JP2016102529A - 偏心揺動型歯車装置 - Google Patents

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Yasuto Ishihara
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【課題】偏心カムを共通化できて、偏心カムのシャフトへの圧入を行う圧入治具を不要にする偏心揺動型歯車装置を提供する。【解決手段】遊星歯車減速機は、ハウジング10と、第1偏心カム20,第2偏心カム30を有するカムシャフト40と、2列に配置される第1遊星歯車50、第2遊星歯車60と、複数のピン部材70と、キャリア80とを主として備える。第1偏心カム20の一方側端面がカムシャフト40のフランジ44に当接される。第1偏心カム20の一方側端面とは反対側にある第2偏心カム30の他方側の端面がカムシャフト40の端部に締結されたインロー付ナット45に係止される。カムシャフト40には、カムシャフト40の軸線方向において、第1偏心カム20に対しフランジ44側に付勢するとともに第2偏心カム30に対しインロー付ナット45側に付勢する皿バネ27、受け板26、28が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、偏心揺動型歯車装置に関する。
偏心揺動型歯車装置としては、特許文献1に記載の装置が知られている。
この歯車装置は、円板状の偏心カムを複数有するシャフトと、各偏心カムの外周に軸受を介して回転可能に組み付けられた複数の外歯車とを有する。また、前記歯車装置は、前記シャフトと同軸上に配置された内歯車と、外歯車に形成された複数のピン挿通孔にそれぞれ挿通される複数のピン部材を有するキャリアとを備えている。
この歯車装置では、前記シャフトの回転により各偏心カムが偏心回転すると、外歯車がハイポサイクロイド曲線を描く態様で揺動(公転)しつつ内歯車及び外歯車のそれぞれの歯数差に応じて自転する。この外歯車の自転成分が前記ピン部材を介してキャリアから出力される。
ところで、上記偏心カムにおいて、前記軸受(例えば、ニードルベアリング)が配置されるその外周の軌道面は、熱処理が行われている。また、偏心カムに対して熱処理後には、シャフトの歪み取り及び偏心カムの研磨が行われているとともに前記偏心カムのシャフトに対する組み付けが圧入により行われている。
特開2012−223081号公報
ところが、複数の偏心カムをシャフトに対して圧入する場合、シャフトに対する圧入長さを長くする必要があることと、それぞれの偏心カムの圧入内径を分ける、すなわち、圧入内径を異ならしめる必要がある。このことは、複数の偏心カムを共通化することができない原因となっている。また、従来は偏心カムをシャフトに対して圧入するときに、偏心カムを位相決めするための圧入治具を使用している。この圧入治具自体の位置決めは、偏心カムの軌道面を使用している。
しかし、偏心カムの位相に合わせるために前記偏心カムの位置度及び前記圧入治具の公差を加味すると、前記圧入治具と前記偏心カムとのガタが大きくなり、位相決めの精度が出しづらい問題がある。
本発明の目的は、偏心カムを共通化できて、偏心カムのシャフトへの圧入を行う圧入治具を不要にする偏心揺動型歯車装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、本発明の偏心揺動型歯車装置は、入力軸となるカムシャフトであって、複数の偏心カムを有するカムシャフトと、前記カムシャフトと同軸の内歯車と、前記内歯車にそれぞれ噛合するように複数列に配置されるとともに前記複数の偏心カムによりそれぞれ偏心揺動される外歯車と、キャリアと、前記キャリアに固定されるとともに前記外歯車に形成されたピン挿通孔にそれぞれ挿通され、前記ピン挿通孔と係合する係合手段により、前記キャリアを前記外歯車の自転運動に連動させるピン部材とを、備える偏心揺動型歯車装置において、前記複数の偏心カムのうち、1つの偏心カムの一方側端面が前記カムシャフトに形成されたフランジに当接され、前記1つの偏心カムの一方側端面とは反対側にある他の偏心カムの他方側の端面が前記カムシャフトの端部に締結された締結部材に係止され、前記カムシャフトには前記複数の偏心カムに対して、少なくとも前記カムシャフトの軸線方向のいずれか一方に付勢する付勢部材が設けられているものである。
上記構成により、カムシャフトに挿入するための複数の偏心カムの偏心孔の内径を、相互に同径とすることが可能となる。また、圧入治具を使用することなく、偏心カムをカムシャフトに取付けて固定することが可能となる。
また、前記付勢部材は、前記偏心カムの間に介在するように配置された少なくとも一対の受け板と、前記受け板の間に位置する皿バネとを含むことが好ましい。
上記構成により、皿バネ及び受け板にて少なくともカムシャフトの軸線方向のいずれか一方に偏心カムを付勢することが可能となる。
本発明によれば、偏心カムを共通化できて、偏心カムのシャフトへの圧入を行う圧入治具を不要にできる。
本発明を具体化した一実施形態の偏心揺動型歯車装置の縦断面図。 本発明を具体化した一実施形態の偏心揺動型歯車装置の横断面図。 皿バネ、受け板、ロックワッシャ及びナットの組み付け前の斜視図。
以下、本発明の偏心揺動型歯車装置を、遊星歯車減速機に具体化した一実施形態を図1〜図3を参照して説明する。
