JP2016132548A - 給紙装置、画像形成装置および画像形成システム - Google Patents
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Abstract
【課題】用紙の給紙不良が発生することを防止することが可能な給紙装置、画像形成装置および画像形成システムを提供する。
【解決手段】給紙装置は、用紙を載置可能な用紙載置部と、用紙載置部に載置された用紙の給紙方向における当該用紙の先端側に配置され、当該用紙の表面に当接した状態で回転して当該用紙を給紙する第1給紙回転体と、給紙方向における第1給紙回転体の上流側に配置され、用紙の表面に当接した状態で回転して当該用紙を給紙する第2給紙回転体と、第1給紙回転体と第2給紙回転体との間で用紙にループを形成させるとともに当該用紙を給紙させるように第1および第2給紙回転体の回転動作を制御する制御部とを備える。
【選択図】図3
【解決手段】給紙装置は、用紙を載置可能な用紙載置部と、用紙載置部に載置された用紙の給紙方向における当該用紙の先端側に配置され、当該用紙の表面に当接した状態で回転して当該用紙を給紙する第1給紙回転体と、給紙方向における第1給紙回転体の上流側に配置され、用紙の表面に当接した状態で回転して当該用紙を給紙する第2給紙回転体と、第1給紙回転体と第2給紙回転体との間で用紙にループを形成させるとともに当該用紙を給紙させるように第1および第2給紙回転体の回転動作を制御する制御部とを備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、給紙装置、画像形成装置および画像形成システムに関する。
一般に、電子写真プロセス技術を利用した画像形成装置(プリンター、複写機、ファクシミリ等)は、帯電した感光体に対して、画像データに基づくレーザー光を照射(露光)することにより静電潜像を形成する。そして、静電潜像が形成された感光体ドラムへ現像装置よりトナーを供給することにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。さらに、このトナー像を直接又は間接的に用紙に転写させた後、定着ニップで加熱、加圧して定着させることにより用紙に画像を形成する。
上記画像形成装置には、例えば手差しトレイ、給紙トレイユニット等の用紙載置部に載置されている複数の用紙のうち最上位の用紙を1枚ずつ画像形成装置に給紙する給紙装置が装備されている。用紙載置部に載置されている最上位の用紙は、当該用紙の表面に当接する給紙ローラーが回転することによって画像形成装置本体の内部(画像形成部)に向けて給紙される。
特許文献1には、シュレッダに用紙を給紙する際、細断能力を越えた紙量の用紙束の送り込みによって細断部のロックが発生してしまうことを防止する技術が開示されている。
しかしながら、上記給紙装置は、用紙の種類によっては当該用紙の給紙不良が発生するおそれがあるという問題があった。例えば、連帳ロール紙や折り畳み紙等の連続した用紙(「長尺紙」とも言う)を給紙する場合、当該長尺紙は、所定の紙サイズ(例えば、A3サイズ)にカットされた用紙(「カット紙」とも言う)よりも面積が大きいため、給紙ローラーによる搬送力が用紙同士間に作用する摩擦力より小さくなり、給紙不良が発生してしまう。この対策として、給紙ローラーの搬送力を大きくするという方法も考えられるが、この方法では、用紙に皺が寄ってしまう等の別の問題が発生してしまうおそれがある。
また、用紙載置部に載置されている用紙が1枚である場合においても当該用紙の給紙不良が発生するおそれがある。例えば、給紙装置の周囲の環境が低湿環境である場合には、用紙載置部に載置されている用紙が静電気を帯び、用紙載置部の表面に付着してしまうことにより、当該用紙の給紙不良が発生するおそれがある。
なお、特許文献1に記載の技術は、用紙の給紙不良の発生を防止することを目的としたものではなく、したがってそのための構成を有していない。
本発明の目的は、用紙の給紙不良の発生を防止することが可能な給紙装置、画像形成装置および画像形成システムを提供することである。
本発明に係る給紙装置は、
用紙を載置可能な用紙載置部と、
前記用紙載置部に載置された用紙の給紙方向における当該用紙の先端側に配置され、当該用紙の表面に当接した状態で回転して当該用紙を給紙する第1給紙回転体と、
前記給紙方向における前記第1給紙回転体の上流側に配置され、前記用紙の表面に当接した状態で回転して当該用紙を給紙する第2給紙回転体と、
前記第1給紙回転体と前記第2給紙回転体との間で前記用紙にループを形成させるとともに当該用紙を給紙させるように前記第1および第2給紙回転体の回転動作を制御する制御部と、
を備える。
本発明に係る画像形成装置は、上記給紙装置を備える。
本発明に係る画像形成システムは、上記画像形成装置を備える。
用紙を載置可能な用紙載置部と、
前記用紙載置部に載置された用紙の給紙方向における当該用紙の先端側に配置され、当該用紙の表面に当接した状態で回転して当該用紙を給紙する第1給紙回転体と、
前記給紙方向における前記第1給紙回転体の上流側に配置され、前記用紙の表面に当接した状態で回転して当該用紙を給紙する第2給紙回転体と、
前記第1給紙回転体と前記第2給紙回転体との間で前記用紙にループを形成させるとともに当該用紙を給紙させるように前記第1および第2給紙回転体の回転動作を制御する制御部と、
を備える。
本発明に係る画像形成装置は、上記給紙装置を備える。
本発明に係る画像形成システムは、上記画像形成装置を備える。
本発明によれば、用紙載置部に載置された用紙が給紙される際、第1給紙回転体と第2給紙回転体との間で用紙にループが形成される。そのため、例えば用紙載置部に載置されている複数の用紙のうち最上位の用紙を給紙する際、用紙同士間(最上位の用紙と当該用紙の下面と接触する用紙との間)の接触面積が減少することにより当該用紙同士間に作用する摩擦力が減少する。また、用紙載置部に載置されている1枚の用紙が給紙される際、用紙と用紙載置部の表面との間の接触面積が減少することにより、給紙装置の周囲の環境が、当該用紙が静電気を帯びやすい低湿環境であっても、用紙載置部の表面に用紙が付着することが防止される。その結果、用紙の給紙不良が発生することを防止することができる。
