JP2016133472A - センサーデバイス、電子機器、および移動体 - Google Patents

センサーデバイス、電子機器、および移動体 Download PDF

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Seiichi Nishiyama
誠一 西山
政宏 押尾
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政宏 押尾
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Abstract

【課題】信号ノイズの影響を低減させたセンサーデバイスを提供する。【解決手段】検出電極を備えるセンサー素子30と、検出電極に電気的に接続されている検出信号用配線26a、およびデジタル信号を伝送するデジタル信号用配線26bを含むベース20と、ベース20に接合される蓋体と、ベース20と蓋体との間に配置され、デジタル信号用端子46bを備える電子部品40と、ベース20と蓋体との間に配置され、定電位に電気的に接続されている金属体60を備え、金属体60が、ベース20の平面視において、検出信号用配線26aとデジタル信号用配線26bとの間に配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、センサーデバイス、電子機器、および移動体に関する。
従来から、センサーデバイスの一例としてのジャイロセンサーは、船舶、航空機、ロケットなどの姿勢を自律制御する技術に使用されているが、最近では、車両における車体制御、カーナビゲーションシステムの自車位置検出、デジタルカメラ、ビデオカメラおよび携帯電話の振動制御補正(いわゆる手振れ補正)などに用いられている。これら電子機器の小型化や高性能化に伴い、検出精度の高いジャイロセンサーが要求されている。
このようなジャイロセンサーでは、振動子などのセンサー素子の検出電極から角速度などの物理量をアナログ信号で検出する検出回路やセンサー素子を駆動させる半導体素子の駆動回路が検出信号用配線で形成され、アナログ信号から変換されたデジタル信号を外部に出力する出力回路などがデジタル信号用配線で形成されており、この検出信号用配線とデジタル信号用配線とが同じベース(基板)内に配置されていることがある。
このようなジャイロセンサーとして、例えば、特許文献1では、センサーデバイス(角速度センサー)のベースの配線において、検出信号用配線(振動子アナログ信号配線パターン)とデジタル信号用配線(デジタル信号配線パターン)とが接近しないように、検出信号用配線を有するアナログ層とデジタル信号用配線を有するデジタル層とに、層を分けて配置することによって容量結合を低減し、検出信号(出力信号)を安定させるセンサーデバイスが知られていた。
特開2010−181313号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているセンサーデバイスでは、さらに低背化が進んだ際に、同じベース内に配置されているアナログ層およびデジタル層がともに薄肉化し、これらの層間が縮められる。その結果、検出信号用配線とデジタル信号用配線との間隔が狭くなり、デジタル信号用配線から発生する信号ノイズが、センサーデバイスの内部空間を経由して検出信号用配線が伝送している検出信号に影響を与え、物理量の検出精度が低下してしまうという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るセンサーデバイスは、検出電極を備えるセンサー素子と、前記検出電極に電気的に接続されている検出信号用配線、およびデジタル信号を伝送するデジタル信号用配線を含むベースと、前記ベースに接合される蓋体と、前記ベースと前記蓋体との間に配置され、デジタル信号用端子を備える電子部品と、前記デジタル信号用配線と前記デジタル信号用端子とを電気的に接続する接続部と、前記ベースと前記蓋体との間に配置され、定電位に電気的に接続されている金属体と、を備え、前記金属体が、前記ベースの平面視において、前記検出信号用配線と前記デジタル信号用配線との間に配置されていることを特徴とする。
本適用例によれば、ベースの平面視において、検出信号用配線とデジタル信号用配線との間に定電位の金属体を配置することによって、デジタル信号用配線で発生し、センサーデバイスの内部空間を経由して検出信号用配線まで到達する電界などの信号ノイズが、検出信号の周波数を変化させてしまうなどの影響を低減することができる。その結果、物理量を高精度に検出できるセンサーデバイスが得られる。
[適用例2]上記適用例に係るセンサーデバイスは、前記金属体は、蓋体から突出していることを特徴とする。
本適用例によれば、金属体が蓋体とともに定電位となることから、金属体の電位をさらに安定させることができる。その結果、金属体が帯電することを低減できるので、デジタル信号用配線から検出信号用配線に伝達される信号ノイズの少なくとも一部が、金属体によって遮られるシールド効果を高められ、検出信号用配線にさらに到達しにくくすることができる。そのため、物理量を高精度に検出できるセンサーデバイスが得られる。
[適用例3]上記適用例に係るセンサーデバイスは、前記金属体は、前記ベースの平面視において、前記デジタル信号用配線を囲むように配置されていることを特徴とする。
本適用例によれば、金属体が、ベースの平面視において、デジタル信号用配線の周囲を囲むように配置されているため、デジタル信号用配線からセンサーデバイスの内部空間を経由して検出信号用配線まで伝達される電界などの信号ノイズの少なくとも一部を遮るシールド効果を高めることができる。つまり、デジタル信号用配線から検出用信号配線に伝達される信号ノイズを、さらに低減することができるので、物理量を高精度に検出できるセンサーデバイスが得られる。
[適用例4]本適用例に係る電子機器は、適用例1から3までのいずれか一項に記載のセンサーデバイスを備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、本適用例に係る電子機器が、物理量を高精度に検出できるセンサーデバイスを備えていることから、高精度な振動制御補正(いわゆる手振れ補正)機能などを有する電子機器を提供することができる。
[適用例5]本適用例に係る移動体は、適用例1から3までのいずれか一項に記載のセンサーデバイスを備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、本適用例に係る移動体が、物理量を高精度に検出できるセンサーデバイスを備えていることから、高精度な車体制御、またはカーナビゲーションシステムの自車位置検出などの機能を有する移動体を提供することができる。
