JP2016106571A - スクリーニング装置およびスクリーニング方法 - Google Patents

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【課題】高い細胞回収率を実現できる、スクリーニング装置及びスクリーニング方法の提供。【解決手段】試料から発する光情報を標識として探索することで試料の中から検査対象となる標的細胞を選択的に取得するスクリーニング装置100であって、試料が収容された複数のウエルが設けられたウエル基板110を載置する試料台11と、複数のウエルに収容された試料の中から標的細胞を吸引して回収する回収ノズルと、ウエル基板110及び回収ノズルの位置情報を非接触方式で検出する検出装置60と、を備え、検出装置60の検出結果に基づいて、回収ノズル及びウエル基板110のアライメントが行われるスクリーニング装置100。【選択図】図1

Description

本発明は、スクリーニング装置およびスクリーニング方法に関する。
従来、スクリーニング装置として、試料から発する光情報を標識として探索することで前記試料の中から検査対象となる標的細胞を回収ノズルにより選択的に回収する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このスクリーニング装置では、計測用チップ(ウエル基板)を精度良く位置決めするために、該計測用チップを固定具に当接させた状態としていた。
特開2009−2674号公報
しかしながら、上記従来技術では、計測用チップに一定以上の力が掛かるため、チップ表面が変形するおそれがあった。そのため、回収ノズルにおけるチップ表面に対する位置精度が低くなってしまい、チップからの細胞回収率が低かった。細胞回収率(細胞回収成功率)とは、回収目的のウエル内の試料が回収ノズルにより回収され、隣接するウエルからは試料が回収されない確率を言う。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、高い細胞回収率を実現できる、スクリーニング装置およびスクリーニング方法を提供することを目的とする。
本発明の第1態様に従えば、試料から発する光情報を標識として探索することで前記試料の中から検査対象となる標的細胞を選択的に取得するスクリーニング装置であって、前記試料が収容された複数のウエルが設けられたウエル基板を載置する試料台と、前記複数のウエルに収容された前記試料の中から前記標的細胞を吸引して回収する回収ノズルと、前記ウエル基板および前記回収ノズルの位置情報を検出し、少なくとも前記ウエル基板の検出を非接触方式で行う検出装置と、を備え、前記検出装置の検出結果に基づいて、前記回収ノズルおよび前記ウエル基板がアライメントされているスクリーニング装置が提供される。
第1態様に係るスクリーニング装置によれば、位置情報の検出時にウエル基板の接触による変形や位置ずれの発生が防止される。よって、ウエル基板の位置情報を高精度で検出することができる。したがって、回収ノズルおよびウエル基板が高精度にアライメントされているので、標的細胞を精度良く回収することができ、高い細胞回収率を実現できる。
上記第1態様において、前記検出装置は、前記ウエル基板および前記回収ノズルのそれぞれにおける前記試料台の高さ方向の位置、および、前記ウエル基板の表面の平行度を検出する構成としてもよい。
この構成によれば、ウエル基板および回収ノズルの位置情報を精度良く検出することができる。
上記第1態様において、前記ウエルの観察領域の基準点と前記回収ノズルの中心軸とを一致させるように、前記回収ノズルの位置を調整するノズル位置調整機構をさらに備える構成としてもよい。
この構成によれば、ウエルの観察領域の基準点と回収ノズルの中心軸とを一致させた状態にアライメントすることができる。
上記第1態様において、前記回収ノズルを旋回可能に保持するアームが、前記標的細胞の回収動作を行う細胞回収ポジションと、回収した前記標的細胞を排出する細胞排出ポジションと、前記細胞回収ポジションおよび前記細胞排出ポジションの間に設けられた待機ポジションと、の間で前記回収ノズルを移動させる構成としてもよい。
この構成によれば、旋回動作により回収ノズルが細胞回収ポジション、待機ポジションおよび細胞排出ポジション間を簡便且つ確実に移動可能な構成を実現できる。
上記第1態様において、前記試料台は、前記ウエル基板を載置する載置面を移動する載置面移動機構を有する構成としてもよい。
この構成によれば、回収ノズルとウエル基板の各ウエルとを対向配置することができるので、標的細胞の回収動作を確実に行うことができる。
上記第1態様において、前記試料台は、前記載置面移動機構を冷却する冷却機構をさらに備える構成としてもよい。
この構成によれば、載置面移動機構が冷却されるので、載置面移動機構の温度上昇に起因する各機構部の熱伸びの発生を抑制することができる。よって、標的細胞の回収動作を精度良く行うことができる。
上記第1態様において、前記載置面移動機構の温度を計測する温度計測部と、前記温度計測部の計測結果に基づいて、前記載置面移動機構による前記ウエル基板の移動量を補正する補正部と、を備える構成としてもよい。
例えば、載置面移動機構が細胞回収動作を繰り返すと、載置面移動機構において熱伸びが発生するおそれがある。熱伸びが発生すると、載置面移動機構の位置精度にずれが生じる。
これに対して本発明を採用すれば、載置面移動機構の温度に基づいて載置面移動機構における熱伸びの発生の有無を検出することができる。よって、熱伸びによる載置面移動機構の位置精度のずれを良好に補正することができる。よって、熱伸びの影響を受けることなく、細胞回収動作を行うことができるので、高い細胞回収率を実現できる。
上記第1態様において、前記ウエル基板および前記回収ノズルのアライメント位置の変化を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、前記アライメント位置を補正する位置補正部と、をさらに備える構成としてもよい。
例えば、回収ノズルを移動する移動機構や載置面移動機構は、細胞回収動作を繰り返すことで各機構部の熱伸びが発生するおそれがある。熱伸びが発生すると、アライメントされた回収ノズルおよびウエル基板の位置(アライメント位置)にずれ(変化)が生じるおそれがある。
これに対して本発明を採用すれば、アライメント後に熱伸びが発生してアライメント位置にずれが生じた場合であっても、アライメント位置を補正することができる。よって、回収ノズルおよびウエル基板のアライメントのずれが補正されるので、精度良く細胞回収動作を行うことができ、高い細胞回収率を実現できる。
本発明の第2態様に従えば、試料から発する光情報を標識として探索することで前記試料の中から検査対象となる標的細胞を選択的に取得するスクリーニング方法であって、前記試料が収容された複数のウエルが設けられたウエル基板を試料台に載置する載置工程と、前記ウエル基板における前記回収ノズルの位置情報を検出する工程であって、少なくとも前記ウエル基板の検出を非接触方式で行う検出工程と、前記検出工程の検出結果に基づき、前記ウエル基板と前記複数のウエルに収容された前記試料の中から前記標的細胞を回収する回収ノズルとのアライメントを行うアライメント工程と、アライメント後の前記回収ノズルを用いて前記標的細胞の回収動作を行う細胞回収工程と、を含むスクリーニング方法が提供される。
第2態様に係るスクリーニング方法によれば、位置情報の検出時にウエル基板の接触による変形や位置ずれの発生が防止される。よって、ウエル基板の位置情報を高精度で検出することができる。したがって、回収ノズルおよびウエル基板を高精度にアライメントできるので、標的細胞を精度良く回収することができ、高い細胞回収率を実現できる。
上記第2態様において、前記検出工程では、前記ウエル基板および前記回収ノズルのそれぞれにおける前記試料台の高さ方向の位置、および、前記ウエル基板の表面の平行度を検出する構成としてもよい。
