しかし、特許文献1に記載のシステムでは、ロッカーボックスを解錠するためには顧客が暗証番号の入力やカードの挿入などの操作を行う必要があり、手間がかかっていた。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、納品庫の解錠時のユーザーの利便性を向上させることを主目的とする。
本発明は、上述した主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のストッカ管理装置は、
施錠可能な複数の納品庫を有するストッカと、前記ストッカに対応して配置されビーコン信号を送信するビーコン装置と、前記ビーコン信号を受信した場合に認証情報を送信するユーザー端末と、を備えたストッカシステムに用いられるストッカ管理装置であって、
前記ストッカのいずれかの前記納品庫を特定可能な納品庫情報と、認証情報と、を対応付けた管理情報を記憶可能な管理情報記憶手段と、
前記認証情報を前記ユーザー端末から受信する認証情報受信手段と、
前記管理情報記憶手段に記憶された前記管理情報の中に前記受信された認証情報に対応する納品庫情報が存在するか否かを判定し、存在する場合に該納品庫情報で特定される納品庫を解錠させる解錠制御手段と、
を備えたものである。
このストッカ管理装置では、ビーコン信号を受信した場合に認証情報を送信するユーザー端末から認証情報を受信すると、管理情報記憶手段に記憶された管理情報の中に受信された認証情報に対応する納品庫情報が存在するか否かを判定し、存在する場合に納品庫情報で特定される納品庫を解錠させる。そのため、例えば暗証番号の入力やカードを取り出して読み取らせるなどの操作をユーザーが行わなくとも、ユーザー端末から送信された認証情報に基づいてストッカ管理装置が納品庫の特定などの解錠のための処理を開始することができる。したがって、ユーザーの操作の手間を軽減でき、納品庫の解錠時のユーザーの利便性が向上する。ここで、「ユーザー」は、納品庫への物品の配達者と納品庫からの物品の受取者とを含む。
本発明のストッカ管理装置において、前記認証情報受信手段は、前記認証情報と解錠指令とを前記ユーザー端末から受信し、前記解錠制御手段は、前記管理情報記憶手段に記憶された前記管理情報の中に前記受信された認証情報に対応する納品庫情報が存在し、且つ、前記解錠指令を受信した場合に、該納品庫情報で特定される納品庫を解錠させてもよい。こうすれば、ストッカ管理装置は、解錠指令を受信するまでは納品庫を解錠しないため、例えばビーコン装置の近くを通過した際などのユーザーの意図しない解錠を抑制できる。したがって、解錠のための処理開始時のユーザーの手間を軽減しつつユーザーの意図しない解錠を抑制でき、納品庫の解錠時のユーザーの利便性が向上する。
本発明のストッカ管理装置において、前記認証情報受信手段は、前記認証情報と、前記ビーコン信号に基づいて導出される前記ユーザー端末の位置に関する位置情報と、を前記ユーザー端末から受信し、前記解錠制御手段は、前記管理情報記憶手段に記憶された前記管理情報の中に前記受信された認証情報に対応する納品庫情報が存在し、且つ、前記受信された位置情報に基づいて前記ユーザー端末が前記ビーコン信号を受信可能な領域よりも狭く前記ストッカに近いとみなせる所定の近距離領域に位置すると判定した場合に、該納品庫情報で特定される納品庫を解錠させてもよい。こうすれば、ユーザー端末が近距離領域に位置すると判定するまでは納品庫を解錠をしないため、例えばビーコン装置の近くを通過した際などのユーザーの意図しない解錠を抑制できる。すなわち、解錠のための処理開始時のユーザーの手間を軽減しつつユーザーの意図しない解錠を抑制できる。また、ユーザー端末が近距離領域に位置する前から認証情報に基づく納品庫の特定が可能なため、近距離領域に位置してから納品庫を特定する場合と比べて、ユーザーの待ち時間が長くなりにくい。以上により、納品庫の解錠時のユーザーの利便性が向上する。
本発明のストッカ管理装置において、前記認証情報受信手段は、前記認証情報と、前記ビーコン信号に基づいて導出される前記ユーザー端末の位置に関する位置情報と、を前記ユーザー端末から受信し、前記解錠制御手段は、前記認証情報受信手段が複数の前記ユーザー端末からの位置情報を受信した場合に、該位置情報に基づいて前記ストッカにより近いとみなせるユーザー端末からの認証情報に対応する前記納品庫を優先的に解錠させてもよい。こうすれば、よりストッカに近いとみなせるユーザー端末のユーザーの納品庫を優先的に解錠させるため、よりストッカに近づいたユーザーほど待ち時間が長くなりにくい。したがって、納品庫の解錠時のユーザーの利便性が向上する。
本発明のストッカ管理装置は、前記ストッカと該ストッカに対応して配置された前記ビーコン装置との組み合わせを複数備えた前記ストッカシステムに用いられる上述したいずれかの態様のストッカ管理装置であって、前記管理情報記憶手段は、前記ストッカのいずれかを特定可能なストッカ識別情報と、前記納品庫情報と、前記認証情報と、を対応付けた前記管理情報を記憶可能であり、前記認証情報受信手段は、前記認証情報と、前記ストッカ識別情報と、を前記ユーザー端末から受信し、前記解錠制御手段は、前記管理情報記憶手段に記憶された前記管理情報の中に前記受信されたストッカ識別情報及び認証情報に対応する納品庫情報が存在するか否かを判定し、存在する場合に該納品庫情報で特定される納品庫を解錠させてもよい。こうすれば、複数のストッカが存在する場合に、ユーザー端末からのストッカ識別情報と認証情報とに基づいて納品庫の特定を行うため、納品庫の解錠を適切に行うことができる。
この場合において、本発明のストッカ管理装置は、前記管理情報記憶手段に記憶された前記管理情報の中に前記受信されたストッカ識別情報及び認証情報に対応する納品庫情報が存在しない場合に、該管理情報の中に前記受信されたストッカ識別情報とは異なる他のストッカのストッカ識別情報と前記受信された認証情報とに対応する納品庫情報が存在するか否かを判定し、存在する場合に該他のストッカに関する情報を前記ユーザー端末のユーザーに報知する報知制御手段を備えていてもよい。こうすれば、受信したストッカ識別情報で特定されるストッカには認証情報に対応する納品庫が存在しない場合でも、他のストッカに認証情報に対応する納品庫が存在すれば、そのストッカに関する情報をユーザーに報知できる。例えば、使用する納品庫を有する正しいストッカとは異なるストッカに対応するビーコン装置付近にユーザーが誤って来た場合に、正しいストッカに関する情報をユーザーに報知できる。
