JP2016116371A - バンドクリップ - Google Patents

バンドクリップ Download PDF

Info

Publication number
JP2016116371A
JP2016116371A JP2014254242A JP2014254242A JP2016116371A JP 2016116371 A JP2016116371 A JP 2016116371A JP 2014254242 A JP2014254242 A JP 2014254242A JP 2014254242 A JP2014254242 A JP 2014254242A JP 2016116371 A JP2016116371 A JP 2016116371A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
band
anchor
base
clip
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014254242A
Other languages
English (en)
Inventor
諒 遠藤
Ryo Endo
諒 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp, Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP2014254242A priority Critical patent/JP2016116371A/ja
Publication of JP2016116371A publication Critical patent/JP2016116371A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】取付孔の位置を変更することなく、ハーネスの経路を容易に変更できる。【解決手段】被取付部材に係止される係止部21を備えたクリップ部材2と、ハーネスに巻回されるバンド31を備えたバンド部材3とを組み合わせてなるバンドクリップ1である。クリップ部材2は、係止部21の基端から突設されたアンカー部23を備える。バンド部材3は、アンカー部23を収容する窪み部33が凹設されるとともにバンド31の基端が接続されたベース部32を備える。ベース部32は、バンド31の基端が接続された一側面から窪み部33の内部を通って一側面と逆側を向く他側面32bへと貫設され、バンド31が挿通される第一バンド通し孔34を有する。アンカー部23は、突設方向と交差する方向に貫設され、窪み部33に収容された状態で少なくとも一つが第一バンド通し孔34と連通状態となる複数の第二バンド通し孔24を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、クリップ部材とバンド部材との二部品を組み合わせて構成されるバンドクリップに関する。
従来、電線束(金属ハーネス)や光ファイバー束(光ハーネス)などのハーネスを所定の取付面に取り付けるための部品として、バンドクリップが知られている。バンドクリップには、ハーネスの周囲に巻回される帯状のバンド部と、バンド部を取付面に対して固定するクリップ部とが設けられる。クリップ部は、取付面に形成された孔部(取付孔)の内部に差し込まれて係止される。一方、バンド部は、ハーネスの巻回箇所が孔部から脱落しないように、クリップ部と一体に形成される(特許文献1参照)。また、バンド部とクリップ部とを別体に形成したうえで、これらの係合状態を維持する構造を追加したバンドクリップも開発されている(特許文献2,3参照)。バンド部材とクリップ部材とを着脱可能とすることで、一つのクリップ部材に対して、ハーネスの種類やサイズ等に応じた様々な形状のバンド部材を付け替えることができる。
特開平11−205968号公報 特開2014−124061号公報 特開2012−95434号公報
ところで、車載電装品に接続される車両用ハーネスは、周辺の部品との干渉(接触)が生じないように、その経路が決定される。例えば、ハーネスの配索経路形状や、バンドクリップの固定位置、その位置でのハーネスの延設方向(配索角度)等は、周辺部品との相対的な位置関係を考慮して設定される。ハーネスのレイアウトは、バンドクリップで車体に固定された後には自由に変更することができないため、設計段階で慎重に検討される。
しかしながら、周辺部品の配置変更や新たな部品の追加等によりハーネスの経路上に部品が入り込み、ハーネスと部品とが干渉してしまうことがある。この対策として、ハーネスと部品とが干渉しない位置にバンドクリップの取付孔を新たに形成し、ハーネスの拘束位置をずらすことが考えられる。しかし、このような対策を講じることは、製造コストの増大や工数の増加を招くことになる。
