JP2016108213A - 接合したカーボンナノチューブアレイの製造方法及びカーボンナノチューブフィルムの製造方法 - Google Patents

接合したカーボンナノチューブアレイの製造方法及びカーボンナノチューブフィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、接合したカーボンナノチューブアレイの製造方法及びカーボンナノチューブフィルムの製造方法に関する。【解決手段】本発明の接合したカーボンナノチューブアレイの製造方法は、代替基板及び成長基板(表面に複数のカーボンナノチューブアレイを有する)を提供し、代替基板と複数のカーボンナノチューブアレイとの間に液相状態の媒体を設置し、代替基板と複数のカーボンナノチューブアレイとの間に設置された液相状態の媒体を固体の媒体に固化させ、複数のカーボンナノチューブアレイを成長基板から脱離させ、代替基板に転移し、温度を上昇させることによって、代替基板と複数のカーボンナノチューブアレイとの間に、液相状態の媒体を形成し、複数のカーボンナノチューブアレイの側面を相互に接触させ、分子間力によって、接合したカーボンナノチューブアレイを形成する。【選択図】図2

Description

本発明は、接合したカーボンナノチューブアレイの製造方法及びカーボンナノチューブフィルムの製造方法に関する。
カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube,CNT)は1991年に飯島によって発見され、21世紀において重要な新素材の1つであると期待されている。カーボンナノチューブは機械・電気・熱特性に優れていることから、エレクトロニクス、バイオテクノロジー、エネルギー、複合材料等、広範な分野での応用が期待されている。しかし、一本のカーボンナノチューブがナノスケールの大きさであるので利用し難い。一方、現在、複数のカーボンナノチューブを原材料として、大きな寸法の巨視的なカーボンナノチューブ構造体を形成することができる。巨視的なカーボンナノチューブ構造体は、例えば、複数のカーボンナノチューブからなるカーボンナノチューブフィルム、及び複数のカーボンナノチューブからなるカーボンナノチューブワイヤである。
特許文献1には、カーボンナノチューブアレイから直接にカーボンナノチューブフィルムが引き出されることが開示されている。該カーボンナノチューブフィルムは、分子間力で端と端とが接続された複数のカーボンナノチューブからなる自立構造体であり、優れた透明度及び巨視的な寸法を有する。カーボンナノチューブアレイから直接に引き出されるカーボンナノチューブフィルムは、複数のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って配列されているので、そのカーボンナノチューブの軸方向において優れた導電性及び熱伝導性を有し、広範な分野で応用できる。例えば、タッチパネル、液晶ディスプレイ、スピーカ、加熱装置、薄膜トランジスタ、発光ダイオードなどの分野が挙げられる。
しかし、カーボンナノチューブフィルムはカーボンナノチューブアレイから引き出される。従って、カーボンナノチューブフィルムの幅はカーボンナノチューブアレイのサイズに制限される。従来技術においては、CVD(化学気相堆積)方法によって、カーボンナノチューブアレイを成長基板に直接に成長させる。成長基板のサイズは製造工程に制限され、また、CVD反応炉のサイズに制限される。現在、カーボンナノチューブアレイを成長させる成長基板の直径は最大で8インチ(略203.2ミリメートル)であるため、さらに大きな幅を有するカーボンナノチューブフィルムを生産できない。
特許文献2には、カーボンナノチューブフィルムの製造方法が開示されている。特許文献2では、カーボンナノチューブアレイから引き出したカーボンナノチューブフィルムを更に引っ張って、カーボンナノチューブフィルムの幅を大きくして、幅が大きなカーボンナノチューブフィルムを得る。特許文献3には、カーボンナノチューブフィルムの製造方法が開示されている。特許文献3では、独立したカーボンナノチューブアレイから引き出したカーボンナノチューブフィルムの端部を、長手方向に相互に連接させて、長いカーボンナノチューブフィルムを得る。しかし、カーボンナノチューブアレイから引き出したカーボンナノチューブフィルムは、カーボンナノチューブが分子間力によって結合して形成された薄膜である。従って、カーボンナノチューブアレイから引き出したカーボンナノチューブフィルムを引っ張って、或いは連接させた場合、カーボンナノチューブフィルムが損傷し易いため、産業的応用に不利である。
中国特許出願公開第101458975号明細書 中国特許出願公開第101734644号明細書 中国特許出願公開第101676452号明細書 中国特許出願公開第101239712号明細書
従って、前記課題を解決するために、本発明は、コストが低く、生産プロセスが簡単である接合したカーボンナノチューブアレイの製造方法及びカーボンナノチューブフィルムの製造方法を提供する。
本発明の接合したカーボンナノチューブアレイの製造方法は、代替基板及び成長基板を提供し、成長基板の表面に複数のカーボンナノチューブアレイを有する第一ステップであって、複数のカーボンナノチューブアレイが成長基板と隣接する表面は第一表面であり、第一表面と対向する表面は第二表面である第一ステップと、代替基板を複数のカーボンナノチューブアレイの第二表面に設置し、代替基板と複数のカーボンナノチューブアレイの第二表面との間に液相状態の媒体を設置する第二ステップと、代替基板と複数のカーボンナノチューブアレイの第二表面との間に設置された液相状態の媒体を固体の媒体に固化させる第三ステップと、代替基板及び成長基板のうちの少なくとも一方を移動させて、代替基板と成長基板とを離し、複数のカーボンナノチューブアレイを成長基板から脱離させ、代替基板に転移する第四ステップと、温度を上昇させることによって、代替基板と複数のカーボンナノチューブアレイの第二表面との間に、液相状態の媒体を形成する第五ステップであって、複数のカーボンナノチューブアレイは代替基板の表面でスライドできる第五ステップと、複数のカーボンナノチューブアレイを代替基板の表面にスライドさせ、複数のカーボンナノチューブアレイの側面を相互に接触させ、分子間力によって、接合したカーボンナノチューブアレイを形成する第六ステップと、を含む。