本発明のストッカ管理装置は、前記ストッカと該ストッカに対応して配置された前記ビーコン装置との組み合わせを複数備えた前記ストッカシステムに用いられる上述したいずれかの態様のストッカ管理装置であって、前記管理情報記憶手段と、前記認証情報受信手段と、前記解錠制御手段と、を有する子装置と、親側管理情報記憶手段と、親側認証情報受信手段と、親側報知制御手段と、を有する親装置と、を備え、前記解錠制御手段は、前記管理情報記憶手段に記憶された前記管理情報の中に前記受信された認証情報に対応する納品庫情報が存在しない場合に、該認証情報を前記親装置に送信するか又は前記ユーザー端末に対して該認証情報を前記親装置に送信させ、前記親側管理情報記憶手段は、前記ストッカのいずれかを特定可能なストッカ識別情報と、前記納品庫情報と、前記認証情報と、を対応付けた前記管理情報を記憶可能であり、前記親側認証情報受信手段は、前記子装置又は前記ユーザー端末から前記認証情報を受信し、前記親側報知制御手段は、前記親側管理情報記憶手段に記憶された前記管理情報の中に前記受信された認証情報に対応する納品庫情報が存在するか否かを判定し、存在する場合に該納品庫情報に対応する前記ストッカ識別情報で特定されるストッカに関する情報を前記ユーザー端末のユーザーに報知するストッカ管理装置であってもよい。こうすれば、子装置に記憶されたストッカの管理情報の中には認証情報に対応する納品庫情報が存在しない場合でも、親装置に記憶されたストッカの管理情報の中に認証情報に対応する納品庫情報が存在すれば、そのストッカに関する情報をユーザーに報知できる。例えば、使用する納品庫を有する正しいストッカとは異なるストッカに対応するビーコン装置付近にユーザーが誤って来た場合に、正しいストッカに関する情報をユーザーに報知できる。
本発明のストッカシステムは、
施錠可能な複数の納品庫を有するストッカと、
前記ストッカに対応して配置されビーコン信号を送信するビーコン装置と、
前記ストッカのいずれかの前記納品庫を特定可能な納品庫情報と認証情報とを対応付けた管理情報を記憶可能な管理情報記憶手段と、前記ビーコン信号を受信したユーザー端末から送信された前記認証情報を受信する認証情報受信手段と、前記管理情報記憶手段に記憶された前記管理情報の中に前記受信された認証情報に対応する納品庫情報が存在するか否かを判定し、存在する場合に該納品庫情報で特定される納品庫を解錠させる解錠制御手段と、を備えたストッカ管理装置と、
を備えたものである。
本発明のストッカシステムは、ビーコン信号を受信した場合に認証情報を送信するユーザー端末から認証情報を受信すると、管理情報記憶手段に記憶された管理情報の中に受信された認証情報に対応する納品庫情報が存在するか否かを判定し、存在する場合に納品庫情報で特定される納品庫を解錠させる。そのため、例えば暗証番号の入力やカードを取り出して読み取らせるなどの操作をユーザーが行わなくとも、ユーザー端末から送信された認証情報に基づいてストッカ管理装置が納品庫の特定などの解錠のための処理を開始することができる。したがって、ユーザーの操作の手間を軽減でき、納品庫の解錠時のユーザーの利便性が向上する。なお、このストッカシステムにおいて、上述したストッカ管理装置の種々の態様を採用してもよい。
本発明のプログラムは、
施錠可能な複数の納品庫を有するストッカと、前記ストッカに対応して配置されビーコン信号を送信するビーコン装置と、認証情報に基づいて特定される前記納品庫を解錠させるストッカ管理装置と、を備えたストッカシステムに用いられる、認証情報を記憶する認証情報記憶手段を含む1又は複数のコンピュータを有するユーザー端末に、情報送信方法を実行させるためのプログラムであって、
前記ビーコン信号を受信した場合に、前記認証情報記憶手段に記憶された認証情報を前記ストッカ管理装置に送信する認証情報送信ステップ、
を含む情報送信方法を実行させるためのものである。
本発明のプログラムを1又は複数のコンピュータで構成されたユーザー端末に実行させると、上記の情報送信方法が実行される。すなわち、ビーコン装置からビーコン信号を受信した場合に、認証情報記憶手段に記憶された認証情報をストッカ管理装置に送信する。そのため、例えば暗証番号の入力やカードを取り出して読み取らせるなどの操作をユーザーが行わなくとも、ストッカ管理装置側では送信された認証情報に基づいて納品庫の特定などの解錠のための処理を開始することができる。したがって、ユーザーの操作の手間を軽減でき、納品庫の解錠時のユーザーの利便性が向上する。このプログラムは、コンピューターが読み取り可能な記録媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピューターから別のコンピューターへ配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。なお、このプログラムが実行させる情報送信方法において、上述したストッカ管理装置の種々の態様に対応する態様を採用したり、上述したストッカ管理装置の各機能に対応するステップを追加したりしてもよい。
本発明のプログラムにおいて、前記情報送信方法は、前記ビーコン信号を受信した場合に、納品庫の解錠を指示する解錠操作をユーザーから入力可能な解錠操作待受状態にする待受ステップと、前記解錠操作を入力した場合に前記ストッカ管理装置に解錠指令を送信する解錠指令送信ステップと、を含んでいてもよい。こうすれば、ストッカ管理装置に対して認証情報に基づく解錠のための処理を行わせつつ、解錠指令を送信するまでは納品庫を解錠させないようにできる。そのため、例えばビーコン装置の近くを通過した際などのユーザーの意図しない解錠を抑制できる。したがって、解錠のための処理開始時のユーザーの手間を軽減しつつユーザーの意図しない解錠を抑制でき、納品庫の解錠時のユーザーの利便性が向上する。
次に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態であるストッカシステム1の構成の概略説明図である。図2は、親装置61の記憶部63に記憶された管理情報65の説明図である。ストッカシステム1は、供給者側システム5と、受取者20の携帯端末21と、複数のビーコン装置30と、複数のストッカ40と、親装置61及び複数の子装置70を備えたストッカ管理装置60と、を備えている。供給者側システム5の店舗PC12,携帯端末21,親装置61,及び複数の子装置70は、インターネットなどのネットワーク2に接続されている。
供給者側システム5は、受取者20に商品17を販売するシステムであり、例えばスーパーなどの商店10と、商店10に配置され供給者側システム5を管理するコンピュータである店舗PC12と、商店10によって運営されるネットスーパーのウェブサイト15と、を備えている。ウェブサイト15は、ネットワーク2を介して例えば店舗PC12や携帯端末21からアクセス可能になっている。