また、取付孔は、製造機械による加工上の制約により、曲面状の部位には形成しにくい。そのため、取付孔の位置をずらすことができない場合があり、ハーネスの経路全体の見直しにより製造コストの増大や製造期間の長期化を招くおそれがある。
なお、このような課題は、バンドクリップを用いて、車両に配設される車両用ハーネスを車体に固定する場合に限らず、一般のハーネスを所定の被取付部材に固定するときにも同様に生じる課題である。
本件は、このような課題に鑑み案出されたもので、取付孔の位置を変更することなく、ハーネスの経路を容易に変更できるようにした、バンドクリップを提供することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示するバンドクリップは、被取付部材に係止される係止部を備えたクリップ部材と、ハーネスに巻回されるバンドを備えたバンド部材とを組み合わせてなるバンドクリップである。前記クリップ部材は、前記係止部の基端から突設されたアンカー部を備え、前記バンド部材は、前記アンカー部を収容する窪み部が凹設されるとともに前記バンドの基端が接続されたベース部を備える。また、前記ベース部は、前記バンドの基端が接続された一側面から前記窪み部の内部を通って前記一側面と逆側を向く他側面へと貫設され、前記バンドが挿通される第一バンド通し孔を有する。さらに、前記アンカー部は、突設方向と交差する方向に貫設され、前記窪み部に収容された状態で少なくとも一つが前記第一バンド通し孔と連通状態となる複数の第二バンド通し孔を有する。ここでいうハーネスには、電線束(金属ハーネス)や光ファイバー束(光ハーネス)など、電気製品や電子製品に接続される各種ワイヤーハーネス(電力線及び通信線を束ねたもの)が含まれる。
(2)前記アンカー部は、三回以上の回転対称性を持った外形を有することが好ましい。なお、ここでいう外形とは、前記窪み部に収容される前記アンカー部をその収容方向から見たときの外形である。つまり、前記アンカー部は、その突設方向から見て、三回以上の回転対称性を持った外形を有することが好ましい。
(3)前記アンカー部及び前記ベース部は、前記窪み部に収容された前記アンカー部の前記ベース部に対する相対回転を規制する回転規制部をそれぞれ有することが好ましい。
(4)このとき、前記アンカー部は、前記回転規制部として、前記突設方向と交差する方向に突設又は凹設された角部を有し、前記ベース部は、前記回転規制部として、前記アンカー部に緩嵌合する前記窪み部を有することが好ましい。
(5)前記アンカー部及び前記ベース部は、前記窪み部に収容された前記アンカー部の抜け方向への移動を規制する離脱規制部をそれぞれ有することが好ましい。
(6)このとき、前記アンカー部は、前記離脱規制部として、前記突設方向に延在する面部に凸状又は凹状に形成された第一係合部を有し、前記ベース部は、前記離脱規制部として、前記窪み部の内側面に凹状又は凸状に形成されて前記第一係合部と係合する第二係合部を有することが好ましい。
(7)前記アンカー部が、偶数回の回転対称性を持った外形を有し、前記第二バンド通し孔が、前記アンカー部の前記突設方向に延在する面部に貫設されることが好ましい。
開示のバンドクリップは、複数の第二バンド通し孔の何れか一つが第一バンド通し孔と連通するようにアンカー部がベース部の窪み部内に配置され、この状態でバンドが第一バンド通し孔及び第二バンド通し孔に挿通されて組み立てられる。このとき、アンカー部に設けられた複数の第二バンド通し孔のうちの何れを第一バンド通し孔と連通させるのかによって、クリップ部材とバンド部材との相対角度を変更することができ、その変更後の相対角度でハーネスの延設方向を固定することができる。したがって、開示のバンドクリップによれば、取付孔の位置を変更することなく、ハーネスの経路を容易に変更することができる。
一実施形態に係るバンドクリップを示す模式的な分解斜視図である。 図1のバンドクリップを用いてハーネスを車体のパネルに取り付けた状態での部分断面図である。 図1のバンドクリップのアンカー部及びベース部の緩嵌合状態を説明するための断面図(図2のA−A矢視断面図)である。 (a)は図3のバンドクリップのベース部をアンカー部に対して右に回転させたものであり、(b)は図3のバンドクリップのベース部をアンカー部に対して左に回転させたものである。 図1のバンドクリップによる作用,効果を説明するための図であり、(a)は図3に対応する状態を示し、(b)は図4(a)に対応する状態を示す。 変形例に係るバンドクリップを説明するための図であり、(a)はアンカー部及びベース部のみを抜粋した図1に対応する斜視図、(b)は図2に対応する要部断面図、(c)は図6(b)のC−C矢視断面図である。
