JP2016130758A - クリーニングブレード、画像形成装置、プロセスカートリッジ - Google Patents

クリーニングブレード、画像形成装置、プロセスカートリッジ Download PDF

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匡洋 大森
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裕美 坂口
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由佳 青山
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政信 権藤
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昇平 合田
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郁 遠山
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Abstract

【課題】従来のものよりも耐摩耗性に優れ、クリーニング不良を安定して抑制することができるクリーニングブレードの提供。【解決手段】短冊形状の弾性体ブレードで構成され、該弾性体ブレードの先端稜線部に当接しながら移動する被清掃部材の表面から粉体を除去するクリーニングブレードにおいて、前記被清掃部材と対向するブレード下面及び弾性体ブレードの厚み方向に平行なブレード先端面の、少なくとも前記先端稜線部から0.5[mm]までの部分に、紫外線硬化樹脂からなる、弾性体ブレードよりも硬い表面層を有し、その部分に対して、弾性体ブレードよりも硬い粒径5〜10[μm]の微小粒子を介して加圧することにより測定したマルテンス硬度の荷重−変位曲線が、2個以上の変曲点を有すると共に、変曲点の最も高荷重側の変位量が前記微小粒子の粒径の1.5〜2.0倍であるクリーニングブレード。【選択図】図6