携帯端末21は、商品17の発注及び受け取りを行う受取者20が所持する機器であり、例えばスマートフォンなどの携帯可能なコンピュータとして構成されている。携帯端末21は、端末制御部22と、記憶部23と、通信部24と、表示操作部25と、を備えている。端末制御部22は、CPU及びRAMなどにより構成され装置全体の制御を司る。記憶部23は、処理プログラム26などの各種アプリケーションプログラムや会員ID27などの各種データを記憶している。処理プログラム26は、後述する情報送信ルーチンを携帯端末21に実行させるためのプログラムである。会員ID27は、予め供給者側システム5から発行された、受取者20を識別可能な情報である。通信部24は、無線により図示しない基地局などの送受信設備を介してネットワーク2に接続されて、他の機器と双方向の通信を行う。表示操作部25は、タッチパネル及び操作ボタンなどを備えており、受取者20への各種情報の表示や受取者20からの各種操作の入力を行う。
複数のビーコン装置30は、例えばBLE(Bluetooth Low Energy)(Bluetoothは登録商標)などの近距離無線通信規格を利用してビーコンIDを含むビーコン信号を無線で周期的に周囲に送信する装置である。本実施形態では、ストッカシステム1は3台のビーコン装置30(第1〜第3ビーコン装置31〜33)を備えている。ビーコンIDは第1〜第3ビーコン装置31〜33を識別可能な情報であり、第1〜第3ビーコン装置31〜33が発信するビーコン信号には互いに異なるビーコンIDが含まれている。複数のビーコン装置30(第1〜第3ビーコン装置31〜33)の各々は、複数のストッカ40(第1〜第3ストッカ41〜43)の各々と1対1に対応して配置されている。すなわち、ストッカシステム1は、ストッカ40とストッカ40に対応して配置されたビーコン装置30との組み合わせを複数備えている。ビーコン装置30は、例えば対応するストッカ40に隣接配置されたり、同じ部屋内に配置されたりするなど、ストッカ40の比較的近距離に配置されている。ビーコン装置30からのビーコン信号を携帯端末21が受信可能な領域内(例えば数十m以内)に、対応するストッカ40が配置されていてもよい。本実施形態では、ビーコン装置30からのビーコン信号に基づいて定まる後述する近距離領域に、対応するストッカ40が配置されているものとした。ストッカ40は、近距離領域の中心や中心付近に配置することが好ましい。また、ストッカ40は、他のストッカ40に対応するビーコン装置30からのビーコン信号を携帯端末21が受信可能な領域には配置しないことが好ましい。
複数のストッカ40は、供給者側システム5から配送される商品17の受取者20への受け渡しに用いられるものである。本実施形態では、ストッカシステム1は3台のストッカ40(第1〜第3ストッカ41〜43)を備えている。複数のストッカ40の各々は、施錠可能な複数(例えば30個)の納品庫45と、表示操作部54と、読取機56と、を備えている。納品庫45の各々は、商品17等の物品を収容可能な内部空間を有しており、前面の扉46と、扉46の施錠及び解錠を行うロック機構47と、納品庫45内の物品の有無を検出する物品センサ48と、扉46の開閉を検出する開閉センサ49と、を備えている。表示操作部54は、ストッカ40の前面に配置されたタッチパネルなどを備えており、商品17の配達者19及び受取者20への各種情報の表示や、配達者19及び受取者20からの各種操作の入力を行う。読取機56は、商店10から配送される商品17に付されたバーコード18を読み取る手持ち式のバーコードリーダである。ストッカ40は、多数の受取者20が利用可能であり、オフィス、コンビニエンスストア、工場、駅、学校、マンションなど様々な場所に配置することができる。
ストッカ管理装置60は、複数のストッカ40を管理する装置であり、親装置61と、複数の子装置70と、を備えたシステムとして構成されている。親装置61は、複数の子装置70に対するサーバーとして構成されており、親制御部62と、記憶部63と、通信部64と、を備えている。親制御部62は、CPU,ROM及びRAMなどにより構成され装置全体の制御を司る。記憶部63は、処理プログラムなどの各種アプリケーションプログラムやストッカ40の管理情報65などの各種データを記憶している。通信部64は、ネットワーク2に接続されて、他の機器と双方向の通信を行う。
図2に示すように、記憶部63に記憶された管理情報65は、ストッカ対応テーブル66と、納品庫対応テーブル67と、物品有無テーブル68と、を含んでいる。ストッカ対応テーブル66は、複数のビーコン装置30(第1〜第3ビーコン装置31〜33)の各々のビーコンIDと、複数のストッカ40(第1〜第3ストッカ41〜43)とを対応付けたテーブルである。上述したように、第1〜第3ビーコン装置31〜33は第1〜第3ストッカ41〜43と1対1に対応して配置されており、ストッカ対応テーブル66でも同様の対応関係になっている。したがって、ビーコンIDにより、複数のストッカ40のいずれかを特定可能である。納品庫対応テーブル67は、複数のストッカ40と、ストッカ40の中のいずれの納品庫45かを特定可能な納品庫番号と、会員IDと、供給者側システム5に対する商品17の発注を識別するための伝票IDと、を対応付けたテーブルである。物品有無テーブル68は、複数のストッカ40と、納品庫番号と、納品庫45内の物品の有無を表す物品有無と、を対応付けたテーブルである。なお、納品庫45内の物品有無は、物品センサ48による物品の有無の検出に基づく情報であり、親装置61が子装置70から取得した情報である。管理情報65は、このようなストッカ対応テーブル66,納品庫対応テーブル67,及び物品有無テーブル68を含むことで、ビーコンIDと、納品庫情報と、会員IDと、伝票IDと、納品庫45の物品有無とを対応付けた情報になっている。また、図示は省略するが、管理情報65には、複数の受取者20の会員IDと、複数の受取者20のメールアドレスとを対応付けた会員情報テーブルも含まれている。
