JP2016120969A - 紐結束 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワンタッチで結束でき、ワンタッチの解き易さで、廉価で、美観もあり、人手でも結束が可能であり、再使用と転用が可能であり、高い密封性を持ち、結束強度も強く、耐久性も高く、収納性が良く、小サイズで、ループ状や長尺の被結束材にも使え、結束装置が簡単であり、被結束材が汚れず、結束位置がずれず、様々な強度と解き易さと形状のバリエーションが可能な、新しい結束方法と装置を提供する。【解決手段】巻掛紐を被結束材に巻きかけ、巻掛紐の耳を巻きループで押さえるようにし、浮きループを巻掛紐の尾である巻きループを越すようにループシフトし、巻掛紐の耳または尾を引き締めて浮きループを締めループとし、この締めループは少なくとも巻掛紐の尾を押さえ、各種の締めループが拘束ループを押さえるようにすることで結束を強化することも可能な、結束方法である。これらの動作手段を持つ結束装置である。【選択図】 図7

Description

本発明は、袋口部や線材束などの紐結束の方法と道具と装置に関するものである。
結びは、結節・結合・結着・結束・結縮・紋様の6つに分類(非特許文献1の9〜15ページ)(非特許文献2の8ページ)されるが、本発明は結束に関するものであり、結着へも利用できる。すなわち、紐だけで結ぶ結節・結合・結縮・紋様ではなく、紐で物体を結ぶことに関する。
袋口部の結束で常用されている方法の1つは、袋口部に紐を巻きつけて、両端同士を結ぶ方法TB1である。
2つは、輪ゴムを伸ばして袋口部に複数回数通して巻きつける方法TB2である。
3つは、粘着テープを袋口部に複数回巻きつける方法TB3である。
4つは、粘着テープを袋口部に1回巻きとし、テープの両端の粘着面同士を貼り付ける方法TB4である。
5つは、針金芯の入った細い合成樹脂テープを袋口部に1回以上巻きつけて、テープ両端を一緒に複数回捻り固定する方法TB5である。
6つは、包装用プラスチック製袋口止め具を袋口部に押し組む方法TB6である。
7つは、包装用プラスチック製袋口止め具を袋口部に巻き、両端を重ねて熱溶着等する方法TB7である。
図1にその例を羅列した。
線材束などの結束で常用されている方法の1つは、被結束材に紐を巻きつけて、両端同士を結ぶ方法TW1である。
2つは、輪ゴムを伸ばして被結束材の端から複数回数通して巻きつける方法TW2である。
3つは、粘着テープを被結束材に複数回巻きつける方法TW3である。
4つは、針金芯の入った細い合成樹脂テープを被結束材に1回以上巻きつけて、テープ両端を一緒に複数回捻り固定する方法TW4である。
5つは、PPバンドを被結束材に巻き、両端を熱溶着するか専用のストッパーを使用する方法TW5である。
6つは、合成樹脂製のケーブル結束用バンドを被結束材に巻き、一端を他端の保持部の穴に通し、ラチェットで緩みを防止して締め上げる方法TW6である。
7つは、多数の爪のついたプラスチックの帯を被結束材に巻き、一端を他端の保持部の穴に通し、爪の引っ掛かりで緩みを防止して締め上げる方法TW7である。プラスチックの帯に限らず、また爪形状に限らず、保持部と帯部が一体に限らず、各種の形状で引っ掛かりを作った類似の方法は色々ある。
8つは、やじり状の留め具部位を持つ太目の輪ゴムを被結束材に巻き、留め具を輪ゴムの一方に通す方法TW8である。輪ゴムに限らずループ状にしたゴム紐の端に玉をつけるなど、輪に通して引っ掛ける類似の方法は色々ある。
9つは、フックとループを備えた支持体からなる面ファスナーを被結束材に巻く方法TW9である。
10は、リング状の構造物に被結束材をはめるような方法TW10である。各種の形状がある。
図2にTW8を除いてその例を羅列した。
方法TB1(結び)は手作業または結束機械で行われる。手作業では手間がかかる。機械は大掛かりな装置となる。結ぶ方法によっては、解くのは簡単で、長さがあれば手作業による紐の再使用も可能である。密封性はまあまあである。費用は紐の質により色々である。
方法TB2(輪ゴム)は一般に手作業である。結束には手間がかかる。端が分からなくなると解くにも手間がかかり、解き方がまずいと再使用できない場合もある。密封性は良い。費用は1本が略0.3円である。
方法TB3(テープ巻き)は一般に手作業である。結束には手間がかかる。解くのは面倒で、鋏などで袋口を切断するのが手っ取り早い。再使用はまず出来ない。密封性はまあまあである。費用は安い。
特許文献1〜6は方法TB4(テープ)に関する例である。身近には野菜や菓子類などの袋に使用されている。手作業でも可能であるが、一般には専用の装置を使用する。解くのは困難である。解き易くするための工夫が提案されているが普及していない。一般にテープまたは袋口の鋏などによる切断が必要である。再使用はできない。密封性はまあまあである。消耗品の費用は50mmあたり0.1〜0.2円以上である。
方法TB5(針金)に関しては各方面から商品が発売され、小奇麗であり、使用範囲も広い。手作業が可能である。機械でも結束できる。手作業でも比較的簡単に結束できるが、ワンタッチという程の簡便さでは無い。解くのも簡単であるが、ワンタッチという程の簡便さでは無い。捻り方向を目で確認してから解かないと更に捻り込んでしまうこととなる。視力が衰えているとこのようなミスが多い。再使用は可能であるが、癖を取らないと美観が損なわれる。密封性はまあまあである。費用は100mmで0.7〜0.9円である。
方法TB6は、バッグ・クロージャーやBread Clipとも言い、身近には食パンなどの袋を閉じるのに使用されている。初回は機械装置で結束される。解くのは簡単である。再結束も簡単である。密封性は悪い。従って一般には袋自体のヒートシールと併用されており、開封後に再び袋口を閉じるために付属している。厚めのプラスチックだが、使用後は廃棄されることが多く、環境保護の観点からは好ましくない。価格が非公開のために費用は不詳である。
方法TB7(プラスチック溶着)は、身近には野菜などの袋に使用されている。手作業は出来ない。専用の装置を使用する。解くのは困難であるが引き抜くことはできる。または袋口を鋏などで切断する。再使用はできない。密封性は良くはない。費用は不詳である。
方法TB7でも最近は溶着ではなくポンチで止めたものも出ている。この場合はポンチで噛んだ部分を外すことでも解くことができる。
その他、アイディアとしては特許文献7のように色々あるが、大半の特許願はみなし取下げとなっており、市場で見られるものはほとんど無い。
方法TW1(結び)は手作業または結束機械で行われる。手作業では手間がかかる。機械は大掛かりな装置となる。結ぶ方法によっては、解くのは簡単で、長さがあれば手作業による紐の再使用も可能である。ループ状や長尺の被結束物にも使用できる。結束強度は高い。費用は紐の質により色々である。普通は2箇所以上結束する。
方法TW2(輪ゴム)は一般に手作業である。軽量物の簡易結束で使用される。結束には手間がかかる。解くのは袋口の時ほどではないが、端が分からなくなると解くにも手間がかかる。解き方がまずいと再使用できない場合もある。ループ状や長尺の被結束物には使用できない。細いものでは結束強度は低い。費用は1本が略0.3円以上で、太いものは価格も高い。
方法TW3(テープ巻き)は一般に手作業である。ビニール粘着テープを使用することが多い。結束の手間はさほどではない。ビニール粘着テープを使用している場合は、解くのは手間ではない。再使用はあまりできない。ループ状や長尺の被結束物にも使用できる。結束強度は普通である。費用は1箇所で200mmとして1〜2円である。普通は2箇所以上結束する。粘着材で被結束物が汚れる問題がある。
方法TW4(針金)は、身近には家電のコードなど軽量物の結束に使われている。手作業が可能である。機械でも結束できる。手作業でも比較的簡単に結束できるが、ワンタッチという程の簡便さでは無い。解くのも簡単であるが、ワンタッチという程の簡便さでは無い。捻り方向を目で確認してから解かないと更に捻り込んでしまうこととなる。視力が衰えているとこのようなミスが多い。再使用は可能であるが、癖を取らないと汚く見える。結束強度は弱い。費用は100mmで0.7〜0.9円である。
方法TW5(PPバンド)は、専用のストッパーを使用する場合は手作業も可能であるが、専用の装置を用いることが多い。溶着したものは鋏で切断して解く。バンドは一般に再使用しない。ループ状や長尺の被結束物にも使用できる。結束強度は高い。費用はバンドが100mmとして略0.2円、専用ストッパーが1個略2円である。普通は2箇所以上結束する。
方法TW6(ラチェット)は一般に手作業である。電気工事などで多用される。結束は簡単である。解くには普通は切断するしかない。再使用はできない。ループ状や長尺の被結束物にも使用できる。結束強度は高い。費用は高く、100本入り程度では安いものでも一本略7円の費用がかかる。
方法TW7(引掻け)は一般に手作業である。コードの収納結束などに使われる。結束は比較的簡単である。解くのも比較的簡単である。再使用を目的としたものである。ループ状や長尺の被結束物にも使用できる。結束強度は弱い。商品と入り数にもよるが、1個70円程度のものがある。紛失防止のために端をコードなどに巻きつけて固定するものが多い。
特許文献8は方法TW8(特殊輪ゴムなど)の意匠登録である。コードの結束などに使われる。結束は比較的簡単である。解くのも比較的簡単である。再使用できる。ループ状や長尺の被結束物にも使用できる。結束強度は弱い。費用は1本4円見当と見積もられる。
方法TW9(面ファスナー)は一般に手作業である。コードの結束などに使われる。結束は簡単である。解くのも簡単である。再使用を目的としたものである。ループ状や長尺の被結束物にも使用できる。結束強度は普通である。200mmあたりの費用は50〜70円かかる。
方法TW10(構造物)は一般に手作業である。各種の形状がある。結束は一般に簡単である。解くのは簡単な物とそうでない物がある。再使用するものもしないものもある。ループ状や長尺の被結束物にも使用できる。一般にツイストタイプのように解きやすいものの結束強度は弱く、解き難いものは結束強度が強い。価格はツイストタイプ1個17円など、色々である。
再使用可能な結束では、結束材の保管や収納の問題もある。被結束材から分離する結束材は、使用しない間はどこかに保管する必要がある。ともすれば、紛失したり、探すのに手間取ることも多い。方法TB5(針金)やTB6(バッグ・クロージャー)やTW4(針金)やTW8(特殊輪ゴムなど)やTW10(構造物)がその例である。被結束材につけたままとできる結束材は、例えばコードバンドなど直角に長く張り出すものが多く、見栄えも悪いし、邪魔にもなる。方法TW7(引掻け)やTW9(面ファスナー)がその例である。
結束状態での形態も問題となる。たとえ簡単に着脱できる結束であっても、被結束材から張り出したり、ボリュームの大きな結束形態であると、使用時や収納時に邪魔である。方法TW8(特殊輪ゴムなど)やTW9(面ファスナー)やTW10(構造物)にその例がある。
結束をしない収納密閉袋には、袋口にチャックをつけたものがある。
チャック袋は、密閉性が良く、比較的に閉口作業がやり易く、収納形態が平な矩形で小奇麗であるという利点がある。しかし、チャックの溝に粉が入って閉める前に取り除く必用があったり、チャックの噛み合わせがスムースに行かずに手間取ることがある、などの不具合もある。
チャック袋に替わるような、密閉性の良いワンタッチ結束は未だ見当たらない。
昔から多用されている紐またはゴム紐に結び目を作る機構にノッタービル形式がある。特許文献9の段落[0009]にその動作が詳しく説明されている。色々な機能材が関連しながら結び目を作っているが、なかなか複雑な機構である。
紐またはゴム紐の結束に関する先願特許にはこのノッタービル形式が非常に多いが、その他では、輪ゴムを使うもの、ゴム紐をカシメ金具で止めるもの、手結びの動作を機構化したものなど300件ほど見受けられる。
その中で異色の発明は特許文献11である。糸掛けで被結束材から浮かせた複数の輪を作り、浮いた糸掛けの部分に爪体を通して紐をつかんで引込み、糸掛けを抜き、輪を糸ガイドに落とし、紐を締め、糸ガイドを抜き、さらに紐を締めるという動作を行わせている。紐を締めるのには糸掛けと糸ガイドの退避動作を利用する。機構が簡単とはいうものの、前進後退の動作や付属装置が多く伴うので特許文献11の図の1,2,4を見ると分かるように複雑な装置となっている。この起源となった特許文献12を見ると分かるように、元々は刺網を形成する網とロープを結束するための魚網用結束装置の構成に関する発明である。複数の紐やロープを長手方向に平行に配置して結束する用途では問題にならないであろうが、機構の性格上で輪を作る位置と締結位置にはズレが生じる。例えば糸掛けを半径5mm程度の円弧と小さく見積もっても、浮いた3つの輪を締め上げるのには45mm以上のストロークが必用である。このストロークは輪を作る位置と締結位置のズレとなる。このズレは本発明が主目的とする袋口などの結束には大きすぎて使用できない。また退避に要する領域が大きくて内容物の入った袋などの膨らんだ被結束材には不都合である。ズレを生じさせないための改良は可能であろうが、装置の複雑さが増すことは避けられない。
特許文献11の図の26を見て分かるとおり、この結束結果はロープの端止めであるコモン・ホイッピングやセーラー・ホイッピングやアメリカン・ホイッピング(非特許文献2の93、94ページ)(非特許文献1の212ページ)とほぼ同じであり、茶瓶の把手結び(非特許文献2の79ページ)やスカウト・コイルの棒結び(非特許文献2の79ページ)と類似である。
この発明は、以上に類似した結束に至る手順を機構化した部分に特徴がある。
特許文献14も網とロープの結束の発明である。
ロープに沿わせた仕立糸を結束回転コマですくい上げて輪を作り、輪の足元を糸繰り棒ですくってもう一つの輪を作り、最初の輪をロープと網の上端部と仕立糸を合わせた部分に数回巻き付け、最初の輪を後の輪に通して、仕立糸を引いて、後の輪で最初の輪を締めて止めている。
この結束は、巻きつける糸が2重であることを除けば、茶瓶の把手結び(非特許文献2の79ページ)やスカウト・コイルの棒結び(非特許文献2の79ページ)と同じであり、コモン・ホイッピングやセーラー・ホイッピングやアメリカン・ホイッピング(非特許文献2の93、94ページ)(非特許文献1の212ページ)と類似である。
この発明は、ロープに沿わせた仕立糸であるという特徴を上手く利用して機構化したもので、以上の結束に至る手順を機構化した部分に特徴がある。
ただし、機構は原理のみが開示されているだけで、再現できるだけの詳細な説明はなされていない。
特開2010-58807号公報 実用新案登録第3124891号公報 特開2006-16104号公報 特許4139162号公報 特開2003-335307号公報 特許3906972号公報 実用新案登録第3075473号公報 意匠登録第1230403号公報 特許2721091号公報 特開S48-93499号公報 特許3970989号公報 特開H09-280402号公報 特開S48-93499号公報 特開H06-62709号公報
おほつき四郎編著「なわ(ロープ・紐・糸)結び」(株)総合科学出版 1976年 杉浦昭典著「ロープの結び方」海文堂 昭和49年
袋口部や線材束などの結束では、下記が主な課題である。
A.結束し易い。
B.解き易い。
C.費用が安い。
D.外観が美しい。
E.人手での結束が可能である。
F.再使用や転用ができる。
G.密封性が良い。
H.結束強度が高い。
I.耐久性がある。
J.収納性が良い。
K.サイズが小さい。
L.ループ状や長尺の被結束材が結束できる。
M.結束装置の機構が簡単である。
N.被結束材が汚れない。
O.結束の位置がずれない。
P.目的に応じて、色々な強度と解きやすさの結束が可能である。
背景技術で述べたように、既存の各種の結束方法は、これらの課題に照らして一長一短である。
本発明は、ワンタッチに近い結束、ワンタッチの解き、安い費用、美観もあり、人手でも結束可能、再使用と転用が可能、高い密封性、結束強度も強く、耐久性も高く、収納性が良く、小サイズで、ループ状や長尺の被結束材にも使え、結束装置が簡単でコンパクトであり、被結束材が汚れることはなく、結束位置がずれない、色々なバリエーションが可能な、新しい結束方法と装置を提供する。
本発明の前記ならびに他の目的と新規な特徴は以下の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
図面に付す符号は、共通の部材・動作・位置・機能などには同一の符号を付す場合もある。明らかな場合には重複する説明や図形や符号の図示を省略する場合もある。
ただし、図面はもっぱら解説のためであって、本発明の記述的範囲を限定するものではない。
以下この文書では、煩雑な記述を簡素な記述とするために、多用する部位や機能などについて、下記のように記述する。
また、複雑な内容を正確に記述しようとすると、羅列的な表現が多くなり、羅列的であると「係り受け」が明確でない、との指摘も受けるので、羅列的な表現の部分には敢えて「句点」を多用し、構成単位と関係が分かりやすいように、文章を区切ったところがある。標準語としては、句点の位置が標準的でない、との印象もうけることもあるだろうが、明らかに分かりやすくなるので、正確を期す部分では、そのような表現方法とした。
例えば、「○○した△△と■■を◎◎する」を、「○○した△△と、■■、を◎◎する」、と記すと係り受けはより明確である。あるいは「○○した△△と、○○した■■、を◎◎する」、と記述すると、「○○した」が2つの構成単位に係ることが明確である。これと同等の表現は、「○○した、△△と■■、を◎◎する」、あるいは「○○した、△△と、■■、を◎◎する」、とすることもある。
袋や線材束など、結束される部材を「被結束材」と記述する。
本発明の結束材を「巻掛紐」と記述する。ただし、巻掛紐は細めで丸い紐と限るわけではなく、糸やロープなどを除外するものでもない。
巻掛紐を被結束材の周りに巻くことを「巻きかけ」と記述する。
巻きかけは、巻掛紐の始まりの一端の位置を被結束材に対して略一定にし、巻掛紐の他端側を、持ったり、摩擦力を掛けたり、単にガイドしたりしながら、被結束材の周りを相対的に回すと良い。相対的に回すのであるから、巻掛紐の巻きつけ側を回す場合と、被結束材を回す場合と、両方を回す場合がある。
巻きかけは、被結束材に密着させるものとは限らない。巻きかけに於いては、巻掛紐には常に強い張力を掛けるとは限らず、巻掛紐を緩める場合もある。
巻掛紐を被結束材に巻きかけた部分を「ループ」と記述する。
ループは完全な輪だけでなく、UやJの字のような円弧状のものも含む。
ループとループの境界はどちらのループに属するか、は明確にできない場合がある。このような場合は、どちらかのループで説明するか、ループとループの境界と記して説明する場合がある。
被結束材に略密着したループを「巻きループ」と記述する。
略密着であるから、必ずしも強い張力で締めあがったループに限るものではなく、緩めに巻きついたループである場合もある。
張力とは、巻掛紐が若干なりとも伸びて内部応力が発生して、被結束材などから受けるループを広げようとする外力に対抗するものである。
しかし、被結束材は、必ずしも外に広がる力を持つものであるわけではなく、例え広がる力を持っていても、広がる範囲は限定されたものであるのが一般的である。
従って、被結束材に軽く沿うように巻きかけたループも、一度巻きかけると、特別の外力がかからない限り、その巻きループの形態は保つものである。
従って巻きループには、張力をかけないで緩く巻いたループも含まれる。
被結束材から、移動できる程度に、浮いたループを、「浮きループ」と記述する。
ここでの移動とは、被結束材を円柱と仮定したときの、軸方向の移動であり、ループの先端の移動であり、近傍の巻きループを越える程度の移動である。
ここでは、浮いたというのは、上方に支えられて浮いたものとは限らず、移動できる程度に大きく広げたループを、被結束材にもたれるように巻いた状態も、浮いた、と称す。移動できる程度に大きく広げて、下に垂らして巻いた状態も、浮いた、とみなす。
浮きループの浮きと反対の側は、被結束材に略密着した状態になるのが普通である。この略密着した部分は、前または後につながっている巻きループの一部、とみなす方が分かりやすい。
浮きループが始まる近傍と、浮きループが終わる近傍、の巻掛紐の部位を、「浮きループの根」と記述する。
結束にかかわる巻掛紐の部分で、最初の部分の近傍を「巻掛紐の耳」と記述する。
巻掛紐の耳は、本発明の結束の部位名称であり、巻掛紐の端部とは限らず、連続した巻掛紐の一部であることもある。
また、最初に形成されるループの始まりの近傍は、巻掛紐の耳である。
最初に無効なループを作り、結束の結果その部分が解けた場合、結束にかかわる巻掛紐の最初の部分の近傍は、巻掛紐の耳である。最初に結束としての意味の低いループを作っても、結束の主体が後のループから始まる場合は、結束の主体の最初に形成されたループの始まりの近傍が、巻掛紐の耳である。
結束にかかわる巻掛紐の部分で、巻きつける側を「巻掛紐の尾」と記述する。
巻掛紐の尾の終端近傍を特定する必要がある場合は、必用に応じて「巻掛紐の尾端」と記述する場合がある。
また、巻掛紐の尾の側の最端ループの終端近傍は、巻掛紐の尾端でもある。
巻掛紐の尾は、本発明の結束の部位名称であり、巻掛紐の端部とは限らず、連続した巻掛紐の一部であることもある。
以後、「巻掛紐の尾がループで押さえられる」、に類した表現を多用するが、「巻掛紐の尾端がループで押さえられる」、と表現することもできる。しかし、文意は明瞭であるので、本文書では、大半を、前の表現方法で記述することとする。
被結束材や、巻掛紐の耳や、既存のループや、補助部材や、指、などに対して巻きかけの位置を移動することを、「巻きかけ移動」と記述する。
ここでの位置とは、被結束材を円柱と仮定したときの、軸方向の位置であり、半径方向の位置、を意味するのではない。また、ここでの移動とは、相対的な移動であり、被結束材や、巻掛紐の耳や、既存のループや、補助部材や、指、などの位置が一定で、巻きかけの位置が移動する場合と 巻きかけの位置は一定で、被結束材や、巻掛紐の耳や、既存のループや、補助部材や、指、などが移動する場合と、その両方が移動する場合、とがある。さらに、ガイドなどの他の補助的な手段で、巻きかけの位置を動かす場合もある。
巻きかけの邪魔をしない位置にある浮きループの状態を、「ループオフ」と記述する。
ループオフは、相対的な位置関係であり、必ずしも、浮きループの移動をするわけではなく、巻きかけ移動により、ループオフした浮きループを作る場合や、浮きループを避けるように巻きかけ移動する場合、などを含む。
巻きループや、巻掛紐の耳や、巻掛紐の尾、にかぶせるように、浮きループを移動する動作を、「ループシフト」と記述する。
ループシフトは、相対的な移動動作であり、巻きループや、巻掛紐の耳や、巻掛紐の尾、の位置が一定で、かぶせる浮きループが移動する場合と、かぶせる浮きループの位置が一定で、巻きループや、巻掛紐の耳や、巻掛紐の尾、の位置が移動する場合と、その両方が移動する場合がある。
巻きループや、巻掛紐の耳や、巻掛紐の尾、にかぶせるように、浮きループを移動する装置、または移動を助する装置を、「シフター」と記述する。
巻掛紐の耳、または巻掛紐の尾、を引いて、浮きループを締める動作を、「引き締め」と記述する。
引き締めでは摩擦力が働くので、巻掛紐の摩擦係数はあまり大きくない方が望ましい。各種の糸や普通使いの紐の程度の摩擦係数ならば、引き締めに支障はない。
巻掛紐の耳、またはおよび巻きループ、に交差するように重ねて巻きかけたループであって、または、巻きループ、またはおよび巻掛紐の耳、またはおよび巻掛紐の尾、にかぶさるように、浮きループをループシフトして引き締めたループであって、巻掛紐の耳、またはおよび巻掛紐の尾、またはおよび巻きループを、その交差部分で、上から被結束材に向けて締めつけるループを、「締めループ」と記述する。例え、巻掛紐の耳や、巻きループ、に交差するように重ねて巻きかけたループが、最初は緩くても、途中で緩んでも、最後に締まるものであれば、締めループである。
巻きループに交差して重なるように、巻きかけ移動をして、締めループを作ると、交差された巻きループは、交差した締めループとの交差部分で、被結束材に向けて押さえられ、緩みが起こらないように拘束される。
巻きループにかぶさるように、浮きループをループシフトして引き締めると、浮きループは締めループとなり、かぶせられた巻きループは、締めループとの交差部分で、被結束材に向けて押さえられ、緩みが起こらないように拘束される。