この構成によれば、ウエル基板および回収ノズルの位置情報を精度良く検出することができる。
上記第2態様において、前記アライメント工程では、前記ウエルの観察領域の基準点と前記回収ノズルの中心軸とを一致させるように、前記回収ノズルを旋回可能に保持するアームを移動する構成としてもよい。
この構成によれば、ウエルの観察領域の基準点と回収ノズルの中心軸とを一致させた状態にアライメントすることができる。
上記第2態様において、前記細胞回収工程は、前記ウエル基板を載置する載置面を移動する載置面移動機構を冷却する冷却ステップを含む構成としてもよい。
この構成によれば、載置面移動機構を冷却することで、載置面移動機構の温度上昇に起因する各機構部の熱伸びの発生を抑制できる。よって、標的細胞の回収動作を精度良く行うことができる。
上記第2態様において、前記細胞回収工程は、前記ウエル基板を載置する載置面を移動する載置面移動機構の温度を計測する温度計測ステップと、前記温度計測ステップの計測結果に基づいて、前記載置面移動機構による前記ウエル基板の移動量を補正する補正ステップと、を含む構成としてもよい。
例えば、載置面移動機構が細胞回収動作を繰り返すと、載置面移動機構において熱伸びが発生するおそれがある。熱伸びが発生すると、載置面移動機構の位置精度にずれが生じる。
これに対して本発明を採用すれば、載置面移動機構の温度に基づいて載置面移動機構における熱伸びの発生の有無を検出することができる。よって、熱伸びによる載置面移動機構の位置精度のずれを良好に補正することができる。よって、熱伸びの影響を受けることなく、細胞回収動作を行うことができるので、高い細胞回収率を実現できる。
上記第2態様において、前記細胞回収工程は、前記ウエル基板および前記回収ノズルの前記アライメント位置の変化を検出する検出ステップと、前記検出ステップの検出結果に基づいて、前記アライメント位置を補正する補正ステップと、を含む構成としてもよい。
例えば、回収ノズルを移動する移動機構や載置面移動機構は、細胞回収動作を繰り返すことで各機構部の熱伸びが発生するおそれがある。熱伸びが発生すると、アライメントされた回収ノズルおよびウエル基板の位置(アライメント位置)にずれ(変化)が生じるおそれがある。
これに対して本発明を採用すれば、アライメント後に熱伸びが発生してアライメント位置にずれが生じた場合であっても、補正ステップにより、アライメント位置を補正できる。よって、回収ノズルおよびウエル基板のアライメントのずれが補正されるので、精度良く細胞回収動作を行うことができ、高い細胞回収率を実現できる。
本発明によれば、高い細胞回収率を実現することができる。
第1実施形態のスクリーニング装置の概略構成を示す平面図。 ステージ部の周辺における概略構成を示す側面図。 ウエル基板の概略構成を示す斜視図。 キャピラリー部の回動動作および周辺構成を示す図。 (a)は第1検出装置の概略構成を示す図、(b)は第2検出装置の概略構成を示す図。 第1実施形態の光学観察部及びその周辺構成の概略図。 ノズルのアライメント工程を説明するための図。 第2実施形態の光学観察部及びその周辺構成の概略図。 第2実施形態の変形例に係る光学観察部及びその周辺構成の概略図。 変形例に係る第2検出装置の構成を示す図。
以下、図面を参照して、本発明のスクリーニング装置の一実施形態を説明する。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
(第1実施形態)
本実施形態のスクリーニング装置は、ウエル基板の各ウエルに収容された試料に対して光を照射し、試料から発する蛍光(光情報)を標識として探索することで、複数のウエルに収容された試料の中から検査対象となる標的細胞を選択的に回収(取得)するための装置である。なお、試料としては、動物細胞;植物細胞;昆虫細胞;酵母等の真菌;大腸菌等の細菌等が挙げられる。本実施形態のスクリーニング装置は、一例として、抗体産生細胞、ハイブリドーマ、サイトカイン産生細胞等の目的の抗体を生産する動物細胞のスクリーニングや目的遺伝子の安定性発現株のスクリーニングに好適に用いられる。スクリーニング対象の動物細胞の直径としては、例えば、卵子で最大200μm程度、神経細胞で、100μm程度、赤血球で10μm程度である。
図1は、本実施形態に係るスクリーニング装置の概略構成を示す平面図である。
図1に示すように、本実施形態のスクリーニング装置100は、ベース部1と、制御装置2と、表示装置3と、入力装置4と、ステージ部10と、キャピラリー部20と、光学観察部30と、検出装置60と、を備えている。スクリーニング装置100は、不図示のケースで覆われており、外部からの光や異物(埃やゴミ)の侵入が防止されている。
本実施形態において、スクリーニング装置100は、例えば、奥行き(Y方向のサイズ)が600mm、正面幅(X方向のサイズ)が800mm、床面からの高さ(Z方向のサイズ)が1100mmに設定されている。
(ベース部)
ベース部1は、スクリーニング装置100の各要素(ステージ部10、キャピラリー部20、光学観察部30および検出装置60)を保持するための剛性を有したフレーム部材である。
(制御装置)
制御装置2は、スクリーニング装置100の各要素(ステージ部10、キャピラリー部20、光学観察部30)の駆動を制御するためのものである。また、制御装置2は、検出装置60と電気的に接続されており、検出装置60の検出結果に基づいて、後述のアライメント動作を行う。
(表示装置)
表示装置3は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示モニターから構成され、光学観察部30における観察画像等を表示する際に使用される。
(入力装置)
入力装置4は、例えば、キーボードやマウス等の入力機器から構成され、スクリーニング装置100に対して作業者が所定の情報を入力することが可能である。
(ステージ部)
図2は、ステージ部10の周辺における概略構成を示す側面図である。
ステージ部10は、図2に示すように、定盤部11と、該定盤部11を移動させる駆動機構12とを有する。定盤部11は、ウエル基板110を載置する載置台を構成する。定盤部11の上面には、作業領域11aと回収領域11bとが設けられる。
作業領域11aは、ウエル基板110のウエルWから微細粒子(標的細胞)を回収する回収作業を行うための領域である。回収領域11bは、作業領域11aに載置されたウエル基板110のウエルWから回収した標的細胞を回収するための領域である。
なお、作業領域11aには、ウエル基板110の下面を臨ませる開口15が形成されている。また、作業領域11aには、ウエル基板110を保持するためのガイド(不図示)が設けられている。これにより、ウエル基板110は作業領域11aの所定位置に位置決めされた状態で保持される。なお、作業領域11aにおけるウエル基板110の保持方法は、ガイドに限定されず、例えば、吸着機構による吸着方式を採用しても良い。
駆動機構12は、例えば、モータと送りネジ等から構成され、定盤部11をXY方向に沿って移動可能である。なお、駆動機構12の構成は上記構成に限定されず、例えば、リニアモータ等を用いても良い。
本実施形態において、ステージ部10は、駆動機構12とは独立して、定盤部11の上面をXY面内において傾斜させることが可能となっている。これにより、定盤部11は、ウエル基板110の上面110aの平行度に僅かな傾きが存在した場合であっても補正することができる。
図3はウエル基板110の概略構成を示す斜視図である。
