JP2016132612A - 焼結用金型及びその作製方法 - Google Patents

焼結用金型及びその作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】放電プラズマ焼結法により短時間焼結が可能となり、焼結用金型のコスト低減を図り、かつ、助剤を添加せずに、TiB2の本質的な高硬度特性を生かした焼結用金型の提供。【解決手段】焼結用の金型Mであって、金型は、TiB2粉末W(二硼化チタン粉末)を、放電プラズマ焼結法(SPS法)を用いて、焼結時にTiB2粒子間の反応を促進するための助剤を添加しないで、焼結した助剤無添加のTiB2成形体からなる焼結用金型M。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば放電プラズマ焼結法に用いられる焼結用金型及びその作製方法に関するものである。
従来、この種の焼結用金型にあっては、ダイ及び上下のパンチからなり、素材として、下記の表1に示すような諸物性を有するグラファイト(Gr)や助剤を添加して焼結法により作製したT(二硼化チタン)からなる構造のものが知られている。
この表1において、グラファイトは1,900℃以上の温度で変形が見られるが、Tでは見られない。この変形温度の比較を含め、焼結用金型に要求される全ての電気的特性及び機械特性において、Tはグラファイトより優れているといえる。電気的特性では、Tの電気抵抗率はグラファイトより小さいことから、グラファイトより電気を通しやすく、さらに低電位、大電流で加熱することができ、機械的特性では、Tはグラファイトより3倍以上硬い材料であることから傷等の損傷が発生しにくくなり、さらに、Tの密度はグラファイトより2倍以上高いため、焼結用金型の小型化が図れるということが理解される。
特開2000−297302
しかしながらこれら従来構造のうち、金型素材としてグラファイトを用いた前者のグラファイト金型の場合、焼結温度1,900℃以上で加熱加圧して焼結すると金型が変形し、金型の変形により成形体の寸法精度が低下したり、他の焼結に再利用することができないことがあり、また、このグラファイト金型にあっては、成形体への不純物、例えば、カーボンの拡散が生じ、成形体が半導体製品である場合にあっては、カーボンなどの不純物は僅かな量でも拡散し、製品の品質に大きく影響することがある。
又、金型素材としてTを用いた後者の助剤を添加して焼結法により作製したT金型の場合、常圧焼成法及びホットプレス法により作製され、これら作製方法にあっては、高い温度及び長い時間が必要となり、このため、T粒子が大きく成長し、機械的強度が低下すると共にコスト低減が難しく、助剤添加により焼結用金型からの成形体の離型の悪化が生ずることがあるという不都合を有している。
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうち、請求項1記載の発明は、焼結用の金型であって、上記金型は、T粉末(以下、「二硼化チタン粉末」ともいう。)を、放電プラズマ焼結法(以下、「SPS法」ともいう。)を用いて、該焼結時にT粒子間の反応を促進するための助剤を添加しないで、焼結した助剤無添加のT成形体からなることを特徴とする焼結用金型にある。
又、請求項2記載の発明は、上記T粉末は、純度99.9%以上、粒度分布300nm以下、最大粒子サイズ2μm以下であることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記焼結条件は、焼結温度1,700℃以上2,000℃以下、焼結圧力20MPa以上80MPa以下であることを特徴とするものである。
又、請求項4記載の方法の発明は、焼結用の金型の作製方法であって、T粉末を、放電プラズマ焼結法を用いて、該焼結時にT粒子間の反応を促進するための助剤を添加しないで、焼結した助剤無添加のT成形体からなる金型を作製することを特徴とする焼結用金型の作製方法にある。
