JP2016107259A - 排ガス浄化フィルタ及びその製造方法、並びに排ガス浄化装置 - Google Patents

排ガス浄化フィルタ及びその製造方法、並びに排ガス浄化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】排ガス浄化フィルタの作製後に触媒粒子を含む溶液に含浸又は触媒粒子を含む溶液を塗布することなく、簡便な方法で触媒を担持させることができ、NOx還元効率が高い排ガス浄化フィルタ及びその製造方法、並びに該フィルタを備えた排ガス浄化装置を提供する。【解決手段】ゼオライトと担体の原料粒子とを含む混合物からなる成形体を焼結することにより形成した排ガス浄化フィルタであって、焼結後に、ゼオライトのイオン交換サイトのアルカリ金属を遷移金属に交換したことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、排ガス浄化フィルタ及びその製造方法、並びに排ガス浄化装置に関する。
ディーゼルエンジンなどの内燃機関から排出される排ガスには、粒子状物質(PM:particulate matter)や窒素酸化物(NOx)、炭化水素、一酸化炭素等の有害成分が含まれており、これらの有害物質を除去するために様々な手法が行われている。特にトラック、バス等のディーゼル車から排出されるNOxやPMが都市部の大気汚染の一因となっていることから、ますますこれらの有害物質に対する規制が強化されている。
PMは、排ガスの流路中に配置したフィルタにPMを捕集し、PMが所定量堆積したところで、フィルタを加熱してPMを燃焼分解する方法等で除去されている。しかし、PMの燃焼温度は550〜650℃と高いことから、装置が大がかりになり、また加熱するためのエネルギーコストが高くなるという問題がある。より低温でPMを燃焼させるために、触媒を担持したハニカムフィルタが用いられている。このような触媒として、特許文献1においてSiとZrとを含む複合酸化物粒子が提案されている。
NOxは、排ガスの流路中に配置したフィルタにNOx還元触媒を担持して除去されている。例えばフィルタにゼオライト系触媒を担持し、そこへ尿素等のアンモニア前駆物質から得られる還元剤又はアンモニア自体を注入することでNOxを窒素へ還元する選択的接触還元(SCR:Selective catalytic reduction)がある。
PMとNOxを除去するためには、PMがNOx還元触媒に付着するとNOx還元効率が低下することから、PMを除去する装置の下流にNOxを除去する装置を配置する必要がある。しかし、市場のダウンサイジングの要請から、PMを除去する装置とNOxを除去する装置を一体化させた装置が望まれている。
そこで、特許文献2では、ウォールフロー型のフィルタ壁面にNOx還元触媒からなるNOx還元触媒層を被覆し、さらに酸化触媒からなる酸化触媒層を被覆することが提案されている。
一方で、担体の原料粒子であるチタン酸アルミニウム等とPMを燃焼させるための触媒粒子とを混合後、フィルタ形状に成形し焼結することで得た排ガス浄化フィルタは、PM堆積による圧力損失の上昇が抑制され、又PMの除去効率が高くなることが知られている。例えば、特許文献3では、表面に触媒原料を付着させたチタン酸アルミニウム粒子を成形し焼結した排ガスフィルタが提案されている。
国際公開第2013/136991号 特開2000−282852号公報 国際公開第2012/046577号
しかし、特許文献2では、形成された触媒層によりフィルタ壁面の細孔が閉塞することにより、連結していた細孔同士が独立して排ガス流路が減少し、結果としてPM堆積による圧力損失の上昇、PMとNOxの除去効率が低下するという問題がある。NOx還元触媒であるゼオライト系触媒は耐熱性が低く、特許文献3と同様の方法を適用するとゼオライト系触媒が熱劣化するという問題がある。
