JP6654169B2 - 焼結用型の作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば放電プラズマ焼結法に用いられる焼結用型の作製方法に関するものである。
従来、この種の焼結用型として、ダイ及び上下のパンチからなり、素材として、下記の表1に示すような諸物性を有する黒鉛(以下、「Gr又はグラファイト」ともいう。)を焼結してなるGr焼結体や二硼化チタン(以下、「T」ともいう。)を焼結してなるT焼結体からなる構造のものが知られている。
この表1において、Grは機械的強度が低くて高圧力条件における焼結処理に応用することが難しく、やむを得ない場合、型の肉厚を厚くして機械的強度を増すことはできるものの、製品寸法の精度や製作コストに問題が生じ易く、一方、Tは機械的強度、例えば、曲げ強度はGrより4倍以上、硬さはGrより3倍以上大きい材料であることから、焼結用型の小型化が図れ、かつ、電気的特性ではTの電気抵抗率はGrより小さいから、Grより電気を通し易く、ダイ及びパンチにおける温度分布は小さくできる。
特開2016−132612
しかしながら上記従来構造のうち、型素材としてTiB焼結体を用いたTiB の場合、TiBは硬さがHV3,000程度あり、形状加工が難しく、加工コストが高くなり、型としての応用分野が限られてしまうことがあるという不都合を有している。
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうち、請求項1記載の発明は、放電プラズマ焼結用のの作製方法であって、純度99.9%以上、平均粒子サイズ60μm以下、最大粒子サイズ120μm以下である黒鉛(以下、「Gr又はグラファイト」ともいう。)粉末と純度99.9%以上、平均粒子サイズ60μm以下、最大粒子サイズ120μm以下である二硼化チタン(以下、「T 」ともいう。)粉末との混合割合が黒鉛粉末25重量%〜80重量%、二硼化チタン粉末20重量%〜75重量%である混合粉末(以下、「Gr−T 混合粉末」ともいう。)を、放電プラズマ焼結法(以下、「SPS法」ともいう。)を用いて、焼結温度1,700℃以上2,100℃以下、焼結圧力20MPa以上100MPa以下である焼結条件下で焼結された、相対密度は理論密度の95%以上である黒鉛二硼化チタン焼結体(以下、「Gr−T 焼結体」ともいう。)からなる型を作製することを特徴とする焼結用型の作製方法にある。
又、請求項記載の発明は、上記焼結条件下の焼結雰囲気は、真空雰囲気であることを特徴とするものであり、又、請求項記載の発明は、上記焼結条件下の焼結雰囲気は、不活性ガス雰囲気であることを特徴とするものである。
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、黒鉛粉末と二硼化チタン粉末との混合粉末を、放電プラズマ焼結法を用いて焼結された、黒鉛二硼化チタン焼結体からなる焼結用型であるから、放電プラズマ焼結法により作製することにより短時間焼結が可能となり、焼結用型のコスト低減を図ることができ、例えば約2,000℃程度の高温、約250MPa程度の高圧の焼結条件でのプラズマ焼結用型として使用したとしても、焼結用型の変形がきわめて少なく、焼結用型の変形による焼結体の寸法精度の低下を防ぐことができ、他の焼結に再利用することもでき、かつ、上記黒鉛粉末と上記二硼化チタン粉末との混合割合として、黒鉛粉末25重量%〜80重量%、二硼化チタン粉末20重量%〜75重量%であるから、黒鉛二硼化チタン焼結体の機械的強度の低下を防いで過酷な焼結条件に応用することができ、加工コストの低減を図ることができ、さらに、上記黒鉛粉末は、純度99.9%以上、平均粒子サイズ60μm以下、最大粒子サイズ120μm以下であるから、黒鉛二硼化チタン焼結体の機械的強度の低下を防ぎ、高温高圧下の焼結用の型として利用することができ、さらに、上記二硼化チタン粉末は、純度99.9%以上、平均粒子サイズ60μm以下、最大粒子サイズ120μm以下であるから、黒鉛二硼化チタン焼結体の機械的強度の低下を防ぎ、高温高圧下の焼結用の型として利用することができ、さらに、上記焼結の条件は、焼結温度1,700℃以上2,100℃以下、焼結圧力20MPa以上100MPa以下であるから、Gr−T 焼結体の機械的強度の低下を防止することができ、高精度の焼結用型を得ることができ、さらに、上記黒鉛二硼化チタン焼結体の相対密度は理論密度の95%以上であるから、熱伝導率の低下を防いで焼結用型の温度むらを防ぐことができ、焼結用型の割れを防ぐことができる。
又、請求項記載の発明にあっては、上記焼結条件下の焼結雰囲気は、真空雰囲気としているから、酸化反応を防ぐことができ、高品質の焼結用型を作製することができ、又、請求項記載の発明にあっては、上記焼結条件下の焼結雰囲気は、不活性ガス雰囲気であることとしているから、酸化反応を防ぐことができ、高品質の焼結用型を作製することができる。
本発明の実施の形態例の焼結用型の説明斜視図である。 本発明の実施の形態例の放電プラズマ焼結法の説明図である。 本発明の実施の形態例の放電プラズマ焼結法の拡大説明図である。 本発明の実施の形態例の焼結用型のX線回折パターン図である。 本発明の実施の形態例の焼結用型のSEMによる組織写真である。 本発明の実施の形態例の焼結用型の電気抵抗の温度依存性を示す図である。
図1乃至図6は本発明の実施の形態例を示し、Mは焼結用型であって、図1の如く、ダイM及び上下のパンチM・Mから構成され、この場合、ダイM及び上下のパンチM・Mのいずれにあっても、黒鉛(以下、「Gr又はグラファイト」ともいう。)粉末と二硼化チタン(以下、「T」ともいう。)粉末との混合粉末(以下、「Gr−T混合粉末」ともいう。)Wを、放電プラズマ焼結法(以下、「SPS法」ともいう。)を用いて焼結された、黒鉛二硼化チタン焼結体(以下、「Gr−T焼結体」ともいう。)により作製されている。
この場合、焼結用型Mの作製において、例えば、パンチM・Mの作製にあっては、図2、図3の如く、グラファイトからなるダイD及びダイDの穴Dに挿入された上下のグラファイトからなるパンチP・Pにより構成されるグラファイト製の焼結型Sを用意し、このダイDの穴DとパンチP・Pにより形成された空間に焼結材料としての黒鉛粉末と二硼化チタン粉末との混合粉末Wを充填し、例えば、密閉構造のチャンバーC内に焼結型Sを配置し、上部電極PU、下部電極PD及び上部電極PUを上下加圧動作させる加圧機構K、上部電極PU及び下部電極PD間にパルス電流を流すパルス電源ユニットU、制御ユニットG等を備えてなる通電加圧焼結機Tを用意し、通電加圧焼結機Tを用いて、上記グラファイトからなる焼結型S内に充填されたGr−T混合粉末WをパンチP・Pにより圧力を加えながらパルス電流を流して焼結材料としてのGr−T混合粉末W及び焼結型Sの自己発熱効果(ジュール発熱効果)により焼結する放電プラズマ焼結法により作製するようにしている。尚、ダイMの作製にあっては、例えば、図2、図3のダイDの穴Dに図示省略の中子を装入して上記同様に焼結してリング状に作製したり、又は、円柱状に焼結後にダイMに穴を追加加工により形成して作製することもある。この焼結用型Mの形状や構造は上記実施の形態例に限られるものではない。