本発明の接合したカーボンナノチューブフィルムの製造方法は、代替基板及び成長基板を提供し、成長基板の表面に複数のカーボンナノチューブアレイを有する第一ステップであって、複数のカーボンナノチューブアレイが成長基板と隣接する表面は第一表面であり、第一表面と対向する表面は第二表面である第一ステップと、代替基板を複数のカーボンナノチューブアレイの第二表面に設置し、代替基板と複数のカーボンナノチューブアレイの第二表面との間に液相状態の媒体を設置する第二ステップと、代替基板と複数のカーボンナノチューブアレイの第二表面との間に設置された液相状態の媒体を固体の媒体に固化させる第三ステップと、代替基板及び成長基板のうちの少なくとも一方を移動させて、代替基板と成長基板とを離し、複数のカーボンナノチューブアレイを成長基板から脱離させ、代替基板に転移する第四ステップと、温度を上昇させることによって、代替基板と複数のカーボンナノチューブアレイの第二表面との間に、液相状態の媒体を形成する第五ステップであって、複数のカーボンナノチューブアレイは代替基板の表面にスライドできる第五ステップと、複数のカーボンナノチューブアレイを代替基板の表面にスライドさせ、複数のカーボンナノチューブアレイの側面を相互に接触させ、分子間力によって、接合したカーボンナノチューブアレイを形成する第六ステップと、代替基板と接合したカーボンナノチューブアレイとの間の液相状態の媒体を除去する第七ステップと、接合したカーボンナノチューブアレイからカーボンナノチューブフィルムを引き出す第八ステップと、を含む。
従来の技術と比べて、本発明の接合したカーボンナノチューブアレイの製造方法及びカーボンナノチューブフィルムの製造方法は以下の有利な効果を有する。カーボンナノチューブアレイからカーボンナノチューブフィルムを引き出すこと保証する前提下で、複数のカーボンナノチューブアレイを相互に接合して、大面積を有する接合したカーボンナノチューブアレイを形成し、接合したカーボンナノチューブアレイからカーボンナノチューブフィルムを引き出す。これにより、幅が大きい或いは長いカーボンナノチューブフィルムを得ることができ、また、カーボンナノチューブアレイから引き出したカーボンナノチューブフィルムを直接に処理せず、カーボンナノチューブフィルムに対する損傷を防止できる。
本発明の実施形態1に係る接合したカーボンナノチューブアレイの製造方法を示す平面図である。 本発明の実施形態1に係る接合したカーボンナノチューブアレイの製造方法を示す側面図である。 本発明の実施形態1に係るカーボンナノチューブアレイから引き出されたカーボンナノチューブフィルムの走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施形態1に係るカーボンナノチューブアレイから引き出されたカーボンナノチューブフィルムの構造を示す斜視図である。 本発明の一つの例に係る代替基板と複数のカーボンナノチューブアレイの間に固体の媒体を形成する方法を示す側面図である。 本発明のもう一つ例に係る代替基板と複数のカーボンナノチューブアレイの間に固体の媒体を形成する方法を示す側面図である。 本発明の実施形態1に係る代替基板に二つのカーボンナノチューブアレイが接合して、接合されたカーボンナノチューブアレイの構造を示す側面図である。 本発明の実施形態4に係るカーボンナノチューブフィルムの製造方法を示す平面図である。 本発明の実施形態4に係るカーボンナノチューブフィルムの製造方法を示す側面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(実施形態1)
図1及び図2を参照すると、実施形態1は、接合したカーボンナノチューブアレイ80の製造方法を提供する。本実施形態1の接合したカーボンナノチューブアレイ80の製造方法は、代替基板30及び成長基板20を提供し、成長基板20の表面には複数のカーボンナノチューブアレイ10を有するステップであって、複数のカーボンナノチューブアレイ10が成長基板20と隣接する表面は第一表面102であり、第一表面102と対向する表面は第二表面104であり、カーボンナノチューブアレイ10の形態はカーボンナノチューブフィルム40をカーボンナノチューブアレイ10から連続的に引き出すことを保証できるステップ(S1)と、代替基板30を複数のカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104に設置し、代替基板30と複数のカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104との間に液相状態の媒体60を設置するステップ(S2)と、代替基板30と複数のカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104との間に設置された液相状態の媒体60を固体の媒体60’に固化させるステップ(S3)と、代替基板30及び成長基板20のうちの少なくとも一方を移動させて、代替基板30と成長基板20とを離れさせ、複数のカーボンナノチューブアレイ10を成長基板20から脱離させ、代替基板30に転移するステップ(S4)と、温度を上昇させることによって、代替基板30と複数のカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104との間に、液相状態の媒体60を形成するステップであって、複数のカーボンナノチューブアレイ10を代替基板30の表面でスライドできるステップ(S5)と、複数のカーボンナノチューブアレイ10を代替基板30の表面でスライドさせ、複数のカーボンナノチューブアレイ10の側面106(図7を参照)を相互に接触させ、分子間力によって接合したカーボンナノチューブアレイ80を形成するステップであって、接合したカーボンナノチューブアレイ80の形態は、カーボンナノチューブフィルム40を、接合したカーボンナノチューブアレイ80から連続的に引き出すことを保証できるステップ(S6)と、を含む。
カーボンナノチューブフィルム40は、端と端とが接続された複数のカーボンナノチューブを含み、複数のカーボンナノチューブが分子間力で相互に結合され、且つ端と端とが接続されて形成された巨視的な構造体である。好ましくは、カーボンナノチューブフィルム40は、端と端とが接続された複数のカーボンナノチューブのみからなる。
