の濃度をリアルタイムで評価することができれば、高沸点有機物を処理するフィルタの評価が可能となり、高沸点有機物を処理するフィルタの交換時期をより正確に把握できると考えられる。しかしながら、高沸点有機物の濃度を容易に評価できる技術
は確立されていない。GC装置による評価には、多くの手間とコストが必要となる。特許文献1には、表面が絶縁性、又は導電性の基板表面に滴下された液滴の接触角の変化を利用した評価装置が開示されている。しかし、特許文献1には、高沸点有機物を処理するフィルタの評価方法についての開示や示唆はない。また、特許文献2、3にも、高沸点有機物を処理するフィルタの評価方法についての開示や示唆はない。
本発明は、上記の問題に鑑み、高沸点有機物を処理するフィルタを容易に評価する技術を提供することを課題とする。
本発明は、上述した課題を解決するため、高沸点有機物のガラス基板への付着量と水滴の接触角との関係に基づいて被処理空気中の高沸点有機物の濃度を評価し、高沸点有機物を処理するフィルタを評価することとした。
詳細には、本発明は、被処理空気に含まれるVOCを処理するVOC処理装置に設けられ、被処理空気に含まれる高沸点有機物を処理するフィルタを評価するフィルタの評価方法であって、高沸点有機物の濃度を評価する評価用プレートを前記フィルタの上流側の被処理空気と前記フィルタの下流側の被処理空気の夫々に暴露する暴露工程と、前記上流側の被処理空気に暴露した上流側暴露プレート、前記下流側の被処理空気に暴露した下流側暴露プレート、暴露前の未暴露プレートの夫々に水滴を滴下し、水滴の接触角を測定し、各評価用プレートの接触角の比較結果に基づいて前記フィルタを評価する評価工程と、を含む。
本発明に係る高沸点有機物を処理するフィルタの評価方法(以下、単にフィルタの評価方法ともいう)では、フィルタの上流側と下流側の被処理空気に夫々暴露させた上流側暴露プレート及び下流側暴露プレートの夫々に滴下された水滴の接触角、及び比較に用いる未暴露プレートに滴下された水滴の接触角に基づいて、リアルタイムで高沸点有機物の濃度を評価することができる。接触角は、評価用プレートの表面と滴下された水滴の接線とのなす角度である。接触角は、例えば、携帯可能な既存の測定器具によって測定することができる。また、透明の板状部材に接触角を測定するための接触角測定線を例えば1度刻みで複数設けた測定器具を準備し、これを用いるようにしてもよい。例えば、評価用プレートへの高沸点有機物の付着量が少ない程、接触角は小さくなり、評価用プレートへの高沸点有機物の付着量が多い程、接触角は大きくなる。したがって、例えば、上流側暴露プレートの接触角と下流側暴露プレートの接触角との差が小さくなってきた場合には、フィルタの機能が低下していると評価することができる。また、GC装置による評価には、多くの手間とコストが必要となるが、本発明に係るフィルタの評価方法によれば、より簡易にフィルタを評価することができる。
ここで、高沸点有機物を処理するフィルタは、高温処理による再生処理で完全な脱着ができず、吸着材に蓄積する高沸点有機物を処理するものである。VOC処理装置の例えばロータでは、VOCに含まれる高沸点有機物よりも沸点が低い低沸点の有機物を処理する。そこで、本発明に係るフィルタの評価方法では、プレートをVOCを処理する温度に調整してもよい。例えば、本発明に係るフィルタの評価方法は、前記評価用プレートのうち、前記上流側暴露プレート、及び前記下流側暴露プレートを前記VOCを処理する温度に調整する温度調整工程を更に備え、前記評価工程では、前記上流側の被処理空気に暴露し、かつ温度調整された上流側暴露プレート、前記下流側の被処理空気に暴露し、かつ温度調整された下流側暴露プレート、暴露前の未暴露プレートの夫々に水滴を滴下し、水滴の接触角を測定し、各評価用プレートの接触角の比較結果に基づいて前記フィルタを評価するようにしてもよい。これにより、高沸点有機物よりも沸点が低い低沸点の有機物等を除去することができる。換言すると、評価対象を高沸点有機物に絞り込むことができる。そ
の結果、より正確なフィルタの評価が可能となる。
本発明に係るフィルタの処理方法は、被処理空気に含まれるVOC(揮発性有機化合物:volatile organic compounds)を処理するVOC処理装置に設けられた、高沸点有機物を処理するフィルタの評価方法として好適に用いることができる。VOC処理装置は、ゼオライトや活性炭などの吸着剤を有するロータを備え、ロータの吸着材によって被処理空気を吸着濃縮処理し、被処理空気に含まれるVOCを回収処理するものが例示される。フィルタは、ロータの上流側に設けられ、被処理空気に含まれる高沸点有機物を処理する。高沸点有機物とは、例えば沸点が200℃以上の高分子有機物の総称であり、疎水性のものが例示される。
本発明に係るフィルタの評価方法において、前記評価工程では、前記上流側暴露プレートの接触角と前記下流側暴露プレートの接触角との差からなる実測の接触角と、前記未暴露プレートの接触角毎に既定された基準の接触角とを比較することで、前記フィルタの余寿命を評価するようにしてもよい。
これにより、容易かつ正確にフィルタの余寿命(又は、寿命)を評価することができる。基準の接触角は、例えば、1度毎に既定することができる。例えば、縦軸に上流側の接触角、横軸に上流側の接触角と下流側の接触角との差とした図を設け、この図に基準の接触角を表す基準線を複数記載した余寿命評価図を作成するとよい。このような余寿命評価図を作成することで、より容易かつ正確にフィルタの余寿命を評価することができる。
ここで、前記未暴露プレートの接触角は、15度以下としてもよい。比較的低い接触角の範囲では、接触角の増加量と高沸点有機物の濃度との間には比較的良好な比例関係があることが確認できた。そのため、未暴露プレートの接触角を15度以下とすることで、容易かつ正確にフィルタを評価することができる。未暴露プレートの接触角を10度以下とすることで、より容易かつ正確にフィルタを評価することができる。
前記温度調整工程では、前記暴露工程中、又は当該暴露工程後において、前記上流側暴露プレートと前記下流側暴露プレートとを100〜160℃に温度調整するようにしてもよい。プレートを上記温度に調整することで、VOCを処理する温度における高沸点有機物の濃度の評価が可能となる。その結果、より正確なフィルタの評価が可能となる。
ここで、前記評価工程では、各評価用プレートに滴下された水滴の接触角の比較結果に代えて、又は、併用して、各評価用プレートに滴下された水滴の液滴径(水滴の直径)の比較結果、又は各評価用プレートの表面抵抗率の比較結果に基づいて、フィルタを評価してもよい。ここで、各評価用プレートに滴下された水滴の接触角と、各評価用プレートに滴下された水滴の液滴径は、各評価用プレートに滴下された水滴の状態に関する水滴情報に該当する。各評価用プレートに滴下された水滴の状態に関する水滴情報に基づいてフィルタを評価してもよい。異なる水滴情報に基づいてフィルタを評価することで、フィルタの評価精度をより高めることができる。
具体的には、本発明は、被処理空気に含まれるVOCを処理するVOC処理装置に設けられ、被処理空気に含まれる高沸点有機物を処理するフィルタを評価するフィルタの評価方法であって、高沸点有機物の濃度を評価する評価用プレートを前記フィルタの上流側の被処理空気と前記フィルタの下流側の被処理空気の夫々に暴露する暴露工程と、前記上流側の被処理空気に暴露した上流側暴露プレート、前記下流側の被処理空気に暴露した下流側暴露プレート、暴露前の未暴露プレートの夫々に水滴を滴下し、水滴の状態に関する水滴情報を取得し、取得した水滴情報に基づいて前記フィルタを評価する評価工程と、を含む、高沸点有機物を処理するフィルタの評価方法として特定することができる。
本発明に係るフィルタの評価方法では、フィルタの上流側と下流側の被処理空気に夫々暴露させた上流側暴露プレート及び下流側暴露プレートの夫々に滴下された水滴の状態、及び比較に用いる未暴露プレートに滴下された水滴の状態に関する水滴情報に基づいて、リアルタイムで高沸点有機物の濃度を評価することができる。水滴情報には、先に説明した水滴の接触角の他、水滴の液滴径が例示される。これらは、単独で用いてもよく、また、併用してもよい。
液滴径は、評価用プレートの表面に滴下された水滴の直径である。液滴径は、方眼紙(枡目が付された紙)を用いて測定することができる。方眼紙の間隔は、例えば、1mmとすることができる。測定は、肉眼による目視でもよいが、拡大鏡やルーペを用いることで、より精度を高めることができる。また、カメラを用いて測定しても良い。また、液滴径は、例えば、携帯可能な既存の測定器具によって測定するようにしてもよい。例えば、評価用プレートへの高沸点有機物の付着量が増えると、液滴径は縮小する傾向がある。したがって、例えば、上流側暴露プレートの液滴径と下流側暴露プレートの液滴径との差が大きくなってきた場合には、フィルタの機能が低下していると評価することができる。本発明に係るフィルタの評価方法によれば、より簡易にフィルタを評価することができる。
ここで、液滴量が少ないと、例えば、上流側暴露プレートの液滴径と下流側暴露プレートの液滴径との差が小さくなり、判別の信頼性が低下することが考えられる。また、液滴量が多いと、例えば、上流側暴露プレートの液滴径と下流側暴露プレートの液滴径との差は大きくなる。しかしながら、水滴の形状がゆがみやすくなり、また、水平度や振動に対しても液滴径が影響を受けやすくなるため判別の信頼性が低下することが考えられる。そこで、本発明では、滴下する水滴の量は、1〜200μl、より好ましくは5〜50μlとすることが好ましい。これにより、簡易、かつ正確に、フィルタを評価することができる。