本実施形態のウエル基板110は、例えば、サイズが50mm×50mm以下の透光性を有した板状部材(例えば、ガラス基板やプラスチック基板)であって、図3に示すように、試料Mをそれぞれ格納するためのウエルWがX方向とY方向に沿って等間隔でマトリックス状に複数形成されている。各ウエルWは、試料Mを格納するためのものである。各ウエルWの断面形状は、例えば、ほぼU字型の凹部あるいはカップ型の凹部となっている。ウエルWの大きさとしては、特に限定されないが、目的の単一種の細胞等を迅速にスクリーニングする観点からは、試料(標的細胞)1個のみが捕捉され得る大きさであることが好ましい。各ウエルWには、試料Mおよび培養液Lが格納されている。培養液Lとしては、試料(標的細胞)を培養するためのものであれば特に限定されず、例えば、DMEM培地、MEM培地、RPMI1640培地、Fischer's培地等が挙げられる。
ウエル基板110の上面110aの角部には、マーキング部111が形成されている。マーキング部111は、上面110aを切削加工することで形成されていても良いし、印刷処理などにより形成されていても良い。マーキング部111は、ウエル基板110の上面110aにおける各ウエルWのXY方向に関する座標を設定する際の基準をなすものである。
(キャピラリー部)
図2に戻り、キャピラリー部20は、ノズル21と、ノズル21を保持するアーム22と、駆動機構23と、ノズル位置調整機構25と、を有する。ノズル21は、作業領域11aにおいてウエル基板110(ウエルW)から標的細胞を吸引し、吸引した標的細胞を回収領域11bにおいて放出する。
本実施形態において、回収領域11bには、ノズル21が標的細胞として回収した試料Mを回収するための回収トレイ13が設置される。回収トレイ13は、板状の部材であり、回収トレイ13には多数の回収用ウエル13aがX方向とY方向に沿って等間隔をおいてマトリックス状に配列されている。これらの回収用ウエル13aは、ノズル21から順次排出される試料M(標的細胞)を別々に回収して格納する。回収用ウエル13aの断面形状は、例えば、ほぼU字型の凹部あるいはカップ型の凹部で構成される。回収用ウエル13aの大きさは、ウエル基板110のウエルWの大きさと同程度であってもよく、回収した試料(標的細胞)をある程度増殖させるために、ウエルWの大きさより大きくてもよい。
上記ノズル21は、Z方向下側に沿った先細り形状を有するマイクロキャピラリーから構成され、先端内径が例えば10μm〜100μm程度に設定されている。なお、ノズル21は、アーム22に対して着脱可能とされる。ノズル21は、ウエル基板110のウエルWのサイズに対応したものが適宜用いられる。例えば、ノズル21は先端部21aの直径がウエルWの直径の2倍程度に設定される。
また、ノズル21は、後端側に吸引ポンプ(不図示)が接続されている。吸引ポンプとしては、例えば、ステッピングモーターで駆動するチューブポンプが用いられる。ノズル21は、吸引ポンプが正回転すると先端から試料Mを吸引し、吸引ポンプが逆回転すると試料Mを先端から排出することができる。
本実施形態では、ノズル21として、例えば、最大吸引量が5000nL、最小吸引量が0.5nL、最大吸引速度が500nL/sec、最小吸引速度が0.05nL/secに設定されたものを用いた。
駆動機構23は、例えば、ステッピングモーターにより駆動されるものであり、アーム22に連結されている。駆動機構23は、アーム22をZ方向に昇降可能とするとともに、Z軸回り(θZ方向)に回転可能である。
このような構成に基づき、キャピラリー部20では、ノズル21が旋回、昇降、吸引および排出といった動作を実行可能となっている。
図4は、キャピラリー部20の回動動作および周辺構成を示す図である。
本実施形態において、ノズル21は、図4に示すように、アーム22の回動動作によって、細胞回収ポジションP1、待機ポジション(ホームポジション)P2、洗浄ポジションP3および細胞排出ポジションP4間を移動する。
本実施形態において、駆動機構23は、例えば、Z軸方向におけるストロークが20mmであり、移動速度が5〜5000μm/secであり、Z軸方向における位置制御が±1μmに設定される。また、駆動機構23は、例えば、θZ方向の旋回動作における駆動角度が±100度(ストローク200度)、回転位置制御が±0.002度に設定される。
ノズル位置調整機構25は、後述のようにノズル21のアライメントを行うための機構である。ノズル位置調整機構25は、例えば、マイクロメーターからなる調整用ツマミを有しており、アーム22に対するノズル21の取付位置をXY平面内において微調整可能とする。
本実施形態において、キャピラリー部20は、ノズル21を浸漬する(ディップする)ディップ部24をさらに備えている。ディップ部24は、試薬ディップ部24aと、洗浄液ディップ部24bとを含む。
試薬ディップ部24aは、例えば、ノズル21が待機する待機ポジションP2に配置されている。試薬ディップ部24aは、ノズル21の先端部21aを液体で濡らした状態とすることで、待機状態においても先端部21aが乾燥してしまうのを防止する。なお、試薬ディップ部24aにおいて、先端部21aをディップする液体としては、ウエルWに試料Mとともに配置されている培養液又はPBS(Phosphate buffered saline)を用いるのが望ましい。
洗浄液ディップ部24bは、例えば、洗浄ポジションP3に配置されている。洗浄液ディップ部24bは、浸漬したノズル21の先端部21aに洗浄液を充填することで該先端部21aの内部を洗浄する。
本実施形態では、洗浄液ディップ部24bを設けたことにより、各ウエルWにおける細胞回収動作について、1つのノズル21を共用した場合であっても、コンタミネーションの発生を防止することが可能である。なお、洗浄液ディップ部24bにおいて、先端部21aを洗浄する洗浄液としては、ウエルWに試料Mとともに配置されている培養液L(図3参照)又はPBSを用いるのが望ましい。
(検出装置)
検出装置60は、図1に示したように、第1検出装置61と、第2検出装置62とを含む。図5(a)は第1検出装置61の概略構成を示す図であり、図5(b)は第2検出装置62の概略構成を示す図である。
図5(a)に示すように、第1検出装置61は、検出光としてレーザーを用いることで、ウエル基板110の上面110aの高さおよび平行度を非接触方式で測定可能である。第1検出装置61は、不図示の領域においてベース部1に固定されている。そのため、同じくベース部1に固定されたステージ部10の定盤部11上に載置されたウエル基板110に対して相対的な位置が固定されたものとなっている。これにより、第1検出装置61は精度の高い測定を行うことが可能である。
第1検出装置61は、例えば、検出光L1として光径が1μmのレーザーを発振する発振部61aと、発振部61aから発振されてウエル基板110の上面110aで反射された検出光L1を受光する受光部61bとを有する。
発振部61aは、例えば、YAGレーザーから構成される。受光部61bは、例えば、上面110aで反射されて受光部61bに検出光L1が到達するまでの時間や、上面110aによる検出光L1の反射角度等に基づいて、ウエル基板110の高さ(Z方向の座標位置)および平行度に関する情報を取得する。
図5(b)に示すように、第2検出装置62は、レーザー光を用いることで、ノズル21の先端部21aの高さを非接触方式で計測可能である。第2検出装置62についても不図示の領域においてベース部1に固定されており、計測位置と待機位置との間で移動可能となっている。そのため、同じくベース部1に固定されたキャピラリー部20のノズル21に対して相対的な位置が固定されたものとなっている。これにより、第2検出装置62は精度の高い測定を行うことが可能である。なお、第2検出装置62は、ノズル21の検出を行わない場合、上方の待機位置(図2参照)に退避することでノズル21の動作を妨げることが防止されている。
第2検出装置62は、例えば、検出光L2として光径が1μmのレーザーを発振する発振部62aと、発振部62aから発振された検出光L2を受光する受光部62bとを有する。