以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。図2は、本実施の形態に係る画像形成装置1の制御系の主要部を示す。図1、2に示す画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に転写(一次転写)し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、用紙Sに転写(二次転写)することにより、画像を形成する。
また、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
図2に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60および制御部100を備える。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103等を備える。CPU101は、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロックの動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
制御部100は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部100は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて用紙Sに画像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11及び原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11により、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることが可能となる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部100から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部100に出力する。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定またはユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部100の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示すこととする。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414およびドラムクリーニング装置415等を備える。
感光体ドラム413は、例えばドラム径が80[mm]のアルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層した負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。電荷発生層は、電荷発生材料(例えばフタロシアニン顔料)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト)に分散させた有機半導体からなり、露光装置411による露光により一対の正電荷と負電荷を発生する。電荷輸送層は、正孔輸送性材料(電子供与性含窒素化合物)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト樹脂)に分散させたものからなり、電荷発生層で発生した正電荷を電荷輸送層の表面まで輸送する。
制御部100が感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(図示略)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413は一定の周速度で回転する。
帯電装置414は、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。感光体ドラム413の電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送されることにより、感光体ドラム413の表面電荷(負電荷)が中和される。感光体ドラム413の表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成されることとなる。
現像装置412は、二成分現像方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に摺接されるドラムクリーニングブレード等を有し、一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーを除去する。感光体ドラム413(感光体)を含むドラムユニットには、潤滑剤塗布ブラシで削り取り粉体となった潤滑剤を感光体ドラム413に塗布する潤滑剤塗布装置が設けられる。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424、及びベルトクリーニング装置426等を備える。
中間転写ベルト421は無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも1つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部における中間転写ベルト421の走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
