JP2016104088A - 加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】復帰加熱制御における吹き零れを適切に抑制できる加熱調理器を提供する。【解決手段】運転制御手段Hが、麺茹でモードが指令されると、加熱手段1を初期加熱力にて加熱作動させて沸騰状態を判別した後は、待機加熱力にて加熱手段1を加熱作動させる待機加熱制御、麺投入による温度低下を回復させるために待機加熱力よりも大きな復帰加熱力にて加熱手段1を復帰加熱実行時間に亘って加熱作動させる復帰加熱制御、及び、吹き零れを抑制するように加熱手段1の加熱力を制御する抑制加熱制御を順次実行するように構成され、かつ、復帰加熱制御における加熱量を、麺情報入力手段にて入力された麺対応情報が吹き零れ易いほど少なくする形態で変更調節するように構成されている。【選択図】図8

Description

本発明は、調理容器を加熱する加熱手段と、前記調理容器の温度を検出する温度検出手段と、前記加熱手段の加熱力を変更調節する加熱力調節手段と、麺茹でモードを指令する麺茹でモード指令手段と、前記加熱手段の作動を制御する運転制御手段とが設けられ、
前記運転制御手段が、前記麺茹でモードが指令されると、前記加熱手段を初期加熱力にて加熱作動させた状態において前記温度検出手段の温度検出値に基づいて沸騰状態を判別した後は、前記初期加熱力よりも小さな待機加熱力にて前記加熱手段を加熱作動させる待機加熱制御、麺投入による温度低下を回復させるために前記待機加熱力よりも大きな復帰加熱力にて前記加熱手段を復帰加熱実行時間に亘って加熱作動させる復帰加熱制御、及び、吹き零れを抑制するように前記加熱手段の加熱力を制御する抑制加熱制御を順次実行するように構成された加熱調理器に関する。
かかる加熱調理器は、素麺、冷や麦、パスタ、生うどん等の麺を茹でる際に、麺茹でモードを指令することによって、吹き零れを抑制しながら、良好に麺を茹でることができるようにしたものである。
つまり、麺茹でモードにおいては、先ず、沸騰状態が判別されるまで初期加熱力にて加熱手段が加熱作動され、沸騰状態が検出されると、初期加熱力よりも小さな待機加熱力にて加熱手段を加熱作動させる待機加熱制御が実行され、その時点において、麺が調理容器に投入されることになる。尚、一般には、沸騰状態が検出されると、麺の投入を促す報知が行われることになる。
待機制御の後は、麺投入による温度低下を迅速に回復させるために、待機加熱力よりも大きな復帰加熱力にて加熱手段を復帰加熱実行時間に亘って加熱作動させる復帰加熱制御が行われ、その後、吹き零れを抑制するように加熱手段の加熱力を制御する抑制加熱制御が実行されることになる。
抑制加熱制御としては、一般に、設定高加熱力にて高加熱力用設定時間が経過するまで加熱手段を加熱作動させる高加熱力加熱状態と設定高加熱力よりも小さな設定小加熱力にて小加熱力用設定時間が経過するまで加熱手段を加熱作動させる小加熱力加熱状態とを繰り返す制御が実行されることになる。
このような加熱調理器の従来例として、復帰加熱制御における復帰加熱力が、待機加熱力よりも大きな一定の火力に設定され、かつ、復帰加熱制御における復帰加熱実行時間が、麺を茹でる調理容器に収納された湯水の量を示す収納湯水量と調理容器に投入された麺の量を示す麺投入負荷変数とに基づいて、収納湯水量が多いほど長くかつ投入された麺の量が多いほど長くする形態で定められるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
ちなみに、特許文献1においては、初期加熱力にて加熱手段を加熱作動させたのちにおいて温度検検出手段の温度検出値が第1設定温度(例えば、77.9℃)に達した時点から第1設定温度よりも高い第2設定温度(例えば、94.4℃)に達する時点までの温度上昇時間、及び、初期加熱力に基づいて、収納湯水量を推定するように構成されている。
また、特許文献1においては、麺投入負荷変数が、沸騰状態を判別したのちにおける温度検出手段の温度検出値が麺投入により低下する温度低下の開始時点から最低温度になるまでの温度低下時間と、温度検出手段の温度検出値の麺投入前の最高温度と麺投入により低下した最低温度との温度差との積として求められるように構成されている。
特開2013−134049号公報
従来の加熱調理容器は、復帰加熱制御における復帰加熱力及び復帰加熱実行時間、換言すれば、復帰加熱制御において調理容器を加熱する熱量の総量に相当する復帰加熱制御における加熱量が、茹で上げる麺の吹き零れ易さとは無関係に設定されるものであるため、復帰加熱制御の実行中に吹き零れが発生する虞があり、改善が望まれるものであった。
すなわち、茹でる麺として、素麺、冷や麦、パスタ、生うどん等が存在するが、例えば、素麺は、冷や麦、パスタ、生うどん等と較べて、吹き零れが発生し易く、冷や麦は、パスタ、生うどん等と較べて、吹き零れが発生し易く、さらに、パスタは、生うどんに較べて、吹き零れが発生し易い等、吹き零れの発生のし易さは、茹でる麺の種類に応じて変化することになる。尚、素麺でも、麺の太さが細いほど、吹き零れが発生し易い傾向となる。
ちなみに、本明細書においては、素麺と冷や麦との差異を、日本農林規格(JAS)の機械製麺の場合の規定にしたがって、直径が1.3mm未満の場合を素麺とし、直径が1.3mm以上で、1.7mm未満の場合を冷や麦として説明するものであって、この場合には、上述の如く、素麺は、冷や麦等と較べると、吹き零れが発生し易い傾向となる。
尚、日本農林規格(JAS)の手延べの場合の規定では、素麺及び冷や麦とも、直径1.7mm未満であると規定されている通り、手延べの場合には、素麺及び冷や麦における吹き零れのし易さを一概に決めることができないので、包装袋に記載の調理時間の長さ等に基づいて、吹き零れのし易さを確認する必要がある。
そして、麺を茹でる際に、麺を茹でるのに必要とする湯水を調理容器に収納するにあたり、その湯水収納量よりも十分に大きな容量の調理容器を用いるようにすれば、復帰加熱制御の実行中に吹き零れが発生することはないが、調理容器の容量が、麺を茹でるのに必要とする湯水収納量よりも十分に大きくない場合には、吹き零れが発生し易い素麺等を茹でる際に、復帰加熱制御の実行中に吹き零れが発生する虞があった。
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、復帰加熱制御における吹き零れを適切に抑制できる加熱調理器を提供する点にある。
本発明の加熱調理器は、調理容器を加熱する加熱手段と、前記調理容器の温度を検出する温度検出手段と、前記加熱手段の加熱力を変更調節する加熱力調節手段と、麺茹でモードを指令する麺茹でモード指令手段と、前記加熱手段の作動を制御する運転制御手段とが設けられ、
前記運転制御手段が、前記麺茹でモードが指令されると、前記加熱手段を初期加熱力にて加熱作動させた状態において前記温度検出手段の温度検出値に基づいて沸騰状態を判別した後は、前記初期加熱力よりも小さな待機加熱力にて前記加熱手段を加熱作動させる待機加熱制御、麺投入による温度低下を回復させるために前記待機加熱力よりも大きな復帰加熱力にて前記加熱手段を復帰加熱実行時間に亘って加熱作動させる復帰加熱制御、及び、吹き零れを抑制するように前記加熱手段の加熱力を制御する抑制加熱制御を順次実行するように構成されたものであって、その特徴構成は、
茹でる麺の吹き零れ易さを示す麺対応情報を入力する麺情報入力手段が設けられ、
前記運転制御手段が、前記復帰加熱制御における加熱量を、前記麺情報入力手段にて入力された前記麺対応情報が吹き零れ易いほど少なくする形態で変更調節するように構成されている点にある。
尚、上記記載中における「前記復帰加熱制御における加熱量」とは、復帰加熱制御において調理容器を加熱する熱量の総量に相当する熱量である。
また、上記記載中における「前記復帰加熱制御における加熱量を、前記麺情報入力手段にて入力された前記麺対応情報が吹き零れ易いほど少なくする形態で変更調節する」とは、復帰加熱制御における加熱量を、2段階に変更調節する場合、及び、3段階以上に変更調節する場合を含むことを意味するものである。
すなわち、上記特徴構成によれば、麺を茹でる際に、麺情報入力手段にて茹でる麺の吹き零れ易さを示す麺対応情報を入力することにより、運転制御手段が、復帰加熱制御における加熱量を、麺情報入力手段にて入力された麺対応情報が吹き零れ易いほど少なくしながら、復帰加熱制御を実行することになる。
ちなみに、麺の種類ごとの吹き零れ易さは、麺が茹で上がるまでの調理時間が短いほど吹き零れし易くなる傾向となるものであって、麺を収納する包装袋に記載されている麺を茹でる調理時間の長短により、麺の吹き零れ易さを認識できるものであるから、調理者(使用者)は、麺を収納する包装袋に記載されている麺を茹でる調理時間の長短により認識した吹き零れ易さに応じて、麺情報入力手段にて麺対応情報を入力できることになる。
また、素麺は、冷や麦、パスタ、生うどん等と較べて、吹き零れが発生し易く、冷や麦は、パスタ、生うどん等と較べて、吹き零れが発生し易く、さらに、パスタは、生うどんに較べて、吹き零れが発生し易い等、麺の吹き零れ易さは、一般に知られているから、調理者(使用者)が、麺の吹き零れ易さを予め認識していれば、予め認識している吹き零れ易さに応じて、麺情報入力手段にて麺対応情報を入力できることになる。
このように、復帰加熱制御における加熱量が、茹でる麺が吹き零れ易いほど少なくなるから、吹き零れ易い麺を茹でる際にも、復帰加熱制御を行うときに吹き零れが発生することを抑制できることになる。
要するに、本発明の特徴構成によれば、復帰加熱制御における吹き零れを適切に抑制できる加熱調理器を提供できる。
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記運転制御手段が、前記復帰加熱制御における加熱量を前記復帰加熱力の大きさの調節により変更調節するように構成されている点にある。
すなわち、本発明の更なる特徴構成によれば、復帰加熱制御における加熱量が、復帰加熱力の大きさを調節することにより変更調節されることになる。
つまり、麺情報入力手段にて入力された麺対応情報が吹き零れ易いほど、復帰加熱力の大きさを小さくすることにより、復帰加熱制御における加熱量が、茹でる麺が吹き零れ易いほど少なくなるように変更調節されることになる。
したがって、本発明の更なる特徴構成によれば、復帰加熱力の大きさの調節により、復帰加熱制御における加熱量を変更調節できる。
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記運転制御手段が、前記復帰加熱制御における加熱量を前記復帰加熱実行時間の長さの調節により変更調節するように構成されている点にある。
すなわち、本発明の更なる特徴構成によれば、復帰加熱制御における加熱量が、復帰加熱実行時間の長さを調節することにより変更調節されることになる。
つまり、麺情報入力手段にて入力された麺対応情報が吹き零れ易いほど、復帰加熱実行時間の長さを短くすることにより、復帰加熱制御における加熱量が、茹でる麺が吹き零れ易いほど少なくなるように変更調節されることになる。
したがって、本発明の更なる特徴構成によれば、復帰加熱実行時間の長さの調節により、復帰加熱制御における加熱量を変更調節できる。
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記運転制御手段が、前記復帰加熱制御における加熱量を前記復帰加熱実行時間の長さ及び前記復帰加熱力の大きさの調節により変更調節するように構成されている点にある。
すなわち、本発明の更なる特徴構成によれば、復帰加熱制御における加熱量が、復帰加熱実行時間の長さ及び復帰加熱力の大きさを調節することにより変更調節されることになる。
つまり、麺情報入力手段にて入力された麺対応情報が吹き零れ易いほど、復帰加熱実行時間の長さを短くし、かつ、復帰加熱力の大きさを小さくすることにより、復帰加熱制御における加熱量が、茹でる麺が吹き零れ易いほど少なくなるように変更調節されることになる。
したがって、本発明の更なる特徴構成によれば、復帰加熱実行時間の長さ及び復帰加熱力の大きさの調節により、復帰加熱制御における加熱量を変更調節できる。
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記復帰加熱実行時間の長さの調節が、前記復帰加熱実行時間を零にすることを含むものである点にある。
すなわち、本発明の更なる特徴構成によれば、復帰加熱制御における加熱量が、復帰加熱実行時間を零にすることを含む形態で変更調節されることになる。
つまり、麺情報入力手段にて入力された麺対応情報が、素麺、特に極細の素麺のようにかなり吹き零れ易い麺に対応する場合には、復帰加熱実行時間を零にすることにより、復帰加熱制御を省略して、抑制加熱制御に移行させることにより、復帰加熱制御における吹き零れを適切に抑制できる。
説明を加えると、本発明者の鋭意研究により、素麺、特に極細の素麺のように調理時間が短くて吹き零れが発生し易い麺の場合には、復帰加熱制御を省略して、抑制加熱制御に移行させるようにしても、麺を適正通り茹でることができることを見出したのであり、もちろん、復帰加熱制御を省略するものであるから、復帰加熱制御における吹き零れを抑制できることになるのである。
