JP2016120741A - 燃料給油装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料給油装置の簡便なアース導通経路の確保手法を提供する。【解決手段】燃料給油装置FSは、金属製のネック保持部材71,72により、フィラーネック20のフィラーネック本体29をリテーナ30と共に車体VBに対して保持する。その上で、リテーナ30に帯電した静電気を車体VBにアース放電するためアース導電経路を、金属製のリテーナ30と金属製のネック保持部材71,72(詳しくは導通用突片73)との接触で形成する。【選択図】図2

Description

本発明は、燃料給油装置に関する。
燃料給油装置は、車両等の燃料タンクへの給油に用いられ、軽量化および燃料流路の経路の自由度向上の要請から、流路形成を形成する樹脂製の流路形成部材と、流路形成部材の開口側に装着される金属製のリテーナとを備えている。流路形成部材は、リテーナから燃料タンクまでの流路を総て形成するフィラーパイプの形態とされたり、リテーナに装着されるフィラーネックとこれに続くパイプ部とに分けられた形態とされる。
リテーナは金属製であるために、樹脂製の流路形成部材に装着された状態において、金属製のリテーナには静電気が帯電する。リテーナに帯電している静電気をアース放電するために、リテーナに金属製のアース線を接続するアース対処手法が種々提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2009−220590号公報
上記の特許文献で提案された燃料給油装置のアース対処手法では、金属細線の集合体であるアース線を用いるので、錆による導通不良回避や断線回避、アース線の配線経路における損傷回避等の対処が必要となり、アース導通経路を容易に確保できなかった。そこで、燃料給油装置の簡便なアース導通経路の確保手法が要請されるに到った。
上記した課題の少なくとも一部を達成するために、本発明は、以下の形態として実施することができる。
(1)本発明の一形態によれば、燃料給油装置が提供される。この燃料給油装置は、燃料流路を形成する樹脂製の流路形成部材と、該流路形成部材の開口端に装着されて、前記流路形成部材の開口端の少なくとも外径側を覆う導電性のリテーナと、該リテーナと電気的に接触すると共に、前記流路形成部材を前記リテーナと共に車体に対して保持する導電性の保持部材とを備える。
この形態の燃料給油装置では、保持部材により、流路形成部材をリテーナと共に車体に対して保持した上で、リテーナに帯電した静電気を車体にアース放電するためアース導電経路を、導電性のリテーナと導電性の保持部材との接触で形成する。この接触は機器構成材同士の接触であることから、接触状態を簡便に強固に維持できる。この結果、この形態の燃料給油装置によれば、アース導電経路を簡便、且つ確実に確保できる。
(2)上記形態の燃料給油装置において、前記リテーナと前記保持部材は、金属製とされているようにしてもよい。こうすれば、アース導電経路を、金属製のリテーナと金属製の保持部材との接触で形成する。この接触は金属製の機器構成材同士の接触であることから、接触状態を簡便により強固に維持できる。この結果、この形態の燃料給油装置によれば、アース導電経路を簡便、且つより確実に確保できる。
(3)上記形態の燃料給油装置において、前記保持部材は、前記流路形成部材を外周側で環状に取り囲む突片を備え、該環状の全域または前記環状の領域の複数箇所において前記突片を前記リテーナと電気的に接触させるようにしてもよい。こうすれば、金属製のリテーナと金属製の保持部材の突片との電気的な接触箇所が増える分、高い実効性でアース導電経路を確保でき、アース放電の信頼性も高まる。
