JP2017019672A - 水素生成装置およびそれを用いた燃料電池システム並びに水素生成装置の運転方法 - Google Patents

水素生成装置およびそれを用いた燃料電池システム並びに水素生成装置の運転方法 Download PDF

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知之 中嶋
貴広 楠山
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貴広 楠山
千絵 原田
Chie Harada
千絵 原田
麻生 智倫
Tomonori Aso
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Abstract

【課題】原料に窒素化合物が含まれ、改質器にてアンモニアを生成する場合でも、運転効率の高い水素生成装置並びに燃料電池システムを提供する。
【解決手段】炭化水素および窒素化合物を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器100と、選択酸化触媒が充填されたCO除去器150と、改質器100に原料を供給する原料供給器31と、CO除去器150に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器92と、制御器300と、を備え、制御器300は、CO除去器150への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、原料供給器31が原料の供給量を所定供給量まで低減し、選択酸化空気供給器92が選択酸化空気の供給を停止するように原料供給器31と選択酸化空気供給器92とを制御する、水素生成装置400。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素含有ガスを生成する水素生成装置及びそれを備える燃料電池システムに関するものである。
小型装置でも高効率発電ができる燃料電池コージェネレーションシステム(以下、単に「燃料電池システム」という)は、分散型エネルギー供給源の発電装置として開発が進められている。
この燃料電池システムは、発電部の本体として、燃料電池を備えている。この燃料電池としては、例えば、リン酸形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池、アルカリ水溶液形燃料電池、固体高分子形燃料電池、或いは、固体電解質形燃料電池等が用いられる。
これらの燃料電池の内で、リン酸形燃料電池や固体高分子形燃料電池(略称、「PEFC」)は、発電運転の際の動作温度が比較的低いため、燃料電池システムを構成する燃料電池として好適に用いられる。特に、固体高分子形燃料電池は、リン酸形燃料電池と比べて、電極触媒の劣化が少なく、かつ電解質の逸散が発生しないため、携帯用電子機器や電気自動車等の用途において特に適に用いられる。
さて、燃料電池の多く、例えば、リン酸形燃料電池や固体高分子形燃料電池は、発電運転の際に水素を燃料として用いる。しかし、それらの燃料電池において発電運転の際に必要となる水素の供給手段は、通常、インフラストラクチャとして整備されてはいない。
従って、リン酸形燃料電池や固体高分子形燃料電池を備える燃料電池システムにより電力を得るためには、その燃料電池システムの設置場所において、燃料としての水素を生成する必要がある。
このため、燃料電池システムは、通常、改質器を有する水素生成装置を備える。改質器では、一般的な原料インフラガスである都市ガス、天然ガス或いはLPGから水素含有ガスが、改質反応(一般的には水蒸気改質反応)により生成される。
この水蒸気改質反応では、原料となる都市ガス等と水蒸気とをNi系またはRu系等の貴金属系の改質触媒を用いて、600℃〜700℃程度の高温で反応させることにより、水素を主成分とした水素含有ガスが生成される。水素含有ガスにはCOが含まれるが、特に固体高分子型燃料電池はCOによる電極被毒が起こりやすいため、供給される水素含有ガス中のCO濃度を数十体積ppmに低減する必要がある。
そこで、改質器の後段に設けられたCO除去器にて、水素含有ガスに選択酸化空気を加え、水素含有ガス中に含まれるCOを選択的に酸化させることによってCO濃度を低減する。この選択酸化反応では、Ruなど貴金属系の選択酸化触媒が用いられる。
ところで、水素生成装置の改質器に原料として供給される天然ガスは、通常、微量の窒素を含有している。この窒素の含有率は、例えば、天然ガスを供給する地域により異なっている。
そして、燃料電池システムの発電運転の際、この窒素を含有する天然ガスが水素生成装
置の改質器に供給されると、その改質器が備える改質触媒上において、水蒸気改質反応により生成される水素と窒素との化学反応が進行することにより、アンモニアが生成されることがある。
ここで、CO除去器に設けられた選択酸化触媒の触媒種によっては、改質器で生成されたアンモニアにより被毒される場合がある。このアンモニアによる選択酸化触媒の被毒は、CO除去器のCO除去性能を著しく低下させる。これは、固体高分子形燃料電池における電極触媒のCOによる被毒の原因となり、固体高分子形燃料電池の発電性能を著しく低下させる。
つまり、上述のように、改質器の改質触媒上でアンモニアが生成されると共に、CO除去器の選択酸化触媒がアンモニアに対して被毒する金属を含有する場合、水素生成装置の運転時間が長くなるにしたがって、選択酸化触媒の被毒が進行し、燃料電池システムから安定した電力を得ることはできない。
そこで、選択酸化触媒の動作温度を通常よりも高くして、還元反応により選択酸化触媒上から被毒物質を脱離させる再生動作を行うことで、CO濃度が十分に低減された水素含有ガスを供給する方法、及び、選択酸化触媒が被毒されてCO濃度を十分に低減できない状態に陥る前に、燃料電池の発電および選択酸化空気の供給を停止し、還元雰囲気下で選択酸化触媒の再生動作を行う方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2007−186381号公報
しかしながら、上記従来の方法では、水素生成装置の運転中にCO除去器の動作温度を通常よりも高くするものであり、十分な還元雰囲気にならないため、選択酸化触媒の再生効果が十分ではない。
また、選択酸化触媒を十分に再生させるために選択酸化空気の供給を停止させると、CO濃度を十分に低減した水素含有ガスを供給できないため、燃料電池の発電を停止させる必要があり、燃料電池システムを長時間運転することができないという課題があった。
本発明は、上記従来の課題に鑑み、十分にCO濃度を低減した水素含有ガスを供給し続けることが可能な水素生成装置を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の水素生成装置は、改質器で生成された水素含有ガスに含まれるCO濃度を選択酸化反応により低減させる選択酸化触媒が充填されたCO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、原料供給器が改質器への原料の供給量を所定供給量まで低減し、選択酸化空気供給器がCO除去器への選択酸化空気の供給を停止するように構成したのである。
これによって、CO除去器への選択酸化空気の供給を停止し、CO除去器の選択酸化触媒を十分な還元雰囲気にすることで、選択酸化触媒をアンモニアによる劣化状態から再生することができる。また、原料の供給量を所定供給量まで低減し、選択酸化触媒を通過する水素含有ガスの流量を低減することで、選択酸化触媒に対する水素含有ガスの空間速度(以下、SVと称す)を低減することができる。
そのため、メタン化反応の反応時間を十分に与えることができ、CO濃度を十分に低減することができる。その結果、水素生成装置の運転を停止することなく、十分にCO濃度を低減した水素含有ガスを供給し続けることが可能となり、水素生成装置を長時間連続運転できる。
本発明の水素生成装置によれば、炭化水素および窒素化合物を含む原料を用いた水素生成装置の運転を停止することなく、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作が可能となり、CO濃度を低減した水素含有ガスの連続供給が可能となる。その結果、燃料電池システムの起動停止回数を少なくすることができるため、一次エネルギー削減量をより大きくすることができる。