図面を参照して、実施形態としてのバンドクリップについて説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.構成]
本実施形態に係るバンドクリップは、車両に配設されるワイヤーハーネスを車体に固定するために用いられる。図1及び図2に示すように、バンドクリップ1は、クリップ部材2及びバンド部材3の二部材が組み合わされて構成される。すなわち、クリップ部材2とバンド部材3とは別体で設けられ、ワイヤーハーネス4(取付部材,ハーネス)を車体のパネル5(被取付部材)に固定する際に組み合わされる。
クリップ部材2は、バンドクリップ1をパネル5に取り付けるための部材であり、パネル5に係止される係止部21と、バンドクリップ1をパネル5に固定して取付姿勢を安定させる皿部22と、バンド部材3に組み付けられるアンカー部23と、を有する。これらの係止部21,皿部22,アンカー部23は、例えば樹脂により一体成形される。
係止部21は、パネル5に穿設された楕円形の取付孔5hに差し込まれて係止される部位であり、楕円の椀形状をした皿部22の内面(椀形の内側の面)の中央部に設けられる。なお、皿部22は、その中央部が平面状に形成されており、係止部21はこの皿部22の平面部分に設けられる。係止部21は、皿部22の内面の法線方向に突設された基部21aと、基部21aの先端両側からそれぞれ皿部22に向かって基部21aから離隔するように延設された一対の爪部21bとを有する。
係止部21は、皿部22から離隔する方向に先細形状となっており、一対の爪部21bの先端側が基部21aに対して弾性変形可能に設けられる。係止部21は、取付孔5hに差し込まれるときに爪部21bの先端側が基部21aに接近するように弾性変形し、取付孔5hを通り抜けると元の形状に復帰して、爪部21bの先端が取付孔5hの周囲の面に当接して抜けないようになる。
皿部22は、取付孔5hの長軸と同一方向に延びる長軸を有し、中央部の周囲の曲面部が弾性変形可能に設けられる。皿部22は、係止部21が取付孔5hを通り抜けると周縁部がパネル5の取付孔5hの周囲に弾性的に当接し、係止部21側に向かってパネル5を押圧する。これにより、バンドクリップ1は、係止部21と皿部22とによってパネル5を両面から挟持し、パネル5に固定される。
アンカー部23は、皿部22の外面(椀形の外側の面)の中央部に設けられる。アンカー部23は、皿部22を介して係止部21の基端から係止部21と逆方向に(皿部22の外面の法線方向に)突設された中空正六角柱状の突起部であり、図3に示すように、突設方向に直交する断面形状の外形が正六角形となっている。すなわち、アンカー部23の外形は、六回回転対称性を有する外形とされる。六回回転対称性とは、ある軸を中心としてアンカー部23を水平方向に60°回転させたときに同一形状となるような回転対称性を意味する。
アンカー部23は、その内部に突設方向側に開放された正六角柱状の空間23cが形成される。ここで、アンカー部23のうち、正六角柱の側面に対応する壁部分のことを側壁部23aと呼び、隣接する二つの側壁部23aの境界となる稜線部分のことを角部23bと呼ぶ。六つの側壁部23aは、突設方向に延在する面部となる。また、六つの角部23bは、突設方向と直交する方向に突設された角部となる。なお、角部23bは、隣接する二つの側壁部23aにより形成され、突設方向に延設される。アンカー部23の六つの側壁部23aのそれぞれには、各面の正面から見て長方形の孔部23hが穿孔される。孔部23hは、側壁部23aの上下方向(アンカー部23の突設方向)の中心よりも僅かに下側の位置であって、側壁部23aの左右方向の中央に設けられる。
対向する二つの側壁部23aに設けられた二つの孔部23hは、突設方向の直交方向(皿部22の外面と平行な方向)に対向配置される。このように配置された二つの孔部23hと内部の空間23cとによって、アンカー部23には、突設方向と直交する方向に直線状に貫設された三本の貫通孔24(第二バンド通し孔)が形成される。これらの貫通孔24は、バンド部材3のバンド31を挿通するためのもの(挿通されうるもの)であり、以下、アンカー側通し孔24と呼ぶ。また、三本のアンカー側通し孔24を区別して説明するために、図3に示すように個別に符号を付して、各々をアンカー側通し孔24a,24b,24cとも呼ぶ。三本のアンカー側通し孔24a,24b,24cは、アンカー部23の空間23cの中心で交差するように配置される。
