JP2016113528A - 非環状アルキレンポリカーボネートジオールの製造方法 - Google Patents

非環状アルキレンポリカーボネートジオールの製造方法 Download PDF

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JP2016113528A JP2014252756A JP2014252756A JP2016113528A JP 2016113528 A JP2016113528 A JP 2016113528A JP 2014252756 A JP2014252756 A JP 2014252756A JP 2014252756 A JP2014252756 A JP 2014252756A JP 2016113528 A JP2016113528 A JP 2016113528A
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遼 藤本
Ryo Fujimoto
遼 藤本
慈孝 吉田
Shigetaka Yoshida
慈孝 吉田
弘津 健二
Kenji Hirotsu
健二 弘津
隆志 土井
Takashi Doi
隆志 土井
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Abstract

【課題】カーボネート結合とエステル結合とを有する非環状アルキレンポリカーボネートジオールの製造方法。【解決手段】式(1)のポリカーボネートジオールと、式(2)の環状エステル化合物とを反応させた非環状アルキレンポリカーボネートジオールの製造方法。(ZはC2〜12の直鎖/分岐状アルキレン基)【選択図】なし

Description

本発明は、非環状アルキレンポリカーボネートジオールの製造方法に関するものである。
従来、カーボネート結合(カーボネート骨格)とエステル結合(エステル骨格)の両方を有するポリカーボネートジオールの製造方法として、例えば、下記の方法が開示されている。
(1)シクロヘキサンジメタノールをベースとしたポリカーボネートジオールと、ラクトンとを反応させて、ポリエステルポリカーボネートジオール(ラクトン変性ポリカーボネートジオール)が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
(2)ラクトンとポリカーボネートジオールとを反応させることで、ポリウレタン製造原料としてのポリエステルポリカーボネートジオールを製造できるという一般的な記載がある(例えば、特許文献2参照)。
(3)ポリカーボネートジオールとカプロラクトンとアルキレンオキシド(開始剤)とを反応させる方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
(4)ポリカーボネートジオールとラクトンとを反応させてポリエステルポリカーボネートジオールを製造する方法であって、得られた化合物中のポリカーボネート骨格が30〜70質量%であることが開示されている(例えば、特許文献4参照)。
(5)特殊アミンの存在下、ポリカーボネートジオールと大過剰のラクトンとを反応させる方法が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
(6)ポリカーボネートジオールと5〜200%のカプロラクトンとを反応させる方法が開示されている(例えば、特許文献6参照)。
特開2013−216841号公報 特開2012−184385号公報 国際公開第2005/116102号公報 特開平11−001549号公報 特開平8−059800号公報 特開平2−014273号公報
しかしながら、特許文献1には、環状のアルキレン基を有するポリカーボネートジオールが記載されているのみであり、汎用性が極めて高い、非環状のアルキレン基を有するポリカーボネートジオールにエステル結合を導入したポリカーボネートジオールについては開示がなかった。また、エステル骨格含有率(ラクトンが導入された割合)の違いによる効果の違いについては何ら記載されていなかった。
特許文献2には、一般的な方法が記載されているのみであって、エステル骨格含有率(ラクトンが導入された割合)の違いによる効果の違いについては何ら記載されていなかった。
特許文献3では、ポリカーボネートジオールとラクトンの比率は何ら限定されておらず、アルキレンオキシドとラクトンとの使用比率が規定されているに留まっている。
