以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1及び第2の手段を適用した書棚の一実施例の側面断面図を示す。シールド材として、断熱材400rを使用した場合の書棚である。
一般の住宅の多くは、断熱と防音が主要なシールドの目的になるので、断熱材400rには、断熱性能と防音性能が期待できて、充填作業も比較的容易な、セルロースファイバーなどを使用してもよい。
セルロースファイバーの場合は、繊維が自重の重さで時間とともに圧縮して上部に大きなスペース(シールドの欠陥)が生じる場合もあるので、例えば、セルロースファイバーが、圧縮しても、上部には、自然対流の生じにくい厚み12mm程度以下の空気層が生じて、空気層の断熱部分が生じるようにするとか、硬化する接着材を、ガス状あるいはミスト状あるいは液体で、セルロースファイバーの繊維に付着させて、充填後に硬化させるなどの圧縮対策を施すようにしてもよい。
厚み12mm程度以下の空気層を生じさせる場合は、壁などの上部に、薄い断熱板を12mm程度以下の隙間の間隔で図16に示す窓板400Maのように複数枚設けて、施工時はセルロースファイバーを薄い断熱板の作る12mm程度以下の隙間の間にも充填させると、セルロースファイバー全体が圧縮しても、上部には12mm程度以下の隙間の空気層の断熱部分が生じるようにできる。
天井とか、床ユニットの水平な部分では、断熱シールド全体の厚みを、薄い断熱板で分割して、分割した1つの層で、セルロースファイバーが最長の使用期間で生じる最大の圧縮が生じた時に、上部に生じる空気層の厚みが12mm程度以下の隙間になるように、薄い断熱板で分割するようにすれば。上部には12mm程度以下の隙間の空気層の断熱部分が生じるようにできる。
断熱と防音が主要な目的の断熱材400rとしては、その他、セルロースファイバーなしで、全てのシールドしたい面に、薄い断熱板を12mm程度以下の隙間の間隔で図16の窓板400Maのように複数枚設け、多層の空気層で断熱して、多層のある程度の重量のある薄い断熱板で防音するようにしてもよい。
例えば、密度30kg/m3の厚さ190mmのセルロースファイバーに相当する断熱性となる空気層は、12mm×11層の132mm程度で、薄い断熱板は1mm程度の木製の薄板×10枚の層で、セルロースファイバーに相当する重量密度となるので、シールドの全体厚みは、142mm程度で、セルロースファイバー190mmよりも薄くできる。
複数枚の薄い断熱板を12mm程度以下の隙間の間隔で保持させる構造としては、複数枚の薄い断熱板と直交させる方向に、複数枚の薄い断熱板を挟み込むスリットを設けた薄い断熱板を周囲の数か所に設ける簡単な施工で12mm程度以下の隙間の間隔を保持させてもよい。直交させて挟み込む薄い断熱板は、空気層以外の熱伝導部材となるため、プラスチックとか、木材など、断熱性のよい部材で、できるだけ、薄くして、挟み込む個所数も少なくするのがよい。
断熱と防音が主要な目的の断熱材400rとしては、その他、断熱性のよい材料でできた、内部に空気の空洞のある筒状のストロー部材を、シールドした方向と直交する方向に密に詰めるようにしてもよい。スリットを設けた薄い断熱板を直交させて保持させる必要ないので、施工をより簡単にできる。ストロー部材の空洞は、直径12mm程度以下として、互いに隣り合うストローの部材は接触して、空気層以外の熱伝導部材となるため、プラスチックとか、木材など、断熱性のよい部材で、できるだけ、薄くするのがよい。
内部に空気の空洞のある筒状のストロー部材は、予め、互いに隣り合う複数本を接着して大きなブロック状に形成しておき、必要な形状に切り出して、断熱材400rのスペースに組み込むようにしてもよいし、ストロー部材の断面は、円形以外の三角形とか、多角形、ハニカム構造としてもよい。
シールド付書棚ユニット400B2C(1)は、両側の側板400B2C2を上板400B2C1、底板400B2C3、3枚の棚板400B2C6、後ろを背板400B2C4、その手前を2枚の中板400B2C5で接続して、箱型の構造に組み立てられている。
それぞれの板の部材は、木材などでよい。組み立ては、それぞれの部材の板を接着剤とか、木ネジ等で接続固定して一体化している。勿論、それぞれの部材の板、さらには、断熱材400rも薄いケーシングに収納するなどしてユニット化して、使用する場所までの運搬時体積を小さくして、運搬し易くして、使用する場所で組み立てるようにしてもよい。
また、それぞれの板の部材は、プラスチック板でもよいし、予め、棚の全体あるいは一部が一体成形されたプラスチック製の部品としてもよい。また、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)とか、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)等で製作してもよい。また、それぞれの板の部材とか、断熱材なども、中空の構造で、薄板あるいはフィルム状の部材で製作し、折り畳むとか、内部の空気を抜くなどして、運搬時体積をより一層小さくして、携帯し易くして、使用する場所で、折り畳み状態から復元させるとか、内部に空気を注入して復元させるなどして、組み立てるようにしてもよい。断熱材を薄板あるいはフィルム状の部材で製作する場合は、多層の空気層で断熱性を高めることも容易にできる。また、薄板あるいはフィルム状の部材で製作する場合の接続手段は、点や線や面のファスナー等、しっかりと接続でき、運搬時体積を小さくできる、着脱も容易な接続手段がよい。
さらに、プラスチック以外のゴムや金属など、他の目的のシールド性能を有する部材との複合部材として、接合してもよいし、複数台を同一仕様で効率良く一体成形してもよいし、少しずつ設計内容を変更しながらも、容易に製作できる3D(3次元)プリンタを用いて一体成形してもよい。
3D(3次元)プリンタでの一体成形では、印刷する素材を切り替えながら、断熱材とか、側板などの部材も含めて、全体を一体成形してもよい。
また、側板、上板、底板、棚板には、必要個所に、通線用の開口部とか、切り欠き等を設け、配線の必要な機器を収納する場合でも、離れた機器と機器との配線がシールド付書棚ユニット等の中で整然とできるようにしてもよい。
断熱材400rは、左右の側板400B2C2、上板400B2C1、底板400B2C3と、後ろ側の中板400B2C5が作る空間の中に充填されており、その手前(内側)に換気用の通気スペース400B2C7が設けられる。
左右の側板400B2C2、上板400B2C1、底板400B2C3には、上下左右の別の書棚あるいは別の部材とボルト締結可能とする側板ボルト穴400B2C8b、上板ボルト穴400B2C8a、底板ボルト穴400B2C8cが設けられている。
底板400B2C3の下側には、接続の状態をイメージしやすくするため、シールド付床ユニット400B3G(1)を二点鎖線で示してある。
一般の収納庫あるいは家具は奥行きがあり、2本の締結ボルトの間隔は広めにとれるため、内側からの締結作業のみでも容易に組み立て可能にできる。ボルト締結時に工具や手が入る空間も確保しやすい。
2本のボルトを奥行き方向に大きな間隔で締付けることで、シールド材のある外側の接続面が開こうとする力に対しても、押さえこむのに十分な大きさのモーメントを生じさせることができ、シールド材の外側の接続面も強く密着させて接続することができる。
また、左右の側板400B2C2、上板400B2C1、底板400B2C3には、上下左右の別の書棚あるいは別の部材の通気スペースと連通状態で接続可能とする横開口部400B2C7b、上開口部400B2C7a、下開口部400B2C7cが予め設けられている。
予めの状態は開口状態なので、そのまま接続すれば、連通状態での接続ができ、開口部を閉止して接続すれば、閉止状態での接続ができるようになっている。閉止する場合には、薄いフィルムなどを貼ることで、容易に閉止できる。
薄いフィルムも予め所定の大きさで周囲の部分のみに接着剤が付いているシール状にして準備しておき、現場で組立てながら、連通状態にするか、閉止状態にするかを決めながら組み立ててもよいし、事前に換気用通気スペースの接続状態を検討してから、組み立てるようにしてもよい。
勿論、開口部にシャッタ機構を設けて、開閉可能にして、接続できるようにしてもよいし、予め、部品加工前に、換気用通気スペースの最適な接続状態を設計して、その結果を反映して工場製作するようにしてもよい。
開口部の大きさ、位置、員数などは、生産する書棚などを隣り合う書棚、その他の部材と組み合せる場合において、換気用通気スペースの最適な接続状態を実現する解となりえる全ての候補の大きさ、位置、員数などにしてもよいし、その中から多くを網羅する主要な大きさ、位置、員数などに絞り込んだものとしてもよい。
また、シールド付書棚ユニット400B2C(1)の一番下の棚板400B2C6の下の空間は、部屋の換気に利用できる通気スペースとして、手前の中板400B2C5に開口部を設け、シールド材の内側に設けた通気スペース400B2C7と連通させ、正面には換気グリル400B2C9を設けてある。また、棚板400B2C6の手前の部分がないものは羽目板となり、壁以外の天井や床にも設置可能となる。
そして、棚板400B2C6の代わりに他の部材を組み付けることで、机やベッド、天井照明、収納、床コタツ、椅子、テーブル、テレビ置台、サイドボード、ステレオ音響機器、冷蔵庫、電子調理器、テレビ、スクリーン、液晶モニタによる電子窓、観賞用水槽、養殖水槽、3D(3次元)プリンタなどの家庭用製造装置、養鶏や養豚の檻と餌供給装置などを備えた装置、細胞の培養装置、野菜工場の棚などにしてもよい。また、本発明の実施例の説明では、建築構造物の部屋を一つの代表的な実施例として説明しているが、円筒や球などの空間では、円筒や球に沿った曲率の背板にするなどして、自動車やトラック、列車、船、潜水艦、飛行機、ロケット、宇宙船などの部屋とか、家具、収納庫などにも適用してよい。
また、シールド付書棚ユニット400B2C(1)の換気グリル400B2C9は、必要な部位に取り付け可能なオプション部品にして、シールド付書棚ユニットは標準化して、同じユニットで、壁以外の天井や床も組み立て可能にしてもよい。この場合、壁と床、壁と天井、壁と壁のコーナー部分では、上板400B2C1とか、側板400B2C2とか、底板400B2C3と接続可能な接続板をオプション部品として、側板と上板(あるいは底板)と棚板の作る部屋の内側の空間部分の棚の開口部を塞ぐように取り付け可能として、塞いだ空間の内部にも、コーナー部分のシールド欠落を補う補助シールド材をオプション部品として取り付け可能にしてもよい。また、中板400B2C5を1枚板にして、通気スペース400B2C7のないシールド付書棚ユニットも標準化し、通気スペース400B2C7を利用した給・排気系統を設けなくてもよいエリアには、通気スペースのない、標準品を使い分けられるようにしてもかまうものではない。そして、床と天井の部分は、棚板の部分の空間を塞ぐ、敷板とか床の部品、天井板なども標準化して、取り付け可能にするとともに、窓や出入口の開口部には、標準化した窓ユニットとか、扉ユニットなどの取り付け可能なアタッチメントをオプション部品として、取り付け可能としてもよい。
次に、図2を用いて、この書棚の使用例を説明する。図2は、図1のA−A断面図を示す。図1の書棚を仕切り板などの部品を使用しないで、そのまま組み立て、換気用空気流路を設定する場合の一例である。
シールド付書棚ユニット400B2C(1)の下には、シールド付床ユニット400B3G(1)が接続され、上には、シールド付書棚ユニット400B2C(2)が接続され、その上には、シールド付天井ユニット400B1Cが接続されている。
シールド付書棚ユニット400B2C(2)は、シールド付書棚ユニット400B2C(1)と同じものをさかさまに取り付けている。また、左右にも同じ構成で接続して、1面の壁と床と天井を成している。
シールド付床ユニット400B3G(1)〜(3)の通気スペースは、横方向に連通状態に接続して排気系統に利用するが、シールド付書棚ユニット400B2Cと、シールド付天井ユニット400B1Cの側板の開口部は、閉止プレート400B2C10により閉止状態にしてあり、それぞれ上下方向のみ連通状態で接続し、給気系統と排気系統が交互に隣り合うように構成してある。
シールド付書棚ユニット400B2C(2)の上のシールド付天井ユニット400B1Cからは、給気が送られてきて、送られてきた給気はそのまま、下方へ流れて、シールド付書棚ユニット400B2C(1)の下側の換気グリル400B2C9から部屋の中へ給気されるようになっている。
シールド付書棚ユニット400B2C(2)の右側の隣のシールド付書棚ユニットの上のシールド付天井ユニットからは、排気が送られてきて、シールド付書棚ユニットの上側の換気グリル400B2C9からも排気を取り込み、合流した排気はそのまま、下方へ流れ、シールド付床ユニット400B3G(2)から排気系統へ排出されるようになっている。
部屋全体の給排気系統がイメージしやすいように、図の下には、部屋の給排気系統の一例としての鳥瞰図を示している。シールド付床ユニット400B3Gの通気スペースを横に連通状態にして、実線で示した給気系統6Sfと点線で示した排気系統6Seを構成し、シールド付書棚ユニットとシールド付天井ユニットの通気スペースを利用して、給気系統と排気系統を交互に接続している。
給気系統6Sfの入り口からは、給気6fが送り込まれて、換気グリル400B2C9から部屋の中へ給気され、部屋の中の空気は、別の換気グリル400B2C9から排気され、排気系統6Seの出口から、排気6eとして排出される構成となっている。
このように、シールド材の内側に設けた通気スペースを利用することで、換気用の給排気系統を容易に構成できる。また、給排気系統を交互に隣り合うようにしたことで、側板を介して、給気と排気の熱交換も容易に行うことができる。
図3は、通気スペースに仕切板を設けた書棚の一実施例を示す。書棚を大きくして、通気スペースの中に、仕切り板を設け、換気用の空気流路を設定する場合の一例である。
大きなサイズのシールド付書棚ユニット400B2C(1)の下には、シールド付床ユニット400B3G(1)、(2)が接続され、上には、シールド付天井ユニット400B1Cが接続されている。
シールド付書棚ユニット400B2C(1)の左側も、同じ構成で接続され、1面の壁と床と天井を成している。右側は、部屋の端部で、部屋の長さに合せる調整を兼ねて、幅が約半分のサイズのシールド付書棚ユニット400B2C(2)が、接続されている。
シールド付書棚ユニット400B2C(1)(2)の通気スペースの内部には、仕切板400B2C11(1)(2)が組み込まれ、給気系統と排気系統を分けている。
