本発明は、基板処理装置に関する。
液晶表示装置の製造工程には、ガラス基板などの被処理基板に洗浄液などの処理液を供給することにより、被処理基板の表面を洗浄処理する処理工程が含まれる。このような工程を実施するための基板洗浄装置は、処理対象の基板を搬送手段によって搬送しながら、その基板の表面にシャワーノズル等を用いて洗浄液を供給するとともに、ブラシ等を用いて基板の表面を擦ることにより、基板洗浄を行っている。
これらの基板洗浄装置では、図7に示すように、洗浄液供給手段であるシャワーノズル31から、搬送手段33によって搬送される基板Wの表面に洗浄液Lが供給され、基板Wから落下した洗浄液Lを処理槽30の底部に備えられた配管34を介して図示しないタンクに回収し、これをシャワーノズル31に循環供給して再利用されるようになっている。
しかしながら、このような基板洗浄装置で用いられる洗浄液には、界面活性剤を含む洗浄液等、泡立ちやすく、泡が消えにくい性質を持つ液体を用いることが多い。基板にこのような洗浄液を供給し、ブラシ等で擦る工程を経ると、気泡が大量に発生する。図7に示すように、気泡Aが大量に発生した洗浄液は、処理槽30の底部の配管34を介して回収をするときに気泡Aだけが処理槽30に残留し、回収しきれないことがある。これによって、処理槽30の底部と搬送手段33上の基板Wの間に大量の気泡Aが存在する状態になる。
ところで、近年、処理が予定される基板の厚みは、1mm以下の、非常に薄くて軽い基板となる傾向がある。このような基板に対し上述した洗浄処理を繰り返して、搬送手段33付近に気泡が大量に存在するようになると、気泡Aが、搬送手段33上の基板Wを上に押し上げ、搬送手段33から基板Wが脱落してしまったり、基板Wが傾くことによって洗浄液供給手段31からの洗浄液が均一に基板表面に供給されず、洗浄処理を均一に行えないという問題があった。
このため、配管34の径を大きくしたり、配管34を複数設ける等の対策をとることが考えられるが、これらの対策によっても、洗浄液の回収効率は向上するものの、気泡の回収は依然として不十分であった。
さらに、処理槽30の底部から搬送手段33上の基板Wの裏面までの距離が十分とれれば(例えば500mmよりも高い位置に搬送手段33が備えられるなど)、気泡Aによって基板Wの搬送が押し上げられることはないが、実際は装置が大きくなりすぎることを防ぐために、処理槽30の底部から搬送手段33上の基板Wの裏面までの距離は、200〜300mm程度となっている。
また、先に述べたような薄い基板でなくても、気泡が基板に接触すると、その部分に処理ムラが発生し、結果的には、洗浄処理を均一に行えないという問題を有していた。
そこで、本発明は、気泡の影響を防止しつつ、処理液によって良好に処理を行うことのできる基板処理装置を提供することを目的とする。
本発明の基板処理装置は、搬送手段にて搬送される基板に処理液を供給することによって処理する基板処理装置であって、処理槽と、前記処理槽において前記搬送手段によって搬送される前記基板に前記処理液を供給する処理液供給手段と、前記処理槽の下方に設けられ、前記処理液が貯留されるタンクと、前記処理槽の底部と前記タンクとを接続する第1の回収配管と、前記処理槽における前記搬送手段によって搬送される前記基板の裏面よりも下方の領域に設けられる吸い込み部と、前記吸い込み部と前記タンクとを接続する第2の回収配管と、を有し、前記第2の回収配管には、その上流側を負圧状態にする減圧手段が設けられることを特徴とする。
本発明の基板処理装置によれば、気泡の影響を防止しつつ処理液によって良好に処理を行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の概略を示す図。
本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の洗浄槽を拡大した図。
本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の減圧手段を拡大した図。
本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の洗浄槽を図1または図2に示す矢印R方向から見た図。
本発明の第2の実施形態に係る吸い込み部の平面図。
本発明の第3の実施形態に係る基板洗浄装置の概略を示す、図1に相当する図。
従来の基板洗浄装置における洗浄槽を表す図。
第1の実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