第1実施形態に係るセンサーデバイスとしてのジャイロセンサーの概略構成を示す平面図。 図1中のA−A線での断面図。 第1実施形態に係るセンサー素子の概略構成を示す平面図。 第2実施形態に係るセンサーデバイスとしてのジャイロセンサーの概略構成を示す平面図。 第3実施形態に係るセンサーデバイスとしてのジャイロセンサーの概略構成を示す平面図。 図5中のB−B線での断面図。 第4実施形態に係るセンサーデバイスとしてのジャイロセンサーの概略構成を示す平面図。 第4実施形態に係るセンサー素子の概略構成を示す平面図。 第5実施形態に係るセンサーデバイスとしてのジャイロセンサーの概略構成を示す平面図。 電子機器の一例としてのモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図。 電子機器の一例としての携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図。 電子機器の一例としてのデジタルカメラの構成を示す斜視図。 移動体の一例としての自動車の構成を示す斜視図。
以下に本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさにして、説明を分かりやすくするため、各構成要素の尺度を実際とは異なる尺度で記載している場合がある。
<第1実施形態>
[ジャイロセンサー]
図1は、第1実施形態に係るセンサーデバイスとしてのジャイロセンサー10の概略構成を示す平面図である。図2は、図1中のA−A線での断面図である。図3は、第1実施形態に係るセンサー素子30の概略構成を示す平面図である。以下の図においては、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を図示している。また、X軸およびY軸を示す矢印の先端側を「+側」、基部側を「−側」とする。Z軸はセンサー素子30と蓋体50とが重なるベース20の厚さ方向を示す軸である。また、Z軸方向から見たときの平面視において、+Z軸方向の面を上面、−Z軸方向の面を下面として説明する。
図1、図2および図3に示すように、本実施形態に係るセンサーデバイスとしてのジャイロセンサー10は、ベース20と、センサー素子30と、電子部品としての半導体素子40と、接続部としてのワイヤー48と、蓋体50と、金属体60などを備えている。なお、図1においては、ジャイロセンサー10の内部の構成を説明する便宜上、蓋体50を取り外した状態を図示している。
以下、ベース20、センサー素子30、半導体素子40、蓋体50、金属体60などについて順次詳細に説明する。なお、以下の図においては、同一または類似の構成要素には、同一または類似の参照符号を付して示す。
(ベース)
まず、ベース20について説明する。
ベース20は、底板21と、側壁22と、シームリング23から構成されており、底板21は、上面24と下面25とを有している。
具体的には、ベース20には、底板21の上面24の周縁部に側壁22が積層されることによって、凹形状の内部空間(収納空間)29が形成されており、この内部空間29には、センサー素子30、半導体素子40、金属体60などが収納されている。
底板21および側壁22は、センサー素子30や蓋体50の熱膨張係数と一致、あるいは極力近い熱膨張係数を備えた材料によって形成されるのが好ましく、このような材料であれば、特に限定されず、例えば、酸化物系セラミックス、窒化物系セラミックス、炭化物系セラミックスなどの各種セラミックスを用いることができる。本実施形態に係る底板21および側壁22は、酸化物系セラミックを用いている。
側壁22は、底板21側から蓋体50側(+Z軸方向)に向かって、側壁22a,22bの順に2層で構成されており、X軸方向において、側壁22aは、側壁22bの内幅より小さくなっている。
シームリング23は、側壁22と蓋体50との接合材として、例えば、ろう材、低融点ガラス、またはコバールなどの金属で形成されており、側壁22bの上面に沿って枠状(略矩形状の周状)に設けられている。
また、底板21の上面24には、後述する半導体素子40と、検出信号用配線26aと、デジタル信号用配線26bが配置されており、底板21の下面25には、外部電極28が配置されている。
検出信号用配線26aは、角速度ωの成分を含む検出信号を伝送する配線であり、底板21の上面24に、Y軸方向に一定の間隔を隔てて複数(本実施形態では6個)並べて配置されている。
検出信号用配線26aは、ベース20の平面視において、接合部材33によってベース20の側壁22bの上面22cに配置されている配線27またはセンサー素子30の接続電極32aを経由することによって、後述するセンサー素子30の駆動電極37および検出電極38と電気的に接続されている。
一方、デジタル信号用配線26bは、半導体素子40の出力回路(図示せず)と電気的に接続されており、底板21の上面24における、センサー素子30に対して検出信号用配線26aと反対側に、Y軸方向に一定の間隔を隔てて複数(本実施形態では6個)並べて配置されている。
検出信号用配線26aおよびデジタル信号用配線26bは、貫通電極(図示せず)や底板21に配置されている配線パターン(図示せず)などによって外部電極28に電気的に接続されている。外部電極28は、外部の実装基板と接続されて、ジャイロセンサー10と外部装置との間で、電源を供給したり、信号を入出力したりする電極である。
デジタル信号の通信方式としては、SPI(登録商標)(Serial Peripheral Interface)方式、またはI2C(登録商標)方式などを使用することができる。デジタル信号用配線26bは、例えば、通信方式としてSPI方式を使用する場合には、角速度ωなどの物理量を含むデジタルデータの入出力信号、シリアルのデジタル通信のクロック信号、チップセレクト信号などを伝送する。
チップセレクト信号とは、ホストとなるマイコンなどのICに対して、複数のスレーブとなるジャイロなどのデバイスが接続されている場合に、ホストが複数のスレーブデバイスの中から通信を行うデバイスを選択するための信号であり、スレーブセレクト(SS)と呼ばれることもある。
また、これらの各配線は、一般的に、タングステン(W)、モリブデン(Mo)などの金属配線材料を絶縁材料上にスクリーン印刷して焼成し、その上にニッケル(Ni)、金(Au)などのめっきを施すことにより設けられる。