Description

本発明は、クリーニングブレード、これを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
従来、電子写真式の画像形成装置では、感光体などの像担持体について、転写紙や中間転写体へトナー像を転写した後の表面に付着した不必要な転写残トナーはクリーニング手段であるクリーニング装置によって除去している。
このクリーニング装置のクリーニング部材として、構成を簡単にできクリーニング性能も優れていることから、短冊形状のクリーニングブレードを用いたものが知られている。このクリーニングブレードは、ポリウレタンゴムなどの弾性体で構成されている。そして、クリーニングブレードの基端を支持部材で支持して先端稜線部を像担持体の周面に押し当て、像担持体上に残留するトナーを堰き止めて掻き落として除去する。
また、近年の高画質化の要求に応えるべく、重合法等により形成された小粒径で球形に近いトナー(以下、重合トナーという)を用いた画像形成装置が知られている。この重合トナーは、従来の粉砕トナーに比べて転写効率が高いなどの特徴があり、上記要求に応えることが可能である。しかし、重合トナーは、クリーニングブレードを用いて像担持体表面から除去しようとしても十分に除去することが困難であり、クリーニング不良が発生してしまうという問題を有している。これは、小粒径で且つ球形度に優れた重合トナーが、ブレードと像担持体との間に形成される僅かな隙間をすり抜けるからである。
このようなすり抜けを抑えるには、像担持体とクリーニングブレードとの当接圧力を高めてクリーニング能力を高くする必要がある。しかし、特許文献1に記載されるように、次のような不具合を生じることが知られている。
クリーニングブレードの当接圧を高めると、図6(a)に示すように、像担持体123とクリーニングブレード62との摩擦力が高まり、クリーニングブレード62が像担持体123の移動方向に引っ張られて、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれてしまう。このめくれたクリーニングブレード62が、そのめくれに抗して原形状態に復元する際に異音が発生することがある。更に、先端稜線部62cがめくれた状態でクリーニングをし続けると、図6(b)に示すように、クリーニングブレード62のブレード先端面62aの先端稜線部62cから数[μm]離れた箇所に局所的な摩耗が生じてしまう。このような状態で、更にクリーニングを続けると、この局所的な摩耗が大きくなり、最終的には、図6(c)に示すように、先端稜線部62cが欠落してしまう。先端稜線部62cが欠落してしまうと、トナーを正常にクリーニングできなくなり、クリーニング不良を生じてしまう。
上記特許文献1には、先端稜線部近傍に、イソシアネート化合物、フッ素化合物、及びシリコーン化合物から選ばれる少なくとも1種を含浸することにより低摩擦処理した弾性体ブレードと、上記先端稜線部を覆う、弾性体ブレードよりも硬い紫外線硬化樹脂からなる表面層とで構成されたクリーニングブレードが記載されている。
また、特許文献2には、クリーニングブレードの表面に高硬度化処理を行い、使用するトナーがクリーニング時に塑性変形する関係を持たせることにより良好なクリーニング性を維持するものが記載されている。
このクリーニングブレードは、弾性体ブレードよりも固い表面層を設けて先端稜線部の硬度を高くすることにより、先端稜線部が像担持体の表面移動方向に変形するのを抑制できる。また、経時使用で表面層が摩耗して弾性体ブレードの先端稜線部が露出した場合も、弾性体ブレードの含浸部分が像担持体表面に当接することにより、弾性体ブレードと像担持体との間で生じる摩擦力が低減され、露出した部分が変形するのを抑制できる。これにより、先端稜線部のめくれを抑制するとともに、クリーニングブレードの耐摩耗性を高めて、経時におけるクリーニング不良を抑制することができるとされている。
本発明は、従来のものよりも耐摩耗性に優れ、クリーニング不良を安定して抑制することができるクリーニングブレードの提供を目的とする。
本発明者らは鋭意研究を重ね、耐摩耗性改善のため弾性体ブレードよりも固い表面層を設ける場合において、微小粒子に対する変形の程度を好適に保つことにより、安定して良好なクリーニング性が得られることを見出した。
即ち、上記課題は、次の1)の発明によって解決される。
1) 短冊形状の弾性体ブレードで構成され、該弾性体ブレードの先端稜線部に当接しながら移動する被清掃部材の表面から粉体を除去するクリーニングブレードにおいて、
前記被清掃部材と対向するブレード下面及び弾性体ブレードの厚み方向に平行なブレード先端面の、少なくとも前記先端稜線部から0.5[mm]までの部分に、紫外線硬化樹脂からなる、弾性体ブレードよりも硬い表面層を有し、その部分に対して、弾性体ブレードよりも硬い粒径5〜10[μm]の微小粒子を介して加圧することにより測定したマルテンス硬度の荷重−変位曲線が、2個以上の変曲点を有すると共に、変曲点の最も高荷重側の変位量が前記微小粒子の粒径の1.5〜2.0倍であることを特徴とするクリーニングブレード。
本発明によれば、従来のものよりも耐摩耗性に優れ、クリーニング不良を安定して抑制可能なクリーニングブレードを提供できる。
本発明の実施形態に係るプリンタの概略構成図。 本発明の実施形態に係る作像ユニットの概略構成図。 トナーの円形度の測定方法を説明するための説明図。(a)は実際のトナー投影形状を示す図。(b)は(a)の粒子投影面積Sと同じ面積の真円を示す図。 本発明の一実施形態のクリーニングブレードを示す斜視図。 クリーニングブレードの使用状態の断面図、(a)はクリーニングブレードが感光体表面に当接している状態の説明図、(b)はクリーニングブレードの先端稜線部近傍の拡大説明図。 (a)はクリーニングブレード先端稜線部がめくれた状態を示す図、(b)はクリーニングブレードの先端面の局所的な摩耗について説明する図、(c)はクリーニングブレードの先端稜線部が欠落した状態を示す図。 弾性体ブレードの含浸深さ及び表面層の厚さの測定箇所を示す模式図。 弾性体ブレードの摩耗幅の測定箇所を示す模式図。 本発明の一実施形態に係るマルテンス硬度の荷重−変位曲線の測定例を示す図。 変曲点を1個有するマルテンス硬度の荷重−変位曲線の測定例を示す図。
以下、上記本発明1)について詳しく説明するが、本発明者らは研究の中で更に、少なくとも弾性体ブレードの先端稜線部を、フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂モノマーで含浸することにより、先端稜線部の摩擦低減効果が狙え、これによりクリーニングブレードの更なる耐摩耗性の向上が期待できること、前記紫外線硬化樹脂モノマーで含浸した弾性体ブレードと、上記先端稜線部を覆う弾性体ブレードよりも硬い表面層とで構成されたクリーニングブレードにおいて、含浸処理の範囲や表面層の厚さなどを種々変更して鋭意実験を行ない、良好なクリーニング性が得られる範囲を見出した。
即ち、本発明1)の実施の形態には、次の2)〜10)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
2) 少なくとも前記先端稜線部を含む部分に紫外線硬化樹脂モノマーが含浸され、該紫外線硬化樹脂モノマーの前記ブレード先端面からの含浸深さが50〜150[μm]、前記ブレード下面からの含浸深さが20〜100[μm]であることを特徴とする1)に記載のクリーニングブレード。
3) 前記ブレード先端面及びブレード下面に形成された表面層の厚さが0.5〜2[μm]であることを特徴とする1)又は2)に記載のクリーニングブレード。
4) 前記表面層用又は含浸用の紫外線硬化樹脂モノマーとして、官能基当量分子量350以下、官能基数3〜6のペンタエリスリトールトリアクリレートを主要骨格とするアクリルモノマーと、官能基当量分子量100〜1000、官能基数1〜2のアクリルモノマーを含むことを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載のクリーニングブレード。
5) 前記紫外線硬化樹脂モノマーとして、更にパーフルオロポリエーテル骨格を持ち、官能基数が2以上のフッ素系アクリルモノマーを含むことを特徴とする4)に記載のクリーニングブレード。
6) 前記表面層用と含浸用の紫外線硬化樹脂モノマーとして同じものを用いたことを特徴とする1)〜5)のいずれかに記載のクリーニングブレード。
7) 前記弾性体ブレードとして、ウレタン基を有するゴムを用いたことを特徴とする1)〜6)のいずれかに記載のクリーニングブレード。
8) 前記弾性体ブレードとして、異なる2種類のウレタン基を有するゴムを積層したものを用いたことを特徴とする1)〜6)のいずれかに記載のクリーニングンブレード。
9) 像担持体と、該像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電した該像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体表面に形成された該静電潜像を現像してトナー像化する現像手段と、該像担持体表面のトナー像を転写体に転写する転写手段と、該像担持体表面に当接して該像担持体表面に付着した転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、前記クリーニングブレードとして、1)〜8)のいずれかに記載のクリーニングブレードを用いたことを特徴とする画像形成装置。
10) 画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジであって、9)に記載の画像形成装置に採用される感光体と1)〜8)のいずれかに記載のクリーニングブレードとを一体的に形成したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明のクリーニングブレードが適用される画像形成装置の一例として、一般的な電子写真方式のプリンタ(以下、プリンタ500という)について説明する。
