JP2016108591A - 転炉の炉口金物および地金切り方法 - Google Patents

転炉の炉口金物および地金切り方法 Download PDF

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Abstract

【課題】転炉の炉口に付着した地金の除去に要する時間を短縮することができる転炉の炉口金物および地金切り方法を提供すること。【解決手段】転炉の中心軸に対向する面40に複数のノズル44を有し、ノズル44から中心軸に向かう方向に、転炉の排ガス流量と炉口直径とから算出される転炉の炉口における空塔速度以上の噴射速度でノズル44から不活性ガスを噴出する。【選択図】 図4

Description

本発明は、転炉の炉口金物および地金切り方法に関する。
製鉄所の製鋼工程では、溶銑を酸化精錬するための精錬設備として転炉が用いられる。酸化精錬である吹錬処理を転炉で行う際、転炉内部の鋼浴から飛散する地金が転炉の炉口や排ガスダクトのスカート部に付着する。さらに、吹錬処理が繰り返し行われることで、炉口やスカート部への地金の堆積が進む。炉口に堆積した地金は、炉内へ送酸処理をする際や副原料を投入する際に、各処理動作に支障をきたす。また、スカート部に堆積した地金は、炉口に堆積した地金とつながってしまうと、転炉炉体の傾動動作に支障をきたす。このため、炉口やスカート部に付着した地金を吹錬処理の合間にスクラップシュート等を用いて剥ぎ取る作業が行われる。
また、炉口近傍への地金の付着防止および炉口近傍に付着した地金を溶解・除去する方法として、転炉炉口と上方のスカートとの間隙内に円周上にガス噴射用ノズルを配設し、吹錬中にはノズルから不活性ガスを噴出し、吹錬後にはノズルから酸素ガスを噴出する方法が知られている(特許文献1)。
さらに、転炉の炉口および内部に付着する地金を溶解・除去する方法として、炉口から炉内へ挿入するランスの先端部から酸素ガスを噴射して除去する方法が知られている(特許文献2)。
さらに、炉口耐火物の損傷を抑制しつつ、効率的に炉口地金の付着を抑制する方法として、吹錬期間の前期には吹錬用ランスに設けられた地金溶解用ノズルから酸素を供給し、吹錬期間の後期には地金溶解用ノズルからパージガスを供給する方法が知られている(特許文献3)。
特開平11−264009号公報 特開平11−350015号公報 特開2000−96119号公報
ここで、通常の転炉の構造では、炉口に設けられた炉口金物に付着・堆積した地金と、炉内に付着・堆積した地金とがつながる場合があった。このような場合、スクラップシュートを用いて炉口の地金を剥ぎ取る方法では、炉口に付着した地金を十分に除去することが困難となるため、地金除去に要する時間が長くなることが問題であった。
また、特許文献1に記載の方法では、炉口金物の側面部のノズルの個数や不活性ガスの噴射条件などは明らかにされておらず、ノズル出口やノズル間での地金の堆積による閉塞が生じる可能性がある。このため、ノズル出口やノズル間での地金の堆積が生じた場合、炉口金物に付着・堆積した地金と、炉内に付着・堆積した地金とがつながってしまい、地金除去に要する時間が長くなることが問題であった。
さらに、特許文献2および3に記載の方法では、地金を溶解させるために噴射する酸素ガスによる炉口金物の溶解が懸念されることから、炉口近傍に付着した地金を溶解させることが困難であった。このため、炉口金物に付着・堆積した地金と、炉内に付着・堆積した地金とがつながってしまい、地金除去に要する時間が長くなることが問題であった。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、転炉の炉口に付着した地金の除去に要する時間を短縮することができる転炉の炉口金物および地金切り方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る転炉の炉口金物は、転炉の中心軸に対向する面に複数のノズルを有し、ノズルから中心軸に向かう方向に、転炉の排ガス流量と炉口直径とから算出される転炉の炉口における空塔速度以上の噴射速度でノズルから不活性ガスを噴出することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る転炉の地金切り方法は、少なくとも転炉の吹錬処理時において、転炉の中心軸に対向する面に設けられた複数のノズルから、ノズルから中心軸に向かう方向に、転炉の排ガス流量と炉口直径とから算出される転炉の炉口での空塔速度以上の噴射速度で不活性ガスを噴出することを特徴とする。
