本発明は、種子コーティング剤供給装置に関する。
従来、例えば特許文献1に示されるように、種子コーティング容器としてのドラム容器を備えた種子コーティング装置があった。
上記した種子コーティング装置によって例えば鉄コーティング種子を製造するには、種子コーティング装置が備える種子コーティング容器としてのドラム容器に種子を投入し、種子を種子コーティング容器によって撹拌させながら、種子コーティング剤としての鉄粉などを種子コーティング容器に供給するのであるが、種子コーティング剤の供給を人為作業によって行なわねばならない場合、種子コーティング容器に投入した種子量に対応した所定量の種子コーティング剤を準備する計量を行わねばならず、手間が掛かる。また、種子コーティング剤の供給に不慣れである場合、コーティングむらなどのコーティング不良が発生し易い。
本発明の目的は、コーティング種子を製造するのに、コーティング種子を良好なコーティング精度で容易かつ楽に得ることが可能な種子コーティング剤供給装置を提供することにある。
本発明による種子コーティング剤供給装置は、
移動用車輪を有した機体と、
前記機体の後部に設けた手押し用の固定ハンドルと、
前記機体に支持され、種子コーティング剤を貯留するコーティング剤タンクと、
前記コーティング剤タンクから種子コーティング剤を繰り出す繰出し部と、
前記繰出し部に対して前記固定ハンドルが位置する側とは反対側に位置した供給口を有すると共に前記供給口側ほど低い配置高さに位置する傾斜姿勢で前記機体に支持され、前記繰出し部からの種子コーティング剤を流下させて前記供給口から種子コーティング容器に落下させる供給シュータと、
前記繰出し部による繰出し量を設定する繰出し量設定手段と、
前記繰出し部による繰出し量が前記繰出し量設定手段による設定繰出し量になるように、繰出し運転を制御する繰出し制御手段とを備えてあることを特徴とする。
本構成によると、固定ハンドルによる手押しを行なえば、機体が移動用車輪によって移動することにより、機体をコーティング容器に向けて楽に移動操作できる。供給シュータが供給口側ほど低い傾斜姿勢で支持されており、かつ供給シュータの供給口が繰出し部に対して固定ハンドルが位置する側とは反対側に位置しているから、供給シュータの供給口を種子コーティング容器の入り口に入り込むなど、種子コーティング容器に対して位置合わせした状態に操作し易い。供給口が種子コーティング容器に対する位置合わせ状態になると、繰出し制御手段による繰出し運転の制御を開始させることにより、繰出し部がコーティング剤タンクから設定繰出し量の種子コーティング剤を繰り出し、この設定繰出し量の種子コーティング剤が供給シュータによって種子コーティング容器に供給されるから、種子コーティングに必要な所定量の種子コーティング剤が種子コーティング容器に自動的に供給される。
従って、本発明によると、機体をコーティング容器に向けて楽に移動操作できると共に供給シュータの種子コーティング容器に対する位置合わせが行い易いのであり、繰出し運転の制御を開始させるだけで所定量の種子コーティング剤が種子コーティング容器に自動的に供給されるのであり、コーティングむらなどのコーティング不良が少ない良好なコーティング精度のコーティング種子を容易かつ楽に得ることができる。
本発明において、前記機体に、前記移動用車輪を有した基部機体と、前記基部機体に昇降自在に取り付けられ、前記コーティング剤タンク、前記繰出し部及び前記供給シュータを支持する昇降機体部とを備え、前記昇降機体部を昇降操作して、前記基部機体に対する前記昇降機体部の取り付け高さを変更調節する昇降操作機構を備えると好適である。
本構成によると、昇降操作機構を操作することにより、基部機体に対する昇降機体部の取り付け高さが昇降操作機構によって変更調節され、供給シュータも昇降機体と共に昇降して供給シュータの基部機体に対する取り付け高さも変更調節されるから、種子コーティング容器の入り口高さが異なる場合、供給シュータの取り付け高さを変更調節して、供給シュータの供給口を種子コーティング容器の入り口に位置合わせすることができる。
従って、本発明によると、種子コーティング容器の取り付け高さや取り付け角度が異なる場合でも、昇降操作機構を操作するだけで楽にかつ迅速に供給シュータの供給口を種子コーティング容器に対して位置合わせできる。
本発明において、前記供給シュータを筒状に構成し、前記供給シュータの平面視形状を、前記供給口側の横幅が基端側の横幅よりも狭い先細り形状にすると好適である。
本構成によると、繰出し部からの種子コーティング剤の供給シュータによる受け継ぎを、供給口側よりも横幅が広い基端側によってスムーズに行わせながら、供給シュータが筒状であることにより、かつ供給口側の横幅が基端側よりも狭いことにより、種子コーティング容器に給水される際、飛散する水を供給シュータに入り難くできる。
従って、本発明によると、繰出し部からの種子コーティング剤が供給シュータにスムーズに流入するものでありながら、供給シュータに種子コーティング剤が湿気によって付着して詰まりが発生することを回避し易い。
本発明において、前記供給シュータに、底側部とこの底側部に対して開閉自在な上側部とを備えると好適である。
本構成によると、上側部を開くことにより、供給シュータの内部を開放できる。
従って、本発明によると、供給シュータの内部を開放して容易に清掃できる。
本発明において、前記繰出し制御手段を、前記設定繰出し量の種子コーティング剤を複数回に分けて間欠的に繰り出させるべく繰出し運転を制御するように構成すると好適である。
本構成によると、種子コーティング容器に供給すべき所定量の種子コーティング剤が複数回に分けて徐々に供給されるから、種子に種子コーティング剤を徐々に付着させることができる。
従って、本発明によると、種子に種子コーティング剤を徐々に付着させて、コーティングむらが少ない良好なコーティング精度でコーティング処理できる。
本発明において、前記種子コーティング容器に水を噴霧する噴霧ノズルを備えると好適である。
本構成によると、種子コーティング容器の種子及び種子コーティング剤に給水にするのに、噴霧ノズルに給水するだけで、水を霧状態にしてむらなく供給できる。
従って、本発明によると、噴霧ノズルに給水するだけで操作簡単に、むらなく給水してコーティングむらの発生を回避し易い。
本発明において、前記噴霧ノズルの先端が前記供給口よりも前記供給シュータの基端側に位置すると好適である。
本構成によると、種子コーティング容器の種子及び種子コーティング剤に噴霧ノズルによって給水する際、供給シュータの供給口に対して基端側に離れた箇所から噴出して、霧状に飛散した水が供給シュータに入り難くい。
従って、本発明によると、噴霧ノズルによって給水するものでありながら、供給シュータにおける湿気による種子コーティング剤の付着を回避し易い。
本発明において、前記噴霧ノズルによる給水量を設定する給水量設定手段と、前記噴霧ノズルによる給水量が前記給水量設定手段による設定給水量になるように、給水運転を制御する給水制御手段とを備えると好適である。
本構成によると、給水制御手段を作動させることにより、給水制御手段による給水運転の制御によって設定給水量の水が供給されるから、給水量に過不足がない給水をできる。
従って、本発明によると、給水制御手段を作動させるだけで操作簡単に、給水量に過不足がない状態で給水して、良好なコーティング精度でコーティングできる。
本発明において、前記給水制御手段を、前記設定給水量の水を複数回に分けて間欠的に噴霧させるべく給水運転を制御するように構成すると好適である。
本構成によると、種子コーティング容器に供給すべき所定量の水が複数回に分けて徐々に供給されるから、種子及び種子コーティング剤を適切な含水量の含水状態にして種子に種子コーティング剤を徐々に付着させることができる。
従って、本発明によると、種子に種子コーティング剤を徐々に付着させて、コーティングむらが少ない良好なコーティング精度でコーティング処理できる。
本発明において、前記種子コーティング容器に対する前記機体の機体前後方向及び機体横方向での位置決めを行なう位置決め部を備えると好適である。
本構成によると、位置決め部を作用させることにより、機体と種子コーティング容器との機体前後方向及び機体横方向での位置関係が種子コーティング剤の供給に適切な位置関係に自ずとなる。