図1は、プリンタ500を示す概略構成図である。プリンタ500は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)用の四つの作像ユニット1Y、1C、1M、1Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY、C、M、Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。
四つの作像ユニット1の上方には、中間転写体である中間転写ベルト14を備えた転写ユニット60が配置されている。後述する各作像ユニット1Y、1C、1M、1Kが備える感光体3Y、3C、3M、3Kの表面上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト14の表面上に重ね合わせて転写される構成である。
また、四つの作像ユニット1の下方に光書込ユニット40が配設されている。潜像形成手段である光書込ユニット40は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、各作像ユニット1Y、1C、1M、1Kの感光体3Y、3C、3M、3Kに照射する。これにより、感光体3Y、3C、3M、3K上にY、C、M、K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット40は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー41によって偏向させながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y、3C、3M、3Kに照射するものである。このような構成のものに代えて、LEDアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
光書込ユニット40の下方には、第一給紙カセット151、第二給紙カセット152が鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセット内には、それぞれ記録媒体である転写紙Pが複数枚重ねられた紙束の状態で収容されており、一番上の転写紙Pには、第一給紙ローラ151a、第二給紙ローラ152aがそれぞれ当接している。第一給紙ローラ151aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動させられると、第一給紙カセット151内の一番上の転写紙Pが、カセットの図中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路153に向けて排出される。また、第二給紙ローラ152aが図示しない駆動手段によって図1中反時計回りに回転駆動させられると、第二給紙カセット152内の一番上の転写紙Pが、給紙路153に向けて排出される。
給紙路153内には、複数の搬送ローラ対154が配設されている。給紙路153に送り込まれた転写紙Pは、これら搬送ローラ対154のローラ間に挟み込まれながら、給紙路153内を、図1中下側から上側に向けて搬送される。
給紙路153の搬送方向下流側端部には、レジストローラ対55が配設されている。レジストローラ対55は、搬送ローラ対154から送られてくる転写紙Pをローラ間に挟み込むと直ぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、転写紙Pを適切なタイミングで、後述する二次転写ニップに向けて送り出す。
図2は、四つの作像ユニット1のうちの一つの概略構成を示す構成図である。
図2に示すように、作像ユニット1は、像担持体としてのドラム状の感光体3を備えている。感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
感光体3の周囲には、帯電ローラ4、現像装置5、一次転写ローラ7、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10及び不図示の除電ランプ等が配置されている。帯電ローラ4は、帯電手段としての帯電装置が備える帯電部材であり、現像装置5は、感光体3の表面上に形成された潜像をトナー像化する現像手段である。一次転写ローラ7は、感光体3の表面上のトナー像を中間転写ベルト14に転写する一次転写手段としての一次転写装置が備える一次転写部材である。クリーニング装置6は、トナー像を中間転写ベルト14に転写した後の感光体3上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段である。潤滑剤塗布装置10は、クリーニング装置6がクリーニングした後の感光体3の表面上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段である。不図示の除電ランプは、クリーニング後の感光体3の表面電位を除電する除電手段である。
帯電ローラ4は、感光体3に所定の距離を持って非接触で配置され、感光体3を所定の極性、所定の電位に帯電するものである。帯電ローラ4によって一様帯電された感光体3の表面は、潜像形成手段である光書込ユニット40から画像情報に基づいてレーザ光Lが照射され静電潜像が形成される。
現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51を有している。現像ローラ51には、図示しない電源から現像バイアスが印加されるようになっている。現像装置5のケーシング内には、ケーシング内に収容された現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53が設けられている。また、現像ローラ51に担持された現像剤を規制するためのドクタ54も設けられている。供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53の二本のスクリュによって撹拌・搬送された現像剤中のトナーは、所定の極性に帯電される。そして、現像剤は、現像ローラ51の表面上に汲み上げられ、汲み上げられた現像剤は、ドクタ54により規制され、感光体3と対向する現像領域でトナーが感光体3上の潜像に付着する。
クリーニング装置6は、ファーブラシ101、クリーニングブレード62などを有している。クリーニングブレード62は、感光体3の表面移動方向に対してカウンタ方向で感光体3に当接している。なお、クリーニングブレード62の詳細については後述する。
潤滑剤塗布装置10は、固形潤滑剤103や潤滑剤加圧スプリング103a等を備え、固形潤滑剤103を感光体3上に塗布する塗布ブラシとしてファーブラシ101を用いている。固形潤滑剤103は、ブラケット103bに保持され、潤滑剤加圧スプリング103aによりファーブラシ101側に加圧されている。そして、感光体3の回転方向に対して連れまわり方向に回転するファーブラシ101により、固形潤滑剤103が削られて、感光体3上に潤滑剤が塗布される。感光体への潤滑剤塗布により感光体3表面の摩擦係数が非画像形成時に0.2以下に維持される。
図2では、帯電ローラ4を感光体3に近接させた非接触の近接配置方式を採用しているが、帯電装置としては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)を始めとする公知の構成を用いることができる。これらの帯電方式のうち、特に接触帯電方式又は非接触の近接配置方式が望ましく、帯電効率が高くオゾン発生量が少ないこと、装置の小型化が可能であること等のメリットを有する。
光書込ユニット40のレーザ光Lの光源や除電ランプ等の光源は特に限定されず、発光物全般を用いることができる。具体的には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などが挙げられる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
これらの光源のうち、発光ダイオード及び半導体レーザは照射エネルギーが高く、また600〜800[nm]の長波長光を有するため、良好に使用される。
転写手段である転写ユニット60は、中間転写ベルト14の他に、ベルトクリーニングユニット162、第一ブラケット63、第二ブラケット64などを備えている。また四つの一次転写ローラ7Y、7C、7M、7K、二次転写バックアップローラ66、駆動ローラ67、補助ローラ68、テンションローラ69なども備えている。中間転写ベルト14は、これら8つのローラ部材に張架されながら、駆動ローラ67の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動させられる。四つの一次転写ローラ7Y、7C、7M、7Kは、このように無端移動させられる中間転写ベルト14を感光体3Y、3C、3M、3Kとの間に挟み込んで、それぞれ一次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト14の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト14は、その無端移動に伴ってY、C、M、K用の一次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体3Y、3C、3M、3K上のY、C、M、Kトナー像が重ね合わされて一次転写される。これにより、中間転写ベルト14上に四色重ね合わせトナー像(以下、四色トナー像という)が形成される。