図1〜図3に示すように、バンド部材3は、ワイヤーハーネス4をバンドクリップ1に取り付けるための部材であり、ワイヤーハーネス4を巻回するバンド31と、クリップ部材2が組み付けられるベース部32と、を有する。バンド31及びベース部32は、例えば樹脂により一体成形される。バンド31は、ベース部32の一側面32aから延設された帯状の部位であり、可撓性を有する。バンド31は、その先端が先細形状に形成されるとともに、ワイヤーハーネス4に巻回されたときにワイヤーハーネス4と接触しない側の面(外面)に、複数の係止溝31sが並設される。
ベース部32は、バンド部材3の本体部であり、上面視での外形は直方体に台形の四角柱を組み合わせたような形状をなし、外面に凹みやリブが形成されている。ベース部32は、アンカー部23を収容する窪み部33と、バンド31が挿通されるベース側通し孔34(第一バンド通し孔)と、ベース側通し孔34に挿通されたバンド31の先端側を係止する係止爪35とを有する。ベース部32は、バンド31の基端が接続された一側面32aと、一側面32aに直交する四つの平面と、一側面32aと逆側を向く他側面32bとの六つの面を有する。なお、以下の説明では、四つの平面のうち、クリップ部材2が取り付けられる面を「上面32c」と呼び、この上面32cと平行な面を「下面32d」と呼ぶ。
窪み部33は、ベース部32の上面32cに凹設された正六角形状の凹みであり、六つの内側面33aが上面32cに対して垂直となり、正六角形の底面33cが上面32cと平行になるように設けられる。また、窪み部33は、六つの内側面33aのうちの二面が、ベース部32の一側面32a及び他側面32bと平行になるように形成される。
窪み部33は、アンカー部23の外形よりも僅かに大きな正六角形の中空形状に形成され、アンカー部23の突設方向長さと略同一の深さを有するように形成される。窪み部33にアンカー部23が収容された状態では、アンカー部23の各側壁部23aとこれに対向する窪み部33の内側面33aとの間には僅かな隙間が形成されるとともに、アンカー部23とベース部32との相対回転が規制される。
言い換えると、アンカー部23が角部23bを有する外形であってアンカー部23が窪み部33に緩嵌合された状態では、バンド31が挿通されていなくても、アンカー部23とベース部32との相対回転が規制される。すなわち、アンカー部23の角部23bと、アンカー部23を緩嵌合する形状に形成された窪み部33とが、バンド31の挿通前の状態において、窪み部33に収容されたアンカー部23のベース部32に対する回転を規制する回転規制部としてそれぞれ機能する。
ベース側通し孔34は、ベース部32の一側面32aから窪み部33の内部を通って他側面32bへ貫設された直線状の貫通孔であり、その断面がアンカー側通し孔24と略同一の形状とされる。すなわち、窪み部33の六つの内側面33aのうち、一側面32a及び他側面32bと平行な内側面33aには、それぞれアンカー側通し孔24と略同一形状の開口33hが対向配置される。ベース部32の一側面32aにおけるベース側通し孔34の位置は、バンド31の基端よりも上面32c側(クリップ部材2が取り付けられる側)に設定される。
ベース部32は、上面32cと一側面32aとで形成される角部の中央に、上面32c側からベース側通し孔34に達する位置まで切り欠かれた凹み32eを有する。係止爪35は、この凹み32eの内部に設けられる。係止爪35は、その先端にベース側通し孔34に向かって突出した鋭角部を有し、この鋭角部がバンド31の係止溝31sに係合する。これにより、ワイヤーハーネス4の外周に巻かれたバンド31の状態が保持される。
ベース部32は、下面32dと他側面32bとで形成される角部の中央に、下面32d側からベース側通し孔34に達する位置まで切り欠かれた凹み32fを有する。すなわち、この凹み32fのうち、上面32cと平行な面はベース側通し孔34と連続するように設けられるため、バンド31をこの面に当接させることで、スムーズにバンド31をベース側通し孔34に挿通することが可能となる。なお、ベース部32の一側面32aに直交する四つの平面のうち、上面32c及び下面32d以外の二面(上面32c及び下面32dの間に立設される面)には、ベース側通し孔34と平行なスリットが凹設される。
[2.作用]
このように構成されたバンドクリップ1は、バンド部材3に対するクリップ部材2の角度を変更して組み付けることができる。言い換えると、アンカー部23に設けられた三つのアンカー側通し孔24a,24b,24cのうち、何れをベース部32に設けられたベース側通し孔34と連通させるのかによって、クリップ部材2とバンド部材3との相対角度を変更することができる。
