JP2016127238A - 電子装置及び電子装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】グラフェンとそれに接続される金属との間の接触抵抗の増大を抑えた電子装置を実現する。
【解決手段】トランジスタ1は、グラフェン4の端部4a及び端部4bに点在する、炭素原子が欠損した孔4cを含む。グラフェン4の、孔4cが形成された端部4a及び端部4bにそれぞれ、金属を用いたソース電極5a及びドレイン電極5bが接続される。孔4cを設けることで、エッジ位置の炭素原子の個数を増大させて、グラフェン4のフェルミ準位付近の状態密度を増大させ、その状態密度と反比例の関係にある、グラフェン4とソース電極5a及びドレイン電極5bとの間の接触抵抗を低減する。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子装置及び電子装置の製造方法に関する。
炭素材料の1種であるグラフェンは、炭素原子がsp2結合により六角格子状に並んだ原子1層のシート状の物質であり、高い電子移動度を示すことが知られている。例えば、このような性質を有するグラフェンを、半導体素子等を含む電子装置内の、トランジスタのチャネルに適用することが提案されている。
特開2011−155098号公報 特開2012−175087号公報
エー・シー・エス・ナノ(ACS Nano),2013年、7巻、4号、p.3661〜3667
グラフェンを用いる電子装置では、グラフェンへの電流供給或いはグラフェンからの電流取り出しのための電極として、金属がグラフェンに接続される場合がある。この場合、グラフェンと金属との間の接触抵抗が増大すると、グラフェンの高い電子移動度を活かした電子装置を得ることができないことが起こり得る。
本発明の一観点によれば、グラフェンと、前記グラフェンの第1部分に点在し、炭素原子が欠損した少なくとも1つの第1孔と、前記第1部分に接続された第1金属とを含む電子装置が提供される。
また、本発明の一観点によれば、グラフェンの第1部分に、炭素原子が欠損した少なくとも1つの第1孔を点在させる工程と、前記第1部分に第1金属を接続する工程とを含む電子装置の製造方法が提供される。
開示の技術によれば、グラフェンと金属との間の接触抵抗の増大を抑えた電子装置を実現することが可能になる。
グラフェンを用いたトランジスタの第1の例を示す図である。 グラフェンを用いたトランジスタの第2の例を示す図である。 グラフェンを用いたトランジスタの構成例を示す図(その1)である。 グラフェンを用いたトランジスタの構成例を示す図(その2)である。 比較に用いるモデルを示す図である。 ジグザグ端を含む孔の一例を示す図である。 孔のエッジの説明図である。 第1実施例に係る孔を設けたグラフェンの、カットを設けたグラフェンとの、伝導率ρ及び接触抵抗RCについての比較を表す図である。 第2実施例に係る孔を設けたグラフェンの、カットを設けたグラフェンとの、伝導率ρ及び接触抵抗RCについての比較を表す図である。 第3実施例に係る孔を設けたグラフェンの、カットを設けたグラフェンとの、伝導率ρ及び接触抵抗RCについての比較を表す図である。 第4実施例に係るモデルを示す図である。 トランジスタ形成方法の一例の説明図(その1)である。 トランジスタ形成方法の一例の説明図(その2)である。 トランジスタ形成方法の一例の説明図(その3)である。 トランジスタ形成方法の一例の説明図(その4)である。 トランジスタ形成方法の一例の説明図(その5)である。 トランジスタ形成方法の一例の説明図(その6)である。 トランジスタ形成方法の一例の説明図(その7)である。 トランジスタ形成方法の一例の説明図(その8)である。 トランジスタ形成方法の一例の説明図(その9)である。 トランジスタ形成方法の別例の説明図(その1)である。 トランジスタ形成方法の別例の説明図(その2)である。 グラフェンを用いた導体部の構成例を示す図である。 グラフェンを用いたトランジスタの別の構成例を示す図である。
グラフェンは、炭素(C)原子がsp2結合により六角格子状に並んだ原子1層のシート状の物質であり、フェルミ準位付近で特徴的な線形分散バンドを有するために、電子移動度が高く、半導体装置の高速化や低消費電力化に有用であると考えられる。グラフェンは、シート中における電子の散乱を抑制した場合、室温でも100000cm2-1-1を超える非常に大きな電子移動度を達成することが可能である。このような高い電子移動度を達成し得るグラフェンを、トランジスタ等の電子装置に利用することが提案されている。
一例として、グラフェンをトランジスタのチャネルの材料に用いた例を、図1及び図2に示す。
図1はグラフェンを用いたトランジスタの第1の例を示す図である。図1には、第1の例に係るトランジスタの要部斜視模式図を示している。
図1に示すトランジスタ10は、基板11、絶縁膜12、グラフェン13、ソース電極14a、ドレイン電極14b、ゲート絶縁膜15及びゲート電極16を有する。
基板11には、各種基板を用いることができる。絶縁膜12には、各種絶縁材料を用いることができ、例えば、酸化シリコン(SiO2)が用いられる。このような絶縁膜12上に、チャネルとなるグラフェン13が設けられる。グラフェン13は、例えば、グラファイトの劈開、エチレン(CH2CH2)等の炭化水素を用いたCVD(Chemical Vapor Deposition)法、レーザによるカーボンナノチューブの引き裂き等によって得られたグラフェン13を、絶縁膜12上に転写することで、設けられる。尚、グラフェン13の端(エッジ)の炭素原子は、水素(H)原子で終端され得る。
トランジスタ10では、絶縁膜12の上に設けられたグラフェン13の一方向の両端部(各々、終端部及び終端部から内側の領域)上に、ソース電極14a及びドレイン電極14bが設けられる。ソース電極14a及びドレイン電極14bには、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、白金(Pt)、金(Au)等の金属が用いられる。このようなソース電極14aとドレイン電極14bとの間のグラフェン13上に、ゲート絶縁膜15を介してゲート電極16が設けられる。
図1に示すトランジスタ10では、ゲート電極16の電位が制御されることで、グラフェン13を用いたチャネルのオン、オフの状態が制御される。
また、図2はグラフェンを用いたトランジスタの第2の例を示す図である。図2には、第2の例に係るトランジスタの要部斜視模式図を示している。
図2に示すトランジスタ20は、基板21、絶縁膜22、グラフェン23、ソース電極24a及びドレイン電極24bを有する。
基板21には、導電性を有する基板が用いられ、例えば、所定導電型の不純物元素を添加したシリコン(Si)基板等の半導体基板が用いられる。絶縁膜22には、各種絶縁材料を用いることができ、例えば、酸化シリコンが用いられる。このような絶縁膜22上に、チャネルとなるグラフェン23が、上記同様、転写等の方法を用いて設けられる。
トランジスタ20では、絶縁膜22の上に設けられたグラフェン23の一方向の両端部(各々、終端部及び終端部から内側の領域)上に、ソース電極24a及びドレイン電極24bが設けられる。ソース電極24a及びドレイン電極24bには、チタン、コバルト、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、銅、銀、白金、金等の金属が用いられる。
図2に示すトランジスタ20では、導電性の基板21がゲート電極として機能し、基板21の電位が制御されることで、グラフェン23を用いたチャネルのオン、オフの状態が制御される。
