JP2016120970A - 転動結束 - Google Patents

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Abstract

【課題】極めて簡単に結束でき、ワンタッチの解き易さで、廉価で、美観もあり、人手で結束が可能であり、再使用と転用が可能であり、高い密封性を持ち、結束強度も程ほどで、耐久性も高く、収納性が良く、小サイズで、ループ状や長尺の被結束材にも使え、結束装置が簡単であり、被結束材が汚れず、結束位置のずれが少ない、新しい結束方法と道具と装置を提供する。
【解決手段】弾性巻掛紐を被結束材に巻きかけて巻きループを作り、巻きループをループ転動し、巻きループや転動したループで弾性巻掛紐の耳を押さえ、転動したループで巻掛紐の尾を押さえ、転動したループが拘束ループを押さえるようにすることで結束を強化することも可能な、転動結束方法である。転動結束に便利な、不均弾性巻掛紐、漸増弾性巻掛紐、ダッコ弾性巻掛紐、シート状や長い紐状とした弾性巻掛紐、転動結束を使った袋である。転動結束の動作手段を持つ転動結束装置である。
【選択図】図5

Description

本発明は、袋口部や線材束などの紐結束の方法と道具と装置に関するものである。
結びは、結節・結合・結着・結束・結縮・紋様の6つに分類(非特許文献1の9〜15ページ)(非特許文献2の8ページ)されるが、本発明は結束に関するものであり、結着へも利用できる。すなわち、紐だけで結ぶ結節・結合・結縮・紋様ではなく、紐で物体を結ぶことに関する。
袋口部の結束で常用されている方法の1つは、袋口部に紐を巻きつけて、両端同士を結ぶ方法TB1である。
2つは、輪ゴムを伸ばして袋口部に複数回数通して巻きつける方法TB2である。
3つは、粘着テープを袋口部に複数回巻きつける方法TB3である。
4つは、粘着テープを袋口部に1回巻きとし、テープの両端の粘着面同士を貼り付ける方法TB4である。
5つは、針金芯の入った細い合成樹脂テープを袋口部に1回以上巻きつけて、テープ両端を一緒に複数回捻り固定する方法TB5である。
6つは、包装用プラスチック製袋口止め具を袋口部に押し組む方法TB6である。
7つは、包装用プラスチック製袋口止め具を袋口部に巻き、両端を重ねて熱溶着等する方法TB7である。
図1にその例を羅列した。
線材束などの結束で常用されている方法の1つは、被結束材に紐を巻きつけて、両端同士を結ぶ方法TW1である。
2つは、輪ゴムを伸ばして被結束材の端から複数回数通して巻きつける方法TW2である。
3つは、粘着テープを被結束材に複数回巻きつける方法TW3である。
4つは、針金芯の入った細い合成樹脂テープを被結束材に1回以上巻きつけて、テープ両端を一緒に複数回捻り固定する方法TW4である。
5つは、PPバンドを被結束材に巻き、両端を熱溶着するか専用のストッパーを使用する方法TW5である。
6つは、合成樹脂製のケーブル結束用バンドを被結束材に巻き、一端を他端の保持部の穴に通し、ラチェットで緩みを防止して締め上げる方法TW6である。
7つは、多数の爪のついたプラスチックの帯を被結束材に巻き、一端を他端の保持部の穴に通し、爪の引っ掛かりで緩みを防止して締め上げる方法TW7である。プラスチックの帯に限らず、また爪形状に限らず、保持部と帯部が一体に限らず、各種の形状で引っ掛かりを作った類似の方法は色々ある。
8つは、やじり状の留め具部位を持つ太目の輪ゴムを被結束材に巻き、留め具を輪ゴムの一方に通す方法TW8である。輪ゴムに限らずループ状にしたゴム紐の端に玉をつけるなど、輪に通して引っ掛ける類似の方法は色々ある。
9つは、フックとループを備えた支持体からなる面ファスナーを被結束材に巻く方法TW9である。
10は、リング状の構造物に被結束材をはめるような方法TW10である。各種の形状がある。
図2にTW8を除いてその例を羅列した。
方法TB1(結び)は手作業または結束機械で行われる。手作業では手間がかかる。機械は大掛かりな装置となる。結ぶ方法によっては、解くのは簡単で、長さがあれば手作業による紐の再使用も可能である。密封性はまあまあである。費用は紐の質により色々である。
方法TB2(輪ゴム)は一般に手作業である。結束には手間がかかる。端が分からなくなると解くにも手間がかかり、解き方がまずいと再使用できない場合もある。密封性は良い。費用は1本が略0.3円である。
方法TB3(テープ巻き)は一般に手作業である。結束には手間がかかる。解くのは面倒で、鋏などで袋口を切断するのが手っ取り早い。再使用はまず出来ない。密封性はまあまあである。費用は安い。
特許文献1〜6は方法TB4(テープ)に関する例である。身近には野菜や菓子類などの袋に使用されている。手作業でも可能であるが、一般には専用の装置を使用する。解くのは困難である。解き易くするための工夫が提案されているが普及していない。一般にテープまたは袋口の鋏などによる切断が必要である。再使用はできない。密封性はまあまあである。消耗品の費用は50mmあたり0.1〜0.2円以上である。
方法TB5(針金)に関しては各方面から商品が発売され、小奇麗であり、使用範囲も広い。手作業が可能である。機械でも結束できる。手作業でも比較的簡単に結束できるが、ワンタッチという程の簡便さでは無い。解くのも簡単であるが、ワンタッチという程の簡便さでは無い。捻り方向を目で確認してから解かないと更に捻り込んでしまうこととなる。視力が衰えているとこのようなミスが多い。再使用は可能であるが、癖を取らないと美観が損なわれる。密封性はまあまあである。費用は100mmで0.7〜0.9円である。
方法TB6は、バッグ・クロージャーやBread Clipとも言い、身近には食パンなどの袋を閉じるのに使用されている。初回は機械装置で結束される。解くのは簡単である。再結束も簡単である。密封性は悪い。従って一般には袋自体のヒートシールと併用されており、開封後に再び袋口を閉じるために付属している。厚めのプラスチックだが、使用後は廃棄されることが多く、環境保護の観点からは好ましくない。価格が非公開のために費用は不詳である。
方法TB7(プラスチック溶着)は、身近には野菜などの袋に使用されている。手作業は出来ない。専用の装置を使用する。解くのは困難であるが引き抜くことはできる。または袋口を鋏などで切断する。再使用はできない。密封性は良くはない。費用は不詳である。
方法TB7でも最近は溶着ではなくポンチで止めたものも出ている。この場合はポンチで噛んだ部分を外すことでも解くことができる。
その他、アイディアとしては特許文献7のように色々あるが、大半の特許願はみなし取下げとなっており、市場で見られるものはほとんど無い。
方法TW1(結び)は手作業または結束機械で行われる。手作業では手間がかかる。機械は大掛かりな装置となる。結ぶ方法によっては、解くのは簡単で、長さがあれば手作業による紐の再使用も可能である。ループ状や長尺の被結束物にも使用できる。結束強度は高い。費用は紐の質により色々である。普通は2箇所以上結束する。
方法TW2(輪ゴム)は一般に手作業である。軽量物の簡易結束で使用される。結束には手間がかかる。解くのは袋口の時ほどではないが、端が分からなくなると解くにも手間がかかる。解き方がまずいと再使用できない場合もある。ループ状や長尺の被結束物には使用できない。細いものでは結束強度は低い。費用は1本が略0.3円以上で、太いものは価格も高い。
方法TW3(テープ巻き)は一般に手作業である。ビニール粘着テープを使用することが多い。結束の手間はさほどではない。ビニール粘着テープを使用している場合は、解くのは手間ではない。再使用はあまりできない。ループ状や長尺の被結束物にも使用できる。結束強度は普通である。費用は1箇所で200mmとして1〜2円である。普通は2箇所以上結束する。粘着材で被結束物が汚れる問題がある。
方法TW4(針金)は、身近には家電のコードなど軽量物の結束に使われている。手作業が可能である。機械でも結束できる。手作業でも比較的簡単に結束できるが、ワンタッチという程の簡便さでは無い。解くのも簡単であるが、ワンタッチという程の簡便さでは無い。捻り方向を目で確認してから解かないと更に捻り込んでしまうこととなる。視力が衰えているとこのようなミスが多い。再使用は可能であるが、癖を取らないと汚く見える。結束強度は弱い。費用は100mmで0.7〜0.9円である。
方法TW5(PPバンド)は、専用のストッパーを使用する場合は手作業も可能であるが、専用の装置を用いることが多い。溶着したものは鋏で切断して解く。バンドは一般に再使用しない。ループ状や長尺の被結束物にも使用できる。結束強度は高い。費用はバンドが100mmとして略0.2円、専用ストッパーが1個略2円である。普通は2箇所以上結束する。
方法TW6(ラチェット)は一般に手作業である。電気工事などで多用される。結束は簡単である。解くには普通は切断するしかない。再使用はできない。ループ状や長尺の被結束物にも使用できる。結束強度は高い。費用は高く、100本入り程度では安いものでも一本略7円の費用がかかる。
方法TW7(引掻け)は一般に手作業である。コードの収納結束などに使われる。結束は比較的簡単である。解くのも比較的簡単である。再使用を目的としたものである。ループ状や長尺の被結束物にも使用できる。結束強度は弱い。商品と入り数にもよるが、1個70円程度のものがある。紛失防止のために端をコードなどに巻きつけて固定するものが多い。
特許文献8は方法TW8(特殊輪ゴムなど)の意匠登録である。コードの結束などに使われる。結束は比較的簡単である。解くのも比較的簡単である。再使用できる。ループ状や長尺の被結束物にも使用できる。結束強度は弱い。費用は1本4円見当と見積もられる。
方法TW9(面ファスナー)は一般に手作業である。コードの結束などに使われる。結束は簡単である。解くのも簡単である。再使用を目的としたものである。ループ状や長尺の被結束物にも使用できる。結束強度は普通である。200mmあたりの費用は50〜70円かかる。
方法TW10(構造物)は一般に手作業である。各種の形状がある。結束は一般に簡単である。解くのは簡単な物とそうでない物がある。再使用するものもしないものもある。ループ状や長尺の被結束物にも使用できる。一般にツイストタイプのように解きやすいものの結束強度は弱く、解き難いものは結束強度が強い。価格はツイストタイプ1個17円など、色々である。
再使用可能な結束では、結束材の保管や収納の問題もある。被結束材から分離する結束材は、使用しない間はどこかに保管する必要がある。ともすれば、紛失したり、探すのに手間取ることも多い。方法TB5(針金)やTB6(バッグ・クロージャー)やTW4(針金)やTW8(特殊輪ゴムなど)やTW10(構造物)がその例である。被結束材につけたままとできる結束材は、例えばコードバンドなど直角に長く張り出すものが多く、見栄えも悪いし、邪魔にもなる。方法TW7(引掻け)やTW9(面ファスナー)がその例である。
結束状態での形態も問題となる。たとえ簡単に着脱できる結束であっても、被結束材から張り出したり、ボリュームの大きな結束形態であると、使用時や収納時に邪魔である。方法TW8(特殊輪ゴムなど)やTW9(面ファスナー)やTW10(構造物)にその例がある。
結束をしない収納密閉袋には、袋口にチャックをつけたものがある。
チャック袋は、密閉性が良く、比較的に閉口作業がやり易く、収納形態が平な矩形で小奇麗であるという利点がある。しかし、チャックの溝に粉が入って閉める前に取り除く必用があったり、チャックの噛み合わせがスムースに行かずに手間取ることがある、などの不具合もある。
チャック袋に替わるような、密閉性の良いワンタッチ結束は未だ見当たらない。
昔から多用されている紐またはゴム紐に結び目を作る機構にノッタービル形式がある。特許文献9の段落[0009]にその動作が詳しく説明されている。色々な機能材が関連しながら結び目を作っているが、なかなか複雑な機構である。