カーボンナノチューブアレイ10は、CVD法によって成長基板20の表面に成長させる。カーボンナノチューブアレイ10におけるカーボンナノチューブは相互に基本的に平行であり、且つ成長基板20の表面と垂直である。隣接するカーボンナノチューブは相互に接触して、且つ分子間力で結合される。カーボンナノチューブアレイ10は、第一表面102及び第一表面102と対向する第二表面104を含む。カーボンナノチューブは成長基板20の表面に成長し、カーボンナノチューブアレイ10を形成する。カーボンナノチューブが成長基板20と隣接する一端をカーボンナノチューブの下端と定義し、下端と対向する端部をカーボンナノチューブの上端と定義する。成長基板20において、第一表面102はカーボンナノチューブアレイ10におけるカーボンナノチューブの下端に形成され、第二表面104はカーボンナノチューブアレイ10におけるカーボンナノチューブの上端に形成される。カーボンナノチューブアレイ10の第一表面102は、成長基板20の表面に近接する、或いは成長基板20の表面に設置される。第一表面102は、カーボンナノチューブアレイ10における各カーボンナノチューブの成長下端である。第二表面104は成長基板20の表面から離れ、カーボンナノチューブアレイ10の成長上端である。
成長条件を制御することによって、カーボンナノチューブアレイ10は基本的に不純物を含まない。不純物は、例えば、アモルファスカーボン或いは残留した触媒の金属粒である。カーボンナノチューブアレイ10は基本的に不純物を含まず、また、カーボンナノチューブが相互に緊密に接触し、且つ隣接するカーボンナノチューブの間に、大きな分子間力を有するので、一部のカーボンナノチューブ(カーボンナノチューブセグメント)を引き出す際、該一部のカーボンナノチューブと隣接するカーボンナノチューブが分子間力の作用によって端と端とが接続されて、連続的に引き出すことができ、自立構造体(例えば、カーボンナノチューブフィルム)を形成する。カーボンナノチューブが端と端とで接続されて引き出される前記カーボンナノチューブアレイ10は、超配列カーボンナノチューブアレイである。超配列カーボンナノチューブアレイについては特許文献1に掲載されている。
成長基板20は、超配列カーボンナノチューブアレイの成長に適した基板であり、その材料は、例えば、p型シリコン、n型シリコン、或いは酸化シリコンである。
カーボンナノチューブアレイ10から引き出されるカーボンナノチューブフィルム40は、端と端とが接続された複数のカーボンナノチューブを含む。該カーボンナノチューブフィルムは自立構造体であり、基本的に同じ方向に沿って配列された複数のカーボンナノチューブを含む。図3及び図4を参照すると、カーボンナノチューブフィルムにおける複数のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って配列されている。複数のカーボンナノチューブの延伸する方向は、カーボンナノチューブフィルムの表面と基本的に平行である。また、複数のカーボンナノチューブは分子間力で接続されている。具体的には、複数のカーボンナノチューブにおける各カーボンナノチューブは、延伸する方向における隣接するカーボンナノチューブと、分子間力で端と端とが接続されているので、カーボンナノチューブフィルムは自立構造を実現できる。更に、カーボンナノチューブフィルムは、複数のカーボンナノチューブセグメントを含むことができる。複数のカーボンナノチューブセグメントは、長軸方向に沿って、分子間力で端と端とが接続されている。各カーボンナノチューブセグメントは、相互に平行に、分子間力で結合された複数のカーボンナノチューブを含む。単一のカーボンナノチューブセグメントにおいて、複数のカーボンナノチューブの長さは同じである。
また、カーボンナノチューブフィルムは、少数のランダムなカーボンナノチューブを含む。しかし、大部分のカーボンナノチューブは同じ方向に沿って配列されているので、このランダムなカーボンナノチューブの延伸方向は、大部分のカーボンナノチューブの延伸方向には影響しない。具体的には、カーボンナノチューブフィルムにおける多数のカーボンナノチューブは、絶対的に直線状ではなくやや湾曲している。または、延伸する方向に完全に配列せず、少しずれている場合もある。従って、同じ方向に沿って配列されている多数のカーボンナノチューブの中において、隣同士のカーボンナノチューブが部分的に接触する可能性がある。実際に、カーボンナノチューブフィルムは複数の空隙を有する。即ち、隣接するカーボンナノチューブの間に空隙を有する。これにより、カーボンナノチューブフィルムは優れた透明度を有する。また、隣接するカーボンナノチューブの接触する部分の分子間力及び端と端とが接続された部分の分子間力によりカーボンナノチューブフィルムの自立構造を維持できる。カーボンナノチューブフィルムの厚さは0.5nm〜100μmであり、好ましくは、0.5nm〜10μmである。
ここで自立構造体とは、支持体材を利用せず、カーボンナノチューブフィルムを独立して利用することができる形態のことである。即ち、カーボンナノチューブフィルムを対向する両側から支持して、カーボンナノチューブフィルムの構造を変化させずに、カーボンナノチューブフィルムを懸架できることを意味する。カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが、分子間力で接続されているので、自立構造体を実現することができる。
カーボンナノチューブアレイ10からカーボンナノチューブフィルムを引き出す方法は、特許文献4に掲載されている。
代替基板30は固体の基板であり、軟質基板或いは硬質基板である。その材料は、金属、ガラス、石英、シリコン、シリカ、プラスチック、樹脂の何れか一種である。または、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)或いはポリジメチルシロキサン(PDMS)である。代替基板30は、カーボンナノチューブアレイ10が設置される表面を有する。好ましくは、カーボンナノチューブアレイ10が設置される代替基板30の表面は平滑な表面である。カーボンナノチューブアレイ10を成長基板20から代替基板30に転移する際、カーボンナノチューブアレイ10を代替基板30の表面に逆さに設置する。また、カーボンナノチューブアレイ10を成長基板20から代替基板30に転移する工程において、カーボンナノチューブアレイ10の形態を基本的に維持し、カーボンナノチューブフィルム40をカーボンナノチューブアレイ10から連続的に引き出すことを保証できる。即ち、カーボンナノチューブアレイ10は超配列カーボンナノチューブアレイの形態を維持する。