二次転写バックアップローラ66は、中間転写ベルト14のループ外側に配設された二次転写ローラ70との間に中間転写ベルト14を挟み込んで二次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対55は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pを、中間転写ベルト14上の四色トナー像に同期させ得るタイミングで、二次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト14上の四色トナー像は、二次転写バイアスが印加される二次転写ローラ70と二次転写バックアップローラ66との間に形成される二次転写電界や、ニップ圧の影響により、二次転写ニップ内で転写紙Pに一括二次転写される。そして、転写紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト14には、転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット162によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット162は、ベルトクリーニングブレード162aを中間転写ベルト14のおもて面に当接させており、これによって中間転写ベルト14上の転写残トナーを掻き取って除去するものである。
転写ユニット60の第一ブラケット63は、図示しないソレノイドの駆動のオンオフに伴って、補助ローラ68の回転軸線を中心にして所定の回転角度で揺動するようになっている。プリンタ500は、モノクロ画像を形成する場合には、前述のソレノイドの駆動によって第一ブラケット63を図中反時計回りに少しだけ回転させる。この回転により補助ローラ68の回転軸線を中心にして一次転写ローラ7Y、7C、7Mを図中反時計回りに公転させることで、中間転写ベルト14を感光体3Y、3C、3Mから離間させる。そして、四つの作像ユニット1Y、1C、1M、1Kのうち、K用の作像ユニット1Kだけを駆動して、モノクロ画像を形成する。これにより、モノクロ画像形成時にY、C、M用の作像ユニット1を無駄に駆動させないようにし、作像ユニット1を構成する各部材の消耗を回避することができる。
二次転写ニップの図中上方には、定着ユニット80が配設されている。この定着ユニット80は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加圧加熱ローラ81と、定着ベルトユニット82とを備えている。定着ベルトユニット82は、定着部材である定着ベルト84、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱ローラ83、テンションローラ85、駆動ローラ86、図示しない温度センサ等を有している。そして、無端状の定着ベルト84を加熱ローラ83、テンションローラ85及び駆動ローラ86によって張架しながら、図中反時計回り方向に無端移動させる。この無端移動の過程で、定着ベルト84は加熱ローラ83によって裏面側から加熱される。このようにして加熱される定着ベルト84の加熱ローラ83への掛け回し箇所には、図中時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ81がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ81と定着ベルト84とが当接する定着ニップが形成されている。
定着ベルト84のループ外側には、図示しない温度センサが定着ベルト84のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配設されており、定着ニップに進入する直前の定着ベルト84の表面温度を検知する。この検知結果は図示しない定着電源回路に送られる。定着電源回路は、温度センサによる検知結果に基づいて、加熱ローラ83に内包される発熱源や加圧加熱ローラ81に内包される発熱源に対する電源の供給をオンオフ制御する。
上述した二次転写ニップを通過した転写紙Pは、中間転写ベルト14から分離された後、定着ユニット80内に送られる。そして、定着ユニット80内の定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト84によって加熱され押圧されることにより、フルカラートナー像が転写紙Pに定着される。
このようにして定着処理が施された転写紙Pは、排紙ローラ対87のローラ間を経た後、機外へと排出される。プリンタ500本体の筺体の上面には、スタック部88が形成されており、排紙ローラ対87によって機外に排出された転写紙Pは、このスタック部88に順次スタックされる。
転写ユニット60の上方には、Y、C、M、Kトナーを収容する四つのトナーカートリッジ100Y、100C、100M、100Kが配設されている。これらのトナーカートリッジ内のY、C、M、Kトナーは、作像ユニット1Y、1C、1M、1Kの現像装置5Y、5C、5M、5Kに適宜供給される。トナーカートリッジ100Y、100C、100M、100Kは、作像ユニット1Y、1C、1M、1Kとは独立にプリンタ本体に脱着可能である。
次に、プリンタ500における画像形成動作について説明する。
図示しない操作部などからプリント実行の信号を受信したら、帯電ローラ4及び現像ローラ51に、それぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に光書込ユニット40及び除電ランプなどの光源にも、それぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータ(不図示)により、感光体3が図中矢印方向に回転駆動される。
感光体3が図中矢印方向に回転すると、まず感光体3表面が帯電ローラ4によって所定の電位に一様帯電される。そして、光書込ユニット40から画像情報に対応したレーザ光Lが感光体3上に照射され、感光体3表面上のレーザ光Lが照射された部分が除電され静電潜像が形成される。
静電潜像の形成された感光体3の表面は、現像装置5との対向部で現像ローラ51上に形成された現像剤の磁気ブラシによって摺擦される。このとき、現像ローラ51上の負帯電トナーは、現像ローラ51に印加された所定の現像バイアスによって静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。各作像ユニット1において同様の作像プロセスが実行され、各作像ユニット1Y、1C、1M、1Kの各感光体3Y、3C、3M、3Kの表面上に各色のトナー像が形成される。
このように、プリンタ500では、感光体3上に形成された静電潜像は、現像装置5によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。ここでは、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限られるものではない。
各感光体3Y、3C、3M、3Kの表面上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト14の表面上で重なるように、順次一次転写される。これにより中間転写ベルト14上に四色トナー像が形成される。
中間転写ベルト14上に形成された四色トナー像は、第一給紙カセット151又は第二給紙カセット152から給紙され、レジストローラ対55のローラ間を経て、二次転写ニップに給紙される転写紙Pに転写される。このとき、転写紙Pはレジストローラ対55に挟まれた状態で一旦停止し、中間転写ベルト14上の画像先端と同期を取って二次転写ニップに供給される。トナー像が転写された転写紙Pは中間転写ベルト14から分離され、定着ユニット80へ搬送される。そして、トナー像が転写された転写紙Pが定着ユニット80を通過することにより、熱と圧力の作用でトナー像が転写紙P上に定着され、トナー像が定着された転写紙Pはプリンタ500装置外に排出されてスタック部88にスタックされる。
一方、二次転写ニップで転写紙Pにトナー像を転写した中間転写ベルト14の表面は、ベルトクリーニングユニット162によって表面上の転写残トナーが除去される。
また、一次転写ニップで中間転写ベルト14に各色のトナー像を転写した感光体3の表面は、クリーニング装置6によって転写後の残留トナーが除去され、潤滑剤塗布装置10によって潤滑剤が塗布された後、除電ランプで除電される。
プリンタ500の作像ユニット1は、図2に示すように、感光体3と、プロセス手段として帯電ローラ4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10などとが枠体2に収められている。そして、作像ユニット1は、プロセスカートリッジとしてプリンタ500本体から一体的に着脱可能となっている。プリンタ500では、作像ユニット1がプロセスカートリッジとしての感光体3とプロセス手段とを一体的に交換するようになっている。しかし、感光体3、帯電ローラ4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10のような単位で新しいものと交換するような構成でもよい。
次に、プリンタ500に本発明のクリーニングブレードを適用した場合の好適なトナーについて説明する。
プリンタ500に用いるトナーとしては、画質向上のため、高円形化及び小粒径化し易い懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法により製造された重合トナーを用いることが好ましい。特に、円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]以下の重合トナーを用いると、より高解像度の画像を形成することができるので好ましい。
ここでいう「円形度」は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子社製)により計測した平均円形度である。具体的には、予め固形不純物を除去した水100〜150[ml]中に、分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜0.5[ml]加え、更に測定試料(トナー)を0.1〜0.5[g]程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、分散液濃度が3000〜10000[個/μL]となるようにして、上述の分析装置にセットし、トナー粒子の形状及び分布を測定する。そして測定結果に基づき、図3(a)に示す実際のトナー粒子の投影形状の周囲長(外周長)をC1、その投影面積をSとし、図3(b)に示す面積がSの真円の周囲長(外周長)をC2としたときのC2/C1を求め、その平均値を円形度とした。
