以下、本発明に係るハイブリッド式作業機の実施の形態を、ハイブリッド式の油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1において、作業機の代表例である油圧ショベル1は、ハイブリッド式の油圧ショベル(ハイブリッド式作業機)として構成されている。油圧ショベル1は、基体としての自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載され該下部走行体2と共に車体を構成する旋回体としての上部旋回体3と、該上部旋回体3の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置4とにより大略構成されている。油圧ショベル1は、作業装置4を用いて土砂の掘削作業等を行うことができる。
ここで、下部走行体2は、トラックフレーム2Aと、該トラックフレーム2Aの左,右両側に設けられた駆動輪2Bと、トラックフレーム2Aの左,右両側で駆動輪2Bと前,後方向の反対側に設けられた遊動輪2Cと、駆動輪2Bと遊動輪2Cに巻回された履帯2D(いずれも左側のみ図示)とにより構成されている。左,右の駆動輪2Bは、それぞれが油圧アクチュエータとしての左,右の走行油圧モータ2E,2F(図7,8参照)によって回転駆動され、履帯2Dを周回駆動させることにより油圧ショベル1を走行させる。
作業装置4は、旋回フレーム5の前部側に俯仰動可能に取付けられたブーム4Aと、該ブーム4Aの先端側に回動可能に取付けられたアーム4Bと、該アーム4Bの先端側に回動可能に取付けられた作業具としてのバケット4Cと、これらを駆動するブームシリンダ4D、アームシリンダ4E、作業具シリンダとしてのバケットシリンダ4Fとにより構成されている。油圧シリンダからなるブームシリンダ4D、アームシリンダ4E、バケットシリンダ4F、さらに、油圧モータからなる走行油圧モータ2E,2F、後述の旋回油圧モータ30(図7,8参照)は、それぞれ圧油によって駆動(作動)する油圧アクチュエータとなるものである。
一方、上部旋回体3は、該上部旋回体3の支持構造体を形成するベース(フレーム)となる旋回フレーム5と、該旋回フレーム5上に搭載されたキャブ6、カウンタウエイト8、エンジン9、油圧ポンプ10、アシスト発電モータ13、熱交換装置14、蓄電装置27、旋回装置29、インバータユニット34等とを含んで構成されている。
ここで、図4に示すように、旋回フレーム5は、厚肉な平板状に形成され前,後方向に延びた底板5Aと、該底板5A上に立設され左,右方向で対面しつつ前,後方向に延びた左縦板5Bおよび右縦板5Cと、左縦板5Bから左側方に張出して設けられた複数の左張出しビーム5Dと、右縦板5Cから右側方に張出して設けられた複数の右張出しビーム5Eと、各左張出しビーム5Dの先端側に固着され前,後方向に延びた左サイドフレーム5Fと、各右張出しビーム5Eの先端側に固着され前,後方向に延びた右サイドフレーム5Gとにより大略構成されている。
旋回フレーム5の前部左側には、運転室を画成するキャブ6が設けられている。キャブ6内には、オペレータが着席する運転席が設けられ、運転席の周囲には、走行用の操作レバー・ペダル装置(図示せず)、作業用の操作レバー装置7A,7B、後述のキースイッチ59、モニタ装置62(いずれも図7,8参照)等が設けられている。操作レバー・ペダル装置、操作レバー装置7A,7Bは、オペレータによる操作レバー、操作ペダルの傾転操作に応じたパイロット圧を、後述のコントロールバルブ12に出力するものである。さらに、図2に示すように、キャブ6内には、運転席の後方の下側に位置して後述の車体コントローラ57が設けられている。一方、旋回フレーム5の後端側には、作業装置4との重量バランスをとるためのカウンタウエイト8が設けられている。
エンジン9は、カウンタウエイト8の前側に位置して旋回フレーム5の後側に配設されている。エンジン9は、クランク軸(図示せず)の軸線が左,右方向に延在する横置き状態で、旋回フレーム5上に搭載されている。エンジン9の左,右方向の一側となる右側には、油圧ポンプ10とアシスト発電モータ13とが取付けられている。一方、エンジン9の左,右方向の他側となる左側(油圧ポンプ10とは反対側)には、吸込式の冷却ファン9Aが取付けられている。冷却ファン9Aは、エンジン9によって回転駆動されることにより左後側ドア26に形成された吸気口26Aから外気を吸込み、この外気を冷却風Fとして熱交換装置14等に供給するものである。
ここで、エンジン9は、例えば、電子制御式エンジンにより構成され、エンジン制御装置(エンジン・コントロール・ユニット)であるECU9B(図7,8参照)によって制御される。具体的には、エンジン9は、シリンダ(燃焼室)内への燃料の供給量、即ち、シリンダ内に燃料を噴射する燃料噴射装置(電子制御噴射弁)の噴射量が、ECU9Bにより可変に制御される。この場合、ECU9Bは、後述の車体コントローラ57に接続されている。ECU9Bは、車体コントローラ57からの制御信号(指令信号)に基づいて、燃料噴射装置によるシリンダ内への燃料噴射量を可変に制御し、エンジン9の回転速度を制御する。
油圧ポンプ10は、エンジン9の右側(出力側)に取付けられている。油圧ポンプ10は、エンジン9によって駆動されることにより、油圧ショベル1に搭載された左,右の走行油圧モータ2E,2F、各シリンダ4D,4E,4F、後述する旋回油圧モータ30等の各種の油圧アクチュエータに向けて作動用の圧油を吐出するものである。図7,8に示すように、油圧ポンプ10は、例えば可変容量型の斜板式油圧ポンプ等により構成され、ポンプ容量を調整するレギュレータ(容量可変部、傾転アクチュエータ)10Aを有している。レギュレータ10Aは、後述の車体コントローラ57により電気・油圧変換装置61Aを介して可変に制御される。
油圧ポンプ10の前側には作動油タンク11が設けられている。作動油タンク11は、油圧アクチュエータに供給される作動油を貯溜している。そして、複数の方向制御弁の集合体からなるコントロールバルブ12(図7,8参照)は、キャブ6内に配置された走行用の操作レバー・ペダル装置、作業用の操作レバー装置7A,7Bのレバー操作、ペダル操作等に応じて、油圧ポンプ10から各種の油圧アクチュエータに供給される圧油の方向を制御する。
アシスト発電モータ(発電電動機、発電電動モータ)13は、油圧ポンプ10と共にエンジン9の右側に取付けられている。アシスト発電モータ13は、エンジン9によって駆動されることにより電力を発電し、または、蓄電装置27から電力が供給されることによりエンジン9の駆動を補助(アシスト)するものである。即ち、アシスト発電モータ13は、エンジン9によって駆動されることにより発電する発電機としての機能と、蓄電装置27から供給される電力によりエンジン9の駆動を補助する電動機としての機能とを有している。
熱交換装置14は、エンジン9の左側に位置して旋回フレーム5上に搭載されている。図3に示すように、熱交換装置14は、旋回フレーム5上に取付けられる支持枠体15と、該支持枠体15に組付けられたインタクーラ16、エンジン用ラジエータ17、オイルクーラ18、エアコンコンデンサ19、燃料クーラ20、ハイブリッド機器用ラジエータ21等からなる1つのユニットとして構成されている。
ここで、支持枠体15は、熱交換装置14の前側(キャブ6側)に配置され、左,右方向に延びると共に上,下方向に延びる前仕切板15Aと、カウンタウエイト8の左前面部に沿って熱交換装置14の後側に配置され、左,右方向に延びると共に上,下方向に延びる後仕切板15Bと、前,後の仕切板15A,15Bの上部を連結するように前,後方向に延び、インタクーラ16、エンジン用ラジエータ17、オイルクーラ18の上部を覆う連結部材15Cとを含んで構成されている。
支持枠体15には、ターボ過給機によって圧縮された空気(圧縮空気)を冷却するインタクーラ16と、エンジン冷却水を冷却するエンジン用ラジエータ17と、作動油を冷却するオイルクーラ18と、空気調和装置(エアコン)用の冷媒を冷却するエアコンコンデンサ19と、燃料を冷却する燃料クーラ20とが組付けられている。