本発明に係る転炉の炉口金物および地金切り方法によれば、転炉の炉口に付着した地金の除去に要する時間を短縮することができる。
本発明の一実施形態に係る転炉の構成を示す説明図である。 炉口金物を示す平面図である。 炉口金物の一部を示す平面図である。 図3のI−I線矢視図である。 図3のII−II線矢視図である。 図3のIII−III線矢視図である。 炉口金物の地金の付着状態を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
<炉口金物の構成>
はじめに、図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態に係る転炉1の炉口金物4の構成について説明する。図1に示すように、転炉1は、金属製の炉体2と、耐火物3と、炉口金物4と、底吹きノズル5と、ランス6と、スカート部7と、フード8とを備える。
炉体2は、上部が開口した洋梨型の形状を有し、内側壁の全面に耐火物3が設けられる。
炉口金物4は、炉体2および耐火物3の上部の開口端である円形の炉口の外周を覆って設けられ、炉体2および耐火物3を保護する。炉口金物4は、図2に示すように、8個の扇型の炉口金物部材4a〜4hからなり、炉口金物部材4a〜4hがそれぞれ隣接して配された状態で炉口の外周に設けられる。炉口金物4の中心には、炉口の開口端に対応して円形の開口部が形成される。以下では炉口金物4の開口部側の面であり、図1の一点鎖線で示す炉体2の中心軸に対向する面を炉口内面40a(40)と称する。
炉口金物部材4aは、図3〜図6に示すように、ガス供給配管41a(41)と、ヘッダー管42a(42)と、複数のガス供給路43a(43)と、複数のノズル44a(44)とを有する。
ガス供給配管41aは、炉口の外周方向から炉口金物部材4aの内部へ設けられる。ガス供給配管41aの炉口金物部材4a内部の一端は、ヘッダー管42aへと接続される。また、ガス供給配管41aの他端は、不図示のガス供給装置へと接続される。
ヘッダー管42aは、炉口金物部材4aの内部に、炉口の周方向に延在して設けられる。ヘッダー管42aは、ガス供給配管41aの一端、および複数のガス供給路43aへと接続され、ガス供給装置からガス供給配管41aを通じて送られる不活性ガスを複数のガス供給路43aへと供給する。不活性ガスには、窒素ガスやアルゴンガス等が用いられる。
ガス供給路43aは、ヘッダー管42aとノズル44aとを繋げる孔であり、ノズル44aと同じ数だけ設けられる。
ノズル44aは、ガス供給路43aから炉口内面40a(40)まで延在して設けられる。ノズル44aは、ガス供給路43aから供給される不活性ガスを、炉口内面40aから噴射する。また、ノズル44aは、ヘッダー管42aの延在する方向に略等間隔に並んで20個設けられる。各ノズル44aの炉口内面40a側の先端が、炉口内面40aに対して、上下方向に2列に略千鳥配置するように設けられる。つまり、図5に示すように、隣接するノズル44a同士は、最中央部の2個のノズル44を除いた各ノズル44aの炉口内面40a側の先端が、炉口内面40aに対して上下にそれぞれずれて配置される。このうち、先端が炉口内面40aの下側に配されるノズル44aは、図4に示すように、ヘッダー管42aから水平方向に延在して設けられる。また、先端が炉口内面40aの上側に配されるノズル44aは、図6に示すように、ヘッダー管42aから水平方向に対して傾きをもって延在して設けられる。
上記構成の炉口金物部材4aは、ガス供給配管41aおよびヘッダー管42aが、炉口金物部材4aに鋳包まれた後、炉口内面40aからヘッダー管42aまで複数の孔が設けられることでガス供給路43aが形成され、形成された孔にノズル44aがそれぞれ埋め込まれることで製造される。
炉口金物部材4b〜4hは、炉口金物部材4aと同じ形状および構成を有する。つまり、炉口金物部材4b〜4hは、炉口金物部材4aと同様に、ガス供給配管41と、ヘッダー管42と、複数のガス供給路43と、複数のノズル44とをそれぞれ有する。
また、ノズル44から噴射される不活性ガスのガス噴射速度は、転炉1の炉口における空塔速度以上になるように設定される。空塔速度は、転炉1の吹錬処理に伴い発生する排ガスの流量と、炉口の直径とから決定される。本実施形態では、ガス噴射速度を空塔速度以上とすることにより、ノズル44の出側圧力を、炉口での炉内雰囲気と外気との差圧である空塔圧力以上にすることができる。
