JP2017077979A - 水素生成装置およびそれを用いた燃料電池システム並びにその運転方法 - Google Patents

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知之 中嶋
貴広 楠山
Takahiro Kusuyama
貴広 楠山
千絵 原田
Chie Harada
千絵 原田
麻生 智倫
Tomonori Aso
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Abstract

【課題】原料に窒素化合物が含まれ、改質器にてアンモニアを生成する場合でも、連続運転できる水素生成装置を提供する。
【解決手段】炭化水素および窒素化合物を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器100と、選択酸化触媒が充填されたCO除去器150と、改質器100に原料を供給する原料供給器31と、CO除去器150に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器92と、制御器300と、を備えた水素生成装置400において、制御器300が、CO除去器150への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、原料供給器31が原料の供給量を所定供給量まで低減し、選択酸化空気供給器92が選択酸化空気の供給を低減し、加熱器20によってCO除去器150の温度を高く制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素含有ガスを生成する水素生成装置及びそれを備える燃料電池システムに関するものである。
小型装置でも高効率発電ができる燃料電池コージェネレーションシステム(以下、単に「燃料電池システム」という)は、分散型エネルギー供給源の発電装置として開発が進められている。この燃料電池システムは、発電部の本体として、燃料電池を備えている。この燃料電池としては、例えば、リン酸形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池、アルカリ水溶液形燃料電池、固体高分子形燃料電池、或いは、固体電解質形燃料電池等が用いられる。
これらの燃料電池の内で、リン酸形燃料電池や固体高分子形燃料電池(略称、「PEFC」)は、発電運転の際の動作温度が比較的低いため、燃料電池システムを構成する燃料電池として好適に用いられる。特に、固体高分子形燃料電池は、リン酸形燃料電池と比べて、電極触媒の劣化が少なく、かつ電解質の逸散が発生しないため、携帯用電子機器や電気自動車等の用途において特に適に用いられる。
さて、燃料電池の多く、例えば、リン酸形燃料電池や固体高分子形燃料電池は、発電運転の際に水素を燃料として用いる。しかし、それらの燃料電池において発電運転の際に必要となる水素の供給手段は、通常、インフラストラクチャとして整備されてはいない。
従って、リン酸形燃料電池や固体高分子形燃料電池を備える燃料電池システムにより電力を得るためには、その燃料電池システムの設置場所において、燃料としての水素を生成する必要がある。
このため、燃料電池システムは、通常、改質器を有する水素生成装置を備える。改質器では、一般的な原料インフラガスである都市ガス、天然ガス或いはLPGから水素含有ガスが、改質反応により生成される。例えば、水蒸気改質反応が一般的に用いられている。
この水蒸気改質反応では、原料となる都市ガス等と水蒸気とをNi系またはRu系等の貴金属系の改質触媒を用いて、600℃〜700℃程度の高温で反応させることにより、水素を主成分とした水素含有ガスが生成される。水素含有ガスにはCOが含まれるが、特に固体高分子型燃料電池はCOによる電極被毒が起こりやすいため、供給される水素含有ガス中のCO濃度を数十体積ppmに低減する必要がある。
そこで、改質器の後段に設けられたCO除去器にて、水素含有ガスに選択酸化空気を加え、水素含有ガス中に含まれるCOを選択的に酸化させることによってCO濃度を低減する。この選択酸化反応では、Ruなど貴金属系の選択酸化触媒が用いられる。
ところで、水素生成装置の改質器に原料として供給される天然ガスは、通常、微量の窒素を含有している。この窒素の含有率は、例えば、天然ガスを供給する地域により異なっている。
そして、燃料電池システムの発電運転の際、この窒素を含有する天然ガスが水素生成装置の改質器に供給されると、その改質器が備える改質触媒上において、水蒸気改質反応により生成される水素と窒素との化学反応が進行することにより、アンモニアが生成されることがある。
ここで、CO除去器に設けられた選択酸化触媒の触媒種(例えばRu)によっては、改質器で生成されたアンモニアにより被毒される場合がある。このアンモニアによる選択酸化触媒の被毒は、CO除去器のCO除去性能を著しく低下させる。
選択酸化触媒のCO低減性能が低下するメカニズムとしては、選択酸化触媒のRu上で(化1)に示す、選択酸化空気に含まれる酸素と水素含有ガスに含まれるアンモニアとの化学反応が進行し、生成されたニトロシル(NO)が、Ru上に吸着し、選択酸化触媒が被毒される。これにより、CO除去器の選択酸化触媒の触媒活性が低下することが挙げられる。
Figure 2017077979
選択酸化触媒のCO低減性能が低下することで、水素生成装置から供給される水素含有ガス中のCO濃度が高くなる。その結果、固体高分子形燃料電池における電極触媒のCOによる被毒の原因となり、固体高分子形燃料電池の発電性能を著しく低下させる。
つまり、上述のように、改質器の改質触媒上でアンモニアが生成されるとともに、CO除去器の選択酸化触媒がアンモニアに対して被毒する金属を含有する場合、水素生成装置の運転時間が長くなるに伴い、選択酸化触媒の被毒が進行し、燃料電池システムから安定した電力を得ることはできない。
そこで、改質反応中に窒素等の含窒素化合物が供給され、生成したアンモニアによりCO除去器の選択酸化触媒が被毒されるような水素生成装置であっても、選択酸化触媒の動作温度を通常よりも高くすることで、還元反応により選択酸化触媒上から被毒物質を脱離させる再生動作を行うことで、CO濃度が十分に低減された水素含有ガスを供給する方法が提案されている。
また、選択酸化触媒が被毒されてCO濃度を十分に低減できない状態に陥る前に、燃料電池の発電および選択酸化空気の供給を停止し、還元雰囲気下で選択酸化触媒の再生動作を行う方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2007−186381号公報