ここにおいて、上記黒鉛粉末と上記二硼化チタン粉末との混合割合は、黒鉛粉末25重量%〜80重量%、二硼化チタン粉末20重量%〜75重量%である。その理由は、黒鉛粉末が25重量%以下になると、難加工焼結体ができてしまい、それによって加工コストが必要以上に高くなり、黒鉛粉末が80重量%以上になると、従来の黒鉛製品と変わらない低機械強度の製品になるので過酷な焼結条件に応用することができない。又、二硼化チタン粉末が20重量%以下になると、従来の黒鉛製品と変わらない低機械強度の製品になるので過酷な焼結条件に応用することができず、二硼化チタン粉末が75重量%以上になると、難加工焼結体ができてしまい、それによって加工コストが必要以上に高くなるからである。
又、上記Gr−TiB混合粉末Wの黒鉛粉末は、純度99.9%以上、平均粒子サイズ60μm以下、最大粒子サイズ120μm以下である。その理由は、純度99.9%以下の原料を用いた場合、不純物の含有量が多くなり、不純物の種類によっては焼結体の焼結反応を促進し、黒鉛二硼化チタン焼結体の粒子が大きく成長し、その結果、黒鉛二硼化チタン焼結体の機械的強度が低下し、高温高圧下の焼結用の型として利用できないことになり、純度99.9%以上であれば黒鉛二硼化チタン焼結体への不純物の影響を無視することができ、又、平均粒子サイズが60μmを超えると焼結反応速度が遅くなり、結晶粒子も大きく成長し、緻密な焼結体が得られず、結晶粒子の大きいGr−T焼結体は機械的強度が低くなり、高温高圧下の焼結用の型として利用できないことになり、又、最大粒子サイズが120μmを超えるとGr−T焼結体の機械的強度が著しく低下するからである。なお、上記黒鉛粉末の最大粒子サイズは100μm以下が好ましい。その理由は焼結体の機械強度の低下を考慮したからである。
又、上記Gr−TiB混合粉末Wの二硼化チタン粉末は純度99.9%以上、平均粒子サイズ60μm以下、最大粒子サイズ120μm以下である。その理由は、純度99.9%以下の原料を用いた場合、不純物の含有量が多くなり、不純物の種類によっては焼結体の焼結反応を促進し、黒鉛二硼化チタン焼結体の粒子が大きく成長し、その結果、黒鉛二硼化チタン焼結体の機械的強度が低下し、高温高圧下の焼結用の型として利用できないことになり、純度99.9%以上であれば黒鉛二硼化チタン焼結体への不純物の影響を無視することができ、又、平均粒子サイズが60μmを超えると焼結反応速度が遅くなり、結晶粒子も大きく成長し、緻密な焼結体が得られず、結晶粒子の大きいGr−T焼結体は機械的強度が低くなり、高温高圧下の焼結用の型として利用できないことになり、又、最大粒子サイズが120μmを超えるとGr−T焼結体の機械的強度が著しく低下するからである。なお、上記二硼化チタン粉末の最大粒子サイズは100μm以下が好ましい。その理由は焼結体の機械強度の低下を考慮したからである。
又、上記焼結の条件は、焼結温度1,700℃以上2,100℃以下、焼結圧力20MPa以上100MPa以下である。その理由は、焼結温度が1,700℃未満になると焼結反応の速度が極端に遅くなり、焼結の生産コストが高くなり、焼結温度が2,100℃を超えると焼結速度が速くなるが、焼結体結晶粒子のサイズが大きく成長し、Gr−T焼結体の機械的強度が低下し、焼結用型Mの焼結にあたっては、通常、グラファイトからなる焼結型Sを使用することがあり、そのグラファイトからなる焼結型Sの変形量が許容範囲を超えるおそれがあり、高精度の焼結用型Mを得ることができず、又、焼結圧力が20MPa未満になると焼結反応は生じても緻密化時間が極端に長くなり、製造コストが高くなり、又、焼結圧力が100MPaを超えると緻密化時間は短くなるが、上記グラファイトからなる焼結型Sの変形量が許容範囲を超えるおそれがあり、量産性が低下するからである。なお、焼結温度は1,800℃以上2,000℃以下、焼結圧力は30MPa以上80MPa以下が好ましい。その理由は焼結反応の速度の低下を防いで生産コストの低減及び上記グラファイトからなる焼結型Sの変形を考慮し、高品質の焼結用型Mの作製を考慮したからである。
