JP2007264114A - 液浸顕微鏡装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
液浸顕微鏡の対物レンズ鏡筒の先端レンズ部と、試料との間に液体を供給する液体供給手段と、前記先端レンズ部と前記試料との間の前記液体を吸引する液体吸引手段と、前記液体吸引手段の作動後に、前記試料上の残留する前記液体を検出し、前記液体の残留情報を取得する液体検出手段と、前記液体吸引手段で検出された前記液体の残留情報が所定条件を上回ると、前記試料に悪影響を及ぼす量の前記液体が残留していると判別する液体残留判別手段とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
この液体の残留を検出するのに赤外線を使うことが知られている。そして、残留水滴があると検出されると、半導体基板からその残留水滴を除去する処理をすることが知られている(特許文献1)。
第3の発明の液浸顕微鏡装置は、第1の発明の液浸顕微鏡装置において、前記液体供給手段の供給条件を調整する第一調整手段と、前記液体吸引手段の吸引条件を調整する第二調整手段と、前記液体残留判別手段により前記液体の残留が確認された場合に、前記液体の残留情報に基づいて前記第一調整手段および前記第二調整手段の少なくとも一方を制御し、前記液体の残留情報が前記所定条件を下回るように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
第7の発明の液浸顕微鏡装置は、第1ないし第6のいずれか1の発明の液浸顕微鏡装置において、前記液体検出手段は、前記対物レンズ鏡筒を通して赤外線を前記試料に向けて照射する赤外線照射手段と、前記試料からの前記赤外線の反射光あるいは透過光を前記対物レンズ鏡筒を通して検出する赤外線検出手段とを備えたことを特徴とする。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の液浸顕微鏡装置の第1の実施形態を示している。この実施形態では、本発明が、ウエハ外観検査装置に適用される。
この液浸顕微鏡装置は、基台11を有している。基台11上には、液浸顕微鏡12が配置されている。液浸顕微鏡12は、コ字状の顕微鏡鏡基13を有している。顕微鏡鏡基のベース部13aは基台11上に載置されている。顕微鏡鏡基13のスタンド部13bには、接眼レンズ部15およびランプハウス部17が配置されている。また、スタンド部13bの下面には、液浸対物レンズ鏡筒19が配置されている。この液浸対物レンズ鏡筒19の外側には、赤外線発光光学系21および赤外線検出光学系23が配置されている。
液浸対物レンズ鏡筒19の外筒部分には、ブロック部材57が固定されている。このブロック部材57には、液体供給装置59の供給ノズル部61、および、液体吸引装置63の吸引ノズル部65が形成されている。
供給ノズル部61は、配管67を介してシリンダ69に接続されている。シリンダ69の内部には、純水からなる液体Wが蓄えられている。そして、ピストン71を移動することにより、供給ノズル部61の先端から液体Wが吐出される。ピストン71は、モータ等の動力を直線運動に変換する送りねじ(不図示)と連結されており、その移動速度を可変とされている。配管67には、新しい液体Wが入った純水源73から、シリンダ69内に液体Wを供給するための2位置電磁弁75が介装されている。
赤外線発光光学系21は、赤外光源83、コレクタレンズ85、スリット87、折り曲げミラー89、発光側対物レンズ91を有している。この赤外線発光光学系21は、赤外光源83からの赤外線を、スリット87で細長ビームにし、スリット像Sを発光側対物レンズ91を介してウエハ33上に投影する。赤外光源83からは、波長2.7〜3.5μmの赤外線が発光される。また、発光側対物レンズ91は、ウエハ33の観察面33aに対して角度θで、液浸対物レンズ鏡筒19の光軸Lが通過する位置に赤外線Rを出射する。なお、スリット像Sを、シリンドリカルレンズを用いて形成するようにしても良い。
制御装置101の入力側には、観察開始スイッチS1、観察完了スイッチS2、赤外線検出光学系23が接続されている。また、制御装置101の出力側には、ウエハ搬送ロボット35、液体供給装置59、液体吸引装置63、赤外線発光光学系21、ウエハ乾燥装置39が接続されている。観察開始スイッチS1および観察完了スイッチS2は、図1に示すように、接眼レンズ部15の近傍に配置されている。観察開始スイッチS1をオンすると、ウエハ33の観察の開始信号が制御装置101に入力される。また、観察完了スイッチS2をオンすると、ウエハ33の観察の完了信号が制御装置101に入力される。
