JP2016113790A - 防水シート、防水構造、及び、防水構造の脱気方法 - Google Patents

防水シート、防水構造、及び、防水構造の脱気方法 Download PDF

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Abstract

【課題】振動や騒音の発生を抑制しながら簡単に施工可能で、且つ、耐久性が高くて環境にもやさしい優れた防水技術を提供する。
【解決手段】防水シートAは、塩化ビニール樹脂からなる防水層1の裏面側に、粘着性を有するゲル状素材からなる自己粘着層2が備えられている。自己接着層2は1.2mm以上の厚み寸法に構成され、防水対象面を隙間なく覆う相対姿勢において、自己接着層2の粘着力で防水対象面に接着され、少なくとも防水対象面の外周側には、防水シートAを防水対象面に機械的に固定する機械的固定手段が更に設けられる。また、防水構造の脱気対象部位に、筒状脱気具を押圧操作することで、防水シートと防水対象面との間の空気を外部に排出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物等の各種の構造物の防水処理に用いられる防水技術に関する。
この種の防水技術としては、建物屋上のコンクリートスラブ等の防水対象面に溶剤系の接着剤を塗布し、その接着剤の接着力によって塩化ビニール樹脂製の防水シートを防水対象面に全面接着したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、防水対象面にハンマードリル等で複数の固定用下穴を形成して、この固定用下穴の各々に熱溶性接着層を上面に備えた固定金具を取り付け、その上に塩化ビニール樹脂製の防水シートを配置して誘導加熱等で防水シートの上から各固定金具を加熱することで、防水対象面側の各固定金具と防水シートとを接着したものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−169003号公報 特開2014−156747号公報
前者の防水技術では、溶剤系の接着剤によって防水シートが防水対象面に全面接着されているので、風や地震等による防水対象面の挙動やひび割れ発生等の防水対象面の経時的な変形の影響が防水シートに直接的に作用することになり、防水シートが劣化し易い不都合がある。
しかも、溶剤系の接着剤にはVOC(揮発性有機化合物)が含まれることが多いので、VOCの排出に伴う環境への影響も懸念される。
更に、施工時の雨水の存在や溶剤系の接着剤の放置時間等によって防水シートの接着不良を招く虞があるので、天候や接着剤の放置時間を考慮しながら作業を行わなければならず、施工の品質管理や工程管理も難しい。
他方、後者の防水技術では、溶剤系の接着剤を使用せずに固定金具によって防水シートが防水対象面に部分的且つ間接的に接着されているので、前述した問題点は存在しないものの、固定金具を固定するための固定用下穴をハンマードリル等で防水対象面に形成する際に振動や騒音が発生する不都合がある。このような施工中の振動や騒音の発生は、病院等の建物を使用しながら防水改修を行う際に大きな支障となる。
本発明は、上述の実情に鑑みてなされたものであって、その主たる課題は、振動や騒音の発生を抑制しながら簡単に施工可能で、しかも、耐久性が高くて環境にもやさしい優れた防水技術を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、防水シートであって、塩化ビニール樹脂からなる防水層の裏面側に、粘着性を有するゲル状素材からなる自己粘着層が備えられている点にある。
上記構成によれば、塩化ビニール樹脂からなる防水層が表面側に備えられているので、先述の従来技術と同様に防水対象面に対して確実な防水処理を施すことができる。また、この防水層を構成する塩化ビニール樹脂は建築資材の汎用素材であるので、防水構造の施工時に他の建築資材との接合を良好に行い易い利点もある。
そして、この防水層の裏面側に自己粘着層が備えられているので、この自己粘着層の粘着力で防水対象面に接着することが可能となり、防水対象面に接着する際に先述した溶剤系の接着剤や固定金具を不要又は少量化することができる。
したがって、振動や騒音の発生を抑制しながら防水構造を簡単に施工することができるとともに、施工に伴う環境負荷も低減することができる。
しかも、自己粘着層が粘着性を有するゲル状素材から構成されているので、防水対象面の挙動や経時的な変形の影響をゲル状素材の物性(粘弾性)を活用した自己粘着層の追従変形によって低減することができ、その分、防水構造の耐久性を高めることができる。
さらに、例えば、防水対象面がコンクリートの表面等で構成されている場合、防水対象面に多数の微小な凹凸が存在するが、このような場合でも、防水対象面への接着時に防水対象面の凹凸に対応して自己粘着層が変形するので、この自己粘着層の変形によって自己粘着層と防水対象面とを面的に密着させることができ、自己粘着層と防水対象面との接着力を簡単且つ効率的に得ることができる。
本発明の第2特徴構成は、前記自己粘着層が、1.2mm以上の厚み寸法に構成されている点にある。
つまり、例えば、防水対象面の設置環境(設置地域や設置建物の構造や高さ等)によって防水対象面の挙動や防水対象面の経時的な変形が大きくなる場合が考えられるが、自己粘着層が1.2mm以上の厚み寸法に構成されている上記構成であれば、このような場合でも、十分な厚み寸法の自己粘着層の変形によって防水対象面の挙動や変形の影響を好適に低減することができる。したがって、種々の設置環境に適用可能な汎用性の高い防水処理を防水対象面に簡単に施すことができる。
本発明の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成に記載の防水シートを用いた防水構造であって、
複数の前記防水シートが、防水対象面を隙間なく覆う相対姿勢において前記自己粘着層の粘着力で防水対象面に接着されている点にある。
上記構成によれば、防水対象面を隙間なく覆う複数の前記防水シートによって防水対象面の防水性能を簡単・確実に得ることができる。また、防水シートが自己粘着層の粘着力で防水対象面に接着されているので、先述した溶剤系の接着剤や固定金具が不要になるか少量で済むようになる。
したがって、振動や騒音の発生を抑制しながら簡単に施工可能で、且つ、施工に伴う環境負荷も少ない構造とすることができる。
しかも、防水対象面の挙動や経時的な変形の影響が防水シートの防水層に作用するのを、粘着性を有するゲル状素材の物性を活用した防水シートの自己粘着層の追従変形によって低減することができるので、その分、耐久性に優れた構造とすることができる。
さらに、防水対象面への防水シートの接着時に防水対象面の凹凸に対応して防水シートの自己粘着層が変形するので、この自己粘着層の変形によって自己粘着層と防水対象面とを面的に密着されたものとなり、自己粘着層と防水対象面とが強固に接着された一層耐久性の高い構造とすることができる。
また、自己粘着層の粘着力で防水シートを再接着することができるので、例えば、施工後に防水シートの一部が防水対象面から浮いた接着不良状態になった場合でも、当該部位を脱気して防水シートを再接着することで簡単に是正することができる。よって、メンテナンス性にも優れた構造とすることができる。
本発明の第4特徴構成は、少なくとも前記防水対象面の外周側には、前記自己粘着層の粘着力よりも強い力で前記防水シートを防水対象面に機械的に固定する機械的固定手段が更に設けられている点にある。
