JP2016133191A - ショックアブソーバ - Google Patents

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Abstract

【課題】コストや部品種類の増加を抑制しつつ、収縮状態に保持可能なショックアブソーバを提供する。
【解決手段】ショックアブソーバ100は、一端からピストンロッド2が延出するチューブ1と、一端がピストンロッド2の先端側に固定され、開放端がチューブ1側に向かって形成されるアウターカバー3と、ショックアブソーバ100を収縮状態に保持するための保持ブラケット4と、を備え、保持ブラケット4は、チューブ1の外周面に固定される固定部4aと、アウターカバー3から離れる方向に向かって拡がるばね部4bと、を有し、ショックアブソーバ100は、所定長以下まで収縮した状態において、ばね部4bがチューブ1とアウターカバー3との間で圧縮されて収縮状態に保持される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ショックアブソーバに関する。
例えば自動車等に用いられるショックアブソーバにおいて、作動液のキャビテーション防止等のために、チューブ内に圧縮気体を封入することが知られている。このようなショックアブソーバは、圧縮気体の反力により通常は最伸長状態になる。
一方で、ショックアブソーバの搬送効率や自動車等への組付け時の作業性を向上するために、自動車等に組み付けるまではショックアブソーバを収縮状態に保持しておきたいという要求がある。
特許文献1に記載のショックアブソーバは、ピストンロッドをピストンと連結するためのナットに鍔部を一体に設け、シリンダの下端とボトムバルブとの間に設けた係止部材により鍔部を係止することで収縮状態に保持されるようになっている。
特開2000−161488号公報
上記の構造では、ナット、係止部材、及びボトムバルブが専用部品として必要になる。このため、ショックアブソーバのコストや部品種類が増加するという問題がある。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、コストや部品種類の増加を抑制しつつ、収縮状態に保持可能なショックアブソーバを提供することを目的とする。
第1の発明は、ショックアブソーバであって、一端がピストンロッドの先端側に固定され、開放端がチューブ側に向かって形成されるアウターカバーと、ショックアブソーバを収縮状態に保持するための保持ブラケットと、を備え、保持ブラケットは、チューブの外周面に固定される固定部と、アウターカバーから離れる方向に向かって拡がるばね部と、を有し、ショックアブソーバは、所定長以下まで収縮した状態において、ばね部がチューブとアウターカバーとの間で圧縮されて収縮状態に保持されることを特徴とする。
第1の発明では、ショックアブソーバを所定長以下まで収縮させてチューブとアウターカバーとの間でばね部を圧縮すると、ばね部からアウターカバーに作用する反力により、ショックアブソーバが収縮状態に保持される。これによれば、チューブに保持ブラケットを設けるだけで、ショックアブソーバを収縮状態に保持する構造を実現できる。
第2の発明は、ショックアブソーバが最縮長の状態において、保持ブラケットのばね部が、アウターカバーの開放端から突出することを特徴とする。
第2の発明では、ばね部におけるアウターカバーの開放端から突出した部分をチューブ側に押圧すると、ばね部からアウターカバーに作用する反力が減少し、ショックアブソーバの収縮状態の保持が解除される。これによれば、ショックアブソーバの収縮状態の保持を容易に解除できる。
第3の発明は、アウターカバーが、ショックアブソーバが最縮長の状態において、ばね部に係止される被係止部を有することを特徴とする。
第3の発明では、ショックアブソーバが最縮長の状態において、アウターカバーの被係止部がばね部に係止される。これによれば、ショックアブソーバの収縮状態の保持が、搬送中の振動等で意図せずに解除されてしまうことを防止できる。
第4の発明は、保持ブラケットが、チューブの外周面に周方向等分に複数設けられることを特徴とする。
第4の発明では、複数の保持ブラケットのばね部の反力が、アウターカバーに周方向均等に作用する。これによれば、ショックアブソーバを収縮状態に保持する保持力を大きくしつつ、アウターカバーとピストンロッドとの固定部に応力集中が発生することを防止できる。
本発明によれば、コストや部品種類の増加を抑制しつつ、収縮状態に保持可能なショックアブソーバを提供できる。