さらに、図2および図3に示すように、支持枠体15には、ハイブリッド機器用の冷却媒体となるハイブリッド機器用冷却水を冷却するハイブリッド機器用ラジエータ21が組付けられている。ハイブリッド機器用冷却水は、ハイブリッド機器を構成する蓄電装置27、第1,第2のインバータ42,49、旋回電動モータ31を冷却するものである。即ち、図2に矢印を付して示すように、ハイブリッド機器用ラジエータ21で冷却されたハイブリッド機器用冷却水は、ポンプ21Aにより蓄電装置27に供給され、第1,第2のインバータ42,49、旋回電動モータ31を介してハイブリッド機器用ラジエータ21に環流する。なお、アシスト発電モータ13は、例えば、エンジン冷却水により冷却する。
熱交換装置14は、冷却ファン9Aによって吸込まれた外気(冷却風F)が、ハイブリッド機器用ラジエータ21、エアコンコンデンサ19、燃料クーラ20、インタクーラ16、エンジン用ラジエータ17、オイルクーラ18に供給されることにより、ハイブリッド機器用冷却水、圧縮空気、エンジン冷却水、作動油、エアコン用の冷媒、燃料を冷却するものである。
建屋カバー22は、カウンタウエイト8の前側に位置して旋回フレーム5上に設けられている。建屋カバー22は、エンジン9、油圧ポンプ10、アシスト発電モータ13、熱交換装置14等を覆うものである。ここで、図1に示すように、建屋カバー22の上側は、上面板23とエンジンカバー24とによって構成されている。建屋カバー22の左側は、キャブ6の後側に配設された左前側ドア25と、該左前側ドア25とカウンタウエイト8との間に配設された左後側ドア26とを含んで構成されている。左後側ドア26には、外気を冷却風Fとして吸込む吸気口26Aが設けられている。
左前側ドア25は、第1,第2のインバータ42,49のメンテナンスを行うとき、さらには、後述するように第1のインバータ42の故障に伴って第1,第2のインバータ42,49とアシスト発電モータ13、旋回電動モータ31との配線を変更するとき等に開閉するものである。左後側ドア26は、熱交換装置14のメンテナンス等を行うときに開閉するものである。一方、建屋カバー22の右側は、作動油タンク11とカウンタウエイト8との間に配設された右側ドア(図示せず)によって構成されている。
蓄電装置27は、電力の充電(蓄電)と放電を行うものである。蓄電装置27は、熱交換装置14に供給される冷却風Fの流れ方向において熱交換装置14よりも上流側に配置されている。蓄電装置27は、例えばリチウムイオン電池を用いて構成され、旋回フレーム5上に取付けられている。蓄電装置27は、アシスト発電モータ13が発電した発電電力や上部旋回体3の旋回減速動作(回生動作)によって旋回電動モータ31が発電した回生電力を充電(蓄電)し、または、充電された電力をアシスト発電モータ13や旋回電動モータ31に放電(給電)するものである。
なお、蓄電装置27は、リチウムイオン電池以外にも、例えば電気二重層のキャパシタを用いることもできる。蓄電装置27にキャパシタを用いる場合には、蓄電装置27と蓄電装置用ケーブル47,54(直流母線)との間にチョッパを接続して設け、該チョッパによって直流母線の電圧を一定に保持することが好ましい。
ここで、図3および図4に示すように、蓄電装置27は、内部に複数のバッテリモジュールが収容された直方体状のケーシング27Aと、該ケーシング27Aよりも小型の箱体からなりケーシング27A上に取付けられた接続箱(ジャンクションボックス)27Bとを含んで構成されている。接続箱27Bは、後述する第1,第2のインバータ42,49から延びる蓄電装置用ケーブル47,54と蓄電装置27の端子との間を接続するもので、その内部には、後述する車体コントローラ57からの信号(制御信号、指令信号)に基づいて蓄電装置27の充電、放電を制御する制御器27C(図7,8参照)等の電気回路(図示せず)が収容されている。
ここで、接続箱27Bの前側面には、第1のケーブル接続口27Dと第2のケーブル接続口27Eとが左,右方向に並んで設けられている。第1のケーブル接続口27Dには、第1のインバータ42と蓄電装置27との間を接続する蓄電装置用ケーブル47が着脱可能に接続される。第2のケーブル接続口27Eには、第2のインバータ49と蓄電装置27との間を接続する蓄電装置用ケーブル54が接続される。
接続箱27Bの後側面には、左,右方向の中間部に位置して後方に向けて突出する突出部27Fが設けられている。突出部27Fには、蓄電装置27と第1,第2のインバータ42,49との間を通電し、または、遮断するディスコネクトスイッチ28が設けられている。オペレータやメンテナンス作業員(整備員、サービス員)等は、例えばメンテナンス作業時等に、ディスコネクトスイッチ28を操作することにより、蓄電装置27からアシスト発電モータ13および旋回電動モータ31に対する給電を手動で停止させることができる。
即ち、ディスコネクトスイッチ28は、蓄電装置27のインターロック機能(安全装置)となるスイッチである。ディスコネクトスイッチ28をディスクコネクト状態にすることにより、蓄電装置用ケーブル47,54やアシスト発電モータ用ケーブル46、旋回電動モータ用ケーブル53の抜き差しを行うときの安全性を確保することができる。図7,8,9等に示すように、ディスコネクトスイッチ28には、ディスコネクトスイッチ28のON・OFF状態(コネクト・ディスクコネクト)を検出するディスコネクト検出装置(ディスコネクト検出部)28Aが設けられている。
具体的には、ディスコネクトスイッチ28は、ディスクコネクト検出線28Bを介して、車体コントローラ57に接続されている。図9に示すように、ディスコネクト検出線28Bは、車体コントローラ57のC端子と接続されており、ディスコネクトスイッチ28がコネクトのときはC端子とグランドとが接続(通電)する。一方、図示は省略するが、ディスコネクトスイッチ28がディスクコネクトのときは、C端子とグランドとが非接続(非通電)になる。車体コントローラ57は、C端子の通電、非通電に基づいて、ディスコネクトスイッチ28の状態を判定することができる。車体コントローラ57は、ディスコネクトスイッチ28がディスクコネクト(非接続、非通電)のときは、例えば、モニタ装置62にその旨を表示させるための指令信号(制御信号)を出力する。
旋回装置29は、旋回フレーム5の中央部に設けられている。旋回装置29は、上部旋回体3を下部走行体2に対して旋回させるものである。ここで、図7,8に示すように、旋回装置29は、油圧ポンプ10から吐出する圧油によって駆動される旋回油圧モータ30と、該旋回油圧モータ30に付設された旋回電動モータ(旋回電動機)31と、旋回油圧モータ30および/または旋回電動モータ31から入力された回転を減速する減速機構32とを含んで構成されている。旋回装置29は、旋回電動モータ31に加えて旋回油圧モータ30を設けることにより、これら旋回油圧モータ30と旋回電動モータ31とが協働して上部旋回体3を旋回駆動する、いわゆるハイブリッド型の旋回装置として構成されている。
ここで、旋回電動モータ31は、蓄電装置27から供給される電力により上部旋回体3を旋回駆動する。また、旋回電動モータ31は、上部旋回体3が旋回減速するときに、上部旋回体3の回転に基づく回生動作によって回生電力を発電し、この発電した回生電力を蓄電装置27に供給する。即ち、旋回電動モータ31は、蓄電装置27から電力が供給されることにより上部旋回体3を旋回させる電動機としての機能と、上部旋回体3の旋回減速時に上部旋回体3の運動エネルギを電気エネルギに変換する発電機としての機能とを有している。
ユーティリティ室33は、キャブ6の後側に形成されている。ユーティリティ室33は、建屋カバー22を構成する上面板23および左前側ドア25と、熱交換装置14の支持枠体15を構成する前仕切板15Aとによって画成されている。ここで、ユーティリティ室33の下側は、床板35によって閉塞され、該床板35上には、インバータ組立体38が取付けられている。
次に、ユーティリティ室33内に配設されたインバータユニット34について説明する。
図5および図6に示すように、インバータユニット34は、第1のインバータ42と第2のインバータ49とを一体的にユニット化したものである。インバータユニット34は、床板35と、台座36と、防振部材(防振ゴム)37と、インバータ組立体38とにより構成されている。この場合、床板35には、上方に突出するように台座36が設けられ、インバータ組立体38は、台座36に防振部材37を介して取付けられている。