したがって、本発明の更なる特徴構成によれば、素麺、特に極細の素麺のようにかなり吹き零れ易い麺を茹でる場合においても、復帰加熱制御における吹き零れを適切に抑制できる。
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、
調理時間を設定する調理時間設定手段が設けられ、
前記運転制御手段が、前記復帰加熱制御を開始してからの経過時間が前記調理時間になると、前記加熱手段の加熱作動を停止するように構成されている点にある。
すなわち、本発明の更なる特徴構成によれば、麺の種類に応じた調理時間を調理時間設定手段にて設定することにより、運転制御手段が、復帰加熱制御を開始してからの経過時間が調理時間になると、加熱手段の加熱作動を停止させることになる。
つまり、使用者が、麺を茹でる際に、麺の種類に応じた調理時間を調理時間設定手段にて設定すれば、麺を調理容器に投入してからの経過時間を管理する等の手間なく、麺を茹でることができるのであり、使用者の作業負荷を軽減できる。
したがって、本発明の更なる特徴構成によれば、使用者の作業負荷を軽減させながら、麺を茹でることができる。
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記麺情報入力手段が、前記調理時間設定手段にて設定される調理時間を前記麺対応情報とする形態で、前記調理時間設定手段にて構成されている点にある。
すなわち、本発明の特徴構成によれば、麺を茹でる際に、麺の種類に応じた調理時間を調理時間設定手段にて設定すれば、その調理時間が、麺情報入力手段による麺対応情報として用いられることになる。
つまり、麺の種類ごとの吹き零れ易さは、麺が茹で上がるまでの調理時間が短いほど吹き零れし易くなる傾向となるものであるから、麺を茹でる調理時間が短いほど、吹き零れし易い麺情報であると判断できることを利用して、調理時間設定手段を麺情報入力手段として用いることにより、調理時間を設定することにより、麺情報を直接入力することを不要にして、操作性の向上を図ることができる。
したがって、本発明の更なる特徴構成によれば、麺情報を直接入力することを不要にして、操作性の向上を図りながら、麺を茹でることができる。
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記調理時間設定手段にて設定される調理時間に応じて前記復帰加熱制御における加熱量を複数段階に調節する形態として、複数段階の調理時間のうちの少なくとも一部の調理時間について、前記復帰加熱制御における加熱量を異ならせた複数の加熱量調節形態が設定され、
前記複数の加熱量調節形態のうちの一つを選択する形態選択手段が設けられ、
前記運転制御手段が、前記複数の加熱量調節形態のうちの前記形態選択手段にて選択された加熱量調節形態にて、前記復帰加熱制御における加熱量を変更調節するように構成されている点にある。
すなわち、本発明の特徴構成によれば、麺を茹でる際に、複数の加熱量調節形態のうちの一つを形態選択手段にて選択することにより、復帰加熱制御における吹き零れを抑制しながらも、麺を適切に茹でることができる。
つまり、例えば、複数段階の調理時間のうちの一部の調理時間として、吹き零れが発生し易い素麺に対応する短い調理時間について、復帰加熱制御における加熱量を異ならせた複数の加熱量調節形態を設定しておけば、麺を茹でるのに必要とする湯水を調理容器に収納するにあたり、その湯水収納量よりも十分に大きな容量の調理容器を用いるときには、複数の加熱量調節形態のうちの加熱量が大きな加熱量調節形態を選択することにより、復帰加熱制御を、大きな加熱量にて湯水の温度を的確に昇温させるようにしながら、吹き零れを抑制できる。
また、麺を茹でるのに必要とする湯水を調理容器に収納するにあたり、調理容器の容量が、麺を茹でるのに必要とする湯水収納量よりも十分に大きくないときには、複数の加熱量調節形態のうちの加熱量が小さな加熱量調節形態を選択することにより、湯水収納量に較べて容量が小さな調理容器を用いながらも、復帰加熱制御の実行中に吹き零れが発生することを抑制できる。
このように、複数段階の調理時間のうちの少なくとも一部の調理時間について、復帰加熱制御における加熱量を異ならせた複数の加熱量調節形態を設定しておき、これらの複数の加熱量調節形態の一つを、調理容器の容量と湯水収納量との関係に基づいて選択することにより、吹き零れを抑制しながら、復帰加熱制御を良好に行うことができる。
したがって、本発明の更なる特徴構成によれば、調理容器の容量が麺を茹でるのに必要とする湯水収納量よりも十分に大きくないときにも、吹き零れを抑制しながら、復帰加熱制御を良好に行うことができる。
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記運転制御手段が、前記復帰加熱制御における加熱量を、前記麺情報入力手段にて入力された前記麺対応情報が吹き零れ易いほど少なくすることに加えて、前記調理容器に収納された湯水の量を示す収納湯水量が多いほど多く且つ前記調理容器に投入された麺の量が多いほど多くする形態で変更調節するように構成されている点にある。
すなわち、本発明の更なる特徴構成によれば、復帰加熱制御における加熱量が、前記麺情報入力手段にて入力された麺対応情報が吹き零れ易いほど少なくすることに加えて、調理容器に収納された湯水の量を示す収納湯水量が多いほど多く且つ調理容器に投入された麺の量が多いほど多くする形態で変更調節されることになる。
つまり、調理容器に収納された収納湯水量が多いほど、復帰加熱制御における加熱量が多くなるから、収納湯水量の多少に拘わらず、吹き零れを抑制しながら、適切に昇温させることができ、また、調理容器に投入された麺の量が多いほど、復帰加熱制御における加熱量が多くなるから、調理容器に投入する麺の量の多少に拘わらず、吹き零れを抑制しながら、適切に昇温させることができる。
したがって、本発明の更なる特徴構成によれば、調理容器に収納される湯水の収納湯水量の変動や調理容器に投入される麺の量の変動に拘わらず、復帰加熱制御により、吹き零れを抑制しながら適切に昇温させることができる。
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記運転制御手段が、前記抑制加熱制御として、
設定高加熱力にて高加熱力用設定時間が経過するまで前記加熱手段を加熱作動させる高加熱力加熱状態と前記設定高加熱力よりも小さな設定小加熱力にて小加熱力用設定時間が経過するまで前記加熱手段を加熱作動させる小加熱力加熱状態とを繰り返す制御を実行し、且つ、
前記高加熱力用設定時間の前記小加熱力用設定時間に対する比として、短時間で茹で上がる麺に対応する短時間用比と、中時間で茹で上がる麺に対応する中時間用比と、長時間で茹で上がる麺に対応する長時間用比とが設定されて、
前記短時間用比にて前記加熱手段の加熱作動を開始したのち、前記復帰加熱制御を開始した時点からの経過時間が短時間用設定時間に達すると、前記短時間用比から前記中時間用比に変更して前記加熱手段を加熱作動させ、前記復帰加熱制御を開始した時点からの経過時間が中時間用設定時間に達すると、前記中時間用比から前記長時間用比に変更して前記加熱手段を加熱作動させる制御を行うように構成されている点にある。
すなわち、本発明の更なる特徴構成によれば、抑制加熱制御として、設定高加熱力にて高加熱力用設定時間が経過するまで加熱手段を加熱作動させる高加熱力加熱状態と設定高加熱力よりも小さな設定小加熱力にて小加熱力用設定時間が経過するまで加熱手段を加熱作動させる小加熱力加熱状態とを繰り返す制御を実行することにより、設定高加熱力により昇温させるようにしながらも、吹き零れが生じる前に、設定小加熱力に切換えて、降温させるようにすることにより、吹き零れが抑制されることになる。
しかも、抑制加熱制御として、短時間用比にて加熱手段の加熱作動を開始したのち、復帰加熱制御を開始した時点からの経過時間が短時間用設定時間に達すると、短時間用比から前記中時間用比に変更して加熱手段が加熱作動され、復帰加熱制御を開始した時点からの経過時間が中時間用設定時間に達すると、中時間用比から前記長時間用比に変更して加熱手段を加熱作動させる制御が行われることになるため、種々の種類の麺を適切に茹でることができる。
説明を加えると、生うどん等の長時間で茹で上がる麺を茹でる際には、高加熱力用設定時間の小加熱力用設定時間に対する比を大きめに設定しても、麺が茹で上がるまで、吹き零れが発生しないものの、素麺や冷や麦等の短時間で茹で上がる麺やパスタ等の中時間で茹で上がる麺では、麺が茹で上がるまでに、吹き零れが発生する虞がある。
また、パスタ等の中時間で茹で上がる麺を茹でる際には、高加熱力用設定時間の小加熱力用設定時間に対する比を、生うどん等の長時間で茹で上がる麺を茹でる際よりも小さくする必要はあるものの、比較的に大きめに設定しても、麺が茹で上がるまで、吹き零れが発生しないものの、素麺や冷や麦等の短時間で茹で上がる麺では吹き零れが発生する虞がある。
さらに、素麺や冷や麦等の短時間で茹で上がる麺を茹でる際には、高加熱力用設定時間の小加熱力用設定時間に対する比を、パスタ等の中時間で茹で上がる麺を茹でる際よりも小さく設定すると、麺が茹で上がるまで、吹き零れが発生することがない。
このような実状に基づいて、高加熱力用設定時間の小加熱力用設定時間に対する比として、素麺や冷や麦等の短時間で茹で上がる麺に対応する短時間用比と、パスタ等の中時間で茹で上がる麺に対応する中時間用比と、生うどん等の長時間で茹で上がる麺に対応する長時間用比とを、実験により、極力大きな値としながらも、麺が茹で上がるまで吹き零れが発生しない比を求めて定めるようにする。
そして、素麺や冷や麦等の短時間で茹で上がる麺は、パスタ等の中時間で茹で上がる麺よりも早期に茹で上がるものであるから、素麺や冷や麦等の短時間で茹で上がる麺を茹でる際には、パスタ等の中時間で茹で上がる麺よりも早期に、加熱手段の加熱作動が停止されることになり、また、パスタ等の中時間で茹で上がる麺は、生うどん等の長時間で茹で上がる麺よりも早期に茹で上がるものであるから、パスタ等の中時間で茹で上がる麺を茹でる際には、生うどん等の長時間で茹で上がる麺よりも早期に、加熱手段の加熱作動が停止される。
以上の結果から、抑制加熱制御を開始する際には、素麺や冷や麦等の短時間で茹で上がる麺を加熱するのに適する短時間用比にて加熱手段を加熱作動させて、吹き零れを抑止する必要はあるものの、復帰加熱制御を開始した時点からの経過時間が、素麺や冷や麦等の短時間で茹で上がる麺の加熱が終了する時間に応じて設定した短時間用設定時間に達しても、加熱手段が加熱作動を継続している場合には、パスタ等の中時間で茹で上がる麺又は生うどん等の長時間で茹で上がる麺を茹でている状態であるから、パスタ等の中時間で茹で上がる麺を加熱するのに適する中時間用比に変更して加熱手段を加熱作動させることによって、吹き零れを防止しながらも、パスタ等の中時間で茹で上がる麺又は生うどん等の長時間で茹で上がる麺に、極力大きな熱量を与えることができる。
また、復帰加熱制御を開始した時点からの経過時間が、パスタ等の中時間で茹で上がる麺の加熱が終了する時間に応じて設定した中時間用設定時間に達しても、加熱手段が加熱作動を継続している場合には、生うどん等の長時間で茹で上がる麺を茹でている状態であるから、生うどん等の長時間で茹で上がる麺を加熱するのに適する長時間用比に変更して加熱手段を加熱作動させることによって、吹き零れを防止しながらも、生うどん等の長時間で茹で上がる麺に、極力大きな熱量を与えることができる。
したがって、本発明の更なる特徴構成によれば、素麺や冷や麦等の短時間で茹で上がる麺、パスタ等の中時間で茹で上がる麺、及び、生うどん等の長時間で茹で上がる麺のいずれをも、吹き零れを抑制した状態で、かつ、極力大きな熱量を与えた効率の良い状態で茹でることができるのであり、要するに、吹き零れを抑制しながら、種々の麺を効率良く茹でることができる。
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記運転制御手段が、
前記調理容器に収納された湯水の量を示す収納湯水量に基づいて、前記短時間用比、前記中時間用比、及び、前記長時間用比を変更設定するように構成されている点にある。
すなわち、本発明の更なる特徴構成によれば、短時間用比、中時間用比、及び、長時間用比が、調理容器に収納された湯水の量を示す収納湯水量に応じた適正な比に変更設定されることになるため、一層効率良く麺を茹でることが可能となる。
つまり、抑制加熱制御においては、高加熱力加熱状態と小加熱力加熱状態とを繰り返すことになり、そして、調理容器内の湯水の温度は、小加熱力加熱状態において下降し、そして、高加熱力加熱状態において、適正な高温に上昇されることになる。
このため、高加熱力加熱状態において、調理容器内の湯水の温度を適正な高温に上昇させるには、調理容器内に収納されている収納湯水量が多いほど、短時間用比、中時間用比、及び、長時間用比を大きくすることが望ましいことになる。