本発明の一実施形態としての燃料給油装置FSの概略構成を示す説明図である。 フィラーネック20の一部の断面構成を概略的に示す説明図である。 図2における3−3線でフィラーネック20を断面視して示す説明図である。 第2実施形態のフィラーネック20Aの一部の断面構成を概略的に示す説明図である。 第3実施形態のフィラーネック20Bの一部の断面構成を概略的に示す説明図である。 第4実施形態のフィラーネック20Cの一部の断面構成を概略的に示す説明図である。 ワンピースで構成されたネック保持部材71による保持の様子を概略的に示す説明図である。 第6実施形態のフィラーネック20Eの一部の断面構成を概略的に示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。図1は本発明の一実施形態としての燃料給油装置FSの概略構成を示す説明図である。燃料給油装置FSは、自動車の燃料タンク(図視略)への燃料供給に使用されるものであり、燃料キャップFCと、フィラーネック20と、フィラーネック20に接続された燃料パイプ40,50と、燃料パイプ40,50を車体側部材(図示省略)に取り付けるためのパイプ保持装置PHと、燃料給油装置FSをフィラーネック20の部位にて図示しない車体に保持するためのネック保持部材71,72と、燃料パイプ40,50の端部を燃料タンクに接続するタンク接続部材(図示省略)とを備えている。
給油時に燃料キャップFCをフィラーネック20から外して、図示しない給油ノズルから燃料をフィラーネック20に注入すると、燃料は、フィラーネック20および燃料パイプ40で構成される燃料供給通路を通じて、燃料タンクに供給される。
燃料パイプ40は、フィラーネック20と燃料タンクとを接続する樹脂パイプであり、一端はフィラーネック20に接続され、他端は燃料タンクに接続されている。燃料パイプ50は、給油時に燃料タンク内の燃料蒸気を燃料パイプ40に循環するためのブリーザ用のパイプである。この燃料パイプ50にあっても、燃料パイプ40と同様に、一端はフィラーネック20に接続され、他端は燃料タンクに接続されている。燃料パイプ40,50は、例えばポリエチレンから形成されている。
燃料キャップFCは、ねじ部を備え、このねじ部がフィラーネック20の内周に形成されたねじ部と螺合することで、フィラーネック20に装着される。燃料キャップFCは、こうしたねじ螺合方式の構成に限定されず、フィラーネック20の開口部21を開閉できる構成であればよい。例えば、フラップ弁等の弁体を用いて開閉する構成(一般に、キャップレスと称される)にしてもよい。
図2はフィラーネック20の一部の断面構成を概略的に示す説明図、図3は図2における3−3線でフィラーネック20を断面視して示す説明図である。図2では、フィラーネック20のうち、燃料給油ノズルが挿入される開口部付近を図示している。
フィラーネック20は、樹脂製のフィラーネック本体29と、金属製のリテーナ30と、を備える。フィラーネック20は、略筒状体に形成され、図示しない燃料給油ノズルが挿入される開口部21Fが形成されている一端と、燃料パイプ40が接続されるパイプ接続部(図示省略)が形成されている他端を備え、燃料パイプ50が接続されるパイプ分岐接続部(図示省略)を備える。
フィラーネック本体29は、燃料給油ノズルが挿入される開口部21を形成する開口端21Eと、リテーナ30と接触する接触部28と、を備える。そして、このフィラーネック本体29は、燃料パイプ40,50と共に、燃料タンクに到る燃料流路を形成する。図2に示すように、接触部28は、フィラーネック本体29の外周になだらかな段差を形成している。また、フィラーネック本体29は、開口端21Eの側の外周壁に形成された溝部24と、この溝部24に装着された抑制部25とを備える。抑制部25は、既存のシール材であり、後述するリテーナ30がフィラーネック本体29の開口端21Eに装着されて開口部21がリテーナ30で覆われると、リテーナ30によって加圧されて収縮し、フィラーネック本体29の外周壁とリテーナ30との間の空隙をシールする。
フィラーネック本体29の内周には、燃料キャップFCに形成されたねじ部23Cと対応するねじ部23Nが形成されている。燃料キャップFCに形成されたねじ部23Cがフィラーネック本体29のねじ部23Nに螺合されて、燃料キャップFCがフィラーネック20に装着される。なお、このねじ部23Nについては、後述のリテーナ30の内周壁に形成するようにしてもよい。
フィラーネック本体29は、金属との接着性を有する変性ポリエチレンを用いて、射出成形により形成されている。フィラーネック本体29は、ブロー成形、熱成形等、他の成形方法によって形成されてもよい。