さらに、炉口金物部材4a〜4hにより形成される炉口金物4は、下記(1)式で示される、炉口内面40の円周方向の長さに対するノズル44の円周占有率Aが、0.20以上0.90以下となることが好ましい。なお、(1)式において、Nは炉口内面40の円周あたりに設けられるノズル44の数(個)、dはノズル44の直径(mm)、πは円周率、Eは炉口金物4により外周が覆われる炉口の直径(mm)をそれぞれ示す。
A=(N・d)/(π・E) ・・・(1)
底吹きノズル5は、炉体2の底部に、炉体2の外側面から耐火物3を含む内側面へと挿通して複数設けられる。底吹きノズル5は、不活性ガスを供給する複数のパイプが埋め込まれた耐火物からなり、パイプを通じて転炉1の炉内へと不活性ガスを吹き込むことで、炉内に収容された溶銑Mを撹拌させる。
ランス6は、炉体2の上方に上下方向に移動自在に設けられ、先端から酸素ガスを噴射させることで、炉内に収容された溶銑Mを酸化精錬処理する。
スカート部7およびフード8は、炉内から排出される排ガスを回収するOG設備の一部である。スカート部7は、炉体2の炉口の上部を覆うように形成され、フード8に接続される。フード8は、集塵機等の他のOG設備へと接続される。
<地金切り方法>
次に、図7を参照して、本発明の一実施形態に係る転炉1の地金切り方法について説明する。転炉1では、炉内に収容された溶銑Mを酸化精錬するための吹錬処理が行われる。吹錬処理では、主にランス6の先端から噴射される酸素ガスによって溶銑Mが酸化する。このとき、炉内では、溶銑Mや酸化された溶鋼等の地金が飛散するスピッティング現象や、処理に伴い発生するスラグが一部に地金が混入した状態で噴出するスロッピング現象が生じる。スピッティング現象やスロッピング現象によって飛散する地金(スラグに混入した地金を含む)は、炉口近傍に付着・堆積する。
本実施形態では、転炉1の吹錬処理時において、炉口金物4のノズル44から不活性ガスGを噴射させる。この際、図7に示すように、ノズル44から転炉1の中心軸に向かう方向に不活性ガスGを噴射させることで、ノズル44周辺への地金の付着を防止する。このため、炉口近傍に付着する地金を、炉口上部に付着した炉口地金S1と、炉内に付着した炉内地金S2とに縁切りさせた状態にすることができる。
上記のような吹錬処理が複数回行われ、炉口地金S1がある程度堆積したところで、炉口地金S1の除去処理が行われる。除去処理では、炉体2を傾動させた状態で、スクラップシュートの先端を炉口地金S1に当てて、炉口地金S1を掻き取ることで炉口地金S1が除去される。この際、炉口地金S1が炉内地金S2と縁切りされているため、炉口地金S1を容易に削り取ることができる。
<変形例>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、転炉1の吹錬処理時にノズル44から不活性ガスGを噴射させるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、非吹錬処理時においても、吹錬処理時と同様にノズル44から不活性ガスGを噴射させてもよい。この際、不活性ガスの噴射速度は、吹錬処理時よりも低くてもよい。非吹錬処理時に不活性ガスGを噴射させることにより、ノズル44が冷却され、ノズル44の溶損を防止することができる。
また、上記実施形態では、炉口内面40に対して、ノズル44を上下2列に設けるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。炉口内面40において炉口地金S1と炉内地金S2とが縁切りできれば、炉口内面40の上下方向に対して、ノズル44を1列または3列以上設けてもよい。この際、ノズル44の列を多く設けることで、炉口地金S1と炉内地金S2とが縁切りされる領域が増えるため、確実に縁切りすることができる。
さらに、ノズル44の長手方向に垂直な断面の形状は、矩形等の円形以外の形状を有していてもよい。
<実施形態の効果>
(1)本発明の実施形態に係る転炉の炉口金物は、転炉1の中心軸に対向する面40に複数のノズル44を有し、ノズル44から中心軸に向かう方向に、転炉1の排ガス流量と炉口直径とから算出される転炉1の炉口における空塔速度以上の噴射速度でノズル44から不活性ガスGを噴出する。