本発明の実施の形態1、2および4にかかる水素生成装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1、2、3、4および5にかかる水素生成装置の原料の供給量および選択酸化空気の供給量の制御方法を示すフローチャート 本発明の実施の形態2にかかる水素生成装置の原料供給量と水素含有ガス中のCO濃度の関係を示す特性図 本発明の実施の形態3にかかる水素生成装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態3にかかる水素生成装置のCO除去器の温度と水素含有ガス中CO濃度の関係を示す特性図 本発明の実施の形態5に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図
第1の発明は、炭化水素および窒素化合物を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器と、前記水素含有ガスに含まれるCO濃度を選択酸化反応により低減させる選択酸化触媒が充填されたCO除去器と、前記改質器に前記原料を供給する原料供給器と、前記CO除去器に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器と、制御器と、を備え、前記制御器が、前記CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、前記原料供給器が前記原料の供給量を所定供給量まで低減し、前記選択酸化空気供給器が前記選択酸化空気の供給を停止するように前記原料供給器と前記選択酸化空気供給器とを制御する、水素生成装置である。
上記構成において、選択酸化空気を停止し、選択酸化触媒を十分な還元雰囲気にすることで、選択酸化触媒をアンモニア被毒によるCO除去性能が低下した状態から再生することができる。また、原料の供給量を所定供給量まで低減し、選択酸化触媒を通過する水素含有ガスの流量を低減することで、選択酸化触媒に対する水素含有ガスのSVを低減することができる。
そのため、メタン化反応の反応時間を十分に与えることができ、CO濃度を十分に低減することができる。その結果、炭化水素および窒素化合物を含む原料を用いた水素生成装置の運転を停止することなく、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作が可能となり、CO濃度を低減した水素含有ガスの連続供給が可能となる。そのため、水素生成装置の起動停止回数を少なくすることができるため、水素生成装置の一次エネルギー削減量をより大きくすることができる。
第2の発明は、特に第1の発明において、前記原料の所定供給量を、前記選択酸化空気供給器が選択酸化空気の供給を停止した場合における、前記CO除去器から排出される水
素含有ガス中のCO濃度が閾値以下となる原料の供給量の閾値以下の供給量としたものである。
上記構成において、水素含有ガス中のCO濃度が閾値以下となるように原料の供給量の所定供給量の上限を設定するため、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作を行う際、水素含有ガス中のCO濃度が高いことによる水素利用機器の性能低下の抑制を確実にすることができる。また、原料の供給量を原料の供給量の上限以下に制御するため、水素利用機器の必要とする水素含有ガスの流量を適切に供給することができる。
第3の発明は、特に第1の発明に加えて、前記CO除去器を加熱する加熱器と、前記CO除去器の温度を検知する温度検知器と、をさらに備え、前記制御器が、前記CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になるまでは、前記温度検知器で検知される前記CO除去器の温度を第1の下限温度以上になるように前記加熱器を制御し、前記CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、前記温度検知器で検知される前記CO除去器の温度が第1の下限温度より高い第2の下限温度以上なるように前記加熱器を制御するのである。
上記構成において、選択酸化空気を供給しているときよりも停止しているときに選択酸化触媒の温度下限を高くすることで、水素含有ガス中のCO濃度を十分に低くすることができる。
第4の発明は、特に第1の発明に加えて、前記CO除去器を加熱する加熱器と、前記CO除去器の温度を検知する温度検知器と、をさらに備え、前記制御器が、前記CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になるまでは、前記温度検知器で検知される前記CO除去器の温度を第1の上限温度以下となるように前記加熱器を制御し、前記CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、前記温度検知器で検知される前記CO除去器の温度が第1の上限温度より高い第2の上限温度以下となるように前記加熱器を制御するのである。
上記構成において、選択酸化空気を供給しているときよりも停止しているときに選択酸化触媒の温度上限を高くすることで、選択酸化触媒を還元雰囲気で高温にさらすことができるため、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生の効果を高くすることができる。
第5の発明は、特に第1から第4のいずれかの発明に加えて、前記水素生成装置から供給される水素含有ガスを用いる水素利用機器を備え、前記原料の所定供給量を、前記水素利用機器への水素含有ガスの供給量の下限に応じて決まる原料の流量の閾値以上の供給量としたものである。
上記構成において、原料の供給量に下限を設けることで水素含有ガスの供給量の下限を設定するため、水素利用機器が必要とする水素含有ガスを下回ることがなく、水素利用機器を安定的に運転可能な水素生成装置となる。
第6の発明は、特に第1から第5のいずれかの発明の水素生成装置と、前記水素生成装置より供給される水素含有ガスを用いて発電する燃料電池とを備える燃料電池システムである。
上記構成において、炭化水素および窒素化合物を含む原料を用いた水素生成装置の運転を停止することなく、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生
動作が可能となり、水素生成装置はCO濃度を低減した水素含有ガスの連続供給が可能となる。その結果、燃料電池の発電を連続運転可能となり、燃料電池システムの起動停止回数を少なくすることができるため、燃料電池システムの一次エネルギー削減量をより大きくすることができる。
第7の発明は、炭化水素および窒素化合物を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器と、前記水素含有ガスに含まれるCO濃度を選択酸化反応により低減させる選択酸化触媒が充填されたCO除去器と、前記改質器に前記原料を供給する原料供給器と、前記CO除去器に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器と、を備えた、水素生成装置の運転方法であって、前記CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、前記原料供給器が原料の供給量を低減し、前記選択酸化空気供給器が選択酸化空気の供給を停止するのである。
上記運転方法により、選択酸化触媒を十分な還元雰囲気にすることで、選択酸化触媒をアンモニア被毒によるCO除去性能が低下した状態から再生することができる。また、原料の供給量を所定供給量まで低減し、選択酸化触媒を通過する水素含有ガスの流量を低減することで、選択酸化触媒に対する水素含有ガスのSVを低減することができる。