又、請求項5記載の方法の発明は、上記焼結雰囲気は、真空雰囲気であることを特徴とするものであり、又、請求項6記載の発明は、上記焼結雰囲気は、不活性ガス雰囲気であることを特徴とするものである。
本発明は上述の如く、請求項1又は請求項4記載の発明にあっては、放電プラズマ焼結法により作製することにより短時間焼結が可能となり、焼結用金型のコスト低減を図ることができ、例えば、約2,000℃程度の高温、約100MPa程度の高圧の焼結条件でのプラズマ焼結用金型として使用したとしても、金型の変形がきわめて少なく、金型の変形による成形体の寸法精度の低下を防ぐことができ、他の焼結に再利用することもでき、かつ、助剤を添加しないので、Tの本質的な高硬度特性を生かすことができ、助剤添加がもたらすT粒子の成長を促進したり、あるいは、T粒子の界面状態を不均一にするという悪影響を避けることができ、焼結用金型の機械的強度の低下を防ぐことができ、さらに、助剤添加がもたらす焼結型からの成形体の離型の悪化を防ぐこともでき、助剤による不純物拡散を回避することができ、T成形体からなる焼結用金型の品質を向上することができる。
又、請求項2記載の発明にあっては、上記T粉末は、純度99.9%以上、粒度分布300nm以下、最大粒子サイズ2μm以下としているから、成形体への不純物の影響を無視することができ、機械強度の低下を避けることができ、又、請求項3記載の発明にあっては、上記焼結条件は、焼結温度1,700℃以上2,000℃以下、焼結圧力20MPa以上80MPa以下としているから、焼結反応速度の低下を防いで生産コストの低減を図ることができ、高品質の焼結用金型を作製することができる。
又、請求項5記載の発明にあっては、上記焼結雰囲気は、真空雰囲気としているから、酸化反応を防ぐことができ、高品質の焼結用金型を作製することができ、又、請求項6記載の発明にあっては、上記焼結雰囲気は、不活性ガス雰囲気としているから、酸化反応を防ぐことができ、高品質の焼結用金型を作製することができる。
本発明の実施の形態例の焼結用金型の説明斜視図である。 本発明の実施の形態例の放電プラズマ焼結法の説明図である。 本発明の実施の形態例の放電プラズマ焼結法の拡大説明図である。 本発明の実施の形態例の焼結用金型のX線回折パターン図である。 本発明の実施の形態例の焼結用金型のSEMによる組織写真である。 本発明の実施の形態例の焼結用金型の電気抵抗の温度依存性を示す図である。 本発明の実施の形態例の焼結中の金型の変形量及び焼結温度の時間依存性を示す図である。 焼結中のグラファイト金型の変形量及び焼結温度の時間依存性を示す図である。
図1乃至図7は本発明の実施の形態例を示し、Mは焼結用金型であって、図1の如く、ダイM及び上下のパンチM・Mから構成され、この場合、ダイM及び上下のパンチM・Mのいずれにあっても、T粉末W(以下、「二硼化チタン粉末」ともいう。)を、放電プラズマ焼結法(以下、「SPS法」ともいう。)を用いて、焼結時にT粒子間の反応を促進するための助剤を添加しないで、焼結した助剤無添加のT成形体により作製されている。
この場合、焼結用金型Mの作製において、例えば、パンチM・Mの作製にあっては、図2、図3の如く、グラファイトからなるダイD及びダイDの穴Dに挿入された上下のグラファイトからなるパンチP・Pにより構成されるグラファイト製の焼結型Sを用意し、このダイDの穴DとパンチP・Pにより形成された空間に焼結材料としてのT粉末Wを充填し、例えば、密閉構造のチャンバーC内に焼結型Sを配置し、上部電極PU、下部電極PD及び上部電極PUを上下加圧動作させる加圧機構K、上部電極PU及び下部電極PD間にパルス電流を流すパルス電源ユニットU、制御ユニットG等を備えてなる通電加圧焼結機Tを用意し、通電加圧焼結機Tを用いて、上記グラファイトからなる焼結型S内に充填されたT粉末WをパンチP・Pにより圧力を加えながらパルス電流を流して焼結材料としてのT粉末W及び焼結型Sの自己発熱効果(ジュール発熱効果)により焼結する放電プラズマ焼結法により作製され、かつ、この焼結時にT粒子間の反応を促進するための助剤を添加しないで、焼結して焼結用金型Mを作製するように構成している。尚、ダイMの作製にあっては、例えば、図2、図3のダイDの穴Dに図示省略の中子を装入して上記同様に焼結してリング状に作製したり、又は、円柱状に焼結後にダイMに穴を追加加工により形成して作製することもある。この焼結用金型Mの形状や構造は上記実施の形態例に限られるものではない。