従って、本発明によると、位置決め部を作用させるだけで操作簡単に、機体と種子コーティング容器とが種子コーティングに適切な位置関係になり、種子コーティング剤のスムーズな供給を楽に行わせることができる。
種子コーティング剤供給装置の全体を示す側面図である。
種子コーティング剤供給装置の全体を示す正面図である。
供給シュータを示す斜視図である。
供給シュータを示す側面図である。
位置決め部を示す平面図である。
制御系のブロック図である。
乾燥種モードでの給水運転及び繰出し運転の制御を示すフロー図である。
浸種モードでの給水運転及び繰出し運転の制御を示すフロー図である。
給水運転及び繰出し運転のタイムチャートを示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る種子コーティング剤供給装置の全体を示す側面図である。図2は、本発明の実施例に係る種子コーティング剤供給装置の全体を示す正面図である。図1,2に示すように、本発明の実施例に係る種子コーティング剤供給装置は、左右一対の移動用車輪1,1を下部の前側に有し、左右一対の移動用車輪2,2を下部の後側に有した機体3と、機体3の上部に配備したコーティング剤タンク11及び供給シュータ12を有したコーティング剤供給部10と、機体3の後部に配備した水タンク21及び供給シュータ12の近くに配備した噴霧ノズル22を有した給水部20とを備えている。機体3の後部に、機体3における基台部31の後端部から機体上方向きに突設した固定ハンドル4を設けてある。固定ハンドル4の前方近くであって、コーティング剤タンク11の下方に位置する箇所に制御ボックス5を配備してある。
この種子コーティング剤供給装置は、水稲用の鉄コーティングされた種子を製造するのに、鉄粉と焼石膏とを混合させて成る種子コーティング剤と水とをコーティングマシン40に設けられた種子コーティング容器41に供給するものである。
すなわち、図1に示すように、固定ハンドル4の手押し操作により、機体3を移動用車輪1,2によってコーティングマシン40に向けて前進移動させ、コーティングマシン40における基台42に対する機体3の位置合わせを行う。機体3の基台42に対する位置合わせ、及び供給シュータ12の種子コーティング容器41に対する位置合わせができると、制御ボックス5に設けてあるスタートスイッチ60(図1,6参照)を操作することにより、後述する制御装置70が作動し、コーティング剤供給部10が制御装置70による制御によって自動的に繰り出し運転を行い、コーティング剤タンク11に貯留されている種子コーティング剤をコーティング剤タンク11から繰り出して供給シュータ12から種子コーティング容器41に供給する。給水部20が制御装置70による制御によって自動的に給水運転を行い、水タンク21に貯留されている水を水タンク21から取出して噴霧ノズル22から種子コーティング容器41に供給する。
コーティングマシン40は、種子コーティング容器41を基台42によって回転自在に支持すると共に電動モータで成る撹拌モータ43によって回転駆動するように構成されており、種子コーティング容器41を回転駆動して種子及び種子コーティング剤を種子コーティング容器41によって撹拌しながら、種子及び種子コーティング剤に給水しながら種子に種子コーティング剤を付着させる。
機体3について説明する。
機体3は、前後の移動用車輪1,2及び固定ハンドル4を装備した基部機体30と、基部機体30に昇降自在に取り付けられ、コーティング剤供給部10及び制御ボックス5を支持する昇降機体部35とを備えて構成してある。
基部機体30は、前後の移動用車輪1,2が下面側に取り付けられ、固定ハンドル4が後端部に取り付けられた平面視で矩形の基台部31と、基台部31のうちの固定ハンドル4よりも機体前方側に位置する部位から機体上方向きに突設された左右一対の支柱部32,32とを備えている。
昇降機体部35は、左右一対の支柱フレーム36,36と、左右の支柱フレーム36のうちの下部を連結する連結フレーム37とを備えている。昇降機体部35は、左右の支柱フレーム36の横外側に回転自在に装着された上下一対の輪体38,38を備え、基部機体30の左右の支柱部32の横内側に円形管を取り付けて設けたガイドレール部32aに上下一対の輪体38,38を介して昇降自在に取り付けられている。連結フレーム37は、支柱フレーム36のうちの輪体38が取り付けられている部位の背後に連結されており、輪体38のガイドレール部32aに対する離脱を防止するように支柱フレーム36を輪体38の背後側で補強する補強機能を備えている。
図2に示すように、基部機体30における左右の支柱部32の間に配置した機体上下向きのリフトネジ軸51と、基台部31の底面側に配備した電磁ブレーキ付き電動モータで成る昇降モータ52とを備えて、昇降操作機構50を構成してある。
リフトネジ軸51は、基部機体30の基台部31と、左右一対の支柱部32,32の上端部を連結する連結フレーム33に設けた支持部とに正逆回転自在に、かつ昇降不能に支持されている。リフトネジ軸51の下端部と昇降モータ52の出力軸(図示せず)とがギヤ機構(図示せず)を介して連動されている。リフトネジ軸51のうちの基台部31と連結フレーム33との間に位置する部位に外嵌すると共に係合した筒形の雌ネジ部材53が昇降機体部35の連結フレーム37に固定されている。連結フレーム33の機体横方向の両端部は、昇降機体部35の支柱フレーム36を前後側に迂回して支柱部32に連結する二股形状になっており、連結フレーム33は、昇降機体部35の昇降を可能にしている。
昇降操作機構50は、昇降モータ52が正回転方向に駆動されることにより、リフトネジ軸51が昇降モータ52によって回転駆動されて雌ネジ部材53を上昇操作することによって昇降機体部35を上昇調節し、昇降モータ52が停止されることにより、リフトネジ軸51が停止して雌ネジ部材53を上昇操作した位置に停止させて昇降機体部35を上昇調節した位置に保持する。つまり、昇降操作機構50は、昇降モータ52を正回転方向に駆動操作すると共に停止操作することにより、昇降機体部35の基部機体30に対する取り付け高さを上昇調節すると共に調節した取り付け高さに保持する。
昇降操作機構50は、昇降モータ52が逆回転方向に駆動されることにより、リフトネジ軸51が昇降モータ52によって回転駆動されて雌ネジ部材53を下降操作することによって昇降機体部35を下降調節し、昇降モータ52が停止されることにより、リフトネジ軸51が停止して雌ネジ部材53を下降操作した位置に停止させて昇降機体部35を下降調節した位置に保持する。つまり、昇降操作機構50は、昇降モータ52を逆回転方向に駆動操作すると共に停止操作することにより、昇降機体部35の基部機体30に対する取り付け高さを下降調節すると共に調節した取り付け高さに保持する。
従って、種子コーティング容器41の基台42に対する取り付け角度を変更するとか、種子コーティング容器41の大きさが異なるコーティングマシン40を使用するなどにより、種子コーティング容器41の出し入れ口の大きさや高さが異なる場合、制御ボックス5に設けてある上昇スイッチ61(図1参照)を操作することにより、昇降操作機構50が上昇調節側に作動して昇降機体部35の基部機体30に対する取り付け高さを上昇調節し、供給シュータ12の取り付け高さが上昇調節されて、供給シュータ12の種子コーティング容器41に対する高さを種子コーティング剤の供給及び給水に適切な高さに上昇調節できる。
一方、制御ボックス5に設けてある下降スイッチ62(図1参照)を操作することにより、昇降操作機構50が下降調節側に作動して昇降機体部35の基部機体30に対する取り付け高さを下降調節し、供給シュータ12の取り付け高さが下降調節されて、供給シュータ12の種子コーティング容器41に対する高さを種子コーティング剤の供給及び給水に適切な高さに下降調節できる。
図1,5に示すうように、機体3の前部に、基台部31の前端部から機体前方向き突設した位置決めフレーム56を有した位置決め部55を備えてある。
位置決め部55は、位置決めフレーム56を備える他、位置決めフレーム56の機体横向での二箇所から機体前方向きに突設した当接体57を備えてある。左右の当接体57は、位置決めフレーム56に螺着した機体前後向きのネジ軸によって構成してあり、回転操作されることにより、位置決めフレーム56から機体前方側への突出長さを変更調節できる構造になっている。