中間転写ベルト421は、導電性および弾性を有するベルトであり、表面に体積抵抗率が8〜11[logΩ・cm]である高抵抗層を有する。中間転写ベルト421は、制御部100からの制御信号によって回転駆動される。なお、中間転写ベルト421については、導電性および弾性を有するものであれば、材質、厚さおよび硬度を限定しない。
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるローラー423B(以下「バックアップローラー423B」と称する)に対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側(一次転写ローラー422と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
その後、用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が用紙Sに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、用紙Sの裏面側(二次転写ローラー424と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
ベルトクリーニング装置426は、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。ベルトクリーニング装置426の具体的な構成については後述する。なお、二次転写ローラー424に代えて、二次転写ローラーを含む複数の支持ローラーに、二次転写ベルトが張架された構成(いわゆるベルト式の二次転写ユニット)を採用しても良い。
定着部60は、用紙Sの定着面(トナー像が形成されている面)側に配置される定着面側部材を有する上側定着部60A、用紙Sの裏面(定着面の反対の面)側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部60Bおよび加熱源60C等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、用紙Sを狭持して搬送する定着ニップが形成される。
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙Sを定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。定着部60は、定着器F内にユニットとして配置される。また、定着器Fには、エアを吹き付けることにより、定着面側部材又は裏面側支持部材から用紙Sを分離させるエア分離ユニットが配置されても良い。
用紙搬送部50は、第1給紙部51、第2給紙部52、排紙部53、及び搬送経路部54等を備える。第1給紙部51は、画像形成装置1の筐体の外側に着脱可能に取り付けられるオプション装備であり、第2給紙部52を構成する3つの給紙トレイユニット52a〜52cに収容できない大きいサイズの用紙S、例えば長尺紙の使用を可能にする。ここで、長尺紙とは、その搬送方向において例えば、画像形成装置1の本体幅を超える長さを有する用紙である。給紙トレイユニット52a〜52cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類毎に収容される。搬送経路部54は、レジストローラー対54a等の複数の搬送ローラー対を有する。なお、第1給紙部51、給紙トレイユニット52a〜52cは、本発明の「給紙装置」として機能する。
第1給紙部51および第2給紙部52の給紙トレイユニット52a〜52cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部54により画像形成部40に搬送される。このとき、レジストローラー対54aが配設されたレジストローラー部により、給紙された用紙Sの傾きが補正されるとともに搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部40において、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された用紙Sは、排紙ローラー53aを備えた排紙部53により機外に排紙される。
次に、図3を参照し、第1給紙部51の構成について説明する。図3Aに示すように、第1給紙部51は、手差しトレイ90、第1給紙ローラー92および第2給紙ローラー94、ループ量検知センサー88を備える。手差しトレイ90は、本発明の「用紙載置部」として機能し、複数の用紙Sを載置可能に構成されている。用紙Sは、例えば坪量が128[gsm]の塗工紙であり、用紙幅が330[mm]、用紙長さが900[mm]である。
第1給紙ローラー92は、本発明の「第1給紙回転体」として機能し、手差しトレイ90に載置された用紙Sの給紙方向(図中矢印C方向)における用紙Sの先端側に配置され、用紙Sの表面に当接した状態で回転して用紙Sを給紙する。第1給紙ローラー92の回転動作は、制御部100によって制御される。本実施の形態では、第1給紙ローラー92は、シリコンゴムで形成される。また、第1給紙ローラー92の外径は、25[mm]である。なお、第1給紙ローラー92の代わりに、ベルト状の回転体を設けても良い。
第2給紙ローラー94は、本発明の「第2給紙回転体」として機能し、用紙Sの給紙方向における第1給紙ローラー92の上流側に配置され、用紙Sの表面に当接した状態で回転して用紙Sを給紙する。第2給紙ローラー94の回転動作は、制御部100によって制御される。本実施の形態では、第2給紙ローラー94は、シリコンゴムで形成される。また、第2給紙ローラー94の外径は、25[mm]である。なお、第2給紙ローラー94の代わりに、ベルト状の回転体を設けても良い。
第2給紙ローラー94は、手差しトレイ90に載置されている最上位の用紙Sが給紙される際、制御部100の制御を受けた第1当接離間部80(図2を参照)により用紙Sの表面に当接する。第1当接離間部80は、公知の構成を有し、第2給紙ローラー94を図中矢印B方向に移動させることによって、手差しトレイ90に載置されている最上位の用紙Sの表面に第2給紙ローラー94を当接または離間させる。
