JP2016117834A - 無機材料の表面改質用組成物、表面改質された無機材料、表面改質用組成物を含む複合形成材料、該複合形成材料の成形品、複合形成材料の製造方法、及びカリックスアレーン含有組成物 - Google Patents

無機材料の表面改質用組成物、表面改質された無機材料、表面改質用組成物を含む複合形成材料、該複合形成材料の成形品、複合形成材料の製造方法、及びカリックスアレーン含有組成物 Download PDF

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Kanenori Fujita
鉦則 藤田
村上 徹
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徹 村上
雅也 塚本
Masaya Tsukamoto
雅也 塚本
忠明 山岸
Tadaaki Yamagishi
忠明 山岸
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Nobuhiro Nakazumi
宜洋 中住
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Yukio Yoshimura
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Abstract

【課題】繊維強化複合材料における強化繊維の表面改質に用いるカリックスアレーンの融点を高くし、熱可塑性樹脂の溶融温度を高くできる、表面改質用組成物の提供。
【解決手段】式(1)で表されるレゾルシン環状4量体からなるカリックスアレーンとSiO2微粒子を含む表面改質用組成物。

(RはC1〜17の直鎖状アルキル基、又はフェニル基)
【効果】カリックスアレーンとSiO微粒子を無機材料と凝集すると、SiO微粒子が無機材料吸着すると吸着したSiO微粒のガラス繊維に対しアンカー効果を示し、複合形成材料の強度が向上する。
【選択図】図7

Description

本発明は、無機材料の表面改質用組成物、表面改質された無機材料、該無機材料を含む複合形成材料、該複合形成材料の成形品、複合形成材料の製造方法、及びカリックスアレーン含有組成物に関するものである。特に、カリックスアレーンとSiO2微粒子を含む表面改質用組成物で表面改質した無機材料、表面改質用組成物を含むことで強度を向上した複合形成材料、該複合形成材料を用いた成形品、熱可塑性樹脂の溶融温度を高くできる複合形成材料の製造方法、及びカリックスアレーンの融点を高くしたカリックスアレーン含有組成物に関する。
プラスチックは軽量であることから様々な用途に用いられているが、弾性率が低く構造用材料としては適していない。そのため、ガラス繊維のように弾性率の高い材料との複合形成材料とすることで、軽量で強度が高い材料として用いられてきている。複合形成材料を形成するための補強材としては、ガラス繊維の他、炭素繊維、強度の高い樹脂繊維、ケブラー、ダイニーマ等の繊維状の補強材が知られている。
こうした複合形成材料は、機械機構部品、電気部品、航空機部品、船舶部品、自動車部品、事務用部品、建築資材、繊維製品、雑貨等の幅広い分野に利用されているが、樹脂中の補強材の分散が不均一であると、製品の使用中に反りが生じる等の不都合が生じることから、樹脂中に補強材を均一に分散させることが重要である。
樹脂中への補強材の混入・分散方法には大きく分けて2種類ある。一つは、補強材に方向性を持たせたままプラスチックに浸潤させる方法で、もう一つは、樹脂中に補強材を分散させる方法である。
前者の方法では、予め補強材を均一な網目状にした後でプラスチックに浸潤させることから、樹脂中に補強材を均一に分散させることが可能である。しかしながら、通常は薄い補強材層を補強材の方向が異なるように複数枚重ねる必要があり、補強材層の積層及びプラスチック硬化の手順を繰り返す為、製造コストが増大するとともに、量産性に乏しく、更に、複雑な形状の部品の製造が難しいという問題がある。
一方、後者の方法では、(1)押出機により加熱溶融した熱可塑性樹脂に補強材を混練して複合形成材料のペレットを先ず製造し、次いでこのペレットを射出成形機に供給して該成形機内で加熱混練し、樹脂を溶融して金型内に射出して賦形することにより行われる2段工程、又は(2)混練と射出成形とを一連に行う1段工程、により製品を製造することができるので量産性に優れるというメリットがある。
後者の方法に使用される補強材としては、平均繊維径10〜20μm程度のガラス繊維等が知られており、これらサイズの単繊維を50〜200本集めたグラスファイバーを所定の長さに切断したものである、チョップドストランドが一般的に用いられている。
また、チョップドストランド以外の補強材として、リサイクルガラスから作製することもでき、資源を有効活用でき且つ住宅用建材として断熱効果も優れていることから近年注目を集めている素材であるガラス短繊維(Glass Wool)を用いると外観不良を少なくすることができることが知られている(特許文献1参照)。更にガラス短繊維をカリックスアレーンで処理して溶融した熱可塑性樹脂に投入すると、得られた複合形成材料中のガラス短繊維が切断され難くなることも知られている(特許文献2参照)。
上記のとおり、カリックスアレーンで補強材を処理することで、切断され難くなる等の優れた効果が得られる。しかしながら、側鎖等の長さにより異なるものの、カリックスアレーンの融点は300℃前後で、融解と同時に分解が起こる材料である。そのため、融点が当該温度領域に近い熱可塑性樹脂、例えば、ポリアミドイミド(融点:約300℃)、ポリフェニレンスルファイド(融点:約290℃)、ポリブチレンテレフタレート(融点:約232〜267℃)を用いる場合、溶融混練過程で、カリックスアレーンが分解してしまいうという問題を新たに発見した。
特許第5416020号 特許第5220934号
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、鋭意研究を行ったところ、(1)下記式(1)で表されるレゾルシン環状4量体からなるカリックスアレーンとSiO2微粒子を組み合わせて用いることで、カリックスアレーンの融点を高くできること、(2)カリックスアレーンの融点を高くできるので、複合形成材料を製造する際に、熱可塑性樹脂の溶融温度を高くすることができること、(3)カリックスアレーンとSiO2微粒子を組み合わせた表面改質用組成物と無機材料が接触すると、SiO2微粒子が無機材料の表面に吸着すること、(4)複合形成材料中のガラス短繊維及び/又はガラス繊維にSiO2微粒子が吸着すると、吸着したSiO2微粒子がアンカー効果を示し、複合形成材料の強度を向上できること、を新たに見出した。
(式中、Rは炭素数が1〜17までの直鎖状アルキル基、またはフェニル基を表す。)