ステップ(S2)において、複数のカーボンナノチューブアレイ10を代替基板30の一つの表面に設置する。複数のカーボンナノチューブアレイ10は間隔をあけて設置される。複数のカーボンナノチューブアレイ10の間には特定の間隙が形成されている。液相状態の媒体60を細かい液滴或いは液膜の形態でカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104に設置する。液相状態の媒体60は水或いは低分子量有機溶剤である。低分子量有機溶剤はエチルアルコール、アセトン、メチルアルコールの何れか一種である。液相状態の媒体60がカーボンナノチューブアレイ10に浸透して、カーボンナノチューブアレイ10の形態に影響を与えることを防止するために、液相状態の媒体60の量は少ない。液相状態の媒体60は、好ましくは、カーボンナノチューブを濡らさない液体であり、例えば、水である。カーボンナノチューブアレイ10の第二表面104における液相状態の媒体60は複数の液滴からなる、或いは液膜からなる。この液滴の直径及び液膜の厚さはそれぞれ10nm〜300nmである。複数のカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104及び代替基板30は、液相状態の媒体60と接触する。
また、ステップ(S2)において、カーボンナノチューブアレイ10の形態を基本的に維持し、カーボンナノチューブフィルム40をカーボンナノチューブアレイ10から連続的に引き出すことを保証する。代替基板30はできるだけカーボンナノチューブアレイ10に圧力(f)を印加しない。代替基板30がカーボンナノチューブアレイ10に圧力を印加する際、印加される圧力は小さい。この圧力の大小は、カーボンナノチューブアレイ10の形態を維持でき、カーボンナノチューブフィルム40をカーボンナノチューブアレイ10から連続的に引き出させるように選択される。好ましくは、圧力は0<f<2N/cmである。カーボンナノチューブアレイ10に圧力を印加する際、カーボンナノチューブアレイ10におけるカーボンナノチューブは基本的に成長基板20の表面に垂直である。成長基板20及び代替基板30がカーボンナノチューブアレイ10に圧力を印加することを防止するために、成長基板20と代替基板30との間にスペーサ装置(図示せず)を設置しても良い。このスペーサ装置によって、代替基板30と成長基板20の間に特定の空間が形成される。また、スペーサ装置の高さを制御することによって、代替基板30と成長基板20との間の精確な距離を制御することができる。スペーサ装置の高さをhと定義し、カーボンナノチューブアレイ10の高さをhと定義する。hはhと同じ高さである。
ステップ(S2)は、カーボンナノチューブアレイ10の第二表面104に層状の液相状態の媒体60を形成するステップ(S21)と、液相状態の媒体60が形成されたカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104を、代替基板30の表面と接触させるステップ(S22)と、含む。ステップ(S21)において、液相状態の媒体60を液滴に形成する、或いは液相状態の媒体60を霧化して、カーボンナノチューブアレイ10の第二表面104にスプレーする。
もう一つの例において、ステップ(S2)は、代替基板30の表面に層状の液相状態の媒体60を形成するステップ(S21)と、液相状態の媒体60が形成された代替基板30の表面を、カーボンナノチューブアレイ10の第二表面104と接触させるステップ(S22)と、含む。ステップ(S21)において、液相状態の媒体60を液滴に形成する、或いは液相状態の媒体60を霧化して、代替基板30の表面にスプレーする。
ステップ(S3)において、代替基板30とカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104との間に設置された液相状態の媒体60を固体の媒体60’に固化させる。具体的には、温度を液相状態の媒体60の凝固点以下に低下させる。代替基板30及びカーボンナノチューブアレイ10が液相状態の媒体60と接触するので、液相状態の媒体60を固化した後、代替基板30及びカーボンナノチューブアレイ10は緊密に結合される。代替基板30をカーボンナノチューブアレイ10と更に緊密に結合させるために、代替基板30の材料は、液相状態の媒体60を濡らす材料であることが好ましい。
図5を参照すると、一つの例において、代替基板30、液相状態の媒体60、複数のカーボンナノチューブアレイ10及び成長基板20からなる積層構造体の温度を低温箱70の中で凝固点以下に低下させる。該低温箱70は冷蔵庫の冷凍室である。
図6を参照すると、もう一つの例において、ステップ(S2)によって、液相状態の媒体60を固体の媒体60’に変化させることができる。液相状態の媒体60をカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104に設置する際、まず、代替基板30の温度を凝固点以下に低下させる。次に、温度を凝固点以下に低下させた代替基板30を、液相状態の媒体60を有するカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104と接触させる。具体的には、低温箱70の温度を凝固点以下に低下させて、代替基板30を低温箱70に特定の時間置いた後取り出す。代替基板30の温度は、カーボンナノチューブアレイ10の第二表面104における液相状態の媒体60を固体の媒体60’に変化させることができる。これにより、前記ステップ(S3)において、代替基板30、液相状態の媒体60、カーボンナノチューブアレイ10及び成長基板20からなる積層構造体を低温箱70に入れる必要はなくなる。
ステップ(S4)において、カーボンナノチューブアレイ10は代替基板30と結合した後、成長基板20から分離する。好ましくは、カーボンナノチューブアレイ10における全てのカーボンナノチューブを同時に成長基板20から脱離させる。即ち、代替基板30及び成長基板20のうちの少なくとも一方の移動方向は、成長基板20のカーボンナノチューブが成長する表面に垂直であり、カーボンナノチューブアレイ10におけるカーボンナノチューブを、カーボンナノチューブの成長方向に沿って成長基板20から脱離させる。代替基板30及び成長基板20が共に移動する際、両者の移動方向は、成長基板20のカーボンナノチューブが成長する表面に垂直である。