制御部100は、第1給紙ローラー92と第2給紙ローラー94との間で用紙Sにループを形成させるとともに用紙Sを給紙させるように第1給紙ローラー92および第2給紙ローラー94の回転動作を制御する。
図3Bは、第1給紙部51においてループが形成された状態を示す図であり、図3Bに示すループについて説明する。説明の際には、第1給紙部51からループ量検知センサー88を省略した構成とし、手差しトレイ90に載置された複数の用紙Sのうち、最上位の用紙を用紙S1、用紙S1の直下に重なる用紙を用紙S2と呼ぶことにする。載置された複数の用紙Sを給紙する場合には、最初に用紙S1が給紙され、次に用紙S2、・・・、用紙Snが給紙されることになる。また、手差しトレイ90に載置された複数の用紙Sに対して第1給紙ローラー92と第2給紙ローラー94とが当接されたまま動作せずに静止している状態を定常状態として説明する。つまり、定常状態の場合、複数の用紙Sは、図3Aに示すように手差しトレイに沿って重なって載置されている。
ループとは、用紙S1と第1給紙ローラー92との当接位置Xから用紙S1と第2給紙ローラー94との当接位置Yまでの距離Zにおける用紙S1の長さLが、後述する第1給紙ローラーおよび第2給紙ローラー94の回転動作制御により定常状態よりも長くなり、距離Zにおける用紙S1の一部が、用紙S2から離れて浮き上がる状態のことを示す。
図4は、本実施の形態における第1給紙部51の給紙動作例を示すフローチャートである。図4における各ステップの処理は、画像形成装置1が電源オンにされて、操作部22に対するユーザー操作によって印刷ジョブの実行が指示される毎に実行される。なお、ステップS100の前段階においては、印刷ジョブに含まれる印刷枚数に応じて、手差しトレイ90に複数の用紙Sが載置されている。また、第2給紙ローラー94は、手差しトレイ90に載置されている最上位の用紙Sの表面から離間している。
まず、制御部100は、第1当接離間部80を制御して、手差しトレイ90に載置されている最上位の用紙Sの表面に第2給紙ローラー94を当接させる(ステップS100)。次に、制御部100は、第2給紙ローラー94の回転を所定の回転速度(例えば、15[mm/s])で開始させる(ステップS120)。
次に、制御部100は、ループ量検知センサー88(図2を参照)の検知結果を参照し、第1給紙ローラー92と第2給紙ローラー94との間で用紙Sに形成されるループ量が所定ループ量(例えば、5[mm])以上であるか否かを判定する(ステップS140)。ここで、ループ量とは、ループ量検知センサー88の配置において、手差しトレイ90に載置された最上位の用紙Sの載置位置からループが形成されて最上位の用紙Sが浮き上がる高さまでの距離のことをいう。
ループ量検知センサー88は、第1給紙ローラー92と第2給紙ローラー94との間に配置され、用紙Sのエッジを光学的に検知する変位センサーである。ループ量検知センサー88は、最上位の用紙Sの変位、すなわち、用紙Sに形成されたループ量に応じて、ON(ループ量が所定ループ量以上であるとき)またはOFF(ループ量が所定ループ量未満であるとき)の信号を出力する。制御部100は、ループ量検知センサー88が検出した検出値に基づいて用紙Sが載置されたループ形成前の状態の高さを基準値とし、ループ形成による変位値から基準値を差し引くことでループ量を算出する。基準値は、用紙Sが給紙される毎に次の用紙Sの基準値を検知するようにプログラムされている。ループ量検知センサー88は、第1給紙ローラー92または第2給紙ローラー94からそれぞれ等しい距離に配置することが望ましく、手差しトレイ90において、給紙方向と直交する方向の手前側と奥側とに設置してループ量を検出しても構わない。載置された用紙Sにループを形成させる際、第1給紙ローラー92または第2給紙ローラー94の軸方向(前奥方向)のどちらかに偏ったループや軸方向においてバランスが悪いループが形成される場合があるため、ループ量検知センサー88を手前側と奥側に配置させることによりループ量の検知精度を高めることができる。
ステップS140の判定の結果、用紙Sに形成されるループ量が所定ループ量以上でない場合(ステップS140、NO)、処理はステップS140の前に戻る。一方、用紙Sに形成されるループ量が所定ループ量以上である場合(ステップS140、YES)、制御部100は、第2給紙ローラー94の回転速度を増大(例えば、315[mm/s])させるとともに、第1給紙ローラー92の回転を所定の回転速度(増大された第2給紙ローラー94の回転速度と同じ回転速度、例えば315[mm/s])で開始させる(ステップS160)。
最後に、制御部100は、手差しトレイ90に載置されている最後の用紙Sが画像形成部40に給紙された後、第1給紙ローラー92および第2給紙ローラー94の回転を停止させる(ステップS180)。ステップS180の処理が完了することによって、第1給紙部51の給紙動作は終了する。
なお、図4のフローチャートにおいて、制御部100は、用紙Sの種類に応じて用紙Sに形成させるループ量を変更させても良い。例えば、用紙Sの坪量が128[gsm]ではなく210[gsm]である場合、用紙Sに形成させるループ量を5[mm]から1[mm]に変更させる。本来、用紙Sの坪量が大きい紙の場合においても、ループ量を5[mm]に設定したいところだが、用紙Sの坪量が大きくなるにつれて、紙の剛度が大きくなり、用紙Sに大きなループを形成させることが困難になるからである。この場合、用紙Sに形成されるループ量が1[mm]以上になった際、制御部100は、第2給紙ローラー94の回転速度を増大(例えば、225[mm/s])させるとともに、第1給紙ローラー92の回転を所定の回転速度(例えば、225[mm/s])で開始させる。用紙Sの坪量が210[gsm]である場合、用紙Sの坪量が128[gsm]である場合と比べて第1給紙ローラー92および第2給紙ローラー94の回転速度を遅くしているのは、定着部60における用紙Sの定着性能を確保するためである。