すなわち、本発明の目的は、無機材料の表面改質用組成物、表面改質された無機材料、表面改質用組成物を含む複合形成材料、該複合形成材料の成形品、複合形成材料の製造方法、及びカリックスアレーン含有組成物を提供することにある。
本発明は、以下に示す、無機材料の表面改質用組成物、表面改質された無機材料、表面改質用組成物を含む複合形成材料、該複合形成材料の成形品、複合形成材料の製造方法、及びカリックスアレーン含有組成物に関する。
(1)下記式(1)で表されるレゾルシン環状4量体からなるカリックスアレーンとSiO2微粒子を含むことを特徴とする表面改質用組成物。
(式中、Rは炭素数が1〜17までの直鎖状アルキル基、またはフェニル基を表す。)
(2)上記(1)に記載の表面改質用組成物で表面改質されたことを特徴とする無機材料。
(3)前記無機材料が、ガラス短繊維又はガラス繊維であることを特徴とする上記(2)に記載の無機材料。
(4)上記(1)に記載の表面改質用組成物、ガラス短繊維及び/又はガラス繊維、並びに熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする複合形成材料。
(5)上記(4)に記載の複合形成材料を射出成形、又は押圧して形成したことを特徴とする成形品。
(6)溶融した熱可塑性樹脂に、少なくとも、下記式(1)で表されるレゾルシン環状4量体からなるカリックスアレーンとSiO2微粒子を含む表面改質用組成物、並びにガラス短繊維及び/又はガラス繊維を投入することを特徴とする複合形成材料の製造方法。
(式中、Rは炭素数が1〜17までの直鎖状アルキル基、またはフェニル基を表す。)
(7)前記溶融した熱可塑性樹脂の温度が、前記式(1)で表されるレゾルシン環状4量体からなるカリックスアレーン単体の融点より高く、表面改質用組成物とした際のカリックスアレーンの融点より低いことを特徴とする上記(6)に記載の複合形成材料の製造方法。
(8)下記式(1)で表されるレゾルシン環状4量体からなるカリックスアレーンの融点を高くするために、カリックスアレーンにSiO2微粒子を混合したことを特徴とするカリックスアレーン含有組成物。
(式中、Rは炭素数が1〜17までの直鎖状アルキル基、またはフェニル基を表す。)
本発明は、カリックスアレーンとSiO2微粒子を組み合わせて用いることで、カリックスアレーンの融点を高くすることができる。したがって、溶融した熱可塑性樹脂に補強材を混練する際にカリックスアレーンとSiO2微粒子を組み合わせて用いることで、熱可塑性樹脂の溶融温度を高くすることができる。そのため、従来の複合形成材料に使用することができなかった熱可塑性樹脂を使用することができる。また、従来から用いられている熱可塑性樹脂の場合は、溶融・混練する際の温度を高くすることで溶融した熱可塑性樹脂の粘度を低くすることができ、溶融混練機のスクリューの摩耗を減少することができる。
カリックスアレーンとSiO2微粒子を組み合わせた組成物を無機材料に塗布すると、SiO2微粒子を単独で用いた場合と比較して、SiO2微粒子が凝集せずに無機材料の表面に吸着できる。したがって、SiO2微粒子が表面に吸着したガラス短繊維及び/又はガラス繊維と熱可塑性樹脂で複合形成材料を作製すると、ガラス短繊維及び/又はガラス繊維に吸着したSiO2微粒子と熱可塑性樹脂のアンカー効果が高まり、複合形成材料の強度を向上することができる。そして、当該複合形成材料を用いて射出成形、プレス成型して作製した成形品の強度を向上することができる。
更に、ガラス板等の無機材料の板を表面処理で表面処理する際に、カリックスアレーンとSiO2微粒子を組み合わせた組成物で予め表面改質することで、表面処理剤が剥離しにくくなるので、本発明の表面改質用組成物は無機材料の下処理剤として使用することもできる。
図1は、実施例1で合成した化合物であるCR(10)のGPC分析結果を示すグラフである。 図2は、実施例1で合成した化合物であるCR(10)の1H NMRのチャートを示す。 図3は、実施例1〜実施例6で合成した化合物であるCR(n)の1H NMRチャートを重ねたものである。 図4は、比較例1で合成した化合物であるCR(10)[−OMe]のGPC分析結果を示すグラフである。 図5の上段は、比較例1の反応溶媒可溶部の化合物、下端は比較例1の反応溶媒不溶部の化合物の1H NMRのチャートを示す。 図6は、実施例7で作製した表面改質用組成物(CR(10)+SiO2)及び比較対象(CR(10))の融点の測定結果を示すグラフである。 図7は、実施例7(CR(10)+SiO2)、比較対象であるSiO2微粒子のみ、及びCR(10)の固体粉末のみの5%重量損失温度の測定結果を示すグラフである。 図8は、SiO2/(CR(10)+SiO2)値による融点の変化を示すグラフである。 図9は、SiO2/(CR(10)+SiO2)値による5%重量損失温度の差の変化を示すグラフである。 図10は、図面代用写真で、図10(1)は実施例14で表面改質したガラス短繊維のSEM写真、図10(2)は比較例4で表面改質したガラス短繊維のSEM写真、図10(3)は比較例5で表面改質したガラス短繊維のSEM写真、図10(4)は比較例6で表面改質したガラス短繊維のSEM写真である。 図11は、実施例15、比較例7〜9、及び参考例1〜2の引張降伏点応力、引張弾性率を示すグラフである。 図12(1)はCR(10)の融点の測定結果を示すグラフで、図12(2)は、比較例10で作製した組成物(CR(10)+ガラス短繊維)の融点の測定結果を示すグラフである。 図13は、<参考例3>のTria−OPh CR(10)+SiO2、及び比較対象であるTria−OPh CR(10)の固体粉末を加熱した際の、加熱温度と重量損失を示すグラフである。 図14は、<参考例4>のTria−OPH CR(10)+SiO2、及び比較対象であるTria−OH CR(10)の固体粉末を加熱した際の、加熱温度と重量損失を示すグラフである。
以下に、本発明の無機材料の表面改質用組成物、表面改質された無機材料、該無機材料を含む複合形成材料、該複合形成材料の成形品、複合形成材料の製造方法、及びカリックスアレーン含有組成物について詳しく説明する。なお、本発明において「表面改質」とは、本発明の表面改質用組成物を被表面改質材料に塗布することでSiO2微粒子が被表面改質材料に吸着し、被表面改質材料の表面を粗面にすることを意味する。
先ず、本発明の表面改質用組成物に用いられるカリックスアレーンは、以下の式(1)で表わすことができる。
上記式(1)中、Rは炭素数が1〜17までの直鎖状アルキル基、またはフェニル基を表す。
上記式(1)で表わされるカリックスアレーンは、下記の合成手順に示すように、レゾルシノールとアルカナールとを所定のモル比で、エタノールあるいは酢酸溶媒中、塩酸あるいは硫酸触媒下、所定の温度で数時間反応させることで環状化合物、線状化合物を合成することができる。この合成された生成物から、メタノール等で再結晶することにより単離して、カリックスアレーンのみを得ることができる。