シールド付床ユニット400B3G(1)〜(3)の通気スペースは、横方向に連通状態に接続して排気系統に利用するが、途中に、仕切板400B3G11を設け、引き込んだ排気を、シールド付書棚ユニット400B2C(1)の中へ戻してから、もう一度、引き込むようにしてある。
シールド付書棚ユニット400B2C、シールド付天井ユニット400B1C、シールド付床ユニット400B3Gの側板、上板、底板に予め設けられた開口部は、給排気系統の流れに応じて、不要な開口部は、閉止プレート400B2C10により閉止状態にして、給気系統と排気系統は、熱交換のため、交互に隣り合うように構成してある。
シールド付書棚ユニット400B2C(1)の上のシールド付天井ユニット400B1Cからは、給気6fが送られてきて、送られてきた給気6fはそのまま、下方へ流れて、図には示されていないが、シールド付書棚ユニット400B2C(1)の下側に設けられた換気グリル400B2C9から部屋の中へ給気されるようになっている。
シールド付書棚ユニット400B2C(1)の右上の側板の開口部からは、隣のシールド付書棚ユニットからの、排気6eが送られてきて、図には示されていないが、シールド付書棚ユニットの上側に設けられた換気グリル400B2C9からも排気を取り込み、合流した排気はそのまま、下方へ流れ、シールド付床ユニット400B3G(1)からシールド付床ユニット400B3G(2)の排気系統へ流れて、再び、シールド付書棚ユニット400B2C(1)の内部の排気系統を流れて、往復してから、シールド付床ユニット400B3G(3)の排気系統6Seの出口から排出されるようになっている。
排気系統6Seは、シールド付床ユニット400B3G(3)の排気系統6Seの出口の手前で分岐して、シールド付書棚ユニット400B2C(2)の内部を通って、シールド付天井ユニット400B1Cの通気スペースを仕切板400B1C11で仕切られた排気系統からも、排出されるようになっている。2個所からの排気により、排気流量を増やすことができる。
シールド付書棚ユニット400B2Cの上と下には、図には示されていないが、数多くの換気グリル400B2C9が設けられているので、各換気グリル400B2C9に絞りを設けるとか、フィルタなどの枚数を変えるなどして、背圧を調整して、各換気グリルからの排気と給気の空気の流れの量が、それぞれ同じ程度になるように調整するのがよい。
このように、大きなサイズのシールド付書棚ユニットにして、現場での接続作業を簡単にしても、内部に仕切板を設けることで、通気スペースを利用して、換気用の給排気系統を容易に構成できる。また、給排気系統を交互に隣り合うようにすることで、側板や仕切板を介して、給気と排気の熱交換も容易に行うことができる。
更に、仕切板の枚数を増やして、多くの面積で給気と排気の熱交換ができるようにして、熱交換の効率を高めるようにしてもよい。仕切板は、書棚の強度部材ではないので、薄い紙などの部材で構成し、熱交換の効率を高めるとともに、給排気の湿気(水分)の交換も行えるようにしてもよい。
図4は、本発明の第3の手段を適用した書棚の正面から見た断面図で、通気スペースの中に給排気用の管を配設した書棚の一実施例を示す。管内を吸気用、管外側の通気スペースを排気用として利用して空気流路を設定した場合の一例である。
シールド付書棚ユニット400B2C(1)の下には、シールド付床ユニット400B3G(1)が接続され、上には、シールド付天井ユニット400B1Cが接続されている。
シールド付書棚ユニット400B2C(1)の左側も、同じ構成で接続され、1面の壁と床と天井を成している。右側は、部屋の端部で、部屋の長さに合せる調整を兼ねて、幅が約半分のサイズのシールド付書棚ユニット400B2C(2)が、接続されている。
シールド付天井ユニット400B1Cの通気スペースは、横の方向に連通状態に接続して給気系統に利用されている。そして、右側の終端部は閉止してある。
シールド付書棚ユニット400B2C(1)(2)の通気スペースの内部には、給気系統を構成する紙管400B2C12が組み込まれ、紙管以外の部分を排気系統に分けている。
紙管400B2C12の代わりに、仕切板で同様の吸排気系統を構成することもできるが、紙管の場合、管になっているので、両端部以外はシール性があり、両端についても、丸い穴に挿入するだけで接続ができるので、吸排気系統を容易に構成できる。
シールド付床ユニット400B3G(1)(2)の通気スペースは、紙管からの給気を、図には示されていないが、シールド付書棚ユニット400B2Cの下側に設けられた換気グリル400B2C9から部屋の中へ給気するバイパスに利用しているので、側板の開口部は閉止プレート400B2C10にて閉止してある。
排気系統は、シールド付書棚ユニット400B2Cの下部に横方向に連通状態で設けられている。排気6eは、図には示されていないが、シールド付書棚ユニット400B2Cの上側の換気グリル400B2C9から吸い込まれて、通気スペースを下へ流れて、下部の排気系統で合流し、一括に右側へ排気される構成となっている。
シールド付書棚ユニット400B2Cの上部の側板開口部は、吸引のバランスを考慮して連通状態にしてあるが、下部の側板開口部は、それぞれの排気6fがそのまま上から下へ流れるように、閉止プレート400B2C10にて閉止状態にしてある。
図5は、図4のB−B断面図を示す。シールド付書棚ユニット400B2C(1)の通気スペース400B2C7には、紙管400B2C12が組み込まれている。
シールド付天井ユニット400B1Cの通気スペースは、連通状態にして、給気系統に利用されているが、紙管400B2C12は、シールド付書棚ユニット400B2C(1)の上板400B2C1に設けられた、給気系統と連通した上開口部400B2C7aに挿入されている。
紙管400B2C12の下側の端部は、シールド付床ユニット400B3G(1)の通気スペースと連通している下開口部400B2C7cに挿入される。
紙管400B2C12の取り付けは、上開口部400B2C7aの中へ、 シールド付天井ユニット400B1Cの通気スペースまで挿入して、下開口部400B2C7cの穴直径は小さめにしておくことにより、紙管400B2C12を下へ下げれば、下開口部400B2C7cの穴手前で位置決めされて、挿入セッティングを容易に行うことができる。
紙管400B2C12を、上あるいは下の開口部へ挿入した時、大きな隙間の生じる場合は、紙管の端部にテーピングを施して、紙管の外径を調整してもよいし、ゴム製ブッシュなどを使用して、できるだけ隙間の生じないように挿入するのがよい。
棚板400B2C6と手前の中板400B2C5は、一体に組み立てられており、着脱式棚支持具400B2C6Sを外すことで、手前に一体で出せる構造にしてあるので、紙管400B2C12の取り付け交換作業が容易に行える。
シールド付天井ユニット400B1Cの通気スペースから送られる給気は、紙管400B2C12の中を通って、シールド付床ユニット400B3G(1)の通気スペースを経由して、シールド付書棚ユニット400B2C(1)の換気グリル400B2C9から部屋の中へ給気される。
シールド付書棚ユニット400B2C(1)の下部には、仕切板400B2C11により、排気系統の通路が構成され、横開口部400B2C7bにより、隣り合う別のシールド付書棚ユニットと連通状態で接続されている。
シールド付書棚ユニット400B2C(1)の上部の換気グリル400B2C9から吸引される排気6eは、紙管400B2C12の両側の通気スペース400B2C7を通って、下へ流れて、仕切板400B2C11により構成された排気系統の通路へ吸引され、合流して排気される。
このように、通気スペースの中に紙管を交換可能な構造で組み込むことで、換気用の給気と排気の全熱交換も容易に行うことができる。
紙管や中板の組み立て時の接合面は、一般住宅の換気であれば、給気と排気が多少リークしても問題ないので、木材等の部材を押しあてる程度で十分であるが、給気と排気が多少なりともリークさせたくない場合は、接合面からもリークしないよう、接合面にパッキンなどを設けるようにしても良い。
また、紙管の長さと棚の幅寸法の関係で、紙管の組み込みが困難となる場合には、紙管の下側は、底板400B2C3の開口部400B2C7cを給気用グリル400B2C9の直近の上板に開口部を設け、紙管を差し込むようにして、給気6fをシールド付床ユニット400B3Gの通気スペースをバイパスさせることなく、直接的に給気用グリルへ供給するようにして、排気6eは、シールド付床ユニット400B3Gの通気スペースへ吸引して、シールド付床ユニット400B3Gの通気スペースを排気系統にしてもよい。
また、紙管400B2C12を、直径の異なる複数の管を伸縮するようにすき間無く接続して、棚の中に組み込む時に、短くして、奥に入れてから長く伸ばすようにしてもよい。
次に、図6〜図10を用いて、本発明の第4及び第5の手段を適用した書棚の一実施例を説明する。図6は、換気用の延長ダクトの接続可能な吸気口と排気口を外側に設けた書棚の側面断面図を示す。吸気口と排気口を1つの貫通スリーブに設けた一例である。
基本的な構造は、図5の書棚と同じである。シールド付書棚ユニット400B2C(1)の下には、シールド付床ユニット400B3G(1)が接続され、上には、シールド付天井ユニット400B1Cが接続されており、シールド付書棚ユニット400B2C(1)の通気スペース400B2C7には、紙管400B2C12が組み込まれている。
このシールド付書棚ユニット400B2C(1)には、換気用の吸気口と排気口を外側に設けるため、断熱材400rを貫通する貫通スリーブ400B2C13と、背板400B2C4に開口部が設けられている。
排気系統に利用している通気スペース400B2C7は、貫通スリーブ400B2C13と連通するので、そのまま、換気用の排気口となる。また、給気系統に利用している1本の紙管400B2C12の途中にフレキシブルダクト400B2C18を接続して、貫通スリーブ400B2C13の中を通せば、換気用の給気口となる。
熱シールドの目的のみの場合は、そのままでもよいが、音シールドを兼ねる場合は、貫通スリーブ400B2C13から音は漏れるので、音の通路をクランク状にして減衰させる補助シールド400BrAを設けてある。
排気口と給気口には、ダクトフランジ400B2C17が設けられているので、ファンを取り付けることもできるが、排気した空気が近くの給気口から吸引されないように、片方に延長ダクトを接続して、排気口と給気口の位置を離れた位置にすることも容易にできる。
また、排気系統のダクトフランジ400B2C17に断熱ダクトを接続して、断熱ダクトの中に吸気系統のダクトを接続すれば、換気用の給気と排気の熱交換を、この延長部分で行うことも容易にできる。
また、図7には、本発明の第4及び第5の手段を適用した書棚の別の実施例の側面断面図を示す。ファン付きの吸気口と排気口を別々に設けた場合の一例である。
基本的な構造は、図5の書棚と同じである。シールド付書棚ユニット400B2C(1)の下には、シールド付床ユニット400B3G(1)が接続され、上には、シールド付天井ユニット400B1Cが接続されており、シールド付書棚ユニット400B2C(1)の通気スペース400B2C7には、紙管400B2C12が組み込まれている。
このシールド付書棚ユニット400B2C(1)は、単品の使用でも、換気用の給気系統と排気系統が単独で構成されるように、シールド付天井ユニット400B1Cとシールド付床ユニット400B3G(1)の通気スペースを給気系統や排気系統に利用しない構成としてある。上板400B2C1、底板400B2C3などの開口部も不要となる。
換気用の吸気口と排気口を外側に設けるため、断熱材400rを貫通するラビリンス貫通スリーブ400B2C13と背板400B2C4に開口部を設け、吸気ファン400B2C15と排気ファン400B2C14をそれぞれ内蔵するダクトフランジ付ケーシングが、保守交換のため着脱可能なように背板400B2C4にボルトで取り付けられている。
設置場所の制約等で、背板側にファンなどの出っ張りが邪魔になる場合は、ファンを内側、棚の内部などに取り付けるようにしてもよい。
ラビリンス貫通スリーブ400B2C13は、音や放射線の遮蔽に特に有効である。
給気系統は、吸気ファン400B2C15からの吸気が、ラビリンス貫通スリーブ400B2C13から紙管400B2C12を通って、シールド付書棚ユニット400B2C(1)の上部へ送られ、上部の仕切板400B2C11で区切られた空間をバイパスして、隣の別の紙管400B2C12を通って下部へ送られ、最後に換気グリル400B2C9から給気6fとして部屋の中へ放出される。
排気系統は、シールド付書棚ユニット400B2C(1)の上部の換気グリル400B2C9から、排気6eは吸引され、通気スペース400B2C7とラビリンス貫通スリーブ400B2C13を通って、排気ファン400B2C14から排出される。
吸気ファン400B2C15と排気ファン400B2C14の手前の近くには、それぞれのファン制御ユニット400B2C16が設置され、電気配線で接続されている。
ファン制御ユニット400B2C16への給電は、それぞれ電源プラグを設けて、部屋のコンセントから受電するようにしてもよいし、シールド付書棚ユニットの内部と隣り合うシールド付書棚ユニットへ、電気回路も接続できるようにして、1個所の受電で、全てのシールド付書棚ユニットのファン制御ユニットへ給電されるようにしてもよい。
次に、図8を用い給気と排気の流れをより詳しく説明する。図8は、図7の書棚のC−C断面図を示す。
シールド付書棚ユニット400B2C(1)の右側には、幅が約半分のサイズのシールド付書棚ユニット400B2C(2)が接続され、それぞれ、吸気ファン400B2C15と排気ファン400B2C14が奥に接続されているラビリンス貫通スリーブ400B2C13が棚の下部に2個所ずつ見えている。
シールド付書棚ユニット400B2C(1)の左下のラビリンス貫通スリーブ400B2C13から入ってきた給気6fは、紙管400B2C12を通って上部へ送られ、仕切板400B2C11で仕切られた空間をバイパスして、隣の紙管400B2C12を通って下部へ送られ、下部の仕切板400B2C11で仕切られた空間をバイパスして、再度、隣の紙管400B2C12を通って上部へ送られ、再度、仕切られた空間をバイパスして、隣の紙管400B2C12を通って下部へ送られ、上下に2往復した後、最後には、図に示されていないが、換気グリル400B2C9から部屋の中へ放出される。
シールド付書棚ユニット400B2C(2)は、幅が約半分のサイズのため、給気6fの流れは上下に1往復となっている。
シールド付書棚ユニット400B2C(1)の上部には、図に示されていないが、複数の換気グリル400B2C9があり、そこから吸引された部屋の排気6eは、そのまま通気スペースを通って下部へ流れて、下部の中央に見える排気ファン400B2C14のあるラビリンス貫通スリーブ400B2C13から排出される。