複数の子装置70は、親装置61に対するクライアントとして構成されている。本実施形態では、ストッカ管理装置60は3台の子装置70(第1〜第3子装置71〜73)を備えている。第1子装置71は、第1ストッカ41を管理する装置であり、第1ストッカ41のうち納品庫45と同様の箱状の1室内に配置されている。第1子装置71は、子制御部82と、記憶部83と、通信部84とを備えている。子制御部82は、CPU,ROM及びRAMなどにより構成され装置全体の制御を司る。記憶部83は、処理プログラムなどの各種アプリケーションプログラムや第1ストッカ41の管理情報85などの各種データを記憶している。通信部84は、ネットワーク2に接続されて、他の機器と双方向の通信を行う。第1子装置71は、第1ストッカ41の表示操作部54に表示信号を出力して表示操作部54に情報を表示させたり、第1ストッカ41の表示操作部54から操作信号を入力したり、第1ストッカ41の読取機56が読み取ったバーコード18の情報を入力したりする。また、第1子装置71は、第1ストッカ41のロック機構47に制御信号を出力して納品庫45の施錠及び解錠を制御したり、第1ストッカ41の物品センサ48及び開閉センサ49からの検出信号を入力して納品庫45内の物品の有無や扉46の開閉を検出したりする。第2子装置72,第3子装置73は、それぞれ第2ストッカ42,第3ストッカ43を管理する装置であり、第1子装置71と同様に第2ストッカ42,第3ストッカ43のうち納品庫45と同様の箱状の1室内に配置されている。図示は省略するが、第2子装置72及び第3子装置73は、第1子装置71と同様に子制御部82と、管理情報85などを記憶する記憶部83と、通信部84と、を備えている。
第1子装置71の記憶部83に記憶された管理情報85は、自身が管理する第1ストッカ41以外のストッカ40の情報を含まない点以外は親装置61の納品庫対応テーブル67及び物品有無テーブル68と同様のテーブルを含んでいる。具体的には、管理情報85は、第1ストッカ41の納品庫45を特定可能な納品庫番号と会員IDと伝票IDとを対応付けた納品庫対応テーブルと、第1ストッカ41の納品庫45の各々について納品庫番号と納品庫45内の物品有無とを対応付けた物品有無テーブルと、を含んでいる。第2子装置72,第3子装置73の記憶部83に記憶された管理情報85も、同様に自身が管理する第2ストッカ42,第3ストッカ43に関する納品庫対応テーブル及び物品有無テーブルを含んでいる。なお、親装置61は、管理情報65の納品庫対応テーブル67の情報に変更が生じると、対応するストッカ40を管理する子装置70に変更後の情報を送信する。同様に、子装置70は、管理情報85の納品庫対応テーブル及び物品有無テーブルの情報に変更が生じると、親装置61に変更後の情報を送信する。そのため、親装置61の管理情報65と複数の子装置70の管理情報85とは、情報の同期が取られている。
続いて、こうして構成されたストッカシステム1の動作について説明する。最初に、受取者20による商品17の発注からストッカ40の納品庫45への商品17の納品までのストッカシステム1の動作の概略について説明する。まず、受取者20は、携帯端末21を操作してウェブサイト15にアクセスし、希望する商品17,自身の会員ID,受け取りを希望するストッカ40などを入力して、商品17の発注を行う。発注が行われると、店舗PC12は入力された情報を取得し、発注を管理する伝票IDを付してこれらの発注情報を管理する。また、店舗PC12は、発注情報のうち会員ID,伝票ID及び受取希望のストッカ40の情報を親装置61に送信する。親制御部62は、これらの情報を入力すると、納品庫対応テーブル67で納品庫番号が記憶されていない納品庫、すなわち使用予定のない納品庫45を調べ、配送先のストッカ40及び納品庫45の割り当て(使用するストッカ40及び納品庫45の決定)を行う。なお、配送先の納品庫45は、基本的には受取希望のストッカ40が備える納品庫45の中から決定される。そして、親制御部62は、会員ID,伝票ID,決定したストッカ40及び納品庫45の納品庫番号を対応付けて、納品庫対応テーブル67に追加する。一方、商店10の店員は、店舗PC12に記憶された発注情報に基づいて、商品17の手配や配達者19に対する商品17の配送指示などを行う。なお、商品17には、伝票IDを表すバーコード18が付される。配達者19は、商品17を配送指示されたストッカ40に配送する。配達者19は、ストッカ40に到着すると、商品17に付されたバーコード18を読取機56に読み取らせる。子制御部82は、管理情報85の納品庫対応テーブルにおいて入力されたバーコード18が表す伝票IDに対応する納品庫番号を調べ、納品庫番号で特定される納品庫45を解錠する。配達者19は、解錠された納品庫45内に商品17を納入して扉46を閉め、表示操作部54を操作して納品完了した旨を入力する。子制御部82は、納品完了を入力すると、ロック機構47を制御して納品庫45を施錠する。また、子制御部82は、物品センサ48の検出信号に基づいて商品17が新たに納入された納品庫45が物品無しから物品有りに変更されたことを検出して、管理情報85の物品有無テーブルを更新すると共に、親装置61に変更内容を送信する。親制御部62は、子装置70から入力した変更内容に基づいて管理情報65の物品有無テーブル68を更新する。また、親制御部62は、物品有りに変更になった納品庫45に対応する会員IDのメールアドレスに、納品されたストッカ40の情報などが含まれる納品完了メールを送信する。
以上のようにして、受取者20が発注した商品17は、複数のストッカ40のうちいずれかに配送されて、納品庫45内に納品される。そして、受取者20は、納品完了メールを携帯端末21で受信した後、納品されたストッカ40に商品17の受け取りに向かう。
次に、受取者20が商品17を受け取る際の携帯端末21の動作について説明する。図3は、携帯端末21の端末制御部22により実行される情報送信ルーチンの一例を表すフローチャートである。このルーチンは、処理プログラム26として記憶部23に記憶されており、携帯端末21の電源がONされると開始される。このルーチンを開始すると、端末制御部22は、まず、複数のビーコン装置30のいずれかのビーコン信号を受信するまで待つ(ステップS100)。ビーコン信号を受信すると、端末制御部22は、受信したビーコン信号に基づいて携帯端末21の位置に関する位置情報を導出する(ステップS110)。本実施形態では、位置情報はビーコン信号を送信したビーコン装置30と携帯端末21との距離に関する情報であり、「ごく近い」(例えば数cm〜数十cmの距離),「近い」(例えば数mの距離),「遠い」(例えば数十mの距離)のいずれかを表す情報とした。端末制御部22は、受信したビーコン信号の強度に基づいて、この位置情報を導出する。そして、端末制御部22は、受信したビーコン信号に含まれるビーコンIDと、導出した位置情報と、記憶部23に記憶された会員ID27と、をストッカ管理装置60の親装置61に送信し(ステップS120)、ステップS100以降の処理を実行する。この情報送信ルーチンにより、携帯端末21を所持する受取者20が商品17を受け取るためにビーコン装置30の近く(すなわちストッカ40の近く)に到達すると、携帯端末21から自動的に親装置61に会員ID27等の情報が送信される。また、携帯端末21が複数のビーコン装置30のいずれかのビーコン信号を受信している間は、親装置61に繰り返し情報が送信される。なお、端末制御部22は、一度ステップS120の処理を行うと、位置情報が変化したとき(例えば遠い→近い)や、異なるビーコンIDを含むビーコン信号を受信したときにはステップS120の処理を行い、それ以外の場合は、ステップS120の処理を行わずにステップS100の処理に進んでもよい。