つまり、ゲル状素材からなる自己粘着層の粘着力によって自己粘着層を防水対象面に面的に密着させる状態で防水シートを接着する防水構造では、強いせん断接着強度(防水対象面に沿う方向での接着強度)に比べると剥離接着強度(防水対象面からの剥離に対する接着強度)が弱く、そのため、建物屋上等の風力を受ける部位を防水対象面とする場合において、剥離現象が生じ得る防水対象面の外周側(つまり、防水シートによる防水処理面の端部側)が弱点となることが考えられる。
これに対して、上記構成によれば、その構造上の弱点となる防水対象面の外周側を機械的固定手段によって強固に固定するので、防水構造全体としての風力に対する抵抗力を効果的に高めることができ、一層耐久性に優れた構造とすることができる。
本発明の第5特徴構成は、第3又は第4特徴構成に記載の防水構造の脱気方法であって、
前記防水シートを破ることが可能な刃部又は先尖部を先端に備えた空気流入部を一端側に備え、且つ、空気流入部から流入した空気を排出可能な空気排出部を他端側に備えるとともに、前記空気流入部が、防水対象面に沿って拡開した拡開設置姿勢に押し拡げ可能で、且つ、その拡開設置姿勢で空気を流入可能に構成された筒状の脱気具を用意し、
前記防水構造の脱気対象部位に前記脱気具を押圧操作することで、前記刃部又は先尖部で防水シートを破って前記防水対象面に沿って前記空気流入部を拡開させた拡開設置姿勢で脱気対象部位に脱気具を設置し、この脱気具を通して当該脱気対象部位における防水シートと防水対象面との間の空気を外部に排出する点にある。
つまり、上記構成によれば、防水構造の脱気対象部位に前記脱気具を押圧操作する簡単な操作で、防水シートを破って防水対象面に沿って空気流入部を拡開させた拡開設置姿勢で脱気対象部位に脱気具を設置し、この脱気具を通して当該脱気対象部位における防水シートと防水対象面との間の空気を外部に排出することができる。
しかも、脱気具の一端側の空気流入部の先端の刃部又は先尖部で防水シートを破った上で、その空気流入部を防水対象面に沿って拡開設置姿勢に押し拡げるので、空気流入部を防水対象面に到達させるための防水シートの破断領域を最小限度にすることができ、その分、脱気具を設置した後の脱気具周りの防水処理を省力化することができる。
防水シートを模式的に示す斜視図 防水構造の中央側を示す断面図 防水構造の外周側を示す断面図 防水改修方法を示す断面図 防水構造の脱気方法を示す図
図1は、建物の屋根やバルコニー等の各種の構造物の防水対象面に敷設される防水シートAを示し、この防水シートAは、表面側の防水層1と、裏面側の自己粘着層2とを主要構成として備えた複層構造の帯状の長尺シートから構成されている。3は自己粘着層2の粘着面に着脱自在に備えられた離型紙である。
前記防水層1は、防水性・耐候性・加工性等に優れた塩化ビニール樹脂から構成されている。この防水層1の厚み寸法D1は、0.5mm〜4mmの範囲が好ましく、性能とコストの両面を考慮すると1mm〜3mmの範囲が特に好ましく、本実施形態では2mmに設定されている。
前記自己粘着層2は、粘着性を有するゲル状素材(粘弾性材の一例)からなり、コンクリートの表面等のやや粗面に構成された防水対象面に対しても十分な強度で接着可能な粘着性能と、防水対象面に接着された状態で防水対象面の挙動や変形を吸収可能な変形性能とを有するように構成されている。
自己粘着層2を構成するゲル状素材としては、本例では、シリコーンを主原料とするシリコーンゲルを用いているが、ウレタン樹脂を主原料とするウレタンゲル等の各種のゲルを用いることができる。また、例えば、施工時等に一時的にゲル化可能な素材を採用することもできる。
自己粘着層2の厚み寸法D2は、変形性能の面から1.2mm以上とする必要があり、更にコスト面を考慮すると1.2mm〜7mmの範囲が好ましく、3mm〜5mmの範囲が特に好ましく、本実施形態では4mmに設定されている。