グラフェンを用い、例えば、上記の図1や図2に例示するような構成を有するトランジスタを得ることができる。
尚、トランジスタのチャネルにグラフェンを用いる場合、ソース電極及びドレイン電極として機能する金属電極は、グラフェンの上層側に限らず、グラフェンの下層側に設けることもできる。
ここで、グラフェンをチャネルに用いた上記のようなトランジスタにおける、グラフェンと金属電極(ソース電極、ドレイン電極)との接続について述べる。
ソース電極又はドレイン電極として用いられる金属電極と、チャネルに用いられるグラフェンとの間のトンネル電流Jについては、次式(1)のような関係がある。
J∝∫DM(EF)×fM(E)×T(E)×DG(EF)×{1−fG(E)}dE∝1/RC・・・(1)
式(1)において、DM(EF)は金属電極の状態密度(Density Of State;DOS)、fM(E)は金属電極のフェルミ関数、T(E)は透過率、DG(EF)はグラフェンの状態密度(DOS)、fG(E)はグラフェンのフェルミ関数である。RCは金属電極とグラフェンとの間の接触抵抗である。
グラフェンは、フェルミ準位EF付近で特徴的な線形分散バンドを有するために、グラフェンの状態密度DG(EF)が金属電極の状態密度DM(EF)に比べて小さく、接触抵抗RCを律速する。金属電極とグラフェンとの間の接触抵抗RCと、グラフェンの状態密度DG(EF)とは、反比例の関係にある。
グラフェンをチャネルに用いるトランジスタにおいて、ソース電極、ドレイン電極となる金属電極と、チャネルのグラフェンとの間の接触抵抗RCが増大すると、グラフェンの高い電子移動度を活かした、トランジスタの高速化、低消費電力化が難しくなる。
このような点に鑑み、ここでは以下に示すような手法を用いて、金属電極とグラフェンとの接触抵抗RCの増大を抑制する。
図3及び図4はグラフェンを用いたトランジスタの構成例を示す図である。尚、図3はグラフェンを用いたトランジスタの一例の要部断面模式図である。図4はグラフェンを用いたトランジスタの一例の要部平面模式図であって、トランジスタのグラフェン及び金属電極を、グラフェン側から見た時の平面模式図(L−L矢視平面模式図)である。
図3に示すトランジスタ1は、上記図2に示したトランジスタ20と同様に、基板2上の絶縁膜3に積層されたグラフェン4の両端部(各々、終端部及び終端部から内側の領域)上に、ソース電極5a及びドレイン電極5bが設けられた構造を有する。
基板2には、導電性を有する基板が用いられ、例えば、所定導電型の不純物元素を添加したシリコン基板等の半導体基板が用いられる。絶縁膜3には、各種絶縁材料を用いることができ、例えば、酸化シリコンが用いられる。このような絶縁膜3上に、例えば、グラファイトの劈開、CVD法、レーザによるカーボンナノチューブの引き裂き等の方法によって得られたグラフェン4が転写されて設けられる。グラフェン4の両端部である端部4a及び端部4bにそれぞれ設けられるソース電極5a及びドレイン電極5bには、チタン、コバルト、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、銅、銀、白金、金等の金属が用いられる。
トランジスタ1では、導電性の基板2がゲート電極として機能し、基板2の電位が制御されることで、グラフェン4を用いたチャネルのオン、オフの状態が制御される。
トランジスタ1のグラフェン4の端部4a及び端部4bには、図3及び図4に示すように、炭素原子が欠損した孔4c(ここでは一例として複数の孔4c)が点在して設けられる。このようなグラフェン4の、孔4cが設けられた一方の端部4a上に、ソース電極5aが接続され、孔4cが設けられた他方の端部4b上に、ドレイン電極5bが接続される。
このようにグラフェン4の、ソース電極5a及びドレイン電極5bがそれぞれ接続される端部4a及び端部4bに、点在する孔4cを設けることで、ソース電極5aと端部4aとの間、及びドレイン電極5bと端部4bとの間の接触抵抗RCを低減する。
ここで、ソース電極5a及びドレイン電極5bが接続される端部4a及び端部4bに点在する上記のような孔4cを設ける構造と、端部4a及び端部4bに延在する短冊状のカットを設ける構造(非特許文献1)とを比較する。
図5は比較に用いるモデルを示す図である。
図5(A)及び図5(B)は、ソース電極5aやドレイン電極5bのような金属電極が接続されるグラフェン4の端部4ab(上記の端部4a、端部4bに相当)のモデルを示す図である。図5(A)には、グラフェン4の端部4abに複数の短冊状のカット51が延在するモデル50を示し、図5(B)には、グラフェン4の端部4abに複数の円形の孔41(上記の孔4cに相当)が点在するモデル40を示している。
図5(A)のモデル50において、グラフェン4の端部4abの幅をW、長さをLとする。このモデル50において、カット51の数をNcut、各カット51の幅(開口幅)をPとすると、端部4abに含まれるカット51の端(エッジ)の長さの和TAは次式(2a)で表される。また、モデル50の、端部4abから取り除かれるグラフェンの面積の和(開口面積)SAは次式(2b)で表される。
A=Ncut×2×L・・・(2a)
A=Ncut×L×P・・・(2b)
同様に、図5(B)のモデル40において、グラフェン4の端部4abの幅をW、長さをLとする。このモデル40の孔41の数をNhole、各孔41の直径(開口幅)をQとすると、端部4abに含まれる孔41の端(エッジ)の長さの和TBは次式(3a)で表される。また、モデル40の、端部4abから取り除かれるグラフェンの面積の和(開口面積)SBは次式(3b)で表される。
B=Nhole×π×Q・・・(3a)
B=Nhole×π×(Q/2)2・・・(3b)
図5(A)のモデル50のTAは、式(2a)及び式(2b)より、SA及びPを用いて次式(2c)のように表すことができ、図5(B)のモデル40のTBは、式(3a)及び式(3b)より、SB及びQを用いて次式(3c)のように表すことができる。
A=2/P×SA・・・(2c)
B=4/Q×SB・・・(3c)
式(2c)及び式(3c)より、SA=SBで且つP=Qの場合には、次式(4)のような関係が成り立つ。
B=2×TA・・・(4)
A及びTBはそれぞれ、カット51のエッジ及び孔41のエッジに存在する炭素原子の個数Nedgeに比例すると考えてよい。エッジに存在する炭素原子の個数Nedgeの増大は、フェルミ準位EF付近のグラフェン4の状態密度DG(EF)を増大させるのに寄与する(Nedge∝DG(EF))。そして、このグラフェン4の状態密度DG(EF)は、前述のように、接触抵抗RCと反比例の関係にある(DG(EF)∝1/RC)。エッジに存在する炭素原子の個数Nedgeの増大は、接触抵抗RCの低減、伝導率ρ(=1/RC)の増大に寄与すると言うことができる。
上記の式(4)は、モデル50のカット51とモデル40の孔41の、グラフェン4の端部4abに占める開口面積、開口幅が同じである場合(SA=SB,P=Q)、モデル40ではモデル50よりも伝導率ρ(=1/RC)の変化率が2倍になることを意味している。
このような原理に基づき、上記トランジスタ1の、ソース電極5a及びドレイン電極5bがそれぞれ接続されるグラフェン4の端部4a及び端部4bに、点在する孔4cを設け、接触抵抗RCの低減を図る。但し、端部4a及び端部4bにおけるグラフェン4の面積(孔4cの配置後に残る炭素原子の個数)も、電子の流れ易さ、接触抵抗RCに影響する。グラフェン4の面積を確保しつつ、孔4cによってエッジに存在する炭素原子の個数を増大させることが、接触抵抗RCの低減に有効となる。