このように、交差して重なった締めループとの交差部分で、被結束材に向けて押さえられたループを、「拘束ループ」と記述する。
締めループと拘束ループは、常に別のループである、とは限らない。1つのループが締めループであり、かつ拘束ループである、というループも存在する。このことは、後に具体例を挙げて説明している。
拘束ループは、その移動や緩みが起こり難くされたループである。
ある拘束ループは、次の拘束ループや、締めループや、巻きループ、につながっている。これらのループは、引き締めで強い張力となっている。
従って、拘束ループは、つながった拘束ループや、締めループや、巻きループ、の移動や緩みを、起こし難くしている。これらの関係が相互に働くことにより、本発明の結束が成り立つわけである。
巻掛紐の耳に交差して重なるように、巻きかけ移動をして、巻きループを作ると、交差した巻きループが締めループとなり、巻掛紐の耳は、その交差部分で、被結束材に向けて押さえられる。
巻掛紐の耳にかぶさるように、浮きループをループシフトして、引き締めると、浮きループは締めループとなり、かぶせられた巻掛紐の耳は、締めループとの交差部分で、被結束材に向けて押さえられる。
巻掛紐の尾端にかぶさるように、浮きループをループシフトして、引き締めると、浮きループは締めループとなり、巻掛紐の尾端は、締めループとの交差部分で、被結束材に向けて押さえらる。
巻掛紐の尾端にかぶさるように、浮きループがループシフトできる為には、浮きループの作成後に、少なくとも1つの巻きループを作る必要がある。
巻掛紐の尾の定義のところで、「巻掛紐の尾の側の最端ループの終端近傍は、巻掛紐の尾端でもある」、と記述とした。
巻掛紐の尾端にかぶせるように、浮きループをループシフトする、とは、浮きループの後に作成した、巻掛紐の尾端となる巻きループに、かぶせるようにループシフトすること、でもある。
このように、巻掛紐の耳および巻掛紐の尾端は、締めループによって、緩みが押さえられる。本発明の結束が、自然に端から緩んで解ける、ということはない。
巻掛紐には、引き締めで強い張力がかかる。
締めループにより、その交差部分で押さえられた巻掛紐の耳や、巻掛紐の尾は、動きが拘束されており、動きが止められた巻掛紐の耳や、動きが止められた巻掛紐の尾は、つながった締めループや、拘束ループや、巻きループ、の緩みや動きを止める。
締めループにより、その交差部分で押さえられた拘束ループは、次の拘束ループや、締めループや、巻きループ、につながっている。
拘束ループは、つながった、拘束ループや、締めループや、巻きループ、の移動や緩みを起こし難くしている。
締めループは、巻掛紐の耳や、巻掛紐の尾や、拘束ループ、をその交差部分で押さえているが、締めループは、つながった拘束ループや、動きが拘束された巻掛紐の耳や、動きが拘束された巻掛紐の尾、によりその緩みや動きが止められている。
これらの関係が相互に働くことにより、本発明の結束が成り立つわけである。
巻掛紐の耳が、それに交差して重ねた締めループや、浮きループをループシフトして引き締めた締めループ、との交差部分で、被結束材に向けて押さえられる。
巻きループが、それに交差して重ねた巻きループや、浮きループをループシフトして引き締めた締めループ、との交差部分で、被結束材に向けて押さえられて、拘束ループとなる。
巻掛紐の尾端が、浮きループをループシフトして引き締めた締めループ、との交差部分により、被結束材に向けて押さえられる。
巻掛紐が、始まり部分と、終了部分と、その中間の各所で、巻掛紐自身の交差箇所で、被結束材に向けて押さえられる状態を、巻きかけと、ループシフトと、引き締め、という簡単な動作によって作るのが、本発明の結束方法の1つの特徴である。
拘束ループは、他のループによって拘束されたループ、であるだけではなく、拘束ループ自身が、他のループの上に交差する締めループである、などの複雑な関係も作ることが可能であることは、先に述べたし、後でも説明している。
拘束ループの押さえられた交差部分のすぐ近くで、その拘束ループが他のループにかぶさるようにと交差して締めループとなっていると、その拘束力すなわち結束力は強力になる。
かぶさるように交差する締めループが、1つの拘束ループを押さえるか、2つ以上の拘束ループを押さえるか、などでも、その拘束力すなわち結束力は変化する。
このような拘束関係(押さえたり押さえられたりつながったりの関係)の、近さや、回数や、形状、などを調整して、結束の強さと、解きの容易さ、を用途に応じて使い分けることができるのも、本発明の結束方法の1つの特徴である。
巻掛紐の耳や巻掛紐の尾の引き締めで、結束が完成するのであるから、巻掛紐の耳や巻掛紐の尾を、引き締めの方向に引いても、結束は容易には解けない。
一方、巻掛紐の耳か巻掛紐の尾を、特定の方向に強く引く、という意図的な操作をすると、押さえられた巻掛紐やループが、別のループを越えるか潜る、などする時の抵抗力が生じるが、引く力がこれに打ち勝ったとき、押さえられた交差部分が抜け、ワンタッチで結束が解ける。
このように、結束しやすく、強い結束も可能で、結束の強さは加減でき、意図的な引くだけの操作によりワンタッチで解け、解き易さも加減できる、というのが本発明の結束方法の一つの特徴である。
なお、解く時に、巻掛紐の耳を引くか、巻掛紐の尾を引くか、被結束材を円柱と仮定したときに、軸方向のどちら方向に引くか、半径方向に引くか、回転方向に引くか、などは、結束の過程に依存するので、画一的に規定する事ではない。
以下、本発明の結束が成り立つための最低限の条件を明らかにし、色々な展開を具体例を交えて説明するものである。
巻掛紐の耳を引き締める結束を「先締め結束」と記述する。
巻掛紐の尾を引き締める結束を「後締め結束」と記述する。
ループを形成順に番号で表す場合は「第○ループ」と記述する。
全ての結びは、「掛け」「巻き」「止め」(非特許文献1の1ページ)で成り立っている。
結びのもっとも基本的な形は、「目」「体(わさ)」「手(端)」から成り立っている。
非特許文献1と2の全ての結びを参照すると、「手(端)を止める」ことが基本であることが分かる。加えて、ほとんどの結びは、「手(端)を止める」のに「手(端)を輪に通して締める」ことのようである。すなわち、大半の結びは、「手(端)を輪に通す」手順が様々に工夫されていると言える。直接手(端)を輪に通さなくても、結果として手(端)を輪に通したことになる例は、予め縄を輪に組んでから杭などにはめ込む「かこ(舟子)結び」(非特許文献1の39ページ)などがある。いずれにしろ、「輪に通った手(端)を輪を締めて止める」ことが従来の結びである。
特許文献9のノッタービル形式の機構が複雑であるのは、「手(端)を輪に通す」動作を、そのまま機構で解決したからである。
特許文献11のホイッピングに似た結束が、「浮かせた複数の輪を作り、浮いた糸掛けの部分に爪体を通して紐をつかんで引込み、糸掛けを抜き、輪を糸ガイドに落とし、紐を締め、糸ガイドを抜き、さらに紐を締める」という複雑な機構となっているのも、手(端)を輪に通す」ためである。
特許文献14の茶瓶の把手結びが、「結束回転コマの切欠部が上向きになった時に、糸繰り棒を倒しながら最初の輪の巻付け残部である結束回転コマの収納部を結束回転コマを1回転させて後の輪を通す」(特許文献14段落[0020][0021])という曲芸のような機構であるのも、「手(端)を輪に通す」ためである。
本発明も当然、「2つの手(端)を止める」こと、が結束の基本となっている。
2つの手(端)とは、巻掛紐の耳と、巻掛紐の尾端である。
巻掛紐の耳を止める方法は、次のように説明できる。
少なくとも、締めループで保持されるまで、巻掛紐の耳を、被結束材に対して保持する。
保持とは、普通に起こる外力、例えば巻きかけや引き締めの張力、などに抗して動かない状態をいう。巻掛紐と被結束材の摩擦係数が大きいと、巻掛紐の耳に交差して重なる巻きループが1つであっても、相応の保持力が生じる。巻掛紐の耳に交差して重なる巻きループの数が多くなると、保持力はより強くなる。これは、自転車のブレーキで、バンドに張力がかかると、バンドの巻きつく力がより強くなる、のと似た働きである。
従って、巻掛紐の耳を外部から保持するのは、結束の全工程が終了するまで、とは限られるものではない。巻掛紐の耳を外部から保持するのは、少なくとも、巻掛紐の耳が締めループで保持されるまで、で差し支えない。
また、巻掛紐の耳を被結束材に対して保持するとは、被結束材に対する巻掛紐の耳の位置を、略一定に保つことである。
巻掛紐の耳を被結束材に押し付けて保持する場合もあれば、被結束材に対する位置が略一定となる手段で保持する場合もある。
被結束材が回転などする場合は、巻掛紐の耳も略一緒に回転などするように保持する。
巻掛紐の尾を被結束材に巻きかけ、1つ以上の巻きループを作成する。
少なくとも1つ以上の巻きループは、巻掛紐の耳を押さえるように、交差して重ねた締めループとする。
この時点で結束は完成していないが、巻掛紐の耳に交差して重ねた締めループが、その交差部分で、巻掛紐の耳を被結束材に向けて押して、巻掛紐の耳は止められる。
巻掛紐の尾を止める方法は、次のように説明できる。
巻掛紐の尾を被結束材に巻きかけ、1つ以上の巻きループと、1つ以上の浮きループ、を作成する。
少なくとも1つの巻きループは、浮きループの後に作成する。すなわち、巻掛紐の尾端となる巻きループを、浮きループの後に作成する。
浮きループの後に巻きループを作成する場合、浮きループの緩みが巻きループの張力を阻害して、浮きループが狭まり、巻きループが緩む、ことを心配する向きもある。
ここで、浮きループを支えて、張力を確保して、巻きループを作成する、のが望ましいことは言うまでもない。
しかし、これは、浮きループは常に支持されていないと正常に巻きループが作れない、と限定していることではない。
例えば巻掛紐が柔軟で重さがある場合、例えば、重力で垂らした浮きループを作成し、その後で、浮きループの形態を保ったまま、被結束材に略密着した巻きループを作ること、などは不可能なことではない。これは例えば、ネックレスの細いチェーンを鉛筆などに巻きかけしてみると、その様子が分かる。
巻掛紐の尾端となる巻きループを超えるように、浮きループをループシフトし、巻掛紐の耳、または巻掛紐の尾、を引き締めて、浮きループを締めループとする。
浮きループをループシフトして引き締めた締めループが、巻掛紐の尾に交差して重なり、巻掛紐の尾はその交差部分で、締めループにより被結束材に向けて押されて止められる。
すなわち、「1つ以上の巻きループが巻掛紐の耳に交差して押さえる締めループとなり、浮きループを巻掛紐の尾端となる巻きループを超えるようにループシフトして引き締めた締めループが、巻掛紐の尾に交差して、巻掛紐の尾を押さえる」、ことが「手(端)を止める」こと、である。
さらに、本発明の特徴は、手(端)を輪に通さないことである。
巻掛紐の尾端は、浮きループの後に作成した巻きループであり、その巻きループを越すように、浮きループをループシフトするのであるから、結束で一番面倒な、「手(端)を輪に通す」という動作は存在しない。従って結束が迅速である。そして結束機構が簡単になる。
従って、結束を解く場合も、「輪を緩めるなどして手(端)を輪から抜く」、という動作が必要ないので、結束を解くのもワンタッチである。
さらに、本発明の特徴は、巻掛紐の耳が、交差した締めループにより、その交差部分で押さえられて、緩みと動きが止められ、巻掛紐の耳は、締めループや拘束ループや巻きループとつながり、複数のループが交差して締めループや拘束ループとなり、さらに、それらが巻掛紐の尾につながり、巻掛紐の尾は、交差した締めループによりその交差部分で押さえられて緩みと動きが止められている、という基本形が、多様に展開できて、その形成過程により、色々な結束形状が作られることである。
この巻掛紐の耳と、巻掛紐の尾と、締めループと、拘束ループ、の形や数や交差部分の位置関係やつながり方、などにより、結束の強度が変えられ、解き易さも変えられる。
さらに、本発明の特徴は、いわゆる「(結び)目」がなく、ループや、いわゆる「手」にあたる巻掛紐の耳と巻掛紐の尾は、突出することなく、被結束材に沿った形となり、収まりが良い。
さらに、本発明の結束は、締めループや拘束ループを何重にも並べるようにできる。
巻掛紐の耳や巻掛紐の尾を特定の方向に引いて結束を解くときに、巻掛紐やループが、他のループを超えたり、他のループの下を潜ったりする。それが結束を解く抵抗となる。
従って、ループの並べ方を変えることで、程よい強度と解き易さを作ることが出来る。
本発明の結束の共通の条件をまとめると、次のようになる。
少なくとも、締めループで保持されるまで、巻掛紐の耳を保持する。
巻掛紐の尾を被結束材に巻きかけ、1つ以上の巻きループと、1つ以上の浮きループ、を作成する。
少なくとも1つ以上の巻きループは、巻掛紐の耳を押さえるように交差して重ねた締めループとする。
巻掛紐の耳を押さえるように交差して重ねた締めループは、その交差部分で、巻掛紐の耳を、被結束材に向けて押して、止める。
少なくとも1つの巻きループは、浮きループの後に作成する。
すなわち巻掛紐の尾端となる巻きループを、浮きループの後に作成する。
この巻きループは、段落[0069]の巻掛紐の耳を押さえる巻きループと、別のループである、とは限らず、同じ巻きループである場合もある。
段落[0059]や[0080]に記述したように、この時、必要に応じて浮きループを支えると好ましいことがある。
巻掛紐の尾端となる巻きループを超えるように、浮きループをループシフトする。
巻掛紐の耳または巻掛紐の尾を引き締めて、浮きループを締めループとする。
また、巻掛紐の耳の引き締めの場合は、段落[0087]に記述したように、必要に応じて巻掛紐の耳に交差して重ねた締めループは張力があるのが好ましい、あるいは必要に応じて巻掛紐の尾を補助的に引き締めると好ましい、ことがある。
ただし、段落[0088]に記述したように、これらは特殊事例に対する断り書きにすぎず、本発明の本質にかかわるものではない。
こうして、巻掛紐の尾端となる巻きループにかぶさるように、浮きループをループシフトして引き締めた締めループが、巻掛紐の尾に交差して重なり、巻掛紐の尾はその交差部分で、締めループにより、被結束材に向けて押されて止められることとなる。
段落[0068]の記述に従えば、ループをもっと多く作る場合も含まれている。
巻きループに交差して重なるように巻きかけた巻きループは締めループであり、重ねられた巻きループは拘束ループとなる。
色々な巻きかけをする過程では、他のループに交差して重なる締めループが発生し、重ねられたループが拘束ループになる、ということが多い。
巻きループを越えるようにループシフトして交差するように重ねて引き締めた浮きループは締めループであり、重ねられた巻きループは拘束ループとなる。
すなわち本発明の結束は、あちこちの部位で、上の巻掛紐が交差した下の巻掛紐を、その交差部分で被結束材に向けて押さえるようにすることができる。
一つのループが締めループでありかつ拘束ループである場合、についても、前にも述べたし、後でも説明する。
あちこちの部位の拘束ループはそれにつながるループの動きを止める働きを持ち結束を強化する。
ただしここで、何も重ならない巻きループが存在することを除外しているものではない。
拘束ループではない単なる巻きループも、被結束材をより締め付けて被結束材との摩擦力を強めたり、被結束材への締め付け力を高めたり、被結束材である袋の口などの密封度を高める、などの働きを持つ。
このようにして、巻掛紐の耳、および巻掛紐の尾端、および場合によってはループを、1つ以上の締めループが、それらとの交差部分で、上から被結束材に向けて押さえて、結束が完了する。
巻掛紐の耳を引き締める先締め結束の共通の条件は、次のようになる。
少なくとも締めループで保持されるまで巻掛紐の耳を保持する。
巻掛紐の尾を被結束材に巻きかけ、最初に、ループオフした1つ以上の浮きループを、作成する。
巻きかけを容易にするために、少なくとも浮きループの根が他のループにより押さえられるまでは、浮きループを外部から支持するか、または、浮きループの根を外部から押さえる、などする、のが好ましい。
しかし、段落[0059]にも記述したように、巻掛紐が柔軟な場合など、浮きループを重力で垂らして作成し、浮きループの形状を保ったまま、巻掛紐の耳に交差して重なる1つ以上の巻きループを作る、などの操作は可能である。この後で、巻掛紐の耳の反対側に単なる巻きループを作ると、下記の段落[0088]で例示した形状となる。この場合は各ループは緩々に作っても、引き締めで結束に至る。
従ってここで、浮きループの支持や浮きループの根の押さえなど、の補助的操作が何時も必用である、と限定しているのではない。
ループをどのような順序でどの位置に作るかによっても、上記の補助的操作が好ましいか不要かは変わる。
あえて記載すれば、先締め結束では、必要に応じて浮きループを支えると好ましい。
次に、1つ以上の巻きループを作成する。
少なくとも1つ以上の巻きループは、巻掛紐の耳に交差して重なる締めループとする。
こうすると、巻掛紐の耳を押さえるように交差して重ねた締めループは、巻掛紐の耳を、その交差部分で、被結束材に向けて押して止めることとなる。
巻掛紐の尾の側の最端ループの終端近傍は、巻掛紐の尾端でもある。
巻掛紐の尾端となる巻きループを超えるように、浮きループをループシフトする。
巻掛紐の耳を引き締め、浮きループを締めループとする。
浮きループは巻掛紐の耳に直接つながっているので、巻掛紐の耳を引き締めるのに必要な力は小さい。
こうすることによって、ループシフトして引き締めた締めループが、巻掛紐の尾に交差して重なり、巻掛紐の尾は、その交差部分で、締めループにより被結束材に向けて押されて止められる。
上記には、ループをもっと多く作る場合も含まれている。
巻きループに交差して重なるように巻きかけた巻きループは、締めループであり、重ねられた巻きループは拘束ループとなる。
巻きループを越えるように、ループシフトして交差するように重ねて、引き締めた浮きループは、締めループであり、重ねられた巻きループは、拘束ループとなる。
すなわち、本発明の結束は、あちこちの部位で、上の巻掛紐が、交差した下の巻掛紐を、その交差部分で、被結束材に向けて押さえるようにすることができる。
一つのループが締めループであり、かつ拘束ループである場合、についても、前に述べたし、後でも説明している。
あちこちの部位の拘束ループは、それにつながるループの動きを止める働きを持ち、結束を強化する。
先締め結束では、巻掛紐の耳を引き締めても、張力が全てのループには伝わらない場合もある。それはループを作成する位置の順序で異なってくる。
巻掛紐の尾の側の最端の巻きループを、巻掛紐の耳に交差させて、締めループとした場合は、浮きループのループシフトは、巻掛紐の耳の方向となり、巻掛紐の耳に交差して重ねた締めループには、ループシフトした浮きループと巻掛紐の耳がつながる部分がフックのように絡む。巻掛紐の耳を引き締めると、絡んだ部分に引かれて、巻掛紐の耳に交差して重ねた締めループには、ループを広げるような力が働く。巻掛紐の耳に交差して重ねた締めループは、広げる力と締める力が均衡して、十分に締まらない。
従って、巻掛紐の尾の側の最端の巻きループを、巻掛紐の耳に交差させて、締めループとした場合は、巻掛紐の耳に交差して重ねた締めループは、張力を与えて作る、のが好ましい。あるいは、巻掛紐の耳に交差して重ねた締めループの張力が十分でない場合は、巻掛紐の耳の引き締めに対応して、巻掛紐の尾を補助的に引き締める、と良い場合がある。
浮きループを巻掛紐の耳で引き締めるのには、相応のストロークが必用である。これに対して、巻掛紐の尾を補助的引き締めるというのは、引き締める量は小さく、張力を付加するのが目的で、引き締めの主体は、あくまでも巻掛紐の耳の引き締めである。巻掛紐の尾を補助的引き締めても、先締め結束であることに変わりは無い。
一方、巻掛紐の尾の側の最端の巻きループを巻掛紐の耳に交差させない先締め結束もある。
例えば、第1ループを浮きループとし、第2ループを巻掛紐の耳に交差して重ねた締めループとし、第3ループを巻掛紐の耳と反対側の単なる巻きループとして作り、浮きループを第3の巻きループにかぶさるようにループシフトして、巻掛紐の耳を引き締める。
浮きループのループシフトは、巻掛紐の耳の反対方向となるので、巻掛紐の耳の引き締めの力は、全てのループに伝わる。
このような場合には、それらのループの張力が不足していても、巻掛紐の耳の引き締めにより、それらのループには、十分の張力が与えられる。
なお余談ではあるが、この巻きかけで、巻掛紐の尾を引き締めても良さそうだが、浮きループの根は巻掛紐の尾の引き締めで張力が強くなる締めループで押さえられていて、巻掛紐の尾を引き締めて結束することはできない。
このように、巻きかけの仕方によっては、先締め結束に於いても、各ループを緩んだ状態で作っても、問題はない。
もちろん、この他にも、各ループを緩んだ状態で作っても差し支えの無い、様々な巻きかけのバリエーションがある、ことは言うまでもない。
引き締めは、ループシフトが完了してから引き締めても、ループシフトしながら引き締めても良い。
浮きループの支持や、浮きループの根の押さえ、などがある場合も、ループシフトと引き締めの時は、その支持などを終わらせても、多くの場合は、結束動作の容易さに支障はない。この時の支持などの適不適は、具体的な巻きかけの形態や機構や動作によって変わるものである。
このようにして、1つ以上の締めループが、巻掛紐の耳、および巻掛紐の尾端、および場合によってはループを、それらとの交差部分で、上から被結束材に向けて押さえて、結束が完了する。
巻掛紐の尾を引き締める後締め結束の共通の条件は、次のようになる。
少なくとも締めループで保持されるまで、巻掛紐の耳を保持する。
巻掛紐の尾を被結束材に巻きかけて、最初に、1つ以上の巻きループを作る。
次に、ループオフした1つ以上の浮きループを作る。
巻きかけを容易にするには、少なくとも巻きかけの間は、浮きループを外部から支持や把持などして、巻掛紐に張力を持たせるのが好ましい。
しかし、後締め結束では、巻掛紐の尾の引き締めの力は、全てのループに伝わる。例え、全てのループが緩んでいても、巻掛紐の尾の引き締めで、全てのループに十分の張力が与えられる。
従って、浮きループを外部から支持などすることは、必ずしも必要なことではない。
例えば、段落[0059]にも記述したように、巻掛紐が柔軟であれば、巻きループは被結束材に略密着した状態を保つことが出来る。巻掛紐を緩めて大きく回動し、浮きループを被結束材にもたれ掛かるようにしたり、浮きループを重力で垂らす、などして作ることも可能である。その後も、浮きループの形態を保ったまま、被結束材に略密着した巻きループを作ることも可能である。
次に、1つ以上の巻きループを作る。
段落[0094]と段落[0097]で作った巻きループのうち、少なくとも1つ以上の巻きループは、巻掛紐の耳に交差して重なる締めループとする。
こうすると、巻掛紐の耳を押さえるように交差して重ねた締めループは、巻掛紐の耳を、その交差部分で、被結束材に向けて押して、止めることとなる。
巻掛紐の尾の側の最端ループの終端近傍は、巻掛紐の尾端である。
巻掛紐の尾端となる巻きループを超えるように、浮きループをループシフトする。
巻掛紐の尾を引き締め、浮きループを締めループとする。
こうすると、ループシフトして引き締めた締めループが、巻掛紐の尾に交差して重なり、巻掛紐の尾は、締めループにより、その交差部分で、被結束材に向けて押されて、止められることとなる。
上記には、ループをもっと多く作る場合も含まれている。
巻きループに交差して重なるように巻きかけた巻きループは、締めループであり、重ねられた巻きループは、拘束ループとなる。
巻きループを越えるように、浮きループループシフトして、交差するように重ねて、浮きループを引き締めると、浮きループは締めループとなり、重ねられた巻きループは、拘束ループとなる。
すなわち、本発明の結束は、あちこちの部位で、上の巻掛紐が、交差した下の巻掛紐を、その交差部分で、被結束材に向けて押さえるようにすることができる。
一つのループが、締めループであり、かつ拘束ループである場合についても、前に述べたし、後でも説明する。
あちこちの部位の拘束ループは、それにつながるループの動きを止める働きを持ち、結束を強化する。
ただしここで、何も重ならない巻きループが存在する、ことを除外しているものではない。拘束ループではない単なる巻きループも、被結束材をより締め付けて被結束材との摩擦力を強めたり、被結束材への締め付け力を高めたり、袋の口の密封度を高める、などの働きを持つ。