なお、後述する比較例及び参考例に示すように、SiO2微粒子を混合することによるカリックスアレーンの融点の上昇は、レゾシノールの親水性官能基と、アルカナールの疎水性官能基Rを組み合わせることが重要と考えられる。したがって、カリックスアレーンの出発原料としてはレゾシノールに限定されず、レゾシノールの−OH基が他の親水性官能基に置換されたレゾシノール誘導体であってもよい。また、カリックスアレーンを合成した後に、レゾシノールに親水性官能基を導入し、レゾシノール誘導体骨格を含むカリックスアレーンとしてもよい。レゾシノール誘導体骨格を含むカリックスアレーンとしては、例えば、以下の式(2)及び式(3)の化合物が挙げられる。なお、式(2)及び式(3)の化合物は、単なる例示に過ぎず、SiO2微粒子を混合することでカリックスアレーンの融点を上昇できる化合物であれば特に制限は無い。
(式(2)、式(3)中のRは、炭素数が1〜17までの直鎖状アルキル基、またはフェニル基を表す。)
本発明の表面改質用組成物に用いられるSiO2微粒子は、5nm〜200nmが好ましく、5nm〜50nmがより好ましい。5nm以下であると、アンカー効果が得られず、200nm以上であるとガラスとの密着性が悪くなり好ましくない。
カリックスアレーンとSiO2微粒子の混合比は、表面改質効果が得られれば特に制限はないが、効率的な表面改質効果の観点からは、SiO2/(CR(10)+SiO2)が、0.1〜0.8が好ましく、0.3〜0.5がより好ましい。
本発明の表面改質用組成物は、合成した固体状のカリックスアレーンとSiO2微粒子を混合して粉末状として保管しておき有機溶剤で用事調整しても良い。また、予め有機溶剤を添加して保存しておいても良い。有機溶剤としては、カリックスアレーンを溶解できるものであれば特に制限はなく、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジエチレングリコール(DEG)、ジグライム、トリグライム、ジオキサン、メチルイソブチルケトン、メチルt−ブチルエーテル、ポリエチレングリコール、トルエン、キシレン、塩化メチレン、ジエチルエーテルなどを挙げることができる。なお、有機溶剤中のSiO2微粒子の分散性を高めるために、有機溶剤添加後に、超音波処理等を行ってもよい。無機材料の表面改質は、作製した表面改質用組成物を、無機材料に噴霧・乾燥することで行うことができる。なお、溶融した熱可塑性樹脂に添加する場合は、粉末状のまま添加してもよい。
なお、後述する実施例のとおり、本発明の表面改質用組成物は、カリックスアレーンによりSiO2を微細分散することができる。なお、SiO2の分散性の向上は、カリックスアレーンと親和性があるためと考えられる。そのため、微粒子としてはSiO2に限定をされず、カリックスアレーンと親和性があればよいと考えられ、例えば、TiO2、Al23、Au、Ag、SiC、Si、酸化銅、酸化鉄、酸化コバルト、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等も考えられる。
本発明に用いられる無機材料は、本発明の表面改質用組成物により、表面改質をすることができる物であれば特に制限は無い。例えば、ガラス板等の板状の無機材料や、ガラス繊維、ガラス短繊維、セラミックファイバー等の繊維状の無機材料が挙げられる。また、カリックスアレーンは、ポリアミド(ナイロン)、ポリビニルアルコール等の有機材料と親和性があることも知られている。したがって、本発明の表面改質用組成物で改質できるものは無機材料に限定されず、有機材料であってもよい。
ガラス短繊維、ガラス繊維、セラミックファイバー、アルミナシリカ繊維、チタン酸カリウム繊維等の繊維状の材料を表面改質用組成物で処理した場合は、溶融した熱可塑性樹脂に補強材として添加することで、熱可塑性樹脂を補強材で強化した複合形成材料を形成することができる。補強材としては、複合形成材料を用いた最終的な成形品の補強目的に応じ、上記の例示した繊維状の材料を1種類添加してもよいし、又は異なる材質の補強材を2種類以上組み合わせて添加、又は同じ材質であって繊維径の異なる補強材を2種類以上組み合わせて添加してもよい。また、複合形成材料を作製する際には、補強材の他、必要に応じて、石英、タルク、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の公知のフィラーを添加してもよい。
補強材の具体例としては、例えば、成形品の強度向上を主眼にする場合には、7〜20μm程度の平均繊維径の補強材が含まれることが好ましい。平均繊維径が20μmより太くなると、射出成形品の表面が荒くなり、また、複合形成材料の流動性が悪くなり射出成形時の金型への押し込み圧力を高くする必要があることから、金型が摩耗しやすくなり好ましくない。また、射出成形品の微細部にも補強材を充填することを主眼にする場合には、例えば、1〜7μm、好ましくは3〜4μm程度の平均繊維径の補強材が含まれることが好ましい。補強材の平均繊維径が1μmより細くなると、製造コストが極めて高くなる上、繊維の嵩密度が増して熱可塑性樹脂への均質な混練が難しくなる他、複合形成材料の作製中及び/又は射出成形中に切断されやすくなり、射出成形品の強度が低下するので好ましくない。
上記の補強材は当該技術分野で一般的に製造又は入手できる物であれば特に限定はされない。例えば、ガラス繊維としては、平均繊維径7〜20μmの単繊維を50〜200本集めたガラスファイバーを所定の長さに切断したものであるチョップドストランドを用いることができる。また、ガラス短繊維としては、平均繊維径が約1〜7μm、繊維長が300〜1000μm程度のガラス繊維が綿状になったものを用いることができる。セラミックファイバーとしては、平均繊維径が2〜4μmの非晶質のアルミナシリカ繊維(RCF)、平均繊維径が2〜5μmの結晶質繊維(AF)を用いることができる。チタン酸カリウム繊維としては、平均繊維径が1〜2μm程度のものを用いることができる。また、上記の補強材以外にも、複合形成材料の形成に一般的に用いられている補強材を添加してもよく、例えば、炭素繊維、セルロース繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ヘテロ環高性能繊維、ポリアリレート繊維、ケブラー、ダイニーマ等の繊維が挙げられる。
補強材として、ガラス繊維、ガラス短繊維、セラミックファイバー等の無機系補強材を用いた場合、熱可塑性樹脂は有機材料であるため、本発明の表面改質剤で表面改質する他、必要に応じて、シランカップリング剤で表面処理してもよい。