先ず、液浸顕微鏡装置では、液浸検査に最適化された液体の吐出制御と吸引制御の装置条件設定を行う。この装置条件設定の初期条件設定では、テストウエハなどを使用して条件設定を行うが、液浸検査処理を実行中にも条件設定の最適化を行う。
ステップS1: 液浸検査処理に先立ち、ユーザーは、装置条件の初期設定を行う場合には初期設定スイッチをオンする。
ステップS2: 液浸顕微鏡装置の入力画面から、検査対象のウエハの表面材料や表面張力などの諸条件ファクターを入力する。
(実施例1:吐出/吸引条件設定(その1))
ウエハ表面状態が、対物レンズ材質(の表面張力)と比較して、「親水性」か「撥水性」かで、吐出/回収ノズルの最適条件が異なるため、製品を検査する際には、あらかじめその製品に対する最適吐出/回収条件を制御装置101(パーソナルコンピュータ)上で初期設定(ステップS1−ステップS3)しておく必要がある。本実施例は、このような設定にも適用できる。以下に、その手法を説明する。
(1) 吐出条件
供給ノズル部61の主なパラメータは、「吐出速度」、「吐出流量」及び「対物レンズ先端と試料間の隙間」である。
(2)また、観察対象のウエハ33が親水性表面の場合、撥水性表面よりも同一吐出量における水の拡がりが大きくなる傾向がある。そのため、「吐出流量」を小さめに設定すると良い。
(4)上記吐出パラメータのうち、より効果の大きい「吐出水量」を第1パラメータとし、「吐出速度」第2パラメータ、「隙間」を第3パラメータとする。優先順位をつけて、効果をマッピング画像で確認しながら、必要なパラメータを振るようにする。
(2)吸引条件
吸引ノズル部65の主なパラメータは、「吸込流量」、「吸込時間」、「対物レンズ先端と試料間の隙間」である。
(2) 同じく、親水性表面の場合、「吸引時間」を長くして吸込を良くすることが出来る 。
(4) 上記パラメータのうち、第1パラメータを「吸込流量」、第2パラメータを「吸込時間」、第3パラメータを「対物レンズ先端と試料間の隙間」とし、優先順位付けをして、効果を確認しながらパラメータを振るようにする。
(実施例2:吐出/吸引条件設定(その2))
上記実施例1の応用として、さらに次のような実施例が考えられる。
なお、「撥水性」とは、顕微鏡対物レンズ構成部材の表面張力(あるいは接触角)よりも大きい表面張力(あるいは接触角)を持つ試料表面材質を指す。逆に「親水性」とは、顕微鏡対物レンズ構成部材の表面張力(あるいは接触角)よりも小さい表面張力(あるいは接触角)を持つ試料表面材質を指す。
これらの材質は、あらかじめ「材質名」と「表面張力(あるいは接触角)」の値が制御PC内にデータとして蓄えられているものとする。
以上、吐出及び吸引条件の説明を終了する。
ステップS4: 初期設定スイッチがオンされた場合には、ウエハキャリア37内のテストウエハ33あるいは、検査対象のウエハロッドの最初のウエハ33がウエハ搬送ロボット35により試料台27(ステージ)に搬送され、所定位置に保持される。
ステップS5: 液浸供給装置59を駆動して、ステップS3あるいはステップS13で設定された装置条件(吐出条件)に基づき、供給ノズル部61から液体W(浸液)を吐出する。具体的には、駆動手段(不図示のモーターなど)によりピストン71の押し出し量を精密に制御して、液体Wの定量吐出制御を行う。これにより、図2に示したように、液浸対物レンズ鏡筒19の先端のレンズ部19aとウエハ33との間隙に最適な表面張力が働くだけの液体Wを供給することができる。
なお、液体Wの供給後に、2位置電磁弁75の位置を切換えて、純水源73から清浄な液体Wをシリンダ69内に取り込む。取り込み後、再び、2位置電磁弁75の位置を切り替えて、供給ノズル部61側に接続される。
具体的には、赤外線発光光学系21の赤外光源83をオンして、図3に示したように、ウエハ33の観察面33aにスリット光Sを照射する。このスリット光Sは、観察面33aで反射して赤外線検出光学系23の一次元撮像素子(例えばCCD素子)99により検出される。そして、XYステージ31をX方向にスキャンして、ウエハ33の観察面33aへの照射位置を少しずつ移動することにより、液体Wが供給された浸水エリアの状態が順次1次元撮像素子99に取り込まれ、制御装置101に出力される。
この判断は、画像処理部101aにおいて画像処理された画像に基づいて行われる。
