JP2016130193A - 水素生成装置およびそれを用いた燃料電池システム並びにその運転方法 - Google Patents

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知之 中嶋
貴広 楠山
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貴広 楠山
千絵 原田
Chie Harada
千絵 原田
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Abstract

【課題】原料の流量が変化した場合でも、効率と信頼性を両立させた、水素生成装置並びに燃料電池システムを提供する。
【解決手段】炭化水素を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器100と、水素含有ガスに含まれるCOを選択酸化反応により低減させる選択酸化触媒が充填されたCO除去器150と、改質器に原料を供給する原料供給器31と、CO除去器に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器92と、CO除去器の温度を検知する温度検知器90と、制御器300とを備え水素生成装置400において、制御器300は、原料の流量が、原料の流量の第1の閾値以下である場合に、選択酸化空気の流量を原料の流量に応じて制御し、原料の流量が第1の閾値より多い場合に、選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素含有ガスを生成する水素生成装置及びそれを備える燃料電池システムに関するものである。
小型装置でも高効率発電ができる燃料電池コージェネレーションシステム(以下、単に「燃料電池システム」という)は、分散型エネルギー供給源の発電装置として開発が進められている。この燃料電池システムは、発電部の本体として、燃料電池を備えている。この燃料電池としては、例えば、リン酸形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池、アルカリ水溶液形燃料電池、固体高分子形燃料電池、或いは、固体電解質形燃料電池等が用いられる。
これらの燃料電池の内で、リン酸形燃料電池や固体高分子形燃料電池(略称、「PEFC」)は、発電運転の際の動作温度が比較的低いため、燃料電池システムを構成する燃料電池として好適に用いられる。特に、固体高分子形燃料電池は、リン酸形燃料電池と比べて、電極触媒の劣化が少なく、かつ電解質の逸散が発生しないため、携帯用電子機器や電気自動車等の用途において特に適に用いられる。
さて、燃料電池の多く、例えば、リン酸形燃料電池や固体高分子形燃料電池は、発電運転の際に水素を燃料として用いる。しかし、それらの燃料電池において発電運転の際に必要となる水素の供給手段は、通常、インフラストラクチャとして整備されてはいない。
従って、リン酸形燃料電池や固体高分子形燃料電池を備える燃料電池システムにより電力を得るためには、その燃料電池システムの設置場所において、燃料としての水素を生成する必要がある。
このため、燃料電池システムは、通常、改質器を有する水素生成装置を備える。改質器では、一般的な原料インフラガスである都市ガス、天然ガス或いはLPGから水素含有ガスが、改質反応により生成される。例えば、水蒸気改質反応が一般的に用いられている。
この水蒸気改質反応では、原料となる都市ガス等と水蒸気とをNi系またはRu系等の貴金属系の改質触媒を用いて、600℃〜700℃程度の高温で反応させることにより、水素を主成分とした水素含有ガスが生成される。
水素含有ガスには一酸化炭素(CO)が含まれるが、特に固体高分子型燃料電池はCOによる電極被毒が起こりやすいため、供給される水素含有ガス中のCO濃度を数十体積ppmに低減する必要がある。そこで、改質器の後段に設けられたCO除去器にて、水素含有ガスに空気を加え、水素含有ガス中に含まれるCOを選択的に酸化させることによってCO濃度を低減する。
この選択酸化反応では、Ruなど貴金属系の選択酸化触媒が用いられる。その際、運転制御方法として、選択酸化触媒層の温度に応じて選択酸化空気の供給速度を調整し、選択酸化触媒層温度を選択酸化反応に適した目標温度に制御することで、CO濃度の上昇を抑制する運転方法が提供されている(例えば、特許文献1)。
特開2010−262747号公報
しかしながら、上記従来の運転方法では、原料の流量が少ないときに、選択酸化触媒の目標温度を維持するために必要以上に選択酸化空気を供給してしまい、COだけでなく、水素を酸化させてしまうため、水素生成の効率が低下するという課題があり、原料の流量が多いときに、選択酸化触媒の温度が高温となり、CO濃度が上昇してしまうという課題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、原料の流量が変化した場合でも、効率と信頼性を両立させた、水素生成装置並びに燃料電池システムと、その運転方法を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の水素生成装置は、炭化水素を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器と、水素含有ガスに含まれるCOを選択酸化反応により低減させる選択酸化触媒が充填されたCO除去器と、改質器に原料を供給する原料供給器と、CO除去器に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器と、CO除去器の温度を検知する温度検知器と、制御器と、を備え、制御器は、原料の流量が、原料の流量の閾値以下である場合に、選択酸化空気の流量を原料の流量に応じて制御し、原料の流量が閾値より多い場合に、選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量を制御するのである。
これによって、原料の流量が少ない場合に、原料の流量と相関があるCOの流量に適した選択酸化空気の流量を供給するため、CO濃度を規定濃度以下とするのに必要十分な選択酸化空気の流量を供給できる。そのため、過剰に供給される選択酸化空気による、水素含有ガスに含まれる水素の酸化を抑制することができる。
また、原料の流量が多い場合に、CO除去器に供給される水素含有ガスの流量が多くなり、選択酸化触媒の温度が高くなるが、選択酸化触媒の温度に応じた選択酸化空気の流量を供給することで、二酸化炭素(CO)から一酸化炭素(CO)への逆シフト反応(CO+H→CO+HO)を抑制することができる。そのため、水素含有ガスに含まれるCO濃度を抑制することができる。
また、上記従来の課題を解決するために、他の本発明の水素生成装置は、炭化水素を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器と、水素含有ガスに含まれるCOを選択酸化反応により低減させる選択酸化触媒が充填されたCO除去器と、改質器に原料を供給する原料供給器と、CO除去器に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器と、CO除去器の温度を検知する温度検知器と、制御器と、を備え、制御器は、選択酸化触媒の温度が、選択酸化触媒の温度の閾値以下である場合に、選択酸化空気の流量を原料の流量に応じて制御し、選択酸化触媒の温度が閾値より高い場合に、選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量を制御するのである。
これによって、選択酸化触媒の温度が低い場合に、原料の流量と相関があるCOの流量に適した選択酸化空気の流量を供給するため、CO濃度を規定濃度以下とするのに必要十分な選択酸化空気の流量を供給できる。そのため、過剰に供給される選択酸化空気による、水素含有ガスに含まれる水素の酸化を抑制することができる。
また、選択酸化触媒の温度が高い場合に、選択酸化触媒の温度に応じた選択酸化空気の流量を供給するため、COからCOへの逆シフト反応を抑制することができる。そのた
め、水素含有ガスに含まれるCO濃度を抑制することができる。
本発明の水素生成装置によれば、原料の流量が少ない場合に、必要十分量の選択酸化空気の流量を供給できるため、過剰に供給される選択酸化空気による水素含有ガスに含まれる水素の酸化を抑制し、効率の高い運転をすることができる。
また、原料の流量が多い場合に、選択酸化触媒の温度に応じた選択酸化空気の流量を供給することで、COからCOへの逆シフト反応を抑制し、水素含有ガスに含まれるCO濃度を抑制することができる。その結果、原料の流量が変化した場合でも、効率と信頼性を両立させた水素生成装置並びに燃料電池システムと、その運転方法を提供することができる。
本発明の実施の形態1〜8にかかる水素生成装置の構成の一例を示すブロック図 本発明の実施の形態1、3、4、7および9にかかる水素生成装置の選択酸化空気の流量および選択酸化触媒の温度の制御方法を示すフローチャート 本発明の実施の形態1、3、4、7および9にかかる水素生成装置の原料の流量と選択酸化空気の流量および選択酸化触媒の温度との関係の一例を示す特性図 本発明の実施の形態2、5、6、8および10にかかる水素生成装置の選択酸化空気の流量および選択酸化触媒の温度の制御方法を示すフローチャート 本発明の実施の形態2、5、6、8および10にかかる水素生成装置の原料の流量と選択酸化空気の流量および選択酸化触媒の温度との関係の一例を示す特性図 本発明の実施の形態3にかかる水素生成装置の原料の流量と選択酸化空気の流量の閾値の関係の一例を示す特性図 本発明の実施の形態4にかかる水素生成装置の原料の流量と、選択酸化空気の流量と原料の流量の比の閾値の関係の一例を示す特性図 本発明の実施の形態5にかかる水素生成装置の選択酸化触媒の温度と選択酸化空気の流量の閾値の関係の一例を示す特性図 本発明の実施の形態6にかかる水素生成装置の選択酸化触媒の温度と、選択酸化空気の流量と原料の流量の比の閾値の関係の一例を示す特性図 本発明の実施の形態7にかかる水素生成装置の原料中の水素と炭素の比(H/C)と原料の流量の閾値の関係の一例を示す特性図 本発明の実施の形態8にかかる水素生成装置の原料中の水素と炭素の比(H/C)と選択酸化触媒の温度の閾値の関係の一例を示す特性図 本発明の実施の形態9および10に係る燃料電池システムの構成の一例を示すブロック図
第1の発明である水素生成装置は、炭化水素を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器と、前記水素含有ガスに含まれるCOを選択酸化反応により低減させる選択酸化触媒が充填されたCO除去器と、前記改質器に前記原料を供給する原料供給器と、前記CO除去器に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器と、前記CO除去器の温度を検知する温度検知器と、制御器と、を備え、前記制御器は、前記原料の流量が、前記原料の流量の第1の閾値以下である場合に、前記選択酸化空気の流量を前記原料の流量に応じて制御し、前記原料の流量が第1の閾値より多い場合に、選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう前記選択酸化空気の流量を制御することを特徴とする。