本発明の目的は、排ガス浄化フィルタの作製後に触媒粒子を含む溶液に含浸又は触媒粒子を含む溶液を塗布することなく、簡便な方法で触媒を担持させることができ、NOx還元効率が高い排ガス浄化フィルタ及びその製造方法、並びに該フィルタを備えた排ガス浄化装置を提供することにある。
本発明は、以下の排ガス浄化フィルタ及びその製造方法、並びに排ガス浄化装置を提供する。
項1 ゼオライトと担体の原料粒子とを含む混合物からなる成形体を焼結することにより形成した排ガス浄化フィルタであって、焼結後に、ゼオライトのイオン交換サイトのアルカリ金属を遷移金属に交換したことを特徴とする、排ガス浄化フィルタ。
項2 ゼオライトを、窒素酸化物を窒素に還元する触媒として含むことを特徴とする、項1に記載の排ガス浄化フィルタ。
項3 ゼオライトが、モルデナイト型ゼオライト、フォージャサイト型ゼオライト、A型ゼオライト、L型ゼオライト、βゼオライト、及びZSM−5型ゼオライトから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする、項2または3に記載の排ガス浄化フィルタ。
項4 担体の原料粒子がチタン酸アルミニウムであることを特徴とする、項1〜3のいずれか一項に記載の排ガス浄化フィルタ。
項5 成形体が、ハニカムフィルタの成形体であることを特徴とする、項1〜4のいずれか一項に記載の排ガス浄化フィルタ。
項6 項1〜5のいずれか一項に記載の排ガス浄化フィルタを備えることを特徴とする、排ガス浄化装置。
項7 イオン交換サイトに少なくとも1種のアルカリ金属を有するゼオライトを準備する工程と、ゼオライトと担体の原料粒子とを含む混合物を成形して成形体を作製する工程と、成形体を焼成して焼結体を作製する工程と、焼結体に含まれるゼオライトのアルカリ金属を遷移金属に交換する工程とを備えることを特徴とする、排ガス浄化フィルタの製造方法。
本発明によれば、排ガス浄化フィルタの作製後に触媒粒子を含む溶液に含浸又は触媒粒子を含む溶液を塗布することなく、簡便な方法で触媒を担持させることができ、高効率でNOx還元除去することができる。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
本発明の排ガス浄化フィルタは、ゼオライトと担体の原料粒子とを含む混合物からなる成形体を焼結することにより形成した排ガス浄化フィルタであって、焼結後に、ゼオライトのイオン交換サイトのアルカリ金属を遷移金属に交換したことを特徴とする。
排ガス浄化フィルタの担体の形状としては、濾過機能を有すれば特に限定されない。したがって、従来公知の担体を用いることができ、例えばハニカムフィルタが挙げられる。具体的にはセラミック製のウォールフロー型ハニカムフィルタが好ましく用いられる。
材質のセラミックの原料粒子としては、シリコンカーバイド、コーデュエライト、ムライト、アルミナ、チタン酸アルミニウム等が好ましく用いられ、耐熱性、安定性の観点からチタン酸アルミニウムがより好ましい。又、セラミックの原料粒子に、タルク、酸化ケイ素、ムライト、アルカリ酸化物、アルカリ土類酸化物などの焼結助剤を適宜加えてもよい。ウォールフロー型であれば、そのセル数、壁厚は特に限定されないが、セル数は200〜400セル/平方インチであることが好ましく、壁厚は200〜380μmであることが好ましい。又、セル壁面は多孔質であれば特に制限されないが、長径が8〜18μm程度の細孔を有していることが好ましく、気孔率は45〜65%であることが好ましい。
本発明の排ガス浄化フィルタの製造方法は、上記本発明の排ガス浄化フィルタを製造することができる方法であり、イオン交換サイトに少なくとも1種のアルカリ金属を有するゼオライトを準備する工程と、ゼオライトと担体の原料粒子とを含む混合物を成形して成形体を作製する工程と、上記成形体を焼成して焼結体を作製する工程と、上記焼結体に含まれるゼオライトのアルカリ金属を遷移金属に交換する工程とを備えることを特徴とする。