排気6eは、通気スペースを通って下部へ流れている間に、紙管400B2C12の中の給気6fと熱交換が行われるので、それぞれの紙管400B2C12に沿って、なるべく均等に流れるように、下部の中央のラビリンス貫通スリーブ400B2C13の上には、仕切板400B2C11が配置されている。
ファンの台数は保守が簡単になるように吸排気用をそれぞれ1台ずつにしたが、例えば、中央で吸引して、その両側で排気するなど、ファンの台数をたくさん設けて、換気性能をより良くしてもよい。
また、給気のバイパス空間を仕切板で設ける代わりに、紙管をフレキシブルダクトなどで接続して、棚の中の通気スペースで往復させる流路を設定するようにしてもよい。
図9は、図7のファン制御ユニットとファン制御系統の一実施例のブロック図を示す。1個所の受電で、全てのシールド付書棚ユニットのファン制御ユニットへ給電される電源の構成の一例も示してある。
吸気ファン400B2C15には、ファンモータ400B2C15aと温度計などの各種センサ400B2C15cが組み込まれ、それらからの配線は保守性を考慮してコネクタを介して、ファン制御ユニット400B2C16と接続される。
ファン制御ユニット400B2C16には、コネクタを介して外から受電する電源ラインは、ファンモータの駆動制御回路400B2C16bと接続されて、制御回路(CPU)400B2C16aとも、DC/DCコンバータを介して接続されている。
制御回路(CPU)400B2C16aは、外から受電している電源ラインが停電しても、短時間ならば制御機能を維持できるバッテリが内蔵されており、温度の他、駆動制御回路の電源電圧、電流などを検出する各種センサ400B2C16cと、外部とデータ送受信可能な無線装置400B2C16dとも、電気的に接続されている。
電源ラインは、シールド付書棚ユニット400B2C(1)の中に配線400B2C21が配設され、側板には配線400B2C21の両端部の電極が絶縁され設けられており、隣り合うシールド付書棚ユニットと、側板を機械的に接続すると、電源ラインも電気的に接続されるようになっている。
電源ラインは、ファン電源装置30Fから受電される。電源ライン電圧は、漏電時の安全なども考慮して、ファンを駆動する電圧であっても、DC24Vとか、DC12Vなどの低圧にするのがよい。
ファン電源装置30Fは、商用電源36から、ファンなども一定時間駆動できる大容量のバッテリを内蔵した電源装置30を介して、コンセント等から受電することで、商用電源が停電した場合も、一定時間はファンなどを駆動可能にしている。
また、商用電源36以外にも、太陽光発電とか、風力発電とか、水力発電とか、燃料電池などの発電装置35からも電源装置30内のバッテリへ充電可能な構成としてある。
ファン制御ユニット400B2C16は、部屋の最適な換気の制御ができるように、無線装置400B2C16dを介して、外部の計算機2(22)と通信もできる。
外部の計算機2(22)は、I/Fボックス(インタフェースボックス)22IFを介し、部屋の各部位の温度とか、湿度とか、風速などを検出する各種センサ40S1、無線装置41と接続されている。
無線装置41は、ファン制御ユニット400B2C16の無線装置400B2C16dと双方向通信を行うほか、設置場所を容易に変更可能な無線のセンサユニット40Uと通信を行い、有線の各種センサ40S1以外の各種センサ40S2の検出データも読み込めるようになっている。
センサユニット40Uは、各種センサ40S2とバッテリ内蔵の無線装置42とから構成される。センサユニット40Uの設置場所は、人が計算機2(22)へ設置後に入力するようにしてもよいし、センサユニット40Uに屋内用のGPS(Global Positioning System)機能を搭載して、無線で位置データを送信するようにしてもよい。
次に、ファン制御ユニット400B2C16が、外部の計算機2(22)と部屋の最適な換気の制御を行う場合の主な制御の内容について説明する。この制御の内容は、給排気用ファンを組み込んだ書棚に限らず、ファンを用いて換気を行うどのような部屋の換気制御に適用してもよい。
換気用のファンは24時間連続運転するのが基本になるが、より快適で、より省エネルギになるように制御するのがよい。また、連続運転を継続するためには、ファンや駆動制御装置の故障をすぐに検知できるように、ファンのモータへ流れる電流や電圧、温度などの検出結果から、正常/異常の値か否かを自動で判別するようにして、異常あるいは異常の兆候が現れた場合には、すぐにアラームなどで知らせるようにするのがよい。
また、ファンの運転時間とか、回転数なども積算記録するようにして、ファンの温度とか、音、振動などの検出結果と総合して、ファンの余寿命診断を行い、ファンなどの部品交換時期を予測して、知らせる機能を設けて、事前に必要な交換部品の準備が、適切な時期に容易にできるようにしてもよい。
快適で、省エネルギの制御は、主に快適な温度と湿度に最小のエネルギで維持するように制御するが、基本は室内の温度、湿度を検出して、吸気ファンの個所で外気の温度、湿度を検出して、制御したい室内の目標の温度、湿度にするために、吸気、排気の量を増やすか、減らすかの判別を行い、ファンの回転数を制御などする。
快適な温度、湿度は、人それぞれ違う場合もあるので、部屋に居る人がいいと思う条件を「今の温度がいい」とか、「もう少し涼しく」などと、音声で入力するとか、計算機2(22)のマンマシンインタフェースを介して入力するようにしてもよい。
また、人とその人の状態とその人がその状態で快適に思う温度、湿度等の条件を記憶するようにして、毎回、希望条件を入力しないで済むようにしてもよい。
複数ある換気グリルから、均等な吸排気が行われるように、それぞれの換気グリルの背圧を検出するようにして、その状態を計算機2(22)のモニタに表示するなどして、調整作業が、現在の状態をリアルタイムで確認しながら容易に調整できるようにしてもよい。
また、各換気グリルに電動で開閉する絞り機構を設け、計算機2(22)からの制御指令で絞り機構を開閉制御して、各換気グリルの背圧を同じ程度に、自動調整ができるようにしてもよい。
また、部屋の中の二酸化炭素の濃度とか、煙や有毒ガスの有無を常時検知するようにして、異常な状況を検知した場合には、ファンの出力を最大にして、部屋の中の換気を短時間に行うこともできるようにしてよい。
ファン制御ユニット400B2C16の制御回路(CPU)400B2C16aと外部の計算機2(22)の機能分担は、どのようにしてもよいが、制御条件などを設定するマンマシンインタフェースとか、部屋のレイアウトを決めるCAD(computer aided design)とか、部屋の温度、湿度、風などの変化を予測するシミュレーションなど、計算機負荷の大きな処理は、高機能の外部の計算機2(22)で行うようにするのがよい。
図10は、図9の制御回路(CPU)のプログラムの一実施例のフローチャートを示す。マイコンなどのCPU(Central Processing Unit)を想定したフローチャートであるが、単一的な機械的な処理なので、制御回路はTTL(Transistor Transistor Logic)回路等で構成してもよい。
処理は、電源投入等で、回路が起動(START)したらば、最初は、処理10S001で自分自身が排気/吸気のどちらの制御モードか、風量、温度等の制御目標値の初期値を読み取り設定するように動作する。
同じファンでも、逆転駆動ができるようなファンとすることで、例えば、夏と冬で、新鮮な空気の部屋の中の自然対流で流れる傾向が変わるような場合、ファンの運転を逆にして、夏に給気系統として使用した系統を、冬に排気系統として使用するなど、逆転しての運転が効果的になる場合もある。
その場合、フィルタなどの設置構成も、予め両側に設けておくとか、夏と冬でフィルタの設置位置を容易に入れ替えられるようにするのがよい。精密フィルタの途中の設置位置を入れ替える場合でも、家具の中の通気スペースに埃等が入らないように、吸気口と排気口の両方に埃等を捕集する簡易フィルタは設けておくのがよい。
また、逆転駆動ができないファンでも、ファンの向きを容易に反転できるようにしてもよい。その時に、ファンとフィルタ等をユニット化しておき、ファンの向きとフィルタ等の設置構成をいっしょに入れ替えられるようにしてもよい。
次の処理は、処理10S002で、無線装置へ送信されてきた有効なデータがある場合には、外部からの指令信号を読み込む処理を行うようにする。
外部からの指令信号は、外部の計算機2(22)からの指令信号が基本になるが、送信元が分かるように送信元の識別コードも送信するようにして、携帯端末などからも、指令を与えられるようにしてもよい。
次の処理は、処理10S003で、制御回路(CPU)400B2C16aで読み込める各種センサからの現在の情報を読み込み収集する処理を行うようにする。
制御回路(CPU)400B2C16aと有線で接続されている各種センサ400B2C16cと各種センサ400B2C15cの他、センサユニット40Uからの情報は、計算機2(22)経由で収集してもよいし、無線装置42から無線装置400B2C16dへの無線通信で直接収集するようにしてもよい。
次の処理は、処理10S004で、収集した各種センサ情報から自己診断する処理を行うようにする。自己診断は、ファンや駆動制御回路の正常時の状態のデータを多数蓄積して、予めデータとして記憶しておき、現在の各種センサで検出した状態が、正常時の状態内にあるか、逸脱しているかにより判別する、単純なロジックで行わせてよい。
次の処理は、処理10S005で、自己診断結果が運転継続可能か否かで次の処理を分岐させる処理を行うようにする。運転可能な場合は、次の処理10S006を行い、運転が不可能な場合は、処理10S010を行うようにする。
処理10S006では、現在の制御モード、風量、温度等の制御目標値と各種センサ情報から、ファンの駆動制御の内容を決定する処理を行うようにする。ファンの駆動制御内容の決定は、予め決めたアルゴリズムに従って処理されるようにする。
アルゴリズムは通常時の変動を抑制する通常時運転用の他に、運転を開始した起動の処理、また、二酸化炭素の急変とか、煙の発生とか、有毒ガスの検知結果の場合の緊急対応時の処理等、複数の種類のアルゴリズムを用意して、センサの情報から使用するアルゴリズムを自動選択するようにするのがよい。
そして、次の処理10S007で、駆動制御回路へ、決定した内容の駆動制御信号を出力するようにする。
自己診断の結果、運転継続が不可能な場合は、処理10S010で、駆動制御回路へ異常時の停止信号を出力するようにする。
次の処理は、処理10S008で、運転継続の可能な場合も、不可能な場合も、運転状態とか、正常/異常の表示用LEDランプなどを点灯制御するとともに、異常な場合には、その異常を知らせるためにアラームを出力する処理を行うようにする。
そして、次の処理は、処理10S009で、現在の運転状態、正常/異常、自己診断結果、各種センサからの情報などを無線装置へ出力する処理を行うようにする。
そして、最初の処理10S002へ戻り、同様に、繰り返す処理を行うようにする。
このような処理の流れにすることで、外部の計算機2(22)からはもとより、携帯端末などからも、容易に部屋の最適な換気を行える汎用性の高い、ファン制御ユニット400B2C16を簡単に得ることができる。
以上の説明は、ソフトウエアの基本的な流れであるが、自己診断機能では、ハードウエアの故障やソフトウエアの暴走なども、WDT(Watch-Dog Timer)の機能を設けて検出するようにして、異常発生時には、ハードウエアの回路によって、異常を示すランプの点灯、アラーム音の出力、異常を知らせる信号の無線装置400B2C16dからの出力などができるようにしておくのがよい。
次の図11は、本発明の第6の手段を適用した書棚の一実施例の側面断面図を示す。躯体と一体化することで、先行の躯体工事も不要にできる書棚の一実施例である。
基本的な構造は、図1の書棚と同じである。違う部分は、シールド材の断熱材400rの外側の背板400B2C4の外側に、躯体部材としてステンレス側板400dFを一体的に設けるようにしたことである。
第6の手段は、他の実施例でも同様に、同じように適用は可能である。
背板400B2C4とステンレス側板400dFを一体的に設ける方法は、シールド材の断熱材400rを充填する前に、ボルト等で締結するようにしてもよいし、接着材などで接着させることで一体化してもよい。
また、背板などの部材をプラスチック等の樹脂製にする場合は、ステンレス板表面に微小な凹凸を付けて、その凹凸の内部へ樹脂が侵入硬化させて一体化させると、頑強に一体化できるとともに、金型などへの射出成形によって量産化も容易となる。
また、3D(3次元)プリンタを用いて、材料を途中で変更しながら、躯体部材、背板の部材、断熱材などの順番に、一体成形するようにしてもよい。
また、躯体400dFの部材と上板400B2C1の部材、底板400B2C3の部材、側板400B2C2の部材と、その他、断熱材の中に補強リブとして追加する部材などと、頑強に接続できれば、背板400B2C4の部材を省略して、躯体部材で兼用し合理化を図ってもよい。
シールド付書棚ユニット400B2C(1)の下に接続されているシールド付床ユニット400B3G (1)にも、側面にステンレス側板400dFが、底面にはステンレス底板400bFが一体的に設けられる。
同様に、図には示されていないが、シールド付書棚ユニット400B2C(1)の上側に接続されるシールド付天井ユニットの側面には、ステンレス側板が、上の屋根側の面にはステンレス天板が一体的に設けられる。
すなわち、本発明のシールド付きの羽目板、収納庫あるいは家具で組み立てられる部材の外側の外気に接する面には、躯体部材として、ステンレス製の部材が一体的に設けられるので、そのまま、屋外に設置することも可能となる。
また、屋内に設置する場合でも、強度とか、耐久性などが向上する。
外側に設ける躯体部材としては、腐食に強いセラミック系の部材でもよいし、鉄筋鉄骨のコンクリート部材でもかまうものではない。
シールド付書棚ユニット400B2C(1)のステンレス側板400dFとシールド付床ユニット400B3G (1)のステンレス側板400dFの境界部分は、雨水や湿気などが侵入しないようにシールを兼ねて、溶接Sで接合するようにするのがよい。溶接作業は、内側の接続ボルトで組み立てられた状態にあるので、位置がずれることなどもなく容易に行うことが可能となる。
ステンレス側板400dFとシールド付床ユニット400B3G (1)のステンレス側板400dFの境界部分の締結は、予めフランジを設けておき、パッキンなどを挟んで締結するようにして、屋外でも、分解組み立てが容易にできる構造にしてもよい。シールド付床ユニット400B3G (1)には、アンカー固定フランジ300aが、ステンレス側板400dF とか、ステンレス底板400bFなどに、溶接で取付けられているので、屋内でも、屋外でも、アンカーボルトとか、杭などに、容易に固定することができる。