しかしながら、上記従来の方法は、水素生成装置の運転中にCO除去器の動作温度を通常よりも高くするものであり、原料の供給量を低減しないため、選択酸化触媒が十分な還元雰囲気とならず、再生効果が十分ではない。
また、選択酸化触媒を十分に再生させるために選択酸化空気の供給を停止させると、CO濃度を十分に低減した水素含有ガスを供給できないため、燃料電池の発電を停止させる必要があり、燃料電池システムを長時間運転することができないという課題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、燃料電池の発電を停止することなく、選
択酸化触媒を再生することができるので、長時間連続発電することが可能な燃料電池システム用の水素生成装置を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の水素生成装置は、炭化水素および窒素化合物を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器と、水素含有ガス中のCO濃度を選択酸化反応により低減させる選択酸化触媒が充填されたCO除去器と、改質器に原料を供給する原料供給器と、CO除去器に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器と、CO除去器を加熱する加熱器と、制御器と、を備え、制御器は、CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、原料供給器による原料の供給量と選択酸化空気供給器による選択酸化空気の供給量とを低減すると共に、加熱器によってCO除去器の温度を高くするよう制御し、選択酸化触媒を再生することを特徴としたものである。
これによって、選択酸化触媒の再生動作時に、原料の供給量と選択酸化空気の供給量を低減し、CO除去器の温度を高くすることで、選択酸化触媒を十分な還元雰囲気に維持でき、選択酸化触媒をアンモニアによる劣化状態から再生することができる。
また、再生動作時に、原料の供給量を低減し、選択酸化触媒を通過する水素含有ガスの流量を低減することで、選択酸化触媒に対する水素含有ガスの空間速度(以下、SVと表記)を低減することができる。
そのため、選択酸化反応の反応時間を十分に与えることができ、CO濃度を十分に低減することができる。その結果、水素生成装置の運転を停止することなく、十分にCO濃度を低減した水素含有ガスを供給し続けることが可能となり、水素生成装置を長時間連続運転できる。
本発明の水素生成装置によれば、炭化水素および窒素化合物を含む原料を用いた水素生成装置の運転を停止することなく、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作が可能となる。また、水素含有ガス中のCO濃度を所定濃度以下まで低減した水素含有ガスの連続供給が可能となり、水素生成装置の長時間連続運転が可能となる。
その結果、燃料電池システムの起動停止回数を少なくすることができるため、起動停止に消費する一次エネルギーを削減でき、一次エネルギー削減量をより大きくすることが可能な水素生成装置並びに燃料電池システムと、その運転方法を提供することができる。
本発明の実施の形態1にかかる水素生成装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1、2、および3にかかる水素生成装置の原料の供給量および選択酸化空気の供給量の制御方法を示すフローチャート 本発明の実施の形態2にかかる水素生成装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態2にかかる水素生成装置の原料供給量と水素含有ガス中のCO濃度の関係を示す特性図 本発明の実施の形態3にかかる燃料電池システムの構成を示すブロック図 実施の形態3にかかる水素生成装置のCO除去器の温度と水素含有ガス中のCO濃度の関係を示す特性図
第1の発明は、炭化水素および窒素化合物を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器と、水素含有ガス中のCO濃度を選択酸化反応により低減させる選択酸化触媒が充填されたCO除去器と、改質器に原料を供給する原料供給器と、CO除去器に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器と、CO除去器を加熱する加熱器と、制御器と、を備え、制御器が、CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、原料供給器による原料の供給量と選択酸化空気供給器による選択酸化空気の供給量とを低減すると共に、加熱器によってCO除去器の温度を高くするよう制御する水素生成装置である。
これによって、選択酸化触媒の再生動作時に、原料の供給量と選択酸化空気の供給量を低減し、CO除去器の温度を高くすることで、選択酸化触媒を十分な還元雰囲気に維持でき、選択酸化触媒をアンモニアによる劣化状態から再生することができる。また、再生動作時に、原料の供給量を低減し、選択酸化触媒を通過する水素含有ガスの流量を低減することで、選択酸化触媒に対する水素含有ガスのSVを低減することができる。
そのため、選択酸化反応の反応時間を十分に与えることができ、CO濃度を十分に低減することができる。その結果、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作が可能となり、CO濃度を低減した水素含有ガスの連続供給が可能となる。
その結果、水素生成装置の長時間連続運転が可能となり、水素生成装置の起動停止回数を少なくすることができる。起動停止に消費する一次エネルギーを削減できるため、一次エネルギー削減量をより大きくすることが可能な水素生成装置を提供することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明に記載の水素生成装置において、制御器が、選択酸化空気供給器による選択酸化空気の供給量を、原料供給器が供給する原料の供給量に応じて設定した供給量になるように制御するものである。
これによって、原料の供給量に応じて、水素含有ガス中のCO濃度が閾値以下となるよう選択酸化空気の供給量を設定するため、水素含有ガス中のCO濃度が高いことによる水素利用機器の性能低下の抑制を確実に行うことができ、水素生成装置の長時間連続運転が可能となる。