ここにおいて、上記助剤を添加しないでとは、上記焼結時にT粒子間の反応を促進するための助剤を使用しないことを意味し、詳しくは、助剤を添加しないと、T粒子間の反応、例えば粒子と粒子を拡散等の反応により繋いだり、結合したりする反応が生じないか若しくは生じても遅くなるといわれている。例えば、助剤として、Ni、Fe、W、Zr、Ni−Zr+WC、Co等の様々な添加物が挙げられる。これら添加物を助剤として使用しないということである。
この場合、上記T粉末Wは、純度99.9%以上、粒度分布300nm以下、最大粒子サイズ2μm以下であるとしている。その理由は、純度が99.9%以上であれば成形体への不純物の影響を無視することができ、又、粒度分布が300nmを超えると焼結反応速度が遅くなり、結晶粒子も大きく成長し、結晶粒子の大きい成形体は機械強度が低くなるからであり、又、最大粒子サイズが2μmを超えると成形体の機械強度が著しく低下することになるからである。
又、この場合、上記焼結条件は、焼結温度1,700℃以上2,000℃以下、焼結圧力20MPa以上80MPa以下であるとしている。その理由は、焼結温度が1,700℃未満になると焼結反応の速度がかなり遅くなり、焼結の生産コストが高くなり、焼結温度が2,000℃を超えるとグラファイトからなる焼結型Sの変形量が許容範囲を超えるおそれがあるからであり、又、焼結圧力が20MPa未満になると焼結反応は生じても速度遅くなり、焼結圧力が80MPaを超えるとグラファイトからなる焼結型Sの変形量が許容範囲を超えるおそれがあるからである。
又、この場合、上記焼結雰囲気は、真空雰囲気、例えば10Pa以下とされている。その理由は、真空雰囲気とすることにより、酸化反応を防ぐことができ、高品質の焼結用金型を作製することができるからである。尚、上記焼結雰囲気として、不活性ガス雰囲気とすることもあり、その理由は、アルゴンガスや窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気とすることにより、酸化反応を防ぐことができ、高品質の焼結用金型を作製することができるからである。
この実施の形態例は上記構成であるから、図1、図2、図3の如く、グラファイトからなるダイDの穴D及びグラファイトからなるパンチP・Pにより構成されるグラファイト製の焼結型Sの空間に焼結材料としてのT粉末Wを充填し、密閉構造のチャンバーC内に焼結型Sを配置し、加圧機構K、パルス電源ユニットU及び制御ユニットGからなる通電加圧焼結機Tにより、上記焼結型S内に充填されたT粉末WをパンチP・Pにより圧力を加えながらパルス電流を流して焼結材料としてのT粉末W及び焼結型Sの自己発熱効果(ジュール発熱効果)により焼結する放電プラズマ焼結法により作製され、かつ、この焼結時にT粒子間の反応を促進するための助剤を添加しないで、焼結して焼結用金型Mを作製することになるから、作製された焼結用金型Mにおいては、放電プラズマ焼結法により作製することにより短時間焼結が可能となり、焼結用金型Mのコスト低減を図ることができ、例えば約2,000℃程度の高温、約100MPa程度の高圧の焼結条件でのプラズマ焼結用金型として使用したとしても、焼結用金型Mの変形がきわめて少なく、焼結用金型Mの変形による成形体の寸法精度の低下を防ぐことができ、他の焼結に再利用することもでき、かつ、助剤を添加しないので、Tの本質的な高硬度特性(約HV3000)を生かすことができ、助剤添加がもたらすT粒子の成長を促進したり、あるいは、T粒子の界面状態を不均一にするという悪影響を避けることができ、焼結用金型Mの機械的強度の低下を防ぐことができ、焼結温度1,700℃、圧力20MPaの低温低圧の焼結条件下で作製された助剤無添加のT成形体の相対密度は理論密度の95%となり、焼結温度2,000℃、圧力80MPaの高温高圧の焼結条件下で作製された助剤無添加のT成形体の相対密度の平均は99%となることが確認され、ここに、理論密度とは成形体中に全く空隙がないと仮定したときの密度をいい、結晶構造を用いて計算される。