さらに、本発明の第6の手段を適用すれば、そのまま、屋外に設置可能な部屋とか、建築構造物などを容易に得られるが、外側に躯体の外殻を有する1つあるいは複数の部屋から成る1つのブロックを上下左右に複数を接続するようにして、高層ビルディングとか、山のように積み上げて、あるいは、地下に全部、あるいは一部を埋めるなどした大きな建築構造物としてもよい。そして、ブロックには、生活空間や収納庫等の部屋ブロックのほか、空調などの機械部屋、給水・排水用設備の部屋、配電部屋などのブロック、廊下ブロック、ブロックとブロックを結ぶ道路ブロック、玄間ブロック、地盤に固定する杭付きブロック、エレベータブロック、地震の揺れと反対方向に質量を自動で動かす等の制震機能を有するブロックとか、地震の揺れに対してダンパー機能を有するブロックとか、電力を蓄電するブロックとか、躯体外側に太陽光や風力等による発電機能を有するブロックなどを標準化して、任意の配置にレイアウトして接続できるようにしてもよい。勿論、接続する部分の躯体の外殻は省略してもよいし、薄くしてもよいし、高層の下のブロックと上のブロック、地下ブロック等では、それぞれ作用する荷重も違うので、配置される部位毎に必要強度を有する最小の躯体とすることが合理的である。また、躯体あるいは背板などの部分を防水構造にして、水中に設置できるようにしてもかまうものではない。水中設置の部位では、太陽光や風力等の代わりに、潮力とか、波とか、温度差などを利用して発電するのがよい。
次の図12は、本発明の第7〜第10の手段を適用した部屋の一実施例の断面図を示す。
既設躯体105aは、マンションなどであれば鉄筋コンクリートの躯体であり、一戸建てならば、家の強度部材からなる躯体部分になる。既設躯体105aは先行して建築されるが、過去に建築されたものを利用する場合は、リフォームとなり、建築後すぐに利用する場合は新築への適用となる。
既設躯体105aの床面に凸凹がある場合には、隙間を埋める部材を低い個所に敷いて、水平になるようにする。必要に応じて、防水シートとか、防音シートとか、吸音シート等を敷くようにしてもよい。
次に、シールド付床ユニットを組み立てる。シールド付床ユニット400B3G(1)とシールド付床ユニット400B3G(2)を接続ボルト400Bgで接続するが、下側の
接続ボルト400Bgを締付ける場合は、仮置き台を用意して仮置きして、下側から締付けて、仮置き台から下ろすようにしてもよいし、遠隔ボルトにして遠隔操作にて締付けるようにしてもよいし、シールド付床ユニットを立てた状態で締付けて、水平に倒せる寸法関係に予め製作するようにしてもよい。
次に、シールド付床ユニットの上に、シールド付書棚ユニット400B2Cを組み立て、シールド付書棚ユニットの上に、シールド付天井ユニット400B1Cを、それぞれ接続ボルトを用いて接続しながら組み立てる。接続ボルトは、作業性と予備品の準備のし易さから、できるだけ、共通化しておくのがよい。
シールド付天井ユニット400B1Cの組み立てでは、片側から順番に、シールド付書棚ユニットと接続ボルトを用いて接続しながら組み立ててもよいが、最後のシールド付天井ユニットを組み立てる作業スペースが外側にない場合は、最後のシールド付天井ユニットを先に組み立てておいて、その手前のシールド付天井ユニットを最後に組み立てるようにする。また、先に、隣り合うシールド付天井ユニットを互いに接続して、シールド付天井ユニットの全体を一体的に組立後に、最後に、シールド付天井ユニットとシールド付書棚ユニットとを接続するようにしてもよい。
また、接続ボルトの着脱作業時に手や工具がアクセスし易いように、側板には、手などが入る大きさの開口部を設けておき、換気用の開口部と兼用してもよいし、ボルト着脱後に閉止するようにしてもよい。
本実施例のシールド付書棚ユニット400B2Cは、化粧板扉400B2C24を設けて埃などの侵入防止と、地震時に収納物が飛び出ないようにしている。また、部屋の全体が同じ化粧板扉400B2C24で覆われるので、部屋の景観を良くすることもできる。
化粧板扉400B2C24は、収納物が飛び出ない程度の強度があればよいので、軽量化のため、ダンボールなどの軽い中空の部材でもよい。
既設躯体105aに梁がある場合は、シールド付書棚ユニットで構成する部屋の中の空間をできるだけ広くするため、左側のように、シールド付L型書棚ユニット400B2CLを用いて、梁の部分を避けるようにしてもよい。
また、左側のシールド付書棚ユニットの下部の接続ボルトの位置は、できるだけ、外側になるように配置して、シールド付床ユニット400B3G(1)側の通気スペース400B3G7は狭くして、床面に畳(二点鎖線で表示)などの部材が、ちょうど収まるように凹形状にしてある。
本実施例では、シールド付書棚ユニットとシールド付天井ユニットは、既設躯体105aとは直接接触しないように少しの空間を確保してある。音の振動が直接伝わることを防止するのに有効であるが、更に、シールド付書棚ユニットとシールド付天井ユニットの外側に防音シートとか、吸音シートを被せるようにしてもよい。
また、組み立てられた部屋は、全体が箱型構造に、接続ボルトで接続されるため地震などに対しても強固になるが、既設躯体105aとの間に空間があると、ずれる場合もあるので、当て木400Bmを挟み、すれ防止を図っている。
勿論、シールド付書棚ユニットとシールド付天井ユニットを、既設躯体105aと直接に接触するように設置してもかまうものではない。その場合は、地震力とか、音等の振動が直接伝わることを防止するため、緩衝材とか、防音シートなどを挟むのがよい。
また、逆に、シールド付書棚ユニットとシールド付天井ユニットを、既設躯体105aと直接接触させることなく、人が通れる程度、あるいはロボットの通れる程度の十分な空間を確保して設置するようにしてもよい。ロボット掃除機の通れる空間ならば、高さ100mm程度あればよいので、シールド付天井ユニットの上部の空間は100mm程度、床の部分はシールド付き床ユニットをロボット掃除機が通れる幅で、100mm程度の高さで切り欠くなどの形状としてもよい。このようにすれば、既設躯体105aの清掃、保守を人あるいはロボットなどで行い、継続して清潔、健全に維持管理できる。
人、あるいはロボットの通れる程度の空間を確保して設置する場合は、既設躯体105aのコーナーの部分では、シールド付書棚ユニットなどのコーナー部分に大きめの面取りを施して、既設躯体105aのコーナーの部分における、ダクト配管や電気配線などの保守を行う作業スペース、人やロボットが方向転換を行うUターンスペースを確保するようにしてもよい。
本発明のシールド付きの羽目板、収納庫あるいは家具は、全体が箱型構造に、部屋として構成するのが、シールドの性能、耐震等の強度上、効果的になるが、放射線などシールドの目的とする方向が決まっているような場合には、所定の方向の壁などの一部を構成するように設置してもよい。
また、既設の部屋のシールドの弱い部分のみに設置するとか、収納などの家具として、徐々に接続しながら追加して、広い範囲に適用するように設置してもよい。
全体が箱型構造の場合は、内外を隔離できるので、PM2.5とか、有害物質とか、有害なウィルスなどの侵入に対しても効果的に防御できるが、火災などに対しては、シールド付床ユニット、シールド付天井ユニット、シールド付書棚ユニットの背板400B2C4など、全体を囲む外側の部材を難燃性あるいは不燃性の良好な部材を用い製作して、外部からの火災の防御もできるようにしてよい。
また、通気スペースを構成する中板400B2C5とか、化粧板扉400B2C24など、全体を囲む内側の部材を難燃性あるいは不燃性の良好な部材を用い製作して、内部からの火災が外部へ広がることに対して防御できるようにしてもよい。
また、室内あるいは室外に火災報知器を設置し、火災報知器が火災を検知したことの信号を有線あるいは無線通信で、ファン制御ユニット400B2C16へ入力するようにして、例えば、室外が火災の場合は、有害な煙等を室内に取り込まないようにファンを一時的に停止させるとか、室内が火災で、別のセンサ等で人が室内に居ないことも検出した場合は、ファンを一時的に逆転させて、室内の空気を排出して、酸素を無くして、火災を消化するようにファンを制御してもよい。
また、図13に示すような既設躯体105aの窓の近くとか、開閉する扉などのある場合は、開閉する扉などの近くに、動作速度や出力パワーが安全に抑制されたホームロボットなどを設置して、ファン制御ユニット400B2C16の判断で、窓や開閉する扉などの開閉制御まで、行うようにしてもよい。火災時には、火災の状況を各種センサで検出して火災の状況に応じて、閉めるか、開けるかの判断を行い、ホームロボットへ開閉の動作をさせる指令信号を出力するようにしてもよいし、通常時の空気の入れ替えとか、花粉などの異物の侵入防止とか、部屋の温度コントロールなどを、窓や開閉する扉などの開閉制御を自動で行うことによって、より快適な部屋空間になるように制御してもよい。
本発明の部屋の各ユニットに、予めホームロボットを備えつけて、家具とか、家電品などの操作を自動で行えるようにしてもよいし、予め組み込まれる家具とか、家電品に、駆動部と外部からの指令で動作させる制御部、あるいは、家具とか、家電品にも各種センサを取付けて自分で判断して動作する制御部などを設け、部屋の中で生活する人などにとって快適な空間となるように、手動操作は勿論、自動制御することも可能なようにしてもよい。
本実施例の通気スペースを利用した換気用の給気系統は、シールド付書棚ユニット400B2Cの上部に横開口部(給気通路)400B2C7bを設けて、両側で2系統、上から給気6fを供給して、シールド付天井ユニット400B1Cの通気スペース400B1C7の一部をバイパス空間に利用して、上開口部400B2C7aを通過させて、シールド付天井ユニット400B1Cの天井空間に取り付けた紙管400B1C12を通して、反対側のシールド付書棚ユニットの紙管400B2C12の中へ送り込み、シールド付床ユニット400B3G(1)(2)の通気スペース400B3G7の一部をバイパス空間に利用して、シールド付書棚ユニット400B2Cの下部の換気グリルから室内へ放出される構成になっている。
天井空間に取り付けた紙管400B1C12を通して、反対側のシールド付書棚ユニットの紙管400B2C12の中へ送り込むようにするので、熱交換される紙管の長さを長くすることができる。
シールド付天井ユニット400B1Cに取り付ける紙管400B1C12は、1本の長さが短い場合で、シールド付天井ユニット400B1Cに紙管ホルダ400B1C12hを設けて、途中で支持しながら、延長するようにしてある。
本実施例の換気用の排気系統は、上昇した排気6eは、シールド付天井ユニット400B1Cに取り付けた紙管400B1C12との熱交換が行われて、紙管400B1C12と同じ高さの位置に交互に設けた排気用換気グリルから排出され、シールド付天井ユニット400B1Cの通気スペース400B1C7の一部をバイパス空間に利用して、シールド付書棚ユニット400B2Cの通気スペース400B2C7を通って、両側にて2系統、両側のシールド付書棚ユニット400B2Cの下部の横開口部(排気通路)へ吸引され、排出される構成になっている。
シールド付天井ユニット400B1Cに取り付けた紙管400B1C12は、使用部材を簡略化して、室内に露出される構造にしているが、シールド付天井ユニット400B1Cの天井面にも通気スペースと化粧天井板を設けて、通気スペース内で熱交換をさせ、化粧天井板で天井の景観を住む人の好みに合わせるようにしてもよい。
本実施例の部屋の奥には、窓板固定フランジ400Mbが点線で示してある。窓内側にも化粧板扉400B2C24をカーテンの代わりに設け、掃除のし易さと、耐久性の向上と、室内景観の統一を図っている。
次に、図13を用いて、より詳しく説明する。図13は、図12のD−D断面図を示す。
図の既設躯体105aの上側は、大きな窓と板の間の空間があり、その手間にシールド付書棚ユニット400B2Cで箱型に組み立てた本発明の部屋を設置している。その板の間と本発明の部屋は、窓板固定フランジ400Mb等から成る窓やシールド付書棚ユニットによる壁で仕切られて、板の間はサンルームとしても利用できる。
窓板固定フランジ400Mb等から成る窓は、シールド付書棚ユニットと同等のシールド性能を確保するため、厚みのある窓となるが、透明窓の側面に反射部材を設けることで、斜めに入射する光に対しても、側面で吸収、乱反射される光を、反射部材で反射させて、入射光を効率良く通過させることのできる、シールドされた部屋に適した窓となる。
また、地震などで本発明の部屋がずれないように、既設躯体105aの左右の壁との間には、4個所で当て木400Bmが挟んである。
既設躯体105aの板の間には、本発明の部屋の換気用の給気系統を構成する吸気ファン400B2C15へきれいな給気を送り込むためのフィルタユニット400B2C22、フィルタユニット付きファン400B2C23、ヒートポンプエアコン室外機54aなどを設置して、その他のいろいろな設備機器の設置スペースとしても利用できる。
フィルタユニット400B2C22は、吸気ファン400B2C15に直接接続している。フィルタユニット付きファン400B2C23は、部屋の給気口に設けたダクトフランジ400B2C17まで、フレキシブルダクト400B2C18で接続する。
フィルタやファンは、別置きのユニットとしているため、故障時は交換がし易いとともに、花粉とか、PM2.5など、環境の変化に応じて、最適仕様への変更も容易にできる。
フィルタユニット付きファンとか、吸排気ファンは、逆転駆動できないファンの場合でも、接続する向きを反対にするだけで、給気を排気に、排気を給気に、容易に入れ替えられる構造にして、夏と冬とで、吸排気系統を逆転できるようにしてもよい。
本発明の部屋から板の間へは、シールド機能のある開閉扉を設けて、出入りできるようにしてもよいが、窓板固定フランジ400Mb等から成る窓の接続ボルトを外した状態で、1つの窓を引き出すことで、シールド機能と出入り口の両方を確保してもよい。
引き出す窓の床面には、スライドベースの部材として、テフロン(登録商標)製プレート400BTPが敷いてあるので、シールド性能のある重い窓も、軽い力で容易に引き出せるようになる。
ヒートポンプエアコン室外機54aからの冷媒配管は、図には示されていないが、本発明の部屋を構成するシールド付書棚ユニットの中に設置されたヒートポンプエアコン室内機54bへ接続される。冷媒配管は、シールド材を貫通するが、ラビリンス貫通スリーブを通すとか、クランク状の貫通スリーブを通すとか、外側に補助シールドを設けるなどして、貫通部からの音漏れ等を抑制するようにするのがよい。