発振部62aは、例えば、YAGレーザーから構成される。受光部62bは、例えば、先端部21aで遮られることで変化する検出光の受光量(輝度)等に基づいて、ノズル21の先端部21aの高さ(Z方向の座標位置)に関する情報を検出する。
上述のように、本実施形態の検出装置60によれば、第1検出装置61および第2検出装置62を用いることで、ウエル基板110、およびノズル21の先端部21aの高さに関する情報を非接触方式で検出することができる。よって、ウエル基板110およびノズル21に接触に伴うダメージを与えることなく、且つ接触に伴う位置ズレを生じさせることなく、ウエル基板110およびノズル21の位置情報を高精度で検出することが可能である。なお、第1検出装置61および第2検出装置62は、制御装置2にそれぞれの検出結果を送信する。
本実施形態のスクリーニング装置100においては、上記検出結果に基づいて、後述のように、細胞回収動作を行う際のウエル基板110およびノズル21のアライメント(位置決め)が行われている。
本実施形態によれば、ウエル基板110およびノズル21の位置情報が高精度で検出されるので、該検出結果に基づくアライメントも非常に精度が高いものとなっている。従って、ウエル基板110およびノズル21は、高い精度でアライメントされているため、ノズル21はウエルW上に精度良く移動することが可能である。よって、ウエルW内から試料Mを良好に吸引して回収することができるので、高い細胞回収率を実現することが可能である。
(光学観察部)
図6は光学観察部30及びその周辺構成の概略図である。
図6に示すように、光学観察部30は、対物レンズユニット31と、接眼レンズ32と、受光部33と、励起光源ユニット34と、照明部39とを備える。
対物レンズユニット31は、作業領域11aに形成された開口15を介して、ウエル基板110の下面と対向した状態で配置される。
本実施形態において、対物レンズユニット31は、例えば、10倍、20倍、40倍に対応した3つの対物レンズ31a,31b,31cを含む。対物レンズユニット31は、例えばレボルバー式で回転することで、使用する対物レンズ31a,31b,31cを切り替え可能である。
対物レンズユニット31は、ステージ部10において定盤部11が上下動することで、ウエル基板110および各対物レンズ31a,31b,31cのZ方向における相対距離を調整可能である。これにより、各対物レンズ31a,31b,31cは、ウエル基板110の各ウエルW内の試料Mに対するピント調整を行う。なお、対物レンズユニット31側に昇降機構を設け、該対物レンズユニット31が定盤部11(ウエル基板110)に対して上下動することでピント調整を行うようにしても良い。
接眼レンズ32は、対物レンズを介した観察像を作業者の肉眼で視認可能とさせるものであり、例えば、倍率が10倍に設定されている。
受光部33は、例えば、CCDカメラ等の撮像素子から構成される。受光部33は、撮像画像を制御装置2へと送信する。
照明部39は、ウエル基板110の上面側に配置される上側照明39aと、ウエル基板110の下面側に配置される下側照明39bとを含む。上側照明39aは、後述のように、ウエル基板110の対物レンズユニット31におけるウエルWに対するピント調整時に使用されるものである。下側照明39bは、後述のように、ノズル21と観察領域との位置合わせに使用されるものである。
励起光源ユニット34は、励起光源35と、光学フィルタ36と、ダイクロイックミラー37と、を含む。励起光源35は、ウエル基板110の各ウエルWに保持された試料Mを励起して蛍光を生じさせるための励起光を発生するものである。本実施形態では、励起光源35として、例えばレーザ光源や水銀ランプを採用した。
光学フィルタ36は、励起光源35の光射出面に設けられ、励起光源35より照射される光のうち所望の励起波長帯域のみを透過させる。
ダイクロイックミラー37は、励起光源35からの波長帯域成分の励起光Bを反射し、ウエル基板110からの蛍光Yを透過する光学特性を有する。また、ダイクロイックミラー37は、ウエル基板110から反射光として戻ってくる光(励起光B)についても反射する光学特性を有している。
励起光源ユニット34においては、光学フィルタ36を介した所定波長の励起光Bがダイクロイックミラー37で反射された後に対物レンズユニット31に入射し、開口15を介してウエル基板110の下面に入射する。これにより、ウエルWに格納されたいずれかの試料Mにおいて蛍光Yを発生させることができる。
一方、ウエル基板110で反射された反射光は、再びダイクロイックミラー37で反射されることで励起光源35側に戻るため、受光部33側に入射しない。
試料Mで発生した蛍光Yは、励起光Bよりも長波長であるため、ダイクロイックミラー37を透過し、さらに蛍光フィルタ(不図示)によって検出したい波長帯域のみが、受光部33に受光される。本実施形態では、ダイクロイックミラー37を透過した蛍光Yを第1ミラー38aおよび第2ミラー38bで反射させることで受光部33へと導く。受光部33は、受光結果を制御装置2へ送信する。本実施形態では、受光部33の手前にハーフミラー40が配置されており、ハーフミラー40で反射された光が接眼レンズ32へと導かれるようになっている。
制御装置2は、受光した試料Mからの蛍光を画像解析する画像解析部2aを含む。本実施形態では、上述のように、ウエル基板110で反射された反射光が受光部33に入射しない。よって、画像解析部2aは、受光部33から送信されるノイズの少ない蛍光画像を解析することで後述するように回収条件を満たした高輝度の蛍光Yを発する試料Mが収納されているウエルWの座標位置を算出する。
制御装置2は、上述のようにして算出したウエルWの座標位置に基づき、ステージ部10およびキャピラリー部20を駆動させ、回収対象となる試料Mを格納した所定のウエルW上にノズル21を配置することが可能である。
本実施形態のスクリーニング装置100によれば、ウエル基板110およびノズル21が非常に高い精度でアライメントされているため、ノズル21は所定のウエルW上に精度良く移動することができる。よって、所定のウエルW内から試料Mを選択的に吸引して回収することができ、結果的に、高い細胞回収率を実現することが可能である。
続いて、本実施形態のスクリーニング装置100を用いて、ウエル基板110のウエルW内から蛍光を発する試料Mを標的細胞としてノズル21により吸引して回収トレイ13に回収するスクリーニング方法の一例について説明する。
はじめにスクリーニング装置100の電源投入が行われる。
スクリーニング装置100は、電源投入された際、イニシャライズ動作を行う。イニシャライズ動作では、例えば、ステージ部10において定盤部11を待機位置(初期位置)まで移動させ、キャピラリー部20においてノズル21の旋回動作、昇降動作、吸引排出動作を行った後に待機位置(待機ポジションP2)まで移動する。これにより、定盤部11およびノズル21が他の機構に干渉することなく正常に動作することが確認されるとともに、定盤部11およびノズル21が基準位置(ホームポジション)で待機した状態となる(原点復帰)。
続いて、作業者は、各ウエルW内に試料Mを収容したウエル基板110を、ステージ部10の定盤部11の作業領域11aにセットする(載置工程)。作業者は、合わせて、定盤部11の回収領域11bに回収トレイ13をセットする。なお、ウエル基板110および回収トレイ13をセットする作業はロボットにより自動化しても良い。
続いて、作業者は、対物レンズのウエルWに対するピント調整を行う。作業者は、対物レンズユニット31の中から使用する対物レンズ(例えば、対物レンズ31b)を選択し、該選択した対物レンズ31bを励起光Bの光路上にセットする。なお、ピント調整時においては、励起光源ユニット34のダイクロイックミラー37を対物レンズユニット31の下方から退避させておく。