図5に実線で示すように、位置決め部55は、位置決めフレーム56がコーティングマシン40の基台42から外側向きに突設された左右一対の係合アーム44,44の間に入り込み、左右の当接体57が基台42に当接することにより、作用状態になる。位置決め部55は、作用状態になると、位置決めフレーム56と左右一対の係合アーム44,44との係合、及び左右の当接体57と基台42との当接により、機体3の基台42に対する機体前後方向及び機体横方向での位置決めを行い、これにより、機体3の種子コーティング容器41に対する機体前後方向及び機体横方向での位置決めを行い、供給シュータ12と種子コーティング容器41との位置関係を、機体前後方向及び機体横方向において種子コーティング剤の供給及び給水に適切な位置関係にする。
コーティング剤供給部10について説明する。
図1,2に示すように、コーティング剤供給部10は、左右の支柱フレーム36の上端部に設けた支持部36aに下部が連結されたホッパ型のコーティング剤タンク11と、コーティング剤タンク11の下部に上部が連結された繰出しケース13aを有した繰出し部13と、繰出し部13の下方に配置された供給シュータ12とを備えている。
繰出し部13は、繰出しケース13aを備える他、繰出しケース13aの内部に機体横向きの回転軸芯まわり駆動回転自在に設けた繰出し回転体13bを備えている。図1,2に示すように、繰出し回転体13bの回転支軸13cと、支柱フレーム36の内側に配備された電磁ブレーキ付き電動モータで成る繰出しモータ14の出力軸14aとを、伝動チェーン15aを備えた連動機構15によって連動させてある。連動機構15は、回転支軸13cの端部に一体回転自在に設けられた入力スプロケット15bと、出力軸14aの端部に一体回転自在に設けられた出力スプロケット15cと、両スプロケット15b,15cに巻回された伝動チェーン15aとを備えている。
繰出し回転体13bは、周面に回転方向に所定間隔を隔てて並ぶ状態で設けた繰出し凹部(図示せず)を備えており、繰出し凹部が繰出し回転体の下端部に位置する毎に種子コーティング剤を排出する間欠繰り出しの状態で、かつ各繰出し時の繰出し量が繰出し凹部の容積によって設定される設定繰出し量になる状態で種子コーティング剤の繰り出しを行う。
供給シュータ12は、基端側が繰出しケース13aの下方に位置し、先端側に位置する供給口12aが繰出し部13に対して固定ハンドル4が位置する側とは反対側に位置する配置で、かつ供給口側ほど低い配置高さに位置する前下がりの傾斜姿勢で支持部材16に支持されている。支持部材16は、供給シュータ12の基端側の下方を機体横方向に通る状態で左右の支柱フレーム36に架設されている。
従って、繰出し部13は、繰出しモータ14が駆動されることにより、繰出しモータ14によって連動機構15を介して回転駆動される繰出し回転体13bによってコーティング剤タンク11から種子コーティング剤を間欠的に繰り出し、繰出し回転体13bによって繰り出された種子コーティング剤を、繰出しケース13aの下端側から供給シュータ12の基端側に落下させて供給シュータ12に沿わせて流下させ、供給シュータ12の供給口12aから種子コーティング容器41に落下させる。
図3は、供給シュータ12を示す斜視図である。図4は、供給シュータ12を示す側面図である。図3,4に示すように、供給シュータ12は、支持部材16に固定された底側部12Dと、底側部12Dの上方を覆う上側部12Uとを備えて、種子コーティング剤が内部を流下するように筒状に構成してある。供給シュータ12の平面視形状を、供給口側の横幅が基端側の横幅よりも狭い先細り形状にしてある。
図3,4に示すように、底側部12Dと上側部12Uとは、供給シュータ12の基端側において上側部12U及び底側部12Dの左右の横壁部どうしを相対回転自在に連結する連結ピン12bを介して連結されており、供給シュータ12は、開閉自在な構造になっている。
図3,4に二点鎖線で示すように、供給シュータ12は、上側部12Uを連結ピン12bの機体横向き軸芯まわりに上昇揺動操作することにより、開き状態になり、供給シュータ12の内部清掃が容易になる。図3,4に実線で示すように、供給シュータ12は、上側部12Uを連結ピン12bの機体横向き軸芯まわりに下降揺動操作することにより、閉じ状態になる。上側部12Uは透明の樹脂材によって構成してあり、供給シュータ12の閉じ状態でも、外部から上側部12Uを介して内部を見通すことができる。
給水部20について説明する。
図1,4に示すように、給水部20は、基台部31における固定ハンドル4と支柱部32との間の部位に載置された水タンク21と、水タンク21の上部に配備された電動型の給水ポンプ23と、給水ポンプ23に送水ホース24を介して接続された噴霧ノズル22とを備えて構成してある。
噴霧ノズル22は、噴出口が位置する先端22aが供給シュータ12の供給口12aよりも供給シュータ12の基端側に位置する配置で供給シュータ12の下方に配置してある。噴霧ノズル22は、供給シュータ12の下面側に設けた支持部材25を介して供給シュータ12に支持されている。
給水部20は、水タンク21に貯留された水を、給水ポンプ23によって送水ホース24を介して噴霧ノズル22に圧送し、噴霧ノズル22の先端22aから種子コーティング容器41に霧状に噴出する。
繰出し制御及び給水制御について説明する。
制御ボックス5に制御装置70を収容してある。制御装置70が繰出しモータ14と共に基部機体30に対して昇降するように、制御ボックス5を昇降機体部35に支持させてある。
図6に示すように、制御装置70に繰出しモータ14、給水ポンプ23、スタート手段としてのスタートスイッチ60及びコース選択手段63を連係させてある。制御装置70は、マイクロコンピュータを利用して構成してあり、繰出し制御手段71、繰出し量設定手段72、給水制御手段73、給水量設定手段74を備えている。
コース選択手段63は、乾燥種コース位置[乾燥種]と、浸種コース位置[浸種]とに切り換え操作自在な切り換えスイッチによって構成してある。この切り換えスイッチは、制御ボックス5に設けてある。コース選択手段63は、乾燥種コース位置[乾燥種]に切り換え操作されると、乾燥種モードでの繰出し運転及び給水運転の制御を行わせるべき乾燥種モード指令としの電気号を制御装置70に出力し、浸種コース位置[浸種]に切り換え操作されると、浸種モードでの繰出し運転及び給水運転の制御を行わせるべき浸種モード指令としての電気信号を制御装置70に出力する。
スタートスイッチ60は、制御ボックス5に設けてある。スタートスイッチ60は、オン操作されると、繰り出し運転及び給水運転の制御を行わせるべき指令を制御装置70に出力する。
繰出し量設定手段72は、予め入力して記憶させた乾燥種用繰出しプログラム(A)及び浸種用繰出しプログラム(B)を備えている。
乾燥種用繰出しプログラム(A)は、浸種処理後に乾燥した種子を鉄コーティング処理するためのものである。乾種用繰出しプログラム(A)には、乾燥した種子を鉄コーティング処理するのに必要な種子コーティング剤の総量を繰出し量として設定した設定繰出し量Q1と、この設定繰出し量Q1の種子コーティング剤を所定の複数回に分けて間欠的に繰り出すための回数と、設定繰出し量Q1の種子コーティング剤を所定の複数回に分けて間欠的に繰り出すための繰出し間隔として設定した設定間隔時間と、設定繰出し量Q1の種子コーティング剤を所定の複数回に分けて間欠的に繰り出すための各回の繰出し量として設定した設定小分け繰出し量とを書き込んである。
浸種用繰出しプログラム(B)は、浸種処理後の未乾燥の種子を鉄コーティング処理するためのものである。浸種用繰出しプログラム(B)には、未乾燥の種子を鉄コーティング処理するのに必要な種子コーティング剤の総量を繰出し量として設定した設定繰出し量Q2と、この設定繰出し量Q2の種子コーティング剤を所定の複数回に分けて間欠的に繰り出すための回数と、設定繰出し量Q2の種子コーティング剤を所定の複数回に分けて間欠的に繰り出すための繰出し間隔として設定した設定間隔時間と、設定繰出し量Q2の種子コーティング剤を所定の複数回に分けて間欠的に繰り出すための各回の繰出し量として設定した設定小分け繰出し量とを書き込んである。浸種用繰出しプログラム(B)の設定繰出し量Q2は、乾燥種用繰出しプログラム(A)の設定繰出し量Q1よりも少量に設定してある。
給水量設定手段74は、予め入力して記憶させた乾燥種用給水プログラム(C)及び浸種用給水プログラム(D)を備えている。
