JP2016125155A - 皮革用材の製造方法及び皮革用材 - Google Patents

皮革用材の製造方法及び皮革用材 Download PDF

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Abstract

【課題】 環境負荷やVOCの問題を考慮した水系ポリウレタン樹脂を用いた皮革用材の製造方法であるにも拘らず、マイグレーション防止性と共に、風合い耐磨耗性及び厚み保持率のいずれにおいても優れており、さらに用いるポリウレタン樹脂を含む混合液(処理液)の乳化安定性についても優れている皮革用材の製造方法を提供すること。
【解決手段】 繊維基材を、アニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂と水とを含む混合液で処理して第1基材を得る第1の工程と、
前記第1基材を酸の水溶液で処理して第2基材を得る第2の工程と、
前記第2基材を乾燥して皮革用材を得る第3の工程と、
を含むことを特徴とする皮革用材の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、皮革用材の製造方法及び皮革用材に関し、さらに詳しくは、本発明は、水性ポリウレタン樹脂を用いて製造され、人工皮革又は合成皮革として好適に用いることのできる皮革用材の製造方法並びにその方法により製造された皮革用材に関する。
従来から、天然皮革の代替品として、ポリウレタン樹脂と不織布からなる繊維基材で構成されている人工皮革や、ポリウレタン樹脂と織物又は編物からなる繊維基材で構成されている合成皮革が多種類製造されてきている。このような人工皮革、合成皮革は、例えば、天然皮革に類似させるためにポリウレタン樹脂の有機溶媒溶液を繊維基材に含浸又は塗布させたものを、ポリウレタン樹脂に対し貧溶媒で、かつ当該有機溶媒と相溶性のある凝固液(通常は水)中に通して凝固させ、次いで水洗、乾燥させる湿式凝固法と呼ばれる方法で製造されていた。
しかしながら、このような湿式凝固法において多く使用されているジメチルホルムアミド等の有機溶剤は、引火性が強く、さらには毒性も高いものが多いことから、火災の危険性がある他、作業環境の悪化や大気、水質等の環境汚染の問題も懸念されていた。そして、このような問題点を解消するために発生する有機溶剤を回収する工程を組み入れた製造方法も行われているが、多額の廃棄コストや、労力がかかるといった問題点が残っていた。また、ポリウレタン樹脂の有機溶媒溶液を用いて得られた人工皮革、合成皮革には、皮革内部に有機溶剤が残留するため、皮膚障害等の人体への影響も問題にされていた。そのため、繊維基材に固着するポリウレタン樹脂を有機溶剤タイプから水性ポリウレタン樹脂に移行すべく検討がなされてきた。
水性ポリウレタン樹脂を用いた人工皮革等の製造方法は、有機溶剤を使用しないため、回収に要するコストを削除することができる点、及び作業環境の改善、大気汚染、水質汚濁等の環境改善の点では優れている。しかしながら、水性ポリウレタン樹脂を用いた人工皮革等は、従来の有機溶剤溶液を用いて得られる人工皮革や合成皮革と比較して、風合いや物性が劣るという問題を有していた。これは、水性ポリウレタン樹脂を繊維基材内部に含浸させた後に乾熱乾燥せしめる工程において、繊維基材表面から蒸発する水の移動に引き連られて水性ポリウレタン樹脂が繊維基材表面に移行してしまう、いわゆるマイグレーションが原因であった。そのため、水性ポリウレタン樹脂を用いた人工皮革等の製造方法においては、マイグレーションを防止し、風合いや物性を改善するための検討がなされてきている。
例えば、特開昭52−28904号公報(特許文献1)においては、感熱ゲル化剤を添加し感熱凝固性を付与した合成樹脂エマルジョンを繊維基布に含浸させ、熱水中で該合成樹脂エマルジョンを凝固する皮革様物の製造方法が開示されている。しかしながら、このような方法では、マイグレーション防止性はある程度向上するものの、含浸液の一部が浴中に流出して凝固し、その凝固したゲル物が加工物の表面に再付着して、得られる皮革用材の見た目や風合いが悪くなってしまうという問題を有していた。また、このような方法においては、ポリウレタン樹脂濃度が低下するにつれて感熱凝固性が低下すると、含浸液の一部が熱水中へ流出し易くなり、得られる皮革用材の見た目や風合いがさらに悪くなってしまうという問題も有していた。
また、特開平6−316877号公報(特許文献2)においては、強制乳化された非イオン性のポリウレタンエマルジョンに無機塩類を溶解した処理液を不織シート状物等の繊維基材に付与させて加熱乾燥せしめる人工皮革の製造方法が開示されている。しかしながら、このような方法では、マイグレーション防止性はある程度向上するものの、配合する無機塩の濃度によっては処理浴の安定性が悪くなるという加工上の問題を有していた。また、繊維基材中に非イオン界面活性剤等の乳化剤及び無機塩が残留してしまうため、得られる皮革用材は風合いが粗硬で、耐摩耗性も十分なものではなかった。
さらに、特開2000−290879号公報(特許文献3)においては、感熱凝固温度が40〜90℃である水系ウレタン樹脂と会合型増粘剤とからなる水系樹脂組成物を、繊維材料基体に含浸又は塗布し、該水系樹脂組成物をスチームで感熱凝固させる繊維シート状複合物の製造方法が開示されている。しかしながら、このような方法でも、マイグレーション防止性はある程度向上するものの、繊維基材中に非イオン界面活性剤(ノニオン性乳化剤)及び会合型増粘剤が残留するため、得られる皮革用材はやはり風合いが粗硬で、耐磨耗性も十分なものではなかった。
なお、特許文献2〜3に記載の方法において、非イオン界面活性剤、無機塩、会合型増粘剤といった残留物は、水洗又は湯洗といった工程を繰り返し行うことによりある程度は除去することが可能であるが、完全に除去することが難しいことから前記の問題は避けられない。また、水洗又は湯洗といった工程を繰り返し行うことは加工工程数の増加となり経済的な問題へと繋がる。したがって、水洗又は湯洗する工程をできる限り少なく、かつ残留物を容易に除去することができ、十分な風合いや耐摩耗性を有する皮革用材を得られる製造方法が要求されている。
また、特開2011−42896号公報(特許文献4)においては、カルボキシル基及び/又はカルボキシレート基を有するポリウレタン樹脂、無機酸のアンモニウム塩及び水を含む混合液を、繊維基材に含浸させた後に乾燥して皮革用材を得る皮革用材の製造方法が開示されている。このような特許文献4に記載の方法は、マイグレーションを防止しつつ、風合いが柔軟でかつ耐磨耗性や摩擦堅牢度等の物性にも優れた皮革用材を得ることができるという点で優れた方法であった。しかしながら、近年、水性ポリウレタン樹脂を用いた人工皮革等の製造方法に要求される各種水準が益々高まっており、より確実にマイグレーションを防止して繊維基材に均一にポリウレタン樹脂を固着させることができるマイグレーション防止性と共に、風合いが柔軟でかつ耐磨耗性に優れており、さらに製造過程における厚み保持率にも優れた、各種要求特性を高度な水準で併せ持つ皮革用材及びその製造方法が求められている。また、特許文献4に記載の方法において用いる混合液は、従来のポリウレタン樹脂を含む処理液よりは酸性下における乳化安定性が優れていたものの、かかる混合液の乳化安定性についても加工上の観点からより高度な水準のものが求められている。
特開昭52−28904号公報 特開平6−316877号公報 特開2000−290879号公報 特開2011−42896号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、環境負荷やVOCの問題を考慮した水系ポリウレタン樹脂を用いた皮革用材の製造方法であるにも拘らず、マイグレーション防止性と共に、風合い耐磨耗性及び厚み保持率のいずれにおいても優れており、さらに用いるポリウレタン樹脂を含む混合液(処理液)の乳化安定性についても優れている皮革用材の製造方法、並びに、その製造方法により得られる皮革用材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、繊維基材を特定の水性ポリウレタン樹脂と水とを含む混合液で処理した後に酸の水溶液で処理するという従来とは全く異なった方法を採用することによって、前記目的が達成されるようになることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の皮革用材の製造方法は、
繊維基材を、アニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂と水とを含む混合液で処理して第1基材を得る第1の工程と、
前記第1基材を酸の水溶液で処理して第2基材を得る第2の工程と、
前記第2基材を乾燥して皮革用材を得る第3の工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
上記本発明で用いる混合液としては、20℃でのpHが7.0〜10.0のものであることが好ましい。また、上記本発明で用いる酸の水溶液としては、20℃でのpHが1.0〜5.0のものであることが好ましい。
また、上記本発明における第2の工程においては、前記第1基材を酸の水溶液に浸漬することが好ましい。