本発明の複合形成材料を構成する熱可塑性樹脂は、補強材を分散できるものであれば、特に限定されず、例えば、汎用プラスチック、エンジニアリング・プラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチック等、従来から使用されている熱可塑性樹脂が挙げられる。具体的には、汎用プラスチックとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、スチレンアクリロニトリルコポリマー(AS樹脂)、アクリル樹脂(PMMA)等が挙げられる。エンジニアリング・プラスチックとしては、ナイロンに代表されるポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE、変性PPE、PPO)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、環状ポリオレフィン(COP)等が挙げられる。スーパーエンジニアリングプラスチックとしては、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、非晶ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等が挙げられる。これら樹脂は、1種或いは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤としては、従来から用いられているものであれば特に限定されず、複合形成材料を構成する熱可塑性樹脂との反応性、熱安定性等を考慮しながら決めればよく、例えば、アミノシラン系、エポキシシラン系、アリルシラン系、ビニルシラン系等のシランカップリング剤が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、東レ・ダウコーニング社製のZシリーズ、信越化学工業社製のKBMシリーズ、KBEシリーズ、JNC社製等の市販品を用いればよい。
上記シランカップリング剤は、溶媒に溶解し、無機系補強材に噴霧・乾燥することで、無機系補強材の表面処理をすることができる。前記無機系補強材に対するシランカップリング剤の重量百分率は、0.1〜2.0wt%、好ましくは0.15〜0.4wt%、さらに好ましくは0.24wt%である。
また、補強材は、上記の表面改質用組成物、シランカップリング剤に加え、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等の公知の皮膜形成剤で表面処理してもよい。これら皮膜形成剤は単独あるいは2種類以上を混合して使用でき、皮膜形成剤の重量百分率はシランカップリング剤に対して5〜15倍であることが好ましい。
更に、本発明の複合形成材料には、本発明の目的を損なわない範囲で、公知の紫外線吸収剤、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、着色剤、整色剤、難燃剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、つや消し剤、衝撃強度改良剤等の添加剤を配合することもできる。
ところで、本発明の表面改質用組成物を用いると、上記式(1)で表すカリックスアレーンのRの側鎖の長さによるものの、カリックスアレーンを単体で用いた場合より、DSC測定値(測定したい試料と基準物質の間での熱量を測定することで融点などが測定できる。)によると、6〜18℃程度融点を高くすることができる。また、TGA測定値(測定したい試料の温度による質量変化を測定することで試料の熱安定性等の情報を得ることができる。)によると、4.4〜54℃程度熱安定性を向上することができる。したがって、複合形成材料を作製する際に、熱可塑性樹脂の溶融温度を従来に比べ高くできるので、融点がカリックスアレーン単体の融点に近い熱可塑性樹脂を新たに用いることができる。更に、従来から使用可能な熱可塑性樹脂においても、溶融温度を高くすることができるので溶融した熱可塑性樹脂の粘度を低下することができ、溶融混練機のスクリュー等の摩耗を低減することができる。なお、上記のとおり、熱可塑性樹脂の溶融温度を高めることができるが、複合形成材料を製造する際には、カリックスアレーンが分解するとその効果が得られないので、表面改質用組成物とした際のカリックスアレーンの融点より低くすればよい。
複合形成材料は、熱可塑性樹脂と補強材を溶融混練する際に、本発明の表面改質用組成物が投入されていればよい。例えば、溶融した熱可塑性樹脂に予め表面改質用組成物で表面改質した無機材料を投入してもよいし、表面改質用組成物を含む熱可塑性樹脂のペレットと補強材を含む熱可塑性樹脂のペレットを混合して溶融混練機で溶融・混合してもよいし、溶融した熱可塑性樹脂に補強材と表面改質用組成物を投入してもよい。何れの方法でも表面改質用組成物が補強材に付着して表面改質することができる。
複合形成材料を形成する装置としては、単軸又は多軸の押出機、ニーダー、ミキシングロール、バンバリーミキサー等の公知の溶融混練機を用いればよい。当該溶融混練機を用いて、熱可塑性樹脂を200〜400℃の温度で溶融し、補強材等と混練することで製造することができる。混練された複合形成材料は、金型に直接射出成形することで成形品を作製してもよいし、一度ペレットにした後射出成形することで成形品を作製してもよい。
成形品の用途としては、例えば、自動車分野、電気・電子分野、一般機械分野、家電機器等の分野に使用できる。
自動車分野であれば、ラジエータタンク、ファン、ラジエータファンなどの車両用ファン、ファスナー、ホイールキャップ、シリンダーヘッドカバー、ドアハンドル、シートベルト部品、バンパー、バルブ、電装部品、内装部品類などを挙げることができる。
電気・電子分野であれば、冷却モジュール用ターボファン等のファン、半導体バーンインソケット等の評価用治具、コネクター、リフレクター、コイルボビン、スイッチ部品、信号筒、端子台、電気製品の洗濯機、冷蔵庫、掃除機、電話機、携帯電話、テレビ、パソコン、暖冷房機器、照明機器、扇風機、電気ポット、アイロン、プレーヤー等を挙げることができる。
その他にも、サッシ部品、ネジ、ギア、ラックアンドピニオン、ベアリング、シャフト、バネ、摺動部品の戸車・軸受・歯車・樹脂キャスター・ソリッドタイヤ、一般機械分野や家電機器の部品等が挙げられる。
上記の例示は射出成形品の典型的な例であって、その他、各種樹脂成形品、ガラス代用のプラスチック製品、航空機内装樹脂部材、土木建築樹脂資材、農業用資材製品、漁業用資材製品、各種車両用部品、鉄道電車内装材、船舶の樹脂用品並びに樹脂構造物、各種インテリア・エクステリア製品、FRP樹脂製品、産業用電気部品、自転車用具、一般の樹脂容器、家庭用台所用品、樹脂衣装箱、樹脂食器、樹脂ビン、梱包用資材製品、清掃用具、工具箱、各種レジャー用品、遊戯機器、ゲーム用具、パチンコ機器、スロット機器、太陽電池取付機器、道路標識、道路保安用品、釣竿及び釣具、樹脂化粧板、コンセント、OA機器樹脂部品、複写機樹脂部品、カメラ部品、医療用機器、文房具製品、各種事務機器及び用品、看板樹脂資材、美容・理容器具及び用品、眼鏡樹脂枠、園芸資材用品、樹脂人工芝、工業用樹脂バルブ、樹脂ファスナー、樹脂パッキン、樹脂パイプ、樹脂ホース、送水管用樹脂バルブ、電線被覆材、樹脂結節バンド、樹脂浴槽、樹脂タンク、ダクト配管ロープ、ネット、風防、荷役用樹脂パレット、樹脂コンテナ、樹脂トレー、樹脂敷板等、射出成形により作製できるものであれば特に制限は無い。本発明の複合形成材料を用いることで、従来品と比較して強度等の付加価値を高めた射出成形品を得ることができる。