紐またはゴム紐の結束に関する先願特許にはこのノッタービル形式が非常に多いが、その他では、輪ゴムを使うもの、ゴム紐をカシメ金具で止めるもの、手結びの動作を機構化したものなど300件ほど見受けられる。
その中で異色の発明は特許文献11である。糸掛けで被結束材から浮かせた複数の輪を作り、浮いた糸掛けの部分に爪体を通して紐をつかんで引込み、糸掛けを抜き、輪を糸ガイドに落とし、紐を締め、糸ガイドを抜き、さらに紐を締めるという動作を行わせている。紐を締めるのには糸掛けと糸ガイドの退避動作を利用する。機構が簡単とはいうものの、前進後退の動作や付属装置が多く伴うので特許文献11の図の1,2,4を見ると分かるように複雑な装置となっている。この起源となった特許文献12を見ると分かるように、元々は刺網を形成する網とロープを結束するための魚網用結束装置の構成に関する発明である。複数の紐やロープを長手方向に平行に配置して結束する用途では問題にならないであろうが、機構の性格上で輪を作る位置と締結位置にはズレが生じる。例えば糸掛けを半径5mm程度の円弧と小さく見積もっても、浮いた3つの輪を締め上げるのには45mm以上のストロークが必用である。このストロークは輪を作る位置と締結位置のズレとなる。このズレは本発明が主目的とする袋口などの結束には大きすぎて使用できない。また退避に要する領域が大きくて内容物の入った袋などの膨らんだ被結束材には不都合である。ズレを生じさせないための改良は可能であろうが、装置の複雑さが増すことは避けられない。
特許文献11の図の26を見て分かるとおり、この結束結果はロープの端止めであるコモン・ホイッピングやセーラー・ホイッピングやアメリカン・ホイッピング(非特許文献2の93、94ページ)(非特許文献1の212ページ)とほぼ同じであり、茶瓶の把手結び(非特許文献2の79ページ)やスカウト・コイルの棒結び(非特許文献2の79ページ)と類似である。
この発明は、以上に類似した結束に至る手順を機構化した部分に特徴がある。
特許文献14も網とロープの結束の発明である。
ロープに沿わせた仕立糸を結束回転コマですくい上げて輪を作り、輪の足元を糸繰り棒ですくってもう一つの輪を作り、最初の輪をロープと網の上端部と仕立糸を合わせた部分に数回巻き付け、最初の輪を後の輪に通して、仕立糸を引いて、後の輪で最初の輪を締めて止めている。
この結束は、巻きつける糸が2重であることを除けば、茶瓶の把手結び(非特許文献2の79ページ)やスカウト・コイルの棒結び(非特許文献2の79ページ)と同じであり、コモン・ホイッピングやセーラー・ホイッピングやアメリカン・ホイッピング(非特許文献2の93、94ページ)(非特許文献1の212ページ)と類似である。
この発明は、ロープに沿わせた仕立糸であるという特徴を上手く利用して機構化したもので、以上の結束に至る手順を機構化した部分に特徴がある。
ただし、機構は原理のみが開示されているだけで、再現できるだけの詳細な説明はなされていない。
特開2010-58807号公報 実用新案登録第3124891号公報 特開2006-16104号公報 特許4139162号公報 特開2003-335307号公報 特許3906972号公報 実用新案登録第3075473号公報 意匠登録第1230403号公報 特許2721091号公報 特開S48-93499号公報 特許3970989号公報 特開H09-280402号公報 特開S48-93499号公報 特開H06-62709号公報
おほつき四郎編著「なわ(ロープ・紐・糸)結び」(株)総合科学出版 1976年 杉浦昭典著「ロープの結び方」海文堂 昭和49年
袋口部や線材束などの結束では、下記が主な課題である。
A.結束が極めて簡単で迅速である。
B.極めて解き易い。
C.費用が安い。
D.外観が美しい。
E.人手での結束が可能である。
F.再使用や転用ができる。
G.密封性が良い。
H.結束強度が程ほどある。
I.耐久性がある。
J.収納性が良い。
K.サイズが小さい。
L.ループ状や長尺の被結束材が結束できる。
M.結束装置の機構が簡単である。
N.被結束材が汚れない。
O.結束の位置がずれない。
背景技術で述べたように、既存の各種の結束方法は、これらの課題に照らして一長一短である。
本発明は、極めて簡単迅速な結束、ワンタッチの解き、安い費用、美観もあり、人手でも結束可能、再使用と転用が可能、高い密封性、結束強度も程ほどあり、耐久性も高く、収納性が良く、小サイズで、ループ状や長尺の被結束材にも使え、結束装置が簡単でコンパクトであり、被結束材が汚れることはなく、結束位置がほとんどずれない、新しい結束方法と道具と装置を提供する。
本発明の前記ならびに他の目的と新規な特徴は以下の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
図面に付す符号は、共通の部材・動作・位置・機能などには同一の符号を付す場合もある。明らかな場合には重複する説明や図形や符号の図示を省略する場合もある。
ただし、図面はもっぱら解説のためであって、本発明の記述的範囲を限定するものではない。
以下この文書では、煩雑な記述を簡素な記述とするために、多用する部位や機能などについて、下記のように記述する。
また、複雑な内容を正確に記述しようとすると、羅列的な表現が多くなり、羅列的であると「係り受け」が明確でない、との指摘も受けるので、羅列的な表現の部分には敢えて「句点」を多用し、構成単位と関係が分かりやすいように、文章を区切ったところがある。標準語としては、句点の位置が標準的でない、との印象もうけることもあるだろうが、明らかに分かりやすくなるので、正確を期す部分では、そのような表現方法とした。
例えば、「○○した△△と■■を◎◎する」を、「○○した△△と、■■、を◎◎する」、と記すと係り受けはより明確である。あるいは「○○した△△と、○○した■■、を◎◎する」、と記述すると、「○○した」が2つの構成単位に係ることが明確である。これと同等の表現は、「○○した、△△と■■、を◎◎する」、あるいは「○○した、△△と、■■、を◎◎する」、とすることもある。
袋や線材束など、結束される部材を「被結束材」と記述する。
本発明の結束材を「弾性巻掛紐」と記述する。弾性巻掛紐は、細く丸い紐、に限るわけではない。
本発明の弾性巻掛紐は、ループ転動(段落[0023])に適した弾性と摩擦係数を持つ紐である。硬度と摩擦係数などについては後述する。
被結束材と一緒に、または単独に、弾性巻掛紐を巻くことで、被結束材に近接して結束を助する部材を、「近接巻掛部材」と記述する。
弾性巻掛紐を、被結束材や近接巻掛部材の周りに、弾性巻掛紐に張力を与えて巻くことを、「巻きかけ」と記述する。
巻きかけは、被結束材などの周りに、弾性巻掛紐の端を、相対的に回すことである。相対的に回すのであるから、弾性巻掛紐の巻きつけ側を回す場合と、被結束材などを回す場合と、両方を回す場合がある。
弾性巻掛紐を、被結束材や、近接巻掛部材、に巻きかけた、略1回分の輪を、「ループ」と記述する。
被結束材や、近接巻掛部材、に密着したループを、「巻きループ」と記述する。
結束にかかわる弾性巻掛紐の部分で、最初の部分の近傍を、「弾性巻掛紐の耳」と記述する。
弾性巻掛紐の耳は、本発明の結束の部位名称であり、弾性巻掛紐の端部、とは限らず、連続した弾性巻掛紐の一部、であることもある。
また、最初に形成されるループの始まりの近傍は、弾性巻掛紐の耳である。
結束にかかわる弾性巻掛紐の部分で、巻きつける側を「弾性巻掛紐の尾」と記述する。
弾性巻掛紐の尾の終端近傍を特定する必要がある場合は、必用に応じ、「弾性巻掛紐の尾端」と記述する場合がある。
弾性巻掛紐の尾は、本発明の結束の部位名称であり、弾性巻掛紐の端部、とは限らず、連続した弾性巻掛紐の一部、であることもある。
また、弾性巻掛紐の尾の側の最端ループの終端近傍は、弾性巻掛紐の尾端でもある。
以後、「弾性巻掛紐の尾がループで押さえられる」、に類した表現を多用するが、「弾性巻掛紐の尾端がループで押さえられる」、と表現することもできる。しかし、文意は明瞭であるので、本文書では前の表現方法で記述することとする。
被結束材や、弾性巻掛紐の耳や、既存のループや、補助部材、などに対して、巻きかけの位置を移動することを、「巻きかけ移動」と記述する。
ここでの位置とは、被結束材を円柱と仮定したときの、軸方向の位置であり、半径方向の位置を意味するのではない。
また、ここでの移動とは、相対的な移動であり、被結束材や、弾性巻掛紐の耳や、既存のループや、補助部材、などの位置が一定で、巻きかけの位置が移動する場合と 巻きかけの位置は一定で、被結束材や、弾性巻掛紐の耳や、既存のループや、補助部材、などが移動する場合と、その両方が移動する場合、とがある。
さらに、ガイドなどの他の補助的な手段で、巻きかけの位置、すなわちループを作る位置、を動かす場合もある。
弾性巻掛紐の巻きループを、被結束材や近接部材の上で、転がすように移動することを、「ループ転動」と記述する。
近接巻掛部材の上にも、あるいは近接巻掛部材だけ、に巻きかけたループをループ転動することを、「部材込みループ転動」と記述する。
ループ転動をすると、摩擦力のある弾性巻掛紐のループは転がって位置が少し移動し、他のループに重なるように移動し、さらにそのループを越えるように移動する。
弾性巻掛紐の耳、またはおよび巻きループ、に交差するように、張力をかけて、重ねて、巻きかけた、巻きループであって、あるいは、弾性巻掛紐を、巻きループ、またはおよび弾性巻掛紐の耳、またはおよび弾性巻掛紐の尾、にかぶさるようにループ転動し、ループが自らの弾性により締まるループであって、弾性巻掛紐の耳、またはおよび弾性巻掛紐の尾、またはおよび巻きループ、をその交差部分で、上から被結束材に向けて締めつけるループ、を「締めループ」と記述する。
巻きループに交差して重なるように巻きかけ移動をして締めループを作ると、交差された巻きループは、交差した締めループとの交差部分で、被結束材に向けて押さえられて、緩みが起こらないように拘束される。巻きループにかぶさるようにループ転動した弾性巻掛紐の巻きループは締めループとなり、かぶせられた巻きループは、締めループとの交差部分で、被結束材に向けて押さえられて、緩みが起こらないように拘束される。
このように、交差して重なった締めループ、との交差部分で、被結束材に向けて押さえられたループを、「拘束ループ」と記述する。
このとき、1つのループが締めループでありかつ拘束ループである、というループも存在する。
摩擦力のある弾性巻掛紐では、ループ同士が完全には交差しないで重なる場合もあるが、これらも締めループと拘束ループに含める。
拘束ループは、その移動や緩みが起こり難くされたループであり、ある拘束ループは、次の拘束ループや、締めループや、巻きループ、につながっている。これらのループには弾性により張力が掛かっている。従って拘束ループは、つながった、拘束ループや、締めループや、巻きループ、の緩みや移動、を起こし難くしている。これらの関係が相互に働くことにより、本発明の結束が成り立つわけである。
弾性巻掛紐の耳に、交差して重なるように、巻きかけ移動をして、巻きループを作ると、交差した巻きループは締めループとなり、弾性巻掛紐の耳は、その交差部分で、被結束材に向けて押さえられる。
弾性巻掛紐の耳にかぶさるように、ループ転動した弾性巻掛紐の巻きループは、締めループとなり、かぶせられた弾性巻掛紐の耳は、締めループとの交差部分で、被結束材に向けて押さえられる。
弾性巻掛紐の尾端にかぶさるように、ループ転動した弾性巻掛紐の巻きループは、締めループとなり、弾性巻掛紐の尾端は、締めループとの交差部分で、被結束材に向けて押さえらる。
このように、拘束ループにつながって緩みが押さえられた締めループによって、弾性巻掛紐の耳と、弾性巻掛紐の尾端、も緩みが押さえられる。従って、本発明の結束が、自然に端から緩んで解ける、ということはない。