図1〜図4に示すように、第1の実施形態に係る基板洗浄装置100(基板処理装置)は、処理槽である洗浄槽10内において、ガラス基板Wの搬送方向(図1において紙面左から右)とは直交する方向(以下、「基板Wの幅方向」ともいう。)に延び、かつ、搬送方向に沿って一定間隔で複数設けられた搬送軸13aと、各搬送軸の軸方向に一定間隔で複数設けられ、かつ、基板Wの下面に当接して基板Wを搬送するローラ13bとを備える搬送手段13を有する。さらに、搬送手段13によって搬送される基板Wに対してその上面に洗浄液L(例えば薬液などの処理液)を供給する供給部12aを有する。供給部12aは、その長手方向に所定間隔で複数のシャワーノズル11(処理液供給手段)を有し、このような供給部12aが、洗浄槽10の基板Wの幅方向に沿って複数設けられている(図4参照)。
洗浄槽10の下方には、洗浄液Lを貯留するタンクTが設けられ、このタンクTから供給部12aに洗浄液Lを供給するための供給配管12が設けられる。この供給配管12には、タンクT内の洗浄液Lを送液するためのポンプPが備えられている。本実施形態における洗浄液Lは、例えば界面活性剤を含む洗剤であり、泡立ちやすく、さらに発生した泡が消えにくい性質を有する液体である。洗浄槽10の底部とタンクTとは、第1の回収配管14により接続される。具体的には、第1の回収配管14の一端が、洗浄槽10の底部に開口し、第1の回収配管14の他端は、タンクT内に開口する。これにより、洗浄槽10内にて基板Wに供給された洗浄液Lは、その自重によって第1の配管14を経由して、タンクTに回収されるようになっている。供給配管12には図示しないフィルタが設けられており、使用済みの洗浄液LをポンプPによってタンクTから再度シャワーノズル11に供給する際に、洗浄液L内の異物を除去できるようになっている。
洗浄槽10の側壁部には、この側壁部を貫通して、第2の回収配管15が設けられる。そして、第2の回収配管15における、洗浄槽10の内部に位置する一端には、基板Wの幅方向に沿って延びる吸い込み部15aが設けられている。この吸い込み部15aは、搬送手段13によって搬送される基板Wの裏面よりも下方で、しかも洗浄槽10における、基板Wの搬送方向の下流側(図1に矢印Rで示される方向)の壁に沿って設けられている。第2の回収配管15の途中には、減圧手段としてのアスピレータ16が備えられ、ガス取り込み口16a(図3参照)にガスを供給することによって、第2の回収配管15におけるアスピレータ16の上流側に負圧を発生させる。詳細は後述する。
図2は、本発明の実施形態に係る洗浄装置の洗浄槽を拡大した図である。
前述の通り、洗浄槽10の底部には第1の回収配管14が設けられており、使用済みの洗浄液Lは、この第1の回収配管14を介して回収されることになる。ところが、洗浄液Lは泡立ちやすい性質を有する液体であるため、洗浄液L自体は回収されるものの、洗浄の際に生じた気泡、例えば、洗浄液Lが基板Wに供給される衝撃や、洗浄液で濡れた基板Wの表面をブラシBで擦ることによって発生した気泡Aの多くが洗浄槽10の底部に残留し、徐々に蓄積されていく。この点からみると、洗浄槽10は、不完全ながらも気液分離装置として機能し、気泡を含む洗浄液Lを、気泡と液とに分離する機能を有することになる。ここで「不完全ながら」とは、第1の回収配管14を介して、一部の気泡Aは、洗浄液L自体とともにタンクAに回収されるからである。なお、本実施形態のように、貯留装置10とタンクTとが第1の回収配管14で接続される状態で、洗浄液自体は主として第1の回収配管14を介して速やかに回収され、気泡は主として貯留槽10に残留されるような状態となる、第1の回収配管14の径は、供給部12aから供給される洗浄液Lの供給量や処理槽10にて発生する気泡の大きさ等を考慮し、実験等にて決定される。第1の回収配管14の径を大きくすればする程、貯留槽10内で発生した気泡は洗浄液Lとともに第1の回収配管14を介して貯留タンクTに回収することはできる。しかしながら、多くの気泡を含んだ洗浄液Lが、供給配管12を経由して基板Wに供給されることなり、処理ムラを引き起こす危険性が高まる。
洗浄槽10の側壁部で、搬送手段13によって搬送される基板Wの裏面より下方の領域には、第2の回収配管15の一端が接続され、第2の回収配管15の一端には吸い込み部15aが設けられている。また、第2の回収配管15の他端は、タンクTに貯留される洗浄液Lの液面よりも高い位置に設けられている(図1参照)。
図3は、本発明の実施形態に係る洗浄装置の減圧手段としてのアスピレータ16を拡大した図である。
図3に示すように、アスピレータ16は、外部から空気などのガスを供給するためのガス取り込み口16aと、このガスの流れによって生じた吸引力を利用して、洗浄槽10内に配置される吸い込み部15aが吸い取った気泡Aを、アスピレータ16本体に取り込む筒状の気泡吸い込み部16bと、ガス取り込み口16aからのガスと、気泡吸い込み部16bからの気泡A(実際には気泡Aと一緒に吸引される少量の洗浄液Lも含む)を下流側の第2の回収配管15に排出する排出口16cとを有する。ガス取り込み口16aからの気体は、気泡吸い込み部16bの外側から図3に示す矢印のように排出口16cの方に流れる。これによって、気泡吸い込み部16b側に負圧が生じるようになっている。