体積平均粒径については、コールターカウンター法によって求めることが可能である。具体的には、コールターマルチサイザー2e型(コールター社製)によって測定したトナーの個数分布や体積分布のデータを、インターフェイス(日科機社製)を介してパーソナルコンピューターに送って解析する。より詳しくは、1級塩化ナトリウムを用いた1%NaCl水溶液を電解液として用意する。そして、この電解水溶液100〜150[ml]中に、分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5[ml]加える。更に、これに被検試料のトナーを2〜20[mg]加え、超音波分散器で約1〜3[分間]分散処理する。そして別のビーカーに電解水溶液100〜200[ml]を入れ、その中に分散処理後の溶液を所定濃度になるように加えて、上記コールターマルチサイザー2e型にかける。アパーチャーとしては100[μm]のものを用い、50000個のトナー粒子の粒径を測定する。チャンネルとしては、2.00〜2.52[μm]未満;2.52〜3.17[μm]未満;3.17〜4.00[μm]未満;4.00〜5.04[μm]未満;5.04〜6.35[μm]未満;6.35〜8.00[μm]未満;8.00〜10.08[μm]未満;10.08〜12.70[μm]未満;12.70〜16.00[μm]未満;16.00〜20.20[μm]未満;20.20〜25.40[μm]未満;25.40〜32.00[μm]未満;32.00〜40.30[μm]未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00[μm]以上32.0[μm]以下のトナー粒子を対象とする。そして「体積平均粒径=ΣDfV/ΣfV」という関係式に基づいて体積平均粒径を算出する。但し、「D」は各チャンネルにおける代表径、「V」は各チャンネルの代表径における相当体積、「f」は各チャンネルにおける粒子個数である。
このような重合トナーにおいては、従来の粉砕トナーを感光体3表面から除去するときと同じようにしてクリーニングブレード62で除去しようとしても、その重合トナーを感光体3表面から十分に除去しきれず、クリーニング不良が発生する。そこで、クリーニングブレード62の感光体3への当接圧を高めてクリーニング性をアップしようとすると、クリーニングブレード62が早期に摩耗してしまうという問題があった。また、クリーニングブレード62と感光体3との摩擦力が高まって、クリーニングブレード62の感光体3と当接している先端稜線部が感光体3の移動方向に引っ張られて、先端稜線部がめくれてしまう。クリーニングブレード62の先端稜線部がめくれると、異音や振動、先端稜線部の欠落などの様々な問題が生じてしまう。
図4は本発明の一実施形態のクリーニングブレード62の斜視図であり、図5は、その使用状態の断面図である。図5(a)はクリーニングブレード62が感光体3の表面に当接している状態の説明図であり、図5(b)は、クリーニングブレード62の先端稜線部62c近傍の拡大説明図である。
クリーニングブレード62は、金属や硬質プラスチックなどの剛性材料からなる短冊形状のホルダー621と、短冊形状の弾性体ブレード622とで構成されている。弾性体ブレード622は先端稜線部62c近傍に含浸処理(詳細は後述する)がなされている。また、ブレード先端面62aとブレード下面62bには、ブレード長手方向にわたって表面層623が形成されている。
弾性体ブレード622は、ホルダー621の一端側に接着剤などにより固定されており、ホルダー621の他端側は、クリーニング装置6のケースに片持ち支持されている。
なお、本発明1の「少なくとも先端稜線部から0.5[mm]までの部分に…表面層を有し」とは、図5(b)におけるブレード先端面62a及びブレード下面62bの表面層623の形成領域が、少なくとも先端稜線部62cから0.5[mm]までの部分を含むことを意味する。
弾性体ブレード622としては、感光体3の偏心や感光体3の表面の微小なうねりなどに追随できるように、高い反発弾性率を有するものが好ましく、ウレタンゴムなどが好適である。
弾性体ブレード622に適するウレタンゴムは一般に遠心成型法で製造される。その原材料としては、OH価28〜168の2個又は3個の水酸基を持つポリオールと、TDI(トリレンジイソシアネート)、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、IPDI(イソホロンジイソシアネート)、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、NDI(ナフタレンジイソシアネート)、TODI(ジメチルビフェニルジイソシアネート)などのジイソシアネートと、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどのOH価950〜1830の短鎖ポリオールが好適である。これらを適宜混合し、100〜200[℃]に加熱した遠心成型金型に注入し、所定時間後に脱型し、高温多湿環境(例えば、30[℃]、85[%RH])に1週間静置して特性を安定させてから、所定の形状に裁断して、弾性体ブレード用の短冊とする。
また、弾性体ブレード622には、25℃における硬度が68〜80度(JIS A)のウレタンゴムが良い。ウレタンゴムの硬度が80度以下であれば柔軟性に乏しくなるようなことはなく、ホルダー621が微小に傾いて取り付けられたときなどに、次の不具合が生じるような惧れもない。即ち、クリーニングブレード62の軸方向一端側と他端側とで当接圧が異なる所謂偏当りをしにくく、軸方向で均一な当接圧が得られる。その結果、クリーニング性が低下するようなことはない。一方、硬度が68度以上であれば、重合トナーでもクリーニングできるように当接圧を高く設定したときクリーニングブレード62が反ってしまうようなことはない。また、先端稜線部62cが浮き上がり、ブレード下面62bが感光体3と当接する所謂腹当たり現象が生じるようなこともない。腹当たり現象が生じると、クリーニングブレード62と感光体表面との当接面積が急激に増大するため、クリーニングブレード62を大きな力で押しつけても逆に当接圧は小さくなり、クリーニング性が低下してしまう。特に本発明のようなブレード先端面に表面層を有する構成では上記の現象が生じやすいため、上記範囲にあることが好ましい。
弾性体ブレード622は、2種の異なる材質を積層した、2層構成のタイプも利用することができる。この場合もウレタンゴムの硬度は上記範囲が好ましいが、当接側と反当接側で適宜適切な材質を選択することができる。2層以上の積層ウレタンを製造する際は、混合率の異なる原材料を各層が完全に硬化する前に、遠心成型金型に連続的に注入することにより、層間剥離が起こらないように一体的に成型することが可能である。
弾性体ブレード622の先端稜線部62cには、紫外線硬化樹脂モノマーが含浸された含浸部分62dが形成されている。先端稜線部62cへの含浸処理は、スプレー塗工や浸漬塗工によって紫外線硬化樹脂モノマーを含浸させればよい。これにより、当接する先端稜線部62cが感光体3表面移動方向に変形するのを抑制することができる。更に、経時表面層摩耗によって内部が露出したときも内部への含浸作用により、同様に変形を抑制することができる。
表面層623は、弾性体ブレード622に紫外線硬化樹脂モノマーを含浸させて所定時間風乾させた後に、スプレー塗工や浸漬塗工によって先端稜線部62cを被覆する。紫外線硬化樹脂モノマーを含浸させた後、又は表面層623による被覆を行った後に、紫外線を照射することにより、図5に示す含浸部分62dを形成し、先端稜線部62cの硬度上昇を図る改質効果を生じさせることができる。このとき含浸材料にフッ素系アクリルモノマーを混合し弾性体ブレード622に含浸させると、先端稜線部62c近傍の低摩擦化を図ることもできる。経時使用で表面層623が摩耗すると先端稜線部62cが露出し、この露出部が感光体表面と当接したとき、先端稜線部62cと感光体3との摩擦力を弱めることができる。更に、弾性体ブレード622の露出した部分が感光体表面移動方向に変形するのを抑制できる。その結果、ビビリ音が生じるのを抑制できる。また、露出部分のめくれを抑制でき、めくれた露出部分の欠落を抑制できる。また、先端稜線部62cがフッ素系アクリルモノマーの含浸により低摩擦化するので、露出部分が感光体3によって削られにくく、クリーニングブレード62の耐摩耗性を向上させることができる。
上記フッ素系アクリルモノマーとしては、特にパーフルオロポリエーテル骨格を持ち、官能基2以上のアクリレートが好適である。その具体例としては、ダイキン社製:OPTOOL DAC−HP、DIC社製:RS−75などが挙げられる。
また、紫外線硬化樹脂モノマーを含浸させて紫外線を照射することにより、耐久性の向上を図ることができる。
その理由として考えられるのは、ゴム内部に紫外線硬化樹脂の網目鎖が形成されることにより、ゴム自体の架橋密度が擬似的に増加し、耐摩耗性が向上する可能性である。この場合、紫外線硬化樹脂とウレタンゴムが化学的にほとんど結合しない点がポイントである。ウレタンゴムとの反応するのを抑制することにより、架橋密度が上がりすぎてゴムというよりガラスに近い状態となるのを抑制することができる。これにより、先端稜線部62cの動きが抑制されず、耐摩耗性が向上すると考えられる。
表面層623は、スプレー塗工、ディップ塗工によってクリーニングブレード62の先端稜線部62c、ブレード下面62bを被覆する。表面層623としては、弾性体ブレード622よりも硬度の高い部材を被覆することが好ましい。弾性体ブレードよりも表面層の硬度が高いかどうかは、例えばマルテンス硬度の測定により確認することができ、測定圧子に加えた試験力と圧子の押し込み深さを測定することにより精密に硬度を求めることができる。弾性体ブレード自体と表面層自体のマルテンス硬度を別途比較して硬度の高い表面層部材を選択する。弾性体ブレード622よりも硬度が高い部材とすることにより、弾性体ブレード622よりも感光体3によって削られ難くなり、弾性体ブレード622を感光体表面に当接させるものに比べて、クリーニングブレード62の耐摩耗性を向上させることができる。また、表面層623は、硬度が硬く剛直なため、変形し難く、先端稜線部62cのめくれを抑制することができる。