その結果、水素生成装置の起動停止回数を少なくすることができるため、起動停止に消費する一次エネルギーを削減でき、一次エネルギー削減量をより大きくすることが可能な水素生成装置を提供することができる。
第3の発明は、特に、第1の発明または第2の発明に記載の水素生成装置において、制御器が、CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になるまでは、選択酸化空気供給器は選択酸化空気の供給量を、原料供給器が供給する原料の供給量に応じて制御し、CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、選択酸化空気供給器は選択酸化空気の供給量を、原料供給器が供給する原料の供給量に応じて設定した供給量より低く制御するものである。
これによって、選択酸化触媒の再生動作時に、選択酸化空気の供給量をさらに低減することにより、選択酸化触媒を十分な還元雰囲気に維持でき、選択酸化触媒をアンモニアによる劣化状態からより短時間で再生することができる。その結果、炭化水素および窒素化合物を含む原料を用いた水素生成装置の運転を停止することなく、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒に対して、再生動作が可能となる。
そのため、CO濃度を低減した水素含有ガスの連続供給が可能となり、水素生成装置の
長時間連続運転が可能となる。その結果、水素生成装置の起動停止回数を少なくすることができるため、起動停止に消費する一次エネルギーを削減でき、一次エネルギー削減量をより大きくすることが可能な水素生成装置を提供することができる。
第4の発明は、特に、第1から第3のいずれか1つの発明に記載の水素生成装置において、制御器が、CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、CO除去器から排出される水素含有ガス中のCO濃度が閾値以下となるよう、選択酸化空気供給器による選択酸化空気の供給量を閾値以上に制御するものである。
これによって、選択酸化触媒の再生動作時に、水素含有ガス中のCO濃度が閾値以下となるよう選択酸化空気の供給量の下限を設定するため、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作を行う際、水素含有ガス中のCO濃度が高いことによる水素利用機器の性能低下の抑制を確実にすることができ、水素生成装置の長時間連続運転が可能となる。
その結果、水素生成装置の起動停止回数を少なくすることができるため、起動停止に消費する一次エネルギーを削減でき、一次エネルギー削減量をより大きくすることが可能な水素生成装置を提供することができる。
第5の発明は、特に、第1から第3のいずれか1つの発明に記載の水素生成装置において、制御器が、CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、CO除去器から排出される水素含有ガス中のCO濃度が閾値以下となるよう、原料供給器による原料の供給量を閾値以下に制御するものである。
これによって、選択酸化触媒の再生動作時に、水素含有ガス中のCO濃度が閾値以下となるよう原料の供給量の所定供給量の上限を設定するため、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作を行う際、水素含有ガス中のCO濃度が高いことによる水素利用機器の性能低下の抑制を確実に行うことができる。
また、原料の供給量を原料の供給量の上限以下に制御するため、水素利用機器の必要とする水素含有ガスの流量を適切に供給することができ、水素生成装置の長時間連続運転が可能となる。その結果、水素生成装置の起動停止回数を少なくすることができるため、起動停止に消費する一次エネルギーを削減でき、一次エネルギー削減量をより大きくすることが可能な水素生成装置を提供することができる。
第6の発明は、特に、第1から第3のいずれか1つの発明に記載の水素生成装置において、CO除去器の温度を検知する温度検知器を備え、制御器が、CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になるまでは、温度検知器で検知されるCO除去器の温度を第1の温度となるよう加熱器を制御し、CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、温度検知器で検知されるCO除去器の温度が第1の温度より高い第2の温度となるよう加熱器を制御するものである。
これによって、選択酸化触媒の再生動作時に、CO除去器の温度を高くすることで、水素含有ガス中のCO濃度を十分に低くすることができる。また、選択酸化触媒を還元雰囲気で高温にさらすことができるため、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生の効果を高くすることができる。
そのため、炭化水素および窒素化合物を含む原料を用いた水素生成装置の運転を停止することなく、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作が可
能となり、CO濃度を低減した水素含有ガスの連続供給が可能となる。
その結果、水素生成装置の起動停止回数を少なくすることができるため、起動停止に消費する一次エネルギーを削減でき、一次エネルギー削減量をより大きくすることが可能な水素生成装置を提供することができる。
第7の発明は、特に、第1〜第6のいずれかの発明に記載の水素生成装置と、水素生成装置より供給される水素含有ガスを用いて発電する燃料電池とを備える燃料電池システムであることを特徴としたものである。
これによって、炭化水素および窒素化合物を含む原料を用いた水素生成装置の運転を停止することなく、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作が可能となり、CO濃度を低減した水素含有ガスの連続供給が可能となる。
その結果、燃料電池の連続発電運転が可能となり、燃料電池システムの起動停止回数を少なくすることができるため、起動停止に消費する一次エネルギーを削減でき、一次エネルギー削減量をより大きくすることが可能な燃料電池システムを提供することができる。