そのため、メタン化反応の反応時間を十分に与えることができ、CO濃度を十分に低減することができる。その結果、炭化水素および窒素化合物を含む原料を用いた水素生成装置の運転を停止することなく、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作が可能となり、CO濃度を低減した水素含有ガスの連続供給が可能となる。そのため、水素生成装置の起動停止回数を少なくすることができるため、水素生成装置の一次エネルギー削減量をより大きくすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるわけではない。また、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる水素生成装置の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態の水素生成装置400は、水素含有ガスを生成する改質器100と、改質器100の温度を検知する改質器温度検知器80と、改質器100に原料を供給する原料供給器31と、原料供給器31からの原料の供給量を検出する原料供給量検出器30と、原料供給器31から供給される原料に含まれる硫黄化合物を除去する脱硫器10と、改質器100に水を供給する水供給器51と、水供給器51からの水の供給量を検出する水供給量検出器50と、改質器100を加熱する加熱器20と、加熱器20に空気を供給する空気供給器71と、空気供給器71からの空気の供給量を検出する空気供給量検出器70と、改質器100が生成する水素含有ガス中のCO濃度を低減するCO除去器150と、CO除去器150の温度を検知するCO除去器温度検知器90と、水素生成装置400を制御する制御器300とを備える。
そして、改質器100で生成された水素含有ガスは、水素供給経路41を介して水素利用機器201に供給される。
原料及び水蒸気を用いて改質反応により水素含有ガスを生成する改質器100は、ステンレス構造体で構成され、改質反応を進行させる改質触媒が充填される。改質触媒には、アルミナビーズを担体としてRuを担持させたものを用いた。改質器100での改質反応
には、550℃から660℃の反応熱が必要であり、加熱器20を改質器100と隣接させ加熱する方法を用いる。
原料には、ガス会社から配管を通じて各家庭等に供給される都市ガス(13A)を用いる。都市ガスには、ガス漏洩を検知するために、主に硫黄化合物からなる付臭剤が少なくとも一種類以上含有され、付臭が行われている。
これら付臭剤に含まれる硫黄化合物は、改質触媒を硫黄被毒し劣化させてしまう。そのため、予め、脱硫器10にて硫黄化合物を取り除いた原料を、改質器100に供給した。脱硫器10には、ステンレス構造体を有する脱硫容器に、常温用吸着脱硫剤である銀をイオン交換したゼオライトを充填した吸着脱硫器を常温で用いる。
改質器温度検知器80は、熱電対によって構成され、改質器100の温度を検知する。改質器温度検知器80は、改質器100の内部に設けた鞘管に設置され、触媒温度を直接測定する。
原料を改質器100に供給する原料供給器31には、昇圧器及び流量調整弁の組み合わせを用いる。
水供給器51は、ポンプ及び流量調整弁の組み合わせによって構成され、水を改質器100に供給する。水供給量検出器50によって水の供給量の調整を行う。
加熱器20は、燃焼器により構成され、改質器100を加熱する。加熱器20の燃料には、改質器100にて改質反応を行わずに排出される原料、もしくは、改質器100より排出される水素含有ガスの一部もしくは全部を用いる。
空気供給器71は、ファンによって構成され、加熱器20に燃焼空気を供給する。
CO除去器150は、選択酸化反応、メタン化反応のうち、少なくとも一つの反応を用い、改質器100から出た水素含有ガス中のCO濃度を水素利用機器201が要求する濃度、例えば10ppm以下まで低減させる。
CO除去器150には、アルミナビーズを担体としてRuを担持させた選択酸化触媒を充填する。CO除去器150での選択酸化反応には、100℃から200℃の反応熱が必要であり、CO除去器150を相対的に高温である改質器100と隣接させ、伝熱により加熱する方法を用いる。
選択酸化空気供給器92は、ファンによって構成され、CO除去器150に選択酸化空気を供給する。
CO除去器150の温度を検知するCO除去器温度検知器90は、熱電対によって構成され、CO除去器150の内部に設けた鞘管に設置され、CO除去器150の選択酸化触媒の触媒温度を直接測定する。
水素生成装置400を制御する制御器300は、演算部301と、制御プログラムを記憶する記憶部302とを備える。演算部301にはMPU、記憶部302にはメモリを用いる。記憶部302には、水素生成装置400の各種の動作を制御するためのプログラムが格納されており、演算部301は、記憶部302から必要なプログラムを読み出してこれを実行することによって、水素生成装置400の各種の動作を制御する。
原料供給器31から改質器100に至る原料の供給路の途中に原料の供給量を検出する原料供給量検出器30が設けられ、水供給器51から改質器100に至る水の供給路の途中に水の供給量を検出する水供給量検出器50が設けられている。原料供給量検出器30及び水供給量検出器50は、それぞれ流量計で構成され、それぞれの検出出力が演算部301に入力されている。
選択酸化空気供給器92からCO除去器150に至る選択酸化空気の供給路の途中に選択酸化空気の供給量を検出する選択酸化空気供給量検出器91が設けられ、選択酸化空気供給量検出器91の検出出力が演算部301に入力されている。選択酸化空気供給量検出器91は、流量計で構成されている。
空気供給器71から加熱器20に至る空気の供給経路の途中に空気の供給量を検出する空気供給量検出器70が設けられ、空気供給量検出器70の検出出力が演算部301に入力されている。空気供給量検出器70は流量計で構成され、空気供給量検出器70によって空気の供給量の調整を行う。
以上のように構成された本実施の形態の水素生成装置400について、その動作、作用について説明する。なお、以下の動作、作用は、制御器300が水素生成装置400を制御することによって行われる。
水素生成装置400は、水素利用機器201が必要とする水素の流量に応じて、原料の供給量を変化させ、水素含有ガスを生成する。実施の形態1では、水素含有ガス中の水素の流量を3NLMから9NLMまで供給可能な水素生成装置400について説明する。原料としてN濃度3%を含む都市ガス13Aを用いる。
累積アンモニア供給時間(T1)は、水素生成装置400の運転を開始してからCO除去器150の選択酸化触媒に供給される累積アンモニア供給量が、アンモニアによる被毒によって選択酸化触媒の劣化が進行し、水素生成装置400の出口における水素含有ガス中のCO濃度が、再生動作が必要となる所定のCO濃度(10ppm)に到達するまでの累積アンモニア供給量(上限界)に到達すると想定される連続運転時間(具体的には40時間)として定義される。
水素生成装置400の運転時、CO除去器150への累積アンモニア供給時間(T1)が所定の閾値である40時間に達するまでは、水素利用機器201が必要とする水素の流量に応じて、原料の供給量を制御する。このとき、関係式(1)に示すように、原料の供給量(Fi)に応じて選択酸化空気の供給量(Fa)を制御する。
Fa=0.2148×Fi+0.005・・・(1)
例えば、水素含有ガス中の水素の流量を3NLM必要とするとき、原料の供給量を1NLM、選択酸化空気の供給量を0.21NLM供給し、選択酸化触媒の温度は150℃となった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、2ppmとなった。
また、水素含有ガス中の水素の流量を9NLM必要とするとき、原料の供給量を3NLM、選択酸化空気の供給量を0.64NLM供給し、選択酸化触媒の温度は170℃となった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、5ppmとなった。
ここで、原料中に約3%の窒素を含む都市ガスの場合、平衡から計算すると、600〜700℃で約20ppmのアンモニアが生成される。実施の形態1では、改質触媒としてルテニウム触媒を用い、改質触媒出口の温度を650℃程度に保った場合、改質触媒後のアンモニア濃度は約10ppmであった。
改質触媒で生成したアンモニアは、CO除去器150の選択酸化触媒に供給される。つまり、実施の形態1では、水素生成装置400の運転中、改質器100からCO除去器150に向けて約10ppmの濃度でアンモニアが常時供給される。