リテーナ30は、金属製の環状部材であり、フィラーネック本体29の開口端21Eの全周を覆うようにこの開口端21Eに装着されて、フィラーネック本体29の開口端21Eの内径側と外径側とを覆う。このようにフィラーネック本体29を覆うことで、リテーナ30は、フィラーネック20の開口部21F(給油口)を形成する。フィラーネック本体29に対して、外周側に配置されるリテーナ30の外周部は、内周側に配置される内周部よりも長く形成されている。リテーナ30は、フィラーネック本体29の接触部28と対応して屈曲し、その屈曲箇所において、フィラーネック本体29の接触部28にリテーナ接触部38を接触させる。
樹脂製のフィラーネック本体29の開口部21を金属製のリテーナ30によって覆うことにより、フィラーネック20の開口部21Fの機械的強度を向上させ、給油ノズルによる破損を抑制している。リテーナ30は、ステンレス等の金属材料の薄板をプレス成形することにより形成されている。リテーナ30は、導電性の金属であれば、鋳造等、他の成形方法によって形成されてもよい。
既述したように、フィラーネック本体29は外周方向に拡径した接触部28を備え、リテーナ30はフィラーネック本体29の接触部28に沿って屈曲して形成されたリテーナ接触部38を備える。よって、リテーナ30をフィラーネック本体29の開口部21に被せると、フィラーネック本体29の接触部28にリテーナ30のリテーナ接触部38が係合して、リテーナ30は、外周下端周壁39で、フィラーネック本体29の外周壁を取り囲み、外周下端周壁39の端部突起39tにてフィラーネック本体29の外周凹所に係合する。これにより、リテーナ30の不用意な取り外しや装着ミスを防止できる。なお、リテーナ30の外周下端周壁39とフィラーネック本体29の外周壁との間に、間隙が形成されるよう、外周下端周壁39を拡径して形成してもよい。また、外周下端周壁39の端部突起39tによるフィラーネック本体29への係合を省略してもよい。
リテーナ30は、リテーナ接触部38において、フィラーネック本体29と熱溶着によって接合されてもよい。具体的には、以下の方法でフィラーネック20が製造される。樹脂製のフィラーネック本体29と、金属製のリテーナ30とを用意する。リテーナ30をフィラーネック本体29の開口部21に被せる。リテーナ30のリテーナ接触部38の全体を熱板により加熱する。加熱により、フィラーネック本体29の接触部28の樹脂が溶融し、溶融した樹脂によりリテーナ30とフィラーネック本体29とが接合され、溶着部Wが形成される。本実施形態において、リテーナ30のリテーナ接触部38の全体を熱板により加熱しているが、リテーナ接触部38の一部を加熱してもよいし、リテーナ30の全体を加熱してもよい。
ネック保持部材71,72は、共に良伝導性の金属製プレートのプレス加工を経て形成され、図2および図3に示すように、フィラーネック20のフィラーネック本体29をその全周に亘って取り囲み、リテーナ30の外周下端周壁39の側に、導通用突片73を突出させている。ネック保持部材71,72は、フィラーネック本体29を半円領域で取り囲む円弧部の両端から平板部71p,72pを延ばしている。そして、ネック保持部材71は、一方の平板部71pに係合孔74を備え、ネック保持部材72にあっては、この係合孔74に入り込んで係合する係合片75を一方の平板部72pに備える。ネック保持部材72は、係合孔74に係合片75が係合した状態で、他方の平板部72pをネック保持部材71の平板部71pに重ね合わせ、この状態で両ネック保持部材は、皿小ネジ等のボルトB2にて固定される。この固定状態において、ネック保持部材71,72は、導通用突片73をリテーナ30、詳しくはリテーナ30の外周下端周壁39に接触させて、リテーナ30との導通を確保する。また、ネック保持部材71の平板部71pにおいて、六角穴付ボルト等のボルトB1にてネック保持部材71が車体VBに固定されることで、ネック保持部材71,72は、フィラーネック本体29をリテーナ30と共にその全周域に亘って把持して、車体VBに対して保持する。