本発明の水素生成装置によれば、原料の流量が少ない場合に、原料の流量と相関がある
COの流量に適した選択酸化空気の流量を供給するため、CO濃度を規定濃度以下とするのに必要十分な選択酸化空気の流量を供給できる。そのため、過剰に供給される選択酸化空気による、水素含有ガスに含まれる水素の酸化を抑制することができる。
また、原料の流量が多い場合に、CO除去器に供給される水素含有ガスの流量が多くなり、選択酸化触媒の温度が高くなるが、選択酸化触媒の温度に応じた選択酸化空気の流量を供給することで、COからCOへの逆シフト反応を抑制することができる。そのため、水素含有ガスに含まれるCO濃度を抑制することができる。その結果、原料の流量が変化した場合でも、効率と信頼性を両立させた水素生成装置を提供することができる。
第2の発明である水素生成装置は、炭化水素を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器と、前記水素含有ガスに含まれるCOを選択酸化反応により低減させる選択酸化触媒が充填されたCO除去器と、前記改質器に前記原料を供給する原料供給器と、前記CO除去器に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器と、前記CO除去器の温度を検知する温度検知器と、制御器と、を備え、前記制御器は、前記選択酸化触媒の温度が、前記選択酸化触媒の温度の第2の閾値以下である場合に、前記選択酸化空気の流量を前記原料の流量に応じて制御し、前記選択酸化触媒の温度が第2の閾値より高い場合に、選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう前記選択酸化空気の流量を制御することを特徴とする。
本発明の水素生成装置によれば、選択酸化触媒の温度が低い場合に、原料の流量と相関があるCOの流量に適した選択酸化空気の流量を供給するため、CO濃度を規定濃度以下とするのに必要十分な選択酸化空気の流量を供給できる。そのため、過剰に供給される選択酸化空気による、水素含有ガスに含まれる水素の酸化を抑制することができる。
また、選択酸化触媒の温度が高い場合に、選択酸化触媒の温度に応じた選択酸化空気の流量を供給するため、COからCOへの逆シフト反応を抑制することができる。そのため、水素含有ガスに含まれるCO濃度を抑制することができる。その結果、原料の流量が変化し、選択酸化触媒の温度が変化した場合でも、効率と信頼性を両立させた水素生成装置を提供することができる。
第3の発明である水素生成装置は、特に、第1の発明における前記制御器は、前記原料の流量が、前記原料の流量の前記第1の閾値以下である場合に、前記選択酸化空気の流量が第3の閾値以上となるよう制御し、前記原料の流量の前記第1の閾値より多い場合に、前記選択酸化空気の流量の第3の閾値と異なる第4の閾値以上となるよう制御することを特徴とする。
本発明の水素生成装置によれば、原料の流量が少なく、原料の流量に応じて選択酸化空気の流量を制御する場合にも、原料の流量が多く、選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量を制御する場合にも、それぞれ、水素含有ガスに含まれるCO濃度を所定濃度以下に低減できる選択酸化空気の流量を確保でき、信頼性の高い水素生成装置を提供することができる。
第4の発明である水素生成装置は、特に、第1の発明における前記制御器は、前記原料の流量が、前記原料の流量の前記第1の閾値以下である場合に、前記選択酸化空気の流量と前記原料の流量の比が第5の閾値以上となるよう制御し、前記原料の流量が前記閾値より多い場合に、前記選択酸化空気の流量と前記原料の流量の比が第5の閾値と異なる第6の閾値以上となるよう制御することを特徴とする。
本発明の水素生成装置によれば、原料の流量が少なく、原料の流量に応じて選択酸化空
気の流量を制御する場合にも、原料の流量が多く、選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量を制御する場合にも、それぞれ、水素含有ガスに含まれるCO濃度を所定濃度以下に低減できる選択酸化空気の流量と原料の流量の比を確保でき、信頼性の高い水素生成装置を提供することができる。
第5の発明である水素生成装置は、特に、第2の発明における前記制御器は、前記選択酸化触媒の温度が、前記選択酸化触媒の温度の前記第2の閾値以下である場合に、前記選択酸化空気の流量の第7の閾値以上となるよう制御し、前記選択酸化触媒の温度の前記閾値より高い場合に、前記選択酸化空気の流量の第7の閾値と異なる第8の閾値以上となるよう制御することを特徴とする。
本発明の水素生成装置によれば、選択酸化触媒の温度が低く、原料の流量に応じて選択酸化空気の流量を制御する場合にも、選択酸化触媒の温度が高く、選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量を制御する場合にも、それぞれ、水素含有ガスに含まれるCO濃度を所定濃度以下に低減できる選択酸化空気の流量を確保でき、信頼性の高い水素生成装置を提供することができる。
第6の発明である水素生成装置は、特に、第2の発明における前記制御器は、前記選択酸化触媒の温度が、前記選択酸化触媒の温度の第2の閾値以下である場合に、前記選択酸化空気の流量と前記原料の流量の比が第9の閾値以上となるよう制御し、前記選択酸化触媒の温度が前記閾値Dより高い場合に、前記選択酸化空気の流量と前記原料の流量の比が第9の閾値未満である第10の閾値以上となるよう制御することを特徴とする。
本発明の水素生成装置によれば、選択酸化触媒の温度が低く、原料の流量に応じて選択酸化空気の流量を制御する場合にも、選択酸化触媒の温度が高く、選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量を制御する場合にも、それぞれ、水素含有ガスに含まれるCO濃度を所定濃度以下に低減できる選択酸化空気の流量と原料の流量の比を確保でき、信頼性の高い水素生成装置を提供することができる。
第7の発明である水素生成装置は、特に、第1、3、4のいずれかの発明における前記制御器は、前記原料中の水素と炭素の比であるH/Cに応じて予め設定された、前記原料の流量の前記第1の閾値に基づき制御することを特徴とする。
原料のH/C比が低いほど水素含有ガス中のCO濃度が高くなり、選択酸化触媒の温度が高くなり、COからCOへの逆シフト反応により、CO濃度の上昇してしまう。しかし、本発明の水素生成装置によれば、原料のH/Cが低いほど、原料の流量の第1の閾値を低く設定することで、原料の流量が多い場合に、選択酸化触媒の温度を制御し、COからCOへの逆シフト反応を抑制することで、水素含有ガスに含まれるCO濃度を抑制することができる。
第8の発明である水素生成装置は、特に、第2、5、6のいずれかの発明における前記制御器は、前記原料中の水素と炭素の比であるH/Cに応じて予め設定された、前記選択酸化触媒の温度の前記第2の閾値に基づき制御することを特徴とする。
原料のH/C比が低いほど水素含有ガス中のCO濃度が高くなり、選択酸化触媒の温度が高くなり、COからCOへの逆シフト反応により、CO濃度の上昇してしまう。しかし、本発明の水素生成装置によれば、原料のH/Cが低いほど、選択酸化触媒の温度の第2の閾値を低く設定することで、選択酸化触媒の温度が高い場合に、選択酸化触媒の温度を制御し、COからCOへの逆シフト反応を抑制することで、水素含有ガスに含まれるCO濃度を抑制することができる。
第9の発明である燃料電池システムは、特に、第1〜第8の少なくとも1つの発明の水素生成装置と、前記水素生成装置より供給される水素含有ガスを用いて発電する燃料電池とを備えることを特徴とする。
本発明の燃料電池システムによれば、原料の流量が少ない場合もしくは選択酸化触媒の温度が低い場合に、原料の流量と相関があるCOの流量に適した選択酸化空気の流量を供給するため、CO濃度を規定濃度以下とするのに必要十分な選択酸化空気の流量を供給できる。そのため、過剰に供給される選択酸化空気による、水素含有ガスに含まれる水素の酸化を抑制することができる。
また、原料の流量が多い場合もしくは選択酸化触媒の温度が低い場合に、CO除去器に供給される水素含有ガスの流量が多くなり、選択酸化触媒の温度が高くなるが、選択酸化触媒の温度に応じた選択酸化空気の流量を供給することで、COからCOへの逆シフト反応を抑制することができる。そのため、水素含有ガスに含まれるCO濃度を抑制することができる。その結果、原料の流量や選択酸化触媒の温度が変化した場合でも、効率と信頼性を両立させた燃料電池システムを提供することができる。
第10の発明である水素生成装置の運転方法は、炭化水素を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器と、前記水素含有ガスに含まれるCOを選択酸化反応により低減させる選択酸化触媒が充填されたCO除去器と、前記改質器に前記原料を供給する原料供給器と、前記CO除去器に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器と、前記CO除去器の温度を検知する温度検知器と、制御器と、を備えた水素生成装置の運転方法であって、前記原料の流量が、前記原料の流量の第1の閾値以下である場合に、前記選択酸化空気の流量を前記原料の流量に応じて制御し、前記原料の流量の第1の閾値より多い場合に、選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう前記選択酸化空気の流量を制御するステップを備えることを特徴とする。
本発明の水素生成装置の運転方法によれば、原料の流量が少ない場合に、原料の流量と相関があるCOの流量に適した選択酸化空気の流量を供給するため、CO濃度を規定濃度以下とするのに必要十分な選択酸化空気の流量を供給できる。そのため、過剰に供給される選択酸化空気による、水素含有ガスに含まれる水素の酸化を抑制することができる。
また、原料の流量が多い場合に、CO除去器に供給される水素含有ガスの流量が多くなり、選択酸化触媒の温度が高くなるが、選択酸化触媒の温度に応じた選択酸化空気の流量を供給することで、COからCOへの逆シフト反応を抑制することができる。そのため、水素含有ガスに含まれるCO濃度を抑制することができる。その結果、原料の流量が変化した場合でも、効率と信頼性を両立させた水素生成装置を提供することができる。