作業者は、照明部39の上側照明39aを点灯する。このとき、上側照明39aからの光はウエルWを透過して対物レンズ31a、第1ミラー38a、第2ミラー38bおよびハーフミラー40を介して接眼レンズ32へと導かれる。
作業者は、例えば、接眼レンズ32を介してウエルWの観察像を視認しつつ、対物レンズ31aのピント調整を行う。
続いて、第1検出装置61によって、ウエル基板110の上面110aの高さおよび平行度を非接触方式で検出する(検出工程)。
本実施形態によれば、非接触方式で検出が行われるので、ウエル基板110に接触に伴うダメージを与えることなく、且つ接触に伴う位置ズレを生じさせることなく、ウエル基板110の上面110aの位置情報を高精度で検出できる。
第1検出装置61は、制御装置2に検出結果を送信する。制御装置2は、上面110aの平行度に僅かな傾きが認められた場合、定盤部11の上面をXY面内において傾斜させることで平行度を補正する(アライメント工程)。
本実施形態において、制御装置2は、第1検出装置61から送信された検出結果を表示装置3に出力する。例えば、表示装置3には、ウエル基板110の上面110aの高さが表示される。
ところで、上記データは非接触方式で検出されたものであることから、非常に精度が高いデータとなっている。しかしながら、第1検出装置61による上面110aの検出は、上面110aの全域について実施するものでは無いため、例えば、上面110aの一部の領域(検出エリアの外側の領域)に何らかの理由によって僅かな凹凸が生じていることも想定される。
これに対し、本実施形態においては、作業者が入力装置4(例えば、キーボード)により、上記データに対して数μmのマージンを加えることが可能となっている。この場合、第1検出装置61で検出したウエル基板110の上面110aの高さデータに所定のマージンを加えたものを、上面110aの高さ(ウエル表面高さ)として設定することができる。
以上により、装置内における、ウエル基板110の上面110aのアライメント(位置決め)が終了する。
続いて、スクリーニング装置100は、駆動機構12により定盤部11を移動させることで、ウエル基板110上の全てのウエルWに関する画像を受光部33で受光する。制御装置2は、受光部33から送信されるウエルWの各画像(形状)に基づいて、ウエルWの座標位置を算出して記憶する。なお、制御装置2は、ウエルWの座標位置を算出する際、マーキング部111(図3参照)を基準として利用する。
定盤部11は、全てのウエルWの座標位置を取得した後、待機位置に戻って待機する。
続いて、第2検出装置62がノズル21の先端部21aの高さを非接触方式で検出する(検出工程)。
本実施形態によれば、非接触方式で検出を行うので、ノズル21に接触に伴うダメージを与えることなく、且つ接触に伴う位置ズレを生じさせることなく、ノズル21の位置情報を高精度で検出することができる。第2検出装置62は、制御装置2に検出結果を送信する。
ここで、作業者は、入力装置4(例えば、キーボード)から所定の数値を入力することで、ウエル基板110の上面110aに対するノズル21の先端部21aの位置(高さ)決めを行うことができる。本実施形態によれば、ノズル21の先端部21aの高さが高精度で検出されているため、上面110aに対する高さの位置決めを高精度で行うことができる。
以上により、ノズル21の装置内におけるノズル21の先端部21aの高さ方向におけるアライメント(位置決め)が終了する。
続いて、作業者は、ノズル21を細胞回収ポジションP1に移動した状態で下側照明39bを点灯し、細胞回収ポジションP1におけるノズル21のXY平面内での位置決めを行う(アライメント工程)。
このとき、下側照明39bからの光はウエルWを透過してノズル21に照射される。ノズル21で反射された光は、対物レンズユニット31(例えば、対物レンズ31b)、第1ミラー38a、第2ミラー38bおよびハーフミラー40を介して受光部33へと導かれる。受光部33で受光された画像は、表示装置3に表示される。
図7はノズル21のアライメント工程を説明するための図である。
図7に示すように、ノズル21のアライメントにおいては、例えば、ノズル21の中心軸(中心を通る軸)C1とウエルWの観察領域の基準点とを一致させる。本実施形態において、ウエルWの観察領域の基準点とは、表示装置3に表示される表示画像(対物レンズユニット31を介して受光部33に受光された画像に相当)Gの中心G1に相当する。
ノズル21の中心軸と表示画像Gの中心G1とのアライメントは、ノズル位置調整機構25の調整用ツマミ(マイクロメーター)を操作することで行われる。本実施形態では、表示画像Gの中心G1に相当する位置に、例えば、十字印等のターゲットマークTMを表示させており、上記アライメントを容易に行うことが可能である。
アライメント調整後、ノズル21は待機ポジションP2にて待機する。
本実施形態では、待機ポジションP2に試薬ディップ部24aが配置されている。ノズル21は、試薬ディップ部24aにおいて先端部21aが液体で濡れた状態とされるので、先端部21aの乾燥が防止される。
続いて、作業者は、励起光源ユニット34を駆動させる。励起光源35からの光は、光学フィルタ36を介した所定波長の励起光Bとなり、ダイクロイックミラー37で反射された後に対物レンズユニット31(例えば、対物レンズ31a)に入射してウエル基板110の下面側から照射される。これにより、所定のウエルWに格納された試料Mから蛍光Yが発生する。
試料Mで発生した蛍光Yは、ダイクロイックミラー37を透過した後、さらに蛍光フィルタ(不図示)によって検出したい波長帯域のみが、受光部33に受光され、受光部33による受光画像が表示装置3に表示される。
作業者は、表示装置3に表示された画像により蛍光Yが発している試料Mを確認した場合、全てのウエルWの蛍光画像の取得動作を開始する。上記画像取得動作は、例えば、作業者が入力装置4を介して表示装置3に表示されたスタートスイッチを操作することで開始される。
これにより、受光部33は受光した蛍光画像が制御装置2に取得される。制御装置2の画像解析部2aは、受光部33から送信される受光画像を解析することで試料Mが発している蛍光輝度を算出し、該試料Mを収容しているウエルWの座標位置と蛍光輝度とを対応させたデータを作成する。
制御装置2は、蛍光発光点がウエル座標上に位置するもの(ウエルW内で発生した蛍光である)で、蛍光発光面積が所定の閾値より小さく、且つ蛍光発光輝度が所定の閾値よりも高い試料Mを収容したウエルWを例えば、上位100個までリスト化(対応するウエルWの蛍光発光輝度および座標位置を収容したもの)し、表示装置3に表示させる。なお、制御装置2は、蛍光発光面積が必要以上に大きいものについてはカウントしない。これは、蛍光発光面積が必要以上に大きいものは、ウエルW内の複数の試料Mから蛍光が発生しているからである。なお、蛍光発光面積および蛍光発光輝度の閾値は、試料Mの種類に応じて適宜変更可能である。
一例として、蛍光タンパク質と目的タンパク質とからなる融合タンパク質をコードする遺伝子の安定性発現株のスクリーニングにおいて、制御装置2は、安定性発現株中の蛍光タンパク質から発生される蛍光をリスト化する。蛍光タンパク質としては、緑色蛍光タンパク質(Green Fluorescent Protein, GFP)、赤色蛍光タンパク質(Red Fluorescent Protein, RFP)、黄色蛍光タンパク質(Yellow Fluorescent Protein, YFP)等が挙げられる。蛍光発光面積が大きいことは、安定性発現株中で目的タンパク質をコードする遺伝子が高発現していることを意味する。目的遺伝子の安定性高発現株を取得したい場合、作業者は、リストの中から、蛍光発光面積が大きい細胞株を選択すればよい。