トランジスタ1の、グラフェン4の端部4a及び端部4bに設けられる孔4cは、炭素原子の欠損によって形成される。この場合、孔4cのエッジは、炭素原子の並び方によってジグザグ端又はアームチェア端となり得る。ソース電極5aと端部4aとの間、及びドレイン電極5bと端部4bとの間の接触抵抗RCを低減するうえでは、孔4cのエッジにジグザグ端が含まれていることがより好ましい。
孔4cのエッジに、ジグザグ端とアームチェア端のうち、ジグザグ端が含まれていることがより好ましい点について、次の図6及び図7を参照して説明する。
まず、ジグザグ端を含む孔の一例を図6に示す。
図6(A)には、炭素原子が六角格子状に並んだグラフェン4の、sp2結合により連続して繋がる4個の炭素原子(図6(A)に点線で図示)が欠損している孔4cを例示している。また、図6(B)には、炭素原子が六角格子状に並んだグラフェン4の、sp2結合により連続して繋がる37個の炭素原子(図6(B)に点線で図示)が欠損している孔4cを例示している。このように炭素原子(点線)の欠損によって形成される孔4cのエッジにジグザグ端4dが現れる。
尚、孔4cのエッジにこのようなジグザグ端4d(炭素原子の六角格子2個分以上)が含まれるためには、sp2結合により連続して繋がる4個以上の炭素原子が欠損する必要がある。
孔4cのエッジに現れるジグザグ端4dの炭素原子には、炭素原子(点線)の欠損によって生じる未結合手が存在するか、或いは、終端する水素原子等が結合される。
また、円形の孔或いは略円形の孔には、この図6(A)や図6(B)に示すような平面形状の孔4cが含まれる。
図7は孔のエッジの説明図である。図7(A)は孔のジグザグ端の説明図、図7(B)は孔のアームチェア端の説明図である。
グラフェン4に、炭素原子の欠損による孔4cが設けられる場合、その孔4cのエッジには、図7(A)に示すようなジグザグ端4dと、図7(B)に示すようなアームチェア端4eという、2種類の特徴的なエッジが現れ得る。
炭素原子の欠損によって孔4cのエッジの炭素原子に生じる未結合手の最短距離Dは、図7(A)のジグザグ端4dで2.46Å、図7(B)のアームチェア端4eで1.42Åである。従って、図7(A)のジグザグ端4dの方が、図7(B)のアームチェア端4eに比べて、孔4cのエッジの炭素原子に生じる未結合手同士が相互作用する可能性が低くなる。
上記のように、トランジスタ1(図3及び図4)では、孔4cを設けたグラフェン4の端部4a及び端部4bにそれぞれ、ソース電極5a及びドレイン電極5bとなる金属電極が接続される。この場合、グラフェン4の端部4a及び端部4bの孔4cのエッジが、図7(A)のようなジグザグ端4dである方が、孔4cのエッジに存在する炭素原子の未結合手の軌道4fと、ソース電極5a及びドレイン電極5bの金属表面の軌道とが、相互作用し易くなる。孔4cのエッジに存在する炭素原子の未結合手の軌道4fと、ソース電極5a及びドレイン電極5bの金属表面の軌道との相互作用は、フェルミ準位EF付近でのグラフェン4の状態密度DG(EF)の増大に寄与する。
また、孔4cのエッジの炭素原子が水素原子等で終端され、孔4cのエッジの炭素原子に未結合手が存在しない場合もある。このような場合でも、図7(A)のようなジグザグ端4dは、エッジ状態と呼ばれる、端部に局在した電子状態をフェルミ準位EF付近に有することが知られており、それにより、フェルミ準位EF付近でのグラフェン4の状態密度DG(EF)は増大する。
フェルミ準位EF付近のグラフェン4の状態密度DG(EF)は接触抵抗RCと反比例の関係にあることから、グラフェン4の状態密度DG(EF)が増大すれば、接触抵抗RCは低減される。孔4cのエッジに、図7(A)のようなジグザグ端4dが含まれると、その炭素原子に未結合手が存在する場合と、炭素原子が終端されている場合のいずれの場合も、フェルミ準位EF付近のグラフェン4の状態密度DG(EF)を増大させることが可能になる。これにより、ジグザグ端4dを含む孔4cを設けたグラフェン4の端部4a及び端部4bと、ソース電極5a及びドレイン電極5bとの間の接触抵抗RCの低減を図ることが可能になる。
尚、グラフェン4(孔4c以外の部分)の炭素原子の個数も、電子の流れ易さに影響し、接触抵抗RCの低減に寄与する。グラフェン4の炭素原子の個数を確保しつつ、孔4cによってエッジに存在する炭素原子の個数を増大させることが、接触抵抗RCの低減に有効となる。
また、図7(A)のジグザグ端4dに比べると可能性は低いものの、図7(B)のアームチェア端4eでも、その炭素原子の未結合手の軌道4fと、グラフェン4に接続されるソース電極5a及びドレイン電極5bの金属表面の軌道との相互作用は起こり得る。孔4cのエッジに含まれるのが図7(B)のようなアームチェア端4eである場合でも、孔4cを有しないグラフェン4に比べて、或いは短冊状のカットを設けたグラフェン4に比べて、状態密度DG(EF)を増大させて接触抵抗RCの低減を図ることは可能である。
以下に、上記図5(A)及び図5(B)に示したようなモデル50及びモデル40を用いて導き出される原理に基づく実施例(第1〜第4実施例)を示す。
まず、第1実施例について説明する。
第1実施例では、トランジスタ1におけるソース電極5a及びドレイン電極5bとなる金属電極が接続されるグラフェン4の端部4a及び端部4bの構成として、図5(A)のモデル50、図5(B)のモデル40に示すような端部4abの構成を採用する。モデル50のグラフェン4の端部4abは延在するカット51を有し、モデル40のグラフェン4の端部4abは点在する孔41を有する。
図8は第1実施例に係る孔を設けたグラフェンの、カットを設けたグラフェンとの、伝導率ρ及び接触抵抗RCについての比較を表す図である。図8(A)には、グラフェン端部の面積に対する開口面積の比SA/WL,SB/WL[−]と伝導率ρ[Ω-1]との関係を示し、図8(B)には、グラフェン端部の面積に対する開口面積の比SA/WL,SB/WL[−]と接触抵抗RC[Ω]との関係を示している。
第1実施例では、端部4abの面積WLに対する開口面積SA,SBの比を0.64(SA/WL=SB/WL=0.64)とし、カット51の開口幅P及び孔41の開口幅Qを共に160nm(P=Q=160nm)とする条件を用いる。この条件は、カット51を採用する非特許文献1に記載の条件から設定している。
図8(A)には、グラフェン4の端部4abにカット51を設けた場合の、端部4abの面積WLに対する開口面積SAの比SA/WLと、伝導率ρとの関係を、点線で示している。この図8(A)に点線で示す、カット51を設けた場合の比SA/WLと伝導率ρとの関係は、非特許文献1(Figure 2(e))から求めている。
図8(A)には併せて、グラフェン4の端部4abに孔41を設けた場合の、端部4abの面積WLに対する開口面積SBの比SB/WLと、伝導率ρとの関係を、実線で示している。この図8(A)に実線で示す、孔41を設けた場合の比SB/WLと伝導率ρとの関係は、モデル40ではモデル50よりも伝導率ρの変化率が2倍になることに基づき、図8(A)に点線で示す関係から求めている。即ち、図8(A)の実線は、図8(A)の点線の変化率を2倍したものである。
また、図8(B)には、グラフェン4の端部4abにカット51を設けた場合の比SA/WLと、接触抵抗RCとの関係を、点線で示している。この図8(B)に点線で示す接触抵抗RCは、図8(A)に点線で示す伝導率ρの逆数として求めている。
図8(B)には併せて、グラフェン4の端部4abに孔41を設けた場合の比SB/WLと接触抵抗RCとの関係を、実線で示している。この図8(B)に実線で示す接触抵抗RCも同様に、図8(A)に実線で示す伝導率ρの逆数として求めている。