第11の発明である水素生成装置の運転方法は、炭化水素を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器と、前記水素含有ガスに含まれるCOを選択酸化反応により低減させる選択酸化触媒が充填されたCO除去器と、前記改質器に前記原料を供給する原料供給器と、前記CO除去器に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器と、前記CO除去器の温度を検知する温度検知器と、制御器と、を備えた水素生成装置の運転方法であって、前記選択酸化触媒の温度が、前記選択酸化触媒の温度の第2の閾値以下である場合に、前記選択酸化空気の流量を前記原料の流量に応じて制御し、前記選択酸化触媒の温度が第2の閾値より高い場合に、選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう前記選択酸化空気の流量を制御するステップを備えることを特徴とする。
本発明の水素生成装置の運転方法によれば、選択酸化触媒の温度が低い場合に、原料の
流量と相関があるCOの流量に適した選択酸化空気の流量を供給するため、CO濃度を規定濃度以下とするのに必要十分な選択酸化空気の流量を供給できる。そのため、過剰に供給される選択酸化空気による、水素含有ガスに含まれる水素の酸化を抑制することができる。
また、選択酸化触媒の温度が高い場合に、選択酸化触媒の温度に応じた選択酸化空気の流量を供給するため、COからCOへの逆シフト反応を抑制することができる。そのため、水素含有ガスに含まれるCO濃度を抑制することができる。その結果、原料の流量が変化し、選択酸化触媒の温度が変化した場合でも、効率と信頼性を両立させた水素生成装置を提供することができる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる水素生成装置400の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す例では、水素生成装置400は、水素含有ガスを生成する反応器の一つである改質器100と、改質器100に原料を供給する原料供給器31と、原料の供給量を検出する原料供給量検出器30と、原料に含まれる硫黄化合物を除去する脱硫器10と、改質器100に水を供給する水供給器51と、水の供給量を検出する水供給量検出器50と、改質器100を加熱する加熱器20と、加熱器20に空気を供給する空気供給器71と、空気の供給量を検出する空気供給量検出器70と、改質器100の温度を検知する改質器温度検知器80と、改質器100が生成する水素含有ガス中のCOを低減する反応器の一つであるCO除去器150と、CO除去器150の温度を検知する反応器温度検知器90と、水素生成装置400を制御する制御器300とを備える。
改質器温度検知器80とCO除去器温度検知器90は、例えば熱電対によって構成される。
なお、加熱器20は、例えば、燃焼器、ヒータ及び触媒燃焼器であってもよい。本実施の形態では、加熱器20を燃焼器とした場合の説明をする。
改質器100は、原料及び水蒸気を用いて改質反応により水素含有ガスを生成する。ステンレス構造体で構成され、改質反応を進行させる改質触媒が充填される。
本実施の形態では、改質触媒に、アルミナビーズを担体としてRuを担持させたものを用いた。改質反応を進行させることが可能であれば、いずれの触媒であっても構わず、一般的に、Ruの他に、Pt、Rh、Pd、Ir、Re及びNiからなる群の中から選択される少なくとも1種が触媒金属に好適に用いられる。
異なる触媒金属を担持させた触媒複数種を原料の流通方向に対して、直列に設置してもよい。また、担体としてハニカムを用いることもできる。
改質器100での改質反応には、550℃から660℃の反応熱が必要であり、本実施の形態では、加熱器20と隣接させ加熱する方法を用いた。
原料は、少なくとも炭素及び水素を構成元素とする有機化合物を含み、具体的には、天然ガス、都市ガス、LPG、LNG等の炭化水素、及びメタノール、エタノール等のアル
コールが例示される。
都市ガスとは、ガス会社から配管を通じて各家庭等に供給されるガスをいう。本実施の形態では、原料として都市ガス(13A)を用いた。これら原料には、漏洩を検知するために、主に硫黄化合物からなる付臭剤が少なくとも一種類以上含有され、付臭が行われている。これら硫黄化合物からなる付臭剤は、改質触媒を被毒し、劣化させてしまうため、予め脱硫器10にて、取り除かれた後、改質器100に供給される。
改質反応は、原料及び水蒸気から水素含有ガスが生成される反応であれば、いずれの改質反応でもよい。具体的には、水蒸気改質反応、及びオートサーマル反応、部分酸化反応が例示され、その組み合わせでもよい。改質器100で生成された水素含有ガスは、水素供給経路を介して水素利用機器201に供給される。
改質器温度検知器80は、改質器100の温度を検知する。なお、改質器100の内部の触媒温度を直接測定することが望ましいが、検知された値から触媒温度を推定できるのであれば、改質器100の外部、あるいは近傍に温度検知部を設置してもかまわない。改質器温度検知器80として熱電対を用いたが、他にサーミスタなどが例示される。
原料供給器31は、原料を改質器100に供給する。原料供給器31は、例えば、昇圧器及び流量調整弁の少なくともいずれか一方により構成される。
水供給器51は、水を改質器100に供給する。水供給器51は、水の供給量を調整でき、例えば、ポンプ及び流量調整弁の少なくともいずれか一方により構成される。本実施の形態では、水供給量検出器50によって水の供給量の調整を行ったが、操作量に基づいて行ってもよい。
加熱器20は、改質器100を加熱する。加熱器20は少なくとも燃焼器を含むが、ヒータを用いてもよく、併用してもよい。加熱器20の燃料には、改質器100にて改質反応を行わずCO除去器150から排出される原料、もしくは、改質器100より排出される水素含有ガスの一部もしくは全部が用いられる。
また、燃料供給器(図示せず)から燃料を直接供給してもよい。加熱器20に供給される水素含有ガスは、改質器100から加熱器20に直接供給されてもよいし、水素利用機器201を経由し、水素利用機器201から排出されて加熱器20に供給されてもよい。加熱器20において、燃料供給器(図示せず)から水素含有ガスに燃料を追加して燃焼されてもよい。
空気供給器71は、加熱器20に燃焼空気を供給する。空気供給器71は、例えば、ファン及びポンプの少なくともいずれか一方により構成される。
CO除去器150は、改質器100から出た水素含有ガス中のCOを少なくとも選択酸化反応を用い、低減させる。CO除去器150には、選択酸化触媒が充填される。本実施の形態では、選択酸化触媒に、アルミナビーズを担体としてRuを担持させたものを用いた。選択酸化触媒としては、一般的に、Pt、Ru、Rh、Pd及びNiからなる群の中から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
選択酸化空気供給器92は、CO除去器に選択酸化空気を供給する。選択酸化空気供給器92は、例えば、ファン及びポンプの少なくともいずれか一方により構成される。
なお、本実施の形態の水素生成装置400は、改質器100の下流に、CO除去器15
0を設け、選択酸化空気を用いて選択酸化反応によりCO除去を行う形態であるが、改質器100とCO除去器150の間に水性シフト反応により水素含有ガス中のCOを低減するCO変成器(図示せず)を設ける形態であっても構わない。CO変成器には、変成触媒が充填される。変成触媒としては、Cu、Zn、Ptなどの金属が例示される。
CO除去器150での選択酸化反応には、100℃から200℃の反応熱が必要となるが、本実施の形態では、相対的に高温である改質器100と隣接させ、伝熱により加熱する方法を用いた。加熱器20により直接加熱する方法を用いてもよく、併用してもよい。また、CO除去器150を加熱するため加熱器20とは別の加熱手段を設けてもよい。加熱器20には燃焼器を用いたが、ヒータを用いてもよく、併用してもよい。
CO除去器温度検知器90は、CO除去器150の温度を検知する。なお、CO除去器150の内部の触媒温度を直接測定することが望ましいが、検知された値から触媒温度を推定できるのであれば、CO除去器150の外部、あるいは近傍に温度検知部を設置してもかまわない。CO除去器温度検知器90として熱電対を用いたが、他にサーミスタなどが例示される。
脱硫器10には、ステンレス構造体を有する脱硫容器に、常温用吸着脱硫剤である銀をイオン交換したゼオライトを充填した吸着脱硫器を用いた。脱硫方式には吸着脱硫方式と水添脱硫方式があり、吸着脱硫方式であれば、ゼオライト系脱硫剤等、1種類以上の脱硫剤を充填し、常温もしくは加温して、脱硫機能を発揮する。
水添脱硫方式であれば、改質器100で生成された水素含有ガスの一部を脱硫器10に供給するためのリサイクルガス経路(図示せず)を備え、脱硫器10に充填される水添脱硫触媒としては、CuZn系触媒(CoMo系触媒などとの組み合わせも含む)などが挙げられる。
また、脱硫方式として、水添脱硫方式と吸着脱硫方式とを組み合わせて用いる構成も取ることができる。例えば、リサイクルガス経路から水素含有ガスを水添脱硫方式の脱硫器10に供給できない起動時や停止時のステップにおいて、吸着脱硫方式の脱硫器10に原料ガスを流通させ硫黄化合物を吸着脱硫する方法などである。
制御器300は、制御機能を有するものであれば、水素生成装置400全体あるいは一部を制御可能な制御装置でも構わない。制御器300は、演算部301と、制御プログラムを記憶する記憶部302とを備える。演算部301としては、MPU、CPUが例示される。記憶部302としては、メモリが例示される。
制御器300は記憶部302に運転パラメータ群を記憶している。
制御器300は、単独の制御器でも複数の制御器でもよい。つまり、制御器300のそれぞれが、集中制御を行う単独の制御器で構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。この点は、後述の他の実施形態の制御器においても同様である。
原料供給器31から改質器100に至る原料の供給路の途中に原料の供給量を検出する原料供給量検出器30が設けられ、その検出出力が演算部301に入力される。また、水供給器51から改質器100に至る水の供給路の途中に水の供給量を検出する水供給量検出器50が設けられ、その検出出力が演算部301に入力される。原料供給量検出器30及び水供給量検出器50は、ここでは、それぞれ、マスフローメータ等の流量計で構成されている。
空気供給器71から加熱器20に至る空気の供給経路の途中に空気の供給量を検出する空気供給量検出器70が設けられ、その検出出力が演算部301に入力されている。本実施の形態1では、空気供給量検出器70によって空気の供給量の調整を行ったが、操作量に基づいて行ってもよい。空気供給量検出器70は、ここでは、それぞれ、マスフローメータ等の流量計で構成されている。
制御器300に備えられる記憶部302には、水素生成装置400の各種の動作を制御するためのプログラムが格納されており、演算部301は、記憶部302から必要なプログラムを読み出してこれを実行することによって、水素生成装置400の各種の動作を制御する。
以下、実施の形態1の水素生成装置400の動作、作用について説明する。なお、以下の動作、作用は、制御器300が水素生成装置400を制御することによって行われる。