アンモニアを含む水素含有ガスが改質器100からCO除去器150に供給される場合は、CO除去器150における選択酸化触媒の被毒が経時的に進行し、CO低減性能が経時的に低下する。
実施の形態1では、水素生成装置400の運転開始直後は、原料の供給量が3NLMであった場合CO濃度が5ppmまで低減された水素含有ガスが排出されるが、運転開始から約40時間経過した後に、水素生成装置400から排出される水素含有ガスに含まれるCO濃度は約10ppmまで上昇した。さらに運転を継続させると、運転開始から約50時間後にはCO濃度は約20ppmまで上昇する。
水素利用機器201が固体高分子形燃料電池である場合、水素生成装置400から供給される水素含有ガス中のCO濃度が上昇するにつれて、運転開始直後から運転開始約40時間後までに出力が約5%低下する。
ここで、水素生成装置400の連続運転を行うことにより、選択酸化触媒のCO低減性能が低下するメカニズムは、選択酸化触媒のルテニウム上で、反応式(2)に示す、選択酸化空気に含まれる酸素と水素含有ガスに含まれるアンモニアとの化学反応が進行し、生成されたニトロシル(NO)が、ルテニウム上に吸着し、選択酸化触媒が被毒される。これにより、CO除去器150の選択酸化触媒の触媒活性が低下することが挙げられる。
4NH+5O→4NO+6HO・・・(2)
そこで、実施の形態1では、水素生成装置400において、CO除去器150の選択酸化触媒の被毒が進行して、改質器100から供給される水素含有ガス中のCO濃度を十分に低減できない状態に陥る前に、制御器300がCO除去器150の選択酸化触媒の再生処理(再生動作)が実施されるように制御する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る水素生成装置400の原料の供給量および選択酸化空気の供給量の制御方法を示すフローチャートである。
制御器300は、水素生成装置400の運転開始要求が発生する(S11)と、水素生成装置400は運転を開始し、CO除去器150で水素含有ガス中のCOを酸化反応により除去し、CO除去器150への累積アンモニア供給時間(T1)が所定の閾値である40時間以上になる(S12)と、原料の供給量を所定量まで低減し、選択酸化空気の供給を停止する再生動作を行う(S13)。
再生動作開始からの経過時間(T2)は、選択酸化触媒の再生動作を開始してからの経過時間(具体的には約1時間)として定義される。
制御器300は、再生動作開始からの経過時間(T2)が所定の閾値である1時間以上になる(S14)と、選択酸化空気の供給を開始し、原料の供給量を通常制御にし(S15)、選択酸化触媒の再生動作を終了させ、水素生成装置400の運転停止要求が発生しない(S16)場合には、累積アンモニア供給時間(T1)及び再生動作開始からの経過時間(T2)を初期値(0時間)にリセットする(S17)ように構成されている。
選択酸化触媒は、1時間の再生動作が終了するまでに、改質器100から供給される水
素含有ガス中のCO濃度を十分に低減することができる状態にまで再生され、再び、累積アンモニア供給時間(T1)が所定の閾値である40時間以上になる(S12)まで水素含有ガス中のCO濃度を低減し続ける。
一方、水素生成装置400の運転停止要求が発生する(S16)と、水素生成装置400は運転を停止するように構成されている。
選択酸化触媒の再生動作において、CO除去器150の選択酸化触媒への選択酸化空気の供給が遮断されて酸素の供給が遮断されると、反応式(3)に示す、選択酸化触媒のルテニウムの上に吸着したNOと改質器100からCO除去器150に供給される水素含有ガスに含まれる水素との化学反応が進行することによって、NOがアンモニアに還元される。
5H+2NO→2NH+2HO・・・(3)
反応式(2)が進行して還元により生成されたアンモニアは、その後、選択酸化触媒から容易に脱離する。これにより、選択酸化触媒の被毒状態が解消され、選択酸化触媒はその触媒活性を取り戻す。つまり、CO除去器150の選択酸化触媒は、改質器100から供給される水素含有ガス中のCO濃度を十分に低減することができる状態にまで再生される。
また、CO除去器150の選択酸化触媒の再生動作が行われている間、選択酸化空気の供給を停止しているが、原料の供給量を所定量まで低減するため、水素含有ガス中のCO濃度は、選択酸化触媒において、反応式(4)に示すメタン化反応が進行することによって、十分低減することができる。
CO+2H→CH・・・(4)
原料の供給量の所定量を1.2NLMとし、原料の供給量を1.2NLMとしたとき、選択酸化触媒の温度は163℃となった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、9ppmとなった。
これは、選択酸化空気を用いる選択酸化反応に比べるとCO低減性能が低いメタン化反応であるが、原料の供給量を所定量以下とし、選択酸化触媒を通過するガス流量を低減させることで、SVを低減させ、反応時間を十分に与えることで、メタン化反応によってCO濃度を十分に低減させることができるためである。
以上のように、実施の形態1の水素生成装置400においては、CO除去器150への累積アンモニア供給量に相関するパラメータである累積アンモニア供給時間(T1)が40時間以上になると、原料供給器31が原料の供給量を1.2NLMまで低減し、選択酸化空気の供給を停止する。
これによって、選択酸化空気を停止するため、選択酸化触媒を十分な還元雰囲気にすることができるため、選択酸化触媒をアンモニア被毒によるCO除去性能が低下した状態から再生することができる。
また、原料の供給量を所定供給量まで低減することで、選択酸化触媒を通過する水素含有ガスの流量を低減させ、選択酸化触媒に対する水素含有ガスのSVを低減させ、反応時間を十分に与えることで、メタン化反応によってCO濃度を十分に低減させることができる。
その結果、炭化水素および窒素化合物を含む原料を用いた水素生成装置400の運転を
停止することなく、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作が可能となり、CO濃度を低減した水素含有ガスの連続供給が可能となる。
その結果、水素利用機器201が固体高分子形燃料電池である場合の燃料電池システムの起動停止回数を少なくすることができるため、一次エネルギー削減量をより大きくすることが可能な水素生成装置400となる。
なお、実施の形態1では、上記の水素生成装置400の構成を用いたが、これに限るものではない。改質器100における水素含有ガスの生成のために、水蒸気改質反応を用いたが、原料から水素含有ガスが生成される反応であれば、いずれの反応でもよく、他にオートサーマル反応、部分酸化反応などが例示され、その組み合わせでもよい。
また、改質触媒に、アルミナビーズを担体としてRuを担持させたものを用いたが、改質反応を進行させることが可能であり、窒素化合物と水素からアンモニアを生成する、Ru及びNiから選択される少なくとも1種の触媒金属を含む触媒であっても構わない。また、担体としてハニカムを用いてもよい。
また、本実施の形態では、選択酸化触媒に、アルミナビーズを担体としてRuを担持させたものを用いたが、選択酸化反応もしくはメタン化反応のいずれかを進行させることが可能であれば、いずれの触媒であっても構わない。一般的に、Ruの他に、Pt、Rh、Pd及びNiからなる群の中から選択される少なくとも1種が好適に用いてもよい。
また、改質器100とCO除去器150の間に水性シフト反応により水素含有ガス中のCO濃度を低減するCO変成器(図示せず)を設ける形態であっても構わない。CO変成器には、変成触媒が充填される。変成触媒としては、Cu、Zn、Ptなどの金属が例示される。
また、原料として窒素化合物を含む都市ガスを用いたが、少なくとも炭素及び水素を構成元素とする有機化合物が含まれていればよく、具体的には、天然ガス、都市ガス、LPG、LNG等の炭化水素、及びメタノール、エタノール等のアルコールが例示される。
また、CO除去器150を改質器100に隣接させ、伝熱によりCO除去器150を加熱する方法を用いたが、加熱器20により直接加熱する方法を用いてもよく、併用してもよい。