インバータ組立体38は、支持ブラケット39、第1のインバータ42、第2のインバータ49、接続管路56により構成され、これらを1つの組立体としてサブアッセンブリ化したものである。ここで、支持ブラケット39は、防振部材37上に取付けられている。支持ブラケット39は、第1のインバータ42と第2のインバータ49とをまとめて支持するものである。これにより、第1のインバータ42と第2のインバータ49は、車体(旋回フレーム5)に対して、単一の支持ブラケット39を用いて一まとめに弾性支持されている。
この場合、支持ブラケット39は、第1のインバータ42と第2のインバータ49とを上,下方向に並設して支持している。より具体的には、支持ブラケット39は、下側取付部40と上側取付部41とにより構成されている。下側取付部40には、第2のインバータ49が取付けられ、上側取付部41には、第1のインバータ42が取付けられている。
第1のインバータ42は、アシスト発電モータ13の動作を制御するものである。第1のインバータ42内には、トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等からなる複数のスイッチング素子が収容されている。各スイッチング素子のオン(閉)/オフ(開)は、制御器42A(図7,8参照)によって制御される。制御器42Aは、アシスト発電モータ用信号ケーブル48を介して車体コントローラ57と接続されている。
制御器42Aは、車体コントローラ57の指令に基づいて第1のインバータ42のスイッチング制御を行うことに加えて、第1のインバータ42の状態が適正であるか否かを判定する適正判定部(故障判定部)を備えている。例えば、制御器42Aは、電圧、電流、構成部品の温度等が適正範囲から外れると、第1のインバータ42が適正でない(故障状態、フェール状態である)と判定する。この場合、制御器42Aは、第1のインバータ42の機能を停止すると共に、第1のインバータ42が適正でない旨を、アシスト発電モータ用信号ケーブル48を介して車体コントローラ57に通知する(フェール処理)。
ここで、第1のインバータ42は、第1の交流ケーブル接続口43と、第1の直流ケーブル接続口44と、第1の信号ケーブル接続口45とを有している。第1の交流ケーブル接続口43は、第1の電力線コネクタとなるものである。第1の交流ケーブル接続口43には、アシスト発電モータ13から延びるアシスト電力線としてのアシスト発電モータ用ケーブル46が着脱可能に接続される。アシスト発電モータ用ケーブル46は、アシスト発電モータ13と第1のインバータ42との間を接続する三相交流ケーブル(強電ケーブル)である。第1の交流ケーブル接続口43は、後述する第2のインバータ49の第2の交流ケーブル接続口50と同形状(同型式)の接続口(コネクタ)として構成されている。
一方、第1の直流ケーブル接続口44には、蓄電装置27から延びる蓄電装置用ケーブル47が着脱可能に接続される。蓄電装置用ケーブル47は、蓄電装置27と第1のインバータ42との間を接続する直流ケーブル(DCケーブル、直流母線)である。蓄電装置用ケーブル47は、一端側が蓄電装置27の第1のケーブル接続口27Dに接続され、他端側が第1のインバータ42の第1の直流ケーブル接続口44に接続される。
さらに、第1の信号ケーブル接続口45は、第1の信号線コネクタとなるものである。第1の信号ケーブル接続口45には、車体コントローラ57から延びるアシスト信号線としてのアシスト発電モータ用信号ケーブル48が着脱可能に接続される。アシスト発電モータ用信号ケーブル48は、車体コントローラ57と第1のインバータ42との間で制御信号、指令信号等の信号(情報)を伝達する通信線(制御用信号線)となるものである。第1の信号ケーブル接続口45は、後述する第2のインバータ49の第2の信号ケーブル接続口52と同形状(同型式)の接続口(コネクタ)として構成されている。なお、図示は省略するが、第1のインバータ42には、アシスト発電モータ13から延びる信号ケーブル、例えば、アシスト発電モータ13に設けられた回転検出センサ(レゾルバ)等のセンサからの検出信号(例えば、アシストモータ速度信号)を第1のインバータ42の制御器42Aに出力するための信号ケーブルも着脱可能に接続される。
アシスト発電モータ13の発電時には、第1のインバータ42は、アシスト発電モータ13による発電電力を直流電力に変換し、蓄電装置用ケーブル47を通じて直流電力を蓄電装置27に供給する。一方、アシスト発電モータ13を電動機として駆動するときには、第1のインバータ42は、蓄電装置用ケーブル47を介して蓄電装置27から供給される直流電力を三相交流電力に変換し、アシスト発電モータ用ケーブル46を介して三相交流電力をアシスト発電モータ13に供給する。
一方、第2のインバータ49は、旋回電動モータ31の動作を制御するものである。ここで、第2のインバータ49は、第1のインバータ42と共通な部品で構成された同一形状(同一型式、同一種類)のインバータである。第2のインバータ49内にも、トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等からなる複数のスイッチング素子が収容されている。各スイッチング素子のオン(閉)/オフ(開)は、制御器49A(図7,8参照)によって制御される。制御器49Aは、旋回電動モータ用信号ケーブル55を介して車体コントローラ57と接続されている。
制御器49Aは、車体コントローラ57の指令に基づいて第2のインバータ49のスイッチング制御を行うことに加えて、第2のインバータ49の状態が適正であるか否かを判定する適正判定部(故障判定部)を備えている。例えば、制御器49Aは、電圧、電流、構成部品の温度等が適正範囲から外れると、第2のインバータ49が適正でない(故障状態、フェール状態である)と判定する。この場合、制御器49Aは、第2のインバータ49の機能を停止すると共に、第2のインバータ49が適正でない旨を、旋回電動モータ用信号ケーブル55を介して車体コントローラ57に通知する。
ここで、第2のインバータ49は、第2の交流ケーブル接続口50と、第2の直流ケーブル接続口51と、第2の信号ケーブル接続口52とを有している。第2の交流ケーブル接続口50は、第2の電力線コネクタとなるものである。第2の交流ケーブル接続口50には、旋回電動モータ31から延びる旋回電力線としての旋回電動モータ用ケーブル53が着脱可能に接続される。旋回電動モータ用ケーブル53は、旋回電動モータ31と第2のインバータ49との間を接続する三相交流ケーブル(強電ケーブル)である。
一方、第2の直流ケーブル接続口51には、蓄電装置27から延びる蓄電装置用ケーブル54が着脱可能に接続される。蓄電装置用ケーブル54は、蓄電装置27と第2のインバータ49との間を接続する直流ケーブル(DCケーブル、直流母線)である。即ち、蓄電装置用ケーブル54は、一端側が蓄電装置27の第2のケーブル接続口27Eに接続され、他端側が第2のインバータ49の第2の直流ケーブル接続口51に接続される。
さらに、第2の信号ケーブル接続口52は、第2の信号線コネクタとなるものである。第2の信号ケーブル接続口52には、車体コントローラ57から延びる旋回信号線としての旋回電動モータ用信号ケーブル55が着脱可能に接続される。旋回電動モータ用信号ケーブル55は、車体コントローラ57と第2のインバータ49との間で制御信号、指令信号等の信号(情報)を伝達する通信線(制御用信号線)となるものである。なお、図示は省略するが、第2のインバータ49には、旋回電動モータ31から延びる信号ケーブル、例えば、旋回電動モータ31に設けられた回転検出センサ(レゾルバ)等のセンサからの検出信号(例えば、旋回モータ速度信号)を第2のインバータ49の制御器49Aに出力するための信号ケーブルも着脱可能に接続される。
旋回電動モータ31の発電時には、第2のインバータ49は、旋回電動モータ31による発電電力(回生電力)を直流電力に変換し、蓄電装置用ケーブル54を通じて直流電力を蓄電装置27に供給する。一方、旋回電動モータ31を電動機として駆動するときには、第2のインバータ49は、蓄電装置用ケーブル54を介して蓄電装置27から供給される直流電力を三相交流電力に変換し、旋回電動モータ用ケーブル53を介して三相交流電力を旋回電動モータ31に供給する。