水素生成装置400は、水素利用機器201が必要とする水素の流量に応じて、原料の流量を変化させ、水素含有ガスを生成する。本実施の形態では、水素含有ガス中の水素の流量を3NLMから9NLMまで供給可能な水素生成装置400について説明する。原料として、単位量当りの発熱量が45MJ/mの都市ガスである13Aを用いた。
図2は、実施の形態1にかかる水素生成装置の選択酸化空気の流量および選択酸化触媒の温度の制御方法を示すフローチャートであり、図3は、実施の形態1にかかる水素生成装置の原料の流量と選択酸化空気の流量および選択酸化触媒の温度との関係の一例を示す図である。
制御器300に選択酸化空気の流量および選択酸化触媒の温度の制御開始指令が入力される(S100)。制御器300は原料供給量検出器30にて原料の流量Fiを検出(S101)し、原料の流量Fiと第1の閾値Aの大小を比較し、Fi≦Aのとき、ステップS103に移行し、Fi>AのときステップS104に移行する(S102)。
ステップS102で原料の流量がFi≦Aのとき、原料の供給量検出器の検出した原料の流量に基づいて、選択酸化空気供給量検出器91で検出する選択酸化空気の流量が所定の流量になるようフィードバック制御であるPID制御を行う(S103)。
ステップS102で原料の流量がFi>Aのとき、原料の供給量検出器の検出した原料の流量に基づいて、選択酸化触媒の温度が所定の温度になるようPID制御を行う(S104)。続いて、ステップS101に戻り、順に上記ステップを繰り返す。
水素利用機器201が3NLMの水素量を必要とする場合は、原料の流量を1NLMとし、9NLMの水素量を必要とする場合、原料の流量を3NLMとし、必要水素量を供給する。
図3に示すように、原料の流量の第1の閾値Aを2.4NLMと設定し、原料の流量が1NLM以上、2.4NLM以下の場合、原料の流量(Fi)と選択酸化空気の流量(Fa)が、
Fa=0.2148×Fi+0.005
の関係となるよう、原料の流量に応じて選択酸化空気の流量をフィードバック制御した。
例えば、選択酸化空気の流量は、原料の流量が1NLMのときは、0.21NLM供給し、選択酸化触媒の温度は130℃となった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、3
ppmとなった。また、原料の流量が2.4NLMのとき、選択酸化空気の流量を0.51NLM供給し、選択酸化触媒の温度は158℃となった。
その際の水素含有ガス中のCO濃度は、4ppmとなった。CO除去器150に供給されるCOの流量は原料の流量に相関があり、原料の流量に基づき選択酸化空気の流量を制御するため、水素含有ガス中のCO濃度を低減するのに必要十分な選択酸化空気の流量を供給することができる。
一方、原料の流量が第1の閾値Aである2.4NLMより多く、3.0NLM以下の場合は、原料の流量(Fi)と選択酸化触媒の温度(Tp)が、
Tp=11.7×Fi+130
の関係となるよう、原料の流量に応じて選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量をフィードバック制御した。
例えば、原料の流量が2.5NLMのとき、選択酸化触媒の温度が159℃となるよう選択酸化空気の流量を制御し、選択酸化空気の流量は0.53NLMとなった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、4ppmとなった。また、原料の流量が3.0NLMのとき、選択酸化触媒の温度が165℃となるよう選択酸化空気の流量を制御し、選択酸化空気の流量は0.60NLMとなった。
その際の水素含有ガス中のCO濃度は、5ppmとなった。CO除去器150に供給される水素含有ガスが多い場合に、選択酸化触媒の温度が高くなるが、選択酸化触媒の温度を制御し、COからCOへの逆シフト反応(CO+H→CO+HO)を抑制できる温度にすることができる。
以上のように、本実施の形態の水素生成装置400においては、原料の流量が2,4NLM以下の場合には、原料の流量と相関があるCOの流量に適した選択酸化空気の流量を供給するため、CO濃度を規定濃度以下とするのに必要十分な選択酸化空気の流量を供給できる。そのため、過剰に供給される選択酸化空気による、水素含有ガスに含まれる水素の酸化を抑制することができる。
また、原料の流量が2.4NLMより多い場合に、CO除去器150に供給される水素含有ガスの流量が多くなり、選択酸化触媒の温度が高くなるが、選択酸化触媒の温度に応じた選択酸化空気の流量を供給することで、COからCOへの逆シフト反応を抑制することができる。そのため、水素含有ガスに含まれるCO濃度を抑制することができる。
その結果、原料の流量が変化した場合でも、効率と信頼性を両立させた水素生成装置を提供することができる。
本実施の形態では、原料の流量に基づき、選択酸化空気の流量もしくは選択酸化触媒温度についてフィードバック制御の一種であるPID制御を行ったが、その他のフィードバック制御もしくはフィードフォワード制御を用いても構わない。また、原料の流量の第1の閾値Aを2.4NLMと設定したが、この限りではなく、水素生成装置の構成、とくにCO除去器に充填する選択触媒の量や、CO除去器の形状による放熱量などにより適当な閾値を設定することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2の水素生成装置の構成については、実施の形態1と同様のため、説明を省略する。
以下、実施の形態2の水素生成装置400の動作、作用について説明する。なお、以下の動作、作用は、制御器300が水素生成装置400を制御することによって行われる。
本実施の形態では、水素含有ガス中の水素の流量を3NLMから9NLMまで供給可能な水素生成装置400について説明する。原料として、単位量当りの発熱量が45MJ/mの都市ガスである13Aを用いた。
図4は、実施の形態2にかかる水素生成装置の選択酸化空気の流量および選択酸化触媒の温度の制御方法を示すフローチャートであり、図5は、本発明の実施の形態2にかかる水素生成装置400の原料の流量と選択酸化空気の流量および選択酸化触媒の温度との関係の一例を示す特性図である。
制御器300に選択酸化空気の流量および選択酸化触媒の温度の制御開始指令が入力される(S100)。制御器300はCO除去器温度検知器90にて選択酸化触媒の温度を検出(S105)し、選択酸化触媒の温度Tpと第2の閾値Bの大小を比較し、Tp≦Bのとき、ステップS103に移行し、Tp>BのときステップS104に移行する(S106)。
ステップS105で選択酸化触媒の温度がTp≦Bのとき、原料の供給量検出器の検出した原料の流量に基づいて、選択酸化空気の流量が所定の流量になるようフィードバック制御であるPID制御を行う(S103)。
ステップS105で選択酸化触媒の温度がTp>Bのとき、原料の供給量検出器の検出した原料の流量に基づいて、選択酸化触媒の温度が所定の温度になるようPID制御を行う(S104)。続いて、ステップS105に戻り、順に上記ステップを繰り返す。
水素利用機器201が3NLMの水素量を必要とする場合は、原料の流量を1NLMとし、9NLMの水素量を必要とする場合、原料の流量を3NLMとし、必要水素量を供給する。
図5に示すように、選択酸化触媒の温度の第2の閾値Bを158℃と設定し、選択酸化触媒の温度が第2の閾値Bである158℃以下の場合、原料の流量(Fi)と選択酸化空気の流量(Fa)が、
Fa=0.2148×Fi+0.005
の関係となるよう、原料の流量に応じて選択酸化空気の流量をフィードバック制御した。例えば、選択酸化空気の流量は、原料の流量が1NLMのとき、0.21NLM供給し、選択酸化触媒の温度は130℃となった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、3ppmとなった。また、原料の流量が2.4NLMのとき、選択酸化空気の流量を0.51NLM供給し、選択酸化触媒の温度は158℃となった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、4ppmとなった。
CO除去器150に供給されるCOの流量は原料の流量に相関があり、原料の流量に基づき選択酸化空気の流量を制御するため、水素含有ガス中のCO濃度を低減するのに必要十分な選択酸化空気の流量を供給することができる。
一方、選択酸化触媒の温度が第2の閾値Bである158℃より高い場合、原料の流量(Fi)と選択酸化触媒の温度(Tp)が、
Tp=11.7×Fi+130
の関係となるよう、原料の流量に応じて選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量をフィードバック制御した。
例えば、原料の流量が2.5NLMのとき、選択酸化触媒の温度が159℃となるよう選択酸化空気の流量を制御し、選択酸化空気の流量は0.53NLMとなった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、4ppmとなった。また、原料の流量が3.0NLMのとき、選択酸化触媒の温度が165℃となるよう選択酸化空気の流量を制御し、選択酸化空気の流量は0.60NLMとなった。
その際の水素含有ガス中のCO濃度は、5ppmとなった。CO除去器150に供給される水素含有ガスが多い場合に、選択酸化触媒の温度が高くなるが、選択酸化触媒の温度を制御し、COからCOへの逆シフト反応を抑制できる温度にすることができる。
以上のように、本実施の形態の水素生成装置400においては、選択酸化触媒の温度が158℃以下の場合には、原料の流量と相関があるCOの流量に適した選択酸化空気の流量を供給するため、CO濃度を規定濃度以下とするのに必要十分な選択酸化空気の流量を供給できる。そのため、過剰に供給される選択酸化空気による、水素含有ガスに含まれる水素の酸化を抑制することができる。
また、選択酸化触媒の温度が158℃より高い場合には、CO除去器150に供給される水素含有ガスの流量が多くなり、選択酸化触媒の温度が高くなるが、選択酸化触媒の温度に応じた選択酸化空気の流量を供給することで、COからCOへの逆シフト反応を抑制することができる。そのため、水素含有ガスに含まれるCO濃度を抑制することができる。
また、原料の流量が多くなる以外の影響で選択触媒の温度が上がった場合に、選択酸化空気の流量を制御し、選択酸化触媒の温度を所定の温度にするため、CO濃度を抑制することができる。その結果、原料の流量が変化した場合でも、効率と信頼性を両立させた水素生成装置を提供することができる。
本実施の形態では、原料の流量に基づき、選択酸化空気の流量もしくは選択酸化触媒温度についてフィードバック制御の一種であるPID制御を行ったが、その他のフィードバック制御もしくはフィードフォワード制御を用いても構わない。
また、本実施の形態では、選択酸化触媒の温度の第2の閾値Bを158℃と設定しているが、この限りではなく、水素生成装置の構成、とくにCO除去器に充填する選択触媒の量や、CO除去器の形状による放熱量などにより適当な閾値を設定することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3の水素生成装置の構成については、実施の形態1と同様であり、水素生成装置の動作・作用についても、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