また、本発明に係るフィルタの評価方法において、前記評価工程では、前記上流側の被処理空気に暴露した上流側暴露プレート、前記下流側の被処理空気に暴露した下流側暴露プレート、暴露前の未暴露プレートの夫々に水滴を滴下し、液滴径を測定し、各評価用プレートの液滴径の比較結果に基づいて前記フィルタを評価してもよい。
また、本発明に係るフィルタの評価方法は、各評価用プレートへの水滴の滴下をすることなく、前記評価工程において、各評価用プレートの表面抵抗率の比較結果に基づいてフィルタを評価してもよい。具体的には、本発明は、被処理空気に含まれるVOCを処理するVOC処理装置に設けられ、被処理空気に含まれる高沸点有機物を処理するフィルタを評価するフィルタの評価方法であって、高沸点有機物の濃度を評価する評価用プレートを前記フィルタの上流側の被処理空気と前記フィルタの下流側の被処理空気の夫々に暴露する暴露工程と、前記上流側の被処理空気に暴露した上流側暴露プレート、前記下流側の被処理空気に暴露した下流側暴露プレート、暴露前の未暴露プレートの夫々に関する高沸点有機物付着量情報に基づいて前記フィルタを評価する評価工程と、を含む、高沸点有機物を処理するフィルタの評価方法として特定することができる。
また、本発明において、前記評価用プレートは少なくとも表面が絶縁性であり、前記評価工程では、前記上流側の被処理空気に暴露した上流側暴露プレート、前記下流側の被処理空気に暴露した下流側暴露プレート、暴露前の未暴露プレートの夫々の表面抵抗率を一定の相対湿度雰囲気下で測定し、各評価用プレートの表面抵抗率の比較結果に基づいて前記フィルタを評価してもよい。
表面抵抗率は、例えば、表面抵抗率計などの携帯可能な既存の測定器具によって測定す
ることができる。例えば、評価用プレートへの高沸点有機物の付着量が増えると、表面抵抗率が増加する傾向がある。したがって、例えば、上流側暴露プレート自体の表面抵抗率と下流側暴露プレート自体の表面抵抗率との差が大きくなってきた場合には、フィルタの機能が低下していると評価することができる。本発明に係るフィルタの評価方法によれば、水滴を用いる必要もなく、より簡易にフィルタを評価することができる。
ここで、本発明は、高沸点有機物を処理するフィルタを評価するフィルタの評価システムとして特定することができる。例えば、本発明は、被処理空気に含まれるVOCを処理するVOC処理装置に設けられ、被処理空気に含まれる高沸点有機物を処理するフィルタを評価するフィルタの評価システムであって、前記フィルタの上流側の被処理空気に暴露される上流側暴露プレートと、前記フィルタの下流側の被処理空気に暴露される下流側暴露プレートと、暴露前の未暴露プレートとを含む、評価用プレートと、前記上流側暴露プレートと、前記下流側暴露プレートとを、前記フィルタの上流側の被処理空気と、前記フィルタの下流側の被処理空気との夫々に暴露する暴露部と、を含む暴露装置を備える。
本発明に係る高沸点有機物を処理するフィルタを評価するフィルタの評価システム(以下、単に評価システムともいう)は、上述したフィルタの評価方法に好適に用いることができる。暴露装置によれば、評価用のプレートのうち、上流側暴露プレートと、下流側暴露プレートとを高沸点有機物を含む被処理空気に暴露することができる。未暴露プレートは、上流側暴露プレートと下流側暴露プレートとの比較に用いることができる。評価用プレートの接触角を測定することで、フィルタの評価が可能となる。
本発明に係るフィルタの評価システムにおいて、前記暴露装置は、前記上流側暴露プレートと、前記下流側暴露プレートとを前記VOCを処理する温度に調整する温度調整部を更に備えるものでもよい。これにより、高沸点有機物よりも沸点が低い低沸点の有機物等を除去することができる。換言すると、評価対象を高沸点有機物に絞り込むことができる。その結果、より正確なフィルタの評価が可能となる。
また、本発明に係るフィルタの評価システムは、前記評価用プレートの夫々に滴下された水滴の接触角を測定する測定器具を更に備える構成としてもよい。測定器具を備えることで、接触角を容易に測定することができる。測定器具は、例えば、透明の板状部材と、当該透明の板状部材に設けられ、接触角を測定するための接触角測定線と、を含むものとすることができる。接触角測定線は、例えば1度刻みで複数設けることができる。また、測定器具は、携帯可能な既存の測定器具を用いるようにしてもよい。
また、本発明に係るフィルタの評価システムは、前記評価用プレートの接触角の比較結果に基づいて前記フィルタを評価する評価装置であって、前記未暴露プレートの接触角毎に既定された基準が表示され、前記上流側暴露プレートの接触角と前記下流側暴露プレートの接触角との差からなる実測の接触角をプロットすることで、前記フィルタの余寿命を評価可能な評価装置を更に備えるとしてもよい。
評価装置を備えることで、フィルタを容易に評価することができる。例えば、評価装置は、縦軸に上流側の接触角、横軸に上流側の接触角と下流側の接触角との差とした表を設け、この表に基準の接触角を表す基準線を複数記載した余寿命評価図を含む構成することができる。余寿命評価図は、紙面に記載されたものでよく、ディスプレイに表示するものでもよい。このような余寿命評価図によれば、より容易かつ正確にフィルタの余寿命を評価することができる。
前記評価用プレートは、親水性のプレートであり、ガラス板、ガラスコーティング板、Siウエハ、SiO2膜皮膜板のうち何れか一つからなるようにしてもよい。このような
評価用プレートは、高沸点有機物を付着しやすいため、接触角を正確に測定することができる。
また、本発明に係るフィルタの評価システムは、前記評価用プレートの夫々に滴下された水滴の液滴径を測定する測定器具を更に備える構成としてもよい。また、本発明に係るフィルタの評価システムは、前記各評価用プレート自体の表面抵抗率を測定する測定装置を更に備える構成としてもよい。このような測定器具や測定装置を備えることで、液滴径や表面抵抗率を容易に測定することができる。液滴径を測定する測定器具は、例えば、方眼紙とすることができる。方眼紙の間隔は、例えば1mm間隔とすることができる。また、滴径を測定する測定器具には、拡大鏡、又はルーペを含めるようにしてもよい。また、表面抵抗率を測定する測定装置は、表面抵抗率計等の携帯可能な既存の測定器具を用いるようにしてもよい。
本発明によれば、高沸点有機物を処理するフィルタを容易に評価する技術を提供することができる。
図1は、第1実施形態に係るVOC処理装置の概略構成を示す。 図2は、第1実施形態に係るフィルタの評価システムの概略構成を示す。 図3は、第1実施形態に係る、接触角の測定器具による接触角の測定例を示す。 図4は、第1実施形態に係る、余寿命評価装置による余寿命評価例を示す。 図5は、第1実施形態に係るフィルタの評価フローを示す。 図6は、実験例における、接触角の測定結果を示す。 図7は、実験例における、余寿命評価結果を示す。 図8は、第2実施形態に係るフィルタの評価システムの概略構成を示す。 図9は、第2実施形態に係るフィルタの評価フローを示す。 図10は、第2実施形態に係る、液滴径の測定器具による液滴径の測定例を示す。 図11は、余寿命評価表の一例を示す。 図12は、実験例における、液滴径の測定結果の表を示す。 図13は、実験例における、液滴径の測定結果のグラフを示す。 図14は、実験例における、液滴径の測定例を示す。 図15は、第3実施形態に係る表面抵抗率の測定装置の一例を示す。 図16は、余寿命評価表の一例を示す。
次に、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。以下に説明する実施形態は例示にすぎず、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
<第1実施形態>
<VOC処理装置の構成>
図1は、第1実施形態に係るVOC処理装置の概略構成を示す。VOC処理装置100は、例えば、塗工機からの溶剤排気(被処理空気)に含まれるVOCをVOC吸脱着ロータ110で吸着・濃縮した後、冷却凝縮して回収する、循環型のVOC回収設備である。VOC処理装置100は、VOC吸脱着ロータ110、処理通気路120、再生通気路130を備える。処理通気路120は、一端が図示しない塗工機の排出口に接続されている。他端は、処理空気を排出する排出口と接続されている。なお、処理通気路120は、処理空気を排気元である塗工機側に戻すように構成してもよい。処理通気路120の流路途