第8の発明は、炭化水素および窒素化合物を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器と、水素含有ガス中のCO濃度を選択酸化反応により低減させる選択酸化触媒が充填されたCO除去器と、改質器に原料を供給する原料供給器と、CO除去器に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器と、CO除去器を加熱する加熱器と、を備えた水素生成装置の運転方法であって、CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、原料供給器による原料の供給量と選択酸化空気供給器による選択酸化空気の供給量とを低減すると共に、加熱器によってCO除去器の温度を高くするものである。
これによって、炭化水素および窒素化合物を含む原料を用いた水素生成装置の運転を停止することなく、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作が可能となり、CO濃度を低減した水素含有ガスの連続供給が可能となる。
その結果、燃料電池システムの起動停止回数を少なくすることができるため、起動停止に消費する一次エネルギーを削減でき、一次エネルギー削減量をより大きくすることが可能な水素生成装置と、その運転方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるわけではない。また、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる水素生成装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態の水素生成装置400は、水素含有ガスを生成する反応器である改質器100と、改質器100の温度を検知する改質器温度検知器80と、改質器100に原料を供給する原料供給器31と、原料の供給量を検出する原料供給量検出器30と、原料に含まれる硫黄化合物を除去する脱硫器10と、改質器100に水を供給する水供給器51と、水の供給量を検出する水供給量検出器50と、改質器100を加熱する加熱器20と、加熱器20に空気を供給する空気供給器71と、空気の供給量を検出する空気供給量検出器70と、改質器100が生成する水素含有ガス中のCOを低減する反応器であるCO除去器150と、CO除去器150の温度を検知するCO除去器温度検
知器90と、水素生成装置400を制御する制御器300とを備え、改質器100で生成された水素含有ガスは、水素供給経路41を介して供給される。
改質器100は、ステンレス構造体で構成され、改質反応を進行させる改質触媒が充填されており、原料及び水蒸気を用いて改質反応により水素含有ガスを生成する。改質触媒には、アルミナビーズを担体としてRuを担持させたものを用いた。改質器100での改質反応には、550℃から660℃の温度が必要であり、加熱器20と隣接させ加熱する構成とする。
原料として、ガス会社から配管を通じて各家庭等に供給される都市ガス(13A)を用いる。都市ガスには、漏洩を検知するために、主に硫黄化合物からなる付臭剤が少なくとも一種類以上含有され、付臭が行われている。これら付臭剤にふくまれる硫黄化合物は、改質触媒を硫黄被毒し劣化させてしまう。
そのため、予め、脱硫器10にて硫黄化合物を取り除いた原料を、改質器100に供給した。脱硫器10には、ステンレス構造体を有する脱硫容器に、常温用吸着脱硫剤である銀をイオン交換したゼオライトを充填し、常温で用いる。
改質器温度検知器80は、熱電対によって構成され、改質器100の温度を検知する。改質器温度検知器80は、改質器100の内部に設けた鞘管に設置され、触媒温度を測定する。
原料供給器31は、昇圧器及び流量調整弁の組み合わせによって構成され、原料を改質器100に供給する。原料供給器31によって原料の供給量の調整を行う。
水供給器51は、ポンプ及び流量調整弁の組み合わせによって構成され、水を改質器100に供給する。水供給量検出器50によって水の供給量の調整を行う。
加熱器20は、燃焼器により構成され、改質器100を加熱する。加熱器20の燃料には、改質器100にて改質反応を行わずに排出される原料、もしくは、改質器100より排出される水素含有ガスの一部もしくは全部を用いる。空気供給器71は、ファンによって構成され、加熱器20に燃焼空気を供給する。
CO除去器150は、選択酸化反応、メタン化反応のうち、少なくとも一つの反応を用い、改質器100から出た水素含有ガス中のCO濃度を閾値である10ppm以下まで低減させる。
CO除去器150には、アルミナビーズを担体としてRuを担持させた選択酸化触媒を充填する。CO除去器150での選択酸化反応には、100℃から200℃の温度が必要であり、相対的に高温である改質器100と隣接させ、伝熱により加熱する構成とする。
選択酸化空気供給器92は、ファンによって構成され、CO除去器150に選択酸化空気を供給する。
CO除去器温度検知器90は、熱電対によって構成され、CO除去器150の温度を検知する。CO除去器温度検知器90は、CO除去器温度検知器90、CO除去器150の内部に設けた鞘管に設置され、触媒温度を測定する。
制御器300は、水素生成装置400を制御し、演算部301と、制御プログラムを記憶する記憶部302とを備える。演算部301としてはMPU、記憶部302としてはメ
モリを用いる。記憶部302には、水素生成装置400の各種の動作を制御するためのプログラムが格納されており、演算部301は、記憶部302から必要なプログラムを読み出してこれを実行することによって、水素生成装置400の各種の動作を制御する。
原料供給器31から改質器100に至る原料の供給路の途中に、原料の供給量を検出する原料供給量検出器30が設けられ、その検出出力が演算部301に入力されている。また、水供給器51から改質器100に至る水の供給路の途中に、水の供給量を検出する水供給量検出器50が設けられ、その検出出力が演算部301に入力されている。原料供給量検出器30及び水供給量検出器50は、流量計で構成されている。
選択酸化空気供給器92からCO除去器150に至る選択酸化空気の供給路の途中に選択酸化空気の供給量を検出する選択酸化空気供給量検出器91が設けられ、その検出出力が演算部301に入力されている。選択酸化空気供給量検出器91は、流量計で構成されている。
空気供給器71から加熱器20に至る空気の供給経路の途中に空気の供給量を検出する空気供給量検出器70が設けられ、その検出出力が演算部301に入力されている。空気供給量検出器70は流量計で構成され、空気供給量検出器70によって空気の供給量の調整を行う。