以下に、実施の形態3の水素生成装置400の動作、作用について、実施の形態1と異なる部分について説明する。なお、以下の動作、作用は、制御器300が水素生成装置400を制御することによって行われる。
図3に示すように、原料の流量の第1の閾値Aを2.4NLMと設定し、原料の流量が1NLM以上、2.4NLM以下の場合、原料の流量(Fi)と選択酸化空気の流量(Fa)が、
Fa=0.2148×Fi+0.005
の関係となるよう、原料の流量に応じて選択酸化空気の流量をフィードバック制御した。
一方、原料の流量が第1の閾値Aである2.4NLMより多く、3.0NLM以下の場合、原料の流量(Fi)と選択酸化触媒の温度(Tp)が、
Tp=11.7×Fi+130
の関係となるよう、原料の流量に応じて選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量をフィードバック制御した。
図6は、実施の形態3にかかる水素生成装置400の原料の流量と選択酸化空気の流量の閾値の関係の一例を示す特性図である。
上記記載のように、原料の流量に応じて、選択酸化空気の流量もしくは選択酸化触媒の温度が所定値となるよう制御した上で、さらに図6に示すように、原料の流量が第1の閾値Aである2.4NLM以下の場合、選択酸化空気の流量を第3の閾値である0.2NLM以上となるよう制御し、原料の流量が2.4NLMより多い場合、選択酸化空気の流量を第4の閾値である0.4NLM以上となるよう制御した。
原料の流量が2.4NLM以下の場合、原料の流量に応じて選択酸化空気の流量が所定の流量になるようをフィードバック制御した。選択酸化空気の流量が閾値より少なくなった場合、選択酸化反応によるCO低減を十分行えなくなることで、CO濃度が上昇してしまう。そのため、選択酸化空気の流量に閾値を設け、閾値以下にならないよう制御することで、CO濃度を抑制することができる。
原料の流量が2.4NLMより多い場合、原料の流量に応じて選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量をフィードバック制御した。その際、原料の流量に応じて設定される選択酸化触媒の温度以上に上昇する要因があった場合でも、選択酸化触媒の温度を所定の温度に制御するため、選択酸化空気の流量を少なくする制御を行う。
選択酸化空気の流量を少なくすることで、選択酸化触媒の温度を下げ、COからCOへの逆シフト反応を抑制することで、CO濃度を抑制することができるが、選択酸化空気の流量を少なくしすぎると選択酸化反応によるCO低減を十分に行えなくなることで、CO濃度が上昇してしまう。そのため、選択酸化空気の流量に閾値を設け、閾値以下にならないよう制御することで、CO濃度を抑制することができる。
以上説明したように本実施の形態の水素生成装置400においては、原料の流量が2.4NLM以下で、原料の流量に応じて選択酸化空気の流量を制御する場合にも、原料の流量が2.4NLMより多く、選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量を制御する場合にも、それぞれの選択酸化空気の流量を閾値以上に維持することで、水素含有ガスに含まれるCO濃度を所定濃度以下に低減できる選択酸化空気の流量を確保でき、信頼性の高い水素生成装置を提供することができる。
本実施の形態では、原料の流量の第1の閾値Aを2.4NLMと設定し、選択酸化空気の流量の第3の閾値を0.2NLM、第4の閾値を0.4NLMと設定したが、この限りではなく、水素生成装置400の構成、特に、CO除去器150に充填する選択触媒の量や、CO除去器150の形状による放熱量等により適当な閾値を設定することができる。また、原料の流量の閾値に第1の閾値A以外に複数設け、選択酸化空気の流量の閾値を設定してもよい。
(実施の形態4)
実施の形態4の水素生成装置の構成については、実施の形態1と同様であり、水素生成装置の動作・作用についても、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
以下に、実施の形態4の水素生成装置400の動作、作用について、実施の形態1と異なる部分について説明する。なお、以下の動作、作用は、制御器300が水素生成装置400を制御することによって行われる。
図3に示すように、原料の流量の第1の閾値Aを2.4NLMと設定し、原料の流量が1NLM以上、2.4NLM以下の場合、原料の流量(Fi)と選択酸化空気の流量(Fa)が、
Fa=0.2148×Fi+0.005
の関係となるよう、原料の流量に応じて選択酸化空気の流量をフィードバック制御した。
一方、原料の流量が第1の閾値Aである2.4NLMより多く、3.0NLM以下の場合、原料の流量(Fi)と選択酸化触媒の温度(Tp)が、
Tp=11.7×Fi+130
の関係となるよう、原料の流量に応じて選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量をフィードバック制御した。
図7は、実施の形態4にかかる水素生成装置の原料の流量と、選択酸化空気の流量と原料の流量の比の閾値の関係の一例を示す特性図である。
上記記載のように、原料の流量に応じて、選択酸化空気の流量もしくは選択酸化触媒の温度が所定値となるよう制御した上で、さらに、図7に示すように、原料の流量が第1の閾値Aである2.4NLM以下の場合、選択酸化空気の流量(Fa)と原料の流量の比(Fi)であるFa/Fiを第5の閾値である0.15以上となるよう制御し、原料の流量が2.4NLMより多い場合、Fa/Fiを第5の閾値より小さい第6の閾値である0.14以上となるよう制御した。
原料の流量が2.4NLM以下の場合、原料の流量に応じて選択酸化空気の流量が所定の流量になるようをフィードバック制御した。選択酸化空気の流量が閾値より少なくなった場合、選択酸化反応によるCO低減を十分行えなくなることで、CO濃度が上昇してしまう。そのため、選択酸化空気の流量と原料の流量の比に閾値を設け、閾値以下にならないよう制御することで、CO濃度を抑制することができる。
原料の流量が2.4NLMより多い場合、原料の流量に応じて選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量をフィードバック制御した。しかし、原料の流量が多いことによる、CO除去器150に供給される水素含有ガスの流量が多い以外の原因で選択酸化触媒の温度が高くなった場合には、選択酸化触媒の温度を所定の温度に制御するため、選択酸化空気の流量を少なくする制御を行う。
選択酸化空気の流量を少なくすることで、選択酸化触媒の温度を下げ、COからCOへの逆シフト反応を抑制することで、CO濃度を抑制することができるが、選択酸化空気の流量を少なくしすぎると選択酸化反応によるCO低減を十分に行えなくなることで、CO濃度が上昇してしまう。そのため選択酸化空気の流量と原料の流量の比に閾値を設け、閾値以下にならないよう制御することで、CO濃度を抑制することができる。
以上のように、本実施の形態の水素生成装置400においては、原料の流量が2.4NLM以下で、原料の流量に応じて選択酸化空気の流量を制御する場合にも、原料の流量が2.4NLMより多く、選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量を制御する場合にも、それぞれの選択酸化空気の流量と原料の流量の比を閾値以上に維持することで、水素含有ガスに含まれるCO濃度を所定濃度以下に低減できる選択酸化空気の流量を確保でき、信頼性の高い水素生成装置を提供することができる。
また、選択酸化空気の流量と原料の流量の比に閾値を設けることで、原料の流量に応じた選択酸化空気の流量の下限を設定できるため、CO濃度が上昇するリスクを低減することができる。
本実施の形態では、原料の流量の第1の閾値を2.4NLMと設定し、選択酸化空気の流量と原料の流量の比の第5の閾値を0.14、第6の閾値を0.15と設定したが、この限りではなく、水素生成装置400の構成、特にCO除去器150に充填する選択触媒の量や、CO除去器150の形状による放熱量などにより適当な閾値を設定することができる。また、原料の流量の閾値に第1の閾値以外に複数設け、選択酸化空気の流量と原料の流量の比の閾値を設定してもよい。
(実施の形態5)
実施の形態5の水素生成装置の構成については、実施の形態1と同様であり、水素生成装置の動作・作用については、実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。
以下に、実施の形態5の水素生成装置400の動作、作用について、実施の形態2と異なる部分について説明する。なお、以下の動作、作用は、制御器300が水素生成装置400を制御することによって行われる。
図5に示すように、選択酸化触媒の温度の第2の閾値Bを158℃と設定し、選択酸化触媒の温度が第2の閾値Bである158℃以下の場合、原料の流量(Fi)と選択酸化空気の流量(Fa)が、
Fa=0.2148×Fi+0.005
の関係となるよう、原料の流量に応じて選択酸化空気の流量をフィードバック制御した。
一方、選択酸化触媒の温度が第2の閾値Bである158℃より高い場合、原料の流量(Fi)と選択酸化触媒の温度(Tp)が、
Tp=11.7×Fi+130
の関係となるよう、原料の流量に応じて選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量をフィードバック制御した。
図8は、実施の形態5にかかる水素生成装置400の選択酸化触媒の温度と選択酸化空気の流量の閾値の関係の一例を示す特性図である。
上記記載のように、原料の流量に応じて、選択酸化空気の流量もしくは選択酸化触媒の温度が所定値となるよう制御した上で、さらに、図8に示すように、選択酸化触媒の温度が第2の閾値Bである158℃以下の場合は、選択酸化空気の流量を第7の閾値である0.2NLM以上となるよう制御し、選択酸化触媒の温度が第2の閾値Bである158℃より高い場合は、選択酸化空気の流量を第8の閾値である0.4NLM以上となるよう制御した。
選択酸化触媒の温度が158℃以下の場合、原料の流量に応じて選択酸化空気の流量が所定の流量になるようをフィードバック制御した。しかし、選択酸化空気の流量が閾値より少なくなった場合、選択酸化反応によるCO低減を十分行えなくなることで、CO濃度が上昇してしまう。そのため、選択酸化空気の流量に閾値を設け、閾値以下にならないよう制御することで、CO濃度を抑制することができる。
選択酸化触媒の温度が158℃より高い場合、原料の流量に応じて選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量をフィードバック制御した。その際、原料の
流量に応じて設定される選択酸化触媒の温度以上に上昇する要因があった場合でも、選択酸化触媒の温度を所定の温度に制御するため、選択酸化空気の流量を少なくする制御を行う。