ゼオライトとは、結晶性アルミノケイ酸塩で、ケイ素元素とアルミニウム元素のまわりに4つの酸素元素が規則正しく三次元的に結合した結晶構造を持つ多孔質体である。本発明で用いるゼオライトの結晶構造としては、モルデナイト型ゼオライト、フォージャサイト型ゼオライト、A型ゼオライト、L型ゼオライト、βゼオライト、ZSM−5型ゼオライト等がある。
本発明で使用するゼオライトのシリカ/アルミナ比は、15以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましい。シリカ/アルミナ比の上限値は、100であることが好ましく、50であることがより好ましい。この構成にすることにより他の添加剤より溶出するアルカリ金属イオンの影響を受けることなく、NOxを還元除去できるものと考えられる。
本発明で使用するゼオライトは、天然産及び合成ゼオライトがあるが、上記構成のものであれば特に制限なく使用できる。好ましくは、より均一なシリカ/アルミナ比、結晶サイズ、結晶形態を有し、不純物が少ないことから、合成ゼオライトがよい。
本発明で使用するゼオライトは、イオン交換サイトに少なくとも1種のアルカリ金属を有する。本発明で使用するゼオライトは、上記ゼオライトのイオン交換サイトの一部又は全部にアルカリ金属を有するようにアルカリ金属を担持すればよく、好ましくは本発明で使用するゼオライトの10〜100質量%にアルカリ金属を担持することがよい。アルカリ金属の担持方法は特に限定されず、例えばイオン交換法等の方法を採用することができる。ゼオライトは、担体の原料粒子の焼成温度で脱Al化が起こりやすく熱劣化するものと考えられているが、ゼオライトのイオン交換サイトの一部又は全部に電気陰性度の小さいアルカリ金属を有することでAl−O結合が安定化するものと推測される。
担持するアルカリ金属としては、Li、Na、K、Rb、Csが挙げられ、Na、Kが好ましい。アルカリ金属の担持に用いる原料としては、アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、酢酸塩等の有機酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物等があるが、炭酸塩、塩化物が好ましい。
上記ゼオライトと担体の原料粒子とを含む混合物は、例えば造孔剤、バインダー、分散剤、及び水を添加して調製することができる。上記ゼオライトは、担体の原料粒子100質量部に対して1〜40質量部となるように配合することが好ましく、1〜30質量部がより好ましい。イオン交換サイトの一部にアルカリ金属を担持したゼオライトを用いる場合、アルカリ金属を担持したゼオライトとアルカリ金属を担持していないゼオライトとを混合して用いてもよい。
上記混合物には、必要に応じて、PMを燃焼させる触媒が含まれてもよく、これによりPMを除去する機能とNOxを除去する機能の両方の機能を持たせることできる。これによって、圧力損失が上昇するという問題を解決することができる。
PMを燃焼させる触媒としては、担体の原料粒子の焼成温度で熱劣化しない触媒であれば特に制限なく使用することができ、例えば、アルカリ金属から選ばれる1種又は2種以上の元素と、Zr、Si、Al、及びTiから選ばれる1種又は2種以上の元素とを含む酸化物が挙げられる。上記酸化物は、アルカリ金属の溶出を抑えゼオライトの分解の誘因を防ぐと考えられることからも好ましい。
より具体的には、A2XZrSi3x+2Y、AAlSi2x+2Y、A2XTiSi3x+2Y、A2XTix+2Y、A2XZrx+2Y、AAlx/2+3Y/2等の一般式で表わすことができる。式中、Aはアルカリ金属を示し、Xは1≦X≦2を満たす正の実数を示し、Yは1≦Y≦6を満たす正の実数を示す。より好ましくは、Yは1≦Y≦4を満たす正の実数であることがよい。アルカリ金属としては、Li、Na、K、Rb、Cs、Frがあり、このなかでも経済的に有利な点からLi、Na、K、Csが好ましい。