乾燥種用給水プログラム(C)は、浸種処理後に乾燥した種子を鉄コーティング処理するためのものである。乾燥種用給水プログラム(C)には、乾燥した種子を鉄コーティング処理するのに必要な水の総量を給水量として設定した設定給水量W1と、この設定給水量W1の水を所定の複数回に分けて間欠的に供給する回数と、設定給水量W1の水を所定の複数回に分けて間欠的に供給するための給水間隔として設定した設定間隔時間と、設定給水量W1の水を所定の複数回に分けて間欠的に供給するための各回の給水量として設定した設定小分け給水量とを書き込んである。
浸種用給水プログラム(D)は、浸種処理後の未乾燥の種子を鉄コーティング処理するためのものである。浸種用繰出しプログラム(B)には、未乾燥の種子を鉄コーティング処理するのに必要な水の総量を給水量として設定した設定給水量W2と、この設定給水量W2の水を所定の複数回に分けて間欠的に供給するための回数と、設定給水量W2の水を所定の複数回に分けて間欠的に供給するための給水間隔として設定した設定間隔時間と、設定給水量W2の水を所定の複数回に分けて間欠的に供給するための各回の給水量として設定した設定小分け給水量とを書き込んである。浸種用給水プログラム(D)の設定給水量W2は、乾燥種用給水プログラム(C)の設定給水量W1よりも少量に設定してある。
図7は、乾燥種モードでの給水制御手段73による給水運転の制御、及び乾燥種モードでの繰出し制御手段71による繰出し運転の制御を示すフロー図である。
図7に示すように、繰出し制御手段71及び給水制御手段73は、コース選択手段63からの乾燥種モード指令を入力すると、乾燥種モードに切り換わる。給水制御手段73は、スタートスイッチ60からの指令を入力すると、給水部20の給水運転をオン制御し、給水量設定手段74が備える乾燥種用給水プログラム(C)に基づいて給水ポンプ23を後述するように制御して噴霧ノズル22から種子コーティング容器41に水を噴出させる。給水制御手段73は、給水ポンプ23の駆動時間を基に給水量を計測し、計測給水量W1Kが給水量設定手段74による乾燥種用の設定給水量W1に達すると、給水部20の給水運転をオフ制御し、給水ポンプ23を停止制御して給水を停止する。
繰出し制御手段71は、スタートスイッチ60から指令を入力すると、繰出し部13の繰出し運転をオン制御し、繰出し量設定手段72が備える乾燥種用繰出しプログラム(A)に基づいて繰出しモータ14を後述するように制御して供給シュータ12から種子コーティング容器41に種子コーティング剤を供給する。繰出し制御手段71は、繰出し回転体13bの回転数を検出する回転数センサ26(図6参照)による検出情報を基に種子コーティング剤の繰出し量を計測し、計測繰出し量Q1Kが繰出し量設定手段72による乾燥種用の設定繰出し量Q1に達すると、繰出し部13の繰出し運転をオフ制御し、繰出しモータ14を停止させて種子コーティング剤の供給を停止する。
図8は、浸種モードでの給水制御手段73による給水運転の制御、及び浸種モードでの繰出し制御手段71による繰出し運転の制御を示すフロー図である。
図8に示すように、繰出し制御手段71及び給水制御手段73は、コース選択手段63からの浸種モード指令を入力すると、浸種モードに切り換わる。給水制御手段73は、スタートスイッチ60からの指令を入力すると、給水部20の給水運転をオン制御し、給水量設定手段74が備える浸種用給水プログラム(D)に基づいて給水ポンプ23を後述するように制御して噴霧ノズル22から種子コーティング容器41に水を噴出させる。給水制御手段73は、給水ポンプ23の駆動時間を基に給水量を計測し、計測給水量W2Kが給水量設定手段74による浸種用の設定給水量W2に達すると、給水部20の給水運転をオフ制御し、給水ポンプ23を停止制御して給水を停止する。
繰出し制御手段71は、スタートスイッチ60から指令を入力すると、繰出し部13の繰出し運転をオン制御し、繰出し量設定手段72が備える浸種用繰出しプログラム(B)に基づいて繰出しモータ14を後述するように制御して供給シュータ12から種子コーティング容器41に種子コーティング剤を供給する。繰出し制御手段71は、繰出し回転体13bの回転数を検出する回転数センサ26による検出情報を基に種子コーティング剤の繰出し量を計測し、計測繰出し量Q2Kが繰出し量設定手段72による浸種用の設定繰出し量Q2に達すると、繰出し部13の繰出し運転をオフ制御し、繰出しモータ14を停止させて種子コーティング剤の供給を停止する。
図9は、給水制御手段73による給水運転のオン制御、及び繰出し制御手段71による繰出し運転のオン制御におけるタイムチャートを示す説明図である。
図9に示すように、給水制御手段73は、乾燥種モードにおいて、乾燥種用給水プログラム(C)の他に、乾燥種用繰出しプログラム(A)にも基づく給水運転の制御を行い、浸種モードにおいて、浸種用給水プログラム(D)の他に、浸種用繰出しプログラム(B)にも基づく給水運転の制御を行い、乾燥種モードと浸種モードとのいずれにおいても、設定給水量W1,W2の水を複数回に分けて、かつ繰出し部13による種子コーティング剤の繰り出し開始に先立って給水を開始する状態で、さらに繰出し部13による種子コーティング剤の繰り出し終了よりも後に給水を終了する状態で、さらに給水と種子コーティング剤の供給とが交互になる状態で給水を行わせる。
図9に示すように、繰出し制御手段71は、乾燥種モードにおいて、乾燥種用繰出しプログラム(A)の他に、乾燥種給水プログラム(C)にも基づく繰出し運転の制御を行い、浸種モードにおいて、浸種用繰出しプログラム(B)の他に、浸種用給水プログラム(D)にも基づく繰り出し運転の制御を行い、乾燥種モードと浸種モードとのいずれにおいても、設定繰出し量Q1,Q2の種子コーティング剤を複数回に分けて、かつ給水部20による給水開始より遅れて繰出しを開始する状態で、さらに給水部20による給水終了に先立って繰出しを終了する状態で、さらに給水と種子コーティング剤の供給とが交互になる状態で種子コーティング剤の供給を行わせる。
図6に示すように、制御装置70に撹拌制御手段75を備えてある。
撹拌制御手段75は、コーティングマシン40における撹拌モータ43の電源コード45を制御ボックス5に設けてあるコンセント64(図1参照)に接続しておけば、スタートスイッチ60から指令を入力することにより、図9に示す如く撹拌モータ43の制御を自動的に行い、給水部20による給水開始と同じあるいはほぼ同じタイミングで種子コーティング容器41の回転を開始させ、給水部20による給水及び繰出し部13による種子コーティング剤の供給が終了してから設定経過時間が経過するまで種子コーティング容器41の回転を継続させる。
〔別実施例〕
(1)上記した実施例では、給水部20によって水を供給するよう構成した例を示したが、薬剤を水に混入して、水と共に供給するよう構成して実施してもよい。
(2)上記した実施例では、給水部20を備えた例を示したが、給水部20を備えずに実施してもよい。
(3)上記した実施例では、昇降操作機構50を備えた例を示したが、昇降操作機構50を備えずに実施してもよい。
(4)上記した実施例では、供給シュータ12を筒状に構成した例を示したが、機体上方向きに開口した樋状に構成して実施してもよい。
本発明は、鉄コーティング種子を製造するための種子コーティング剤供給装置の他、カルパーコーティング種子など、鉄以外の各種のコーティング剤でコーティングされるコーティング種子を製造するための種子コーティング剤供給装置や、水稲用種子以外の各種の種子のコーティングのための種子コーティング剤供給装置にも利用可能である。
1,2 移動用車輪
3 機体
4 固定ハンドル
11 コーティング剤タンク
12 供給シュータ
12a 供給口
12D 底側部
12U 上側部
13 繰出し部
22 噴霧ノズル
22a 先端
30 基部機体
35 昇降機体部
41 種子コーティング容器
50 昇降操作機構
55 位置決め部
71 繰出し制御手段
72 繰出し量設定手段
73 給水制御手段
74 給水量設定手段
Q1,Q2 設定繰出し量
W1,W2 設定給水量
本発明は、種子コーティング剤供給装置又は種子コーティング装置に関する。
従来、例えば特許文献1に示されるように、種子コーティング容器としてのドラム容器を備えた種子コーティング装置があった。