図1に示すように遊星歯車減速機は、ハウジング10と、第1偏心カム20,第2偏心カム30を有するカムシャフト40と、2列に配置される第1遊星歯車50、第2遊星歯車60と、複数のピン部材70と、キャリア80とを主として備えている。
ハウジング10は、筒状に形成されているとともにその内周面には内歯車12が形成されている。ハウジング10の内周面のうち内歯車12の軸方向両外側には、アンギュラ転がり軸受14、16が設けられている。
カムシャフト40は、ハウジング10の中心に挿入されており、先端、中間部及び基端にはそれぞれ雄ネジ部41、小径部42、大径部43が設けられている。雄ネジ部41及び小径部42の外径は同径とされるとともに大径部43の外径よりも小径に形成されている。小径部42と大径部43との間には前記外径の差分のフランジ44を有する。
カムシャフト40において、雄ネジ部41にはインロー付ナット45が螺合されるとともに、インロー付ナット45のインロー46及び大径部43の各外周面には、軸受47,軸受48が設けられている。インロー付ナット45は、締結部材の一例である。
カムシャフト40は、インロー付ナット45及び大径部43が後述するキャリア80(第1側板82,第2側板84)を介してハウジング10に支持されることにより、ハウジング10に対して入出力軸線X回りに回転可能に支持されている。なお、入出力軸線Xは、カムシャフト40の軸線(すなわち、中心軸)である。
図1に示すように、第1偏心カム20及び第2偏心カム30は、カムシャフト40の小径部42に対してその断面円形の偏心孔21、31を貫通して取付けられている。偏心孔21、31は同一径を有している。
小径部42において、第1偏心カム20と第2偏心カム30との間には該小径部42に貫通された受け板26、皿バネ27、及び受け板28が配置されるとともに、インロー付ナット45と第2偏心カム30との間にはロックワッシャ29が貫通して配置されている。受け板26は、第1偏心カム20の図1の右側面のみならず、第1遊星歯車50の右側面にも当接する大きさに形成されて配置されている。受け板28は、第2偏心カム30の図1の左側面のみならず、第2遊星歯車60の左側面にも当接する大きさに形成されて配置されている。
そして、第1偏心カム20及び第2偏心カム30は、雄ネジ部41に螺着されたインロー付ナット45に大径部43側に押圧されて、第1偏心カム20がフランジ44に圧接されることにより、カムシャフト40の端部に締結されている。
また、皿バネ27は、第1偏心カム20と第2偏心カム30との間で蓄勢状態で保持されており、前記締結と蓄勢状態の皿バネ27とにより、両偏心カムのカムシャフト40の周りの回転が防止されている。また、インロー付ナット45を雄ネジ部41に対して螺着する際にトルクリミッタでその締付けトルクが管理され、必要以上の締付けトルクが両偏心カムにかからないようにされている。
本実施形態では、皿バネ27、受け板26、28は、付勢部材の一例であり、第1偏心カム20を入出力軸線Xの方向、すなわち、カムシャフト40の軸線方向において、フランジ44側に付勢している。また、皿バネ27は、第2偏心カム30をカムシャフト40の軸線方向において、インロー付ナット45側へ付勢している。なお、カムシャフト40の軸線方向は回転中心軸が延びる方向である。
第1偏心カム20,第2偏心カム30は、径方向断面が円形状に形成されていて、互いに同一形状を有しており、図2に示すようにカムシャフト40の回転中心軸(入出力軸線X)に対して偏心量eとなるように偏心している。
すなわち、図1に示すように第1偏心カム20の中心軸はY1となり、第2偏心カム30の中心軸はY2となる。ここで、第1偏心カム20の中心軸Y1と第2偏心カム30の中心軸Y2は、入出力軸線Xを中心に軸対象、すなわち位相が180度ずれている。これら第1偏心カム20,第2偏心カム30の外周面には、軸受22,32が設けられている。第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60は、外歯車であり、外歯車の中心軸と同軸の中心孔52、62がそれぞれ形成されている。
また、それぞれの中心孔52、62の内周面には、第1偏心カム20,第2偏心カム30に保持されている前記軸受22,32が嵌合されている。
すなわち、第1遊星歯車50は、第1偏心カム20に回転可能に支持されている。また、第2遊星歯車60は、第2偏心カム30に回転可能に支持されている。従って、第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60の公転中心である入出力軸線Xが第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60の内側に位置している。
第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60は、内歯車12と少なくとも1箇所で噛合するような歯車のピッチ円径に形成されている。また、第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60の歯数は、内歯車12の歯数とは異なる。すなわち、第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60が内歯車12に対して1回公転すると、外歯歯車と内歯車12の歯数差分だけ位相がずれることになる。