特許文献4では、ポリカーボネート骨格(ユニット)の重量規定がなされているが、これをモル換算すると23〜75モル%となるため、エステル骨格(ラクトン含有率)では0モル%を超えて23モル%未満、75モル%を超えて100モル%未満となり、本発明において効果を奏する範囲とは明確に異なっている。
特許文献5では、ポリカーボネートジオールに対して大過剰のラクトンを使用してラクトンエステル含有率が極めて高い化合物を得ているが、具体的な比率については記載されていない。
特許文献6では、ポリカーボネートジオールとラクトンとの使用比率は5〜200%と
幅広く記載されており、特定の範囲で効果が奏する記載はない。なお、実施例では使用量が33重量%であることから、ラクトン骨格重量は26.4重量%、モル比換算で約25モル%となることから、本発明と効果を奏する範囲が異なっている。
以上、いずれの方法においても、具体的な開示があるものは1,6−ヘキサンジオールからなるポリカーボネートジオールとε−カプロラクトンとの反応のみであり(特許文献1では環状のアルキレン基を含有するポリカーボネートジオールであり、より対象外である)、またラクトン由来のエステル骨格のモル比率について、特定の範囲で効果を奏するなどの記載などは全くなかった。
そのため、特定のラクトン由来のエステル骨格を有した、低融点、低粘度などのハンドリング性に優れた非環状アルキレンポリカーボネートジオールが望まれていた。
本発明の課題は、カーボネート結合とエステル結合とを有する非環状アルキレンポリカーボネートジオール、及びその製造方法を提供することにある。
本発明の課題は、式(1)
Figure 2016113528
(式中、nは、繰り返し単位数を示す。)
で示されるポリカーボネートジオールと、式(2)
Figure 2016113528
(式中、Zは、炭素原子数2〜12の直鎖又は分岐状のアルキレン基を示す。)
で示される環状エステル化合物とを反応させることを特徴とする、
式(A)
Figure 2016113528
で示される繰り返し単位と、式(B)
Figure 2016113528
(式中、Zは、炭素原子数2〜12の直鎖又は分岐状のアルキレン基を示す。)
で示される繰り返し単位とを有し、分子の両末端にひとつずつ水酸基を有する非環状アルキレンポリカーボネートジオールの製造方法によって解決される。
但し、非環状アルキレンポリカーボネートジオールの全繰り返し単位数に対する式(B)で示される繰り返し単位数(式(B)で示される繰り返し単位数/[式(A)で示される繰り返し単位数+式(B)で示される繰り返し単位数])は0.25〜0.65である。
本発明により、ハンドリング性に優れた非環状アルキレンポリカーボネートジオールを得ることができる。本発明の非環状アルキレンポリカーボネートジオールは、ポリウレタン樹脂などの製造原料として有用な化合物である。
本発明は、非環状アルキレンポリカーボネートジオールは、式(1)
Figure 2016113528
(式中、nは、繰り返し単位数を示す。)
で示されるポリカーボネートジオールと、式(2)
Figure 2016113528
(式中、Zは、炭素原子数2〜12の直鎖又は分岐状のアルキレン基を示す。)
で示される環状エステル化合物とを反応させることによって、
式(A)
Figure 2016113528
で示される繰り返し単位と、式(B)
Figure 2016113528
(式中、Zは、炭素原子数2〜12の直鎖又は分岐状のアルキレン基を示す。)
で示される繰り返し単位とを有し、分子の両末端にひとつずつ水酸基を有する非環状アルキレンポリカーボネートジオールを製造する(以下、「本発明の反応」と称することもある)。
但し、非環状アルキレンポリカーボネートジオールの全繰り返し単位数に対する式(B)で示される繰り返し単位数(式(B)で示される繰り返し単位数/[式(A)で示される繰り返し単位数+式(B)で示される繰り返し単位数])は0.25〜0.65である。
(ポリカーボネートジオール)
本発明の反応で使用するポリカーボネートジオールは、前記の式(1)で示される。式(1)において、nは繰り返し単位数を示す。ポリカーボネートジオールは、炭酸エステルやホスゲンと、ジオールとを反応させることによって得られるが、植物由来のジオールを使用することによって、植物由来成分含有率の高いポリカーボネートジオールを得ることができる。
本発明の反応において、植物由来成分含有率の高いポリカーボネートジオールを使用することで、植物由来成分含有率の高い非環状アルキレンポリカーボネートジオールを製造することができる。