中には、VOC吸脱着ロータ110が設けられている。処理通気路120は、一端からVOC吸脱着ロータ110までは塗工機から排出されたVOCを含む被処理空気が内部を流れる。また、処理通気路120は、VOC吸脱着ロータ110より下流側では、VOC吸脱着ロータ110で清浄化された、処理空気が流れる。また、処理通気路120は、VOC吸脱着ロータ110の上流側に、被処理空気の流れにおいて上流側から順に、第1冷却器121、活性炭フィルタ140、第2冷却器122が設けられている。第1冷却器121は、活性炭フィルタ140の上流側の被処理空気を冷却する。第2冷却器122は、活性炭フィルタ140よりも下流側、かつ、VOC吸脱着ロータ110に供給前の被処理空気を冷却する。活性炭フィルタ140は、被処理空気に含まれる微量の高沸点有機物を処理する。なお、VOC吸脱着ロータ110への付着が問題となる、高沸点有機物の沸点の範囲は、VOC吸脱着ロータ110の再生温度より数十℃以上高い沸点のものである。平衡吸着量(新たな吸着と脱着が平衡濃度になるときの吸着量で、沸点が高いほど平衡吸着量は高くなる)は、被処理空気の濃度、VOC吸脱着ロータ110を再生した際の空気の濃度、再生温度、再生時間、VOC吸脱着ロータ110における脱離ゾーン113(再生ゾーン)と吸着ゾーン111や冷却ゾーン112との面積比によって変わる。例えば、VOC吸脱着ロータ110の再生温度が140℃の場合、200℃程度までの沸点の有機物であれば、VOC吸脱着ロータ110の吸脱着性能への影響は軽微である。第1実施形態では、VOC吸脱着ロータ110の吸脱着性能への影響が懸念される、沸点200℃以上の高沸点有機物を活性炭フィルタ140で処理する。
VOC吸脱着ロータ110は、例えばシリカゲルを添着したロータによって構成することができる。VOC吸脱着ロータ110は、ゼオライトを添着したロータ、高分子収着剤を添着したロータ、塩化リチウム等の吸湿剤等を含浸させたロータによって構成してもよい。VOC吸脱着ロータ110は、図示しない駆動源によって回転自在であり、吸着ゾーン111、冷却ゾーン112、脱離ゾーン113(再生ゾーン)を備える。吸着ゾーン111は、処理通気路120を流れる被処理空気に含まれるVOCの吸着や、処理通気路120を流れる気体を調湿する。脱離ゾーン113は、吸着、濃縮されたVOCを脱離し、VOC吸脱着ロータ110を再生する。冷却ゾーン112(パージゾーン)は、再生によって高温となったVOC吸脱着ロータ110を冷却する。
再生通気路130は、VOC冷却凝縮コイル150に接続され、不活性気体(N2)の導入が可能となっている。より具体的には、再生通気路130は、不活性気体によってVOC吸脱着ロータ110を再生し、高濃度VOCを含む不活性気体からVOCを回収して、不活性気体を再利用できるよう循環路となっている。再生通気路130は、不活性気体の流れにおいて上流側から順に、導入部134、第1送風機131、VOC吸脱着ロータ110(冷却ゾーン112)、第2送風機132、ヒータ133、VOC吸脱着ロータ110(脱離ゾーン113)、VOC冷却凝縮コイル150、排出部135が設けられている。
導入部134は、再生通気路の最上流に位置し、不活性気体(N2)を導入する。第1送風機131は、不活性気体を送り出すものであり、気体を圧縮して送り出すブロアによって構成することができる。VOC吸脱着ロータ2の冷却ゾーン112は、上述したように、再生によって高温となったVOC吸脱着ロータ110を冷却する。第2送風機132は、不活性気体を送り出すものであり、第1送風機131と同様、所謂ブロアによって構成することができる。ヒータ133は、不活性気体を加熱する。VOC吸脱着ロータ110の脱離ゾーン113は、上述したように、吸着、濃縮されたVOCを脱離し、VOC吸脱着ロータ110を再生する。VOC冷却凝縮コイル150は、不活性気体を冷却して回収する。排出部135は、VOCが回収された不活性気体を排出する。
また、再生通気路130には、導入部134と第1ブロア131との間に第1分岐部1
36、VOC回収冷却凝縮コイル150と排出部135との間に第2分岐部137、一端が第2分岐部137と接続され、他端が第1分岐部136と接続された分岐路138が設けられている。VOC吸脱着ロータ110の冷却ゾーン112を通過した不活性気体はヒータ133によって加熱され高温となり脱離ゾーン113を通過する。脱離ゾーン113を通過することで高濃度VOCを含む不活性気体は、VOC冷却凝縮コイル150で冷却凝縮され、VOCが回収される。また、本実施形態では、VOC冷却凝縮コイル150によってVOCが回収された不活性気体の一部は、第2分岐部137、分岐路138、第1分岐部136を経て、再生通気路130に戻される。
<フィルタの評価システムの構成>
図2は、第1実施形態に係るフィルタの評価システムの概略構成を示す。第1実施形態に係るフィルタの評価システム200は、活性炭フィルタ140を収容する活性炭フィルタのチャンバ10から高沸点有機物を含む被処理空気を取り込み、高沸点有機物の濃度を評価して、活性炭フィルタ140の余寿命を評価する。活性炭フィルタのチャンバ10内には、2つの活性炭フィルタ(上流側活性炭フィルタ141、下流側活性炭フィルタ142)が直列に収容されている。なお、第1実施形態において、主たる評価の対象となる活性炭フィルタ140は、上流側活性炭フィルタ141であり、下流側活性炭フィルタ142は比較のために評価した。第1実施形態に係るフィルタの評価システム200は、暴露ボックス30、リボンヒータ50、評価用プレート40、接触角の測定器具60、余寿命評価装置70を備える。
<<暴露ボックス>>
暴露ボックス30は、断熱付きチューブ20を介して、活性炭フィルタのチャンバ10と接続されており、高沸点有機物を含む被処理空気を取り込んで、評価用プレート40を高沸点有機物を含む被処理空気に暴露させる。被処理空気は、暴露ボックス30の下流側に設けられた暴露ボックスのポンプ80によって吸引され、暴露ボックス30内に取り込まれる。暴露ボックス30は、上流側暴露ボックス31、中段暴露ボックス32、下流側暴露ボックス33の3つで構成されている。上流側暴露ボックス31は、上流側活性炭フィルタ141の上流側近傍において、断熱付きチューブ20を介して、活性炭フィルタのチャンバ10と接続されている。上流側暴露ボックス31は、評価用プレート40を収容し、収容した評価用プレート40を活性炭フィルタ140で処理される前の被処理空気に暴露させる。上流側暴露ボックス31で暴露される評価用プレート40は、他の評価用プレート40と区別するため、上流側暴露プレート41と称する。中段暴露ボックス32は、上流側活性炭フィルタ141と下流側活性炭フィルタ142との間において、断熱付きチューブ20を介して、活性炭フィルタのチャンバ10と接続されている。中段暴露ボックス32は、評価用プレート40を収容し、収容した評価用プレート40を上流側活性炭フィルタ141の通過後、かつ、下流側活性炭フィルタ142の通過前の被処理空気に暴露させる。中段暴露ボックス32で暴露される評価用プレート40は、他の評価用プレート40と区別するため、中段暴露プレート42と称する。下流側暴露ボックス33は、下流側活性炭フィルタ142の下流側近傍において、断熱付きチューブ20を介して、活性炭フィルタのチャンバ10と接続されている。下流側暴露ボックス33は、評価用プレート40を収容し、収容した評価用プレート40を、下流側活性炭フィルタ142の通過後の被処理空気に暴露させる。下流側暴露ボックス33で暴露される評価用プレート40は、他の評価用プレート40と区別するため、下流側暴露プレート43と称する。
<<評価用プレート>>
評価用プレート40は、上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43、未暴露プレート44を含む。評価用プレート40は、UVオゾンで処理されたガラス板からなる。評価用プレート40は、親水性のプレートであればよく、ガラスコーティング板、Siウエハ、SiO2膜皮膜板でもよい。UVオゾンで処理した評価用
プレート40は、高沸点有機ガスの発生しない密閉容器に入れることが好ましい。UVオゾンで処理した評価用プレート40は、清浄な梱包材で包むようにしてもよい。これにより、評価用プレート40が被処理空気に暴露するまでは接触角が変化しないようにすることができる。その結果、評価の精度を向上できる。
<<断熱付きチューブ>>
断熱付きチューブ20は、活性炭フィルタのチャンバ10と接続され、高沸点有機物を含む被処理空気を暴露ボックス30に供給する。断熱付きチューブ20は、周囲環境の影響によって、高沸点有機物を含む被処理空気の温度が変動しないように、断熱構造を有する。第1実施形態に係る断熱付きチューブ20は、樹脂製であり、ウレタン系の断熱材で周囲が被覆されている。また、断熱付きチューブ20の内面は、テフロン加工されているが、シリコン加工されていてもよい。断熱付きチューブ20の内面は、チューブ内面への高沸点有機物の付着を抑制し、評価の精度低下を防ぐよう、内面の抵抗は少ない方がよい。なお、断熱付きチューブ20は、ヒータを設け、加温できるようにしてもよい。断熱付きチューブ20は、評価の精度低下を抑えるため、上流側暴露ボックス31、中段暴露ボックス32、下流側暴露ボックス33の夫々に接続されるチューブの長さを全て同じとすることが好ましい。また、断熱付きチューブ20は、評価の精度低下を抑えるため、できる限り短くすることが好ましい。
<<リボンヒータ>>