締めループにより、その交差部分で押さえられた、弾性巻掛紐の耳や、弾性巻掛紐の尾、は動きが拘束されており、動きが止められた弾性巻掛紐の耳や、動きが止められた弾性巻掛紐の尾は、つながった、締めループや拘束ループや巻きループ、の緩みや動きを止める。
締めループにより、その交差部分で押さえられた拘束ループは、次の拘束ループや、締めループや、巻きループ、につながっている。これらのループには、弾性で張力が掛かっている。
従って、拘束ループは、つながった、拘束ループや締めループや巻きループ、の緩みや移動、を起こし難くしている。
締めループは、弾性巻掛紐の耳や、弾性巻掛紐の尾や、拘束ループ、をその交差部分で押さえているが、締めループは、つながった、拘束ループや、動きが拘束された弾性巻掛紐の耳や、動きが拘束された弾性巻掛紐の尾、により、その緩みや動きが止められている。
これらの関係が相互に働くことにより、本発明の結束が成り立つわけである。
弾性巻掛紐の耳が、それに交差して重ねた巻きループや、ループ転動した締めループ、で押さえられる。
巻きループが、それに交差して重ねた巻きループや、ループ転動した締めループ、で押さえられて、拘束ループとなる。
弾性巻掛紐の尾端が、ループ転動した締めループで押さえられる。
弾性巻掛紐が、始まり部分と、終了部分と、その中間、の各所で、弾性巻掛紐自身の交差箇所で、被結束材に向けて押さえられる状態を、巻きかけとループ転動、という極めて簡単な動作によって作るのが、本発明の結束方法の1つの特徴である。
ループ転動するために、被結束材またはおよび近接巻掛部材に対して、ループの動きを止めたり、ループを動かしたり、するために、圧力や摩擦力などの力を与える部材を、「ループ止め」と記述する。
ループ止めは、その作動過程では、ループの外周に接して摩擦抵抗を与える機能を有するのが好ましい。ループの外周の摩擦抵抗は巻きループを転がす力のモーメントとなる。
この文書では、このような圧力や摩擦力などの力を与えるループ止めの使い方を、「ループに抵抗を与える」、と記述する。
ループのかかった被結束材またはおよび近接巻掛部材と、ループ止め、を相対移動すること、を「ループ差動」と記述する。
相対移動とは、ループ止めを停止して、被結束材または近接巻掛部材を移動する場合、被結束材または近接巻掛部材を停止して、ループ止めを移動する場合、両方を移動する場合、または、ループ止めを停止して、近接巻掛部材を移動する場合、近接巻掛部材を停止して、ループ止めを移動する場合、両方を移動する場合、の運動の関係である。
以後の説明や請求項ではこの相対移動を、「被結束材およびまたは近接巻掛部材をループ差動する」、という簡単な記述とする。
ループ止めでループに力をかけ、ループ差動をすると。被結束材およびまたは近接巻掛部材の上で、ループは転動する。
ループ転動することによる結束を「転動結束」と記述する。
以下、本発明の結束が成り立つための最低限の条件を明らかにし、色々な展開を具体例を交えて説明するものである。
全ての結びは「掛け」「巻き」「止め」(非特許文献1の1ページ)で成り立っている。
結びのもっとも基本的な形は、「目」「体(わさ)」「手(端)」から成り立っている。
非特許文献1と2の全ての結びを参照すると、「手(端)を止める」ことが基本であることが分かる。加えて、ほとんどの結びは「手(端)を止める」のに「手(端)を輪に通して締める」ことのようである。すなわち、大半の結びは、「手(端)を輪に通す」手順が様々に工夫されていると言える。直接手(端)を輪に通さなくても、結果として手(端)を輪に通したことになる例は、予め縄を輪に組んでから杭などにはめ込む「かこ(舟子)結び」(非特許文献1の39ページ)などがある。いずれにしろ、「輪に通った手(端)を輪を締めて止める」ことが従来の結びである。
特許文献9のノッタービル形式の機構が複雑であるのは、「手(端)を輪に通す」動作をそのまま機構で解決したからである。
特許文献11のホイッピングに似た結束が、「浮かせた複数の輪を作り、浮いた糸掛けの部分に爪体を通して紐をつかんで引込み、糸掛けを抜き、輪を糸ガイドに落とし、紐を締め、糸ガイドを抜き、さらに紐を締める」という複雑な機構となっているのも、手(端)を輪に通す」ためである。
特許文献14の茶瓶の把手結びが、「結束回転コマの切欠部が上向きになった時に、糸繰り棒を倒しながら最初の輪の巻付け残部である結束回転コマの収納部を結束回転コマを1回転させて後の輪を通す」(特許文献14段落[0020][0021])という曲芸のような機構であるのも、「手(端)を輪に通す」ためである。
本発明も当然「2つの手(端)を止める」ことが一つの要素となっている。
2つの手(端)とは、弾性巻掛紐の耳と弾性巻掛紐の尾端である。
弾性巻掛紐の耳を止める方法は、次のように説明できる。
少なくとも締めループで保持されるまで、弾性巻掛紐の耳を被結束材に対して保持する。
保持とは普通に起こる外力、例えば巻きかけの張力などに抗して動かない状態をいう。
弾性巻掛紐と被結束材の摩擦係数が大きいと、弾性巻掛紐の耳に交差して重なる巻きループが1つであっても相応の保持力が生じるし、弾性巻掛紐の耳に交差して重なる巻きループの数が多くなると保持力はより強くなる。これは自転車のブレーキで、バンドに張力がかかると、バンドの巻きつく力がより強くなる、のと似た働きである。
従って、弾性巻掛紐の耳を外部から保持するのは、結束の全工程が終了するまで、と限られるものではなく、弾性巻掛紐の耳を外部から保持するのは、少なくとも巻掛紐の耳が締めループで保持される、までで差し支えない。
また、弾性巻掛紐の耳を被結束材に対して保持するとは、被結束材に対する弾性巻掛紐の耳の位置を、略一定に保つことである。
弾性巻掛紐の耳を被結束材に押し付けて、保持する場合もあれば、被結束材に対する位置が略一定となる手段で保持する場合もある。
被結束材が回転などする場合は、弾性巻掛紐の耳も略一緒に回転などするように保持する。
弾性巻掛紐の尾に張力をかけて、被結束材に巻きかけ、2つ以上の巻きループを作成する。
少なくとも1つ以上の巻きループは、弾性巻掛紐の耳を押さえるように、交差して重ねた締めループ、とするのが好ましい。
あるいは、少なくとも1つ以上の巻きループをループ転動して、弾性巻掛紐の耳を押さえるように、交差して重ねた締めループ、とする。
この時点で結束は完成していないが、巻掛紐の耳は、少なくとも1つ以上締めループにより、その交差部分で、被結束材に向けて押されて止められる。
弾性巻掛紐の尾を止める方法は次のように説明できる。
弾性巻掛紐の尾に張力をかけて、被結束材に巻きかけ、2つ以上の巻きループを作成する。
1つ以上の巻きループを、弾性巻掛紐の尾端となる巻きループを超えるように、ループ転動する。
ループ転動した巻きループが締めループとなり、弾性巻掛紐の尾に交差などして重なり、弾性巻掛紐の尾は、締めループにより、被結束材に向けて押されて止められる。
さらに本発明の特徴は、手(端)を輪に通さないことである。
弾性巻掛紐を巻きかけてループ転動するだけの操作であるから、結束で一番面倒な「手(端)を輪に通す」という動作は存在しない。従って結束が極めて迅速である。そして結束機構が簡単になる。
さらに結束を解く場合も、「輪を緩めるなどして手(端)を輪から抜く」という動作が必要ないので、結束を解くのもワンタッチである。
さらに本発明の特徴は、いわゆる「(結び)目」がなく、ループやいわゆる「手」にあたる弾性巻掛紐の耳と弾性巻掛紐の尾は突出することなく被結束材に沿った形となり収まりが良い。
本発明の転動結束の共通の方法を説明すると、次のようになる。
弾性巻掛紐の耳を保持して、弾性巻掛紐の尾を把持するか、摩擦抵抗を与える、などして引き伸ばしながら、被結束材に巻きかけて、弾性で締まった、2つ以上の巻きループを作る。
ループ形状を維持したまま、巻きループをループ転動する。
ループ転動したループは、弾性巻掛紐の耳や、弾性巻掛紐の尾や、他のループ、に重なると、締めループとなる。
ループ形状を維持したまま、というのは、ループが解けないようにすることをいう。
例えば、弾性巻掛紐の耳や弾性巻掛紐の尾に張力を与えたままとする。例えば、弾性巻掛紐の耳を締めループで押さえて、弾性巻掛紐の尾に張力を与えたままとするとか、弾性巻掛紐の尾である最終ループの端を押さえる。例えば、少なくとも弾性巻掛紐の耳であるループの端と弾性巻掛紐の尾であるループの端を外から押さえる。その他、色々な方法が使える。
弾性巻掛紐の耳や巻きループに、交差などして重ねて巻きかけた巻きループは、締めループである。
ループ転動は、弾性巻掛紐の耳が締めループで押さえられている場合は、弾性巻掛紐の尾が押さえられるまでは行う。弾性巻掛紐の耳が締めループで押さえられていない場合は、弾性巻掛紐の耳と弾性巻掛紐の尾が共に押さえられるまでは行う。
すなわち、ループ転動は、少なくとも、弾性巻掛紐の耳、および弾性巻掛紐の尾、が締めループに押さえられる状態になる、まで行う。
上記の「少なくとも」というのは、ループ転動をその時点で止める必要はない、ということを意味している。
すなわち、そのままループ転動を続けると、弾性巻掛紐の耳および弾性巻掛紐の尾は、締めループに押さえられるだけでなく、締めループに巻きつく。このようになるまで続けても差し支えはない、ということである。
「2つ以上の巻きループを作る」というのは、1つではループ転動がやり難いからであり、1つの巻きループでも転動結束が不可能ということではない。
全ての巻きループをループ転動するのが、簡便であるが、一部にループ転動しない巻きループが残ること、を除外するものではない。
ループ転動する方向は、弾性巻掛紐の耳および弾性巻掛紐の尾、がある方向、に行うのが好ましい、がそれに限定するものではない。
ループ転動は、弾性巻掛紐の耳または弾性巻掛紐の尾、がある方向、に行うのでも良い。
ループ転動は、弾性巻掛紐の耳および弾性巻掛紐の尾、がない方向、に行っても差し支えはない。
上記の第2と第3の方向でも可であるというのは、弾性巻掛紐の耳である最初のループと、弾性巻掛紐の尾である最後のループも、ループ転動することで、転がりながら位置が逆転して、他のループに重なり、さらにループ転動を続けると、さらに転がりながら位置が逆転して、そのループまたは他のループが重なり、さらにループ転動を続けると、弾性巻掛紐の耳および弾性巻掛紐の尾は、それらのループに巻き込まれて、捻れるような結果、となるからである。
本発明の転動結束の最も好ましい方法を説明すると、次のようになる。
少なくとも巻きループで保持されるまで、弾性巻掛紐の耳を保持する。
弾性巻掛紐の尾を把持するか摩擦抵抗を与えるなどして引き伸ばしながら、被結束材に巻きかけて、弾性で締まった2つ以上の巻きループを作る。
1つ以上の巻きループは、弾性巻掛紐の耳に交差して重なる締めループとする。
弾性巻掛紐の尾の側の最端ループの終端近傍は、弾性巻掛紐の尾端である。
弾性巻掛紐の尾の側の最端ループは、弾性巻掛紐の耳に交差して重なる締めループとする。
こうすると、弾性巻掛紐の尾の側の最端ループよりも外側(弾性巻掛紐の耳と反対側)に、1つ以上の巻きループが作られることとなる。
ループ形状を維持したまま、巻きループを、弾性巻掛紐の耳と弾性巻掛紐の尾の方向、にループ転動し、弾性巻掛紐の尾端に交差などして重なる締めループとする。
全ての巻きループをループ転動するのが、簡便であるが、ループ転動しない巻きループが残る、ことを除外するものではない。
こうして、弾性巻掛紐の耳と弾性巻掛紐の尾が止められる。
さらに、巻きループの上に交差などして重ねるように巻きつけた巻きループがある場合は、それが締めループとなり、交差などして重ねられた巻きループは拘束ループとなる。
巻きループや締めループや拘束ループの上に、交差などして重なるようにループ転動した締めループがある場合は、交差などして重ねられたループは、拘束ループとなる。
ループ転動は、弾性巻掛紐の尾端が締めループで押さえられた時点で止める、ことは必ずしも必用ではない。