また、表面層623の材料としては紫外線硬化樹脂を用いる。これにより、先端稜線部62cに付着した紫外線硬化樹脂モノマーに紫外線を照射させるだけで、所望の硬度を有する表面層623を得ることができ、クリーニングブレード62を安価に製造することができる。
上記紫外線硬化樹脂モノマーとしては、官能基当量分子量350以下、官能基数3〜6のペンタエリスリトールトリアクリレートを主要骨格とするモノマーを用いることが好ましい。官能基当量分子量が350以下で、主要骨格がペンタエリスリトール・トリアクリレートのモノマーを用いれば、表面層623が脆弱になり過ぎることはない。表面層623が脆弱になると、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれて図6(b)のような先端面摩耗を生じ、長期に亘るクリーニング性を保持できなくなる。また表面層623の材料として、上記ペンタエリスリトール・トリアクリレート骨格材料の他に、官能基当量分子量100〜1000、官能基数1〜2のアクリレート材料を適宜混合することが好ましい。これにより表面層623に可撓性を付与することができ、クリーニングブレード62を搭載するマシンの特性に合わせて、表面層623の性質を調整することが可能となる。よって、特定環境で異音が発生した時などにブレード挙動を微調整するなど、環境特性等を向上させることも可能となる。
また、表面層623の材料と含浸処理する材料の全部又は一部に同一の材料を用いることができる。同一の材料を用いると、同一物質同士による接着性向上が期待でき、表面層623の剥がれを抑制することができる。
また、表面層623のうち、ブレード下面62b及びブレード先端面62aの厚さは、0.5〜2[μm]が好ましい。厚さが0.5[μm]以上であれば、表面層623の剛性が弱くなって先端稜線部62cがめくれやすくなるようなことはない。また、厚さが2[μm]以下であれば、トナーのすり抜けが増大してクリーニング不良が発生しやすくなるようなことはない。本発明では、スプレー塗工やディップ塗工のように、液体の材料を付着させて表面層623を形成するため、表面張力の関係で先端稜線部62cには被膜が形成されにくく、先端稜線部62cから離れるにつれて表面層623の厚さは増加する。しかし、厚さが2[μm]以下であれば、先端稜線部62cの厚さと、先端稜線部62cから離れた位置の厚さとの差が大きくならず、先端稜線部62cの角度が鈍角化することはない。また、先端稜線部62cを直角とした場合に比べて、先端面62aと感光体3とがなす当接部の上流側の空隙X〔図5(a)参照〕が狭くなることもない。したがって、長期に亘るクリーニング動作によって空隙にトナーが堆積したとき、堰き止められた空隙X内のトナーに逃げ場がなくなり、空隙X内のトナーが徐々に感光体3の下流側に押し出されて、クリーニング不良が発生するようなこともない。
表面層623を形成する際には、ウレタンゴムからなる弾性体ブレード622に対してディップ塗工により紫外線硬化樹脂モノマーを含浸させ、更に表面層623を形成する紫外線硬化樹脂モノマーをスプレー塗工した後、紫外線照射によりモノマーを硬化させる。表面層623を被覆する前に、弾性体ブレード622に含浸させた紫外線硬化樹脂モノマーに紫外線を照射してもよく、この方法では、ウレタンゴムに対する紫外線硬化樹脂モノマーの含浸状態が固定され、後から表面層623を形成する紫外線硬化樹脂モノマーを塗布しても、含浸状態が変化しない。よって、所望の含浸状態の弾性体ブレード622を作製できる。
本実施形態のクリーニングブレード62は、最表面に紫外線硬化樹脂からなる表面層623、弾性体ブレード622の基材と紫外線硬化樹脂(含浸材料)との混合層、弾性体ブレード622の基材のみなからなる弾性層を有する積層ブレードとなっている。また、先端稜線部62c近傍は、含浸材料、表面層材料が検出される。それらは含浸処理を実施した表面側から検出強度が減少していくいわゆる濃度勾配をもって形成される。即ち、このクリーニングブレード62では、内部の混合層と弾性体ブレード基材のみの弾性層との界面も明確となっていない。更に、このクリーニングブレード62は、含浸材料、表面層材料に同一成分を採用するため、表面層とそれに続く混合層の界面が、形成時の弾性体ブレード基材の膨潤も影響して明確でなくなっている場合もある。このように、このクリーニングブレード62は、表面層623、混合層、弾性層の各層の界面が不明確な積層構成のクリーニングブレードとなっている。
上記含浸処理も表面層623も本来のウレタンゴム基材の弾性を変えてしまう。ウレタンゴムの弾性が大きく変わると、感光体表面の密着性が低下してしまう。すると、感光体に形成される粉体量が非常に多い連続的なベタ画像形成時等の厳しいクリーニング条件では、クリーニング不良を生じることがある。即ち、表面層623や含浸部分62dにより弾性体ブレード622の弾性が大きく変わり、感光体3への密着性が低下すると、感光体3が偏心していたり、感光体表面に微小なうねりがあったりした場合、感光体表面に当接するクリーニングブレード62の長手方向で当接圧が変動する。その結果、先端稜線部62cの感光体表面への追随性が低下してしまう。連続的なベタ画像形成時など、クリーニングブレード62によって、多くのトナーが堰き止められているとき、該トナーによるクリーニングブレード62への押圧力が高くなる。そのため、クリーニングブレード62の感光体3に対する当接圧が低い部分で、クリーニングブレード62が当接する力よりも感光体上のトナーによるクリーニングブレード62への押圧力が勝ると、その部分で当接状態が維持できなくなる。その結果、クリーニングブレード62をトナーがすり抜けてしまい、感光体3に形成される粉体量が非常に多い連続的なベタ画像形成時等の厳しい条件では、クリーニング不良が生じてしまう。特に、潤滑剤塗布機構を有する画像形成装置においては、帯電ローラによる帯電装置で感光体上に塗布された滑剤が帯電劣化することにより粘性が生じる。これにより、副作用としてクリーニングブレードの先端稜線部62cの像担持体表面への追随性を低下させてしまうため、同様にクリーニング不良を生じることがある。
本発明における含浸処理の範囲は、前記ブレード先端面からの含浸深さが50〜150[μm]、前記ブレード下面からの含浸深さが20〜100[μm]が好ましい。これらの範囲であれば、前述のクリーニング不良の発生を確実に抑制できる。即ち、含浸深さが上記範囲の下限値以上であれば、トナー粒子に対する変形は起こらず、そのせき止め力が低下してクリーニング不良が生じてしまうようなことはない。また、含浸深さが上記範囲の上限値以下であれば、剛直性が増大して感光体との密着性が低下しクリーニング不良が生じてしまうようなことはない。なお、これらの範囲は、表面層の存在とのバランスから調整することが肝要である。
このようにクリーニング不良は微小粒子であるトナーとの関係において状況が変化するものであり、本発明ではトナーを想定した微小粒子と一体的に硬度特性を評価し好適な範囲を定めている。微小粒子としてはトナーそのものを用いることもできるが、トナー粒子は表面に外添剤等が付着しているので、それらの影響を避けるため、樹脂粒子単体を用いてもよい。樹脂粒子としては、アクリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等を用いることができる。
硬度特性は、微粒子1個を介して加圧するため、ナノインデンターを用いる。本発明では、MTS社製G200を使用し、20μmのフラット型圧子を装着して荷重−変位曲線を測定した。
理由は定かではないが、上記含浸処理や表面層623により本来のウレタンゴム基材の弾性を変えてしまう結果、ブレード摩耗を増大させる不具合が発生する場合がある。そのような不具合(感光体表面への密着性低下によるクリーニング不良、ブレード摩耗の増大)を生じないようにするためには、含浸処理と表面層623を最適な設定にする必要がある。そこで、本発明者らは、弾性体ブレード622の材質、表面層623の材質、含浸処理方法、ブレード先端面62a、ブレード下面62b、における表面層623の形成等をそれぞれ変化させて様々な観点から検証実験を行い、含浸処理と表面層623との最適な範囲を見出した。
以下、実施例及び比較例を示して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
[弾性体ブレード]
弾性体ブレード622には、25[℃]における物性が以下のとおりの6種類のウレタンゴムを用いた。
ウレタンゴム1:硬度72度、反発弾性率31[%](東洋ゴム工業社製)
ウレタンゴム2:硬度69度、反発弾性率50[%](東洋ゴム工業社製)
ウレタンゴム3:硬度68度、反発弾性率30[%](東洋ゴム工業社製)
ウレタンゴム4:硬度75度、反発弾性率45[%](東洋ゴム工業社製)
ウレタンゴム5:2層構成、ブレード下面側:硬度80度、反対面側:硬度75度
反発弾性率25[%](東洋ゴム工業社製)
ウレタンゴム6:2層構成、ブレード下面側:硬度66度、反対面側:硬度75度
反発弾性率30[%](バンドー化学社製)
ウレタンゴムの硬度は、高分子計器社製マイクロゴム硬度計MD−1を用い、JIS K6253に準じて測定した。2層構成ブレードについては、各面側から測定を行った。
ウレタンゴムの反発弾性は、東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用い、JIS K6255に準じて測定した。試料は、厚さ4[mm]以上となるように約2[mm]のシートを重ね合わせたものとした。
[含浸及び表面層材料]
含浸処理及び表面層623の形成処理には、以下の硬化材料1〜8を用いた。
なお、構成材料の配合量の単位は「質量部」である。