計算においては、結晶構造の大きさ及び結晶構造を構成するすべての原子の重量を利用して計算する。相対密度とは焼結後の成形体の密度をアルキメデス法などの密度測定方法によって測定した値を理論密度の割合として表すものであり、さらに、助剤添加がもたらす焼結型Sからの成形体の離型の悪化を防ぐこともでき、助剤による不純物拡散を回避することができ、T成形体からなる焼結用金型の品質を向上することができる。
この場合、上記T粉末Wは、純度99.9%以上、粒度分布300nm以下、最大粒子サイズ2μm以下としているから、成形体への不純物の影響を無視することができ、機械強度の低下を避けることができ、又、この場合、上記焼結条件は、焼結温度1,700℃以上2,000℃以下、焼結圧力20MPa以上80MPa以下としているから、焼結の反応速度の低下を防いで生産コストの低減を図ることができ、高品質の焼結用金型Mを作製することができる。
又、この場合、上記焼結雰囲気は、真空雰囲気とされているから、酸化反応を防ぐことができ、高品質の焼結用金型Mを作製することができ、又、上記焼結雰囲気として、不活性ガス雰囲気とすることにより、同じく、酸化反応を防ぐことができ、高品質の焼結用金型Mを作製することができる。
この実施の形態例により作製された助剤無添加のT成形体からなる焼結用金型Mは、図4のX線回折パターン図によれば、いずれのピークもT結晶に同定していることが分かり、ここに、X線回折パターンの測定にあっては、放電プラズマ焼結法を用いて助剤無添加のTバルクサンプルを作製し、そのバルクサンプルを粉砕して結晶相同定のためのX線回折用サンプルとし、株式会社リガク製のUltimaIVのX線回折装置を用い、回折角度(2θ)を5°〜85°範囲で測定を行った。その結果、T単一相であることが分かった。
又、図5のT粒子サイズが100μmのSEMによる組織写真によれば、組織が緻密化していることが分かり、又、図6の電気抵抗の温度依存性を示す図によれば、金属特性を示す素材であることがわかる。この電気抵抗の温度依存性の測定にあっては、放電プラズマ焼結法を用いて作製した助剤無添加のT成形体を放電加工により長さ20mm、幅5mm、厚み4mmに切断してサンプルを得て、その後、四端子法によりサンプルの電流と電圧の関係の温度依存性を測定した。電流、電圧測定には、ADCMT製6242直流電圧電流電源及びモニターを用い、各温度における電流、電圧のプロットからサンプルの電気抵抗を測定した。
[実施例1]
純度99.9%、粒度分布300nmのT粉末Wを用い、T粉末Wを、放電プラズマ焼結法を用いて、焼結時にT粒子間の反応を促進するための助剤を添加しないで、焼結した助剤無添加のT成形体からなる焼結用金型Mを作製した。焼結後の金型寸法は、ダイMにあっては、外径50mm、内径20.05mm、高さ40mm、各パンチM・Mにあっては、それぞれ外径20.00mm、長さ25.05mmである。焼結条件は、焼結温度2,000℃、圧力40MPa、焼結時間30分及び焼結雰囲気は真空雰囲気である。作製した焼結用金型Mの相対密度は98%であった。
[焼結例1]
この実施例1で作製した成形体を放電加工により仕上して焼結用金型Mを作製し、この焼結用金型Mを用い、焼結用金型M内に焼結材料を充填しない状態(ブランク焼結)で、真空雰囲気、温度1,900℃、圧力20MPa、焼結時間60分の焼結条件で焼結テストを試みた。焼結前後の金型寸法を測定し、焼結による焼結用金型Mの変形量、例えば、焼結前後のパンチM・M直径の差、パンチM・M長さの差及びダイ内径の差を算出したところ、表2に示すように、焼結用金型Mの変形量は許容範囲内にあり、助剤無添加のT成形体からなる焼結用金型Mの変形が殆どなかったことを確認した。
[比較例1]