続いて、受取者20が商品17を受け取る際のストッカ管理装置60の動作について説明する。図4は、親装置61の親制御部62により実行される解錠制御ルーチンの一例を表すフローチャートである。このルーチンは、記憶部63に記憶されており、親装置61の電源がONされると開始される。このルーチンを開始すると、親制御部62は、まず、携帯端末21から上述したステップS120で送信されたビーコンID,位置情報,及び会員IDを受信するまで待つ(ステップS200)。ビーコンID等を受信すると、親制御部62は、位置情報処理を開始する(ステップS210)。位置情報処理は、親制御部62が解錠制御ルーチンとは並行して行う処理であり、携帯端末21がビーコン信号を受信可能な領域よりも狭くストッカ40に近いとみなせる所定の近距離領域に位置するか否かを判定する処理である。本実施形態では、親制御部62は、受信した位置情報が「ごく近い」又は「近い」であるときに携帯端末21が近距離領域に位置すると判定するものとした。なお、位置情報処理が開始されると、親制御部62は、ステップS200で携帯端末21から受信した位置情報に限らず、携帯端末21から繰り返し送信された位置情報に基づいて、携帯端末21が近距離領域に位置するか否かの判定を繰り返し行う。位置情報処理を開始した後、親制御部62は、ストッカ対応テーブル66に基づいて、受信したビーコンIDに対応するストッカ40を特定する(ステップS220)。例えば第1ビーコン装置31のビーコンIDを受信した場合は、親制御部62は第1ストッカ41を特定する。これにより、親制御部62は、携帯端末21がいずれのストッカ40に近づいたかを特定する。続いて、親制御部62は、特定したストッカ40及び受信した会員IDに対応する納品庫番号が、納品庫対応テーブル67の中に存在するか否かを判定する(ステップS230)。ここで、上述したように、受取者20が商品17の発注を行うと、親制御部62は、会員ID,決定した配送先のストッカ40,及び決定した納品庫45の納品庫番号を対応付けて、納品庫対応テーブル67に追加する。そのため、受取者20が配送先である正しいストッカ40の近くに受け取りに来たときには、対応する納品庫番号が納品庫対応テーブル67の中に存在することになる。
ステップS230で対応する納品庫番号が存在するときには、親制御部62は、その納品庫番号を特定して、特定した納品庫番号に物品有無テーブル68で対応付けられている物品有無を調べ、納品庫45に物品があるか否かを判定する(ステップS240)。すなわち、親制御部62は、受取者20が受け取りに来た商品17が既に納品庫45内に納品されているか否かを判定する。納品庫45に物品があるときには、親制御部62は、上述した位置情報処理で携帯端末21が近距離領域に位置すると判定されるまで待つ(ステップS250)。携帯端末21が近距離領域に位置するときには、親制御部62は、ステップS230で納品庫対応テーブル67に存在すると判定した納品庫番号で特定される納品庫45を解錠させる(ステップS260)。具体的には、親装置61から納品庫の解錠指令を対応するストッカ40の子装置70に送信し、解錠指令を受信した子制御部82がロック機構47を制御して解錠する。これにより、受取者20は解錠された納品庫45から商品17を受け取ることができる。なお、子制御部82は、物品センサ48及び開閉センサ49の検出信号に基づいて商品17の受取及び閉扉を検出すると、納品庫45を施錠すると共に管理情報85の物品有無テーブルを更新したり、納品庫対応テーブルを更新(例えば受取が完了した納品庫45に関する情報の削除)したりする。親装置61の管理情報65にもこれらの更新が反映される。
一方、ステップS230で対応する納品庫番号がないとき,又はステップS240で納品庫45に物品がないときには、親制御部62は、ステップS200で受信したビーコンIDとは異なる他のビーコンID及び受信した会員IDに対応する納品庫番号が、納品庫対応テーブル67の中に存在するか否かを判定する(ステップS270)。すなわち、親制御部62は、ステップS220で特定したストッカ40以外のストッカ40(例えば第1ビーコン装置31のビーコンIDを受信した時には第2ストッカ42及び第3ストッカ43)及び受信した会員IDに対応する納品庫番号が納品庫対応テーブル67の中に存在するか否かを判定する。このような納品庫番号が存在する場合とは、例えば、商品17の発注をした受取者20が、配送先である正しいストッカ40とは異なるストッカ40の近くに誤って受け取りに来た場合である。ステップS270で対応する納品庫番号が存在するときには、親制御部62は、ステップS240と同様に、その納品庫番号で特定される納品庫45に物品があるか否かを判定する(ステップS280)。そして、物品があるときには、親制御部62は、特定された納品庫45に対応するストッカ40(すなわち正しいストッカ40)に関する情報を通知するメールを受取者20に送信する(ステップS290)。このメールには、例えば、現在近くに存在するストッカ40は配送先のストッカ40ではない旨や、正しいストッカ40に関する情報(ストッカ40の名前や位置など)などが含まれている。
また、ステップS270で対応する納品庫番号がないとき,又はステップS280で納品庫45に物品がないときには、親制御部62は、現在受取者20の付近にあるストッカ40も含めストッカ管理装置60が管理する複数のストッカ40のいずれにも商品がない旨を通知するメールを送信する(ステップS300)。ステップS260,S290,S300のいずれかの処理を行うと、親制御部62は、ステップS200以降の処理を行う。
なお、ステップS240やステップS280で物品がないとき、すなわち受取者20が発注したが商品17の納品前であるときには、親制御部62はステップS300において納品前である旨を含むメールを送信してもよい。また、ステップS270で対応する納品庫番号がないとき、すなわち受取者20が発注自体を行っておらず受取以外の理由でビーコン装置30やストッカ40に近付いたときには、親制御部62はステップS300のメール送信を省略してステップS200以降の処理を行ってもよい。