以上のように構成された水素生成装置400について、その動作、作用について説明する。なお、以下の動作、作用は、制御器300が水素生成装置400を制御することによって行われる。
原料中に約3%のNを含む都市ガスの場合、600〜700℃となる改質器100において、約20ppmのアンモニアが生成される。そのため、CO除去器150の選択酸化触媒において、アンモニアによる被毒が進行して、改質器100から供給される水素含有ガス中のCO濃度を十分に低減できない状態に陥る前に、制御器300がCO除去器150の選択酸化触媒の再生動作を実施されるよう制御を行う。
図2は、本発明の実施の形態1にかかる水素生成装置の原料の供給量および選択酸化空気の供給量の制御方法を示すフローチャートである。
制御器300は、水素生成装置400の運転開始要求が発生する(S11)と、水素生成装置400は運転を開始し、CO除去器150への累積アンモニア供給時間(T1)が所定の閾値である40時間に達するまでの通常運転時(S12)は、生成させる水素の流量に応じて、原料の供給量を制御する。
ここで、累積アンモニア供給時間(T1)は、水素生成装置400の出口における水素含有ガス中のCO濃度が再生動作を必要とする所定濃度である10ppmとなるまでの、累積アンモニア供給量の上限に相当する連続運転時間(40時間)として定義される。このとき、(数1)に示すように、原料の供給量(Fi)に応じて選択酸化空気の供給量(Fa)を制御する。
Figure 2017077979
水素含有ガス中の水素の流量を9NLM必要とするとき、原料の供給量を3NLM、選
択酸化空気の供給量を0.64NLM供給し、選択酸化触媒の温度は170℃となった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、5ppmとなった。
CO除去器150への累積アンモニア供給時間(T1)が所定の閾値である40時間以上になる(S13)と、再生動作に入り(S14)、通常動作時よりも、原料の供給量を低く制御する。同時に、選択酸化空気の供給量が低くなるよう、(数2)に示すように、原料の供給量(Fi)に応じて選択酸化空気の供給量(Fa)を制御する。
Figure 2017077979
具体的には、再生動作時に、原料の供給量を3NLMから所定量である1.2NLMに低減し、選択酸化空気の供給量を0.64NLMから所定量である0.19NLMに低減し、選択酸化触媒の温度は175℃となった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、7ppmとなった。
再生動作開始からの経過時間(T2)は、選択酸化触媒の再生動作を開始してからの経過時間(具体的には1時間)として定義される。
制御器300は、再生動作開始からの経過時間(T2)が所定の閾値である1時間以上になる(S15)と、選択酸化空気の供給量および、原料の供給量を通常動作時の供給量に制御にし(S16)、選択酸化触媒の再生動作を終了させ、水素生成装置400の運転停止要求が発生しない(S17)場合には、累積アンモニア供給時間(T1)及び再生動作開始からの経過時間(T2)を初期値(0時間)にリセットする(S18)。
選択酸化触媒は、1時間の再生動作が終了するまでに、改質器100から供給される水素含有ガス中のCO濃度を十分に低減することができる状態にまで再生され、再び、累積アンモニア供給時間(T1)が所定の閾値である40時間以上になる(S13)まで水素含有ガス中のCO濃度を低減し続ける。
一方、水素生成装置400の運転停止要求が発生する(S17)と、水素生成装置400は運転を停止する。
選択酸化触媒の通常動作(S12)において、CO除去器150に充填されている選択酸化触媒の上流域では、(化2)に示すように、水素含有ガス中のCOが選択酸化空気中のOと選択酸化反応をし、COに転化することで水素含有ガス中のCO濃度を低減させている。
Figure 2017077979
さらに、選択酸化触媒の下流域では、(化3)に示すように、(化2)で残留したCOが水素含有ガス中のHとメタン化反応し、CHに転化することで水素含有ガス中のCO濃度をさらに低減させ、10ppm以下としている。
Figure 2017077979
選択酸化触媒の再生動作(S14)において、原料の供給量を低減させることで、CO除去器150の選択酸化触媒に供給される水素含有ガスの供給量が低減される。
そのため、CO除去器150に供給されるCOの供給量も低減される。また、CO除去器150の選択酸化触媒への選択酸化空気の供給量を低減させることで、(化2)に示す選択酸化反応の反応領域が狭くなる。また、CO除去器150の温度を高くすることで、選択酸化反応の反応速度を上げることができ、さらに反応領域が狭くなる。
これらの結果、(化3)で示すメタン化反応の反応領域が広くなる。メタン化反応領域では、Oが存在しないため、十分な還元雰囲気となる。そのため、(化4)に示す、選択酸化触媒のRu上に吸着したNOと、改質器100からCO除去器150に供給される水素含有ガスに含まれる水素との化学反応が進行し、NOがアンモニアに還元される。
Figure 2017077979
(化4)が進行して還元により生成されたアンモニアは、その後、選択酸化触媒から容易に脱離する。これにより、選択酸化触媒は、被毒状態が解消され、改質器100から供給される水素含有ガス中のCO濃度を、十分に低減することができる状態にまで再生される。
以上のように、実施の形態1の水素生成装置400において、CO除去器150への累積アンモニア供給量に相関するパラメータである累積アンモニア供給時間(T1)が40時間以上になると、原料供給器31が原料の供給量を低減するとともに、選択酸化空気の供給量を低減し、CO除去器150の温度を上昇させた。これによって、選択酸化触媒の再生動作時に、水素含有ガス中のCO濃度を閾値以下とするよう、選択酸化空気の供給量を必要最小限に低減するため、十分な還元雰囲気となる選択酸化触媒の領域を広域にかつ高温に維持でき、選択酸化触媒をアンモニアによる劣化状態から再生することができる。
また、原料の供給量を低減し、選択酸化触媒を通過する水素含有ガスの流量を低減することで、選択酸化触媒に対する水素含有ガスのSVを低減することができる。そのため、選択酸化反応の反応時間を十分に与えることができ、CO濃度を十分に低減することができる。その際の水素含有ガス中のCO濃度は10ppm以下となった。