ここで、上記構成の炉口金物を用いない場合、吹錬処理を行うことで付着・堆積した炉口地金S1と炉内地金S2とがつながってしまい、スクラップシュートを用いて炉口地金S1を剥ぎ取ろうとしても、十分に炉口地金S1を除去することが難しかった。この際、つながった炉口地金S1と炉内地金S2とを溶断することで縁切りする方法が考えられるが、溶断処理に時間がかかってしまうために、炉口地金S1の除去に要する時間が長くなる。また、これらの地金除去の作業は、非吹錬処理時に行われるため、地金除去にかかる時間が長くなることで、転炉1での生産性が大きく低下することとなる。これに対して、上記構成によれば、噴射される不活性ガスGによって、ノズル44周囲への地金付着を防止することができる。これにより、炉口地金S1と炉内地金S2とを縁切りすることができ、堆積した炉口地金S1を容易に除去することができるため、炉口に付着した地金の除去に要する時間を短くすることができる。さらに、炉口地金S1と炉内地金S2とを縁切りするための溶断処理を行う必要がないため、転炉1の耐火物3や炉口金物4といった設備の溶断処理に伴う溶損等を防止することができ、安定的に転炉1を使用することができる。
また、特許文献1の図3および図4に開示された発明では、炉口金物の上面側にもノズルを設ける必要があり、上部フード等の内側面に付着した地金が落下する際に、ノズルや配管が破損する可能性があった。さらに、特許文献1の図3および図4に開示された発明では、炉口金物上に落下または堆積する地金によって、閉塞等によってノズルの稼働状況が悪化するといった問題があった。しかし、上記構成によれば、ノズル44は、炉口内面40に設ければよいだけなので、炉口金物4の上部から地金が落下してきても、ノズル44や配管が破損することがない。このため、炉口金物4による地金付着の防止効果を安定的に得ることができる。また、炉口金物4の上面に地金が落下または堆積しても、ノズル44のガス噴射動作には影響しないため、地金付着の防止効果を安定的に得ることができる。
なお、上記構成において、不活性ガスの噴射速度が空塔速度未満となる場合、飛散する地金を十分に吹き飛ばすことができなくなるため、ノズル44の周辺に地金が付着してしまう可能性がある。このような場合、炉口地金S1と炉内地金S2とがつながってしまうと、上記の炉口地金S1の除去に要する時間が長くなる。
(2)複数のノズル44は、下記(1)式で定義され、面40の周方向の長さに対するノズル44の占有率を示す円周占有率Aが0.20以上0.90以下である。
A=(N・d)/(π・E) ・・・(1)
N:転炉の中心軸に対向する面の円周あたりに設けられるノズルの数(個)
d:ノズルの直径(mm)
π:円周率
E:炉口の直径(mm)
上記構成によれば、炉口金物4の強度を十分に保ちながらも、炉口地金S1と炉内地金S2との縁切りを確実に行うことができる。円周占有率Aが0.20未満の場合、ノズル44の周辺において、不活性ガスGにより地金が吹き飛ばされないために、地金が付着してしまう領域が生じる場合がある。このため、十分な縁切りの効果を得ることができない可能性がある。一方、円周占有率Aが0.90超の場合、炉口金物4に占めるノズル44およびガス供給路43による空腔の割合が過大となる。このため、炉口金物4の満足な機械的強度を得ることができない。
(3)ノズル44は、面40に対して上下方向に複数段設けられる。上記構成によれば、炉口地金S1と炉内地金S2との縁切りする領域を大きくすることができるため、より確実に縁切りをすることができる。
(4)本発明の実施形態に係る転炉の地金切り方法は、少なくとも転炉1の吹錬処理時において、転炉1の中心軸に対向する面に設けられた複数のノズル44から、ノズル44から中心軸に向かう方向に、転炉1の排ガス流量と炉口直径とから算出される転炉1の炉口での空塔速度以上の噴射速度で不活性ガスを噴出する。上記構成によれば、吹錬処理時において、上記(1)と同様な効果を得ることができる。
(5)転炉1の非吹錬時において、ノズル44から不活性ガスを噴出する。上記構成によれば、非吹錬処理時において、ノズル44の溶損等の損耗を防止することができる。
次に、本発明者らが行った実施例について説明する。実施例では、図1〜図6に示す上記実施形態に係る炉口金物4を用いた。炉口金物4の円周占有率Aは、0.26とした。ノズル44およびヘッダー管42には、以下の仕様のものを使用した。なお、以下のノズル44の仕様に示す最低ピッチは、隣接するノズル44同士の周方向における距離のうち、最も短い距離を示す。