巻掛紐の尾を引き締めると、張力は全ループに伝わる。
最初から十分に締まっているループはそれ以上締まる必要はないが、例え緩いループがあったとしても、引き締めにより、全てのループが強く締まる。
引き締めは、ループシフトが完了してから引き締めても、ループシフトしながら引き締めても良い。
浮きループを支持などしていた場合も、ループシフトと引き締めの時は、その支持などを終わらせても、多くの場合は、結束動作の容易さに支障はない。この時の支持などの適不適は、具体的な機構や動作によって変わるものである。
また、浮きループをループシフトする場合に、巻きループの張力が減少する場合もあるが、格段の外力が掛からない一般の場合には、一度巻いたループは、その位置や状態が動くわけではない。ループシフトは、巻きかけの方向に直行した浮きループの先端の動きであり、巻きかけ方向の外力となるものではない。また、ループを横に移動させるような外力でもない。
張力が減少したループも、引き締めにより、必要な張力は回復する。
従って、ここで必ずしも、巻きループが緩まないように、巻きループを外部から押さえる必用はない。
後述の具体例では、少し緩めた方が、巻掛紐の尾の引き締めが容易になる、場合にも触れている。
このようにして、複数の締めループが、巻掛紐の耳、および巻掛紐の尾端、およびループを、それらとの交差部分で、上から被結束材に向けて押さえて、結束が完了する。
本発明の結束方法による結束装置について説明する。
被結束材は、結束機構の中に保持される必要がある。
装置には被結束材の支持手段があると便利である。
しかし、例えば、被結束材を手で支えるなどすれば、必ずしも被結束材の支持手段は必要ではない。
巻掛紐の耳は、被結束材に対して、略一定の位置に保持される必要がある。
従って装置には、巻掛紐の耳の保持手段が必要である。
巻掛紐の耳を保持手段に保持させるには、例えば、巻掛紐の耳を手で保持手段にセットすることができる。
従って、巻掛紐の耳を保持手段の位置に持ってくる機械的手段は、必ずしも必要なものではない。
巻掛紐の尾は、被結束材に巻きかけをすることが必用である。
巻掛紐の尾を、被結束材の周りに回動させるか、巻掛紐の尾の位置を一定として、被結束材、および巻掛紐の耳、およびその保持手段、を回転させるか、両方を回動や回転するか、の方法で、巻掛紐の尾は、被結束材に巻きかけをすることができる。このことを「相対回動」と記述することにする。
装置には、巻掛紐の尾を相対回動する、巻きかけ手段が必要である。
巻きかけは、巻掛紐の尾を保持して、被結束材に近づきながら張力を与えて相対回動したり、巻掛紐の尾に摩擦力などで張力を与えながら、巻き付いた長さの巻掛紐を補充して行く方法、など普通に考えられる各種の方法がある。
被結束材などを回転する場合は、被結束材を把持して回転する必用があるが、この把持回転手段は、被結束材の支持手段ではなく、巻きかけ手段の一つとみなす。
装置として巻きかけをするには、巻掛紐の尾に張力を与える、張力付与手段、があることが望ましい。
張力は、場合によっては強くし、場合によっては弱くし、場合によっては無くし、場合によっては巻掛紐を送り出して緩める、などすれば好ましい場合もあるが、このような張力調整手段は、必ずしも必要なものではない。
巻掛紐の尾の巻きかけでは、巻掛紐の耳に交差して重なる締めループや、単なる巻きループや、巻きループに交差して重なる締めループや、ループオフした浮きループ、を作成する必要がある。
従って装置には、巻きかけ移動の手段が必要である。
巻きかけ移動の手段は、静止した被結束材に対して、巻きかけ手段が移動する場合のほか、巻きかけ手段が一定の位置で、被結束材などが移動する場合や、その両方が移動する場合がある。
従って、巻きかけ移動の手段は、巻きかけ手段の位置を移動させる手段、とは限らない。被結束材などを移動する手段、なども巻きかけ移動の手段の一つである。
浮きループを作るには、浮きループの形成手段が必要である。
浮きループの形成手段とは、支持部材に引っ掛かるように巻きかけするとか、巻掛紐を緩めて大きく巻きかけ移動して被結束材にもたれるように作成するとか、巻掛紐を緩めて被結束材から垂れるように作成する、など通常考えられる色々な手段である。
浮きループを操作したり、浮きループの後の巻きループを作る場合は、装置としては、浮きループの維持手段があることが望ましい。
浮きループの維持手段とは、浮きループの先端を支えるとか、浮きループの根を押さえるとか、浮きループを把持するとか、通常考えられるループ形状を維持する色々な手段である。
浮きループの維持手段は、浮きループの形成手段と別の装置や方法と限定するものではない。同じ装置が幾つかの機能を兼ねる場合もある。
浮きループは、例えば、巻掛紐の尾の巻きかけに於いて、浮きループの支持部材などに掛かるように、相対回動することで、作成することが出来る。
被結束材を回転させる場合は、浮きループの維持手段は、被結束材と一緒に回転する必要がある。
ループオフした浮きループは、浮きループを作成後に、浮きループの維持手段を移動させて作ることもできるが、浮きループの維持手段が一定の位置に固定されていても、巻きかけ移動手段で、ループオフした浮きループとすることができる。
従って、浮きループの維持手段には、ループオフをさせる移動手段、は必ずしも必要ではない。
浮きループをループシフトするには、装置にはループシフト手段が必要である。
ループシフトは、浮きループの維持を解放して、浮きループが重力などで、自然にガイドなどに沿ってループシフトするとか、次に行う引き締めによって、ガイドなどに沿ってループシフトする、などして、浮きループの先端が、巻掛紐の尾端となる巻きループを超えるように移動する、あるいは、浮きループの維持手段が、巻掛紐の尾端となる巻きループを超えるように移動する、など通常考えられる色々な方法が使われる。
「浮きループをループシフトする時の緩みによるループの変形や移動を押さえることは常に必要だろう」と、直感的感覚的に主張する人も居るが、外力がかからない限り、静止した物質は移動しない、という力学の基本からして、根拠の無い主張である。また、現実にも、結束を行ってみれば、必用がない事例は結構ある。
巻きループを緩まないように外部から押さえる手段は、必ずしも必要ではない。
ループの形状が維持できることに関しては、段落[0059]にも記述した。
巻掛紐の耳、または巻掛紐の尾、を引き締めるには、装置には、巻掛紐の耳、または巻掛紐の尾、の引き締め手段、が必要である。
引き締め手段は、通常考えられる色々な方法が利用できる。その具体例は後述の実施例などで詳しく述べている。
巻掛紐の耳を引き締める時は、巻掛紐の尾端である最終ループには、張力を与えていることが好ましい。しかし元々、巻掛紐の尾は巻きかけ手段により、保持などされているので、格別の保持手段を別に用意する必要がある訳ではない。
巻掛紐の尾を引き締める時は、巻掛紐の耳を保持するのが好ましいが、締めループによる巻掛紐の耳の保持力が十分にある場合は、巻掛紐の耳の外部からの保持は、解放しても良い。
巻掛紐がボビンなどに巻いた長尺のものである場合は、結束部分を切り離す必用があるが、元々、必用な長さの巻掛紐を装置にセットする場合もある。手動の鋏で切り取っても良い。
装置には、必ずしも巻掛紐の切断手段は必要な訳ではない。切断手段は、結束装置の補助手段にすぎない。
以上の説明をまとめると、本発明の結束装置に必要な手段は、巻掛紐の耳の保持手段、巻きかけ手段、望ましくは張力付与手段、巻きかけ移動の手段、浮きループの形成手段、望ましくは浮きループの維持手段、ループシフト手段、引き締め手段、である。
すなわち、本発明の結束方法による結束装置は、次のようになる。
巻掛紐の耳を巻掛紐の耳の保持手段にセットし、巻掛紐の尾を巻きかけ手段にセットする。ここでの「セットする」とは、毎回取り付けると限るものではなく、継続的に取りつけられている状態も含む。
被結束材を、装置の結束機構部位、すなわち巻きかけ手段の内部、に位置させる。
少なくとも締めループで保持されるまで、巻掛紐の耳を、巻掛紐の耳の保持手段で保持する。
望ましくは、張力付与手段で、巻掛紐の尾に張力を与える。
巻きかけ手段により、被結束材に巻きかけて、1つ以上の巻きループと、1つ以上の浮きループを作成する。
浮きループは、浮きループの形成手段で作成する。
望ましくは、浮きループは浮きループの維持手段で維持する。
巻きかけ移動手段により、少なくとも1つ以上の巻きループは、巻掛紐の耳を押さえるように交差して重ねた締めループとする。
少なくとも1つの巻きループは、浮きループの後に作成し、巻掛紐の尾端となる巻きループを作る。
巻掛紐の尾端となる最端の巻きループを超えるように、ループシフト手段で、浮きループをループシフトする。
ループシフトの前か間か後で、浮きループの維持は開放する。
引き締め手段で、巻掛紐の耳または巻掛紐の尾を引き締めて、浮きループを締めループとする。
このようにすると、少なくとも1つ以上の締めループが、巻掛紐の耳に交差して重なった部分で、巻掛紐の耳を被結束材に向けて押さえる。
浮きループをループシフトした締めループは、巻掛紐の尾端に交差して重なった部分で、巻掛紐の尾を、被結束材に向けて押さえる。
巻きループに交差して重なった締めループがある場合は、その締めループは、その交差した部分で、巻きループを、被結束材に向けて押さえて、拘束ループとする。
巻掛紐の耳と、巻掛紐の尾と、各ループ、は繋がった他のループの緩みや動きを止める。
この文書では、先締め結束の方法による結束装置を「先締め結束装置」、後締め結束の方法による結束装置を「後締め結束装置」と記述する。
巻きかけ手段が、回転軸から半径方向にオフセットした巻掛紐の巻きかけ部材を回転軸で回動することで回転軸と略同じ軸位置の被結束材に巻掛紐を巻きかける手段であるぶん回し巻きかけ手段(段落[0206])である先締め結束装置または後締め結束装置は、本発明の代表的な結束装置の一つである。
巻きかけ手段が、中心に穴のあいた円盤状の部材または穴と開口のあるU字型円盤状の部材を回転可能に支持し、円盤に紐の尾保持の手段と巻掛紐に張力を与える手段を持ち、円盤の略中心にある被結束材に巻掛紐を巻きかける手段であるディスク巻きかけ手段(段落[0222]段落[0239])である先締め結束装置または後締め結束装置は、本発明の代表的な結束装置の一つである。
巻きかけ手段が、略中心に把持手段を持つ回転部材で被結束材と巻掛紐の耳を把持し、巻掛紐の尾を略定位置とし、回転部材が回転することで被結束材に巻掛紐を巻きかける自転巻きかけ手段(段落[0240])である先締め結束装置または後締め結束装置は、本発明の代表的な結束装置の一つである。
引き締め手段が、バネなどで移動荷重と圧着荷重を掛けた圧着移動するコロと位置不動の部材の間で巻掛紐の一部を挟んで動きを押さえ、コロに巻き掛かった巻掛紐に張力を与え、必要に応じて、移動荷重に逆らってコロが移動できることで巻掛紐が供給でき、移動荷重によるコロの移動で引き締めを行い、コロの位置が位置不動の部材との圧着の範囲を外れた場合に外部からの巻掛紐の供給を行う機構である圧着コロによる張力付加供給引き締め手段(段落[0274])である先締め結束装置または後締め結束装置は、本発明の代表的な結束装置の一つである。
巻掛紐の耳や巻きループに交差するように重ねた巻きループも締めループである。ループシフトして引き締めた浮きループも締めループになる。以下、図3から図7の説明では、両者を区別するために、下記のように記述する。
巻掛紐の耳や巻きループに交差するように重ねた巻きループは、締めループでもあるが、この締めループは「巻きループ008」と記述する。
また、浮きループをループシフトして引き締めた締めループは、「ループシフトした締めループ010」と記述する。
図3は、本発明の最も簡単な先締め結束方法の説明図である。
(a)は、巻掛紐の耳005につながった浮きループ014と、浮きループ014の後に作った巻きループ008、の形成状態で、巻きループ008は巻掛紐の耳005に交差して重なって、締めループとなっている。
(b)は、浮きループ014のループシフト012で、浮きループ014は、巻きループ008を越えるようにループシフト012して、浮きループ014は、巻きループ008に2ヶ所で交差して重なる状態である。
(c)は、巻掛紐の耳005を引き締め013て、浮きループ014をループシフトした締めループ010とし、ループシフトした締めループ010で、巻きループ008の終了部分である巻掛紐の尾006を、その交差部分で押さえ、巻きループ008が締めループとなって、ループシフトした締めループ010の開始部分である巻掛紐の耳005を、その交差部分で押さえた、結束状態である。解り易いように模擬的に表現した。
(d)は、袋の結束状態の写真である。
図示しない手段で、巻掛紐の耳005を、被結束材001に対して固定した。
図示しない手段で、第1ループを大きく巻きつけて、巻掛紐の耳005と反対方向にループオフ011した浮きループ014とし、浮きループ014は、図示しない手段で支持した。
第2ループを、第1ループである浮きループ014の開始部分である巻掛紐の耳005を押さえる、巻きループ008として、被結束材001に巻きかけて、締めループとした。
第2ループである巻きループ008を越すように、第1ループである浮きループ014を、図示しない手段でループシフト012した。
巻掛紐の耳005を、図示しない手段で引き締め013した。
浮きループ014が締まって、ループシフトした締めループ010となり、巻きループ008の終了部分である巻掛紐の尾006を、その交差部分で押さえて、結束できる。
「浮きループ014は巻掛紐の耳005と反対方向にループオフ011する」、との記述を補足説明する。
図3(a)のループオフ011の矢印の方向を見て分かる通り、「反対方向」とは、被結束材001に沿った方向の意味である。被結束材001に対する巻掛紐の耳005の裏側という意味ではない。
その後に予定する巻きループ008が、確実に巻掛紐の耳005の上に形成できるようにループオフ011する方向、のことである。
これは以下の図4〜図6の説明でも共通のこととする。
図では、ループオフ011と矢印で示したので、浮きループを移動するように解釈されるかもしれないが、そうでは無い。矢印は動きではなく、方向を表したものに過ぎない。
仮に、浮きループをある位置で作成したとする。浮きループを矢印の方向に移動して、元の位置で巻きループを作成することも、浮きループを固定して、その後の巻きループを矢印の反対方向に巻きかけ移動して作成するのも、浮きループを移動し、かつ巻きループを巻きかけ移動で作るのも、3つは同じ意味合いである。
ループオフとは、段落[0026]の定義でも述べたように、相対的な位置関係のことである。
浮きループ014は、巻掛紐の耳005と反対方向にループオフ011しているので、その後の巻きループ008は、確実に巻掛紐の耳005の上に交差して形成できる。
巻掛紐の尾006を、巻きかけの方向(図の左方向)に引いても、結束は解けない。
巻掛紐の尾006を、少し強くループの横方向(図の下方向)に引くだけで、ワンタッチで結束を解くことができる。
巻掛紐の耳005を、ループの横方向(図の下方向)に引いても、結束は解けない。
部位Aで、ループシフトした締めループ010の始まりである巻掛紐の耳005に、ループシフトした締めループ010が、交差して重なり、巻掛紐の耳005は押さえられる。
部位Cで、巻きループ008の終わりである巻掛紐の尾006に、ループシフトした締めループ010が、交差して重なり、巻掛紐の尾006は押さえられる。
巻掛紐の耳005と、および巻掛紐の尾006が、それらに交差したループで押さえられること、が結束の共通で最低の条件である。
部位Bで、巻きループ008にループシフトした締めループ010が、交差して重なり、巻きループ008は押さえられる。
結束の強さは、被結束材001が柔らかい袋のようなものである場合は、充分に強い。被結束材001が滑りやすく太めのものである場合は、弱い。
巻掛紐の尾の巻きつけは2回で、ループは2個であるが、輪は略1.5回余となる。使用する巻掛紐の長さは、直径8mmの被結束材の結束ならば、略1.5回余の輪が略40mm、短い巻掛紐の耳を略5mm、つかめる程度の長さの巻掛紐の尾を略15mmとして、略60mmで済む。
野菜の袋の結束などには簡便で低コストで適当である。線材など強度の必要な被結束材の結束には向かない。
図4は、第1ループを浮きループ014とした、本発明の強固な先締め結束方法の説明図である。
(a)は、巻掛紐の耳005につながった浮きループ014と、浮きループ014の後に作った2つの巻きループ008、の形成状態である。2つの巻きループ008は、巻掛紐の耳005に交差して重なって、締めループとなっている。
(b)は、浮きループ014のループシフト012で、浮きループ014は、2つの巻きループ008を越えるようにループシフト012して、浮きループ014は、2つの巻きループ008に、それぞれ2ヶ所で交差して重なる状態である。
(c)は、巻掛紐の耳005を引き締め013て、浮きループ014をループシフトした締めループ010とし、ループシフトした締めループ010が、2つの巻きループ008を、その交差部分で押さえた、結束状態である。解り易いように模擬的に表現した。
(d)は、袋の結束状態の写真である。
図示しない手段で、巻掛紐の耳005を固定した。
図示しない手段で、第1ループを大きく巻きつけて、巻掛紐の耳005と反対方向にループオフ011した浮きループ014とした。浮きループ014は、図示しない手段で支持した、
第2ループを、第1ループである浮きループ014の始まりである巻掛紐の耳005に交差して重なる巻きループ008として、被結束材001に巻いた。
第3ループも、巻掛紐の耳005に交差して重なる巻きループ008として、被結束材001に巻いた。
第2ループと第3ループの巻きループ008を越すように、第1ループの浮きループ014を、図示しない手段でループシフト012した。
巻掛紐の耳005を、図示しない手段で引き締める013と、浮きループ014が締まり、ループシフトした締めループ010となる。
ループシフトした締めループ010は、第3ループの巻きループ008の終わりである巻掛紐の尾006と、第2ループと第3ループの巻きループ008を、その交差部分で押さえて、結束できる。
浮きループ014は、巻掛紐の耳005と反対方向にループオフ011しているので、その後の巻きループ008は、確実に巻掛紐の耳005の上に交差して形成できる。
浮きループ014は、第1ループであり、巻掛紐の耳005に直結しているので、巻掛紐の耳005の引き締め013の力は小さくて済み、結束が容易である。
巻掛紐の尾006を、巻きかけの方向(図の左方向)に引いても、結束は解けない。
巻掛紐の尾006を、強くループの横方向(図の下方向)に引くだけで、ワンタッチで結束を解くことができる。
巻掛紐の耳005を、ループの横方向(図の下方向)に引いても、結束は解けない。
部位Aで、締めループ010の始まりである巻掛紐の耳005が、締めループ010の終端と、1つの巻きループ008の終端、によりその交差部分で押さえられる。
部位Bで、この巻きループ008は、締めループ010の終端により、その交差部分で押さえられる。
部位Dで、巻きループ008の終わりである巻掛紐の尾006が、締めループ010により、その交差部分で押さえられる。
巻掛紐の耳005と、および巻掛紐の尾006が、交差して重なったループで押さえられること、が結束の共通で最低の条件である。
部位Cで、2つの巻きループ008は、ループシフトした締めループ010が交差して重なり、巻きループ008は押さえられる。
結束を解くときも、巻掛紐の尾006は、締めループ010の押さえを、2つの巻きループ008の分だけ2段に抜ける必要があるので、結束は強固である。
従って、結束の強さは被結束材が滑りやすい太めのものである場合にも、充分に強い。
この説明により、巻掛紐の耳、および巻掛紐の尾、および拘束ループが、複数の締めループにより、複数の交差した部位で、押さえられる関係となり、強固な結束となることが理解できる。
本発明において、締めループ、および巻掛紐の耳、および巻掛紐の尾、および拘束ループ、の拘束関係は、ループの作り方や引き締めの角度などで、微妙に変化するものであり、あるいは、全ての巻きループが締めループと拘束ループになるとは限らないものであり、必ずしも、ここに説明した関係と同一となる、と限定しているものではない。これは、以後の説明に於いても同様である。
巻掛紐の尾006の巻きつけは3回で、ループは3個であるが、輪は略2.5回余となる。使用する巻掛紐002の長さは、直径8mmの被結束材001の結束ならば、略2.5回余の輪が略65mm、短い巻掛紐の耳005を略5mm、つかめる程度の長さの巻掛紐の尾006を略15mmとして、略85mmである。
袋や線材などの全ての結束に適当である。
巻きループ008を3つ以上に増やせば、結束はさらに強固になるが、巻掛紐002が長く必要となり、見栄えも低下する。巻きループ008の数はほどほどが良い。
浮きループを2つ作ると、結束はさらに強固になるが、巻掛紐の耳の引き締めは少しやり難くなる。
図では、第3ループを第2ループの下になるように描いたが、この順番に限るものではない。
図示は省略するが、巻掛紐の尾006の巻きつけを略半回転増やして、巻掛紐の尾006の一部を浮きループ014の内側から押さえて、浮きループ014を引き締め013すると、段落[0133]の図3(c)(d)や段落[0142]の図4(c)(d)の結束に、もう一つの拘束部分を増やした形状となる。
図5は、第1ループを巻きループ008とし、第2ループを浮きループ014として図の巻掛紐の耳005と反対方向にループオフ011し、第3ループを巻きループ008とした、本発明の先締め結束方法の説明図である。
ここでは、第3ループは、第1ループと第2ループの間に形成した。
(a)は、浮きループ014と巻きループ008の形成状態、(b)は、浮きループ014のループシフト012、(c)は、巻掛紐の耳005を引き締め013て、浮きループ014をループシフトした締めループ010とし、ループシフトした締めループ010で、巻掛紐の耳005である第1の巻きループ008を、その交差部分で押さえた結束状態である。解り易いように模擬的に表現した。(d)は、袋の結束状態の写真である。
巻掛紐の耳005を引いて締めループから抜くと、段落[0133]の(図3)の結束に移行する。
ループシフトした締めループ010の引き締め013は、2ヶ所が抑えられた第1の巻きループを介して行うので、抵抗力が強い。引き締め013は第1ループがループシフトした締めループ010から抜けないように注意を要する。
ループシフトした締めループ010の後の巻きループ008を2つに増やせば結束は強固になる。巻掛紐の耳005を軽く引いて締めループを抜くと段落[0142]の(図4)の結束に移行する。
図6は、段落[0155]の結束で、第3ループの巻きループ008を第1ループを超えて形成した例である。
(a)は、浮きループ014と巻きループ008の形成状態、(b)は、浮きループ014のループシフト012、(c)は、巻掛紐の耳005を引き締め013て、浮きループ104をループシフトした締めループ010とし、ループシフトした締めループ010で、巻きループ008をその交差部分で押さえた結束状態である。解り易いように模擬的に表現した。(d)は、袋の結束状態の写真である。
巻掛紐の耳005を引いて締めループを抜くと、段落[0133]の図3の結束に移行する。
ループシフトした締めループ010の引き締め013は、1ヶ所が抑えられた第1の巻きループを介して行うので、抵抗力が少し強い。引き締め013は、第1ループがループシフトした締めループ010から抜けないように注意を要する。
ループシフトした締めループ010の後の巻きループ008を2つに増やせば、結束は強固になる。巻掛紐の耳005を軽く引いてループシフトした締めループを抜くと段落[0142]の図4の結束に移行する。
第1ループを巻きループとした上記2つの例(段落[0155]〜[0158])で分かるように、いずれも段落[0133]の図3と段落[0142]の図4の変形である。第1の巻きループは締めループに少し入って交差して押さえられているだけであり、巻掛紐の耳を引くと簡単に締めループから抜けるので、第1ループを巻きループとすることには、先締め結束としての意義はあまり見られない。これらの結束の主体は第2の浮きループ以降にある段落[0133]の図3と段落[0142]の図4と同じ構造の部分にあり、最初に付加する巻きループはおまけと見なすべきであり、段落[0023]の巻掛紐の耳の言葉の定義に述べた「最初の結束としての意味の低いループ」に該当し、巻掛紐の耳は第2の浮きループの始まり部分にまであると解するべきである。従って巻きループを最初に付加したからといって、本発明の先締め結束の方法の範疇から逃れられるものではない。