図3,4を参照して説明したように、制御部100は、第1給紙ローラー92と第2給紙ローラー94との間で用紙Sにループを形成させるとともに用紙Sを給紙させるように第1給紙ローラー92および第2給紙ローラー94の回転動作を制御する。制御部100は、第2給紙ローラー94の回転を開始させるタイミングを、第1給紙ローラー92の回転を開始させるタイミングより早めることによって用紙Sにループを形成させる。
このような構成により、手差しトレイ90に載置された用紙Sが給紙される際、第1給紙ローラー92と第2給紙ローラー94との間で用紙Sにループが形成される。そのため、例えば手差しトレイ90に載置されている複数の用紙Sのうち最上位の用紙Sを給紙する際、用紙S同士間(最上位の用紙Sと当該用紙Sの下面と接触する用紙Sとの間)の接触面積が減少することにより当該用紙S同士間に作用する摩擦力が減少する。より具体的には、第1給紙ローラー92による搬送力が第1給紙ローラー92と第2給紙ローラー94との間で用紙S同士間に作用する摩擦力より大きくなり、かつ、第2給紙ローラー94による搬送力が第2給紙ローラー94と用紙Sの後端部との間で用紙S同士間に作用する摩擦力より大きくなる。また、手差しトレイ90に載置されている最後の1枚の用紙Sが給紙される際、用紙Sと手差しトレイ90の表面との間の接触面積が減少することにより、第1給紙部51の周囲の環境が、用紙Sが静電気を帯びやすい低湿環境であっても、手差しトレイ90の表面に用紙Sが付着することが防止される。その結果、用紙Sの給紙不良が発生することを防止することができる。
次に、図5を参照し、第2給紙部52の給紙トレイユニット52aの構成について説明する。給紙トレイユニット52b,52cの構成は、給紙トレイユニット52aの構成と同様であるため、説明を省略する。
図5に示すように、給紙トレイユニット52aは、用紙載置部110、第3給紙ローラー112、第4給紙ローラー114および第5給紙ローラー116を備える。用紙載置部110は、複数の用紙Sを載置可能に構成されている。用紙Sは、例えば坪量が128[gsm]の塗工紙であり、用紙幅が330[mm]、用紙長さが400または900[mm]である。
第3給紙ローラー112は、本発明の「第1給紙回転体」として機能し、用紙載置部110に載置された用紙Sの給紙方向(図中矢印C方向)における用紙Sの先端側に配置され、用紙Sの表面に当接した状態で回転して用紙Sを給紙する。第3給紙ローラー112の回転動作は、制御部100によって制御される。本実施の形態では、第3給紙ローラー112は、シリコンゴムで形成される。また、第3給紙ローラー112の外径は、25[mm]である。なお、第3給紙ローラー112の代わりに、ベルト状の回転体を設けても良い。
第4給紙ローラー114は、本発明の「第2給紙回転体」として機能し、用紙Sの給紙方向における第3給紙ローラー112の上流側に配置され、用紙Sの表面に当接した状態で回転して用紙Sを給紙する。第4給紙ローラー114の回転動作は、制御部100によって制御される。本実施の形態では、第4給紙ローラー114は、シリコンゴムで形成される。また、第4給紙ローラー114の外径は、25[mm]である。なお、第4給紙ローラー114の代わりに、ベルト状の回転体を設けても良い。
第4給紙ローラー114は、用紙載置部110に載置されている用紙S(用紙長さ:370[mm]以上650[mm]未満)が給紙される際、制御部100の制御を受けた第2当接離間部82(図2を参照)により用紙Sの表面に当接する。第2当接離間部82は、公知の構成を有し、第4給紙ローラー114を図中矢印D方向に移動させることによって、用紙載置部110に載置されている最上位の用紙Sの表面に第4給紙ローラー114を当接または離間させる。
第5給紙ローラー116は、本発明の「第2給紙回転体」として機能し、用紙Sの給紙方向における第4給紙ローラー114の上流側に配置され、用紙Sの表面に当接した状態で回転して用紙Sを給紙する。第5給紙ローラー116の回転動作は、制御部100によって制御される。本実施の形態では、第5給紙ローラー116は、シリコンゴムで形成される。また、第5給紙ローラー116の外径は、25[mm]である。なお、第5給紙ローラー116の代わりに、ベルト状の回転体を設けても良い。
第5給紙ローラー116は、用紙載置部110に載置されている最上位の用紙S(用紙長さ:650[mm]以上)が給紙される際、制御部100の制御を受けた第3当接離間部84(図2を参照)により用紙Sの表面に当接する。第3当接離間部84は、公知の構成を有し、第5給紙ローラー116を図中矢印E方向に移動させることによって、用紙載置部110に載置されている最上位の用紙Sの表面に第5給紙ローラー116を当接または離間させる。
制御部100は、第3給紙ローラー112と第4給紙ローラー114(または第5給紙ローラー116)との間で用紙Sにループを形成させるとともに用紙Sを給紙させるように第3給紙ローラー112および第4給紙ローラー114(または第5給紙ローラー116)の回転動作を制御する。
用紙載置部110に載置されている最上位の用紙S(用紙長さ:370[mm]未満)
が給紙される際、制御部100は、第4給紙ローラー114および第5給紙ローラー116を用紙Sに当接させずに離間したままにする。
が給紙される際、制御部100は、第4給紙ローラー114および第5給紙ローラー116を用紙Sに当接させずに離間したままにする。
図6は、本実施の形態における給紙トレイユニット52aの給紙動作例を示すフローチャートである。図6における各ステップの処理は、画像形成装置1が電源オンにされて、操作部22に対するユーザー操作によって印刷ジョブの実行が指示される毎に実行される。なお、ステップS300の前段階においては、印刷ジョブに含まれる印刷枚数に応じて、用紙載置部110に複数の用紙Sが載置されている。また、第4給紙ローラー114および第5給紙ローラー116は、用紙載置部110に載置されている最上位の用紙Sの表面から離間している。