防水層1と自己粘着層2の接合形態は、自己粘着層2の粘着力で接合する形態を採用している。なお、例えば、防水層1と自己粘着層2とを同種の樹脂を主原料とし、防水層1から自己粘着層2に亘って当該樹脂を固形状から半固形状(ゲル)に性状変化させる状態で防水層1と自己粘着層2とを接合する接合形態を採用してもよい。
防水シートAの左右幅方向の一端縁4は、隣接する防水シートAどうしを水密状態で継ぐ処理を容易に実施できるように、防水層1の一端縁1Aが自己粘着層2の一端縁2Aよりも左右幅方向の外方側に延出する形態に構成されている。他方、防水シートAの左右幅方向の他端縁5は、防水層1の他端縁1Bと自己粘着層2の他端縁2Bとが左右幅方向の同一位置となる形態に構成されている。
以下、このように構成された防水シートAを用いた例として、(イ)防水構造、(ロ)防水構造の施工方法、(ハ)防水構造の脱気方法について説明する。
(イ)防水構造
図2、図3は、防水対象面の一例である建物屋上のコンクリートスラブSを複数の防水シートAで被覆した防水構造を示している。ここで、図2は当該防水構造の中央側(コンクリートスラブSの中央側)を示し、図3は当該防水構造の外周側(コンクリートスラブSの外周側)を示している。
この防水構造では、複数の防水シートAがコンクリートスラブSの上面を隙間なく覆う相対姿勢において自己粘着層2の粘着力でコンクリートスラブSの上面に接着されている。
各防水シートAは、図2に示すように、ゲル状素材の物性を活用した自己粘着層2の変形によって、コンクリートスラブS側の伸縮目地M1(図2参照)や亀裂等の凹部M2(図2参照)の内部に自己粘着層2の一部を入り込ませた状態でコンクリートスラブSに接着されている。なお、図2中のJは、伸縮目地M1に介装された弾性材である。
つまり、この防水構造は、コンクリートスラブSの表面の形状に応じて自己粘着層2とコンクリートスラブSとを全面的に密着させることで、防水シートAとコンクリートスラブSとの接着力を効率的に得る。
図2に示すように、当該防水構造の中央側では、別途の固定手段や溶剤系の接着剤を用いずに自己粘着層2の粘着力のみで防水シートAがコンクリートスラブSに接着されている。
また、隣接する防水シートAどうしの継ぎ部6は、一方の防水シートAにおける一端縁4側の自己粘着層2の一端縁2Aと、他方の防水シートAにおける他端縁5側の自己粘着層2の他端縁2Bとを突き合わせるとともに、一方の防水シートAにおける一端縁4側の防水層1の一端縁1Aを、他方の防水シートAにおける他端縁5側の防水層1の他端縁1Bの上に被せ、更に、端部をシール材7で止水した重ね継ぎ構造に構成されている。
なお、この継ぎ部6の構造は、両防水シートAの端縁部どうしを突き合わせた上でその突き合わせ箇所を別の防水シートで塞ぐ構造等の種々の構造を採用することができる。
他方、図3に示すように、防水構造の外周側では、自己粘着層2の粘着力よりも強い力で防水シートAをコンクリートスラブSに機械的に固定する機械的固定手段8が設けられており、この機械的固定手段8の固定力と自己粘着層2の粘着力とによって防水シートAがコンクリートスラブSに強固に接着されている。
つまり、この防水構造では、風力による防水シートAの剥離(捲れ)の生じ易い防水構造の外周側を、機械的固定手段8を併用して強固に接着することで、防水構造全体としての風力に対する抵抗力を効果的且つ効率的に高めている。
前記機械的固定手段8は、コンクリートスラブSに形成した固定用下穴9と、当該固定用下穴9に固定された金属製等の固定具10とから構成されている。この機械的固定手段8としては、防水シートAとコンクリートスラブSとを接着剤以外の固定手段を用いて機械的に固定する各種のものを採用することができる。
前記固定具10は、例えば、板状部10Aとこれに接続されるアンカー部10Bとからなり、防水シートAを貫通する状態でアンカー部10Bを上方から固定用下穴9に挿入固定することで、アンカー部10Bに接続された板状部10Aによって下方に押圧する状態で防水シートAをコンクリートスラブSに固定するように構成されている。