上記した種子コーティング装置によって例えば鉄コーティング種子を製造するには、種子コーティング装置が備える種子コーティング容器としてのドラム容器に種子を投入し、種子を種子コーティング容器によって撹拌させながら、種子コーティング剤としての鉄粉などを種子コーティング容器に供給するのであるが、種子コーティング剤の供給を人為作業によって行なわねばならない場合、種子コーティング容器に投入した種子量に対応した所定量の種子コーティング剤を準備する計量を行わねばならず、手間が掛かる。また、種子コーティング剤の供給に不慣れである場合、コーティングむらなどのコーティング不良が発生し易い。
本発明の目的は、コーティング種子を製造するのに、コーティング種子を良好なコーティング精度で容易かつ楽に得ることが可能な種子コーティング剤供給装置又は種子コーティング装置を提供することにある。
本発明の特徴は、以下の通りである。
種子コーティング剤を貯留するコーティング剤タンクと、
前記コーティング剤タンクから種子コーティング剤を繰り出す繰出し部と、
供給口側ほど低い位置となる傾斜姿勢で支持されて、前記繰出し部からの種子コーティング剤を流下させて前記供給口から落下させる供給シュータと、
前記繰出し部による繰出し量を設定する繰出し量設定手段と、
前記繰出し部による繰出し量が前記繰出し量設定手段による設定繰出し量になるように、繰出し運転を制御する繰出し制御手段とを備えている種子コーティング剤供給装置。
本発明の特徴は、以下の通りである。
種子コーティング剤を貯留するコーティング剤タンクと、
前記コーティング剤タンクから種子コーティング剤を繰り出す繰出し部と、
供給口側ほど低い位置となる傾斜姿勢で支持されて、前記繰出し部からの種子コーティング剤を流下させて前記供給口から落下させる供給シュータと、
前記繰出し部による繰出し量を設定する繰出し量設定手段と、
前記繰出し部による繰出し量が前記繰出し量設定手段による設定繰出し量になるように、繰出し運転を制御する繰出し制御手段とを備えている種子コーティング剤供給装置、
並びに、
回転駆動される種子コーティング容器を備えたコーティングマシンを備えて、
種子コーティング剤が前記供給口から前記種子コーティング容器に落下し、前記種子コーティング容器が回転駆動されることにより、種子及び種子コーティング剤が攪拌されて、種子に種子コーティング剤を付着させる種子コーティング装置。
本構成によると、繰出し制御手段による繰出し運転の制御を開始させることにより、繰出し部がコーティング剤タンクから設定繰出し量の種子コーティング剤を繰り出し、この設定繰出し量の種子コーティング剤が供給シュータによって種子コーティング容器に供給されるから、種子コーティングに必要な所定量の種子コーティング剤が種子コーティング容器に自動的に供給される。
従って、本発明によると、繰出し運転の制御を開始させるだけで所定量の種子コーティング剤が種子コーティング容器に自動的に供給されるのであり、コーティングむらなどのコーティング不良が少ない良好なコーティング精度のコーティング種子を容易かつ楽に得ることができる。
本発明において、前記種子コーティング容器が、側面視で前記供給口側ほど高い位置となる斜めの軸芯周りに回転駆動されると好適である。
本発明において、前記コーティング剤タンク、前記繰出し部及び前記供給シュータを昇降自在に支持する昇降機体部を備え、前記昇降機体部を昇降操作して、前記昇降機体部の高さを変更調節する昇降操作機構を備えると好適である。
本構成によると、昇降操作機構を操作することにより、昇降機体部の高さが昇降操作機構によって変更調節され、供給シュータも昇降機体部と共に昇降して供給シュータの高さも変更調節されるから、種子コーティング容器の入り口高さが異なる場合、供給シュータの高さを変更調節して、供給シュータの供給口を種子コーティング容器の入り口に位置合わせすることができる。
従って、本発明によると、種子コーティング容器の高さや角度が異なる場合でも、昇降操作機構を操作するだけで楽にかつ迅速に供給シュータの供給口を種子コーティング容器に対して位置合わせできる。
本発明において、前記供給シュータを筒状に構成し、前記供給シュータの平面視形状を、前記供給口側の横幅が基端側の横幅よりも狭い先細り形状にすると好適である。
本構成によると、繰出し部からの種子コーティング剤の供給シュータによる受け継ぎを、供給口側よりも横幅が広い基端側によってスムーズに行わせながら、供給シュータが筒状であることにより、かつ供給口側の横幅が基端側よりも狭いことにより、種子コーティング容器に給水される際、飛散する水を供給シュータに入り難くできる。
従って、本発明によると、繰出し部からの種子コーティング剤が供給シュータにスムーズに流入するものでありながら、供給シュータに種子コーティング剤が湿気によって付着して詰まりが発生することを回避し易い。
本発明において、前記供給シュータに、底側部とこの底側部に対して開閉自在な上側部とを備えると好適である。
本構成によると、上側部を開くことにより、供給シュータの内部を開放できる。
従って、本発明によると、供給シュータの内部を開放して容易に清掃できる。
本発明において、前記繰出し部が、横向きの軸芯周りに回転駆動されることにより種子コーティング剤を繰り出す繰出し回転体を備えていると好適である。
本発明において、前記繰出し制御手段を、前記設定繰出し量の種子コーティング剤を複数回に分けて間欠的に繰り出させるべく繰出し運転を制御するように構成すると好適である。
本構成によると、種子コーティング容器に供給すべき所定量の種子コーティング剤が複数回に分けて徐々に供給されるから、種子に種子コーティング剤を徐々に付着させることができる。
従って、本発明によると、種子に種子コーティング剤を徐々に付着させて、コーティングむらが少ない良好なコーティング精度でコーティング処理できる。
本発明において、コーティングマシンの種子コーティング容器に水を噴霧する噴霧ノズルを備えると好適である。
本構成によると、種子コーティング容器の種子及び種子コーティング剤に給水にするのに、噴霧ノズルに給水するだけで、水を霧状態にしてむらなく供給できる。
従って、本発明によると、噴霧ノズルに給水するだけで操作簡単に、むらなく給水してコーティングむらの発生を回避し易い。
本発明において、前記噴霧ノズルの先端が前記供給口よりも前記供給シュータの基端側に位置すると好適である。
本構成によると、種子コーティング容器の種子及び種子コーティング剤に噴霧ノズルによって給水する際、供給シュータの供給口に対して基端側に離れた箇所から噴出して、霧状に飛散した水が供給シュータに入り難くい。
従って、本発明によると、噴霧ノズルによって給水するものでありながら、供給シュータにおける湿気による種子コーティング剤の付着を回避し易い。
本発明において、前記噴霧ノズルによる給水量を設定する給水量設定手段と、前記噴霧ノズルによる給水量が前記給水量設定手段による設定給水量になるように、給水運転を制御する給水制御手段とを備えると好適である。
本構成によると、給水制御手段を作動させることにより、給水制御手段による給水運転の制御によって設定給水量の水が供給されるから、給水量に過不足がない給水をできる。
従って、本発明によると、給水制御手段を作動させるだけで操作簡単に、給水量に過不足がない状態で給水して、良好なコーティング精度でコーティングできる。
本発明において、前記給水制御手段を、前記設定給水量の水を複数回に分けて間欠的に噴霧させるべく給水運転を制御するように構成すると好適である。
本構成によると、種子コーティング容器に供給すべき所定量の水が複数回に分けて徐々に供給されるから、種子及び種子コーティング剤を適切な含水量の含水状態にして種子に種子コーティング剤を徐々に付着させることができる。
従って、本発明によると、種子に種子コーティング剤を徐々に付着させて、コーティングむらが少ない良好なコーティング精度でコーティング処理できる。
本発明において、前記噴霧ノズルによる水の噴霧の開始に伴って、前記種子コーティング容器の回転駆動を開始させ、前記繰出し部による種子コーティング剤の繰り出し及び前記噴霧ノズルによる水の噴霧の終了に伴って、前記種子コーティング容器を停止させる攪拌制御手段を備えていると好適である。
本発明において、前記攪拌制御手段は、前記繰出し部による種子コーティング剤の繰り出し及び前記噴霧ノズルによる水の噴霧が終了してから設定時間の経過後に、前記種子コーティング容器を停止させると好適である。
本発明において、コーティングマシンの種子コーティング容器に対する前記供給シュータの前後方向及び横方向での位置決めを行なう位置決め部を備えていると好適である。