ループ転動を継続すると、複数のループや、弾性巻掛紐の耳や、弾性巻掛紐の尾、が捻れて絡み合い、結束はより強化される。
この最も好ましい転動結束を、少し変形した結束を、下記に説明する。
例えば、弾性巻掛紐の耳に重なるように巻きループを巻きかけをして締めループとした場合でも、弾性巻掛紐の尾の側の最端ループを弾性巻掛紐の耳と反対側に作った場合である。
この場合も、弾性巻掛紐の尾の側の最端ループを、他の巻きループと一緒に、好ましくは弾性巻掛紐の耳の方向に、ループ転動すれば、転動結束できる。
例えば、弾性巻掛紐の耳に重なるように巻きループを巻きかけをした締めループが無く、弾性巻掛紐の尾の側の最端ループを弾性巻掛紐の耳と反対側に作った場合である。
この場合も、弾性巻掛紐の尾の側の最端ループを、他の巻きループと一緒に、弾性巻掛紐の耳の方向に、十分にループ転動すれば、転動結束できる。
あるいは、弾性巻掛紐の耳の側の最端のループを、他の巻きループと一緒に、弾性巻掛紐の尾の方向に、十分にループ転動すれば、転動結束できる。
十分にループ転動する、というのは、弾性巻掛紐の耳、あるいは弾性巻掛紐の尾、に重なるまでループ転動する、ということである。
たとえ、弾性巻掛紐の端から解けた巻きループがいくつかあっても、残った巻きループの最初は弾性巻掛紐の端であるから、複数の巻きループが転動すれば、転動結束は出来たことになる。
弾性巻掛紐の耳に重なるように巻きループを巻きかけをして締めループとした場合でも、弾性巻掛紐の耳の側の最初のループを、他の巻きループと一緒に、弾性巻掛紐の尾の方向、に十分にループ転動しても、転動結束はできる。
せっかく弾性巻掛紐の耳が抑えられているのに、それが解ける方向にループ転動するのは、無駄なことではあるが、結束は不可能ではない。
巻きかけの位置を略一定にして、複数の巻きループを作った場合は、複数の巻きループの位置関係はランダムで、ほぼ重なったような状態になることもある。この時も、転動結束はできる。この複数の巻きループを、任意の方向にループ転動すれば良い。
図3は、本発明の転動結束の説明図である。
(a)は、弾性巻掛紐の耳005を保持し、弾性巻掛紐021を伸ばしながら、弾性巻掛紐の耳005を押さえるように、被結束材001に巻き付けた、巻きループ008の形成状態である。
(b)は、巻きループ008のループ転動022である。
(c)は、ループ転動022した巻きループ008が締めループ010となり、弾性巻掛紐の尾006と、他の巻きループ008、に交差して押さえた、結束状態である。
(d)は、袋の結束状態の写真である。
(a)と(b)は、分かり易いように、巻きループを整然と並べ、極端に隙間を入れて、写してある。実際には、少々隙間はあっても良いが、ほぼ連なるか、重なるように巻くのが良い。巻きループ008は、順不同でも支障はない。
巻きループ008は、2回以上、3〜4回位、が適当であるが、ある程度多くても支障はない。
分かり易いように、(a)では、弾性巻掛紐の耳005を押さえるように巻きループ008を形成する、と説明したが、必ずしも、巻きループ008は弾性巻掛紐の耳005を押さえるよう巻かなくとも良い。弾性巻掛紐の耳005を押さえていない巻きループ008も、その後のループ転動022により、弾性巻掛紐の耳005を押さえた巻きループ008、となるからである。そして巻きループ008同士の位置の逆転などで、巻きループ008の一部が締めループ010になる。
ただ、少なくとも1つの巻きループ008が弾性巻掛紐の耳005を押さえるように巻いた方が、弾性巻掛紐の耳005の保持を放しても解けないので、後のループ転動022がやり易い。
ループ転動は簡単である。手動の場合は、ループ部分を2本の指ではさみ、反対の手で被結束材を持ち、ループ部分をこの例では弾性巻掛紐の耳の方向に適度に引く、のみの動作である。
この結束は極めて迅速である。「持ってクルクル、握ってギュッ」、というタイミングで完了する。
この転動結束方法は、実施例1と図4で例示するように、手作業で迅速に結束することが容易である。
この転動結束方法は、実施例6と図9で例示するように、簡潔な結束装置とすることができる。
結束を解くのも極めて迅速である。弾性巻掛紐の尾006を持って、巻きかけと反対方向に引く、だけで簡単に解ける。
弾性巻掛紐の尾006を、被結束材001に沿って、ループの方向(ループ転動と反対の方向)に引いてから、巻き付けと反対方向に引く、と更に解け易い。
または、結束のループ転動と反対の方向に、ループを逆転動、しても解くことができる。
転動結束の密封性は高い。
袋の口の結束で、弾性巻掛紐の耳が袋の本体の方向にある場合、袋が多量の空気で膨らんでいると、袋を圧縮したときに、袋の広がる力で、結束が逆方向に転がって解ける場合がある。このような場合は、弾性巻掛紐の耳が、袋の口の方向になるように結束すると、袋の圧縮で結束が解けることはない。
このとき、袋の内容物のある側で巻きかけをするのがやり難い場合は、段落[0105]の説明のように、弾性巻掛紐の耳を折り曲げて、袋の口の側で巻きかけをすると良い。袋の大きい側を持ってループ差動するので、ループ転動もやり易い。
容易にループ転動させるには、弾性巻掛紐は、ある程度の伸び率と、摩擦係数、を持つのが好ましい。輪ゴムの飴ゴム程度の材料が好ましい。輪ゴムの材料の硬度は、メーカーのホームページに、略40度と記述されている。
耐久性を求める用途では、軟質のシリコンゴムや、ウレタンゴム、などが好ましい。
その他、エラストマー、など種々の材料、が使用できる。
弾性巻掛紐の材料は、ここに記した例に限るものではない。
また硬度は、40度に限るものではない。
本発明の転動結束に使用する弾性巻掛紐の条件は硬度だけではなく、材料、摩擦係数、断面形状、被結束材の寸法、温度、その他各種の条件の複合した結果であるので、硬度や摩擦係数を単独に数値で示しても意味がない。使用条件を決めたら実験的に求めるのが現実的である
弾性巻掛紐の断面形状は、円、楕円、多角形、正方形、矩形、その類似形状、など任意である。
度重なる使用の摩擦で生じる亀裂からの切断を減らすには、断面形状の角は、角丸めになっている方が好ましい。
結束を解くときに引くのは、弾性巻掛紐の尾006である。手動で結束することの多い弾性巻掛紐では、弾性巻掛紐の尾006と、弾性巻掛紐の耳005、の区別が付け難い。弾性巻掛紐の尾006と、弾性巻掛紐の耳005、は色を変える、形を変える、マークをつける、その他、の方法で区別できるようにするのが好ましい。
結束を解くときに弾性巻掛紐の尾006を引くと、弾性体であるので引き伸ばされる。伸びが大きいと、解き難く、切れやすく、耐久性も低下する。一方、弾性巻掛紐の耳005の側は、引き伸ばしやすく、ループ転動022し易い、のが好ましい。
弾性巻掛紐は、弾性巻掛紐の耳005の側の伸びは大きく、弾性巻掛紐の尾006の側の伸びは小さく、したものとするのが好ましい。
部位の伸びを変えるには、弾性巻掛紐の耳005側の硬度を小さくし、弾性巻掛紐の尾006の側の硬度を大きくする、のが一つの方法である。順次に硬度が変化するようにしても良いし、途中で硬度が変わるようにしても良い。
または、弾性巻掛紐の耳005側の断面形状を小さくし、弾性巻掛紐の尾006の側の断面形状を大きくする、という方法もある。同じ外力をかけたとき、断面形状の小さい部位の応力は大きくて伸びやすく、断面形状の大きい部位の応力は小さくて伸びにくい。
または、弾性巻掛紐の尾006の側に、伸びの小さい芯材を入れる方法もある。
弾性巻掛紐の部位の伸びを変える方法は、ここに記した例に限るものではない。
この文書では、弾性巻掛紐の耳の側の伸びが大きく、弾性巻掛紐の尾の側の伸びが小さく、なるようにした、転動結束用の弾性巻掛紐を、「不均弾性巻掛紐」、と記述する。
また、弾性巻掛紐の耳の側の断面が小さく、弾性巻掛紐の尾の側の断面が大きく、なるようにした、転動結束用の弾性巻掛紐を、「漸増弾性巻掛紐」、と記述する。
弾性巻掛紐は、このような断面形状のものを並べて、ごく薄い接合部分を持った、シート状、とすると良い。あるいは、弾性巻掛紐は、このような断面形状のものをつないで、ごく薄い接合部分を持った、長い紐状、とすると良い。
シートや長い紐は、千切って使用する。
生産や梱包が容易であり、整理にも便利で、商品イメージも高いものとすることができる。
弾性巻掛紐の形状は、1本の紐状である、と限定するものではない。
例えば輪ゴムでも、輪を折って、紐状にして、転動結束することができる。
家電コードなどの結束では、解いた状態でも、弾性巻掛紐がコードに付いたまま、とすることで紛失を防ぎたい。弾性巻掛紐の耳に、コードを把持する部位、を設けると便利である。
袋の口の近傍に、弾性巻掛紐の尾を袋の口の方向にして、弾性巻掛紐の耳を固定しておくと、袋に中身を入れて、袋の口を絞り、弾性巻掛紐の尾を弾性巻掛紐の耳に重ねて巻きかけ、巻きループを弾性巻掛紐の耳の方向にループ転動すると、袋の口は密封できる。
弾性巻掛紐の尾を引くと簡単に開封できる。
弾性巻掛紐は紛失することがなく、袋の口を再び密封することができて便利である。
弾性巻掛紐の耳を袋に固定するのは、融着や接着や粘着など既存の技術で行うことができる。
段落[0007]に記述したチャック袋は、チャックを閉めるときに手間取ることがある。これに対して、弾性巻掛紐をつけた袋は、閉じるのが極めて簡単で迅速である。密封性も良い。
あるいは、袋の口の近傍に、弾性巻掛紐の尾を袋の口の反対方向にして、弾性巻掛紐の耳を固定しても良い。
空気で膨らんだ袋を押した時に、結束が解ける方向に転がる(段落[0091])ことを、防止できる。
また開封時に、弾性巻掛紐の尾が袋の口に突出しないので邪魔にならない。
ただし、普通の転動結束では、弾性巻掛紐の尾の回動が、袋の中身の側になるので、少々やり難い。
この場合、弾性巻掛紐の耳に少し余裕をもった位置で、弾性巻掛紐を折り曲げて、折り曲げた部分を、少しだけ、例えば左手の指、で押さえ、右手で弾性巻掛紐の尾を持ち、引き伸ばして、袋の口の周りを回動して、弾性巻掛紐の耳に重ねた複数の巻きループとし、右手で弾性巻掛紐の尾を引き伸ばしたまま、巻きループを押さえ、左手で袋を引くと、巻きループが弾性巻掛紐の耳の方向にループ転動して、弾性巻掛紐の尾に重なり、結束できる。折り曲げた部分が少し突出するが、結束は極めて簡単で迅速である。
各種の付加価値をつけた本発明の弾性巻掛紐の例は、実施例2と図5で説明している。
段落[0092]〜[0093]に記した弾性巻掛紐や、段落[0094]〜[0100]と段落[0102]〜[0105]に記した各種の付加価値をつけた弾性巻掛紐は、段落[0066]〜[0075]に記した好ましい形の転動結束だけでなく、段落[0058]〜[0065]と段落[0076]〜[0081]に記したような、全ての形の転動結束に有効な道具である。
本発明は、弾性巻掛紐の耳の側の伸びが大きく、弾性巻掛紐の尾の側の伸びが小さく、なるようにした、転動結束用の不均弾性巻掛紐である。
本発明は、弾性巻掛紐の耳の側の断面が小さく、弾性巻掛紐の尾の側の断面が大きく、なるようにし、弾性巻掛紐の耳と弾性巻掛紐の尾の区別をつき易くした、転動結束用の漸増弾性巻掛紐である。
本発明は、弾性巻掛紐が被結束材と並列するように、被結束材に取り付けるダッコ部位(段落[0165])を持つ、転動結束用のダッコ弾性巻掛紐である。
本発明は、不均弾性巻掛紐、または漸増弾性巻掛紐、を薄いブリッジで連結して、長い紐状、またはシート状、とした、転動結束用の弾性巻掛紐である。
本発明は、弾性巻掛紐の耳、または弾性巻掛紐の尾、が袋の口の方向となるように、弾性巻掛紐の耳を袋の口の近くに固着した、転動結束用の弾性巻掛紐である。
本発明の弾性巻掛紐を使った転動結束方法による結束装置について説明する。
この文書では、転動結束の方法による結束装置を「転動結束装置」と記述する。
被結束材は結束機構の中に保持される必要がある。
装置には被結束材の支持手段があると便利である。しかし、例えば被結束材を手で支えるなどすれば、必ずしも被結束材の支持手段は必要ではない。
