JP2016108638A - 転炉用昇熱材 - Google Patents

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Abstract

【課題】転炉用昇熱材に植物系バイオマスを用いたとしても、転炉用昇熱材を製造する際に、水分を乾燥させる工程や設備を不要とし、より低コストで製造可能となり、単位質量当たりの転炉用昇熱材の製造に掛るエネルギー量を従来より抑えて製造可能な転炉用昇熱材を提供する。【解決手段】転炉用昇熱材4とは、転炉に収容されている溶融鉄を昇熱するものである。プラスチック3と、植物系バイオマスを炭化して得られる炭化物2と、を有する。プラスチック3と炭化物2とを含む混合物が押出成型機21で成型されている。混合物中の炭化物2の割合が75質量%以下である。【選択図】 図2

Description

本発明は、転炉に収容されている溶融鉄を昇熱するプラスチックを原料とした転炉用昇熱材に関する。
地球温暖化防止の観点からCO排出量を削減することが昨今の課題となっている。鉄鋼業での製鋼工程における転炉では、炭素濃度の高い溶融鉄に酸素を吹き付けて、溶融鉄中の炭素を酸化物にして除去する脱炭精錬を行い、溶鋼を生成する。溶融鉄の鉄源として、代表的には溶銑やスクラップが挙げられる。スクラップは、脱炭精錬が既に行われた溶鋼から製造された鉄源であるので、前述したCO排出量を削減する観点からすれば、転炉に投入される鉄源のうち、スクラップの量を増加させ、溶銑の量を低下させることを指向した操業が望まれる。
溶融鉄の温度が高いとスクラップの溶解が促進されるので、溶融鉄は温度が高い方が良い。しかしながら、溶鋼から製造される鉄鋼製品に要求される材料特性の観点から、転炉に溶銑を装入する前に、溶銑中の硫黄や燐などを除去する溶銑予備処理が適宜行われ、該溶銑予備処理によって溶銑の温度が低下する。更には、スクラップは基本的には冷鉄であり、溶銑にスクラップを多く加えるほど、前記溶融鉄の温度がより低下する。
そこで、従来より脱炭精錬の際には、転炉に収容されている溶融鉄に昇熱材を投入することで、溶融鉄を昇熱することが行われており、製鋼工程では精錬に必要な熱を石炭などで供給していた。CO排出量を削減する方法として、従来の石炭などをカーボンニュートラルの炭素源に代替することが知られており、カーボンニュートラルの炭素源としてバイオマスを用いることが知られている。特許文献1には、植物系バイオマスを主原料とした転炉用昇熱材が提案され、植物系バイオマスを炭化して得られる炭化物にバインダー及び水分を加え、成型した転炉用昇熱材が記載されている。
国際公開第2013/128786号
特許文献1の転炉用昇熱材で、石炭などの化石資源を原料とする転炉用昇熱材を代替することによって、CO排出量を削減することが可能となる。しかしながら、特許文献1では、バインダーとして澱粉やコーンスターチなどを用い、炭化物とバインダーとを成型して転炉用昇熱材を製造することとなっており、転炉用昇熱材を製造するに際し、水分が必要となり、成型した後に成型物を加熱する工程(水分を乾燥させる工程)や設備が必要となる。よって、コスト、すなわち、転炉用昇熱材を製造するためのエネルギーがより多く掛かっており、転炉用昇熱材の単位質量に対して転炉用昇熱材を製造するエネルギー量が多く掛かっているという問題もある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、転炉用昇熱材に植物系バイオマスを用いたとしても、転炉用昇熱材を製造する際に、水分を乾燥させる工程や設備を不要とし、より低コストで製造可能となり、単位質量当たりの転炉用昇熱材の製造に掛るエネルギー量を従来より抑えて製造可能な転炉用昇熱材を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下の通りである。
(1)転炉に収容されている溶融鉄を昇熱する転炉用昇熱材であって、プラスチックと、植物系バイオマスを炭化して得られる炭化物と、を有し、前記プラスチックと前記炭化物とを含む混合物が押出成型機で成型され、前記混合物中の前記炭化物の割合が75質量%以下であることを特徴とする転炉用昇熱材。
(2)圧潰強度が50kgf/個以上であることを特徴とする(1)に記載の転炉用昇熱材。