図2および図4に示すように、第2の回収配管15には、その一端に吸い込み部15aが接続され、この吸い込み部15aは、洗浄槽10の底部に溜まった気泡Aに接し得るように備えられている。この吸い込み部15aは、先に述べたように、基板Wの幅方向に延びるように設けられており、本実施形態では、配管から構成されている。そして、この配管の延びる方向に沿って一定間隔で、複数の吸い込み孔15bが設けられている。複数の吸込み孔15bは、基板Wの搬送方向上流側(図1、図2で左方向)を向いている。
次に、図1〜図4を参照して、前述の基板洗浄装置100が行う基板洗浄処理工程について説明する。なお、以下の動作制御は、すべて図示しない制御部によるものである。
まず、基板Wが、搬送手段13によって基板洗浄装置100の洗浄槽10内に搬入される。供給部12aには、供給配管12を介してタンクT内の洗浄液Lが供給され、シャワーノズル11から洗浄液Lが基板Wに対して供給される。シャワーノズル11から供給された洗浄液Lは、基板Wの表面に達すると、ブラシBなどの洗浄手段と基板Wとの間に入り込み、基板Wの洗浄処理が行われる。洗浄処理に使用された洗浄液Lは、基板Wの表面から洗浄槽10の底部へとこぼれ落ちるとともに、第1の回収配管14を介してタンクTに順次回収される。タンクTは洗浄槽10の底部の下方に設けられているため、洗浄液Lは、重力によって下方のタンクTへと自動的に落下することによって回収される。第1の回収配管14は、主に洗浄処理に用いられた洗浄液Lを回収する配管であることから、液体回収専用の配管と呼ぶことができる。
洗浄槽10においては、第1の回収配管14によって洗浄液Lがほぼ回収され、主に気泡Aのみが残留する。そこで、図示しない制御部により、所定時間毎にアスピレータ16を作動させることによって、洗浄槽10の底部に残留した気泡Aが、第2の回収配管15からタンクTへと強制的に回収される。第2の回収配管は15は、主に気泡Aを回収する配管であることから、気泡回収専用配管と呼ぶことができる。
なお、アスピレータ16が作動する所定時間は、洗浄槽10の底部に残留した気泡Aが基板Wの裏面に達することがないように設定される。所定時間毎にアスピレータ16が作動すると、第2の回収配管15のアスピレータ16の上流側が負圧になり、この負圧によって、洗浄槽10の底部に溜まった気泡Aは吸い込み部15aから吸い込まれ、多量の気泡Aを含む少量の洗浄液Lが、第2の回収配管15によって洗浄槽10内から回収されていく。洗浄槽10における基板の幅方向全域に亘って存在する気泡Aを、基板Wの裏面に到達することがない程度に回収される。
第2の回収配管15内では、アスピレータ16のガス取り込み口16aから取り込まれた気体によって、アスピレータ16が設けられた位置よりも下流側が加圧されるため、第2の回収配管15の一端から吸い込まれた気泡Aが圧縮され、破裂する。さらに、気泡Aは、アスピレータ16のガス取り込み口16aから供給された新たな気体と撹拌されることによって、気泡Aを形成していた液体と気体との界面が壊れ、気泡として存在できなくなり、すなわち破裂、消滅する。このため、タンクTに戻る洗浄液L中の気泡Aは極力少なくなる。このようにして、気泡Aが取り除かれた洗浄液LがタンクTに貯留されていき、再びタンクTから供給配管12を介してシャワーノズル11へ供給されることになる。
さらに、上記した基板洗浄装置100は、処理槽10とタンクTとを液体専用回収配管である第1の回収配管14で接続した構成のため、処理槽10にて基板Wの洗浄に用いられた流動性の高い洗浄液L自体は、第1の回収配管14を介して速やかにタンクTに回収されてしまい、洗浄槽10内、特に洗浄槽10の底部には主に気泡Aのみが残留する。そしてこのような状態を作り出したうえで、気泡専用回収配管である第2の回収配管15を介して洗浄槽10に残留する気泡Aを回収することができる。このように洗浄液Lと気泡Aとを分けて回収することにより、洗浄液Lと気泡Aとを一緒に回収することによって必要となる気液分離工程を省くことができる。
このように、本実施の形態では、洗浄槽10に残留した気泡Aは、洗浄槽10に設けられた吸込み部15aによって強制的に吸引され、第2の回収配管15を通過する間に液体の状態に戻されてタンクTに回収される。これによって、洗浄槽10の底部に残留する気泡Aが搬送手段13上の基板W裏面にまで達して基板Wの裏面が押し上げられることが防止でき、良好な洗浄処理を行うことができる。