図7は、第1ループを巻きループ008とし、第2ループを浮きループ014として巻掛紐の耳005の方にループオフ001し、第3ループを浮きループ014の根と巻掛紐の耳005に交差して重なる巻きループ008とした、本発明の強固な後締め結束方法の説明図である。
(a)は、浮きループ014と巻きループ008の形成状態で、第3ループは浮きループ014の根と巻掛紐の耳005に交差して重なる巻きループ008となっている。
(b)は、浮きループ014のループシフト012で、浮きループ014は巻きループ008を越えるようにループシフト012して、浮きループ014は1つの巻きループ008に2ヶ所で交差して重なり、もう1つの巻きループ008に1ヶ所で交差して重なる状態である。
(c)は、巻掛紐の尾006を引き締め013て、浮きループ014をループシフトした締めループ010とし、ループシフトした締めループ010で巻きループ008の終わりである巻掛紐の尾006と巻きループ008を、その交差部分で押さえた結束状態である。解り易いように模擬的に表現した。
(d)は、袋の結束状態の写真である。
図示しない手段で巻掛紐の耳005を固定した。
図示しない手段で第1ループを巻きループ008として被結束材001に巻き、第2ループを大きく巻きつけて巻掛紐の耳005の方向にループオフ011した浮きループ014とした。浮きループ014は図示しない手段で支持した。
第3ループを、第2ループである浮きループ014の根と、第1ループである巻きループ008の始まりである巻掛紐の耳005、とに交差して重なる巻きループ008として、被結束材001に巻いた。
第1ループである巻きループ008と、第3ループである巻きループ008と、を越すように、第2ループである浮きループ014を、図示しない手段で、ループシフト012した。
巻掛紐の尾006を、図示しない手段で引き締め013した。
浮きループ014が締まり、ループシフトした締めループ010となり、第3ループである巻きループ008の終わりである巻掛紐の尾006と、2つの巻きループ008と、をその交差部分で押さえて結束できる。
第1ループの巻きループ008の始まりである巻掛紐の耳005は、第3ループである巻きループ008が交差して重なり、押さえられる。
「浮きループ014は巻掛紐の耳005の方向にループオフ011する」との記述を補足説明する。
図7のループオフ011の矢印の方向を見て分かる通り、「巻掛紐の耳005の方向」とは、被結束材001に沿った方向の意味であり、被結束材001に対する巻掛紐の耳005の裏側という意味ではない。その後に予定する第3ループである巻きループ008が第1ループと第2ループの間に確実に形成できるようにループオフ011する方向のことである。図7の例では、第1ループである巻きループ008より巻掛紐の耳005の側にループオフ011することである。
巻掛紐の耳005や、巻掛紐の尾006、を巻きかけの方向(図の左方向)に引いても、結束は解けない。
巻掛紐の尾006を、結束の横方向(図の上方向)に強く引くだけで、ワンタッチで結束を解くことができる。
巻掛紐の耳005を、結束の横方向(図の下方向)に強く引いてもワンタッチで結束を解くことができる。
部位Aで、第1ループである巻きループ008の始まりの巻掛紐の耳005に、第3のループである巻きループ008が交差して重なり、巻掛紐の耳005は押さえられる。
部位Bで、第3のループである巻きループ008の終わりの巻掛紐の尾006に、第2ループであるループシフトした締めループ010が交差して重なり、巻掛紐の尾006は押さえられる。
巻掛紐の耳005と、および巻掛紐の尾006が、交差して重なったループで押さえられることが、結束の共通で最低の条件である。
部位Aで、第3のループである巻きループ008が、第2ループであるループシフトした締めループ010に、その交差部分で押さえられ、押さえられた第3のループである巻きループ008が、第1ループである巻きループ008の始まりの巻掛紐の耳005を、その交差部分で押さえるので、巻掛紐の耳005の押さえは更に強力である。
部位Bで、第2ループであるループシフトした締めループ010で押さえられた、第1ループである巻きループ008があるので、巻掛紐の尾006を横(図の上)に抜く時の障壁となり、結束は更に強力である。巻掛紐の耳005を横(図の下)に抜く時は、第2ループである締めループ010で押さえられた第3のループである巻きループ008が障壁となり、結束は更に強力である。
部位Cで、第1ループである巻きループ008と第2ループであるループシフトした締めループ010の境界近傍を、第2ループである締めループ010と第3のループである巻きループ008の境界近傍が交差して押さえるので、結束は更に強固である。
結束の強さは、被結束材が滑りやすい太めのものである場合にも非常に強い。
この説明により、巻掛紐の耳、および巻掛紐の尾、および拘束ループが、複数の締めループにより、複数の部位で、押さえられる関係となり、強固な結束となることが理解できる。
しかし、本発明の結束で、締めループと、巻掛紐および耳および巻掛紐の尾および拘束ループ、の拘束関係は、段落[150]でも記述したように、ループの作り方や引き締めの角度などにより多様な形態で起こりうるもので、必ずしもここに説明した関係とは同一となる、と限定しているものではない。
巻掛紐の尾006の引き締め013は、第3のループである巻きループ008を1つ介して行うので少し抵抗力が大きい。
引き締め013を行う前に第3のループである巻きループ008をほんの少し緩めると、浮きループ012の根の拘束が開放されて、全く抵抗がなくて良好な引き締め013が出来るようになる。引き締め013の前に、巻掛紐の尾006を少し緩めてから、引き締め013を行うと良い。
この時、第1ループである巻きループ008が緩まないように押さえる補助手段を講じることは、必ずしも必要ではない。第1ループである巻きループ008が緩んでも、特段の外力がかからない限り、全体の形が崩れることは無く、その後の引き締めで、緩んだ巻きループも強く締めることができる。
巻掛紐の尾006の巻きつけは3回で、ループ004は3個であるが、輪は略2.5回余となる。使用する巻掛紐002の長さは、直径8mmの被結束材001の結束ならば、略2.5回余の輪が略65mm、つかめる程度の長さの巻掛紐の耳005を略15mm、つかめる程度の長さの巻掛紐の尾006を略15mmとして、略95mmである。
袋や線材などの全ての被結束材の結束に適当である。
浮きループ014の前の巻きループ008を2つに増やせば、少なくとも第2の巻きループ008は、巻掛紐の耳005を確実に交差して重なるように巻きやすくなり、さらに、浮きループ014のループオフ011がやりやすくなり、結束もさらに強固になる。
段落[0174]に、この結束方法は記述している。また、実施例10の後締め手結束は、この方法によっている。
浮きループ014の前の巻きループ008を3つ以上に増やすと、見ばえが低下し巻掛紐002も長くなる。浮きループ014の前の巻きループ008の数はほどほどが良い。
浮きループ014の後の巻きループ008を2つに増やすと、結束はさらに強固になる。
図7では、浮きループ014の前の巻きループ008が1つの場合であり、「第3ループを、第2ループである浮きループ014の根と、第1ループである巻きループ008の始まりである巻掛紐の耳005、とに交差して重なる巻きループ008として、被結束材001に巻いた」と説明した。
しかし、第3ループである巻きループ008を浮きループ014の根に重ねるたのは、浮きループ014の前の巻きループ008が1つの場合に、第3ループである巻きループ008で巻掛紐の耳005とを押さえるための、必然の工程に過ぎない。
この例で、第3ループである巻きループを浮きループ014の根に重ねて説明したのは、第1ループであるの巻きループを巻掛紐の耳に重ねるように作成するのが際どく難しいから、「ループの少なくとも1つが巻掛紐の耳に重なるようにするため」である。
浮きループ014の前の巻きループ008を2つ以上にする場合、第2以降の巻きループ008の少なくとも1つが、第1の巻きループ008の始まりである巻掛紐の耳005を押さえるように作成するのは容易であり、ループの少なくとも1つは巻掛紐の耳に重なることとなり、他の巻きループ008を必ずしも巻掛紐の耳005に重なるように作成する必要はない。
ただし、他の巻きループ008を巻掛紐の耳005に重なるように作成すれば、巻掛紐の耳を押さえるループの数が増えるので、結束はさらに強固になる。
この時、前の巻きループ008に対して後の巻きループ008をどこに作成するかで結束の強度は変わる。この辺りの巻きかけ方は、求められる結束強度と求められる解き易さにより使い分けると良い。
先に、「第3ループである巻きループ008を浮きループ014の根に重ねるたのは、浮きループ014の前の巻きループ008が1つの場合に第3ループである巻きループ008で巻掛紐の耳005とを押さえるための必然の工程に過ぎない」と記述した。これは巻きループ008を浮きループ014の根に重ねるのが結束の必要条件である、と誤解されないための記述である。
しかし、図示は省略するが、巻きループを浮きループの根に重ねる結束も当然ながら存在する。
第1の巻きループを、巻掛紐の耳に交差して重ねた締めループとし、第2の巻きループを、巻掛紐の耳に交差して重ねた締めループとし、第2の巻きループは、第1の巻きループより巻掛紐の耳の側とし、第3のループを浮きループとし、第4のループを浮きループの根に重ねる巻きループとすると、第4のループは、浮きループの根と巻掛紐の耳に交差して重なる締めループとなり、第3の浮きループを、第1と第2と第4の締めループに交差するようにループシフトして、引き締めて締めループとすると、第1と第2と第4の締めループは、第3の締めループによってその交差して重なった部分で押さえられる拘束ループともなり、第3の締めループは、第4の締めループによって、その交差して重なった部分で押さえられる拘束ループともなる。
すなわちこの結束では、第1第2第3第4の全てのループが、締めループでありかつ拘束ループである。
このように、締めループでありかつ拘束ループであるループも存在する。
先にも説明したように、締めループでありかつ拘束ループであるループは、交差して押さえる部位と、交差して押さえられる部位を増やして、結束を強化する働きをする上に、その押さえる交差部位と押さえられる交差部位の距離が近いと、結束はさらに強化される。
実施例8の段落[345]には、この結束方法を例示している。
実施例10の段落[0387]〜[392]に説明した後締め手結束は、この結束方法を手で行う方法を説明したものである。
段落[184]で説明している図10の(d)と、実施例6の段落[0306]と[0307]に説明した図16の(e1)(e2)には、上記の結束で、第2のループを省いた結束形状、が描かれているので、参考にされたい。
図は省略するが、第1ループを巻掛紐の耳を押さえる巻きループとし、第2ループを第1ループを越して巻掛紐の耳と反対側に並べた浮きループとし、さらに並べて第3ループを巻きループとし、第3ループの巻きループを越すように、すなわち巻掛紐の尾の方に浮きループをループシフトすると巻掛紐の尾を押さえる位置となり、巻掛紐の尾を引き締めると別な形の結束となる。また第1ループの巻きループと第2ループの浮きループの間に任意の数の巻きループを挿入し、これら巻ループの何れか1つ以上が巻掛紐の耳を押さえるようにしても差し支えない。
浮きループを2つにすると引き締めが少しきつくなるが結束は強くなる。浮きループの後の巻きループを2つにすると引き締めが少しきつくなるが結束は強くなる。
結束強度は強くないが、巻きかけの位置が1、2、3の順番通りで、浮きループのループオフも軽度で済み、ループシフトもやり易く、巻きかける巻掛紐の尾をそのまま引き締めるので、手作業で結束する場合に迅速で簡単である。巻掛紐の尾の引き締めは後の巻きループを介して行われるが、後の巻きループは他のループで押さえられていないので、引き締めに余分な力は必要ない。出入が少なくて無理がかからないので、滑りやすい荷紐やコードであれば、荷紐やコードの端自体を自身の束に巻きかけて纏める時などに適している。束を解くのも簡単である。
段落[0160]〜[0175]の図7の後締め結束方法は、実施例8と図18で例示するように、簡潔な結束装置とすることができる。また、実施例10と図20で例示するように、手作業で迅速に結束することが容易である。
段落[0133]〜[0141]の図3や段落[0142]〜[0154]の図4の先締め結束方法は、実施例9と図19で例示するように、簡潔な結束装置とすることができる。また、実施例11と図21で例示するように、手作業で結束することができる。
図8は、巻掛紐の尾の巻く位置を移動する、巻きかけ移動の説明図である。
(a)は、被結束材001と巻掛紐の耳005を不動とし、巻きかけ手段101を巻きかけ移動007した例である。
(b)は、巻きかけ手段101の位置を不動とし、被結束材001と巻掛紐の耳005を巻きかけ移動007した例である。
(c)は、被結束材001と巻掛紐の耳005と巻きかけ手段101の位置を不動とし、移動補助具102で巻きかけ移動007した例である。
(d)は、被結束材001と図示しない巻掛紐の耳005と巻きかけ手段101の位置を不動とし、補助ガイド103の傾斜に沿って巻掛紐002がスライドすることにより巻きかけ移動007した例である。
ここでは、補助ガイド103を不動として描いたが、補助ガイド103は不動に限るわけではない。補助ガイド103が移動する場合は、補助ガイド103が移動補助具102の機能をあわせて持つ場合、と解釈することができる。
巻きかけ移動は、このように種々の方法で巻掛紐の位置を移動して巻きかけることであり、ここに例示した方法に限るものではない。
図9は、巻きループの巻きつけ動作の邪魔をしない位置に浮きループを形成する、ループオフの説明図である。112は巻掛紐の耳005を把持する耳ホルダー、101は巻掛紐に張力を与えながら被結束材001のまわりを回転する巻きかけ手段である。
(a)(b)(c)は、先締め結束での説明図である。
(a)は、巻きかけ手段101の位置に紐掛け111を移動して、巻きかけ手段101を回転して、浮きループ014を形成した状態である。
(b)は、紐掛け111を移動して、浮きループ014をループオフ011した状態である。
(c)は、巻きかけ手段101を1回転して、巻掛紐の耳005に重なるように巻きループ008を形成した状態である。ここで巻きかけ手段101を2回転した方が、より強固な結束になることは先に説明した。
ループオフの説明であるので、ここで仮に、巻きかけ手段101や耳ホルダー112は位置が不動の状態で図示した。巻きかけ手段101と区別し理解やすいように、耳ホルダー112から垂れる巻掛紐は図示していない。ここでの説明は、耳ホルダー112の他端から巻掛紐が出ていない、と限定するものではない。
引き締め013の時は、耳ホルダー112そのものが引き締め動作をする場合もあるし、把持固定を解除して、巻掛紐だけが引き締め動作をする場合もある。ここでの説明で、耳ホルダー112は不動のもの、と限定するものではない。
(d)(e)(f)は、後締め結束での説明図である。
(d)は、巻きかけ手段101を2回転して、巻掛紐の耳に重なる2つの巻きループ008を形成した後に、巻きかけ手段101の位置に紐掛け111を移動して、巻きかけ101を1回転して、浮きループ014を形成した状態である。
(e)は、紐掛け111を移動して、浮きループ014をループオフ011した状態である。
(f)は、巻きかけ手段101を1回転して、巻掛紐の耳005に重なるように、3つ目の巻きループ008を形成した状態である。
ループオフは、このように巻きループの巻きつけ動作の邪魔をしない位置に浮きループを形成することであり、ここに例示した、紐掛け111を使い、それを移動する方法、に限るものではない。緩めた巻掛紐を回転して、大きな浮きループを必要な方向に撓ませて形成するなど、色々な方法が考えられる。
図では、紐掛け111の移動で、浮きループをループオフするように説明したが、先に説明した色々な巻きかけ移動を利用すれば、この方法に限るものではないことは明らかである。
また、浮きループが巻きループの巻きつけ動作の邪魔にならない巻きつけの方法とする例として、例えば段落[0175]の結束で、紐掛けで浮きループを低く作り、紐掛けが上昇して、浮きループを垂直に大きく引き伸ばし、巻きかけ手段が上昇した紐掛けより下を回動し、巻きかけ手段が浮きループを押しのけるような斜めのガイド部分を持つようにすれば、後の巻きループは、浮きループの根に近接して並べて作成することができる。
図10は、巻きループ008や巻掛紐の尾006にかぶせるように浮きループ014を移動する、ループシフト012の説明図である。112は巻掛紐の耳005を把持する耳ホルダー、101は巻掛紐に張力を与えながら被結束材001のまわりを回転する巻きかけ手段である。
(a)(b)は、先締め結束での説明図である。
(a)は、浮きループ014がループオフ011し、巻掛紐の耳005に重なるように巻きループ008が作られた状態である。
(b)は、浮きループ014が、巻きループ008を越えるようにループシフト012した状態である。
(c)(d)は、後締め結束での説明図である。
(c)は、巻掛紐の耳005を押さえるように、1つの巻きループ008が作られ、浮きループ014がループオフ011し、巻掛紐の根と、巻掛紐の耳005、に重なるように、1つの巻きループ008が作られた状態である。
(d)は、浮きループ014が、巻きループ008を越えるようにループシフト012した状態である。
図では、紐掛け111が引っ掛けた巻掛紐を移動する方法で説明したが、ループシフトは、この方法に限定するものではない。大きく緩んだ浮きループを把持して移動するとか、浮きループの位置を固定し、被結束材が動くなど、色々な方法が使用できる。
ループシフトの説明であるので、ここでは仮に、巻きかけ手段101や耳ホルダー112は位置が不動の状態で図示した。巻きかけ手段101と区別し理解やすいように、耳ホルダー112から垂れる巻掛紐は図示していない。ここでの説明で、耳ホルダー112の他端から巻掛紐が出ていない、と限定するものではない。
引き締め013の時は、耳ホルダー112そのものが引き締め動作をする場合もあるし、把持固定を解除して、巻掛紐だけが引き締め動作をする場合もある。ここでの説明で、耳ホルダー112は不動のもの、と限定するものではない。
従来のTB1・TW1などの紐による結びは、巻いた後で相互に通すという面倒な結び動作が必然であり、TB2・TW2の輪ゴム通しは、何度も回したり捻ったりしながら通すという動作であり、TB4の粘着テープ貼りは、一般に専用装置が必用であり、TW5のPPバンドは、一般に専用装置が必用であり、TB7の溶着やポンチ打ちは、専用装置が必用であるのに比べ、本発明の結束は、巻きかけてループシフトして引き締めるだけの動作で、簡潔である。
簡潔な動作であるから、迅速であり、装置も単純となる。
結束を解く場合、従来のTB1・TW1などの結びは、解くという動作であり、結び方によっては面倒な動作となり、TB2・TW2の輪ゴム通しでは、端を探してから何度も回したり捻ったりしながら抜くという動作であり、TB3やTB4の粘着とTW6のラチェットバンドは、解くのは困難で切断するしかなく、TB5の針金の結束では、捻れ方向を確認してから、何度も捻るという動作であるのに比べ、本発明の結束を解くのは、紐の端を引くだけの動作で、簡潔であり迅速である。
結束材料のおよその費用は、TB2・TW2の輪ゴムが0.3円、TW3のビニルテープは1〜2円、TB4の粘着テープが0.1〜0.2円、TB5・TW4の針金は0.7〜0.9円、TW5のバンドは2.2円、TW6のラチェットバンドは7円、TW7の爪バンドは70円、TW8の輪かけは4円、TW9の面ファスナーは50〜70円、TW10のツイストは17円などであるのに比べ、本発明の巻掛紐は、皮革用糸で0.1〜0.2円、タコ糸で0.8円、三つ編紐で0.9円からなど、材質・太さ・構造で様々である。安いものは従来の方法の最廉価レベルで、見栄えの良い紐を用いてもさほど高価にはならない。本発明の結束方法では、価格の安い袋とじから見栄え重視の飾り結びまで、用途によって選択できる。
美観は、TB2・TW2の輪ゴムと、TB3・TW3・TB4の粘着テープと、TB7の止め具の熱溶着と、TW5のPPバンド、の見栄えは悪く、TW6のラチェットバンドと、TW7の爪バンドと、TW8の輪かけが、出っ張りが多いのに比較して、本発明の結束は、スッキリと美しい。
TW5のPPバンドの溶着とTB7の溶着は専用装置が必要であるのに比べ、本発明の結束は、人手による結束が可能である。
TB3・TB4の粘着テープと、TW5の溶着PPバンドと、TW6のラチェットバンドと、TB7の溶着が、再使用が出来ないのに比べ、本発明の結束は、巻掛紐の耳と巻掛紐の尾の長さに余裕があれば、再使用や転用が可能である。
TB6のクロージャーが密封が出来ないのに比較し、本発明の結束の密封性は良好である。
TB6のクロージャーと、TW7の爪バンドと、TW8の輪かけと、TW10のツイストが、結束強度が弱いのに比べ、本発明の結束は、強固にすることができる。
TB2・TW2の輪ゴム巻きが、耐久性が低いのに比べ、巻掛紐を使った本発明の結束は耐久性は高い。
TW5のPPバンドと、TW8の輪かけと、TW9の面ファスナーは、かさばるために、使用しないときの収納性が良くない。紛失防止のできるTW7の爪バンドや、TW9の面ファスナーは、使用中の張り出しが大きくなる場合もある。これらに比べ、本発明の結束は、段落[0396]の説明のように、紛失防止の手段を講じることも可能であり、結束時の張り出しもなくせ、収納性が良く、サイズが小さい。
TB2・TW2の輪ゴム巻きは、ループ状や長尺の被結束材を結束できないのに比べ、本発明の結束は、ループ状や長尺の被結束材を結束できる。
TB1・TW1の紐結びとTW5のPPバンドの結束装置が大掛かりなものになるのに比べ、本発明の結束装置は、実施例8、9のようにコンパクトにまとめることができる。
TB3・TW3の粘着テープ巻きが被結束材を汚すことがあるのに比べ、本発明の結束は、被結束材を汚すことがない。
特許文献12の魚網用結束装置の改良である、特許文献11の結束装置の結束の位置が、輪を作る位置から大きくズレを生じるのに比べ、本発明の結束は、位置がずれることがない。
段落[0039][0040][0063][0065][0075][0085][0088][0101][0102][0150][0154][0167][0171][0174][0175]などでも述べたように、本発明の結束は、巻きかけの仕方を変えるだけで、目的によって異なる、結束の強さと解き易さを持った、色々な形態のものとすることができる。
図1は、従来の袋口部の結束の7つの例である。 図2は、従来の線材の結束の9つの例である。 図3は、最も簡単な先締め結束の説明図である。 図4は、強度が強い先締め結束の説明図である。 図5は、先締め結束の変形の説明図である。 図6は、先締め結束の変形の説明図である。 図7は、強度が強い後締め結束の説明図である。 図8は、巻きかけ移動の説明図である。 図9は、ループオフの説明図である 図10は、ループシフトの説明図である。 図11は、実施例1の巻きかけ機構の説明図である。 図12は、実施例2の巻きかけ機構の説明図である。 図13は、実施例3の巻きかけ機構の説明図である。 図14は、実施例4の巻きかけ機構の説明図である。 図15は、実施例5の紐コントローラ機構の説明図である。 図16は、実施例6のループオフとループシフトの機構の説明図である。 図17は、実施例7の巻掛紐の保持と切断の機構の説明図である。 図18は、実施例8の後締め結束装置の説明図である。 図19は、実施例9の先締め結束装置の説明図である。 図20は、実施例10の後締め手結束の説明図である。 図21は、実施例11の先締め手結束の説明図である。
本発明の結束装置を実現するための主要な機能の機構の実施例を例示した後、本発明の結束装置を実施するための最良の形態の実施例と、手で結束する手順の実施例を説明する。