さらに、上記本発明で用いる酸としては、蟻酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、硫酸及び燐酸からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
また、本発明の皮革用材は、前記本発明の製造方法により得られることを特徴とするものである。
本発明によれば、環境負荷やVOCの問題を考慮した水系ポリウレタン樹脂を用いた皮革用材の製造方法であるにも拘らず、マイグレーション防止性と共に、風合い耐磨耗性及び厚み保持率のいずれにおいても優れており、さらに用いるポリウレタン樹脂を含む混合液(処理液)の乳化安定性についても優れている皮革用材の製造方法、並びに、その製造方法により得られる皮革用材を提供することが可能となる。
なお、本発明の製造方法においては、用いる水性ポリウレタン樹脂を含む混合液(処理液)にゲル化成分を含む必要がないため、その乳化安定性を気にする必要がなく、また、簡易な方法で水系ポリウレタン樹脂を均一に凝固させることができ、その後の熱処理によるマイグレーションの懸念がなく、加工適正に優れているため、長期間安定して皮革用材を製造することができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明の皮革用材の製造方法は、繊維基材を、アニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂と水とを含む混合液で処理して第1基材を得る第1の工程と、前記第1基材を酸の水溶液で処理して第2基材を得る第2の工程と、前記第2基材を乾燥して皮革用材を得る第3の工程と、を含むことを特徴とする方法である。
(第1の工程)
本発明の皮革用材の製造方法における第1の工程は、繊維基材を、アニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂と水とを含む混合液で処理して第1基材を得る工程である。
<繊維基材>
本発明にかかる繊維基材としては、特に限定されるものではなく、織物、編物又は不織布等を好適に用いることができる。このような繊維基材の素材としては、天然の皮革に近い風合い及び品位が得られるため、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維を使用したものが好適に用いられる。
また、前記繊維基材として使用される前記不織布において、不織布の糸の太さは、得られる皮革用材の風合いが向上するという観点から、2.0dtex以下であることが好ましい。不織布の糸の太さが2.0dtexを超えると、皮革用材の風合いが粗硬となり品位が損なわれる傾向にある。
また、このような不織布の密度としては、0.2〜0.7g/cmであることが好ましく、0.30〜0.55g/cmであることがより好ましい。不織布の密度が前記下限未満となると、得られる皮革用材の耐摩耗性が悪くなる傾向にあり、また、それを補うために多量のポリウレタン樹脂を固着させると、得られる皮革用材の風合いが粗硬となり品位が損なわれてしまう傾向にある。一方、不織布の密度が前記上限を超えると、得られる皮革用材の風合いが粗硬となり品位が損なわれる傾向にある。
<アニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂>
本発明にかかるアニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂としては、特に限定されるものではなく、ウレタン樹脂骨格中に親水成分として、カルボキシル基、カルボキシレート基、スルホ基、スルホネート基を有するポリウレタン樹脂が挙げられ、中でも、ポリウレタン樹脂の第2の工程での凝固のし易さという観点から、カルボキシル基及び/又はカルボキシレート基を有するポリウレタン樹脂が好ましい。
このようなカルボキシル基及び/又はカルボキシレート基を有するポリウレタン樹脂としては、(a)有機ポリイソシアネート、(b)ポリオール及び(c)カルボキシル基と2個以上の活性水素とを有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基を有するイソシアネート基末端プレポリマーを中和して水に自己乳化によって乳化分散せしめた後、(d)アミノ基及び/又はイミノ基を2個以上有するポリアミン化合物を用いて鎖伸長反応させて得られたカルボキシル基及び/又はカルボキシレート基を有するポリウレタン樹脂を好適に用いることができる。
このような(a)有機ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、2個のイソシアネート基を有する脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート及び芳香族ジイソシアネートを使用することができる。このような(a)有機ジイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環式ジイソシアネート化合物、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物等を挙げることができる。これらのジイソシアネート化合物は1種を単独で用いることができ、又は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。このような(a)有機ジイソシアネートの中でも、脂肪族ジイソシアネート化合物及び脂環式ジイソシアネート化合物は、無黄変性を皮革用材に与えるので好適に用いることができ、特にヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート及び1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンを好適に用いることができる。
また、(b)ポリオールとしては、2個以上のヒドロキシル基を有するものであれば特に制限はなく、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール等の他、エーテル結合とエステル結合とを有するポリエーテルエステルポリオールも使用することができる。
このようなポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンイソフタレートアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンセバケート、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン)アジペート、1,6−ヘキサンジオールとダイマー酸の重縮合物、1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸とダイマー酸の共重縮合物、ノナンジオールとダイマー酸の重縮合物、エチレングリコールとアジピン酸とダイマー酸の共重縮合物等を挙げることができる。
また、前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンカーボネートジオール、1,6−ヘキサンジオールポリカーボネートポリオール等を挙げることができる。
さらに、前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールの単独重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体、エチレンオキシドとプロピレンオキシド、エチレンオキシドとブチレンオキシドのランダム共重合体やブロック共重合体等を挙げることができる。
また、このような(b)ポリオールは、1種を単独で用いることができ、又は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。さらに、このような(b)ポリオールの平均分子量としては、500〜5000であることが好ましく、1000〜3000であることがより好ましい。また、得られるカルボキシル基及び/又はカルボキシレート基を有するポリウレタン樹脂によって皮革用材に十分な耐久性を付与できるという観点から、前述の(b)ポリオールとしては、ポリカーボネートポリオール又はポリエーテルポリオールを使用することが好ましい。
また、(c)カルボキシル基と2個以上の活性水素とを有する化合物としては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸等を挙げることができる。さらに、このようなカルボキシル基と2個以上の活性水素とを有する化合物として、カルボキシル基を有するジオールと、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸等とを反応させて得られるペンダント型カルボキシル基を有するポリエステルポリオールを用いることもできる。なお、前記カルボキシル基を有するジオールに代えて、ジオール成分としてカルボキシル基を有さないジオールを混合して反応させても良い。また、このようなカルボキシル基と2個以上の活性水素とを有する化合物は、1種を単独で用いることができ、又は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、(a)有機ポリイソシアネート、(b)ポリオール及び(c)カルボキシル基と2個以上の活性水素とを有する化合物を反応させてカルボキシル基を有するイソシアネート基末端プレポリマーを製造する際には、必要に応じて2個以上の活性水素原子を有する低分子量鎖伸長剤を使用することができる。