本発明の実施形態に係るショックアブソーバの部分断面図である。 ショックアブソーバを最縮長にした状態を示す図である。 アウターカバーの溝を示す図である。 保持ブラケットの変形例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態に係るショックアブソーバ100について説明する。
ショックアブソーバ100は、例えば、自動車(図示せず)の車体と車軸との間に介装され、減衰力を発生させて車体の振動を抑制する装置である。
ショックアブソーバ100は、図1に示すように、作動油が封入されるチューブ1と、チューブ1の一端から延出するピストンロッド2と、一端がピストンロッド2の先端側に固定され、開放端がチューブ1側に向かって形成されるアウターカバー3と、チューブ1の外周面に固定される保持ブラケット4と、を備える。
本実施形態では、保持ブラケット4は、チューブ1の外周面に周方向等分4か所に設けられる。
ショックアブソーバ100は、単筒型であってもよいし、複筒型であってもよい。ショックアブソーバ100が単筒型である場合は、チューブ1はシリンダとされる。また、ショックアブソーバ100が複筒型である場合は、チューブ1はアウターチューブとされる。
チューブ1には、作動液が封入されるほか、作動液のキャビテーション防止等のために圧縮気体が封入される。なお、作動液として水等のその他の液体を用いてもよい。
チューブ1におけるピストンロッド2とは反対側の端部には、ショックアブソーバ100を車軸に取り付けるための連結部材1aが設けられる。
ピストンロッド2は、チューブ1に進退自在に挿入される。ピストンロッド2におけるチューブ1から延出する側の端部には、ショックアブソーバ100を車体に取り付けるためのおねじ2aが形成される。
アウターカバー3は、ピストンロッド2の先端側に溶接等で固定される。アウターカバー3は、具体的には、ピストンロッド2に固定される底部3aと、底部3aからチューブ1側に向かって形成される筒部3bと、を有する。
筒部3bは、ショックアブソーバ100が最伸長状態のときに、ピストンロッド2を完全に覆うように長さ寸法が設定される。これにより、アウターカバー3は、自動車の走行中にピストンロッド2を飛び石等から保護する。
本実施形態では、アウターカバー3は、図1に示すように、底部3aと筒部3bとが一体に成形されている。アウターカバー3の構造は、例えば、底部3aとしての円盤状部材に、筒部3bとしての筒状部材を溶接等で固定する構造としてもよい。
保持ブラケット4は、チューブ1の外周面に溶接等で固定される。保持ブラケット4は、具体的には、チューブ1の外周面に固定される固定部4aと、アウターカバー3から離れる方向に向かって拡がるばね部4bと、を有する。
図1に示すように、ばね部4bにおけるチューブ1の外周面から最も離れた位置までの距離D1は、チューブ1の外周面からアウターカバー3の内周面までの距離D2よりも大きくなるように設定される。つまり、ばね部4bは、アウターカバー3の内周面よりもチューブ1から離れた位置まで拡がるように形成されている。
ショックアブソーバ100の軸方向における保持ブラケット4がチューブ1に固定される位置は、ショックアブソーバ100を所定長以下まで収縮させた状態で、図2に示すように、チューブ1とアウターカバー3との間で保持ブラケット4のばね部4bが圧縮される位置とされる。
ショックアブソーバ100の所定長は、ショックアブソーバ100が自動車に取り付けられた状態での最縮長、すなわち、ショックアブソーバ100の実際の使用上の最縮長よりも短い長さである。これにより、自動車の走行中に、保持ブラケット4のばね部4bとアウターカバー3とが当接することがないようになっている。
続いて、ショックアブソーバ100を上記のように構成することによる作用効果について説明する。
上述したように、ショックアブソーバ100のチューブ1には、圧縮気体が封入されている。このため、ショックアブソーバ100は、圧縮気体の反力によりピストンロッド2がチューブ1から退出し、通常は最伸長状態になる。
一方で、ショックアブソーバの搬送効率や自動車等への組付け時の作業性を向上するために、自動車等に組み付けるまではショックアブソーバを収縮状態に保持しておきたいという要求がある。
そこで、本実施形態のショックアブソーバ100は、保持ブラケット4を備えることで、ショックアブソーバを収縮状態に保持できるようになっている。
上述したように、ショックアブソーバ100を所定長以下まで収縮させた状態では、チューブ1とアウターカバー3との間で保持ブラケット4のばね部4bが圧縮される。