(3)前記植物系バイオマスが、パームヤシのやし殻、空果房、幹、剪定屑のうちから選択された1種以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の転炉用昇熱材。
(4)前記プラスチックが廃プラスチックであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の転炉用昇熱材。
本発明によれば、転炉用昇熱材に植物系バイオマスを炭化して得られる炭化物を用いたとしても、プラスチックをバインダーとし、プラスチックと前記炭化物とを含む混合物において、前記炭化物の割合を75質量%以下とし、混合物を押出成型して、転炉用昇熱材を製造することで、成型後において乾燥を行う工程や設備を必要としないので、昇熱材製造過程での使用エネルギーが少なくなる。従って、本発明では、転炉用昇熱材の単位質量に対して、転炉用昇熱材を製造するために掛かるエネルギー量を従来よりも大幅に削減することができる。
また、炭化物とプラスチックとを混合して成型することによって、転炉昇熱材としてハンドリング性を高め、転炉上に設置されるホッパーなどに投入するとしても転炉昇熱材の割れを防止する。更には、不純物、特に硫黄分の少ないカーボンニュートラルの植物系バイオマスを炭化して得られる炭化物を昇熱材に用いることで、溶融鉄中の硫黄分の上昇を防ぎ、化石燃料由来のCO排出量を削減することもできる。
植物系バイオマスの炭化設備の一例を示す図である。 押出成型機の一例を示す図である。 実施例で製造した成型物についての炭化物割合[質量%]と圧潰強度[kgf/個]の関係を示すグラフである。
本発明は、転炉に収容されている溶融鉄を昇熱する昇熱材の主原料として、植物系バイオマスを炭化して得られる炭化物を用いるものであり、プラスチックで炭化物を成型するものである。以下、本発明の実施形態の一例を説明する。
植物系バイオマスとは、例えば、農業系、林業系、廃棄物系などの、熱分解して炭化物を生成するあらゆるバイオマスのことである。日本国内で収集可能な植物系バイオマスとしては、建築家屋の解体で発生する木材廃棄物、製材所発生の木質系廃棄物、森林等での剪定廃棄物、農業系廃棄物などがある。但し、日本国内においては、建築家屋の解体で発生する木材廃棄物、製材所発生の木質系廃棄物は発生源が集中しており、また収集ルートが確立されているものが多いため用途開発が進み、需要が供給を上回ってきており、エネルギー源としての利用可能な量は制約を受ける。また、森林等での剪定廃棄物、農業系廃棄物などは、発生源が広く国内に分布しており搬出、収集にコストが発生するため価格面からエネルギー源としての利用が困難な状況にある。
木質系バイオマスとして、特に好適なものは、マレーシア、インドネシア両国のプランテーションで栽培されているパームヤシ(アブラヤシ)から粗パーム油を製造する過程で生じ、通常廃棄物となるパームヤシ由来のバイオマスである。特に、パームヤシ由来のバイオマスとしては、パームヤシのやし殻(適宜「PKS」とも呼ぶ)、空果房(適宜「EFB」とも呼ぶ)、幹、剪定屑のうちから選択された1種以上を用いることが好ましい。
前述の通り、日本国内では、エネルギー源として植物系バイオマスを利用することが容易ではない。一方で、パーム油は、世界で年間約3,600万トン生産され、そのうちの約9割をマレーシアとインドネシアの2カ国で生産される農産物である。パーム油はパームヤシの実から製造され大豆油等と比較し安価であることから、食用油のほか洗剤など工業用途にも多用されている。パーム油を採取するパーム果実はBunch(房)と呼ばれている塊状の繊維の集合体に結実する。パーム果実を搾油し粗パーム油を得るが、その際にパーム果実の殻であるPKSが粉砕された状態で副生する。また、パーム果実を採取した後のBunchが、空果房(EFB)である。
幹及び剪定屑はパームヤシを成長させる過程で生じるものであり、パームヤシのPKS及びEFBは、粗パーム油を生成する工程で生じるものである。特に、EFBは、アルカリ含有量、特にカリウムKの含有量が高く、そのまま燃料として使用すると、灰中のアルカリ率が高く、灰の溶融点が低くなり、燃焼設備の炉壁などへの灰付着量が多くなる傾向がある。炉壁などへの灰の付着量が多いと、灰が炉壁などでクリンカと呼ばれる塊に成長し、人手による粉砕作業が必要となるトラブルが発生することがある。よって、パームヤシのEFBは、一般的には燃料として利用されておらず、現状ではほとんどの場合、パームオイル工場の周辺域で放置され、腐食によるメタンガスなど温室効果ガスの発生による地球温暖化促進が懸念されている。従前、パームヤシのPKS、EFB、幹、剪定屑は、工業原料としての用途も開発されておらず、廃棄あるいは放置されているというのが実情であった。