以上説明したように、本実施形態の燃料給油装置FSは、金属製のネック保持部材71,72により、フィラーネック20のフィラーネック本体29をリテーナ30と共に車体VBに対して保持した上で、リテーナ30に帯電した静電気を車体VBにアース放電するためアース導電経路を、金属製のリテーナ30と金属製のネック保持部材71,72(詳しくは導通用突片73)との接触で形成する(図2)。この接触は金属製の機器構成材同士の接触であることから、ネック保持部材71,72により、リテーナ30の外周下端周壁39を把持することで、上記の接触状態を簡便、且つ強固に維持する。この結果、本実施形態の燃料給油装置FSによれば、フィラーネック20におけるアース導電経路を簡便、且つ確実に確保した上で、フィラーネック20、延いては燃料給油装置FSを車体VBに固定できる。
本実施形態の燃料給油装置FSは、金属製のネック保持部材71,72でフィラーネック本体29を外周側で環状に取り囲み、その環状の全周域において、導通用突片73にてリテーナ30との導通を確保する。よって、本実施形態の燃料給油装置FSによれば、金属製のリテーナ30と金属製のネック保持部材71,72との接触領域が広い分、高い実効性でアース導電経路を確保でき、アース放電の信頼性を高めることができる。
本実施形態の燃料給油装置FSは、フィラーネック本体29とリテーナ30とを熱溶着により接合する。このため、例えば、リテーナを金型内にインサートして樹脂を射出成形するインサート成形やブロー成形する方法によってフィラーネックを形成する場合と比べて、容易かつ精度良く、フィラーネック本体とリテーナとを接合することができる。なお、インサート成形やブロー成形にて得たフィラーネック20について、ネック保持部材71,72を用いることもできる。
次に、他の実施形態について説明する。図4は第2実施形態のフィラーネック20Aの一部の断面構成を概略的に示す説明図である。この第2実施形態のフィラーネック20Aは、ネック保持部材71,72とリテーナ30との導通を、リテーナ30のカシメにて行い、そのカシメをネック保持部材71,72の円弧部において複数箇所で行う点に特徴がある。なお、既述したフィラーネック20と同一の構成については、同一の符号を用いて表し、その説明については省略する。
第2実施形態のフィラーネック20Aは、ネック保持部材71,72にて、先のフィラーネック20と同様に、フィラーネック本体29をその全周に亘って取り囲む。そして、このフィラーネック20Aは、導通用突片73についてもフィラーネック本体29を取り囲むようにネック保持部材71,72から突出させている。リテーナ30は、外周下端周壁39の下端を拡径した拡径片部39kを備える。拡径片部39kは、外周下端周壁39の下端側周壁に点在して形成されており、拡径片部39kは、導通用突片73の上端を覆うようにネック保持部材71,72の近傍まで延びる。こうして拡径片部39kが点在することから、図4では、図における左方に拡径片部39kが導通用突片73の上端を覆うように下方に延びて示され、左方には、拡径片部39kが示されていない。
このフィラーネック20Aでは、ネック保持部材71,72がフィラーネック本体29をその全周に亘って取り囲むよう、先にフィラーネック本体29に装着され、その後、リテーナ30が、既述したようにフィラーネック本体29に装着される。そうすると、リテーナ30の拡径片部39kが導通用突片73の上端を覆うように下方に延びるので、この拡径片部39kは、図示しないカシメ工具にて、図4に示すように導通用突片73の側に折り曲げられて、導通用突片73に接触する。そして、この拡径片部39kのカシメ箇所にて、ネック保持部材71,72とリテーナ30との導通が確保される。
この第2実施形態のフィラーネック20Aによっても、フィラーネック20Aにおけるアース導電経路を簡便、且つ確実に確保した上で、フィラーネック20A、延いては燃料給油装置FSを車体VBに固定できる。
図5は第3実施形態のフィラーネック20Bの一部の断面構成を概略的に示す説明図である。この第3実施形態のフィラーネック20Bは、ネック保持部材71,72とリテーナ30との導通を、スポット溶接にて行い、その溶接をネック保持部材71,72の円弧部において複数箇所で行う点に特徴がある。