また、本実施の形態においては、洗浄槽10とタンクAとが第1の回収配管14によって接続された構成であるから、洗浄槽10において基板Wに供給された洗浄液Lは、主として第1の回収配管14を通って回収され、洗浄槽10には主として気泡Aだけが残留する。このように、洗浄槽10と第1の回収配管14とにより、不完全ながら気液分離装置を構成し、吸込み部15aは、洗浄槽10に残留した気泡Aを除去すればよいので、吸込み部15aを処理槽10等に固定配置することができる。もちろん、その固定位置を上下方向や、基板の搬送方向に沿って調整できるようになっていることは望ましい。つまり、洗浄槽10内の気泡Aを除去するといっても、洗浄に使用された後の洗浄液Lをタンクに移すことなく洗浄槽10に貯留するような構成の場合、貯留した洗浄液Lに浮遊する気泡を除去することになる。この場合、洗浄液Lの液面が常に変動するので、この液面変動に応じて吸込み部15aを上下動する構成とすることが必須となる。
次に、本発明の第2の実施形態について、図5を用いて説明する。
図5は、第2の回収配管15に接続される吸い込み部151aの平面図である。第2の実施形態は、基本的に第1の実施形態と同様である。このため、第2の実施形態では、第1の実施形態との相違点について説明し、その他の説明は省略する。
図5に示すように、第2の実施形態に係る洗浄装置が上記第1の実施形態と異なる点は、吸い込み部151aに設けられる複数の吸い込み孔151bが、設けられている位置によって径(大きさ)が異なる点と、複数の吸い込み孔151bが、洗浄槽10の底部に対向するように設けられている点である。複数の吸い込み孔151bは、上記第1の実施形態同様、洗浄槽10の底部に溜まった気泡Aを吸い込むために設けられている。第2の回収配管15は、吸い込み部151aの長手方向中央部分に接続されているので、吸い込み部151aの長手方向端部など、第2の回収配管15と接続されている部分から遠くなる箇所に位置する吸い込み孔151bから吸い込む力は、第2の回収配管15との接続部分に位置する吸い込み孔151bから吸い込む力よりも小さい。すなわち、吸い込み部151aの長手方向中央部分に位置する吸い込み孔151bから吸い込む力に比べて、吸い込み部151aの長手方向端部に位置する吸い込み孔151bから吸い込まれる力の方が小さくなってしまう。これを解決するために、複数設けられる吸い込み孔151bのうち、第2の回収配管15との接続部分から離れる箇所に位置する吸い込み孔151bの径を大きくする。例えば、図5に示す通り、第2の回収配管15との接続部分から離れるに従って、徐々に吸い込み孔151bの径を大きくする。このように吸い込み孔151bの径をその位置によって異ならせることによって、吸込み部151aに設けられる各吸い込み孔151bからの吸い込む力を均一化することができ、基板Wの幅方向全域に亘って均一に気泡Aを吸い込み、回収することができる。
また、吸い込み孔151bは、洗浄槽10の底面に対向するように(下向きに)設けられている。このように吸い込み孔151bが下向きに設けられていることによって、吸い込み孔151bから吸い込んだ気泡Aが吸い込み部151a内で破裂して液体となり、吸い込み部151a内に洗浄液が徐々に溜まってきても、その洗浄液は自重によって吸い込み孔151bから自然とこぼれ落ちるので、吸い込み部151a内に液体が溜まりにくい。液体が溜まりにくくなると、アスピレータ16によって吸い込む力が低下することが防げるため、処理効率が向上する。
以上のように、第2の実施形態によっても、上記の第1の実施形態と同様の効果を得られる。さらに、気泡を基板の幅方向全域に亘って均一に吸い込むことができる。また、吸い込み部内に液体が溜まって気泡を吸い込む力が低下することを防ぐことができるという効果も有する。この第2の実施形態においては、吸い込み孔151bの径が、吸い込み孔151bの位置によって異なることと、吸い込み孔151bが下向きに設けられていることを同一の実施形態として説明しているが、いずれか一つの特徴を有しているものであっても良い。
次に、本発明の第3の実施形態について、図6を用いて説明する。
第3の実施形態に係る基板処理装置200は、基本的に第1の実施形態と同様である。このため、第3の実施形態では、第1の実施形態との相違点について説明し、その他の説明は省略する。
図6に示すように、第3の実施形態に係る基板処理装置200には、さらに第3の回収配管17が設けられている。第3の回収配管17は、第1の回収配管14が二股に分岐するようにして設けられており、分岐点の下流側にアスピレータ18が設けられている。アスピレータ18は、第1の実施形態におけるアスピレータ16と同じ構成を採用できる。
第1の回収配管14は、主に洗浄槽10内の使用済みの洗浄液Lのみが回収されるが、洗浄液L中に気泡Aが混在している場合がある。このとき、第1の回収配管14の途中に気泡Aが溜まり、洗浄液LがタンクTにスムーズに落下しない。このような場合においても、第3の回収配管17に設けられるアスピレータ18が、第1の回収配管14内の気泡Aを吸引することによって、洗浄液Lに混在した気泡Aが第1の回収配管14から回収されるとともに、液体に戻されてタンクTに回収される。気泡が回収された洗浄液Lは、スムーズにタンクTへと落下していく。