したがって、本発明の更なる特徴構成によれば、短時間用比、中時間用比、及び、長時間用比を、収納湯水量に基づいて、収納湯水量が多いほど大きな値に変更設定することができるため、高加熱力加熱状態において、調理容器内の湯水の温度を適正な高温に上昇させながら、一層効率良く麺を茹でることが可能となる。
ガスコンロの斜視図 ガス燃料の流路構成を示す概略図 コンロバーナを示す縦断側面図 制御構成を示すブロック図 調理入力部を示す正面図 標準用の操作具の装着部を示す正面図 火力調節段数と火力との関係を示す図 麺茹で運転を示すタイムチャート 制御動作を示すフローチャート 制御作動を示すフローチャート 制御作動を示すフローチャート 制御作動を示すフローチャート
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
(ガスコンロの全体構成)
図1に示すように、例示する加熱調理器としてのガスコンロは、コンロ本体の上面部に、加熱手段として、3つのコンロバーナ1を備え、コンロ本体の内部のグリル部Gに、グリルバーナ2(図2参照)を備える状態に構成され、そして、キッチンカウンターに組み込まれるビルトインタイプに構成されている。
3つのコンロバーナ1は、左側に配設される高火力バーナ1A、右側に配設される標準バーナ1B、及び、横幅方向の中央の奥側箇所に配設される小火力バーナ1Cである。
ガスコンロの上面は、ガラス製のトッププレート3にて覆われ、ガスコンロの上面の後部側には、グリル部Gの燃焼排ガスを排気するためのグリル排気口4が形成されている。
また、トッププレート3の上部には、3つのコンロバーナ1の夫々にて加熱される鍋等の調理容器を載置するための五徳5が設けられている。
(コンロバーナの操作構成)
ガスコンロの前面部の右側箇所には、3つのコンロバーナ1に対する操作部Jが設けられ、その操作部Jには、左側から右側に向けて、高火力バーナ1Aに対する高火力用の操作具6A、小火力バーナ1Cに対する小火力用の操作具6C、及び、標準バーナ1Bに対する標準用の操作具6Bが配設されている。
尚、以下の記載において、高火力用の操作具6A、小火力用の操作具6C、及び、標準用の操作具6Bを区別して記載する必要がないときには、操作具6A〜6Cと記載する。
各操作具6A〜6Cは、対応するコンロバーナ1についての燃焼開始指令(以下、点火指令と略称する)及び燃焼停止指令(以下、消火指令と略称する)を指令し、且つ、対応するコンロバーナ1について火力調節指令を指令するものであって、具体的には、後方側に押し込み操作されるごとに、点火指令と消火指令とを交互に指令し、また、前後方向軸心周りで正逆に回動操作されることにより、火力調節指令を指令するように構成されている。
説明を加えると、各操作具6A〜6Cは、押し操作される毎に回転軸心方向に移動して、図示しない位置保持機構によって、コンロ本体の内部側に押し込まれた押し込み位置と前方に突出する突出位置とに切り換え自在に構成され、各操作具6A〜6Cが突出位置に切り換えられているときに、正転方向及び逆転方向の夫々にその軸心周りで回動操作可能となるように構成されている。
そして、各操作具6A〜6Cに対応して点消火スイッチ7A〜7C(図4参照)が装備され、これらの点消火スイッチ7A〜7Cは、各操作具6A〜6Cが押し込み位置に操作されると、OFF(オフ)状態となり、各操作具6A〜6Cが突出位置に操作されると、ON(オン)状態となるように構成されている。
図4に示すように、点消火スイッチ7A〜7Cの検出情報は、運転制御手段としての運転制御部Hに入力されている。
又、各操作具6A〜6Cの回転操作に伴ってパルス信号を出力するパルス発生手段としてのロータリーエンコーダ8A〜8C(図4参照)が、各操作具6A〜6Cに対応して装備されている。
これらのロータリーエンコーダ8A〜8Cは、各操作具6A〜6Cの一方向への回転操作に伴って2つのパルス信号のうちの一方のパルス信号が他方のパルス信号より位相が進み、各操作具6A〜6Cの他方向への回転操作に伴って他方のパルス信号が前記一方のパルス信号より位相が進む状態で、各操作具6A〜6Cの回転操作に伴って互いに異なる位相の2つのパルス信号を出力するように構成されている。
図4に示すように、各ロータリーエンコーダ8A〜8Cの検出情報は、運転制御部Hに入力されている。
運転制御部Hは、各ロータリーエンコーダ8A〜8Cのパルス信号に基づいて、各操作具6A〜6Cが右方向に設定角度回転されるごとに、火力調節指令として、1段階の火力増加指令が指令されたと判断し、また、各操作具6A〜6Cが左方向に設定角度回転されるごとに、火力調節指令として、1段階の火力減少指令が指令されたと判断するように構成されている。
ちなみに、本実施形態においては、各操作具6A〜6Cが、火力調節指令を指令する火力調節指令手段、及び、コンロバーナ1の点火指令及び消火指令を指令する点消火指令手段として機能することになる。
尚、図示はしないが、各操作具6A〜6Cに対してクリック感を付与する付与手段が、各操作具6A〜6Cが左方向及び右方向に設定角度回転されるごとにクリック感を付与する状態で設けられており、各操作具6A〜6Cを左方向及び右方向に設定角度ずつ回転操作することが行い易いようになっている。
また、操作部Jの下方側箇所には、調理メニュー等の情報を入力するコンロ用設定操作部Dが設けられている(図5参照)。
そして、図4に示すように、このコンロ用設定操作部Dの設定情報が、運転制御部Hに入力されている。
運転制御部Hは、マイクロコンピュータを主要部として構成されて、ガスコンロの運転を制御するものであり、点消火スイッチ7A〜7C及びロータリーエンコーダ8A〜8Cの検出情報に基づいて、コンロバーナ1夫々についての、消火指令、点火指令、及び、火力調節指令(火力増加指令、火力減少指令)を判別して、コンロバーナ1の燃焼を制御するように構成され、また、コンロ用設定操作部Dの設定情報に基づいて、設定された調理メニューに対応する自動調理を実行すべく、コンロバーナ1の燃焼を制御されるように構成されており、その詳細は後述する。
ちなみに、本実施形態においては、後述の如く、高火力バーナ1A及び標準バーナ1Bについては、火力低減運転モードが指令されていないときには、火力が5段階に調節され、火力低減運転モードが指令されているときには、火力が17段階に変更設定されるように構成され、また、小火力バーナ1Cについては、火力低減運転モードが指令されているとき及び指令されていないときのいずれにおいても、火力が3段階に変更設定されるように構成されている。
コンロ用設定操作部Dの上方箇所には、電源スイッチ11が設けられており、運転制御部Hは、電源スイッチ11が入り操作されたときに、運転制御を実行するための電力が供給されるように構成されている。
尚、ガスコンロの前面の左側箇所、つまり、中央側に位置するグリル部Gの左側箇所には、グリルバーナ2に対するグリル用設定操作部Eが配設されている。
そして、このグリル用設定操作部Eの設定情報に基づいて、運転制御部Hが、グリルバーナ2の燃焼を制御されるように構成されているが、本実施形態では、グリルバーナ2の燃焼制御についての詳細な説明は省略する。
(燃料供給構成)
図2に示すように、都市ガス等のガス燃料が供給される元ガス供給路15に、3つのコンロバーナ1に対する3つのコンロ用分岐路16A、16B、16C、及び、グリルバーナ2に対するグリル用分岐路17が接続されている。
尚、グリルバーナ2は、一般に、被加熱物を上方から加熱する上バーナと被加熱物を下方から加熱する下バーナとを備えさせることになるが、本実施形態では、上バーナのみが備えられるものとして説明する。
そして、元ガス供給路15には、閉じ付勢された電磁式の元ガス弁18が配設され、3つのコンロ用分岐路16A〜16Cの夫々には、3つのコンロバーナ1に供給するガス燃料の供給量を調節するコンロ用流量調節弁19A、19B、19Cが配設されている。
尚、グリル用分岐路17には、グリルバーナ2に供給するガス燃料の供給量を調節するグリル用流量調節弁20が配設されている。
コンロ用流量調節弁19A〜19Cは、コンロ用のステッピングモータ21A、21B、21Cにて操作されるように構成され、同様に、グリル用流量調節弁20が、グリル用のステッピングモータ22にて操作されるように構成されている。
ちなみに、本実施形態においては、コンロ用流量調節弁19A〜19Cが、3つのコンロバーナ1の加熱力を調節する加熱力調節手段に相当する。
(コンロバーナの付属構成)
図2及び図3に示すように、3つのコンロバーナ1の夫々に対して、点火用の点火プラグB、熱電対等を用いて構成される着火状態検出用の着火センサFが装備されている。
尚、グリルバーナ2についても、点火用の点火プラグB、及び、着火状態検出用の着火センサFが装備されることになる。
ちなみに、図3は、3つのコンロバーナのうちの、標準バーナ1Bを代表として例示するものである。
また、図1〜図3に示すように、3つのコンロバーナ1の夫々に対して、鍋等の調理容器の存否を検出し且つその温度を検出する被加熱物検出センサSが装備されている。
この被加熱物検出センサSは、図3に示すように、上下方向に伸縮自在でかつ上方に復帰付勢された伸縮体S1を備えて、この伸縮体S1が被加熱物に押されて下方に移動したことを伸縮検知部S2にて検出することにより被加熱物の存在を検出するように構成され、また、伸縮体S1の上端部に設けた温度検知部S3が、調理容器に接触してその温度を検出するように構成されている。
尚、本実施形態においては、温度検知部S3が、調理容器としての鍋等の温度を検出する温度検出手段に相当する。
(運転制御の概要)
運転制御部Hは、3つのコンロバーナ1に対する基本的な制御として、点火処理及び消火処理を行う燃焼制御、3つのコンロバーナ1の火力の調節を行う火力調節制御、設定された調理メニューに対応する自動調理制御、及び、火力の大きさ等を表示する表示制御を実行するように構成されている。
また、運転制御部Hは、コンロ用設定操作部Dに設けたエコモード指令スイッチ23A(図5参照)にて、上記した火力低減運転モードとしてのエコモードが指令されると、低減火力調節制御を実行するように構成されている。
ちなみに、本実施形態においては、エコモード指令スイッチ23Aが、火力低減運転モードを指令する火力低減指令手段に相当する。
運転制御部Hは、エコモードが指令されると、コンロ用設定操作部Dに設けた解除指令スイッチ23B(図5参照)にて解除指令が指令されるまで、低減火力調節制御を実行するように構成されている。
ちなみに、本実施形態においては、解除指令スイッチ23Bが、火力低減運転モードの解除指令を指令する解除指令手段に相当する。
尚、運転制御部Hは、基本的な制御として、例えば、伸縮検知部S2にて鍋等の調理容器が検出されない状態で点火指令が指令されたときに、「鍋をおいてください」というコメントを音声で報知する等、各種の報知情報や警報情報を、スピーカK(図4参照)やブザー(図示せず)にて報知する報知処理を実行するが、本実施形態においては、後述の如く、それらのうちの一部のみを説明する。
点火処理は、コンロ用の操作具6A〜6Cにて操作される点消火スイッチ7A〜7Cの点火指令に基づいて、コンロバーナ1に対して点火用流量にてガス燃料を供給すべく、コンロ用流量調節弁19A〜19Cを操作したのち、コンロバーナ1に対する点火プラグBを作動させ且つ着火センサFにて着火を検出する処理である。
尚、運転制御部Hは、点火処理を行うときに、元ガス弁18が閉じているときには、この元ガス弁18を開き操作することになる。
消火処理は、コンロ用の操作具6A〜6Cにて操作される点消火スイッチ7A〜7Cの消火指令に基づいて、コンロバーナ1に対するガス燃料の供給を停止すべく、コンロ用流量調節弁19A〜19Cを操作する処理である。また、この消火処理は、設定された調理メニューに対応する自動調理制御が終了した際にも実行されることになる。
尚、運転制御部Hは、消火処理を行うときに、3つのコンロバーナ1及びグリルバーナ2の全てが消火される状態になるときには、元ガス弁18を閉じ操作することになる。
(火力調節制御について)
火力調節制御は、高火力バーナ1A及び標準バーナ1Bについては、上述の如く、5段階に調節し、かつ、小火力バーナ1Cについては、火力を3段階に調節する処理を実行することになる。
標準バーナ1Bを代表にして説明すると、図7に示すように、標準バーナ1Bの火力として、設定最大火力P5、設定最小火力P1、および、設定最大火力P5と設定最小火力P1との間の3段階の中間火力P2〜P4が設定されている。
そして、運転制御部Hは、コンロ用の操作具6Bにて操作されるロータリーエンコーダ8Bのパルス信号に基づいて、操作具6Bが右方向に設定角度回転されるごとに、1段階の火力増加指令が指令されたと判別して、火力を一段階大きくし、また、操作具6Bが左方向に設定角度回転されるごとに、1段階の火力減少指令が指令されたと判別して、火力を一段階小さくするように、コンロ用のステッピングモータ21Bを作動させてコンロ用流量調節弁19Bを調節するように構成されている。
尚、上述の火力調節制御が実行されるモードを、以下、通常モードと呼称する。