このような2個以上の活性水素原子を有する低分子量鎖伸長剤としては、分子量が400以下のものが好ましく、特に300以下のものが好ましい。また、このような低分子量鎖伸長剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の低分子量多価アルコール;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の低分子量ポリアミン等を挙げることができる。さらに、このような2個以上の活性水素原子を有する低分子量鎖伸長剤は、1種を単独で用いることができ、又は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、カルボキシル基を有するイソシアネート基末端プレポリマーを製造する具体的な方法としては特に制限はなく、例えば、従来公知の一段式のいわゆるワンショット法、多段式のイソシアネート重付加反応法等により製造することができる。この時の反応温度は、40〜150℃であることが好ましい。また、このような反応の際、必要に応じて、ジブチル錫ジラウレート、スタナスオクトエート、ジブチル錫−2−エチルヘキサノエート、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等の反応触媒を添加することができる。また、反応中又は反応終了後に、イソシアネート基と反応しない有機溶剤を添加することができる。このような有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等を使用することができる。
また、本発明において、カルボキシル基を有するイソシアネート基末端プレポリマーの中和は、カルボキシル基を有するイソシアネート基末端プレポリマーの調製前又は調製後に適宜公知の方法を用いて行うことができる。このようなカルボキシル基を有するイソシアネート基末端プレポリマーの中和に用いる化合物には特に制限はなく、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチル−ジエタノールアミン、N,N−ジメチルモノエタノールアミン、N,N−ジエチルモノエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア等を挙げることができる。このような前記化合物の中でも、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリブチルアミン等の第3級アミン類が特に好ましい。
また、本発明において、カルボキシル基を有するイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を水に乳化分散させる際に用いる乳化機器に特に制限はなく、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、ディスパー等を挙げることができる。また、カルボキシル基を有するイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を水に乳化分散させる際には、カルボキシル基を有するイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を、特に乳化剤を用いずに室温〜40℃の温度範囲で水に乳化分散させて、イソシアネート基と水との反応を極力抑えることが好ましい。さらに、このように乳化分散させる際には、必要に応じて、燐酸、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水素二ナトリウム、パラトルエンスルホン酸、アジピン酸、塩化ベンゾイル等の反応抑制剤を添加することができる。
さらに、本発明において、カルボキシル基を有するイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を水に乳化分散させた後、(d)アミノ基及び/又はイミノ基を2個以上有するポリアミン化合物を用いて鎖伸長反応させることで目的とするアニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂を得ることができる。
このような(d)アミノ基及び/又はイミノ基を2個以上有するポリアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、ヒドラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン等のジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン;ジ第一級アミン及びモノカルボン酸から誘導されるアミドアミン;ジ第一級アミンのモノケチミン等の水溶性アミン誘導体;蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、琥珀酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、1,1’−エチレンヒドラジン、1,1’−トリメチレンヒドラジン、1,1’−(1,4−ブチレン)ジヒドラジン等のヒドラジン誘導体を挙げることができる。これらのアミノ基及び/又はイミノ基を2個以上有するポリアミン化合物は、1種を単独で用いることができ、又は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、本発明において、カルボキシル基を有するイソシアネート基末端プレポリマーの中和物の鎖伸長反応は、前記カルボキシル基を有するイソシアネート基末端プレポリマーの中和物の乳化分散物に、(d)アミノ基及び/又はイミノ基を2個以上有するポリアミン化合物を添加して行うことができる。また、(d)アミノ基及び/又はイミノ基を2個以上有するポリアミン化合物に、前記カルボキシル基を有するイソシアネート基末端プレポリマーの中和物の乳化分散物を添加して行うこともできる。鎖伸長反応は、反応温度20〜40℃で行うことが好ましく、通常は30〜120分間で完結する。カルボキシル基を有するイソシアネート基末端プレポリマーを製造する際に有機溶剤を使用した場合には、例えば、鎖伸長反応を終えた後、減圧蒸留等により有機溶剤を除去することが好ましい。
また、本発明において、アニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂中のカルボキシル基含有量とカルボキシレート基含有量の合計としては、0.5〜4.0質量%であることが好ましく、1.0〜2.0質量%であることがより好ましい。カルボキシル基含有量とカルボキシレート基含有量の合計が前記下限未満の場合には、得られるアニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂の貯蔵安定性が悪くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、アニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂の水溶性が高くなり、第2の工程において、アニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂の凝固性が低下する傾向がある。
<混合液>
第1の工程において用いる混合液は、当該工程において含浸液や処理液として用いられるものであり、前述のアニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂と水とを含むものである。
かかる混合液における水は、前述のアニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂を混合する際に溶媒(分散媒)としての役割を有するものであり、イオン交換水又は蒸留水を好適に用いることができる。また、本発明においてこのような混合液を調製する方法としては、特に制限されず、適宜公知の方法を用いることができる。
前記混合液中のアニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂の含有量としては、固形分の質量換算で5〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。アニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂の含有量が前記下限未満であると、必要量のポリウレタン樹脂を固着させるためには繊維基材に対して多量の前記混合液を含浸させることになるため、乾燥で揮発させる水分量が多くなって乾燥時間が長くなり、経済性が悪くなる傾向にある。一方、アニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂の含有量が前記上限を超えると、前記混合液の安定性が悪くなる傾向にある。