弾性巻掛紐の耳は被結束材に対して略一定の位置に保持される必要がある。
従って装置には、弾性巻掛紐の耳の保持手段、が必要である。
弾性巻掛紐の耳を保持手段に保持させるには、例えば弾性巻掛紐の耳を手で保持手段にセットすることができる。従って弾性巻掛紐の耳を保持手段の位置に持ってくる機械的手段は必ずしも必要なものではない。
弾性巻掛紐の尾には張力を与えることが必要である。
しかし、張力は弾性巻掛紐の弾性が働けば良いので、格別な装置を必用とするとは限らない。被結束材に巻きかけをすれば、巻き付いた長さだけ弾性巻掛紐が伸びるので、張力は自然に強くなる。あるいは最初に引き伸ばしてから巻きかけをすれば、張力はさらに強くなる。
弾性巻掛紐の尾は、被結束材およびまたは近接巻掛部材、に巻きかけをすることが必用である。
弾性巻掛紐の尾を被結束材およびまたは近接巻掛部材の周りに回動させるか、弾性巻掛紐の尾の位置を一定として被結束材およびまたは近接巻掛部材と弾性巻掛紐の耳とその保持手段を回転させるか、両方を回動や回転するか、の方法で弾性巻掛紐の尾は被結束材およびまたは近接巻掛部材に巻きかけをすることができる。このことを「相対回動」と記述することにする。
ここで「被結束材およびまたは近接巻掛部材」の記述を補足説明する。この意味は、被結束材のみ、近接巻掛部材のみ、被結束材と近接巻掛部材、の3種類の形態を簡潔に言ったものと理解されたい。
装置には、張力を与えた弾性巻掛紐の尾を相対回動する巻きかけ手段、が必要である。
巻きかけは、弾性巻掛紐の尾を把持して、張力を与えるように引き伸ばしながら相対回動したり、弾性巻掛紐の尾に摩擦力などで張力を与えながら、巻き付いた長さの巻掛紐を補充して行く方法、手で弾性巻掛紐の尾を引き伸ばして巻きかけ手段に把持させる方法、など普通に考えられる各種の方法がある。
手で弾性巻掛紐の尾を引き伸ばしてセットする場合もあるから、装置に張力付与手段を持たせることは、必ずしも必要ではない。
被結束材などを回転する場合は、被結束材を把持する必用があるが、これは被結束材の支持手段ではなく、巻きかけ手段の一つとみなす。
弾性巻掛紐の尾の巻きかけでは、弾性巻掛紐の耳に交差して重なる締めループや、単なる巻きループや、巻きループに交差して重なる締めループを作成するには、装置には巻きかけ移動の手段があるのが好ましい。
しかし、転動結束では巻きループは巻掛紐の耳に近接して同じ位置で複数回の巻きかけをしても差し支えはない。
従って巻きかけ移動の手段は必ずしも必要なものではない。
巻きループを締めループにするにはループ転動でループシフトする。
ループ転動は、ループ形状を維持したまま、ループ止め手段で巻きループに抵抗を与え、被結束材およびまたは近接巻掛部材、をループ差動する。
このとき、装置には、ループ形状を維持する手段が必要である。
ループ形状を維持する手段は、ループが解けないようにする手段であり、弾性巻掛紐の耳や弾性巻掛紐の尾に張力を与えたままにするとか、弾性巻掛紐の耳は締めループで押さえるとか、ループを外から押さえるのにループ止めを使う、など色々な手立てがあり、ループ形状を維持するために、特別の機構を用意する必要がある、ということではない。
ループ差動は、装置にループ差動手段を持たせることもできる。例えば被結束材を動かないよう支持した状態で、ループ止め手段を移動すれば良い。ループ差動手段は通常考えられる色々な方法が利用できる。
しかし、簡易な転動結束装置のループ差動では、被結束材は手で支持し、巻きかけが終了したら、ループ止め手段で巻きループに抵抗を与え、支持した被結束材を手で引けば良い。
従って装置にはループ差動手段は必ずしも必要なものではない。
転動結束ではループは弾性巻掛紐の弾性で締まっている。ループ転動によってもこの張力は維持される。
転動結束では最後に弾性巻掛紐を引き締める特別の手段は必要ない。
ループ転動は、少なくとも1つの締めループが弾性巻掛紐の耳をそれらとの交差部分で上から被結束材に向けて押さえ、少なくとも1つの締めループが弾性巻掛紐の尾端をそれらとの交差部分で上から被結束材に向けて押さえた状態、になるまで行う。
その過程で、巻きループの上に交差して重なるようにループ転動した締めループができる場合は、交差して重ねられた巻きループは拘束ループとなり、拘束ループは締めループとの交差部分で上から被結束材に向けて押さえられ、結束は強化される。
弾性巻掛紐がボビンなどに巻いた長尺のものである場合は、結束部分を切り離す必用があるが、元々必用な長さの巻掛紐を装置にセットする場合もある。手動の鋏で切り取っても良い。
装置には必ずしも弾性巻掛紐の切断手段が必要な訳ではなく、切断手段は結束装置の補助手段にすぎない。
以上をまとめると、本発明の弾性巻掛紐を使った転動結束方法による結束装置に必要な手段は、弾性巻掛紐の耳の保持手段、張力を与えた弾性巻掛紐の尾を被結束材に巻きかける巻きかけ手段、ループ形状を維持する手段、ループ差動に対応するループ止め手段、である。
すなわち、本発明の転動結束方法による転動結束装置は、下記のようになる。
弾性巻掛紐の耳を保持手段にセットし、弾性巻掛紐の尾を巻きかけ手段にセットする。ここでの「セットする」とは、毎回取り付けると限るものではなく、継続的に取れつけられている状態も含む。
被結束材を装置の巻きかけの部位に位置させる。
少なくとも締めループで保持されるまで、弾性巻掛紐の耳を保持手段で保持する。
弾性巻掛紐の尾に張力を与えて、巻きかけ手段により、被結束材およびまたは近接巻掛部材に巻きかけて、2つ以上の巻きループを作成する。
ループ形状を維持する手段によりループ形状を維持し、ループ止め手段で巻きループに抵抗を与える。
被結束材およびまたは近接巻掛部材をループ差動すると、巻きループがループ転動する。
ループ転動は少なくとも、弾性巻掛紐の耳が締めループとの交差部分で押さえられ、かつ弾性巻掛紐の尾が締めループとの交差部分で押さえられる状態となる、までは行う。
こうすると、少なくとも1つの締めループが、弾性巻掛紐の耳、および弾性巻掛紐の尾端、および場合によってはループを、それらとの交差部分で、上から被結束材に向けて押さえる。
巻きかけ手段が、ぶん回し巻きかけ手段(段落[175])である転動結束装置は、本発明の代表的な転動結束装置の一つである。
巻きかけ手段が、ディスク巻きかけ手段(段落[185])である転動結束装置は、本発明の代表的な転動結束装置の一つである。
巻きかけ手段が、自転巻きかけ手段(段落[190])である転動結束装置は、本発明の代表的な転動結束装置の一つである。
実施例6で詳細に説明するが、本発明の転動結束装置には、近接巻掛部材の上にも、あるいは近接巻掛部材だけ、に巻きかけたループ、をループ転動する、部材込みループ転動手段を持たせる、とさらに良い。
従来のTB1・TW1などの紐による結びは、巻いた後で相互に通すという面倒な結び動作が必然であり、TB2・TW2の輪ゴム通しは何度も回したり捻ったりしながら通すという動作であり、TB4の粘着テープ貼りは一般に専用装置が必用であり、TW5のPPバンドは一般に専用装置が必用であり、TB7の溶着やポンチ打ちは専用装置が必用であり、段落[007]のチャック袋はチャックの溝に粉が入って閉める前に取り除く必用があったり、チャックの噛み合わせがスムースに行かずに手間取るのに比べ、本発明の結束は巻きかけてループ転動するだけの動作で簡潔である。
簡潔な動作であるから、迅速であり、装置も単純となる。
結束を解く場合、従来のTB1・TW1などの結びは解くという動作であり、結び方によっては面倒な動作となり、TB2・TW2の輪ゴム通しでは端を探してから何度も回したり捻ったりしながら抜くという動作であり、TB3やTB4の粘着とTW6のラチェットバンドは解くのは困難で切断するしかなく、TB5の針金の結束では捻れ方向を確認してから何度も捻るという動作であるのに比べ、本発明の結束を解くのは引くだけの動作で簡潔であり迅速である。
結束材料のおよその費用は、TB2・TW2の輪ゴムが0.3円、TW3のビニルテープは1〜2円、TB4の粘着テープが0.1〜0.2円、TB5・TW4の針金は0.7〜0.9円、TW5のバンドは2.2円、TW6のラチェットバンドは7円、TW7の爪バンドは70円、TW8の輪かけは4円、TW9の面ファスナーは50〜70円、TW10のツイストは17円などであるのに比べ、本発明の弾性巻掛紐は生ゴムで0.5円程度で、従来の方法の最廉価レベルである。
美観は、TB2・TW2の輪ゴムとTB3・TW3・TB4の粘着テープとTB7の止め具の熱溶着とTW5のPPバンドの見栄えは悪く、TW6のラチェットバンドとTW7の爪バンドとTW8の輪かけが出っ張りが多いのに比較して、本発明の結束はスッキリと美しい。
TW5のPPバンドの溶着とTB7の溶着などは専用装置が必要であるのに比べ、本発明の結束は人手による結束が極めて簡単である。
TB3・TB4の粘着テープとTW5の溶着PPバンドとTW6のラチェットバンドとTB7の溶着が再使用が出来ないのに比べ、本発明の結束は再使用や転用が可能である
TB6のクロージャーが密封が出来ないのに比較し、本発明の結束の密封性は良好である。
TB6のクロージャーとTW7の爪バンドとTW8の輪かけとTW10のツイストが結束強度が弱いのに比べ、本発明の結束はの強度は程ほどである。
TB2・TW2の輪ゴム巻きが耐久性が低いのに比べ、弾性巻掛紐を使った本発明の結束は材料を選べば耐久性を持たせることができる。
TW5のPPバンドとTW8の輪かけとTW9の面ファスナーは、かさばるために使用しないときの収納性が良くない。紛失防止のできるTW7の爪バンドやTW9の面ファスナーは、使用中の張り出しが大きくなる場合もある。
これらに比べ、本発明の転動結束用の弾性巻掛紐は、実施例2の段落[0162]〜[0168]の図5(e1)(e2)のように、紛失防止の手段を講じることも可能であり、結束時の張り出しもなくせ、収納性が良く、サイズが小さい。
従来のTB1・TW1などの結びと、TB2・TW2の輪ゴム通しは、袋の口を縛るのに多用されるが、解いた後は紛失しやすく、再結束の時に探す手間がある。
これらに比べ、実施例2の段落[0169]〜[0170]の図5(f1)(f2)のように、本発明の転動結束用の弾性巻掛紐を固定した袋は、紐を紛失することはなく、解いた後も直ぐに再結束できる。
TB2・TW2の輪ゴム巻きは、ループ状や長尺の被結束材を結束できないのに比べ、本発明の結束は、ループ状や長尺の被結束材を結束できる。
TB1・TW1の紐結びとTW5のPPバンドの結束装置が大掛かりなものになるのに比べ、本発明の結束装置は、実施例6のようにコンパクトにまとめることができる。
TB3・TW3の粘着テープ巻きが、被結束材を汚すことがあるのに比べ、本発明の結束は、被結束材を汚すことがない。
特許文献12の魚網用結束装置の改良である特許文献11の結束装置の結束の位置が輪を作る位置から大きくズレを生じるのに比べ、本発明の結束の位置は、ほとんどずれない。
図1は、従来の袋口部の結束の7つの例である。 図2は、従来の線材の結束の9つの例である。 図3は、転動結束の説明図である。 図4は、実施例1の転動手結束の説明図である。 図5は、実施例2の転動結束用の弾性巻掛紐の説明図である。 図6は、実施例3の巻きかけ機構の説明図である。 図7は、実施例4の巻きかけ機構の説明図である。 図8は、実施例5の巻きかけ機構の説明図である。 図9は、実施例6の転動結束装置の説明図である。
転動手結束の手順の実施例と、転動結束に使用する付加価値をつけた弾性巻掛紐の実施例と、転動結束装置の巻きかけを実現するための機構の実施例を示し、本発明の転動結束装置の実施例を説明する。
図4は転動結束を、手作業で行う技能の例である。この文書では、転動結束を手作業で行うことを「転動手結束」と記述する。
袋の口を結束する例とした。