接続管路56は、第1のインバータ42と第2のインバータ49との間に設けられている。接続管路56は、第1のインバータ42と第2のインバータ49との間でハイブリッド機器用冷却水を流通させる冷却水管路となるものである。この場合、第1のインバータ42から流出したハイブリッド機器用冷却水が、接続管路56を通じて第2のインバータ49に流入する構成となっている。
コントローラ(制御装置、コントロールユニット)としての車体コントローラ57は、第1のインバータ42、第2のインバータ49を介して、アシスト発電モータ13、旋回電動モータ31を制御するものである。車体コントローラ57は、第1のインバータ42の制御器42A、第2のインバータ49の制御器49A、蓄電装置27の制御器27C、エンジン9のECU9Bと同様に、マイクロコンピュータ等により構成されている。車体コントローラ57は、各制御器42A,49A,27CおよびECU9Bと電気的に接続され、CANを構成している。
車体コントローラ57は、各制御器42A,49A,27CおよびECU9Bの上位のコントローラとなり、これら各制御器42A,49A,27CおよびECU9Bを統括的に制御する。具体的には、車体コントローラ57は、蓄電装置27の制御器27Cに対して制御信号を出力することにより、蓄電装置27による充電または放電を制御する。これに加えて、車体コントローラ57は、第1,第2のインバータ42,49の制御器42A,49Aに対して制御信号を出力することにより、アシスト発電モータ13、旋回電動モータ31の動作を制御する。
ここで、車体コントローラ57は、第1のインバータ42の制御器42Aとアシスト発電モータ用信号ケーブル48を介して接続され、第2のインバータ49の制御器49Aと旋回電動モータ用信号ケーブル55を介して接続されている。また、車体コントローラ57は、蓄電装置27の制御器27Cと蓄電装置用信号ケーブル58を介して接続されている。
さらに、図7,8に示すように、車体コントローラ57は、キースイッチ59、油圧・電気変換装置(HE)60A,60B,60C、電気・油圧変換装置(EH)61A,61B,61C,61D、モニタ装置62等と接続されている。キースイッチ59は、例えば、キャブ6内のオペレータが着席する運転席の近傍に設けられ、エンジン9の始動、停止を行うときに、オペレータにより操作されるものである。油圧・電気変換装置60A,60B,60Cは、例えば圧力センサにより構成されている。油圧・電気変換装置60Aは、上部旋回体3を旋回させるための操作レバー装置7Aのパイロット圧を検出し、車体コントローラ57に検出信号(圧力信号)を出力する。油圧・電気変換装置60B,60Cは、旋回油圧モータ30に供給される作動油(圧油)の圧力、および、旋回油圧モータ30から排出される作動油(圧油)の圧力を検出し、車体コントローラ57に検出信号(圧力信号)を出力する。
一方、電気・油圧変換装置61A,61B,61C,61Dは、例えば、電磁比例減圧弁により構成されている。電気・油圧変換装置61Aは、車体コントローラ57の制御信号(指令信号)に応じて、油圧ポンプ10のレギュレータ10Aに供給されるパイロット圧を可変に調整するものである。電気・油圧変換装置61B,61C,61Dは、車体コントローラ57の制御信号(指令信号)に応じて、コントロールバルブ12に供給されるパイロット圧を可変に調整するものである。油圧・電気変換装置60A,60B,60Cおよび電気・油圧変換装置61A,61B,61C,61Dは、車体コントローラ57と共に旋回制御システムを構成している。
表示装置(報知装置)としてのモニタ装置62は、キャブ6内に設けられ、例えば液晶モニタにより構成されている。モニタ装置62は、例えば、油圧ショベル1を操縦するオペレータ(必要に応じて、油圧ショベル1のメンテナンスを行う作業員等)に対し、油圧ショベル1の運転状況等を報知するものである。より具体的には、モニタ装置62の表示画面には、車体コントローラ57の指令(制御信号、指令信号)に基づいて、アシスト発電モータ13と蓄電装置27と旋回電動モータ31との間の電力の流れ、エンジン回転数、燃料残量、オイル残量、冷却水の温度、各種機器の異常情報(注意情報、警告情報、不調情報、故障情報)等の情報が表示される。
車体コントローラ57は、第1,2のインバータ42,49を制御するインバータ制御部、旋回油圧モータ30を制御する旋回油圧モータ制御部、モニタ装置62制御するモニタ装置制御部(表示装置制御部)となるものである。さらに、車体コントローラ57は、後述するように、接続検出装置63(図9〜16参照)の検出に基づいて各種ケーブル46,48,53,55の接続が適正であるか否かを判定する接続判定部、各種ケーブル46,48,53,55の接続が適正でないとき(誤配線のとき)にその旨をモニタ装置62に表示させる誤配線表示指令部、エンジン9の起動の許可と不許可を切換えるエンジン起動切換部、第1,第2のインバータ42,49の状態(正常・故障)、および、エンジン9の起動の許可・不許可をモニタ装置62に表示させる詳細表示指令部となるものである。
ここで、車体コントローラ57は、異常監視・異常処理制御ブロック57A、エネルギマネジメント制御ブロック57B、油圧電動複合旋回制御ブロック57C、油圧単独旋回制御ブロック57D、モード切換部としての旋回制御切換ブロック57E等を備えている。異常監視・異常処理制御ブロック57Aは、油圧ショベル1の電動システムの異常監視の制御を行なうものである。異常監視・異常処理制御ブロック57Aは、第1,2のインバータ42,49、アシスト発電モータ13、旋回電動モータ31、蓄電装置27等の電動システムに不調、故障等の異常が発生したか否かを判定し、異常が発生したと判定した場合には、その旨をモニタ装置62に表示する等の必要な処理を行うものである。
エネルギマネジメント制御ブロック57Bは、例えば、旋回電動モータ31が加速時に消費するエネルギと減速時に回生するエネルギとの差によって増減する蓄電装置27の蓄電量を、アシスト発電モータ13に発電指令またはアシスト指令を出力することにより所定の範囲に保つ制御を行うものである。エネルギマネジメント制御ブロック57Bには、例えば、蓄電装置27の制御器27Cから蓄電装置用信号ケーブル58を介して蓄電装置27の電圧・電流・温度の検出信号が入力される。エネルギマネジメント制御ブロック57Bは、これらの検出信号に基づいて、蓄電装置27の蓄電量を所定の範囲に保つ制御を行う。
油圧電動複合旋回制御ブロック57Cは、旋回電動モータ31と旋回油圧モータ30との両方で上部旋回体3を旋回駆動する制御を行うものである。油圧単独旋回制御ブロック57Dは、旋回油圧モータ30のみで上部旋回体3を旋回駆動する制御を行うものである。旋回制御切換ブロック57Eは、上部旋回体3の旋回駆動を、油圧電動複合旋回制御ブロック57Cで行うか油圧単独旋回制御ブロック57Dで行うかを切換えるものである。即ち、旋回制御切換ブロック57Eは、上部旋回体3の旋回駆動を旋回電動モータ31と旋回油圧モータ30との両方で行う油圧電動複合旋回モードと、上部旋回体3の旋回駆動を旋回油圧モータ30のみで行う油圧単独旋回モードとの切換えを行うものである。
例えば、電動システムに異常がなく、旋回電動モータ31の駆動が可能なときは、車体コントローラ57は、油圧電動複合旋回モードで上部旋回体3を旋回駆動する。即ち、図7に示すように、旋回制御切換ブロック57Eは、異常監視・異常処理制御ブロック57Aの指令に基づいて、油圧電動複合旋回制御ブロック57Cを選択し、該油圧電動複合旋回制御ブロック57Cによって上部旋回体3の旋回動作が制御される。この場合は、操作レバー装置7Aのレバー操作の入力によって発生する油圧パイロット信号が油圧・電気変換装置60Aによって電気信号に変換され、油圧電動複合旋回制御ブロック57Cに入力される。一方、旋回油圧モータ30の作動圧は、油圧・電気変換装置60B,60Cによって電気信号に変換され、油圧電動複合旋回制御ブロック57Cに入力される。さらに、油圧電動複合旋回制御ブロック57Cには、第2のインバータ49の制御器49Aから旋回電動モータ用信号ケーブル55を介して旋回モータ速度信号も入力される。