リボンヒータ50は、暴露ボックス30に収容された評価用プレート40(上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43)の温度が、VOC吸脱着ロータ110の再生温度と同じ、例えば140℃になるよう暴露ボックス30を加温する。第1実施形態では、金属製の暴露ボックス30内に評価用プレート40が直置きされ、表面がアルミ箔で覆われたリボンヒータ50が暴露ボックス30を覆うように巻きついている。なお、評価用プレート40がVOC吸脱着ロータ110の再生温度と同じ温度になるように評価用プレート40を加温できればよい。リボンヒータ50に代えて、平板状の加熱装置(例えば、ホットプレート)に暴露ボックスを載置するようにしてもよい。例えば、暴露中は加温せず、暴露終了後に10〜60分ホットプレートなどの上に直接評価用プレート40を載置し、同様の温度まで昇温処理してもよい。この場合、接触角の測定は、ホットプレートの温度がほぼ室温に戻ってから実施することが好ましい。また、断熱付きチューブ20にヒータを設け、断熱付きチューブ20のヒータによって、被処理空気を加温して、評価用プレート40を昇温させるようにしてもよい。リボンヒータ50での加熱温度は、VOC吸脱着ロータ110の再生温度に基づいて適宜変更できる。例えば、リボンヒータ50での加熱温度は、140℃〜180℃とすることができる。なお、リボンヒータ50を省略し、フィルタの評価システム200は、より簡易な構成としてもよい。
<<接触角の測定器具>>
接触角の測定器具60は、接触角の測定に用いる。接触角の測定器具60は、透明の板状部材61からなり、板状部材61には接触角を測定するための接触角測定線62が1度刻みで複数設けられている。接触角の測定器具60は、携帯可能な既存の測定器具(例えば、接触角計)を用いてもよい。
図3は、第1実施形態に係る、接触角の測定器具60による接触角の測定例を示す。図3(a)は、高沸点有機物が少量含まれている場合の一例であり、接触角は約12度である。例えば、評価用プレート40の初期値の接触角が10度の場合において、十分な通気量の元(例えば2l/min以上)、評価用プレート40を数時間〜1日暴露したときの
接触角が12〜15度となった場合、被処理空気には高沸点有機物が少量含まれていると評価することができる。図3(b)は、高沸点有機物が多く含まれている場合の一例であ
り、接触角は約16度である。例えば、評価用プレート40の初期値の接触角が10度の場合において、十分な通気量の元(例えば2l/min以上)、評価用プレート40を数時間〜1日暴露したときの接触角が16度以上となった場合、被処理空気には高沸点有機
物が多く含まれていると評価することができる。図示では、省略するが、例えば、評価用プレート40の初期値の接触角が10度の場合において、十分な通気量の元(例えば2l/min以上)、評価用プレート40を数時間〜1日暴露したときの接触角が12度を下
回る場合、被処理空気には高沸点有機物が殆ど含まれていないと評価することができる。なお、接触角は、暴露時間に大きく依存し、通気量にも依存する。したがって、高沸点有機物がどの程度含まれているか評価するに際しては、暴露時間、通気量を考慮することが好ましい。
<<余寿命評価装置>>
余寿命評価装置70は、紙面71に記載された余寿命評価図72からなり、余寿命評価図72は、縦軸に上流側の接触角、横軸に上流側の接触角と下流側の接触角との差とした表73が設けられ、この表73に基準の接触角を表す基準線74が複数記載されている。上流側暴露プレート41の接触角と下流側暴露プレート43(又は中段暴露プレート)の接触角との差をプロットし、この差を示すプロットが基準線74の下部領域に存在する場合、余寿命あり(継続使用可能)と評価される。一方、差を示すプロットが基準線74の上部領域に存在する場合、余寿命なし(継続使用不可)と評価される。なお、第1実施形態では、基準線74が5〜10度であるが、例えば、基準線74は、5〜15度としてもよい。また、基準線74の位置は、活性炭フィルタ140の寿命とする除去率によって調整することができる。例えば、第1実施形態では、除去率を約70%程度として、基準線74を設定した。例えば、寿命となる除去率を70%よりも高くする場合には、基準線74は少し下に移動することができる。逆に、例えば、寿命となる除去率を70%よりも低くする場合には、基準線74は少し上に移動することができる。
図4は、第1実施形態に係る、余寿命評価装置による余寿命評価例を示す。図4は、未暴露プレート44の接触角が10度、上流側暴露プレート41の接触角が20度、下流側暴露プレート43の接触角が14であり、その差が6度の場合を示す。図4では「差」が「×」で示す箇所にプロットされる。差を示すプロットが、10度の基準線74の上部領域に存在することから、評価対象となった活性炭フィルタ140は、余寿命なし(継続使用不可)と評価される。
<フィルタの評価方法>
図5は、第1実施形態に係るフィルタの評価フローを示す。ステップS01では、暴露工程として、評価用プレート40が高沸点有機物を含む被処理空気に暴露される。UVオゾン処理された評価用プレート40が、暴露ボックス30(上流側暴露ボックス31、中段暴露ボックス32、下流側暴露ボックス33)に収容される。UVオゾン処理では、評価用プレート40を設置したチャンバ内でオゾンを発生する波長の紫外線が照射される。紫外線の光子エネルギーによる直接的な分解(解離)とオゾンによる酸化分解により、有機物が低分子化及び完全分解される。その結果、評価用プレート40の表面を清浄化することができる。なお、UVオゾン処理する際の処理温度を高くすることで、オゾン自身の分解速度を高めるようにしてもよい。その結果、オゾン分解物による洗浄効果を向上でき、また、低分子化された有機物の基板からの脱離速度を向上できる。
暴露ボックス30に評価用プレート40のうち、上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43が収容され、暴露ボックスのポンプ80によって、暴露ボックス30に高沸点有機物を含む被処理空気が吸引され、暴露が開始される。また、ステップS01では、温度調整工程として、評価用プレート40のうち、上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43が温度調整される。具体的
には、暴露中は、評価用プレート40のうち、上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43の温度がVOC吸脱着ロータ110の再生温度と同じ温度(例えば、140℃)になるようリボンヒータ50で加温される。暴露時間は、0.5〜5時間(h)である。なお、暴露時間は、フィルタの上流側の高沸点有機物の濃度レベルによって変えることができる。例えば、低い濃度の時は、暴露時間を長めに設定する。少なくとも上流側暴露プレート41の接触角が5度以上上昇するまでは暴露するとよい。例えば、当初1時間の暴露で、上流側暴露プレート41の接触角が4度程度の上昇であった場合は、再度この上流側暴露プレート41を1時間程暴露するとよい。その結果、上流側暴露プレート41の接触角は8度程度上昇する。なお、リボンヒータ50による加温を省略し、フィルタの評価方法は、より簡易な処理としてもよい。
ステップS02では、評価工程として、活性炭フィルタ140の余寿命が評価される。まず、暴露が終了すると、暴露ボックス30(上流側暴露ボックス31、中段暴露ボックス32、下流側暴露ボックス33)から評価用プレート40(上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43)が取り出される。そして、水滴を滴下する汎用の器具によって、評価用プレート40、すなわち上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43、及びこれらのプレートと比較するために用いる未暴露プレート44の表面に、水滴が数十μg〜数十mg滴下される。次に、接触角の測定器具60を用いて、評価用プレート40、すなわち、上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、及び下流側暴露プレート43の夫々について、評価用プレート40に滴下された水滴の接触角が測定される。また、未暴露プレート44についても、滴下された水滴の接触角が測定される。
次に、余寿命評価装置70によって、活性炭フィルタ140の余寿命が評価される。例えば、未暴露プレート44の接触角が10度、上流側暴露プレート41の接触角が20度、下流側暴露プレート43の接触角が14度の場合、上流側暴露プレート41の接触角と下流側暴露プレート43の接触角との差は、6度となる。この「差」が図4に示す余寿命評価装置70の余寿命評価図72にプロットされる。図4では、「差」が「×」で示されている。差を示すプロットが、10度の基準線74の上部領域に存在することから、評価対象となった活性炭フィルタ140が、余寿命なし(継続使用不可)と評価される。例えば、未暴露プレート44の接触角が10度、上流側暴露プレート41の接触角が20度、下流側暴露プレート43の接触角が11度の場合、上流側暴露プレート41の接触角と下流側暴露プレート43の接触角との差は、9度となる。図4では、この「差」が「△」で示されている。差を示すプロットが、10度の基準線74の下部領域に存在することから、評価対象となった活性炭フィルタ140が、余寿命あり(継続使用可能)と評価される。換言すると、暴露していない未暴露プレート44の接触角を基準とし、上流側暴露プレート41の接触角と下流側暴露プレート43の接触角との差と比較することで、活性炭フィルタ140除去性能がどの程度低下しているか、すなわち活性炭フィルタ140の余寿命を評価することができる。以上により、フィルタの評価フローが終了する。ここで、上流側暴露プレート41の接触角、下流側暴露プレート43の接触角、未暴露プレート44の接触角は、それぞれ本発明における水滴情報に相当すると共に高沸点有機物付着量情報に相当する。
<実験例>