[ノズルの仕様]
材質:FCD400
内径:φ5mm
スプレー角度:90°
最低ピッチ:48.2mm
[ヘッダー管の仕様]
材質:STS370
サイズ:100A×Sch160
長さ:2238mm(40°曲げ)
また、実施例では、ノズル44から噴射する不活性ガスとして窒素ガスを用い、噴射速度を転炉1の炉口における計算空塔速度と同じ17m/sとした。なお、窒素ガスの噴射速度17m/sは、一つの炉口金物部材4aから噴射される窒素ガスの標準状態におけるガス流量に換算すると24Nm/minとなる。この条件下において、ノズル44の出側における圧力は、炉内の設定空塔圧力と同じ10Paとなる。実施例では、上記の噴射条件において、転炉1での吹錬処理中は、不活性ガスGを常時噴射させた。
さらに、実施例における空塔速度から、吹錬処理時に生じる微粒地金の揚力を算出した。微粒地金の揚力Lは下記(2)式を用いて算出した。(2)式において、Lは揚力(N)、ρは排ガス密度(kg/m)、uはダスト速度(m/s)、Aは球投影面積となるダスト代表面積(m)、Cは球径ダストの抵抗係数をそれぞれ示す。なお、ダスト速度は、空塔速度と同じとして算出した。
Figure 2016108591
(2)式を用いて揚力Lを算出した結果、微粒地金の粒径を2mmとした場合、揚力L=4.0×10−3kgfとなった。これは、2mmの粒径の微粒地金の自重(0.3×10−3kgf)に対して過大な値であるため、ノズル44から空塔速度以上の噴射速度で不活性ガスGを噴射させることで、炉口へと飛散する地金を吹き飛ばすことができることが確認できた。
また、実施例に対する比較例として、通常の炉口金物を用いて吹錬処理を行い、実施例との一日当たりに掛かる地金除去の作業時間を比較した。比較例では、通常の炉口金物として、ガス供給配管41、ヘッダー管42、ガス供給路43およびノズル44の構成がない炉口金物を用いた。また、比較例において炉口地金を除去する際には、炉口地金と炉内地金とを溶断することで縁切りした後、スクラップシュートを用いて炉口地金を掻き取った。それ以外の条件については、実施例と同様とした。
実施例および比較例の結果、比較例では転炉一基の一日当たりの地金除去の作業時間が157分であったのに対して、実施例では123分となり、実施例の炉口金物および地金切り方法を用いることで、地金除去の作業時間を大幅に短縮できることを確認した。
1 :転炉
2 :炉体
3 :耐火物
4 :炉口金物
4a〜4h :炉口金物部材
40,40a :炉口内面
41,41a :ガス供給配管
42,42a :ヘッダー管
43,43a :ガス供給路
44,44a :ノズル
5 :底吹きノズル
6 :ランス
7 :スカート部
8 :フード

Claims (5)

  1. 転炉の中心軸に対向する面に複数のノズルを有し、
    前記ノズルから前記中心軸に向かう方向に、前記転炉の排ガス流量と炉口直径とから算出される前記転炉の炉口における空塔速度以上の噴射速度で前記ノズルから不活性ガスを噴出することを特徴とする転炉の炉口金物。
  2. 複数の前記ノズルは、下記(1)式で定義され、前記面の周方向の長さに対する前記ノズルの占有率を示す円周占有率Aが0.20以上0.90以下であることを特徴とする請求項1に記載の転炉の炉口金物。
    A=(N・d)/(π・E) ・・・(1)
    N:転炉の中心軸に対向する面の円周あたりに設けられるノズルの数(個)
    d:ノズルの直径(mm)
    π:円周率
    E:炉口の直径(mm)
  3. 前記ノズルは、前記面に対して上下方向に複数段設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の転炉の炉口金物。
  4. 少なくとも転炉の吹錬処理時において、転炉の中心軸に対向する面に設けられた複数のノズルから、前記ノズルから前記中心軸に向かう方向に、前記転炉の排ガス流量と炉口直径とから算出される前記転炉の炉口での空塔速度以上の噴射速度で不活性ガスを噴出することを特徴とする転炉の地金切り方法。
  5. 前記転炉の非吹錬処理時において、前記ノズルから前記不活性ガスを噴出することを特徴とする請求項4に記載の転炉の地金切り方法。
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