ステップ(S5)において、温度を上昇させることによって、代替基板30と複数のカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104との間における固体の媒体60’を液相状態の媒体60に溶解させる。これにより、複数のカーボンナノチューブアレイ10と代替基板30との間における結合力及び摩擦力が減少するので、複数のカーボンナノチューブアレイ10を代替基板30の表面でスライドさせることができる。
図7を参照すると、ステップ(S6)において、カーボンナノチューブアレイ10の側面106に垂直な方向に沿って、少なくとも一つのカーボンナノチューブアレイ10に力を印加し、少なくとも一つのカーボンナノチューブアレイ10を代替基板30の表面に移動させ、複数のカーボンナノチューブアレイ10の側面106(ここで、カーボンナノチューブアレイ10の側面106は、カーボンナノチューブアレイ10が代替基板30に対して垂直になる側面である)を相互に接触させる。即ち、隣接するカーボンナノチューブアレイ10の側面106におけるカーボンナノチューブを直接に接触させる。これにより、複数のカーボンナノチューブアレイ10は接合されて面積が増大し、接合したカーボンナノチューブアレイ80が形成される。隣接するカーボンナノチューブアレイ10の側面106におけるカーボンナノチューブが十分に緊密に接触する際、隣接するカーボンナノチューブアレイ10の側面106におけるカーボンナノチューブの間に十分な分子間力が発生し、該発生した分子間力は、カーボンナノチューブアレイ10の内部におけるカーボンナノチューブ同士の間の分子間力と基本的に同じである。これにより、複数のカーボンナノチューブアレイ10を一体構造体に形成でき、接合したカーボンナノチューブアレイ80が形成される。接合したカーボンナノチューブアレイ80の面積は複数のカーボンナノチューブアレイ10の面積の総和と基本的に同じである。複数のカーボンナノチューブアレイ10の側面106を相互に接触させることによって、面積が大きい接合したカーボンナノチューブアレイ80を獲得する。接合したカーボンナノチューブアレイ80は少なくとも一つの方向における寸法を増大する。本実施形態において、接合したカーボンナノチューブアレイ80は第一方向(X)における寸法を増大する。
代替基板30の表面における複数のカーボンナノチューブアレイ10の側面106を相互に接触させて、接触面積を大きくするために、複数のカーボンナノチューブアレイ10の各側面106の内、隣接する2つの側面106の形状は対応するのが好ましい。複数のカーボンナノチューブアレイ10の側面106の相互に接触する面積が大きくなるほど、複数のカーボンナノチューブアレイ10の側面106の間の分子間力も大きくなる。好ましくは、複数のカーボンナノチューブアレイ10は矩形アレイである。また、複数のカーボンナノチューブアレイ10の側面106が相互に接触する際、複数のカーボンナノチューブアレイ10に力を印加するのが好ましい。これにより、複数のカーボンナノチューブアレイ10は緊密に結合できる。複数のカーボンナノチューブアレイ10に印加する力は、カーボンナノチューブアレイ10の形態を変化させないように選択される。複数のカーボンナノチューブアレイ10に印加する力は、カーボンナノチューブフィルム40をカーボンナノチューブアレイ10から連続的に引き出すことを保証できるように選択される。
ステップ(S6)の後、代替基板30と接合したカーボンナノチューブアレイ80との間の液相状態の媒体60を除去するステップ(S7)を設けてもよい。具体的には、液相状態の媒体60を乾燥或いは加熱して、液相状態の媒体60を揮発或いは蒸発させ、液相状態の媒体60を除去する。液相状態の媒体60を除去する工程は、接合したカーボンナノチューブアレイ80の形態に影響を与えない。液相状態の媒体60の厚さは薄いので、液相状態の媒体60を除去した後、接合したカーボンナノチューブアレイ80は代替基板30の表面と接触でき、且つ分子間力で結合する。
カーボンナノチューブフィルム40を接合したカーボンナノチューブアレイ80から連続的に引き出すことを保証できるようにするために、ステップ(S1)からステップ(S7)まで、カーボンナノチューブアレイ10及び接合したカーボンナノチューブアレイ80の形態を基本的に維持する必要がある。
(実施形態2)
実施形態2は、接合したカーボンナノチューブアレイ80の製造方法を提供する。本実施形態2の接合したカーボンナノチューブアレイ80の製造方法は、代替基板30及び成長基板20を提供し、成長基板20の表面に複数のカーボンナノチューブアレイ10を有するステップであって、複数のカーボンナノチューブアレイ10が成長基板20と隣接する表面は第一表面102であり、第一表面102と対向する表面は第二表面104であり、カーボンナノチューブアレイ10の形態は、カーボンナノチューブフィルム40をカーボンナノチューブアレイ10から連続的に引き出すことを保証できるステップ(S1)と、代替基板30を複数のカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104に設置し、代替基板30と複数のカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104との間に液相状態の媒体60を設置するステップ(S2)と、代替基板30と複数のカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104との間に設置された液相状態の媒体60を固体の媒体60’に固化させるステップ(S3)と、代替基板30及び成長基板20のうちの少なくとも一方を移動させて、代替基板30と成長基板20とを離して、複数のカーボンナノチューブアレイ10を成長基板20から脱離させ、代替基板30に転移するステップ(S4)と、温度を上昇させることによって、代替基板30と複数のカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104との間に、液相状態の媒体60を形成するステップであって、複数のカーボンナノチューブアレイ10が代替基板30の表面をスライドできるステップ(S5)と、複数のカーボンナノチューブアレイ10を代替基板30の表面でスライドさせ、複数のカーボンナノチューブアレイ10の側面106を相互に接触させ、分子間力によって接合したカーボンナノチューブアレイ80を形成するステップであって、接合したカーボンナノチューブアレイ80の形態はカーボンナノチューブフィルム40を接合したカーボンナノチューブアレイ80から連続的に引き出すことを保証できるステップ(S6)と、を含む。