これらのパームヤシのPKS(やし殻)やEFB(空果房)、幹、剪定屑は、収集費用を必要としない安価な原料であり、これらを、本発明における植物系バイオマスに使用することで、安価な炭化物を製造することが可能となる。また、パームヤシのEFBは、炭化した後で、水洗によってカリウム含有量を1mass%以下まで低減することが可能となり、製鉄所で使用される転炉用昇熱材の原料としても問題なく使用可能となる。転炉用昇熱材の原料とする化石資源の替わりに、これらから得られる炭化物を使用すれば、化石資源消費量を低減し、温室効果ガスの発生を低減させ、地球温暖化問題の解決に寄与できる。なお、パームヤシのPKS(やし殻)やEFB(空果房)、幹、剪定屑は、硫黄分が少ないので、転炉昇熱材として用いても、転炉中の溶融鉄の硫黄濃度の上昇を抑え得る。
更には、パームヤシのPKS(やし殻)やEFB(空果房)、幹、剪定屑を、本発明における植物系バイオマスに使用することで、パームオイル産業の収益性の向上、パームヤシ栽培地の環境改善などを通じて、マレーシア、インドネシアを中心とするパームオイル産業国の発展にも寄与できる。
上述の植物系バイオマスを炭化する方法について説明する。マレーシアでは地面を掘ることで穴を形成し、該穴に、植物系バイオマスとしてPKSを装入し、空気の流れを限定することで酸素の供給を制限した状態でPKSを炭化する方法が実施されてはいる。しかしながら、炭化装置を用いて植物系バイオマスを炭化する方が望ましい。炭化装置としては、ロータリーキルン炉(外部から炭化に必要な熱を得る外熱式ロータリーキルン炉、原料の一部を燃焼して炭化に必要な熱を得る内熱式ロータリーキルン炉)、バッチ式の炉、シャフト式の炉などが使用可能である。
図1は、外熱式ロータリーキルン炉11で植物系バイオマスを炭化する場合を示してある。炭化設備10は、外熱式ロータリーキルン炉11と、該外熱式ロータリーキルン炉11に高温ガスを供給する燃焼炉12と、外熱式ロータリーキルン炉11からの炭化物を収容する炭化物貯留槽13と、外熱式ロータリーキルン炉11で発生するガスを回収し、該ガスからタールを回収するタール回収槽14と、を有する。回収されたガスを外熱式ロータリーキルン炉11に再び供給してもよい。
炭化設備10において、まず、高温ガスの熱が燃焼炉12から外熱式ロータリーキルン炉11に供給され、酸素の供給が制限されている状態で、植物系バイオマス1が外熱式ロータリーキルン炉11に投入される。植物系バイオマス1が、外熱式ロータリーキルン炉11を通過している間に乾留(炭化)されて炭化物2が生成される。炭化物2は、外熱式ロータリーキルン炉11から排出されて、炭化物貯留槽13に貯留される。外熱式ロータリーキルン炉11で、バイオマス原料1が炭化する際に発生したタールはタール回収槽14に回収されることになる。
炭化物2に、粒径が所定の値例えば3mmを超えているものが含まれている場合(例えば、粒径が約1mm〜約10mmの範囲に分布)、後述する次工程の成型の前処理として、3mmスクリーンの篩を用いて、粒径が3mm以下のものだけを選別してもよい。次工程の成型を押出成型とする場合には、特に、後述するダイスに設けられたノズルを通過可能な程度に、炭化物2を破砕しておくことが望ましい。
次に、押出成型機の一例を図2に示す。押出成型機21は、押出成型機本体22と、該押出成型機本体22の周りに配置されたヒーター(図示しない)と、ダイス23と、カッター24と、を有する。押出成型機本体22の一端の上部には供給口22aが設けられており、押出成型機本体22の他端にダイス23が設けられている。該ダイス23にはノズル23aが複数設けられている。ノズル23aの前面には、回転羽根24aを有するカッター24が設置されている。
炭化物2とプラスチック3とを含む混合物を押出成型することになるが、このプラスチック3としては廃プラスチックを用いることが好ましい。近年、プラスチックの廃棄量が増加してきており、該廃棄物の埋め立て地の確保が年々困難なってきており、環境への悪影響のない廃プラスチックの有効利用方法の開発が望まれている。転炉用昇熱材として廃プラスチックを利用することは、廃プラスチックの有効利用に寄与するものである。