次に実験例について説明する。実験例では、図1に示すVOC処理装置100を用いた。被処理空気は、酢酸エチルを主成分とする。活性炭フィルタ140は、沸点が200℃以上の高沸点有機物を除去(処理)するものを用いた。図2に示すように、活性炭フィルタ140は、上流側活性炭フィルタ141、下流側活性炭フィルタ142からなり、直列に設けられている。活性炭フィルタ140を交換する際は、上流側活性炭フィルタ141が撤去され、下流側活性炭フィルタ142を上流側活性炭フィルタ141として用い、新
たな活性炭フィルタが下流側活性炭フィルタ142として用いられる。評価用プレート40には、入手が容易で、かつ安価で取り扱いやすい市販のスライドガラスを用いた。前処理として、スライドガラスかなる複数の評価用プレート40を10分間UVオゾン洗浄処理した。評価用プレート40のうち、洗浄処理後1枚の評価用プレート40を。未暴露プレート44として、水の接触角を測定し、接触角が7度であることを確認した。評価用プレート40のうち、上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43を、上流側暴露ボックス31、中段暴露ボックス32、下流側暴露ボックス33の夫々に収容し、暴露ボックスのポンプ80で被処理空気を夫々吸引し、評価用プレート40を被処理空気で暴露させた。本実験例では、VOC処理装置の再生温度が140℃であったため、リボンヒータ50により、評価用プレート40のうち、上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43を140℃に加温した。
図6は、実験例における、接触角の測定結果を示す。図6は、暴露時間が、1時間、2時間、3時間の接触角の測定結果を示す。図6の「×(バツ印)」は、上流側暴露ボックス31で暴露させた上流側暴露プレート41の接触角の測定結果を示す。図6の「●(黒塗りの丸印)」は、中段暴露ボックス32で暴露させた中段暴露プレート42の接触角の測定結果を示す。図6の「○(白抜きの丸印)」は、下流側暴露ボックス33で暴露させた下流側暴露プレート43の接触角の測定結果を示す。図6の「△(白抜きの三角印)」は、先に説明した要領で活性炭フィルタ140を交換した後における、中段暴露ボックス32で暴露させた中段暴露プレート42の接触角の測定結果を示す。なお、本実験例では、上述したように、未暴露プレート44の接触角は7度であった。
図6に示すように、上流側暴露プレート41の接触角の変化に対して、下流側暴露プレート43の接触角の変化は非常に小さく、被処理空気に含まれる高沸点有機物濃度が、活性炭フィルタ140の下流側では、上流側に比べて大幅に削減されていることが確認された。一方、中段暴露プレート42の接触角は下流側暴露プレート43の接触角に比べてかなり大きく、上流側活性炭フィルタ141の除去性能が低下していることが確認された。
ここで、図7は、実験例における、余寿命評価結果を示す。図7では、未暴露プレート44の接触角が7度、上流側暴露プレート41の接触角が12度(暴露時間1h)、21度(暴露時間2h)、33度(暴露時間3h)、中段暴露プレート42の接触角が9度(暴露時間1h)、13度(暴露時間2h)、18度(暴露時間3h)である。上流側暴露プレート41の接触角と中段暴露プレート42の接触角との差は、3度(暴露時間1h)、8度(暴露時間2h)、15度(暴露時間3h)となる。図7では、上流側暴露プレート41の接触角と中段暴露プレート42の接触角との差は、3度(暴露時間1h)、8度(暴露時間2h)のみプロット(「×」バツ印で示す)されている。図7に示すように、「差」を示すプロットは、基準線74の上部領域に存在することから、余寿命なし(継続使用不可)と評価される。
なお、活性炭フィルタ140を交換することで、フィルタ交換後の中段暴露プレート42の接触角が、フィルタ交換前の下流側暴露プレート43の接触角とほぼ同じであることが確認された。したがって、上流側活性炭フィルタ141の除去性能が十分に高いことが確認できた。なお、交換後の評価は省略してもよい。
<効果>
暴露ボックス30(上流側暴露ボックス31、中段暴露ボックス32、下流側暴露ボックス33)により、評価用プレート40のうち、上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43を高沸点有機物を含む被処理空気に暴露させることができる。また、リボンヒータ50により、暴露ボックス30に収容された評価用プレート40のうち、上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43
の温度が、VOC吸脱着ロータ110の再生温度と同じ、例えば140℃になるよう加温することができる。その結果、高沸点有機物よりも沸点が低い低沸点の有機物、すなわちVOC吸脱着ロータ110で処理する低沸点の有機物を除去することができる。換言すると、評価対象を高沸点有機物に絞り込むことができる。その結果、より正確なフィルタの評価が可能となる。また、断熱付きチューブ20を用いることで、高沸点有機物を含む被処理空気の温度変動を抑制することができる。その結果、より正確なフィルタの評価が可能となる。また、例えば、断熱機能を有しないチューブによる場合と比較して、暴露時間を短縮できる。
また、接触角の測定器具60により、評価用プレート40、すなわち、未暴露プレート44、上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43の接触角を容易に測定することができる。その結果、高沸点有機物の濃度を評価することができる。
また、余寿命評価図72を含む余寿命評価装置70により、上流側暴露プレート41の接触角と中段暴露プレート42(又は下流側暴露プレート43)との接触角との差をプロットするだけで、活性炭フィルタ140の余寿命を評価することができる。第1実施形態に係るフィルタの評価システム200によってフィルタを評価することで、容易に活性炭フィルタ140の余寿命を評価することができる。その結果、活性炭フィルタ140を本来の寿命まで使い切ることができ、省資源・省コストを実現できる。
<第2実施形態>
第2実施形態では、液滴径を測定して、フィルタを評価する場合について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明は割愛する。VOC処理装置100は、第1実施形態と同じである(図1参照)。よって、説明は、割愛する。
図8は、第2実施形態に係るフィルタの評価システムの概略構成を示す。以下、第1実施形態に係るフィルタの評価システム200との相違点を中心に説明する。第2実施形態に係るフィルタの評価システム210は、接触角の測定器具60、余寿命評価装置70に代えて、液滴径の測定器具220、拡大鏡230を備える。
<<液滴径の測定器具>>
液滴径の測定器具220は、携帯可能な既存の測定器具であり液滴径の測定に用いる。液滴径の測定器具220は、方眼紙からなり、第2実施形態では、一例として、間隔が1mmに設定されている。評価用プレート自体に目盛りを付したものであってもよい。拡大鏡230は、汎用のものを用いることができる。拡大鏡230に代えて、ルーペを用いてもよい。
<フィルタの評価方法>
図9は、第2実施形態に係るフィルタの評価フローを示す。ステップS01では、暴露工程として、評価用プレート40が高沸点有機物を含む被処理空気に暴露される。UVオゾン処理された評価用プレート40が、暴露ボックス30(上流側暴露ボックス31、中段暴露ボックス32、下流側暴露ボックス33)に収容される。暴露時間は、被処理空気に含まれる高沸点有機物の濃度に依存する。高濃度の場合、暴露時間は、例えば0.5hとすることができる。また、低濃度の場合、暴露時間は、例えば、5〜10hとすることができる。暴露時間を5〜10h(低濃度)とした場合でも、上流側暴露プレート41の液滴径と下流側暴露プレート43の液滴径との差が出ない場合は、高沸点有機物の濃度が通常値よりも低いことが想定されるため、再度測定を行った方がよい。また、ステップS01では、温度調整工程として、評価用プレート40のうち、上流側暴露プレート41、
中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43が温度調整される。暴露工程、及び温度調整工程は、第1実施形態と同様に行うことができる。したがって、詳細な説明は、割愛する。
ステップS02−1では、評価工程として、活性炭フィルタ140の余寿命が評価される。まず、暴露が終了すると、暴露ボックス30(上流側暴露ボックス31、中段暴露ボックス32、下流側暴露ボックス33)から評価用プレート40(上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43)が取り出される。そして、水滴を滴下するピペット等の汎用の器具によって、評価用プレート40、すなわち上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43、及びこれらのプレートと比較するために用いる未暴露プレート44の表面に、水滴が数μl〜数十μl滴下される。次に、液滴径の測定器具220、及び拡大鏡230を用いて、評価用プレート40、すなわち、上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、及び下流側暴露プレート43の夫々について、評価用プレート40に滴下された水滴の液滴径が測定される。また、未暴露プレート44についても、滴下された水滴の液滴径が測定される。