本実施形態2の接合したカーボンナノチューブアレイ80の製造方法は、実施形態1の接合したカーボンナノチューブアレイ80の製造方法と基本的に同じであるが、異なる点は以下の点である。代替基板30の材料は氷であり、ステップ(S3)において、液相状態の媒体60を固体の媒体60’に固化させる際、氷基板によって、液相状態の媒体60を冷却させ、液相状態の媒体60を固体の媒体60’に固化させる。該氷基板は水或いは溶液を冷却することによって得る。氷基板はスライドする表面を有し、カーボンナノチューブアレイ10を設置することに用いる。
(実施形態3)
実施形態3は接合したカーボンナノチューブアレイ80の製造方法を提供する。本実施形態3の接合したカーボンナノチューブアレイ80の製造方法は、代替基板30及び成長基板20を提供し、成長基板20の表面に複数のカーボンナノチューブアレイ10を有するステップであって、複数のカーボンナノチューブアレイ10が成長基板20と隣接する表面は第一表面102であり、第一表面102と対向する表面は第二表面104であり、カーボンナノチューブアレイ10の形態はカーボンナノチューブフィルム40をカーボンナノチューブアレイ10から連続的に引き出すことを保証できるステップ(S1)と、代替基板30を複数のカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104に設置し、代替基板30と複数のカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104との間に液相状態の媒体60を設置するステップ(S2)と、代替基板30と複数のカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104との間に設置された液相状態の媒体60を固体の媒体60’に固化させるステップ(S3)と、代替基板30及び成長基板20のうちの少なくとも一方を移動させて、代替基板30と成長基板20とを離れさせ、複数のカーボンナノチューブアレイ10を成長基板20から脱離させ、代替基板30に転移するステップ(S4)と、温度を上昇させることによって、代替基板30と複数のカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104との間に、液相状態の媒体60を形成するステップであって、複数のカーボンナノチューブアレイ10を代替基板30の表面をスライドできるステップ(S5)と、複数のカーボンナノチューブアレイ10を代替基板30の表面にスライドさせ、複数のカーボンナノチューブアレイ10の側面106を相互に接触させ、分子間力によって、接合したカーボンナノチューブアレイ80を形成するステップであって、接合したカーボンナノチューブアレイ80の形態はカーボンナノチューブフィルム40を接合したカーボンナノチューブアレイ80から連続的に引き出すことを保証できるステップ(S6)と、を含む。
本実施形態3の接合したカーボンナノチューブアレイ80の製造方法は、実施形態1の接合したカーボンナノチューブアレイ80の製造方法と基本的に同じであるが、異なる点は以下の点である。本実施形態3の液相状態の媒体60は、ポリビニルアルコール(PVA)を溶剤に溶解して形成した濃度が低い溶液である。カーボンナノチューブフィルム40を接合したカーボンナノチューブアレイ80から連続的に引き出すことに影響を与えないために、形成した液相状態の媒体60におけるポリビニルアルコール(PVA)の含有量は少ない。即ち、液相状態の媒体60がカーボンナノチューブアレイ10に浸透して、カーボンナノチューブアレイ10の形態に影響を与えることを防止するために、ポリビニルアルコール(PVA)の含有量は少ない。好ましくは、形成した液相状態の媒体60において、ポリビニルアルコールの質量百分率は0.1%〜2%である。液相状態の媒体60において、液体の溶剤が水或いは有機溶剤である場合、液体の溶剤を固体に固化する工程において、代替基板30及びカーボンナノチューブアレイ10の間に十分な結合力をもたせ、カーボンナノチューブアレイ10を成長基板20と分離させる。カーボンナノチューブアレイ10が成長基板20と分離した後、代替基板30及びカーボンナノチューブアレイ10の間における固体を除去する際、代替基板30とカーボンナノチューブアレイ10とが直接に接触するため、代替基板30及びカーボンナノチューブアレイ10の間における結合力は弱くなる可能性がある。従って、溶剤に微量のポリビニルアルコールを溶解することによって、代替基板30及びカーボンナノチューブアレイ10の間における結合力を高める。代替基板30及びカーボンナノチューブアレイ10の間における結合力が非常に大きくなって、カーボンナノチューブフィルム40を、接合したカーボンナノチューブアレイ80から連続的に引き出せないことを防止するために、ポリビニルアルコール溶液の濃度(質量百分率)は2%以下であることが好ましい。
本実施形態におけるステップ(S7)において、ポリビニルアルコール溶液における溶剤を除去すると、ポリビニルアルコールは、代替基板30と接合したカーボンナノチューブアレイ80との間に残る。ポリビニルアルコールの含有量は少ないので、代替基板30及びカーボンナノチューブアレイ10の間における結合力を高め、代替基板30はカーボンナノチューブアレイ10と分子間力によって結合する。これにより、代替基板30及びカーボンナノチューブアレイ10の間における結合力は高まる。代替基板30及びカーボンナノチューブアレイ10の間における結合力を高めても、後のカーボンナノチューブフィルム40を引き出す工程において、カーボンナノチューブアレイ10が代替基板30の表面に脱離でき、カーボンナノチューブフィルム40を引き出す工程に影響を与えないことが好ましい。
(実施形態4)