(センサー素子の構造)
次に、ジャイロセンサー10に搭載されるセンサー素子30の構造について説明する。
本実施形態に係るセンサー素子30は、いわゆる音叉型振動子と呼ばれる構成で、ジャイロセンサー10は、センサー素子30の延出方向(Y軸方向)、つまり、Y軸まわりの角速度ωを検出するジャイロセンサーである。
センサー素子30は、基部31と、基部31の+Y軸方向の端部から二股に別れて+Y軸方向に平行に延出する一対の振動腕35と、を備えており、振動腕35には、駆動電極37と検出電極38とが備えられている。
センサー素子30は、基材(主要部分を構成する材料)として圧電材料である水晶素板をドライエッチング工法、またはウェットエッチング工法などを用いて形成されており、1枚の水晶素板から複数個のセンサー素子30を取り出すことが可能である。水晶素板は、結晶軸として電気軸と呼ばれるX軸、機械軸と呼ばれるY軸、および光学軸と呼ばれるZ軸を有している。
センサー素子30を形成する基材は、水晶素板の結晶軸において直交するX軸およびY軸で規定される平面に沿って切り出されて平板状に加工され、平面と直交するZ軸方向に所定の厚さを有したいわゆる水晶Z板を用いている。なお、ここでの所定の厚さは、共振周波数、外形サイズ、加工性などにより適宜設定される。
センサー素子30を形成する水晶素板は、水晶からの切り出し角度の誤差を、X軸、Y軸およびZ軸の各々につき若干の範囲で許容できる。例えば、X軸を中心に0度から2度の範囲で回転して切り出したものを使用することができ、Y軸およびZ軸についても同様である。なお、センサー素子30は、水晶素板以外の、例えば、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ホウ酸リチウム、チタン酸バリウムなどの圧電材料を使用してもよい。
センサー素子30は、基部31のベース20側の面(下面)に配置されている各2か所の接続電極32a,32bにおいて、接合部材33によってベース20の側壁22aの上面22cに固定され保持されている。
接続電極32aは、後述する引出電極39を経由して、検出電極38に電気的に接続されており、接続電極32bは、同じく引出電極39を経由して、駆動電極37に電気的に接続されている。
本実施形態に係る接合部材33は、Auスタッドバンプで形成されているが、これに限定されることはなく、Auスタッドバンプの他に、銅、アルミやはんだボールなど他の導電性材料でもよい。また、銀粉や銅粉などの導電性フィラーと合成樹脂などとを混合した導電性接着剤でもよい。
(駆動電極、検出電極)
次に、センサー素子30の駆動電極37および検出電極38について説明する。
駆動電極37は、センサー素子30のそれぞれの振動腕35の上下面のX軸方向の中央部と、振動腕35の一方の側面と、反対側の側面と、に基部31側から+Y軸方向に向かって延出されており、センサー素子30をXY面内で屈曲振動させる電極である。
それぞれの振動腕35において、上面の駆動電極37と下面の駆動電極37とは同電位となるように電気的に接続されており、一方の側面の駆動電極37と反対側の側面の駆動電極37とは同電位となるように電気的に接続されている。
駆動電極37は、駆動電極37からセンサー素子30の基部31の上面および下面に延出されている引出電極39を経由して、さらに、接続電極32a、接合部材33、配線27を経由して、検出信号用配線26aに電気的に接続されている。
駆動電極37の構成は、特に限定されず、導電性を有し、薄膜形成が可能であればよい。具体的な構成としては、例えば、金(Au)、金合金、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金、クロム(Cr)、クロム合金、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)などの金属材料、酸化インジウムスズ(ITO)などの導電材料により形成することができる。
一方、検出電極38は、センサー素子30の振動腕35の上面および下面のそれぞれのX軸方向の端部に沿って、言い換えれば、X軸方向に関して駆動電極37の両側に、基部31側から+Y軸方向に向かって延出されており、屈曲振動する際に発生する電位差(検出信号)を検出する電極である。
検出電極38は、検出電極38からセンサー素子30の基部31の上面および下面に延出されている引出電極39を経由して、さらに、接続電極32b、接合部材33、配線27などを経由することによって、検出信号用配線26aに接続されている。
引出電極39は、センサー素子30の基部31の上面および下面に配置されており、駆動電極37および接続電極32a,32bと、検出電極38および接続電極32a,32bと、をそれぞれ電気的に接続する電極である。
(センサー素子の動作)
次に、センサー素子30の動作について説明する。
センサー素子30は、外部からの駆動信号(交番電圧)が振動腕35の駆動電極37に入力されることにより、一対の振動腕35が、逆圧電効果によってX軸方向に沿って互いに離反と接近とを交互に繰り返し、所定の共振周波数で屈曲振動(面内屈曲振動)する。
振動腕35が屈曲振動している状態で、振動腕35の延出方向、つまり、Y軸まわりの角速度ωが印加されると、駆動電極37にZ軸方向にコリオリ力が働き、一対の振動腕35は、Z軸方向に、互いに逆方向へ屈曲振動する。言い換えれば、一対の振動腕35は、それぞれ−Z軸方向と、+Z軸方向とに交互に屈曲振動する。これに連動して、検出電極38はZ軸方向へ屈曲振動する。
具体的には、それぞれの振動腕35に設けられている一対の検出電極38のうち、一方の振動腕35に配置されている検出電極38が−Z軸方向へ振動したときに、他方の振動腕35に配置されている検出電極38は+Z軸方向へ振動し、一方の振動腕35に配置されている検出電極38が+Z軸方向へ振動したときに、他方の振動腕35に配置されている検出電極38は−Z軸方向へ振動する。
検出電極38の屈曲振動の大きさは、作用するコリオリ力の大きさに比例するので、角速度ωの大きさに比例することになる。従って、センサー素子30は、一対の検出電極38が互いに逆相で屈曲振動することから、検出電極38の振動による圧電効果に伴って、検出電極38に生じる電荷、言い換えれば、検出電極38の電極間の電位差(検出信号)を検出することにより、Y軸まわりの角速度ωを導出することができる。
(半導体素子)
次に、電子部品としての半導体素子40について説明する。