まず、制御部100は、印刷ジョブに含まれる用紙情報を参照し、用紙載置部110に載置されている用紙Sの用紙長さが所定長さ(例えば、650[mm])以上であるか否かについて判定する(ステップS300)。この判定の結果、用紙Sの用紙長さが所定長さ以上である場合(ステップS300、YES)、制御部100は、第3当接離間部84を制御して、用紙載置部110に載置されている最上位の用紙Sの表面に第5給紙ローラー116を当接させる(ステップS320)。次に、制御部100は、第3給紙ローラー112の回転を所定の回転速度(例えば、300[mm/s])で開始させるとともに、第5給紙ローラー116の回転を所定の回転速度(第3給紙ローラー112の回転速度より早い回転速度、例えば315[mm/s])で開始させる(ステップS340)。
次に、制御部100は、用紙載置部110に載置されている用紙Sが最後の1枚であるか否かについて判定する(ステップS360)。この判定の結果、用紙載置部110に載置されている用紙Sが最後の1枚でない場合(ステップS360、NO)、処理はステップS360の前に戻る。一方、用紙載置部110に載置されている用紙Sが最後の1枚である場合(ステップS360、YES)、制御部100は、第3当接離間部84を制御して、用紙載置部110に載置されている用紙Sの表面から第5給紙ローラー116を離間させる(ステップS380)。最後に、制御部100は、用紙載置部110に載置されている最後の用紙Sが画像形成部40に給紙された後、第3給紙ローラー112および第5給紙ローラー116の回転を停止させる(ステップS400)。ステップS400の処理が完了することによって、給紙トレイユニット52aの給紙動作は終了する。
ステップS300の判定に戻り、用紙Sの用紙長さが所定長さ以上でない場合(ステップS300、NO)、制御部100は、用紙Sの用紙長さが所定範囲の長さ(例えば、370mm以上650mm未満)に該当するか否かについて判断する(ステップS420)。この判断の結果、用紙Sの用紙長さが所定範囲の長さに該当する場合(ステップS420、YES)、制御部100は、第2当接離間部82を制御して、用紙載置部110に載置されている最上位の用紙Sの表面に第4給紙ローラー114を当接させる(ステップS440)。ここで、第4給紙ローラー114を当接させているのは、用紙Sの用紙長さがステップS300における所定長さ未満、すなわち短いため、用紙載置部110に載置されている最上位の用紙Sの表面に第5給紙ローラー116を当接させることができないためである。次に、制御部100は、第3給紙ローラー112の回転を所定の回転速度(例えば、300[mm/s])で開始させるとともに、第4給紙ローラー114の回転を所定の回転速度(第3給紙ローラー112の回転速度より早い回転速度、例えば315[mm/s])で開始させる(ステップS460)。
次に、制御部100は、用紙載置部110に載置されている用紙Sが最後の1枚であるか否かについて判定する(ステップS480)。この判定の結果、用紙載置部110に載置されている用紙Sが最後の1枚でない場合(ステップS480、NO)、処理はステップS480の前に戻る。一方、用紙載置部110に載置されている用紙Sが最後の1枚である場合(ステップS480、YES)、制御部100は、第2当接離間部82を制御して、用紙載置部110に載置されている用紙Sの表面から第4給紙ローラー114を離間させる(ステップS500)。最後に、制御部100は、用紙載置部110に載置されている最後の用紙Sが画像形成部40に給紙された後、第3給紙ローラー112および第4給紙ローラー114の回転を停止させる(ステップS520)。ステップS520の処理が完了することによって、給紙トレイユニット52aの給紙動作は終了する。
ステップS420の判定に戻り、用紙Sの用紙長さが所定範囲の長さに該当しない場合(ステップS420、NO)、制御部100は、第3給紙ローラー112を所定の回転速度(例えば、300[mm/s])で回転させることによって用紙Sの給紙を開始する(ステップS540)。最後に、制御部100は、用紙載置部110に載置されている全ての用紙Sが画像形成部40に給紙された後、第3給紙ローラー112の回転を停止させる(ステップS560)。ステップS560の処理が完了することによって、給紙トレイユニット52aの給紙動作は終了する。
図5,6を参照して説明したように、制御部100は、第3給紙ローラー112と第4給紙ローラー114(または第5給紙ローラー116)との間で用紙Sにループを形成させるとともに用紙Sを給紙させるように第3給紙ローラー112および第4給紙ローラー114(または第5給紙ローラー116)の回転動作を制御する。制御部100は、第4給紙ローラー114(または第5給紙ローラー116)の回転速度を第3給紙ローラー112の回転速度より大きくすることによって用紙Sにループを形成させる。
このような構成により、用紙載置部110に載置された用紙Sが給紙される際、第3給紙ローラー112と第4給紙ローラー114(または第5給紙ローラー116)との間で用紙Sにループが形成される。そのため、例えば用紙載置部110に載置されている複数の用紙Sのうち最上位の用紙Sを給紙する際、用紙S同士間(最上位の用紙Sと当該用紙Sの下面と接触する用紙Sとの間)の接触面積が減少することにより当該用紙S同士間に作用する摩擦力が減少する。より具体的には、第3給紙ローラー112による搬送力が第3給紙ローラー112と第4給紙ローラー114(または第5給紙ローラー116)との間で用紙S同士間に作用する摩擦力より大きくなり、かつ、第4給紙ローラー114(または第5給紙ローラー116)による搬送力が第4給紙ローラー114(または第5給紙ローラー116)と用紙Sの後端部との間で用紙S同士間に作用する摩擦力より大きくなる。また、用紙載置部110に載置されている最後の1枚の用紙Sが給紙される際、最後の1枚の用紙Sの直下は手差しトレイ90であり、用紙S同士間に作用する摩擦力は働かないので第4給紙ローラー114(または第5給紙ローラー116)を離間することができる。