図11は、被結束材001に巻掛紐002を巻く機構の例である。
121は巻きかけパイプで、内部は中空で巻掛紐002が通るようになっており、図示しない軸受けで保持されて、先端が被結束材001の周りを回転できるようになっている。
被結束材001はフレーム127で支持されている。
巻きかけパイプ121は歯車伝動装置122で駆動され、歯車伝動装置122は図示しないモータや手回しハンドルで駆動される。図では歯車伝動装置122は大歯車123が1回転で小歯車124が4回転する例で描いている。
巻掛紐002は玉巻き125の内部から供給され、紐コントローラ126を通り、巻きかけパイプ121の内部を通り、被結束材001の近傍で巻掛紐の耳005となり、巻掛紐の耳005は図示しない装置で固定されている。
紐コントローラ126は、巻掛紐002の張力を調整し、結束完成のタイミングでは巻掛紐002に引き締め013の動作を与える装置である。紐コントローラ126の機構例は後述の実施例5で別に説明する。
大歯車123が1回転すると、巻きかけパイプ121の先端が被結束材001の周りを4回転する。巻掛紐の耳005が固定されているので、巻掛紐002は紐コントローラ126で適正な張力を与えられながら玉巻き125の内部から供給され、巻掛紐002は被結束材001に適正な強さで4回巻きついてループを形成する。
なお、この実施例は巻き掛けの機構の一例を解説するもので、巻きかけ移動、浮きループの形成、ループオフ、ループシフト、引き締め、巻掛紐の切断、巻掛紐の耳の保持、などの方法は後述することとして、ここでは説明しない。
この例では巻きかけパイプ121というパイプ部材で説明したが、パイプに限らず溝を切った構造物とするなど、代替の方法は色々ある。
この文書では、回転軸から半径方向にオフセットした巻掛紐の巻きかけ部材を回転軸で回動することで回転軸と略同軸位置の被結束材に巻掛紐を巻きかける手段を「ぶん回し巻きかけ手段」と記述する。
図12は、被結束材001に巻掛紐002を巻くもう一つの機構の例である。(a)は正面図で一部断面図、(b)は側面図で一部断面図である。
131は巻きかけディスクで、ディスクフレーム132の溝で回転可能に支持している。巻きかけディスク131にはディスク歯車133があり、歯車134で回転駆動される。
巻きかけディスク131とディスクフレーム132には穴135があいており、被結束材001を差し込むことができる。被結束材001は台136で支持される。
巻きかけディスク131には、巻掛紐の尾006を収納する馬蹄形の溝リング137が固定されている。溝リング137に収納した巻掛紐の尾006が脱落しないように、圧力板138がバネ148で溝を狭めるように押している。圧力板138も馬蹄形である。
ボビン139に巻かれた巻掛紐002は、紐コントローラ126を通り、張力付加材142を経て、端部の残りが溝リング137に収納されている。
紐コントローラ126は巻掛紐002の固定、開放、引き出し位置141の移動、引き締めなどの機能を有するが、その詳細は後述の実施例5で説明する。
張力付加材142は調整ネジ146で調節される図示しないバネで加圧されたコマ147を有し、挟まれた巻掛紐に強い張力を与える。張力付加材142は働かないときは穴135の邪魔をしないように図示しないバネで遥動して退避できる。張力付加材142は結束後の巻掛紐の尾006の長さを穴135の半径より短くしたい場合に付加すると好ましいもので、この様な形のものが必ずしも必要なわけではなく、結束後の巻掛紐の尾006をデザイン的に長くするとか、穴135を小さくして溝リング137に張力付加の働きを持たせるなど、他の方法でも良い。また、張力付加材142の巻掛紐の挟み方はここに述べたコマ形状のものには限らず、板バネなど種々のバリエーションが有り得る。
溝リング137に収納された巻掛紐の尾006は圧力板138で軽く抑えて脱落しない状態とする。
(b)図のように、巻掛紐002は溝リング137に引っ掛からないように紐コントローラ126で引き出し位置141を移動145した状態とする。巻きかけディスク131を複数回転すると、巻掛紐002は被結束材001に巻きつき複数のループを形成する。巻きついた長さの巻掛紐は溝リング137に収納された巻掛紐の尾006がスリップして供給される。巻き付けに必用な張力は張力付加材142のコマ147により与えられる。
張力付加材142から抜ける寸前に、浮きループをループシフトして引き締めると結束できるわけであるが、この実施例は巻き掛けの機構の一例を解説するもので、巻きかけ移動、浮きループの形成、ループオフ、ループシフト、引き締め、巻掛紐の切断、などの方法は後述することとして、ここでは説明しない。
(c1)(c2)(c3)(c4)(c5)は、巻掛紐の尾006を溝リング137に収納する過程を説明した図である。各図とも正面図と側面図をセットにして描いてある。
(c1)は、前回の結束が終了し、巻掛紐002が切断され、新しい巻掛紐の尾006が紐の尾把持材143で固定され、前の被結束材001が取り除かれた状態である。引き出し位置141は巻掛紐002が溝リング137に引っ掛からない位置のままである。
(c2)は、引き出し位置141が溝リング137の位置に移動145し、巻きかけディスク131が少し回転した状態である。巻掛紐の尾006はディスク尾ホルダー144に挟まれた状態である。紐コントローラ126は巻掛紐002の固定を解放して弱い張力をかけた状態とする。
ディスク尾ホルダー144は、巻きかけディスク131に装着したもので、図示しないバネで加圧するコマや板バネなどの巻掛紐002を把持する部材であり、巻きかけディスク131と共に回転する。ディスク尾ホルダー144の把持力は、溝リング137と圧力板138の間に巻掛紐002が挿入される力に抗する大きさである。紐コントローラ126が巻掛紐002にかける張力はディスク尾ホルダー144の把持力より弱く、巻掛紐002を溝リング137と圧力板138の間に挿入するに足りる強さである。
(c3)は、紐の尾把持材143が巻掛紐の尾006の固定を解放し、巻掛紐の尾006はディスク尾ホルダー144に把持され、巻きかけディスク131が少し回転して、巻掛紐002が紐コントローラ126から引き出され、巻掛紐002が溝リング137に収納される経過の図である。この時点で、新しい被結束材001を穴135に挿入する。新しい被結束材001の挿入のタイミングは(c2)または(c1)の状態でも良い。
(c4)は、巻掛紐002の溝リング137への収納が完了した状態である。この状態に先立って、紐コントローラ126が巻掛紐002を固定したことにより、巻掛紐の尾006はディスク尾ホルダー144から抜けて被結束材001の大きさに適した長さが溝リング137に収納される。また、紐コントローラ126は巻掛紐002の引き出し位置141を巻掛紐002が溝リング137に引っ掛からない位置まで移動145する。
(c5)は巻きかけディスク131が半回転して(a)の状態に至った図である。巻掛紐の尾006は引かれて溝リング137の中でスリップして移動する。巻掛紐の尾006は溝リング137と圧力板138から与えられた張力で張力付加材142に食い込み、張力付加材142は遥動して被結束材001に接近する。
なお、材料給送路のある中空ドラムを回転車などで保持して歯車で回転させるまでの機構は特許文献10、13に見られる考案であるが、溝リング137や圧力板138などの巻掛紐の尾006を収納する機能やディスク耳ホルダー144などの収納を補助する機能と巻き掛けに必要な張力を与える張力付加材124を持つ巻き掛けディスク131と、巻掛紐の収納工程と被結束材への巻きかけ工程を切り替えるのに必要な引き出し位置141を移動145する方法や巻掛紐002の供給の張力を切り替える方法などは特許文献13とは技術の内容を全く異にするものである。
この実施例では巻掛紐の耳は紐コントローラ126の側にあり連続した巻掛紐の一部であり、巻掛紐の尾は巻きかけディスク131側にある巻掛紐の端部である。
この実施例のように結束に必用な長さの巻掛紐の尾を巻きかけの邪魔にならないように保持することを、以下この文書では「紐の尾保持」と記述する。紐の尾保持はこの実施例のように溝リング137などに収納するとは限らず、巻きかけの邪魔にならないように保持する各種の方法である。
巻掛紐の収納工程と被結束材への巻きかけ工程を切り替えるために巻掛紐の耳を移動することを、以下この文書では「巻掛紐の耳移動」と記述する。
必要な長さの巻掛紐の尾の収納と巻き掛けのために供給する巻掛紐の張力の切替えや固定をすることを、以下この文書では「紐供給力コントロール」と記述する。
実施例2は紐の尾保持の機能を持つ穴135の開いた巻き掛けディスク131によって、巻掛紐の耳移動と巻掛紐供給力コントロールにより巻掛紐の収納と被結束材001への巻きかけを行う機構の一例である。
この文書では、中心に穴のあいた円盤状の部材を回転可能に支持し、円盤に紐の尾保持の手段と巻掛紐に張力を与える手段を持ち、円盤の略中心にある被結束材に巻掛紐を巻きかける手段を「ディスク巻きかけ手段」と記述する。なお、実施例3に説明するような円盤の一部を切り欠いた形状のものも巻きかけディスク手段に含むものとする。
実施例3は紐の尾保持の機能を持つ穴135と開口151を持つU字型巻き掛けディスク131によって、巻掛紐の耳移動と紐供給力コントロールにより巻掛紐の収納と被結束材001への巻きかけを行う機構の一例である。
図13は、被結束材001に巻掛紐002を巻くもう一つの機構の例である。
実施例1と2では被結束材001は端部を持つものに限られる。実施例1では被結束材001の端部から結束できる位置までの距離に制限がある。
実施例3では、ループ状や長尺の被結束材への適用が可能な巻きかけ手段の機構の例を説明する。
(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。実施例2と異なる巻きかけディスクの部分を主に描いたものである。
巻きかけディスク131は穴135の一部が開口151したU字形となっている。ディスクフレーム132の穴135も一部が水平方向に開口151したU字形となっている。水平の開口151があるので被結束材001は水平に挿入が可能である。従って被結束材001はループ状や長尺などの形状を問わない。また穴に差し込む方法ではないので、穴135を余計に大きくしておく必要はなく、実施例2で説明したような巻掛紐の尾006の長さを短くするための張力付加材142のような特別の機能材を必要としない。なお、ここでは開口151を水平として説明するが、開口151は水平に限るものではない。
圧力板138は溝リングを兼ねており、巻掛紐002を導入しやすい皿型断面形状のU字形とする。ここに例示する皿形状に限らずコマ形状など形状は各種に設定できる。
圧力板138は図示しないバネなどの加圧装置で巻きかけディスク131に押し付けられている。圧力板138の一端は実施例2で張力付加材142に持たせていた張力付加機能を兼ねるようになっている。すなわち圧力板138の開口151に位置する張力付加機能部152は巻掛紐002が被結束材001のある中心部に向かう溝が設けられており、図示しない加圧装置はこの部分の圧力を被結束材001への巻き掛けに耐える大きさの張力を付加できる大きさとし、その他の部分の圧力は張力付加機能部152に巻掛紐002が食い込むことのできる程度の張力を付加するようにする。張力付加機能部152やその他の部分の圧力は図示しないネジなどの調整装置で調整できるのが好ましい。
巻きかけディスク131がU字形となるので、ディスク歯車133も一部が欠損した歯車となる。直接駆動する歯車134は、ディスク131のU字型の開口151にかかった時も回転駆動が持続できるように2個とした。2個の歯車134はそれらに同時に噛む駆動大歯車154で同じ大きさと方向とタイミングの回転を伝えられる。従って開口151にかかった歯車134はその後再びディスク歯車133と噛み合うことができる。
この例では巻きかけディスク131を回転可能に保持するの機構を6個の小さなコロ153によった。コロ153は巻きかけディスク131に設けた溝に噛み合い、ディスクフレーム132で回転可能に保持されている。コロ153の1つが巻きかけディスク131のU字型の開口151にかかった時も、他のコロ153が巻きかけディスク131の回転を支えることができる。コロ153は5個以上あればこのような回転保持機能を持たせることができる。
ディスクフレーム132の穴135と開口151には、ディスクフレーム132の厚さが大きくなる場合は、逃げ155を設けると良い。被結束材001を手で挿入する場合に手がディスクフレーム132に当ることを防ぐことができる。
ディスク尾ホルダー144はコマ形状で、図示しないバネなどの加圧装置で巻きかけディスク131に押し付けられている。ディスク尾ホルダー144の巻掛紐002の保持力は巻きかけディスク131と圧力板138の間に巻掛紐002を挿入できる大きさとする。ディスク尾ホルダー144の巻掛紐002の保持力は図示しないネジなどの調整装置で調整できるのが好ましい。
巻きかけディスク131の穴135を小さくすることで実施例2で説明した張力付加機能部152を圧力板138に兼用させることを可能とした。
被結束材001のサイズが大きくなった場合や巻掛紐の尾006の大きさを変え場合は、張力付加機能部152の位置は相応に変更できることが好ましい。
このためには、穴135の大きさが異なる複数の巻きかけディスク131を用意し、交換可能とするのが一つの方法である。この例では、ディスクフレーム132の一部をネジなどで着脱可能な補助フレーム156とし、2個のコロ153をこの部分に設けた。補助フレーム156を外すと2個のコロ153も外れ、巻きかけディスク131は容易に交換可能となる。
(d1)(d2)(d3)(d4)(d5)は、巻掛紐の尾006を圧力板138に収納する過程を説明した図である。(a)(b)(c)で説明した張力付加機能部152は独立の張力付加コマ160に変更して描いてある。また(a)(b)(c)に描かなかった固定カッター157と回転カッター158とカッター押し込み材159を追加して描いた。
(d1)は前回の結束の引き締め013が行われた直後の状態である。実施例2と異なり、引き出し位置141は巻掛紐002がディスク尾ホルダー144に引っ掛る位置に移動145している。回転カッター158は巻きかけディスク131と共に回転する。カッター押し込み材159は固定カッター157と回転カッター158の間に図示していない駆動装置で巻掛紐002を切断するタイミングで押し込む。
(d2)は巻掛紐002が固定カッター147と回転カッター148で切断され、開口151が水平となるまでディスク131が回転して停止した状態である。ここで結束の完了した被結束材001を取り出し、新しい被結束材001を挿入する。巻掛紐の尾006はディスク尾ホルダー144に挟まっている。
(d3)は紐コントローラ126が巻掛紐002の強い引き締め013を解放し、ディスク尾ホルダー144の把持力よりは弱くて圧力板138への挿入の抵抗力に見合う張力を与えた状態でディスク131が90度回転し、巻掛紐の尾006が圧力板138に挿入されている経過を表した図である。
(d4)はディスク131がさらに回転し、ここには図示していない紐コントローラが引き出し位置141を巻掛紐002がディスク尾ホルダー144や圧力板138に引っ掛からない位置に移動145して巻掛紐002を固定し、巻掛紐の尾006はディスク尾ホルダー144を離れて圧力板138の中に収納され、巻掛紐002は張力付加コマ160に挟まれた状態である。
(d5)はディスク131がさらに回転し、被結束材001への巻き掛けが始まっている状態である。巻掛紐の耳005は図示しない紐コントローラで固定された状態で、張力付加コマ160で巻き掛けに必要な張力を与えながら、巻掛紐の尾006は圧力板138の中でスリップしつつ被結束材001に巻きついて行く。
この例では巻きかけディスク131を回転可能に保持するのに最低5個のコロ153を使用するとして説明したが、機構的に連結された歯付きコロなどの通常考えられる機構などを設ければ最低数は5個とは限らない。巻きかけディスク131を回転可能に保持する方法はここに説明した方法には限らない。
また、切り欠きのある糸掛け歯車を回転自由に保持して2つのアイドルギヤーで回転させる機構は特許文献12の段落[0010]と図の3や特許文献14の段落[0024]と図の18で説明されている。U字型のディスクの支持と回転駆動に限れば同様の機構であるが、圧力板138などの巻掛紐の尾006を収納する機能やディスク耳ホルダー144などの収納を補助する機能と巻き掛けに必要な張力を与える張力付加コマ160を持つ巻き掛けディスク131と、巻掛紐の収納工程と被結束材への巻きかけ工程を切り替えるのに必要な引き出し位置141を移動145する方法や巻掛紐002の供給の張力を切り替える方法などは特許文献12や14とは技術の内容を全く異にするものである。
この文書では、実施例3に説明するような、紐の尾保持の手段と巻き掛けに必要な張力を与える手段を持ち、穴と開口のあるU字型巻き掛けディスクを回転可能に支持し、ディスクの略中心にある被結束材に巻掛紐を巻きかける手段も、段落[0222]と同様に「ディスク巻きかけ手段」と記述する。
図14は、被結束材001に巻掛紐002を巻くもう一つの機構の例である。
131は図13と類似の巻きかけディスクで、ディスクフレーム132と共に穴135の一部が開口151してU字型となっている。巻きかけディスク131は図示しないコロ153で回転自由に支持され、図示しないディスク歯車133で回転駆動される。
巻きかけディスク131には一対の把持レバー161が内蔵され、互いに歯車部が噛み合い同期して開閉することができる。把持レバー161の片方が把持解放ピン162に当った時に把持レバー161は開き、被結束材001を挿入することができる。把持解放ピン162が下降などして当りが解放されると、把持レバー161は図示しないバネで閉じて、被結束材001と巻掛紐の耳005を把持する。
巻きかけディスク131が回転すると被結束材001と巻掛紐の耳005も回転し、巻掛紐002は紐コントローラ126で張力を与えられながら被結束材001に巻きかけされる。被結束材001への巻きかけの位置は図示しない駆動装置で動作する巻きかけ移動材163で巻きかけ移動007される。
巻きかけと巻きかけ移動の機構の例であるから、図14には浮きループの作成に関する紐掛けなどは図示していないが、被結束材が回転する場合は紐掛けなども一緒に回転する。
長い巻掛紐を使用する場合は、後締め結束では一般に引き締めの都合でぶん回し巻きかけ手段となる。ぶん回し巻きかけ手段は長尺の被結束材には使えない。この機構は長尺の被結束材にも使用できる引き締めも容易な後締め結束の巻きかけ手段である。しかし、リング形状の被結束材には使用できない。
この文書では、略中心に把持手段を持つ回転部材で、被結束材と巻掛紐の耳を把持し、巻掛紐の尾を略定位置とし、回転部材が回転することで、被結束材に巻掛紐を巻きかける手段を、「自転巻きかけ手段」、と記述する。
図15は、実施例1と実施例2でブラックボックスとして説明した紐コントローラ126の機構の例を説明したものである。また実施例8の張力付加引き締め装置の機構の例を説明したものである。
(a)(b)(c)は実施例1の紐コントローラ126の機構の一例である。(a)と(b)は引き締め機構171と張力調整機構172の引き締めカム186と強保持カム190の位置関係の説明図、(c)は紐コントローラ126の機構の説明図である。
巻掛紐002はフレーム173の入り口の穴174を通り、張力調整機構172の強保持材175と軟保持材176の間を通り、フレーム173に回転自由に保持された溝コロ177にガイドされ、出口の穴178を通って外部に出る。(c)の図では引き締め機構171は働いていない。
強保持材175は強いバネ179で下方に押され、段部分がフレーム173の段に引っ掛かりそれ以上は降下しない。
軟保持材176は弱いバネ180で上方に押され、強保持材175との間で巻掛紐002を挟む。ここの摩擦力が巻き掛けなどで引き出される巻掛紐002に張力を与える。バネ180は調整装置181で強さが調整できる。
引き締め機構171は引き締めコロ182が引き締めレバー183に回転自由に保持されている。引き締めコロ182は巻掛紐が外れないように溝のあるコロとなっている。引き締めレバー183はフレーム173に回転自由に保持されたコロ184で上下に移動可能となっており、強いバネ185で下方に引かれて、引き締めカム186で上部に押されて、引き締めコロ182が巻掛紐002に接触するあたりの位置に保持されている。
引き締めカム186は軸187に固定されている。軸187はフレーム173に設けた軸受け188で回転自由に保持されている。実施例1によれば、巻きかけパイプ121が4回転する間に軸187が1回転する。軸187は図示しないモータやハンドルなどで1回転の駆動を受ける。
引き締めカム186は(a)のような形状で、引き締めレバー183のカムフォロワー189が引き締めカム186の最高部を外れた時、引き締めレバー183はバネ185に引かれて強い力で下降する。このとき引き締めコロ182が溝コロ177と張力調整機構172の間で巻掛紐002を強く引く。
引き締めコロ182が巻掛紐002を強く引くとき、入り口の穴174からの巻掛紐002の供給を止める。張力調整機構172の強保持材175の強いバネ179が効くように(b)に例示する形状の強保持カム190が働く。強保持カム190が軟保持材176のカムフォロワー189を押し上げると、強保持材175の段がフレーム173の段から持ち上がり、巻掛紐002は強いバネ179の力で強く把持される。巻掛紐002の供給側が固定されることで、引き締めコロ182に引かれた巻掛紐002は出口の穴178の方から逆行し、被結束材001に巻かれた巻掛紐002は引き締め013の作用を受ける。
強保持カム190は軸187に固定されている。強保持カム190は引き締めカム186より先行して働く。その様子は(a)と(b)の図を対比すると理解できる。
この例では引き締めや巻掛紐の固定をカム装置で説明したが、エヤーシリンダーや電動シリンダーの自動制御なと、具体化の方法は様々に考えられる。機構や構造も様々な展開が可能であり、ここに例示した方法や構造に限るものではない。
(d)(e)は実施例2の紐コントローラ126の機構の一例である。(d)は引き締め013が行われている状態である。(e)は巻掛紐002の張力を緩めて、巻きかけディスク131のディスク尾ホルダー144に巻掛紐の尾006が保持されて巻きかけディスク131のの回転で巻掛紐002が引き出されている状態である。
フレーム173の入り口の穴174を通った巻掛紐002は、プリテンショナー201で抵抗力が与えられ、弛み防止レバー202のピン203に掛かり、紐駆動ロール204に掛かり、移動コロ205に掛かり、フレーム173の出口の穴178を通って外部に出る。
プリテンショナー201はバネ206でフレーム173の台座部を押す。プリテンショナー201の巻掛紐002に与える抵抗力が巻きかけディスク131が回転した時に圧力板138に食い込むのに必用な張力を与える。
弛み防止レバー202は遥動可能なレバーで、ピン203が緩んだ巻掛紐002を上方に撓ませることで巻掛紐002の弛みが発生するのを防止する。弛み防止レバー202は弱いバネ207で上方に引かれている。
紐駆動ロール204はツバを持ったロールで図示していない軸受けで回転可能に支持されている。回転自由な圧力コロ208がバネ209で紐駆動ロール204の底に押し付けられており、巻掛紐002は紐駆動ロール204に従動する。従動を確実にするために、巻掛紐002を紐駆動ロール204に複数回巻きつけるとか、紐駆動ロール204に滑り止めのローレットなどの処理を加えると好ましい。
紐駆動ロール204は図示していないトルクリミッタを経て図示していないクラッチで図示していないモータなどの駆動装置と連結されている。紐駆動ロール204は図示していないブレーキのオンで停止状態を保つことができる。クラッチのオンオフとブレーキのオンオフは図示していないコントローラで制御される。紐駆動ロール204の駆動による回転は引き締め013の働きをする。その時の回転方向は(d)に矢印で示した。トルクリミッタは巻掛紐002の引き締めの張力を調整する。
移動コロ205は水平に移動できる回転自由の溝付きコロで、バネ210で図の右方に押されている
フレーム173の出口の穴178は細い長穴で、巻掛紐002が移動145できる。