その結果、炭化水素および窒素化合物を含む原料を用いた水素生成装置400の運転を停止することなく、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作が可能となる。そのため、CO濃度を低減した水素含有ガスの連続供給が可能となり、水素生成装置400の長時間連続運転が可能となる。
その結果、水素生成装置400の起動停止回数を少なくすることができるため、起動停止に消費する一次エネルギーを削減でき、一次エネルギー削減量をより大きくすることが可能な水素生成装置400を提供することができる。
また、通常動作時に、原料の供給量に応じて、水素含有ガス中のCO濃度が閾値である10ppm以下となるよう選択酸化空気の供給量を適切に設定するため、水素含有ガス中のCO濃度の上昇を抑制することができる。さらに、必要量以上の選択酸化空気を供給しないため、水素含有ガス中の水素との酸化反応を抑制し、水素供給量の減少を抑制することができる。
なお、改質器100の下流に、CO除去器150を設け、選択酸化空気を用いて選択酸化反応によりCO除去を行う形態であるが、改質器100とCO除去器150の間に水性シフト反応により水素含有ガス中のCOを低減するCO変成器(図示せず)を設ける形態であっても構わない。
CO変成器には、変成触媒が充填される。変成触媒としてはCu、Zn、Ptなどの金属が例示される。また、選択酸化触媒の再生動作の繰り返しに上限を設けてもよい。
また、本発明にかかる累積アンモニア供給量に相関するパラメータとして、累積アンモニア供給量が上限界に到達すると想定される連続運転時間と定義したが、より安全には、累積アンモニア供給量が、上限界未満の所定値に到達すると想定される連続運転時間(例えば、30時間)として定義しても構わない。
また、本発明にかかる累積アンモニア供給量に相関するパラメータとしては、水素生成装置400の累積運転時間、改質器100への累積原料供給量、であっても構わない。
また、選択酸化触媒の再生動作として、原料の供給量を所定供給量である1.2NLMまで低減したが、原料の供給量の所定供給量は、この値に限るものでない。特に、選択酸化触媒のメタン化反応によるCO低減性能や触媒充填量により、適切に設定することができる。また、原料の供給量と選択酸化空気の供給量の関係を示したが、これに限るものでなく、定数が異なっても構わないし、他の関数を用いてよい。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2にかかる水素生成装置の構成を示すブロック図である。
図3において、水素生成装置400の構成については図1に示す実施の形態1と同様であり、異なる点は、水素生成装置400の後段に水素利用機器201を備える点である。水素利用機器201は水素タンクで構成される。
水素生成装置400の動作・作用について、実施の形態1と同様な点は説明を省略し、実施の形態1と異なる部分について説明する。
本発明の実施の形態2の水素生成装置の原料の供給量および選択酸化空気の供給量の制御方法を示すフローチャートは、実施の形態1と同じであり、実施の形態2のフローチャートは図2に示すものである。
水素生成装置400は、水素利用機器201が必要とする水素の流量に応じて、原料の供給量を変化させ、水素含有ガスを生成する。水素含有ガス中の水素の流量を3NLMから9NLMまで供給可能な水素生成装置400について説明する。原料としてN濃度3%を含む都市ガス13Aを用いる。
制御器300は、水素生成装置400の運転開始要求が発生する(S11)と、水素生成装置400は運転を開始し、CO除去器150への累積アンモニア供給時間(T1)が所定の閾値である40時間に達するまでの通常運転時(S12)は、生成させる水素の流
量に応じて、原料の供給量を制御する。
このとき、(数1)に示すように、原料の供給量(Fi)に応じて選択酸化空気の供給量(Fa)を制御する。水素含有ガス中の水素の流量を6NLM必要とするとき、原料の供給量を2NLM、選択酸化空気の供給量を0.42NLM供給し、選択酸化触媒の温度は160℃となった。
その際の水素含有ガス中のCO濃度は、3.3ppmとなった。また、水素含有ガス中の水素の流量を9NLM必要とするとき、原料の供給量を3NLM、選択酸化空気の供給量を0.64NLM供給し、選択酸化触媒の温度は170℃となった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、5ppmとなった。
CO除去器150への累積アンモニア供給時間(T1)が所定の閾値である40時間以上になる(S13)と、再生動作に入り(S14)、通常動作時よりも、原料の供給量を低く制御する。
図4は、本発明の実施の形態2にかかる水素生成装置の原料供給量と水素含有ガス中のCO濃度の関係を示す図である。
図4に示すように、原料の供給量が増加するにつれ、水素含有ガス中のCO濃度は上昇傾向にある。水素利用機器201が必要とするCO濃度が10ppmであるため、再生動作時にCO濃度10ppmとなる原料の供給量1.6NLMを原料の供給量の上限の閾値と設定する。
再生動作時、原料の供給量を3NLMから1.6NLMに低減させ、選択酸化空気の供給量を0.64NLMから0.25NLMに低減したとき、選択酸化触媒の温度は185℃となり、その際の水素含有ガス中のCO濃度は、10ppmとなった。
これは、原料の供給量を所定量以下とすることで、改質器100で生成されCO除去器150に供給される水素含有ガスの供給量を低減させる。それにより、CO除去器150に充填される選択酸化触媒に対する水素含有ガスのSVを低減させることができ、反応時間を十分に与えることで、選択酸化反応およびメタン化反応によってCO濃度を十分に低減させることができる。
図4に示すように、原料の供給量が増加するにつれ、水素含有ガス中のCO濃度は上昇傾向にある。CO濃度が10ppmとなる原料の供給量1.6NLMを閾値と設定する。
以上のように、水素生成装置400においては、CO除去器150への累積アンモニア供給量に相関するパラメータである累積アンモニア供給時間(T1)が40時間以上になると、再生動作として、原料供給器31が原料の供給量を低減し、選択酸化空気の供給量を低減し、CO除去器150の温度を上昇させた。
これによって、水素含有ガス中のCO濃度が閾値以下となるよう原料の供給量の所定供給量の上限を設定するため、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作を行う際、水素含有ガス中のCO濃度が高いことによる水素利用機器201の性能低下の抑制を確実に行うことができ、水素生成装置400の長時間連続運転が可能となる。