高火力バーナ1Aや小火力バーナ1Cについては詳述しないが、標準バーナ1Bと同様に火力が調節されることになる。
すなわち、高火力バーナ1Aは、標準バーナ1Bと同様に5段階に火力が調節されることになる。但し、高火力バーナ1Aの最大火力は、標準バーナ1Bの設定最大火力P5よりも大きく設定され、最小火力は、標準バーナ1Bの設定最小火力P1と同じ大きさに設定されている。
小火力バーナ1Cは、3段階に火力が調節され、そして、最大火力は、標準バーナ1Bの設定最大火力P5よりも小さく設定され、最小火力は、標準バーナ1Bの設定最小火力P1よりも小さく設定されている。
ちなみに、標準バーナ1Bの点火処理における点火用流量は、設定最大火力P5に対応する流量である。
また、高火力バーナ1Aの点火処理における点火用流量は、最大火力よりも1段階低い火力に対応する流量である。
小火力バーナ1Cの点火処理における点火用流量は、最大火力に対応する流量である。
(低減火力調節制御について)
低減火力調節制御は、高火力バーナ1A及び標準バーナ1Bについての火力を17段階に調節するものである。尚、エコモードが指令されても、上述の如く、小火力バーナ1Cについては、火力が3段階に調節されることになる。
標準バーナ1Bを代表にして説明すると、図7に示すように、標準バーナ1Bの火力として、上述した設定最大火力P5よりも小さな火力に設定された低減最大火力Q17、上述した設定最小火力P1と同じ大きさの低減最小火力Q1、および、低減最大火力Q17と低減最小火力Q1との間の15段階の低減中間火力Q2〜Q16が設定されている。
ちなみに、本実施形態においては、低減最大火力Q17は、設定最大火力P5の0.75倍程度の火力であり、通常モードにおける設定最大火力P5より1段階低い中間火力P4に相当する火力に設定されている。
そして、運転制御部Hは、火力調節制御と同様に、コンロ用の操作具6Bにて操作されるロータリーエンコーダ8Bのパルス信号に基づいて、操作具6Bが右方向に設定角度回転されるごとに、1段階の火力増加指令が指令されたと判別して、火力を一段階大きくし、また、操作具6Bが左方向に設定角度回転されるごとに、1段階の火力減少指令が指令されたと判別して、火力を一段階小さくするように、コンロ用のステッピングモータ21Bを作動させてコンロ用流量調節弁19Bを調節するように構成されている。
高火力バーナ1Aについては詳述しないが、標準バーナ1Bと同様に火力が調節されることになる。
すなわち、高火力バーナ1Aは、標準バーナ1Bと同様に17段階に火力が調節されることになるが、エコモードにおける最大火力は、通常モードにおける最大火力よりも小さく設定され、エコモードの最小火力は、通常モードにおける最小火力と同じ大きさに設定されている。
ちなみに、本実施形態においては、標準バーナ1Bの点火処理における点火用流量は、エコモードにおいても、設定最大火力P5に対応する流量であり、そして、着火が確認されると、低減最大火力Q17に自動的に変更されるものとする。
尚、エコモードにおける低減最大火力Q17にて標準バーナ1Bの点火を行うことができる場合には、低減最大火力Q17に対応する流量を点火用流量として、標準バーナ1Bを点火させてもよい。
また、本実施形態においては、高火力バーナ1Aの点火処理における点火用流量は、エコモードにおいても、通常モードにおける最大火力よりも一段階低い火力に対応する流量であり、そして、着火が確認されると、エコモードにおける最大火力よりも一段階低い火力に自動的に変更されるものとするが、エコモードにおける最大火力よりも一段階低い火力にて点火を行うことができる場合には、その一段階低い火力に対応する流量を点火用流量として点火させてもよい。
(表示制御について)
表示制御は、3つのコンロバーナ1の火力の大きさを表示するものである。
すなわち、図1に示すように、高火力バーナ1Aに対する操作具6Aの上部に相当する箇所に、5個のLEDランプ24Aが並置され、また、図1及び図6に示すように、標準バーナ1Bに対する操作具6Bの上部に相当する箇所に、5個のLEDランプ24Bが並設され、さらに、図1に示すように、小火力バーナ1Cに対する操作具6Aの上部に相当する箇所に、3個のLEDランプ24Cが並置されている。
運転制御部Hは、通常モード並びにエコモードにおいて、3つのコンロバーナ1の夫々の火力に応じてLEDランプ24A、24B、24Cを作動させて、火力を表示するように構成されている。
標準バーナ1Bを代表にして説明すると、図6に示すように、通常モードにおいては、火力が設定最小火力P1のときには、5個のLEDランプ24Bのうちの左端のLEDランプ24Bが点灯されることになり、そして、火力が大きな段階になるほど、右側のLEDランプ24Bの点灯が順次追加されることによって、火力の大きさが表示されるようになっている。
尚、図6は、3個のLEDランプ24Bが点灯している状態を例示している。
エコモードにおいては、火力が低減最小火力Q1のときには、5個のLEDランプ24Bのうちの左端のLEDランプ24Bだけが点滅され、火力が小さい側から5段目の低減中間火力Q5となるときには、5個のLEDランプ24Bのうちの左側から2つめのLEDランプ24Bだけが点滅され、火力が小さい側から9段目となる低減中間火力Q9のときには、5個のLEDランプ24Bのうちの左側から3つ目のLEDランプ24Bだけが点滅され、火力が小さい側から13段目の低減中間火力Q13となるときには、5個のLEDランプ24Bのうちの左側から4つ目のLEDランプ24Bだけが点滅され、火力が低減最大火力Q17のときには、5個のLEDランプ24Bのうちの右端のLEDランプ24Bだけが点滅されることになる。
エコモードにおいては、上述の点滅に加えて、次の点滅作動が加わる。
すなわち、火力が低減最小火力Q1と小さい側から5段目の低減中間火力Q5との間の低減中間火力Q2〜Q4であるときには、左端のLEDランプ24Bと左側から2つめのLEDランプ24Bとが点滅され、火力が小さい側から5段目の低減中間火力Q5と9段目の低減中間火力Q9との間の低減中間火力Q6〜Q8であるときには、左側から2つ目のLEDランプ24Bと左側から3つめのLEDランプ24Bとが点滅される。
同様に、火力が小さい側から9段目の低減中間火力Q9と13段目の低減中間火力Q13との間の低減中間火力Q10〜Q12であるときには、左側から3つ目のLEDランプ24Bと左側から4つ目のLEDランプ24Bとが点滅され、火力が小さい側から13段目の低減中間火力Q13と低減最大火力Q17との間の低減中間火力Q14〜Q16であるときには、左側から4つ目のLEDランプ24Bと左側から5つ目のLEDランプ24Bとが点滅されるようになっている。
高火力バーナ1Aに対応するLEDランプ24Aは、通常モード及びエコモードの夫々において、標準バーナ1Bに対応するLEDランプ24Bと同様に作動され、また、小火力バーナ1Cに対応するLEDランプ24Cについても、通常モード及びエコモードの夫々において、標準バーナ1Bに対応するLEDランプ24Bと同様に作動されることになる。
(自動調理制御について)
自動調理制御は、コンロ用設定操作部Dの設定情報や被加熱物検出センサSの検出情報等に基づいて、コンロ用流量調節弁19A〜19Cを操作して、3つのコンロバーナ1に対するガス燃料供給量を調節する制御や、コンロバーナ1への燃料供給を停止する制御を行うことになる。
運転制御部Hが自動調理制御として実行する自動調理処理は、被加熱物検出センサSにて検出される温度を変更設定される設定目標温度tSになるように火力を調整する揚げもの運転処理、被加熱物検出センサSにて検出される温度が沸騰を検出すると消火する湯沸し運転処理、運転開始からの時間経過に伴って火力を設定パターンにて変更させる炊飯運転処理、設定された調理時間が経過すると自動的に消火するタイマー運転処理、及び、吹き零れを抑制しながら麺を茹でる麺茹で運転処理等がある。
すなわち、コンロ用設定操作部Dには、図5に示す如く、3つのコンロバーナ1に対する調理時間を入力する調理時間設定手段としてのタイマー入力部D1、高火力バーナ1Aに対する調理入力部D2、及び、標準バーナ1Bに対する調理入力部D3と設けられている。
高火力バーナ1Aに対する調理入力部D2と、標準バーナ1Bに対する調理入力部D3とは同様に構成されるものであって、以下、標準バーナ1Bに対する調理入力部D3を代表として説明する。
調理入力部D3は、揚げもの、炊飯、湯沸し、麺茹での調理メニューを設定するように構成されている。
つまり、調理入力部D3には、調理メニュー選択するスイッチとして、揚げものモードを指令する揚げものスイッチ26A、炊飯モードを指令する炊飯スイッチ26B、湯沸しモード及び麺茹でモードを指令する湯沸しスイッチ26C、及び、設定を取り消すための取消スイッチ26Dが設けられ、さらに、上述したエコモード指令スイッチ23A及び解除指令スイッチ23Bが設けられている。
ちなみに、本実施形態においては、湯沸しスイッチ26Cは、後述の如く、麺茹でモードを指令する際にも押し操作され、また、麺茹で運転処理の実行中において、麺の投入に伴って麺投入完了を指令する際にも押し操作されるように構成されている。
つまり、湯沸しスイッチ26Cは、湯沸しモードを指令する湯沸しモード指令手段としての機能に加えて、麺茹でモードを指令する麺茹でモード指令手段、及び、麺投入完了を指令する麺投入指令手段として機能するように構成されている。
揚げものスイッチ26Aは、押し操作されるごとに、200℃、180℃、160℃といった複数種の設定目標温度を順次選択して設定できるように構成され、そして、調理入力部D3には、設定された温度の揚げもの調理を点灯により表示する温度表示部27A、27B、27Cが設けられている。
炊飯スイッチ26Bは、押し操作されるごとに、ごはんの処理とおかゆの処理との異なる炊飯調理を選択して設定できるように構成され、そして、設定された炊飯調理がごはんの処理であることを点灯により表示するごはん表示部28Aと、設定された炊飯調理がおかゆの処理であることを点灯により表示するおかゆ表示部28Bが、調理入力部D3に設けられている。
湯沸しスイッチ26Cは、最初に、押し操作されることによって、湯沸しモードのうちの自動消火モードを指令し、次に、押し操作されることによって、湯沸しモードのうちの5分保温モードを指令し、さらに、押し操作されることによって、麺茹でモードを指令するものであって、以下、押し操作されるごとに、自動消火モード、5分保温モード、麺茹でモードを指令する状態を繰り返すように構成されている。
自動消火モードは、沸騰を検出するまでは大きな火力で加熱した後、沸騰検出後に直ちに消火するモードであり、5分保温モードは、沸騰検出するまでは大きな火力で加熱した後、沸騰検出後は小さな火力に減少させ、その後5分間加熱した後に消火するモードであるが、詳しくは後述する。
そして、調理入力部D3には、設定されたモードが自動消火モードであることを点灯にて表示する自動消火表示部29Aと、設定されたモードが5分保温モードであることを点灯にて表示する5分保温表示部29Bと、設定されたモードが麺茹でモードであることを点灯により表示する麺茹で表示部29Cが設けられている。
したがって、運転制御部Hは、調理入力部D2、D3にて、揚げもの運転、炊飯運転、湯沸し運転、及び、麺茹で運転が設定されると、操作具6A、6Bの点火指令により、高火力バーナ1A又は標準バーナ1Bを点火して燃焼させた状態において、調理入力部D2、D3の設定情報に基づいて、揚げもの運転処理、炊飯運転処理、湯沸し運転処理、及び、麺茹で運転処理を行うことになり、そして、揚げもの運転処理、炊飯運転処理、湯沸し運転処理、及び、麺茹で運転処理の夫々において、高火力バーナ1Aや標準バーナ1Bの火力を調節するために、コンロ用流量調節弁19A、19Bを操作する処理を行うことになる。
タイマー入力部D1は、時間増加スイッチ30A、時間減少スイッチ30B、及び、設定時間表示部30Cを備えるものであって、時間増加スイッチ30A及び時間減少スイッチ30Bを用いて調理時間を設定したのち、3つのコンロバーナ1のいずれかに対して点火指令が指令されると、設定した調理時間を、そのコンロバーナ1の調理時間として設定することになる。
そして、運転制御部Hは、点火したコンロバーナ1に対して調理時間が設定されていると、タイマー運転処理として、点火してからの時間が設定された調理時間に達すると、コンロバーナ1を消火する処理を実行するように構成されている。
尚、麺茹で運転処理において調理時間が設定されると、その調理時間が経過すると、コンロバーナ1を消火する処理を実行することになるが、麺茹で運転処理における調理時間は、麺を投入してからの時間として計測されるものであり、その詳細は後述する。
(湯沸し運転処理について)
次に、運転制御部Hが実行する自動運転処理のうちの、湯沸し運転処理について詳述するが、以下の説明においては、コンロバーナ1のうちの標準バーナ1Bにて湯沸し運転処理を行う場合について説明する。
湯沸し運転処理は、基本的には、温度検知部S3の検出温度に基づいて沸騰状態であることを判別すると、湯沸し終了用の後処理を実行する処理である。
湯沸し終了用の後処理は、上記した自動消火モードに対応する処理と、上記した5分保温モードに対応する処理である。