図3に示すように、アンカー側通し孔24aとベース側通し孔34とが連通するように、窪み部33にアンカー部23が収容された状態でバンド31が挿通された場合、バンド31の挿通方向(二つの通し孔24a,34の連通方向)は、図中一点鎖線で示す皿部22の長軸と直交する。ここで、ワイヤーハーネス4がバンド31で巻回される部分(バンドクリップ1によりワイヤーハーネス4が固定される部分)におけるワイヤーハーネス4の延設方向Lは、バンド31の挿通方向と直交する。したがって、この場合、ワイヤーハーネス4は、その延設方向Lが皿部22の長軸と平行となるように車体のパネル5に固定される。
これに対して、図4(a)に示すように、アンカー側通し孔24bとベース側通し孔34とが連通するように、窪み部33にアンカー部23が収容された状態でバンド31が挿通された場合は、バンド31の挿通方向(二つの通し孔24b,34の連通方向)が皿部22の長軸に対して反時計回りに30°傾いて交差する。つまりこの場合、ワイヤーハーネス4は、その延設方向Lが皿部22の長軸に対して時計回りに60°傾いた状態で車体のパネル5に固定される。
また、図4(b)に示すように、アンカー側通し孔24cとベース側通し孔34とが連通するように、窪み部33にアンカー部23が収容された状態でバンド31が挿通された場合は、バンド31の挿通方向(二つの通し孔24c,34の連通方向)が皿部22の長軸に対して時計回りに30°傾いて交差する。つまりこの場合、ワイヤーハーネス4は、その延設方向Lが皿部22の長軸に対して反時計回りに60°傾いた状態で車体のパネル5に固定される。
[3.効果]
したがって、上述のバンドクリップ1によれば、アンカー部23に設けられた複数のアンカー側通し孔24のうちの何れをベース側通し孔34と連通させるのかによって、クリップ部材2とバンド部材3との相対角度を変更(選択)することができる。これにより、取付孔5hの位置を変更することなく、バンドクリップ1で固定されるワイヤーハーネス4の延設方向Lを変更することができるため、ワイヤーハーネス4の経路を容易に変更することができる。
例えば、図5(a)に示すように、ワイヤーハーネス4が、図3に示す状態でバンドクリップ1により車体のパネル5に固定された場合に、周辺部品6の配置が変更されて、ワイヤーハーネス4の経路上に周辺部品6が干渉してしまうことがある。従来であれば、取付孔5hを別の位置にずらして新たに形成し、バンドクリップ1による固定位置を変更するという対策が考えられる。しかし、新たな取付孔5hの形成には時間もコストも余計にかかることになる。また、取付孔5hを曲面状の部位に形成することは困難であるため、新たな取付孔5hを元の位置の近傍に設けることができず、ワイヤーハーネス4の経路全体を見直す必要が生じることもある。
これに対して、上述のバンドクリップ1であれば、図5(b)に示すように、取付孔5hの位置を変更しなくても、クリップ部材2とバンド部材3との相対角度を図4(a)に示す状態に変更することができるため、ワイヤーハーネス4の延設方向Lを変更することができる。すなわち、上述のバンドクリップ1によれば、取付孔5hの位置を変更することなく、ワイヤーハーネス4の経路を変更することができるため、周辺部品6との干渉を容易に回避することができる。これにより、製造コストの増大や工数,製作期間の長期化を抑制しつつ、利便性を高めることができる。また、バンド31がベース側通し孔34だけでなく、複数のアンカー側通し孔24のうちの一経路を貫通した状態となるため、変更されたワイヤーハーネス4の経路(延設方向L)を固定して、その状態を安定的に維持することができる。
上述のバンドクリップ1は、図3に示すように、アンカー部23の突設方向から見て、その外形が三回以上の回転対称性(六回回転対称性)を持った形状に形成されているため、クリップ部材2とベース部材3との相対角度を変更することができ、利便性を高めることができる。
さらに、アンカー部23が偶数回の回転対称性(六回回転対称性)を持った外形に形成されているため、アンカー部23には、二つの側壁部23a同士が対向して設けられることとなる。そのため、アンカー側通し孔24をアンカー部23の側壁部23aに貫設することができ、簡素な構成とすることができる。
上述のバンドクリップ1では、アンカー部23及びベース部32が、窪み部33に収容されたアンカー部23のベース部32に対する相対回転を規制する回転規制部をそれぞれ有するため、バンド31を挿通する際に二つの通し孔24,34が回転方向にずれてしまうことがない。このため、ワイヤーハーネス4をバンドクリップ1で固定するときの作業効率を高めることができる。
さらに、上述のバンドクリップ1では、アンカー部23の角部23bと、アンカー部23を緩嵌合する形状に形成された窪み部33とが回転規制部として機能するため、特別な構造や形状を追加することなく、相対回転を規制することができ、構成を簡素化することができる。