このように、高い比率で植物由来の成分を含有させることにより、焼却によって排出される二酸化炭素と、植物の育成過程で吸収される二酸化炭素が同じ量とはならないまでも、いわゆるカーボンニュートラルという環境に優しいプロセスとなり得る。
(環状エステル化合物)
本発明の反応で使用する環状エステル化合物は、前記の式(2)で示される。その式(2)において、Zは、炭素原子数2〜12の直鎖又は分岐状のアルキレン基であり、具体的には、例えば、エチレン基(ジメチレン基)、プロピレン基(トリメチレン基)、ブチレン基(テトラメチレン基)、ペンチレン基(ペンタメチレン基)、ヘキシレン基(ヘキサメチレン基)、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基などが挙げられるが、好ましくは、好ましくはプロピレン基(トリメチレン基)、ブチレン基(テトラメチレン基)、ペンチレン基(ペンタメチレン基)、更に好ましくブチレン基(テトラメチレン基)、ペンチレン基(ペンタメチレン基)である。
前記環状エステル化合物としては、具体的には、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトンなどの四員環の環状エステル化合物;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどの五員環の環状エステル化合物;δ−バレロラクトンなどの六員環の環状エステル化合物;ε−カプロラクトンなどの七員環の環状エステル化合物が挙げられるが、好ましくはγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、更に好ましくはδ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンが使用される。
なお、これらの環状エステル化合物として、植物由来成分含有率の高い環状エステル化合物を使用することで、植物由来成分含有率の高い非環状アルキレンポリカーボネートジオールを製造することができる。
植物由来の環状エステル化合物としては、例えば、δ−バレロラクトンはフルフラールやフルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコールなどを原料として製造することができる。
このように、高い比率で植物由来の成分を含有させることにより、焼却によって排出される二酸化炭素と、植物の育成過程で吸収される二酸化炭素が同じ量とはならないまでも、いわゆるカーボンニュートラルという環境に優しいプロセスとなり得る。
本発明の反応で使用する環状エステル化合物の量は、ポリカーボネートジオールの1,5−ペンタンジオール骨格1モルとして、好ましくは0.25〜2.5モル、更に好ましくは0.30〜2.0モル、より好ましくは0.35〜1.5モル、特に好ましくは0.40〜1.2モルである。
(1,5−ペンタンジオール)
本発明の反応においては、生成物を目的とする分子量に調整するために1,5−ペンタンジオールを存在させても良く、その量は好ましくは加えたラクトン1モルに対して、好ましくは0〜0.7モル、更に好ましくは0.01〜0.2モルである。
なお、これらの1,5−ペンタンジオールとして、植物由来成分含有率の高い1,5−ペンタンジオールを使用することで、植物由来成分含有率の高い非環状アルキレンポリカーボネートジオールを製造することができる。
(触媒)
本発明の反応は、触媒の存在下で行うことにより反応が促進される。そのような触媒としては、エステル交換触媒として一般的に知られているものを使用することができるが、好ましくは、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物;
炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの金属炭酸塩;
炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの金属炭酸水素塩;
酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸ニッケル、酢酸アンチモンなどの金属カルボン酸塩;
リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、マグネシウムメトキシド、カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムsec−ブトキシド、ジルコニウムイソプロポキシド、ジルコニウムt−ブトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラn−ブトキシド、チタンテトラt−ブトキシド、チタンテトラシクロヘキシルアルコキシド、チタンテトラベンジルアルコキシド、トリイソプロポキシチタンステアレート、トリブトキシチタンステアレート、アンチモントリペントキシドなどの金属アルコキシド;
アルミニウムアセチルアセトナト、亜鉛アセチルアセトナト、ジルコニウムアセチルアセトナト、ジイソプロポキシチタンビスアセチルアセトナト、ジヒドロキシチタンラクタトなどの金属ジケトナト;
ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレートなどのアルキル金属が挙げられるが、
好ましくは、チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラn−ブトキシド、チタンテトラt−ブトキシド、チタンテトラシクロヘキシルアルコキシド、チタンテトラベンジルアルコキシド、トリイソプロポキシチタンステアレート、トリブトキシチタンステアレート、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、
更に好ましくは、チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラn−ブトキシド、チタンテトラt−ブトキシドが使用される。
なお、これらの触媒は、単独又は複数種を混合して使用しても良い。また、ポリカーボネートジオールに前記触媒が含まれている場合には、これを本発明の反応にそのまま使用しても良く、不足分を別途補充しても良い。
前記触媒の使用量は、原料ポリカーボネートジオール1gに対して、好ましくは1〜10000μg、更に好ましくは10〜1000μgである。
本発明の反応は、例えば、ポリカーボネートジオール、環状エステル化合物、1,5−ペンタンジオール及び触媒を混合し、攪拌しながら反応させるなどの方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは100〜300℃、更に好ましくは150〜250℃であり、反応圧力は1〜1000kPa、更に好ましくは3〜150kPaである。
反応終了後、反応液から減圧下で未反応の原料などを留去するなどして、本発明の非環状アルキレンポリカーボネートジオールを得ることができる。なお、反応に触媒を使用する場合には、反応終了後、触媒失活剤(例えば、チタンアルコキシドであればリン酸エステルなど)を添加することが望ましい。
本発明の反応は、前記の方法以外にも、触媒の存在下又は不存在下で、
「炭酸エステルと、ジオール化合物と、ポリラクトンジオール(環状エステル化合物の開環重合物)及び/又は環状エステル化合物とを混合して反応させる方法」や、
「ポリラクトンジオール(環状エステル化合物の開環重合物)と、ポリカーボネートジオールとを混合して反応させる方法」
によっても得ることができる。
(非環状アルキレンポリカーボネートジオール)
本発明の非環状アルキレンポリカーボネートジオールとは、式(A)
Figure 2016113528
で示される繰り返し単位と、式(B)
Figure 2016113528
(式中、Zは、炭素原子数2〜12の直鎖又は分岐状のアルキレン基を示す。)
で示される繰り返し単位とを有し、分子の両末端にひとつずつ水酸基を有する非環状アルキレンポリカーボネートジオールである。
但し、非環状アルキレンポリカーボネートジオールの全繰り返し単位数に対する式(B)で示される繰り返し単位数(式(B)で示される繰り返し単位数/[式(A)で示される繰り返し単位数+式(B)で示される繰り返し単位数])は0.25〜0.65であり、更に好ましくは0.25〜0.55である。
本発明の非環状アルキレンポリカーボネートジオールの好ましい態様は以下の通りである。
数平均分子量;500以上
融点;5℃以下
ガラス転移点;−55℃以下
粘度;1,800cp以下(75℃)
本発明の非環状アルキレンポリカーボネートジオールの更に好ましい態様は以下の通りである。
数平均分子量;500〜2,100
融点;−15℃〜5℃
ガラス転移点;−80℃〜−55℃
粘度;50〜1,800cp(75℃)
なお、ポリカーボネートジオール及び環状エステル化合物として、植物由来成分含有率の高い環状エステル化合物を使用することにより、植物由来成分含有率が極めて高い非環状アルキレンポリカーボネートジオールを製造することができる。