紐駆動ロール204のクラッチがオフの時、(e)のように、移動コロ205はバネ210で右に押され、巻掛紐の出口の位置は出口の穴178の右端に移動145した状態となる。これは巻きかけディスク131のディスク尾ホルダー144に巻掛紐の尾006が保持されて巻きかけディスク131の回転で巻掛紐002が引き出されている状態であり、巻掛紐002にはプリテンショナー201による張力がかかっているが、バネ210の強さはこの張力に打ち勝つ程度の大きさとする。
(d)のように紐駆動ロール204が引き締め013の動作をする時は、被結束材001に巻き掛けられた巻掛紐002には抵抗力が働いているので、移動コロ205はバネ210の力に抗して図の左に移動する。巻掛紐002は出口の穴178の左に移動145した状態となる。バネ210の強さはこの張力と巻掛紐002が圧力板138の中でスリップする時の張力で移動コロ205が移動できる程度の大きさとする。
(d)は、ブレーキがオフ、クラッチがオンで紐駆動ロール204がトルクリミッタでトルクを制限されながら回転している状態である。巻掛紐002には引き締め013の抵抗力がかかっており、移動コロ205は左に位置する。弛み防止レバー202は巻掛紐002の弛みを防止するように上昇する。
引き締めが終了したら、ブレーキをオン、クラッチをオフとする。巻掛紐002は停止し、(d)の位置状態が維持される。巻掛紐002は図示していないカッターで切断され、同時に巻掛紐002の端は紐の尾把持材143で把持される。これが実施例2の図12(c1)の状態である。
クラッチをオフとしたままでブレーキをオフとすると紐駆動ロール204はフリー回転となり、(e)のように移動コロ205は右に移動する。巻掛紐002は出口の穴178の右端に移動145する。移動の長さの分だけ弛み防止レバーが下降する。これが実施例2の図12(c2)の状態である。
巻きかけディスク131が回転して巻掛紐の尾006がディスク尾ホルダー144に保持されてから紐の尾把持材143を解放すると、実施例2の図12(c3)のように巻掛紐002は巻きかけディスク131に巻きつけられながら引き出される。弛み防止レバー202はさらに下降し、巻掛紐002はプリテンショナー201で張力を与えられながら入り口の穴174から供給される。(e)はこの状態を表わしたものである。
実施例2の図12(c4)のように巻掛紐002の巻きかけディスク131への巻きつきが終了する寸前のタイミングで、クラッチをオフとしたままでブレーキをオンとする。巻きかけディスク131の残りの回転で巻掛紐002はさらに引き出されるが、巻掛紐002は紐駆動ロール204が停止しているので、移動コロ205が左に移動することで長さを補う。補い切れなかった長さの分は、巻掛紐の尾006が圧力板138の中でスリップする。このとき巻掛紐の尾006が被結束材001の結束に必要な長さとなるようにブレーキをオンとするタイミングを設定しておく。
紐駆動ロール204がブレーキで停止した状態で巻きかけディスク131を回転すると巻掛紐の尾006は圧力板138の中でスリップし、張力付加材142が巻掛紐002に張力を与え、被結束材001への巻き掛けが行われる。その開始状態が実施例2の図12(c5)の状態である。
ここでは巻掛紐の固定・開放・引き出し位置の移動・引き締めなどの機能を、自動制御される紐駆動ロールの動きやバネの強さのバランスで説明したが、(c)に類したカム機構やエヤーシリンダー・電動シリンダーその他の各種が方法が考えられる。紐コントローラの機構や形はここに説明したものに限られるわけではない。
実施例3での紐コントローラ126は、引き締め013のタイミングでの引き出し位置141が実施例2の紐コントローラ126と異なるので、以上に説明したのとは異なる機構となるが、詳細な説明は省略する。
(f)(g)は実施例8の張力付加引き締め装置305の機構の一例である。
圧着コロ222は軸223で回転自由に保持されており、軸223はバネ224で図の右下に引かれている。圧着コロ222は固定板221に押し付けられ、図の下方にも力がかかる。巻掛紐002は図示しないボビンなどから供給され、穴228を通り、(f)では固定板221に沿い圧着コロ222と固定板221に挟まれ、圧着コロ222を略半回転巻いて、回転自由なガイドコロ225で方向を図の水平方向に転じて、図示しない巻きかけ手段に至る。
図示しない巻掛紐の耳は図示しない把持装置で固定され圧着コロ222から受ける張力に抗している。
巻掛紐002の固定を確実にするためには、固定板221にはギザギザなどの滑り止めの手段を講じると更に良い。
図示しない巻きかけ手段で図示しない被結束材に巻掛紐002が巻きつくと、紐供給227が行われる。(f)では圧着コロ222が図の上に移動226することで紐供給227が可能となる。巻掛紐002には圧着コロ222により張力が働き強い巻きかけが行われる。浮きループを形成する場合は巻きループよりも長い紐供給227となる。
(f)の圧着コロ222が上限まで移動したのが(g)の状態である。圧着コロ222は穴228の近傍で固定板221に押し付けられている。巻掛紐002は圧着コロ222と固定板221に挟まれたり解放されたりを微妙に繰り返して張力が加わったまま、紐供給227は図示しないボビンなどから穴227を通して行われるようになる。
図示しない浮きループがループシフトして保持が解放されると、圧着コロ222は図の下方に移動226して引き締め013となり、浮きループは巻きループや巻掛紐の尾を押さえて締めループとなり、結束が完了する。
その後図示しない把持装置は結束した巻掛紐の耳の把持を解放し、結束した巻掛紐の尾を把持し直し、巻掛紐の尾は図示しない切断装置で切断する。巻掛紐の尾を把持した図示しない把持装置は新しい巻掛紐の耳を把持した初期の状態に戻る。このときの圧着コロ222の位置は任意であっても差し支えは無い。新しいその次の動作は紐供給227であり、圧着コロ222の動作は図の上方への移動226だからである。さらに引き締め013で圧着コロ222が図の下方に移動226する場合も、圧着コロ222は巻きループの分は図の上方に移動226しているので、圧着コロ222のストロークが不足するということは無いからである。
この紐供給コントロールは同期が全く必要の無い簡単な機構である。巻掛紐の張力や位置の微妙な調整は出来ないが、巻掛紐の耳の把持さえ強力にしておけば実用性の高い優れた装置である。
ここでは、圧着コロにバネ力をかけ、固定板は固定としたが、圧着コロはガイドにより上下に移動するのみで、固定板は圧着コロに圧力をかける上下には位置不動の遥動部材とするなど、力の掛け方や部材の構造や機構は様々に展開できるものであり、ここに説明した形状や機構に限るものではない。圧着移動するコロと位置不動の部材の間で巻掛紐を固定し、コロの移動で巻掛紐の供給や引き締めを行い、コロの位置で外部からの供給も可能とする機構である所に新規性がある。
ここでは、圧着コロ222の位置が固定板221の穴228より上に位置した時に巻掛紐が外部から供給される例で説明したが、穴228を設ける事に限るものではない。穴228は溝に替える事もできるし、固定板221の上部には圧着コロ222が圧着されないような凹みを設けるとか、固定板221の上部では圧着コロ222の圧着方向の動きを拘束するなど、代替の方法は色々ある。
この文書では、上記のように、バネなどで移動荷重と圧着荷重を掛けた圧着移動するコロと位置不動の部材の間で巻掛紐の一部を挟んで動きを押さえ、コロに巻き掛かった巻掛紐に張力を与え、移動荷重によるコロの移動で引き締めを行い、コロの位置が位置不動の部材との圧着の範囲を外れた場合に外部からの巻掛紐の供給を行う機構である「圧着コロによる張力付加供給引き締め手段」と記述する。
段落[365]では、カムでタイミングを取って、圧着コロを駆動した例も記述している。何らかの駆動を付加しても、圧着コロによる張力付加供給引き締め手段、である。
圧着コロを駆動しない場合は、移動荷重に逆らってコロが移動できることで巻掛紐が供給できると好ましい。
図示は省くが、後締め結束の引き締めは、ぶん回し巻きかけ手段やディスク巻きかけ手段などの巻きかけ手段で行うこともできる。巻掛紐の供給を止めて巻掛紐の尾の把持を強くして巻きかけをすると、巻掛紐の尾は被結束材に巻きつきながら引き締めを行う。引き締めの長さの分を被結束材に巻きつけたくない時は、棒材などの補助の部材を突出させて、その補助の部材に掛けて引くようにすれば良い。
後締め結束にディスク巻きかけ手段を使い引き締めをディスク巻きかけ手段で行うようにすると、ぶん回し巻きかけ手段のように被結束材の長さが制限されることがない。後締め結束でもリング状や長尺の被結束材を結束できる。ただ、結束の後の巻掛紐の尾が長くなることは否めない。巻掛紐の尾が長い場合、結束を解いた後で手などで再結束する場合に、巻掛紐が長くて再使用しやすいという利点もある。
図16はループオフ011とループシフト012の機構の例である。
(a0)は、補助ガイド103を兼ねた移動補助具102と固定フック231と押出しバネ材232による機構の斜視説明図である。
(a1)(a2)(a3)(a4)はその動作説明図である。
(b0)は、バネフック241と支持材242による機構の斜視説明図である。
(b1)(b2)(b3)(b4)は、その動作説明図である。
(c0)は、レバーフック251による機構の斜視説明図である。
(c1)(c2)(c3)(c4)は、その動作説明図である。
(d0)は、ウィングフック261による機構の斜視説明図である。
(d1)(d2)(d3)(d4)は、その動作説明図である。
(e0)は、固定フック231と押出しカム271による機構の斜視説明図である。
(e1)(e2)(e3)(e4)は、その動作説明図である。
(a0)(a1)(a2)(a3)(a4)について、構造と動作を説明する。
この例では、巻掛紐の耳005は被結束材001の下方向で固定されており、被結束材001への巻掛紐の尾006の巻きかけ回動は同じ位置で行われる。
2個の固定フック231は一定の間隔で不動部材234に固定されている。間隔は被結束材001の太さ以上であるのが好ましい。不動部材234は図示しないディスクフレーム132に固定されている。ここでは不動部材234を図示しない巻きかけディスク131に似せてU字型としているが、形状をこの例に限るものではない。
(a1)で移動補助具102は図示しない駆動装置で固定フック231に掛かる位置まで移動している。巻きかけされる巻掛紐の尾006は移動補助具102の傾斜ガイド部237とブリッジガイド部235に沿って2個の固定フック231に巻きかけ移動007される。巻きかけ移動007された巻掛紐002は2つの固定フック231に引っ掛かりループオフ011した浮きループ014を形成する。
(a2)で移動補助具102は図示しない駆動装置で退避位置に戻っている。巻掛紐の尾006は被結束材001に略2個の巻きループ008を形成している。巻きループ008は浮きループ014にガイドされて巻掛紐の耳005に重なる状態となる。
(a3)は巻掛紐の尾006が固定フック231の位置を越すタイミングで、押出しバネ材232が図示しない駆動装置で突き出されている。押出しバネ材232は略コの字型で先端に小さいフック部位を有し、固定フック231に引っ掛かっていた浮きループ014を押し外すと同時に替わりに保持してループシフト012する。
(a4)は浮きループ014のループシフト012が完了したタイミングで、図示しない紐コントローラが巻掛紐の耳005の引き締め013を行い、押出しバネ材232が撓んで浮きループ014が押出しバネ材232のフック部位を外れ締めループ010となり結束が完成する。押出しバネ材232は図示しない駆動装置で待機位置に復帰している。236は撓んだ押出しバネ材の仮想位置を表す。
ここでは移動補助具102で巻きかけ移動する例で説明したが、巻きかけ移動はこの方法に限るものではない。
このように巻掛紐の巻きかけを巻きかけ移動して固定フックにループオフした締めループを形成して押出し材でループシフトをする装置を、以下この文書では、「固定フックシフター」と記述する。
この例は移動補助具で巻きかけ移動して可撓性の押出し材を使用した固定フックシフターである。
(b0)(b1)(b2)(b3)(b4)について構造と動作を説明する。
この例では、巻掛紐の耳005は被結束材001の下方向で固定されており、被結束材001への巻掛紐002の巻きかけ回動は同じ位置で行われる。
バネフック241と支持材242は形状任意の不動部材234の穴から突出できる。それらの駆動装置は図示していない。
(b1)でバネフック241と支持材242が同時に巻きかけ回動の位置まで突出している。巻掛紐の尾006はバネフック241の先端に引っ掛かり浮きループ014を形成している。
(b2)でバネフック241と支持材242は同時に引っ込み、浮きループ014がループオフ011し、略2回の巻きかけ回動で巻掛紐の耳005に重なる略2個の巻きループ008が形成されている。
(b3)で巻掛紐の尾006がバネフック241の位置を越すタイミングで、バネフック241のみが巻きかけ回動の位置を越えて突出して浮きループ014がループシフト012する。
(b4)でループシフト012した浮きループ014は図示しない紐コントローラで引き締め013されてバネフック241が撓み浮きループ014はバネフック241から外れ締めループ010となり結束が完成している。バネフック241は243のように撓んだ後に図示しない装置で駆動されて待機位置に復帰している。
このように可撓性のフックが移動してループオフ011とループシフト012をする装置を、以下この文書では、「バネフックシフター」と記述する。
(c0)(c1)(c2)(c3)(c4)について構造と動作を説明する。
この例では、巻掛紐の耳005は被結束材001の下方向で固定されており、被結束材001への巻掛紐002の巻きかけ回動は同じ位置で行われる。
レバーフック251は任意形状の不動部材234に固定された支点部材252を中心として遥動できる。レバーフック251は不動部材234の穴を通る駆動レバー253で遥動駆動される。駆動レバー253は図示しない駆動装置で動作する軸254とレバー255で往復運動できる。
(c1)でレバーフック251が巻きかけ回動の位置まで遥動突出している。巻掛紐の尾006はレバーフック251に引っ掛かり浮きループ014を形成している。
(c2)でレバーフック251は待機位置まで復帰し、浮きループ014がループオフ011し、略2回の巻きかけ回動で巻掛紐の耳005に重なる略2個の巻きループ008が形成されている。
(c3)で図示しない紐コントローラが巻掛紐の耳005を引き締め013しながらレバーフック251は被結束材001の方に遥動し、浮きループ014がループシフト012する。256はループシフト動作したレバーフックの仮想状態を表す。ループシフトした浮きループ014が引き締め013によりレバーフック251から脱落した直後に、レバーフック251は待機位置まで復帰している。
レバーフック251の被結束材001の方向への遥動と浮きループ014脱落後の復帰動作は駆動レバー253による駆動に限らず、引き締め013の力や復帰バネを利用する方法もある。
レバーフック251の被結束材001方向への遥動は被結束材001に略密着する程度まで行うのが好ましいが、必ずしも必用な条件ではない。
(c4)はさらに引き締め013を行い、浮きループ014は締めループ010となり結束が完成している。
(c0)ではレバーフック251はブリッジがかかった形状で描いたが、2つのレバーに分離した形でも差し支えはない。
このようにレバー状のフックが遥動してループオフ011とループシフト012をする装置を、以下この文書では、「レバーフックシフター」と記述する。
(d0)(d1)(d2)(d3)(d4)について構造と動作を説明する。
2つのウィングフック261は図示しない支点で支えらており、図示しないバネで被結束材の方向にスイングでき、図示しない駆動装置で待機位置263とフック位置264の2つのポジションに戻すことができる。
ウィングフック261は板状の部材で、浮きループ014が確実にループシフトするように、上辺は傾斜している。被結束材001までスイングした場合にループを押さえるように先端は曲がっていることが好ましい。巻掛紐の尾006を確実にフックするために掛け部位262を持つ。
巻掛紐の耳005は耳ホルダー112で把持される。
巻きかけパイプ121は最初は耳ホルダー112のある下位に位置しており、被結束材の周りを図示しない駆動装置で巻きかけ回動できると同時に、図示しない駆動装置で巻きかけ位置を巻きかけ移動007する左右の移動を行うことができる。
(d1)でウィングフック261は待機位置263に停止している。
巻きかけパイプ121は最初の巻き掛け回動を右に巻きかけ移動した位置266で行う。巻掛紐002は巻掛紐の耳005が右に伸びた状態で巻きループ008を生成する。
次に巻きかけパイプ121は通常の位置265に戻り、1回余の巻き掛け回動を行う。巻掛紐の尾006は巻掛紐の耳005に重なるように巻きループ008を生成している。
(d2)でウィングフック261はフック位置264にスイングする。巻きかけパイプ121が巻きかけ回動をすると、巻掛紐002はウィングフック261の掛け部位262に掛かり浮きループ014を形成する。
(d3)でウィングフック261が待機位置263にもどると浮きループ014はループオフ011する。その状態で巻きかけパイプ121が巻き掛け回動をすると巻きループ008が形成される。
(d4)で巻きかけパイプ121がウィングフック261の位置を通過したタイミングでウィングフック261が図示しないバネで被結束材001に当るまでスイングすると、ウィングフック261の先端が巻きループ008をひどくは緩まないように押さえる。浮きループ014は緩み、ウィングフック261から外れるようにループシフト加減となる。(d4)はそこまでの状況を描いたものである。ここで図示しない紐コントロール126で引き締め013をすると、浮きループ014はウィングフック261の上辺の傾斜に沿って確実にループシフト012し、浮きループ014は締めループ010となって結束が完成する。
この例では巻きかけパイプ121は最初の巻き掛け回動を右に巻きかけ移動した位置266で行うように説明したが、この巻きかけ移動をウィングフック261で行うこともできる。
図示は省くが、最初の巻き掛け回動の時にウィングフック261をフック位置264にし、フックが完了した直後にウィングフック261を図示しないバネで被結束材001に当るまでスイングすると第1ループは巻きかけ移動した巻きループ008となる。
このようにすれば、巻きかけパイプ121が左右に移動できる機構と駆動を省くこともできる。
このように上辺に傾斜ガイドを持ち巻掛紐の掛け部位を持つ遥動部材が遥動してループオフし、遥動して浮きループを緩め、巻きループを押さえ、引き締めでループシフトさせる装置を、以下この文書では、「ウィングフックシフター」と記述する。
(e0)(e1)(e2)(e3)(e4)について構造と動作を説明する。
この例は実施例8に使用するシフターの機構の例である。
この例では、巻掛紐の耳005は被結束材001の図の下手前方向で図示しない手段で固定されており、被結束材001への巻掛紐の尾の巻きかけ回動は巻きかけパイプ121を図の左右に移動しながら行う。
一組のフック部を持つ固定フック231は図示しない手段で不動に固定されている。
固定フック231の一組のフック部の間は一組の押出しカム271が入る空隙となっており、フック部の連結部分は斜面272となっている。
初期状態では押出しカム271の先端は固定フック231の間隙内に収納されている。
(e1)は巻きかけパイプ121が初期状態で1回の回動をして巻掛紐の耳005に重なる1つの巻きループを形成し、さらに固定フック231の位置まで移動して略3/4回転して、巻掛紐が固定フック231に掛かり浮きループ014を形成した状態である。
(e2)は巻きかけパイプ121が第1の巻きループの図の少し左に戻り、さらに1回転して、巻掛紐の耳005と、浮きループ014の根、に重なる最後の巻きループを形成した状態である。
(e3)は巻きかけパイプ121がさらに略1/4回転して停止し、押出しカム271が図示しない駆動装置で下降し、斜面272に沿い図の右下に移動し、固定フック231に掛かった浮きループ014を固定フック231の端まで押出した状態である。
この図は分かり易いように固定フック231は断面で表した。
この時、押出しカム271の先端は被結束材001の前後を隙間を開けて挟むように下降している。
また、押出しカム271の先端は巻きループ008をほぼ越す位置まで図の右に位置している。
(e4)は押出しカム271がさらに下降し、斜面272の上端とカム形状273の噛み合いにより急激に図の右に移動し、固定フック231に掛かった浮きループ014はフックを外れ、同時に作動する図示しない引き締め動作でガイド部274に沿い被結束材001の位置まで下降する。
この図は分かり易いように固定フック231は断面で表した。
この時、押出しカム271の先端は巻きループ008を完全に越す位置まで図の右に位置している。
従って浮きループ014はループシフトして巻きループ008の終わりである巻掛紐の尾006を押さえる締めループ010となる体制となる。
図示は省略するが、その後押出しカム271が上昇して初期位置に復帰し、押出しカム271の先端は締めループ010を抜け、締めループ010はさらなる引き締め動作で完全に締まり、結束が完了する。
この機構は狭い範囲に収納できるので、結束に要するスペースが短くなり、シフターが袋の内容物側に来る後締め結束に於いても都合が良い。
巻掛紐の巻きかけを巻きかけ移動して固定フックにループオフした締めループを形成して押出し材でループシフトをする装置であるから、この例も「固定フックシフター」の一つである。
この例はカム形状の押出し材を使用した固定フックシフターと言える。
切断は鋏やナイフで行うのが普通であるが、これに限るものではない。熱線によるなど既存の技術が使えることは言うまでも無い。
結束の紐の切断では、これをいかに使うかの工夫が必要である。一つは結束動作と干渉しない手立てを講じることである。二つは切断した紐の残りは次の結束を行うために準備された状態とするのが好ましい。つまり紐は把持してから切断するか、切断と同時に把持するのが良い。三つは緩んだ紐は切断ミスが発生しやすいので、ピンと張った状態で切断するのが好ましい。
図17は巻掛紐の保持と切断の機構の例である。
巻掛紐の保持は巻掛紐の耳005である場合も巻掛紐の尾006である場合もあるし、巻掛紐の端とも限らないので、紐の保持装置281と記述する。紐の保持装置281は巻掛紐002を把持固定する機能と解放する機能があり、切断装置282の刃を兼ねる場合もある。紐の保持装置281と切断装置282の駆動方法は図示していない。
切断は引き締め013が完了した時点で行うのが普通である。巻掛紐002はピンと張った状態にあり、把持と切断に好都合である。
紐の保持装置281と切断装置282が働くと、切断された巻掛紐002の端は紐の保持装置281で固定されて次の結束の準備となり、結束された被結束材001は結束装置から取り出すことができる。
(a)は巻掛紐002の位置に紐の保持装置281と切断装置282が移動している様子を説明した図である。切断装置282はV字型のナイフで図示した。
(b)は紐の保持装置281と切断装置282の位置に巻掛紐002が移動している様子を説明した図である。巻掛紐002の移動はカッター押し込み材159で押す様子で、切断装置282は鋏型で図示した。
(c)は紐の保持装置281と切断装置282の位置に巻掛紐002が移動している状態を説明した図である。巻掛紐002の移動は紐コントローラ126の引き出し位置141の移動145として、紐の保持装置281はコマ型で、切断装置282は鋏型で図示した。
(d)は巻き掛けディスク131の回転で巻掛紐002がディスク尾ホルダー144に噛み込まれ、巻き掛けディスク131に固定さた回転カッター158と不動部材234の固定カッター157のにより切断される寸前の様子を説明した図である。ここではディスク尾ホルダー144が紐の保持装置281の働きを有している。巻掛紐002をディスク尾ホルダー144と固定カッター157と回転カッター158の位置に移動する手段は、(b)のカッター押し込み材159や(c)の紐コントローラ126の引き出し位置141の移動145などの方法が使えるが、ここでは図示していない。
(e1)(e2)は紐の保持装置281と切断装置282が一体となった機構の説明図である。紐の保持装置281の第1レバー283はエッジが研磨加工されており、先端にガイドの傾斜285を持つ。第1レバー283は位置が不動である。