本構成によると、位置決め部を作用させることにより、供給シュータと種子コーティング容器との前後方向及び横方向での位置関係が種子コーティング剤の供給に適切な位置関係に自ずとなる。
従って、本発明によると、位置決め部を作用させるだけで操作簡単に、供給シュータと種子コーティング容器とが種子コーティングに適切な位置関係になり、種子コーティング剤のスムーズな供給を楽に行わせることができる。
種子コーティング剤供給装置の全体を示す側面図である。
種子コーティング剤供給装置の全体を示す正面図である。
供給シュータを示す斜視図である。
供給シュータを示す側面図である。
位置決め部を示す平面図である。
制御系のブロック図である。
乾燥種モードでの給水運転及び繰出し運転の制御を示すフロー図である。
浸種モードでの給水運転及び繰出し運転の制御を示すフロー図である。
給水運転及び繰出し運転のタイムチャートを示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る種子コーティング剤供給装置の全体を示す側面図である。図2は、本発明の実施例に係る種子コーティング剤供給装置の全体を示す正面図である。図1,2に示すように、本発明の実施例に係る種子コーティング剤供給装置は、左右一対の移動用車輪1,1を下部の前側に有し、左右一対の移動用車輪2,2を下部の後側に有した機体3と、機体3の上部に配備したコーティング剤タンク11及び供給シュータ12を有したコーティング剤供給部10と、機体3の後部に配備した水タンク21及び供給シュータ12の近くに配備した噴霧ノズル22を有した給水部20とを備えている。機体3の後部に、機体3における基台部31の後端部から機体上方向きに突設した固定ハンドル4を設けてある。固定ハンドル4の前方近くであって、コーティング剤タンク11の下方に位置する箇所に制御ボックス5を配備してある。
この種子コーティング剤供給装置は、水稲用の鉄コーティングされた種子を製造するのに、鉄粉と焼石膏とを混合させて成る種子コーティング剤と水とをコーティングマシン40に設けられた種子コーティング容器41に供給するものである。
すなわち、図1に示すように、固定ハンドル4の手押し操作により、機体3を移動用車輪1,2によってコーティングマシン40に向けて前進移動させ、コーティングマシン40における基台42に対する機体3の位置合わせを行う。機体3の基台42に対する位置合わせ、及び供給シュータ12の種子コーティング容器41に対する位置合わせができると、制御ボックス5に設けてあるスタートスイッチ60(図1,6参照)を操作することにより、後述する制御装置70が作動し、コーティング剤供給部10が制御装置70による制御によって自動的に繰り出し運転を行い、コーティング剤タンク11に貯留されている種子コーティング剤をコーティング剤タンク11から繰り出して供給シュータ12から種子コーティング容器41に供給する。給水部20が制御装置70による制御によって自動的に給水運転を行い、水タンク21に貯留されている水を水タンク21から取出して噴霧ノズル22から種子コーティング容器41に供給する。
コーティングマシン40は、種子コーティング容器41を基台42によって回転自在に支持すると共に電動モータで成る撹拌モータ43によって回転駆動するように構成されており、種子コーティング容器41を回転駆動して種子及び種子コーティング剤を種子コーティング容器41によって撹拌しながら、種子及び種子コーティング剤に給水しながら種子に種子コーティング剤を付着させる。
機体3について説明する。
機体3は、前後の移動用車輪1,2及び固定ハンドル4を装備した基部機体30と、基部機体30に昇降自在に取り付けられ、コーティング剤供給部10及び制御ボックス5を支持する昇降機体部35とを備えて構成してある。
基部機体30は、前後の移動用車輪1,2が下面側に取り付けられ、固定ハンドル4が後端部に取り付けられた平面視で矩形の基台部31と、基台部31のうちの固定ハンドル4よりも機体前方側に位置する部位から機体上方向きに突設された左右一対の支柱部32,32とを備えている。
昇降機体部35は、左右一対の支柱フレーム36,36と、左右の支柱フレーム36のうちの下部を連結する連結フレーム37とを備えている。昇降機体部35は、左右の支柱フレーム36の横外側に回転自在に装着された上下一対の輪体38,38を備え、基部機体30の左右の支柱部32の横内側に円形管を取り付けて設けたガイドレール部32aに上下一対の輪体38,38を介して昇降自在に取り付けられている。連結フレーム37は、支柱フレーム36のうちの輪体38が取り付けられている部位の背後に連結されており、輪体38のガイドレール部32aに対する離脱を防止するように支柱フレーム36を輪体38の背後側で補強する補強機能を備えている。
図2に示すように、基部機体30における左右の支柱部32の間に配置した機体上下向きのリフトネジ軸51と、基台部31の底面側に配備した電磁ブレーキ付き電動モータで成る昇降モータ52とを備えて、昇降操作機構50を構成してある。
リフトネジ軸51は、基部機体30の基台部31と、左右一対の支柱部32,32の上端部を連結する連結フレーム33に設けた支持部とに正逆回転自在に、かつ昇降不能に支持されている。リフトネジ軸51の下端部と昇降モータ52の出力軸(図示せず)とがギヤ機構(図示せず)を介して連動されている。リフトネジ軸51のうちの基台部31と連結フレーム33との間に位置する部位に外嵌すると共に係合した筒形の雌ネジ部材53が昇降機体部35の連結フレーム37に固定されている。連結フレーム33の機体横方向の両端部は、昇降機体部35の支柱フレーム36を前後側に迂回して支柱部32に連結する二股形状になっており、連結フレーム33は、昇降機体部35の昇降を可能にしている。
昇降操作機構50は、昇降モータ52が正回転方向に駆動されることにより、リフトネジ軸51が昇降モータ52によって回転駆動されて雌ネジ部材53を上昇操作することによって昇降機体部35を上昇調節し、昇降モータ52が停止されることにより、リフトネジ軸51が停止して雌ネジ部材53を上昇操作した位置に停止させて昇降機体部35を上昇調節した位置に保持する。つまり、昇降操作機構50は、昇降モータ52を正回転方向に駆動操作すると共に停止操作することにより、昇降機体部35の基部機体30に対する取り付け高さを上昇調節すると共に調節した取り付け高さに保持する。
昇降操作機構50は、昇降モータ52が逆回転方向に駆動されることにより、リフトネジ軸51が昇降モータ52によって回転駆動されて雌ネジ部材53を下降操作することによって昇降機体部35を下降調節し、昇降モータ52が停止されることにより、リフトネジ軸51が停止して雌ネジ部材53を下降操作した位置に停止させて昇降機体部35を下降調節した位置に保持する。つまり、昇降操作機構50は、昇降モータ52を逆回転方向に駆動操作すると共に停止操作することにより、昇降機体部35の基部機体30に対する取り付け高さを下降調節すると共に調節した取り付け高さに保持する。
従って、種子コーティング容器41の基台42に対する取り付け角度を変更するとか、種子コーティング容器41の大きさが異なるコーティングマシン40を使用するなどにより、種子コーティング容器41の出し入れ口の大きさや高さが異なる場合、制御ボックス5に設けてある上昇スイッチ61(図1参照)を操作することにより、昇降操作機構50が上昇調節側に作動して昇降機体部35の基部機体30に対する取り付け高さを上昇調節し、供給シュータ12の取り付け高さが上昇調節されて、供給シュータ12の種子コーティング容器41に対する高さを種子コーティング剤の供給及び給水に適切な高さに上昇調節できる。
一方、制御ボックス5に設けてある下降スイッチ62(図1参照)を操作することにより、昇降操作機構50が下降調節側に作動して昇降機体部35の基部機体30に対する取り付け高さを下降調節し、供給シュータ12の取り付け高さが下降調節されて、供給シュータ12の種子コーティング容器41に対する高さを種子コーティング剤の供給及び給水に適切な高さに下降調節できる。
図1,5に示すうように、機体3の前部に、基台部31の前端部から機体前方向き突設した位置決めフレーム56を有した位置決め部55を備えてある。
