JP2016118010A - 杭打機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な構造で、任意の位置に容易に取り付けることができる落下防止手段を備えた杭打機を提供する。【解決手段】 角筒状のリーダ14にラック部材16とガイドパイプ17とを設け、リーダの下方に下部振止21を昇降可能に設けるとともに、下部振止の落下防止部材25を設けた杭打機において、落下防止部材は、ラック部材の前面に配置される基板26と、基板の後面に沿って移動可能に設けられた左右一対の歯合部材27と、歯合部材をラック部材に対する歯合位置と非歯合位置とにガイドするガイド手段28と、基板に対して歯合部材を歯合位置と非歯合位置とにそれぞれ固定可能な歯合部材固定手段29とを備え、歯合部材は、歯合位置においてラック部材の後部側に進入し、非歯合位置においてラック部材の後部側から退避する後部係合部材30を一体に備えている。【選択図】 図4

Description

本発明は、杭打機に関し、詳しくは、ベースマシンの前部に設けたリーダに、ラックピニオン式で昇降する作業装置を装着した杭打機における下部振止の落下防止構造に関する。
杭打機は、ベースマシンの前部に立設したリーダに沿って作業装置を昇降させ、該作業装置にロッドや鋼管杭などの作業部材を回転駆動しながら作業装置をリーダに沿って昇降させることにより、地盤改良作業や杭打ち作業を行うもので、作業装置をリーダに沿って昇降させる手段として、ラックピニオン式昇降装置が知られている。このラックピニオン式昇降装置は、角筒状に形成したリーダの前面中央長手方向にラック部材を設けるとともに、該ラック部材の両側に形成されたラックに歯合する複数のピニオンを作業装置に設けたものであって、作業装置に搭載した油圧モータでピニオンを回転させることにより、作業装置を昇降させるようにしている。
また、このような杭打機では、前記リーダの下方に、作業時の作業部材の振れを防止するための下部振止が昇降可能に設けられており、さらに、下部振止が落下することを防止するための落下防止手段をリーダの下端部に設けたり(例えば、特許文献1参照。)、昇降装置のラックを利用して下部振止の位置決め手段を設けたりすることが行われている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2003−193784号公報 特開2006−249715号公報
しかし、特許文献1に記載された落下防止手段は、リーダの下端部に設けた係止孔に係止ピンを挿入して落下防止手段であるストッパを取り付けるため、ストッパの位置を任意に設定することができなかった。さらに、リーダの前面部から両側部にわたる大きさとなっているため、サイズが大きく、重量も嵩むため、リーダへの着脱が面倒であった。また、特許文献2に記載された位置決め手段は、位置決め手段を構成する機器を下部振止内に配置しているため、構造が複雑になるだけでなく、落下防止手段は別に設ける必要があった。
そこで本発明は、ラックピニオン式昇降装置で作業装置を昇降させる杭打機において、簡単な構造で、任意の位置に容易に取り付けることができる落下防止手段を備えた杭打機を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の杭打機は、ベースマシンの前部に起伏可能に設けられた角筒状のリーダに、作業装置を昇降させるラック部材とガイド部材とを設け、前記リーダの下方に、前記作業装置に駆動される作業部材をガイドする下部振止を前記ガイド部材に沿って昇降可能に設けるとともに、前記下部振止の落下防止部材を設けた杭打機において、前記落下防止部材は、前記ラック部材の前面に配置される基板と、該基板の後面に沿って移動可能に設けられた左右一対の歯合部材と、該歯合部材を前記ラック部材に対する歯合位置と非歯合位置とにガイドするガイド手段と、前記基板に対して前記歯合部材を歯合位置と非歯合位置とにそれぞれ固定可能な歯合部材固定手段とを備え、前記歯合部材は、歯合位置において前記ラック部材の後部側に進入し、非歯合位置においてラック部材の後部側から退避する後部係合部材を一体に備えていることを特徴としている。