比SA/WL=SB/WL=0.64の条件での接触抵抗RCを比較すると、図8(B)より、グラフェン4の端部4abにカット51を設けた場合の接触抵抗RCは322Ωであるのに対し、孔41を設けた場合の接触抵抗RCは278Ωとなる。第1実施例では、グラフェン4の端部4abに孔41を設けた場合、カット51を設けた場合に比べて、比SA/WL=SB/WL=0.64で、接触抵抗RCを約14%低減することができる。
トランジスタ1の、ソース電極5a及びドレイン電極5bがそれぞれ接続されるグラフェン4の端部4a及び端部4bに、この第1実施例の知見を基に、円形或いは略円形の孔4cを設ける。それにより、ソース電極5aとグラフェン4の端部4aとの間、ドレイン電極5bとグラフェン4の端部4bとの間の接触抵抗RCの増大を抑えたトランジスタ1を実現することが可能になる。
次に、第2実施例について説明する。
第2実施例でも、上記第1実施例と同様に、ソース電極5a及びドレイン電極5bとなる金属電極が接続されるグラフェン4の端部4a及び端部4bの構成として、図5(A)のモデル50、図5(B)のモデル40に示すような端部4abの構成を採用する。モデル50のグラフェン4の端部4abは延在するカット51を有し、モデル40のグラフェン4の端部4abは点在する孔41を有する。
図9は第2実施例に係る孔を設けたグラフェンの、カットを設けたグラフェンとの、伝導率ρ及び接触抵抗RCについての比較を表す図である。図9(A)には、グラフェン端部の面積に対する開口面積の比SA/WL,SB/WL[−]と伝導率ρ[Ω-1]との関係を示し、図9(B)には、グラフェン端部の面積に対する開口面積の比SA/WL,SB/WL[−]と接触抵抗RC[Ω]との関係を示している。
第2実施例では、グラフェン4の端部4abに設ける孔41の開口幅Qを100nm(Q=100nm)に設定する。
図9(A)には、グラフェン4の端部4abにカット51を設けた場合の、端部4abの面積WLに対する開口面積SAの比SA/WLと、伝導率ρとの関係を、点線で示している。この図9(A)に点線で示す、カット51を設けた場合の比SA/WLと伝導率ρとの関係は、カット51の開口幅Pとして100nm(P=100nm)を想定し、上記図8(A)に点線で示した伝導率ρを160nm/100nm=1.6倍したものである。即ち、カット51を設けたグラフェン4の面積が1.6倍となることで、伝導率ρが1.6倍になるとして、プロットしている。
図9(A)には併せて、グラフェン4の端部4abに孔41を設けた場合の、端部4abの面積WLに対する開口面積SBの比SB/WLと、伝導率ρとの関係を、実線で示している。この図9(A)に実線で示す、孔41を設けた場合の比SB/WLと伝導率ρとの関係は、モデル40ではモデル50よりも伝導率ρの変化率が2倍になることに基づき、図9(A)に点線で示す関係から求めている。即ち、図9(A)の実線は、図9(A)の点線の変化率を2倍したものである。
また、図9(B)には、グラフェン4の端部4abにカット51を設けた場合の比SA/WLと、接触抵抗RCとの関係を、点線で示している。この図9(B)に点線で示す接触抵抗RCは、図9(A)に点線で示す伝導率ρの逆数として求めている。
図9(B)には併せて、グラフェン4の端部4abに孔41を設けた場合の比SB/WLと接触抵抗RCとの関係を、実線で示している。この図9(B)に実線で示す接触抵抗RCも同様に、図9(A)に実線で示す伝導率ρの逆数として求めている。
例えば、比SA/WL=SB/WL=0.9での接触抵抗RCを比較すると、図9(B)より、グラフェン4の端部4abにカット51を設けた場合の接触抵抗RCは268Ωであるのに対し、孔41を設けた場合の接触抵抗RCは206Ωとなる。第2実施例では、グラフェン4の端部4abに孔41を設けた場合、カット51を設けた場合に比べて、比SA/WL=SB/WL=0.9で、接触抵抗RCを約23%低減することができる。
トランジスタ1の、ソース電極5a及びドレイン電極5bがそれぞれ接続されるグラフェン4の端部4a及び端部4bに、この第2実施例の知見を基に、円形或いは略円形の孔4cを設ける。それにより、ソース電極5aとグラフェン4の端部4aとの間、ドレイン電極5bとグラフェン4の端部4bとの間の接触抵抗RCの増大を抑えたトランジスタ1を実現することが可能になる。
次に、第3実施例について説明する。
第3実施例でも、上記第1実施例と同様に、ソース電極5a及びドレイン電極5bとなる金属電極が接続されるグラフェン4の端部4a及び端部4bの構成として、図5(A)のモデル50、図5(B)のモデル40に示すような端部4abの構成を採用する。モデル50のグラフェン4の端部4abは延在するカット51を有し、モデル40のグラフェン4の端部4abは点在する孔41を有する。
図10は第3実施例に係る孔を設けたグラフェンの、カットを設けたグラフェンとの、伝導率ρ及び接触抵抗RCについての比較を表す図である。図10(A)には、グラフェン端部の面積に対する開口面積の比SA/WL,SB/WL[−]と伝導率ρ[Ω-1]との関係を示し、図10(B)には、グラフェン端部の面積に対する開口面積の比SA/WL,SB/WL[−]と接触抵抗RC[Ω]との関係を示している。
第3実施例では、グラフェン4の端部4abに設ける孔41の開口幅Qを10nm(Q=10nm)に設定する。
図10(A)には、グラフェン4の端部4abにカット51を設けた場合の、端部4abの面積WLに対する開口面積SAの比SA/WLと、伝導率ρとの関係を、点線で示している。この図10(A)に点線で示す、カット51を設けた場合の比SA/WLと伝導率ρとの関係は、カット51の開口幅Pとして10nm(P=10nm)を想定し、上記図8(A)に点線で示した伝導率ρを160nm/10nm=16倍したものである。
図10(A)には併せて、グラフェン4の端部4abに孔41を設けた場合の、端部4abの面積WLに対する開口面積SBの比SB/WLと、伝導率ρとの関係を、実線で示している。この図10(A)に実線で示す、孔41を設けた場合の比SB/WLと伝導率ρとの関係は、モデル40ではモデル50よりも伝導率ρの変化率が2倍になることに基づき、図10(A)に点線で示す関係から求めている。即ち、図10(A)の実線は、図10(A)の点線の変化率を2倍したものである。
また、図10(B)には、グラフェン4の端部4abにカット51を設けた場合の比SA/WLと、接触抵抗RCとの関係を、点線で示している。この図10(B)に点線で示す接触抵抗RCは、図10(A)に点線で示す伝導率ρの逆数として求めている。
図10(B)には併せて、グラフェン4の端部4abに孔41を設けた場合の比SB/WLと接触抵抗RCとの関係を、実線で示している。この図10(B)に実線で示す接触抵抗RCも同様に、図10(A)に実線で示す伝導率ρの逆数として求めている。
例えば、比SA/WL=SB/WL=0.9での接触抵抗RCを比較すると、図10(B)より、グラフェン4の端部4abにカット51を設けた場合の接触抵抗RCは72Ωであるのに対し、孔41を設けた場合の接触抵抗RCは40Ωとなる。第3実施例では、グラフェン4の端部4abに孔41を設けた場合、カット51を設けた場合に比べて、比SA/WL=SB/WL=0.9で、接触抵抗RCを約44%低減することができる。
トランジスタ1の、ソース電極5a及びドレイン電極5bがそれぞれ接続されるグラフェン4の端部4a及び端部4bに、この第3実施例の知見を基に、円形或いは略円形の孔4cを設ける。それにより、ソース電極5aとグラフェン4の端部4aとの間、ドレイン電極5bとグラフェン4の端部4bとの間の接触抵抗RCの増大を抑えたトランジスタ1を実現することが可能になる。