なお、上述のバンドクリップ1は、アンカー部23が六回回転対称性を持った外形に形成されているため、ワイヤーハーネス4の延設方向Lを三方向に変更することができる。また、アンカー部23の対向する側壁部23aを貫設してアンカー側通し孔24を形成でき、さらに、アンカー部23の大型化も抑制できる。すなわち、アンカー部23が正六角柱状に形成される場合、利便性の向上と、成形の容易性と、構成の簡素化との三つを全て成立させることができ、最も実用的である。
[4.その他]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
上述のバンドクリップ1は、アンカー部23及びベース部32が、バンド31の挿通前の状態における相対回転を規制する回転規制部を有しているが、これに加えて、アンカー部23及びベース部32が、バンド31の挿通前の状態で、窪み部33に収容されたアンカー部23の抜け方向への移動を規制する離脱規制部を有していてもよい。すなわち、クリップ部材2とバンド部材3とを組み合わせるときに、バンド31を挿通する前の状態で、アンカー部23がベース部32の窪み部33から抜け落ちないような構造を設けておくことで、ワイヤーハーネス4をバンドクリップ1で固定するときの作業効率をさらに高めることができる。
回転規制部及び離脱規制部を備えたバンドクリップ1′の一例について、図6(a)〜(c)を用いて説明する。図6(a)〜(c)は、変形例に係るバンドクリップ1′の構成を説明するための図であり、(a)はアンカー部23′及びベース部32′のみを抜粋した図1に対応する斜視図、(b)は図2に対応する要部断面図、(c)は図6(b)のC−C矢視断面図である。このバンドクリップ1′は、アンカー部23′の対向する二つの側壁部23aにそれぞれ凸状に形成された二つの凸部26(第一係合部)を有する。二つの凸部26は、各側壁部23aにおいて、孔部23hよりも係止部21側に互いに間隔をあけて配置されるとともに、外側に向かって突設された小さな突起である。なお、ここで示すアンカー部23′は、他の四つの側壁部23aには凸部26を有していないが、全ての側壁部23aに凸部26を有していてもよい。
一方、ベース部32′は、窪み部33の六つの内側面33aにそれぞれ凹状に形成された二つの凹部36(第二係合部)を有する。二つの凹部36は、各内側面33aにおいて、開口33hよりも上面32c側に互いに間隔をあけて配置された小さな凹みであり、アンカー部23′に設けられた凸部26と係合する。なお、ベース部32′には、全ての内側面33aに同様の凹部36が形成されており、何れの凹部36もアンカー部23′の凸部26と係合可能に設けられている。
このような構成のバンドクリップ1′によれば、アンカー部23′を窪み部33に収容したときに、二つの凸部26と六つの凹部36のうちの何れか二つとが係合して、アンカー部23′の窪み部33からの離脱が規制される。すなわち、凸部26及び凹部36が離脱規制部として機能するため、簡単な構成で、ワイヤーハーネス4をバンドクリップ1′で固定するときの作業効率をさらに高めることができる。
また、上述のクリップ部材2及びバンド部材3の形状は一例であって、上記のものに限られない。例えば、アンカー部23は、突設方向に直交する断面形状が正六角形以外の正多角形であってもよいし、円形であってもよい。また、アンカー部23が内部に空間23cを有する中空状ではなく、中実状であってもよい。この場合、アンカー側通し孔24は中実のアンカー部を貫通するように設けられていればよい。
また、上述のアンカー部23は、係止部21の基端から係止部21と逆方向に突設されているが、アンカー部23の突設方向を皿部22の外面に対して傾斜させてもよい。例えば、突設方向側に行くほど断面が小さくなるように(上記の側壁部23aが皿部22から離れるほどアンカー部23の中心側に向かうように)傾斜していてもよい。つまり、アンカー部23と皿部22及び係止部21との位置関係は、バンドクリップ1が取り付けられる被取付部材の形状,種類等に応じて変更してもよい。
少なくとも、アンカー部23は、三回以上の回転対称性持った外形を有するように構成されていることが好ましい。例えば、アンカー部23が三回回転対称性を有する外形(例えば正三角形状)の場合、アンカー側通し孔24は、突設方向に延在する面部と、この面部に対応する角部とを貫通して設けられることとなる。また、アンカー部23が断面円形(円筒状,円柱状)であり、ベース部32の窪み部33も同様に円形の場合に、上記の凸部26及び凹部36が設けられていれば、凸部26及び凹部36はアンカー部23とベース部32との相対回転を規制する回転規制部としても機能することとなる。