図8及び図9を参照すると、実施形態4は、カーボンナノチューブフィルム40の製造方法を提供する。本実施形態4のカーボンナノチューブフィルム40の製造方法は、代替基板30及び成長基板20を提供し、成長基板20の表面に複数のカーボンナノチューブアレイ10を有するステップであって、複数のカーボンナノチューブアレイ10が成長基板20と隣接する表面は第一表面102であり、第一表面102と対向する表面は第二表面104であり、カーボンナノチューブアレイ10の形態はカーボンナノチューブフィルム40をカーボンナノチューブアレイ10から連続的に引き出すことを保証できるステップ(S1)と、代替基板30を複数のカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104に設置し、代替基板30と複数のカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104との間に液相状態の媒体60を設置するステップ(S2)と、代替基板30と複数のカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104との間に設置された液相状態の媒体60を固体の媒体60’に固化させるステップ(S3)と、代替基板30及び成長基板20のうちの少なくとも一方を移動させて、代替基板30と成長基板20とを離れさせ、複数のカーボンナノチューブアレイ10を成長基板20から脱離させ、代替基板30に転移するステップ(S4)と、温度を上昇させることによって、代替基板30と複数のカーボンナノチューブアレイ10の第二表面104との間に、液相状態の媒体60を形成するステップであって、複数のカーボンナノチューブアレイ10が代替基板30の表面をスライドできるステップ(S5)と、複数のカーボンナノチューブアレイ10を代替基板30の表面にスライドさせ、複数のカーボンナノチューブアレイ10の側面を相互に接触させ、分子間力によって、接合したカーボンナノチューブアレイ80を形成するステップであって、接合したカーボンナノチューブアレイ80の形態は、カーボンナノチューブフィルム40を接合したカーボンナノチューブアレイ80から連続的に引き出すことを保証できるステップ(S6)と、代替基板30と接合したカーボンナノチューブアレイ80との間の液相状態の媒体60を除去するステップ(S7)と、接合したカーボンナノチューブアレイ80からカーボンナノチューブフィルム40を引き出すステップ(S8)と、を含む。
本実施形態4のカーボンナノチューブフィルムの製造方法は、基本的に、実施形態1の接合したカーボンナノチューブアレイ80の製造方法と基本的に同じステップを含み、更に、接合したカーボンナノチューブアレイ80からカーボンナノチューブフィルム40を引き出すステップ(S8)を含む。
ステップ(S8)が従来のカーボンナノチューブアレイからカーボンナノチューブフィルムを引き出すステップと異なる点は以下のとおりである。カーボンナノチューブフィルム40が代替基板30に転移した複数のカーボンナノチューブアレイ10が接触して形成された、接合したカーボンナノチューブアレイ80から引き出されたものであり、成長基板20に成長したカーボンナノチューブアレイ10から直接に引き出されたものではない点である。好ましくは、カーボンナノチューブフィルム40は、代替基板30の表面に逆さに設置された、接合したカーボンナノチューブアレイ80から引き出される。即ち、カーボンナノチューブアレイ10の成長下部からカーボンナノチューブフィルム40を引き出す。
ステップ(S8)において、任意の方向に沿って、接合したカーボンナノチューブアレイ80からカーボンナノチューブフィルム40を引き出すことができる。カーボンナノチューブアレイ10からカーボンナノチューブフィルム40を直接に引き出すことに比べ、第一方向(X)に垂直である第二方向(Y)に沿って、接合したカーボンナノチューブアレイ80からカーボンナノチューブフィルム40を引き出す方が、引き出したカーボンナノチューブフィルム40の幅は大きい。また、第一方向(X)に沿って、接合したカーボンナノチューブアレイ80からカーボンナノチューブフィルム40を引き出す際、引き出したカーボンナノチューブフィルム40の長さは長い。これにより、接合したカーボンナノチューブアレイ80から引き出すカーボンナノチューブフィルム40の寸法は大きくなる。複数のカーボンナノチューブアレイ10が接合する際、緊密に接触するので、隣接するカーボンナノチューブアレイ10の間は十分な分子間力を有し、接合したカーボンナノチューブアレイ80は一体になる。これにより、接合したカーボンナノチューブアレイ80から一体化されたカーボンナノチューブフィルム40を引き出すことができ、引き出したカーボンナノチューブフィルム40はそれぞれ独立したカーボンナノチューブフィルムからなるものではない。複数のカーボンナノチューブアレイ10を接合する工程は、複数のカーボンナノチューブアレイ10の形態に影響を与えないので、接合したカーボンナノチューブアレイ80からカーボンナノチューブフィルム40を引き出すことができる。
ステップ(S8)は、引き工具50によって、代替基板30の表面に設置されて接合したカーボンナノチューブアレイ80における一部のカーボンナノチューブセグメントを選択するステップ(S81)と、引き工具50を移動させることによって、第二方向(Y)に沿って、特定の速度で選択したカーボンナノチューブセグメントを引き、端と端とが接続された複数のカーボンナノチューブセグメントを引き出し、連続したカーボンナノチューブフィルム40を形成するステップ(S82)と、を含む。
ステップ(S81)において、特定の幅を有する接着テープ或いは接着を有するシートを採用し、接合したカーボンナノチューブアレイ80と接触させて、特定の幅を有するカーボンナノチューブセグメントを選択する。第一方向(X)に複数のカーボンナノチューブアレイ10が接触するので、第一方向(X)における接合したカーボンナノチューブアレイ80の幅は大きくなり、幅が大きいカーボンナノチューブセグメントを選択できる。ステップ(S82)において、選択したカーボンナノチューブセグメントを引き出す方向は、接合したカーボンナノチューブアレイ80におけるカーボンナノチューブの成長方向と角度αを成す。角度αは0°〜90°(0°は含まず)であり、好ましくは、30°〜90°である。
ステップ(S4)はステップ(S8)と異なる。ステップ(S4)においては、カーボンナノチューブアレイ10の全体を成長基板20から脱離させ、カーボンナノチューブアレイ10が成長基板20から脱離した後、カーボンナノチューブアレイ10の形態を維持できることを目指す。ステップ(S8)においては、接合したカーボンナノチューブアレイ80からカーボンナノチューブフィルム40を引き出すことを目指す。従って、接合したカーボンナノチューブアレイ80全体が代替基板30から一度に脱離せず、一部のカーボンナノチューブ、例えば、カーボンナノチューブセグメントを代替基板30から脱離させ、引き出したカーボンナノチューブセグメントが隣接するカーボンナノチューブセグメントを動かし、隣接するカーボンナノチューブセグメントの端と端とが接続されて引き出されて、次々に代替基板30から脱離する。