そして、この防水シートAの固定具10による固定部位とコンクリートスラブSに連なるパラペットPの立ち上がり面とを被覆する状態で塩化ビニール樹脂製の単層構造の防水シートBが当該固定部位とパラペットPに接着剤等で接着されて、その端部がシール材11で止水されている。
(ロ)防水構造の施工方法
次に、上述の防水構造の施工方法(防水工法)について説明する。この防水構造の施工方法は、新設建物等に対する防水構造の新設や既設建物等の防水構造の改修の両方に好適に適用することができる。
まず、コンクリートスラブSの表面を清掃具で清掃して砂や粉塵等の異物を除去する。この際、コンクリートスラブSの表面の小さな凹凸は、前述した自己粘着層2の変形で自己粘着層2との接着力を強めることができるので、そのまま残すようにする。
そして、清掃後のコンクリートスラブSの表面に対して、離型紙3を取り外しながら隣接端面間に隙間が生じない状態で複数の防水シートAを敷設し、これに合わせて防水シートAに加圧ローラ等で上方から押圧力を加えることで、自己粘着層2をコンクリートスラブSの表面の凹凸形状に応じて変形させる状態で防水シートAをコンクリートスラブSに接着する。
更に、防水シートAどうしの継ぎ部6に対してシール材7を打設するとともに、コンクリートスラブSの外周側に固定用下穴9を形成し、当該外周側の防水シートAを固定する状態で固定用下穴9に固定具10を取り付ける。
その後、防水シートAの固定具10による固定部位とコンクリートスラブSに連なるパラペットPの立ち上がり面とに亘る状態で防水シートBを接着し、更に、その防水シートBの端部にシール材11を打設し、防水処理を完了する。
このように、本施工方法では、防水シートAをコンクリートスラブSに接着する際に溶剤系の接着剤を使用しないので、施工の品質管理や工程管理を容易に行うことができるとともに、施工に伴う環境負荷も低減することができる。また、形成作業に騒音や振動が生じる固定用下穴9の形成部位がコンクリートスラブSの外周側だけとなるので、その分、施工中の騒音や振動の発生も抑制することができる。
なお、この防水シートAは、防水対象面の凹凸を活用して防水対象面への接着力を強めることができるので、例えば、図4に示すように、経年劣化等で既設の防水シートCに多数の亀裂や凹み等の凹部M3が発生じ、この多数の凹部M3によって防水性能が低下した既設の防水構造の表面をそのまま防水対象面とし、この上に前述の施工方法と同様の方法で防水シートAを接着することで、既設の防水構造を一層簡単に改修することもできる。
(ハ)防水構造の脱気方法
次に、上述の防水構造の脱気方法について説明する。
上述した防水構造では、防水シートAとコンクリートスラブSとの間への空気の侵入によって防水シートAの一部の比較的狭い範囲がコンクリートスラブSから浮いた接着不良状態になる場合がある。このような場合、図5に示すように、防水構造における防水シートAの接着不良箇所を脱気対象部位12として、内部の空気(防水シートAとコンクリートスラブSの間の空気や蒸気)を抜くことが必要になる。この脱気方法では、脱気だけでなく防水シートAを破ることも可能な脱気具13を用いて脱気対象部位12の脱気を実施する。
前記脱気具13は、合成樹脂や金属等の素材から筒状に形成され、下端部13A(一端部)と上端部13B(他端部)とに亘って空気を流通可能に構成されている。
脱気具13の下端部13Aは、防水シートAを破ることが可能な刃部13aを先端に備えた下方開口の空気流入部として構成されているとともに、この下端部13Aを防水対象面に沿って放射状に拡がる拡開設置姿勢に押し拡げ可能で、且つ、その拡開設置姿勢で空気を流入可能なように、脱気具13の外周面の上下中間部から下端部13Aの下端(先端)に至る複数の縦スリット13bが外周方向の複数箇所に分散形成されている。