すなわち、ウエハ33の浸水エリアEに液体W(純水)が残存している場合には、水による赤外線の吸収により、水が存在する位置において、反射率が著しく低くなる。図7は、水による赤外線の吸収を示すもので、波長2.7〜3.5μmの赤外線では、水による赤外線の吸収により透過率が低下しているのがわかる。そして、波長3.0μmの近傍において透過率が極端に低下している。
また、図7(A2)のように供給ノズル部61の吐出速度が早すぎた場合には、液体Wが吸引ノズル部65のノズル先端部の後方まで届いてしまい、吸引した際に、図7(B2)のように吸引ノズル部65のノズル先端付近に水滴Wが残留する危険がある。
ステップS9: ステップS8において検出された残留した水滴Wの分布情報(XY座標データ)および水滴の面積情報が1次元撮像素子99の画像データにより算出される。この算出された残留水滴情報は、モニター表示装置103において残留水滴のマッピングデータとして表示される。
具体的には、ステップS8において検出した水滴Wの画像データに基づき、水滴の「面積」及び「数」の情報がわかる。この情報から、ウエハ表面が「良品」か「不良品」かを、判別することができる。例えば、以下のような判別方法が考えられる。
(なお、ここで0.2mm以上の水滴を判断基準としているのは、ある条件下では、0.2mm未満の大きさの水滴は、瞬時に消滅し、試料表面に輪染み等の実害を残さないという理由からである。)
(2)水滴の「面積」と「数」に着目し、水が残留する「総面積(=面積×数)」を算出して、一定値(例えば0.2mm以上の水滴が3個以上)を超えていた場合は不良品と判定する。(水滴総面積がある値を超えると、製品歩留まりが急激に悪化する場合には有効な判定方法である。)
(3)水滴の「数」に着目し、一定値(例えば3個以上)を超えると、「不良」と判断す る。
ステップS11: ステップS10により求められた水滴Wの残留量が所定量以下であると判定された場合には、その際の装置条件すなわち吐出条件及び吸引条件が登録あるいは更新される。
ステップS13: ステップS10において水滴Wの残留量が所定量以上であると判定されと、吐出及び吸引条件を修正する。ステップS8及びステップS9において解析した残留水滴情報に基づいて、吐出速度が早いと解析されれば、吐出速度を下方修正し、また、吐出流量が多いと解析されれば、吐出流量を下方修正する。
ステップS14: ステップS13において修正された吐出及び吸引条件に基づき、ウエハ33の次の観察ポイントへ移動して、ステップS5に戻り、液浸検査処理を実行する。
なお、この実施形態では、赤外線発光光学系21および赤外線検出光学系23を液浸対物レンズ鏡筒19の両側に配置した例について説明したが、赤外線発光光学系21および赤外線検出光学系23を液浸対物レンズ鏡筒19から離れた位置に配置しても良い。例えば、赤外線発光光学系21および赤外線検出光学系23をウエハ33の片側に寄せて配置してもよい。また、ウエハ搬送ロボット35による搬送路の途中に配置しても良い。
(第2の実施形態)
図9は、本発明の液浸顕微鏡装置の第2の実施形態の要部を示している。
この実施形態では、赤外線発光光学系21と赤外線検出光学系23とが、ウエハ33の水平方向の両側に対向して配置されている。赤外線発光光学系21および赤外線検出光学系23は、支持部材105によりZステージ29に固定されている。従って、試料台27の上下方向の移動に応じて、赤外線発光光学系21および赤外線検出光学系23も上下に移動する。赤外線発光光学系21は、ウエハ33の観察面33aの近傍に、観察面33aに平行に赤外線Rを出射するように位置されている。また、赤外線検出光学系23は、赤外線発光光学系21からの赤外線Rの光路上に位置されている。
(第3の実施形態)
図11は、本発明の液浸顕微鏡装置の第3の実施形態の要部を示している。
この実施形態では、顕微鏡光学系が同軸落射方式とされ、下側から順に、照明光学系111、オートフォーカス光学系113、液体検出光学系115が配置されている。照明光学系111のランプハウス部17からは、例えば波長248nmの紫外線が照明光として出射される。照明光は、ダイクロイックミラー117で反射し、液浸対物レンズ鏡筒19、液体Wを通りウエハ33の観察面33aに導かれる。観察面33aで反射した照明光は、液体W、液浸対物レンズ鏡筒19、ダイクロイックミラー117を通り、ダイクロイックミラー119で反射した後、接眼レンズ部15に導かれ、ウエハ33の観察が行われる。
