JP2016117251A - シート状部材の溝加工装置及び方法 - Google Patents

シート状部材の溝加工装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】種々のプロファイル形状を有するシート状部材に対して確実に溝を形成する。【解決手段】供給されるシート状部材3を圧延する第1ローラ部材1及び第2ローラ部材2を備える。第1ローラ部材1は、シート状部材3の一方の面に溝を形成するための突条6を有する。第2ローラ部材2を、シート状部材3の幅方向に並設されて、シート状部材3の他方の面を個別に弾性支持可能な複数の受けローラ10で構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、シート状部材の溝加工装置及び方法に関するものである。
従来、一対の圧延ロールの間にシート状部材を供給して圧延することによりプロファイル加工すると同時に、一方のロールに形成した多数の突条により多数の溝条を形成するようにした構成が公知である(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記従来の構成では、ロールの外面形状を、予め形成しようとするプロファイル形状としておく必要がある。このため、プロファイル形状が相違すれば、それに応じたロールを何種類も用意しておく必要がある。
特開2004−261963号公報
本発明は、種々のプロファイル形状を有するシート状部材に対して確実に溝を形成することができるシート状部材の溝加工装置及び方法を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
供給されるシート状部材を圧延する第1ローラ部材及び第2ローラ部材を備え、
前記第1ローラ部材は、前記シート状部材の一方の面に溝を形成するための突条を有し、
前記第2ローラ部材は、前記シート状部材の幅方向に並設されて、前記シート状部材の他方の面を個別に弾性支持可能な複数の受けローラで構成したことを特徴とするシート状部材の溝加工装置を提供する。
この構成により、シート状部材が幅方向の厚み寸法が相違している場合であっても、前記各受けローラがシート状部材の他の面に対する支持位置を個別に変化させ、シート状部材の一方の面への溝形成をバラツキのない確実なものとすることができる。
前記シート状部材は、ほぼ水平方向に搬送され、
前記第1ローラ部材は前記シート状部材の上面に対して接離可能に配置され、
前記第2ローラ部材は前記シート状部材の下面に当接して配置されるようにすればよい。
前記受けローラは、回転可能に支持された弾性体と、前記弾性体の外周に配置される円筒体とで構成するのが好ましい。
この構成により、シート状部材に直接接触するのは円筒体であり、摩耗しやすい弾性体が直接接触することはない。
前記弾性体は、外周面を凹凸形状とするのが好ましい。
この構成により、円筒体内での弾性体の弾性変形をスムーズに行わせることができる。
前記弾性体は、前記シート状部材よりも弾性率の小さい材料で構成すればよい。
前記受けローラは、前記シート状部材の幅方向の厚みの違い応じて、前記シート状部材の表面に対する初期位置を変更するのが好ましい。
この構成により、予めシート状部材の厚みの違いを考慮して受けローラの変形寸法を抑えることができる。
また本発明は、前記課題を解決するための手段として、
供給されるシート状部材を第1ローラ部材と第2ローラ部材により圧延する際、前記第1ローラ部材により前記シート状部材の一方の面に幅方向に延びる溝を形成するシート状部材の溝加工方法であって、
前記第2ローラ部材を、前記シート状部材の他方の面を個別に弾性支持可能な複数の受けローラで構成することにより、前記シート状部材の一方の面に溝を形成する際、前記受けローラを個別に変位させることを特徴とするシート状部材の溝加工方法を提供する。
本発明によれば、シート状部材の一方の面に溝を形成する際、他方の面を複数の受けローラで個別に弾性支持するようにしたので、シート状部材の厚みが幅方向にばらついていたとしても、柔軟に対応することができ、所望の溝を確実に形成することが可能となる。
本実施形態に係るシート状部材の溝加工装置を示す概略斜視図である。 図1の正面図である。 図1の側面図である。 図1の受けローラの断面図である。 図2の第1ローラ部材と第2ローラ部材とでシート状部材を挟持した状態を示す図である。 他の実施形態に係る溝加工装置を示す側面図である。 他の実施形態に係る第2ローラ部材による支持構造を示す概略図である。 他の実施形態に係る第2ローラ部材の概略断面図である。
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは相違している。