以上のように、第3の実施形態によっても、上記の第1の実施形態と同様の効果を得られる。さらに、第1の回収配管14を介して回収される洗浄液Lに気泡Aが混在したとしても、洗浄液Lの回収を滞りなく行なうことができる。また、タンクTに回収された洗浄液Lに含まれる気泡Aが減少するから、回収した洗浄液Lを再度洗浄に使用したとても、気泡による処理ムラをより防止できる。
なお、上記の各実施形態において、洗浄対象物である基板Wは、液晶表示装置に用いるガラス基板であるとしたが、これに限らず、泡立ちやすい液体によって処理されるものであれば良い。
また、上記の各実施形態において、処理液として界面活性剤を含む洗浄液Lであるとしたが、これに限らず、処理工程において泡立ちやすい液体であれば良い。さらには、処理は洗浄に限らず、泡の立ちやすい処理液を用いたエッチングなど、洗浄以外の処理にも適用できる。
また、上記の各実施形態において、減圧手段はアスピレータを例に挙げたが、これに限らず、エジェクター、ベンチュリ管などの減圧可能な他の手段を用いても良い。
また、上記の各実施形態において、第2の回収配管15の一端に設けた吸い込み部15a(151a)は、基板幅方向において複数の吸い込み孔15b(151b)を有するとしたが、これに加え、洗浄槽10の高さ方向においても複数の吸い込み孔を有するようにし、気泡Aの存在する高さ位置に拘わらず回収を行うことができるようにしても良い。
また、上記の各実施形態において、吸い込み部15a(151a)には、複数の吸い込み孔15b(151b)が形成されているとしているが、これに限られず、基板Wの幅方向全域にスリット孔などを有するようにしても良い。あるいは、吸い込み部15a自体が配管ではなく、ラッパ状の開口部を有する部材であっても良い。つまり、吸い込み部15a(151a)には、第2の回収配管15による気泡Aの吸引が可能な開口部を有していれば良い。例えばスリット孔を設ける場合においても、上記第2の実施形態と同様に、第2の回収配管15との接続部分から離れるにしたがってスリット幅やラッパ状の開口部の開口を広げるようにしても良い。
また、上記の第2の実施形態において、複数の吸い込み孔151bは洗浄槽10の底部に対向する面に(すなわち下向きに)設けられているとしているが、常に下向きである必要はなく、吸い込み部151aが、吸込み部151aの長手方向を回転軸として定位置で回転可能に設けられるようにしても良い。例えば、通常の気泡吸い込み時には、第1の実施形態の吸い込み孔15bのように、吸い込み孔151bは基板Wの搬送方向上流側を向いていて、洗浄処理を停止しているタイミングで吸い込み部151aを回転させて吸い込み孔151bを下方に向くようにすることで、吸い込み孔151bに溜まった洗浄液Lを貯留槽10内に排出させるようにしても良い。なお、同様に、第1の実施形態における吸込み部151aを回転させるようにしても良い。
また、第2の実施形態において、吸い込み孔151bは、洗浄槽10の底部に対向する面にのみ設けられているが、これに限られず、第1の実施形態に示す吸い込み孔15bの位置にも有していても良いし、その他の位置に複数設けられていても良い。
また、上記の各実施形態において、基板Wに洗浄液Lを供給する手段をシャワーノズルとしているが、これに限らず、その他のノズル等基板Wに洗浄液Lを供給できる手段であれば良い。
また、上記の各実施形態において、第1の回収配管14から回収される洗浄液は、タンクTに戻されるが、これに限らず、廃液されても良い。
また、上記の各実施形態において、アスピレータ16は所定時間毎に作動するとしたが、これに限らず、ノズル11からの洗浄液Lの供給が行われている間のみ行うようにしても良いし、気泡Aの洗浄槽における高さ位置を光センサ等で確認し、これに基づいて図示しない制御部が必要と判断したときにのみ、作動させるようにしても良い。あるいは、常に作動したままの状態を維持するようにしても良い。
また、第2の回収配管15における減圧手段の上流または下流にヒータを設けるようにしても良い。気泡Aの界面は温度が上昇することによって崩壊しやすくなるので、ヒータで加温することにより気泡Aが破裂しやすくなる。なお、タンクTに回収された後の洗浄液Lの温度自体が著しく変化すると、その後の洗浄処理効率も変化してしまうため、減圧手段の上流側にヒータを設けるようにする方が好ましい。
また、上記の各実施形態において、吸い込み部15a(151a)は、洗浄槽10の側壁部に備えられるとしているが、これに限らず、基板搬送方向中央部分の壁部などに有していても良く、また、複数箇所に備えられていても良い。側壁部以外の箇所においても吸い込み部15a(151a)を備えることにより、気泡Aをより均一に効率よく回収することができる。