位置決め部55は、位置決めフレーム56を備える他、位置決めフレーム56の機体横向での二箇所から機体前方向きに突設した当接体57を備えてある。左右の当接体57は、位置決めフレーム56に螺着した機体前後向きのネジ軸によって構成してあり、回転操作されることにより、位置決めフレーム56から機体前方側への突出長さを変更調節できる構造になっている。
図5に実線で示すように、位置決め部55は、位置決めフレーム56がコーティングマシン40の基台42から外側向きに突設された左右一対の係合アーム44,44の間に入り込み、左右の当接体57が基台42に当接することにより、作用状態になる。位置決め部55は、作用状態になると、位置決めフレーム56と左右一対の係合アーム44,44との係合、及び左右の当接体57と基台42との当接により、機体3の基台42に対する機体前後方向及び機体横方向での位置決めを行い、これにより、機体3の種子コーティング容器41に対する機体前後方向及び機体横方向での位置決めを行い、供給シュータ12と種子コーティング容器41との位置関係を、機体前後方向及び機体横方向において種子コーティング剤の供給及び給水に適切な位置関係にする。
コーティング剤供給部10について説明する。
図1,2に示すように、コーティング剤供給部10は、左右の支柱フレーム36の上端部に設けた支持部36aに下部が連結されたホッパ型のコーティング剤タンク11と、コーティング剤タンク11の下部に上部が連結された繰出しケース13aを有した繰出し部13と、繰出し部13の下方に配置された供給シュータ12とを備えている。
繰出し部13は、繰出しケース13aを備える他、繰出しケース13aの内部に機体横向きの回転軸芯まわり駆動回転自在に設けた繰出し回転体13bを備えている。図1,2に示すように、繰出し回転体13bの回転支軸13cと、支柱フレーム36の内側に配備された電磁ブレーキ付き電動モータで成る繰出しモータ14の出力軸14aとを、伝動チェーン15aを備えた連動機構15によって連動させてある。連動機構15は、回転支軸13cの端部に一体回転自在に設けられた入力スプロケット15bと、出力軸14aの端部に一体回転自在に設けられた出力スプロケット15cと、両スプロケット15b,15cに巻回された伝動チェーン15aとを備えている。
繰出し回転体13bは、周面に回転方向に所定間隔を隔てて並ぶ状態で設けた繰出し凹部(図示せず)を備えており、繰出し凹部が繰出し回転体の下端部に位置する毎に種子コーティング剤を排出する間欠繰り出しの状態で、かつ各繰出し時の繰出し量が繰出し凹部の容積によって設定される設定繰出し量になる状態で種子コーティング剤の繰り出しを行う。
供給シュータ12は、基端側が繰出しケース13aの下方に位置し、先端側に位置する供給口12aが繰出し部13に対して固定ハンドル4が位置する側とは反対側に位置する配置で、かつ供給口側ほど低い配置高さに位置する前下がりの傾斜姿勢で支持部材16に支持されている。支持部材16は、供給シュータ12の基端側の下方を機体横方向に通る状態で左右の支柱フレーム36に架設されている。
従って、繰出し部13は、繰出しモータ14が駆動されることにより、繰出しモータ14によって連動機構15を介して回転駆動される繰出し回転体13bによってコーティング剤タンク11から種子コーティング剤を間欠的に繰り出し、繰出し回転体13bによって繰り出された種子コーティング剤を、繰出しケース13aの下端側から供給シュータ12の基端側に落下させて供給シュータ12に沿わせて流下させ、供給シュータ12の供給口12aから種子コーティング容器41に落下させる。
図3は、供給シュータ12を示す斜視図である。図4は、供給シュータ12を示す側面図である。図3,4に示すように、供給シュータ12は、支持部材16に固定された底側部12Dと、底側部12Dの上方を覆う上側部12Uとを備えて、種子コーティング剤が内部を流下するように筒状に構成してある。供給シュータ12の平面視形状を、供給口側の横幅が基端側の横幅よりも狭い先細り形状にしてある。
図3,4に示すように、底側部12Dと上側部12Uとは、供給シュータ12の基端側において上側部12U及び底側部12Dの左右の横壁部どうしを相対回転自在に連結する連結ピン12bを介して連結されており、供給シュータ12は、開閉自在な構造になっている。
図3,4に二点鎖線で示すように、供給シュータ12は、上側部12Uを連結ピン12bの機体横向き軸芯まわりに上昇揺動操作することにより、開き状態になり、供給シュータ12の内部清掃が容易になる。図3,4に実線で示すように、供給シュータ12は、上側部12Uを連結ピン12bの機体横向き軸芯まわりに下降揺動操作することにより、閉じ状態になる。上側部12Uは透明の樹脂材によって構成してあり、供給シュータ12の閉じ状態でも、外部から上側部12Uを介して内部を見通すことができる。
給水部20について説明する。
図1,4に示すように、給水部20は、基台部31における固定ハンドル4と支柱部32との間の部位に載置された水タンク21と、水タンク21の上部に配備された電動型の給水ポンプ23と、給水ポンプ23に送水ホース24を介して接続された噴霧ノズル22とを備えて構成してある。
噴霧ノズル22は、噴出口が位置する先端22aが供給シュータ12の供給口12aよりも供給シュータ12の基端側に位置する配置で供給シュータ12の下方に配置してある。噴霧ノズル22は、供給シュータ12の下面側に設けた支持部材25を介して供給シュータ12に支持されている。
給水部20は、水タンク21に貯留された水を、給水ポンプ23によって送水ホース24を介して噴霧ノズル22に圧送し、噴霧ノズル22の先端22aから種子コーティング容器41に霧状に噴出する。
繰出し制御及び給水制御について説明する。
制御ボックス5に制御装置70を収容してある。制御装置70が繰出しモータ14と共に基部機体30に対して昇降するように、制御ボックス5を昇降機体部35に支持させてある。
図6に示すように、制御装置70に繰出しモータ14、給水ポンプ23、スタート手段としてのスタートスイッチ60及びコース選択手段63を連係させてある。制御装置70は、マイクロコンピュータを利用して構成してあり、繰出し制御手段71、繰出し量設定手段72、給水制御手段73、給水量設定手段74を備えている。
コース選択手段63は、乾燥種コース位置[乾燥種]と、浸種コース位置[浸種]とに切り換え操作自在な切り換えスイッチによって構成してある。この切り換えスイッチは、制御ボックス5に設けてある。コース選択手段63は、乾燥種コース位置[乾燥種]に切り換え操作されると、乾燥種モードでの繰出し運転及び給水運転の制御を行わせるべき乾燥種モード指令としの電気号を制御装置70に出力し、浸種コース位置[浸種]に切り換え操作されると、浸種モードでの繰出し運転及び給水運転の制御を行わせるべき浸種モード指令としての電気信号を制御装置70に出力する。
スタートスイッチ60は、制御ボックス5に設けてある。スタートスイッチ60は、オン操作されると、繰り出し運転及び給水運転の制御を行わせるべき指令を制御装置70に出力する。
繰出し量設定手段72は、予め入力して記憶させた乾燥種用繰出しプログラム(A)及び浸種用繰出しプログラム(B)を備えている。
乾燥種用繰出しプログラム(A)は、浸種処理後に乾燥した種子を鉄コーティング処理するためのものである。乾種用繰出しプログラム(A)には、乾燥した種子を鉄コーティング処理するのに必要な種子コーティング剤の総量を繰出し量として設定した設定繰出し量Q1と、この設定繰出し量Q1の種子コーティング剤を所定の複数回に分けて間欠的に繰り出すための回数と、設定繰出し量Q1の種子コーティング剤を所定の複数回に分けて間欠的に繰り出すための繰出し間隔として設定した設定間隔時間と、設定繰出し量Q1の種子コーティング剤を所定の複数回に分けて間欠的に繰り出すための各回の繰出し量として設定した設定小分け繰出し量とを書き込んである。
浸種用繰出しプログラム(B)は、浸種処理後の未乾燥の種子を鉄コーティング処理するためのものである。浸種用繰出しプログラム(B)には、未乾燥の種子を鉄コーティング処理するのに必要な種子コーティング剤の総量を繰出し量として設定した設定繰出し量Q2と、この設定繰出し量Q2の種子コーティング剤を所定の複数回に分けて間欠的に繰り出すための回数と、設定繰出し量Q2の種子コーティング剤を所定の複数回に分けて間欠的に繰り出すための繰出し間隔として設定した設定間隔時間と、設定繰出し量Q2の種子コーティング剤を所定の複数回に分けて間欠的に繰り出すための各回の繰出し量として設定した設定小分け繰出し量とを書き込んである。浸種用繰出しプログラム(B)の設定繰出し量Q2は、乾燥種用繰出しプログラム(A)の設定繰出し量Q1よりも少量に設定してある。