また、回転規制部及び離脱規制部の各構成は、上記のものに限られない。例えば、ベース部32が、窪み部33の内側面33aに弾性変形可能な部材(スポンジやゴム,バネ等)を有し、窪み部33内にアンカー部23が収容されたときに、アンカー部23に対して押圧力を与える構成となっていれば、相対回転や抜け方向への移動を規制することができる。なお、アンカー部23とベース部32とは、バンド31が挿通されることで組み合わされ、相対回転も抜け方向への移動もできない状態となるため、回転規制部や離脱規制部が設けられていなくてもよい。
窪み部33の形状は、アンカー部23を緩嵌合する形状であることが好ましいが、少なくともアンカー部23を収容できる形状であればよく、アンカー部23と相似形でなくてもよい。例えば、アンカー部23が角部を有する形状であり、窪み部33が円形状であってもよい。この場合、窪み部33には、内側面33aに弾性変形可能な部材(スポンジやゴム,バネ等)が設けられていることが好ましい。
また、上述のアンカー側通し孔24は、アンカー部23の突設方向に直交する方向に直線状に貫設されているが、アンカー側通し孔24は、アンカー部23が窪み部33に収容された状態で、ベース側通し孔34と連通する構成であればよい。例えば、アンカー側通し孔24が曲線状に貫設されていてもよい。この場合、ベース部32に貫設されるベース側通し孔34は、アンカー側通し孔24と同一の曲率を持った曲線状か、あるいは一側面32a,他側面32bから窪み部33に向かって上り勾配となるように傾斜して設けられればよい。また、アンカー側通し孔24が突設方向に対して斜めに(交差する方向に)貫設されていてもよい。この場合、ベース部32の一側面32aから窪み部33を通って他側面32bに貫設されるベース側通し孔34を、斜めに傾斜させるとともに上下に複数個形成すればよい。
なお、クリップ部材2及びバンド部材3が、それぞれ一体で成形されたものでなくてもよいし、バンド部材3が複数のバンド31を有するものであってもよい。また、バンドクリップ1の用途は上述したものに限られず、車両用以外のハーネスを、車体のパネル5以外の被取付部材に固定するときに用いてもよい。
1,1′ バンドクリップ
2 クリップ部材
3 バンド部材
4 ワイヤーハーネス(取付部材,ハーネス)
5 パネル(被取付部材)
21 係止部
23,23′ アンカー部
23a 側壁部(突設方向に延在する面部)
23b 角部(回転規制部)
24,24a,24b,24c アンカー側通し孔(第二バンド通し孔)
26 凸部(第一係合部,離脱規制部)
31 バンド
32,32′ ベース部
32a 一側面
32b 他側面
33 窪み部(回転規制部)
33a 内側面
34 ベース側通し孔(第一バンド通し孔)
36 凹部(第二係合部,離脱規制部)

Claims (7)

  1. 被取付部材に係止される係止部を備えたクリップ部材と、ハーネスに巻回されるバンドを備えたバンド部材とを組み合わせてなるバンドクリップであって、
    前記クリップ部材は、前記係止部の基端から突設されたアンカー部を備え、
    前記バンド部材は、前記アンカー部を収容する窪み部が凹設されるとともに前記バンドの基端が接続されたベース部を備え、
    前記ベース部は、前記バンドの基端が接続された一側面から前記窪み部の内部を通って前記一側面と逆側を向く他側面へと貫設され、前記バンドが挿通される第一バンド通し孔を有し、
    前記アンカー部は、突設方向と交差する方向に貫設され、前記窪み部に収容された状態で少なくとも一つが前記第一バンド通し孔と連通状態となる複数の第二バンド通し孔を有する
    ことを特徴とする、バンドクリップ。
  2. 前記アンカー部は、三回以上の回転対称性を持った外形を有する
    ことを特徴とする、請求項1記載のバンドクリップ。
  3. 前記アンカー部及び前記ベース部は、前記窪み部に収容された前記アンカー部の前記ベース部に対する相対回転を規制する回転規制部をそれぞれ有する
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のバンドクリップ。
  4. 前記アンカー部は、前記回転規制部として、前記突設方向と交差する方向に突設又は凹設された角部を有し、
    前記ベース部は、前記回転規制部として、前記アンカー部に緩嵌合する前記窪み部を有する
    ことを特徴とする、請求項3記載のバンドクリップ。
  5. 前記アンカー部及び前記ベース部は、前記窪み部に収容された前記アンカー部の抜け方向への移動を規制する離脱規制部をそれぞれ有する
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のバンドクリップ。
  6. 前記アンカー部は、前記離脱規制部として、前記突設方向に延在する面部に凸状又は凹状に形成された第一係合部を有し、
    前記ベース部は、前記離脱規制部として、前記窪み部の内側面に凹状又は凸状に形成されて前記第一係合部と係合する第二係合部を有する