油圧電動複合旋回制御ブロック57Cは、操作レバー装置7Aからの油圧パイロット信号と、旋回油圧モータ30の作動圧信号および旋回モータ速度信号に基づいて、所定の演算を行い、旋回電動モータ31の指令トルクを算出する。指令トルクは、油圧電動複合旋回制御ブロック57Cから旋回電動モータ用信号ケーブル55を介して第2のインバータ49の制御器49Aに出力される。これと共に、油圧電動複合旋回制御ブロック57Cは、旋回電動モータ31で出力されるトルク分、油圧ポンプ10の出力トルクおよび旋回油圧モータ30の出力トルクを減少させる減トルク指令を電気・油圧変換装置61A,61Bに出力する。
一方、操作レバー装置7Aのレバー操作の入力によって発生するパイロット信号は、コントロールバルブ12にも入力され、油圧ポンプ10から吐出する作動油が旋回油圧モータ30に供給される。これにより、旋回電動モータ31と旋回油圧モータ30とが同時に駆動し、上部旋回体3が油圧電動複合旋回モードで旋回する。このとき、エネルギマネジメント制御ブロック57Bは、蓄電装置27の制御器27Cから出力される蓄電装置27の電圧・電流・温度に基づいて、アシスト発電モータ13の発電指令またはアシスト指令を算出する。発電指令またはアシスト指令は、エネルギマネジメント制御ブロック57Bからアシスト発電モータ用信号ケーブル48を介して第1のインバータ42の制御器42Aに出力され、蓄電装置27の蓄電量を所定の範囲に保つ制御を行う。
ところで、図5および図6に示すように、第1のインバータ42の第1の交流ケーブル接続口43と第2のインバータ49の第2の交流ケーブル接続口50とが同じ形状(型式)の場合、アシスト発電モータ用ケーブル46と旋回電動モータ用ケーブル53を配線するときに、誤配線するおそれがある。即ち、誤ってアシスト発電モータ用ケーブル46を第2の交流ケーブル接続口50に接続し、旋回電動モータ用ケーブル53を第1の交流ケーブル接続口43に接続する可能性がある。さらに、第1のインバータ42の第1の信号ケーブル接続口45と第2のインバータ49の第2の信号ケーブル接続口52とが同じ形状(型式)の場合、アシスト発電モータ用信号ケーブル48と旋回電動モータ用信号ケーブル55を配線するときに、誤配線するおそれがある。即ち、誤ってアシスト発電モータ用信号ケーブル48を第2の信号ケーブル接続口52に接続し、旋回電動モータ用信号ケーブル55を第1の信号ケーブル接続口45に接続する可能性がある。
そこで、実施の形態では、図9〜16に示すように、各種ケーブル46,48,53,55の接続状態、即ち、適正配線であるか誤配線であるかを検出する接続検出部としての接続検出装置63が設けられている。接続検出装置63は、第1の交流ケーブル接続口43に接続された電力線がアシスト発電モータ用ケーブル46であるか、第2の交流ケーブル接続口50に接続された電力線が旋回電動モータ用ケーブル53であるか、第1の信号ケーブル接続口45に接続された信号線がアシスト発電モータ用信号ケーブル48であるか、第2の信号ケーブル接続口52に接続された信号線が旋回電動モータ用信号ケーブル55であるかを検出する。
ここで、接続検出装置63は、図9に示すように、第1のインバータ用接続検出装置64と、第2のインバータ用接続検出装置67とを備え、車体コントローラ57と第1のインバータ42および第2のインバータ49を繋ぐ電気回路で構成されている。より具体的には、接続検出装置63は、車体コントローラ57のA端子とB端子がグランドと接続されるか否か(通電か非通電か)に基づいて、各電力線46,53と各接続口43,50の接続、および、各信号線48,55と各信号線コネクタ45,52の接続を検出する構成となっている。
ここで、第1のインバータ用接続検出装置64は、第1のインバータ42に設けられたアシスト検出内部スイッチ65と旋回検出内部スイッチ66とにより構成され、第2のインバータ用接続検出装置67は、第2のインバータ49に設けられたアシスト検出内部スイッチ68と旋回検出内部スイッチ69とにより構成されている。即ち、第1,第2のインバータ42,49は、互いに共通な部品で構成された同一形状(同一型式、同一種類)のインバータであり、それぞれアシスト検出内部スイッチ65,68および旋回検出内部スイッチ66,69が設けられている。
第1,第2のインバータ42,49は、アシスト発電モータ13のインバータとして用いられるときは、制御器42A(49A)がアシスト発電モータ用制御ロジックに切換わることに伴って、アシスト検出内部スイッチ65(68)がON(閉)になり、旋回検出内部スイッチ66(69)がOFF(開)になる。一方、第1,第2のインバータ42,49は、旋回電動モータ31のインバータとして用いられるときは、制御器49A(42A)が旋回電動モータ用制御ロジックに切換わることに伴って、アシスト検出内部スイッチ68(65)がOFF(開)になり、旋回検出内部スイッチ69(66)がON(閉)になる。第1,第2のインバータ42,49は、不調、故障等の異常状態、即ち、適正な状態でないときは、アシスト検出内部スイッチ65,68と旋回検出内部スイッチ66,69との両方がOFF(開)になる。
さらに、アシスト発電モータ用信号ケーブル48には、車体コントローラ57のA端子(接点)とアシスト検出内部スイッチ65(68)とを接続するアシスト検出線71が並列に配設されている。また、旋回電動モータ用信号ケーブル55には、車体コントローラ57のB端子と旋回検出内部スイッチ69(66)とを接続する旋回検出線72が並列に配設されている。アシスト発電モータ用ケーブル46には、アシスト検出内部スイッチ65(68)とグランドとを接続するアシストグランド線73が設けられている。旋回電動モータ用ケーブル53には、旋回検出内部スイッチ69(66)とグランドとを接続する旋回グランド線74が設けられている。アシスト検出線71、旋回検出線72、アシストグランド線73、旋回グランド線74も、アシスト検出内部スイッチ65,68、旋回検出内部スイッチ66,69と共に、接続検出装置63を構成している。
図9に示すように、正常配線のときは、車体コントローラ57のA端子とB端子の両方がグランドと接続される。図10に示すように、モータ用ケーブル46,53と信号ケーブル48,55とがともに誤配線のときは、車体コントローラ57のA端子とB端子の両方がグランドと非接続となる。図11に示すように信号ケーブル48,55のみが誤配線のとき、および、図12に示すようにモータ用ケーブル46,53のみが誤配線のときも、車体コントローラ57のA端子とB端子の両方がグランドと非接続となる。車体コントローラ57は、接続検出装置63の検出、即ち、接続検出装置63によるグランドとの接続(通電)、非接続(非通電)に基づいて、ケーブル46,48,53,55の接続状態が適正であるか否か(ケーブル46,48,53,55が適正配線であるか誤配線であるか)を判定することができる。この判定は、例えば、車体コントローラ57の異常監視・異常処理制御ブロック57Aで判定する構成とすることができる。
このように、車体コントローラ57は、接続検出装置63の検出に基づいて、ケーブル46,48,53,55の接続が適正であるか否かを判定する接続判定部を有している。さらに、実施の形態では、第1のインバータ42が故障したときは、第2のインバータ49を用いてアシスト発電モータ13を動作させ、かつ、上部旋回体3の旋回駆動を油圧単独旋回モードで行うことができる。
即ち、第1のインバータ42が故障したときは、図8および図13に示すように、アシスト発電モータ用ケーブル46を第2のインバータ49の第2の交流ケーブル接続口50に接続し、旋回電動モータ用ケーブル53を第1のインバータ42の第1の交流ケーブル接続口43に接続する。さらに、アシスト発電モータ用信号ケーブル48を第2のインバータ49の第2の信号ケーブル接続口52に接続し、旋回電動モータ用信号ケーブル55を第1のインバータ42の第1の信号ケーブル接続口45に接続する。また、図示は省略するが、アシスト発電モータ13から延びる信号線を第2のインバータ49に接続し、旋回電動モータ31から延びる信号線を第1のインバータ42に接続する。