さらに、第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60には、軸方向に貫通する係合孔54及び係合孔64が周方向に等間隔に複数形成されている。本実施形態では、第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60には、8個の係合孔54及び係合孔64が形成されている。図2では、本実施形態の係合孔64の配置状態を示している。
なお、係合孔54及び係合孔64の内径はd(図2に示す)である。
図1に示すように係合孔54及び係合孔64には、後述するピン部材70の圧入軸部71が挿通され、ピン部材70の圧入軸部71の外周面の一部が係合孔54及び係合孔64に常に内接する。
図1に示すように、キャリア80は、円盤板状に形成された第1側板82及び第2側板84とを備えている。第1側板82及び第2側板84は、第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60を軸方向に挟むように対向して配置されている。そして、第1側板82と第2側板84とはピン部材70により連結固定されている。このピン部材70は、上述したように、第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60の係合孔54及び係合孔64を挿通している。
以下、第1側板82,第2側板84及びピン部材70の詳細を説明する。
第1側板82の外周面は周回する段部を有して形成されている。第1側板82の軸方向一方(図1の左側)の外周面86の外径を小径とし、軸方向他方(図1の右側)の外周面87の外径を大径としている。
そして、第1側板82の小径側の外周面86に、アンギュラ転がり軸受16の内輪が設けられ、第1側板82の外周面の段差端面に、アンギュラ転がり軸受16の内輪の端面が当接している。すなわち、第1側板82は、アンギュラ転がり軸受16によりハウジング10に対して入出力軸線X回りに回転可能に支持されている。
さらに、第1側板82の径方向中央には、入出力軸線Xを中心とした円形凹部88が形成されている。円形凹部88の底面には、外部と連通する断面円形の操作孔83が形成されている。操作孔83の内径は、インロー付ナット45の外径及びロックワッシャ29の外径よりも大きくされている。
前記円形凹部88の内周面には、カムシャフト40に螺着されたインロー付ナット45のインロー46に保持されている軸受47が設けられている。すなわち、第1側板82は、カムシャフト40を入出力軸線X回りに回転可能に支持している。図1に示すように軸受47は、円形凹部88の内周面に対して取付けられた止め輪49に係止されることにより、入出力軸線Xにおいて、第2側板84側への移動が防止されている。
第1側板82には、軸方向に貫通する孔部90が周方向に等間隔に複数形成されている。各孔部90は、軸方向中央部に形成された圧入孔90aと、圧入孔90aの軸方向一方(図1の左側)に形成された小径側凹所90bと、圧入孔90aの軸方向他方(図1の右側)に形成された大径側凹所90cとを備える。圧入孔90a、小径側凹所90b及び大径側凹所90cは、断面円形状をなし、同軸上に形成されている。
圧入孔90aは、ピン部材70の圧入軸部71が圧入される部位である。そのため、ピン部材70を圧入する前における圧入孔90aの内径は、ピン部材70の圧入軸部71の外径より僅かに小さく形成されている。小径側凹所90b及び大径側凹所90cの内径は、圧入孔90aの内径より大きく形成されている。具体的には、小径側凹所90b及び大径側凹所90cの内周面は、ピン部材70の圧入軸部71に非接触となるように形成されている。
また、大径側凹所90cは、その内周面がピン部材70の係止頭部72に非接触となるように形成されていて、ピン部材70の係止頭部72を収容している。なお、図1においては、小径側凹所90bの内径及び軸方向深さと大径側凹所90cの内径及び軸方向深さは、適宜調整した大きさにしてよい。
ピン部材70は、軸方向に外径D(図2参照)を有する圧入軸部71と、圧入軸部71の軸方向他端(図1の右側)に一体的に形成されて圧入軸部71より径の大きくした係止頭部72とを備える。
圧入軸部71の外径Dは、第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60の係合孔54及び係合孔64の内径dより小さく形成されている。ここで、係合孔54及び係合孔64の内径dと圧入軸部71の外径Dは、「d=2×e+D」を満たすように設定されている。
ピン部材70は、第1側板82の孔部90の大径側凹所90c側から挿入され、第1側板82の軸方向一方の端面から突出されている。また、ピン部材70の圧入軸部71は、第1側板82の圧入孔90aに圧入されると共に、第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60の係合孔54及び係合孔64に挿通されている。そして、ピン部材70の圧入軸部71は、係合孔54及び係合孔64の内周面に常に内接して回転する。
係止頭部72は、大径側凹所90cの端面に対して軸方向に係止されている。圧入軸部71の軸方向一端(図1の左端)は、第2側板84の側面に当接されるとともに、軸方向に向かって雌ネジ73が形成されている。