ラビリンス貫通スリーブは、冷媒配管とか、電気配線などを、通線させる場合に、放射線や音などのシールド性を確保するのに有効であるが、換気用のファンを内側に設けるとか、外側にファンを設ける場合でもファンの手前から配線材を横に引き出すようにして、給気系統とか、排気系統などに使用するラビリンス貫通スリーブを兼用するようにしてもよい。
本発明の部屋の断熱性は高くできるので、定常状態では、漏れる僅かな熱エネルギを補充する程度の容量の冷暖房設備があれば十分になる。
ヒートポンプエアコン室内機54bはシールド付書棚ユニットの内部に設置し、シールド付書棚ユニットの内部を冷暖房して、その熱がシールド付書棚ユニットの側板などの部材を伝わって、部屋の中の空気と熱伝達される程度で、十分になり、冷たい冷気や乾燥した暖気が、直接身体に当らないようにでき、快適な居住性を容易に得ることができる。部屋の断熱材の内側に、アルミなどの熱伝導率の良い部材を埋め込んで、積極的に、部屋の中の内側全体に、ヒートポンプエアコン室内機54bにて、冷暖房しているシールド付書棚ユニット内部から、熱伝導されるようにしてもよい。また、既設マンション105の下側のキッチンとか、他の部屋にも、シールド付書棚ユニット等を設置して、快適な部屋空間を広げる場合、給排気の系統も、他の部屋を含めて最適になるように構成するが、部屋と部屋が離れる場合は、給排気ダクトで互いに接続して、必要に応じて、ダクトの外側には断熱を施すとともに、それぞれの部屋の内側に埋め込んだアルミ等の熱伝導率の良い部材も互いに接続し、その外側には断熱を施して、1台のヒートポンプエアコン室内機54bで、離れた複数の部屋の冷暖房を、同じ方式で効率良く行うようにしてもよい。この場合、給排気ダクトをアルミなどにして、部屋の内側の冷熱を離れた部屋に熱伝導させる部材と兼用してもよいし、熱伝導を良くするため、厚みのある給排気ダクト管としてもよい。
また、ヒートポンプエアコン室内機54bは、シールド付書棚ユニットの内部ではなく、本発明の部屋の外に設置してもかまうものではない。例えば、既設躯体105aの上側の大きな窓と板の間の空間に設置して、本発明の部屋の外の空間を冷暖房する。この場合は、ヒートポンプエアコン室外機54aは、既設躯体105aの上側の大きな窓の外側(屋外)に設置するのがよいが、設置できない場合には、断熱された箱の中に設置して、箱の中の空気が窓の外側(屋外)と同じ程度になるように、ファン等で強制的に窓の外から空気を断熱された箱の中へ取り込んで、室外機54aで熱交換された空気を窓の外へ排出されるようにしてもよい。本発明の部屋の外の空間を冷暖房した場合は、吸気ファン400B2C15から、冷気あるいは暖気を部屋の中へ供給するが、シールドの内側(部屋の中側)の通気スペース等を一巡させ、シールドの内側(部屋の中側)の部材を冷やしたり、暖めたりして、最終的には給気用グリルから部屋の中へ給気すれば、部屋の中の部材が蓄熱材となって、間接的な冷暖房を容易に実現できる。フィルタユニット付きファン400B2C23から供給するようにすれば、フレキシブルダクトで吸い込み口の位置を冷気や暖気の強い場所とか、弱い場所などに容易に移動させることもできる。このように部屋の外の空間を冷暖房する場合は、本発明の部屋の中で給気と排気の熱交換は行わない、給気系統と排気系統としてよい。冬は内部の人や家電品の発熱量による暖房で十分の場合は、冬は、給気と排気の熱交換を行うようにして、夏は部屋の外の冷房された冷気を利用して給気と排気の熱交換を行わないようにしてもよい。この場合、熱交換を行う給気系統と排気系統の両方を用意して、それぞれの取り込み口にダクトフランジ400B2C17を設けて、閉止状態と、給気口として利用する状態とを使い分けるようにしてもよいし、給気系統と排気系統の両方、あるいは片方の途中に、バイパスさせる系統を設けて、そこをバイパスさせるか、させないかによって、給気と排気の熱交換を行うか、行わないかを、切り替えられるようにしてもよい。本発明の部屋の中の人の身体が通常生活で触れる可能性のある部位は適度に断熱して、冷気で冷やされた(暖気の場合は暖められた)部位に身体が触れても、刺激を受けにくくしてもよい。
シールド付書棚ユニットなどの断熱材厚さは、厚くすればするほど、漏れる熱エネルギは小さくできる。しかし、本発明の部屋を構成する各面からの放熱との関係で、断熱材厚さが薄く、漏れる熱エネルギ量が大きい場合は、断熱材厚さを少し割増するだけで、漏れる熱エネルギを大きく低減できるが、断熱材の厚さが厚くなり漏れる熱エネルギ量が小さくなればなるほど、更に小さくするのに必要な断熱材厚さの必要割増量は大きくなるので、断熱材の厚さは、厚さの割増しで、漏れる熱エネルギを効果的に低減できる範囲で、使用可能な冷暖房設備の容量から、最適な厚さに決めるのがよい。
例えば、4.5畳程度の部屋で、断熱材400rに、熱伝導率が0.02W/(m・K)のフェノールフォームの発泡樹脂を使用して、側板400B2C2などの部材を、熱伝導率が0.15W/(m・K)程度の木材にして、室内(20℃)と屋外(−10℃)の温度差30℃の定常状態で計算すると、室内から屋外へ放熱される熱量は、断熱材厚さ30mmで1050W、断熱材厚さ60mmで524W、断熱材厚さ90mmで350W、断熱材厚さ120mmで262W、断熱材厚さ180mmで175Wのような関係になる。
断熱材厚さ30mmに30mmmを加えると、約500Wの放熱量をさらに抑制できるが、厚さ120mmに60mmを加えても、さらに抑制できる放熱量は100W程度になる。
1日の基礎代謝量が1500kcalの人の発熱量は、73W程度になり、その他、家電機器などの発熱量を差し引いた残りが、暖房で必要になる熱量になるので、例えば、暖房設備の容量を100〜200W程度で済むようにしたい場合、断熱材の厚さは120mm程度に決めるのがよい。
夏の冷房の場合は、現在の日本の気候では、室内外の温度差は冬ほどではないので、仮に、室内(20℃)で屋外(35℃)の温度差15℃とすれば、断熱材の厚さ120mmで、放熱される冷熱量は半分の131Wとなる。冷房の場合は、これに、人体の73Wと家電機器の発熱量を加算した200〜300W程度の冷房設備が必要になる。
また、断熱材400rに、防音機能も期待できる、密度1立方メートル当り約30kgで、熱伝導率が約0.04W/(m・K)のセルロースファイバーを使用する場合は、同じ程度の断熱性能の得られる、厚さ190mm(計算値は、276W)程度とするのがよい。
図の既設躯体105aの下側は、従来工法による施工のキッチン、廊下、収納などがあるが、そのまま使用可能にしてある。
本発明の部屋の廊下に面する側には、出入り口を設けてある。出入り口のためにシールドの欠落した部分には、部屋の外側に、シールド部材として断熱内扉400Dcを開閉可能に設けてある。
開閉する断熱内扉400Dcが移動する床には、スライドベースの部材として、テフロン(登録商標)製プレート400BTPが敷いてあるので、軽い力で容易に開閉ができるようになる。
断熱内扉400Dcが閉まった状態の位置の出入り口の外側のテフロン(登録商標)製プレート400BTPの敷いてある床下には、シールドの欠落が生じないようにシールド部材として十分な断熱材が設けてある。テフロン(登録商標)製プレートの断熱性も期待できるので、断熱内扉400Dcが閉まった状態では、断熱に対するシールドの欠落は生じないようにできる。
断熱内扉400Dcの左右の位置決めは、ストッパピース400Dc1に押し当てることで、容易に行えるようにしてある。
断熱内扉400Dcの内側には、マーキングなどを施して、扉を閉めた時に出入り口と扉の位置関係が所定の位置にあることを一目で確認できるようにしてもよい。
断熱内扉400Dcの位置決め後は、断熱内扉400Dcを密着して閉止できるように、シールばね400Dc1を、取手にSフックで着脱可能に設けてある。複数のシールばね400Dc1を用いることで、弱い力のばねで着脱を容易にして、複数本による強い力の密着力を得ることができる。
断熱内扉400Dcの底部のシールは、断熱内扉400Dcの自重量によって押し付ける力が作用するが、力が不足する場合は、シールばね400Dc1を下向きの力も作用する方向に張って、断熱内扉400Dcを下へも押し付けるようにしてもよい。
断熱内扉400Dcを開ける場合は、ストッパピース400Dc1の反対側へ動かすが、取手などに引っ掛からないように、すぐに部屋の壁から離れる方向へ動く向きがガイドされるように、反対側には、ガイドピース400Dc4 を設けてある。
また、断熱内扉400Dcを開ける場合、動きだす最初の力が、ほぼゼロになるように、断熱内扉400Dcの外側には、アシストばね400Dc2を設けている。アシストばね400Dc2を斜め方向に設けることで、アシストばね400Dc2によっても、部屋の壁から離れる方向へ動くようにもしてある。
また、断熱内扉400Dcは、大きく、重たくなるので、地震などで、転倒するような横荷重が作用した場合でも、転倒しないように、通常の移動範囲の外側で、邪魔にならない上部などの空間に、転倒防止用のプロテクタを設けるとか、上部に可動範囲で拘束しない余長のある安全ロープを接続するなどの、転倒防止の手段を設けるのがよい。
また、断熱内扉400Dcを移動させる軌道は、直線状でも、円弧状でも、移動の軌跡が複雑になる軌道でも、軌道に沿った適切な位置にガイドローラを配置して、円滑に開閉の移動ができるようにしてもよい。
また、断熱内扉400Dcの断熱のシールド性に影響のない部分に、棚などの家具とか、家電品などを組み込み、部屋スペースを有効活用してもかまうものではない。
部屋の中の床面と、断熱内扉の通路になる部分の床面と、テフロン(登録商標)製プレート400BTPを敷く床面と、廊下の床面は、同じ高さにして、バリアフリーにするのが安全でよい。
あるいは、段差を設け、部屋の中の床面を高くして、断熱内扉400Dcが閉まった時には、上下左右の全周囲にシールドの欠落が生じないようにして、テフロン(登録商標)製プレート400BTPの敷いてある床下の断熱材を不要にしてもよい。また、この場合は、開閉する断熱内扉400Dcの移動は、キャスタで床面を転がす方式とか、転がり軸受方式でスライドさせるようにしたスライドベースも利用可能になる。
また、円弧状に開閉するスペースのある場合は、断熱内扉400Dcの左右の端部に蝶番などの回転軸を設けて観音開きにするとか、片方の端部に蝶番等の回転軸を設けて片開きにしてもよい。この場合、壁を構成するユニットの面と隙間なく当って閉まるように蝶番は、当該蝶番回転軸とその回転軸が平行になる1つ以上の別の回転軸となる蝶番を有する、1枚以上の幅の狭い板状の部材を介して設け、断熱内扉400Dcの開閉する軌跡が1つの円弧状の軌跡で拘束されないようにするのがよい。
また、上下に開閉するスペースのある場合は、上下にスライドさせるとか、上端部に蝶番等の回転軸を設けて上下に回転させるようにしてもよい。このように上下方向に開閉する場合は、断熱内扉400Dcが重たいため、電動式にするとか、手動式の場合でも、断熱内扉400Dcの重量とほぼ同じ重量のカウンターウエイト、あるいは同じ程度の荷重を生じるばね等を用いて、軽く開閉できるようにするのがよい。
また、壁を構成するユニット外側の面へ断熱内扉400Dcの部屋側の面を当てて閉めるのではなく、断熱内扉400Dcの形状を四角錐形あるいは円錐形などにして、壁を構成するユニットの中に納まるような構造にしてもよい。
この場合は、断熱内扉400Dcの周囲の側面がテーパー状の面になって、壁側の同様にテーパー状とする面と当ることで、くさび効果も生じて高いシール性が得られる。また、閉めた時の調心効果も生じるので、端部に蝶番等の回転軸を設ける場合でも複数の回転軸で冗長性を持たせなくも、1つの回転軸を構成する蝶番等に多少のガタを設けるのみで、互いのテーパー状の面を合わせて閉めることも容易にできる。
本発明の部屋の壁は、断熱内扉の出入り口になる部分以外は、シールド付書棚ユニットと窓板固定フランジ400Mb等から成る窓により、全周が接続されている。
シールド付書棚ユニットの壁と壁のコーナー部は、コーナー専用に標準化したユニットを適用するのがよい。本実施例は、対角のコーナー部に、それぞれ同じユニットを適用して、コーナー部のユニットの1辺の長さを、設置する部屋の大きさに合せて製作することで、ちょうど良い大きさの部屋になるように調整しているが、コーナー専用ユニットを1種類にして、同じものを4つのコーナー部に適用して、部屋の各辺に長さ調整用のシールド付書棚ユニットを1台ずつ設け、設置する部屋の大きさに合せて製作するようにして、調整してもよい。
また、長さ調整用の幅の狭いシールド付書棚ユニットの複数台を接続することによって、設置する部屋の大きさに合せて、ちょうど良い大きさの部屋になるように調整してもよい。
シールド付天井ユニット400B1C(1)〜(5)は、分割構造を接続した状態を二点鎖線で示している。シールド付天井ユニット400B1C(1)(5)は、シールド付書棚ユニットの奥行きと同じ幅にして、シールド付天井ユニット400B1C(3)(4)は、シールド付書棚ユニットの奥行きと同じ幅、シールド付天井ユニット400B1C(2)は、設置する部屋の大きさに合せて調整した幅の寸法としている。
シールド付天井ユニットは、1つの天井ユニットで、紙管を通す給気系統に利用する部分と、排気用の換気グリルを設ける排気系統の部分があるので、1つの天井ユニットの通気スペース400B1C7の内部に、仕切板を設け分けている。
シールド付天井ユニット400B1C(3)には、両側に紙管400B1C12を通した給気系統の部分を設けて、その間には、天井が凸なる形状の下面に照明407eを設け、凸なる形状の内部には照明407eへの電気配線を通すとともに、凸なる形状の側面には換気グリルを設けて、部屋の中央部から凸なる形状の内部への排気系統を設けている。
凸なる形状の天井でも、平面の天井でも、天井に通気スペースと化粧天井板を設け、化粧天井板を透明あるいは半透明にして、通気スペースの空間に照明を組み込むようにしてもよい。さらに、その場合、照明のある通気スペースを、夏は冷気の排気系統に利用して、冬は、冷気の給気系統に利用することで、照明の冷却を兼ねる換気としてもよい。
シールド付天井ユニットの幅寸法は、シールド付書棚ユニットの側板接続部分と一致するようにしてもよいし、一致させなくてもよい。いずれの場合も、シールド付天井ユニットとシールド付書棚ユニットの通気スペースが、換気用の給排気系統に合わせて、連通状態あるいは閉止状態で適切に接続されるように設定する。
部屋全体の給排気系統がイメージしやすいように、図の下には、部屋の給排気系統の一例としての鳥瞰図を示している。窓側の板の間の空気ファンから送り込まれる給気6fは、両側の2系統の給気系統6Sfとなって、部屋の中の通気スペースを通って、シールド付書棚ユニットの上部の横開口部(給気通路)まで、上昇したら、シールド付天井ユニットに取り付けた紙管を、交互に通って、反対側のシールド付書棚ユニット下部の換気グリルから室内へ放出される。排気6eは、両側2系統、シールド付天井ユニットの換気グリルから吸引され、シールド付書棚ユニットの通気スペースを通り、下降したら、シールド付書棚ユニット下部の横開口部(排気通路)へ吸引され、2系統の排気系統6Seとして、両側にある、排気ファン400B2C14から排出される。