また、上記の各実施形態において、吸い込み部15aが設けられる位置は、ノズル11が設けられていない箇所に設けるようにするとなお良い。貯留槽10内で発生した気泡に、ノズル11から吐出された洗浄液Lが勢いよく衝突すると、気泡Aは破裂する。ノズル11は、洗浄槽10の端部においては設置されていない場合がある。この部分に対応する洗浄槽10の底部に溜まる気泡Aには、ノズル11から吐出される洗浄液Lが衝突する可能性が非常に少ない。したがって、ノズル11からの洗浄液Lによる破裂の可能性が極めて低い箇所に吸引部15aを設けるようにすると良い。
また、吸い込み部15a、151a(厳密には複数の吸い込み孔15b、151b)が設置される高さ位置は、搬送手段13によって搬送される基板Wの裏面より下方の領域であるとしたが、さらに、洗浄槽10の底部に溜まったタンクTへ回収する前の洗浄液Lの液面より上方に設けられることが好ましい。
また、上記の各実施形態において、第2の回収配管15は、洗浄槽10の側壁を貫通するように設けているが(図1および図2参照)、これに限らず、洗浄槽10の上部まで第2の回収配管15を延ばし、洗浄槽10の側壁を乗り越えるように設けても良い。また、第2の回収配管15を吸い込み部15a、151aに対して複数設けるようにしても良い。
また、上記各実施形態における第1の回収配管14、第2の回収配管15、及び第3の回収配管17のタンクT側の端部は、タンクTの底面近傍に備えられるようにするのが好ましい。これは、これらの配管によって回収される洗浄液Lや気泡AがタンクTに供給される際、タンクT内の洗浄液Lの液面に叩きつけられるようにして新たに気泡が発生してしまうことを防ぐためである。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 洗浄槽(処理槽)
11 シャワーノズル(処理液供給手段)
12 供給配管
13 搬送手段
14 第1の回収配管
15 第2の回収配管
16 アスピレータ(減圧手段)
L 洗浄液
T タンク
W 基板
A 気泡
これらの基板洗浄装置では、図7に示すように、洗浄液供給手段であるシャワーノズル31から、搬送手段33によって搬送される基板Wの表面に洗浄液Lが供給され、基板Wから落下した洗浄液Lを、処理槽30の底部に備えられた配管34を介して図示しないタンクに回収し、これをシャワーノズル31に循環供給して再利用するようになっている。
しかしながら、このような基板洗浄装置で用いられる洗浄液には、界面活性剤を含む洗浄液等、泡立ちやすく、泡が消えにくい性質を持つ液体を用いることが多い。基板にこのような洗浄液を供給し、ブラシ等で擦る工程を経ると、気泡が大量に発生する。図7に示すように、気泡Aが大量に発生した洗浄液は、処理槽30の底部の配管34を介して回収されるときに、気泡Aだけが処理槽30に残留し、回収しきれないことがある。これによって、処理槽30の底部と搬送手段33上の基板Wの間に大量の気泡Aが存在する状態になる。
ところで、近年、処理が予定される基板は、厚みが1mm以下の、非常に薄くて軽い基板となる傾向がある。このような基板に対し上述した洗浄処理を繰り返して、搬送手段33付近に気泡Aが大量に存在するようになると、気泡Aが、搬送手段33上の基板Wを上に押し上げ、搬送手段33から基板Wが脱落してしまったり、基板Wが傾いてしまったりする。これによってシャワーノズル31からの洗浄液が均一に基板表面に供給されず、洗浄処理を均一に行えないという問題があった。
本発明の基板処理装置は、搬送手段により搬送される基板に処理液を供給することによって基板を処理する基板処理装置であって、処理槽と、前記処理槽において前記搬送手段によって搬送される前記基板に前記処理液を供給する処理液供給手段と、前記処理槽の下方に設けられ、前記処理液が貯留されるタンクと、前記処理槽の底部と前記タンクとを接続する第1の回収配管と、前記処理槽における前記搬送手段によって搬送される前記基板の裏面よりも下方の領域に設けられた吸い込み部と、前記吸い込み部と前記タンクとを接続する第2の回収配管と、前記第2の回収配管に設けられ、前記第2の回収配管の上流側を負圧状態にする減圧手段と、を有することを特徴とする。
洗浄槽10の下方には、洗浄液Lを貯留するタンクTが設けられ、このタンクTから供給部12aに洗浄液Lを供給するための供給配管12が設けられる。この供給配管12には、タンクT内の洗浄液Lを送液するためのポンプPが備えられている。本実施形態における洗浄液Lは、例えば界面活性剤を含む洗剤であり、泡立ちやすく、さらに発生した泡が消えにくい性質を有する液体である。洗浄槽10の底部とタンクTとは、第1の回収配管14により接続される。具体的には、第1の回収配管14の一端が、洗浄槽10の底部に開口し、第1の回収配管14の他端は、タンクT内に開口する。これにより、洗浄槽10内にて基板Wに供給された洗浄液Lは、その自重によって第1の回収配管14を経由して、タンクTに回収されるようになっている。供給配管12には図示しないフィルタが設けられており、使用済みの洗浄液LをポンプPによってタンクTから再度シャワーノズル11に供給する際に、洗浄液L内の異物を除去できるようになっている。