    ことを特徴とする、請求項5記載のバンドクリップ。
  7. 前記アンカー部が、偶数回の回転対称性を持った外形を有し、
    前記第二バンド通し孔が、前記アンカー部の前記突設方向に延在する面部に貫設される
    ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載のバンドクリップ。
JP2014254242A 2014-12-16 2014-12-16 バンドクリップ Pending JP2016116371A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014254242A JP2016116371A (ja) 2014-12-16 2014-12-16 バンドクリップ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014254242A JP2016116371A (ja) 2014-12-16 2014-12-16 バンドクリップ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016116371A true JP2016116371A (ja) 2016-06-23

Family

ID=56142499

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014254242A Pending JP2016116371A (ja) 2014-12-16 2014-12-16 バンドクリップ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016116371A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022097548A1 (ja) * 2020-11-09 2022-05-12 株式会社オートネットワーク技術研究所 ワイヤハーネス及びクランプ
KR20230092489A (ko) * 2021-12-17 2023-06-26 주식회사 유라코퍼레이션 밴드케이블

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022097548A1 (ja) * 2020-11-09 2022-05-12 株式会社オートネットワーク技術研究所 ワイヤハーネス及びクランプ
KR20230092489A (ko) * 2021-12-17 2023-06-26 주식회사 유라코퍼레이션 밴드케이블
KR102652463B1 (ko) * 2021-12-17 2024-03-28 주식회사 유라코퍼레이션 밴드케이블

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6050196B2 (ja) ワイヤハーネス及びコネクタ
JP6046571B2 (ja) コネクタ及びワイヤハーネス
WO2015186495A1 (ja) コネクタ
JP6050197B2 (ja) ワイヤハーネス及びコネクタ
JP5990140B2 (ja) コネクタ
JP2015035389A (ja) ワイヤハーネス及びコネクタ
US11052838B2 (en) Engaging member
JP2016116371A (ja) バンドクリップ
JP6846401B2 (ja) 配索構造
JP2021019424A (ja) プロテクタ、及び、ワイヤハーネス
US20200207292A1 (en) Binding member and engaging member
JP2014230470A (ja) 電線保持構造
JP6105750B2 (ja) 留め具
JP2018206551A (ja) コネクタハウジング
CN108448303B (zh) 连接器壳体以及连接器单元
JP2013085340A (ja) 電気接続箱
JP2017089671A (ja) パイプクランプ
JP5963116B2 (ja) 電気接続箱
JP2019096481A (ja) コネクタ用端子およびコネクタ
JP2018042317A (ja) ワイヤハーネス用グロメット及びプロテクタ
JP2006080017A (ja) 雌コネクタおよび雌端子金具
JP4592597B2 (ja) 配線カバーを用いた平型配線の壁面配索構造及び方法
JP2021174648A (ja) 電池配線モジュール用梱包容器
JP2016205449A (ja) バンドクランプ及びワイヤーハーネス
JP6023560B2 (ja) 電線用保持部材への固定部材の保持構造