滴下された水滴の液滴径の測定は、以下の手順で行うことができる。以下では、上流側暴露プレート41、下流側暴露プレート43、未暴露プレート44の液滴径を測定して活性炭フィルタ140の余寿命を評価する場合を説明する。まず、方眼紙からなる液滴径の測定器具220の上に、評価用プレート40が置かれる。このとき、方眼紙の目盛り(升目)が透明の評価用プレート40から透けて見える。次に、ピペット等の器具を用いて、評価用プレート40に、数μl〜数十μlの水滴が滴下される。液滴量が少ないと、例えば、上流側暴露プレート41の液滴径と下流側暴露プレート43の液滴径との差が小さくなり、判別の信頼性が低下することが考えられる。また、液滴量が多いと、例えば、上流側暴露プレート41の液滴径と下流側暴露プレート43の液滴径との差は大きくなる。しかしながら、水滴の形状がゆがみやすくなり、また、水平度や振動に対しても液滴径が影響を受けやすくなるため判別の信頼性が低下することが考えられる。そこで、液滴量、すなわち滴下する水滴の量は、1〜200μl、より好ましくは5〜50μlとすることが好ましい。これにより、簡易、かつ正確に、フィルタを評価することができる。
次に、方眼紙からなる液滴径の測定器具220の目盛(桝目)から、評価用プレート40の液滴径が読み取られる。すなわち、上流側暴露プレート41、及び下流側暴露プレート43の夫々について、評価用プレート40に滴下された水滴の液滴径が測定される。また、未暴露プレート44についても、滴下された水滴の液滴径が測定される。
次に、活性炭フィルタ140の余寿命が評価される。まず、上流側暴露プレート41の液滴径と、未暴露プレート44の液滴径とが比較される。上流側暴露プレート41の液滴径が未暴露プレート44の液滴径の90%未満の場合、評価が可能と判断される。この場合、下流側暴露プレート43の液滴径も考慮して、活性炭フィルタ140の余寿命が評価される。一方で、上流側暴露プレート41の液滴径が未暴露プレート44の液滴径の90%以上の場合、上流側暴露プレート41の液滴径と未暴露プレート44の液滴径との差に応じて、暴露が継続される。例えば、上流側暴露プレート41の液滴径が未暴露プレート44の液滴径の91〜95%の場合、更に今までの時間と同等の時間から更に今までの時間の2倍程度の時間、暴露される。例えば、上流側暴露プレート41の液滴径が未暴露プレート44の液滴径の95%以上の場合、更に今までの時間の2倍以上の時間、暴露される。なお、暴露時間の合計が5〜10hであり、かつ、上流側暴露プレート41の液滴径が未暴露プレート44の液滴径の90%以上の場合、被処理空気中に含まれる高沸点有機物の濃度が低いと判定することができる。この場合、塗工機からの溶剤排気(被処理空気)は行われていたが、トラブルや製品の切り替え等により中断していたか、塗工機で非常に小さい製品を塗装(生産)していた、乾燥工程の温度が通常より低く、高沸点有機物の
気中への脱着量は低減していた等の原因を予測することができる。したがって、予測に基づいて原因が確認され、改めて、活性炭フィルタ140の余寿命が評価される。
ここで、図10は、第2実施形態に係る、液滴径の測定器具による液滴径の測定例を示す。図10(a)は、未暴露プレートの液滴径の一例であり、図10(b)は、下流側暴露プレートの液滴径の一例であり、図10(c)は、上流側プレートの液滴径の一例である。図10(a)に示す未暴露プレート44の一例では、液滴径が14.1mmである。図10(b)に示す下流側暴露プレート43の一例では、液滴径が13.9mmである。図10(c)に示す上流側暴露プレート41の一例では、液滴径が11.9mmである。評価用プレート40(未暴露プレート44、下流側暴露プレート43、上流側暴露プレート41)は、第1実施形態と同じく、UVオゾンで処理されたガラス板からなる。評価用プレート40は、親水性のプレートであればよく、ガラスコーティング板、Siウエハ、SiO2膜皮膜板でもよい。なお、図10に示す測定例では、暴露時間は3hとした。また、液滴量は20μlとした。
図10に示すように、上流側暴露プレート41の液滴径は11.9mmであり、未暴露プレート44の液滴径14.1mmであり、見た目でも差があると判断することができる。また、実際に計算すると、上流側暴露プレート41の液滴径が未暴露プレート44の液滴径の約84%であり、評価が可能と判断される。一方で、下流側暴露プレート43は、13.9mmであり、未暴露プレート44の液滴径14.1mmとの差が見た目では判断しにくい。この結果から、上流側活性炭フィルタ141の高沸点有機物の濃度が高く、下流側活性炭フィルタ142の高沸点有機物の濃度が低く、上流側活性炭フィルタ141の除去性能が十分にあり寿命に達していないと判断することができる。
余寿命の判断は、より詳細には、例えば以下のように実施することができる。未暴露プレート44の液滴径をXとし、上流側暴露プレート41の液滴径をY1、下流側暴露プレート43の液滴径をY2とすると、Y1のXに対する縮小率A、及びY2のXに対する縮小率Bは、それぞれ、式1、式2によって表される。ここで、上流側暴露プレート41の液滴径、下流側暴露プレート43の液滴径、未暴露プレート44の液滴径は、それぞれ本発明における水滴情報に相当すると共に高沸点有機物付着量情報に相当する。
Y1のXに対する縮小率A=(X−Y1)/X・・・式1
Y2のXに対する縮小率B=(X−Y2)/X・・・式2
図11は、余寿命評価表の一例を示す。図11に示す余寿命評価表240では、(1)Aが0.05以上、かつBが(A/5)以下の時は、活性炭フィルタの余寿命あり(継続使用可能)、(2)Aが0.05以上、かつBが(A/5)〜(2A/5)の時は、活性炭フィルタの寿命が近い、(3)Aが0.05以上、かつBが(2A/5)以上の時は、余寿命なし(継続使用不可)とされている。図10の測定例では、縮小率Aが0.15、縮小率Bが0.01であり、縮小率A/5の0.03以下である。よって、図10の測定例では、余寿命ありと評価される。以上により、余寿命が評価される。
<実験例>
第2実施形態に係る実験例でも、図1に示すVOC処理装置100を用いた。被処理空気は、酢酸エチルを主成分とする。活性炭フィルタ140は、沸点が200℃以上の高沸点有機物を除去(処理)するものを用いた。図2に示すように、活性炭フィルタ140は、上流側活性炭フィルタ141、下流側活性炭フィルタ142からなり、直列に設けられている。活性炭フィルタ140を交換する際は、上流側活性炭フィルタ141が撤去され、下流側活性炭フィルタ142を上流側活性炭フィルタ141として用い、新たな活性炭フィルタが下流側活性炭フィルタ142として用いられる。評価用プレート40には、入
手が容易で、かつ安価で取り扱いやすい市販のスライドガラスを用いた。前処理として、スライドガラスかなる複数の評価用プレート40を10分間UVオゾン洗浄処理した。評価用プレート40のうち、上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43を、上流側暴露ボックス31、中段暴露ボックス32、下流側暴露ボックス33の夫々に収容し、暴露ボックスのポンプ80で被処理空気を夫々吸引し、評価用プレート40を被処理空気で暴露させた。本実験例では、VOC処理装置の再生温度が140℃であったため、リボンヒータ50により、評価用プレート40のうち、上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43を140℃に加温した。
図12は、実験例における、液滴径の測定結果を示す。図13は、実験例における、液滴径の測定結果のグラフを示す。図14は、実験例における、液滴径の測定例を示す。測定点における、丸付き数字1は、上流側暴露ボックス31に対応しており、上流側暴露プレート41の液滴径の測定結果を示す。測定点における、丸付き数字2は、中段暴露ボックス32に対応しており、中段暴露プレート42の液滴径の測定結果を示す。測定点における、丸付き数字3は、下流側暴露ボックス33に対応しており、下流側暴露プレート43の液滴径の測定結果を示す。測定点における、ブランクは、未暴露プレート44の液滴径の測定結果を示す。また、図14(a)は、サンプリング開始(実験開始)から11日後における上流側暴露プレート41の液滴径の測定結果を示す。図14(b)は、サンプリング開始(実験開始)から11日後における中段暴露プレート42の液滴径の測定結果を示す。図14(c)は、サンプリング開始(実験開始)から11日後における下流側暴露プレート43の液滴径の測定結果を示す。
実験開始直後、未暴露プレート44の液滴径が14.0mm(ブランク)であるのに対し、中段暴露プレート42の液滴径が13.8mm(測定点:丸付き数字2)、下流側暴露プレート43の液滴径が14.0mm(測定点:丸付き数字3)であり、有意な差がない。したがって、被処理空気中に高沸点有機物が殆ど含まれていないことが確認された。これに対し、上流側暴露プレート41の液滴径が11.2mm(測定点:丸付き数字1)であり、未暴露プレート44の液滴径との間に差異がみられ、中段暴露プレート42の液滴径や下流側暴露プレート43の液滴径と比較して大きいことが確認された。この結果から、上流側活性炭フィルタ141の除去性能が十分にあることが確認された。