図1は、本実施形態に係るシート状部材3の溝加工装置の一部を示す。この溝加工装置は、第1ローラ部材1と第2ローラ部材2を備える。そして、図示しないゴム押出成型用ダイから供給されたゴム材料からなるシート状部材3の一方の面に幅方向に延びる溝を形成する。なおシート状部材3は、搬送ローラ4によって搬送され、その後適切な長さに切断して使用される。
ゴム押出成型用ダイから供給されるシート状部材3は、帯状で、その幅方向に厚みが相違している。例えば、図2の2点鎖線で示すように、下面が平坦面で構成され、上面が複数の傾斜面で構成された断面形状を有する。
第1ローラ部材1は、第1軸部5を中心として正逆回転可能であり、その外周面には周方向に所定ピッチで配置されると共に幅方向に延びる複数の突条6が形成されている。シート状部材3の一方の面にこの突条6を押し付けることにより、シート状部材3の表面に、その長手方向に所定間隔で幅方向に延びる溝を形成することができるようになっている。ここでは、シート状部材3として、タイヤ成型時にサイド部となるゴム材料が使用されている。シート状部材3に形成する溝は、図示しないが、サイド部となるゴム材料をビードフィラーやカーカスプライに貼着する際のガス抜き溝として機能する。
また第1ローラ部材1は、図3に示すように、第1軸部5の両端部に設けたアーム7が支軸8を中心として回動可能に取り付けられている。これにより、第1ローラ部材1は、自重によりシート状部材3の上面に圧接し、シート状部材3を後述する第2ローラ部材2の各受けローラ10との間に挟持する。
第2ローラ部材2は、図2に示すように、第2軸部9を中心として正逆回転可能に円筒状の受けローラ10を複数並設したものである。各受けローラ10は、図4に示すように、内周面にベアリング11を一体化される、第2軸部9を中心として回転可能な弾性体12と、この弾性体12の外周に配置される円筒体13とで構成されている。
弾性体12は、スポンジ等の弾性材料で構成されている。弾性体12の弾性率は成型対象であるシート状部材3を構成するゴム材料よりも十分に小さい。このため、シート状部材3に円筒体13が圧接した際、シート状部材3に比べて弾性体12の変形量が十分に大きくなる。また弾性体12の外周面は凹凸形状に形成されている。ここでは、弾性体12の外周面には、周方向に所定ピッチで、幅方向に延びる断面略台形状の突出部12aが形成されている。弾性体12の外周面を凹凸形状としているのは、外周が円筒体13の内周面に当接しているため、その変形を可能とする空間を確保するためである。
円筒体13は、金属材料を円筒状としたもので、弾性体12とは独立して設けられている。円筒体13は、弾性体12が直接高温のシート状部材3に接触することを防止し、弾性体12が熱劣化することを阻止している。例えば、円筒体13の内面に断熱材料をコーティングしたり、断熱材料との2層構造としたり、あるいは、円筒体13自体を断熱材料で構成したりする等、断熱構造を備えるようにすれば、弾性体12の熱劣化をより一層効果的に阻止することができる。
前記構成の溝加工装置によれば、シート状部材3が搬送されてくれば、その上面に第1ローラ部材1が圧接する。前述の通り、シート状部材3は上面が異形状に形成されている。このため、第1ローラ部材1が圧接すると、上面は平坦状に変形しようとし、下面は上面側の変形に応じて異形状に突出しようとする。シート状部材3の下面は、複数の受けローラ10で構成される第2ローラ部材2によって支持されている。各受けローラ10は、円筒体13の内部に弾性体12が収容される構成である。したがって、図5に示すように、各受けローラ10は異形状に突出したシート状部材3の下面に対して個別に弾性変形して上下方向の位置を変位させる。この結果、シート状部材3は、溝加工装置を通過する際、下面を異形状に突出したプロファイル形状のままで支持され、上面をほぼ平坦状とすることができる。そして、第1ローラ部材1によってほぼ平坦状となったシート状部材3の上面に溝を形成することができるので、幅方向の位置による厚みの違いに拘わらず、所定深さの溝を確実に形成することができる。
このようにして溝を形成されたシート状部材3は、溝加工装置を通過することにより、第1ローラ部材1による押圧状態を解除され、元の上方に突出した形状に復帰する。そして、形状復帰したシート状部材3(第1シート状部材)は、溝を形成された面を他のシート状部材3(第2シート状部材)の表面に貼り合わせて使用される。このとき、第1シート状部材は、幅方向に順次押圧され、形成された溝を介して排気されながら第2シート状部材に貼着される。前述のように、溝は第1シート状部材の上面が平坦な状態で形成される一定深さを有するものである。したがって、第1シート状部材を第2シート状部材に貼り合わせる際、第2シート状部材との間に空気が残留することなく、スムーズに排気することができる。この結果、得られた部材には内部空気が存在せず、金型内に収容して加硫することにより気泡となって表出し、製品不良を引き起こすこともない。