沸騰状態の判別について説明を加えると、本実施形態においては、先ず、標準バーナ1Bの燃焼を開始した後において、温度検知部S3の検出温度が計測開始温度(例えば、85℃)に上昇した時点から計測終了温度(例えば、90℃)に上昇するまでの経過時間を、温度上昇時間として求め、その温度上昇時間に所定の係数を乗じて、沸騰判別用時間を定める。
その後、温度検知部S3の検出温度が1℃上昇するのに要する単位温度上昇時間が、上述の沸騰判別用時間以上になると、沸騰状態であると判別するように構成されている。
本実施形態においては、湯沸し運転処理は、通常モードであるか、エコモードであるかによって、具体的な処理内容が異なるものである。
すなわち、エコモードが指令されずかつ湯沸しモードが指令された状態において、点火指令が指令されると、点火処理を実行して標準バーナ1Bの燃焼を開始し、その後、点火開始時の火力にて標準バーナ1Bの燃焼を継続し、温度検知部S3の検出温度に基づいて沸騰状態であることを判別すると湯沸し終了用の後処理を行う湯沸し運転を実行するように構成されている。
また、エコモードが指令されかつ湯沸しモードが指令された状態において、点火指令が指令されると、点火処理を実行して標準バーナ1Bの燃焼を開始し、その後、設定目標火力が記憶されている場合には設定目標火力にて、かつ、設定目標火力が記憶されていない場合には点火開始時の火力にて標準バーナ1Bの燃焼を継続し、且つ、操作具6Bにて火力を調節した場合には調節した火力にて前記コンロバーナの燃焼を継続し、温度検知部S3の検出温度に基づいて沸騰状態であることを判別すると湯沸し終了用の後処理を行う火力低減用湯沸し運転を実行するように構成されている。
そして、火力低減用湯沸し運転の実行中において、操作具6Bの操作による火力調節指令にて火力を調節した場合には、調節した火力を設定目標火力として記憶するように構成されている。
尚、本実施形態においては、上述の如く、標準バーナ1Bの点火処理における点火用流量は、エコモードにおいても、設定最大火力P5に対応する流量であり、そして、着火が確認されると、低減最大火力Q17に自動的に変更されるものであるから、火力低減用湯沸し運転における点火開始時の火力は、低減最大火力Q17に対応することになる。
(麺茹で運転処理について)
次に、運転制御部Hが実行する自動運転処理のうちの、麺茹で運転処理について詳述するが、以下の説明においては、コンロバーナ1のうちの標準バーナ1Bにて麺茹で運転処理を行う場合について説明する。
麺茹で運転処理は、図8に示すように、基本的には、標準バーナ1Bを初期加熱力にて加熱作動させた状態において温度検知部S3の温度検出値に基づいて沸騰状態を判別した後は、初期加熱力よりも小さな待機加熱力にて標準バーナ1Bを加熱作動させる待機加熱制御、麺投入による温度低下を回復させるために待機加熱力よりも大きな復帰加熱力にて標準バーナ1Bを復帰加熱実行時間に亘って加熱作動させる復帰加熱制御、及び、吹き零れを抑制するように標準バーナ1Bの加熱力を制御する抑制加熱制御を順次実行する処理である。
本実施形態においては、初期加熱力は、通常モードの場合には、設定最大火力P5よりも1段階低い中間火力P4であり、エコモードの場合には、その中間火力P4と同じ大きさの火力である低減最大火力Q17である。
また、待機加熱力は、通常モードの場合には、設定最小火力P1よりも1段階高い中間火力P2であり、エコモードの場合には、その中間火力P2と同じ大きさの火力である、下から6段階目の低減中間火力Q6である。
本実施形態においては、復帰加熱制御における加熱量を変更調節するために、復帰加熱力及び復帰加熱実行時間がタイマー入力部D1にて設定される調理時間に応じて調節されるように構成されており、その詳細は後述する。
尚、本実施形態においては、復帰加熱力の最大値が、初期加熱力と同じ値である中間火力P4に設定されるものであって、図8には、復帰加熱力が中間火力P4に設定されている場合を例示する。
運転制御部Hは、湯沸し運転処理における沸騰状態の判別と同じ処理によって、麺茹で運転処理においても、沸騰状態を判別するように構成されている。
また、運転制御部Hは、沸騰状態を判別すると、麺投入を促すコメント、例えば、「麺を投入してください」等のコメントを、スピーカK(図4参照)を作動させて報知するように構成されている。
さらに、運転制御部Hは、図8に示すように、沸騰状態を判別したのち、湯沸しスイッチ26Cが押し操作されることによって麺投入完了が指令されると、待機加熱制御を停止して、復帰加熱制御を開始するように構成されている。つまり、待機加熱制御を実行する時間Tsは、沸騰状態から麺投入完了の指令が指令されるまでの時間となる。
(復帰加熱実行時間について)
本実施形態においては、復帰加熱制御の復帰加熱実行時間が、タイマー入力部D1にて設定される調理時間が設定時間(本実施形態では、3分)より長い場合には、図8に示すように、初期設定された第1復帰時間Dt(例えば、10秒)と、演算により求める第2復帰時間BP1との和として求められ、タイマー入力部D1にて設定される調理時間が設定時間(本実施形態では、3分)以下の場合には、零を設定するように構成されている。
また、タイマー入力部D1にて調理時間が設定されない場合には、復帰加熱制御の復帰加熱実行時間が、タイマー入力部D1にて設定される調理時間が設定時間(本実施形態では、3分)より長い場合と同様に、初期設定された第1復帰時間Dt(例えば、10秒)と、演算により求める第2復帰時間BP1との和として求められることになる。
ちなみに、復帰加熱実行時間が零に設定される場合には、復帰加熱制御が省略されることになり、湯沸しスイッチ26Cが押し操作されることによって麺投入完了が指令されると、その後は、抑制加熱制御が実行されることになる。
尚、復帰加熱制御が省略される場合においても、湯沸しスイッチ26Cが押し操作されることによって麺投入完了が指令された時点が、復帰加熱制御が開始された時点に相当することになる。
本実施形態では、運転制御部Hが、初期加熱力にて標準バーナ1Bを加熱作動させた状態における温度検知部S3の温度検出値の経過情報に基づいて、第2復帰時間BP1を求めるように構成されている。
すなわち、運転制御部Hが、初期加熱力にて標準バーナ1Bを加熱作動させた状態における温度検知部S3の温度検出値の経過情報に基づいて、調理容器に収納されている湯水の量を示す収納湯水量TWを推定し、かつ、沸騰状態を判別したのちにおける温度検知部S3の温度検出値の経過情報に基づいて、麺投入による温度低下の開始時点から最低温度Vdになるまでの温度低下時間Td、及び、麺投入前の最高温度と最低温度Vdとの温度差Vsを取得して、収納湯水量TW、温度低下時間Td、及び、温度差Vsに基づいて、第2復帰時間BP1を設定するように構成されている。
収納湯水量TWの推定について説明を加えると、運転制御部Hは、図8に示すように、初期加熱力にて標準バーナ1Bを加熱作動させたのちにおいて温度検知部S3の温度検出値が第1設定温度A1(例えば、77.9℃)に達した時点から第1設定温度A1よりも高い第2設定温度A2(例えば、94.4℃)に達する時点までの温度上昇時間tw、及び、初期加熱力に基づいて、収納湯水量TWを推定するように構成されている。
つまり、本実施形態においては、収納湯水量TWを下記式にて求めるように構成されている。
TW=初期加熱力・tw
ちなみに、初期加熱力は、上述の如く、設定最大火力P5よりも一段低い中間火力P4に相当する火力であり、例えば、3.02KW(2.600Kcal/h)である。
尚、上記の式にて求められる収納湯水量TWは、熱量であり、厳密には、収納湯水量ではなく、収納湯水量に対応する値であるが、上記の式にて求められるTW、水の比熱、及び、第2設定温度と第1設定温度との温度差に基づいて、水量を演算する形態で実施してもよい。
そして、運転制御部Hが、収納湯水量TW、温度低下時間Td、及び、温度差Vsに基づいて、第2復帰時間BP1を、下記式にて求めるように構成されている。
BP1=L1・TWD+L2
L1、L2は実験にて求めた定数であり、TWDは、麺茹で負荷変数であり、下記式にて求めるように構成されている。
TWD=TW・Td・Vs
尚、(Td・Vs)は、投入された麺の量を示す麺投入負荷変数である。
ちなみに、温度検知部S3の検出温度は、調理容器に風が当たる等により、微小に変動するものであるため、本実施形態においては、温度検知部S3の検出温度が、沸騰検出後の最高温度から下降偏差(例えば、2℃)を減算した温度まで低下したときを、温度検知部S3の検出温度が麺の投入によって低下し始めたときとして、温度低下時間Tdを求めるように構成されている。
そのため、本実施形態においては、温度差Vsを、下記式にて求めるように構成されている。
Vs=麺投入前の最高温度−下降偏差(例えば、2℃)−麺投入後の最低温度
尚、麺投入前の最高温度は、沸騰検出後において温度検知部S3の温度検出値を設定時間おきにサンプリングして、サンプリングした温度のうちの最も高い温度を最高温度として更新記憶することによって求めることができる。
また、麺投入後の最低温度は、温度検知部S3の温度検出値を設定時間おきにサンプリングして、温度検知部S3の検出温度が下降状態から上昇状態に変化する時点の温度として求めることができる。
ちなみに、本実施形態においては、沸騰状態を検出してから設定検出時間(例えば、60秒)が経過するまでの間を、最低温度を検出するための温度下降計測区間として、その間に最低温度を検出できない場合には、麺投入負荷変数がゼロであるとして、処理するように構成されている。
したがって、この場合には、TWD=0となり、BP1=L2(L2は上述の実験にて求めた定数)となる。
(復帰加熱力について)
本実施形態においては、上述の如く、復帰加熱制御の復帰加熱力がタイマー入力部D1にて設定される調理時間に応じて調節されるように構成されている。
すなわち、運転制御部Hが、タイマー入力部D1にて設定される調理時間に基づいて、設定された調理時間が長いほど復帰加熱力を大きく設定するように構成されている。
具体的には、運転制御部Hは、下記の通り、調理時間に応じて復帰加熱力を設定するように構成されている。
調理時間が、5分以下で、3分より長いときには、復帰加熱力をエコモードの下から14番目の低減中間火力Q14に対応する火力に設定する。
調理時間が、7分以下で、5分より長いときには、復帰加熱力をエコモードの下から15番目の低減中間火力Q15に対応する火力に設定する。
調理時間が、10分以下で、7分より長いときには、復帰加熱力をエコモードの下から16番目の低減中間火力Q16に対応する火力に設定する。
調理時間が、10分よりも大きいときには、復帰加熱力を中間火力P4に設定する。
また、タイマー入力部D1にて調理時間が設定されない場合には、復帰加熱力を中間火力P4に設定する。
尚、調理時間が3分以下のときには、上述の如く、復帰加熱実行時間が零に設定されるため、復帰加熱力が設定されることはない。
(抑制加熱制御について)
運転制御部Hは、図8に示すように、抑制加熱制御として、設定高加熱力にて高加熱力用設定時間が経過するまで標準バーナ1Bを加熱作動させる高加熱力加熱状態と、設定高加熱力よりも小さな設定小加熱力にて小加熱用設定時間が経過するまで標準バーナ1Bを加熱作動させる小加熱力加熱状態とを繰り返す制御を実行するように構成されている。
設定高火力は、上記した初期加熱力と同じ火力に設定され、設定小火力は、上記した待機加熱力より1段高い中間火力に設定されている。
つまり、設定高火力は、通常モードの場合には、設定最大火力P5よりも1段低い中間火力P4であり、エコモードの場合には、その中間火力P4と同じ大きさの火力である低減最大火力Q17である。
また、設定小加熱力は、通常モードの場合には、設定最小火力P1よりも2段高い中間火力P3であり、エコモードの場合には、その中間火力P3と同じ大きさの火力である、下から11段階目の低減中間火力Q11である。
図8に示すように、本実施形態においては、復帰加熱制御を終了してから抑制加熱制御が開始されるまでの間を火力減少時間SP1(例えば、10秒)として、小加熱力にて標準バーナ1Bを加熱作動させるようにしているが、この火力減少時間SP1を、抑制加熱制御における小加熱用設定時間とする形態で、実施するようにしてもよい。
尚、小加熱力は、通常モードの場合には、設定最小火力P1よりも2段高い中間火力P3であり、エコモードの場合には、その中間火力P3と同じ大きさの火力である、下から11段階目の低減中間火力Q11である。
ちなみに、タイマー入力部D1にて設定される調理時間が設定時間(本実施形態では、3分)以下に設定されることにより、復帰加熱制御における復帰加熱実行時間が零に設定されて、復帰加熱制御が省略される場合には、本実施形態においては、湯沸しスイッチ26Cが押し操作されることによって麺投入完了が指令されると、火力減少時間SP1を省略して、抑制加熱制御が開始されることになる。
また、本実施形態においては、高加熱力用設定時間の小加熱力用設定時間に対する比として、短時間で茹で上がる麺(素麺や冷や麦)に対応する短時間用比と、中時間で茹で上がる麺(パスタ)に対応する中時間用比と、長時間で茹で上がる麺(生うどん)に対応する長時間用比とが設定されている。