グラファイト金型を用い、グラファイト金型内に焼結材料を充填しない状態(ブランク焼結)で、実施例1に記載した焼結条件と同じ焼結条件で焼結テストを試みた。焼結例1と同様に焼結前後の金型寸法を測定し、焼結によるグラファイト金型の変形量を算出したところ、表2に示すように、焼結によって、パンチ直径は0.330mm太くなり、パンチ長さは0.790mm短くなり、一方ダイ内径は0.335mm大きくなり、グラファイト金型の変形量が許容範囲外であることを確認した。
[実施例2]
純度99.9%、粒度分布150nmのT粉末Wを用い、T粉末Wを、放電プラズマ焼結法を用いて、焼結時にT粒子間の反応を促進するための助剤を添加しないで、焼結した助剤無添加のT成形体からなる焼結用金型Mを作製した。焼結後の金型寸法は、ダイMにあっては、外径50mm、内径20.05mm、高さ40mm、各パンチM・Mにあっては、それぞれ外径20.00mm、長さ25.05mmである。焼結条件は、焼結温度1,900℃、圧力40MPa、焼結時間45分及び焼結雰囲気は真空雰囲気である。作製した焼結用金型Mの相対密度は96%であった。
[焼結例2]
この実施例2で作製した成形体からなる焼結用金型Mを用い、焼結用金型M内に焼結材料を充填しない状態(ブランク焼結)で、真空雰囲気、温度2,800℃、圧力60MPa、焼結時間60分の焼結条件で焼結テストを試みた。上記焼結例1と同様に、焼結前後の金型寸法を測定し、焼結による焼結用金型Mの変形量を算出したところ、表2に示すように、焼結用金型Mの変形量は許容範囲内にあり、助剤無添加のT成形体からなる焼結用金型Mの変形が殆どなかったことを確認した。図7は焼結中の焼結用金型Mの変形量及び焼結温度の時間依存性を示し、焼結用金型Mの全変形量(熱膨張による変形量と焼結による変形量との和)は放電プラズマ焼結機の電極の移動量により、マイクロメーター単位の精度で確認することができ、この全変形量から焼結のみによる変形を算出することができ、焼結前後の金型寸法の測定数値及び図7により、助剤無添加のT成形体からなる焼結用金型Mの変形が殆どなかったことを確認した。この焼結温度の測定には測定精度±2℃の株式会社チノー製のIR−AHS2放射温度計を用いた。焼結温度の測定位置は金型表面である。変形量の測定については、一定加圧を掛けるため、下部電極PDの位置は放電プラズマ焼結機に内蔵されているサーボモーターによって自動的に調整できるよう設計され、下部電極PDの移動距離はサンプルの瞬時変形量(熱膨張による下方向の移動距離と収縮による上方の移動距離との和)に相当することになり、瞬時とはスキャンタイム1秒あたり1回の条件を示し、焼結のみによる変形量とは、電極の移動距離から型の熱膨張係数から算出される熱による型の膨張変形量を引いた後の変形量のこととした。
[比較例2]
グラファイト金型を用い、グラファイト金型内に焼結材料を充填しない状態(ブランク焼結)で、実施例2と同じ焼結条件で焼結テストを試みた。焼結例1と同様に焼結前後の金型寸法を測定し、焼結によるグラファイト金型の変形量を算出したところ、表2に示すように、焼結によって、パンチ直径は1.530mm太くなり、パンチ長さは3.350mm短くなり、一方ダイ内径は1.535mm大きくなり、グラファイト金型の変形量は比較例1よりも大きくなり、許容範囲外であることを確認した。図8は焼結中のグラファイト金型の変形量及び焼結温度の時間依存性を示し、グラファイト金型の全変形量(熱膨張による変形量と焼結による変形量との和)から焼結のみによる変形量を算出することができ、図8に示すように焼結のみによるグラファイト金型の変形量は大きいことを確認した。この焼結温度の測定にあたっては上記実施例1と同様な測定方法により行った。
[実施例3]
純度99.9%、粒度分布150nmのT粉末Wを用い、T粉末Wを、放電プラズマ焼結法を用いて、焼結時にT粒子間の反応を促進するための助剤を添加しないで、焼結した助剤無添加のT成形体からなる焼結用金型Mを作製した。焼結後の金型寸法は、ダイMにあっては、外径50mm、内径20.05mm、高さ40mm、各パンチM・Mにあっては、それぞれ外径20.00mm、長さ25.05mmである。焼結条件は、焼結温度1,750℃、圧力50MPa、焼結時間60分及び焼結雰囲気は真空雰囲気である。作製した焼結用金型Mの相対密度は95%であった。