半導体素子40は、ベース20の底板21の上面24に、ベース20の平面視において、センサー素子30と重なるように、合成樹脂などの接着剤34で固定され保持されている。
半導体素子40には、トランジスターやメモリー素子などの回路素子(図示せず)および回路配線を含んで構成される集積回路(図示せず)などが配置されている。集積回路には、センサー素子30を駆動振動させる駆動回路(図示せず)、角速度ωなどが加わったときにセンサー素子30の検出電極38に生じる電極間の電圧差(検出信号)を増幅して外部に出力するQVアンプなどの出力回路(図示せず)などが備えられている。ここでのQVアンプとは、容量変化型のチャージアンプのことである。
また、半導体素子40の上面42には、検出信号用端子46a、デジタル信号用端子46b、およびこれらの端子と接続された配線(図示せず)などが設けられている。
検出信号用端子46aは、ワイヤーボンディングによる接続部としてのワイヤー48によって、検出信号用配線26aと電気的に接続されており、デジタル信号用端子46bは、同じく接続部としてのワイヤー48によって、デジタル信号用配線26bと電気的に接続されている。
検出信号用端子46aおよびデジタル信号用端子46bは、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、または、これらを含む合金などによって形成されている。さらに、ワイヤーボンディングにおいて接合性を高めるため、検出信号用端子46aおよびデジタル信号用端子46bの表面にニッケル(Ni)、金(Au)などのめっきを施しておくのが好ましい。
このような構成にすることによって、特に、さびによる接触性、接合性の低下を低減することができる。また、検出信号用端子46aおよびデジタル信号用端子46bは、半田めっき、半田プリコートなどの最表面処理を施したものであってもよい。
(蓋体)
次に、蓋体50について説明する。
蓋体50は、ベース20の開口を封止する平板形状を有しており、材質は底板21および側壁22との熱膨張係数が近似したものが適しており、コバールなどの金属、セラミック、またはガラスなどで形成されている。
ベース20の内部空間29に、センサー素子30および半導体素子40を収納した後、蓋体50がシームリング23を介してベース20(側壁22b)と気密を保って接合される。接合された後、内部空間29を密閉することができるため、センサー素子30を真空(通常の大気圧より低い圧力(1×105Pa〜1×10-10Pa(JIS Z 8126−1:1999))の気体で満たされた空間の状態)、または不活性ガス雰囲気にすることができる。
本実施形態に係る内部空間29は、真空に密閉されているため、センサー素子30のQ値を高めることができる。その結果、安定したセンサー素子30の振動を継続することができ、さらにジャイロセンサー10を低消費電力化することができる。
(金属体)
次に、金属体60について説明する。
本実施形態に係るジャイロセンサー10では、ベース20の平面視において、検出信号用配線26aとデジタル信号用配線26bとの間に、定電位に電気的に接続されている金属体60が配置されている。なお、定電位とは、接地電位(GND)、または基準電位のことを言う。
このように、ジャイロセンサー10は、金属体60が定電位に電気的に接続されていることから、通常状態において、金属体60の電位が安定しており、外部からの影響で電位が一時的に変化した状態になっても、すぐに元の電位に戻り、電位が安定した状態になることが可能である。
金属体60は、蓋体50から内部空間29側に突出(延出)して蓋体50と電気的に接続されて形成されている。本実施形態では、金属体60は、蓋体50から内部空間29側に突出(延出)して蓋体50と一体に形成されている。このように、金属体60が、蓋体50と電気的に接続されて形成されていることによって、蓋体50とともに接地電位となり、金属体60の電位を安定させることができる。
金属体60は、導電体であれば、特に限定されないが、例えば、蓋体50と同じコバール、あるいは、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)などの金属単体、および、ステンレス鋼、真鍮などの各種合金、金属間化合物、各種炭素材料などの導電性が良好な材料が挙げられる。
金属体60のX軸方向の長さ(厚さ)は、ベース20の平面視において、センサー素子30と半導体素子40の上面42に配置されているデジタル信号用端子46bとに重ならない程度になっている。
金属体60のY軸方向の長さ(幅)は、最も−Y軸方向に配置されているデジタル信号用配線26bの−Y軸方向の端部から最も+Y軸方向に配置されているデジタル信号用配線26bの+Y軸方向の端部までの領域を含む長さになっている。
金属体60のZ軸方向の長さ(高さ)は、本実施形態のように、金属体60が蓋体50から延出して蓋体50と一体に形成されている場合には、半導体素子40の上面42に接触しない程度になっている。
また、金属体60が、蓋体50と分離され、代わりに半導体素子40に固定されていてもよい。その場合には、金属体60のZ軸方向の長さは、半導体素子40の上面42から蓋体50に接触するまでの間で適宜延出されている。
ジャイロセンサー10は、センサー素子30に配置されている検出電極38からの微弱な検出信号を増幅して角速度ωを検出している。そのため、ジャイロセンサー10の小型化が進むにつれて、検出信号用配線26aとデジタル信号用配線26bとの間隔が狭くなると、デジタル信号用配線26bから発生する信号ノイズが検出信号用配線26aに影響を与えて容量結合が発生することがある。その結果、ジャイロセンサー10の検出精度を低下させる原因となっていた。
ジャイロセンサー10は、ベース20の平面視において、ジャイロセンサー10の検出信号を伝送する検出信号用配線26aとデジタル信号用配線26bとの間に定電位の金属体60が配置されているので、デジタル信号用配線26bから発生する電界などの信号ノイズをジャイロセンサー10の内部空間29を経由して検出信号用配線26aに到達しにくくすることができる。
また、ジャイロセンサー10は、図1に示すように、平面視において、金属体60より一方側(図1における+X軸方向側)に振動腕35に形成された検出電極38と検出信号用配線26aとの両方が配置され平面視において金属体60より他方側(図1における−X軸方向側)にノイズ信号の発生源となりやすいワイヤー48およびデジタル信号用配線26bが配置されている。
これにより、ワイヤー48またはデジタル信号用配線26bから発生する電界などの信号ノイズをジャイロセンサー10の内部空間29を経由して検出電極38および検出信号用配線26aに到達しにくくすることができる。