そして、運転制御部Hが、抑制加熱制御として、短時間用比にて標準バーナ1Bの加熱作動を開始したのち、上記復帰加熱制御を開始した時点からの経過時間が短時間用設定時間(例えば、6分)に達すると、短時間用比から中時間用比に変更して標準バーナ1Bを加熱作動させ、復帰加熱制御を開始した時点からの経過時間が中時間用設定時間(例えば、8.5分)に達すると、中時間用比から長時間用比に変更して標準バーナ1Bを加熱作動させるように構成されている。
また、本実施形態においては、タイマー入力部D1にて調理時間が設定され、且つ、麺茹でモードが指令された状態で、標準バーナ1Bの点火が開始されたときには、運転制御部Hが、上記復帰加熱制御を開始してからの経過時間が調理時間になると、標準バーナ1Bの加熱作動を停止すべく、標準バーナ1Bを消火して、抑制加熱制御を終了するように構成されている。
また、運転制御部Hは、タイマー入力部D1にて調理時間が設定されない場合においては、使用者によって消火指令が指令されると、抑制加熱制御を終了することになり、そして、上記復帰加熱制御を開始した時点からの経過時間が最大加熱時間(例えば、30分)に達すると、消火指令が指令されなくても、標準バーナ1Bによる加熱作動を停止すべく、標準バーナ1Bを消火して、抑制加熱制御を終了するように構成されている。
また、本実施形態においては、運転制御部Hは、上記収納湯水量TWに基づいて、短時間用比と、前記中時間用比と、長時間用比を変更設定するように構成されている。
すなわち、短時間用比における小加熱力用設定時間SP2、及び、中時間用比における小加熱力用設定時間SP3は、例えば、10秒に設定され、また、長時間用比における小加熱力用設定時間SP4は、例えば、5秒に設定されている。
そして、短時間用比における高加熱力用設定時間BP2、中時間用比における高加熱力用設定時間BP3、及び、長時間用比における高加熱力用設定時間BP4の夫々は、下記式にて求められるように構成されている。
BP2=M2・TW+N2
BP3=M3・TW+N3
BP4=M4・TW+N4
但し、M2、M3、M4、並びに、N2、N3、N4は、実験にて求めた定数である。
(運転制御の詳細)
次に、図9〜図12に示すフローチャートに基づいて、運転制御部Hの制御動作を説明するが、以下、コンロバーナ1のうちの標準バーナ1Bについての運転処理を代表として説明する。
先ず、基本的なフローチャートである燃焼制御処理を説明すると、図9に示すように、標準バーナ1Bが燃焼中であるか否かを判別し(#1)、燃焼中であると判別したときには、#9の処理に移行することになる。
#1の処理にて、燃焼中でないと判別したときには、エコモードであるか否かを判別し(#2)、エコモードでない場合には、エコモード指令スイッチ23Aにてエコモードが指令されているか否かを判別して(#3)、指令されている場合には、エコモードを設定する処理を実行する(#4)。
また、#2の処理にて、エコモードであると判別した場合には、解除指令スイッチ23Bにて解除指令が指令されているか否かを判別して(#5)、指令されている場合には、エコモードを解除する処理を実行する(#6)。
次に、操作具6Bの操作によって点火指令が指令されているか否かを判別し(#7)、指令されていない場合には、#1の処理に移行することになる。
つまり、本実施形態においては、エコモードの設定及び解除は、標準バーナ1Bが燃焼していないときに行えるようになっている。
#7の処理によって、点火指令が指令されていると判別したときには、標準バーナ1Bを点火させる点火処理を実行し(#8)、次に、自動調理処理が設定された自動調理モードであるか否かを判別し(#9)、自動調理モードである場合には、設定されている自動調理処理を実行する(#11)。
尚、本実施形態における自動運転処理としては、湯沸し運転処理及び麺茹で処理が設定された場合について後述する。
#9の処理によって、自動調理モードでないと判別したときには、操作具6Bの火力調節指令に基づいて標準バーナ1Bの火力を調節する火力調節処理を実行する(#10)。
この火力調節処理については後述する。
次に、操作具6Bの操作によって消火指令が指令されているか否かを判別し(#12)、消火指令が指令されていないときには、#1の処理に移行することになり、消火指令が指令されているときには、標準バーナ1Bを消火する消火処理を実行し(#13)、その後、#1の処理に移行する。
(火力調節処理の詳細)
#10の火力調節処理は、図10に示すように、先ず、エコモードであるか否かを判別し(#21)、エコモードであるときには、低減火力調節制御に対応する低減火力調節処理を実行し(#23)、エコモードでないときには、通常モードの火力調節制御に対応する通常火力調節処理を実行する(#22)。
通常火力調節処理は、火力調節指令(火力増加指令、火力減少指令)に基づいて、標準バーナ1Bの火力を5段階に調節処理であり、低減火力調節処理は、火力調節指令(火力増加指令、火力減少指令)に基づいて、標準バーナ1Bの火力を17段階に調節処理である。
尚、図示はしないが、この火力調節処理に合わせて、標準バーナ1Bに対応するLEDランプ24Bを作動させる表示制御が実行されることになる。
(湯沸し運転処理の詳細)
次に、図11に基づいて、湯沸し運転処理を説明する。
先ず、5分保温モードにおける保温中であるか否かが判別され(#31)、保温中の場合には、#42の処理に移行することになる。
#31の処理にて保温中でないと判別した場合には、続いて、エコモードであるか否かを判別し(#32)、エコモードでないときには、#39の処理に移行する。
#32の処理にてエコモードであると判別した場合には、次に、標準バーナ1Bの点火処理後において、設定目標火力が記憶されているときにはその設定目標火力に自動的に変更する火力自動調節が、済んでいるか否かを判別し(#33)、済んでいるときには、#36の処理に移行する。
#33の処理にて、火力自動調節が済んでいないと判別したときには、続いて、設定目標火力が記憶されているか否かを判別し(#34)、記憶されている場合には、標準バーナ1Bの火力を、設定目標火力に自動的に調節する(#35)。
ちなみに、この火力自動調節は、標準バーナ1Bを点火させた直後の1回だけ行われるものである。
次に、#36の処理にて、操作具6Bの操作による火力調節指令(火力増加指令、火力減少指令)があるか否かを判別し、ない場合には、#39の処理に移行する。
#36の処理にて、火力調節指令(火力増加指令、火力減少指令)があると判別した場合には、低減火力調節制御に対応する低減火力調節処理を実行し(#37)、その後、調節した火力を設定目標火力として記憶する処理を実行する(#38)。
ちなみに、湯沸し運転処理中において、低減火力調節処理が行われると、その処理によって調節された火力が、設定目標火力として、順次更新記憶されることになる。
次に、#39の処理にて、沸騰状態であるか否かを判別し、沸騰状態でない場合には、図9に示す燃焼制御処理の#12の処理に移行することになる。
#39の処理にて沸騰状態であると判別したときには、続いて、5分保温モードであるか否かを判別し(#40)、5分保温モードでないと判別したときには、標準バーナ1Bを消火する消火処理を実行し(#43)、その後、図9に示す燃焼制御処理の#12の処理に移行することになる。
#40の処理にて5分保温モードであると判別したときには、設定最小火力P1に相当する保温用火力に調節処理を実行し(#41)、続いて、保温用時間(5分)が経過したか否かを判別する(#42)。
#42にて保温用時間が経過していないと判別したときには、図9に示す燃焼制御処理の#12の処理に移行することになる。
また、#42にて保温用時間が経過していると判別したときには、標準バーナ1Bを消火する消火処理を実行し(#43)、その後、図9に示す燃焼制御処理の#12の処理に移行する。
(麺茹で運転処理の詳細)
次に、図12に基づいて、麺茹で運転処理を説明する。
尚、本実施形態においては、点火指令の前に、湯沸しスイッチ26Cを2秒以内に3回押し操作することによって、麺茹で運転処理の実行が指令されるものである。
麺茹で運転処理においては、先ず、収納湯水量を推定済みであるか否かを判別し(#51)、推定済みでない場合には、収納湯水量の推定処理を実行し(#52)、その後、図9に示す燃焼制御処理の#12の処理に移行する。
収納湯水量の推定処理は、上述の如く、第1設定温度A1に達した時点から第1設定温度A1よりも高い第2設定温度A2に達する時点までの温度上昇時間tw、及び、初期加熱力に基づいて、収納湯水量TWを推定する処理である。
#51の処理にて、推定済みであると判別したときには、続いて、沸騰状態を判別済みであるか否かを判別し(#53)、沸騰状態の判別済みでないと判別した場合には、沸騰状態であるか否かを判別し(#54)、沸騰状態でない場合には、図9に示す燃焼制御処理の#12の処理に移行することになる。
#54の処理にて沸騰状態であると判別したときには、標準バーナ1Bの火力を、待機加熱力に相当する火力に減少させる火力減少処理を実行し(#55)、続いて、麺投入を促すコメント、例えば、「麺を投入してください」等のコメントを、スピーカKを作動させて報知する報知処理を実行する(#56)。
次に、最低温度を検出したか否かを判別し(#57)、最低温度を検出した場合には、復帰加熱実行時間(Dt+BP1)を設定し(#58)、その後、#69の処理に移行する。
#69の処理にて、湯沸しスイッチ26Cの押し操作による麺投入完了指令が既に指令されているか否かを判断し、麺投入完了指令が既に指令されていない場合には、#59の処理にて、湯沸しスイッチ26Cの押し操作による麺投入完了指令があるか否かを判別して、麺投入完了指令がないと判別した場合には、図9に示す燃焼制御処理の#12の処理に移行することになる。
#59の処理にて、麺投入完了指令があると判別した場合には、タイマー入力部D1にて調理時間が設定されかつその調理時間が3分以下であるか否か、つまり、復帰加熱実行時間を零に設定して、復帰加熱制御を省略するか否かを判別し(#60)、復帰加熱制御を省略しない場合には、標準バーナ1Bの火力を、復帰加熱力に相当する火力に増加させる火力増加処理を実行して(#61)、復帰加熱制御を開始する。
#61の処理を実行した後は、続いて、復帰加熱実行時間(Dt+BP1)が経過したか否かを判別し(#62)、経過していないと判別した場合には、図9に示す燃焼制御処理の#12の処理に移行することになる。
#62の処理にて、復帰加熱実行時間(Dt+BP1)が経過していると判別した場合には、復帰加熱制御を終了して、標準バーナ1Bの火力を、設定小火力に減少させる火力減少処理を実行し(#63)、続いて、復帰加熱後の火力減少時間SP1が経過したか否かを判別し(#64)、経過していない場合には、図9に示す燃焼制御処理の#12の処理に移行することになる。
#64の処理にて、復帰加熱後の火力減少時間SP1が経過したと判別した場合には、標準バーナ1Bの火力を、抑制加熱制御における設定高火力に相当する火力に増加させる火力増加処理を実行して(#65)、抑制加熱制御を開始し、その後、図9に示す運転処理の#12の処理に移行することになる。
#60の処理にて、復帰加熱制御を省略すると判定した場合には、続いて、#65の処理を実行して、抑制加熱制御を開始する。
上述した#53の処理にて、沸騰状態の判別済みであると判別した場合には、続いて、最低温度Vdを検出済みであるか否かを判別し(#66)、検出済みではないと判別した場合には、上述した#57の処理に移行することになる。
#66の処理にて、最低温度Vdを検出済みであると判別した場合には、続いて、湯沸しスイッチ26Cの押し操作により、既に、麺投入完了指令が指令されている麺投入済みであるか否かを判別し(#69)、麺投入済みでないと判別した場合には、上述した#59の処理に移行することになる。
上述した#57の処理にて、最低温度Vdを検出していないと判別した場合には、沸騰状態を検出してから設定検出時間(例えば、60秒)が経過しているか否かを判別し(#67)、設定検出時間が経過していない場合には、上述した#69の処理に移行する。
#67の処理にて、設定検出時間が経過していると判別した場合には、麺投入負荷変数をゼロに設定し、かつ、最低温度Vdを検出済みであるとする処理を実行し(#68)、その後、上述した#69の処理に移行することになる。
上述した#69の処理にて、麺投入済みであると判別した場合には、続いて、タイマー入力部D1にて調理時間が設定されかつその調理時間が3分以下であるか否か、つまり、復帰加熱実行時間を零に設定して、復帰加熱制御を省略するか否かを判別し(#70)、復帰加熱制御を省略しない場合には、復帰加熱実行時間(Dt+BP1)が既に経過している復帰加熱済みであるか否かを判別し(#71)、復帰加熱済みでない場合には、上述した#62の処理に移行する。
#71の処理にて、復帰加熱済みであると判別した場合には、続いて、復帰加熱後の火力減少時間SP1が経過済であるか否かを判別し(#72)、経過していない場合には、上述した#64の処理に移行する。