シールド付天井ユニットは、長方形の部屋の場合、長辺に合わせた長いスパンのシールド付天井ユニットとするより、短辺に合わせた短いスパンのシールド付天井ユニットとして、短辺に沿って架ける方が、自重による曲げモーメントが小さくなるので、頑強にできる。
図13の例のように、窓や扉を設ける壁の面が、短辺になる場合は、本実施例のように、部屋全体の給排気系統を構成すればよい。窓や扉を設ける壁の面が長辺になる場合には、長辺に合わせた長いスパンのシールド付天井ユニットとして、同様に給排気系統を構成してもよいし、短辺に合わせた短いスパンのシールド付天井ユニットを、短辺に沿って架けて、シールド付天井ユニットの通気スペースを利用して給排気系統を仕切りながら引き込んで、天井の面と、窓や扉のない壁の面とで、それぞれ給気と排気の熱交換をするように、給排気系統を構成してもよいし、シールド付天井ユニットの側板と直交する方向に、紙管を貫通させる穴を設けて、その穴を紙管ホルダとして利用してもよい。
吸気口になる吸気ファン400B2C15とダクトフランジ400B2C17、2系統の排気ファン400B2C14は、低い高さに取り付け、メンテナンスし易くしている。
このように、本発明のシールド付書棚等を用いて部屋を構成すると、快適な住空間の換気と必要なシールドの施された部屋を、容易に得ることができる。
次の図14は、本発明の第7〜第10の手段を適用した建築構造物の一実施例の断面図を示す。
既設躯体105aは、地盤100に、杭300を打込み、杭と一体で建築されている。
既設躯体105aは、最初から、本発明の部屋の設置を想定して設計することで、柱や梁のない、壁などの部材で強度を確保した躯体にすることもできる。また、本発明の標準化されたシールド付きの羽目板、収納庫あるいは家具ユニットの寸法で、搬入性も良くて、すっきりと収まる寸法関係の躯体に標準化することも可能となる。
本実施例では、建築した1つの既設躯体105aの中に、1つの部屋を設置しているが、上下左右に複数の部屋とか、廊下などを設けて、大きな建築構造物としてもよい。
既設躯体105aの床、壁、天井には、防音シート、防振シート、吸音シート等、部屋のシールドを補助するシールドシート材400rSを施工して、隙間のないように、頑強に部屋を設置している。
部屋の床下には、冷暖房配管を配設して、冷水や温水、冷媒などを通して、部屋の冷暖房設備としている。ヒートポンプエアコンの代わりの冷暖房設備としてもよいし、併用する冷暖房設備としてもよい。暖房用の電気ヒーターを床下に配設してもよい。
また、部屋の床下とか、部屋収納の中には、冷暖房設備からの熱エネルギを蓄える蓄熱材400q を設置している。また、冷暖房設備からの熱エネルギが蓄熱材へ伝わり易くするため、床下とか、収納の化粧板扉などには、アルミ材400sを設けてある。
アルミ材400sは、熱伝導性のよい他の部材でもよい。また、部屋の天井まで設けてもよいし、部屋全体を熱伝導性のよい部材で覆うようにして、部屋全体の多くの部材にも熱エネルギが、それぞれの部材なりに蓄熱されるようにしてもよい。
また、換気用空気の流れる空間には、調湿材400uを設置して、室内の湿度が調湿材によって、調整されるようにしている。調湿材400uは、後から設置するものでもよいし、シールド付きの羽目板、収納庫あるいは家具などの部屋を構成する部材に調湿機能のある部材を使用するとか、調湿機能のある部材をコーティングするとか、調湿機能のある部材と複合材を構成し組合せて使用するようにしてもよい。
シールド付天井ユニットに挿入される紙管400B1C12は、途中、紙管ホルダ400B1C12hでも支持されて、排気用の換気グリルを設けてある換気グリル板400B1C24aより高い位置に設けている。そして、天井には、紙管400B1C12が、直接見えないように、換気グリル板400B1C24aと繋がるように連続してなる化粧天板400B1C24が取り付けられている。天井高さが十分に確保できる場合には、紙管を見えなくして、より見栄えの良い部屋にできる。
本実施例の化粧天板400B1C24は、天板本体の両側にフランジ部を設け、シールド付天井ユニットの側板にボルトで締結する、簡単、かつ、地震時などにも落下しない構造としているが、木組にて、ボルトなどの締結部品の見えない構造にしてもよい。
このように、本発明のシールド付書棚等を用いて部屋を構成すると、快適な住空間の換気と必要なシールドの施された部屋のある建築構造物を、容易に得ることができる。
次の図15には、本発明の第7〜第10の手段を適用した建築構造物の別の実施例の平面図を示す。大きな部屋で、本発明をいろいろな家具や家電品にも適用した一例である。
本発明を適用したいろいろな家具や家電品はその背面にシールド部材を設けたものになるが、その構造は、勿論、着脱可能な構造にして、必要のない場合には取り外して使用するとか、修理の必要な場合には取り外して修理しやすくしてもよい。
既設躯体105aは、床、天井、壁の以外に、パイプスペース(PS)、左側には窓、右側には(玄関)となる空間を建築して、その空間に本発明のシールド付きの羽目板、収納庫あるいは家具を設置して、部屋を構成している。
既設躯体105aの左の窓側には、シールド付床ユニットを敷いて、サンルーム408にしている。サンルーム408の壁にも、シールド付書棚ユニットあるいは書棚部分のないシールド付壁ユニットを設置して、窓も2重窓にして、断熱性を高めても良い。
また、サンルーム408の内面には、想定浸水高さまで、ステンレスあるいはアルミ部材などのライニングを設けて、万一、暴風雨などで、割れた窓から雨水などが入って来ても、サンルーム408の奥の部屋まで浸水しないようにしてもよい。ライニングは、化粧板の裏側にビニールシートを袋状にしたものを設置し、定期的に交換するようにしてもよい。
また、サンルーム408の内面に、夏は、反射ミラーとか、白色などの太陽光の反射率の高い化粧板、冬は、黒色などの太陽光の吸収率の高い化粧板を設置するとか、黒地の上に電気的に鏡状態と透明状態を切り替えられる調光ミラーフィルムを貼り付けて遠隔操作で部屋の中から反射ミラーの状態と黒色の状態に切り替えるなどして、冷暖房の効率を良くしてもよい。調光ミラーフィルムの切り替えは、昼と夜とか、部屋の中のエアコンの運転状態とか、温度などの検出結果に基づき、冷暖房効率が最適になるよう自動で行うようにしてもよい。また、サンルーム408には、太陽光発電パネルとか、太陽熱温水器などを設置して太陽光のエネルギを有効利用するようにしてもよい。
サンルーム408の奥には、シールド付床ユニット、シールド付書棚ユニット、窓板固定フランジ400Mb等から成る窓、シールド付天井ユニットなどを接続して、3つの部屋が設置されている。
広い部屋に適用する長スパンのシールド付天井ユニットは、シールドのある外側の反対側の内側のユニットの側板に、ステンレス板などの強度の強い部材を複数本の木ねじで固定するなど一体化して取り付けて、長いスパンに耐える強度を確保してもよい。また、分割構造にして、長いスパンの途中で接続する場合にも、接続金具として、ユニットの側板と一体化した強度の強い部材を利用してもよいし、自重による鉛直方向の曲げモーメントが大きくなる中央部での接続を避けて、曲げモーメントの小さくなる個所で接続するようにしてもよい。また、例えば、長いスパンの全長の2/3の位置で接続するようにする場合、隣り合うシールド付天井ユニットはスパン全長の1/3の位置で接続するなど、隣り合う接続個所が同じ位置にならないように、2/3の位置、1/3の位置、2/3の位置、・・・と交互に組み立てて、隣り合うユニットの重なる部分の側板を利用して、ボルト締結するようにしてもよい。
部屋と部屋を仕切る壁には、通気スペースは残し、シールド部分のない書棚ユニットなども標準化して接続している。
サンルーム408には、換気用の給気系統の入口にフィルタユニット400B2C22が3個所に設置されている。また、高断熱部屋に適した、小型軽量で小容量のヒートポンプエアコン室外機54aが2個所に設置されている。部屋全体の冷暖房がまんべんなく可能なように、各部屋の必要個所に、小型軽量で小容量のヒートポンプエアコン室内機54bがシールド付書棚ユニットの中に設置されている。
現在、市販されているヒートポンプエアコンの4.5畳程度の小さな部屋用の冷暖房能力は、2.2KW程度で、本発明の部屋を設置した時の必要な冷暖房能力は、先に説明したように、200W程度になるので、消費電力も1/10程度にできる。
多くの住宅の冷暖房に必要なエネルギは、日本のエネルギ消費の大きな割合を占めているので、現在の日本全体のエネルギ消費量を低減することもできる。
左上の部屋は、キッチンとダイニング用の部屋とするため、シールド付キッチンユニット400B2Kと、シールド付レンジユニット400B2Ra、シールド付冷蔵庫ユニット400B2Reなどを設けている。
シールド付冷蔵庫ユニット400B2Reは、収納部と扉も断熱材で覆われている。また、冷媒配管は、外側のシールド材を貫通させて、サンルーム408側に放熱部を設けているので、夏でも冷蔵庫を冷やすために、部屋の温度を上昇させないようにできる。
また、サンルーム408側にも収納庫を設けて、断熱材、背板、通気スペースなどの部分を部屋の中へ一体的に引き出せる、小さな開閉部を設けて、冬には、暖房している部屋の中で冷蔵庫の運転をしないでも、エネルギ消費の不要な、あるいは、温度制御を行っても熱効率の良い冷蔵庫とすることができる。
部屋の中央には、シールド付ダイニングテーブルユニット400B1Tを天井から吊下げて、床面の掃除が簡単にできるようになっている。また、シールド付ダイニングテーブルユニット400B1Tの中央1個所の支持部材をシールド付床ユニットに接続可能にして、テーブルの耐震性をより向上させるようにしてもよい。
既設躯体105aの右側の玄関の壁には、シールド部分のない収納ユニットを設置して、下駄箱とか、その他の収納に利用できるようにしている。また、シールド付収納ユニットを設置して、玄関の断熱性を高めても良い。
サンルーム408や玄関の断熱性を高めるシールド付ユニットの断熱材の厚さ、各部屋のシールド付ユニットの断熱材厚さは、その部屋の用途に応じて、厚くするとか、薄くするなど、複数の種類を用意し、標準化してもよい。
玄関の床は、シールド付床ユニットで、キッチンの部屋の床と段差のないバリアフリーの床で接続するが、キッチンの部屋への出入り口には、壁と同じシールド性のある断熱内扉400Dcを開閉可能に設けるとともに、可動範囲の床面には段差ないように、テフロン(登録商標)製プレート400BTPが敷いてある。
断熱内扉400Dcの内側と、その他の部屋の出入り口の部分には、2重の化粧板による扉を設けて、どちらの部屋からの景観も統一が可能にしている。
化粧板による二重扉は、片方を開くと、もう1枚の扉も、同じ方向に連動して開くようにしてもよいし、片方を引いて開くと、もう1枚の扉は、反対方向へ、連動して開くようにしてもよい。
化粧板による二重扉の厚みの部分は、収納とか、棚などに利用して、棚などを扉として、開閉可能にしてもよい。
左下の部屋は、リビングと寝室用の部屋とするため、シールド付テーブルユニット400B3T、シールド無し視聴覚ユニット400B2Av、シールド付ベッドユニット400B2Be、シールド付ソファユニット400B3Soなどから成る。
シールド付ベッドユニット400B2Beは、リビング用の部屋とする時には、壁の中に収納でき、使用する時には、壁から出して、シールド付ソファユニット400B3Soの上にそのまま被せてセットできる構造にしている。
窓板固定フランジ400Mb等から成る窓の1つは、サンルーム408への出入り口通路となるように、引き出せる構造にして、その床面は段差のないように、テフロン(登録商標)製プレートが敷いてある。
右下の部屋は、バスルームとするため、シールド付バスユニット400B3B、シールド付洗面ユニット400B2Baなどから成る。
バスや洗面台など、水やお湯を取り扱うユニットは、水回りの配管類も、予め、ユニット内の通気スペースに組み込んで、各ユニットを接続して部屋を組み立てる時に、水回りの配管類も接続可能にして、簡単に、組立・分解でき、故障とか、劣化などで、交換が必要になった時には、容易に故障個所のみ、交換できる構造にしておくのがよい。
部屋の換気は、外気がきれいなことを前提に、サンルーム408の側から給気6fを給気して、玄関側から、排気6eを排出する流れを基本にしているが、二酸化炭素などの室内で発生するガスを回収し、酸素などの必要な気体を補充する装置とか、酸素等を再生する装置などを設置して、外気と完全に隔離した換気もできるようにしてもよい。
このように、本発明のシールド付書棚などを用いて部屋を構成すると、どのような間取りでも、快適な住空間の換気と必要なシールドの施された部屋の建築構造物を、容易に得ることができる。
次の図16は、図15の建築構造物(部屋)の窓のE−E断面図を示す。透明な窓板部材を窓板固定フランジ400Mbの着脱で容易に交換可能な、簡単な構造とした一例である。
窓の構造は、透明部材の窓板400Maを複数枚、スペーサ400Msを挟んで空気層を設けて、窓枠筒400Mcの中へ入れて、窓板固定フランジ400Mbで押さえるようにボルトとナットで組み立てる構造としている。
透明部材には、厚みのある強度部材としてポリカーボネートを使用するが、その外側には耐薬品性のある薄いアクリル板を重ねて使用するのがよい。空気層を作るその他の部材は、透明度の高い薄いアクリル板を使用するのがよい。勿論、樹脂製の透明部材より重くなるが、透明ガラスを使用してもかまうものではない。空気層は、自然対流の影響の生じない12mm以下の程度の厚さにして、窓以外のシールド(断熱)性能と同じ性能になる枚数を、スペーサ400Msを挟んで構成するのがよい。
空気の熱伝導率を0.0241W/(m・K)として、断熱材400rの厚さ190mmのセルロースファイバーと、同等のシールド(断熱)性能になる空気の厚さを計算すると、130mm(計算値は、275W)程度になるので、130mm/12mm=10.8で、11層程度の空気層を設けるのがよい。
外側の窓板400Maの外側には、埃の侵入防止とアクリル等の樹脂と木材との厚み方向の熱膨張差を吸収するために、スポンジとか、ゴムなどのシールガスケット400Mgを設けてある。また、窓板400Maの上下と左右の寸法は、窓枠筒400Mcより小さい寸法にして、上と左右には、アクリル等の樹脂と木材との上下左右方向の熱膨張差を吸収する隙間ができるようにするのがよい。隙間は、スポンジとか、ゴムなどの弾性変形する部材で埋めるようにしてもよい。