また、前記混合液としては、20℃でのpHが7.0〜10.0のものであることが好ましく、7.0を超え10.0以下のものであることがより好ましく、7.2〜9.0のものであることがさらにより好ましく、7.5〜9.0のものであることが特に好ましい。本発明にかかる混合液のpH値が前記下限未満では、混合液の乳化安定性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、第2の工程で水性ポリウレタン樹脂の凝固性が低下し、樹脂のマイグレーションが起き易くなる傾向にある。
さらに、本発明の第1の工程において用いる混合液は、非イオン界面活性剤、無機塩、会合型増粘剤等のゲル化成分を含まないものであることが好ましく、例えば90℃に加熱してもゲル化しないものであることがより好ましく、感熱凝固性がないものであることが特に好ましい。なお、かかる感熱凝固性の指標となる感熱凝固温度とは、前記混合液50gを100mLのガラス製ビーカーに取り、内容物を撹拌しつつ、そのビーカーを95℃の熱水浴中で徐々に加熱し、内容物が流動性を失い凝固する時の温度である。
本発明にかかる第1の工程において、アニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂と水とを含む混合液中には、本発明の目的を損なわない範囲で加工適性を付与するために各種の添加剤を添加することができる。このような添加剤としては、例えば、低級アルコール、グリコール系溶剤、アルコール系の非イオン界面活性剤、アセチレングリコール系の特殊界面活性剤、シリコーン系の界面活性剤、フッ素系の界面活性剤等の各種浸透剤;酸化防止剤、耐光安定化剤、紫外線防止剤等の各種安定化剤;鉱物油系、シリコーン系等の各種消泡剤;ウレタン化触媒、可塑剤、増粘剤、顔料等の着色剤、可使時間延長剤等が挙げられる。このような添加剤は、1種を単独で用いることができ、又は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、このような添加剤を添加する場合、その含有量は特に限定されないが、一般的には混合液中に0.1〜10質量%程度であることが好ましい。
また、このような添加剤の中でも、特に浸透剤を添加することが好ましい。浸透剤を用いることで、前記繊維基材に前記混合液を速やかに含浸させることが可能となると共に、前記繊維基材にポリウレタン樹脂を均一に固着させる効果が得られるためである。このような浸透剤としては、一般に用いられているものであればよく特に制限されないが、低級アルコール、グリコール系溶剤、アルコール系の非イオン界面活性剤等を用いることが特に好ましい。
また、本発明にかかる第1の工程においては、アニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂と水とを含む混合液に、本発明の目的を損なわない範囲でカルボキシル基と反応する架橋剤を添加することができる。このような架橋剤としては、オキサゾリン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、アジリジン系架橋剤、ブロックイソシアネート系架橋剤、水分散イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤等が挙げられる。これらの架橋剤は、1種を単独で用いることができ、又は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。この中でも、風合いの観点から、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤が好ましい。
<第1の工程>
本発明にかかる第1の工程において、繊維基材をアニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂と水とを含む混合液で処理する方法としては、特に限定されるものではないが、繊維基材に前記混合液を含浸させる方法であることが好ましい。
前記混合液を前記繊維基材に含浸させる方法としては、特に制限されず、適宜公知の方法を用いることができる。このような含浸方法としては、例えば、dip−nip方式からなる含浸加工、噴霧処理、コーターでコーティングしながら浸み込ませる方法を挙げることができる。前記混合液の濃度及び処理条件等も採用する方法に応じて適宜選択することができる。なお、前記混合液を前記繊維基材に含浸させる前に、前記繊維基材に前処理を行うことができる。このような前処理工程としては、前記繊維基材とポリウレタン樹脂成分との接着力を調整するために、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等からなる高分子水溶液、シリコーン系撥水剤、フッ素系撥水剤等を用いて前記繊維基材を処理することが好ましい。
前記混合液の前記繊維基材に対する塗布量としては、得られる皮革用材の風合い及び耐磨耗性等の物性もより向上するという観点から、繊維基材100質量部に対して、前記アニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂に由来する成分が固形分の質量換算で5〜300質量部となるように処理することが好ましく、25〜200質量部となるように処理することがより好ましい。また、アニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂と水とを含む混合液の濃度にもよるが、繊維基材100質量部に対して、アニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂と水とを含む混合液のピックアップが50〜400質量部となるように処理することが好ましい。
さらに、本発明にかかる含浸としては、得られる皮革用材の内部まで十分に前記アニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂に由来する成分が固着するように含浸させることが好ましい。本発明の製造方法によれば、マイグレーションが抑制されるため、このように十分に前記アニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂に由来する成分を固着させることができ、優れた摩擦堅牢度が達成され、優れた風合いも達成される。このようなアニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂に由来する成分の固着状態としては、例えば、走査型電子顕微鏡を用いて皮革用材の断面を150倍の倍率で観察した際に、皮革用材の表面のみならず、皮革用材の厚さに占める中央部の10%部分にも前記アニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂に由来する成分の固着が認められることが好ましく、皮革用材の中央部と表面部とで、樹脂固着量に全く差異が認められないことがより好ましい。
本発明においては、前述の第1の工程で得られた第1基材を、乾燥しないで後述する第2工程に供してもよく、水性ポリウレタン樹脂がマイグレーションしない程度に乾燥した後に後述する第2工程に供してもよい。また、本発明にかかる第1の工程において前記繊維基材を前記混合液で処理する際又は処理した後で、前述のピックアップとなるようにスリットマングル等を用いて調整して後述する第2工程に供することが好ましい。
(第2の工程)
本発明の皮革用材の製造方法における第2の工程は、前述の第1の工程で得られた第1基材を酸の水溶液で処理して第2基材を得る工程である。
<酸>
本発明にかかる酸の水溶液に使用する酸としては、アレニウスの定義による酸であることが好ましく、水溶液中においてプロトン(H+)を出す物質であれば特に限定されることはなく、例えば、0.1g/L水溶液のpHが6.5以下である物質であればよく、このような物質としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、サリチル酸、トリメリット酸、ピルビン酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、アコニット酸、グルタル酸、L−アスコルビン酸等の有機酸;過塩素酸、硫酸、過硫酸、亜硫酸、スルファミン酸、燐酸、硝酸等の無機酸が挙げられる。
このような酸の中でも、入手が容易、取り扱いの安全性、及び水洗によって容易に取り除くことができ皮革用材に残留することが少ないという観点から、蟻酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、硫酸及び燐酸からなる群から選択される少なくとも1種を好適に用いることができる。
<酸の水溶液>
第2の工程において用いる酸の水溶液は、当該工程において含浸液や処理液として用いられるものであり、前述の酸と水とを含むものである。
かかる水溶液における水は、前述の酸を溶解する際に溶媒としての役割を有するものであり、イオン交換水又は蒸留水を好適に用いることができる。また、本発明においてこのような酸の水溶液を調製する方法としては、特に制限されず、適宜公知の方法を用いることができる。