又、上記黒鉛二硼化チタン焼結体の相対密度は理論密度の95%以上である。その理由は、相対密度が95%以下になると、空隙率が大きくなって焼結用型Mの熱伝導率が悪くなり、熱伝導率の低下により焼結用型Mの温度むらが強くなり、焼結用型Mにより焼結される製品の精度が低下し、又、焼結中空隙に応力集中して外部から加えられる焼結圧力より型の機械的強度以上の応力が発生する可能性があり、焼結中に型が割れてしまう危険性があるからである。
又、この場合、上記焼結条件下の焼結雰囲気は、真空雰囲気、例えば、10Pa以下とされている。その理由は、真空雰囲気とすることにより、酸化反応を防ぐことができ、高品質の焼結用型Mを作製することができるからである。又、上記焼結条件下の焼結雰囲気として、不活性ガス雰囲気とすることもあり、その理由は、アルゴンガスや窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気とすることにより、酸化反応を防ぐことができ、高品質の焼結用型Mを作製することができるからである。
この実施の形態例は上記構成であるから、図1、図2、図3の如く、グラファイトからなるダイDの穴D及びグラファイトからなるパンチP・Pにより構成されるグラファイト製の焼結型Sの空間に焼結材料としてのGr−T混合粉末Wを充填し、密閉構造のチャンバーC内に焼結型Sを配置し、加圧機構K、パルス電源ユニットU及び制御ユニットGからなる通電加圧焼結機Tにより、上記焼結型S内に充填されたGr−T混合粉末WをパンチP・Pにより圧力を加えながらパルス電流を流して焼結材料としてのGr−T混合粉末W及び焼結型Sの自己発熱効果(ジュール発熱効果)により焼結する放電プラズマ焼結法により焼結され、しかして、黒鉛二硼化チタン焼結体からなる焼結用型Mを作製することになるから、作製された焼結用型Mにおいては、放電プラズマ焼結法により作製することにより短時間焼結が可能となり、焼結用型Mのコスト低減を図ることができ、例えば約2,000℃程度の高温、約250MPa程度の高圧の焼結条件でのプラズマ焼結用型Mとして使用したとしても、焼結用型Mの変形がきわめて少なく、焼結用型Mの変形による焼結体の寸法精度の低下を防ぐことができ、他の焼結に再利用することもできる。
ここにおいて、焼結温度1,700℃、圧力30MPaの低温低圧の焼結条件下で作製されたGr−T焼結体の相対密度は理論密度の90%となり、又、焼結温度1,800℃、圧力30MPaの低温低圧の条件下で95%となり、又、焼結温度2,100℃、圧力100MPaの高温高圧の焼結条件下で作製されたGr−T焼結体の相対密度が最大100%となることが確認され、ここに、理論密度とは焼結体中に全く空隙がないと仮定したときの密度をいい、結晶構造を用いて計算される。計算においては、結晶構造の大きさ及び結晶構造を構成するすべての原子の重量を利用して計算する。相対密度とは焼結後の焼結体の密度をアルキメデス法などの密度測定方法によって測定した値を理論密度の割合として表すものである。
この場合、上記黒鉛粉末と上記二硼化チタン粉末との混合割合として、黒鉛粉末25重量%〜80重量%、二硼化チタン粉末20重量%〜75重量%であるから、黒鉛二硼化チタン焼結体の機械的強度の低下を防いで過酷な焼結条件に応用することができ、加工コストの低減を図ることができる。