選択酸化空気の流量を少なくすることで、選択酸化触媒の温度を下げ、COからCOへの逆シフト反応を抑制することで、CO濃度を抑制することができるが、選択酸化空気の流量を少なくしすぎると選択酸化反応によるCO低減を十分に行えなくなることで、CO濃度が上昇してしまう。そのため、選択酸化空気の流量に閾値を設け、閾値以下にならないよう制御することで、CO濃度を抑制することができる。
以上のように、本実施の形態の水素生成装置400においては、選択酸化触媒の温度が158℃以下で、原料の流量に応じて選択酸化空気の流量を制御する場合にも、選択酸化触媒の温度が158℃より高く、選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量を制御する場合にも、それぞれの選択酸化空気の流量を閾値以上に維持することで、水素含有ガスに含まれるCO濃度を所定濃度以下に低減できる選択酸化空気の流量を確保でき、信頼性の高い水素生成装置を提供することができる。
本実施の形態では、選択酸化触媒の温度の第2の閾値Bを158℃と設定し、選択酸化空気の流量の第7の閾値を0.2NLM、第8の閾値を0.4NLMと設定したが、この限りではなく、水素生成装置400の構成、とくにCO除去器150に充填する選択触媒の量や、CO除去器150の形状による放熱量などにより適当な閾値を設定することができる。また、原料の流量の閾値に第2の閾値以外に複数設け、選択酸化空気の流量の閾値を設定してもよい。
(実施の形態6)
実施の形態6の水素生成装置の構成については、実施の形態1と同様であり、水素生成装置の動作・作用については、実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。
以下に、実施の形態4の水素生成装置400の動作、作用について、実施の形態2と異なる部分について説明する。なお、以下の動作、作用は、制御器300が水素生成装置400を制御することによって行われる。
図5に示すように、選択酸化触媒の温度の第2の閾値Bを158℃と設定し、選択酸化触媒の温度が第2の閾値Bである158℃以下の場合、原料の流量(Fi)と選択酸化空気の流量(Fa)が、
Fa=0.2148×Fi+0.005
の関係となるよう、原料の流量に応じて選択酸化空気の流量をフィードバック制御した。
一方、選択酸化触媒の温度が第2の閾値Bである158℃より高い場合、原料の流量(Fi)と選択酸化触媒の温度(Tp)が、
Tp=11.7×Fi+130
の関係となるよう、原料の流量に応じて選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量をフィードバック制御した。
図9は、実施の形態6にかかる水素生成装置400の選択酸化触媒の温度と、選択酸化空気の流量と原料の流量の比の閾値の関係の一例を示す特性図である。
上記記載のように、原料の流量に応じて、選択酸化空気の流量もしくは選択酸化触媒の温度が所定値となるよう制御した上で、さらに、図9に示すように、選択酸化触媒の温度が第2の閾値Bである158℃以下の場合、選択酸化空気の流量(Fa)と原料の流量の
比(Fi)であるFa/Fiを第9の閾値である0.15以上となるよう制御し、選択酸化触媒の温度が第2の閾値Bである158℃より高い場合、Fa/Fiを第9の閾値より小さい第10の閾値である0.14以上となるよう制御した。
選択酸化触媒の温度が158℃以下の場合、原料の流量に応じて選択酸化空気の流量が所定の流量になるようをフィードバック制御した。選択酸化空気の流量が閾値より少なくなった場合、選択酸化反応によるCO低減を十分行えなくなることで、CO濃度が上昇してしまう。そのため、選択酸化空気の流量と原料の流量の比に閾値を設け、閾値以下にならないよう制御することで、CO濃度を抑制することができる。
選択酸化触媒の温度が158℃より高い場合、原料の流量に応じて選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量をフィードバック制御した。しかし、原料の流量が多いことによる、CO除去器150に供給される水素含有ガスの流量が多い以外の原因で選択酸化触媒の温度が高くなった場合には、選択酸化触媒の温度を所定の温度に制御するため、選択酸化空気の流量を少なくする制御を行う。
選択酸化空気の流量を少なくすることで、選択酸化触媒の温度を下げ、COからCOへの逆シフト反応を抑制することで、CO濃度を抑制することができるが、選択酸化空気の流量を少なくしすぎると選択酸化反応によるCO低減を十分に行えなくなることで、CO濃度が上昇してしまう。そのため選択酸化空気の流量と原料の流量の比に閾値を設け、閾値以下にならないよう制御することで、CO濃度を抑制することができる。
以上のように、本実施の形態の水素生成装置400においては、選択酸化触媒の温度が158℃以下で、原料の流量に応じて選択酸化空気の流量を制御する場合にも、選択酸化触媒の温度が158℃より高く、選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量を制御する場合にも、それぞれの選択酸化空気の流量と原料の流量の比を閾値以上に維持することで、水素含有ガスに含まれるCO濃度を所定濃度以下に低減できる選択酸化空気の流量を確保でき、信頼性の高い水素生成装置を提供することができる。
また、選択酸化空気の流量と原料の流量の比に閾値を設けることで、原料の流量に応じた選択酸化空気の流量の下限を設定できるため、CO濃度が上昇するリスクを低減することができる。
本実施の形態では、選択酸化触媒の温度の第2の閾値Bを158℃と設定し、選択酸化空気の流量と原料の流量の比の第9の閾値を0.14、第10の閾値を0.15と設定したが、この限りではなく、水素生成装置400の構成、とくにCO除去器150に充填する選択触媒の量や、CO除去器150の形状による放熱量などにより適当な閾値を設定することができる。
また、選択酸化触媒の温度の閾値に第2の閾値以外に複数設け、選択酸化空気の流量と原料の流量の比の閾値を設定してもよい。
(実施の形態7)
実施の形態7の水素生成装置の構成については、実施の形態1と同様であり、水素生成装置の動作・作用についても、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
以下に、実施の形態7の水素生成装置400の動作、作用について、実施の形態1と異なる部分について説明する。なお、以下の動作、作用は、制御器300が水素生成装置400を制御することによって行われる。
水素生成装置400は、水素利用機器201が必要とする水素の流量に応じて、原料の流量を変化させ、水素含有ガスを生成する。本実施の形態では、水素含有ガス中の水素の流量を3NLMから9NLMまで供給可能な水素生成装置400について説明する。
図10は、実施の形態7にかかる水素生成装置400の原料中の水素と炭素の比(H/C)と原料の流量の閾値の関係の一例を示す特性図である。
原料として、単位量当りの発熱量が45MJ/mの都市ガスである13Aの場合との単位量当りの発熱量は99MJ/mであるLPGを用いた場合について説明する。
原料1mol中に含まれる炭素原子のモル数と水素原子のモル数とを含む平均分子式を示すものであり、Cのように示される。原料の単位量当りの炭化水素量は、13Aでは、C1.164.33であり、水素と炭素の比であるH/Cは3.73である。LPGでは、C3.008.00であり、水素と炭素の比であるH/Cは2.67である。
図10に示すように、H/Cと原料の流量の閾値(Fit)が
Fit=1.31×[H/C]−2.50
の関係になるようH/Cによって原料の流量の閾値を設定した。
原料に13Aを用いた場合、原料の流量の第1の閾値Cを2.4NLMに設定し、原料にLPGを用いた場合、原料の流量の第1の閾値Dを1.0NLMに設定した。
以上のように、本実施の形態の水素生成装置400においては、原料と改質水とのスチーム/カーボンモル比であるS/Cが一定である場合、原料のH/C比が低いほど、改質反応の平衡反応で決まる水素含有ガス中のCO濃度が高くなる。そのため、同じ水素の流量を確保した場合、水素含有ガスの流量が増える。その結果、改質器100から水素含有ガスによって運搬される熱量が増え、選択酸化触媒の温度が高くなり、COからCOへの逆シフト反応により、CO濃度の上昇してしまう。
しかし、本発明の水素生成装置によれば、原料のH/Cが低いほど、原料の流量の第1の閾値を低く設定することで、原料の流量が多い場合に、選択酸化触媒の温度を制御し、COからCOへの逆シフト反応を抑制することで、水素含有ガスに含まれるCO濃度を抑制することができる。
本実施の形態では、原料に13Aを用いた場合、原料の流量の第1の閾値Cを2.4NLMに設定し、原料にLPGを用いた場合、原料の流量の第1の閾値Dを1.0NLMに設定したが、この限りではなく、水素生成装置400の構成、とくにCO除去器に充填する選択触媒の量や、CO除去器150の形状による放熱量などにより適当な閾値を設定することができる。
(実施の形態8)
実施の形態8の水素生成装置の構成については、実施の形態2と同様であり、水素生成装置の動作・作用についても、実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。
以下に、実施の形態8の水素生成装置400の動作、作用について、実施の形態2と異なる部分について説明する。なお、以下の動作、作用は、制御器300が水素生成装置400を制御することによって行われる。
水素生成装置400は、水素利用機器201が必要とする水素の流量に応じて、原料の
流量を変化させ、水素含有ガスを生成する。本実施の形態では、水素含有ガス中の水素の流量を3NLMから9NLMまで供給可能な水素生成装置400について説明する。
図11は、実施の形態8にかかる水素生成装置400の原料中の水素と炭素の比(H/C)と選択酸化触媒の温度の閾値の関係の一例を示す特性図である。
原料として、単位量当りの発熱量が45MJ/mの都市ガスである13Aの場合との単位量当りの発熱量は99MJ/mであるLPGを用いた場合について説明する。
原料1mol中に含まれる炭素原子のモル数と水素原子のモル数とを含む平均分子式を示すものであり、Cのように示される。原料の単位量当りの炭化水素量は、13Aでは、C1.164.33であり、水素と炭素の比であるH/Cは3.73である。LPGでは、C3.008.00であり、水素と炭素の比であるH/Cは2.67である。
図11に示すように、H/Cと選択酸化触媒の温度の閾値(Tpt)が
Tpt=7.50×[H/C]+130.0
の関係になるようH/Cによって選択酸化触媒の温度の閾値を設定した。
原料に13Aを用いた場合、選択酸化触媒の温度の第2の閾値Eを158℃に設定し、原料にLPGを用いた場合、選択酸化触媒の温度の第2の閾値Fを150℃に設定した。
以上のように、本実施の形態の水素生成装置400においては、原料と改質水とのスチーム/カーボンモル比であるS/Cが一定である場合、原料のH/C比が低いほど、改質反応の平衡反応で決まる水素含有ガス中のCO濃度が高くなる。そのため、同じ水素の流量を確保した場合、水素含有ガスの流量が増える。その結果、改質器100から水素含有ガスによって運搬される熱量が増え、選択酸化触媒の温度が高くなり、COからCOへの逆シフト反応により、CO濃度の上昇してしまう。