このような酸の水溶液は、20℃でのpHが1.0〜5.0であることが好ましく、2.0〜4.0であることがより好ましい。酸の水溶液のpHが前記下限未満の場合、酸による装置の腐食のおそれや酸の水溶液取り扱い時の安全性が低下するおそれがある。一方、pHが前記上限を超えると、アニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂の凝固性が不足し、樹脂のマイグレーションが起き易くなったり、樹脂が繊維基材から脱落したりする傾向がある。
本発明にかかる第2の工程において、前記酸の水溶液には、アニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂の凝固性を向上する目的で、無機塩を併用することもできる。
また、本発明にかかる第2の工程において、前記酸の水溶液には、本発明の目的を損なわない範囲で加工適性を付与するために各種の添加剤を併用することができる。このような添加剤としては、例えば、低級アルコール、グリコール系溶剤、アルコール系の非イオン界面活性剤、アセチレングリコール系の特殊界面活性剤、シリコーン系の界面活性剤、フッ素系の界面活性剤等の各種浸透剤;酸化防止剤、耐光安定化剤、紫外線防止剤等の各種安定化剤;鉱物油系、シリコーン系等の各種消泡剤等が挙げられる。このような添加剤は、1種を単独で用いることができ、又は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、このような添加剤を添加する場合、その含有量は特に限定されないが、一般的には酸の水溶液中に0.1〜10質量%程度であることが好ましい。
また、このような添加剤の中でも、特に浸透剤を添加することが好ましい。浸透剤を用いることで、前記第1基材に前記酸の水溶液を速やかに浸透させることが可能となる。このような浸透剤としては、一般に用いられているものであればよく特に制限されないが、低級アルコール、グリコール系溶剤、アルコール系の非イオン界面活性剤等を用いることが特に好ましい。
<第2の工程>
本発明にかかる第2の工程において、前記第1基材を前記酸の水溶液で処理する方法としては、特に制限されず、適宜公知の方法を用いることができ、例えば、酸の水溶液に浸漬する方法、酸の水溶液を噴霧処理する方法、酸の水溶液をコーターでコーティングして浸み込ませる方法等を挙げることができる。これらの方法の中でも、現有する機器を利用することができ、処理が一般的に簡易であるといった観点から、前記第1基材を前記酸の酸水溶液に浸漬する方法であることが好ましい。
前記酸の水溶液は、水性ポリウレタン樹脂の凝固性の観点から、繊維基材に付与されているアニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂に由来する成分(固形分)の質量100質量部に対して50質量部以上の量を用いて処理することが好ましく、100質量部以上の量を用いて処理することがより好ましい。
また、処理のし易さ、水性ポリウレタン樹脂の均一な凝固性等の観点から、繊維基材100質量部に対して、前記酸の水溶液を150質量部以上使用することが好ましく、300質量部以上使用することがより好ましい。さらに、本発明にかかる第2の工程において前記第1基材を前記酸の水溶液で処理する際又は処理した後で、100〜500質量部のピックアップとなるようにスリットマングル等を用いて調整して後述する第3工程に供することが好ましい。
また、酸の水溶液は、第1基材の表面のみならず、第1基材の厚さに占める中央部の10%部分にも処理されることが好ましく、第1基材の中央部と表面部とで、処理状態に全く差異が認められないことがより好ましい。
さらに、酸の水溶液の温度は、特に限定されるものではないが、処理の安全性や容易さの観点から、0〜100℃であることが好ましく、10〜50℃であることがより好ましい。
また、本発明においては、得られる皮革用材の黄変防止や劣化防止の観点から、前記第2の工程で得られた第2基材を水洗することが好ましい。水洗の温度は特に制限されない。このような水洗の方法としては、特に制限されず、適宜公知の方法を用いることができ、例えば、水に浸漬する方法、水を噴霧処理する方法、水をコーターでコーティングして浸み込ませる方法を挙げることができる。
さらに、水洗をした後の第2基材は、得られる皮革用材の劣化防止、皮革用材染色時の染め斑防止の観点から、pHが4〜8であることが好ましく、5〜7であることがより好ましい。なお、このようなpHは、JIS L1096織物及び編物の生地試験方法に基づいて測定することができる。
(第3の工程)
本発明の皮革用材の製造方法における第3の工程は、前述の第2の工程で得られた第2基材を乾燥して皮革用材を得る工程である。
このような乾燥をする方法としては、特に制限はなく、例えば、熱風を利用した乾式乾燥;ハイテンパルチャースチーマー(H.T.S.)、ハイプレッシャースチーマー(H.P.S.)を用いた湿式乾燥;マイクロ波照射式乾燥等を用いることができ、連続加工性の点で熱風を利用した乾式乾燥を好適に用いることができる。これらの乾燥方法は、1種を単独で用いることができ、又は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、前記熱風を用いた乾式乾燥を用いる場合においては、その処理温度を60〜190℃とし、処理時間を1〜20分とすることが好ましく、処理温度100〜170℃とし、処理時間を2〜5分とすることがより好ましい。このような乾燥をすることにより、繊維基材内部にポリウレタン樹脂をしっかり固着させることができる。
次いで、本発明の皮革用材について説明する。すなわち、本発明の皮革用材は、前述の第1の工程から第3の工程を含む本発明の製造方法により得られることを特徴とするものである。
また、本発明の皮革用材は、染色することが可能である。このような染色方法には特に制限はなく、繊維基材にポリウレタン樹脂を固着させた後に染色を行う先含浸後染色方法、及び、繊維基材を染色した後にポリウレタン樹脂を固着させる後含浸先染色法の何れも行うことができる。
さらに、本発明の皮革用材は、表皮層を形成させ、銀面付き皮革用材とすることもできる。このような表皮層を形成させる方法としては、従来公知のいずれの方法でもよく、特に制限されないが、例えば、離型紙に表皮層用材料を塗布し、水分を蒸発させることにより表皮層を形成し、さらにその上に接着剤を塗布し、そのまま本発明の皮革用材と貼り合わせて水分を蒸発、あるいは、水分の蒸発後に貼り合わせる離型紙転写法;離型紙に表皮層用材料を塗布し、水分を蒸発させることにより表皮層を形成し、熱により表皮層を本発明の皮革用材と貼り合わせる熱転写法;本発明の皮革用材上に直接表皮層用材料をスプレーするスプレー法;グラビアコーター、ナイフコーター、コンマコーター、エアナイフコーター等にて本発明の皮革用材上に表皮層用材料を塗布するダイレクトコート法等が挙げられる。このような表皮層を形成させる方法の中でも、得られる表皮層の物性面がより向上するという観点から、離型紙転写法が最も好ましい。このような離型紙転写法において使用される表皮層用材料と接着剤は、本発明の皮革用材と貼り合わせできるものであればいずれでも良いが、風合い面及び物性面からはポリウレタン樹脂が好ましく、また、VOCフリー及び環境負荷の面からは水性又は無溶剤系のものが望ましい。
また、本発明の皮革用材はその用途として、車輌、家具、衣料、靴、鞄、袋物、サンダル、雑貨、研磨等の分野に使用することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、混合液の静置安定性、酸の水溶液への樹脂の脱落性、各実施例及び各比較例により得られた皮革用材の諸特性は、それぞれ下記の方法により評価した。
(1)混合液の静置安定性
第1工程において用いる混合液を、40℃で1日間及び2日間静置させたときの状態を観察した。混合液に分離、沈降、増粘、固化等の変化が無い場合を「○」と判定し、小さな変化があるが、簡単な撹拌で均一になり、処理することが可能な場合を「△」と判定し、大きな変化があり、簡単な撹拌では均一にならず、処理することが不可能である場合を「×」と判定した。
(2)酸の水溶液への樹脂成分の脱落性
第2工程において酸の水溶液へ第1基材を浸漬させたときの状態を観察した。酸の水溶液にウレタン樹脂成分の流出や脱落が無い場合を「○」と判定し、流出や脱落が少しある場合を「△」と判定し、流出や脱落が多くある場合を「×」と判定した。
(3)マイグレーション防止性
各実施例及び各比較例により得られた皮革用材について、走査型電子顕微鏡[Scanning Electron Microscope S−2400(HITACHI)]を用いて皮革用材の断面を150倍の倍率で観察し、不織布の中央部に存在するポリウレタン樹脂の固着状態と不織布の表面部に存在するポリウレタン樹脂の固着状態とを比較して次の基準にしたがって評価した。なお、ポリウレタン樹脂の固着状態が2つの基準の間にある場合、例えば、4級と5級との間にある場合には、「4−5級」と評価した。
5級:皮革用材断面において、中央部と表面部とで、樹脂固着量に全く差異は認められず、マイグレーションが生じていない。
4級:皮革用材断面において、中央部と表面部とで、樹脂固着量に殆ど差異は認められず、マイグレーションが生じていない。
3級:皮革用材断面において、中央部と表面部とで、樹脂固着量にわずかに差異が認められ、全体の厚さに占める中央部の10%部分には樹脂固着が認められない。