これにより、ばね部4bの反力がアウターカバー3に作用し、ばね部4bとアウターカバー3との間に摩擦力が発生する。この摩擦力は、チューブ1に封入された圧縮気体がピストンロッド2をチューブ1から退出させる力に対抗する力、すなわち、ショックアブソーバ100を収縮状態に保持する力である。
よって、ショックアブソーバ100を収縮状態に保持するには、ばね部4bとアウターカバー3との間に発生する摩擦力が、チューブ1に封入された圧縮気体がピストンロッド2をチューブ1から退出させる力よりも大きくなるように設定すればよい。
摩擦力は、例えば、ばね部4bにおけるチューブ1から最も離れた位置までの距離D1を大きくすることで大きくできる。
本実施形態では、上述したように、保持ブラケット4が、チューブ1の外周面に周方向等分4か所に設けられている。この場合は、4つの保持ブラケット4の各ばね部4bとアウターカバー3との間にそれぞれ発生する摩擦力の合計が、チューブ1に封入された圧縮気体がピストンロッド2をチューブ1から退出させる力よりも大きくなるようにすればよい。
保持ブラケット4の数を多くすれば、ショックアブソーバ100を収縮状態に保持する保持力を大きくできる。また、ショックアブソーバ100を収縮状態に保持できるのであれば、保持ブラケット4を3つ以下にしてもよい。
なお、4つの保持ブラケット4をチューブ1の外周面に周方向等分に設けているのは、各ばね部4bの反力をアウターカバー3に周方向均等に作用させるためである。これによれば、アウターカバー3とピストンロッド2との固定部に応力集中が発生することを防止できる。
以上述べたように、ショックアブソーバ100は、所定長以下まで収縮させてチューブ1とアウターカバー3との間でばね部4bを圧縮すると、ばね部4bからアウターカバー3に作用する反力により、収縮状態に保持される。
このように、本実施形態によれば、チューブ1に保持ブラケット4を設けるだけで、ショックアブソーバ100を収縮状態に保持する構造を実現できる。つまり、コストや部品種類の増加を抑制しつつ、収縮状態に保持可能なショックアブソーバを提供できるのである。
また、保持ブラケット4は、図2に示すように、ショックアブソーバ100が最縮長の状態において、ばね部4bがアウターカバー3の開放端から突出するように設けられる。
このため、ばね部4bにおけるアウターカバー3の開放端から突出した部分をチューブ1側に押圧すると、ばね部4bからアウターカバー3に作用する反力が減少し、ショックアブソーバ100の収縮状態の保持が解除される。これによれば、ショックアブソーバ100の収縮状態の保持を容易に解除できる。
なお、図2に示すショックアブソーバ100の最縮長は、ショックアブソーバ100単体での最縮長(以下、単体最縮長という。)であり、上述したショックアブソーバ100の実際の使用上の最縮長とは異なる。
また、図3に示すように、アウターカバー3の筒部3bの内周面に、ショックアブソーバ100が単体最縮長の状態において、ばね部4bに係止される被係止部としての溝3cを設けてもよい。
これによれば、ショックアブソーバ100の収縮状態の保持が、搬送中の振動等で意図せずに解除されてしまうことを防止できる。
なお、ばね部4bに係止される被係止部として、例えば、筒部3bの内周面に凸部を設けてもよいし、筒部3bを貫通する孔を設けてもよい。また、被係止部としての溝3c或いは凸部は、筒部3bを折り曲げて変形させることで設けてもよい。
また、保持ブラケットの形状は、様々に変更可能である。例えば、図4に示す保持ブラケット5のように、固定部5aとばね部5bとを反対側に折り曲げて形成してもよい。これによれば、保持ブラケット5を小さくできるので、ショックアブソーバ100の軸方向における保持ブラケット5をチューブ1に固定する位置の設定自由度が向上する。
また、保持ブラケット4、5をチューブ1の外周面に複数設ける場合は、それぞれの固定部4a、5aを周方向に繋げて一体に設けてもよい。これによれば、保持ブラケット4、5をチューブ1の外周面に固定するための溶接等を容易に行うことができる。
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
ショックアブソーバ100は、一端からピストンロッド2が延出するチューブ1と、一端がピストンロッド2の先端側に固定され、開放端がチューブ1側に向かって形成されるアウターカバー3と、ショックアブソーバ100を収縮状態に保持するための保持ブラケット4、5、6と、を備え、保持ブラケット4、5、6は、チューブ1の外周面に固定される固定部4a、5a、6aと、アウターカバー3から離れる方向に向かって拡がるばね部4b、5b、6bと、を有し、ショックアブソーバ100は、所定長以下まで収縮した状態において、ばね部4b、5b、6bがチューブ1とアウターカバー3との間で圧縮されて収縮状態に保持されることを特徴とする。