また、原料供給器31には、昇圧器及び流量調整弁の組み合わせを用いたが、少なくともいずれか一方により構成されればよい。
また、加熱器20には燃焼器を用いたが、燃焼器の代わりにヒータを用いてもよいし、燃焼器とヒータとを併用してもよい。加熱器20の燃料には、改質器100にて改質反応を行わずに排出される原料、もしくは、改質器100より排出される水素含有ガスを用いたが、燃料供給器(図示せず)から直接供給される燃料を用いてもよい。
加熱器20に供給される水素含有ガスは、改質器100から加熱器20に直接供給されてもよいし、水素利用機器201を経由し、水素利用機器201から排出されて加熱器20に供給されてもよい。加熱器20において、燃料供給器(図示せず)から水素含有ガスに燃料を追加して燃焼されてもよい。また、CO除去器150を加熱するために加熱器20とは別の加熱手段を設けてもよい。
また、選択酸化空気供給器92には、ファンを用いたが、ファン及びポンプの少なくと
もいずれか一方により構成されればよい。選択酸化空気供給量検出器91によって空気の供給量の調整を行ったが、操作量に基づいて供給量を調整してもよい。
なお、実施の形態1では、上記の水素生成装置400の運転方法を用いたが、これに限るものではない。選択酸化空気の供給を停止したが、選択酸化空気の供給量を低減することで、選択酸化触媒の還元処理を促してもよい。また、選択酸化触媒の再生動作の繰り返しに上限を設けてもよい。
また、実施の形態1では、累積アンモニア供給量に相関するパラメータとして、累積アンモニア供給量が上限界に到達すると想定される連続運転時間と定義したが、より安全には、累積アンモニア供給量が、上限界未満の所定値に到達すると想定される連続運転時間(例えば、30時間)として定義しても構わない。
また、累積アンモニア供給量に相関するパラメータとしては、水素生成装置400の累積運転時間、改質器100への累積原料供給量、水素生成装置400の下流に設置される燃料電池の累積発電量等、累積アンモニア供給量に相関するパラメータであれば、いずれのパラメータであっても構わない。
また、選択酸化触媒の再生動作として、原料の供給量を所定供給量である1.2NLMまで低減したが、原料の供給量の所定供給量は、この値に限るものでない。特に、選択酸化触媒のメタン化反応によるCO低減性能や触媒充填量により、適切に設定することができる。
制御器300は、制御機能を有するものであれば、水素生成装置400全体あるいは一部を制御するどのような制御装置でもよい。演算部301としては、MPUの他に、CPUなどが例示される。
制御器300は、単独の制御器でも複数の制御器でもよい。つまり、制御器300のそれぞれが、集中制御を行う単独の制御器で構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。この点は、後述の他の実施の形態の制御器においても同様である。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の水素生成装置の動作、作用について説明する。実施の形態2の水素生成装置400の構成については、実施の形態1と同様のため、説明を省略する。実施の形態2における水素生成装置400の制御方法については、実施の形態1と同様の点については説明を省略し、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
水素生成装置400は、水素利用機器201が必要とする水素の流量に応じて、原料の供給量を変化させ、水素含有ガスを生成する。実施の形態2では、水素含有ガス中の水素の流量を3NLMから9NLMまで供給可能な水素生成装置400について説明する。原料としてN濃度3%を含む都市ガス13Aを用いる。
図3は、本発明の実施の形態2にかかる水素生成装置400の原料供給量と水素含有ガス中CO濃度の関係の一例を示す図である。
実施の形態2の水素生成装置400においては、CO除去器150への累積アンモニア供給量に相関するパラメータである累積アンモニア供給時間(T1)が40時間以上になると、原料の供給量を低減し、選択酸化空気の供給を停止した。
その際、原料の供給量を、CO除去器150から排出される水素含有ガス中のCO濃度の閾値である10ppm以下となる、原料の供給量の閾値1.4NLM以下となるように制御した。
原料の供給量を1.4NLMとしたとき、選択酸化触媒の温度は133℃となり、その際の水素含有ガス中のCO濃度は、10ppmとなった。
これは、選択酸化空気を用いる選択酸化反応に比べるとCO低減性能が低いメタン化反応であるが、原料の供給量を所定量以下とし、選択酸化触媒を通過するガス流量を低減させることで、SVを低減させ、反応時間を十分に与えることで、メタン化反応によってCO濃度を十分に低減させることができるためである。
図3に示すように、選択酸化空気の供給を停止した状態では、原料の供給量が増加するにつれ、水素含有ガス中のCO濃度は上昇傾向にある。CO濃度が10ppmとなる原料の供給量1.4NLMを閾値と設定する。
以上のように、実施の形態2の水素生成装置400においては、CO除去器150への累積アンモニア供給量に相関するパラメータである累積アンモニア供給時間(T1)が40時間以上になると、水素含有ガス中のCO濃度が閾値である10ppm以下となるように原料の供給量の上限を1.4NLMと設定し、選択酸化空気の供給を停止し、メタン化反応により水素含有ガス中のCO濃度を十分に低減させることで、炭化水素および窒素化合物を含む原料を用いた水素生成装置400の運転を停止することなく、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作が可能となり、CO濃度を低減した水素含有ガスの連続供給が可能となる。その結果、水素生成装置400の起動停止回数を少なくすることができるため、水素生成装置400の一次エネルギー削減量をより大きくすることができる。
また、これによって、水素含有ガス中のCO濃度が閾値以下となるように原料の供給量の所定供給量の上限を設定するため、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作を行う際、水素含有ガス中のCO濃度が高いことによる水素利用機器201の性能低下の抑制を確実にすることができる。また、原料の供給量を原料の供給量の上限以下に制御するため、水素利用機器201の必要とする水素含有ガスの流量を適切に供給することができる。
なお、実施の形態2では、選択酸化触媒の再生動作中の水素含有ガス中のCO濃度の閾値を10ppmと設定したが、この値に限るものではなく、CO濃度の閾値は水素利用機器201によって、適切に設定される。
また、水素含有ガス中のCO濃度が閾値以下となる原料の供給量の閾値を1.4NLMとしたが、この値に限るものでない。特に、選択酸化触媒のメタン化反応によるCO低減性能や触媒充填量により、原料の供給量の閾値を適切に設定してもよい。
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3にかかる水素生成装置の構成の一例を示すブロック図である。
実施の形態3における水素生成装置400の構成については、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
CO除去器加熱器21は、ヒータにより構成され、CO除去器150を加熱する。
以下に、実施の形態3の水素生成装置400の動作、作用について説明する。なお、以下の動作、作用は、制御器300が水素生成装置400を制御することによって行われる。
本発明の実施の形態における水素生成装置400の制御方法については、実施の形態1と同様の点については説明を省略し、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
水素生成装置400は、水素利用機器201が必要とする水素の流量に応じて、原料の供給量を変化させ、水素含有ガスを生成する。実施の形態3では、水素含有ガス中の水素の流量を3NLMから9NLMまで供給可能な水素生成装置400について説明する。原料としてN濃度3%を含む都市ガス13Aを用いる。
図5は、実施の形態3にかかる水素生成装置400のCO除去器150の温度と水素含有ガス中CO濃度の関係の一例を示す特性図である。