このように、高い比率で植物由来の成分を含有させることにより、焼却によって排出される二酸化炭素と、植物の育成過程で吸収される二酸化炭素が同じ量とはならないまでも、いわゆるカーボンニュートラルという環境に優しいプロセスとなり得る。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(各種分析方法)
(1)水酸基価:JIS K 1557のB法に準拠して測定した。
(2)酸価:JIS K 1557の指示薬滴定法に準拠して測定した。
(3)水分:カールフィッシャー水分計を使用した電量滴定法により測定した。
(4)融点及びガラス転移温度:示差走査熱量分析法(測定温度範囲:−100℃〜10
0℃、走査速度:10℃/min.)により測定した。
(5)粘度:B型粘度計を用いて、75℃で測定した。
(6)数平均分子量:水酸基価を基に算出した。
(7)式(A)の繰り返し単位数及び式(B)の繰り返し単位数;H−NMRにより測定した。
参考例1(ポリカーボネートジオール(式(A)の骨格を有する)の合成)
蒸留塔を備えた内容積2Lのガラス製フラスコに、ジメチルカーボネート1044.63g(11.60モル)、1,5−ペンタンジオール1153.79g(11.08モル)、及びテトラブトキシチタン0.120g(0.352ミリモル)を加え、メタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しつつ、攪拌しながら95〜195℃、常圧で20時間反応させた。
次いで、減圧下(20kPa)にて反応液からメタノール(副生成物)とジメチルカーボネート(原料)を留去した。更に減圧下(0.1〜1kPa)にて、1,5−ペンタンジオールを留去しつつ、170〜190℃で10時間反応させ、ポリカーボネートジオール1017.10gを得た。
得られたポリカーボネートジオールの物性値は以下の通りであった。
数平均分子量;2010
水酸基価;55.9mgKOH/g
酸価;0.03mgKOH/g
テトラブトキシチタン触媒含有量;118ppm
融点;45℃
粘度;3300cp(75℃)
ガラス転移点;−54℃
実施例1(非環状アルキレンポリカーボネートジオールの合成)
攪拌装置及び温度計を備えた内容積100mLのガラス製フラスコに、ポリカーボネートジオール70.8g(35ミリモル;1,5−ペンタンジオール骨格として551ミリモル)及び1,5−ペンタンジオール1.5g(15ミリモル)を加え、攪拌しながら減圧下で乾燥させた。
得られた溶液にε−カプロラクトン27.7g(243ミリモル)を加え、攪拌しながら190〜195℃で4時間反応させた(ポリカーボネートジオールに含まれているチタン化合物が触媒として作用)。
攪拌終了後、反応液を室温まで冷却し、非環状アルキレンポリカーボネートジオール99.7gを得た。
得られた非環状アルキレンポリカーボネートジオールは以下の物性値で示される新規な化合物であった。
式(B)の繰り返し単位数/[式(A)の繰り返し単位数+式(B)の繰り返し単位数]=0.30
数平均分子量;2140g/モル
水酸基価;52.4mgKOH/g
酸価;0.10mgKOH/g
融点;−11℃
粘度;1711cp(75℃)
ガラス転移点;−61℃
式(B)の繰り返し単位数/[式(A)の繰り返し単位数+式(B)の繰り返し単位数]が本発明の範囲内であったため融点が低かった。
実施例2(非環状アルキレンポリカーボネートジオールの合成)
攪拌装置及び温度計を備えた内容積200mLのガラス製フラスコに、ポリカーボネートジオール100.08g(50ミリモル;1,5−ペンタンジオール骨格として779ミリモル)及び1,5−ペンタンジオール5.23g(50ミリモル)を加え、攪拌しながら減圧下で乾燥させた。
得られた溶液にε−カプロラクトン94.68g(830ミリモル)を加え、攪拌しながら165〜170℃で4時間反応させた(ポリカーボネートジオールに含まれているチタン化合物が触媒として作用)。
攪拌終了後、反応液を室温まで冷却し、非環状アルキレンポリカーボネートジオール199.56gを得た。
得られた非環状アルキレンポリカーボネートジオールは以下の物性値で示される新規な化合物であった。
式(B)の繰り返し単位数/[式(A)の繰り返し単位数+式(B)の繰り返し単位数]=0.50
数平均分子量;2060g/モル
水酸基価;54.4mgKOH/g
酸価;0.16mgKOH/g
融点;−6℃
粘度;1078cp(75℃)
ガラス転移点;−66℃