第3実施形態のフィラーネック20Bにあっても、第2実施形態と同様に、ネック保持部材71,72と導通用突片73にて、フィラーネック本体29をその全周に亘って取り囲む。リテーナ30は、外周下端周壁39の下端の拡径片部39kを、導通用突片73の上端を覆うようにネック保持部材71,72の近傍まで延ばす。こうして拡径片部39kが点在することから、図5では、図における左方に拡径片部39kが導通用突片73の上端を覆うように下方に延びて示され、左方には、拡径片部39kが示されていない。
このフィラーネック20Bでは、ネック保持部材71,72がフィラーネック本体29をその全周に亘って取り囲むよう、先にフィラーネック本体29に装着され、その後、リテーナ30が、既述したようにフィラーネック本体29に装着される。そうすると、リテーナ30の拡径片部39kが導通用突片73の上端を覆うように下方に延びるので、この拡径片部39kは、図示しないスポット溶接ガンにて、図5に示すように導通用突片73に溶接(スポット溶接)される。そして、この拡径片部39kの溶接箇所にて、ネック保持部材71,72とリテーナ30との導通が確保される。なお、スポット溶接に代えて、拡径片部39kを導通用突片73にネジ締め固定してもよい。
この第3実施形態のフィラーネック20Bによっても、フィラーネック20Bにおけるアース導電経路を簡便、且つ確実に確保した上で、フィラーネック20B、延いては燃料給油装置FSを車体VBに固定できる。
図6は第4実施形態のフィラーネック20Cの一部の断面構成を概略的に示す説明図である。この第4実施形態のフィラーネック20Cは、ネック保持部材71,72とリテーナ30との導通を、導通用突片73のカシメにて行い、そのカシメをネック保持部材71,72の円弧部において複数箇所で行う点に特徴がある。
第4実施形態のフィラーネック20Cにあっても、ネック保持部材71,72にて、フィラーネック本体29をその全周に亘って取り囲む。導通用突片73は、フィラーネック本体29から離れてネック保持部材71,72から点在して突出し、リテーナ30における外周下端周壁39の下端突起と重なる。導通用突片73と外周下端周壁39の下端突起とは、ネック保持部材71,72の円弧部において点在することから、図6では、図における左方に導通用突片73が外周下端周壁39の下端突起と重なるように延びて示され、左方には、導通用突片73と外周下端周壁39の下端突起が示されていない。
このフィラーネック20Cでは、先にリテーナ30がフィラーネック本体29に装着され、その後、ネック保持部材71,72がフィラーネック本体29をその全周に亘って取り囲むよう装着される。そうすると、導通用突片73が外周下端周壁39の下端突起と重なるように延びるので、この導通用突片73は、図示しないカシメ工具にて、図6に示すように外周下端周壁39の側に折り曲げられて、このフィラーネック本体29に接触する。そして、この導通用突片73のカシメ箇所にて、ネック保持部材71,72とリテーナ30との導通が確保される。
この第4実施形態のフィラーネック20Cによっても、フィラーネック20Cにおけるアース導電経路を簡便、且つ確実に確保した上で、フィラーネック20C、延いては燃料給油装置FSを車体VBに固定できる。
次に、ネック保持部材の他の形態について説明する。図7はワンピースで構成されたネック保持部材71による保持の様子を概略的に示す説明図である。図示するように、この実施形態のネック保持部材71は、一方が開放された円弧状をなし、その開放端側において拡径可能とされ、溶接等の固定手法で平板部71pを有する。そして、フィラーネック本体29の保持に当たっては、一旦、開放端側が開かれてフィラーネック本体29が挿入され、その後、元に戻される。こうすることで、ネック保持部材71は、フィラーネック本体29を、半円弧以上の範囲に亘って把持して、これを平板部71pを介して車体VBに対して保持する。リテーナ30との導通については、図4に示したような外周下端周壁39の側からの拡径片部39kのカシメ、或いは、図7に示したようなネック保持部材71の側からの導通用突片73のカシメにより確保される。このようなネック保持部材71を備える第5実施形態のフィラーネック20Dによっても、既述した効果を奏することができる。