[焼結例3]
この実施例3で作製した成形体からなる焼結用金型Mを用い、焼結用金型M内に焼結材料としてのタングステン粉末を充填し、真空雰囲気、焼結温度2,200℃、圧力40MPa、焼結時間20分の焼結条件で焼結テストを試みた。上記焼結例1及び焼結例2と同様に、焼結前後の金型寸法を測定し、焼結による焼結用金型Mの変形量を算出したところ、表2に示すように、焼結用金型Mの変形が殆どなかったことを確認した。タングステン焼結体の相対密度は理論密度の98%であった。
[比較例3]
グラファイト金型を用い、グラファイト金型内に焼結材料としてのタングステン粉末を充填し、実施例3と同じ焼結条件で焼結テストを試みた。上記焼結例1及び焼結例2と同様に焼結前後の金型寸法を測定し、焼結によるグラファイト金型の変形量を算出したところ、表2に示すように、焼結によって、パンチ直径は0.460mm太くなり、パンチ長さは1.092mm短くなり、一方ダイ内径は0.470mm大きくなり、グラファイト金型の変形量は許容範囲外であることを確認した。図8は焼結中のグラファイト金型の変形量及び焼結温度の時間依存性を示し、グラファイト金型の全変形量(熱膨張による変形量と焼結による変形量との和)から焼結のみによる変形量を算出することができ、図8に示すように焼結のみによるグラファイト金型の変形量は大きいことを確認した。タングステン焼結体の相対密度は91%であった。焼結例3に用いた助剤無添加T金型で焼結したタングステン焼結体の相対密度より低いことを確認した。これはグラファイト金型が変形することによって、タングステン焼結体に十分な加圧を加えられないことによるものであるとされる。
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、例えば、放電プラズマ焼結法以外の焼結法に用いられる焼結用金型Mに適用することもあり、又、焼結用金型MのダイMやパンチM・Mの形状等は適宜変更して設計されるものであり、すなわち、上記のとおり、T粉末Wを、放電プラズマ焼結法を用いて、焼結時にT粒子間の反応を促進するための助剤を添加しないで、焼結した助剤無添加のT成形体を各種の焼結用金型Mに適用することができる。
以上の如く、所期の目的を充分達成することができる。
W T粉末
M 焼結用金型
ダイ
パンチ

Claims (6)

  1. 焼結用の金型であって、上記金型は、T粉末(以下、「二硼化チタン粉末」ともいう。)を、放電プラズマ焼結法(以下、「SPS法」ともいう。)を用いて、該焼結時にT粒子間の反応を促進するための助剤を添加しないで、焼結した助剤無添加のT成形体からなることを特徴とする焼結用金型。
  2. 上記T粉末は、純度99.9%以上、粒度分布300nm以下、最大粒子サイズ2μm以下であることを特徴とする請求項1記載の焼結用金型。
  3. 上記焼結条件は、焼結温度1,700℃以上2,000℃以下、焼結圧力20MPa以上80MPa以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の焼結用金型。
  4. 焼結用の金型の作製方法であって、T粉末を、放電プラズマ焼結法を用いて、該焼結時にT粒子間の反応を促進するための助剤を添加しないで、焼結した助剤無添加のT成形体からなる金型を作製することを特徴とする焼結用金型の作製方法。
  5. 上記焼結雰囲気は、真空雰囲気であることを特徴とする請求項4記載の焼結用金型の作製方法。
  6. 上記焼結雰囲気は、不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項4又は5記載の焼結用金型の作製方法。
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