2XZrSi3x+2Yとしては、例えば、LiZrSiO、NaZrSiO、NaZrSi12、NaZrSi、NaZrSi、KZrSiO、KZrSi、KZrSi、Cs4ZrSi12、CsZrSi、CsZrSi等を例示することができる。
AlSi2x+2Yとしては、例えば、LiAlSiO、LiAlSi、LiAlSi、NaAlSiO、NaAlSi、NaAlSi、KAlSiO、KAlSi、KAlSi等を例示することができる。
2XTiSi3x+2Yとしては、例えば、LiTiSiO、LiTiSi、LiTiSi、NaTiSiO、NaTiSi、NaTiSi、KTiSiO、KTiSi、KTiSi等を例示することができる。
2XTix+2Yとしては、例えば、NaTiO、NaTi、NaTi、NaTi13、NaTi17、KTiO、KTi、KTi、KTi13、KTi17等を例示することができる。
2XZrx+2Yとしては、例えば、NaZrO、KZrO等を例示することができる。
AlX/2+3Y/2としては、例えば、NaAlO、NaAl、KAlO、KAl等を例示することができる。
好ましくは、本発明で使用する酸化物は、A2XZrSi3x+2Y、AAlSi2x+2Y、A2XTiSi3x+2Y、A2XTix+2Yである。
上記混合物を、例えば押出成形機を用いてハニカム構造体となるように成形し、セルの開口が市松模様となるように片側の目封止めを行った後に得られた成形体を焼成することで焼結体を準備することできる。焼成条件は、使用する担体の原料粒子により適宜選択されるが、担体の原料粒子としてチタン酸アルミニウムを用いる場合、焼成温度としては900〜1100℃が挙げられ、焼成時間としては2〜15時間が挙げられる。
上記焼結体に含まれるゼオライトのアルカリ金属を、遷移金属へ交換することで、本発明の排ガス浄化フィルタを製造することができる。アルカリ金属が遷移金属に交換すれば、その交換方法は特に限定されず、例えばイオン交換法等の方法挙げることができる。より具体的にはアルカリ金属を遷移金属に直接イオン交換、アルカリ金属をプロトンで置換してから遷移金属に交換する方法等を採用することができる。又、アルカリ金属の交換量は、求める触媒活性により適宜選択することができ、一部又は全部のアルカリ金属を、遷移金属へ交換して用いることができる。
遷移金属として、Cu、Fe、Pt、Ag、Ti、Mn、Ti、Ni、Co、Pd、Rh、V、Cr等が挙げられ、Cu、Feが好ましい。遷移金属への交換に用いる原料としては、遷移金属の硝酸塩、酢酸塩等が挙げられる。プロトンへの交換に用いる原料としては、硫酸溶液、塩酸溶液、酢酸溶液、硝酸溶液等が挙げられる。遷移金属の合計量はゼオライトの総重量に対して1〜15質量%とするのが好ましく、1〜8質量%とするのがより好ましい。
本発明において、処理の対象となる排ガスは、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン等の内燃機関等から排出される排ガス、各種燃焼設備等の排ガスを挙げることができる。
本発明の排ガス浄化フィルタは、排ガス流路中に配置することで排ガスに接触させて用いられる。これらの排ガス中のNOxの除去は、還元剤、例えば尿素、炭酸アンモニウム、ヒドラジン、炭酸水素アンモニウム等のアンモニア前駆物質、又はアンモニア自体の存在下で行われる。還元剤は、排ガス流路中において、本発明の排ガス浄化フィルタの上流に配置し、適宜必要量を供給してもよい。
本発明の排ガス浄化フィルタは、NOx還元効率が高く、簡便な方法で製造することができる。製造において、原料混合物にPMを燃焼させる触媒を含むこともでき、これにより本発明の排ガス浄化フィルタは、一つのフィルタで、排ガス中の有害物質であるPMを低温で燃焼でき、NOxを還元除去することもできる。その優れた機能から、ディーゼルエンジン用フィルタ(DPF)、ガソリンエンジン用フィルタ等に好適に使用することができ、市場のダウンサイジングの要請に応えることができる。