透明部材の窓板400Maを、アクリルなどの樹脂製にする場合は、放射線での経年劣化があり、定期的な交換が必要になるので、その場合でも、窓板固定フランジ400Mbを着脱するだけで、容易に交換できる。
透明部材の窓板400Maは、ガラス製にしてもよい。ガラス製の場合、割れるリスクがあるが、窓板固定フランジ400Mbを着脱するだけで、容易に交換できる。
また、窓枠筒400Mcの部材を難燃性、不燃性の高い部材で製作して、窓板400Maの少なくとも最外側、あるいは最内側、あるいは最外側と最内側を不燃性の高いガラス製とすることで、窓の防火上の難燃性、不燃性を高めるようにしてもよい。
窓枠筒400Mcの内面と窓板固定フランジ400Mbの内面には、ミラー板400Mmを設けてある。スペーサ400Msを木材等で製作する場合には、表面がミラー状になるよう、アルミを蒸着させるとか、アルミ箔を貼付するなどするのがよい。また、スペーサ400Msは、アクリルなどの透明な部材で製作してもよいが、アクリルなどの樹脂製にする場合は、熱膨張差を吸収する隙間を設けるようにするのがよい。
このようにすることで、斜めからの入射光でも、ミラー板の部分で反射させて、シールド機能のある厚い窓でも、光を効率良く部屋の中へ取り込めるようになる。
また、湿気で窓板400Maの表面が曇るのを防止するため、窓の部屋の側あるいは外側(屋外側)にシリカゲルを入れる密閉可能なポケットを設け、当該ポケットから乾燥した空気が複数枚の窓板400Maの作る空気層へ拡散させるようにしてもよい。拡散させる方法は、例えば、当該ポケットを窓枠筒400Mcの部材に隣接して設け、窓枠筒400Mcの部材から、窓板400Maの作る空気層の1つへ連通する孔をあけて、窓板400Maは自重でどのようにずれる場合でも窓枠筒400Mcの下側にあるので、スペーサ400Msの上部には、挟んでいる窓板400Maのかぶさらない部分がるので、その部分に、窓板400Maの作る各空気層に乾燥空気が拡散するように連通孔をあけておくことにより、シリカゲルを入れた当該ポケットからの乾燥空気を窓板400Maの作るすべての空気層に拡散させる構造は容易に得ることができる。当該ポケットを、アクセスし易い場所に設けることで、シリカゲルを交換するだけで容易に窓板400Maの曇り防止機能の継続維持ができる。
窓の部屋の側には、カーテンの代わりに、化粧板扉400B2C24を開閉可能に設けることで、清掃し易く、経年劣化対策になるとともに、部屋全体の景観統一が容易にできるようになる。また、外側の窓板固定フランジ400Mbの窓板400Maを押さえている部分の奥行き空間にブラインドなどを設けて、通過する光の量を調整可能にしてもよい。この場合、外側の窓板固定フランジ400Mbの手前側(部屋の中側)に、ビス止めでも、嵌め込み式でも、アクリル等の透明部材をもう1枚設けて、ブラインドなどの清掃を不要にしてもよい。ブラインドなどの開閉操作は、太陽光発電パネルとバッテリ等で蓄電した電力で駆動可能な電動ブラインドにして、部屋の中から無線で遠隔操作できるようにしてもよいし、アクリル等の透明部材に小さな開口部を設けて開閉操作するロープやロッド等を部屋の側に出して手動で操作できるようにしてもよい。勿論、ブラインドなどは、窓板400Maの外側(屋外の側)に設けるようにしてもかまうものではない。
また、大きな雹などで窓板が損傷するのを防止するために、窓板400Maの外側(屋外側)に開閉式(あるいは着脱式)の頑強なシャッタとか、頑強なブラインドなどを設けるようにしてもよい。勿論、窓板が損傷しても、部屋の中への影響を防止するために、窓板400Maの内側(屋内側、あるいは途中の内部)に開閉式(あるいは着脱式)の頑強な開閉式のシャッタとか、頑強なブラインドなどを設けるようにしてもよい。
本実施例の窓の上下左右は、隣のシールド付書棚等と接続ボルト400Bgで接続されているが、接続ボルト400Bgを取り外した状態で、取手を掴んで部屋の中に引き出せる構造になっている。
窓の底と、窓を引き出す部分の床には、テフロン(登録商標)製プレート400BTPが敷いてある。
テフロン(登録商標)製プレート400BTPの取付けは、皿ねじの頭の部分が、テフロン(登録商標)製プレートの板の厚みより低くなるように固定する方法でもよいが、テフロン(登録商標)製プレート押さえ400BTPaでテフロン(登録商標)製プレート400BTPが所定の場所に嵌め込まれて、交換も容易に、窓を引き出した時も、ずれ動かないように取付けてある。
窓の下の床の構造は、既設躯体105aの床にシールド付床ユニット400B3G(1)とシールド付床ユニット400B3G(2)を設置し、接続ボルト400Bgにより接続した後、化粧床板400B2C24を上から被せる構造が基本となる。
床下の接続ボルトの個所は、ボルトとナットの締め付け空間が必要となるため、シールド材である断熱材が部分的に薄くなるが、その分、他の部分を厚くして、全体として必要なシールド(断熱)性能の得られるシールド付床ユニットとしている。シールド材の外側と内側の両側にフランジのツバを設けて、接続ボルト400Bgにて両側のツバを接続することで、少ないボルトの本数で容易に必要な面圧の得られる構造としているが、外側(床の下側)のフランジのツバを設けないで、ボルトの本数を増やすとか、ワッシャの面積を大きくするとか、ボルトを千鳥配列にして上下の間隔を少しでも設けるなど、内側(上側)のフランジのツバを締付けるだけで必要な面圧が得られるようにして、シールド材である断熱材を部分的に薄くしなくてもよい構造としてもよい。
シールド付床ユニット400B3G(1)の上板の一部は、分割構造にして、接続ボルトを接続した後、通気スペースの部分は仕切板400B3C11で仕切り、上から組み立て可能な構造にしているが、テフロン(登録商標)製プレート400BTPの押さえ部材は、嵌め込みする寸法精度が必要なので、分割されない、一体物として、工場等で精度良く組み立てる構造としている。
シールド付床ユニット400B3G(1)の奥の接続ボルトを締める時は、仕切板400B3C11で塞ぐ前の横の開口部から、長い工具を用いて、奥の接続ボルトやナットなどを締付けるようにしてもいが、シールド付床ユニット400B3G(1)の上板に開口部を設けておき、奥の接続ボルトも、容易に着脱できるようにしてある。
窓の下側とシールド付床ユニット400B3G(1)とを接続する接続ボルト400Bgは、シールド付床ユニット400B3G(1)側を埋め込みナットの構造として、ナット側にアクセスしないで、接続ボルト400Bgの着脱が容易にできる構造としている。
窓の下側とシールド付床ユニット400B3G(1)とを接続する接続ボルト400Bgは、2枚のテフロン(登録商標)製プレート400BTPを貫通するので、2枚のテフロン(登録商標)製プレートには、接続ボルト400Bgの直径よい大きい開口部を設けているが、スライドさせた時に開口部の角が互いに傷を付けないように、面取り等を施し、滑らかに仕上げておくのがよい。
このようにすることで、2枚のテフロン(登録商標)製プレート400BTPが、薄いスライドベースとなるため、シールド(断熱)性を確保できて、重い窓でも、軽い力で容易に開閉できる窓とすることができる。
また、周囲の接続ボルトで接続するシールド付ユニットは、窓の出し入れが、スムーズにできるように、撓みが少なくなる剛性を持たせて、精度良く製作するようにしてもよいが、引き出す窓の上面とか、側面にも、テフロン(登録商標)製プレートを取付けるようにしてもよい。
次の図17は、図16の窓構造の別の実施例を示す。窓構造は、窓板固定フランジの構造より、少し複雑になるが、大きな窓にできる構造の一例である。
窓構造は、透明部材の窓板を複数枚、スペーサを挟んで空気層を設け、窓枠の中へ入れるのは、図16の窓構造と同じであるが、窓板は、内面にミラー板の貼られた、窓枠と一体に窓枠の上下に設けた窓板押さえミラーストッパ400Mbsと窓板の間に、L型ミラー窓板押さえ400MbLを上下に入れて、窓板を押さえる構造としている。
窓板押さえミラーストッパ400MbsとL型ミラー窓板押さえ400MbLによって、窓枠の上下は、ミラー板の反射面になるが、窓枠の両側面もミラー板の反射面にするため、L型ミラー窓板押さえ400MbLに埋め込みナットを埋め込んでおき、埋め込みナットにミラー側板固定ボルト400MmSbを用いて、取手付ミラー側板を取り付けるようにしている。
接続ボルト400Bg、ミラー側板固定ボルト400MmSbなどは、締付け後にミラーキャップ400Mmcを被せ、窓枠の内面全体がミラー板の反射面になるようにしている。
窓の手前には、カーテンの代わりとなる、化粧板扉400B2C24が開閉可能に設けてある。
このようにすることで、斜めからの入射光でも、ミラー板の部分で反射させて、シールド機能のある厚い窓でも、光を効率良く部屋の中へ取り込めるようになる。
左上から斜めの入射光の代表的な反射状態を二点鎖線で図示しているが、木製のスペーサ400Msの表面を鏡面仕上げにすれば、スペーサ400Msの溝に入射した光も、溝の中で反射して、減衰することなく、厚い窓枠の部分を通過できる。また、透明のスペーサ400Msにすれば、多少の屈折は生じても、窓板の外側に設けてある、ミラー板で反射し、多くの光は、減衰することなく、厚い窓枠の部分を通過できる。
また、窓の下側とシールド付床ユニット400B3G(1)の上板を接続する接続ボルト400Bgは、シールド付床ユニット400B3G(1)側にナット付箱型金具400B3G11Nを嵌め込み、図16の埋め込みナット構造よりも頑強に、ナット側にアクセスしないで、接続ボルト400Bgの着脱が容易にできる構造としている。仕切板400B3G11も、ナット付箱型金具400B3G11Nに押し当てて位置決めする、嵌め込み構造としている。
次の図18は、図15の建築構造物(部屋)の断熱内扉のF−F断面図を示す。スライドアシスト駆動装置を用い、所定の軌道に沿って、軽い力で開閉可能にした一例である。
断熱内扉400Dcの内部には、部屋と同じシールド性能の断熱材が充填されているが、必要な強度を得るために補強板も組み込まれ、両側には開閉するときに握る取手が設けてある。
断熱内扉400Dcの上部には、スライドアシスト駆動装置400DcMの可動部が、扉の外板に埋め込みされたナットを利用して、ボルトで取り付けられている。
スライドアシスト駆動装置400DcMの固定部は、部屋側上部の外板に埋め込みされたナットを利用して、ボルトで取り付けられている。
スライドアシスト駆動装置400DcMは、断熱内扉400Dcが部屋から離れるようにリンク機構で開くようにして、断熱内扉400Dcの取手が、部屋の外壁に当らない位置まで離れたら、リンク機構の取り付けてあるスライドする台座が、スライドアシスト駆動装置400DcMの内部に、扉を移動させる方向へ設置されたレールに沿って、スライド移動するようになっている。リンク機構の開閉と扉を移動させる方向へのスライド移動は、機械的に連続してスムーズに行われるが、スライドアシスト駆動装置400DcMの内部には、駆動源として電動モータも組み込まれている。
スライドアシスト駆動装置400DcMは、電動モータによる自動開閉式にしてもよいが、取手などに作用する力とその方向を検出して、断熱内扉400Dcが動かされようとしている方向へアシスト駆動させるようにして、不用意な開閉動作を防止している。
取手などに作用する力とその方向の検出は、スライドアシスト駆動装置400DcM内部の駆動系の動力伝達部材の一部に貼り付けた歪ゲージなどのセンサからの信号を利用して、判別するようにしてもよいし、扉の取手の見えない部分に直接歪ゲージを貼り付け、感度良く、取手に作用する力とその方向を検出するようにしてもよい。
取手などに作用する力とその方向の検出は、電動モータをサーボモータにして、常時、扉の位置決め制御を行うようにして、モータに流れる電流を検出し、負荷の変化を検出して、判別するようにしてもよい。
取手などに作用する力とその方向の検出は、地震の揺れとか、生活振動で誤動作のしないように適切な感度に調整するとか、地震とか、振動などを検出するセンサを別に設けて、地震とか、振動などによって、取手などに生じている力を除いて、開閉動作に伴う力のみを判別するようにしてもよい。
スライドアシスト駆動装置400DcMの動力源の電動モータと動力伝達機構は、バックドライバビリティの小さなものとして、停電や故障時にも、手動で容易に開閉可能なものとするのがよい。
スライドアシスト駆動装置400DcMのリンク機構によって、部屋側への必要な押付力を発生させて、通常時は、部屋と断熱内扉400Dcを適切に密着させして閉めるようにするが、停電や故障時にも、手動で容易に密着させられるように、通常は使用しなくとも、断熱内扉400Dcの取手と部屋側に設けた取手に、Sフックで容易に着脱可能なシールばね400Dc1も設けておくのがよい。
スライドアシスト駆動装置400DcMの動力源の電動モータとか、駆動制御装置などに、電流や電圧、温度などの各種センサを設けて、スライドアシスト駆動装置400DcMの正常状態か、異常状態かを判別する自己診断機能付けて、異常時には音声ガイダンスなどで必要な修理を促すようにしてもよい。
また、シールばね400Dc1が誤って付いている時には、電動モータには通常時と違う過電流が流れるので、それを検出して自動停止し、音声ガイダンスで、シールばねを確認するように注意を喚起するようにしてもよい。
スライドアシスト駆動装置400DcMのリンク機構は、通常時は所定の圧力で断熱内扉400Dcを部屋の外壁に押し付けるが、断熱内扉400Dcの底面と床面とのシール性を自重量よりも増す必要のある場合には、下方へも同時に押し付けるようにしてもよい。
また、スライドアシスト駆動装置400DcMの動力源の電動モータの代わりに、ばねを用いて、断熱内扉400Dcの移動する軌道は、リンク機構とレールに沿った軌道にするが、断熱内扉400Dcを開ける時の動力は手動にして、閉まる時の動力は、開ける時にばねに蓄積されるエネルギを利用して、ばねの力で閉まる半自動式扉としてもよい。
所定の圧力で断熱内扉400Dcを部屋の外壁に押し付ける力も、ばねの力で所定の圧力で押し付けるようにしてもよいし、着脱可能なシールばね400Dc1を併用して、必要なシール性能を得るようにしてもよい。
本実施例では、断熱内扉400Dcが開閉してできる通路には、段差のないバリアフリーの同じ高さの床面にしているが、部屋の外側の床面を低くして段差を設けて、所定の圧力で断熱内扉400Dcを部屋の外壁に押し付けるのみで、断熱内扉400Dcの上下左右の全周のシールが確保できるようにしてもよい。
また、段差は、部屋の外側の床面を低くして設けてもよいが、部屋の内側の壁厚の部分を高くして堰のように段差を設けるようにしてもよい。段差を設けた場合に、床が上下して扉が開いたときにバリアフリーになるようにしてもよい。段差の部分に昇降機構を設けて、断熱内扉の開動作に合わせて、昇降機構が連動して、段差がなくなるようにしてもよい。