プラスチック3は、押出成型機本体22に投入され、そこで溶融され撹拌されることになるが、押出成型機本体22に投入可能なように破砕しておくことが望ましい。まずは、供給口22aに、プラスチック3と炭化物2とを投入し、押出成型機本体22内に内蔵されたスクリューで、ヒーターによってプラスチック3を加熱して溶融しながら、炭化物2とプラスチック3と含む混合物を混練する。次いで、混合物がダイス23のノズル23aを通過し、棒状に成型された成型物を、対向するカッター24の回転羽根24aにより切断し、円筒状の成型物(転炉用昇熱材)4を製造する。
混合物のうちの炭化物2の割合を75質量%以下とする。炭化物2を、混合物に対して最大で75質量%とすれば、押出成型によって、後述する圧潰強度が高い成型物4を安定して製造し得る。しかしながら、混合物中の炭化物2の質量割合が75質量%を超えると、炭化物2自体は、少なくともプラスチック3に比べて溶融しにくいので、成型物4を安定して製造することが困難となる上に、押出成型によっても成型物4の強度(後述する圧潰強度)が低くなる可能性も生じる。なお、特許文献1に記載されているようなロール式成型機によって混合物を成型することは不可能ではないが、混合物がプラスチック3を含むので、成型物4の強度が低くなってしまい、転炉用昇熱材としてハンドリング性が著しく低下する。
炭化物2を50質量%以上混合物に加えることがより好ましい。炭化物2の質量割合を多くするほど、化石燃料由来のCO排出量が削減されることになる。よって、化石燃料由来のCO排出量をより多く削減する観点からは、混合物中の主原料といえる50質量%以上を炭化物2とすることが好ましい。
成型物4は、硫黄分が0.1質量%以下であることが望ましい。プラスチック3として廃プラスチックを用いたとしても、プラスチック3に硫黄分は含まれにくい。一方で、炭化物2には、硫黄分が含まれる可能性がある。パームヤシのやし殻、空果房、幹、剪定屑は、そもそも硫黄分が少ないので、炭化物2の原料として、これらのうちのいずれか1種を用い、成型物4中の硫黄分を0.1質量%以下に抑えることが可能となる。必要に応じて、炭化物2を成分分析を行い、分析結果の硫黄分に応じて、前記混合物のうちの炭化物2の割合を調整すればよい。
成型物(転炉用昇熱材)4の圧潰強度が、50kgf/個以上であることが好ましい。。成型物4は、圧潰強度が50kgf/個以上であれば、転炉上に配置されているホッパー内で貯留や落下させるなどの実操業上でのハンドリングが容易になる上に、転炉で昇熱材として使用する際に、成型物4が割れて飛散してしまい、昇熱材として有効に使用されない量を抑えることができる。成型物4は、ロール式成型法でも製造することができるが、上述の通り、押出成型することによって、圧潰強度を高くしたものを製造することが容易となる。ここで「kgf」とは力の単位を意味し、1kgfは9.8Nである。
圧潰強度の測定条件は次の通りである。
(I)ノズル23aの穴径が30mmのダイス23を用い、ノズル23aから成型物が約50mm押出された時点で、回転羽根24aにより成型物が切断されるように対向して設置してあるカッター24において、回転羽根24aの回転速度を適宜調整し、直径が30mm、長さが一定となる円筒状の成型物(転炉用昇熱材)4を複数製造する。
(II)成型物4を大気中で冷却し、十分に環境温度まで冷却した後に、複数の成型物4の長さを15mmに統一し、軸と垂直な方向に荷重を徐々に加え、成型物4が破壊されるときの荷重(kgf)を記録する。
簡易的には、上記(II)での荷重を、1個当たりの圧潰強度(kgf/個)としてもよいが、(III)成型物4を12個製造し、各々の成型物4の破壊されるときの荷重を測定し、その荷重の最大値と最小値とを除いた10個の測定値の平均値を記録して、圧潰強度(kgf/個)としてもよい。
転炉用昇熱材には、炭化物2及びプラスチック3以外にも、CaO、NaCO、CaC、Mgなどの脱硫剤成分を有してもよい。転炉用昇熱材が、これらを有すれば、溶銑の脱硫剤としても機能する。
本発明によって、転炉用昇熱材に植物系バイオマスを用いたとしても、プラスチックをバインダーとし、プラスチックと炭化物とを含む混合物中の炭化物の割合を75質量%以下とし、混合物を押出成型して転炉用昇熱材を製造することで、成型後において乾燥を行う工程や設備を必要としないので、昇熱材製造過程での使用エネルギーが少なくなる。よって、本発明では、単位昇熱量におけるCO排出量を従来技術に対して大幅に削減することができる。