(排ガス浄化装置)
本発明の排ガス浄化装置は、上記本発明の排ガス浄化フィルタを備えている。上記本発明の排ガス浄化フィルタの他に、例えば、排ガス浄化フィルタに還元剤等を供給する手段をさらに備えている。又は、上記発明の排ガス浄化フィルタにPMを燃焼させる触媒が含まれている場合は、堆積したPMを分解するため排ガス浄化フィルタを加熱する手段等をさらに備えている。
以下、本発明について、実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
〔ゼオライト〕
(合成例1)
10質量%塩化ナトリウム水溶液1000mlとZSM−5型ゼオライト(HSZ−840NHA、東ソー株式会社製)400gとを混合し、60℃で12時間撹拌することでスラリーを調製した。調製したスラリーの固形分を濾別し、1000mlのイオン交換水で洗浄した後、110℃にて6時間乾燥した。
得られた粒子状固体を蛍光X線にて測定し、ゼオライトのイオン交換サイトがナトリウムにイオン交換されていることを確認した。
(合成例2)
10質量%塩化ナトリウム水溶液を10質量%塩化カリウム水溶液に変更した以外は、合成例1と同様の方法で行った。得られた粒子状固体を蛍光X線にて測定し、ゼオライトのイオン交換サイトがカリウムにイオン交換されていることを確認した。
(合成例3)
10質量%塩化ナトリウム水溶液を10質量%塩化セシウム水溶液に変更した以外は、合成例1と同様の方法で行った。得られた粒子状固体を蛍光X線にて測定し、ゼオライトのイオン交換サイトがセシウムにイオン交換されていることを確認した。
(合成例4)
ZSM−5型ゼオライト(HSZ−840NHA、東ソー株式会社製)をβゼオライト(HSZ−930、東ソー株式会社製)に変更した以外は、合成例1と同様の方法で行った。得られた粒子状固体を蛍光X線にて測定し、ゼオライトのイオン交換サイトがナトリウムにイオン交換されていることを確認した。
(合成例5)
ZSM−5型ゼオライト(HSZ−840NHA、東ソー株式会社製)400gを700℃にて6時間焼成し、プロトン型のZSM−5を作製した。
(合成例6)
10質量%塩化ナトリウム水溶液を10質量%酢酸銅水溶液に変更した以外は、合成例1と同様の方法で行った。得られた粒子状固体を蛍光X線にて測定し、ゼオライトのイオン交換サイトが銅にイオン交換されていることを確認した。
(合成例7)
炭酸ナトリウム32.3質量部、酸化アルミニウム31.1質量部、及び酸化ケイ素36.6質量部を混合し、1200℃で4時間焼成した。得られた粒子状固体が、X線回折によりNaAlSiOの単相であることを確認した。
〔排ガス浄化フィルタの製造〕
(実施例1)
合成例1で製造したゼオライト20質量部に対し、チタン酸アルミニウム(丸ス釉薬社製)80質量部、合成例7で製造したNaAlSiOを10質量部、黒鉛3質量部、メチルセルロース10質量部、及び脂肪酸石鹸0.5質量部を配合し、さらに水を適当量添加して混練し、押出成形可能な坏土を得た。
得られた坏土を押出成形機にてハニカム構造体となるように押し出して成形し、成形体を得た。金型のセル密度は、300セル/平方インチ(46.5セル/cm)とし、隔壁厚みは300μmとした。
固形分がほぼ上記の粒状チタン酸アルミニウム粒子とゼオライトからなり、粘度調整材等の添加物を加えたスラリーを調製した。なお、スラリー中における固形分の比率は上記と同様である。ハニカム構造体である成形体において、開口したセルと封止したセルが交互に市松模様となるように、ハニカム構造体のセルに、このスラリーを注入し、目封じを行った。
得られた成形体を、600℃で10時間保持し、その後25℃/時間で1000℃まで昇温し、1000℃で10時間保持して焼成することで、細孔径11μm、気孔率49%のハニカム構造体を得た。