2級:皮革用材断面において、中央部と表面部とで、樹脂固着量にかなり差異が認められ、全体の厚さに占める中央部の30%部分には樹脂固着が認められない。
1級:皮革用材断面において、中央部と表面部とで、樹脂固着量に著しく差異が認められ、全体の厚さに占める中央部の50%部分には樹脂固着が認められない。
(4)摩耗試験
各実施例及び各比較例により得られた皮革用材について、JIS L1096(1999)のテーバー形法に準じ、テーバー摩耗試験機[安田精機製作所製]により、軟質輪CS−10を用い、荷重500gをかけ、1000回及び3000回摩耗させた後の、皮革用材の重量の減少量を摩耗量として示した。なお、摩耗量が少ないほど、皮革用材の耐摩耗性が優れていることとなる。
(5)風合い評価
各実施例及び各比較例により得られた皮革用材について、触感により、以下の基準:
5級:柔軟かつ反発弾性に極めて富んだ風合い
4級:柔軟かつ反発弾性に富んだ風合い
3級:柔軟ながらもやや反発弾性に欠ける風合い
2級:やや粗硬かつペーパーライクな(紙のような)風合い
1級:粗硬かつペーパーライクな(紙のような)風合い
に従って評価した。
(6)厚み保持率
各実施例及び各比較例により得られた皮革用材の厚みと、それぞれの皮革用材の製造に用いた未加工布の厚みとを、精密厚み測定器(OZAKIMFG.CO.,LTD製、DIALTHICKNESSGUAGEH−MT)を用いて測定し、次式:
厚み保持率(%)=D1×100/D2
[式中、D1は皮革用材の厚み、D2は未加工布の厚みを示す。]
により厚み保持率(%)を算出し、以下の基準:
評価A:保持率80%以上
評価B:保持率60%以上〜80%未満
評価C:保持率60%未満
に従って評価した。なお、厚み保持率が測定箇所により異なる場合、例えば、評価Aの箇所と評価Bの箇所とが混在する場合には、「A−B」と評価した。
[合成例及び比較合成例]
以下に、実施例に用いるアニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂の合成例、及び比較例に用いる水性ポリウレタン樹脂の比較合成例を示す。
(ポリウレタン樹脂合成例1)
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素導入管を付した四つ口フラスコに、1,6−ヘキサンジオールカーボネートジオール(重量平均分子量2,000)157.0g、ネオペンチルグリコール7.5g、トリメチロールプロパン1.3g、2,2−ジメチロールプロピオン酸9.5g、ジブチル錫ジラウレート0.001g及びメチルエチルケトン105gを仕込み、均一に混合した後、イソホロンジイソシアネート69.7gを加え、80℃で300分間反応させ、遊離イソシアネート基の含有量が1.9質量%のカルボキシ基を有するイソシアネート基末端プレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。
前記溶液を50℃以下に冷却した後、メチルエチルケトン53.6g、トリエチルアミン6.8gを加え、40℃で30分間中和反応を行った。次に、中和を行なった溶液を30℃以下に冷却し、ディスパー羽根を用いて水421.9gを徐々に加えてカルボキシ基を有するイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を乳化分散せしめ、乳化分散液を得た。そして、60質量%の水加ヒドラジン5.2gとジエチレントリアミン1.1gを水20gに溶解したポリアミン水溶液を前記乳化分散液に添加し、35℃で60分間鎖伸長反応させた後、減圧下、35℃にて脱溶剤を行い、不揮発分35.0質量%、粘度120mPa・s(BM粘度計、2号ローター、60rpm)、のカルボキシ基及びカルボキシレート基を有するポリウレタン樹脂の水乳化分散物を得た。
このカルボキシ基及びカルボキシレート基を有するポリウレタン樹脂中のカルボキシ基含有量とカルボキシレート基含有量の合計は1.3質量%であった。また、このカルボキシ基及びカルボキシレート基を有するポリウレタン樹脂の水乳化分散物は、90℃加熱においてもゲル化せず、感熱凝固性がないものであった。
(ポリウレタン樹脂合成例2)
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素導入管を付した四つ口フラスコに、ポリテトラメチレングリコール(重量平均分子量1,000)188.3g、2,2−ジメチロールプロピオン酸8.9g、ジブチル錫ジラウレート0.001g及びメチルエチルケトン75gを仕込み、均一に混合した後、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート102.8gを加え、80℃で300分間反応させ、遊離イソシアネート基の含有量が3.1質量%のカルボキシ基を有するイソシアネート基末端プレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。
前記溶液を50℃以下に冷却した後、トリエチルアミン6.7gを加え、40℃で30分間中和反応を行った。次に、中和を行なった溶液を30℃以下に冷却し、ディスパー羽根を用いて水432.3gを徐々に加えてカルボキシ基を有するイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を乳化分散せしめ、乳化分散液を得た。そして、エチレンジアミン8.2gを水33.0gに溶解したポリアミン水溶液を前記乳化分散液に添加し、35℃で60分間鎖伸長反応させた後、減圧下、35℃にて脱溶剤を行い、不揮発分35.0質量%、粘度110mPa・s(BM粘度計、2号ローター、60rpm)、のカルボキシ基及びカルボキシレート基を有するポリウレタン樹脂の水乳化分散物を得た。
このカルボキシ基及びカルボキシレート基を有するポリウレタン樹脂中のカルボキシ基含有量とカルボキシレート基含有量の合計は1.0質量%であった。また、このカルボキシ基及びカルボキシレート基を有するポリウレタン樹脂の水乳化分散物は、90℃加熱においてもゲル化せず、感熱凝固性がないものであった。
(ポリウレタン樹脂合成例3)
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素導入管を付した四つ口フラスコに、1,6−ヘキサンジオールカーボネートジオール(重量平均分子量2,000)241.8g、2,2−ジメチロールプロピオン酸5.5g、トリメチロールプロパン0.6g、ジブチル錫ジラウレート0.001g及びメチルエチルケトン75gを仕込み、均一に混合した後、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート31.7g、ヘキサメチレンジイソシアネート20.3gを加え、80℃で300分間反応させ、遊離イソシアネート基の含有量が1.6質量%のカルボキシ基を有するイソシアネート基末端プレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。
前記溶液を50℃以下に冷却した後、メチルエチルケトン53.6g、トリエチルアミン4.2gを加え、40℃で30分間中和反応を行った。次に、中和を行なった溶液を30℃以下に冷却し、ディスパー羽根を用いて水435.0gを徐々に加えてカルボキシ基を有するイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を乳化分散せしめ、乳化分散液を得た。そして、エチレンジアミン4.4gを水17.4gに溶解したポリアミン水溶液を前記乳化分散液に添加し、35℃で60分間鎖伸長反応させた後、減圧下、35℃にて脱溶剤を行い、不揮発分35.0質量%、粘度60mPa・s(BM粘度計、1号ローター、60rpm)、のカルボキシ基及びカルボキシレート基を有するポリウレタン樹脂の水乳化分散物を得た。
このカルボキシ基及びカルボキシレート基を有するポリウレタン樹脂中のカルボキシ基含有量とカルボキシレート基含有量の合計は0.6質量%であった。また、このカルボキシ基及びカルボキシレート基を有するポリウレタン樹脂の水乳化分散物は、90℃加熱においてもゲル化せず、感熱凝固性がないものであった。
(ポリウレタン樹脂合成例4)
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素導入管を付した四つ口フラスコに、1,6−ヘキサンジオールカーボネートジオール(重量平均分子量1,000)64.3g、ポリテトラメチレングリコール(重量平均分子量1,000)64.3g、1,4−ブタンジオール11.6g、2,2−ジメチロールプロピオン酸34.5g、ジブチル錫ジラウレート0.002g及びメチルエチルケトン75gを仕込み、均一に混合した後、イソホロンジイソシアネート71.4g、ヘキサメチレンジイソシアネート54.0gを加え、80℃で360分間反応させ、遊離イソシアネート基の含有量が2.9質量%のカルボキシ基を有するイソシアネート基末端プレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。