本実施形態では、脱気具13の下端部13Aの形状を、それの開口面が直下を向く直円筒状を斜めに切断した形状(開口面が斜め下を向く形状)とし、縦スリット13bで分離形成される各片部の長さが周方向で異なるように構成されているが、例えば、脱気具13の下端部13Aの形状を直円筒状とし、縦スリット13bで分離形成される各片部の長さが同一になるように構成されていてもよい。
また、脱気具13の上端部13Bは、下端部13Aから流入した空気を外部(防水シートAの上方)に排出する空気排出部として構成され、具体的には、脱気具13の上端開口にゴアテックス(登録商標)等の通気性・非通水性の素材からなる蓋部材13dを取り付けることで、水の侵入を防止しながら内部空気の脱気を行えるように構成されている。なお、この脱気具13には、空気の逆流を防止する逆止弁(図示省略)が内蔵されている。
そして、この脱気方法では、図5(a)〜図5(c)に示すように、上述の脱気具13を前記防水構造の脱気対象部位12に対して下向きに押圧操作して、刃部13aで防水シートAを破った上でコンクリートスラブSに沿って下端部13Aを拡開設置姿勢(図5(c)にして、脱気対象部位12に脱気具13を設置するとともに、この作業に並行して適宜に脱気対象部位12を上方から押圧操作することで、脱気具13を通して当該脱気対象部位12における防水シートAとコンクリートスラブSとの間の空気を外部に排出し、自己粘着層2の粘着力で防水シートAをコンクリートスラブSに再接着する。
その後、脱気具13の周囲(つまり、防水シートAの貫通部位)に対して、環状の防水シートやシール材等(図示省略)を用いて防水処理を施し、防水構造の脱気作業を完了する。
つまり、この防水構造は、ゲル状素材からなる自己粘着層2の粘着力で防水シートAをコンクリートスラブSに接着した構造であり、最初の施工から時間が経過した後でも防水シートAを簡単に再接着することができるので、このような再接着が不能な揮発性の接着剤によって防止シートAを接着した構造で一般的に行われる防水シートAの部分的な取替え等の頻雑な作業が不要となり、脱気対象部位の脱気を簡単に行うことができる。
しかも、この脱気方法では、防水構造の脱気対象部位12に脱気具13を押圧操作する簡単な操作で、脱気対象部位12に脱気具13を設置し、脱気対象部位12の内部空気を外部に排出しながら防水シートAをコンクリートスラブSに再接着することができる。
また、この脱気方法では、脱気具13の下端部13Aの先端の刃部13aで防水シートAを破った上で、その下端部13AをコンクリートスラブSに沿って拡開設置姿勢に押し拡げるので、下端部13AをコンクリートスラブSに到達させるための防水シートAの破断領域を最小限度にすることができ、その分、脱気具13を設置した後の脱気具13周りの防水処理を省力化することができる。
なお、上述の如く、この防水構造では、防水シートAを簡単に再接着することができるので、例えば、脱気具13を通して当該脱気対象部位12の内部空気を外部に排出した後に脱気具13を撤去し、防水シートAをコンクリートスラブSに再接着するとともに、脱気具13の撤去部位(防止シートAの破断領域)を小型の防水シートやシール材等を用いて防水処理を施す脱気方法を採用することもできる。
また、例えば、当該脱気対象部位の防水シートAに切り目や孔等の小さな空気抜き部を形成し、そこから内部空気を排出するとともに、自己粘着層2の粘着力で防水シートAをコンクリートスラブSに再接着した後、当該空気抜き部に対して小面積の防水シートやシール材等を用いて防水処理を施す簡易な脱気方法を採用することもできる。
〔別実施形態〕
(1)前述の実施形態では、コンクリートスラブSの上面に防水シートAを接着する場合を例に示したが、例えば、コンクリートスラブS上に敷設した断熱版等の上面に防水シートAを接着するようにしてもよい。