本発明の接合したカーボンナノチューブアレイ80の製造方法及びカーボンナノチューブフィルム40の製造方法は以下の有利な効果を有する。第一に、液相状態の媒体60をスプレーし及び冷凍する簡単な工程によって、カーボンナノチューブアレイ10を代替基板30と固く結合させる。この際、代替基板30の材料は制限されず、また、固体の媒体60’を除去した後、カーボンナノチューブアレイ10からカーボンナノチューブフィルム40を引き出すことができる。これにより、カーボンナノチューブアレイ10を成長させる工程及びカーボンナノチューブアレイ10からカーボンナノチューブフィルム40を引き出す工程において、カーボンナノチューブアレイ10を成長基板20から異なる基板に設置して、カーボンナノチューブアレイ10からカーボンナノチューブフィルム40を引き出す工程において、カーボンナノチューブアレイ10が設置される基板をコストが低い材料から形成することができ、カーボンナノチューブアレイの生産者はカーボンナノチューブアレイ10を代替基板30に転移でき、カーボンナノチューブアレイ10と代替基板30とを共にユーザーを提供でき、コストが高い成長基板20は迅速に回収でき、生産プロセスを簡単にする。よって、本発明の接合したカーボンナノチューブアレイ80の製造方法及びカーボンナノチューブフィルム40の製造方法は、カーボンナノチューブフィルム40に対しての産業的応用に有利であり、生産コストが低い。第二に、カーボンナノチューブアレイ10を代替基板30に移転して、且つカーボンナノチューブアレイ10の形態はカーボンナノチューブフィルム40をカーボンナノチューブアレイ10から連続的に引き出すことを保証できる形態である。幅が広いカーボンナノチューブフィルム40或いは長さが長いカーボンナノチューブフィルム40を製造しようとする際、複数の代替基板30における複数のカーボンナノチューブアレイ10を相互に接触させることによって、接合したカーボンナノチューブアレイ80を形成し、形成した接合されたカーボンナノチューブアレイ80は幅が広く、或いは長さが長いカーボンナノチューブフィルム40を引き出すことできる。これにより、厚さが薄いカーボンナノチューブフィルムを直接に引き伸ばすことで、カーボンナノチューブフィルムが損傷するのを防止することができる。
10 カーボンナノチューブアレイ
102 第一表面
104 第二表面
106 側面
20 成長基板
30 代替基板
302 代替基板の表面
40 カーボンナノチューブフィルム
50 引き工具
60 液相状態の媒体
60’ 固体の媒体
70 低温箱
80 接合したカーボンナノチューブアレイ

Claims (2)

  1. 代替基板及び成長基板を提供し、前記成長基板の表面に複数のカーボンナノチューブアレイを有する第一ステップであって、前記複数のカーボンナノチューブアレイが前記成長基板と隣接する表面は第一表面であり、前記第一表面と対向する表面は第二表面である第一ステップと、
    前記代替基板を前記複数のカーボンナノチューブアレイの前記第二表面に設置し、前記代替基板と前記複数のカーボンナノチューブアレイの前記第二表面との間に液相状態の媒体を設置する第二ステップと、
    前記代替基板と前記複数のカーボンナノチューブアレイの前記第二表面との間に設置された前記液相状態の媒体を固体の媒体に固化させる第三ステップと、
    前記代替基板及び前記成長基板のうちの少なくとも一方を移動させて、前記代替基板と前記成長基板とを離し、前記複数のカーボンナノチューブアレイを前記成長基板から脱離させ、前記代替基板に転移する第四ステップと、
    温度を上昇させることによって、前記代替基板と前記複数のカーボンナノチューブアレイの前記第二表面との間に、前記液相状態の媒体を形成する第五ステップであって、前記複数のカーボンナノチューブアレイは前記代替基板の表面でスライドできる第五ステップと、
    前記複数のカーボンナノチューブアレイを前記代替基板の表面でスライドさせ、前記複数のカーボンナノチューブアレイの側面を相互に接触させ、分子間力によって、接合したカーボンナノチューブアレイを形成する第六ステップと、
    を含むことを特徴とする接合したカーボンナノチューブアレイの製造方法。
  2. 代替基板及び成長基板を提供し、前記成長基板の表面に複数のカーボンナノチューブアレイを有する第一ステップであって、前記複数のカーボンナノチューブアレイが前記成長基板と隣接する表面は第一表面であり、前記第一表面と対向する表面は第二表面である第一ステップと、
    前記代替基板を前記複数のカーボンナノチューブアレイの前記第二表面に設置し、前記代替基板と前記複数のカーボンナノチューブアレイの前記第二表面との間に液相状態の媒体を設置する第二ステップと、
    前記代替基板と前記複数のカーボンナノチューブアレイの前記第二表面との間に設置された前記液相状態の媒体を固体の媒体に固化させる第三ステップと、
    前記代替基板及び前記成長基板のうちの少なくとも一方を移動させて、前記代替基板と前記成長基板とを離し、前記複数のカーボンナノチューブアレイを前記成長基板から脱離させ、前記代替基板に転移する第四ステップと、
    温度を上昇させることによって、前記代替基板と前記複数のカーボンナノチューブアレイの前記第二表面との間に、前記液相状態の媒体を形成する第五ステップであって、前記複数のカーボンナノチューブアレイは前記代替基板の表面にスライドできる第五ステップと、
    前記複数のカーボンナノチューブアレイを前記代替基板の表面にスライドさせ、前記複数のカーボンナノチューブアレイの側面を相互に接触させ、分子間力によって、接合したカーボンナノチューブアレイを形成する第六ステップと、
    前記代替基板と前記接合したカーボンナノチューブアレイとの間の前記液相状態の媒体を除去する第七ステップと、
    前記接合したカーボンナノチューブアレイから前記カーボンナノチューブフィルムを引き出す第八ステップと、
    を含むことを特徴とする接合したカーボンナノチューブフィルムの製造方法。
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