第2レバー284は上面が刃となった先行部位と把持面となった後続部位があり、先端にガイドの傾斜285を持つ。第2レバー284は支点286を中心に図示しない駆動装置で遥動できる。支点286はズレタ位置にあり、第2レバー284が開いた時は先端は巻き掛け回動位置287から外れた位置にある。
第2レバー284の先行部位である刃と第1レバー283のエッジが噛み合って巻掛紐002が切断されると同時に第1レバー283の端面と第2レバー284の後続部位である把持面が噛み合い巻掛紐002の端を把持する。
(e1)は解放状態の説明図である。巻掛紐002は巻き掛け回動位置287のまま切断位置に停止できる様子を下の図の細線と矢印で表している。
(e2)は切断直後の説明図である。巻掛紐002は切断され。切断部の下の端は把持される。
端が把持された状態の巻掛紐002が巻き掛け回動位置287で回動する場合は、巻掛紐002は2つのレバーの先端のガイドの傾斜285に沿って移動する様子を(e2)の下の図の細線と矢印で表している。ここでは紐の保持装置281と切断装置282が補助ガイド103を兼ねていると言える。
ここでは第2レバー284が先行部位である刃と後続部位である把持材が一体として説明したが、把持材と刃材が別体で、把持材が刃材によりバネで押されて先行するようにすれば、把持してから切断する装置とすることができる。
(f1)(f2)(f3)は実施例8に使用する巻掛紐の保持と切断の機構の例である。
ホルダ292の溝にスライドカッター288が挿入されており、スライドカッター288は図示しないバネで圧力板291によりホルダ292の溝に押し付けられている。
スライドカッター288の先端には傾斜285があり、その下には刃A289がある。刃A289は焼き入れ研磨された鋏の刃のような角度の刃であり、巻掛紐002が当っただけでは巻掛紐002は切断されない。
ホルダ292の溝には刃B290がある。刃B290は焼き入れ研磨された鋏の刃のような角度の刃である。
刃A289と刃B290は鋏のような噛み合いで、巻掛紐002は挟まれて煎断される。
当初、スライドカッター288は(f3)のようにホルダ292の溝に収納された状態にある。
(f3)は巻掛紐002の切断直後の状態を図示しており、切断された巻掛紐002は結束の巻掛紐の尾006と新しい巻掛紐の耳005に分かれ、新しい巻掛紐の耳005はスライドカッター288と圧力板291に挟まれて保持されている。
結束動作が完了した時は、巻掛紐の耳005がスライドカッター288と圧力板291に挟まれた状態である。巻掛紐の尾の側は図示しない巻き掛け手段を介して図示しないボビンなどに繋がっている。
図示しない結束された被結束材を図の手前に移動する際に、スライドカッター288は図の右上方向に上昇して、結束済みの巻掛紐の耳005の保持が解放される。
被結束材を手前に移動すると、巻掛紐002は巻き掛け手段から張力を受けて引き出されながら、ホルダ292の図の右上の空中に張った状態となる。
スライドカッター288が更に右上方向に上昇すると、空中に張った巻掛紐002はスライドカッター288の傾斜285に沿って下降し、刃A289の下の部分に入る。
スライドカッター288を充分に右上方向上昇させた後、左下方向に下降させて、刃A289が空中に張った巻掛紐002に当った状態が(f1)の図である。
スライドカッター288が更に左下方向に下降すると、空中に張った巻掛紐002は刃A289に引かれて屈曲し、スライドカッター288と圧力板291に挟まれる。圧力板291は図示しないバネでスライドカッター288に押し付けられているので、挟まれた巻掛紐002は強く保持できる。
(f2)はその状態を図示したものである。
圧力板291にはエッジを持ったギザギザを加工しておくと、巻掛紐002にはギザギザが噛み込み更に抜け難くなるので好ましい。ギザギザのエッジはヤスリの刃のように下向きにすると、巻掛紐002の挿入は容易で引き抜きは困難となるので更に好ましい。ただし、バネを強くすることで保持は充分に強くできるので、ギザギザ加工は必須条件ではない。
スライドカッター288が更に左下方向に下降すると、刃A289と刃B290が噛み合い、巻掛紐002は切断される。
(f3)がこの状態であることは段落[0325]に説明した。
切断された巻掛紐002は結束後の巻掛紐の尾006と新しい巻掛紐の耳005に分かれる。
新しい巻掛紐の耳005はスライドカッター288と圧力板291に挟まれて保持される。
この例はいくつかの長所を有する。
巻掛紐002を保持切断する部位まで引き込むことが出来る。
巻掛紐の解放と保持と切断が一つの動作で行われる。
切断より前に保持がされるので、保持の動作が確実である。
鋏のような煎断であるので、刃の寿命が長い。
常に圧力板で押されているので2つの刃の噛み合いが良く、互いに研磨する作用もある。
コンパクトな機構で、結束に伴うスペースを小さくできる。
巻掛紐の切断と巻掛紐の保持の機構はここに例示したものには限らない。通常考えられる様々な方法が利用できる。
本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図18は後締め結束の装置の例である。
(a)は平面図で一部は断面図、(b)は正面図で一部は断面図である。断面の大半が巻きかけ回転軸の位置であるが、(a)の一部は断面AAで図示した。
前の結束が終わり、前の巻掛紐の耳005を開放し、前の被結束材001を手前に移動し、前の巻掛紐の尾006を切断し、新しい巻掛紐の耳005を保持し、前の被結束材001をさらに手前に移動して取外すことが出来る状態となっている時点を図示している。
巻きかけパイプ121は(a)のように奥に停止した状態である。
巻きかけパイプ121は滑り軸受け301で支えられ、矢印の方向に回動302しながら、軸方向にも移動303できる。
新しい巻掛紐の耳005は保持切断装置304で保持され、巻掛紐002は巻きかけパイプ121を通り、張力付加引き締め装置305を経て、玉巻き125に至る。
張力付加引き締め装置305は、実施例5の図15の(f)(g)段落[0268]〜[0274]の原理の圧着コロによる張力付加供給引き締め手段で、巻掛紐002に張力を常時与えつつ紐供給を行い、浮きループが締めループになるときは引き締めを行う装置である。
張力付加引き締め装置305の引き締めフレーム306は箱型の構造で、引き締めフレーム306の図の右側の内壁を固定板221とし、内部に圧着コロ222が軸223を中心に回転自由に支持され、バネ224で固定板221に圧着しながら下方に引かれて、巻掛紐002に張力を与えている。
レバー307は軸308を支点としてハンドル309で上下でき、下限または上限で停止する。図は下限で停止している状態である。
引き締めフレーム306の両側面には軸223が出る窓が開いており、バネ224は外部で軸223とレバー307のピンの間に掛けられて圧着コロ222を(b)図の右下方に引く。
本体フレーム310のドア311を開けてレバー307を上げると、レバー307は上限で停止し、圧着コロ222は固定板221の穴228より上方に移動する。この状態で玉巻き125の巻掛紐002を張力付加引き締め装置305と巻きかけパイプ121に通すことができる。
巻きかけパイプ121と張力付加引き締め装置305に巻掛紐002を通すには可撓性の紐通しワイヤなどを使用すると良い。その為には本体フレーム310の手前などに図示しない窓などを設けておくと良い。
こうして通した巻掛紐002の端を巻きかけパイプ121の先端から手前に引いて、保持切断装置304を一度だけ動作させると、巻掛紐の耳005が保持され、余分な巻掛紐002は切断される。
その後、レバー307を下げると巻掛紐002に張力が掛かる。ドア311を閉じると巻掛紐002のセットは完了する。
結束台312は図示しないリニアガイドで被結束材001を載せるテーブル313と共に前後に移動314できる。結束台312の中心が巻きかけ回動の回転中心の位置となるのが結束ポジションで、移動の最も奥の位置である。被結束材001が本体フレーム310のカバーを外れて取付取り外しができる位置がセットポジションで、移動の最も手前の位置である。
結束台312はガイド傾斜316を持つ。これは図8(b)の補助ガイド103の巻きかけ移動007の機能を持つ。ずれた巻掛紐002の被結束材への巻きかけ部分を結束位置にまとめて収める効果がある。またガイド傾斜316は、結束台312の先端を巻きかけパイプの初期位置である結束位置近傍まで迫らせて被結束材001の撓みを抑えることができるので都合が良い。
結束台312にはその中心に対称に2つの定規315があり、被結束材001の結束部位の近傍を押し込むことで、結束部位を不動とすることが出来る。2つの定規315は図示しない手段でその間隔を調整し、押し込み保持の程度を調節することが出来る。定規315にも巻掛紐002が引っ掛からないためのガイド傾斜316を設けると、定規315の先端を結束位置近傍まで迫らせて、被結束材001の撓みを抑えるので都合が良い。
テーブル313は被結束材001の大きさに伴い、図示しない手段で上下位置が調節できる。
移動314は手動であっても動力駆動であっても良い。この例では手動で説明する。
結束台312から、結束された前の被結束材001を取り除き、新しい被結束材を2つの定規315の間に押し込む。
結束台312とテーブル313を押して、被結束材001を結束ポジションまで移動すると、図示しないセンサーがそれを感知し、巻きかけパイプ121が回動302を行う。
この例では回動回数は4回である。巻きかけパイプ121の軸には小歯車124が固定されており、小歯車124には大歯車123が噛み合っている。小歯車124と大歯車123の歯数比は1対4であり、大歯車123が1回転する間に巻きかけパイプ121は4回転する。
大歯車123の軸317は軸受け318で回転自由に支持されている。
大歯車123には図示しない減速機付きブレーキモータに固定された図示しない歯車が噛み合っており、結束台312の結束ポジションを検知する図示しないセンサーが働いたら、大歯車123を1回転させる。大歯車123の1回転は図示しないセンサーで検知し、ブレーキモータをブレーキ停止する。
ここでは減速機付きブレーキモータとセンサーで駆動する例で説明したが、サーボモータを利用したり、1回転クラッチを利用したり、センサーに代わる機構でクラッチの爪を外すなど、様々な方法が利用できることはいうまでもない。
軸317には溝カム319が固定されている。
溝カム319にはカムフォロア320が勘合している。
支点321で遥動322するレバー323の両端にはカムフォロア320が回転自由に固定されている。
巻きかけパイプ121の軸には溝車324が固定されている。
レバー323のもう1つののカムフォロア320は溝車324に勘合している。
溝カム319の略1/4回転毎に、溝車324を、図の左に1移動単位、2移動単位、固定フック231までの移動と右に3移動単位までの復帰、0移動単位までの復帰で停止、という運動を行わせる。ここで移動単位とは、例えば1ミリメートルなどの移動を意味するが、巻掛紐の太さで変えることもあるのでこの値に限るわけではない。また移動は連続的なものであり、その移動速度やタイミングなどは様々に設定できる性質のものである。
この巻きかけパイプ121の回動に伴う溝車324による巻きかけパイプ121の移動303により、この例では、巻掛紐の耳005を押さえる第1と第2の巻きループ、第3の浮きループ、巻掛紐の耳005と浮きループの根を押さえる第4の巻きループが形成される。これは実施例6の図16の(e1)(e2)(e3)に図示した形状に、第2の巻きループを増やした形状である。
軸317にはカム325が固定されている。
一方、押出しカム271は、支点326を中心に遥動するレバー327の先端の支点328を中心に遥動できる。
押出しカム271はバネ329で図の左方向に押されている。
レバー327はバネ330で図の上方向に押されている。
図の状態ではカム325は効いていないが、軸317が略7/8回転した時点で働き始め、レバー327に固定された回転自由なカムフォロア331を押してレバー327を押し下げ332する。
押出しカム271は実施例6の段落[0304]〜[0312]で図16の(e1)(e2)(e3)(e4)を元に説明した固定フックシフターの機構の原理で動作し、固定フック231に掛かった浮きループをフックから外し、図16に示す斜面274に沿ってループシフトさせる。ループシフトした浮きループは緩んだ分だけ張力付加引き締め装置305により引き締められ締めループとなる。
軸317が1回転するとカム325の押し下げ332は解除され、バネ330の力で元の位置に復帰動作333をする。押出しカム271の先端はループシフトした締めループから抜け、締めループは緩んだ分だけ張力付加引き締め装置305により更に引き締められる。
これで後締め結束は完了する。
結束が完了すると結束台312とテーブル313を引き出す。所定の位置で図示しないセンサーが働く。
センサーが働くと、減速機付きブレーキモータ334が一回転する。
減速機付きブレーキモータ334の軸には溝カム335が固定されており、カムフォロア336を介してレバー337を遥動させる。
レバー337の遥動に伴い、軸で連結されたレバー338が遥動339する。
レバー338は支点でスライドカッター288に連結されており、スライドカッター288が円弧軌跡で上昇して下降する。
保持切断装置304のスライドカッター288は、実施例7の図17(f1)(f2)(f3)段落[0324]〜[0329]の説明のように、結束済みの巻掛紐の耳005の解放、新しい巻掛紐の耳となる巻掛紐の尾の保持、結束済みの巻掛紐の尾006の切断を行う。
巻掛紐の耳005の長さと巻掛紐の尾006の長さを任意に変えたい場合は、結束台312の位置を検知するセンサーを複数に増やし、減速機付きブレーキモータ334の動作をさらに細かく制御すると良い。
巻掛紐の尾006の長さを均一にするには、保持切断装置304の解放・保持・切断の動作中は結束台312の動きを一時停止するような装置をつけるのも一つの方法である。
また、スライドカッター288の動作はこの例で説明した減速機付きブレーキモータ334に限らず、サーボモータやリニアアクチエータなど、様々な方法が利用できることは言うまでもない。
上記では、保持切断装置304の動作を別な動力駆動として説明したが、必ずしも別な動力が必要なわけではない。
例えば、図示は省略するが、大歯車123の最後の略1/16回転で、バネで復帰するようにしたスライドカッター288を引き出してロックしておき、結束台312とテーブル313の引き出しの所定の位置で、引き出し動作でそのロックを機械的に外し、バネの復帰力でスライドカッター288を戻すことで巻掛紐の尾を保持し、巻掛紐の尾006の切断するなどの方法もある。
あるいは、結束台312とテーブル313の引き出しの巻掛紐の切断までのストロークをある程度大きくできる場合は、その動作で保持切断装置304を動作させることも不可能なことではない。
巻掛紐の尾006の切断が完了すると、結束台312とテーブル313を引き出して、被結束材001をセットポジションまで移動する。
結束の完了した被結束材001はセットポジションで取り除くことができる。
この実施例では、動作の制御をセンサーとブレーキモータと減速歯車とカム機構で説明したが、自動制御のサーボ機構などの様々な手段に替えることが出来ることは自明である。
上記ではこの結束装置は動力駆動で説明したが、完全な手動装置とすることもできる。
例えば、モータに代わり手回しハンドルを使う方法もある。
あるいは、図示は省略するが、結束台312とテーブル313を押して被結束材001を結束ポジションまで移動したら、結束装置全体が別なリニアガイドに沿って移動し、ラックで小歯車124が4回転する。押出しカム271を作動させるカム325は固定の板カムで良い。結束が完了すると結束装置全体を元のポジションに戻すが、その時はラックに噛んだ小歯車124が回転しても巻きかけパイプは回転しないようにワンウェイクラッチなどを使用する。スライドカッタ288を作動させるカム335は固定の板カムとし、結束装置全体を元のポジションに戻す動作の途中でのみスライドカッタ288が作動するようにすると、巻掛紐の尾の保持と切断が行われる。そのためには押し込み動作の時には板カムが逃げるような機構とすれば良い。結束装置全体が元のポジションに戻った後、結束台312とテーブル313がセットポジションまで戻り、一組の動作が完了する。
ラックピニオンに代わり、コロに巻いたワイヤを利用することもできる。
結束台312とテーブル313や結束装置全体を元に位置に復帰させるのも、手動ではなくバネなどを利用することもできる。
大きな歯車や回転部分が減少し、モーターなどの駆動装置も無いので、よりシンプルな機構となる。結束装置全体の移動量を例えば150mmくらいに抑えられれば操作性の良い手動装置となるであろう。
その他にも手動駆動の方法は色々に展開できることは明らかである。
ここでは巻掛紐の尾の側から巻掛紐を供給する連続巻掛紐としたが、予め切断した巻掛紐をセットするような方法もある。この時は単体である巻掛紐の供給装置は別な形態になり、手で供給するならば不要となる。引き締めの方法も変わる。切断装置も要らない。巻きかけはぶん回し巻きかけ手段(段落[0206])ではなく、ディスク巻きかけ手段(段落[0222][0239])とすることもできる。
巻掛紐の耳の側から巻掛紐を供給する連続巻掛紐でも、巻きかけをディスク巻きかけ手段とした場合、巻掛紐の尾を最後に強い把持にし、ディスク巻きかけ手段のさらなる回転で引き締め(段落[0275])を行い、結束が完了した巻掛紐の耳の側を切断し、巻掛紐の尾の把持を開放し、新しい巻掛紐の尾を把持してディスク巻きかけ手段に収納するような方法もある。
これらの場合、ループオフやループシフトの方向をこの実施例と反対向きにすることも可能となり、内容物の無い袋の口の側に各種の機構を配置することも可能となり、設計が容易になる。この場合も、開口のあるディスク巻きかけ手段(段落[0239])とすれば、後締め結束装置でも長尺やリング状の被結束材も結束できる。
この方法では結束後の巻掛紐の尾が長くなることは避けられない。しかし巻掛紐の尾が長いと一度解いた巻掛紐を再使用して手で結束することも出来るので、巻掛紐の尾が長いことは必ずしも短所ではない。
巻掛紐の尾の側から巻掛紐を供給する連続巻掛紐でも、巻きかけディスクと共に回転する糸巻きであれば、長尺やリング状の被結束材も結束できる。
被結束材を手で保持するならば、被結束材の支持手段も必要ない。
このように、先締め結束装置の設計方法は多様である。
この実施例で使用した図での装置の本体フレームの大きさは、幅280mm、奥行き224mm、高さ320mm程度のコンパクトな装置である。
巻きかけパイプの先端の回転半径は30mmとした。
巻掛紐の太さは1.5mm程度までとした。
被結束材の結束部の直径は10mm程度までとした。
被結束材の挿入引き出しを除く結束の速度は1秒程度とした。
もちろんこれ以外のパラメータで設計が可能なことは言うまでも無い。
この後締め結束装置がいかにシンプルな構造のものであるかは、特許文献9のノッタービル形式の結束装置の図の2、3など、魚網用結束装置に由来した特許文献11の結束装置の図の1、2、3など、と比較すると明らかである。
機構と動きが簡単なので、必要な動力も小さい。
その上この後締め結束は強固で解きやすく、さらに段落[0186]〜[0200]の発明の効果に述べたように様々な長所を有している。
図19は先締め結束の装置の例である。
(a)は正面図で一部は断面図、(b)は側面図で一部は断面図、(c)は被結束材001の支持部材401とシフター402とスライドカッター403の機構例を前方の下側から見た立体構造図、(d1)〜(d6)は結束動作の説明図である。
(a)と(b)は、巻掛紐の耳005が固定板221と圧着コロ222で保持固定され、巻掛紐の尾006が圧力板138に収納されて、巻きかけディスク131が停止した状態である。
被結束材001は巻きかけディスク131の穴135に挿入する。
被結束材001はテーブル313に載り、被結束材001の結束部は結束台312と支持部材401に載る。テーブル313は図示しない調整装置で被結束材001の大きさに合わせて高さが調整できる。
結束台312と支持部材401は(d5)の上部に図示したように、ガイド傾斜を有する。
巻きかけディスク131は4つの回転自由なピニオン404で回転自由に支えられている。
巻きかけディスク131の外周は溝の中が歯車となっている。溝にはピニオン404が入って巻きかけディスク131の軸方向の移動を拘束する。
巻きかけディスク131には歯車405が噛み合っている。この図例では歯数比は1対2である。
歯車405には歯車406が同軸で固定されており、図示しない軸受けで回転自由に支持されている。
歯車406には歯車407が噛み合っている。この図例では歯数比は2対5である。
歯車407は軸408で軸受け409により回転自由に支持されている。
軸408には歯車410が固定されている。
歯車410には減速機付きブレーキモータ411の歯車412が噛み合っている。
減速機付きブレーキモータ411は図示しないスタート信号で回転し、軸408が1回転したら図示しないセンサーで検知してブレーキ停止する。
軸408にはカム413が固定されている。
カム413は支点414で遥動するレバー415に回転自由に支持されたカムフォロア416を押し上げる動作をする。
レバー415は2本の平板がステイ450で固定された構造である。
レバー415には長穴417に勘合する軸418が両側面に突出している。
軸418はレバー415の2枚の平板の間に挿入された圧着コロ222を回転自由に支持している。
圧着コロ222は軸418に掛けたバネ419で固定板221の方向に引く。
圧着コロ222は外周が円弧溝となっており、巻掛紐002が安定して巻きつく。
圧着コロ222の円弧溝には、同じ円弧の断面の固定板221が噛み合う。
固定板221はレバー415の2枚の平板の間に位置する。
固定板221は支点414を中心とした円弧の曲面を持ち、本体フレーム310に固定されている。
固定板221の円弧断面の円弧曲面の穴228から下にはギザギザなどの滑り止めの加工をするのが好ましい。
ステイ450はバネ420で下方に引かれており、圧着コロ222に引き締めの力を与える。
カムフォロア416がカム413の最高位421にある場合は、(d6)図のように、圧着コロ222は固定板221の穴228より上に位置し、巻掛紐はテンショナー424で軽い抵抗を受けるだけの状態となる。この状態で巻掛紐002が巻きかけディスク131に引かれると、巻掛紐002は玉巻き125から引き出される。
カムフォロア416がカム413の中位422にある場合は、(d1)〜(d3)図のように、圧着コロ222は固定板221の穴228より少し下に位置し、巻掛紐002を固定する。
カムフォロア416がカム413の最低位423の位置に来た場合は、(d4)図のように、圧着コロ222は急下降し、引き締めを行う。このときカムフォロア416はカム413から浮いた状態である。圧着コロ222は必用な引き締め量だけ降下するからである。
カムでタイミングをとって動作させてはいるが、これも実施例5の段落[0274]に定義した「圧着コロによる張力付加供給引き締め手段」の一つである。
巻きかけディスク131の穴135にはフィンガー部425が突出している。これは結束後の巻掛紐の尾006を過剰に長くしないためであり、被結束材001に出来るだけ近接させたものである。図例ではフィンガー425の回転半径は略15mmとした。そうすると結束後の巻掛紐の尾006を略15mmに収めることができる。
圧力板138の同一の個所も同様に突出しており、フィンガー部425となる。
フィンガー部425にはガイドピン429があり、巻掛紐の尾の位置がぶれないようにガイドする。
巻きかけディスク131のピン穴に圧力板138の9個の保持ピン426と1個の引き込みピン427と一個の巻きかけピン428と一個のガイドピン429が勘合し、ガイドピン429を除く各ピンはバネで圧力板138を巻きかけディスク131に押し付けている。ピンとバネと巻きかけディスクの構造関係は(b)の保持ピン426と(d5)図の引き込みピン427にその例を示した。
圧力板138の巻きかけディスク131への押し付け力は保持ピン426と引き込みピン427と巻きかけピン428では異なる。
引き込みピン427では、(d6)図のように巻掛紐002が玉巻き125から引き出されるのに必用な保持力を持たせる。