その結果、水素生成装置400の起動停止回数を少なくすることができるため、起動停止に消費する一次エネルギーを削減でき、一次エネルギー削減量をより大きくすることが
可能な水素生成装置400を提供することができる。また、原料の供給量を原料の供給量の上限以下に制御するため、水素利用機器201の必要とする水素含有ガスの流量を適切に供給することができる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3にかかる燃料電池システムの構成を示すブロック図である。図5に示すように、本実施の形態の燃料電池システム500は、水素生成装置400と、燃料電池200とを備えたものである。
水素生成装置400の構成については、図1に示す実施の形態1と異なる点は、CO除去器加熱器21備えた点であり、この点を中心に説明する。
CO除去器加熱器21は、ヒータにより構成され、CO除去器150を加熱する。
燃料電池200は、水素生成装置400より供給される水素含有ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する。燃料電池200に固体高分子形燃料電池(PEFC)を用いる。
水素生成装置400から燃料電池200に至る水素供給経路41には封止器40を設置し、燃料電池200から加熱器20に至る燃料供給経路42と水素供給経路41にバイパス経路43を設置し、バイパス経路43にバイパス封止器44を設置する。
以下に実施の形態3の燃料電池システム500の動作、作用について説明する。なお、以下の動作、作用は、制御器300が水素生成装置400を制御することによって行われる。
本発明の実施の形態3における水素生成装置400の制御方法については、実施の形態1と同様の点については説明を省略し、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
水素生成装置400は、燃料電池200が必要とする水素の流量に応じて、原料の供給量を変化させ、水素含有ガスを生成する。燃料電池システム500として、200Wから700Wまで発電に必要となる、水素含有ガス中の水素の流量を3NLMから9NLMまで供給可能な水素生成装置400について説明する。原料としてN濃度3%を含む都市ガス13Aを用いる。
本発明の実施の形態3の水素生成装置の原料の供給量および選択酸化空気の供給量の制御方法を示すフローチャートは、実施の形態1と同じであり、実施の形態3のフローチャートは図2に示すものである。
制御器300は、水素生成装置400の運転開始要求が発生する(S11)と、水素生成装置400は運転を開始する。水素生成装置400が起動すると、加熱器20における燃焼を開始する。このとき、封止器40を閉止し、バイパス封止器44を開放し、水素供給経路41から分岐して伸び、加熱器20に至る燃焼用の燃料供給経路42がガス通気状態となっている。
よって、原料供給器31の動作開始により原料が改質器100に供給されると、改質器100を通過した原料は、燃焼用の燃料供給経路42を用いて加熱器20に供給される。同時に、空気供給器71の動作開始により、燃焼用の空気が加熱器20に供給される。加熱器20において、点火電極(図示せず)により着火動作が行われ、燃焼用の空気を用いて、燃料の燃焼が起こる。このようにして、加熱器20から供給される燃焼熱により、改質器100が加熱される。
次いで、水供給器51の動作開始により、改質器100に水が供給される。水の供給開始後、水素生成装置400で生成された水素含有ガスの組成が燃料電池200への供給に適した組成になった段階で、封止器40を開放、バイパス封止器44を閉止することで、燃料電池200に水素含有ガスが供給される。
燃料電池200は、酸化剤供給経路(図示せず)から供給される酸化剤ガスと水素含有ガスを反応させて発電する。
CO除去器150への累積アンモニア供給時間(T1)が所定の閾値である40時間に達するまでの通常運転時(S12)は、燃料電池200が必要とする水素の流量に応じて原料の供給量を制御する。このとき、(数1)に示すように、原料の供給量(Fi)に応じて選択酸化空気の供給量(Fa)を制御する。
図6は、実施の形態3にかかる水素生成装置のCO除去器の温度と水素含有ガス中のCO濃度の関係を示す図である。
制御器300は、CO除去器温度検知器90にて検出した温度に基づき、CO除去器加熱器21であるヒータのヒータ出力についてフィードバック制御の一種であるPID制御を行い、CO除去器150の温度を第1の温度である160℃となるようになるよう制御する。その結果、図6に示すとおりCO濃度は10ppm以下となった。
燃料電池200が水素含有ガス中の水素の流量を6NLM必要とするとき、原料の供給量を2NLM、選択酸化空気の供給量を0.42NLM供給し、選択酸化触媒の温度は第1の温度である160℃となった。その際の水素含有ガス中のCO濃度は、3.3ppmとなった。
CO除去器150への累積アンモニア供給時間(T1)が所定の閾値である40時間以上になる(S13)と、再生動作に入り(S14)、通常動作時よりも、原料の供給量を低く制御する。
同時に、選択酸化空気の供給量が低くなるよう、(数2)に示すように、原料の供給量(Fi)に応じて選択酸化空気の供給量(Fa)を制御する。選択酸化触媒の再生動作において、制御器300は、CO除去器温度検知器90にて検出した温度に基づき、CO除去器加熱器21であるヒータのヒータ出力についてフィードバック制御の一種であるPID制御を行い、CO除去器の温度を第1の温度より高い第2の温度である178℃となるようになるよう制御する。
その際、原料の供給量を3NLMから所定量の1.3NLMに低減し、選択酸化空気の供給量を0.42NLMから0.21NLMに低減し、その結果、図6に示すとおり、再生動作において、水素含有ガス中のCO濃度は7.7ppmとなった。
以上のように、燃料電池システム500において、CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータである累積アンモニア供給時間(T1)が40時間に達するまでの通常動作時、CO除去器の温度を第1の温度となるようになるよう制御する。CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータである累積アンモニア供給時間(T1)が40時間以上になる再生動作時、原料供給器31が原料の供給量を低減し、選択酸化空気の供給量を低減し、CO除去器の温度を第1の温度より高い第2の温度となるようになるよう制御する。