図6のフローチャートでは、用紙載置部110に載置されている用紙Sが最後の1枚の用紙か否かを判断して、最後の1枚の用紙である場合、第4給紙ローラー114(または第5給紙ローラー116)を離間させる制御としているが、図4のフローチャートに示すように、最後の1枚の用紙についても第3給紙ローラー112と第4給紙ローラー114(または第5給紙ローラー116)との間で用紙Sにループを形成させる動作としても良い。この場合、用紙Sと用紙載置部110の表面との間の接触面積が減少することにより、給紙トレイユニット52aの周囲の環境が、用紙Sが静電気を帯びやすい低湿環境であっても、用紙載置部110の表面に用紙Sが付着することが防止される。その結果、用紙Sの給紙不良が発生することを防止することができる。
第4給紙ローラー114(または第5給紙ローラー116)を離間させるか否かを判断する制御としても良い。この場合、制御部100は、温湿度検知センサーの検出結果が低湿環境であると判断した場合のみ、最後の1枚の用紙にもループを形成する動作を制御することができる。
なお、上記実施の形態では、第1給紙部51および給紙トレイユニット52a〜52cは、画像形成部40に用紙Sを給紙する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1給紙部51および給紙トレイユニット52a〜52cは、画像形成部40以外の他の装置(例えば、シュレッダー)に用紙Sを給紙しても良い。
また、上記実施の形態において、画像形成装置1は、用紙Sの搬送方向に沿って上流側から、給紙装置、画像形成装置および排紙装置が接続されて構成される画像形成システムの当該画像形成装置として設けられても良い。この場合、給紙装置および排紙装置は、用紙Sとしての長尺紙上に画像を形成する場合に使用される。給紙装置は、画像形成装置に向けて長尺紙を給紙する。排紙装置は、画像形成装置から搬送されてきた長尺紙を巻き取って収納する。
また、上記実施の形態において、給紙トレイユニット52aの構成は図7に示す構成であっても良い。図7に示すように、給紙トレイユニット52aは、用紙載置部110、第6給紙ローラー118および第7給紙ローラー120を備える。用紙載置部110は、複数の用紙Sを載置可能に構成されている。用紙Sは、例えば坪量が128[gsm]の塗工紙であり、用紙幅が330[mm]、用紙長さが900または1000[mm]である。
第6給紙ローラー118は、本発明の「第1給紙回転体」として機能し、用紙載置部110に載置された用紙Sの給紙方向(図中矢印C方向)における用紙Sの先端側に配置され、用紙Sの表面に当接した状態で回転して用紙Sを給紙する。第6給紙ローラー118の回転動作は、制御部100によって制御される。本実施の形態では、第6給紙ローラー118は、シリコンゴムで形成される。また、第6給紙ローラー118の外径は、25[mm]である。
第7給紙ローラー120は、本発明の「第2給紙回転体」として機能し、用紙Sの給紙方向における第6給紙ローラー118の上流側に配置され、用紙Sの表面に当接した状態で回転して用紙Sを給紙する。第7給紙ローラー120の回転動作は、制御部100によって制御される。本実施の形態では、第7給紙ローラー120は、シリコンゴムで形成される。また、第7給紙ローラー120の外径は、25[mm]である。
第7給紙ローラー120は、用紙載置部110に載置されている最上位の用紙Sが給紙される際、制御部100の制御を受けた第4当接離間部85(図2を参照)により用紙Sの表面に当接する。第4当接離間部85は、公知の構成を有し、第7給紙ローラー120を図中矢印E方向に移動させることによって、用紙載置部110に載置されている最上位の用紙Sの表面に第7給紙ローラー120を当接または離間させる。
また、第7給紙ローラー120は、用紙載置部110に載置されている最上位の用紙Sが給紙される際、制御部100の制御を受けた移動部86(図2を参照)により用紙Sの表面に当接する。移動部86は、公知の構成を有し、用紙載置部110に載置されている最上位の用紙Sの表面に当接する前に、第7給紙ローラー120を図中矢印F方向に移動させる。
制御部100は、第6給紙ローラー118と第7給紙ローラー120との間で用紙Sにループを形成させるとともに用紙Sを給紙させるように第6給紙ローラー118および第7給紙ローラー120の回転動作を制御する。図8は、給紙トレイユニット52aの給紙動作例を示すフローチャートである。図8における各ステップの処理は、画像形成装置1が電源オンにされて、操作部22に対するユーザー操作によって印刷ジョブの実行が指示される毎に実行される。なお、ステップS600の前段階においては、印刷ジョブに含まれる印刷枚数に応じて、用紙載置部110に複数の用紙Sが載置されている。また、第7給紙ローラー120は、用紙載置部110に載置されている最上位の用紙Sの表面から離間している。
まず、制御部100は、印刷ジョブに含まれる用紙情報を参照した上で移動部86を制御し、用紙載置部110に載置されている用紙Sの給紙方向における用紙Sの後端部から所定距離(例えば、30[mm])の位置に用紙Sを移動させる(ステップS600)。すなわち、制御部100は、用紙Sの用紙長さに応じて第7給紙ローラー120を図7中矢印F方向に移動させる(ステップS600)。次に、制御部100は、第4当接離間部85を制御して、用紙載置部110に載置されている最上位の用紙Sの表面に第7給紙ローラー120を当接させる(ステップS620)。次に、制御部100は、第6給紙ローラー118の回転を所定の回転速度(例えば、300[mm/s])で開始させるとともに、第7給紙ローラー120の回転を所定の回転速度(第6給紙ローラー118の回転速度より早い回転速度、例えば315[mm/s])で開始させる(ステップS640)。