また、本発明の複合形成材料は、射出成形の用途に特に優れた効果を奏するが、例えば、シート状物のプレス成形等、射出成形以外にも用いることができる。利用分野としては、上記の射出成形品と同じ分野で、射出成形品よりプラス成形の方が生産効率が優れている製品に適用すればよい。
以下に実施例をあげ、本発明を具体的に説明するが、この実施例は単に本発明の説明のため、その具体的な態様の参考のために提供されているものである。これらの例示は本発明の特定の具体的な態様を説明するためのものであるが、本願で開示する発明の範囲を限定したり、あるいは制限することを表すものではない。
〔カリックスアレーンの合成〕
<実施例1>
以下に記載する手順で、環状4量体のカリックスアレーンを合成した。
100mLナスフラスコに、ウンデカナール(上記AlkanalのR=C1021)を5.11g(30mmol;東京化成工業製)、レゾルシノールを3.964g(36mmol;東京化成工業製)、エタノールを20mL加えた。室温でこれをスターラーにて5分間撹拌し、氷浴中で濃塩酸4.08mL(0.13mol;和光純薬製(特級))をゆっくり滴下した後、更に5分間撹拌した。次にオイルバス中で80℃、30分間還流撹拌した。反応終了後、パスツールピペットで吸い上げた溶液を約10倍量の水に滴下して再沈を行い、黄色の粒状粗成生物を得た。そのまま粗生成物をメタノールに加熱溶解させ、溶液を十分濃縮したところに水をやや濁るまで加えた。これを0℃以下で静置した。析出してきた固体部をろ過し、冷メタノールで洗浄した後に薄い肌色の粒状生成物が6.623g(6.36mmol)得られた。なお、実施例1で合成した化合物を、以下、CR(10)と記載する。
上記で得られたCR(10)を、GPCを用いて分子量分布測定を行った。測定には、東ソー製高速液体クロマトグラフィー(DP−8020)に昭和電工製ポリスチレン充填カラム(GPC LF−804×2)及び検出器として東ソー製紫外分光光度計(UV−8011、測定波長270nm)を装備したものを使用した。溶出液にTHFを用い、流速1.0mL/minにて室温で測定を行った。図1は、GPC分析結果を示すグラフで、図1に示すように、分子量分布測定を行ったところ、CR(10)由来のピークのみが確認できた。
次に、CR(10)について1H NMRを用いて分子構造の解析を行った。解析には、日本電子製NMRスペクトロメータJNM−ECA500(500MHz)を使用した。溶媒として重水素化クロロホルムを用いた。内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)を用いた。図2は、CR(10)の1H NMRのチャートを示す。図2に示すように、9.66−9.34ppmに水酸基プロトン由来のピークが出現し、7.20ppmにlower rim、6.11ppmにupper rimのアロマティックプロトンのsingletピークがそれぞれ出現した。アロマティックプロトンのピークが2本現れたことから、CR(10)のコンホメーションはcone型であることが分かった。
<実施例2〜6>
実施例1のウンデカナールに代え、以下のアルカナールを用いた以外は、実施例1と同様の手順で化合物を合成した。
・実施例2:ヘプタナール 3.45g(30mmol;東京化成工業製)。以下CR(6)と記載する。
・実施例3:オクタナール 3.88g(30mmol;東京化成工業製)、以下CR(7)と記載する。
・実施例4:ノナナール 4.27g(30mmol;東京化成工業製)、以下CR(8)と記載する。
・実施例5:デカナール 4.70g(30mmol;東京化成工業製)、以下CR(9)と記載する。
・実施例6:ドデカナール 5.54g(30mmol;東京化成工業製)、以下CR(11)と記載する。
実施例2〜6で合成した化合物についても、実施例1と同様にGPCにより分子量分布測定を行ったところ、CR(6)〜(9)、(11)由来のピークのみを確認した。また、CR(6)及び(7)については、重水素化クロロホルムに代え、重水素化アセトンを用いた以外は、実施例1と同様にCR(6)〜(9)、(11)の1H NMRで構造解析を行った。図3は、CR(6)〜(9)、(11)に加え、CR(10)のチャートも重ねて示している。チャートから、CR(6)〜(9)、(11)についても、何れもcone型であることを確認した。
<比較例1>
実施例1〜6のカリックスアレーンとは、親水性と疎水性のバランスが異なるカリックスアレーンを、以下に記載する手順で合成した。
2−エトキシエタノール50mLに、ウンデカナールを8.51g(0.05mol)、1,3−ジメトキシベンゼンを6.91g(0.05mol、東京化成工業製)溶かし、氷浴中で塩酸3.0mL(0.036mol)を滴下した。その後、100℃で7時間撹拌した。この時、系内には白色の沈殿が生じた。反応終了後、反応溶媒不溶部と反応溶媒可溶部をろ別した。図4は、反応溶媒不溶部と反応溶媒可溶部のそれぞれから得られた白色の結晶のGPCクロマトグラムであり、上段は反応溶媒可溶部、下段は反応溶媒不溶部のクロマトグラムを表している。何れも単一のピークのみが見られたことからCR(10)[−OMe]の生成が確認された。
一方、図5に示すH NMRの解析から、反応溶媒不溶部と反応溶媒可溶部では異なるコンホメーションのCR(10)[−OMe]が生成していることを確認した。続いてH NMRによる分子構造の解析を行った。図5の上段は反応溶媒可溶部から得られた結晶の重クロロホルムを溶媒としたH NMRチャートを示しており、3.59ppmにメトキシ基のプロトンピークが1本、6.31と6.60ppmにアロマティックプロトンのSingletピークが2本現れたことから、この結晶はボート型であることが確認できた。図5の下段は反応溶媒不溶部から得られた結晶の重クロロホルムを溶媒としたH NMRチャートを示しており、3.60と3.90ppmにメトキシ基のプロトンピークが2本、6.18−6.95ppmにアロマティックプロトンのSingletピークが4本現れたことから、この結晶はチェアー型であることが確認できた。
(図5上段)ボート型
(図5下段)チェアー型
〔表面改質用組成物、カリックスアレーン含有組成物の作製〕
<実施例7>
実施例1で合成したCR(10)の固体粉末及びSiO2微粒子(637246−50G、Aldrich社製; 粒径5nm〜15nm(TEM))を1:1の割合でサンプル瓶に入れ、スパーテルを用いて混合することで、本発明の表面改質用組成物、カリックスアレーン含有組成物(以下、単に「表面改質用組成物」と記載することがある。)を作製した。