以上述べたことから、信号ノイズが検出回路に与える影響、つまり、検出信号用配線26aとデジタル信号用配線26bとの容量結合を低減することが可能になり、角速度ωを高精度に検出できるジャイロセンサー10を得ることができる。
なお、本実施形態に係る金属体60は、1枚の板状に形成されているが、異なる材料で構成された層をX軸方向、またはZ軸方向に2層以上重ねた積層体で構成されていてもよい。また、金属体60のX軸方向の長さ(厚さ)は、Y軸方向に沿って一様でなくてもよく、例えば、信号ノイズを大きく発生するデジタル信号用配線26bの近傍の金属体60のX軸方向の長さ(厚さ)を他の部分と比較して大きくしてもよい。このような構成にすることによって、金属体60を形成する材料を削減し小型化を図り、信号ノイズが検出回路に与える影響を効率的に低減させることができる。
さらに、金属体60は、ベース20の平面視において、センサー素子30とデジタル信号用配線26bとの間の位置に配置されているが、センサー素子30と検出信号用配線26aとの間の位置に配置されていてもよく、また、センサー素子30とデジタル信号用配線26bとの間、センサー素子30と検出信号用配線26aとの間、の両方に配置されていてもよい。
また、金属体60は、直線形状や板形状ではなく、適宜、折れたり曲がったりしていてもよい。このような構成にすることによって、内部空間29に配置されている電子部品などを避けながら金属体60を配置することが可能になる。
<第2実施形態>
[ジャイロセンサー]
次に、第2実施形態に係るセンサーデバイスとしてのジャイロセンサー110を一例に挙げて図4を参照して説明する。なお、上記第1実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図4は、第2実施形態に係るセンサーデバイスとしてのジャイロセンサー110の概略構造を示す平面図である。図4に示すように、本実施形態に係るジャイロセンサー110は、ベース20と、センサー素子30と、電子部品としての半導体素子40と、蓋体50と、金属体160などを備えている。なお、図4においては、ジャイロセンサー110の内部の構成を説明する便宜上、蓋体50を取り外した状態を図示している。
(金属体)
本実施形態に係る金属体160は、半導体素子40の上面の、デジタル信号用配線26bが配置されている領域の周囲3方向、つまり、+Y軸方向、−X軸方向、−Y軸方向を囲むようにして配置されている。具体的には、デジタル信号用配線26bが配置されている領域を基準にして、+Y軸方向側に配置されている金属体161と、−X軸方向側に配置されている金属体162と、−Y軸方向側に配置されている金属体163と、から構成されている。
このとき、金属体160は、金属体161,162,163がそれぞれ単体として形成されていてもよいが、信号ノイズがそれぞれの金属体の隙間から漏れないように、連続体として形成されていることが好ましい。
このような構成にすることによって、デジタル信号用配線26bから電界などの信号ノイズの少なくとも一部が周囲3方向を囲むようにして配置されている金属体160によってシールド効果を高められるため、検出信号用配線26aにさらに到達しにくくすることができる。そのため、信号ノイズが検出回路に与える影響を低減することが可能になることから、角速度ωをさらに高精度に検出できるジャイロセンサー110を得ることが可能になる。
金属体160は、検出信号用配線26aの周囲3方向、つまり、+Y軸方向、−X軸方向、−Y軸方向を囲むようにして配置されているが、これに限定されず、デジタル信号用配線26bの周囲4方向(+Y軸方向、−X軸方向、−Y軸方向、+X軸方向)を囲むように配置されていてもよい。
また、金属体160は、デジタル信号用配線26bの−X軸方向側を含む、いずれか2方向、つまり、+Y軸方向および−X軸方向、または、−X軸方向および−Y軸方向を囲むように配置されていてもよい。さらに、金属体160は、検出信号用配線26aの周囲を多角形状や円形状に囲むように配置されていてもよい。
<第3実施形態>
[ジャイロセンサー]
次に、第3実施形態に係るセンサーデバイスとしてのジャイロセンサー210を一例に挙げて図5、図6を参照して説明する。なお、上記実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、上記実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図5は、第3実施形態に係るセンサーデバイスとしてのジャイロセンサー210の概略構造を示す平面図である。図6は、図5中のB−B線での断面図である。
図5、図6に示すように、本実施形態に係るジャイロセンサー210は、ベース20と、センサー素子30と、電子部品としての半導体素子40と、蓋体50と、金属体260などを備えている。なお、図5においては、ジャイロセンサー210の内部の構成を説明する便宜上、蓋体50を取り外した状態を図示している。
(金属体)
本実施形態に係る金属体260は、半導体素子40の上面42と蓋体50との間の内部空間29において、蓋体50から突出(延出)され、デジタル信号用配線26bの+Z軸方向側を覆うように配置されている。
金属体260の形状は、デジタル信号用配線26bの+Z軸方向側を覆うように配置されていれば、特に限定されることはなく、本実施形態のように、断面がだ円を半分にした形であってもよいし、矩形や多角形であってもよい。
このような構成にすることによって、デジタル信号用配線26bから発生し、内部空間29を経由して伝達する電界などの信号ノイズが、金属体260によってシールド効果を高められるため、内部空間29を経由して検出信号用配線26aにさらに到達しにくくすることができる。そのため、信号ノイズが検出回路に与える影響を低減することが可能になることから、角速度ωをさらに高精度に検出できるジャイロセンサー210を得ることが可能になる。
また、ジャイロセンサー210は、第2実施形態の金属体160と第3実施形態の金属体260とを組み合わせて構成されていてもよい。
<第4実施形態>
[ジャイロセンサー]
次に、第4実施形態に係るセンサーデバイスとしてのジャイロセンサー310を一例に挙げて図7、図8を参照して説明する。なお、上記実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、上記実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図7は、第4実施形態に係るセンサーデバイスとしてのジャイロセンサー310の概略構造を示す平面図である。図8は、第4実施形態に係るセンサー素子330の概略構成を示す平面図である。