より詳細には、中段暴露プレート42については11日目以降、下流側暴露プレート43については21日目以降、液滴径が急激に小さくなり、夫々約1週間前後で上流側暴露プレート41の液滴径に近づいている。したがって、急激な低下後、更に約1週間前後が寿命と評価できる。例えば、フィルタの除去機能が確実に確認できる範囲として除去率を20〜30%に仮定すると、中段暴露プレート42については、14日目頃が余寿命なし(継続使用不可)と評価できる。また、同様に、下流側暴露プレート43については、28日目頃が余寿命なし(継続使用不可)と評価できる。下流側暴露プレート43の余寿命は、中段暴露プレート42の2倍程度であり、徐々にフィルタの除去機能が低下しており、本実験結果の信頼性は高いものと考えられる。
<効果>
第2実施形態に係るフィルタの評価システム210によれば、液滴径の測定器具220により、評価用プレート40、すなわち、未暴露プレート44、上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43の接触角を容易に測定することができる。その結果、高沸点有機物の濃度を評価することができる。
また、上流側暴露プレート41の液滴径の未暴露プレート44の液滴径に対する縮小率A、及び下流側暴露プレート43の液滴径の未暴露プレート44の液滴径に対する縮小率Bを夫々求め、余寿命評価表240と照らし合わせることで、活性炭フィルタ140の余
寿命を評価することができる。第2実施形態に係るフィルタの評価システム210によってフィルタを評価することで、容易に活性炭フィルタ140の余寿命を評価することができる。その結果、活性炭フィルタ140を本来の寿命まで使い切ることができ、省資源・省コストを実現できる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係るフィルタの評価システムでは、表面抵抗率を測定して、フィルタを評価する。ここで、図15は、第3実施形態に係る表面抵抗率の測定装置の一例を示す。第3実施形態に係る表面抵抗率の測定装置250は、評価用プレート40のガラス基板に、表面抵抗率測定用の金属電極251が蒸着されている。金属電極251は、評価用プレート40(ガラス基板)の表面に形成された円形の第1金属電極252と、第1金属電極252の周囲に形成された環状の第2金属電極253と、評価用プレート40(ガラス基板)の裏面に形成された第3金属電極254とを含む。第1金属電極252と第2金属電極253との間には、電源255及び電流計256が直列に接続され、第3金属電極254は、接地されており、電流を流すことで、表面抵抗率(Ω/□)が測定できるようになっている。表面抵抗率は、例えば、携帯可能な既存の表面抵抗率の測定装置によって測定するようにしてもよい。なお、評価用プレート40は、第1実施形態と同じく、UVオゾンで処理されたガラス板からなる。評価用プレート40は、表面抵抗率が高いプレートであればよく、ガラスコーティング板でもよい。また、Siウエハ、SiO2膜皮膜板などの表面抵抗率の低いプレートを用いる場合は表面に絶縁膜が形成されている必要がある。
活性炭フィルタ140の余寿命は、例えば以下のように評価される。まず、上流側暴露プレート41の表面抵抗率と、未暴露プレート44の表面抵抗率とが比較される。上流側暴露プレート41の表面抵抗率が未暴露プレート44の表面抵抗率の1.5倍未満の場合、評価が可能と判断される。この場合、下流側暴露プレート43の表面抵抗率も考慮して、活性炭フィルタ140の余寿命が評価される。なお、表面抵抗率は湿度に大きく依存するため同じ環境下で測定する必要がある。例えば、各プレート41、43、44を所定の温湿度環境に所定時間(例えば23℃、相対湿度45%の環境中に24時間以上)保管後に夫々の表面抵抗率を測定する。
未暴露プレート44の表面抵抗率をXとし、上流側暴露プレート41の表面抵抗率をY1、下流側暴露プレート43の表面抵抗率をY2とすると、Y1のXに対する抵抗値割合A、及びY2のXに対する抵抗値割合Bは、それぞれ、式3、式4によって表される。なお、上流側暴露プレート41の表面抵抗率、下流側暴露プレート43の表面抵抗率は、未暴露プレート44の表面抵抗率は、それぞれ上流側の被処理空気に暴露した上流側暴露プレート、下流側の被処理空気に暴露した下流側暴露プレート、暴露前の未暴露プレートの夫々に関する高沸点有機物付着量情報に相当する。
Y1のXに対する抵抗値割合A=Y1/X・・・式3
Y2のXに対する抵抗値割合B=Y2/X・・・式4
図16は、余寿命評価表の一例を示す。図16に示す余寿命評価表260では、第2実施形態における液滴径を用いた余寿命評価と同様の考え方により、例えば、(1)Aが2以上、かつBが1.2未満の時は、活性炭フィルタの余寿命あり(継続使用可能)、(2)Aが2以上、かつBが1.2〜1.5未満の時は、活性炭フィルタの寿命が近い、(3)Aが2以上、かつBが1.5以上の時は、余寿命なし(継続使用不可)といった余寿命評価表を準備し、抵抗値割合A、抵抗値割合Bを当てはめることで、余寿命を評価することができる。
第3実施形態に係るフィルタの評価システムによれば、表面抵抗率の測定装置250に
より、評価用プレート40、すなわち、未暴露プレート44、上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43の表面抵抗率を容易に測定することができる。その結果、高沸点有機物の濃度を評価することができる。
また、上流側暴露プレート41の表面抵抗率の未暴露プレート44の表面抵抗率に対する抵抗増加率A、及び下流側暴露プレート43の表面抵抗率の未暴露プレート44の表面抵抗率に対する抵抗増加率Bを夫々求め、余寿命評価表と照らし合わせることで、活性炭フィルタ140の余寿命を評価することができる。第3実施形態に係るフィルタの評価システムによってフィルタを評価することで、容易に活性炭フィルタ140の余寿命を評価することができる。その結果、活性炭フィルタ140を本来の寿命まで使い切ることができ、省資源・省コストを実現できる。
<変形例>
第1実施形態では、暴露ボックス30に評価用プレート40のうち、上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43を収容したが、評価用プレート40のうち、上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43を活性炭フィルタのチャンバ10内に直接設置し、評価用プレート40のうち、上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43を、高沸点有機物を含む被処理空気で暴露してもよい。これにより、暴露ボックス30、断熱付きチューブ20、暴露ボックスのポンプ80が不要となり、設備の簡素化を実現できる。評価用プレート40のうち、上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43を活性炭フィルタのチャンバ10内に直接設置する場合、活性炭フィルタのチャンバ10に、点検口を設けるとよい。これにより、点検口を介して評価用プレート40のうち、上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43の出し入れを容易に行うことができる。また、この場合、暴露中の加温が困難なため、暴露後に、例えばホットプレートなので評価用プレート40のうち、上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43を加温処理するとよい。
また、上述したようにリボンヒータ50を省略してもよい。その結果、フィルタの評価システム200は、より簡易な構成となる。また、評価用プレート40(上流側暴露プレート41、中段暴露プレート42、下流側暴露プレート43)を加温しない場合、高沸点有機物よりも沸点が低い低沸点の有機物等が評価用プレート40に付着することが想定される。そのため、本来の余寿命よりも短く評価されてしまうことが想定される。そこで、評価用プレート40を加温した場合と加温しない場合の接触角を予め測定し、この測定結果に基づいて、評価用プレート40を加温しないことによる影響を安全係数として予め設定するようにしてもよい。そして、余寿命評価図72を含む余寿命評価装置70では、基準線74は、上記安全係数を考慮して設定するとよい。上述したように、評価用プレート40を加温しない場合、本来の余寿命よりも短く評価されることが想定される。そこえ、例えば、安全係数を考慮し、加温しない場合の基準線74は、加温した場合の基準線74よりも下に位置するよう設定することができる。その結果、フィルタの評価システム200は、より簡易な構成となり、また、フィルタの評価方法が、より簡易に行うことができる。
また、断熱付きチューブ20に代えて、ヒータと保温材を巻き、チューブの温度を上昇できるようにしてもよい。これにより、チューブの内壁面への高沸点有機物の吸着を低減することができる。
なお、上記した種々の内容は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲に於いて可能な限り組合せることができる。
10・・・活性炭フィルタのチャンバ
30・・・暴露ボックス
31・・・上流側暴露ボックス
32・・・中段暴露ボックス
33・・・下流側暴露ボックス
40・・・評価用プレート
41・・・上流側暴露プレート
42・・・中段暴露プレート