さらに、本発明の杭打機は、前記ガイド手段及び前記歯合部材固定手段が、前記基板に設けられた水平方向のスリットと、基板前面側からスリットに挿通される雄ねじ部材と、前記歯合部材に設けられた雌ネジ部材とを備え、前記スリットが、前記歯合部材が歯合位置と非歯合位置とに移動可能な長さを有し、歯合部材の歯合位置又は非歯合位置で前記雄ねじ部材と前記雌ネジ部材とを締結することによって歯合部材が各位置で固定されることを特徴としている。
また、前記スリットにおける歯合位置側の端部に、上方に向かって屈曲した固定用スリットが連続して形成されていること、前記下部振止が、前記落下防止部材の上面に当接する当接部材を備えていること、前記基板の幅寸法がリーダの前面の幅寸法より小さく、基板の高さ寸法が基板の幅寸法より小さく形成されていることを特徴としている。
本発明の杭打機によれば、ラック部材を利用して落下防止部材を取り付けるようにしているので、落下防止部材の高さを任意に設定することができる。また、小型軽量化を図れるので、クレーンなどを使用せずに作業員一人で着脱することも可能になる。
本発明の杭打機の第1形態例を示す側面図である。 要部の側面図である。 要部の断面平面図である。 要部の正面図である。 リーダ装着前の状態を示す落下防止部材部分の正面図である。 同じくリーダ装着前の状態を示す落下防止部材部分の断面平面図である。 リーダに装着した状態を示す落下防止部材部分の正面図である。 同じくリーダに装着した状態を示す落下防止部材部分の断面平面図である。 本発明の杭打機の第2形態例を示すもので、リーダ装着前の状態を示す落下防止部材部分の正面図である。 同じくリーダ装着前の状態を示す落下防止部材部分の断面平面図である。 同じくリーダに装着した状態を示す落下防止部材部分の正面図である。 同じくリーダに装着した状態を示す落下防止部材部分の断面平面図である。
図1乃至図8は、本発明の杭打機の第1形態例を示している。まず、本形態例に示す杭打機のベースマシン11は、クローラを備えた下部走行体12と、該下部走行体12の上部に旋回可能に設けられた上部旋回体13と、該上部旋回体13の前部に起伏可能に設けられたリーダ14と、該リーダ14を上部旋回体13の後部から支持するバックステー15とを備えている。前記リーダ14は、断面が角筒状に形成されており、リーダ14の前面中央には、ラックピニオン式昇降装置の構成品の一つであるラック部材16が、両側面前端部には、左右一対のガイド部材(ガイドパイプ)17が、リーダ14の全長にわたってそれぞれ連続的に設けられている。
オーガドライブなどの作業装置18は、前記ガイドパイプ17に摺接する左右一対のガイドギブ19が後方に突出して設けられるとともに、前記ラック部材16の両側に設けられているラック16aに歯合する左右一対のピニオン(図示せず)を回転駆動する油圧モータなどの駆動手段を備えている。この作業装置18は、駆動手段でピニオンを回転駆動することにより、リーダ14に沿って昇降する。
また、リーダ14の下方には、前記作業装置18によって駆動される作業部材20、例えば、図1に示すように、地盤改良を行う際のロッドや、図示は省略するが、鋼管埋設を行う際の鋼管を回転可能に保持して作業部材20の振れを防止するための下部振止21が設けられている。この下部振止21は、後方に突設した左右一対のガイドギブ22を前記ガイドパイプ17に摺接させることによって昇降可能に設けられ、作業装置18とワイヤー24によって連結されており、作業装置18の昇降操作を行うことにより、リーダ14に沿って昇降する。本形態例に示す下部振止21は、ロッド用振止21aと鋼管用振止21bとを重ね合わせたもので、作業に応じていずれか一方の振止を使用するようにしている。