このとき、第1のインバータ42は、適正な状態でない(不調、故障等の異常状態である)ため、アシスト検出内部スイッチ65と旋回検出内部スイッチ66との両方がOFF(開)になる。一方、第2のインバータ49の制御器49Aには、外部からコンピュータを接続し、アシスト発電モータ用制御ロジックに切換える。この切換えに伴って、第2のインバータ49のアシスト検出内部スイッチ68がON(閉)になり、旋回検出内部スイッチ69がOFF(開)になる。図13に示すように、このような非常時の正配線のときは、車体コントローラ57のA端子のみがグランドに接続される。
一方、図14に示すように、非常時配線でモータ用ケーブル46,53と信号ケーブル48,55とがともに誤配線(通常時の正配線のまま)のときは、車体コントローラ57のA端子とB端子の両方がグランドと非接続となる。図15に示すように非常時配線でモータ用ケーブル46,53のみが誤配線(通常時の正配線のまま)のとき、および、図16に示すように非常時配線で信号ケーブル48,55のみが誤配線(通常時の正配線のまま)のときも、車体コントローラ57のA端子とB端子の両方がグランドと非接続となる。このように、車体コントローラ57は、非常時配線のときも、接続検出装置63の検出、即ち、接続検出装置63によるグランドとの接続(通電)、非接続(非通電)に基づいて、ケーブル46,48,53,55の接続状態が適正であるか否か(ケーブル46,48,53,55が非常時正配線であるか非常時誤配線であるか)を判定することができる。
実施の形態では、第1のインバータ42が故障したときに、第2のインバータ49を用いてアシスト発電モータ13を動作させ、かつ、上部旋回体3の旋回駆動を油圧単独旋回モードで行うことができるように、車体コントローラ57では、図17に示す処理が行われる。図17に示す処理プログラムは、例えば、車体コントローラ57のメモリ(図示せず)に格納(記憶)されている。
図17に示すように、車体コントローラ57は、接続検出装置63の検出に基づいて、油圧電動複合旋回モードと油圧単独旋回モードとを切換えるモード切換部(旋回制御切換ブロック57E)を有している(ステップ18)。また、車体コントローラ57は、接続が適正でないと判定された場合は、誤配線である旨をモニタ装置62に表示させる誤配線表示指令部も有している(ステップ13,17)。
さらに、車体コントローラ57は、ケーブル46,48,53,55の接続が適正であるか否と、第1,第2のインバータ42,49が適正であるか否かとに基づいて、エンジン9の起動の許可と不許可とを切換えるエンジン起動切換部も有している(ステップ14)。また、車体コントローラ57は、第1,第2のインバータ42,49の状態、および、エンジン9の起動の許可・不許可をモニタ装置62に表示させる詳細表示指令部も有している(ステップ13,17,19)。なお、車体コントローラ57により実行される図17の処理については、後述する。
本実施の形態によるハイブリッド式の油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
キャブ6に搭乗したオペレータがエンジン9を起動させると、エンジン9によって油圧ポンプ10とアシスト発電モータ13が駆動される。これにより、油圧ポンプ10から吐出した圧油は、キャブ6内に設けられた走行用の操作レバー・ペダル装置、作業用の操作レバー装置7A,7Bのレバー操作、ペダル操作に応じて、左,右の走行油圧モータ2E,2F、旋回油圧モータ30、作業装置4のブームシリンダ4D,アームシリンダ4E,バケットシリンダ4Fに向けて吐出する。これにより、油圧ショベル1は、下部走行体2による走行動作、上部旋回体3の旋回動作、作業装置4による掘削作業等を行う。
ここで、油圧ショベル1の作動時にエンジン9の出力トルクが油圧ポンプ10の駆動トルクよりも大きいときには、余剰トルクによってアシスト発電モータ13が発電機として駆動される。これにより、アシスト発電モータ13は交流電力を発生し、この交流電力は、第1のインバータ42により直流電力に変換され、蓄電装置27に蓄えられる。一方、エンジン9の出力トルクが油圧ポンプ10の駆動トルクよりも小さいときには、アシスト発電モータ13は、蓄電装置27からの電力によって電動機として駆動され、エンジン9による油圧ポンプ10の駆動を補助(アシスト)する。
旋回電動モータ31は、蓄電装置27に充電された電力が供給されることにより駆動され、旋回油圧モータ30と協働して下部走行体2上で上部旋回体3を旋回させる。また、旋回電動モータ31は、上部旋回体3が旋回減速したときの回生動作によって交流電力(回生電力)を発電し、この交流電力は第2のインバータ49により直流電力に変換され、蓄電装置27に蓄えられる。
次に、車体コントローラ57により行われる処理(起動シーケンス)について、図17の流れ図を用いて説明する。
オペレータのキースイッチ59のONにより車体コントローラ57の通電が開始され、図17の処理動作がスタートすると、車体コントローラ57は、ステップ1で、ディスコネクトスイッチ(DCスイッチ)28がディスコネクトであるか否かを判定する。この判定は、ディスコネクト検出装置28Aの検出、即ち、車体コントローラ57のC端子の通電(コネクト)、非通電(ディスコネクト)に基づいて判定することができる。
ステップ1で、「YES」、即ち、ディスコネクトスイッチ28がディスコネクト(非通電)であると判定された場合は、ステップ2に進み、モニタ装置62にディスクコネクトである旨を表示する。ステップ2では、ディスクコネクトである旨の表示と共に、上部旋回体3の旋回駆動を旋回油圧モータ30のみで行う旨の表示、即ち、「油圧単独旋回モード」である旨をモニタ装置62に表示してもよい。オペレータは、モニタ装置62の表示を見ることにより、ディスコネクトスイッチ28がディスコネクトである旨を認識することができる。続くステップ3では、キースイッチ59がSTARTに操作されたか否かを判定する。
ステップ3で、「NO」、即ち、キースイッチ59がSTARTに操作されていないと判定された場合は、ステップ4に進み、キースイッチ59がOFFに操作されたか否かを判定する。ステップ4で、「YES」、即ち、キースイッチ59がOFFに操作されたと判定された場合は、リターンを介してスタートに戻る。一方、ステップ4で、「NO」、即ち、キースイッチ59がOFFに操作されていないと判定された場合は、ステップ3の前に戻り、ステップ3,4の処理を繰り返す。
ステップ3で、「YES」、即ち、キースイッチ59がSTARTに操作されたと判定された場合は、オペレータが蓄電装置27の異常やメンテナンス等によりディスコネクトスイッチ28をディスコネクトした状態でエンジン9の始動(起動)を意図していること考えられる。そこで、ステップ5では、エンジン9を始動(起動)し、アシスト発電モータ13による発電・駆動(アシスト)および旋回電動モータ31の旋回駆動・回生を行わないハイブリッドOFFモードで油圧ショベル1を起動する。このとき、車体コントローラ57の旋回制御切換ブロック57Eは、油圧単独旋回制御ブロック57Dを選択する。
この場合、油圧ショベル1は、エンジン9によって回転駆動される油圧ポンプ10から供給される圧油に基づいて駆動(稼働)する。ハイブリッドOFFモードの運転は、続くステップ6で、キースイッチ59がOFFに操作されることで終了する。即ち、ステップ6で、「YES」、即ち、キースイッチ59がOFFに操作されたと判定されると、エンジン9を停止すると共に電気機器に対する電力供給を停止する。そして、リターンを介してスタートに戻る。
一方、ステップ1で、「NO」、即ち、ディスコネクトスイッチ28がコネクト(通電)であると判定された場合は、ステップ7に進む。ステップ7では、ケーブル46,48,53,55の接続状態が異常であるか正常であるか(ケーブル46,48,53,55が誤配線であるか適正配線であるか)を判定する。この判定は、接続検出装置63の検出、即ち、車体コントローラ57のA端子およびB端子の通電、非通電に基づいて判定することができる。
この場合、図9に示すように、A端子およびB端子の両方が通電(グランドに接続)の場合は、ケーブル46,48,53,55の接続状態が適正(正常)であると判定することができる。一方、図10ないし図16に示すように、それ以外の場合は、ケーブル46,48,53,55の接続状態が適正でない(異常)と判定することができる。