また、開閉する断熱内扉あるいはシールド付壁ユニット等が、堰のような段差の上に通常取り付けられている場合、可動式あるいは可搬式のスライドベースを、開閉する断熱内扉あるいはシールド付壁ユニットなどの引き出す方向の下に段差がなくなるように設置して、堰のような段差の上と、スライドベースの上をスムーズに挿入や引き出しができるようにしてもよい。
さらに、開閉する断熱内扉あるいはシールド付壁ユニットなどを分割構造にして、1つのユニットを小さく軽くして、挿入や引き出しが、人手でも、自動でも、容易にできるようにしてもよい。また、堰のような段差の高さを高くするとか、上方に、挿入や引き出しの可能なユニットを設けて、床面から高い位置の途中の部位を開閉するようにしてもよい。そして、スライドベースは、自重量による摩擦抵抗を低減する以外にも、接触抵抗、圧着状態による摩擦抵抗の低減にも、有効なので、開閉する部位は、床面ユニットでも、天井ユニットでも、かまうものではない。
また、スライドアシスト駆動装置400DcMの代わりに、断熱内扉400Dcの外側の外板に、テフロン(登録商標)製プレート400BTP以外の床面とか、部屋の外壁などに駆動輪を所定の力で押し当てて、駆動輪を回転制御させる走行駆動装置を取り付けて、断熱内扉自身の位置と姿勢を検出する各種センサも取り付けて、自律的に移動可能な扉にしてもよい。
断熱内扉400Dcの出入り口の部屋の内側には、部屋内部と同様に化粧板扉400B2C24を設けて、部屋全体の景観の統一が容易にできるようにしてある。
断熱内扉400Dcの底には、重い扉でも軽い力で移動できるように、テフロン(登録商標)製プレート400BTPが、テフロン(登録商標)製プレート押さえ400BTPaで所定の場所に嵌め込み可能な構造で設けられている。
既設躯体105aの床に設置されるシールド付床ユニット400B3Gの部屋の外側は、シールド無し床ユニット400B3Gnと接続ボルト400Bgで接続されて、部屋の外の床上にも、化粧床板400B2C24が嵌め込み式で被せるようになっている。
シールド付床ユニット400B3Gは、接続ボルトを接続した後、通気スペースの部分は仕切板で仕切り、部屋の内側も、化粧床板400B2C24が嵌め込み式で被せるようになっているが、テフロン(登録商標)製プレート400BTPの押さえ部材は、嵌め込みする寸法精度が必要なので、一体物として、工場等で精度良く組み立てる構造としている。
嵌め込むテフロン(登録商標)製プレート400BTPの着脱は、吸盤の工具を利用して、取り外して、新しいテフロン(登録商標)製プレート400BTPを嵌め込むことで容易に交換できるが、浮き上がりを防止するため、嵌め込む前に剥がすことが容易な接着力の弱い接着剤を塗って嵌め込むようにしてもよい。
また、シールド付床ユニット400B3Gの断熱内扉400Dcの閉まる位置の床の下の部分にも断熱材を充填しておくことによって、段差のないバリアフリーの床面でも、同等のシールド(断熱)性能を容易に得ることができる。
このようにすることで、2枚のテフロン(登録商標)製プレート400BTPが、薄いスライドベースとなるため、シールド(断熱)性を確保できて、重い扉でも、軽い力で容易に開閉できる扉とすることができる。
また、断熱内扉400Dcが移動する時に、部屋の壁側と接触する可能性のある部位には、部屋の外壁側とか、断熱内扉400Dcの前面とか、側面などにも、テフロン(登録商標)製プレートを取付けるようにしてもよい。
また、床面などの広い範囲に敷くテフロン(登録商標)製プレート400BTPは、できるだけ、大きな1枚物で製作するのがよいが、複数枚を並べて敷く場合には、隣り合うテフロン(登録商標)製プレートの端面の角は、スライドさせた時に角が互いに傷を付けないように、面取り等を施して、多少の面取りによる、くぼみが生じても、滑らかに仕上げておくのがよい。
次の図19は、本発明の第11の手段を適用した部屋(書棚)の一実施例の側面断面図を示す。図6で説明した書棚に接続した補助シールドに、さらに、給排気ファンユニットを接続して、延長ダクトの部分で給気と排気の熱交換を行うようにした一実施例である。
本発明のシールド付書棚ユニット400B2C(1)の背板400B2C4には、給気口と排気口を兼ねた開口部があり、補助シールド400BrAが接続されているが、その先に、排気ファン400B2C14と吸気ファン400B2C15、それぞれのファン制御ユニット400B2C16が内蔵された、給排気ファンユニット400B2C20が接続されている。
給排気ファンユニット400B2C20には、キャスタが設けられていて、体育館などに仮設の本発明の部屋を設置するような場合でも、移動させて容易に接続できるようにするとともに、内蔵されたそれぞれのファン制御ユニット400B2C16への給電は、1本のプラグ付き電源用コードで、延長ドラム等のコンセントから、容易に受電できるようにしてある。
給排気ファンユニット400B2C20には、キャスタの他に、高さ調整と固定を兼ねたレベル調整具を設けてもよい。
また、本発明の部屋を屋外に設置する場合は、給排気ファンユニット400B2C20を防水構造にするとともに、吸排気口は、雨水などが入らない構造にするのがよい。
給排気ファンユニット400B2C20の内部は、給気系統と排気系統とは、混ざらないように仕切りが設けられていて、給気系統は主にフレキシブルダクト400B2C18の中に給気6fを通して、その外側に排気6eを通す流路が設けられている。
給排気ファンユニット400B2C20からの排気の放出口には、断熱ホース400B2C19が接続されて、排気6eは、この断熱ホースの中を通して排出される。
断熱ホース400B2C19の中には、フレキシブルダクト400B2C18が配設され、給気6fは、その中を通して吸引される。
給気と排気の熱交換は、主に、フレキシブルダクト400B2C18が配設された、断熱ホース400B2C19の中で行われる。また、湿気の交換もされるように、断熱ホース400B2C19の中のフレキシブルダクト400B2C18には、途中、紙管400B2C12が接続されている。
また、給気系統のフレキシブルダクト400B2C18の長さは、排気系統の断熱ホース400B2C19の長さより長くして、排気6eを放出する場所と、給気6fを吸引する場所を離れた場所にできるようにしている。
また、給気系統のフレキシブルダクト400B2C18の先端部には、フィルタユニット400B2C22を設けて、埃などが吸引されないようにしている。
このようにすることで、給排気ファンが部屋の外になるので、部屋は静かな空間となり、また、長いダクトで十分な熱交換も可能になり、より一層、熱効率の良い、最適な換気を、容易に構成できるようになる。
図20は、本発明の第12の手段を適用した部屋の一実施例を示す。部屋の外側に非常用発電装置を、部屋の中に人力発電装置を設けた一実施例である。
本発明のシールド付きの羽目板、収納庫あるいは家具を用いて設置した部屋(生活空間)430Kの中には、人力発電装置35F、ファン電源装置30Fi、電源コンセント等が、ラビリンス貫通スリーブ400B2C13を通して、引き込まれている。
部屋(生活空間)430Kは、新築でも、既設マンションなどをリフォームした部屋でも、体育館などの大型施設の中に組み立てた仮設部屋でも、屋外に組み立てた仮設の住宅でもよい。短期間でも、長期間でも、人が生活する空間である。
また、断熱は十分ではないが、頑強に作られた躯体の古民家などの部屋の中に設置して、快適な部屋(生活空間)430Kを得るようにしてもよい。
部屋(生活空間)430Kの外には、外部からの商用電源36と太陽光発電パネルなどの発電装置35から電力を電源装置(バッテリ内蔵)30へ供給可能に接続してある。電源装置(バッテリ内蔵)30からの電力は、部屋430Kの中と部屋の外のコンセントから利用可能にしてあり、部屋430Kの中のファン電源装置30Fiと、部屋の外のファン電源装置30Foの電源となる。
また、電源装置(バッテリ内蔵)30には、部屋430Kの中の人力発電装置35Fと、部屋の外に設けた非常用発電装置35Eが接続され、内蔵バッテリへの充電とコンセントへの給電が可能となっている。
非常用発電装置35Eは、電源装置(バッテリ内蔵)30と制御用信号ケーブルでも接続しておき、電源装置(バッテリ内蔵)30にて、外部電源36の停電とか、内蔵バッテリの電圧低下を検出して、必要な時に、非常用発電装置35Eを自動起動可能にしている。
このようにすることで、電源装置(バッテリ内蔵)30は、商用電源36の停電時にも、内蔵バッテリにて一定の時間は給電できるようになっているが、一定時間以上停電が続く場合でも、部屋の換気を継続させることが可能となる。
また、部屋の中に、人力発電装置35Fを設けることで、非常用発電装置35Eの燃料が無くなり、部屋の外へ出られない場合でも、部屋の換気を継続させることが可能となる。
また、部屋の中から制御用信号ケーブルを、ラビリンス貫通スリーブ400B2C13を通して、配線しておき、部屋の中から、電源装置(バッテリ内蔵)30、発電装置35、非常用発電装置35Eなどの制御や操作などができるようにしてもよい。
また、人力駆動の可能な駆動手段として、部屋の中の換気用のファンのシャフトを機械的に人力で増速機を介して回すようにしてもよいし、部屋の壁などの部分にシャフトを貫通させて、部屋の外のファンのシャフトを回すようにしてもよいし、直線状でなく、トルクチューブを利用して、クランク状に貫通させるようにしてもよいし、ファンのシャフトの代わりに、発電機のシャフトを人力で回すようにしてもよい。
次の図21は、本発明の第13の手段を適用した部屋の一実施例を示す。
本発明のシールド付きの羽目板、収納庫あるいは家具を用いて設置した部屋(生活空間)430Kの中には、計算機2(22)、I/Fボックス(インタフェースボックス)22IF、各種センサ40S1、無線装置41、センサユニット40US1などが設置されて、I/Fボックス(インタフェースボックス)22IFには、ラビリンス貫通スリーブ400B2C13を通して配線された部屋の外の各種センサ40S3と各種出力装置40Dが接続されている。
このようにすることで、シールド性能が高く、部屋の中と外が隔離されている状態でも、部屋の中と部屋の外の各種センサ情報は、計算機2(22)で取り込むことができ、部屋の中と部屋の外の状況を計算機2(22)のモニタ表示装置とか、各種の出力装置40Dなどに表示するとか、各種センサの検出結果の正常/異常な状況判別も計算機2(22)で行い、異常な状況、あるいはその兆候を検知した場合には、計算機2(22)のモニタ表示装置とか、各種出力装置40Dなどで知らせることが容易にできるようになる。
また、部屋の外にもセンサユニット40US2を設置して、部屋の中の無線装置41との無線通信で、各種センサの情報を取り込めるようにすることで、部屋の外も、各種センサの追加とか、設置位置の変更が容易にできるようになる。
また、無線装置41から、部屋の外のスマートフォンなどの携帯端末23へ、各種センサの検出結果とか、正常/異常の判別結果を知らせるようにしてもよい。
また、無線装置41から、無線基地局12を経由して、インターネット10と接続できるようにして、インターネット10に接続された部屋の外の計算機1(21)へ各種センサの検出結果とか、正常/異常の判別結果を知らせるようにしてもよい。計算機2(22)のインターネットへの接続は、有線回線を利用して接続してもよい。
また、携帯無線とか、インターネット回線などを使用して、部屋の外の離れた場所の状況も、移動カメラ15などのロボットから、得られるようにしてもよい。
また、部屋の内外の各種センサの情報を利用して、部屋(生活空間)430Kの換気用のファンの制御とか、冷暖房機器の制御を行うようにしてもよい。
また、計算機1(21)、計算機2(22)、携帯端末23から、部屋430Kのファンの制御、冷暖房機器の制御、その他の家電機器の制御、移動カメラ15などのロボットの制御に必要となる操作指令などを計算機2(22)経由で入力できるようにして、部屋の中でも、外でも、どこからでも、操作できるようにしてもよい。
複数の個所からいろいろな操作指令が入力される場合もあるので、制御対象の機器に近い場所にある計算機2(22)で、操作内容の優先順、矛盾のチェックと排除などを行って、全体を統括制御するようにするのがよい。
また、部屋430Kのファン、冷暖房機器、その他の家電機器の電力消費状態と発電装置35などの発電量も検出して、ファン、冷暖房機器、その他の家電機器の最適な運転制御を行うようにしてもよい。
また、部屋(生活空間)430Kの床下には、検出しやすい大きさに区分した区分け毎に、床下パイプ400B3G25を設置して、各床下パイプ400B3G25には、歪ゲージ400B3G26が貼付してあり、各歪ゲージ400B3G26の検出に必要なアンプ等の回路を経由して、各歪ゲージの信号は、各種センサと同様に、I/Fボックス(インタフェースボックス)22IFから、計算機2(22)へ取り込めるようになっている。
このようにすることで、収納スペースが多く、たくさんの物品を収納した場合も、現在の収納物品の重量を検知することができるので、床の耐荷重をオーバーする場合には、事前にアラームなどを出力して、知らせることも容易にできる。
収納物品の重量計測は、定期的に行うようにしてもよいし、連続的に常時行うようにしてもよいし、計測したい場合に、操作をして計測するようにしてもよい。
また、重量計は、シールド付書棚ユニットなどの各ユニットの棚毎とか、ユニットごとに設けて、各ユニットに表示装置を設けて、各ユニットの計測の結果を計算機2(22)へ取り込んで集計するようにしてもよいし、計算機2(22)と接続しないで、各ユニットの表示装置を見ながら、個別に管理するようにしてもよい。
また、部屋(生活空間)430Kの化粧板扉、化粧天井板、化粧床板などに、モニタ装置を組み込むとか、シート状のモニタを貼付して、床、壁、天井の部屋全体をモニタと音響設備にして、狭い部屋でも、大きな部屋、豪華絢爛な部屋、大自然の中の壮大なる空間をエコ(環境問題対策に係わるエコロジーの略)に容易に体感できるようにしてもよい。
体感する時には、湿度や風速なども制御して、臨場感を高めるようにしてもよい。さらに、香料などを給気に混合して臨場感を高めて、排出する時には、排気前に香料を回収して、リサイクルするようにしてもかまうものではない。
また、本発明のシールド付きの羽目板、収納庫あるいは家具の背板側に、モニタ装置とか、電子ペーパーなどの表示内容を保持するのに電力を必要としない表示装置を組み込むとか、シート状のモニタを貼付して、壁や天井などの部屋外側の全体をモニタと音響設備にして、屋外とか、古民家の部屋の中に設置した場合でも、周囲の環境と調和する景観に、容易に合わせられ、必要に応じて変更も容易にできるようにしてもよい。
そして、香料などを排気に混合して、部屋外側の環境と調和した雰囲気を演出するようにしてもかまうものではない。