さらに、図2乃至図8に拡大して示すように、前記下部振止21の下方のリーダ14の前面には、下部振止21がリーダ14の下端から外れて落下することを防止するための落下防止部材25が設けられている。落下防止部材25は、前記ラック部材16のラック16aを利用してリーダ14の前面部に着脱可能に取り付けられるものであって、前記ラック部材16の前面に配置される横長長方形状の基板26と、該基板26の後面に沿って移動可能に設けられた左右一対の歯合部材27と、該歯合部材27を前記ラック部材16に対する歯合位置(図7及び図8参照)Aと非歯合位置(図5及び図6参照)Bとにガイドするガイド手段28と、前記基板26に対して前記歯合部材27を歯合位置Aと非歯合位置Bとにそれぞれ固定可能な歯合部材固定手段29とを備えている。また、前記歯合部材27のラック部材側の後面には、歯合位置Aにおいて前記ラック部材16の後部側に進入し、非歯合位置Bにおいてラック部材16の後部側から退避する後部係合部材30が一体的に設けられ、歯合部材27の外側面には、操作用の把手部31が設けられている。
前記ガイド手段28及び前記歯合部材固定手段29は、前記基板26の上下左右にそれぞれ設けられた4箇所の水平方向のガイドスリット32と、基板前面側からガイドスリット32にそれぞれ挿通される雄ねじ部材である4本のボルト33と、前記歯合部材27の外端部の上下2箇所にそれぞれ設けられた雌ネジ部材34とを備えている。
前記ガイドスリット32は、歯合部材27が歯合位置Aと非歯合位置Bとに移動可能な長さを有しており、図5及び図6に示す非歯合位置Bで、ボルト33と雌ネジ部材34とを緩めた状態で、基板26をラック部材16の前面に配置して把手部31を左右から押し込み、ガイドスリット32に沿ってボルト33を移動させ、歯合部材27をラック16aに歯合させて歯合位置Aとし、ボルト33と雌ネジ部材34とを締結することにより、歯合部材27を歯合位置Aに固定することができる。この歯合位置Aでは、歯合部材27とラック16aとが歯合することによって上下方向が固定され、後部係合部材30がラック部材16の後部側に係合することによって前後方向が固定された状態になる。これにより、下部振止21の落下を防止する落下防止部材25としての機能が得られる。
一方、落下防止部材25を取り外す際には、図7及び図8に示す歯合位置Aで、ボルト33と雌ネジ部材34とを緩めて把手部31を左右に引き出し、歯合部材27とラック16aとの歯合状態を解除するとともに、後部係合部材30をラック部材16の後部側から退避させて非歯合位置Bの状態とすればよい。これにより、落下防止部材25をリーダ14から取り外すことができる。
このように、ボルト33を緩めて歯合部材27をガイドスリット32に沿って左右方向に移動させるだけで、リーダ前面への落下防止部材25の着脱を行うことができるので、作業状態や輸送状態などの各種条件に応じてリーダ14に対する落下防止部材25の取付高さを容易に変更することができる。また、基板26の幅寸法をリーダ14の前面幅寸法より小さくするとともに、基板26の高さ寸法を基板幅寸法より小さく設定することにより、基板26を含めた落下防止部材25の全体を小型軽量に形成することができ、作業員一人の手作業で落下防止部材25を着脱することが可能となる。
また、落下防止部材25の上部形状と、下部振止21の下部形状とによっては、下部振止21の下部に、図2及び図4に示すような当接部材35を設ければよい。この当接部材35は、所定形状に形成した金属材であってもよく、スプリングやゴムなどの弾性材であってもよい。
図9乃至図12は、本発明の第2形態例を示すもので、前記第1形態例と同様に形成した落下防止部材におけるガイド手段及び歯合部材固定手段の変形例を示している。なお、以下の説明において、前記第1形態例に示した杭打機の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本形態例に示す落下防止部材25の基板26には、前記第1形態例と同様に、歯合部材27を歯合位置Aと非歯合位置Bとに移動可能な長さを有する水平方向のガイドスリット36と、該ガイドスリット36の歯合位置A側の端部から上方に向かって屈曲した固定用スリット37とが形成されている。