次に、第4実施例について説明する。
第4実施例では、ソース電極5a及びドレイン電極5bとなる金属電極が接続されるグラフェン4の端部4a及び端部4bの構成として、図5(A)のモデル50の構成、及び、次の図11に示すモデル40Aのような端部4abの構成を採用する。
図11は第4実施例に係るモデルを示す図である。
図11には、ソース電極5aやドレイン電極5bのような金属電極が接続されるグラフェン4の端部4ab(上記の端部4a、端部4bに相当)に、複数の正六角形の孔41Aが点在するモデル40Aを示している。
図11のモデル40Aにおいて、グラフェン4の端部4abの幅をW、長さをLとし、孔41Aの向かい合う辺同士の距離(開口幅)をQとする。端部4abに含まれる孔41Aの端(エッジ)の長さの和TBは次式(5a)で表され、端部4abから取り除かれるグラフェンの面積の和(開口面積)SBは次式(5b)で表される。
B=Nhole×2×√3×Q・・・(5a)
B=Nhole×√3/2×Q2・・・(5b)
よって、図11のモデル40AのTBは、式(5a)及び式(5b)より、SB及びQを用いて次式(5c)のように表すことができ、上記図5(B)に示した円形の孔41のモデル40と同じ関係式が得られる。
B=4/Q×SB・・・(5c)
従って、カット51が延在するモデル50について得られる式(2c)、及び孔41Aが点在するモデル40Aについて得られる式(5c)より、SA=SBで且つP=Qの場合には、上記の式(4)のような関係、即ちTB=2×TAの関係が成り立つ。
A及びTBはそれぞれ、カット51のエッジ及び孔41Aのエッジに存在する炭素原子の個数Nedgeに比例すると考えてよい。エッジに存在する炭素原子の個数Nedgeの増大は、接触抵抗RCと反比例の関係にある、フェルミ準位EF付近のグラフェン4の状態密度DG(EF)を増大させるのに寄与する(Nedge∝DG(EF)∝1/RC)。エッジに存在する炭素原子の個数Nedgeの増大は、接触抵抗RCの低減、伝導率ρ(=1/RC)の増大に寄与し、上記の式(4)は、SA=SBで且つP=Qの場合、モデル40Aではモデル50よりも伝導率ρの変化率が2倍になることを意味している。
例えば、第4実施例において、グラフェン4の端部4abに設ける孔41Aの開口幅Qを10nm(Q=10nm)に設定すると、伝導率ρ及び接触抵抗RCについて、それぞれ上記第3実施例で述べた図10(A)及び図10(B)と同じ効果が得られる。第4実施例では、グラフェン4の端部4abに孔41Aを設けた場合、カット51を設けた場合に比べて、比SA/WL=SB/WL=0.9で、接触抵抗RCを約44%低減することができる。
トランジスタ1の、ソース電極5a及びドレイン電極5bがそれぞれ接続されるグラフェン4の端部4a及び端部4bに、この第4実施例の知見を基に、正六角形或いは略正六角形の孔4cを設ける。それにより、ソース電極5aとグラフェン4の端部4aとの間、ドレイン電極5bとグラフェン4の端部4bとの間の接触抵抗RCの増大を抑えたトランジスタ1を実現することが可能になる。
続いて、トランジスタ1の形成方法の一例について説明する。
図12〜図20はトランジスタ形成方法の一例の説明図である。以下、グラフェンを用いたトランジスタの各形成工程の一例について、図12〜図20を参照して順に説明する。
図12はグラフェン転写工程の一例の要部断面模式図である。
まず、グラファイトの劈開、CVD成長、レーザによるカーボンナノチューブの引き裂き等の方法を用いて、炭素原子1層分のグラフェン4を準備する。そして、準備したグラフェン4を、図12に示すように、p+型シリコン基板等の導電性の基板2上に形成された、酸化シリコン等の絶縁膜3の上に、転写する。
図13はマスク形成工程の一例の要部断面模式図である。
基板2上の絶縁膜3の上にグラフェン4を転写した後、図13に示すように、グラフェン4を含む領域上に、酸化シリコン膜6、ランダム共重合体膜7、ブロック共重合体膜8を順に形成する。
酸化シリコン膜6は、グラフェン4の保護膜として機能し、例えば、厚さ10nmで堆積する。
ランダム共重合体膜7には、スチレン−メタクリル酸メチルランダム共重合体(poly(styrene-random methyl methacrylate);P(S−r−MMA))を用いることができる。P(S−r−MMA)を1wt%含有するトルエン溶液を酸化シリコン膜6上にスピンコートし、170℃で72時間アニールを行うことで、P(S−r−MMA)をランダム共重合体膜7として酸化シリコン膜6上に固定する。その後、トルエンを用いて洗浄を行い、酸化シリコン膜6上に固定されていないP(S−r−MMA)を除去する。
ブロック共重合体膜8には、スチレン−メタクリル酸メチルブロック共重合体(poly(styrene-block methyl methacrylate);P(S−b−MMA))を用いることができる。P(S−b−MMA)を1wt%含有するトルエン溶液をランダム共重合体膜7上にスピンコートし、P(S−b−MMA)をブロック共重合体膜8としてランダム共重合体膜7上に形成する。例えば、2500rpm〜4000rpmでスピンコートし、厚さ25nm〜35nmのブロック共重合体8を形成する。
図14はアニール工程の一例の要部断面模式図である。
酸化シリコン膜6、ランダム共重合体膜7及びブロック共重合体膜8の形成後、アニールを行う。アニールは、例えば、180℃で12時間の条件で行う。所定の条件でアニールを行うことで、ランダム共重合体膜7上に形成されたブロック共重合体膜8中に、厚さ方向に配向(垂直配向)する円筒状又は略円筒状のドメイン(シリンダ)8aが周期的に形成される。
ブロック共重合体膜8をランダム共重合体膜7の上に形成しておくことで、垂直配向性の良好なシリンダ8aを含むブロック共重合体膜8を得ることができる。
シリンダ8aの配置(周期)、サイズは、ブロック共重合体膜8に用いるP(S−b−MMA)の分子量(分子鎖長)、スチレンとメタクリル酸メチルの組成比等によって調整することができる。
図15はマスク開口形成工程の一例の要部断面模式図である。
アニール後、シリンダ8aを含むブロック共重合体膜8に対し、紫外線を照射する。例えば、波長295nmの紫外線を30分間照射する。ブロック共重合体膜8に対し、所定の条件で紫外線を照射することで、ブロック共重合体膜8中のシリンダ8aを選択的に分解する。
次いで、紫外線の照射によって選択的に分解されたシリンダ8aを、所定の液を用いて除去する。シリンダ8aの除去に用いる液としては、例えば、酢酸、好ましくは氷酢酸を用いる。例えば、このような液に、紫外線照射後の構造体を20分間浸漬し、紫外線照射によって選択的に分解されたシリンダ8aを除去し、その後、純水を用いて洗浄する。
このような紫外線照射によるシリンダ8aの分解とその除去を行うことで、図15に示すような、周期的にシリンダ状の孔8Aa(開口部)が形成されたポリスチレン膜8Aが得られる。
この孔8Aaを有するポリスチレン膜8Aは、続くエッチング工程(図16)におけるテンプレート(マスク)として用いられる。
図16は第1エッチング工程の一例の要部断面模式図である。
孔8Aaを有するポリスチレン膜8Aの形成後は、まず図16に示すように、ポリスチレン膜8A上の、トランジスタ1のチャネルの形成領域に対応する領域を覆うように、レジスト膜9を形成する。