又、この場合、上記黒鉛粉末は、純度99.9%以上、平均粒子サイズ60μm以下、最大粒子サイズ120μm以下であるから、黒鉛二硼化チタン焼結体の機械的強度の低下を防ぎ、高温高圧の焼結の型として利用することができる。
又、この場合、上記二硼化チタン粉末は、純度99.9%以上、平均粒子サイズ60μm以下、最大粒子サイズ120μm以下であるから、黒鉛二硼化チタン焼結体の機械的強度の低下を防ぎ、高温高圧下の焼結用の型として利用することができる。
又、この場合、上記焼結の条件は、焼結温度1,700℃以上2,100℃以下、焼結圧力20MPa以上100MPa以下であるから、Gr−T焼結体の機械的強度の低下を防止することができ、高精度の焼結用型Mを得ることができる。
又、この場合、上記黒鉛二硼化チタン焼結体の相対密度は、理論密度の95%以上であるから、熱伝導率の低下を防いで焼結用型Mの温度むらを防ぐことができ、焼結用型Mの割れを防ぐことができる。
又、この場合、上記焼結条件下の焼結雰囲気は、真空雰囲気とされているから、酸化反応を防ぐことができ、高品質の焼結用型Mを作製することができ、又、上記焼結条件下の焼結雰囲気として、不活性ガス雰囲気とすることにより、同じく、酸化反応を防ぐことができ、高品質の焼結用型Mを作製することができる。
この実施の形態例により作製されたGr−T焼結体からなる焼結用型Mは、図4のX線回折パターン図によれば、いずれのピークも黒鉛結晶とT結晶に同定していることがわかり、ここに、X線回折パターンの測定にあっては、放電プラズマ焼結法を用いてGr−Tバルクサンプルを作製し、そのバルクサンプルを粉砕して結晶相同定のためのX線回折用サンプルとし、株式会社リガク製のUltimaIVのX線回折装置を用い、回折角度(2θ)5°〜85°の範囲で測定を行った。その結果、GrとTの二相であることがわかった。
又、図5のSEMによる組織写真によれば、(イ)のGr−T焼結体の組織が緻密化していることがわかり、さらに、フレーク組織を示す(ロ)の市販黒鉛金型と異なり、(イ)のGr−T焼結体においては、フレーク組織を示さないこともわかる。
又、図6の電気抵抗の温度依存性を示す図によれば、金属特性を示す素材であることがわかる。この電気抵抗の温度依存性の測定にあっては、放電プラズマ焼結法を用いて作製したGr−T焼結体を放電加工により長さ30mm、直径6mmに切断してサンプルを得て、その後、四端子法によりサンプルの電流と電圧の関係の温度依存性を測定した。電流、電圧測定には、ADCMT製6242直流電圧電流電源及びモニターを用い、各温度における電流、電圧のプロットからサンプルの電気抵抗を測定した。
[実施例1]
純度99.9%、平均粒子サイズ60μm以下のGr粉末及び純度99.9%、平均粒子サイズ60μm以下のT粉末を用い、黒鉛粉末と上記二硼化チタン粉末とを黒鉛粉末50重量%、二硼化チタン粉末50重量%の混合割合で混合し、このGr−T混合粉末Wを、放電プラズマ焼結法を用いて焼結してGr−T焼結体からなる焼結用型Mを作製した。焼結後の型寸法は、ダイMにあっては、外径50.00mm、内径20.05mm、高さ40.00mm、各パンチM・Mにあっては、それぞれ外径20.00mm、長さ25.00mmである。上記焼結の条件は、焼結温度2,000℃、焼結圧力40MPa、焼結時間20分及び焼結雰囲気は真空雰囲気である。作製した焼結用型Mの相対密度は98%であった。
[焼結例1]