給水量設定手段74は、予め入力して記憶させた乾燥種用給水プログラム(C)及び浸種用給水プログラム(D)を備えている。
乾燥種用給水プログラム(C)は、浸種処理後に乾燥した種子を鉄コーティング処理するためのものである。乾燥種用給水プログラム(C)には、乾燥した種子を鉄コーティング処理するのに必要な水の総量を給水量として設定した設定給水量W1と、この設定給水量W1の水を所定の複数回に分けて間欠的に供給する回数と、設定給水量W1の水を所定の複数回に分けて間欠的に供給するための給水間隔として設定した設定間隔時間と、設定給水量W1の水を所定の複数回に分けて間欠的に供給するための各回の給水量として設定した設定小分け給水量とを書き込んである。
浸種用給水プログラム(D)は、浸種処理後の未乾燥の種子を鉄コーティング処理するためのものである。浸種用繰出しプログラム(B)には、未乾燥の種子を鉄コーティング処理するのに必要な水の総量を給水量として設定した設定給水量W2と、この設定給水量W2の水を所定の複数回に分けて間欠的に供給するための回数と、設定給水量W2の水を所定の複数回に分けて間欠的に供給するための給水間隔として設定した設定間隔時間と、設定給水量W2の水を所定の複数回に分けて間欠的に供給するための各回の給水量として設定した設定小分け給水量とを書き込んである。浸種用給水プログラム(D)の設定給水量W2は、乾燥種用給水プログラム(C)の設定給水量W1よりも少量に設定してある。
図7は、乾燥種モードでの給水制御手段73による給水運転の制御、及び乾燥種モードでの繰出し制御手段71による繰出し運転の制御を示すフロー図である。
図7に示すように、繰出し制御手段71及び給水制御手段73は、コース選択手段63からの乾燥種モード指令を入力すると、乾燥種モードに切り換わる。給水制御手段73は、スタートスイッチ60からの指令を入力すると、給水部20の給水運転をオン制御し、給水量設定手段74が備える乾燥種用給水プログラム(C)に基づいて給水ポンプ23を後述するように制御して噴霧ノズル22から種子コーティング容器41に水を噴出させる。給水制御手段73は、給水ポンプ23の駆動時間を基に給水量を計測し、計測給水量W1Kが給水量設定手段74による乾燥種用の設定給水量W1に達すると、給水部20の給水運転をオフ制御し、給水ポンプ23を停止制御して給水を停止する。
繰出し制御手段71は、スタートスイッチ60から指令を入力すると、繰出し部13の繰出し運転をオン制御し、繰出し量設定手段72が備える乾燥種用繰出しプログラム(A)に基づいて繰出しモータ14を後述するように制御して供給シュータ12から種子コーティング容器41に種子コーティング剤を供給する。繰出し制御手段71は、繰出し回転体13bの回転数を検出する回転数センサ26(図6参照)による検出情報を基に種子コーティング剤の繰出し量を計測し、計測繰出し量Q1Kが繰出し量設定手段72による乾燥種用の設定繰出し量Q1に達すると、繰出し部13の繰出し運転をオフ制御し、繰出しモータ14を停止させて種子コーティング剤の供給を停止する。
図8は、浸種モードでの給水制御手段73による給水運転の制御、及び浸種モードでの繰出し制御手段71による繰出し運転の制御を示すフロー図である。
図8に示すように、繰出し制御手段71及び給水制御手段73は、コース選択手段63からの浸種モード指令を入力すると、浸種モードに切り換わる。給水制御手段73は、スタートスイッチ60からの指令を入力すると、給水部20の給水運転をオン制御し、給水量設定手段74が備える浸種用給水プログラム(D)に基づいて給水ポンプ23を後述するように制御して噴霧ノズル22から種子コーティング容器41に水を噴出させる。給水制御手段73は、給水ポンプ23の駆動時間を基に給水量を計測し、計測給水量W2Kが給水量設定手段74による浸種用の設定給水量W2に達すると、給水部20の給水運転をオフ制御し、給水ポンプ23を停止制御して給水を停止する。
繰出し制御手段71は、スタートスイッチ60から指令を入力すると、繰出し部13の繰出し運転をオン制御し、繰出し量設定手段72が備える浸種用繰出しプログラム(B)に基づいて繰出しモータ14を後述するように制御して供給シュータ12から種子コーティング容器41に種子コーティング剤を供給する。繰出し制御手段71は、繰出し回転体13bの回転数を検出する回転数センサ26による検出情報を基に種子コーティング剤の繰出し量を計測し、計測繰出し量Q2Kが繰出し量設定手段72による浸種用の設定繰出し量Q2に達すると、繰出し部13の繰出し運転をオフ制御し、繰出しモータ14を停止させて種子コーティング剤の供給を停止する。
図9は、給水制御手段73による給水運転のオン制御、及び繰出し制御手段71による繰出し運転のオン制御におけるタイムチャートを示す説明図である。
図9に示すように、給水制御手段73は、乾燥種モードにおいて、乾燥種用給水プログラム(C)の他に、乾燥種用繰出しプログラム(A)にも基づく給水運転の制御を行い、浸種モードにおいて、浸種用給水プログラム(D)の他に、浸種用繰出しプログラム(B)にも基づく給水運転の制御を行い、乾燥種モードと浸種モードとのいずれにおいても、設定給水量W1,W2の水を複数回に分けて、かつ繰出し部13による種子コーティング剤の繰り出し開始に先立って給水を開始する状態で、さらに繰出し部13による種子コーティング剤の繰り出し終了よりも後に給水を終了する状態で、さらに給水と種子コーティング剤の供給とが交互になる状態で給水を行わせる。
図9に示すように、繰出し制御手段71は、乾燥種モードにおいて、乾燥種用繰出しプログラム(A)の他に、乾燥種給水プログラム(C)にも基づく繰出し運転の制御を行い、浸種モードにおいて、浸種用繰出しプログラム(B)の他に、浸種用給水プログラム(D)にも基づく繰り出し運転の制御を行い、乾燥種モードと浸種モードとのいずれにおいても、設定繰出し量Q1,Q2の種子コーティング剤を複数回に分けて、かつ給水部20による給水開始より遅れて繰出しを開始する状態で、さらに給水部20による給水終了に先立って繰出しを終了する状態で、さらに給水と種子コーティング剤の供給とが交互になる状態で種子コーティング剤の供給を行わせる。
図6に示すように、制御装置70に撹拌制御手段75を備えてある。
撹拌制御手段75は、コーティングマシン40における撹拌モータ43の電源コード45を制御ボックス5に設けてあるコンセント64(図1参照)に接続しておけば、スタートスイッチ60から指令を入力することにより、図9に示す如く撹拌モータ43の制御を自動的に行い、給水部20による給水開始と同じあるいはほぼ同じタイミングで種子コーティング容器41の回転を開始させ、給水部20による給水及び繰出し部13による種子コーティング剤の供給が終了してから設定経過時間が経過するまで種子コーティング容器41の回転を継続させる。
〔別実施例〕(1)上記した実施例では、給水部20によって水を供給するよう構成した例を示したが、薬剤を水に混入して、水と共に供給するよう構成して実施してもよい。
(2)上記した実施例では、給水部20を備えた例を示したが、給水部20を備えずに実施してもよい。
(3)上記した実施例では、昇降操作機構50を備えた例を示したが、昇降操作機構50を備えずに実施してもよい。
(4)上記した実施例では、供給シュータ12を筒状に構成した例を示したが、機体上方向きに開口した樋状に構成して実施してもよい。
本発明は、鉄コーティング種子を製造するための種子コーティング剤供給装置の他、カルパーコーティング種子など、鉄以外の各種のコーティング剤でコーティングされるコーティング種子を製造するための種子コーティング剤供給装置や、水稲用種子以外の各種の種子のコーティングのための種子コーティング剤供給装置にも利用可能である。
11 コーティング剤タンク
12 供給シュータ
12a 供給口
12D 底側部
12U 上側部
13 繰出し部
13b 繰出し回転体
22 噴霧ノズル
35 昇降機体部
40 コーティングマシン
41 種子コーティング容器
50 昇降操作機構
55 位置決め部
71 繰出し制御手段
72 繰出し量設定手段
73 給水制御手段
74 給水量設定手段
75 攪拌制御手段
Q1,Q2 設定繰出し量
W1,W2 設定給水量