なお、上述したように、親制御部62は、対応する納品庫45に物品があり且つ携帯端末21が近距離領域に位置すると判定すると、解錠を行う。そのため、例えば携帯端末21を所持する複数の受取者20が同じストッカ40付近にほぼ同時に商品17を受け取りに来た場合、親制御部62は先に近距離領域に位置した携帯端末21(ストッカ40により近いとみなせる携帯端末21)からの会員IDに対応する納品庫45を優先的に解錠させることになる。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の携帯端末21が本発明のユーザー端末に相当し、受取者20がユーザーに相当し、会員ID27が認証情報に相当し、納品庫番号が納品庫情報に相当し、記憶部63が管理情報記憶手段に相当し、親制御部62が認証情報受信手段及び解錠制御手段に相当する。また、ビーコンIDがストッカ識別情報に相当し、親制御部62が報知制御手段に相当する。処理プログラム26が本発明のプログラムに相当する。
以上詳述した本実施形態のストッカシステム1によれば、親制御部62は、ビーコン信号を受信した場合に記憶部23に記憶された会員ID27を送信する携帯端末21から会員IDを受信すると、記憶部63に記憶された管理情報65の納品庫対応テーブル67の中に受信された会員IDに対応する納品庫番号が存在するか否かを判定し、存在する場合に納品庫情報で特定される納品庫45を解錠させる。そのため、例えば暗証番号の入力やカードを取り出して子装置70に読み取らせるなどの操作を受取者20が行わなくとも、携帯端末21から送信された会員IDに基づいてストッカ管理装置60が納品庫45の特定などの解錠のための処理(例えばステップS220〜S250)を開始することができる。したがって、受取者20の操作の手間を軽減でき、納品庫45の解錠時の受取者20の利便性が向上する。また、本実施形態では、携帯端末21による会員IDの送信からストッカ管理装置60による納品庫45の解錠までが自動的に行われる。そのため、受取者20はビーコン装置30(ストッカ40)に近づくだけでよく、携帯端末21を例えば鞄等から取り出すことなく、商品17を受け取ることができる。
また、親制御部62は、管理情報65の中に受信された会員IDに対応する納品庫番号が存在し、且つ、受信された位置情報に基づいて携帯端末21が近距離領域に位置すると判定した場合に、納品庫番号で特定される納品庫45を解錠させる。これにより、親制御部62は携帯端末21が近距離領域に位置すると判定するまでは納品庫45を解錠をしないため、例えばビーコン装置30の近くを通過した際などの受取者20の意図しない解錠を抑制できる。すなわち、解錠のための処理開始時の受取者20の手間を軽減しつつ受取者20の意図しない解錠を抑制できる。また、携帯端末21が近距離領域に位置する前から会員IDに基づく納品庫45の特定が可能なため、近距離領域に位置してから納品庫45を特定する場合と比べて、受取者20の待ち時間が長くなりにくい。以上により、納品庫45の解錠時の受取者20の利便性が向上する。
さらに、親制御部62は、複数の携帯端末21からの位置情報を受信した場合に、位置情報に基づいてストッカ40により近いとみなせる携帯端末21からの会員IDに対応する納品庫45を優先的に解錠させる。そのため、よりストッカ40に近づいた受取者20ほど解錠の待ち時間が長くなりにくい。したがって、納品庫45の解錠時の受取者20の利便性が向上する。
さらに、親制御部62は、会員IDと、ビーコンIDと、を携帯端末21から受信し、管理情報65の中に受信されたビーコンID及び会員IDに対応する納品庫番号が存在するか否かを判定し、存在する場合にその納品庫情報で特定される納品庫45を解錠させる。これにより、複数のストッカ40が存在する場合に、親制御部62は携帯端末21からのビーコンIDと会員IDとに基づいて納品庫45の特定を行うため、納品庫45の解錠を適切に行うことができる。さらに、親制御部62は、管理情報65の中に受信されたビーコンID及び会員IDに対応する納品庫番号が存在しない場合に、管理情報65の中に受信されたビーコンIDとは異なる他のストッカ40のビーコンIDと受信された会員IDとに対応する納品庫番号が存在するか否かを判定し、存在する場合に他のストッカ40に関する情報をメールで送信して携帯端末21の受取者20に報知する。そのため、受信したビーコンIDで特定されるストッカ40には会員IDに対応する納品庫45が存在しない場合でも、他のストッカ45に会員IDに対応する納品庫45が存在すれば、そのストッカ40に関する情報を受取者20に報知できる。例えば、使用する納品庫45を有する正しいストッカ40とは異なるストッカ40に対応するビーコン装置30付近に受取者20が誤って来た場合に、正しいストッカ40に関する情報を受取者20に報知できる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、携帯端末21による会員IDの送信からストッカ管理装置60による納品庫45の解錠までが受取者20の操作を介さず自動的に行われるが、これに限られない。図5は、変形例の情報送信ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、ステップS100〜S120までは図3の情報送信ルーチンと同じである。図5の情報送信ルーチンでは、端末制御部22は、ステップS120の処理を行うと、ストッカ管理装置60から解錠指令送信要求を受信するまで待つ(ステップS130)。そして、解錠指令送信要求を受信すると、端末制御部22は、解錠ボタンを表示操作部25に表示して、納品庫45の解錠を指示する解錠操作を受取者20から入力可能な解錠操作待受状態にする(ステップS140)。続いて、端末制御部22は、受取者20が解錠ボタンを押下(タッチ)するまで待つ(ステップS150)。そして、受取者20が解錠ボタンを押下、すなわち解錠操作を入力すると、ストッカ管理装置60に解錠指令を送信して(ステップS160)、ステップS100以降の処理を実行する。なお、この場合のストッカ管理装置60では、親制御部62は図4の解錠制御ルーチンのステップS210及びステップS250を省略する。代わりに、親制御部62は、ステップS240で納品庫45に物品があるときには、携帯端末21に上述した解錠指令送信要求を送信して、携帯端末21から解錠指令を受信するのを待つ。そして、解錠指令を受信すると、親制御部62は、ステップS260の処理を行って納品庫45を解錠する。以上のようにすれば、親制御部62は、解錠指令を受信するまでは納品庫45を解錠しない。端末制御部22は、ストッカ管理装置60に対して会員IDに基づく解錠のための処理を行わせつつ、解錠指令を送信するまでは納品庫45を解錠させないようにできる。そのため、例えばビーコン装置30やストッカ40の近くを通過した際などの受取者20の意図しない解錠を抑制できる。したがって、解錠のための処理開始時の受取者20の手間を軽減しつつ受取者20の意図しない解錠を抑制でき、納品庫45の解錠時の受取者20の利便性が向上する。