得られたハニカム構造体を10質量%酢酸銅水溶液に60℃で12時間含浸した。その後イオン交換水で充分洗浄し、600℃で2時間加熱することで排ガス浄化フィルタを製造した。
(実施例2)
ゼオライトを合成例2で製造したゼオライトに変更した以外は、実施例1と同様の方法で排ガス浄化フィルタを製造した。ハニカム構造体の細孔径は11μmであり、気孔率は49%であった。
(実施例3)
ゼオライトを合成例3で製造したゼオライトに変更した以外は、実施例1と同様の方法で排ガス浄化フィルタを製造した。ハニカム構造体の細孔径は11μmであり、気孔率は49%であった。
(実施例4)
ゼオライトを合成例1で製造したゼオライト10質量部、合成例5で製造したゼオライト10質量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で排ガス浄化フィルタを製造した。ハニカム構造体の細孔径は11μmであり、気孔率は48%であった。
(実施例5)
ゼオライトを合成例1で製造したゼオライト5質量部、合成例5で製造したゼオライト15質量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で排ガス浄化フィルタを製造した。ハニカム構造体の細孔径は11μmであり、気孔率は48%であった。
(実施例6)
ゼオライトを合成例4で製造したゼオライトに変更した以外は、実施例1と同様の方法で排ガス浄化フィルタを製造した。ハニカム構造体の細孔径は11μmであり、気孔率は48%であった。
(比較例1)
ゼオライトを合成例5で製造したゼオライトに変更した以外は、実施例1と同様の方法で排ガス浄化フィルタを製造した。ハニカム構造体の細孔径は11μmであり、気孔率は48%であった。
(比較例2)
ゼオライトとして、ZSM−5型ゼオライト(HSZ−840NHA、東ソー株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で排ガス浄化フィルタを製造した。ハニカム構造体の細孔径は11μmであり、気孔率は48%であった。
(比較例3)
チタン酸アルミニウム(丸ス釉薬社製)90質量部、黒鉛10質量部、メチルセルロース10質量部、及び脂肪酸石鹸0.5質量部を配合し、さらに水を適当量添加して混練し、押出成形可能な坏土を得た。
得られた坏土を押出成形機にてハニカム構造体となるように押し出して成形し、成形体を得た。金型のセル密度は、300セル/平方インチ(46.5セル/cm)とし、隔壁厚みは300μmとした。
固形分がほぼ上記の粒状チタン酸アルミニウム粒子からなり、粘度調整材等の添加物を加えたスラリーを調製した。なお、スラリー中における固形分の比率は上記と同様である。ハニカム構造体である成形体において、開口したセルと封止したセルが交互に市松模様となるように、ハニカム構造体のセルに、このスラリーを注入し、目封じを行った。
得られた成形体を、600℃で10時間保持し、その後25℃/時間で1450℃まで昇温し、1450℃で10時間保持して焼成することで、細孔径12μm、気孔率51%のハニカム構造体を得た。
次に、合成例6で製造したゼオライト40質量部を、シリカゾル20質量部と水40質量部とに混ぜ合わせスラリーを調製した。調製したスラリーにハニカム構造体を浸漬した。浸漬後600℃〜700℃で約4時間焼成し、排ガス浄化フィルタを製造した。
ハニカム構造体に担持されたゼオライトの量は、チタン酸アルミニウム90質量部に対して19質量部であった。
[排ガス浄化装置の評価]
(NOx濃度評価)
予め排ガス浄化フィルタを尿素水溶液に含浸し、50℃にて乾燥させ、排ガス浄化フィルタを模擬排ガス排気ラインに設置する。その後、模擬排ガス(O:10%、N:90%、NO:200ppm、NO:200ppm)を300℃まで上昇させ、NOx濃度を測定した。結果を表1に示した。