水素生成装置400の運転時、CO除去器150への累積アンモニア供給時間(T1)が所定の閾値である40時間に達するまでは、水素利用機器201が必要とする水素の流量に応じて、原料の供給量を制御する。このとき、関係式(1)に示すように、原料の供給量(Fi)に応じて選択酸化空気の供給量(Fa)を制御する。
また、制御器300は、CO除去器温度検知器90にて検出した温度に基づき、CO除去器加熱器21であるヒータのヒータ出力についてフィードバック制御の一種であるPID制御を行ない、CO除去器150の温度を第1の下限温度である120℃以上、かつ、第1の上限温度である170℃以下となるように制御する。
その結果、図5に示す通り、CO除去器150の温度が120℃以上170℃以下の範囲において、CO濃度を10ppm以下となった。
例えば、水素含有ガス中の水素の流量を3NLM必要とするとき、原料の供給量を1NLM、選択酸化空気の供給量を0.21NLM供給し、選択酸化触媒の温度は150℃となった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、2ppmとなった。
また、水素含有ガス中の水素の流量を9NLM必要とするとき、原料の供給量を3NLM、選択酸化空気の供給量を0.64NLM供給し、選択酸化触媒の温度は170℃となった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、5ppmとなった。
制御器300は、CO除去器150への累積アンモニア供給時間(T1)が所定の閾値である40時間以上になると、原料の供給量を所定量まで低減し、選択酸化空気の供給を停止する再生動作を行う。再生動作開始からの経過時間(T2)は、選択酸化触媒の再生動作を開始してからの経過時間(具体的には約1時間)として定義される。
選択酸化触媒の再生動作において、制御器300は、CO除去器温度検知器90にて検出した温度に基づき、CO除去器加熱器21であるヒータのヒータ出力についてフィードバック制御の一種であるPID制御を行ない、CO除去器150の温度を第1の下限温度より高い第2の下限温度である155℃以上、かつ、第1の上限温度より高い第2の上限温度である180℃以下となるように制御する。
その結果、図4に示すとおり、再生動作において、CO除去器150の温度が155℃以上180℃以下の範囲において、CO濃度を10ppm以下となった。
原料の供給量の所定量を1.2NLMとし、原料の供給量を1.2NLMとしたとき、選択酸化触媒の温度は160℃となった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、9ppmとなった。
これは、選択酸化空気を用いる選択酸化反応に比べるとCO低減性能が低いメタン化反応であるが、原料の供給量を所定量以下とし、選択酸化触媒を通過するガス流量を低減させることで、SVを低減させ、反応時間を十分に与えることで、メタン化反応によってCO濃度を十分に低減させることができるためである。
以上のように、実施の形態3の水素生成装置400においては、CO除去器150への累積アンモニア供給量に相関するパラメータである累積アンモニア供給時間(T1)が40時間に達するまでは、CO除去器150の温度を第1の下限温度である120℃以上、かつ、第1の上限温度である170℃以下となるように制御し、CO除去器150への累積アンモニア供給量に相関するパラメータである累積アンモニア供給時間(T1)が40時間以上になると、原料供給器が原料の供給量を1.2NLMまで低減し、選択酸化空気の供給を停止し、CO除去器150の温度を第1の下限温度より高い第2の下限温度である155℃以上、かつ、第1の上限温度より高い第2の上限温度である180℃以下となるように制御することで、選択酸化触媒の温度をメタン化反応のCO除去性能の高い温度域にすることができ、水素含有ガス中のCO濃度を10ppm以下に低減させることができる。
選択酸化空気を供給しているときよりも停止しているときに選択酸化触媒の温度下限を高くすることで、水素含有ガス中のCO濃度を十分に低くすることができる。そのため、炭化水素および窒素化合物を含む原料を用いた水素生成装置400の運転を停止することなく、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作が可能となり、CO濃度を低減した水素含有ガスの連続供給が可能となる。
また、選択酸化空気を供給しているときよりも停止しているときに選択酸化触媒の温度上限を高くすることで、選択酸化触媒を還元雰囲気で高温にさらすことができるため、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生の効果を高くすることができる。
そのため、炭化水素および窒素化合物を含む原料を用いた水素生成装置400の運転を停止することなく、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作が可能となり、CO濃度を低減した水素含有ガスの連続供給が可能となる。その結果、水素生成装置400の起動停止回数を少なくすることができるため、水素生成装置400の一次エネルギー削減量をより大きくすることができる。
なお、実施の形態3では、上記した水素生成装置400の構成および運転方法を用いたが、これに限るものでなく、下記のような構成および運転方法を用いてもよい。
CO除去器加熱器21を加熱器20と別途設けたが、この限りではなく、加熱器20のみで、CO除去器150の温度を制御してもよい。
また、CO除去器温度検知器90にて検出した温度に基づき、CO除去器加熱器21であるヒータへのヒータ出力についてフィードバック制御の一種であるPID制御を行ったが、その他のフィードバック制御もしくはフィードフォワード制御を用いても構わない。
また、CO除去器150への累積アンモニア供給時間(T1)が所定の閾値である40
時間に達する前に比べ、達した後に、CO除去器150の下限温度と上限温度をともに上げたが、CO除去器150に供給される水素含有ガスの水蒸気濃度が低く、CO低減反応が促進される条件である場合や、選択酸化触媒の貴金属含有量が高く、単位体積当りのメタン化反応によるCO低減性能が高い場合や、触媒充填量が多く、CO低減性能が高い場合であれば、CO除去器150の上限温度のみ、もしくは、下限温度のみを高い温度に変更しても十分効果が出る。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4の水素生成装置の動作、作用について説明する。実施の形態4の水素生成装置400の構成については、実施の形態1と同様のため、説明を省略する。実施の形態4における水素生成装置400の制御方法については、実施の形態1と同様の点については説明を省略し、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
水素生成装置400は、水素利用機器201が必要とする水素の流量に応じて、原料の供給量を変化させ、水素含有ガスを生成する。実施の形態4では、水素含有ガス中の水素の流量を3NLMから9NLMまで供給可能な水素生成装置400について説明する。原料としてN濃度3%を含む都市ガス13Aを用いた。
実施の形態4の水素生成装置400において、制御器300は、CO除去器150への累積アンモニア供給量に相関するパラメータである累積アンモニア供給時間(T1)が40時間以上になると、原料の供給量を低減し、選択酸化空気の供給を停止した。その際、原料の供給量を、水素利用機器201への水素含有ガス中の水素の流量の下限である3NLMを供給できる原料の供給量の閾値である1NLM以上とする。
原料の供給量を1.0NLMとしたとき、選択酸化触媒の温度は160℃となり、その際の水素含有ガス中のCO濃度は、8ppmとなった。
これは、選択酸化空気を用いる選択酸化反応に比べるとCO低減性能が低いメタン化反応であるが、原料の供給量を低減し、選択酸化触媒を通過するガス流量を低減させることで、空間速度(SV)を低減させ、反応時間を十分に与えることで、メタン化反応によってCO濃度を十分に低減させることができるためである。