したがって、歯合部材27が図9及び図10に示す非歯合位置Bにある状態から歯合位置Aに向けて押し込むと、ボルト33がガイドスリット36の歯合位置A側の端部に達したときに、歯合部材27とラック16aとが歯合するとともに、ボルト33が固定用スリット37内に進入するようにして基板26が下方に移動し、ボルト33が固定用スリット37の上端部に位置した状態になる。このように、歯合位置Aでボルト33をガイドスリット36から離れた固定用スリット37の上端部に位置させることにより、歯合部材27が非歯合位置Bの方向に移動することがなくなるので、歯合部材27を歯合位置Aに確実に固定することができる。
なお、ガイド手段及び歯合部材固定手段の構造は任意であり、例えば、歯合部材をガイドするスリットを歯合位置側が上昇するように傾斜させるようにしてもよく、歯合部材を回動させて歯合位置と非歯合位置とに移動させることもできる。また、ボルトに代えてピンを用いることもでき、ボルトを歯合部材に固着し、ボルトを基板後部から前面に突出させてナットで締め付けるようにしてもよい。さらに、歯合部材の一方を基板に固定し、他方の歯合部材のみを移動させるように形成することもできる。
11…ベースマシン、12…下部走行体、13…上部旋回体、14…リーダ、15…バックステー、16…ラック部材、16a…ラック、17…ガイドパイプ、18…作業装置、19…ガイドギブ、20…作業部材、21…下部振止、21a…ロッド用振止、21b…鋼管用振止、22…ガイドギブ、23…トップシーブブロック、24…ワイヤー、25…落下防止部材、26…基板、27…歯合部材、28…ガイド手段、29…歯合部材固定手段、30…後部係合部材、31…把手部、32…ガイドスリット、33…ボルト、34…雌ネジ部材、35…当接部材、36…ガイドスリット、37…固定用スリット、A…歯合位置、B…非歯合位置

Claims (5)

  1. ベースマシンの前部に起伏可能に設けられた角筒状のリーダに、作業装置を昇降させるラック部材とガイド部材とを設け、前記リーダの下方に、前記作業装置に駆動される作業部材をガイドする下部振止を前記ガイド部材に沿って昇降可能に設けるとともに、前記下部振止の落下防止部材を設けた杭打機において、前記落下防止部材は、前記ラック部材の前面に配置される基板と、該基板の後面に沿って移動可能に設けられた左右一対の歯合部材と、該歯合部材を前記ラック部材に対する歯合位置と非歯合位置とにガイドするガイド手段と、前記基板に対して前記歯合部材を歯合位置と非歯合位置とにそれぞれ固定可能な歯合部材固定手段とを備え、前記歯合部材は、歯合位置において前記ラック部材の後部側に進入し、非歯合位置においてラック部材の後部側から退避する後部係合部材を一体に備えていることを特徴とする杭打機。
  2. 前記ガイド手段及び前記歯合部材固定手段は、前記基板に設けられた水平方向のスリットと、基板前面側からスリットに挿通される雄ねじ部材と、前記歯合部材に設けられた雌ネジ部材とを備え、前記スリットは、前記歯合部材が歯合位置と非歯合位置とに移動可能な長さを有し、歯合部材の歯合位置又は非歯合位置で前記雄ねじ部材と前記雌ネジ部材とを締結することによって歯合部材が各位置で固定されることを特徴とする請求項1記載の杭打機。
  3. 前記スリットにおける歯合位置側の端部に、上方に向かって屈曲した固定用スリットが連続して形成されていることを特徴とする請求項2記載の杭打機。
  4. 前記下部振止は、前記落下防止部材の上面に当接する当接部材を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の杭打機。
  5. 前記基板の幅寸法はリーダの前面の幅寸法より小さく、基板の高さ寸法は基板の幅寸法より小さく形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の杭打機。
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