そして、このレジスト膜9をマスクとし、孔8Aaを有するポリスチレン膜8Aをテンプレートとして、ランダム共重合体膜7のエッチングを行う。ランダム共重合体膜7のエッチングは、例えば、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching;RIE)で行うことができる。ランダム共重合体膜7のRIEは、例えば、10mTorr(1Torr≒133.322Pa)の圧力下において、50Wのプラズマパワーで、酸素(O2)ガスを10sccm(standard cc/min)の流量で供給しながら行う。
このようにしてランダム共重合体膜7のエッチングを行うことで、図16に示すように、ランダム共重合体膜7の、トランジスタ1のソース電極5a及びドレイン電極5bの形成領域に対応する領域に、孔7a(開口部)を形成する。ランダム共重合体膜7の孔7aは、レジスト膜9で覆われていないポリスチレン膜8A下の、その孔8Aaに対応する領域に、周期的に形成される。
尚、エッチングにより孔7aを形成する際には、オーバーエッチングを行えば、ランダム共重合体膜7の孔7aのサイズを、ポリスチレン膜8Aの孔8Aaのサイズよりも広げることが可能である。
この孔7aを有するランダム共重合体膜7は、続くエッチング工程(図17)におけるテンプレート(マスク)として用いられる。
図17は第2エッチング工程の一例の要部断面模式図である。
ランダム共重合体膜7に孔7aを形成した後は、レジスト膜9及びポリスチレン膜8Aを除去し、孔7aを有するランダム共重合体膜7をマスクとして、酸化シリコン膜6のエッチングを行う。酸化シリコン膜6のエッチングは、例えば、RIEで行うことができる。酸化シリコン膜6のRIEは、例えば、60mTorrの圧力下において、300Wのプラズマパワーで、トリフロロメタン(CHF3)ガスを45sccm、酸素ガスを5sccmの流量で供給しながら行う。
このようにして酸化シリコン膜6のエッチングを行うことで、図17に示すように、酸化シリコン膜6の、トランジスタ1のソース電極5a及びドレイン電極5bの形成領域に対応する領域に、孔6a(開口部)を形成する。酸化シリコン膜6の孔6aは、ランダム共重合体膜7下の、その孔7aに対応する領域に、周期的に形成される。
尚、エッチングにより孔6aを形成する際には、オーバーエッチングを行えば、酸化シリコン膜6の孔6aのサイズを、ランダム共重合体膜7の孔7aのサイズよりも広げることが可能である。
この孔6aを有する酸化シリコン膜6は、続くエッチング工程(図18)におけるテンプレート(マスク)として用いられる。
図18は第3エッチング工程の一例の要部断面模式図である。
酸化シリコン膜6に孔6aを形成した後は、酸化シリコン膜6をマスクとして、グラフェン4のエッチングを行う。グラフェン4のエッチングは、例えば、RIEで行うことができる。グラフェン4のRIEは、例えば、10mTorrの圧力下において、90Wのプラズマパワーで、酸素ガスを25sccmの流量で供給しながら行う。
このようにしてグラフェン4のエッチングを行うことで、図18に示すように、グラフェン4の、トランジスタ1のソース電極5a及びドレイン電極5bの形成領域に対応する端部4a及び端部4bに、孔4c(開口部)を形成する。グラフェン4の孔4cは、酸化シリコン膜6下の、その孔6aに対応する領域に、周期的に形成される。この例では、グラフェン4の、トランジスタ1のソース電極5aとドレイン電極5bとの間のチャネルの形成領域に対応する領域には、孔4cは形成されない。
グラフェン4の端部4a及び端部4bに孔4cを形成した後は、酸化シリコン膜6を除去する。酸化シリコン膜6の除去は、例えば、フッ酸(HF)を用いて行うことができる。
グラフェン4の孔4cの周期は、例えば、ブロック共重合体膜8に用いるP(S−b−MMA)の分子量によって調整することができる。孔4cの周期は、用いるP(S−b−MMA)の分子量が小さくなるほど短くなる傾向がある。例えば、分子量が47700gmol-1のP(S−b−MMA)を用いた場合、孔4cの周期は27nmになり、分子量が77000gmol-1のP(S−b−MMA)を用いた場合、孔4cの周期は39nmになる。
グラフェン4の孔4cのサイズは、酸化シリコン膜6の孔6aのサイズ、ランダム共重合体膜7の孔7aのサイズ、ポリスチレン膜8Aの孔8Aaのサイズ、ブロック共重合体膜8のシリンダ8aのサイズによって調整することができる。尚、各孔6a,7a,8Aaのサイズは、シリンダ8aのサイズや、エッチングで形成する際のエッチング時間(オーバーエッチング)によって調整することが可能である。
更に、グラフェン4の孔4cのサイズは、孔6aを設けた酸化シリコン膜6をマスクとしたグラフェン4のエッチング時間によっても調整することができる。孔4cのサイズは、エッチング時間が長くなるほど大きくなる傾向がある。
グラフェン4の孔4cの周期及びサイズから、上記モデル40について述べたようなグラフェン4の開口面積SBが決定される。
図19は水素処理工程の一例の要部断面模式図である。
グラフェン4の端部4a及び端部4bに孔4cを形成した後は、孔4cの端(エッジ)にジグザグ端を形成するために、図19に示すように、水素雰囲気中で加熱する処理(水素処理)を行うことができる。例えば、グラフェン4の孔4cの形成後、水素雰囲気中、15分間、1.6Vの電圧を印加してジュール加熱を行う等して、孔4cを形成したグラフェン4を、1000℃程度の温度で加熱する。所定条件の加熱を行うことで、グラフェン4の孔4cに、熱力学的に安定なジグザグ端を形成することができる。このように水素雰囲気中で加熱を行った場合、グラフェン4の孔4cの端を構成する炭素原子は、水素原子で終端される。
尚、この図19に示すような水素処理工程は、必ずしも実施することを要しない。図19に示す水素処理工程は省略し、上記図18に示したエッチングによるグラフェン4の孔4cの形成に続いて、次の図20に示すような金属電極の形成を行ってもよい。
図20は電極形成工程の一例の要部断面模式図である。
グラフェン4の孔4cの形成後、或いはその後の水素雰囲気中での加熱後、グラフェン4の、孔4cが形成された端部4a及び端部4bに、金属を形成し、それにより、図20に示すようなソース電極5a及びドレイン電極5bを形成する。
ソース電極5a及びドレイン電極5bには、各種金属を用いることができる。例えば、グラフェン4の、孔4cが形成された端部4a上及び端部4b上に、Ti層及びAu層を順に堆積し、Ti/Au積層構造をソース電極5a及びドレイン電極5bとして形成する。ソース電極5a及びドレイン電極5bの形成(金属の堆積)には、例えば、電子線ビーム蒸着法を用いることができる。
以上のような工程により、基板2がゲート電極として機能し、ソース電極5aとドレイン電極5bがそれぞれ接続されるグラフェン4の端部4aと端部4bの間がチャネルとして機能する、所謂バックゲート型のトランジスタ1が形成される。即ち、基板2の電位制御によってチャネルとなるグラフェン4のオン、オフの状態が制御されるトランジスタ1が形成される。
尚、トランジスタ1のチャネルに用いるグラフェン4には、単層グラフェンのほか、多層グラフェンを用いることもできる。
図12〜図20には、基板2をゲート電極として用いるトランジスタ1の形成方法を例示した。このほか、チャネルとなるグラフェン4上に、ゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成し、トランジスタを得ることもできる。
図21及び図22はトランジスタ形成方法の別例の説明図である。以下、グラフェンを用いたトランジスタの形成工程の別例について、図21及び図22を参照して説明する。
この方法では、まず適当な基板2B上に形成された酸化シリコン等の絶縁膜3Bの上に、上記同様、グラファイトの劈開、CVD成長、レーザによるカーボンナノチューブの引き裂き等の方法を用いて準備されたグラフェン4を転写する。その後、上記図13〜図20に示したような各工程を実施し、図21に示すような、グラフェン4の、孔4cを設けた端部4a及び端部4bにそれぞれ、ソース電極5a及びドレイン電極5bが接続された構造を形成する。