しかし、本発明の水素生成装置400によれば、原料のH/Cが低いほど、選択酸化触媒の温度の第2の閾値を低く設定することで、原料の流量が多い場合に、選択酸化触媒の温度を制御し、COからCOへの逆シフト反応を抑制することで、水素含有ガスに含まれるCO濃度を抑制することができる。
本実施の形態では、原料に13Aを用いた場合、選択酸化触媒の温度の第2の閾値Eを158℃に設定し、原料にLPGを用いた場合、選択酸化触媒の温度の第2の閾値Fを150℃に設定したが、この限りではなく、水素生成装置の構成、とくにCO除去器に充填する選択触媒の量や、CO除去器の形状による放熱量などにより適当な閾値を設定することができる。
(実施の形態9)
実施の形態9の燃料電池システムのうち、水素生成装置の構成については、実施の形態1と同様であり、実施の形態9の水素生成装置の動作・作用についても、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。以下に、実施の形態1の水素生成装置400の動作、作用について、実施の形態1と異なる部分について説明する。
図12は、本発明の実施の形態9に係る燃料電池システムの構成の一例を示すブロック図である。
図12に示すように、本実施の形態の燃料電池システム500は、水素生成装置400
と、燃料電池200とを備える。
この燃料電池200は、水素生成装置400より供給される水素含有ガスを用いて発電する。燃料電池200は、水素含有ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する。本実施の形態では、燃料電池200に固体高分子形燃料電池(PEFC)を用いたが、いずれの種類の燃料電池であってもよく、他には、例えば、リン酸形燃料電池、または溶融炭酸塩形燃料電池等を用いることができる。
水素生成装置400から燃料電池200に至る水素供給経路41には封止器40を設置し、燃料電池200から加熱器20に至る燃料供給経路42と水素供給経路41にバイパス経路43を設置し、バイパス経路43にバイパス封止器44を設置した。
燃料電池システム500は制御器300を備える。制御器300は、演算部301の本体としての中央演算処理装置(CPU)と記憶部302を備えている。原料供給器31から改質器100に至る原料の供給路の途中に原料の供給量を検出する原料供給量検出器30が設けられ、その検出出力が演算部301に入力されている。
また、水供給器51から改質器100に至る水の供給路の途中に水の供給量を検出する水供給量検出器50が設けられ、その検出出力が演算部301に入力されている。原料供給量検出器30及び水供給量検出器50は、ここでは、それぞれ、マスフローメータ等の流量計で構成されている。
制御器300に備えられる記憶部302には、燃料電池システム500の各種の動作を制御するためのプログラムが格納されており、演算部301は、記憶部302から必要なプログラムを読み出してこれを実行することによって、燃料電池システム500の各種の動作を制御する。
燃料電池200から出力制御器61に至る電流経路には、発電電流検出器60が設けられ、その検出出力が演算部301に入力されている。発電電流検出器60はここでは、電流計で構成されている。また、この演算部301は、発電電流検出器60から得られた発電電流と出力制御器61から得られた発電電圧および発電時間より、発電量を検出することを可能としている。
制御器300に備える演算部301は、これらの検出出力を含む各種の検出出力を入力されて上述の各構成要素を制御することにより燃料電池システム500の全体の動作を制御する。
また、同じく制御器300に備えられる記憶部302には、燃料電池システム500の各種の動作を制御するためのプログラムが格納されており、演算部301は、記憶部302から必要なプログラムを読み出してこれを実行することによって、燃料電池システム500の各種の動作を制御する。
以下、実施の形態9の燃料電池システム500の動作、作用について説明する。なお、以下の動作、作用は、制御器300が水素生成装置400を制御することによって行われる。
水素生成装置400が起動すると、加熱器20における燃焼を開始する。このとき、封止器40を閉止し、バイパス封止器44を開放し、水素供給経路41から分岐して延び、加熱器20に至る燃焼用の燃料供給経路42がガス通気状態となっている。よって、原料供給器31の動作開始により原料が改質器100に供給されると、改質器100を通過し
た原料は、上記燃焼用の燃料供給経路42を用いて加熱器20に供給される。
同時に、空気供給器71の動作開始により、燃焼用の空気が加熱器20に供給される。加熱器20において、点火電極(図示せず)により着火動作がおこなわれ、燃焼用の空気を用いて、燃料の燃焼が起こる。このようにして、加熱器20から供給される燃焼熱により、改質器100が加熱される。
次いで、水供給器51の動作開始により、改質器100に水が供給される。水の供給開始後、改質器100で生成された水素含有ガスの組成が燃料電池200への供給に適した組成になった段階で、封止器40を開放、バイパス封止器44を閉止することで、燃料電池200に水素含有ガスが供給される。
燃料電池200は、酸化剤供給経路(図示せず)から供給される酸化剤ガスと水素含有ガスを反応させて発電する。
燃料電池システム500を停止させる場合、原料供給器31と水供給器51を停止させる。
水素生成装置400は、燃料電池200が必要とする水素の流量に応じて、原料の流量を変化させ、水素含有ガスを生成する。
本実施の形態では、水素生成装置400としては、水素含有ガス中の水素の流量を3NLMから9NLMまで供給可能であり、200Wから700Wの発電が可能な燃料電池システム500について説明する。原料として、単位量当りの発熱量が45MJ/mの都市ガスである13Aを用いた。
燃料電池200が200Wの発電電力量を必要とする場合は、原料の流量を1NLMとし、700Wの発電電力量を必要とする場合、原料の流量を3NLMとし、必要水素量を供給する。
図3に示すように、原料の流量の第1の閾値Aを2.4NLMと設定し、原料の流量が1NLM以上、2.4NLM以下の場合、原料の流量(Fi)と選択酸化空気の流量(Fa)が、
Fa=0.2148×Fi+0.005
の関係となるよう、原料の流量に応じて選択酸化空気の流量をフィードバック制御した。
例えば、選択酸化空気の流量は、原料の流量が1NLMのときは、0.21NLM供給し、選択酸化触媒の温度は130℃となった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、3ppmとなった。また、原料の流量が2.4NLMのときは、選択酸化空気の流量を0.51NLM供給し、選択酸化触媒の温度は158℃となった。
その際の水素含有ガス中のCO濃度は、4ppmとなった。CO除去器150に供給されるCOの流量は原料の流量に相関があり、原料の流量に基づき選択酸化空気の流量を制御するため、水素含有ガス中のCO濃度を低減するのに必要十分な選択酸化空気の流量を供給することができる。
一方、原料の流量が第1の閾値Aである2.4NLMより多く、3.0NLM以下の場合、原料の流量(Fi)と選択酸化触媒の温度(Tp)が、
Tp=11.7×Fi+130
の関係となるよう、原料の流量に応じて選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択
酸化空気の流量をフィードバック制御した。
例えば、原料の流量が2.5NLMのとき、選択酸化触媒の温度が159℃となるよう選択酸化空気の流量を制御し、選択酸化空気の流量は0.53NLMとなった。その際の燃料電池に供給される水素含有ガス中のCO濃度は、4ppmとなった。
また、原料の流量が3.0NLMのとき、選択酸化触媒の温度が165℃となるよう選択酸化空気の流量を制御し、選択酸化空気の流量は0.60NLMとなった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、5ppmとなった。
CO除去器150に供給される水素含有ガスが多い場合に、選択酸化触媒の温度が高くなるが、選択酸化触媒の温度を制御し、COからCOへの逆シフト反応を抑制できる温度にすることができる。
以上のように、本実施の形態の燃料電池システム500においては、原料の流量が2,4NLM以下の場合には、原料の流量と相関があるCOの流量に適した選択酸化空気の流量を供給するため、CO濃度を規定濃度以下とするのに必要十分な選択酸化空気の流量を供給できる。そのため、過剰に供給される選択酸化空気による、水素含有ガスに含まれる水素の酸化を抑制することができる。
また、原料の流量が2.4NLMより多い場合に、CO除去器150に供給される水素含有ガスの流量が多くなり、選択酸化触媒の温度が高くなるが、選択酸化触媒の温度に応じた選択酸化空気の流量を供給することで、COからCOへの逆シフト反応を抑制することができる。そのため、水素含有ガスに含まれるCO濃度を抑制することができる。
その結果、原料の流量が変化した場合でも、効率と信頼性を両立させた水素生成装置ならびに燃料電池システム500を提供することができる。
本実施の形態では、原料の流量の第1の閾値Aを2.4NLMと設定したが、この限りではなく、水素生成装置400および燃料電池システム500の構成、とくにCO除去器150に充填する選択触媒の量や、CO除去器150の形状による放熱量などにより適当な閾値を設定することができる。
(実施の形態10)
実施の形態10の燃料電池システムの構成については、実施の形態9と同様のため、説明を省略する。また、水素生成装置の動作・作用については、実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。
以下に、実施の形態10の燃料電池システム500の動作、作用について実施の形態9と異なる点について説明する。なお、以下の動作、作用は、制御器300が水素生成装置400を制御することによって行われる。
水素生成装置400は、燃料電池200が必要とする水素の流量に応じて、原料の流量を変化させ、水素含有ガスを生成する。
本実施の形態では、水素生成装置400としては、水素含有ガス中の水素の流量を3NLMから9NLMまで供給可能であり、200Wから700Wの発電が可能な燃料電池システム500について説明する。原料として、単位量当りの発熱量が45MJ/mの都市ガスである13Aを用いた。
燃料電池200が200Wの発電電力量を必要とする場合は、原料の流量を1NLMとし、700Wの発電電力量を必要とする場合、原料の流量を3NLMとし、必要水素量を供給する。
図5に示すように、選択酸化触媒の温度の第2の閾値Bを158℃と設定し、選択酸化触媒の温度が第2の閾値Bである158℃以下の場合、原料の流量(Fi)と選択酸化空気の流量(Fa)が、
Fa=0.2148×Fi+0.005
の関係となるよう、原料の流量に応じて選択酸化空気の流量をフィードバック制御した。