これによって、選択酸化触媒の再生動作時に、CO除去器の温度を高くすることで、通常動作時の水素含有ガス中のCO濃度を10ppm以下にすることができる。また、選択酸化触媒を還元雰囲気で高温にさらすことができるため、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生の効果を高くすることができる。
その結果、炭化水素および窒素化合物を含む原料を用いた水素生成装置400の運転を停止することなく、アンモニア被毒によりCO除去性能が低下した選択酸化触媒の再生動作が可能となる。そのため、CO濃度を低減した水素含有ガスの連続供給が可能となり、水素生成装置400の長時間連続運転が可能となる。
そのため、燃料電池200における発電を連続して行うことができ、燃料電池システム500の起動停止回数を少なくすることができる。
その結果、水素生成装置400の起動停止回数を少なくすることができるため、起動停止に消費する一次エネルギーを削減でき、一次エネルギー削減量をより大きくすることが可能な燃料電池システム500を提供することができる。
なお、燃料電池200に固体高分子形燃料電池(PEFC)を用いたが、いずれの種類の燃料電池であってもよく、他には、例えば、リン酸形燃料電池、または溶融炭酸塩形燃料電池等を用いてもよい。
以上のように、本発明にかかる水素生成装置およびそれを用いた燃料電池システム並びにその運転方法は、長時間の連続運転を可能とし、起動停止回数を減らすことができるため、商品性の高い水素生成装置及び燃料電池システムに応用できる。
10 脱硫器
20 加熱器
21 CO除去器加熱器
30 原料供給量検出器
31 原料供給器
40 封止器
41 水素供給経路
42 燃料供給経路
43 バイパス経路
44 バイパス封止器
50 水供給量検出器
51 水供給器
70 空気供給量検出器
71 空気供給器
80 改質器温度検知器
91 選択酸化空気供給量検出器
92 選択酸化空気供給器
100 改質器
150 CO除去器
200 燃料電池
201 水素利用機器
300 制御器
301 演算部
302 記憶部
400 水素生成装置
500 燃料電池システム

Claims (8)

  1. 炭化水素および窒素化合物を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器と、前記水素含有ガス中のCO濃度を選択酸化反応により低減させる選択酸化触媒が充填されたCO除去器と、前記改質器に前記原料を供給する原料供給器と、前記CO除去器に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器と、前記CO除去器を加熱する加熱器と、制御器と、を備え、前記制御器は、前記CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、前記原料供給器による原料の供給量と前記選択酸化空気供給器による選択酸化空気の供給量とを低減すると共に、前記加熱器によって前記CO除去器の温度を高くするよう制御する、水素生成装置。
  2. 前記制御器は、前記選択酸化空気供給器による選択酸化空気の供給量を、前記原料供給器が供給する原料の供給量に応じて設定した供給量になるように制御する、請求項1に記載の水素生成装置。
  3. 前記制御器は、前記CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になるまでは、前記選択酸化空気供給器は選択酸化空気の供給量を、前記原料供給器が供給する原料の供給量に応じて制御し、前記CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、前記選択酸化空気供給器は選択酸化空気の供給量を、前記原料供給器が供給する原料の供給量に応じて設定した供給量より低く制御する、請求項1または2に記載の水素生成装置。
  4. 前記制御器は、前記CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、前記CO除去器から排出される水素含有ガス中のCO濃度が閾値以下となるように、前記選択酸化空気供給器による選択酸化空気の供給量を閾値以上に制御する、請求項1から3のいずれか1項に記載の水素生成装置。
  5. 前記制御器は、前記CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、前記CO除去器から排出される水素含有ガス中のCO濃度が閾値以下となるように、前記原料供給器による原料の供給量を閾値以下に制御する、請求項1から3のいずれか1項に記載の水素生成装置。
  6. 前記CO除去器の温度を検知する温度検知器を備え、
    前記制御器は、前記CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になるまでは、前記温度検知器で検知される前記CO除去器の温度を第1の温度となるよう前記加熱器を制御し、前記CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、前記温度検知器で検知される前記CO除去器の温度が第1の温度より高い第2の温度となるよう前記加熱器を制御する、請求項1から3のいずれか1項に記載の水素生成装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の水素生成装置と、前記水素生成装置より供給される水素含有ガスを用いて発電する燃料電池とを備える燃料電池システム。
  8. 炭化水素および窒素化合物を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器と、前記水素含有ガス中のCO濃度を選択酸化反応により低減させる選択酸化触媒が充填されたCO除去器と、前記改質器に前記原料を供給する原料供給器と、前記CO除去器に選択酸化空気を供給する選択酸化空気供給器と、前記CO除去器を加熱する加熱器と、を備えた水素生成装置の運転方法であって、前記CO除去器への累積アンモニア供給量に相関するパラメータが所定の閾値以上になると、前記原料供給器による原料の供給量と前記選択酸化空気供給器による選択酸化空気の供給量とを低減すると共に、前記加熱器によって前記C
    O除去器の温度を高くする、水素生成装置の運転方法。
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