以上のように、実施の形態4の水素生成装置400は、CO除去器150への累積アンモニア供給量に相関するパラメータである累積アンモニア供給時間(T1)が40時間以上になると、水素利用機器201が必要とする水素含有ガスの流量の下限である3NLM以上となるように原料の供給量の下限を1.0NLMと設定し、選択酸化空気の供給を停止し、メタン化反応により水素含有ガス中のCO濃度を十分に低減させることで、炭化水素および窒素化合物を含む原料を用いた水素生成装置400の運転を停止することなく、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作が可能となり、CO濃度を低減した水素含有ガスの連続供給が可能となる。
その結果、水素利用機器201が固体高分子形燃料電池である場合の燃料電池システムの起動停止回数を少なくすることができるため、水素生成装置400の一次エネルギー削減量をより大きくすることができる。また、原料の供給量に下限を設けることで水素含有ガスの供給量の下限を設定するため、水素利用機器201が必要とする水素含有ガスを下回ることがなく、水素生成装置400は水素利用機器201を安定的に運転することができる。
なお、実施の形態4では、水素利用機器201が必要とする水素の流量の下限を1NLMと設定したが、この値に限るものではなく、水素利用機器201によって、適切に設定
してもよい。
(実施の形態5)
図6は、本発明の実施の形態5に係る燃料電池システムの構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、本実施の形態の燃料電池システム500は、水素生成装置400と、燃料電池200とを備えたものである。
本発明の実施の形態5の燃料電池システム500のうち、水素生成装置400の構成については、実施の形態1と同様であり、水素生成装置400の動作・作用についても、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。以下に、実施の形態5の水素生成装置400の動作、作用について、実施の形態1と異なる部分について説明する。
燃料電池200は、水素生成装置400より供給される水素含有ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する。実施の形態5では、燃料電池200に固体高分子形燃料電池(PEFC)を用いる。
水素生成装置400から燃料電池200に至る水素供給経路41には封止器40を設置し、燃料電池200から加熱器20に至る燃料供給経路42と水素供給経路41にバイパス経路43を設置し、バイパス経路43にバイパス封止器44を設置する。
燃料電池システム500は制御器300を備える。制御器300は、演算部301の本体としての中央演算処理装置(CPU)と記憶部302を備えている。原料供給器31から改質器100に至る原料の供給路の途中に原料の供給量を検出する原料供給量検出器30が設けられ、原料供給量検出器30の検出出力が演算部301に入力されている。
また、水供給器51から改質器100に至る水の供給路の途中に水の供給量を検出する水供給量検出器50が設けられ、水供給量検出器50の検出出力が演算部301に入力されている。原料供給量検出器30及び水供給量検出器50は、ここでは、それぞれ、マスフローメータ等の流量計で構成されている。
制御器300に備えられる記憶部302には、燃料電池システム500の各種の動作を制御するためのプログラムが格納されており、演算部301は、記憶部302から必要なプログラムを読み出してこれを実行することによって、燃料電池システム500の各種の動作を制御する。
また、燃料電池200から出力制御器61に至る電流経路には発電電流検出器60が設けられ、発電電流検出器60の検出出力が演算部301に入力されている。発電電流検出器60は、電流計で構成されている。
また、この演算部301は、発電電流検出器60から得られた発電電流と出力制御器61から得られた発電電圧および発電時間より、発電量を検出することを可能としている。制御器300に備える演算部301は、これらの検出出力を含む各種の検出出力を入力されて上述の各構成要素を制御することにより燃料電池システム500の全体の動作を制御する。
また、同じく制御器300に備えられる記憶部302には、燃料電池システム500の各種の動作を制御するためのプログラムが格納されており、演算部301は、記憶部302から必要なプログラムを読み出してこれを実行することによって、燃料電池システム500の各種の動作を制御する。
以上のように構成された実施の形態6の燃料電池システム500について、その動作、作用を以下に説明するが、以下の動作、作用は、制御器300が水素生成装置400及び燃料電池システム500を制御することによって行われる。
水素生成装置400が起動すると、加熱器20における燃焼を開始する。このとき、封止器40を閉止し、バイパス封止器44を開放し、水素供給経路41から分岐して伸び、加熱器20に至る燃焼用の燃料供給経路42がガス通気状態となっている。
原料供給器31の動作開始により原料が改質器100に供給されると、改質器100を通過した原料は、上記燃焼用の燃料供給経路42を用いて加熱器20に供給される。同時に、空気供給器71の動作開始により、燃焼用の空気が加熱器20に供給される。
加熱器20において、点火電極(図示せず)により着火動作が行われ、燃焼用の空気を用いて、燃料の燃焼が起こる。このようにして加熱器20から供給される燃焼熱により、改質器100が加熱される。
次いで、水供給器51の動作開始により、改質器100に水が供給される。水の供給開始後、改質器100で生成された水素含有ガスの組成が燃料電池200への供給に適した組成になった段階で、封止器40を開放、バイパス封止器44を閉止することで、燃料電池200に水素含有ガスが供給される。
燃料電池200は、酸化剤供給経路(図示せず)から供給される酸化剤ガスと水素含有ガスを反応させて発電する。
燃料電池システム500を停止させる場合、原料供給器31と水供給器51を停止させる。
水素生成装置400は、燃料電池200が必要とする水素の流量に応じて、原料の流量を変化させ、水素含有ガスを生成する。実施の形態5では、水素生成装置400が、水素含有ガス中の水素の流量を3NLMから9NLMまで供給可能であり、200Wから700Wの発電が可能な燃料電池システム500について説明する。原料として、N濃度3%を含む都市ガス13Aを用いる。
燃料電池200が200Wの発電電力量を必要とする場合は、原料の流量を1NLMとし、700Wの発電電力量を必要とする場合は、原料の流量を3NLMとし、必要水素量を供給する。
燃料電池システム500の運転時に、制御器300は、CO除去器150への累積アンモニア供給時間(T1)が所定の閾値である40時間に達するまでは、燃料電池200が発電に必要とする水素の流量に応じて、原料の供給量を制御する。このとき、関係式(1)に示すように、原料の供給量(Fi)に応じて選択酸化空気の供給量(Fa)を制御する。
燃料電池200が750Wの発電電力量を必要とする場合は、水素含有ガス中の水素の流量3NLMを燃料電池200に供給する必要があり、水素生成装置400において、原料の供給量を1NLM、選択酸化空気の供給量を0.21NLM供給し、選択酸化触媒の温度は150℃となった。
その際の水素含有ガス中のCO濃度は、2ppmとなった。また、燃料電池200が200Wの発電電力量を必要とする場合には、水素含有ガス中の水素の流量9NLMを燃料
電池200に供給する必要があり、水素生成装置400において、原料の供給量を3NLM、選択酸化空気の供給量を0.64NLM供給し、選択酸化触媒の温度は170℃となった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、5ppmとなった。
制御器300は、CO除去器150への累積アンモニア供給時間(T1)が所定の閾値である40時間以上になると、原料の供給量を所定量まで低減し、選択酸化空気の供給を停止する再生動作を行う。再生動作開始からの経過時間(T2)は、選択酸化触媒の再生動作を開始してからの経過時間(具体的には約1時間)として定義される。