(a)は、弾性巻掛紐の耳と袋を左手の親指で押さえ、弾性巻掛紐の尾を右手で持ち、弾性巻掛紐を引き伸ばして、2〜3回ほぼ同じ位置に巻きつけ、巻きループを作った状態である。巻きループは弾性巻掛紐の耳に重ねる方が後の動作がやり易いが、必ずしも重ならなくても良い。
(b)は、左手の親指と人差し指で巻きつけた部分を挟み、右手は袋の口を握った状態である。
(c)は、そのまま左右の手を少し引き広げ、左手の親指と人差し指の下の巻きループをループ転動させた後の状態である。結束は完了している。
極めて迅速な結束である。所用時間は数秒である。
弾性巻掛紐であるから、密封性は良い。
結束を解くのは、弾性巻掛紐の尾を引くだけである。少しループ転動方向と反対方向に引くと更に解け易い。ループを反対方向に転動させても解ける。
弾性巻掛紐の耳より弾性巻掛紐の尾を長くするようにしておけば、解くときに引っ張る弾性巻掛紐の尾が分かり易い。
弾性巻掛紐は再使用が可能で、開け閉めの多い袋の口を閉じるのに便利である。菓子袋、パンの袋、小麦粉の袋、冷凍品の袋、収納袋など、用途は広い。電気コードの収納などにも便利である。
専用の弾性巻掛紐を使うのが好ましいが、太目の輪ゴムを切って使うこともできる。細い輪ゴムの場合は輪のまま紐状にして使用することもできる。
図5は転動結束に用いる、使い易いように付加価値をつけた弾性巻掛紐の例である。
(a1)(a2)は、弾性巻掛紐の耳から弾性巻掛紐の尾にかけて、断面が漸増する弾性巻掛紐の例である。
(a1)は断面が円形の弾性巻掛紐の例、(a2)は断面が矩形で両端が円弧に丸められた弾性巻掛紐の例である。
弾性巻掛紐の断面形状はこれらに限らず色々なバリエーションがあり得る。
断面が漸増する弾性巻掛紐は、弾性巻掛紐の耳の側の伸びが大きい。弾性巻掛紐の伸び量を調整しなくても均一に巻きやすく、ループ転動もし易い。
一方、断面が漸増する弾性巻掛紐は、弾性巻掛紐の尾の伸びは少ない。結束を解くときは弾性巻掛紐の尾をそのまま引くか、少し横に引くが、弾性巻掛紐の尾の伸びは少ないので解きやすい。また、弾性巻掛紐の尾が拘束ループから抜ける時には摩擦されるが、弾性巻掛紐の尾は太めであるので傷がつき難く、傷がついても切れ難い。
また、結束した後は、弾性巻掛紐の耳と弾性巻掛紐の尾が端部となっているが、弾性巻掛紐の尾の方が太いので、弾性巻掛紐の耳と区別がつき易く、解くための弾性巻掛紐の尾が識別し易い。
このように、弾性巻掛紐の耳から弾性巻掛紐の尾にかけて、断面が漸増する弾性巻掛紐を、「漸増弾性巻掛紐」と称する。ことは段落[0099]に記載した。
これに対して、弾性巻掛紐の耳から弾性巻掛紐の尾にかけて、断面が均一の弾性巻掛紐を、この文書では「均一弾性巻掛紐」と記述する。
(a1)(a2)では端面が円や円弧となる例とした。断面は極端に縦横比が大きくなければ矩形でも差し支えないが、亀裂が入り易いエッジは丸みをつけた方が好ましい。
弾性巻掛紐の材料は、安価なものは輪ゴムのような飴ゴムで良い。永く使用するために耐久性を高める場合は、風化し難いシリコンゴムやウレタンゴムなどを使用すると良い。輪ゴムに類した、軟質で摩擦係数の高い材料、が良く、各種のエラストマーから選択できる。
ちなみに輪ゴムは、タイプAで硬度約40度、とメーカのホームページには記述されている。しかし、エラストマーの硬度の定義は確定的な数値ではないようである。
転動結束ができる弾性巻掛紐の条件は硬度だけではなく、材料、摩擦係数、断面形状、被結束材の寸法、温度、その他各種の条件の複合した結果であるので、硬度や摩擦係数を単独に数値で示しても意味がない。使用条件を決めたら実験的に求めるのが現実的である。
(a1)(a2)は単体としての弾性巻掛紐の例である。
(b)は漸増弾性巻掛紐を縦に連結して長い紐とした例である。ボビンに巻いた状態で例示した。連結部分は薄いブリッジとし、簡単に千切ることができる。
ブリッジは千切るのに便利であれば良いので、薄いブリッジや、細いブリッジ、などの形状は限定しない。このようなつなぎ方を「弱いブリッジ」と記述する。
取り扱いにも便利であり、自動結束装置に使用することも可能であり、輪ゴムなどの従来の製造設備が使えて製造も容易である。
(c1)(c2)(c3)は漸増弾性巻掛紐を横に連結してシート状とした例である。連結部分は弱いブリッジとした。ブリッジを部分的にかけた例で図示した。
簡単に千切ることができ、取り扱いが便利であり、自動結束装置に使用することも可能であり、輪ゴムなどの従来の製造設備が使えて製造も容易である。
(c2)は両端を円弧とした矩形断面の例、(c3)は矩形断面の例であるが、その他の断面形状を除外しているものではない。
(d1)(d2)(d3)は漸増弾性巻掛紐を交互に反転して横に連結してシート状とした例である。連結部分は弱いブリッジとした。
簡単に千切ることができ、取り扱いが便利であり、輪ゴムなどの従来の製造設備が使えて製造も容易であり、製造効率も高い。自動結束装置に使用することも不可能ではない。
(d2)は一端を円とし他端を角丸めのある矩形断面とした例、(d3)は矩形断面の例であるが、その他の断面形状を除外しているものではない。
(e1)は電気コードなどの結束に便利な弾性巻掛紐の例である。
段落[0005][0006]に説明した従来の電気コードの結束帯の方法TW7は、十文字の穴に帯の両サイドに設けた凸凹を引っ掛けて締めるものであったが、紛失防止の為にコードに取り付ける部分は、端部をコードに巻くような方法であるために、使用時も不使用時も、帯がコードと直角に張り出さざるを得ない。これは特に不使用時に邪魔であり、見栄えも悪い。
この文書ではこのような取付方法を、鉄棒からぶら下がったイメージで「懸垂取付」と記述する。
面ファスナーのTW9もコードに取り付けると懸垂取付となる。
上記以外の従来の方法は、懸垂取り付けとなるか、コードに取り付けることが出来ない。
これに対して、(e1)は、弾性巻掛紐をコードと並列するように取り付ける部位、をもった例である。ここには3種類の形状例を挙げた。
コードの図に一番近い図例は、割りの入った円筒状の部位を弾性巻掛紐の耳の側に持つものである。この部分も弾性材で作る。コードは円筒の割りを広げて挿入することが出来る。円筒はコードと同心に納まり、円筒状の部位の端部から同じ方向に出た弾性巻掛紐はコードと近接して平行に収まる。従って結束していない状態でも横に張り出さないので見栄えが良く、邪魔にもならない。また転動結束に必要な動作の補助、すなわち弾性巻掛紐の耳を被結束材に沿わせて押さえる動作の補助にもなり、大変に都合が良い。
結束はコードを巻いて束にした状態で、円筒側の弾性巻掛紐の耳を左手の親指で押さえて、右手で弾性巻掛紐の尾をつかみ、巻きかけし、ループ転動すれば良い。その結束状態を(e2)に描いた。
解く時は、弾性巻掛紐の耳は取り付ける部位に繋がっているので、弾性巻掛紐の尾のみが端部を有して、弾性巻掛紐の尾であることが明らかであり、弾性巻掛紐の尾をそのまま引くか、横方向に引く。または、取り付ける部位と反対方向にループを転動しても解くことができる。
(e1)の2番目は、円筒部分の断面をハート型にした例である。弾性巻掛紐の断面もハート型にするとかわいい道具となる。
(e1)の3番目は、割りの部分を櫛型にして、大きくサイズの違うコードでもしっかりと取り付けることができるようにした例である。櫛の数はもっと増やしても良い。
このように、被取付材に弾性巻掛紐を並列して取り付ける方法を、この特許文書ではダッコ人形のイメージで、「ダッコ取付」と記述する。その部位を「ダッコ部位」と記述する。ダッコ部位を持つ弾性巻掛紐を「ダッコ弾性巻掛紐」と記述する。
すなわち、ダッコ弾性巻掛紐は、弾性巻掛紐が被取付材に並列するように弾性巻掛紐を被取付材に取り付ける部位を弾性巻掛紐の耳に持った、転動結束に用いる弾性巻掛紐である。
この時、弾性巻掛紐は均一弾性巻掛紐であっても、不均弾性巻掛紐であっても、漸増弾性巻掛紐であっても良い。
ダッコ部位を持つ弾性巻掛紐は、紛失せず、見栄えが良く、邪魔にならず、直ぐに使用でき、結束し易く、結束は迅速で、解くのはワンタッチで、コストは安い、という優れた道具である。
ダッコ部位は弾性巻掛紐と同じ材料で作っても良いし、固めの材料で作っても良いし、異なる材料で作っても良い。固めの材料とする場合は弾性巻掛紐の耳の部分までその固めの材料としても良い。この時、弾性巻掛紐の耳は被結束材に強めに沿い、弾性巻掛紐の耳を指で押さえる程度を軽減する効果もある。
電気コードなどの結束に使う弾性巻掛紐の材料は、耐候性や耐久性からはシリコンゴムやウレタンゴムなどが好ましいが、これらに限るものではなく、各種のエラストマー、その他が使用できる。
(e1)にはダッコ部位をほぼ円筒の部材に割りを入れた形状で説明したが、この方法に限るものではない。例えばスパイラル状になったダッコ部位や、大き目の2つの穴があいた板状の部位を湾曲させた形状のダッコ部位とするなど、色々なバリエーションが可能である。
(f1)は弾性巻掛紐の耳を袋の口の近くに固着した袋である。弾性巻掛紐の尾を袋の口の方向に向けた例である。
(f2)は弾性巻掛紐の耳を袋の口の近くに固着した袋である。弾性巻掛紐の尾を袋の口の反対方向に向けた例である。
図では固着部分が分かりやすいように、弾性巻掛紐の耳の固着部分を太く描いたが、このような形に限るものではない。
この袋は弾性巻掛紐を袋と別に用意しなくても良く、弾性巻掛紐が紛失することもない。必要な時に直ぐに簡単に袋の口を閉じることができて便利である。
この図のように、弾性巻掛紐の耳を袋の口の近くに固着する弾性巻掛紐の方向を現すとき、「弾性巻掛紐の耳または弾性巻掛紐の尾が袋の口の方向となるように」、と記述する。
図6は、被結束材001に弾性巻掛紐021を巻く機構の例である。
121は巻きかけ部材で、図示しない軸受けで回転自由に保持されて、先端に弾性巻掛紐の尾端の把持部材159がついており、被結束材001の周りを回転できるようになっている。
被結束材001はフレーム127で支持されている。
巻きかけ部材121は歯車伝動装置122で駆動され、歯車伝動装置122は図示しないモータや手回しハンドルで駆動される。大歯車123が1回転で小歯車124が3回転する例で図示した。
弾性巻掛紐021は玉巻き125の内部から供給され、弾性巻掛紐の耳の保持装置158を通り、弾性巻掛紐の耳の保持装置158は弾性巻掛紐の耳005を保持し、弾性巻掛紐の尾は引き伸ばされて、弾性巻掛紐の尾端が把持部材159で把持されている。
大歯車123が1回転すると、巻きかけ部材121の先端が被結束材001の周りを3回転する。弾性巻掛紐の耳005が固定されているので、弾性巻掛紐021は引き伸ばされながら、被結束材001に、この例では3回巻きついて、ループを形成する。
巻きかけで弾性巻掛紐が短くなるに連れて、張力が強くなりすぎる場合は、弾性巻掛紐の尾端の把持部材159を、例えばバネなどで適度な引張り力を与えて、スライド移動、などするように工夫すれば良い。
この文書では、回転軸から半径方向にオフセットした弾性巻掛紐の尾端の把持部材を、回転軸で回動することで、回転軸と略同軸位置の被結束材に、弾性巻掛紐を巻きかける手段を、「ぶん回し巻きかけ手段」、と記述する。
ぶん回し巻きかけ手段は、被結束材の結束部位の長さは限られ、リング状の被結束材には使用できないが、最も簡便な巻きかけ手段である。
ぶん回し巻きかけ手段は、ここに例示した機構に限るものではない。
実施例4は、穴135と開口151を持つU字型巻き掛けディスク131によって、被結束材001への巻きかけを行う機構の一例である。
図7にその基本機構を例示した。
巻きかけディスク131は穴135の一部が開口151したU字形となっている。
ディスクフレーム132の穴135も一部が水平方向に開口151したU字形となっている。
水平の開口151があるので、被結束材001は水平に挿入が可能である。従って被結束材001は、ループ状や長尺などの形状を問わない。
ここでは開口151を水平として図示したが、開口151は水平に限るものではない。