また、炭化物とプラスチックとを混合して成型することによって、転炉昇熱材としてハンドリング性を高め、転炉上に設置されるホッパーなどに投入するとしても転炉昇熱材の割れを防止する。更には、不純物、特に硫黄分の少ないカーボンニュートラルの植物系バイオマスを炭化して得られる炭化物を昇熱材に用いることで、溶融鉄中の硫黄分の上昇を防ぎ、化石燃料由来のCO排出量を削減することもできる。
図2に示す押出成型機を用いて、押出成型機本体22中に投入される炭化物2とプラスチック3との割合を適宜変更して、炭化物2とプラスチック3との割合が異なる成型物(転炉用昇熱材)4を製造した(本発明例1〜5)。本発明例1〜5では、プラスチック3と炭化物2とを含む混合物中の炭化物2の割合を75質量%以下とした。プラスチック3として、ポリエチレンとポリプロピレンとからなる廃プラスチックを用いた。植物系バイオマス1として、パームヤシのやし殻を採用し、炭化物2としては、パームヤシのやし殻の炭化物を用いた。押出成型機本体22中に投入する前に、炭化物2とプラスチック3とを粉砕して、粒径を3mm以下に調整した。
ポリエチレンは融点が約125℃であり、ポリプロピレンは融点が約165℃であるので、押出成型機本体22では、ヒーター(図示しない)を約140℃に設定して加熱することにより溶融及び混練することとした。実施形態に記載の(I)の通り、ノズル23aの穴径が30mmのダイス23を用い、ノズル23aから成型物が約50mm押出された時点で、回転羽根24aにより成型物が切断されるように対向して設置してあるカッター24で、直径が30mm、長さが一定となる円筒状の成型物4であって、炭化物2とプラスチック3との割合が異なる成型物4を製造した。
本発明例1〜5と比較するべく、混合物中の炭化物2の割合が75質量%を超えるようにした以外は本発明例と同様に成型物(転炉用昇熱材)4を製造した(比較例1及び2)。また、押出成型機ではなくロール式成型機によって製造した以外は本発明例と同様に、炭化物2とプラスチック3との割合が異なる成型物4を製造した(比較例3〜5)。更には、参考例として、炭化物2を押出成型機本体22に投入しなかった以外は本発明例及び比較例と同様に、プラスチック3のみからなる成型物を製造した(参考例)。
参考例、本発明例1〜5及び比較例1〜5において、前述の(III)の通りに、圧潰強度(kgf/個)を測定した。参考例、本発明例1〜5及び比較例1〜5における炭化物2とプラスチック3との割合及び成型物4の圧潰強度を表1に示し、炭化物割合[質量%]と圧潰強度[kgf/個]の関係を示すグラフを図3に示す。
Figure 2016108638
参考例で製造された成型物は、圧潰強度が117[kgf/個]となり高い。本発明例1〜5で製造された成型物4もまた、圧潰強度が全て50[kgf/個]を上回っており、転炉のホッパーに搬送する際や転炉に投入する際に割れたりすることがなく転炉用昇熱材として正常に機能することが期待される。
比較例1及び2においては、炭化物2の割合が80質量%または90質量%であり、75質量%を超えており、成型物4を連続的に製造できなかった。炭化物2は、約140℃の加熱では溶融することがないため、押出成型機本体22において、固体として存在し、混合物のうち炭化物2が多過ぎると、炭化物2は、スクリューの羽根と羽根との間に挟まれるか、あるいは、スクリューの軸及び羽根と押出成型機本体22の内壁との間に挟まれる。炭化物2は、金属材質のスクリューや内壁よりは強度が劣るため粉砕されるにしても、スクリューの羽根と羽根との間、および軸及び羽根と内壁との間の空間にバイオマス炭が圧縮して押し込まれ充満するので、摩擦力が大きくなり、スクリューを回転させるモーターの負荷が大きくなる。よって、モーターに許容量を越えた大電流が供給される場合があり、このような場合には、モーター保護のため電源の供給が遮断されるため連続的な操業が不可能となる。
比較例2では、連続的な操業が不可能となったものの、押出成型によって圧潰強度が高い成型物4を製造できた。ところが、同じく連続的な操業ができなかった比較例1では、圧潰強度は50[kgf/個]を上回るものの、50[kgf/個]に近い圧潰強度となる成型物4が製造された。混合物中の炭化物2の割合が75質量%を超える場合、連続的に成型物4を製造する操業が不可能となるおそれがある。また、プラスチックが少なすぎて、炭化物2の結合力が弱くなり、圧潰強度が低いものが製造される可能性もある。