ステップ7で、「NO」、即ち、ケーブル46,48,53,55の接続状態が異常でない(適正である)と判定した場合は、ステップ8に進み、キースイッチ59がSTARTに操作されたか否かを判定する。ステップ8で、「NO」、即ち、キースイッチ59がSTARTに操作されていないと判定された場合は、ステップ9に進み、キースイッチ59がOFFに操作されたか否かを判定する。ステップ9で、「YES」、即ち、キースイッチ59がOFFに操作されたと判定された場合は、リターンを介してスタートに戻る。一方、ステップ9で、「NO」、即ち、キースイッチ59がOFFに操作されていないと判定された場合は、ステップ8の前に戻り、ステップ8,9の処理を繰り返す。
ステップ8で、「YES」、即ち、キースイッチ59がSTARTに操作されたと判定された場合は、ステップ10に進む。ステップ10では、エンジン9を始動(起動)し、アシスト発電モータ13による発電・駆動(アシスト)および旋回電動モータ31の旋回駆動・回生を行うハイブリッドONモードで油圧ショベル1を起動する。このとき、車体コントローラ57の旋回制御切換ブロック57Eは、油圧電動複合旋回制御ブロック57Cを選択する。
ハイブリッドONモードの運転は、続くステップ11で、キースイッチ59がOFFに操作されることで終了する。即ち、ステップ11で、「YES」、即ち、キースイッチ59がOFFに操作されたと判定されると、エンジン9を停止すると共に電気機器に対する電力供給を停止する。そして、リターンを介してスタートに戻る。
一方、ステップ7で、「YES」、即ち、ケーブル46,48,53,55の接続状態が異常である(適正でない)と判定した場合は、ステップ12に進む。ステップ12では、第1のインバータ42(および必要に応じて第2のインバータ49)が故障しているか否かを判定する。この判定は、第1のインバータ42の制御器42Aの判定に基づいて行うことができる。即ち、第1のインバータ42の制御器42Aは、第1のインバータ42の電圧、電流、構成部品の温度等が適正範囲であるか否かに基づいて、自身の状態が適正であるか否(故障状態、フェール状態である)か判定するセルフチェック機能を有している。第2のインバータ49の制御器49Aも同様である。ステップ12では、第1のインバータ42の制御器42A(第2のインバータ49の制御器49A)の判定結果に基づいて、第1のインバータ42(第2のインバータ49)が故障しているか否かを判定する。
ステップ12で、「NO」、即ち、第1のインバータ42(第2のインバータ49)が故障していないと判定された場合は、ステップ13に進み、モニタ装置62に誤配線である旨を表示する。ステップ13では、誤配線である旨の表示と共に、エンジン始動不許可の旨も表示する。そして、続くステップ14で、エンジン始動不許可とする。即ち、オペレータにより、キースイッチ59がSTARTに操作されたとしても、エンジン9が起動(始動)しないようにする。この場合は、ステップ15で、「YES」、即ち、キースイッチ59がOFFに操作されたと判定されると、リターンを介してスタートに戻る。
一方、ステップ12で、「YES」、即ち、第1のインバータ42が故障していると判定された場合は、ステップ16に進み、第2のインバータ49の制御器49Aがアシスト発電モータ用の制御ロジックであるか否かを判定する。即ち、第1のインバータ42が故障した場合は、アシスト発電モータ13のアシスト機能が損なわれ、作業機としての基本性能が低下するおそれがある。そこで、実施の形態では、第1のインバータ42が故障した場合は、図8および図13に示すように、アシスト発電モータ用ケーブル46を第2のインバータ49の第2の交流ケーブル接続口50に接続し、旋回電動モータ用ケーブル53を第1のインバータ42の第1の交流ケーブル接続口43に接続する。さらに、アシスト発電モータ用信号ケーブル48を第2のインバータ49の第2の信号ケーブル接続口52に接続し、旋回電動モータ用信号ケーブル55を第1のインバータ42の第1の信号ケーブル接続口45に接続する。また、図示は省略するが、アシスト発電モータ13から延びる信号線を第2のインバータ49に接続し、旋回電動モータ31から延びる信号線を第1のインバータ42に接続する。
このとき、第1のインバータ42は、適正な状態でない(不調、故障等の異常状態である)ため、アシスト検出内部スイッチ65と旋回検出内部スイッチ66との両方がOFF(開)になる。一方、第2のインバータ49の制御器49Aには、外部からコンピュータを接続し、アシスト発電モータ用制御ロジックに切換える。この切換えに伴って、第2のインバータ49のアシスト検出内部スイッチ68がON(閉)になり、旋回検出内部スイッチ69がOFF(開)になる。図13に示すように、このような非常時配線のときは、車体コントローラ57のA端子のみがグランドに接続される。ステップ16では、接続検出装置63の検出、即ち、車体コントローラ57のA端子のみが通電(A端子が通電でB端子が非通電)であるか否かに基づいて、第2のインバータ49の制御器49Aがアシスト発電モータ用制御ロジックであり、かつ、この状態での適正配線(非常時配線)であるか否かを判定する。
ステップ16で、車体コントローラ57のA端子のみが通電でないと判定された場合は、第2のインバータ49の制御器49Aがアシスト発電モータ用の制御ロジックでない、または、図14ないし図16に示す非常時誤配線であると考えられる。この場合は、ステップ16で、「NO」と判定し、ステップ17に進む。ステップ17では、モニタ装置62にエラーである旨(より具体的には、第2のインバータ49の制御器49Aがアシスト発電モータ用の制御ロジックでない旨、または、非常時誤配線である旨)を表示する。そして、ステップ14に進み、エンジン始動不許可とする。ステップ14およびステップ15の処理は、前述した通りである。
一方、ステップ16で、車体コントローラ57のA端子のみが通電であると判定された場合は、第2のインバータ49の制御器49Aがアシスト発電モータ用の制御ロジックであり、かつ、図13に示す非常時の適正配線であると考えられる。この場合は、ステップ16で、「YES」と判定し、ステップ18およびステップ19に進む。ステップ18では、上部旋回体3の旋回モードを、油圧単独旋回モードとする。即ち、車体コントローラ57の旋回制御切換ブロック57Eは、油圧単独旋回制御ブロック57Dを選択する。ステップ19では、モニタ装置62に非常時配線であり、かつ、油圧単独旋回モードである旨を表示する。
続くステップ20では、キースイッチ59がSTARTに操作されたか否かを判定する。ステップ20で、「NO」、即ち、キースイッチ59がSTARTに操作されていないと判定された場合は、ステップ21に進み、キースイッチ59がOFFに操作されたか否かを判定する。ステップ21で、「YES」、即ち、キースイッチ59がOFFに操作されたと判定された場合は、リターンを介してスタートに戻る。一方、ステップ21で、「NO」、即ち、キースイッチ59がOFFに操作されていないと判定された場合は、ステップ20の前に戻り、ステップ20,21の処理を繰り返す。
ステップ20で、「YES」、即ち、キースイッチ59がSTARTに操作されたと判定された場合は、ステップ22に進む。ステップ22では、エンジン9を始動(起動)し、アシスト発電モータ13による発電・駆動(アシスト)を行うが旋回電動モータ31の旋回駆動・回生は行わないモード、即ち、油圧単独旋回モードで油圧ショベル1を起動する。
油圧単独旋回モードの運転は、続くステップ23で、キースイッチ59がOFFに操作されることで終了する。即ち、ステップ23で、「YES」、即ち、キースイッチ59がOFFに操作されたと判定されると、エンジン9を停止すると共に電気機器に対する電力供給を停止する。そして、リターンを介してスタートに戻る。