<硬化材料1>
モノマー1:ダイセルサイテック社製 PETIA 8.0部
モノマー2:ダイセルサイテック社製 ODA−N 2.0部
モノマー3:ダイキン社製 OPTOOL DAC−HP 0.1部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社製 イルガキュア184 0.5部
溶媒 :シクロヘキサノン 89.4部

<硬化材料2>
モノマー1:ダイセルサイテック社製 PETIA 7.0部
モノマー2:ダイセルサイテック社製 HDDA 3.0部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社製 イルガキュア184 0.5部
溶媒 :シクロヘキサノン 89.5部

<硬化材料3>
モノマー1:ダイセルサイテック社製 PETIA 10.0部
モノマー2:ダイキン社製 OPTOOL DAC−HP 0.1部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社製 イルガキュア184 0.5部
溶媒 :シクロヘキサノン 89.4部

<硬化材料4>
モノマー1:ダイセルサイテック社製 PETIA 8.0部
モノマー2:ダイセルサイテック社製 IBOA 2.0部
モノマー3:ダイキン社製 OPTOOL DAC−HP 0.1部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社製 イルガキュア184 0.5部
溶媒 :シクロヘキサノン 89.4部

<硬化材料5>
モノマー1:ダイセルサイテック社製 PETIA 7.0部
モノマー2:ダイセルサイテック社製 EBECRYL11 3.0部
モノマー3:ダイキン社製 OPTOOL DAC−HP 0.1部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社製 イルガキュア184 0.5部
溶媒 :シクロヘキサノン 89.4部

<硬化材料6>
モノマー1:ダイセル・サイテック社製 DPHA 10.0部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社製 イルガキュア184 1.0部
溶媒 :シクロヘキサノン 89.0部

<硬化材料7>
モノマー1:日本化薬社製 DPCA−120 8.0部
モノマー2:ダイセルサイテック社製 IBOA 2.0部
モノマー3:DIC社製 RS−75 0.1部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社製 イルガキュア184 0.5部
溶媒 :シクロヘキサノン 89.4部

<硬化材料8>
モノマー1:ダイセルサイテック社製 PETIA 5.0部
モノマー2:根上工業社製 UN2700 5.0部
モノマー3:DIC社製 RS−75 0.1部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社製 イルガキュア184 0.5部
溶媒 :シクロヘキサノン 89.4部
上記モノマーのうち、ダイキン社製のOPTOOL DAC−HPと、DIC社製のRS−75がフッ素系アクリルモノマーであり、パーフルオロポリエーテル骨格を持ち、官能基2以上のアクリレートである。即ち、上記硬化材料1、3、4、5、7、8が、フッ素系アクリルモノマーを含む紫外線硬化樹脂モノマー混合物である。
上記硬化材料1〜8に用いるアクリルモノマー、その主要骨格、官能基数、及び官能基当量分子量を表1に示す。
Figure 2016130758
上記表1に示すように、ダイセルサイテック社製:PETIA、DPHAと、日本化薬社製:DPCA−120が、官能基当量分子量350以下、官能基数3〜6のペンタエリスリトール・トリアクリレートを主要骨格として有するアクリルモノマーである。
また、ダイセルサイテック社製:ODA−N、HDDA、IBOA、EBECRYL11と、根上工業社製:UN2700が、官能基当量分子量100〜1000、官能基数1〜2のアクリルモノマーである。
したがって、上記硬化材料1、2、4、5、7、8が、上記2種類のアクリルモノマーを混合した硬化材料である。
実施例1〜10、比較例1〜5
表2の実施例1〜10及び比較例1〜5の各欄に示すようなウレタンゴム、含浸材料、表面層材料を用い、各欄に示すように、先端面含浸深さ、下面含浸深さ、先端面表面層厚さ、下面表面層厚さを変化させて各クリーニングブレードを作製した。
これらの各クリーニングブレードについて下記のようにして検証実験を行った。結果を表2に示す。
<検証実験を行った画像形成装置の作製>
上記各ウレタンゴムを用いて厚さ1.8[mm]の短冊形状の各弾性体ブレードを作製した。次いで、上記各硬化材料に、厚さ1.8[mm]と略同じ深さで各ブレード先端部を所定時間浸漬し、適宜含浸処理を行った後、3分間風乾した。続いて、スプレー塗工法により、各硬化材料を用いて表面層を形成した。表面層の形成は、まずスプレー塗工により、10[mm/s]のスプレーガン移動速度で、ブレード先端面から所定の厚さになるように先端面に重ね塗りを行い、3分間指触乾燥させた後、同様の方法でブレード下面にも表面層が形成されるように塗工した。その後、更に3分間指触乾燥を行い、紫外線露光(2000[mJ/cm]×3パス)を行った。なお、スプレー塗工で表面層を形成する領域は、マスキングテープにより制限した。
表面層の厚さは、キーエンス社製マイクロスコープVHX−100を用い、弾性体ブレードの断面により測定した。測定試料は日進EM社製SEM試料作製用トリミングカミソリを用いて断面を切断したものとした。
前述したように、含浸処理により弾性体ブレードの先端稜線部近傍内部には、含浸材料、表面層材料が検出されるが、それらは含浸処理を実施した表面側から検出強度が減少していくという、いわゆる濃度勾配をもって形成されている。そこで、含浸深さは、含浸材料、表面層材料がほぼ検出されなくなる個所の表面側からの距離とした。
具体的には、含浸深さ(含浸処理領域)の測定は以下のようにして行った。
対象試料のエッジ部分の断面薄片をクライオミクロトーム(EM・FCS、Leica社製)により作製し、透過型顕微鏡FT−IR(Continuμm赤外顕微鏡、サーモエレクトロン社製)で測定した。図7に示すように、先端面62a、ブレード下面62bを基準にし、それぞれ適宜断面内の変化を測定した。アクリル化合物の含浸深さについては、1710cm−1付近のピーク面積を1415cm−1のピーク面積で割った値を非含浸部の値で規格化したものを指標として測定した。
マルテンス硬度の荷重−変位曲線の測定には、前述したナノインデンターMTS社製のG200を用いた。作製した弾性体ブレードの先端稜線部から0.5[mm]以内の部分を測定試料とし、樹脂粒子を介して加圧した。樹脂粒子は東洋紡社製アクリル樹脂粒子タフチックFH−Sの粒径5[μm]と10[μm]を用いた。ナノインデンターによる測定では、測定圧子を被測定部に加圧接触させ、加圧に伴う変位量を連続的に測定し、そのときのプロファイルからマルテンス硬度を含む各種材料特性を算出することができる。
図9及び図10はマルテンス硬度の荷重−変位曲線の測定例を示したものであり、図9は本発明の一実施形態に係る変曲点を2個以上有する例、図10は変曲点を1個有する例である。図9では、やや判り難いが、曲線の凹凸の状態が変化する箇所が2個存在する。
表面層が形成された弾性体ブレードを、リコー社製カラー複合機imagio MP C5000に搭載できる板金ホルダーに接着剤で固定し、試作のクリーニングブレードとした。これを上記imagio MP C5000(図1と同様の構成)に取り付け、各画像形成装置を作製した。なお、クリーニングブレードは、所定の先端食い込み量と取り付け角度により線圧とクリーニング角を設定して取り付けた。
<検証実験に用いたトナー>
検証実験には、重合法により作製したトナーを用いた。なお、トナーの物性は、以下のとおりである。
・トナー母体:円形度0.98、平均粒径4.9[μm]
・外添剤 :小粒径シリカ:1.5部(クラリアントジャパン社製H1303)
小粒径酸化チタン:0.5部(テイカ社製MT−150AI)
大粒径シリカ:1.0部(電気化学社製UFP−35HH)
検証実験は、実験室環境:21[℃]・65[%RH]、通紙条件:画像面積率5%チャートを3プリント/ジョブとし、10万枚(A4横)通紙試験を行った。
そして、以下の項目について評価した。
[評価項目]
・マルテンス硬度の荷重−変位曲線の「変曲点個数」:ナノインデンターMTS社製のG200を用い、微小粒子として「東洋紡社製アクリル樹脂粒子タフチックFH−S」を用いて測定した。
・下面変曲点変位倍率:前記樹脂粒子の粒径に対する、前記荷重−変位曲線の変曲点の最も高荷重側の変位量の倍率(なお、樹脂粒子の粒径は、実施例3と実施例6が10μm、その他の実施例及び比較例が5μmである。)
・ブレードエッジ摩耗量(摩耗断面積):初期状態からの摩耗断面積
・ブレードエッジ先端面摩耗幅:ブレード先端面側からみた摩耗幅(図8参照)
・ブレードエッジ下面摩耗幅:ブレード下面側からみた摩耗幅(図8参照)
(なお、上記摩耗量と摩耗幅は、キーエンス社製レーザ顕微鏡VK−9500を用いてブレードエッジに対して45度上方から測定した。)
・クリーニング不良:下記の評価時画像について目視観察を行った。
「縦帯パターン(紙進行方向に対して)43[mm]幅、3本チャ
ート、出力20枚(A4横)」
・異音:ビビリ(数100Hzの低周波)と鳴き(数kHzの高周波)について、聴覚で有無を判断した。
(上記各項目以外に、比較例5では、先端面にえぐれ摩耗が発生した。)
Figure 2016130758
実施例1〜10では、10万枚通紙試験後のブレード摩耗量が100[μm]以下であり、クリーニング不良の発生及び異音の発生は認められなかった。また、ブレード下面変曲点変位倍率は、1.5〜2.0倍で変曲点個数は2個以上であった。即ち、ブレード先端面と下面の含浸深さ及びブレード先端面と下面の表面層厚さが本発明の範囲にあることにより、トナーに近いサイズの粒子に対する変形程度が適度に保たれ、ブレード摩耗が抑制できると共に、異常振動の発生等が無く異音の発生を抑制できたものと考えられる。
一方、比較例1では、変曲点個数は2個以上であるが、変曲点変位倍率は1.2倍で、本発明の規定範囲を外れるため、トナーに近いサイズの粒子に対する変形程度が大きくなり、摩耗が進行し、更にビビリ音も発生したと考えられる。また、比較例2〜5では、表面層が薄いか又は形成されていないこと、含浸がされていないこと等の単独又は複合要因により、変曲点個数が1個で、トナーに近いサイズの粒子に対する変形程度が大きくなり、ブレード摩耗が大きく進行してクリーニング不良が発生したものと考えられる。
L レーザ光
P 転写紙
1 作像ユニット
1Y 作像ユニット
1C 作像ユニット
1M 作像ユニット
1K 作像ユニット
2 枠体
3 感光体
3Y 感光体
3C 感光体
3M 感光体
3K 感光体
4 帯電ローラ
5 現像装置
5Y 現像装置
5C 現像装置
5M 現像装置
5K 現像装置
6 クリーニング装置
7 一次転写ローラ
7Y 一次転写ローラ
7C 一次転写ローラ
7M 一次転写ローラ
7K 一次転写ローラ
8 帯電ローラクリーナ
10 潤滑剤塗布装置
14 中間転写ベルト
40 光書込ユニット
41 ポリゴンミラー
51 現像ローラ
52 供給スクリュ
53 攪拌スクリュ
54 ドクタ
55 レジストローラ対
60 転写ユニット
62 クリーニングブレード
62a ブレード先端面
62b ブレード下面
62c 先端稜線部
62d 含浸部分
63 第一ブラケット
64 第二ブラケット
66 二次転写バックアップローラ
67 駆動ローラ
68 補助ローラ
69 テンションローラ
70 二次転写ローラ
80 定着ユニット
81 加圧加熱ローラ
82 定着ベルトユニット
83 加熱ローラ
84 定着ベルト
85 テンションローラ
86 駆動ローラ
87 排紙ローラ対
88 スタック部
100Y トナーカートリッジ
100C トナーカートリッジ
100M トナーカートリッジ
100K トナーカートリッジ
101 ファーブラシ
103 固形潤滑剤
103a 潤滑剤加圧スプリング
103b ブラケット
123 像担持体
151 第一給紙カセット
151a 第一給紙ローラ
152 第二給紙カセット
152a 第二給紙ローラ
153 給紙路
154 搬送ローラ対
162 ベルトクリーニングユニット
162a ベルトクリーニングブレード
500 プリンタ
621 ホルダー
622 弾性体ブレード
623 表面層
特開2010−152295号公報 特開2013−080075号公報