(PM堆積圧力損失評価)
予め排ガス浄化フィルタの初期重量を測定しておき、ディーゼルエンジンの排気ラインに、酸化触媒(DOC)と排ガス浄化フィルタを順に設置する。次いで、ディーゼルエンジンを始動させ、低温でPMを所定量(約4g/L)堆積させた後、排ガス浄化フィルタを取り外し、堆積したPMの重量を確認した後、圧力損失を測定した。結果を表1に示した。
(フィルタ再生率)
予め排ガス浄化フィルタの初期重量を測定しておき、ディーゼルエンジンの排気ラインに、酸化触媒(DOC)と排ガス浄化フィルタを順に設置する。次いで、ディーゼルエンジンを始動させ、低温でPMを所定量(約8g/L)堆積させた後、一度排ガス浄化フィルタを取り外し、堆積したPMの重量を測定する。
次いで、排ガス浄化フィルタを模擬排ガス排気ラインに設置した後、模擬排ガスを540℃まで上昇させ再生試験を開始した。540℃に到達した時点から30分間540℃±10℃の温度を保持し、30分経過後、模擬ガスを全量Nに切り替えた。
温度が室温まで低下後、再度、排ガス浄化フィルタを取り出し、重量減少分(=PM燃焼重量)を測定した。
以下の計算式により再生率を算出した。結果を表2に示した。
再生率(%)=100−[(PM堆積重量(g)−PM燃焼重量(g))/PM堆積重量(g)]×100
Figure 2016107259
Figure 2016107259
表1に示す結果から明らかなように、本発明に従う実施例1〜6の排ガス浄化フィルタを用いた場合、NOx濃度が低下し、かつ圧力損失も低く抑えられている。これに対し、成形体の焼成時にアルカリ金属にイオン交換していないゼオライトを用いた比較例1及び比較例2は、NOx濃度が高くなっている。又、浸漬法でゼオライト担持した比較例3はNOx濃度が低いが、圧力損失が大きい。又、表2に示す結果から明らかなように、本発明に従う実施例1〜6は、比較例1及び比較例2より、再生率が優れている。

Claims (7)

  1. ゼオライトと担体の原料粒子とを含む混合物からなる成形体を焼結することにより形成した排ガス浄化フィルタであって、
    前記焼結後に、前記ゼオライトのイオン交換サイトのアルカリ金属を遷移金属に交換したことを特徴とする、排ガス浄化フィルタ。
  2. 前記ゼオライトを、窒素酸化物を窒素に還元する触媒として含むことを特徴とする、請求項1に記載の排ガス浄化フィルタ。
  3. 前記ゼオライトが、モルデナイト型ゼオライト、フォージャサイト型ゼオライト、A型ゼオライト、L型ゼオライト、βゼオライト、及びZSM−5型ゼオライトから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の排ガス浄化フィルタ。
  4. 前記担体の原料粒子がチタン酸アルミニウムであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の排ガス浄化フィルタ。
  5. 前記成形体が、ハニカムフィルタの成形体であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の排ガス浄化フィルタ。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の排ガス浄化フィルタを備えることを特徴とする、排ガス浄化装置。
  7. イオン交換サイトに少なくとも1種のアルカリ金属を有するゼオライトを準備する工程と、
    前記ゼオライトと担体の原料粒子とを含む混合物を成形して成形体を作製する工程と、
    前記成形体を焼成して焼結体を作製する工程と、
    前記焼結体に含まれるゼオライトのアルカリ金属を遷移金属に交換する工程とを備えることを特徴とする、排ガス浄化フィルタの製造方法。
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