また、端末制御部22は、ビーコン信号を受信した場合に受取者20の操作を待つことなく自動的に解錠ボタンを表示して解錠操作待受状態にするため、受取者20は解錠ボタンを押すだけでよく、解錠操作の手間を最小限にできる。さらに、携帯端末21側で解錠操作を行うため、例えば複数の受取者20が同時にストッカ40に商品17の受け取りにきた場合に、親制御部62は解錠指令を入力した順に解錠を行えばよいなど、スムーズに解錠を行うことができる。さらにまた、親制御部62はステップS240で納品庫45に物品があるときに携帯端末21に解錠指令送信要求を送信し、端末制御部22は解錠指令送信要求を受信してから解錠操作待受状態にする。そのため、携帯端末21がビーコン信号を受信したが対応する納品庫45に物品がないときなど、解錠が不要な時にまで端末制御部22が解錠操作待受状態にすることを抑制できる。なお、解錠操作待受状態は、解錠ボタンを表示した状態に限らず、例えば音声での解錠操作を受け付ける状態などとしてもよい。また、図5のステップS130を省略して、ストッカ管理装置60からの解錠指令送信要求の受信を待つことなくステップS140以降の処理を行ってもよい。この場合、親制御部62は、ステップS240で納品庫45に物品があるときには、そのまま携帯端末21から解錠指令を受信するのを待てばよい。
上述した実施形態では、解錠制御ルーチンは親制御部62が実行したが、ストッカ管理装置60全体として解錠制御ルーチンを行うことができればよく、例えば子装置70と親装置61とで解錠制御ルーチンを分担して実行してもよい。例えば、図4のステップS200〜S260の処理は子制御部82が実行し、ステップS270〜S300は親装置61の親制御部62が実行してもよい。子装置70は管理情報85を記憶しているため、自身が管理するストッカ40については、受信した会員IDに対応する納品庫45が存在するか否かや納品庫45に物品があるか否かを判定することができる。そのため、子制御部82がステップS200〜S260を行うこともできる。この場合、例えば親装置61と子装置70との通信が切断されていても、子装置70は管理情報85に基づいて解錠を行うことができる。なお、ステップS230で対応する納品庫番号がないとき,又はステップS240で納品庫45に物品がないときには、子制御部82は受信した会員IDを親装置61に送信するか又は携帯端末21に送信指令を送信して携帯端末21から会員IDを親装置61に送信させる。そして、子装置70又は携帯端末21から会員IDを受信した親制御部62は、ステップS270以降の処理を行う。このとき、子制御部82又は端末制御部22は、親装置61には会員IDを送信すればよく、ビーコンIDは送信しなくてもよい。すなわち、親制御部62は、子装置70が受信したビーコンIDに対応するストッカ40がいずれであるかに関わらず、受信した会員IDに対応する納品庫番号が管理情報65の納品庫対応テーブル67の中に存在するか否かをステップS270で判定してもよい。なお、子制御部82がステップS200〜S260を行う場合、携帯端末21からは子装置70に会員ID等を送信すればよい。具体的には、携帯端末21の記憶部23に予め複数のビーコンIDと複数の子装置70との対応関係を記憶しておき、端末制御部22は、受信したビーコン信号に含まれるビーコンIDに対応する子装置70に対して会員IDや位置情報を送信してもよい。あるいは、端末制御部22はビーコンIDを受信すると周囲に存在するはずの不特定の子装置70に向けて会員IDや位置情報を送信し、最寄りの子装置70の子制御部82が会員IDや位置情報を受信するようにしてもよい。これらの態様の場合、携帯端末21から子装置70にはビーコンIDを送信しなくてもよい。子装置70にビーコンIDを送信しない場合、子制御部82はステップS220を省略して、ステップS230で受信した会員IDに対応する納品庫番号があるか否かを判定すればよい。以上のような態様でも、上述した実施形態と同様に納品庫45の解錠時の受取者20の利便性が向上する効果が得られる。また、子装置70の記憶部83に記憶された管理情報85の中には会員IDに対応する納品庫番号が存在しない場合でも、親装置61に記憶された管理情報65の中に会員IDに対応する納品庫番号が存在すれば、そのストッカ40に関する情報を受取者20に報知できる。なお、以上のような態様では、記憶部83が本発明の管理情報記憶手段に相当し、子制御部82が認証情報受信手段及び解錠制御手段に相当し、記憶部63が親側管理情報記憶手段に相当し、親制御部62が親側認証情報受信手段及び親側報知制御手段に相当する。
上述した実施形態において、図4のステップS270〜S300を省略してもよい。こうしても、受取者20の操作の手間を軽減して納品庫45の解錠時の受取者20の利便性が向上する効果は得られる。この場合、ステップS200〜S260は複数の子装置70の子制御部82がそれぞれ行ってもよい。また、子制御部82がステップS200〜S260を行う場合には、上述したように携帯端末21から子装置70にはビーコンIDを送信しなくてもよく、子制御部82はステップS220を省略してもよい。
上述した実施形態において、ステップS290及びS300では、親制御部62が携帯端末21にメールを送信したが、受取者20に情報を報知できれば他の方法でもよい。例えば、親制御部62から子制御部82に表示指令を送信して、子制御部82が表示操作部54に情報を表示して受取者20に報知してもよい。あるいは、表示に限らず音声などにより受取者20に報知してもよい。また、親制御部62が子装置70に送信指令を出力して、子制御部82が携帯端末21にメールを送信してもよい。
上述した実施形態では、親制御部62は、受信した位置情報が「ごく近い」又は「近い」を表すときに携帯端末21が近距離領域に位置すると判定したが、これに限られない。携帯端末21がビーコン信号を受信可能な領域よりも狭くストッカ40に近いとみなせる領域を、近距離領域として定めておけばよい。例えば、1つのストッカ40の近くに複数のビーコン装置30を配置し、複数のビーコン信号に基づいて定まる領域を近距離領域としてもよい。例えば、3つのビーコン装置30を上面視で三角形状に配置し、3つのビーコン装置30からの各々の距離がいずれも「ごく近い」又は「近い」であった場合に、携帯端末21が近距離領域に位置すると判定してもよい。この場合、端末制御部22は、ビーコン装置30と携帯端末21との距離に関する情報を3つのビーコン装置の各々について導出して、これらをストッカ管理装置60に送信すればよい。また、端末制御部22が送信する位置情報は、ビーコン信号に基づいて導出される携帯端末21の位置に関する情報であればよい。例えば、ビーコンIDとビーコン信号の強度とを合わせて位置情報としてもよい。位置情報自体が携帯端末21が近距離領域に位置するか否かの情報を含んでいてもよい。この場合、端末制御部22側で自身が近距離領域に位置するか否かを判定して、判定結果を含む位置情報をストッカ管理装置60に送信すればよい。また、上述した実施形態では、親制御部62は、受信した位置情報の内容に基づいて携帯端末21が近距離領域に位置するか否かを判定したが、受信した位置情報に基づいて判定すれば、これに限られない。例えば、親制御部62は、位置情報を受信したか否かに基づいて携帯端末21が近距離領域に位置するか否かを判定してもよい。この場合、端末制御部22側で自身が近距離領域に位置するか否かの判定を行い、近距離領域に位置すると判定したときにその旨を含む位置情報を送信してもよい。なお、上述した実施形態において、図4のステップS210及びS250を省略して、親制御部62が位置情報に基づく処理を行わないようにしてもよい。