次に、制御部100は、用紙載置部110に載置されている用紙Sが最後の1枚であるか否かについて判定する(ステップS660)。この判定の結果、用紙載置部110に載置されている用紙Sが最後の1枚でない場合(ステップS660、NO)、処理はステップS660の前に戻る。一方、用紙載置部110に載置されている用紙Sが最後の1枚である場合(ステップS660、YES)、制御部100は、第4当接離間部85を制御して、用紙載置部110に載置されている用紙Sの表面から第7給紙ローラー120を離間させる(ステップS680)。最後に、制御部100は、用紙載置部110に載置されている最後の用紙Sが画像形成部40に給紙された後、第6給紙ローラー118および第7給紙ローラー120の回転を停止させる(ステップS700)。ステップS700の処理が完了することによって、給紙トレイユニット52aの給紙動作は終了する。図7,8を参照して説明した構成によっても、上記実施の形態で説明した作用・効果と同様の作用・効果を得ることができる。なお、図8のフローチャートでは、用紙載置部110に載置されている用紙Sが最後の1枚の用紙か否かを判断して、最後の1枚の用紙である場合、第7給紙ローラー120を離間させる制御としているが、最後の1枚の用紙についても第6給紙ローラー118と第7給紙ローラー120との間の用紙Sにループを形成させる動作を行っても良い。また、図7の構成では、第6給紙ローラー118および第7給紙ローラー120の外径は同じである例について説明したが、第6給紙ローラー118および第7給紙ローラー120の外径は異なっても良い。例えば、第7給紙ローラー120の外径(例えば、30[mm])は、第6給紙ローラー118の外径(例えば、25[mm])より大きくても良い。この場合、制御部100は、第6給紙ローラー118および第7給紙ローラー120の単位時間あたりの回転量を同じにすることによって用紙Sにループを形成させる。例えば、第6給紙ローラー118および第7給紙ローラー120の単位時間あたりの回転量が230[rpm]である場合、第6給紙ローラー118および第7給紙ローラー120の回転速度は、それぞれ300[mm/s]、360[mm/s]となる。
その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1 画像形成装置
10 画像読取部
20 操作表示部
21 表示部
22 操作部
30 画像処理部
40 画像形成部
50 用紙搬送部
51 第1給紙部
52 第2給紙部
52a〜52c 給紙トレイユニット
60 定着部
71 通信部
72 記憶部
80 第1当接離間部
82 第2当接離間部
84 第3当接離間部
85 第4当接離間部
86 移動部
88 ループ量検知センサー
90 手差しトレイ
92 第1給紙ローラー
94 第2給紙ローラー
100 制御部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
110 用紙載置部
112 第3給紙ローラー
114 第4給紙ローラー
116 第5給紙ローラー
118 第6給紙ローラー
120 第7給紙ローラー
S 用紙
10 画像読取部
20 操作表示部
21 表示部
22 操作部
30 画像処理部
40 画像形成部
50 用紙搬送部
51 第1給紙部
52 第2給紙部
52a〜52c 給紙トレイユニット
60 定着部
71 通信部
72 記憶部
80 第1当接離間部
82 第2当接離間部
84 第3当接離間部
85 第4当接離間部
86 移動部
88 ループ量検知センサー
90 手差しトレイ
92 第1給紙ローラー
94 第2給紙ローラー
100 制御部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
110 用紙載置部
112 第3給紙ローラー
114 第4給紙ローラー
116 第5給紙ローラー
118 第6給紙ローラー
120 第7給紙ローラー
S 用紙
Claims (8)
- 用紙を載置可能な用紙載置部と、
前記用紙載置部に載置された用紙の給紙方向における当該用紙の先端側に配置され、当該用紙の表面に当接した状態で回転して当該用紙を給紙する第1給紙回転体と、
前記給紙方向における前記第1給紙回転体の上流側に配置され、前記用紙の表面に当接した状態で回転して当該用紙を給紙する第2給紙回転体と、
前記第1給紙回転体と前記第2給紙回転体との間で前記用紙にループを形成させるとともに当該用紙を給紙させるように前記第1および第2給紙回転体の回転動作を制御する制御部と、
を備える給紙装置。 - 前記制御部は、前記用紙の種類に応じて前記用紙に形成させるループ量を変更する、
請求項1に記載の給紙装置。 - 前記制御部は、前記第2給紙回転体の回転を開始させるタイミングを、前記第1給紙回転体の回転を開始させるタイミングより早めることによって前記用紙にループを形成させる、
請求項1または2に記載の給紙装置。 - 前記制御部は、前記第2給紙回転体の回転速度を前記第1給紙回転体の回転速度より大きくすることによって前記用紙にループを形成させる、
請求項1または2に記載の給紙装置。 - 前記第2給紙回転体の外径は、前記第1給紙回転体の外径より大きく、
前記制御部は、前記第1および第2給紙回転体の単位時間あたりの回転量を同じにすることによって前記用紙にループを形成させる、
請求項1または2に記載の給紙装置。 - 前記給紙方向において前記第2給紙回転体を移動させる移動部を備え、
前記制御部は、前記用紙の用紙長さに応じて前記第2給紙回転体を移動させる、
請求項1〜5の何れか1項に記載の給紙装置。 - 請求項1〜6の何れか1項に記載の給紙装置を備える画像形成装置。
- 請求項7に記載の画像形成装置を備える画像形成システム。
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