(2)前述の実施形態では、コンクリートスラブSとパラペットPとを異なる防水シートA、Bで被覆する場合を例に示したが、コンクリートスラブSとパラペットPの両方を防水シートAで被覆するようにしてもよい。
(3)前述の実施形態では、脱気具13の下端部13Aの先端に刃部13aを設ける場合を例に示したが、刃部13aに代えて先尖部を設けたり、或いは、脱気具13の下端部13Aの全体を先端に先尖部を備えた先尖形状(下向きに収斂する形状)に構成したりしてもよい。
また、例えば、脱気具13の下端部13Aの先端を刃部13aや先尖部のないものとしてもよく、この場合でも、防水シートAの脱気対象部位に脱気具13の下端部13Aが通過可能な最小限度の領域を別途の破断具等で破断し、その破断箇所を通して脱気具13の下端部13Aを防水対象面に接触させる状態で脱気具13を押圧操作することで、その下端部13AをコンクリートスラブSに沿って拡開設置姿勢に押し拡げて脱気具13を設置し、前述の実施形態と同様に脱気作業を行うことができる。
(4)前述の実施形態では、防水シートAを防水対象面に接着するのに防水構造の外周側だけに機械的固定手段8を設ける場合を例に示したが、防水構造の中央側にも機械的固定手段8を設けるようにしてもよい。
(5)前述の実施形態で説明した防水構造の施工方法において、例えば、防水シートAを防水対象面に接着するのに先立ち、防水対象面の上面にプライマー等の各種の下地処理剤を塗布するようにしてもよい。
(6)防水層1や自己粘着層2の厚み寸法等の具体的構成は、防水対象面の設置環境や使用年数等の各種の事情に応じて適宜に変更することができる。
(7)前述の実施形態では、防水対象面の一例として、建物屋上のコンクリートスラブSを例に示したが、各種の構造物の壁面や床面等であってもよい。
(8)前述の実施形態で説明した防水構造の脱気方法は、防水シートAを用いた防水構造に限らず各種の防水構造の脱気に好適に適用することができる。
A 防水シート
S コンクリートスラブ(防水対象面)
1 防水層
2 自己粘着層
13 脱気具
13A 下端部(空気流入部)
13B 上端部(空気排出部)
13a 刃部(刃部又は先尖部)

Claims (5)

  1. 塩化ビニール樹脂からなる防水層の裏面側に、粘着性を有するゲル状素材からなる自己粘着層が備えられている防水シート。
  2. 前記自己粘着層が、1.2mm以上の厚み寸法に構成されている請求項1記載の防水シート。
  3. 請求項1又は2記載の防水シートを用いた防水構造であって、
    複数の前記防水シートが、防水対象面を隙間なく覆う相対姿勢において前記自己粘着層の粘着力で防水対象面に接着されている防水構造。
  4. 少なくとも前記防水対象面の外周側には、前記自己粘着層の粘着力よりも強い力で前記防水シートを防水対象面に機械的に固定する機械的固定手段が更に設けられている請求項3記載の防水構造。
  5. 請求項3又は4記載の防水構造の脱気方法であって、
    前記防水シートを破ることが可能な刃部又は先尖部を先端に備えた空気流入部を一端側に備え、且つ、空気流入部から流入した空気を排出可能な空気排出部を他端側に備えるとともに、前記空気流入部が、防水対象面に沿って拡開した拡開設置姿勢に押し拡げ可能で、且つ、その拡開設置姿勢で空気を流入可能に構成された筒状の脱気具を用意し、
    前記防水構造の脱気対象部位に前記脱気具を押圧操作することで、前記刃部又は先尖部で防水シートを破って前記防水対象面に沿って前記空気流入部を拡開させた拡開設置姿勢で脱気対象部位に脱気具を設置し、この脱気具を通して当該脱気対象部位における防水シートと防水対象面との間の空気を外部に排出する防水構造の脱気方法。

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