図8は第6実施形態のフィラーネック20Eの一部の断面構成を概略的に示す説明図である。この第6実施形態のフィラーネック20Eは、燃料キャップFCをリテーナ30Aにネジ込み装着する点に特徴がある。
第6実施形態のフィラーネック20Eは、フィラーネック20の開口部21に給油ノズル案内部材80を備える。給油ノズル案内部材80は、金属製のプレス成形品または樹脂の射出成形品であり、開口端21Eにて加熱溶着される。リテーナ30Aは、フィラーネック20(詳しくは、フィラーネック本体29)の外周壁を覆うよう装着され、フィラーネック本体29の外周壁を溶着部Wとして、このフィラーネック本体29に加熱溶着される、もしくは係合構造を用いてフィラーネック20(詳しくは、フィラーネック本体29)に組み付けられる。この状態で、リテーナ30Aは、フィラーネック本体29に接触すると共に、給油ノズル案内部材80とも接触する。また、リテーナ30Aは、燃料キャップFCのねじ部と螺合する雄ネジ部31を備え、この雄ネジ部31にて燃料キャップFCのネジ込み装着を図る。
この第6実施形態のフィラーネック20Eにあっても、ネック保持部材71,72にて、フィラーネック本体29をその全周に亘って取り囲み、導通用突片73をリテーナ30Aに接触させて、ネック保持部材71,72とリテーナ30との導通を確保する。よって、この第6実施形態のフィラーネック20Eによっても、フィラーネック20Eにおけるアース導電経路を簡便、且つ確実に確保した上で、フィラーネック20E、延いては燃料給油装置FSを車体VBに固定できる。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、或いは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記した実施形態では、リテーナ30とネック保持部材71,72の両機器構成材を金属製としたが、両機器構成材或いは一方の機器構成材をカーボン粒子等の導電性粒子を含有する導電性の樹脂製としてもよい。こうしても、リテーナ30とネック保持部材71,72との接触により、両部材の間のアース導電経路を形成でき、両部材の接触は機器構成材同士の接触であることから、接触状態を簡便により強固に維持できる。この結果、リテーナ30とネック保持部材71,72の両機器構成材或いは一方の機器構成材を導電性の樹脂製としても、アース導電経路を簡便、且つより確実に確保できる。
20…フィラーネック
20A〜20E…フィラーネック
21…開口部
21E…開口端
21F…開口部
23C…ねじ部
23N…ねじ部
24…溝部
25…抑制部
28…接触部
29…フィラーネック本体
30…リテーナ
31…雄ネジ部
38…リテーナ接触部
39…外周下端周壁
39k…拡径片部
39t…端部突起
40…燃料パイプ
50…燃料パイプ
71…ネック保持部材
71p…平板部
72…ネック保持部材
72p…平板部
73…導通用突片
74…係合孔
75…係合片
80…給油ノズル案内部材
W…溶着部
B1…ボルト
B2…ボルト
VB…車体
FC…燃料キャップ
PH…パイプ保持装置
FS…燃料給油装置

Claims (3)

  1. 燃料給油装置(FS)であって、
    燃料流路を形成する樹脂製の流路形成部材(29)と、
    該流路形成部材(29)の開口端に装着されて、前記流路形成部材(29)の開口端の少なくとも外径側を覆う導電性のリテーナ(30)と、
    該リテーナ(30)と電気的に接触すると共に、前記流路形成部材(29)を前記リテーナ(30)と共に車体に対して保持する導電性の保持部材(71,72)とを備える、燃料給油装置。
  2. 前記リテーナ(30)と前記保持部材(71,72)は、金属製とされている、請求項1に記載の燃料給油装置。
  3. 前記保持部材(71,72)は、前記流路形成部材(29)を外周側で環状に取り囲む突片(73)を備え、該環状の全域または前記環状の領域の複数箇所において前記突片(73)を前記リテーナ(30)と電気的に接触させる請求項1または請求項2に記載の燃料給油装置。
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