前記溶液を50℃以下に冷却した後、メチルエチルケトン53.6g、トリエチルアミン24.7gを加え、40℃で30分間中和反応を行った。次に、中和を行なった溶液を30℃以下に冷却し、ディスパー羽根を用いて水406.0gを徐々に加えてカルボキシ基を有するイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を乳化分散せしめ、乳化分散液を得た。そして、エチレンジアミン7.7gを水30.9gに溶解したポリアミン水溶液を前記乳化分散液に添加し、35℃で60分間鎖伸長反応させた後、減圧下、35℃にて脱溶剤を行い、不揮発分40.0質量%、粘度510mPa・s(BM粘度計、3号ローター、60rpm)、のカルボキシ基及びカルボキシレート基を有するポリウレタン樹脂の水乳化分散物を得た。
このカルボキシ基及びカルボキシレート基を有するポリウレタン樹脂中のカルボキシ基含有量とカルボキシレート基含有量の合計は3.8質量%であった。また、このカルボキシ基及びカルボキシレート基を有するポリウレタン樹脂の水乳化分散物は、90℃加熱においてもゲル化せず、感熱凝固性がないものであった。
(ポリウレタン樹脂比較合成例1)
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素導入管を付した四つ口フラスコに、ポリテトラメチレングリコール(重量平均分子量1,000)76.1g、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドのランダム共付加重合物(重量平均分子量1,000、オキシエチレン基含有量70質量%)16.9g、1,4−ブタンジオール1.5g、トリメチロールプロパン1.9g、ジブチル錫ジラウレート0.001g及びメチルエチルケトン60.0gを仕込み、均一に混合した後、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート40.4gを加え、80℃で300分間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基の含有量が2.1質量%のイソシアネート基末端プレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。
前記溶液を30℃以下に冷却した後、デシル燐酸エステル0.1g及びトリスチリルフェノールエチレンオキサイド付加物(重量平均分子量:2,000)6.0gを添加し、均一に混合した後、ディスパー羽根を用いて水245.0gを徐々に加えて転相乳化、分散を行い乳化分散液を得た。そして、ピペラジン6水和物2.0gとジエチレントリアミン0.8gを水11.3gに溶解したポリアミン水溶液を前記乳化分散液に添加し、90分間鎖伸長反応させた後、減圧下、35℃にて脱溶剤を行い、不揮発分35.0質量%、粘度50.0mPa・s(BM粘度計、1号ローター、60rpm)の水性ポリウレタン樹脂の水乳化分散物を得た。
この水性ポリウレタン樹脂中のカルボキシ基、カルボキシレート基の含有量は、いずれも0.0質量%であった。また、この水性ポリウレタン樹脂の水乳化分散物は、45℃にてゲル化が生じ、感熱凝固性を有するものであった。
[実施例1〜14及び比較例1〜9]
(実施例1)
合成例1で得られたカルボキシル基及びカルボキシレート基を有するポリウレタン樹脂の水乳化分散物100g、テキスポートBG[アルコール系浸透剤、商品名、日華化学(株)製]の50質量%水溶液6.0g及び水34.0gを均一に混合して混合液を調製した。混合液中の水性ポリウレタン樹脂の含有量は25質量%であった。この混合液を40℃で1日静置した場合、分離、沈降、増粘等が見られず安定性は良好であった。
この混合液を、繊維基材(ポリエステル繊維からなる不織布、0.5dtex、密度0.3g/cm)に浸漬し、スリットマングルを用いて、ピックアップ200質量部(繊維基材の質量100質量部に対して、ポリウレタン樹脂に由来する成分(固形分)が50質量部)となるように含浸させて、第1基材を得た。
前記で得られた第1基材を、蟻酸によりpH3.5に調整した酸の水溶液(20℃)に浸漬(用いた酸の水溶液の量は、繊維基材に付与されているアニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂に由来する成分(固形分)の質量100質量部に対して1000質量部に相当する量。)し、スリットマングルを用いて、繊維基材に対してピックアップ300質量部となるように含浸させて第2基材を得た。なお、第1基材から酸の水溶液への樹脂の脱落は見られなかった。
引き続き、第2基材を、水(20℃)に浸漬し、スリットマングルを用いて、繊維基材100質量部に対してピックアップ200質量部となるように含浸させる処理を2回行った。2回水洗後の第2基材のpHは5.5であった。
前記で得られた水洗した第2基材を、熱風乾燥機[TABAI SAFETYOVEN SPH−200]にて、100℃で3分間、次いで150℃で3分間乾燥を行い、皮革用材を得た。
(実施例2〜14)
用いた混合液の組成、混合液のピックアップ、用いた酸の水溶液の組成、酸の水溶液の温度を表1〜2に示すように変えた以外は、実施例1と同様に処理を行って皮革用材を得た。
(比較例1)
実施例1と同様にして得られた混合液を、繊維基材(ポリエステル繊維からなる不織布、0.5dtex、密度0.3g/cm)に浸漬し、スリットマングルを用いて、ピックアップ200質量部(繊維基材の質量100質量部に対して、ポリウレタン樹脂に由来する成分(固形分)が50質量部)となるように含浸させて、第1基材を得た。
前記で得られた第1基材を、酸の水溶液により処理することなく、水(20℃)に浸漬し、スリットマングルを用いて、繊維基材100質量部に対してピックアップ200質量部となるように含浸させる処理を2回行った後、実施例1と同様にして乾燥を行い、皮革用材を得た。なお、第1基材から水(処理液)への樹脂の脱落が認められた。
(比較例2)
合成例1で得られたカルボキシル基及びカルボキシレート基を有するポリウレタン樹脂の水乳化分散物100g、硫酸アンモニウム20質量%水溶液17.5g、テキスポートBG[アルコール系浸透剤、商品名、日華化学(株)製]の50質量%水溶液6.0g及び水16.5gを均一に混合して混合液を調製した。混合液中の水性ポリウレタン樹脂の含有量は25質量%であった。この混合液を40℃で1日静置した場合、増粘及び一部固化が認められた。
この混合液を、繊維基材(ポリエステル繊維からなる不織布、0.5dtex、密度0.3g/cm)に浸漬し、スリットマングルを用いて、ピックアップ200質量部(繊維基材の質量100質量部に対して、ポリウレタン樹脂に由来する成分(固形分)が50質量部)となるように含浸させて、第1基材を得た。
前記で得られた第1基材を、酸の水溶液により処理することなく、実施例1と同様にして乾燥を行い、皮革用材を得た。
(比較例3)
合成例4で得られたカルボキシル基及びカルボキシレート基を有するポリウレタン樹脂の水乳化分散物100g、硫酸アンモニウム20質量%水溶液17.5g、テキスポートBG[アルコール系浸透剤、商品名、日華化学(株)製]の50質量%水溶液6.0g及び水16.5gを均一に混合して混合液を調製した。混合液中の水性ポリウレタン樹脂の含有量は25質量%であった。この混合液を40℃で1日静置した場合、固化が認められた。
この混合液を、繊維基材(ポリエステル繊維からなる不織布、0.5dtex、密度0.3g/cm)に浸漬し、スリットマングルを用いて、ピックアップ200質量部(繊維基材の質量100質量部に対して、ポリウレタン樹脂に由来する成分(固形分)が50質量部)となるように含浸させて、第1基材を得た。
前記で得られた第1基材を、酸の水溶液により処理することなく、実施例1と同様にして乾燥を行い、皮革用材を得た。
(比較例4)
比較合成例1で得られたポリウレタン樹脂の水乳化分散物100g、塩化カルシウム10質量%水溶液17.5g、テキスポートBG[アルコール系浸透剤、商品名、日華化学(株)製]の50質量%水溶液6.0g及び水16.5gを均一に混合して混合液を調製した。混合液中の水性ポリウレタン樹脂の含有量は25質量%であった。この混合液を40℃で1日静置した場合、沈降が認められた。
この混合液を、繊維基材(ポリエステル繊維からなる不織布、0.5dtex、密度0.3g/cm)に浸漬し、スリットマングルを用いて、ピックアップ200質量部(繊維基材の質量100質量部に対して、ポリウレタン樹脂に由来する成分(固形分)が50質量部)となるように含浸させて、第1基材を得た。
前記で得られた第1基材を、酸の水溶液により処理することなく、実施例1と同様にして乾燥を行い、皮革用材を得た。
(比較例5)
比較例4と同様にして得られた混合液を、繊維基材(ポリエステル繊維からなる不織布、0.5dtex、密度0.3g/cm)に浸漬し、スリットマングルを用いて、ピックアップ200質量部(繊維基材の質量100質量部に対して、ポリウレタン樹脂に由来する成分(固形分)が50質量部)となるように含浸させて、第1基材を得た。
前記で得られた第1基材を、酸の水溶液により処理することなく、水(80℃)に浸漬し、スリットマングルを用いて、繊維基材100質量部に対してピックアップ200質量部となるように含浸させる処理を1回行い、水(20℃)に浸漬し、スリットマングルを用いて、繊維基材100質量部に対してピックアップ200質量部となるように含浸させる処理を2回行った後、実施例1と同様にして乾燥を行い、皮革用材を得た。なお、第1基材から水(処理液)への樹脂の脱落が認められた。