図7、図8に示すように、本実施形態に係るジャイロセンサー310は、ベース320と、センサー素子330と、電子部品としての半導体素子40と、蓋体50と、金属体360などを備えている。なお、図7においては、ジャイロセンサー310の内部の構成を説明する便宜上、蓋体50を取り外した状態を図示している。
(センサー素子の構造)
まず、ジャイロセンサー310に搭載されているセンサー素子330の構造について説明する。
本実施形態に係るセンサー素子330は、いわゆるダブルT型と呼ばれる構成で、ジャイロセンサー310は、センサー素子330と蓋体50とが重なるベース320の厚さ方向(Z軸方向)、つまり、Z軸まわりの角速度ωを検出するジャイロセンサーである。
センサー素子330は、基部331と、連結部322a,322bと、駆動部323a,323b,323c,323dと、検出部324a,324bと、を備えている。
具体的には、センサー素子330は、センサー素子330の中央の略直方体の基部331と、基部331の+Y軸方向の端部から+Y軸方向に沿って延出している連結部322aと、基部331の−Y軸方向の端部から−Y軸方向に沿って延出している連結部322bと、を備えている。
センサー素子330は、連結部322aの、基部331とは反対の方向の先端部から、−X軸方向に沿って延出している駆動部323aと、+X軸方向に沿って延出している駆動部323cと、を備えている。
センサー素子330は、連結部322bの、基部331とは反対の方向の先端部から、−X軸方向に沿って延出している駆動部323bと、+X軸方向に沿って延出している駆動部323dと、を備えている。
また、センサー素子330は、基部331の−X軸方向の端部から−X軸方向に沿って延出している検出部324aと、基部331の+X軸方向の端部から+X軸方向に沿って延出している検出部324bを備えている。
駆動部323a〜323dおよび検出部324a,324bの先端部には、基部331側より幅広形状を成す略四角形の錘部336がそれぞれ設けられている。錘部336を設けることによって、駆動部323a〜323dおよび検出部324a,324bは、その長さを短くしても高次振動モードの発生を低減して共振周波数が安定し、その結果、角速度ωの検出感度を安定させることができる。
また、錘部336を設けることによって、質量効果を得て、センサー素子330の小型化を図ることが可能になり、駆動部323a〜323dの共振周波数を低くすることが可能になる。
さらに、錘部336の一部をレーザーなどを用いて削減し共振周波数を調整する際に、調整する周波数の範囲を広くすることが可能になる。なお、錘部336は、必要に応じて複数の幅(Y軸方向の長さ)を有していてもよく、省略してもよい。
センサー素子330は、基部331のベース320側の面(下面)に配置されている4か所の接続電極332において、接合部材33によって半導体素子40の上面42に固定され保持されている。
接続電極332の一部は、駆動電極337に電気的に接続されており、接続電極332の一部は、検出電極338に電気的に接続されている。
接合部材33は、先述したように、Auスタッドバンプで形成されているが、これに限定されることはなく、Auスタッドバンプの他に、銅、アルミやはんだボールなど他の導電性材料でもよい。また、銀粉や銅粉などの導電性フィラーと合成樹脂などとを混合した導電性接着剤でもよい。
(駆動電極、検出電極)
次に、駆動電極337および検出電極338について説明する。センサー素子330には、XY面内で屈曲振動させる駆動電極337と屈曲振動する際に発生する電位差(検出信号)を検出する検出電極338とが備えられている。
具体的には、駆動電極337は、駆動部323a〜323dの上面および下面のY軸方向の中央部と端部に沿って、連結部322a,322bのそれぞれの基部331とは反対の方向の先端部から駆動部323a〜323dの先端部に向かってそれぞれ延出されている。
それぞれの駆動部323a〜323dにおいて、上面の駆動電極337と下面の駆動電極337とは同電位となるように接続されている。
一方、検出電極338は、検出部324a,324bの上面および下面のY軸方向の中央部と端部に沿って、基部331の−X軸方向の端部から検出部324aの−X軸方向に向かって、また、基部331の+X軸方向の端部から検出部324bの+X軸方向に向かってそれぞれ延出されている。
駆動電極337および検出電極338は、基部331の接続電極332、接合部材33を経由して、検出信号用配線26aに電気的に接続されている。
(センサー素子の動作)
次に、センサー素子330の動作について説明する。
センサー素子330は、半導体素子40に設けられている駆動回路(図示せず)から、駆動信号(交番電圧)をセンサー素子330に配置されているの駆動電極337に入力されることにより、駆動部323a〜323dが、逆圧電効果によってY軸方向に沿って交互に所定の周波数で屈曲振動(面内屈曲振動)する。
言い換えれば、駆動部323aおよび323bが互いに離反と接近とを交互に繰り返し、駆動部323cおよび323dが互いに離反と接近とを交互に繰り返すことによって、所定の共振周波数で屈曲振動をする。
そして、屈曲振動している状態で、センサー素子330の面内に垂直な方向、つまり、Z軸方向の回転によるZ軸まわりの角速度ωがセンサー素子330に加わることによって、駆動部323a〜323dの駆動電極337にZ軸方向にコリオリ力が働き、駆動部323aおよび駆動部323bと、駆動部323cおよび323dと、の一対の駆動部は、Z軸方向に、互いに逆方向へ屈曲振動する。
そして、これに連動して、検出電極338もZ軸方向へ屈曲振動する。具体的には、それぞれの検出部324a,324bに設けられている一対の検出電極338のうち、一方の検出部324aに配置されている検出電極338が−Z軸方向へ振動したときに、他方の検出部324bに配置されている検出電極338は+Z軸方向へ振動し、一方の検出部324aに配置されている検出電極338が+Z軸方向へ振動したときに、他方の検出部324bに配置されている検出電極338は−Z軸方向へ振動する。