上述した実施形態では、携帯端末21を所持する複数の受取者20が同じストッカ40付近にほぼ同時に商品17を受け取りに来た場合、親制御部62は先に近距離領域に位置した携帯端末21(ストッカ40により近いとみなせる携帯端末21)からの会員IDに対応する納品庫45を優先的に解錠させるが、これに限られない。例えば、ほぼ同時(例えば数秒などの所定時間内)に近距離領域に位置した携帯端末21が複数存在する場合には、親制御部62は、位置情報が「近い」を表す携帯端末21よりも、位置情報が「ごく近い」を表す携帯端末21からの会員IDに対応する納品庫45をより優先的に解錠させてもよい。また、位置情報に基づく優先順位を付けた解錠を行わず、親制御部62は単にステップS200で会員ID等を受信した順に解錠を行ってもよい。
上述した実施形態では、端末制御部22はストッカ識別情報としてビーコンIDをストッカ管理装置60に送信したが、ストッカ識別情報はストッカのいずれかを特定可能な情報であればよい。例えば、ビーコンIDとは別にストッカ識別情報が定められていてもよい。この場合、記憶部23にビーコンIDとストッカ識別情報との対応関係を記憶しておき、端末制御部22はビーコンIDを受信した場合に対応するストッカ識別情報をストッカ管理装置60に送信してもよい。
上述した実施形態では、端末制御部22は認証情報として会員IDをストッカ管理装置60に送信したが、これに限られない。例えば、親制御部62は、物品有無テーブル68の更新内容に基づいて納品庫45への納品の完了を検知すると、会員IDとは異なる解錠用の認証情報を発行して携帯端末21に送信してもよい。そして、端末制御部22はこの認証情報を受信して記憶部23に記憶しておき、ビーコン信号を受信すると認証情報をストッカ管理装置60に送信してもよい。こうすれば、商品17の納品毎に発行される認証情報を用いるため、認証情報として会員IDを用いる場合と比べて情報のセキュリティを高めることができる。なお、商品17の納品毎(又は発注毎)に発行される認証情報として、伝票IDを用いてもよい。
上述した実施形態では、ステップS230で対応する納品庫番号が存在し、且つステップS240でその納品庫番号で特定される納品庫45に物品がある場合に、親制御部62は納品庫45を解錠したが、これに限られない。例えば、ステップS230で対応する納品庫番号が存在する場合には、納品庫45の物品の有無を判定することなく解錠を行ってもよい。受取者20は基本的には納品完了メールを受信してから商品17の受け取りに向かうため、納品庫45の物品の有無の判定を省略してもよい。
上述した実施形態では、親制御部62は、ステップS250で携帯端末21が近距離領域に位置すると判定されるまで待ったが、待たずにステップS200以降の処理を実行する場合があってもよい。例えば、親制御部62は、携帯端末21が近距離領域に位置すると判定されない状態が所定時間以上継続した場合や、携帯端末21がストッカ40から遠ざかったと判定した場合には、ステップS200以降の処理を実行してもよい。携帯端末21がストッカ40から遠ざかったと判定する場合としては、例えば携帯端末21からビーコンID等を受信しなくなった場合,携帯端末21から直前に受信したビーコンIDと異なるビーコンIDを受信した場合,などが挙げられる。
上述した実施形態では、ストッカ管理装置60は親装置61と複数の子装置70とを備えていたが、これに限られない。例えば、複数の子装置70を備えず親装置61がロック機構47,物品センサ48,開閉センサ49,表示操作部54,読取機56などと情報のやり取りを行ってもよい。あるいは、親装置61を備えず複数の子装置70がそれぞれ独立したストッカ管理装置60として構成されていてもよい。また、子装置70はストッカ40のうち納品庫45と同様の箱状の1室内に配置されていたが、これに限られない。例えば、ストッカ40とは別の場所に対応する子装置70が配置されていてもよい。1つの子装置70が複数のストッカ40を管理してもよい。
上述した実施形態において、ユーザー端末は携帯端末21としたが、これに限られない。例えば、ユーザー端末が複数のコンピュータとして構成されていてもよい。例えば、ユーザー端末が、受取者20が身につけることができるウェアラブル端末としての子機と、子機と通信可能な親機と、を備えていてもよい。この場合、親機は携帯可能でなくてもよい。
上述した実施形態では、受取者20が納品庫45を使用して受け取る物品は、受取者20が発注した商品17としたが、これに限られない。例えば、他の発注者が発注した商品を受取者20が納品庫45で受け取ってもよい。あるいは、他の依頼者が配送を依頼した商品以外の配送物を受取者20が納品庫45で受け取ってもよい。
上述した実施形態では、受取者20が本発明のユーザーに相当し、受取者20の操作の手間を軽減したが、これに限られない。例えば、配達者19の操作の手間を軽減してもよい。例えば、配達者19が携帯端末21を所持しており、携帯端末21の記憶部23には会員IDの代わりに伝票ID,配達者19を識別する情報,又は配達者19に配送を依頼した商店10の識別情報などを記憶しておき、これらのいずれかを認証情報として用いてもよい。この場合、管理情報65の納品庫対応テーブル67にこの認証情報も対応付けて記憶しておけばよい。そして、配達者19が商品17の配送のためにビーコン装置30やストッカ40に近付いたときに、端末制御部22が認証情報等をストッカ管理装置60に送信して、親制御部62が納品庫対応テーブル67で認証情報に対応付けられた納品庫45の解錠を行ってもよい。こうすれば、商品17の配送時の配達者19の操作の手間を軽減でき、納品庫45の解錠時の配達者19の利便性が向上する。
上述した実施形態では、店舗PC12,携帯端末21,親装置61,子装置70はネットワーク2を介して情報の送受信を行うが、これに限られない。例えば、親装置61と子装置70との間はネットワーク2とは別の専用回線で情報の送受信を行ってもよい。