(比較例6)
比較合成例1で得られたポリウレタン樹脂の水乳化分散物100g、会合型増粘剤としてのアデカノールUH−420(ADEKA社製)4g、テキスポートBG[アルコール系浸透剤、商品名、日華化学(株)製]の50質量%水溶液6.0g及び水30.0gを均一に混合して混合液を調製した。混合液中の水性ポリウレタン樹脂の含有量は25質量%であった。
この混合液を、繊維基材(ポリエステル繊維からなる不織布、0.5dtex、密度0.3g/cm)に浸漬し、スリットマングルを用いて、ピックアップ200質量部(繊維基材の質量100質量部に対して、ポリウレタン樹脂に由来する成分(固形分)が50質量部)となるように含浸させて、第1基材を得た。
前記で得られた第1基材を、酸の水溶液により処理することなく、100℃の飽和蒸気中で2分間静置後、実施例1と同様にして乾燥を行い、皮革用材を得た。
(比較例7)
実施例1と同様にして得られた混合液を、繊維基材(ポリエステル繊維からなる不織布、0.5dtex、密度0.3g/cm)に浸漬し、スリットマングルを用いて、ピックアップ200質量部(繊維基材の質量100質量部に対して、ポリウレタン樹脂に由来する成分(固形分)が50質量部)となるように含浸させて、第1基材を得た。
前記で得られた第1基材を、水酸化ナトリウムによりpH10.5に調整したアルカリの水溶液(20℃)に浸漬し、スリットマングルを用いて、繊維基材に対してピックアップ300質量部となるように含浸させて第2基材を得た。なお、第1基材からアルカリの水溶液への樹脂の脱落が認められた。
引き続き、第2基材を、水(20℃)に浸漬し、スリットマングルを用いて、繊維基材100質量部に対してピックアップ200質量部となるように含浸させる処理を2回行った。2回水洗後の第2基材のpHは8.9であった。
前記で得られた水洗した第2基材を、実施例1と同様にして乾燥を行い、皮革用材を得た。
(比較例8)
実施例1と同様にして得られた混合液を、繊維基材(ポリエステル繊維からなる不織布、0.5dtex、密度0.3g/cm)に浸漬し、スリットマングルを用いて、ピックアップ200質量部(繊維基材の質量100質量部に対して、ポリウレタン樹脂に由来する成分(固形分)が50質量部)となるように含浸させて、第1基材を得た。
前記で得られた第1基材を、酸の水溶液により処理することなく、実施例1と同様にして乾燥を行い、皮革用材を得た。
(比較例9)
比較合成例1で得られたポリウレタン樹脂の水乳化分散物100g、テキスポートBG[アルコール系浸透剤、商品名、日華化学(株)製]の50質量%水溶液6.0g及び水34.0gを均一に混合して混合液を調製した。混合液中の水性ポリウレタン樹脂の含有量は25質量%であった。
この混合液を、繊維基材(ポリエステル繊維からなる不織布、0.5dtex、密度0.3g/cm)に浸漬し、スリットマングルを用いて、ピックアップ200質量部(繊維基材の質量100質量部に対して、ポリウレタン樹脂に由来する成分(固形分)が50質量部)となるように含浸させて、第1基材を得た。
前記で得られた第1基材を、酸の水溶液により処理することなく、実施例1と同様にして乾燥を行い、皮革用材を得た。
実施例1〜14及び比較例1〜9で得られた皮革用材について、マイグレーション防止性、磨耗試験、風合い、及び厚み保持率をそれぞれ評価し、得られた結果を表1〜3に示す。なお、表中の空欄は0(ゼロ)を示す。
実施例1〜14で得られた皮革用材においては、マイグレーションは全く或いはほとんど認められず、不織布内部まで樹脂が均一に固着していた。このようにマイグレーションを防止することで、風合いが柔軟であり、優れた耐摩耗性と高い厚み保持率を有する皮革用材が得られることが確認された。
なお、風合いがさほど重視されないような場合には、実施例4のように100%モジュラスが大きい水性ポリウレタン樹脂を使用することもできる。また、混合液に感熱ゲル化剤、無機塩、界面活性剤等を併用することがないため、混合液は良好な乳化安定性を示すことが確認された。
一方、実施例1との比較として、第2の工程において酸の水溶液の代わりにイオン交換水を使用した比較例1では、第1基材からイオン交換水への著しい樹脂成分の脱落が認められた。またマイグレーションを防止することができず、風合いは粗硬であり、耐摩耗性は不良であり、厚みは保持されていなかった。
また、実施例1及び実施例4との比較として、混合液に感熱ゲル化剤を併用し、第2の工程を行わずに熱風乾燥を行った比較例2及び比較例3においては、混合液の安定性が悪く加工適性が不十分であった。また、マイグレーションはほとんど認められず耐磨耗性は良好なものの、実施例1及び実施例4に比べ風合いと厚み保持率が劣る結果であった。
さらに、界面活性剤により強制乳化された感熱凝固性を有する非イオン性の水性ポリウレタン樹脂と塩化カルシウムとを併用し、第2の工程を行わなかった比較例4においては、混合液の安定性が悪く加工適性が不十分であった。また、感熱凝固性を有する水性ポリウレタン樹脂でありながらも、乾燥によりマイグレーションが認められた。さらに、得られた皮革用材は、風合いが不十分であり、耐摩耗性試験において、1000回の耐摩耗性は良好なものの、3000回の耐磨耗性は著しい低下が見られ、厚み保持率も不十分であった。
また、比較例4において熱風乾燥の代わりに熱水処理をした比較例5においては、熱水中への樹脂成分の脱落が多く、マイグレーションが認められた。また、得られた皮革用材は、風合いが粗硬であり、耐摩耗性が不十分であり、低い厚み保持率であった。
さらに、比較例4において塩化カルシウムの代わりに会合型増粘剤を使用し、熱風乾燥の代わりにスチーム処理を行った比較例6においては、マイグレーションが認められた。また、得られた皮革用材は、風合い、耐摩耗性、厚み保持率共に不十分であった。
また、実施例1との比較として、第2の工程において酸の水溶液の代わりにアルカリの水溶液を使用した比較例7では、第1基材からアルカリの水溶液への著しい樹脂成分の脱落が認められた。またマイグレーションを防止することができず、得られた皮革用材は風合い、耐磨耗性、厚みは保持率共に不良であった。
さらに、実施例1との比較として、第2の工程を行わずに熱風乾燥を行った比較例8においては、マイグレーションが防止されておらず、得られた皮革用材は風合い、耐磨耗性、厚みは保持率共に不良であった。
また、比較例4において塩化カルシウムを添加していない混合液を用いた比較例9においては、マイグレーションが認められた。また、得られた皮革用材は、風合いが粗硬であり、耐摩耗性が不十分であり、低い厚み保持率であった。
以上説明したように、本発明によれば、環境負荷やVOCの問題を考慮した水系ポリウレタン樹脂を用いた皮革用材の製造方法であるにも拘らず、マイグレーション防止性と共に、風合い耐磨耗性及び厚み保持率のいずれにおいても優れており、さらに水性ポリウレタン樹脂を含む混合液(処理液)にゲル化成分を含む必要がないため乳化安定性についても優れている皮革用材の製造方法、並びに、その製造方法により得られる皮革用材を提供することが可能となる。
したがって、本発明の製造方法は、特に皮革用材の工業的な製造方法として有用であり、また、本発明の製造方法により得られた皮革用材は、皮革用材中に有機溶剤が残留することもなく、皮膚障害等の人体への悪影響も解消されているため、車輌、家具、衣料、鞄、靴、袋物、雑貨、研磨等の産業分野においてそのまま利用することができ、さらには、表皮層を設けて安定かつ品位に優れた皮革用材としても利用することができる。

Claims (6)

  1. 繊維基材を、アニオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂と水とを含む混合液で処理して第1基材を得る第1の工程と、
    前記第1基材を酸の水溶液で処理して第2基材を得る第2の工程と、
    前記第2基材を乾燥して皮革用材を得る第3の工程と、
    を含むことを特徴とする皮革用材の製造方法。
  2. 前記混合液の20℃でのpHが7.0〜10.0であることを特徴とする請求項1に記載の皮革用材の製造方法。
  3. 前記酸の水溶液の20℃でのpHが1.0〜5.0であることを特徴とする請求項1又は2に記載の皮革用材の製造方法。
  4. 前記第2の工程において、前記第1基材を酸の水溶液に浸漬することを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の皮革用材の製造方法。
  5. 前記酸が、蟻酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、硫酸及び燐酸からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の皮革用材の製造方法。
  6. 請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の製造方法により得られることを特徴とする皮革用材。
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