また、一例として、特定の抗原に特異的に結合するモノクローナル抗体を分泌する抗体産生細胞のスクリーニングにおいて、ウエルW内に存在する抗体を蛍光標識する場合、制御装置2は、各ウエルWから発生される蛍光をリスト化する。蛍光発光面積が大きいことは、抗体産生細胞が目的の抗体を大量に分泌していることを意味する。作業者は、リストの中から、蛍光発光面積が大きい細胞を選択することにより、特定の抗原に特異的に結合するモノクローナル抗体を分泌する抗体産生細胞を得ることができる。
従来、モノクローナル抗体の製造方法としては、ハイブリドーマ法が一般的に用いられてきた。ハイブリドーマ法は、例えば、抗原を免疫したマウスの脾細胞と骨髄腫細胞とを細胞融合させることで自律増殖能を持ったハイブリドーマを作製し、目的の特異性を有するクローンのみをスクリーニングする方法である。当該方法においては、ハイブリドーマ作製の際の融合効率が1/10〜1/10と低く、多くの抗体産生細胞を取り逃しているという欠点がある。
係る欠点に対する解決策として、ハイブリドーマを作製せずに、抗体産生細胞であるB細胞自体を評価する方法が考えられる。しかしながら、B細胞自体は体外で長期間培養できないという問題点があった。本実施形態によれば、簡便にスクリーニングが可能であるため、B細胞の短期培養で目的の抗体産生細胞を選別することができる。
なお、試料Mから2色の蛍光が発光される場合においては、蛍光フィルタ(不図示)を変更し、受光部33により検出する波長帯域を変更すればよい。制御装置2は、受光部33から送信される受光画像から試料Mが発している2色の蛍光輝度をそれぞれ算出し、該試料Mを収容しているウエルWの座標位置を対応させて記憶する。そして、2色の蛍光発光輝度がそれぞれ閾値よりも高い試料Mを収容したウエルWの位置座標を上述のようにリスト化する。
一例として、蛍光タンパク質と目的タンパク質とからなる2種類の融合タンパク質(例えば、タンパク質XとGFPの融合タンパク質、及び、タンパク質YとYFPの融合タンパク質)をコードする遺伝子の安定性発現株のスクリーニングにおいて、制御装置2は、安定性発現株中の蛍光タンパク質から発生される2色の蛍光をリスト化する。2つの目的遺伝子の安定性高発現株を取得したい場合、作業者は、リストの中から、2色の蛍光発光面積が大きい細胞株を選択すればよい。
作業者は、表示装置3に表示されたリストから細胞回収を行うウエルWを任意で選択することができる。作業者は、表示装置3に表示されたリストから任意のウエルWを選択した後、キャピラリー部20による吸引回収動作を開始させる。上記吸引回収動作は、例えば、作業者が入力装置4を介して表示装置3に表示されたスタートスイッチを操作することで開始される。
キャピラリー部20は、制御装置2からの指示に基づいて、上記選択されたリストに対応したウエルWに対し、細胞回収動作を順次行う。
細胞回収動作は、以下のステップを繰り返す。
まず、細胞回収動作を行うノズル21は、第1動作として、待機ポジションP2から細胞回収ポジションP1へと移動する(図4参照)。
第2動作として、ノズル21は細胞回収ポジションP1に位置するウエルW内から試料Mを吸引回収する(図4参照)。
第3動作として、ノズル21は、アーム22の旋回動作によって回収領域11bに設置された回収トレイ13上に移動する(図4参照)。
第4動作として、ノズル21は回収トレイ13の所定の回収用ウエル13aに試料Mを排出する(図4参照)。
第5動作として、ノズル21は、アーム22の旋回動作によって洗浄ポジションP3へと移動し、該洗浄ポジションP3に設置された洗浄液ディップ部24bにディップすることで先端部21aの内部を洗浄する(図4参照)。
第6動作として、ノズル21は、アーム22の旋回動作によって待機ポジションP2へと移動し、該待機ポジションP2に設置された試薬ディップ部24aにて先端部21aを液体にディップさせた状態とする(図4参照)。
以上の6つの動作を繰り返すことで、キャピラリー部20による細胞回収動作が実行される。
制御装置2は、ノズル21が待機ポジションP2(試薬ディップ部24a)から離間した事を確認した後あるいは確認する少し前のタイミングで、次の細胞回収動作の対象となるウエルWを細胞回収ポジションP1に位置させるように、駆動機構12により定盤部11上のウエル基板110を移動する。
これにより、ノズル21が細胞回収ポジションP1に到達した際、該細胞回収ポジションP1には次の細胞回収対象となるウエルWが既に配置された状態なる。
よって、ノズル21は細胞回収ポジションP1でウエルWが移動してくるのを待つことなく、上記第2動作以降を迅速に実行できる。
したがって、上記細胞回収動作を短時間で繰り返し行うことができる。
制御装置2は、上記選択されたリストに対応した全てのウエルWから試料Mを回収した後、ノズル21を洗浄ポジションP3で洗浄し、洗浄後のノズル21を待機ポジションP2にて先端部21aを液体にディップした状態で待機させる。
また、制御装置2は、表示装置3の画面に、指定動作(細胞回収動作)が完了(終了)した旨の表示を行う。
以上述べたように、本実施形態によれば、ウエル基板110およびノズル21の位置情報を高精度で検出することができる。よって、ノズル21およびウエル基板110を高精度にアライメントできるので、標的細胞(試料M)を精度良く回収することができ、高い細胞回収率を実現できる。
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態において、上記実施形態と共通の構成については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略若しくは簡略化する。
上記実施形態の細胞回収動作においては、ノズル21およびウエル基板110は高速で繰り返し動作していた。そのため、ノズル21(アーム22)を駆動する駆動機構23や、ウエル基板110(定盤部11)を移動する駆動機構12が発熱してしまっていた。
例えば、駆動機構23においては、機構部に熱伸びが発生することでノズル21の旋回量や、昇降量に変化が生じ、ノズル21の先端部21aの位置が細胞回収ポジションP1からずれる可能性があった。
また、駆動機構12においても、機構部に熱伸びが発生することでウエル基板110の移動量に変化が生じ、細胞回収を行うウエルWが細胞回収ポジションP1からずれた位置に配置される可能性があった。
すなわち、細胞回収ポジションP1に対して適切に位置決めされているノズル21およびウエル基板110(ウエルW)における位置(アライメント位置)に変化が生じる可能性があった。このようにアライメント位置に変化が生じると、細胞回収ポジションP1にウエルWおよびノズル21が精度良く配置されないため、ウエルW内から試料Mを吸引回収することができず、細胞回収率が低下するおそれがある。
これに対し、本実施形態では、ノズル21およびウエルWのアライメント位置の変化を検出する検出ステップと、検出ステップの検出結果に基づいて、アライメント位置を補正する補正ステップとを実行する。
図8は本実施形態のスクリーニング装置における光学観察部30及びその周辺構成の概略図である。本実施形態のスクリーニング装置100は、図8に示すように、アライメント検出部50をさらに具備している。アライメント検出部50は、ウエル基板110の上方に配置される。アライメント検出部50は、CCDカメラなどの撮像素子を含み、撮像画像に基づいて駆動機構12によるウエルWの実際の移動距離や駆動機構23によりノズル21の旋回量を計測する。アライメント検出部50は、計測結果に基づき、駆動機構12によるウエルWの移動位置のずれや駆動機構23によるノズル21の旋回位置のずれ、すなわち、細胞回収ポジションP1に対するアライメント位置の変化を検出する。
アライメント検出部50は、計測結果を制御装置2に送信する。制御装置2は、計測結果に基づいて、細胞回収ポジションP1に対するウエル基板110およびノズル21のアライメント位置のずれを補正する。すなわち、制御装置2は、アライメント検出部50の検出結果に基づいて、アライメント位置を補正する位置補正部を構成する。