選択酸化触媒の再生動作において、原料の供給量の所定量を1.2NLMとし、原料の供給量を1.2NLMとしたとき、選択酸化触媒の温度は163℃となった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、9ppmとなった。
これは、選択酸化空気を用いる選択酸化反応に比べるとCO低減性能が低いメタン化反応であるが、原料の供給量を所定量以下とし、選択酸化触媒を通過するガス流量を低減させることで、空間速度(SV)を低減させ、反応時間を十分に与えることで、メタン化反応によってCO濃度を十分に低減させることができるためである。
以上のように、実施の形態5の燃料電池システム500においては、CO除去器150への累積アンモニア供給量に相関するパラメータである累積アンモニア供給時間(T1)が40時間以上になると、原料供給器31が原料の供給量を1.2NLMまで低減し、選択酸化空気の供給を停止し、メタン化反応により水素含有ガス中のCO濃度を十分に低減させることで、炭化水素および窒素化合物を含む原料を用いた水素生成装置400の運転を停止することなく、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作が可能となり、CO濃度を低減した水素含有ガスの連続供給が可能となる。
その結果、燃料電池200における発電を連続して行うことができ、燃料電池システム500の起動停止回数を少なくすることができるため、水素生成装置400(燃料電池システム500)の一次エネルギー削減量をより大きくすることができる。
なお、実施の形態5では、上記の燃料電池システム500の構成および運転方法を用いたが、これに限るものでなく、下記のような構成および運転方法を用いることができる。
実施の形態5では、燃料電池200に固体高分子形燃料電池(PEFC)を用いたが、いずれの種類の燃料電池であってもよく、他には、例えば、リン酸形燃料電池、または溶融炭酸塩形燃料電池等を用いてもよい。
また、累積アンモニア供給量に相関するパラメータとして、累積アンモニア供給量が上限界に到達すると想定される連続運転時間と定義したが、より安全には、累積アンモニア供給量が、上限界未満の所定値に到達すると想定される連続運転時間(例えば、30時間)として定義しても構わない。
また、累積アンモニア供給量に相関するパラメータとしては、水素生成装置400の累積運転時間、改質器100への累積原料供給量、水素生成装置400の下流に設置される燃料電池200の累積発電量等、累積アンモニア供給量に相関するパラメータであれば、いずれのパラメータであっても構わない。
また、選択酸化触媒の再生動作として、原料の供給量を所定供給量である1.2NLMまで低減したが、原料の供給量の所定供給量は、この値に限るものでない。特に、選択酸化触媒のメタン化反応によるCO低減性能や触媒充填量により、適切に設定してもよい。
以上のように、本発明にかかる水素生成装置は、運転を停止することなく、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作が可能となり、CO濃度を低減した水素含有ガスの連続供給が可能であるので、選択酸化触媒が充填されたCO除去器を備え炭化水素および窒素化合物を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する水素生成装置を用いた燃料電池システムに適用できる。
10 脱硫器
20 加熱器
21 CO除去器加熱器
30 原料供給量検出器
31 原料供給器
40 封止器
41 水素供給経路
50 水供給量検出器
51 水供給器
60 発電電流検出器
61 出力制御器
70 空気供給量検出器
71 空気供給器
80 改質器温度検知器
91 選択酸化空気供給量検出器
92 選択酸化空気供給器
100 改質器
150 CO除去器
200 燃料電池
201 水素利用機器
300 制御器
301 演算部
302 記憶部
400 水素生成装置
500 燃料電池システム

Claims (7)

  1. 炭化水素および窒素化合物を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器と、前記水素含有ガスに含まれるCO濃度を選択酸化反応により低減させる選択酸化触媒が充填されたCO除去器と、前記改質器に前記原料を供給する原料供給器と、前記CO除去器に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器と、制御器と、を備え、
    前記制御器は、前記CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、前記原料供給器が前記原料の供給量を所定供給量まで低減し、前記選択酸化空気供給器が前記選択酸化空気の供給を停止するように前記原料供給器と前記選択酸化空気供給器とを制御する、水素生成装置。
  2. 前記原料の所定供給量は、前記選択酸化空気供給器が選択酸化空気の供給を停止した場合における、前記CO除去器から排出される水素含有ガス中のCO濃度が閾値以下となる原料の供給量の閾値以下の供給量である、請求項1に記載の水素生成装置。
  3. 前記CO除去器を加熱する加熱器と、前記CO除去器の温度を検知する温度検知器と、をさらに備え、
    前記制御器は、前記CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になるまでは、前記温度検知器で検知される前記CO除去器の温度を第1の下限温度以上になるように前記加熱器を制御し、前記CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、前記温度検知器で検知される前記CO除去器の温度が第1の下限温度より高い第2の下限温度以上なるように前記加熱器を制御する、請求項1に記載の水素生成装置。
  4. 前記CO除去器を加熱する加熱器と、前記CO除去器の温度を検知する温度検知器と、をさらに備え、
    前記制御器は、前記CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になるまでは、前記温度検知器で検知される前記CO除去器の温度を第1の上限温度以下となるように前記加熱器を制御し、前記CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、前記温度検知器で検知される前記CO除去器の温度が第1の上限温度より高い第2の上限温度以下となるように前記加熱器を制御する、請求項1に記載の水素生成装置。
  5. 前記水素生成装置から供給される水素含有ガスを用いる水素利用機器を備え、
    前記原料の所定供給量は、前記水素利用機器への水素含有ガスの供給量の下限に応じて決まる原料の流量の閾値以上の供給量である、請求項1から4のいずれか1項に記載の水素生成装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の水素生成装置と、前記水素生成装置より供給される水素含有ガスを用いて発電する燃料電池とを備える燃料電池システム。
  7. 炭化水素および窒素化合物を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器と、前記水素含有ガスに含まれるCO濃度を選択酸化反応により低減させる選択酸化触媒が充填されたCO除去器と、前記改質器に前記原料を供給する原料供給器と、前記CO除去器に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器と、を備えた、水素生成装置の運転方法であって、
    前記CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、前記原料供給器が原料の供給量を低減し、前記選択酸化空気供給器が選択酸化空気の供給を停止する、水素生成装置の運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020246197A1 (ja) * 2019-06-04 2020-12-10 パナソニックIpマネジメント株式会社 水素生成装置およびそれを用いた燃料電池システム並びにその運転方法

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