比較例3〜5においては、ロール式成型機によって成型物4を製造している。混合物がプラスチック3を含むので、ロール式成型機では成型物4の強度が低くなってしまい、ハンドリング性が著しく低下した転炉用昇熱材しか製造することができなかった。
上記実施例の結果から、質量割合が75質量%以下となる炭化物2とプラスチック3とを含む混合物を押出成型することで製造した転炉昇熱材は、圧壊強度が高いので、ハンドリング性が高く、転炉上に設置されるホッパーなどに投入しても割れないことが期待できる。
実施例1における本発明例5を本発明例10とする。本発明例10で製造される転炉昇熱材のエネルギー原単位と比較するべく、本発明例10と同じ炭化物2を用い、特許文献1の実施例1に記載されている通り、ロール式成型機で転炉昇熱材を製造した(比較例10)。すなわち、比較例10では、炭化物2の質量に対して4質量%の澱粉(アルファー化処理されたもの)を炭化物2に加え、更に、炭化物2の質量に対して14質量%の水分を加えて、ミキサーで撹拌・混合し、ロール式成型機を用いてブリケットを成型し、成型後に乾燥炉にて、105℃の温度で、水分がブリケット質量の1質量%以下となるまで乾燥して、転炉昇熱材を製造した。
本発明例10及び比較例10において、成型物4の製造速度を約5t/時とし、炭化物2を製造するべく植物系バイオマス1を乾留する際に必要となったエネルギーは除き、成型物4を1トン製造するのに必要となるエネルギーを評価した。本発明例10では、押出成型機21及びカッター24を駆動させるためにエネルギーが必要になるのに対して、比較例10では、ロール式成型機を駆動し、乾燥炉を運転するためにエネルギーが必要となる。本発明例10では、押出成型機21及びカッター24を駆動させるためのエネルギーの原単位は約100[MJ/トン]であった。一方、比較例10では、ロール式成型機を駆動するためのエネルギーの原単位は約180[MJ/トン]であり、乾燥炉を運転するためのエネルギーの原単位は約400[MJ/トン]であり、これらを加算すると、約580[MJ/トン]となる。
以上の結果から、転炉用昇熱材に植物系バイオマスを用いたとしても、プラスチックをバインダーとし、プラスチックと炭化物とを含む混合物において、炭化物の割合を75質量%以下とし、混合物を押出成型して転炉用昇熱材を製造する場合には、成型後において乾燥を行う工程や設備が必要がなく、転炉用昇熱材がより低コストで製造可能となったことがわかる。更には、成型後において乾燥を行う工程や設備を必要としないので、昇熱材製造過程での使用エネルギーが少なくなり、転炉用昇熱材の単位質量に対して、製造に掛るエネルギー量を従来よりも抑えて、転炉用昇熱材を製造することが可能となる。
1 植物系バイオマス
2 炭化物
3 プラスチック
4 成型物(転炉用昇熱材)
10 炭化設備
11 外熱式ロータリーキルン炉
12 燃焼炉
13 炭化物貯留槽
14 タール回収槽
21 押出成型機
22 押出成型機本体
22a 原料供給口
23 ダイス
23a ノズル
24 カッター
24a 回転羽根

Claims (4)

  1. 転炉に収容されている溶融鉄を昇熱する転炉用昇熱材であって、
    プラスチックと、植物系バイオマスを炭化して得られる炭化物と、を有し、
    前記プラスチックと前記炭化物とを含む混合物が押出成型機で成型され、
    前記混合物中の前記炭化物の割合が75質量%以下であることを特徴とする転炉用昇熱材。
  2. 圧潰強度が50kgf/個以上であることを特徴とする請求項1に記載の転炉用昇熱材。
  3. 前記植物系バイオマスが、パームヤシのやし殻、空果房、幹、剪定屑のうちから選択された1種以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の転炉用昇熱材。
  4. 前記プラスチックが廃プラスチックであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の転炉用昇熱材。
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