この実施例1で作製したGr−T焼結体を放電加工により仕上して焼結用型Mを作製し、この焼結用型Mを用い、焼結用型M内に焼結材料を充填しない状態(ブランク焼結)で、真空雰囲気、温度1,900℃、圧力20MPa、焼結時間60分の焼結条件で焼結テストを試みた。上記焼結条件で三サイクルを繰り返し行ったが、焼結前後のGr−TiB焼結体から作製した焼結用型Mの割れや焼結用型Mの寸法変形はないことを確認した。
[比較例1]
市販の黒鉛金型を用い、黒鉛金型内に焼結材料を充填しない状態(ブランク焼結)で、焼結例1に記載した焼結条件と同じ焼結条件で三セットの金型で焼結テストを試みた。上記焼結条件で三サイクルを繰り返し行い、焼結前後の黒鉛金型の割れや黒鉛金型の寸法変形はないことを確認したが、変形に関して、パンチ直径は0.330mm太くなり、パンチ長さは0.790mm短くなり、一方、ダイの内径は0.335mm大きくなり、黒鉛金型の変形量が許容範囲外であることを確認した。
[実施例2]
純度99.9%、平均粒子サイズ60μmのGr粉末及び純度99.9%、平均粒子サイズ60μmのTiB粉末を用い、黒鉛粉末と上記二硼化チタン粉末とを黒鉛粉末50重量%、二硼化チタン粉末50重量%の混合割合で混合し、このGr−T混合粉末Wを放電プラズマ焼結法を用いて焼結してGr−T焼結体からなる焼結用型Mを作製した。焼結後の型寸法は、ダイMにあっては、外径50.00mm、内径20.05mm、高さ40.00mm、各パンチM・Mにあっては、それぞれ外径20.00mm、長さ25.00mmである。焼結条件は、焼結温度2,000℃、圧力60MPa、焼結時間30分及び焼結雰囲気は真空雰囲気である。作製した焼結用型Mの相対密度は99%であった。
[焼結例2]
この実施例2で作製したGr−T焼結体からなる焼結用型Mを用い、焼結用型M内に焼結材料を充填しない状態(ブランク焼結)で、真空雰囲気、温度2,000℃、焼結圧力250MPa、焼結時間30分の焼結条件で焼結テストを三セットで試みた。上記焼結例1と同様に、上記焼結条件で三サイクルを繰り返し行ったが、焼結後のGr−TiB焼結体から作製した焼結用型Mの割れや焼結用型Mの寸法変形はないことを確認した。
[比較例2]
市販の黒鉛金型を用い、黒鉛金型内に焼結材料を充填しない状態(ブランク焼結)で、焼結例2と同じ焼結条件で焼結テストを試みた。上記焼結条件で三サイクルを繰り返し行った焼結例1と同様に焼結後の黒鉛金型の割れや焼結前後の黒鉛金型の寸法変化を確認した。焼結圧力80MPaで割れが発生することを確認した。
[実施例3]
純度99.9%、平均粒子サイズ60μmのGr粉末及び純度99.9%、平均粒子サイズ60μm以下のTiB粉末を用い、黒鉛粉末と上記二硼化チタン粉末とを黒鉛粉末25重量%、二硼化チタン粉末75重量%の混合割合で混合し、このGr−T混合粉末Wを放電プラズマ焼結法を用いて焼結してGr−T焼結体からなる焼結用型Mを作製した。焼結用型の型寸法は、ダイMにあっては、外径50.00mm、内径20.05mm、高さ40.00mm、各パンチM・Mにあっては、それぞれ外径20.00mm、長さ25.00mmである。焼結条件は、焼結温度2,000℃、圧力60MPa、焼結時間30分及び焼結雰囲気は真空雰囲気である。作製した焼結用型Mの相対密度は99%であった。
[焼結例3]
この実施例3で作製したGr−T焼結体からなる焼結用型Mを用い、焼結用型M内に焼結材料としてのタングステン粉末を充填し、真空雰囲気、焼結温度2,400℃、圧力40MPa、焼結時間15分の焼結条件で焼結テストを試みた。上記焼結条件で三サイクルを繰り返し行ったが焼結前後の焼結用型Mの割れや焼結用型Mの寸法変形はないことを確認した。
[比較例3]