巻きかけピン428では、被結束材001を締め付けるのに充分な保持力を持たせる。この保持力は(d1)〜(d3)図のように、固定板221と圧着コロ222の保持力よりは弱く、巻きかけにより巻掛紐の尾006は巻きかけディスク131と圧力板138の間でスリップする。
保持ピン426では、巻掛紐の尾006が巻きかけディスク131と圧力板138の間から脱落しない程度の弱い保持力を持たせる。
ここでは巻きかけディスク131と圧力板138の組立関係をピンで説明したが、必ずしもこのような構造である必要はない。例えば、圧力板138をバネ板で作成し、巻きかけディスク131にはネジで固定するなど、通常考えられる様々な方法が利用できる。
(d1)は巻きかけディスク131が(a)の状態から時計回りに略3/4回転した状態を示す。
圧着コロ222は固定板221の穴228より少し下に位置し、巻掛紐の耳005を保持固定している。
巻掛紐の尾006には圧力板138と巻きかけディスク131との摩擦力が生じる。巻きかけピン428にかかるバネ力により、巻掛紐の尾006には被結束材001を締め付けるのに充分な張力がかかり、ガイドピン429にガイドされて被結束材001への巻きかけが始まっている。
巻掛紐の尾006は巻きかけディスク131と圧力板138の間でスリップしている。
巻掛紐の尾006は(d1)の側面図のように紐押し430により圧力板138から外れた位置に巻きかけ移動されている。
このとき巻掛紐の耳005が圧着コロ222から外れないように、巻掛紐の耳005は固定紐ガイド431でガイドされている。
(d2)は巻きかけディスク131が(d1)の状態より略1回転した状態である。
この回転の初期にシフター402が巻きかけの位置まで遥動している。
従って巻掛紐の尾006は2つのシフター402の先端に巻きつき、浮きループを形成している。
(d3)は巻きかけディスク131が(d2)の状態より略2回転した状態である。
この回転の初期にシフター402がループオフの位置まで遥動退避している。したがって浮きループはループオフされる。
浮きループの根に重なるように2つの巻きループが形成される。すなわち巻掛紐の耳005に重なる2つの巻きループとなる。
図3のような先締め結束の簡易タイプの場合はこの回転が1回転で良いが、この実施例では図4のようなより強固な先締め結束とするために巻きループを2つとした例で説明する。そのために先に説明したように歯車406と歯車407の歯数比は2対5となっている。
結束は完了に近く、巻掛紐の尾006はフィンガー425から抜ける寸前となっている。
後で説明するが、巻掛紐の尾006の長さは結束完了間近でフィンガー425から抜ける寸前となるように予め設定されている。
(d4)は巻きかけディスク131が(d3)の状態より略1/4回転した状態である。
この回転の初期に圧着コロ222は急速下降して巻掛紐の耳005を引き締めている。
この回転の初期にシフター402はループシフトの位置まで遥動突出している。シフター402の先端は大きく傾き、シフター402の先端に掛かった浮きループはループシフトした状態でシフター402から外れ、巻掛紐の耳005の引き締め動作により、浮きループは2つの巻きループを拘束し巻掛紐の尾を押さえる締めループとなり、結束は完了する。
ここでは巻掛紐の耳005の引き締めがこの回転の初期であると説明したが、シフター402が強固であれば、もっと早い時期(例えば(d2)から1回転したあたり)に引き締め開始することも可能である。引き締めの張力が掛かった状態でシフター402が大きく傾きながら巻掛紐の尾006をループシフトさせると浮きループは締まりながらシフター402から外れて締めループとなる。
この回転の終り近くで、巻掛紐の耳006はフィンガー425から抜けている。
(d5)は巻きかけディスク131が(d4)の状態より略3/8回転した状態である。
紐押し430は巻掛紐の耳005が巻きかけディスク131に接する位の位置まで戻っている。
シフター402はループオフの位置まで遥動退避している。
この回転状態となる寸前に、引き込みピン427は引き込みピンアクチェータ432により押され、巻掛紐の耳005が巻きかけディスク131と圧力板138の間に入る隙間を作る。
圧力板138の引き込み位置には、巻掛紐の耳005を入り易くする引込傾斜433を設ける。
張力のかかった巻掛紐の耳005は巻きかけディスク131と圧力板138の間に入り、その直後に引き込みピンアクチェータ432は後退し、巻掛紐の耳005は巻きかけディスク131と圧力板138に挟まれる。
(c)に図示したように、バネ435と加圧部材436により押されたスライドカッター403の切刃437は、支持部材401の切刃434と噛み合うことができる。(d5)の上部に図示したように切刃437には僅かの傾斜をつけ、鋏のようにスライドするような噛み合いとする。
スライドカッター403の先端には傾斜285があり、スライドカッター403が突出すと、張力の掛かった巻掛紐の耳005は傾斜285に沿って滑り、切刃437の部分に入る。(d5)はこの状態で図示している。
(d5)の状態の直後にスライドカッター403が後退すると、張力の掛かった巻掛紐の耳005は切刃434と切刃437で切断される。
鋏のような切断方法であるから、切断が確実であり、加圧部材436により常に押されているので自己研磨作用もあり、長寿命で良好な切断を行うことかできる。
(d6)は巻きかけディスク131が(d5)の状態より略1/4回転した状態である。
巻掛紐の耳005は切断されている。
圧着コロ222は固定板221の穴228より上に上昇し、巻掛紐002はテンショナー424の軽い抵抗だけで引き込むことで出来る状態である。
巻掛紐の尾006は引き込みピン427のバネ力で保持され、巻きかけディスク131の回転に伴い、巻掛紐の尾006は巻きかけディスク131と圧力板138の間に収納されて行く。
(d6)から巻きかけディスク131が略3/8回転したのが(a)である。
(a)は所定の長さの巻掛紐の尾006が巻きかけディスク131と圧力板138の間に収納された状態で図示している。圧着コロ222は固定板221の穴228より少し下に位置して、巻掛紐の耳005を保持固定している。
どのタイミングで巻掛紐の耳005を保持固定するかで、収納される巻掛紐の尾006の長さが変わる。巻掛紐の尾006の長さは(d3)の結束完了間近の状態でフィンガー425から抜ける寸前となるように設定するのが良い。必用な巻掛紐の尾006の長さは被結束材001の大きさで変化する。
巻掛紐の耳005を保持固定するタイミングは(a)の補助カム438の位置を調整することで変えられる。
巻掛紐の尾006を収納するのは(d5)から(a)に至る回転の間である。
(b)のように、スライドカッター403は溝形状は図示しない溝カム439で駆動する。
シフター402を遥動するシフターアクチェータ442も溝形状は図示しない溝カム439で駆動する。溝カム439は2列の溝を持つ。
引き込みピンアクチェータ432は溝形状は図示しない溝カム440で駆動する。
紐押し430は溝形状は図示しない溝カム441で駆動する。
スライドカッター403は支持部材401とガイド443でガイドされる。
引き込みピンアクチェータ432とスライドカッター403はガイド443とガイド444でガイドされる。
溝カム439と溝カム440と溝カム441は軸445で駆動される。
軸445には図示しない駆動歯車とアイドラーで歯車446に伝えられた軸408の回転がマイタギヤー447で方向を変えて伝えられる。
(b)のように、本体フレーム310の上部の右の手前は空間448である。
結束部を穴135に挿入した被結束材001の左は左手で保持できる。結束部の右端も保持したい場合は、空間448から右手で保持すれば良い。
この実施例での巻きかけディスク131の結束と準備の総回転数は、(d1)〜(d6)と(a)の回転数の和であり、5回転である。先締め結束の簡易タイプの場合は4回転で良い。巻きループの数を更に増やすには回転数を加算すれば良いが、そのような必要はほとんど無いことは先に説明した。
この実施例では減速機付きブレーキモーターの駆動としたが、通常考えられる様々な手段が使えることは言うまでもない。
全体を自動制御のサーボ駆動などとすれば、よりきめ細かな制御が可能となり、巻掛紐の尾の収納長さの調整なども操作盤で設定できるなど、操作性が増すであろう。全体に高精度な動作を必用とする装置ではないので、適切なアクチェータの選択でより簡単な構造の装置とすることもできるであろう。
実施例8で述べたのと同じように、実施例9の装置も完全な手動装置とすることも可能である。
4個の回転カムは板カムとすることができて、構造は簡単になる。
ここでは巻掛紐は玉巻きから供給する連続巻掛紐としたが、予め切断した巻掛紐をセットするような方法もある。この時は巻掛紐の供給装置は別な形態になり、手で供給するならば不要となる。引き締めの方法も変わる。切断装置も要らない。被結束材を手で保持するならば、被結束材の支持手段も必要ない。
このように、後締め結束装置の設計方法は多様である。
この実施例で使用した図での装置の本体フレームの大きさは、幅275mm、奥行き412mm、高さ455mm程度のコンパクトな装置である。
巻きかけディスク直径は110mm、穴は50mmとした。
巻掛紐の太さは1.5mm程度までとした。
被結束材の結束部の直径は10mm程度までとした。
結束の速度は1〜2秒程度とした。
もちろんこれ以外のパラメータで設計が可能なことは言うまでも無い。
図示は省くが、実施例3のように、巻きかけディスク131のフィンガー部425と引き込み部449の間を切って巻きかけディスクをU字型とし、ピニオン404の数を5個以上とし、回転の伝達方法を変えれば、被結束材001の先端をは穴135から差し込むのではなく、手前から押し込むことができるようになり、長尺の被結束材や、輪の形状の被結束材も結束できる。
実施例9の先締め結束装置では、シフターやカッターなどの動作部分を被結束材を載せる結束台より下部に収納することが出来た。被結束材を差し込む部分には邪魔になる物が全く無く、巻きかけディスクは薄く、その左右は空間であり、操作性は非常に良い。
しかしこの機構はあくまでも例であり、ここに説明した機構や構造に限定するものではない。
先締め結束装置は後締め結束装置よりは動作と機構が多くなるが、従来に比べてはるかにシンプルな構造であることは、特許文献9のノッタービル形式の結束装置の図の2、3など、魚網用結束装置に由来した特許文献11の結束装置の図の1、2、3など、と比較すると明らかである。
機構と動きが簡単なので、必要な動力も小さい。
その上この先締め結束は強固で解きやすく、さらに段落[0186]〜[0200]の発明の効果に述べたように様々な長所を有している。
図20は後締め結束を手作業で行う技能の例である。この文書では、後締め結束を手作業で行うことを「後締め手結束」と記述する。
袋の口を結束する例とした。指の使い方などは人それぞれであり、その1例を説明して後締め手結束が簡単かつ迅速に行えることを示した。
(a)では、まず左手の親指で巻掛紐の耳と袋を押さえ、右手で巻掛紐の尾を持つ。袋の口の周りに巻掛紐の尾を回動して、巻きループを1つ作り、さらに巻掛紐の耳に重なる巻きループをもう1つ作る。
(b)は、左手の人差し指を上げ、巻掛紐の尾を巻きかけ移動して大きく1回転して、人差し指にかかるループオフした浮きループを形成した状態である。
(c)は、左手の人差し指を上げたまま、巻掛紐の尾を1回転して、浮きループの根と、巻掛紐の耳、に重なるもう1つの巻きループを作った状態である。
(d)は、左手の人差し指を巻きループより先に下げ、浮きループをループシフトした状態である。
(e)は、右手で巻掛紐の尾を引き締めて浮きループを締めループとし、結束が完了した状態である。
この後締め手結束の所用時間は略5秒にすぎず、動作も単純である。きわめて迅速な結束方法である。
先に述べたように、この結束は綺麗であり、密封性が良く、非常に強固でありながら、巻掛紐の尾を強く横に引くと簡単に解くことができる。TB5の針金芯入りテープのように解く方向を確認(段落[0004][0005])する必要もない。解くのに必要な時間は1秒以下である。
被結束材の端を結束する場合は右手の回動が可能である。長尺のものやリング状の場合は、巻掛紐の尾は掴み替えながら巻くので、左手は緩み防止の掴み動作を加えると良い。
巻掛紐は予め必用な長さに切断したものでも良いし、長尺の巻掛紐を結束後に切断しても良い。
強めの糸、撚紐、組紐、荷紐、細いロープなど、多様な紐が使用できる。長めにしておくと再使用できる。
袋の口の結束に限らず、様々な使い方が出来る。また、結束紐を別に用意しなくても、自身が紐状である被結束材は、自身の端の一定の長さを結束紐として結束することもできる。
例えば、自転車の荷台の紐を収納する際に束にした後に纏める結束に使うと便利である。荷台のフックに通す輪の部分を最後にして結束しておくと、次に使う時に輪をフックに入れて引くと結束が解けて、そのまま荷物を縛ることができる。
同様に、使用済の紐を纏めるとき、電気コードを纏めるとき、などにも利用できる。
あるいは、太いロープの類でも、手全体でを浮きループをつかんでオフセットとループシフトをすると、ボートの舫いにすることさえ可能である。ボートから巻掛紐の耳に真直ぐ力が掛かっても舫いは容易には解けない。巻掛紐の尾を結束回動と反対の方向に回しながら強く引くと、舫いは容易に解ける。しかし、巻掛紐の耳側からは解けにくいといっても、摩擦係数や締めループの掛かり具合やロープと柱の太さや形状によっては解けることもあるので、安全のためには従来の舫い結びを使用するようにされたい。このような大きな結束も可能であるという、分かり易い1例として説明したものである。
段落[0175]に説明したループを順番に作成する後締め結束方法は、図20に示した手順と類似でさらにスムースな後締め手結束とすることができる。図20の(c)の浮きループの根に重ねる巻きループではなく、浮きループに隣接する巻きループを作るので、手指の運びがより簡単である。
この結束は強度は弱いが、袋の口の仮塞ぎとか自転車の荷紐やコードの纏めに便利である。
コードの端に適当な長さの巻掛紐の端を縛っておけば、コードをまとめてから、巻掛紐の縛った端と反対側の端を巻掛紐の尾として後締め手結束すれば、従来の多数の爪のついたプラスチックの帯を使うTW7に代わった、コードを纏める便利な結束となる。結束は早く、解くのは簡単で、価格は安く、まとまりは良く、使用しない場合も邪魔にならない。巻掛紐は紛失しないので便利である。
図21は先締め結束を手作業で行う技能の例である。この文書では、先締め結束を手作業で行うことを「先締め手結束」と記述する。
様々な手指の使い方があるが、ここでは回動巻きかけのできる方法で説明する。
棒材を束ねる例とした。
(a)は、巻掛紐の耳を棒材の端の方向に向け、左手の人差し指を添えて親指で巻掛紐の耳と棒材を一緒に押さえ、中指を下に出し、右手で巻掛紐の尾を掴み、下から回動し、巻掛紐の尾を巻きかけ移動して中指に掛かった浮きループと巻掛紐の耳に重なる巻きループを2つ作った状態である。
巻きループは3つ作れば充分である。
(b)は、浮きループを中指から外し、巻きループを超えてループシフトさせた状態である。この動作は右手で補助すると良い。
(c)は、巻掛紐の耳を棒材の奥に回して、棒材の下から右手で引き締めて、浮きループを締めループとした後、巻掛紐の耳と巻掛紐の尾を棒材の下と上から同時に引き締めて結束を固めた状態である。
持ち替えがある関係から、この先締め手結束の所用時間は後締め手結束より少し多くかかる。
この結束は解きやすい。TB5の針金芯入りテープのように解く方向を確認(段落[0004][0005])する必要はない。所用時間は1秒以下である。
被結束材の摩擦係数が小さい場合は、結束の強度からは後締め手結束の方が好ましい。
被結束材の端を結束する場合は右手の回動が可能である。長尺のものやリング状の場合は、巻掛紐の尾は掴み替えながら巻く。
巻掛紐は予め必用な長さに切断したものでも良いし、長尺の巻掛紐を結束後に切断しても良い。
強めの糸、撚紐、組紐、荷紐、細いロープなど、多様な紐が使用できる。長めにしておくと再使用できる。
本発明を実施するためのさらに異なる形態は、先に述べた、巻き掛け・巻き掛け移動・張力コントロール・ループオフとループシフト・引き締め・切断と巻掛紐の耳の保持、などの説明と実施例、またはその変形、の組合せで多様に展開できる。実施例1から7はそのために個別に説明したものであり、組合せ毎に改めて説明することはしない。
本発明は、袋の口や線材などを結束する産業で利用できる。
本発明は、物品を結着する産業で利用できる。
001 被結束材
002 巻掛紐
004 ループ
005 巻掛紐の耳
006 巻掛紐の尾
007 巻きかけ移動
008 巻きループ
010 ループシフトした締めループ
011 ループオフ
012 ループシフト
013 引き締め
014 浮きループ
101 巻きかけ手段
102 移動補助具
103 補助ガイド
111 紐掛け
112 耳ホルダー
121 巻きかけパイプ
122 歯車伝動装置
123 大歯車
124 小歯車
125 玉巻き
126 紐コントローラ
127 フレーム
131 巻きかけディスク
132 ディスクフレーム
133 ディスク歯車
134 歯車
135 穴
136 台
137 溝リング
138 圧力板
139 ボビン
141 引き出し位置
142 張力付加材
143 紐の尾把持材
144 ディスク尾ホルダー
145 移動
146 調整ネジ
147 コマ
148 バネ
151 開口
152 張力付加機能部
153 コロ
154 駆動大歯車
155 逃げ
156 補助フレーム
157 固定カッター
158 回転カッター
159 カッター押し込み材
160 張力付加コマ
161 把持レバー
162 把持解放ピン
163 巻きかけ移動材
171 引き締め機構
172 張力調整機構
173 フレーム
174 入り口の穴
175 強保持材
176 軟保持材
177 溝コロ
178 出口の穴
179 バネ
180 バネ
181 調整装置
182 引き締めコロ
183 引き締めレバー
184 コロ
185 バネ
186 引き締めカム
187 軸
187 軸受け
189 カムフォロワー
190 強保持カム
201 プリテンショナー
202 弛み防止レバー
203 ピン
204 紐駆動ロール
205 移動コロ
206 バネ
207 バネ
208 圧力コロ
209 バネ
210 バネ
221 固定板
222 圧着コロ
223 軸
224 バネ
225 ガイドコロ
226 上下移動
227 紐供給
228 穴
231 固定フック
232 押出しバネ材
234 不動部材
235 ブリッジガイド部
236 撓んだ押出しバネ材
237 傾斜ガイド部
241 バネフック
242 支持材
243 撓んだバネフック
251 レバーフック
252 支点部材
253 駆動レバー
254 軸
255 レバー
256 シフト動作したレバーフック
261 ウィングフック
262 掛け部位
263 待機位置
264 フック位置
265 通常の位置
266 巻きかけ移動した位置
271 押出しカム
272 斜面
273 カム形状
274 ガイド部
281 紐の保持装置
282 切断装置
283 第1レバー
284 第2レバー
285 傾斜
286 支点
287 巻き掛け回動位置
288 スライドカッター
289 刃A
290 刃B
291 圧力板
292 ホルダ
301 滑り軸受け
302 回動
303 移動
304 保持切断装置
305 張力付加引き締め装置
306 引き締めフレーム
307 レバー
308 軸
309 ハンドル
310 本体フレーム
311 ドア
312 結束台
313 テーブル
314 移動
315 定規
316 ガイド傾斜
317 軸
318 軸受け
319 溝カム
320 カムフォロア
321 支点
322 遥動
323 レバー
324 溝車
325 カム
326 支点
327 レバー
328 支点
329 バネ
330 バネ
331 カムフォロア
332 押し下げ
333 復帰動作
334 減速機付きブレーキモータ
335 溝カム
336 カムフォロア
337 レバー
338 レバー
339 遥動
401 支持部材
402 シフター
403 スライドカッター
404 ピニオン
405 歯車
406 歯車
407 歯車
408 軸
409 軸受け
410 歯車
411 減速機付きブレーキモータ
412 歯車
413 カム
414 支点
415 レバー
416 カムフォロア
417 長穴
418 軸
419 バネ
420 バネ
421 最高位
422 中位
423 最低位
424 テンショナー
425 フィンガー部
426 保持ピン
427 引き込みピン
428 巻きかけピン
429 ガイドピン
430 紐押し
431 固定紐ガイド
432 引き込みピンアクチェータ
433 引込傾斜
434 切刃
435 バネ
436 加圧部材
437 切刃
438 補助カム
439 溝カム
440 溝カム
441 溝カム
442 シフターアクチェータ
443 ガイド
444 ガイド
445 軸
446 歯車
447 マイタギヤー
448 空間
449 引き込み部
450 ステイ

Claims (5)

  1. 少なくとも締めループで保持されるまで巻掛紐の耳を保持し、巻掛紐の尾を被結束材に巻きかけ、1つ以上の巻きループと1つ以上の浮きループを作成し、少なくとも1つの巻きループは巻掛紐の耳に交差して重ねた締めループとし、少なくとも1つの巻きループは浮きループの後に作成し、巻掛紐の尾端となる巻きループを超えるように浮きループをループシフトし、巻掛紐の耳または巻掛紐の尾を引き締めて浮きループを締めループとして巻掛紐の尾を押さえた、締めループにより少なくとも巻掛紐の耳および巻掛紐の尾が押さえられて結束されることを特徴とする、結束方法。
  2. 少なくとも締めループで保持されるまで巻掛紐の耳を保持し、巻掛紐の尾を被結束材に巻きかけ、最初に1つ以上の浮きループを作成し、続けて1つ以上の巻きループを作成し、少なくとも1つ以上の巻きループは巻掛紐の耳に交差して重なる締めループとし、巻掛紐の尾端となる巻きループを超えるように浮きループをループシフトし、巻掛紐の耳を引き締めて浮きループを締めループとして巻掛紐の尾を押さえた、締めループにより少なくとも巻掛紐の耳および巻掛紐の尾が押さえられて結束されることを特徴とする、先締め結束方法。
  3. 少なくとも締めループで保持されるまで巻掛紐の耳を保持し、巻掛紐の尾を被結束材に巻きかけて、最初に1つ以上の巻きループを作り、続けて1つ以上の浮きループを作り、次に1つ以上の巻きループを作り、少なくとも1つ以上の巻きループは巻掛紐の耳に交差して重なる締めループとし、巻掛紐の尾端となる巻きループを超えるように浮きループをループシフトし、巻掛紐の尾を引き締めて浮きループを締めループとして巻掛紐の尾を押さえた、締めループにより少なくとも巻掛紐の耳および巻掛紐の尾が押さえられて結束されることを特徴とする、後締め結束方法。
  4. 1つ以上の締めループが、1つ以上の拘束ループを、その交差部分で押さえる、請求項1または2または3のいずれか一項に記載の結束方法。
  5. 巻掛紐の耳の保持手段と、巻きかけ手段と、望ましくは張力付与手段と、巻きかけ移動の手段と、浮きループの形成手段と、望ましくは浮きループの維持手段と、ループシフト手段と、引き締め手段を有し、巻掛紐の耳と巻掛紐の尾をそれぞれ保持手段と巻きかけ手段にセットし、被結束材を巻きかけ手段の中に位置させ、少なくとも締めループで保持されるまで巻掛紐の耳を保持手段で保持し、望ましくは張力付与手段で巻掛紐の尾に張力を与え、浮きループは形成手段で作成するものとし、巻きかけ手段により巻掛紐を被結束材に巻きかけて1つ以上の巻きループと1つ以上の浮きループを作成し、望ましくは浮きループを維持手段で維持し、巻きかけ移動手段で、少なくとも1つ以上の巻きループは巻掛紐の耳を押さえる締めループとし、少なくとも1つの巻きループは浮きループの後に作成し、巻掛紐の尾端となる巻きループを超えるようにループシフト手段で浮きループをループシフトし、巻掛紐の耳または巻掛紐の尾を引き締め手段で引き締めて浮きループを締めループとして巻掛紐の尾を押さえた、締めループにより少なくとも巻掛紐の耳および巻掛紐の尾を押さえて結束する、請求項1または2または3または4のいずれか一項に記載の結束方法による結束装置。
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