43・・・下流側暴露プレート
44・・・未暴露プレート
50・・・リボンヒータ
60・・・接触角の測定器具
70・・・余寿命評価装置
100・・・VOC処理装置
110・・・VOC吸脱着ロータ
111・・・吸着ゾーン
112・・・冷却ゾーン
113・・・脱離ゾーン
120・・・処理通気路
130・・・再生通気路
140・・・活性炭フィルタ
200、210・・・フィルタの評価システム

Claims (14)

  1. 被処理空気に含まれるVOCを吸脱着ロータで処理するVOC処理装置に設けられ、被処理空気に含まれる高沸点有機物を前記吸脱着ロータの上流側で処理するフィルタを評価するフィルタの評価方法であって、
    高沸点有機物の濃度を評価する評価用プレートを前記フィルタの上流側の被処理空気と前記フィルタの下流側の被処理空気の夫々に暴露する暴露工程と、
    前記上流側の被処理空気に暴露した上流側暴露プレート、前記下流側の被処理空気に暴露した下流側暴露プレート、暴露前の未暴露プレートの夫々に水滴を滴下し、水滴の接触角を測定し、各評価用プレートの接触角の比較結果に基づいて前記フィルタを評価する評価工程と、を含み、
    前記評価工程では、前記上流側暴露プレートの接触角と前記下流側暴露プレートの接触角との差からなる実測の接触角と、前記未暴露プレートの接触角毎に既定された基準の接触角とを比較することで、前記フィルタの余寿命を評価する、
    高沸点有機物を処理するフィルタの評価方法。
  2. 前記評価用プレートのうち、前記上流側暴露プレート、及び前記下流側暴露プレートを前記VOCを処理する温度に調整する温度調整工程を更に備え、
    前記評価工程では、前記上流側の被処理空気に暴露し、かつ温度調整された上流側暴露プレート、前記下流側の被処理空気に暴露し、かつ温度調整された下流側暴露プレート、暴露前の未暴露プレートの夫々に水滴を滴下し、水滴の接触角を測定し、各評価用プレートの接触角の比較結果に基づいて前記フィルタを評価する、請求項1に記載の高沸点有機物を処理するフィルタの評価方法。
  3. 前記評価工程では、前記上流側暴露プレートの接触角と前記下流側暴露プレートの接触角との差からなる実測の接触角と、前記未暴露プレートの接触角毎に既定された基準の接触角とを比較することで、前記フィルタの余寿命を評価する、請求項1又は2に記載の高沸点有機物を処理するフィルタの評価方法。
  4. 前記未暴露プレートの接触角は、15度以下である、請求項1から3の何れか1項に記載の高沸点有機物を処理するフィルタの評価方法。
  5. 前記温度調整工程では、前記暴露工程中、又は当該暴露工程後において、前記上流側暴露プレートと前記下流側暴露プレートとを100〜160℃に温度調整する、請求項1から4の何れか1項に記載の高沸点有機物を処理するフィルタの評価方法。
  6. 被処理空気に含まれるVOCを吸脱着ロータで処理するVOC処理装置に設けられ、被処理空気に含まれる高沸点有機物を前記吸脱着ロータの上流側で処理するフィルタを評価するフィルタの評価方法であって、
    高沸点有機物の濃度を評価する評価用プレートを前記フィルタの上流側の被処理空気と前記フィルタの下流側の被処理空気の夫々に暴露する暴露工程と、
    前記上流側の被処理空気に暴露した上流側暴露プレート、前記下流側の被処理空気に暴露した下流側暴露プレート、暴露前の未暴露プレートの夫々に関する高沸点有機物付着量情報に基づいて前記フィルタを評価する評価工程と、を含み、
    前記評価工程では、前記上流側暴露プレートの高沸点有機物付着量情報と前記未暴露プレートの高沸点有機物付着量情報との差と、前記下流側暴露プレートの高沸点有機物付着量情報と前記未暴露プレートの高沸点有機物付着量情報との差とを比較することで、前記フィルタの余寿命を評価
    前記高沸点有機物付着量情報とは、プレートの液滴径または表面抵抗率である、
    高沸点有機物を処理するフィルタの評価方法。
  7. 被処理空気に含まれるVOCを吸脱着ロータで処理するVOC処理装置に設けられ、被処理空気に含まれる高沸点有機物を前記吸脱着ロータの上流側で処理するフィルタを評価するフィルタの評価方法であって、
    高沸点有機物の濃度を評価する評価用プレートを前記フィルタの上流側の被処理空気と前記フィルタの下流側の被処理空気の夫々に暴露する暴露工程と、
    前記上流側の被処理空気に暴露した上流側暴露プレート、前記下流側の被処理空気に暴露した下流側暴露プレート、暴露前の未暴露プレートの夫々に水滴を滴下し、水滴の状態に関する水滴情報に基づいて前記フィルタを評価する評価工程と、を含み、
    前記評価工程では、前記上流側暴露プレートの水滴情報と前記未暴露プレートの水滴情報との差と、前記下流側暴露プレートの水滴情報と前記未暴露プレートの水滴情報との差とを比較することで、前記フィルタの余寿命を評価する、
    高沸点有機物を処理するフィルタの評価方法。
  8. 前記評価工程では、前記上流側の被処理空気に暴露した上流側暴露プレート、前記下流側の被処理空気に暴露した下流側暴露プレート、暴露前の未暴露プレートの夫々に水滴を滴下し、液滴径を測定し、各評価用プレートの液滴径の比較結果に基づいて前記フィルタを評価する、請求項6又は7に記載の高沸点有機物を処理するフィルタの評価方法。
  9. 前記評価用プレートは少なくとも表面が絶縁性であり、
    前記評価工程では、前記上流側の被処理空気に暴露した上流側暴露プレート、前記下流側の被処理空気に暴露した下流側暴露プレート、暴露前の未暴露プレートの夫々の表面抵抗率を一定の相対湿度雰囲気下で測定し、各評価用プレートの表面抵抗率の比較結果に基づいて前記フィルタを評価する、請求項6に記載の高沸点有機物を処理するフィルタの評価方法。
  10. 被処理空気に含まれるVOCを吸脱着ロータで処理するVOC処理装置に設けられ、被処理空気に含まれる高沸点有機物を前記吸脱着ロータの上流側で処理するフィルタを評価するフィルタの評価システムであって、
    前記フィルタの上流側の被処理空気に暴露される上流側暴露プレートと、前記フィルタの下流側の被処理空気に暴露される下流側暴露プレートと、暴露前の未暴露プレートとを含む、評価用プレートと、前記上流側暴露プレートと、前記下流側暴露プレートとを、前
    記フィルタの上流側の被処理空気と、前記フィルタの下流側の被処理空気との夫々に暴露する暴露部と、を含む暴露装置を備え、
    前記上流側暴露プレートに滴下した液滴の接触角と前記下流側暴露プレートに滴下した液滴の接触角との差と、前記未暴露プレートに滴下した液滴の接触角毎に既定された基準の接触角とを比較するか、又は、前記上流側暴露プレートの高沸点有機物付着量情報と前記未暴露プレートの高沸点有機物付着量情報との差と、前記下流側暴露プレートの高沸点有機物付着量情報と前記未暴露プレートの高沸点有機物付着量情報との差とを比較することで、前記フィルタの余寿命の評価を行うことが可能であり
    前記高沸点有機物付着量情報とは、プレートの液滴径または表面抵抗率である、
    高沸点有機物を処理するフィルタの評価システム。
  11. 前記暴露装置は、前記上流側暴露プレートと、前記下流側暴露プレートとを前記VOCを処理する温度に調整する温度調整部を更に備える、
    請求項10に記載のフィルタの評価システム。
  12. 前記評価用プレートの夫々に滴下された水滴の接触角または液滴径、または前記評価用プレートの表面抵抗率を測定する測定器具を更に備える、
    請求項10又は11に記載の高沸点有機物を処理するフィルタの評価システム。
  13. 前記評価用プレートの接触角の比較結果に基づいて前記フィルタを評価する評価装置であって、前記未暴露プレートの接触角毎に既定された基準が表示され、前記上流側暴露プレートの接触角と前記下流側暴露プレートの接触角との差からなる実測の接触角をプロットすることで、前記フィルタの余寿命を評価可能な評価装置を更に備える、
    請求項10から12の何れか1項に記載の高沸点有機物を処理するフィルタの評価システム。
  14. 被処理空気に含まれるVOCを吸脱着ロータで処理するVOC処理装置であって、
    被処理空気に含まれる高沸点有機物を前記吸脱着ロータの上流側で処理するフィルタと、
    前記フィルタの上流側の被処理空気に暴露される上流側暴露プレートと、前記フィルタの下流側の被処理空気に暴露される下流側暴露プレートと、暴露前の未暴露プレートとを含む、評価用プレートと、
    前記上流側暴露プレートと、前記下流側暴露プレートとを、前記フィルタの上流側の被処理空気と、前記フィルタの下流側の被処理空気との夫々に暴露する暴露部と、を含む暴露装置と、を備え、
    前記上流側暴露プレートに滴下した液滴の接触角と前記下流側暴露プレートに滴下した液滴の接触角との差と、前記未暴露プレートに滴下した液滴の接触角毎に既定された基準の接触角とを比較するか、又は、前記上流側暴露プレートの高沸点有機物付着量情報と前記未暴露プレートの高沸点有機物付着量情報との差と、前記下流側暴露プレートの高沸点有機物付着量情報と前記未暴露プレートの高沸点有機物付着量情報との差とを比較することで、前記フィルタの余寿命の評価を行うことが可能であり
    前記高沸点有機物付着量情報とは、プレートの液滴径または表面抵抗率である、
    VOC処理装置。
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