なお、本発明は、前記実施形態に記載された構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、シート状部材3に対して第1ローラ部材1を上方側に配置し、第2ローラ部材2を下方側に配置するようにしたが、逆に配置することも可能である。図6では、第2ローラ部材2をシート状部材3の上方側に配置し、各受けローラ10を第2軸部9に対して上下方向に移動可能な状態で支持している。すなわち、各受けローラ10の側面に上下方向に延びる長穴10aを形成し、第2軸部9がこの長穴10aを往復移動可能とする。隣接する受けローラ10の間には図示しないカラー等が配置されている。これにより、軸心方向の位置関係が一定に維持されるようになっている。
また前記実施形態では、受けローラ10を円筒体13とその内部に設けた弾性体12とからなる構成としたが、ローラを外部に設けた弾性体で支持するように構成することも可能である。例えば、図7に示すように、各受けローラ10に相当するローラ14をそれぞれ設け、各ローラ14の回転軸14aを支持する支持ロッド15を筒体16内に設けたスプリング17で弾性支持するように構成することができる。
また前記実施形態では、受けローラ10の円筒体13と弾性体12とは別体で設けたが、これらは貼着により一体化しておいてもよい。また弾性体12はスポンジ等で構成したが、コイルスプリング等で構成することも可能である。例えば、図8に示すように、ベアリング11と円筒体13の内面とを連結する複数のスプリング18(4箇所)を設けるようにしてもよい。
また前記実施形態では、弾性体12の外周面に断面略台形状の突出部を形成することにより略歯車形状としたが、その形状に限らず、星型、波形等としてもよい。
また前記実施形態では、弾性体12と円筒体13の中心を一致させるようにしたが、両者は必ずしも一致していなくてもよい。
また前記実施形態では、受けローラ10を同一高さに配置するようにしたが、シート状部材3の厚みに応じて高さを変更するようにしてもよい。この場合、各受けローラ10には高さを調整可能な高さ調整機構を備えるのが好ましい。また高さ調整機構には、シート状部材3の幅方向での厚みの違いを検出して自動で高さを調整できる機能を備えるのがさらに好ましい。
本発明は、ゴム材料を帯状にして搬送する際、その表面にガス抜き用の溝を形成するためのシート状部材3の溝加工装置であり、タイヤを構成するゴム部材(例えば、サイドウォール部)に限らず、広くゴム材料一般に適用可能である。
1…第1ローラ部材
2…第2ローラ部材
3…シート状部材
4…搬送ローラ
5…第1軸部
6…突条
7…アーム
8…支軸
9…第2軸部
10…受けローラ
11…ベアリング
12…弾性体
13…円筒体
14…ローラ
15…支持ロッド
16…筒体
17…スプリング
18…スプリング

Claims (7)

  1. 供給されるシート状部材を圧延する第1ローラ部材及び第2ローラ部材を備え、
    前記第1ローラ部材は、前記シート状部材の一方の面に溝を形成するための突条を有し、
    前記第2ローラ部材は、前記シート状部材の幅方向に並設されて、前記シート状部材の他方の面を個別に弾性支持可能な複数の受けローラで構成したことを特徴とするシート状部材の溝加工装置。
  2. 前記シート状部材は、ほぼ水平方向に搬送され、
    前記第1ローラ部材は前記シート状部材の上面に対して接離可能に配置され、
    前記第2ローラ部材は前記シート状部材の下面に当接して配置されることを特徴とする請求項1に記載のシート状部材の溝加工装置。
  3. 前記受けローラは、回転可能に支持された弾性体と、前記弾性体の外周に配置される円筒体とで構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のシート状部材の溝加工装置。
  4. 前記弾性体は、外周面を凹凸形状としたことを特徴とする請求項3に記載のシート状部材の溝加工装置。
  5. 前記弾性体は、前記シート状部材よりも弾性率の小さい材料で構成したことを特徴とする請求項3又は4に記載のシート状部材の溝加工装置。
  6. 前記受けローラは、前記シート状部材の幅方向の厚みの違い応じて、前記シート状部材の表面に対する初期位置を変更したことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のシート状部材の溝加工装置。
  7. 供給されるシート状部材を第1ローラ部材と第2ローラ部材により圧延する際、前記第1ローラ部材により前記シート状部材の一方の面に幅方向に延びる溝を形成するシート状部材の溝加工方法であって、
    前記第2ローラ部材を、前記シート状部材の他方の面を個別に弾性支持可能な複数の受けローラで構成することにより、前記シート状部材の一方の面に溝を形成する際、前記受けローラを個別に変位させることを特徴とするシート状部材の溝加工方法。
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