<実施例8〜12>
実施例2〜6で合成した化合物の固体粉末及びSiO2微粒子を、実施例7と同様の手順で混合したものを、夫々、実施例8〜12の表面改質用組成物とした。
<比較例2、3>
実施例1で合成したCR(10)に代え、CR(10)[−OMe](ボート型)を用いたものを比較例2、CR(10)[−OMe](チェアー型)を用いたものを比較例3の表面改質用組成物とした。
次に、作製した表面改質用組成物を用いて、様々な熱的特性を測定した。
〔融点の測定〕
先ず、実施例7の表面改質用組成物の固体粉末を約5mg採取し、SII製示差走査熱量測定装置(DSC7020)を使用し、30℃から昇温速度10℃/min、窒素雰囲気にて融点の測定を行った。また、SiO2微粒子を混合せず、実施例1で作製したCR(10)の固体粉末のみを比較対象として、同様の手順で融点の測定を行った。
図6は、実施例7で作製した表面改質用組成物(CR(10)+SiO2)及び比較対象(CR(10))の融点の測定結果を示すグラフである。融点の変化は、
※ΔTm=Tm(CR(10)+SiO2)−Tm(CR(10))
の計算式で求めた。
また、実施例8〜12及び比較例2、3で作製した表面改質用組成物についても、上記と同様の手順により融点の測定を行い、融点の変化を求めた。
表1は、実施例7〜12及び比較例2、3で作製した表面改質用組成物の融点の変化を示す表である。
上記表1に示すように、実施例7〜12の全てのCR(n)について、SiO2微粒子と混合することでCR(n)の融点が高くなることが明らかとなった。また、融点上昇の幅は、CR(n)のRのアルキルさ鎖の長さにより異なり、CR(10)の時が最も大きくなることも明らかとなった。一方、比較例2及び3に示すように、ベンゼン環のヒドロキシ基をメトキシ基に置換した場合、SiO2微粒子を添加しても、CR(10)[−OMe]の融点に変化はなかった。以上の結果より、CR(n)とSiO2微粒子を組み合わせることでCR(n)の融点を向上させるためには、ベンゼン環のヒドロキシ基が重要な因子であることが示唆される。
〔5%重量損失温度の測定〕
次に、実施例7で作製した表面改質用組成物の固体粉末を約5mg採取し、SII製示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA6200)を使用し、窒素雰囲気にて30℃から昇温速度10℃/minで昇温し、5%重量損失温度を測定した。また、比較対象として、SiO2微粒子のみ、及びCR(10)の固体粉末のみについても、同様の手順で5%重量損失温度の測定を行った。
図7は、実施例7(CR(10)+SiO2)、比較対象であるSiO2微粒子のみ、及びCR(10)の固体粉末を加熱した際の、加熱温度と重量損失を示すグラフである。なお、5%重量損失温度とは、図7に示すように、出発時の重量から5%の重量を損失した温度を意味する。
また、実施例8〜12及び比較例2、3で作製した表面改質用組成物についても、上記と同様の手順により、5%重量損失温度を測定した。
表2は、実施例7〜12及び比較例2、3で作製した表面改質用組成物の5%重量損失温度を纏めた表である。
表2に示すように、実施例7〜12の全てのCR(n)について、SiO2微粒子と混合することで5%重量損失温度が高くなった。一方、CR(10)[−OMe]については、SiO2微粒子を添加することで5%重量損失温度は低くなった。
以上の結果より、CR(n)とSiO2微粒子を混合することで、CR(n)の融点が高くなり、また、加熱によるCR(n)の損失も少なくなった。また、損失温度が上がるということは、カリックスアレーンが分解しにくくなる、つまり、分解温度が高くなることを意味する。したがって、複合形成材料を製造する際に、熱可塑性樹脂の溶融温度を高くしたり、また、従来は使用できなかった溶融温度領域の熱可塑性樹脂を新たに使用することができる。
〔SiO2微粒子とCR(10)の混合比による影響〕
<実施例13>
次に、CR(10)とSiO2微粒子の混合比による影響について検討するため、CR(10)とSiO2の混合比を、
CR(10):SiO2=0:10〜5:1(wt%)
の範囲で変化した試料を10種類作成し、上記〔融点の測定〕と同様の手順により融点の変化を測定した。表3は、SiO2/(CR(10)+SiO2)値(カッコ内は、CR(10):SiO2)、及び測定した融点を示している。また、図8は、SiO2/(CR(10)+SiO2)値による融点の変化を示すグラフである。
上記表3及び図8に示すように、SiO2/(CR(10)+SiO2)の値が約0.2〜0.8の広い範囲で融点の向上が見られ、約0.5〜0.7の間が特に良い結果が得られた。
次に、10種類の試料について、上記〔5%重量損失温度〕と同様の手順により、5%重量損失温度を測定した。表4は、SiO2/(CR(10)+SiO2)値(カッコ内は、CR(10):SiO2)、及び測定した5%重量損失温度を示している。また、図9は、SiO2/(CR(10)+SiO2)値による5%重量損失温度を示すグラフである。
上記表4及び図9に示すように、5%重量損失温度については、SiO2/(CR(10)+SiO2)の値を大きくするにしたがって5%重量損失温度は高くなり、約0.8で最大値を示した。以上の結果より、SiO2/(CR(10)+SiO2)の値は、約0.1程度でも十分効果が得られ、そして、カリックスアレーンの割合がかなり少なくても十分効果が得られることが明らかとなった。
〔表面改質用組成物による表面改質効果の確認〕
上記のとおり、本発明の表面改質用組成物により、CR(n)の熱的特性が向上することが明らかとなったので、次に、表面改質用組成物による表面改質効果を確認した。
<実施例14>
250mLのイソプロピルアルコールに、実施例1で合成したCR(10)の固体粉末を1.25g及びSiO2微粒子を1.25g添加することで、溶液状の表面改質用組成物を作製した。
次に、遠心法によりスピナから繊維化されたガラス短繊維(平均繊維径:約3.6μm)に、バインダースプレーノズルよりシランカップリング剤S330(JNC社製)を含む水溶液を噴霧することにより表面処理を行った。この時、ガラス短繊維に対するシランカップリング剤S330の重量百分率は、0.24wt%であった。この後、ガラス短繊維を自然乾燥させた後、カッタミルで平均繊維長850μmに解砕処理した。解砕処理したガラス短繊維1kgに対して、溶液状の表面改質用組成物を50mL噴霧し、105℃に設定した恒温乾燥器で1時間以上乾燥した。図10(1)は実施例14で表面改質したガラス短繊維のSEM写真(Minicsope TM3000、日立ハイテク社製)である。
<比較例4>