式(B)の繰り返し単位数/[式(A)の繰り返し単位数+式(B)の繰り返し単位数]が本発明の範囲内であったため融点が低かった。
比較例1(非環状アルキレンポリカーボネートジオールの合成)
攪拌装置及び温度計を備えた内容積100mLのガラス製フラスコに、ポリカーボネートジオール28.3g(14ミリモル;1,5−ペンタンジオール骨格として220ミリモル)及び1,5−ペンタンジオール3.8g(36ミリモル)を加え、攪拌しながら減圧下で乾燥させた。
得られた溶液にε−カプロラクトン68.0g(596ミリモル)を加え、攪拌しながら190〜195℃で4時間反応させた(ポリカーボネートジオールに含まれているチタン化合物が触媒として作用)。
攪拌終了後、反応液を室温まで冷却し、非環状アルキレンポリカーボネートジオール99.6gを得た。
得られた非環状アルキレンポリカーボネートジオールは以下の物性値で示される新規な化合物であった。
式(B)の繰り返し単位数/[式(A)の繰り返し単位数+式(B)の繰り返し単位数]=0.70
数平均分子量;2080g/モル
水酸基価;54.0mgKOH/g
酸価;0.25mgKOH/g
融点;12℃
粘度;742cp(75℃)
ガラス転移点;−66℃
式(B)の繰り返し単位数/[式(A)の繰り返し単位数+式(B)の繰り返し単位数]が0.70(本発明の範囲外)であったため融点が高かった。
実施例3(非環状アルキレンポリカーボネートジオールの合成)
攪拌装置及び温度計を備えた内容積200mLのガラス製フラスコに、ポリカーボネートジオール110.20g(55ミリモル;1,5−ペンタンジオール骨格として857ミリモル)及び1,5−ペンタンジオール2.12g(20ミリモル)を加え、攪拌しながら減圧下で乾燥させた。
得られた溶液にδ−バレロラクトン37.68g(376ミリモル)を加え、攪拌しながら180〜190℃で4時間反応させた(ポリカーボネートジオールに含まれているチタン化合物が触媒として作用)。
攪拌終了後、反応液を室温まで冷却し、非環状アルキレンポリカーボネートジオール144.44gを得た。
得られた非環状アルキレンポリカーボネートジオールは以下の物性値で示される新規な化合物であった。
式(B)の繰り返し単位数/[式(A)の繰り返し単位数+式(B)の繰り返し単位数]=0.28
数平均分子量;2060g/モル
水酸基価;54.5mgKOH/g
酸価;0.77mgKOH/g
融点;検出されず
※本実施例の測定方法以外にも下記のふたつの方法で測定したが、融点は検出されなかった。
測定温度範囲:−50℃(1時間保持)〜100℃、走査速度:1℃/min.
測定温度範囲:室温〜−60℃、走査速度:0.5℃/min.で冷却後に、−60℃〜50℃、走査速度:10℃/min.
粘度;1725cp(75℃)
ガラス転移点;−59℃
式(B)の繰り返し単位数/[式(A)の繰り返し単位数+式(B)の繰り返し単位数]が本発明の範囲内であったため融点が低かった。
実施例4(非環状アルキレンポリカーボネートジオールの合成)
攪拌装置及び温度計を備えた内容積200mLのガラス製フラスコに、ポリカーボネートジオール107.0g(53ミリモル;1,5−ペンタンジオール骨格として833ミリモル)及び1,5−ペンタンジオール4.9g(47ミリモル)を加え、攪拌しながら減圧下で乾燥させた。
得られた溶液にδ−バレロラクトン88.3g(882ミリモル)を加え、攪拌しながら180〜185℃で5時間反応させた(ポリカーボネートジオールに含まれているチタン化合物が触媒として作用)。
攪拌終了後、反応液を室温まで冷却し、非環状アルキレンポリカーボネートジオール179.6gを得た。
得られた非環状アルキレンポリカーボネートジオールは以下の物性値で示される新規な化合物であった。
式(B)の繰り返し単位数/[式(A)の繰り返し単位数+式(B)の繰り返し単位数]=0.48
数平均分子量;2000g/モル
水酸基価;56.2mgKOH/g
酸価;0.11mgKOH/g
融点;−9℃
粘度;1054cp(75℃)
ガラス転移点;−63℃
式(B)の繰り返し単位数/[式(A)の繰り返し単位数+式(B)の繰り返し単位数]が本発明の範囲内であったため融点が低かった。
比較例2(非環状アルキレンポリカーボネートジオールの合成)
攪拌装置及び温度計を備えた内容積200mLのガラス製フラスコに、ポリカーボネートジオール47.05g(23ミリモル;1,5−ペンタンジオール骨格として366ミリモル)及び1,5−ペンタンジオール5.39g(52ミリモル)を加え、攪拌しながら減圧下で乾燥させた。