かくして、実施の形態によれば、第1のインバータ42と第2のインバータ49とを同一種類のインバータとしている。より具体的には、第1のインバータ42の第1の交流ケーブル接続口43と第2のインバータ49の第2の交流ケーブル接続口50とを同形状(同型式)のコネクタとし、第1のインバータ42の第1の信号ケーブル接続口45と第2のインバータ49の第2の信号ケーブル接続口52とを同形状(同型式)のコネクタとしている。このため、第1の交流ケーブル接続口43には、アシスト発電モータ用ケーブル46または旋回電動モータ用ケーブル53を接続することができ、第2の交流ケーブル接続口50には、旋回電動モータ用ケーブル53またはアシスト発電モータ用ケーブル46を接続することができる。さらに、第1の信号ケーブル接続口45には、アシスト発電モータ用信号ケーブル48または旋回電動モータ用信号ケーブル55を接続することができ、第2の信号ケーブル接続口52には、旋回電動モータ用信号ケーブル55またはアシスト発電モータ用信号ケーブル48を接続することができる。
一方、接続検出装置63は、第1の交流ケーブル接続口43に接続された電力線がアシスト発電モータ用ケーブル46であるか、第2の交流ケーブル接続口50に接続された電力線が旋回電動モータ用ケーブル53であるか、第1の信号ケーブル接続口45に接続された信号線がアシスト発電モータ用信号ケーブル48であるか、第2の信号ケーブル接続口52に接続された信号線が旋回電動モータ用信号ケーブル55であるかを検出する。このため、車体コントローラ57は、第1,第2の交流ケーブル接続口43,50にアシスト発電モータ用ケーブル46または旋回電動モータ用ケーブル53が適正に配線されているか否か、第1,第2の信号ケーブル接続口45,52にアシスト発電モータ用信号ケーブル48または旋回電動モータ用信号ケーブル55が適正に配線されているか否かを、接続検出装置63の検出(車体コントローラ57のA端子とB端子の通電・非通電)に基づいて判定することができる。
そして、適正に配線されていない(誤配線)と判定されたときは、ステップ13,17の処理により、モニタ装置62を通じて誤配線である旨を組立作業員やメンテナンス作業員(整備員、サービス員)等に報知することができる。このとき、作業員等は、モニタ装置62の誤配線の表示に基づいて、アシスト発電モータ用ケーブル46、旋回電動モータ用ケーブル53、アシスト発電モータ用信号ケーブル48、旋回電動モータ用信号ケーブル55を配線し直すことができ、誤配線を抑制することができる。さらに、誤配線と判定されたときは、ステップ14の処理により、エンジン9の起動(始動)を不許可にする。これにより、誤配線のまま油圧ショベル1の運転(稼働)が行われることを確実に抑制することができる。この結果、誤配線によるアシスト発電モータ13や旋回電動モータ31の予期せぬ誤動作や故障等を抑制することができ、油圧ショベル1の信頼性、安定性を向上することができる。
実施の形態によれば、旋回制御切換ブロック57Eは、接続検出装置63の検出に基づいて、ステップ10,18の処理により、旋回モードを油圧電動複合旋回モードと油圧単独旋回モードとに切換える。油圧ショベル1は、この旋回モードの切換えにより、第1のインバータ42が故障したときにも、油圧ショベル1としての機能を維持することができる。具体的には、第1のインバータ42が故障したときは、アシスト発電モータ13の動作の制御を第2のインバータ49で一時的に代用させるため、アシスト発電モータ用ケーブル46を、第2のインバータ49の第2の交流ケーブル接続口50に接続し、アシスト発電モータ用信号ケーブル48を、第2のインバータ49の第2の信号ケーブル接続口52に接続する。この接続により、接続検出装置63は、誤配線であることを検出する。
この検出に基づいて、ステップ7,12,16,19の処理により、旋回制御切換ブロック57Eは、旋回モードを油圧単独旋回モードに切換え、かつ、第2のインバータ49をアシスト発電モータ13用の制御ロジックに切換える。このとき、ステップ19では、モニタ装置62に誤配線である旨が表示されるため、意図的な誤配線であることを認識している作業員等は、誤配線である旨の表示を確認した上で、エンジンを始動できる。そして、ステップ22では、第2のインバータ49は、アシスト発電モータ13用の制御ロジックでアシスト発電モータ13を制御する。これにより、第1のインバータ42が故障しても、アシスト発電モータ13は、第2のインバータ49で動作させることができ、上部旋回体3は、旋回油圧モータ30により旋回させることができる。この結果、第1のインバータ42が故障しても、油圧ショベル1としての必要な機能を維持することができ、油圧ショベル1の冗長性を向上することができる。
実施の形態によれば、ステップ7,12,16の処理により、接続検出装置63の検出に基づいて誤配線であると判定された場合は、ステップ13,17の処理により、モニタ装置62に誤配線である旨が表示される。このため、例えば、エンジン9を起動させようとした作業員等は、モニタ装置62に表示された誤配線である旨の表示に基づいて、エンジン9の起動を止めることができ、誤配線の状態でエンジン9が起動することを抑制できる。
一方、作業員等が意図して誤配線の状態にしている場合、即ち、第1のインバータ42の故障により、アシスト発電モータ用ケーブル46およびアシスト発電モータ用信号ケーブル48を第2のインバータ49に接続している場合も、ステップ19の処理により、モニタ装置62に非常時配線である旨が表示される。この場合、作業員等は、モニタ装置62に表示された非常時配線である旨の表示に基づいて、意図した通りの配線であることを確認することができる。即ち、意図して非常時配線としている場合は、作業員等は、モニタ装置62の表示に基づいて非常時配線であることを確認した上で、エンジン9を起動することができる。これにより、安全性を向上することができる。
実施の形態によれば、第1のインバータ42の制御器42Aにより、第1のインバータ42の状態が適正でない(故障)と判定された場合は、ステップ12,16,14の処理により、エンジン9の起動を不許可とすることができる。これにより、第1のインバータ42の故障に伴うアシスト発電モータ13の誤動作を抑制することができる。しかも、モニタ装置62には、ステップ17の処理により、エラーが表示される。このため、この表示に基づいて、オペレータを含む作業員等は、必要な整備、修理、交換等のメンテナンスを行うことができる。例えば、モニタ装置62に、第1のインバータ42の状態が適正でない旨、および、エンジン9の起動の不許可が表示された場合は、アシスト発電モータ用ケーブル46およびアシスト発電モータ用信号ケーブル48を第2のインバータ49に接続する。この場合は、ステップ7,12,16,18,22の処理により、第2のインバータ49でアシスト発電モータ13を動作させる油圧単独旋回モードで運転することができる。これにより、油圧ショベル1の冗長性を向上することができる。
なお、上述した実施の形態では、接続検出装置63は、第1の交流ケーブル接続口43に接続された電力線がアシスト発電モータ用ケーブル46であるかと、第2の交流ケーブル接続口50に接続された電力線が旋回電動モータ用ケーブル53であるかとの両方を検出する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、第1の交流ケーブル接続口43に接続された電力線がアシスト発電モータ用ケーブル46であるか、または、第2の交流ケーブル接続口50に接続された電力線が旋回電動モータ用ケーブル53であるかの一方を検出する構成とすることもできる。一方の接続を検出できれば、他方の接続を推定できるためである。信号線(アシスト発電モータ用信号ケーブル48、旋回電動モータ用信号ケーブル55)に関しても、同様である。
上述した第1の実施の形態では、支持ブラケット39の上側取付部41に第1のインバータ42を取付け、下側取付部40に第2のインバータ49を取付けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば上側取付部に第2のインバータを取付け、下側取付部に第1のインバータを取付けてもよい。
上述した実施の形態では、ハイブリッド式作業機として、履帯2Dを備えたクローラ式の油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば車輪を備えたホイール式油圧ショベル等の種々の作業機に広く適用することができる。