例えば、選択酸化空気の流量は、原料の流量が1NLMのときは、0.21NLM供給し、選択酸化触媒の温度は130℃となった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、3ppmとなった。また、原料の流量が2.4NLMのときは、選択酸化空気の流量を0.51NLM供給し、選択酸化触媒の温度は158℃となった。
その際の水素含有ガス中のCO濃度は、4ppmとなった。CO除去器150に供給されるCOの流量は原料の流量に相関があり、原料の流量に基づき選択酸化空気の流量を制御するため、水素含有ガス中のCO濃度を低減するのに必要十分な選択酸化空気の流量を供給することができる。
一方、選択酸化触媒の温度が第2の閾値Bである158℃より高い場合、原料の流量(Fi)と選択酸化触媒の温度(Tp)が、
Tp=11.7×Fi+130
の関係となるよう、原料の流量に応じて選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう選択酸化空気の流量をフィードバック制御した。
例えば、原料の流量が2.5NLMのとき、選択酸化触媒の温度が159℃となるよう選択酸化空気の流量を制御し、選択酸化空気の流量は0.53NLMとなった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、4ppmとなった。
また、原料の流量が3.0NLMのとき、選択酸化触媒の温度が165℃となるよう選択酸化空気の流量を制御し、選択酸化空気の流量は0.60NLMとなった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、5ppmとなった。
CO除去器150に供給される水素含有ガスが多い場合に、選択酸化触媒の温度が高くなるが、選択酸化触媒の温度を制御し、COからCOへの逆シフト反応を抑制できる温度にすることができる。
以上のように、本実施の形態の燃料電池システム500においては、選択酸化触媒の温度が158℃以下の場合には、原料の流量と相関があるCOの流量に適した選択酸化空気の流量を供給するため、CO濃度を規定濃度以下とするのに必要十分な選択酸化空気の流量を供給できる。そのため、過剰に供給される選択酸化空気による、水素含有ガスに含まれる水素の酸化を抑制することができる。
また、選択酸化触媒の温度が158℃より高い場合に、CO除去器150に供給される水素含有ガスの流量が多くなり、選択酸化触媒の温度が高くなるが、選択酸化触媒の温度に応じた選択酸化空気の流量を供給することで、COからCOへの逆シフト反応を抑制することができる。そのため水素含有ガスに含まれるCO濃度を抑制することができる。
また、原料の流量が多くなる以外の影響で選択触媒の温度が上がった場合に、選択酸化
空気の流量を制御し、選択酸化触媒の温度を所定の温度にするため、CO濃度を抑制することができる。その結果、原料の流量が変化した場合でも、効率と信頼性を両立させた水素生成装置ならびに燃料電池システム500を提供することができる。
本実施の形態では、選択酸化触媒の温度の第2の閾値Bを158℃と設定したが、この限りではなく、水素生成装置400および燃料電池システム500の構成、とくにCO除去器150に充填する選択触媒の量や、CO除去器150の形状による放熱量などにより適当な閾値を設定することができる。
上記の説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造、機能の両者もしくはいずれかの詳細を実質的に変更できる。
以上のように、本発明にかかる水素生成装置およびそれを用いた燃料電池システム並びにその運転方法は、原料の流量が少ない場合に効率を、原料の流量が多い場合に信頼性を確保できるため、商品性の高い水素生成装置及び燃料電池システムに応用できる。
10 脱硫器
20 加熱器
30 原料供給量検出器
31 原料供給器
40 封止器
41 水素供給経路
50 水供給量検出器
51 水供給器
60 発電電流検出器
61 出力制御器
70 空気供給量検出器
71 空気供給器
80 改質器温度検知器
91 選択酸化空気供給量検出器
92 選択酸化空気供給器
100 改質器
150 CO除去器
200 燃料電池
201 水素利用機器
300 制御器
301 演算部
302 記憶部
400 水素生成装置
500 燃料電池システム

Claims (11)

  1. 炭化水素を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器と、
    前記水素含有ガスに含まれるCOを選択酸化反応により低減させる選択酸化触媒が充填されたCO除去器と、
    前記改質器に前記原料を供給する原料供給器と、
    前記CO除去器に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器と、
    前記CO除去器の温度を検知する温度検知器と、
    制御器と、
    を備え、
    前記制御器は、前記原料の流量が、前記原料の流量の第1の閾値以下である場合に、前記選択酸化空気の流量を前記原料の流量に応じて制御し、前記原料の流量が第1の閾値より多い場合に、選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう前記選択酸化空気の流量を制御する、
    水素生成装置。
  2. 炭化水素を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器と、
    前記水素含有ガスに含まれるCOを選択酸化反応により低減させる選択酸化触媒が充填されたCO除去器と、
    前記改質器に前記原料を供給する原料供給器と、
    前記CO除去器に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器と、
    前記CO除去器の温度を検知する温度検知器と、
    制御器と、
    を備え、
    前記制御器は、前記選択酸化触媒の温度が、前記選択酸化触媒の温度の第2の閾値以下である場合に、前記選択酸化空気の流量を前記原料の流量に応じて制御し、
    前記選択酸化触媒の温度が第2の閾値より高い場合に、選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう前記選択酸化空気の流量を制御する、
    水素生成装置。
  3. 前記制御器は、前記原料の流量が、前記原料の流量の前記第1の閾値以下である場合に、前記選択酸化空気の流量が第3の閾値以上となるよう制御し、
    前記原料の流量の前記第1の閾値より多い場合に、前記選択酸化空気の流量の第3の閾値と異なる第4の閾値以上となるよう制御する、請求項1に記載の水素生成装置。
  4. 前記制御器は、前記原料の流量が、前記原料の流量の前記第1の閾値以下である場合に、前記選択酸化空気の流量と前記原料の流量の比が第5の閾値以上となるよう制御し、
    前記原料の流量が前記閾値より多い場合に、前記選択酸化空気の流量と前記原料の流量の比が第5の閾値と異なる第6の閾値以上となるよう制御する、請求項1に記載の水素生成装置。
  5. 前記制御器は、前記選択酸化触媒の温度が、前記選択酸化触媒の温度の前記第2の閾値以下である場合に、前記選択酸化空気の流量の第7の閾値以上となるよう制御し、
    前記選択酸化触媒の温度の前記閾値より高い場合に、前記選択酸化空気の流量の第7の閾値と異なる第8の閾値以上となるよう制御する、請求項2に記載の水素生成装置。
  6. 前記制御器は、前記選択酸化触媒の温度が、前記選択酸化触媒の温度の第2の閾値以下である場合に、前記選択酸化空気の流量と前記原料の流量の比が第9の閾値以上となるよう制御し、
    前記選択酸化触媒の温度が前記閾値Dより高い場合に、前記選択酸化空気の流量と前記
    原料の流量の比が第9の閾値未満である第10の閾値以上となるよう制御する、請求項2に記載の水素生成装置。
  7. 前記制御器は、前記原料中の水素と炭素の比であるH/Cに応じて予め設定された、前記原料の流量の前記第1の閾値に基づき制御する、請求項1、3、4のいずれか1つに記載の水素生成装置。
  8. 前記制御器は、前記原料中の水素と炭素の比であるH/Cに応じて予め設定された、前記選択酸化触媒の温度の前記第2の閾値に基づき制御する、請求項2、5、6のいずれか1つに記載の水素生成装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の水素生成装置と、前記水素生成装置より供給される水素含有ガスを用いて発電する燃料電池とを備える燃料電池システム。
  10. 炭化水素を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器と、
    前記水素含有ガスに含まれるCOを選択酸化反応により低減させる選択酸化触媒が充填されたCO除去器と、
    前記改質器に前記原料を供給する原料供給器と、
    前記CO除去器に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器と、
    前記CO除去器の温度を検知する温度検知器と、
    制御器と、
    を備えた水素生成装置の運転方法であって、
    前記原料の流量が、前記原料の流量の第1の閾値以下である場合に、前記選択酸化空気の流量を前記原料の流量に応じて制御し、前記原料の流量の第1の閾値より多い場合に、選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう前記選択酸化空気の流量を制御するステップを備えた、
    水素生成装置の運転方法。
  11. 炭化水素を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器と、
    前記水素含有ガスに含まれるCOを選択酸化反応により低減させる選択酸化触媒が充填されたCO除去器と、
    前記改質器に前記原料を供給する原料供給器と、
    前記CO除去器に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器と、
    前記CO除去器の温度を検知する温度検知器と、
    制御器と、
    を備えた水素生成装置の運転方法であって、
    前記選択酸化触媒の温度が、前記選択酸化触媒の温度の第2の閾値以下である場合に、前記選択酸化空気の流量を前記原料の流量に応じて制御し、
    前記選択酸化触媒の温度が第2の閾値より高い場合に、選択酸化触媒の温度が所定の温度となるよう前記選択酸化空気の流量を制御するステップを備えた、
    水素生成装置の運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020246197A1 (ja) * 2019-06-04 2020-12-10 パナソニックIpマネジメント株式会社 水素生成装置およびそれを用いた燃料電池システム並びにその運転方法

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