この構成では、ショックアブソーバ100を所定長以下まで収縮させてチューブ1とアウターカバー3との間でばね部4b、5b、6bを圧縮すると、ばね部4b、5b、6bからアウターカバー3に作用する反力により、ショックアブソーバ100が収縮状態に保持される。これによれば、チューブ1に保持ブラケット4、5、6を設けるだけで、ショックアブソーバ100を収縮状態に保持する構造を実現できる。よって、コストや部品種類の増加を抑制しつつ、収縮状態に保持可能なショックアブソーバ100を提供できる。
また、保持ブラケット4、5、6のばね部4b、5b、6bは、ショックアブソーバ100が単体最縮長の状態において、アウターカバー3の開放端から突出することを特徴とする。
この構成では、ばね部4b、5b、6bにおけるアウターカバー3の開放端から突出した部分をチューブ1側に押圧すると、ばね部4b、5b、6bからアウターカバー3に作用する反力が減少し、ショックアブソーバ100の収縮状態の保持が解除される。これによれば、ショックアブソーバ100の収縮状態の保持を容易に解除できる。
また、アウターカバー3は、ショックアブソーバ100が単体最縮長の状態において、ばね部4b、5b、6bに係止される被係止部(溝3c)を有することを特徴とする。
この構成では、ショックアブソーバ100が単体最縮長の状態において、アウターカバー3の被係止部(溝3c)がばね部4b、5b、6bに係止される。これによれば、ショックアブソーバ100の収縮状態の保持が、搬送中の振動等で意図せずに解除されてしまうことを防止できる。
また、保持ブラケット4、5は、チューブ1の外周面に周方向等分に複数設けられることを特徴とする。
この構成では、複数の保持ブラケット4、5のばね部4b、5bの反力が、アウターカバー3に周方向均等に作用する。これによれば、ショックアブソーバ100を収縮状態に保持する保持力を大きくしつつ、アウターカバー3とピストンロッド2との固定部に応力集中が発生することを防止できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体例に限定する趣旨ではない。
100・・・ショックアブソーバ、1・・・チューブ、2・・・ピストンロッド、3・・・アウターカバー、3c・・・溝(被係止部)、4・・・保持ブラケット、4a・・・固定部、4b・・・ばね部、5・・・保持ブラケット、5a・・・固定部、5b・・・ばね部、6・・・保持ブラケット、6a・・・固定部、6b・・・ばね部、6c・・・カバー部

Claims (4)

  1. ショックアブソーバであって、
    一端からピストンロッドが延出するチューブと、
    一端が前記ピストンロッドの先端側に固定され、開放端が前記チューブ側に向かって形成されるアウターカバーと、
    前記ショックアブソーバを収縮状態に保持するための保持ブラケットと、
    を備え、
    前記保持ブラケットは、
    前記チューブの外周面に固定される固定部と、
    前記アウターカバーから離れる方向に向かって拡がるばね部と、
    を有し、
    前記ショックアブソーバは、所定長以下まで収縮した状態において、前記ばね部が前記チューブと前記アウターカバーとの間で圧縮されて収縮状態に保持される、
    ことを特徴とするショックアブソーバ。
  2. 請求項1に記載のショックアブソーバであって、
    前記保持ブラケットの前記ばね部は、前記ショックアブソーバが最縮長の状態において、前記アウターカバーの前記開放端から突出する、
    ことを特徴とするショックアブソーバ。
  3. 請求項1又は2に記載のショックアブソーバであって、
    前記アウターカバーは、前記ショックアブソーバが最縮長の状態において、前記ばね部に係止される被係止部を有する、
    ことを特徴とするショックアブソーバ。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のショックアブソーバであって、
    前記保持ブラケットは、前記チューブの前記外周面に周方向等分に複数設けられる、
    ことを特徴とするショックアブソーバ。
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