例えば、制御装置2は、駆動機構12および駆動機構23の駆動を制御する際、上記アライメント位置のずれを考慮し、実際よりも少ない距離だけウエル基板110およびノズル21を移動させる旨の駆動信号を生成する補正を行う。これにより、駆動機構12および駆動機構23により移動されたウエル基板110およびノズル21は、熱伸び分と合わさることで正しい位置(細胞回収ポジションP1)に移動されることとなる。
また、定盤部11を介して駆動機構12の熱がウエル基板110に伝わることで、該ウエル基板110自体が熱伸びしてしまうことも想定される。この場合、ウエルW間の距離が延びてしまい、各ウエルWが細胞回収ポジションP1に対してずれてしまうおそれがある。
この場合においても、アライメント検出部50は、隣接するウエル間距離を実測し、熱伸びによるウエル間距離の変化、すなわち、細胞回収ポジションP1に対するアライメント位置の変化を検出する。制御装置2は、駆動機構12の駆動を制御する際、上記ウエル間距離の伸びを考慮し、実際よりも少ない距離だけウエル基板110を移動させる旨の駆動信号を生成する補正を行う。これにより、駆動機構12により移動されたウエル基板110は、熱伸び分と合わさることで正しい位置(細胞回収ポジションP1)に移動されることとなる。
また、駆動機構23においては、機構部の熱伸びにより昇降量(Z方向の位置)が変化する場合もある。この場合、ノズル21が細胞回収ポジションP1においてウエルWよりも離間した状態となってしまい、ウエルW内から試料Mを良好に吸引できない可能性もある。
この場合において、細胞回収動作時において、第2検出装置62をアライメント位置検出部として利用し、ノズル21の先端部21aの高さを検出するようにしてもよい。制御装置2は、ノズル21の先端部21aの高さが変化した場合、駆動機構23を駆動(昇降動作)させる際、上記先端部21aの高さの変化(例えば、伸び)を考慮し、実際よりも少ない距離だけアーム22(ノズル21)を上昇させる旨の駆動信号を生成する補正を行う。これにより、駆動機構23により上昇したアーム22に保持されたノズル21は、熱伸び分と合わさることで細胞回収ポジションP1において、先端部21aが正しい高さに保持されるようになる。
なお、上記アライメント検出部50は、細胞回収動作を行う期間の全体に亘って駆動していても良いし、細胞回収動作の途中の所定タイミング毎に駆動してもよい。ここで、所定タイミングとしては、例えば、所定数のウエルWに対して細胞回収動作が完了したタイミング、或いは、細胞回収動作を開始してから所定時間が経過したタイミング等が挙げられる。
本実施形態によれば、アライメント後に熱伸びが発生してアライメント位置にずれが生じた場合であっても、アライメント位置を補正することができる。よって、ノズル21およびウエル基板110のアライメントのずれが補正されるので、精度良く細胞回収動作を行うことができ、高い細胞回収率を実現できる。
なお、第2実施形態では、細胞回収動作時の熱に起因して変化したアライメント位置を補正する際にアライメント検出部50を用いる場合を例示したが、これに限定されない。
図9は第2実施形態の変形例に係る光学観察部30及びその周辺構成の概略図である。
例えば、ウエル基板110を移動させる駆動機構12に対し、図9に示すように、該駆動機構12の温度を計測する温度センサー(温度計測部)55を設けるようにしてもよい。
温度センサー55の検出結果は、制御装置2へと送信される。制御装置2は、例えば、予め実験などにより求めた、駆動機構12における温度と熱伸びとの関係を規定したデータを保持している。制御装置2は、温度センサー55の検出結果と上記データとに基づいて、ウエル基板110の熱伸びを算出する。
この場合において、制御装置2は、駆動機構12の駆動を制御する際、上記駆動機構12の熱伸びを考慮し、実際よりも少ない距離だけウエル基板110を移動させる旨の駆動信号を生成する補正を行う。これにより、駆動機構12により移動されたウエル基板110は、熱伸び分と合わさることで正しい位置(細胞回収ポジションP1)に移動されることとなる。
また、図9に示すように、駆動機構12を冷却する冷却機構56を設けるようにしても良い。冷却機構56は、例えば、ヒートシンク構造やペルチェ素子等から構成される。冷却機構56は、制御装置2により駆動が制御される。制御装置2は、細胞回収動作時に、冷却機構56を動作させることで、駆動機構12の温度上昇を抑制し、該駆動機構12の熱伸びの発生を抑制する。
制御装置2は、上記温度センサー55を利用し、駆動機構12の温度に応じて冷却機構56を適切なタイミングで動作させるようにしてもよい。このようにすれば、冷却機構56によって冷却されることで駆動機構12の機構部に生じる熱伸びを抑制でき、制御装置2が行う上記補正量を抑えることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記形態に限定されることはなく、発明の主旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、本実施形態のスクリーニング装置100においては、全ての動作がマニュアル操作(手動)により実行可能であってもよい。マニュアル操作への切り替えは、例えば、作業者が入力装置4を介して表示装置3に表示されたマニュアルスイッチを操作することで行われる。マニュアル操作時に各機構の干渉が発生し得る場合は、その旨を表示装置3の画面上に表示する構成としてもよい。また、マニュアル操作時において、表示装置3に、各動作に伴う原点位置からの移動量を実寸法として表示させるようにしてもよい。
また、スクリーニング装置100は、マニュアル操作時においては、機構が破損するおそれのある動作については機構同士が互いに干渉しないインターロック構造を採用してもよい。この場合において、表示装置3の画面上にインターロック機構により動作しない旨を表示するのが好ましい。
また、上記実施形態では、ウエル基板110およびノズル21の位置情報をそれぞれ非接触方式で検出する場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。本発明では、少なくともウエル基板110のみを非接触方式で検出すればよい。すなわち、ノズル21の先端部21aの位置情報を接触方式で検出するようにしてもよい。
図10は変形例に係る第2検出装置の概略構成を示す図である。
図10に示される本変形例の第2検出装置160は、接触方式によりノズル21の先端部21aの位置を検出する。第2検出装置160は、金属製ノズル用検出部161と、非金属製ノズル用検出部162と、払拭部163と、を備えている。
第2検出装置160は、例えば、細胞回収ポジションP1(図4参照)と、待機ポジションP2(図4参照)との間に設置されている。なお、第2検出装置160の設置位置は、これに限定されることは無く、ノズル21の細胞回収動作を妨げない位置であれば、待機ポジションP2と洗浄ポジションP3との間、或いは、洗浄ポジションP3と細胞排出ポジションP4との間であっても良い。
また、第2検出装置160は、ノズル21の先端部21aの高さ情報を取得する取得位置と、高さ情報を取得しない場合に待機する待機位置との間を移動することでノズル21の細胞回収動作を確実に妨げないようにしてもよい。
金属製ノズル用検出部161は、例えば、ノズル21が金属材料から構成されている場合に、該ノズル21の先端部21aの位置を検出するためのものである。
金属製ノズル用検出部161は、ノズル21を挿入させるための挿入孔161aを有する。金属製ノズル用検出部161は、例えば、電気信号を供給する信号供給部と、前記電気信号を受信する信号受信部とを含み、ノズル21の長さ方向に沿って昇降可能となっている。