前述の通り、洗浄槽10の底部には第1の回収配管14が設けられており、使用済みの洗浄液Lは、この第1の回収配管14を介して回収されることになる。ところが、洗浄液Lは泡立ちやすい性質を有する液体であるため、洗浄液L自体は回収されるものの、洗浄の際に生じた気泡A、例えば、洗浄液Lが基板Wに供給される衝撃や、洗浄液で濡れた基板Wの表面をブラシBで擦ることによって発生した気泡Aの多くが洗浄槽10の底部に残留し、徐々に蓄積されていく。この点からみると、洗浄槽10は、不完全ながらも気液分離装置として機能し、気泡を含む洗浄液Lを、気泡と液とに分離する機能を有することになる。ここで「不完全ながら」とは、第1の回収配管14を介して、一部の気泡Aは、洗浄液L自体とともにタンクTに回収されるからである。なお、本実施形態のように、洗浄槽10とタンクTとが第1の回収配管14で接続される状態で、洗浄液自体は主として第1の回収配管14を介して速やかに回収され、気泡Aは主として洗浄槽10に残留するような状態となる。第1の回収配管14の径は、供給部12aから供給される洗浄液Lの供給量や洗浄槽10にて発生する気泡Aの大きさ等を考慮し、実験等により決定される。第1の回収配管14の径を大きくすればする程、洗浄槽10内で発生した気泡Aを洗浄液Lとともに第1の回収配管14を介してタンクTに回収することはできる。しかしながら、多くの気泡Aを含んだ洗浄液Lが、供給配管12を経由して基板Wに供給されることなり、処理ムラを引き起こす危険性が高まる。
洗浄槽10の側壁部で、搬送手段13によって搬送される基板Wの裏面より下方の領域には、第2の回収配管15の一端が接続され、第2の回収配管15の一端には吸い込み部15aが設けられている。また、第2の回収配管15の他端は、タンクTに貯留される洗浄液Lの液面よりも低い位置に設けられている(図1参照)。
洗浄槽10においては、第1の回収配管14によって洗浄液Lがほぼ回収され、主に気泡Aのみが残留する。そこで、図示しない制御部により、所定時間毎にアスピレータ16を作動させることによって、洗浄槽10の底部に残留した気泡Aが、第2の回収配管15からタンクTへと強制的に回収される。第2の回収配管15は、主に気泡Aを回収する配管であることから、気泡回収専用配管と呼ぶことができる。
なお、アスピレータ16が作動する間隔である所定時間は、洗浄槽10の底部に残留した気泡A(気泡Aの存在する高さ位置)が基板Wの裏面に達することがないように設定される。所定時間毎にアスピレータ16が作動すると、第2の回収配管15のアスピレータ16の上流側が負圧(負圧状態)になり、この負圧によって、洗浄槽10の底部に溜まった気泡Aは吸い込み部15aから吸い込まれ、多量の気泡Aを含む少量の洗浄液Lが、第2の回収配管15によって洗浄槽10内から回収されていく。洗浄槽10における基板Wの幅方向全域に亘って存在する気泡Aが、基板Wの裏面に到達することがない程度に回収される。
さらに、上記した基板洗浄装置100は、洗浄槽10とタンクTとを液体専用回収配管である第1の回収配管14で接続した構成であるため、洗浄槽10にて基板Wの洗浄に用いられた流動性の高い洗浄液L自体は、第1の回収配管14を介して速やかにタンクTに回収されてしまい、洗浄槽10内、特に洗浄槽10の底部には主に気泡Aのみが残留する。そしてこのような状態を作り出したうえで、気泡専用回収配管である第2の回収配管15を介して洗浄槽10に残留する気泡Aを回収することができる。このように洗浄液Lと気泡Aとを分けて回収することにより、洗浄液Lと気泡Aとを一緒に回収することによって必要となる気液分離工程を省くことができる。
また、本実施の形態においては、洗浄槽10とタンクTとが第1の回収配管14によって接続された構成であるから、洗浄槽10において基板Wに供給された洗浄液Lは、主として第1の回収配管14を通って回収され、洗浄槽10には主として気泡Aだけが残留する。このように、洗浄槽10と第1の回収配管14とにより、不完全ながら気液分離装置を構成し、吸い込み部15aは、洗浄槽10に残留した気泡Aを除去すればよいので、吸い込み部15aを洗浄槽10等に固定配置することができる。もちろん、その固定位置を上下方向や、基板Wの搬送方向に沿って調整できるようになっていることは望ましい。つまり、洗浄槽10内の気泡Aを除去するといっても、洗浄に使用された後の洗浄液LをタンクTに移すことなく洗浄槽10に貯留するような構成の場合、貯留した洗浄液Lに浮遊する気泡を除去することになる。この場合、洗浄液Lの液面が常に変動するので、この液面変動に応じて吸い込み部15aを上下動する構成とすることが必須となる。