実施例14の溶液状の表面改質用組成物に代え、250mLのイソプロピルアルコールにSiO2微粒子を1.25g添加したものを表面改質用組成物とした以外は、実施例14と同様の手順でガラス短繊維の表面処理を行った。図10(2)は比較例4で表面改質したガラス短繊維のSEM写真である。
<比較例5>
実施例14の溶液状の表面改質用組成物に代え、250mLのイソプロピルアルコールに実施例1で合成したCR(10)の固体粉末を1.25g添加したものを表面改質用組成物とした以外は、実施例14と同様の手順でガラス短繊維の表面処理を行った。図10(3)は比較例5で表面改質したガラス短繊維のSEM写真である。
<比較例6>
実施例14の溶液状の表面改質用組成物による表面処理を行わなかった以外は、実施例14と同様の手順でSEM写真を撮影した。図10(4)は比較例6で表面改質したガラス短繊維のSEM写真である。
図10(1)及び(2)に示すように、同一組成のSiO2微粒子をガラス短繊維に塗布した場合、CR(10)と組み合わせて塗布することで、SiO2微粒子の凝集体と考えられる顆粒状物質がガラス短繊維表面に付着しているがサイズが小さくなった。これは、CR(10)がSiO2微粒子の周囲に吸着することで、SiO2微粒子の凝集が抑えられたためと考えられる。一方、SiO2微粒子を含まない比較例5及び6のガラス短繊維のSEM写真は、図10(3)及び(4)に示すように、表面は平滑であった。
〔複合形成材料及び複合形成材料を用いた成形品の強度試験〕
<実施例15>
先ず、シランカップリング剤S330を0.24wt%の重量百分率で表面処理し、平均繊維長が850μmになるように解砕処理されたガラス短繊維(130905、HANISO社製)に、実施例14で作製した表面改質用組成物が50mL/ガラス短繊維1kgとなるように噴霧することで、ガラス短繊維の表面改質を行った。次に、溶融混練装置として二軸押出混練機(南京傑恩特機電有限公司製)を用い、溶融したナイロン6/66共重合体(UBE NYLON 5034MTX、宇部興産社製)に、表面改質を行ったガラス短繊維を複合形成材料中で20wt%となるように添加した。混練条件は、スクリュー回転数240rpm、樹脂圧力6.4Mpa、メインモータ電流35A、フィード量約24Kg/hrで行った。また、混練時のナイロン6/66共重合体の樹脂温度は231℃で行った。混練後は、スクリューの排出ディスク回転によりバレルの先端に設けられたダイスから押出されたストランド(棒状ライン)をストランドバスで冷却してからストランドカッターで切断して、ガラス短繊維を含有するペレットを作製した。
次に、射出成形機(FE 80S 12ASE、日精樹脂工業社製)を用いて、作製したペレットをJIS K 7139 A型の多目的試験片の形状となるように射出成形して成形品を作製した。作製した成形品の幅は10mm、厚さは4mmであった。引張試験機は、島津製作所社製のオートグラフ 型式AGS−J 5kNを用い、引張速度5.0mm/min、つかみ間距離115mmの条件で、成形品の引張降伏点応力、引張弾性率を測定した。
<比較例7>
実施例14で作製した溶液状の表面改質用組成物に代え、比較例4で作製した表面改質用組成物(SiO2微粒子のみ)を用いた以外は、実施例15と同様の手順で成形品の引張降伏点応力、引張弾性率を測定した。
<比較例8>
実施例14で作製した溶液状の表面改質用組成物に代え、比較例5で作製した表面改質用組成物(CR(10)のみ)を用いた以外は、実施例15と同様の手順で成形品の引張降伏点応力、引張弾性率を測定した。
<比較例9>
表面改質用組成物を添加しなかった以外は、実施例15と同様の手順で成形品の引張降伏点応力、引張弾性率を測定した。
また、対照試験のため、ナイロン6/66共重合体を射出成形により成形品の形にしたものを参考例1、樹脂やけ等の確認のためナイロン6/66共重合体のみを実施例15の手順で溶融・混練したものを、参考例2とした。
図11は、実施例15、比較例7〜9、及び参考例1〜2の引張降伏点応力、引張弾性率を示すグラフである。図11から明らかなように、CR(10)とSiO2微粒子を含む本発明の表面改質用組成物を添加した成形品は、比較例9のシランカップリング剤で処理したガラス短繊維のみを混合した成形品と比較して、引張降伏点応力が向上した。SiO2微粒子がガラス短繊維表面に吸着することによりアンカー効果、及びCR(10)の化学的相互作用により、ガラス短繊維とナイロン6/66共重合体の接着性が向上したためと考えられる。一方、SiO2微粒子を添加した比較例7では、引張降伏点応力の低下が見られた。これは、繊維表面に吸着したSiO2微粒子の凝集体が、アミノシラン処理したガラス短繊維と樹脂との相互作用を阻害していることに加え、試験時の力を受けることにより凝集体が崩れ、繊維がマトリックス樹脂から引き抜けやすくなったためと考えられる。また、CR(10)を添加した比較例8でも、引張降伏点応力の若干の低下が見られた。これは、ガラス短繊維に対するカリックスアレーンの添加量が約0.005wt%と非常に少なく、ガラス短繊維とナイロン6/66共重合体の相互作用に何ら寄与していないと考えられる。逆に、実施例15では、比較例7とカリックスアレーンの添加量は同じであるがSiO2と組み合わせることで、引張降伏点応力は約14%も向上した。
以上の結果より、本発明の表面改質用組成物を用いることで、補強材を添加した複合形成材料の強度をより向上できることが明らかとなった。
<比較例10>
次に、SiO2微粒子以外の物質でも、カリックスアレーンの融点を上昇できるのか調べるため、実施例7のSiO2微粒子に代え実施例15のガラス短繊維を用い、実施例7と同様の手順で組成物を作製した。なお、上記〔融点の測定〕で用いたSII製示差走査熱量測定装置(DSC7020)に代え、PerkinElmer製Jade DSCを使用したため、CR(10)の固体粉末のみについても測定を行った。その他は、上記〔融点の測定〕と同様の手順で測定を行った。図12(1)はCR(10)、図12(2)はガラス短繊維を用いた組成物の測定結果を示すグラフである。図12(1)及び(2)から明らかなように、SiO2が主成分であるガラス短繊維とカリックスアレーンを組み合わせた場合は、カリックスアレーンの融点が下がってしまった。以上の結果より、カリックスアレーンの融点を高くするためにはSiO2微粒子との組み合わせが必要であることが明らかとなった。
〔レゾシノール誘導体骨格を含むカリックスアレーンの合成〕
<参考例3>
以下に記載する手順で、レゾシノール誘導体骨格を含むカリックスアレーンを合成した。