ディスクフレーム132に、回転可能に支持している、小さなコロ153が、巻きかけディスク131を、回転自由に外周で支えている。ここでは、小さなコロ153は6個で例示した。
巻きかけディスク131にはディスク歯車133があり、歯車134で回転駆動される。
巻きかけディスク131がU字形となるので、ディスク歯車133も一部が欠損した歯車となる。直接駆動する歯車134は、ディスク131のU字型の開口151にかかった時も回転駆動が持続できるように2個とした。2個の歯車134はそれらに同時に噛む駆動大歯車154で同じ大きさと方向とタイミングの回転を伝えられる。従って開口151にかかった歯車134はその後再びディスク歯車133と噛み合うことができる。
巻きかけディスク131の側面に、図示しない弾性巻掛紐の尾端の把持部材がついている。
弾性巻掛紐021は図示しない玉巻き125の内部から供給され、弾性巻掛紐の耳の把持部材160を通り、弾性巻掛紐の耳の把持部材160は弾性巻掛紐の耳005を把持し、弾性巻掛紐の尾006は引き伸ばされて、弾性巻掛紐の尾端は把持されている。
駆動大歯車154が3回転すると、巻きかけディスク131が被結束材001の周りを、3回転する。弾性巻掛紐の耳005が固定されているので、弾性巻掛紐021は引き伸ばされながら、図示しない被結束材001に巻きついてループを形成する。
巻きかけで張力が強くなりすぎる場合は、巻掛紐の尾端の把持部材に、例えばバネなどで適度な引張り力を与えて、スライド移動などするように工夫すれば良い。
この文書では、穴のある円形の巻き掛けディスクを回転可能に支持し、あるいは、穴と開口のあるU字型巻き掛けディスクを回転可能に支持し、ディスクには、巻掛紐の尾端を把持する手段を持ち、ディスクを回転させることで、ディスクの略中心にある被結束材に、巻掛紐を巻きかける手段を、「ディスク巻きかけ手段」と記述する。
ディスク巻きかけ手段は、ここに例示した機構に限るものではない。
図8は、被結束材001に弾性巻掛紐021を巻くもう一つの機構の例である。
131はU字型の巻きかけディスクで、ディスクフレーム132と共に穴135の一部が開口151しいる。巻きかけディスク131は図示しないコロ153で回転自由に支持され、図示しないディスク歯車133で回転駆動される。
巻きかけディスク131には一対の把持レバー161が内蔵され、互いに歯車部が噛み合い同期して開閉することができる。把持レバー161の片方が把持解放ピン162に当った時に把持レバー161は開き、被結束材001を挿入することができる。把持解放ピン162が下降などして当りが解放されると把持レバー161は図示しないバネで閉じて、被結束材001と弾性巻掛紐の耳005を把持する。
巻きかけディスク131が回転すると、被結束材001と弾性巻掛紐の耳005も回転し、弾性巻掛紐021は略定位置の張力付加部材126で張力を与えられながら、被結束材001に巻きかけされる。
この文書では、回転する把持部材で、被結束材と弾性巻掛紐の耳を把持し、弾性巻掛紐の尾を略定位置とし、被結束材と弾性巻掛紐の耳が回転することで、弾性巻掛紐を被結束材に巻きかける手段を、「自転巻きかけ手段」と記述する。
自転巻きかけ手段は、ここに例示した機構に限るものではない。
図9は転動結束の装置の例である。
ここでは手動装置として説明する。
(a)は装置の平面図、(b)は装置の正面図、(c)は装置の側面図である。
(d1)は転動機構の別例の斜視説明図、(d2)は(d1)の手隠れとなった部分の構造の説明図、(d3)はループ転動の動作関係の説明図である。
巻きかけディスク131は中心に穴があり馬蹄形に切断した開口を持つ歯車の両側面にツバを有する形状である。
巻きかけディスク131は略70度で配置された5個の位置不動で回転自由なピニオン501で回転自由に支持され、ツバにより軸方向の移動は拘束されている。
2個のピニオン501は駆動歯車502と噛み合う。
駆動歯車502と図示しない軸で固定されたピニオン503はラック504と噛み合う。
ラック504を除いて、これらは移動フレーム505に組み込まれている。
移動フレーム505の上面は結束台506が固定されている。
結束台506は巻きかけディスク131が回転自由に入る切り欠き507を有する。
切り欠き507は結束する巻掛紐が回動できるスペースを有し、図例ではスペースの左方向は開口している。
切り欠き507の回動スペースの巻きかけディスク131の側は結束する巻掛紐が引っ掛からないように傾斜部分を有する。
移動フレーム505は3個2組の縦ガイドコロ508と3個1組の横ガイドコロ509を有する。
縦ガイドコロ508と横ガイドコロ509は固定フレーム510のガイド511で(c)図の縦と横の移動を拘束されており、移動フレーム505は(a)(b)図の左右方向に移動できる。
ただし、コロの数はこの例に限るものではなく、また、リニアにガイドする方法もコロによる方法に限るものではない。
移動フレーム505の移動の始点と終点は、当て板512が固定フレーム510の右と左の停止面513に衝突することで定まる。
(a)(b)は移動フレーム505が始点に位置する状態で描いた。
ラック504は固定フレーム510に固定する。
移動フレーム505を手で押すと、ラック504に噛んだピニオン503が回転し、駆動歯車502が回転し、ピニオン501が回転し、巻きかけディスク131が回転し、当て板512の左の停止面513との衝突で停止する。
転動結束では、巻きかけディスク131は2回以上回転する。この例では3回転とした。
結束に使用するのは弾性巻掛紐021である。ここでは硬度約40度の円形断面の飴ゴムの巻掛紐を使用するものとして説明する。ただし、硬度と断面形状と材質はこの例に限らない。これらの要因は巻きループがループ転動できる条件を満たせば良い。ループ転動できる条件は転動させる方法と弾性巻掛紐の特性によって変化するものであり、一概に数値で定められるものではない。
ここでは直径6mm程度の結束部分で直径2mm程度の弾性巻掛紐021を使用するものとして説明する。ただし、弾性巻掛紐021の太さは被結束材の寸法や目的により変えるものである。
弾性巻掛紐021はボビン139から供給し、紐の耳ホルダー514を通し、巻きかけディスク131の紐の尾ハンドラー515で端を把持する。
紐の耳ホルダー514は弾性巻掛紐021を押さえる図示しない機構を内蔵し、ホールド解除アクチェータ519を押すと保持が解除される。ホールド解除アクチェータ519は始点側の停止面513に当てる例で図示した
紐の尾ハンドラー515は強い板バネで端が巻きかけディスク131に固定されている。把持は弾性巻掛紐021が伸びて被結束材001に巻きつく時に巻掛紐の尾が抜けない強さとする。
紐の尾ハンドラー515の略中間にはハンドラーアクチェーター516がある。
ハンドラーアクチェーター516は固定フレーム510のカム517により突出して紐の尾ハンドラー515を巻きかけディスク131から押し上げ、巻掛紐の耳はその間隙に簡単に挿入できる。
カム517は移動フレーム505が始点近傍に位置する状態でのみハンドラーアクチェーター516を押すように位置形状を定める。
移動フレーム505が終点近傍に位置する状態ではカム518が同様の働きをし、結束の完了した巻掛紐の尾を開放する。巻掛紐の尾を開放すると、弾性巻掛紐021は巻きかけで伸びた状態であるから、紐の尾ハンドラー515から抜ける。
この例では、移動フレーム505が終点から始点に戻るときには巻きかけディスク131は逆回転するが、巻掛紐の尾は紐の尾ハンドラー515から外れているので結束を解くことはない。
なお、ここでは紐の尾ハンドラー515を簡単明瞭なこの機構例で説明したが、この機構や構造に限るものではない。
また、移動フレーム505が終点から始点に戻るときには巻きかけディスク131が回転しないようなワンウェイの機構を組み込むこともできることは言うまでもない。
被結束材001は移動フレーム505に高さの調整が可能なように取り付けられたテーブル313に載せることが出来る。被結束材001の被結束部分は結束台506の巻きかけディスク131の略中心に載せる。被結束材001は馬蹄形の巻きかけディスク131の切り欠きである開口から挿入できる。従って被結束材001は長尺やリング形状のものでも挿入して結束できる。
巻きかけディスク131の上部は幅の狭いカバー520で覆われているだけなので、被結束材001は左右の手指で持つことができる。
結束台506には位置調整可能な定規521があり、被結束材001の位置を決めることができる。
移動フレーム505が始点位置にあり、弾性巻掛紐021が紐の耳ホルダー514を通過し、巻掛紐の尾が紐の尾ハンドラー515に挿入された状態で、両手でつまんだ被結束材001をセットする。
そのまま被結束材001を押すと移動フレーム505が(a)(b)図の左に移動を開始する。
移動フレーム505が少し移動すると、巻きかけディスク131が反時計回りに少し回転し、ハンドラーアクチェーター516はカム517から外れ、紐の尾ハンドラー515が巻掛紐の尾をしっかりと保持する。また、紐の耳ホルダー514の始点側の停止面513に当っていたホールド解除アクチェータ519が解除され、巻掛紐の耳が保持される。
移動フレーム505をさらに移動すると、巻掛紐の尾は伸びながら被結束材001に巻きつく。この例では巻掛紐の耳に近接した3つの巻きループを形成する。
移動フレーム505が終点に近づくと、結束台506の切り欠き507に転動台522が入る。転動台522の先端は傾斜部を有し、被結束材001は引っ掛かることなく、転動台522の上に載る。
一方、転動台522に対向して傾斜部を有したループ押え523があり、被結束材001の上に入る。転動台522とループ押え523の間隙は予め被結束材001の結束部分の大きさに合わせて図示しない方法で調整しておく。
弾性巻掛紐の耳と弾性巻掛紐の尾は把持された状態で、弾性巻掛紐には張力がかかり、巻きループは形状が保たれている。これはループ形状の維持手段の一例である。
(a)(b)(c)は、転動の時に被結束材001が巻掛紐の耳と反対方向に少し移動する例である。
転動台522とループ押え523は巻掛紐の耳と巻きループよりテーブル313の側((a)図で手前)に入る。従って被結束材001が巻掛紐の耳と反対方向(テーブル313の側)に少し移動すると、巻きループは転動台522とループ押え523に引っ掛かり、巻きループが巻掛紐の耳の方にループ転動する。
このとき、巻きループが転動台522とループ押え523の間に潜ると、巻きループの外周に摩擦抵抗がかかり、巻きループの転動がより容易になる。転動台522の角とループ押え523の角はそれをガイドする面取りなどの工夫を施しておくと、さらに好ましい。
移動フレーム505が終点に近づくと、カム524がレバー525に当る。
レバー525は押さえレバー526と図示しない軸で連結しており、押さえレバー526は図示しない弱いバネで上がった状態にある。
一方、レバー525と押さえレバー526は図示しない強いバネで軸方向に押されている。軸方向に押されているというのは、(a)図の上方向、(b)図の奥方向である。
カム524がレバー525に当ると押さえレバー526が下降し、転動台522に乗った被結束材001の結束部分の近傍を押える。
被結束材001の結束部分の近傍を押えた押さえレバー526は、カム524により軸方向に移動する。ここでは、(a)図の下方向、(b)図の手前方向である。押さえレバー526は強いバネに抗する力で更に強く被結束材001の結束部分の近傍を押える。
押さえレバー526の先端は滑り止めのギザギザなどを有し、被結束材001は転動台522の上でテーブル313の方向に僅かにループ差動(段落[0037])する。
被結束材001のループ差動で、巻きループは転動台522とループ押え523に引っ掛かり、さらに転動台522とループ押え523の間に潜り、巻きループが巻掛紐の耳の方にループ転動して巻掛紐の耳に重なった巻きループと締めループとなり結束が完了する。この例では転動台522とループ押え523がループ止め(段落[0036])である。