得られた溶液にδ−バレロラクトン97.58g(975ミリモル)を加え、攪拌しながら180〜190℃で4時間反応させた(ポリカーボネートジオールに含まれているチタン化合物が触媒として作用)。
攪拌終了後、反応液を室温まで冷却し、非環状アルキレンポリカーボネートジオール129.70gを得た。
得られた非環状アルキレンポリカーボネートジオールは以下の物性値で示される新規な化合物であった。
式(B)の繰り返し単位数/[式(A)の繰り返し単位数+式(B)の繰り返し単位数]=0.66
数平均分子量;1940g/モル
水酸基価;57.8mgKOH/g
酸価;0.22mgKOH/g
融点;6℃
粘度;708cp(75℃)
ガラス転移点;−67℃
式(B)の繰り返し単位数/[式(A)の繰り返し単位数+式(B)の繰り返し単位数]が0.65を超えた(本発明の範囲外)ため融点が高かった。
上記結果をまとめて表1に示した。
Figure 2016113528
以上の結果より、ポリカーボネートジオールにエステル基を導入することで、低融点化、低粘度化及び低ガラス転移点化が図れることが分かった。
本発明により、ハンドリング性に優れた非環状アルキレンポリカーボネートジオールを得ることができる。本発明の非環状アルキレンポリカーボネートジオールは、ポリウレタン樹脂などの製造原料として有用な化合物である。

Claims (7)

  1. 式(1)
    Figure 2016113528
    (式中、nは、繰り返し単位数を示す。)
    で示されるポリカーボネートジオールと、式(2)
    Figure 2016113528
    (式中、Zは、炭素原子数2〜12の直鎖又は分岐状のアルキレン基を示す。)
    で示される環状エステル化合物とを反応させることを特徴とする、
    式(A)
    Figure 2016113528
    で示される繰り返し単位と、式(B)
    Figure 2016113528
    (式中、Zは、炭素原子数2〜12の直鎖又は分岐状のアルキレン基を示す。)
    で示される繰り返し単位とを有し、分子の両末端にひとつずつ水酸基を有する非環状アルキレンポリカーボネートジオールの製造方法。
    但し、非環状アルキレンポリカーボネートジオールの全繰り返し単位数に対する式(B)で示される繰り返し単位数(式(B)で示される繰り返し単位数/[式(A)で示される繰り返し単位数+式(B)で示される繰り返し単位数])は0.25〜0.65である。
  2. 環状エステル化合物の使用量が、ポリカーボネートジオールの1,5−ペンタンジオール骨格1モルとして0.25〜2.5モルである請求項1記載の非環状アルキレンポリカーボネートジオールの製造方法。
  3. 非環状アルキレンポリカーボネートジオールが以下の物性値で示されるものである、請求項1に記載の非環状アルキレンポリカーボネートジオールの製造方法。
    数平均分子量;500以上
    融点;5℃以下
    ガラス転移点;−55℃以下
    粘度;1,800cp以下(75℃)
  4. Zがブチレン基又はペンチレン基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非環状アルキレンポリカーボネートジオールの製造方法。
  5. 式(A)
    Figure 2016113528
    で示される繰り返し単位と、式(B)
    Figure 2016113528
    (式中、Zは、炭素原子数2〜12の直鎖又は分岐状のアルキレン基を示す。)
    で示される繰り返し単位とを有し、分子の両末端にひとつずつ水酸基を有する非環状アルキレンポリカーボネートジオール。
    但し、非環状アルキレンポリカーボネートジオールの全繰り返し単位数に対する式(B)で示される繰り返し単位数(式(B)で示される繰り返し単位数/[式(A)で示される繰り返し単位数+式(B)で示される繰り返し単位数])は0.25〜0.65である。
  6. 非環状アルキレンポリカーボネートジオールが以下の物性値で示されるものである、請求項5に記載の非環状アルキレンポリカーボネートジオール。
    数平均分子量;500以上
    融点;5℃以下
    ガラス転移点;−55℃以下
    粘度;1,800cp以下(75℃)
  7. Zがブチレン基又はペンチレン基である、請求項5〜6のいずれか1項に記載の非環状アルキレンポリカーボネートジオール。
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