100mLナスフラスコに、式(4)で表される化合物(1,3−bis(2−hydroxyethoxy)benzene)を6.0g(30mmol;東京化成工業製)、式(5)で表される化合物(ウンデカナール)を5.1g(30mmol;東京化成工業製)、エタノール9mLを加えた。室温でこれをスターラーにて5分間撹拌し、氷浴中で濃塩酸12mL(0.13mol;和光純薬製(特級))をゆっくり滴下した後、更に5分間撹拌した。次にオイルバス中で90℃、48時間還流撹拌した。反応終了後、析出してきた固体部をろ過し、メタノールと水で洗浄し粗成生物を得た。得られた組成生物をメタノール/アセトン(v/v=1/2)で再結晶して、白色の式(6)で表される粒状生成物が7.7g(5.5mmol)得られた。次に、式(6)で表される化合物を4.0g(2.9mmol)、CHCl,CBrを19g(57mmol;東京化成工業製)、PhPを12g(46mmol;東京化成工業製)、24時間室温で撹拌した。減圧して溶媒量を減らし、メタノールに再沈した。得られた固体をろ過し、メタノール/アセトン(v/v=1/2)で再結晶して、式(7)で表される化合物が4.7g(2.5mmol)得られた。次に、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に、式(7)で表される化合物を4.5g(2.4mmol)、NaNを3.7g(57mmol;東京化成工業製)加え、60℃で3時間撹拌し、次いで、ジエチルエーテルと水を加え有機層を抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を留去して得られた粗結晶をエタノールで再結晶して、式(8)で表される化合物が3.1g(1.9mmol)得られた。次に、DMFに、式(8)で表される化合物を0.40g(0.25mmol)、式(9)で表される化合物(propargyloxy benzene)を0.70g(5.30mmol;東京化成工業製)、アスコルビン酸を52mg(0.30mmol;東京化成工業製)、CuSO・5HOを40mg(0.16mmol;東京化成工業製)加え、窒素雰囲気下24時間室温で撹拌した。撹拌後は、酢酸エチルと水を加え有機層を抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥後、溶媒を留去して得られた粗結晶をヘキサンで洗浄して、式(10)で表される化合物(以下、「Tria−OPh CR(10)」と記載することがある。)が0.47g(0.18mmol)得られた。
〔5%重量損失温度の測定〕
次に、<参考例3>で得られたTria−OPh CR(10)を用いた以外は、実施例7と同様の手順で表面改質用組成物を作製し、次いで、上記〔5%重量損失温度の測定〕と同様の手順で5%重量損失温度の測定を行った。図13は、Tria−OPh CR(10)+SiO2、及びTria−OPh CR(10)の固体粉末を加熱した際の、加熱温度と重量損失を示すグラフである。5%重量損出温度はTria−OPh CR(10)単独では334℃、シリカとの混合物では343℃であった。
<参考例4>
以下に記載する手順で、レゾシノール誘導体骨格を含むカリックスアレーンを合成した。
DMF中に、上記<参考例3>で合成した式(8)で表される化合物を0.20g(0.125mmol)、式(11)で表される化合物(2−propyn−1−ol)を0.15g(2.7mmol;東京化成工業製)、アスコルビン酸を17mg(0.096mmol;東京化成工業製)、CuSO・5HOを12mg(0.048mmol;東京化成工業製)加え、窒素雰囲気下室温で24時間撹拌した。減圧して溶媒量を減らし水に再沈して得られた固体をろ過し、式(12)で表される化合物(以下、「Tria−OH CR(10)」と記載することがある。)が0.21g(0.10mmol)得られた。
〔5%重量損失温度の測定〕
次に、<参考例4>で得られたTria−OH CR(10)を用いた以外は、<参考例3>と同様の手順で表面改質用組成物を作製し、5%重量損失温度の測定を行った。図14は、Tria−OH CR(10)+SiO、及びTria−OH CR(10)の固体粉末を加熱した際の、加熱温度と重量損失を示すグラフである。5%重量損出温度はTria−OH CR(10)単独では292℃、シリカとの混合物では319℃であった。
上記<比較例1>、<参考例3>、及び<参考例4>の結果より、レゾシノールの−OH基の部分をメチル基のような疎水性官能基で置換した場合、SiO2微粒子を混合することで5%重量損失温度は低くなった。一方、レゾシノールの−OH基の部分をトリアジン環のような親水性官能基で置換した場合には、レゾシノールと同様にSiO2微粒子を混合することで5%重量損失温度は高くなった。以上の結果より、SiO2微粒子を混合してカリックスアレーンの融点を高くするためには、レゾシノール誘導体骨格を含んでいてもよいが、誘導体の部分は親水性官能基である必要が示唆された。
本発明の表面改質用組成物を用いて無機材料を表面改質することで、複合形成材料を作製する際の熱可塑性樹脂の溶融温度を高くすることができる。また、複合形成材料で作製した成形品の強度を向上することもできる。したがって、熱可塑性樹脂の選択範囲が広がるとともに強度が向上することから、本発明の表面改質用組成物は、複合形成材料を用いた成形品の分野に有用である。

Claims (8)

  1. 下記式(1)で表されるレゾルシン環状4量体からなるカリックスアレーンとSiO2微粒子を含むことを特徴とする表面改質用組成物。
    (式中、Rは炭素数が1〜17までの直鎖状アルキル基、またはフェニル基を表す。)
  2. 請求項1に記載の表面改質用組成物で表面改質されたことを特徴とする無機材料。
  3. 前記無機材料が、ガラス短繊維又はガラス繊維であることを特徴とする請求項2に記載の無機材料。
  4. 請求項1に記載の表面改質用組成物、ガラス短繊維及び/又はガラス繊維、並びに熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする複合形成材料。
  5. 請求項4に記載の複合形成材料を射出成形、又は押圧して形成したことを特徴とする成形品。
  6. 溶融した熱可塑性樹脂に、少なくとも、下記式(1)で表されるレゾルシン環状4量体からなるカリックスアレーンとSiO2微粒子を含む表面改質用組成物、並びにガラス短繊維及び/又はガラス繊維を投入することを特徴とする複合形成材料の製造方法。
    (式中、Rは炭素数が1〜17までの直鎖状アルキル基、またはフェニル基を表す。)
  7. 前記溶融した熱可塑性樹脂の温度が、前記式(1)で表されるレゾルシン環状4量体からなるカリックスアレーン単体の融点より高く、表面改質用組成物とした際のカリックスアレーンの融点より低いことを特徴とする請求項6に記載の複合形成材料の製造方法。
  8. 下記式(1)で表されるレゾルシン環状4量体からなるカリックスアレーンの融点を高くするために、カリックスアレーンにSiO2微粒子を混合したことを特徴とするカリックスアレーン含有組成物。
    (式中、Rは炭素数が1〜17までの直鎖状アルキル基、またはフェニル基を表す。)
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