検出電極38の屈曲振動の大きさは、作用するコリオリ力の大きさに比例するので、角速度ωの大きさに比例することになる。従って、センサー素子330は、検出部324a,324bに配置されている検出電極338が互いに逆相で屈曲振動することから、検出電極338の振動による圧電効果に伴って、検出電極38に生じる電荷、言い換えれば、検出電極338の電極間の電位差(検出信号)を検出することにより、Z軸まわりの角速度ωを導出することができる。
(金属体)
次に、本実施形態に係る金属体360について説明する。
本実施形態に係るジャイロセンサー310では、金属体360が、検出信号用配線26aとデジタル信号用配線26bとの間に、Z軸方向に柱状に延出されている複数個(本実施形態では6個)配置されている。
金属体360は、円柱状に形成されているが、形状は特に限定されることはなく、直方体や六角柱や八角柱などの多角柱形状、あるいは楕円柱状でもよい。
また、金属体360の大きさは、基部331、連結部322a,322b、駆動部323a,323b,323c,323d、検出部324a,324bなどと接触しないように決定する。
このような構成にすることによって、金属体360を板状に形成することが困難な狭い空間においても、デジタル信号用配線26bから発生する電界などの信号ノイズが金属体360によって遮られ、シールド効果が高められ、検出信号用配線26aに到達しにくくすることができる。そのため、検出回路に与える影響を低減することが可能になることから、角速度ωを高精度に検出できるジャイロセンサー310を得ることが可能になる。
<第5実施形態>
[ジャイロセンサー]
次に、第5実施形態に係るセンサーデバイスとしてのジャイロセンサー410を一例に挙げて図9を参照して説明する。なお、上記実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、上記実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図9は、第5実施形態に係るセンサーデバイスとしてのジャイロセンサー410の概略構造を示す平面図である。
図9に示すように、本実施形態に係るジャイロセンサー410は、ベース20と、センサー素子30と、電子部品としての半導体素子440と、蓋体50と、金属体460などを備えている。なお、図9においては、ジャイロセンサー410の内部の構成を説明する便宜上、蓋体50を取り外した状態を図示している。また、本発明の特徴である金属体460を説明する便宜上、センサー素子30も図示を省いている。
(半導体素子)
半導体素子440は、ベース20の底板21の上面24に、ベース20の平面視において、センサー素子30と重なるように、合成樹脂などの接着剤(図示せず)で固定され保持されている。
半導体素子440の上面442には、検出信号用端子46a、デジタル信号用端子46b、およびこれらの端子と接続された配線(図示せず)などが設けられている。
検出信号用端子46aの一部は、センサー素子(図9では図示せず)の駆動電極(図9では図示せず)を駆動させる電流を供給する端子であり、ワイヤーボンディングによる接続部としてのワイヤー48によって、駆動回路用配線26cと電気的に接続されている。
検出信号用端子46aの一部は、センサー素子の検出電極(図9では図示せず)から検出された角速度ωの成分を含む検出信号を伝送する配線であり、ワイヤーボンディングによる接続部としてのワイヤー48によって、検出回路用配線26dと電気的に接続されている。
(金属体)
本実施形態に係る金属体460は、金属体461と金属体462とから構成されている。金属体461は、検出信号用配線26aとデジタル信号用配線26bとの間に配置されており、金属体462は、半導体素子40の上面42に配置されている駆動回路用配線26cと検出回路用配線26dとの間に配置されている。
このような構成にすることによって、デジタル信号用配線26bから発生する電界などの信号ノイズが、金属体461によって遮られ、シールド効果を高められるため、検出信号用配線26aに到達しにくくすることができる。
さらに、駆動回路用配線26cから発生する電界などの信号ノイズが、金属体462によって遮られ、シールド効果を高められるため、検出回路用配線26dに到達しにくくすることができる。
つまり、ジャイロセンサー10の内部空間29に発生する信号ノイズが、検出信号用配線26aおよび検出回路用配線26dなどの検出回路に与える影響を低減することが可能になる。その結果、角速度ωをさらに高精度に検出できるジャイロセンサー410を得ることが可能になる。
[電子機器]
次に、本発明の一実施形態に係るジャイロセンサー10,110,210,310,410(以下、代表してジャイロセンサー10と記載する)を備えている電子機器について、図10〜図12を用いて詳細に説明する。
図10は、電子機器の一例としてのモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。
図10において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1000を備えた表示ユニット1106と、により構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を経由して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、パーソナルコンピューター1100を回転させたときの角度検出としての機能を備えたジャイロセンサー10が内蔵されている。
図11は、電子機器の一例としての携帯電話機(PHSも含む)1200の構成を示す斜視図である。
図11において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204、および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1000が配置されている。このような携帯電話機1200には、携帯電話機1200を回転させたときの角度検出としての機能を備えたジャイロセンサー10が内蔵されている。
図12は、電子機器の一例としてのデジタルカメラ1300の構成を示す斜視図である。なお、図12には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、従来のフィルムカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1000が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1000は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1000に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送、格納される。また、このデジタルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。
そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなデジタルカメラ1300には、デジタルカメラ1300を回転させたときの角度検出としての機能を備えたジャイロセンサー10が内蔵されている。
なお、本発明の一実施形態に係るジャイロセンサー10は、図10のパーソナルコンピューター1100(モバイル型パーソナルコンピューター)、図11の携帯電話機1200、図12のデジタルカメラ1300の他にも、例えば、スマートフォンなどの移動体端末、通信機器、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、タブレット型パーソナルコンピューター、ルーターやスイッチなどのストレージエリアネットワーク機器、ローカルエリアネットワーク機器、移動体端末基地局用機器、テレビ、ビデオカメラ、ビデオレコーダー、カーナビゲーション装置、リアルタイムクロック装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、ヘッドマウントディスプレイ、モーショントレース、モーショントラッキング、モーションコントローラー、PDR(歩行者位置方位計測)などの電子機器に適用することができる。
[移動体]
次に、本発明の一実施形態に係るジャイロセンサー10を備えている移動体について図13を用いて説明する。
図13は、移動体の一例としての自動車1500の構成を示す斜視図である。
自動車1500には本発明の一実施形態に係るジャイロセンサー10が搭載されている。
図13に示すように、移動体としての自動車1500には、ジャイロセンサー10を内蔵することでタイヤ1503などを制御する電子制御ユニット1502が車体1501に搭載されている。
また、ジャイロセンサー10は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS:Antilock Brake System)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ブレーキシステム、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、などの電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)に広く適用できる。
以上、本発明の一実施形態に係るジャイロセンサー10、電子機器、および移動体について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、前述した各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
10…ジャイロセンサー、20…ベース、21…底板、22…側壁、22a…側壁、22b…側壁、22c…上面、23…シームリング、24…上面、25…下面、26a…検出信号用配線、26b…デジタル信号用配線、26c…駆動回路用配線、26d…検出回路用配線、27…配線、28…外部電極、29…内部空間、30…センサー素子、31…基部、32a…接続電極、32b…接続電極、33…接合部材、34…接着剤、35…振動腕、37…駆動電極、38…検出電極、39…引出電極、40…半導体素子、42…上面、46a…検出信号用端子、46b…デジタル信号用端子、48…ワイヤー、50…蓋体、60…金属体、110…ジャイロセンサー、160…金属体、161…金属体、162…金属体、163…金属体、210…ジャイロセンサー、260…金属体、310…ジャイロセンサー、320…ベース、322a…連結部、322b…連結部、323a…駆動部、323b…駆動部、323c…駆動部、323d…駆動部、324a…検出部、324b…検出部、330…センサー素子、331…基部、332…接続電極、336…錘部、337…駆動電極、338…検出電極、360…金属体、410…ジャイロセンサー、440…半導体素子、442…上面、460…金属体、461…金属体、462…金属体、1000…表示部、1100…パーソナルコンピューター、1102…キーボード、1104…本体部、1106…表示ユニット、1200…携帯電話機、1202…操作ボタン、1204…受話口、1206…送話口、1300…デジタルカメラ、1302…ケース、1304…受光ユニット、1306…シャッターボタン、1308…メモリー、1312…ビデオ信号出力端子、1314…入出力端子、1430…テレビモニター、1440…パーソナルコンピューター、1500…自動車、1501…車体、1502…電子制御ユニット、1503…タイヤ。

Claims (5)

  1. 検出電極を備えるセンサー素子と、
    前記検出電極に電気的に接続されている検出信号用配線、およびデジタル信号を伝送するデジタル信号用配線を含むベースと、
    前記ベースに接合される蓋体と、
    前記ベースと前記蓋体との間に配置され、デジタル信号用端子を備える電子部品と、
    前記デジタル信号用配線と前記デジタル信号用端子とを電気的に接続する接続部と、
    前記ベースと前記蓋体との間に配置され、定電位に電気的に接続されている金属体と、を備え、
    前記金属体が、前記ベースの平面視において、前記検出信号用配線と前記デジタル信号用配線との間に配置されていることを特徴とするセンサーデバイス。
  2. 前記金属体は、蓋体から突出していることを特徴とする請求項1に記載のセンサーデバイス。
  3. 前記金属体は、前記ベースの平面視において、前記デジタル信号用配線を囲むように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサーデバイス。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のセンサーデバイスを備えていることを特徴とする電子機器。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のセンサーデバイスを備えていることを特徴とする移動体。
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