#72の処理にて、復帰加熱後の火力減少時間が経過済であると判別した場合には、続いて、タイマー入力部D1にて調理時間が設定されているか否かを判別し(#73)、調理時間が設定されている場合には、復帰加熱制御の実行を開始してからの経過時間が、タイマー入力部D1にて設定されている調理時間を経過しているか否かを判別し(#74)、調理時間が経過している場合には、標準バーナ1Bを消火する処理を実行し(#79)、その後、図9に示す燃焼制御処理の#12の処理に移行することになる。
また、#70の処理にて、復帰加熱実行時間を零に設定して、復帰加熱制御を省略する場合であると判別したときには、#73の処理に移行することになる。
#74の処理にて、調理時間が経過していないと判別した場合には、抑制加熱制御における短時間用比、中時間用比、長時間用比を設定する比設定処理を実行する(#75)。
つまり、復帰加熱制御を開始してからの経過時間(麺投入完了指令が指令されてからの経過時間)が、短時間用設定時間(例えば、6分)未満である場合には、短時間用比における小加熱力用設定時間SP2及び高加熱力用設定時間BP2を、抑制加熱制御を実行するための時間として設定する。
また、復帰加熱制御を開始してからの経過時間(麺投入完了指令が指令されてからの経過時間)が、短時間用設定時間(例えば、6分)に達している場合には、中時間用比における小加熱力用設定時間SP3及び高加熱力用設定時間BP3を、抑制加熱制御を実行するための時間として設定する。
さらに、復帰加熱制御を開始した時点からの経過時間(麺投入完了指令が指令されてからの経過時間)が、中時間用設定時間(例えば、8.5分)に達すると、長時間用比における小加熱力用設定時間SP4及び高加熱力用設定時間BP4を、抑制加熱制御を実行するための時間として設定する。
そして、#75の比設定処理を実行した後は、その設定情報と経過時間とに基づいて、火力を増加する火力増加タイミングであるか否かを判別する処理(#76)、及び、火力を減少させる火力減少タイミングであるか否かを判別する処理(#77)を実行する。
そして、火力増加タイミングであると判別した場合には、上述した#65の火力増加処理を実行し、また、火力減少タイミングであると判別した場合には、火力を設定小火力に減少させる火力減少処理を実行する(#78)。
また、#76の処理にて、火力増加タイミングでないと判別したときに、#77の処理にて、火力減少タイミングでないと判別した場合には、図9に示す燃焼制御処理の#12の処理に移行することになる。
上述した#73の処理にて、調理時間の設定がないと判別した場合には、続いて、復帰加熱制御を開始した時点からの時間が最大時間(例えば、30分)を経過したか否かを判別し(#80)、最大時間を経過していない場合には、上述した#75の処理に移行することになる。
また。#80の処理にて、最大時間を経過していると判別した場合には、上述した#79の処理に移行して、標準バーナ1Bを消火させることになる。
上記した麺茹で運転処理においては説明を省略したが、調理時間が設定されている場合において、調理時間に達するまでの設定時間前(例えば、30秒前)に、例えば、「調理時間が終了します」等のコメントをスピーカKにて報知して、麺茹で運転処理が終了することを作業者に報知するように構成されている。
(第1実施形態のまとめ)
以上の通り、第1実施形態においては、コンロバーナ1における高火力バーナ1Aと標準バーナ1Bとの火力が、通常モードにおいては5段階で調節され、そして、エコモードにおいては、通常モードよりも最大の火力を減少させた状態で、17段階に調節されるものであるため、エコモードを選択することにより、必要以上に大きな火力となることを極力抑制して、省エネの向上を図ることができる。
また、湯沸し運転処理においては、通常モードにおいては、大きな火力にて迅速に沸き上げることができ、また、エコモードにおいては、調理容器としてのやかんの底部の大きさに対応する火力に調節して、省エネの向上を図ることができる。
さらに、麺茹で運転処理においては、麺の種類が異なり、かつ、茹でる麺の量が異なる場合において、吹き零れを抑制する状態で良好に茹でることができるようになっている。
すなわち、麺を茹でる際に、茹でる麺の吹き零れ易さを示す麺対応情報を入力することにより、運転制御部Hが、復帰加熱制御における加熱量を、麺対応情報が吹き零れ易いほど少なくしながら、復帰加熱制御を実行することになるから、吹き零れ易い麺を茹でる際にも、復帰加熱制御を行うときに吹き零れが発生することを抑制できることになる。
また、運転制御部Hが、復帰加熱制御における加熱量を復帰加熱実行時間の長さ及び復帰加熱力の大きさの調節により変更調節するものであり、しかも、復帰加熱実行時間の長さの調節が、復帰加熱実行時間を零にすることを含むものであるから、復帰加熱制御における吹き零れを適切に抑制できる。
つまり、調理時間が3分以下に設定される場合には、麺対応情報が素麺のようにかなり吹き零れ易い麺に対応する場合であるとして、復帰加熱実行時間を零にして、復帰加熱制御を省略して抑制加熱制御に移行させるものであるから、復帰加熱制御における吹き零れを適切に抑制できる。
また、使用者が、麺を茹でる際に、麺の種類に応じた調理時間を設定すれば、麺を調理容器に投入してからの経過時間を管理する等の手間なく、麺を茹でることができるのであり、使用者の作業負荷を軽減できるあり、しかも、その調理時間が、麺対応情報として用いられることになるから、麺情報を直接入力することを不要にして、操作性の向上を図りながら、麺を茹でることができる。
また、運転制御部Hが、復帰加熱制御における加熱量を、麺対応情報が吹き零れ易いほど少なくすることに加えて、調理容器に収納された湯水の量を示す収納湯水量が多いほど多く且つ調理容器に投入された麺の量が多いほど多くする形態で変更調節するから、調理容器に収納される湯水の収納湯水量の変動や調理容器に投入される麺の量の変動に拘わらず、復帰加熱制御において、吹き零れを抑制しながら適切に昇温させることができる。
また、運転制御部Hが、抑制加熱制御として、設定高加熱力にて高加熱力用設定時間が経過するまで前記加熱手段を加熱作動させる高加熱力加熱状態と前記設定高加熱力よりも小さな設定小加熱力にて小加熱力用設定時間が経過するまで前記加熱手段を加熱作動させる小加熱力加熱状態とを繰り返す制御を実行して、設定高加熱力により昇温させるようにしながらも、吹き零れが生じる前に、設定小加熱力に切換えて、降温させるようにすることにより、吹き零れを抑制することになる。
しかも、高加熱力用設定時間の前記小加熱力用設定時間に対する比として、短時間で茹で上がる麺に対応する短時間用比と、中時間で茹で上がる麺に対応する中時間用比と、長時間で茹で上がる麺に対応する長時間用比とが設定されて、抑制加熱制御として、短時間用比にて加熱手段の加熱作動を開始したのち、復帰加熱制御を開始した時点からの経過時間が短時間用設定時間に達すると、短時間用比から前記中時間用比に変更して加熱手段が加熱作動され、復帰加熱制御を開始した時点からの経過時間が中時間用設定時間に達すると、中時間用比から前記長時間用比に変更して加熱手段を加熱作動させる制御が行われることになるため、素麺、冷や麦、パスタ、生うどん等の種々の種類の麺を適切に茹でることができる。
つまり、素麺や冷や麦等の短時間で茹で上がる麺、パスタ等の中時間で茹で上がる麺、及び、生うどん等の長時間で茹で上がる麺のいずれをも、吹き零れを抑制した状態で、かつ、極力大きな熱量を与えた効率の良い状態で茹でることができる。
さらに、運転制御部Hが、短時間用比、中時間用比、及び、長時間用比を、収納湯水量に基づいて、収納湯水量が多いほど大きな値に変更設定するため、高加熱力加熱状態において、調理容器内の湯水の温度を適正な高温に上昇させながら、一層効率良く麺を茹でることが可能となる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明するが、この第2実施形態は、復帰加熱制御において加熱量を変更調節する形態の別形態を示すものであって、その他の構成は第1実施形態と同様であるので、以下の説明においては、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
上記第1実施形態においては、タイマー入力部D1にて設定される調理時間が設定時間(本実施形態では、3分)以下の場合には、復帰加熱制御の復帰加熱実行時間を、零に設定するように構成する場合を例示したが、この第2実施形態においては、タイマー入力部D1にて設定される調理時間が設定時間(本実施形態では、3分)以下の場合にも、復帰加熱制御の復帰加熱実行時間を、第1復帰時間Dt(例えば、10秒)と、演算により求める第2復帰時間BP1との和として求めるように構成されている。
そして、この第2実施形態においては、復帰加熱制御の復帰加熱力がタイマー入力部D1にて設定される調理時間に応じて調節されるように構成されている。
すなわち、運転制御部Hが、タイマー入力部D1にて設定される調理時間に基づいて、設定された調理時間が長いほど復帰加熱力を大きく設定するように構成されている。
具体的には、運転制御部Hは、下記の通り、調理時間に応じて復帰加熱力を設定する形態に構成されている。
調理時間が、3分以下のときには、復帰加熱力をエコモードの下から13番目の低減中間火力Q13に対応する火力に設定する。
調理時間が、5分以下で、3分より長いときには、復帰加熱力をエコモードの下から14番目の低減中間火力Q14に対応する火力に設定する。
調理時間が、7分以下で、5分より長いときには、復帰加熱力をエコモードの下から15番目の低減中間火力Q15に対応する火力に設定する。
調理時間が、10分以下で、7分より長いときには、復帰加熱力をエコモードの下から16番目の低減中間火力Q16に対応する火力に設定する。
調理時間が、10分よりも大きいときには、復帰加熱力を中間火力P4に設定する。
(第2実施形態のまとめ)
この第2実施形態は、運転制御部Hが、麺対応情報に基づく復帰加熱制御における加熱量の変更調節を、復帰加熱力の調節により行う形態を例示するものであるが、上記第1実施形態のまとめで述べた事項と同様な作用効果を奏することになる。
尚、この第2実施形態においては、麺対応情報に基づいて、復帰加熱力を5段階に調節する場合を例示したが、6段階以上に調節する形態で実施してもよく、また、4段階以下に調節する形態で実施してもよい。
例えば、調理時間が、3分以下で、2分より長いときの火力と、調理時間が、2分以下の火力とを異なる火力に設定する形態で、復帰加熱力を6段階に設定することができ、また、調理時間が、7分より長いときには、同じ火力に設定する形態で、復帰加熱力を4段階に設定することができる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明するが、この第3実施形態は、復帰加熱制御において加熱量を変更調節する形態の別形態を示すものであって、その他の構成は第1実施形態と同様であるので、以下の説明においては、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
上記第1実施形態においては、復帰加熱制御の復帰加熱力がタイマー入力部D1にて設定される調理時間に応じて調節されるように構成される場合を例示したが、この第3実施形態においては、復帰加熱力が、タイマー入力部D1にて設定される調理時間の長さの変化に拘わらず一定に維持される。
例えば、復帰加熱制御の復帰加熱力を、中間火力P4に設定する。
そして、この第3実施形態においては、第1実施形態と同様に、タイマー入力部D1にて設定される調理時間が設定時間(本実施形態では、3分)以下の場合には、復帰加熱制御の復帰加熱実行時間を、零に設定することになる。
つまり、復帰加熱制御の復帰加熱力を、タイマー入力部D1にて設定される調理時間の長さの変化に拘わらず、一定の火力(例えば、中間火力P4)に設定し、タイマー入力部D1にて設定される調理時間が設定時間(本実施形態では、3分)以下の場合には、復帰加熱制御の復帰加熱実行時間を、零に設定するように構成されている。
(第3実施形態のまとめ)
この第3実施形態は、運転制御部Hが、麺対応情報に基づく復帰加熱制御における加熱量の変更調節を、復帰加熱実行時間の調節により行う形態を例示するものであるが、上記第1実施形態のまとめで述べた事項と同様な作用効果を奏することになる。
尚、この第3実施形態においては、麺対応情報に基づいて、復帰加熱実行時間を2段階に調節する場合を例示したが、3段階以上に調節する形態で実施してもよい。
例えば、調理時間が、3分以下のときには、復帰加熱実行時間を零に設定し、そして、調理時間が、5分以下で、3分より長いとき、調理時間が、7分以下で、5分より長いとき、調理時間が、10分以下で、7分より長いとき、及び、調理時間が、10分よりも長いときの夫々について、適切な復帰加熱実行時間を設定する形態で、復帰加熱実行時間を5段階に変更調節する形態で実施してもよい。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態を説明するが、この第4実施形態は、復帰加熱制御において加熱量を変更調節する形態の別形態を示すものであって、その他の構成は第1実施形態と同様であるので、以下の説明においては、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