次いで、図22に示すように、ソース電極5aとドレイン電極5bの間のグラフェン4上に、ゲート絶縁膜6Bを形成し、ソース電極5aとドレイン電極5bの間のゲート絶縁膜6B上に、ゲート電極7Bを形成する。ゲート絶縁膜6Bには、各種絶縁材料を用いることができ、例えば、酸化シリコンを用いることができる。ゲート電極7Bには、各種導体材料を用いることができ、例えば、所定導電型のシリコンやポリシリコン、金属等を用いることができる。
このような工程により、ゲート電極7Bの電位制御によってチャネルとなるグラフェン4のオン、オフの状態が制御されるトランジスタ1Bが形成される。
尚、トランジスタ1Bのチャネルに用いるグラフェン4には、単層グラフェンのほか、多層グラフェンを用いることもできる。
また、上記のソース電極5a及びドレイン電極5bのような金属電極と、グラフェンとを接続する場合、金属電極は、グラフェンの上層側に限らず、グラフェンの下層側に設けることもできる。
グラフェンの上層側に金属電極を設ける場合には、例えば上記トランジスタ1,1Bの形成方法について述べたのと同様に、所定基板上のグラフェンの所定部分に孔を形成し、その孔を形成した部分の上に、金属電極を形成すればよい。
グラフェンの下層側に金属電極を設ける場合には、金属電極を形成した所定基板(又は層)、或いは金属電極を表層部に埋設した所定基板(又は層)の、その金属電極を含む領域上にグラフェンを設ける。そして、そのグラフェンの、金属電極の直上の部分に、上記図13〜図18又は図13〜図19の例に従って孔を形成すればよい。
また、グラフェンは、それをチャネルに用いるトランジスタのほか、電子装置内の素子間或いは部品間を電気的に接続する配線等の導体部にも適用可能である。
図23はグラフェンを用いた導体部の構成例を示す図である。図23(A)〜図23(C)にはそれぞれ、グラフェンを用いた導体部の要部構成例を模式的に図示している。
図23(A)に示す導体部100Aは、グラフェン110と、そのグラフェン110の下層に設けられた導体層120a及び導体層120bとを含む。導体層120a及び導体層120bには、金属が用いられる。導体層120a及び導体層120bは、配線やビア等である。グラフェン110の、導体層120a及び導体層120bと接続される部分に、点在する少なくとも1つ、ここでは一例として複数の孔110aが設けられる。導体層120a及び導体層120bが、それらの上層に設けられたグラフェン110を通じて、電気的に接続される。
この図23(A)に示すような導体部100Aを形成する際は、例えば、まず導体層120a及び導体層120bを形成した層或いはそれらを表層部に埋設した層の、その導体層120a及び導体層120bを含む領域上に、グラフェン110を設ける。そして、そのグラフェン110の、導体層120a及び導体層120bの直上の部分に、上記図13〜図18又は図13〜図19の例に従って孔110aを形成する。このような方法により、図23(A)に示すような導体部100Aを得ることができる。
尚、図23(A)には、グラフェン110の下層に導体層120a及び導体層120bを設ける場合を例示したが、グラフェン110の上層に導体層120a及び導体層120bを設け、それらを、グラフェン110を通じて電気的に接続することもできる。このような構成とする場合は、まず所定基板上に設けたグラフェン110の、導体層120a及び導体層120bを接続する部分に孔110aを形成し、その孔110aを形成した部分の上に、導体層120a及び導体層120bを形成すればよい。
また、図23(B)に示す導体部100Bは、グラフェン110と、そのグラフェン110の下層及び上層にそれぞれ設けられた導体層120a及び導体層120bとを含む。導体層120a及び導体層120bは、配線やビア等であって、金属が用いられて形成される。グラフェン110の、導体層120a及び導体層120bと接続される部分に、点在する少なくとも1つ、ここでは一例として複数の孔110aが設けられる。導体層120a及び導体層120bが、それらの層間に設けられたグラフェン110を通じて、電気的に接続される。
この図23(B)に示すような導体部100Bを形成する際は、まず導体層120aを形成した層或いは導体層120aを表層部に埋設した層の、その導体層120aを含む領域上に、グラフェン110を設ける。次いで、そのグラフェン110の、導体層120aの直上の部分、及びもう一方の導体層120bを接続する部分に、孔110aを形成する。そして、このようなグラフェン110を設けた層上の、孔110aを形成した部分(導体層120bを接続する部分)の上に、導体層120bを形成する。このような方法により、図23(B)に示すような導体部100Bを得ることができる。
また、図23(C)に示す導体部100Cは、導体層120と、その導体層120の下層及び上層にそれぞれ設けられたグラフェン110とを含む。導体層120は、配線やビア等であって、金属が用いられて形成される。下層及び上層のグラフェン110の、導体層120と接続される部分に、点在する少なくとも1つ、ここでは一例として複数の孔110aが設けられる。下層と上層のグラフェン110が、それらの層間に設けられた導体層120を通じて、電気的に接続される。
この図23(C)に示すような導体部100Cを形成する際は、まず孔110aを形成したグラフェン110を含む層の、その孔110aを形成した部分の上に、導体層120を形成する。そして、その導体層120を含む層の、導体層120を含む領域上に、グラフェン110を設け、その導体層120の直上の部分に、孔110aを形成する。このような方法により、図23(C)に示すような導体部100Cを得ることができる。
尚、上記の導体部100A,100B,100Cに用いるグラフェン110には、単層グラフェンのほか、多層グラフェンを用いることもできる。
図23(A)〜図23(C)に示すような導体部100A,100B,100Cは、各種電子装置の導体部に採用することができる。例えば、導体部100A,100B,100Cは、半導体素子、回路基板に実装された半導体素子を含む半導体装置、樹脂層内に半導体素子等の電子部品を埋設した擬似SoC(System On a Chip)、回路基板等に採用し得る。より具体的には、半導体素子の多層配線内に設ける導体部、回路基板内に設ける導体部、擬似SoCの再配線層内に設ける導体部等に採用し得る。
図23(A)〜図23(C)に示すような、グラフェン110を含む導体部100A,100B,100Cを採用することで、導体層120a,120b,120との接触抵抗が低い電子装置を実現することが可能になる。グラフェン110を含む導体部100A,100B,100Cを採用することで、高速で低消費電力の電子装置を実現することが可能になる。
ところで、上記のようなトランジスタ1(図3)、トランジスタ1B(図22)において、チャネルに用いるグラフェン4には、ソース電極5a及びドレイン電極5bが接続される端部4a及び端部4bのほか、それらの間の部分に孔4cを設けてもよい。
図24はグラフェンを用いたトランジスタの別の構成例を示す図である。尚、図24(A)及び図24(B)はグラフェンを用いたトランジスタの別例の要部断面模式図である。
図24(A)に示すトランジスタ1C、及び図24(B)に示すトランジスタ1Dのように、チャネルに用いるグラフェン4には、その端部4aと端部4bとの間に、孔4cを設けることもできる。