図5に示すように、第2の実施形態に係る洗浄装置が上記第1の実施形態と異なる点は、吸い込み部151aに設けられる複数の吸い込み孔151bが、設けられている位置によって径(大きさ)が異なる点と、複数の吸い込み孔151bが、洗浄槽10の底部に対向するように設けられている点である。複数の吸い込み孔151bは、上記第1の実施形態同様、洗浄槽10の底部に溜まった気泡Aを吸い込むために設けられている。第2の回収配管15は、吸い込み部151aの長手方向中央部分に接続されているので、吸い込み部151aの長手方向端部など、第2の回収配管15と接続されている部分から遠くなる箇所に位置する吸い込み孔151bから吸い込む力は、第2の回収配管15との接続部分に位置する吸い込み孔151bから吸い込む力よりも小さい。すなわち、吸い込み部151aの長手方向中央部分に位置する吸い込み孔151bから吸い込む力に比べて、吸い込み部151aの長手方向端部に位置する吸い込み孔151bから吸い込む力の方が小さくなってしまう。これを解決するために、複数設けられる吸い込み孔151bのうち、第2の回収配管15との接続部分から離れる箇所に位置する吸い込み孔151bの径を大きくする。例えば、図5に示す通り、第2の回収配管15との接続部分から離れるに従って、徐々に吸い込み孔151bの径を大きくする。このように吸い込み孔151bの径をその位置によって異ならせることによって、吸い込み部151aに設けられる各吸い込み孔151bからの吸い込む力を均一化することができ、基板Wの幅方向全域に亘って均一に気泡Aを吸い込み、回収することができる。
以上のように、第2の実施形態によっても、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、気泡Aを基板Wの幅方向全域に亘って均一に吸い込むことができる。また、吸い込み部151a内に液体が溜まって気泡Aを吸い込む力が低下することを防ぐことができるという効果も有する。この第2の実施形態においては、吸い込み孔151bの径が、吸い込み孔151bの位置によって異なることと、吸い込み孔151bが下向きに設けられていることを同一の実施形態として説明しているが、いずれか一つの特徴を有しているものであっても良い。
第1の回収配管14は、主に洗浄槽10内の使用済みの洗浄液Lのみを回収するが、洗浄液L中に気泡Aが混在している場合がある。このとき、第1の回収配管14の途中に気泡Aが溜まり、洗浄液LがタンクTにスムーズに落下しない。このような場合においても、第3の回収配管17に設けられるアスピレータ18が、第1の回収配管14内の気泡Aを吸引することによって、洗浄液Lに混在した気泡Aが第1の回収配管14から回収されるとともに、液体に戻されてタンクTに回収される。気泡Aが回収された洗浄液Lは、スムーズにタンクTへと落下していく。
また、上記の第2の実施形態において、複数の吸い込み孔151bは洗浄槽10の底部に対向する面に(すなわち下向きに)設けられているとしているが、常に下向きである必要はなく、吸い込み部151aが、吸い込み部151aの長手方向を回転軸として定位置で回転可能に設けられるようにしても良い。例えば、通常の気泡吸い込み時には、第1の実施形態の吸い込み孔15bのように、吸い込み孔151bは基板Wの搬送方向上流側を向いていて、洗浄処理を停止しているタイミングで吸い込み部151aを回転させて吸い込み孔151bを下方に向くようにすることで、吸い込み孔151bに溜まった洗浄液Lを洗浄槽10内に排出させるようにしても良い。なお、同様に、第1の実施形態における吸い込み部151aを回転させるようにしても良い。
また、上記の各実施形態において、アスピレータ16は所定時間毎に作動するとしたが、これに限らず、シャワーノズル11からの洗浄液Lの供給が行われている間のみ作動するようにしても良いし、気泡Aの洗浄槽10における高さ位置を光センサ等で確認し、これに基づいて図示しない制御部が必要と判断したときにのみ、アスピレータ16を作動させるようにしても良い。あるいは、常にアスピレータ16が作動したままの状態を維持するようにしても良い。
また、上記の各実施形態において、吸い込み部15aが設けられる位置としては、シャワーノズル11が設けられていない箇所に吸い込み部15aを設けるようにするとなお良い。洗浄槽10内で発生した気泡Aに、シャワーノズル11から吐出された洗浄液Lが勢いよく衝突すると、気泡Aは破裂する。シャワーノズル11は、洗浄槽10の端部においては設置されていない場合がある。この部分に対応する洗浄槽10の底部に溜まる気泡Aには、シャワーノズル11から吐出される洗浄液Lが衝突する可能性が非常に少ない。したがって、シャワーノズル11からの洗浄液Lによる破裂の可能性が極めて低い箇所に吸い込み部15aを設けるようにすると良い。