Claims (10)

  1. 短冊形状の弾性体ブレードで構成され、該弾性体ブレードの先端稜線部に当接しながら移動する被清掃部材の表面から粉体を除去するクリーニングブレードにおいて、
    前記被清掃部材と対向するブレード下面及び弾性体ブレードの厚み方向に平行なブレード先端面の、少なくとも前記先端稜線部から0.5[mm]までの部分に、紫外線硬化樹脂からなる、弾性体ブレードよりも硬い表面層を有し、その部分に対して、弾性体ブレードよりも硬い粒径5〜10[μm]の微小粒子を介して加圧することにより測定したマルテンス硬度の荷重−変位曲線が、2個以上の変曲点を有すると共に、変曲点の最も高荷重側の変位量が前記微小粒子の粒径の1.5〜2.0倍であることを特徴とするクリーニングブレード。
  2. 少なくとも前記先端稜線部を含む部分に紫外線硬化樹脂モノマーが含浸され、該紫外線硬化樹脂モノマーの前記ブレード先端面からの含浸深さが50〜150[μm]、前記ブレード下面からの含浸深さが20〜100[μm]であることを特徴とする請求項1に記載のクリーニングブレード。
  3. 前記ブレード先端面及びブレード下面に形成された表面層の厚さが0.5〜2[μm]であることを特徴とする請求項1又は2に記載のクリーニングブレード。
  4. 前記表面層用又は含浸用の紫外線硬化樹脂モノマーとして、官能基当量分子量350以下、官能基数3〜6のペンタエリスリトールトリアクリレートを主要骨格とするアクリルモノマーと、官能基当量分子量100〜1000、官能基数1〜2のアクリルモノマーを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクリーニングブレード。
  5. 前記紫外線硬化樹脂モノマーとして、更にパーフルオロポリエーテル骨格を持ち、官能基数が2以上のフッ素系アクリルモノマーを含むことを特徴とする請求項4に記載のクリーニングブレード。
  6. 前記表面層用と含浸用の紫外線硬化樹脂モノマーとして同じものを用いたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のクリーニングブレード。
  7. 前記弾性体ブレードとして、ウレタン基を有するゴムを用いたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のクリーニングブレード。
  8. 前記弾性体ブレードとして、異なる2種類のウレタン基を有するゴムを積層したものを用いたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のクリーニングンブレード。
  9. 像担持体と、該像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電した該像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体表面に形成された該静電潜像を現像してトナー像化する現像手段と、該像担持体表面のトナー像を転写体に転写する転写手段と、該像担持体表面に当接して該像担持体表面に付着した転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、前記クリーニングブレードとして、請求項1〜8のいずれかに記載のクリーニングブレードを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジであって、請求項9に記載の画像形成装置に採用される感光体と請求項1〜8のいずれかに記載のクリーニングブレードとを一体的に形成したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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