このようにして転動結束するとほぼ同時に、紐の尾ハンドラー515がカム518により開き、巻掛紐の尾は巻きかけディスク131から外れる。
移動フレーム505を始点に戻し、被結束材001を手前に引き出す。この時、紐の耳ホルダー514はホールド解除アクチェータ519が効いているので、弾性巻掛紐021はボビン139から供給される。
被結束材001に連結した弾性巻掛紐021はカッター527に挿入すると切断される。同時に新しい巻掛紐の耳が紐の尾ハンドラー515と巻きかけディスク131の隙間に挿入される。これが前に述べた初期状態である。
カッター527はここでは2枚の薄刃をV字状に組み合わせた例で示した。(c)では紐の尾ハンドラー515が図示できるように横に参考的に形状を図示し、取付位置は矢印で示した。なお、カッターはこの方法に限定するものではない。
ここでは、移動フレーム505を始点に戻してから被結束材001を取り出すように説明したが、終点位置で取り出しても良い。この時はホールド解除アクチェータ519は終点でも効くようにする。また、移動フレーム505を手動で始点に戻すように説明したが、バネなどで戻るようにしても良い。
その他の部分も、機構的にはここで説明した以外の様々な設計が可能である。実施例6は転動結束が簡単な機構で実現可能であることを説明しているものである。
段落[0185]に説明したように、巻きかけディスク131もディスク巻きかけ手段の一つである。
転動機構の別な方法を合わせて説明する。
(d1)はその機構の主要部を表す。
この例では、巻きループは被結束材001に直接巻くのではなく、被結束材001と近接巻掛部材である挟み部材528を一緒に巻く。そして巻きループの移動をループ止め529と結束台506で止めて、挟み部材528を引き抜く。これは段落[0023]に定義した部材込みループ転動の例である。引き抜く動作がループ差動(段落[0037])である。
巻きループは挟み部材528の上で部材込みループ転動して巻掛紐の耳に重なった巻きループと拘束ループとなり、被結束材001の上に落下する。巻掛紐には弾性があるので結束はそのまま落下して締まり被結束材が結束される。
(d1)(d2)のように、挟みレバー530は移動ブロック531の支点を中心に遥動できる。挟みレバー530には図示しない弱いバネで上昇方向の力をかける。
ループ止めレバー532は結束台506の固定の支点を中心に遥動できる。ループ止めレバー532には図示しない強いバネで下降方向の力を加える。ループ止めレバー532は軸でレバー533と連結している。
ループ止めレバー532のループ止め529は挟み部材528を押す位置で、結束台506の切り欠き507の結束部に対向した位置、すなわち巻きかけディスク131の側面の位置にある。
ループ止めレバー532が挟みレバー530を押し下げて上の挟み部材528が下の挟み部材528に当る位置が被結束材が無い場合の常態である。
移動フレーム505が始点位置にあるとき、レバー533は(d1)には図示していない固定フレーム510に固定したピン534により傾斜し、ループ止めレバー532と挟みレバー530は上昇位置となる。これが初期状態で、被結束材001を挿入することが出来る。
移動フレーム505が押されて少し移動すると、ループ止めレバー532と挟みレバー530が下降して、被結束材001は2つの挟み部材528で挟まれる。
巻きかけディスク131が回転すると、巻掛紐の尾は2つの挟み部材528と被結束材001に巻きループを作る。
(d2)に示したように、上下の挟み部材528は両端が薄くなったブロックで、下の挟み部材528は結束台506の穴535でスライドできる。
移動ブロック531も結束台506の穴536でスライドできる。
下の挟み部材528と移動ブロック531は結束台506の下面で連結材537で連結されている。連結材537の下にはピン538が固定されている。
下の挟み部材528と移動ブロック531と連結材537とピン538の一体は図示しないバネで図の手前に押されている。
移動フレーム505が終点に近づくと、ここには図示していない固定フレーム510に固定したカム539がピン538に当る。ただし、カム539は図示しやすいように始点位置に近接した仮の位置に描いてある。ピン538の動きに伴い下の挟み部材528と移動ブロック531と連結材537とピン538の一体は図の奥に少し移動する。従って、下の挟み部材528と挟みレバーと上の挟み部材528が図の奥に少しループ差動する。
2つの挟み部材528を巻いた巻きループはループ止め529と結束台506がループ止めとなり、巻きループは挟み部材528の上で部材込みループ転動して、挟み部材528の端から被結束材001の上に落下する。
巻きループがループ止めに潜るようにループ止めの形状を工夫すると、巻きループの外周に摩擦力がかかり、ループ転動が容易となって好ましい。
これの動作の関係を(d3)に図示した。
(a)(b)(c)では紐の耳ホルダー514を図の奥に位置する例で描いた。従って巻掛紐の耳はテーブル313と反対側にあり、図例の被結束材001では袋の口の側にある。ループ転動方向も袋の口の方向である。
(d1)(d2)(d3)では紐の耳ホルダー514はテーブル313の側の下方にあるように描いた。従って巻掛紐の耳はテーブル313側にあり、図例の被結束材001では袋の口の反対側にある。ループ転動方向も袋の口の反対方向である。
前記したが、転動結束では巻きループは必ずしも巻掛紐の耳を押えるように形成しなくても良い。巻きループはループ転動により巻掛紐の耳に重なり、さらにループ転動することで、一部が締めループとなる。従ってこの事例では巻きかけ移動は行っていない。
この事例では完全な手動装置として説明したが、動力装置として設計可能な事は言うまでもない。
弾性巻掛紐はボビンに巻いた均一断面の長い巻掛紐として説明したが、前に説明した断面の変化する巻掛紐を縦に連結した長い巻掛紐とすることも出来るし、横に連結したシート状のものとすることも出来る。また、それらを自動供給する機構を組み込むこともできる。それらの機構は既存の様々な技術を利用できる。
あるいは単体の弾性巻掛紐を手で供給して巻掛紐の耳と巻掛紐の尾を装着すれば、巻掛紐の供給手段や切断手段は不要となる。被結束材を手で保持すれば、被結束材の支持手段も不要である。
被結束材を手で引くループ差動でループ転動させることも出来る。この時は、ループ差動手段は不用で、ループ止めがあれば良い。ループ止めは巻きループに隣接するスリット状の固定部材でも用が足りる。ループ転動してから被結束材をスリット沿いに引き出せば良い。
あるいはもう少し気の利いたループ留めとして、少しループ転動したらループ止めから抜けるようにすればさらに良い。例えば、ループ止めは弾性と摩擦のある一定の厚さの部材で、ループがループ止めを無理に通過しようとする時にループに摩擦抵抗を与え、その力のモーメントでループはループ転動し、そのまま結束部分はループ止めを抜けるようにする。こうすれば、被結束材を手で引きぬくだけで、転動結束できる。
この実施例で使用した図での装置のフレームの大きさは、幅180mm、奥行き464mm、高さ170mm程度のコンパクトな装置である。
巻きかけディスクの直径は80mm、穴は50mmとした。
弾性巻掛紐の太さは3mm程度までとした。
被結束材の結束部の直径は10mm程度までとした。
移動フレームのストロークは略151mmとした。
結束の速度は1〜2秒程度とした。
もちろんこれ以外のパラメータで設計が可能なことは言うまでも無い。
転動結束は密封性も高く、見栄えも良く、解き易く、再利用性も高い、優れた結束方法である。
転動結束装置は簡潔な装置とできる。いかに簡潔な装置かは、特許文献9のノッタービル形式の結束装置の図の2、3など、魚網用結束装置に由来した特許文献11の結束装置の図の1、2、3など、と比較すると明らかである。機構と動きが簡単なので、必要な動力も小さい。
頻繁に開け閉めをする袋のような用途に便利である。
本発明は、袋の口や線材などを結束する産業で利用できる。
本発明は、結束の新しい材料を提供する産業で利用できる。
本発明は、物品を結着する産業で利用できる。
001 被結束材
005 弾性巻掛紐の耳
006 弾性巻掛紐の尾
008 巻きループ
010 締めループ
021 弾性巻掛紐
022 ループ転動
121 巻きかけ部材
122 歯車伝動装置
123 大歯車
124 小歯車
125 玉巻き
126 張力付加部材
127 フレーム
131 巻き掛けディスク
132 ディスクフレーム
133 ディスク歯車
134 歯車
135 穴
151 開口
153 コロ
154 駆動大歯車
158 保持装置
159 把持部材
160 把持部材
161 把持レバー
162 把持解放ピン
501 ピニオン
502 駆動歯車
503 ピニオン
504 ラック
505 移動フレーム
506 結束台
507 切り欠き
508 縦ガイドコロ
509 横ガイドコロ
510 固定フレーム
511 ガイド
512 当て板
513 停止面
514 紐の耳ホルダー
515 紐の尾ハンドラー
516 ハンドラーアクチェーター
517 カム
518 カム
519 ホールド解除アクチェータ
520 カバー
521 定規
522 転動台
523 ループ押え
524 カム
525 レバー
526 押さえレバー
527 カッター
528 挟み部材
529 ループ止め
530 挟みレバー
531 移動ブロック
532 ループ止めレバー
533 レバー
534 ピン
535 穴
536 穴
537 連結材
538 ピン
539 カム

Claims (7)

  1. 弾性巻掛紐の耳を保持し、弾性巻掛紐の尾に張力をかけて被結束材に巻きかけ、2つ以上の巻きループを作成し、ループ形状を維持し、巻きループをループ転動し、ループ転動は少なくとも弾性巻掛紐の耳および弾性巻掛紐の尾が締めループに押さえられる状態になるまで行う、ことを特徴とする転動結束の方法。
  2. 弾性巻掛紐の耳の側の伸びが大きく、弾性巻掛紐の尾の側の伸びが小さくなるようにした、請求項1に記載の転動結束で使用する不均弾性巻掛紐。
  3. 弾性巻掛紐の耳の側の断面が小さく、弾性巻掛紐の尾の側の断面が大きくなるようにした、請求項1に記載の転動結束で使用する漸増弾性巻掛紐。
  4. 請求項2に記載の不均弾性巻掛紐または請求項3に記載の漸増弾性巻掛紐を弱いブリッジで連結して長い紐状またはシート状とした、請求項1に記載の転動結束で使用する弾性巻掛紐。
  5. 弾性巻掛紐が被結束材と並列するように被結束材に取り付けるダッコ部位を持つ、請求項1に記載の転動結束で使用するダッコ弾性巻掛紐。
  6. 弾性巻掛紐の耳または弾性巻掛紐の尾が袋の口の方向となるように弾性巻掛紐の耳を袋の口の近くに固定した、請求項1に記載の転動結束で使用する弾性巻掛紐。
  7. 弾性巻掛紐の耳の保持手段と、弾性巻掛紐の尾の巻きかけ手段と、ループ形状の維持手段と、ループ止め手段を備え、弾性巻掛紐の耳と弾性巻掛紐の尾をそれぞれ保持手段と巻きかけ手段にセットし、被結束材を巻きかけ部位に位置させ、少なくとも締めループで保持されるまでは弾性巻掛紐の耳を保持手段で保持し、弾性巻掛紐の尾に張力を与えて、巻きかけ手段により被結束材およびまたは近接巻掛部材に巻きかけて2つ以上の巻きループを作り、ループ形状の維持手段でループ形状を維持し、ループ止め手段で巻きループに抵抗を与え、被結束材およびまたは近接巻掛部材をループ差動して巻きループをループ転動し、ループ転動は少なくとも弾性巻掛紐の耳が締めループで押さえられかつ弾性巻掛紐の尾が締めループで押さえられる状態になるまで行う、ことを特徴とする、請求項1に記載の転動結束方法による転動結束装置。
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