なお、この実施形態では、液体検出光学系115により、赤外線の発光および検出をした例について説明したが、液浸対物レンズ鏡筒19の外側の近傍に赤外線発光光学系を配置するとともに、液体検出光学系115の代わりに赤外線検出光学系を配置し、液浸対物レンズ鏡筒19に入射する赤外散乱光を液体検出光学系で検出するようにしても良い。
(第4の実施形態)
図12は、本発明の液浸顕微鏡装置の第4の実施形態の要部を示している。
この実施形態では、赤外線がウエハ33を透過する性質を利用している。そして、第3の実施形態における液体検出光学系115の位置に、赤外線検出光学系23が配置されている。また、ウエハ33の下方となる位置に赤外線発光光学系21が配置されている。より具体的には、ウエハ33の外周部が、Zステージ29に固定される支持部材125により支持されている。そして、Zステージ29における液浸対物レンズ鏡筒19の光軸Lの延長上に赤外線発光光学系21が配置されている。
(実施形態の補足事項)
以上、本発明を上述した実施形態によって説明してきたが、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のような形態でも良い。
(3)上述した実施形態では、液体Wに純水を用いた例について説明したが、本発明は、赤外線を吸収する液体を使用する液浸顕微鏡装置に広く適用することができる。
(4)上述した実施形態では、超音波振動子103により液体Wの乾燥を促進した例について説明したが、例えば、高周波磁界(マイクロウエーブ)を印加して液体Wの乾燥を促進しても良い。また、ウエハ乾燥室43内にファンを設置し、ファンによりウエハ33に温風を当てて乾燥を促進しても良い。
Claims (7)
- 液浸顕微鏡の対物レンズ鏡筒の先端レンズ部と、試料との間に液体を供給する液体供給手段と、
前記先端レンズ部と前記試料との間の前記液体を吸引する液体吸引手段と、
前記液体吸引手段の作動後に、前記試料上の残留する前記液体を検出し、前記液体の残留情報を取得する液体検出手段と、
前記液体吸引手段で検出された前記液体の残留情報が所定条件を上回ると、前記試料に悪影響を及ぼす量の前記液体が残留していると判別する液体残留判別手段とを備えたことを特徴とする液浸顕微鏡装置。 - 前記残留情報は、前記液体の残留面積や残留数を含み、
前記液体残留判別手段は、前記液体の残留面積および残留数の少なくとも一方の情報に基づいて前記液体の残留有無を判別することを特徴とする請求項1記載の液浸顕微鏡装置。 - 前記液体供給手段の供給条件を調整する第一調整手段と、
前記液体吸引手段の吸引条件を調整する第二調整手段と、
前記液体残留判別手段により前記液体の残留が確認された場合に、前記液体の残留情報に基づいて前記第一調整手段および前記第二調整手段の少なくとも一方を制御し、前記液体の残留情報が前記所定条件を下回るように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の液浸顕微鏡装置。 - 前記残留情報は、前記液体の残留分布を示す座標データ、前記液体の残留面積、前記液体の残留数を含み、
前記制御手段は、前記液体の残留情報の座標データに基づいて前記第一調整手段および前記第二調整手段の少なくとも一方を作動させ、前記液体の残留情報の残留面積、残留数が前記所定条件を下回るように制御することを特徴とする請求項3記載の液浸顕微鏡装置。 - 前記第一調整手段が調整する供給条件には、複数の条件を含み、また、前記第二調整手段が調整する吸引条件には、複数の条件を含み、
前記制御手段は、前記残留情報に基づいて、前記第一調整手段あるいは前記第二調整手段を調整する際に前記供給条件あるいは前記吸引条件の複数の条件の中で優先順位を付けて調整制御することを特徴とする請求項4記載の液浸顕微鏡装置。 - 前記試料の撥水性あるいは親水性の条件を入力する入力手段と、
前記入力条件に基づいて、前記供給条件あるいは前記吸引条件の初期設定条件を設定する設定手段とを備えることを特徴とする請求項3記載の液浸顕微鏡装置。 - 前記液体検出手段は、前記対物レンズ鏡筒を通して赤外線を前記試料に向けて照射する赤外線照射手段と、前記試料からの前記赤外線の反射光あるいは透過光を前記対物レンズ鏡筒を通して検出する赤外線検出手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の液浸顕微鏡装置。
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