この第4実施形態は、タイマー入力部D1にて設定される調理時間に応じて復帰加熱制御における加熱量を複数段階に調節する形態として、複数段階の調理時間のうちの少なくとも一部の調理時間について、復帰加熱制御における加熱量を異ならせた複数の加熱量調節形態が設定されている。
そして、複数の加熱量調節形態のうちの一つを選択する形態選択手段が設けられて、運転制御部Hが、複数の加熱量調節形態のうちの形態選択手段にて選択された加熱量調節形態にて、復帰加熱制御における加熱量を変更調節するように構成されている。
複数の加熱量調節形態としては、種々の形態を採用することができるが、例えば、第1実施形態で述べた加熱量調節形態(以下、この第4実施形態では、第1加熱量調節形態と呼称)と、第2実施形態で述べた加熱量調節形態(以下、この第4実施形態では、第2加熱量調節形態と呼称)とを設定する。
第1加熱量調節形態と第2加熱量調節形態との差異は、第1加熱量調節形態では、調理時間が、3分以下のときには、復帰加熱実行時間を零に設定するのに対して、第2加熱量調節形態では、調理時間が、3分以下のときには、復帰加熱力をエコモードの下から13番目の低減中間火力Q13に対応する火力に設定し、かつ、復帰加熱制御の復帰加熱実行時間を、第1復帰時間Dt(例えば、10秒)と、演算により求める第2復帰時間BP1との和として求める点である。
つまり、第1加熱量調節形態では、調理時間が、3分以下のときには、復帰加熱実行時間を零に設定するものであるから、吹き零れ易い素麺を茹でる際に、調理容器の容量が収納湯水量TWよりも十分に大きくなくても、復帰加熱制御の省略により、吹き零れを回避する上で有利となる。
これに対して、第2加熱量調節形態では、調理時間が、3分以下のときにも、復帰加熱を実行するものであるが、吹き零れ易い素麺を茹でる際に、調理容器として、容量が収納湯水量TWよりも十分に大きい調理容器を用いることによって、復帰加熱制御において吹き零れを回避しながらも、適切に昇温させる上で有利となるものである。
したがって、調理者(使用者)が、調理容器の容量と収納湯水量TWとの関係を鑑みながら、第1加熱量調節形態と第2加熱量調節形態とを選択することによって、復帰加熱制御において吹き零れを適切に回避できることになる。
第1加熱量調節形態と第2加熱量調節形態とを選択する形態選択手段が、本実施形態においては、エコモード指令スイッチ23Aと解除指令スイッチ23Bとを用いて構成されている。
つまり、第1加熱量調節形態が優先的に選択される形態とし、そして、エコモード指令スイッチ23Aと解除指令スイッチ23Bとを同時に設定時間(例えば、3秒)押し操作することにより、第2加熱量調節形態を選択できるように構成されている。
また、第1加熱量調節形態が選択されている場合には、調理入力部D3の麺茹で表示部29Cを点灯作動させるのに対して、第2加熱量調節形態が選択された場合には、調理入力部D3の麺茹で表示部29Cを点滅させて、第2加熱量調節形態が選択されていることを表示するようにしてある。
尚、第4実施形態を実施するにあたり、形態選択手段として、専用の操作スイッチを設ける形態で実施してもよく、また、複数の加熱調節形態として、第1加熱量調節形態及び第2加熱量調節形態に加えて、第3実施形態の加熱調節形態をも選択できるようにしてもよい。
また、第1加熱量調節形態と第2加熱量調節形態とは、調理時間が3分以下に設定されたときにおいて加熱内容が異なる形態で、復帰加熱制御における加熱量を異ならせるものであるが、調理時間が、3分以下のとき、調理時間が、5分以下で、3分より長いとき、調理時間が、7分以下で、5分より長いとき、調理時間が、10分以下で、7分より長いとき、及び、調理時間が、10分よりも長いときの夫々について、復帰加熱力が異なる複数の加熱量調節形態を設定して、それらの加熱量調節形態を選択する形態で実施してもよい。
(第4実施形態のまとめ)
この第4実施形態は、運転制御部Hが、複数の加熱量調節形態のうちから選択された加熱量調整形態にて、復帰加熱制御における加熱量の変更調節を行う形態を例示するものであるが、上記第1実施形態のまとめで述べた事項と同様な作用効果を奏することになる。
そして、麺を茹でる際に、複数の加熱量調節形態のうちの一つを、例えば、調理容器の容量と収納湯水量TWとの関係を鑑みながら、選択することによって、復帰加熱制御において吹き零れを適切に回避できることになる。
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、3つのコンロバーナ1を備えて、高火力バーナ1Aと標準バーナ1Bとの火力が、通常モードとエコモードとによって調節される形態のガスコンロを例示したが、例えば、一つのコンロバーナ1を備える形態のガスコンロにおいて、そのコンロバーナ1の火力を、通常モードとエコモードとによって調節するように構成する等、本願発明を適用するガスコンロの形態は種々変更できるものである。
(2)上記実施形態では、加熱調理器としてガスコンロを例示したが、本発明は、加熱手段として、電磁誘導式加熱器を備える加熱調理器にも適用できるものである。
(3)上記実施形態では、麺投入指令手段として機能する湯沸しスイッチ26Cにて、麺投入完了が指令されると、待機加熱制御を停止して、復帰加熱制御を開始するように構成する場合を例示したが、例えば、沸騰状態の検出後において最低温度を検出すると、待機加熱制御を停止して、復帰加熱制御を開始するように構成する形態で実施してもよい。
(4)上記実施形態では、湯沸しスイッチ26Cを、麺茹でモード指令手段や麺投入指令手段を兼用する場合を例示したが、麺茹でモード指令手段を構成する専用のスイッチや、麺投入指令手段を構成する専用のスイッチを設ける形態で実施してもよい。
(5)上記実施形態では、抑制加熱制御において、高加熱力用設定時間の小加熱力用設定時間に対する比として、短時間で茹で上がる麺に対応する短時間用比と、中時間で茹で上がる麺に対応する中時間用比と、長時間で茹で上がる麺に対応する長時間用比とを、収納湯水量TWにて変更設定する場合を例示したが、その変更設定を省略する形態で実施してもよい。
この場合、収納湯水量TWが予測される最少量であるとして、高加熱力用設定時間の小加熱力用設定時間に対する比としては、時間用比、中時間用比、及び、長時間用比を設定すれば、吹き零れを抑制できるものとなる。
(6)湯沸し運転処理や麺茹で運転処理において沸騰状態を判別する構成は、上記実施形態にて説明した構成に限定されるものではなく、沸騰状態を判別するための周知の種々の構成を適用して実施してもよい。
(7)上記実施形態においては、収納湯水量、温度低下時間、及び、温度差に基づいて、復帰加熱実行時間を求めるにあたり、演算により求める場合を例示したが、例えば、復帰加熱実行時間と、収納湯水量、温度低下時間、及び、温度差の関係を予め実験等により求めて記憶しておき、その記憶情報と、収納湯水量、温度低下時間、及び、温度差に基づいて、復帰加熱実行時間を求める形態で実施してもよい。
(8)上記実施形態では、自動調理運転処理における湯沸し運転処理や麺茹で運転処理において、エコモードを適用する場合を例示したが、エコモードを備えない加熱調理器においても、本発明は適用できるものである。
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
1B 加熱手段
9B 加熱力調節手段
23A、23B 形態選択手段
26C 麺茹でモード指令手段
H 運転制御手段
S3 温度検出手段

Claims (11)

  1. 調理容器を加熱する加熱手段と、前記調理容器の温度を検出する温度検出手段と、前記加熱手段の加熱力を変更調節する加熱力調節手段と、麺茹でモードを指令する麺茹でモード指令手段と、前記加熱手段の作動を制御する運転制御手段とが設けられ、
    前記運転制御手段が、前記麺茹でモードが指令されると、前記加熱手段を初期加熱力にて加熱作動させた状態において前記温度検出手段の温度検出値に基づいて沸騰状態を判別した後は、前記初期加熱力よりも小さな待機加熱力にて前記加熱手段を加熱作動させる待機加熱制御、麺投入による温度低下を回復させるために前記待機加熱力よりも大きな復帰加熱力にて前記加熱手段を復帰加熱実行時間に亘って加熱作動させる復帰加熱制御、及び、吹き零れを抑制するように前記加熱手段の加熱力を制御する抑制加熱制御を順次実行するように構成され、且つ、
    前記抑制加熱制御として、設定高加熱力にて高加熱力用設定時間が経過するまで前記加熱手段を加熱作動させる高加熱力加熱状態と前記設定高加熱力よりも小さな設定小加熱力にて小加熱力用設定時間が経過するまで前記加熱手段を加熱作動させる小加熱力加熱状態とを繰り返す制御を実行するように構成された加熱調理器であって、
    茹でる麺の吹き零れ易さを示す麺対応情報を入力する麺情報入力手段が設けられ、
    前記運転制御手段が、前記復帰加熱制御における加熱量を、前記麺情報入力手段にて入力された前記麺対応情報が吹き零れ易いほど少なくする形態で変更調節するように構成されている加熱調理器。
  2. 前記運転制御手段が、前記復帰加熱制御における加熱量を前記復帰加熱力の大きさの調節により変更調節するように構成されている請求項1記載の加熱調理器。
  3. 前記運転制御手段が、前記復帰加熱制御における加熱量を前記復帰加熱実行時間の長さの調節により変更調節するように構成されている請求項1記載の加熱調理器。
  4. 前記運転制御手段が、前記復帰加熱制御における加熱量を前記復帰加熱実行時間の長さ及び前記復帰加熱力の大きさの調節により変更調節するように構成されている請求項1記載の加熱調理器。
  5. 前記復帰加熱実行時間の長さの調節が、前記復帰加熱実行時間を零にすることを含むものである請求項3又は4記載の加熱調理器。
  6. 調理時間を設定する調理時間設定手段が設けられ、
    前記運転制御手段が、前記復帰加熱制御を開始してからの経過時間が前記調理時間になると、前記加熱手段の加熱作動を停止するように構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  7. 前記麺情報入力手段が、前記調理時間設定手段にて設定される調理時間を前記麺対応情報とする形態で、前記調理時間設定手段にて構成されている請求項6記載の加熱調理器。
  8. 前記調理時間設定手段にて設定される調理時間に応じて前記復帰加熱制御における加熱量を複数段階に調節する形態として、複数段階の調理時間のうちの少なくとも一部の調理時間について、前記復帰加熱制御における加熱量を異ならせた複数の加熱量調節形態が設定され、
    前記複数の加熱量調節形態のうちの一つを選択する形態選択手段が設けられ、
    前記運転制御手段が、前記複数の加熱量調節形態のうちの前記形態選択手段にて選択された加熱量調節形態にて、前記復帰加熱制御における加熱量を変更調節するように構成されている請求項7記載の加熱調理器。
  9. 前記運転制御手段が、前記復帰加熱制御における加熱量を、前記麺情報入力手段にて入力された前記麺対応情報が吹き零れ易いほど少なくすることに加えて、前記調理容器に収納された湯水の量を示す収納湯水量が多いほど多く且つ前記調理容器に投入された麺の量が多いほど多くする形態で変更調節するように構成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  10. 前記運転制御手段が、前記抑制加熱制御として、
    設定高加熱力にて高加熱力用設定時間が経過するまで前記加熱手段を加熱作動させる高加熱力加熱状態と前記設定高加熱力よりも小さな設定小加熱力にて小加熱力用設定時間が経過するまで前記加熱手段を加熱作動させる小加熱力加熱状態とを繰り返す制御を実行し、且つ、
    前記高加熱力用設定時間の前記小加熱力用設定時間に対する比として、短時間で茹で上がる麺に対応する短時間用比と、中時間で茹で上がる麺に対応する中時間用比と、長時間で茹で上がる麺に対応する長時間用比とが設定されて、
    前記短時間用比にて前記加熱手段の加熱作動を開始したのち、前記復帰加熱制御を開始した時点からの経過時間が短時間用設定時間に達すると、前記短時間用比から前記中時間用比に変更して前記加熱手段を加熱作動させ、前記復帰加熱制御を開始した時点からの経過時間が中時間用設定時間に達すると、前記中時間用比から前記長時間用比に変更して前記加熱手段を加熱作動させる制御を行うように構成されている請求項1〜9のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  11. 前記運転制御手段が、
    前記調理容器に収納された湯水の量を示す収納湯水量に基づいて、前記短時間用比、前記中時間用比、及び、前記長時間用比を変更設定するように構成されている請求項10記載の加熱調理器。
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