信号供給部は、例えば、挿入孔161aに所定量だけ挿入されたノズル21の先端部21aに接触可能であって、ノズル21に対して電気信号を共有する。信号受信部は、挿入孔161aに所定量だけ挿入されたノズル21に接触可能であって、信号供給部から供給された電気信号をノズル21を介して間接的に受信する。
このような構成に基づき、金属製ノズル用検出部161は、ノズル21の先端部21aを挿入孔161aに挿入させた状態で、信号受信部が電気信号を受信可能となるように昇降動作を行う。金属製ノズル用検出部161は、信号受信部が電気信号を受信したZ方向の座標位置に基づいて、ノズル21の先端部21の高さ情報を取得する。
非金属製ノズル用検出部162は、例えば、ノズル21が非金属材料(例えば、プラスチック等)から構成されている場合に、該ノズル21の先端部21aの位置を検出するためのものである。
非金属製ノズル用検出部162は、ノズル21を挿入させるための挿入孔162aを有する。非金属製ノズル用検出部162は、例えば、挿入孔162aの底部に、ノズル21の先端部21aに接触した際に押圧されるON(オン)される押圧スイッチが設けられており、ノズル21の長さ方向に沿って昇降可能とされている。
このような構成に基づき、非金属製ノズル用検出部162は、ノズル21の先端部21aを挿入孔162aに挿入させた状態で、押圧スイッチがON(オン)されるように昇降動作を行う。非金属製ノズル用検出部162は、押圧スイッチがON(オン)されたときのZ方向の座標位置に基づいて、ノズル21の先端部21の高さ情報を取得する。
払拭部163は、例えば、スポンジ部材や不織布等を有する。払拭部163は、ノズル21の先端部21aに接触することで、該先端部21aに付着する培養液又はPBS(Phosphate buffered saline)を除去する。
これにより、金属製ノズル用検出部161および非金属製ノズル用検出部162が、先端部21aに付着した培養液又はPBSに起因した高さ情報の検出誤差の発生を防止することができる。特に金属製ノズル用検出部161は、電気信号を用いてノズル21の先端部21aの高さ検出を行うことから、払拭部163による培養液又はPBSの払拭作業は特に有効となる。
M…試料、W…ウエル、Y…蛍光(光情報)、C1…ノズル21の中心軸(中心を通る軸)、G1…中心(ウエルの観察領域の基準点)、P1…細胞回収ポジション、P2…待機ポジション、P3…洗浄ポジション、P4…細胞排出ポジション、2…制御装置(位置補正部)、11…定盤部(試料台)、12…駆動機構(載置面移動機構)、21…ノズル(回収ノズル)、22…アーム、25…ノズル位置調整機構、50…アライメント検出部(検出部)、55…温度センサー(温度計測部)、60…検出装置、61…第1検出装置、62…第2検出装置、100…スクリーニング装置、110…ウエル基板。

Claims (14)

  1. 試料から発する光情報を標識として探索することで前記試料の中から検査対象となる標的細胞を選択的に取得するスクリーニング装置であって、
    前記試料が収容された複数のウエルが設けられたウエル基板を載置する試料台と、
    前記複数のウエルに収容された前記試料の中から前記標的細胞を吸引して回収する回収ノズルと、
    前記ウエル基板および前記回収ノズルの位置情報を検出する装置であって、少なくとも前記ウエル基板の検出を非接触方式で行う検出装置と、を備え、
    前記検出装置の検出結果に基づいて、前記回収ノズルおよび前記ウエル基板がアライメントされている
    スクリーニング装置。
  2. 前記検出装置は、前記ウエル基板および前記回収ノズルのそれぞれにおける前記試料台の高さ方向の位置、および、前記ウエル基板の表面の平行度を検出する
    請求項1に記載のスクリーニング装置。
  3. 前記ウエルの観察領域の基準点と前記回収ノズルの中心軸とを一致させるように、前記回収ノズルの位置を調整するノズル位置調整機構をさらに備える
    請求項1又は2に記載のスクリーニング装置。
  4. 前記回収ノズルを旋回可能に保持するアームが、前記標的細胞の回収動作を行う細胞回収ポジションと、回収した前記標的細胞を排出する細胞排出ポジションと、前記細胞回収ポジションおよび前記細胞排出ポジションの間に設けられた待機ポジションと、の間で前記回収ノズルを移動させる
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のスクリーニング装置。
  5. 前記試料台は、前記ウエル基板を載置する載置面を移動する載置面移動機構を有する
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のスクリーニング装置。
  6. 前記試料台は、前記載置面移動機構を冷却する冷却機構をさらに備える
    請求項5に記載のスクリーニング装置。
  7. 前記載置面移動機構の温度を計測する温度計測部と、
    前記温度計測部の計測結果に基づいて、前記載置面移動機構による前記ウエル基板の移動量を補正する補正部と、を備える
    請求項5又は6に記載のスクリーニング装置。
  8. 前記ウエル基板および前記回収ノズルのアライメント位置の変化を検出する検出部と、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記アライメント位置を補正する位置補正部と、をさらに備える
    請求項5に記載のスクリーニング装置。
  9. 試料から発する光情報を標識として探索することで前記試料の中から検査対象となる標的細胞を選択的に取得するスクリーニング方法であって、
    前記試料が収容された複数のウエルが設けられたウエル基板を試料台に載置する載置工程と、
    前記ウエル基板における前記回収ノズルの位置情報を検出する工程であって、少なくとも前記ウエル基板の検出を非接触方式で行う検出工程と、
    前記検出工程の検出結果に基づき、前記ウエル基板と前記複数のウエルに収容された前記試料の中から前記標的細胞を回収する回収ノズルとのアライメントを行うアライメント工程と、
    アライメント後の前記回収ノズルを用いて前記標的細胞の回収動作を行う細胞回収工程と、を含む
    スクリーニング方法。
  10. 前記検出工程では、前記ウエル基板および前記回収ノズルのそれぞれにおける前記試料台の高さ方向の位置、および、前記ウエル基板の表面の平行度を検出する
    請求項9に記載のスクリーニング方法。
  11. 前記アライメント工程では、前記ウエルの観察領域の基準点と前記回収ノズルの中心軸とを一致させるように、前記回収ノズルを旋回可能に保持するアームを移動する
    請求項9又は10に記載のスクリーニング方法。
  12. 前記細胞回収工程は、前記ウエル基板を載置する載置面を移動する載置面移動機構を冷却する冷却ステップを含む
    請求項9〜11のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。
  13. 前記細胞回収工程は、前記ウエル基板を載置する載置面を移動する載置面移動機構の温度を計測する温度計測ステップと、前記温度計測ステップの計測結果に基づいて、前記載置面移動機構による前記ウエル基板の移動量を補正する補正ステップと、を含む
    請求項9〜12のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。
  14. 前記細胞回収工程は、前記ウエル基板および前記回収ノズルの前記アライメント位置の変化を検出する検出ステップと、
    前記検出ステップの検出結果に基づいて、前記アライメント位置を補正する補正ステップと、を含む
    請求項9〜12のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。
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