端部4a及び端部4bにはそれぞれ、上記のように点在する孔4cが設けられ、ソース電極5a及びドレイン電極5bが接続される。そして、トランジスタ1C,1Dでは、ソース電極5aが接続される端部4aと、ドレイン電極5bが接続される端部4bとの間の、チャネルとして機能する部分(チャネル領域)にも、孔4cが設けられる。
チャネル領域の孔4cは、例えば、トランジスタ1C,1Dの動作時にソース電極5aとドレイン電極5bとの間を流れるキャリアの、その流れを横切る方向に並ぶように、複数配置することができる。この場合チャネル領域の孔4cのエッジには、ジグザグ端が含まれることが好ましい。また、チャネル領域の孔4cは、例えば、メッシュ状に複数配置することもできる。
チャネル領域の孔4cは、上記図13〜図18又は図13〜図19の例に従い、グラフェン4の端部4a及び端部4bの孔4cと同時に形成することができる。
チャネル領域に孔4cを設けることで、グラフェン4のバンドギャップを制御し、トランジスタ1C,1Dのスイッチング特性の向上を図ることが可能になる。
以上説明したような、金属との接続部分に孔を設けるグラフェンは、トランジスタのような電子装置のほか、トランジスタを備える各種電子装置、トランジスタ等に電気的に接続される配線のような導体部を備える各種電子装置に適用可能である。
以上説明した実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) グラフェンと、
前記グラフェンの第1部分に点在し、炭素原子が欠損した少なくとも1つの第1孔と、
前記第1部分に接続された第1金属と
を含むことを特徴とする電子装置。
(付記2) 前記第1孔は、ジグザグ端を有することを特徴とする付記1に記載の電子装置。
(付記3) 前記第1孔は、4個以上の炭素原子が欠損していることを特徴とする付記1又は2に記載の電子装置。
(付記4) 前記グラフェンの第2部分に点在し、炭素原子が欠損した少なくとも1つの第2孔と、
前記第2部分に接続された第2金属と
を更に含むことを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の電子装置。
(付記5) 前記第2孔は、ジグザグ端を有することを特徴とする付記4に記載の電子装置。
(付記6) 前記第2孔は、4個以上の炭素原子が欠損していることを特徴とする付記4又は5に記載の電子装置。
(付記7) 前記第1部分に接続された前記第1金属をソース電極とし、
前記第2部分に接続された前記第2金属をドレイン電極とし、
前記グラフェンの、前記第1部分と前記第2部分との間に積層された絶縁膜と、
前記絶縁膜の、前記グラフェンと反対の側に積層されたゲート電極と
を更に含むことを特徴とする付記4乃至6のいずれかに記載の電子装置。
(付記8) 前記グラフェンの、前記第1部分と前記第2部分との間に、炭素原子が欠損した孔を有しないことを特徴とする付記7に記載の電子装置。
(付記9) 前記グラフェンの、前記第1部分と前記第2部分との間に、炭素原子が欠損した第3孔を有することを特徴とする付記7に記載の電子装置。
(付記10) グラフェンの第1部分に、炭素原子が欠損した少なくとも1つの第1孔を点在させる工程と、
前記第1部分に第1金属を接続する工程と
を含むことを特徴とする電子装置の製造方法。
(付記11) 前記グラフェンの第2部分に、炭素原子が欠損した少なくとも1つの第2孔を点在させる工程と、
前記第2部分に第2金属を接続する工程と
を更に含むことを特徴とする付記10に記載の電子装置の製造方法。
(付記12) 前記第1部分に接続する前記第1金属をソース電極とし、
前記第2部分に接続する前記第2金属をドレイン電極とし、
前記グラフェンの、前記第1部分と前記第2部分との間に積層される絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜の、前記グラフェンと反対の側に積層されるゲート電極を形成する工程と
を更に含むことを特徴とする付記11に記載の電子装置の製造方法。
(付記13) 前記グラフェンの、前記第1部分と前記第2部分との間に、炭素原子が欠損した第3孔を点在させる工程を更に含むことを特徴とする付記12に記載の電子装置の製造方法。
(付記14) グラフェンの、炭素原子が欠損した少なくとも1つの孔が点在する部分に、金属を接続する工程を含むことを特徴とする電子装置の製造方法。
1,1B,1C,1D,10,20 トランジスタ
2,2B,11,21 基板
3,3B,12,22 絶縁膜
4,13,23,110 グラフェン
4c,6a,7a,8Aa,41,41A,110a 孔
4a,4b,4ab 端部
4d ジグザグ端
4e アームチェア端
4f 軌道
5a,14a,24a ソース電極
5b,14b,24b ドレイン電極
6 酸化シリコン膜
6B,15 ゲート絶縁膜
7 ランダム共重合体膜
7B,16 ゲート電極
8 ブロック共重合体膜
8a シリンダ
8A ポリスチレン膜
9 レジスト膜
40,40A,50 モデル
51 カット
100A,100B,100C 導体部
120,120a,120b 導体層

Claims (8)

  1. グラフェンと、
    前記グラフェンの第1部分に点在し、炭素原子が欠損した少なくとも1つの第1孔と、
    前記第1部分に接続された第1金属と
    を含むことを特徴とする電子装置。
  2. 前記第1孔は、ジグザグ端を有することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
  3. 前記グラフェンの第2部分に点在し、炭素原子が欠損した少なくとも1つの第2孔と、
    前記第2部分に接続された第2金属と
    を更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子装置。
  4. 前記第2孔は、ジグザグ端を有することを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
  5. 前記第1部分に接続された前記第1金属をソース電極とし、
    前記第2部分に接続された前記第2金属をドレイン電極とし、
    前記グラフェンの、前記第1部分と前記第2部分との間に積層された絶縁膜と、
    前記絶縁膜の、前記グラフェンと反対の側に積層されたゲート電極と
    を更に含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の電子装置。
  6. グラフェンの第1部分に、炭素原子が欠損した少なくとも1つの第1孔を点在させる工程と、
    前記第1部分に第1金属を接続する工程と
    を含むことを特徴とする電子装置の製造方法。
  7. 前記グラフェンの第2部分に、炭素原子が欠損した少なくとも1つの第2孔を点在させる工程と、
    前記第2部分に第2金属を接続する工程と
    を更に含むことを特徴とする請求項6に記載の電子装置の製造方法。
  8. 前記第1部分に接続する前記第1金属をソース電極とし、
    前記第2部分に接続する前記第2金属をドレイン電極とし、
    前記グラフェンの、前記第1部分と前記第2部分との間に積層される絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜の、前記グラフェンと反対の側に積層されるゲート電極を形成する工程と
    を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の電子装置の製造方法。
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