市販の黒鉛金型を用い、黒鉛金型内に焼結材料としてのタングステン粉末を充填し、焼結例3と同じ焼結条件で焼結テストを試みた。上記焼結例1及び焼結例2と同様に焼結前後の黒鉛金型の割れ及び黒鉛金型の寸法の変形量を確認した。黒鉛金型の割れはなかったが、黒鉛金型の寸法はダイ内径は0.470mm大きくなり、パンチ直径は0.460mm太くなり、パンチ長さは1.092mm短くなったことを確認した。
[実施例4]
純度99.9%、平均粒子サイズ60μm以下のGr粉末及び純度99.9%、平均粒子サイズ60μmのTiB粉末を用い、黒鉛粉末と上記二硼化チタン粉末とを黒鉛粉末80重量%、二硼化チタン粉末20重量%の混合割合で混合し、このGr−T混合粉末Wを放電プラズマ焼結法を用いて焼結してGr−T焼結体からなる焼結用型Mを作製した。焼結後の型寸法は、ダイMにあっては、外径50.00mm、内径20.05mm、高さ40.00mm、各パンチM・Mにあっては、それぞれ外径20.00mm、長さ25.00mmである。焼結条件は、焼結温度2,000℃、圧力60MPa、焼結時間30分及び焼結雰囲気は真空雰囲気である。作製した焼結用型Mの相対密度は99%であった。
[焼結例4]
この実施例4で作製したGr−T焼結体からなる焼結用型Mを用い、焼結用型M内に焼結材料としてのタングステン粉末を充填し、真空雰囲気、焼結温度2,400℃、圧力250MPa、焼結時間15分の焼結条件で焼結テストを試みた。焼結後の焼結用型Mの割れや焼結前後の焼結用型Mの寸法変化はないことを確認した。
[比較例4]
市販の黒鉛金型を用い、黒鉛金型内に焼結材料としてのタングステン粉末を充填し、焼結例4と同じ焼結条件で焼結テストを試みた。上記焼結例1及び焼結例2と同様に焼結前後の黒鉛金型の割れ及び黒鉛金型の寸法の変形量を確認した。焼結圧力80MPa程度で割れが発生することを確認した。
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、例えば、放電プラズマ焼結法以外の焼結法に用いられる焼結用型Mに適用することもあり、又、焼結用型MのダイMやパンチM・Mの形状等は適宜変更して設計されるものである。
以上の如く、所期の目的を充分達成することができる。
W Gr−T混合粉末
M 焼結用型

Claims (3)

  1. 放電プラズマ焼結用のの作製方法であって、純度99.9%以上、平均粒子サイズ60μm以下、最大粒子サイズ120μm以下である黒鉛(以下、「Gr又はグラファイト」ともいう。)粉末と純度99.9%以上、平均粒子サイズ60μm以下、最大粒子サイズ120μm以下である二硼化チタン(以下、「T 」ともいう。)粉末との混合割合が黒鉛粉末25重量%〜80重量%、二硼化チタン粉末20重量%〜75重量%である混合粉末(以下、「Gr−T 混合粉末」ともいう。)を、放電プラズマ焼結法(以下、「SPS法」ともいう。)を用いて、焼結温度1,700℃以上2,100℃以下、焼結圧力20MPa以上100MPa以下である焼結条件下で焼結された、相対密度は理論密度の95%以上である黒鉛二硼化チタン焼結体(以下、「Gr−T 焼結体」ともいう。)からなる型を作製することを特徴とする焼結用型の作製方法。
  2. 上記焼結条件下の焼結雰囲気は、真空雰囲気であることを特徴とする請求項記載の焼結用型の作製方法。
  3. 上記焼結条件下の焼結雰囲気は、不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項記載の焼結用型の作製方法。
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