また、第2側板84の外周面は周回する段部を有して形成されている。そして、第2側板84の小径側の外周面91にアンギュラ転がり軸受14の内輪が設けられ、第2側板84の外周面の段差端面に、アンギュラ転がり軸受14の内輪の端面が当接している。すなわち、第2側板84は、アンギュラ転がり軸受14によりハウジング10に対して入出力軸線X回りに回転可能に支持されている。
第2側板84の径方向中央には、円形孔89が形成されている。この円形孔89の内周面には、カムシャフト40の大径部43に保持されている軸受48が設けられている。すなわち、第2側板84は、カムシャフト40の大径部43を入出力軸線X回りに回転可能に支持している。
第2側板84には、軸方向に貫通する貫通孔95が周方向に等間隔に複数形成されている。各貫通孔95は、第1側板82の孔部90と同軸上に形成されている。各貫通孔95には、図1の左側からボルト96が挿入されてピン部材70の圧入軸部71の雌ネジ73に螺合されている。
このようにして、第1側板82、第2側板84及びピン部材70が一体的に固定されている。また、ピン部材70の圧入軸部71の長さは、第1側板82、第2側板84及びピン部材70が固定された状態において、アンギュラ転がり軸受14、16に予圧を付与するように設定されている。
このようにして、圧入軸部71が圧入孔90aに圧入されることにより、ピン部材70は第1側板82に固定され、係止頭部72が大径側凹所90cに係止されることで、ピン部材70は第1側板82を軸方向一方側(図1の左側)に向かって押付けてアンギュラ転がり軸受16に予圧を付与させるように作用する。
(実施形態の作用)
1.遊星歯車減速機の動作について
図1に示すように、入力軸としてのカムシャフト40が入出力軸線X回りに回転すると、第1偏心カム20,第2偏心カム30が入出力軸線X回りに公転する。その結果、第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60が、入出力軸線X回りに公転する。ここで、第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60は、内歯車12に噛合している。そのため、第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60は、入出力軸線X回りに公転しながら、中心軸Y1,Y2回りに自転する。
第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60の歯数をZ1とし、内歯車12の歯数をZ2とすると、第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60は、ハウジング10に対して、カムシャフト40の1回転当たり(Z2−Z1)の歯数だけ相対回転する。すなわち、第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60は、ハウジング10に対して、偏心量eを半径とする1回転の公転運動と、{(Z2−Z1)/Z2}回転の自転運動をする。
この自転運動は、第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60の係合孔54及び係合孔64とピン部材70の圧入軸部71を介して出力軸としての第1側板82,第2側板84に伝達される。このとき、ピン部材70の圧入軸部71は係合孔54及び係合孔64に内接して回転することにより、第1側板82,第2側板84は、第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60の自転運動に連動して回転する。すなわち、カムシャフト40の回転が減速されて第1側板82,第2側板84に伝達される。
2.組み付けについて
次に、組み付けについて説明する。
なお、説明の便宜上、ハウジング10は第1側板82に対して軸受16を介して連結されているものとし、ハウジング10には、軸受14が装着されているものとする。また、第2側板84に対して、軸受48を介してカムシャフト40が装着されているものとする。また、インロー付ナット45に嵌合する軸受47は、第1側板82の円形凹部88の内周面に装着されているものとする。
また、第2遊星歯車60及び第1遊星歯車50は、ハウジング10内に収納されていないものとする。そして、第2遊星歯車60の中心孔62に軸受32を介して第2偏心カム30が嵌め合いされているとともに第1遊星歯車50の中心孔52に軸受22を介して第1偏心カム20が嵌め合いされているものとする。
例えば、図1の第1側板82の右側の外側面を下方に向いた状態にして、第2遊星歯車60の係合孔64に対して、第1側板82に挿通した状態のピン部材70を、内接するように貫通させる。この状態で、第2遊星歯車60の歯の一部が、ハウジング10の内歯車12に対して噛合する。
その後、受け板28、皿バネ27及び受け板26を第2偏心カム30に載置する。
続いて、第1遊星歯車50の係合孔54に対して、係合孔64を貫通したピン部材70の部位を、内接するように貫通させる。この状態で、第1遊星歯車50の歯の一部が、ハウジング10の内歯車12に対して噛合する。前記ピン部材70が係合孔54、64に対して内接することは、係合手段に相当する一例である。
続いて、第2側板84に装着したカムシャフト40を、第1偏心カム20の偏心孔21、第2偏心カム30の偏心孔31、受け板26、皿バネ27、受け板28及び軸受47の内輪に貫通させる。この状態で、第1側板82の操作孔83を介してロックワッシャ29を雄ネジ部41に挿通させるとともに、インロー付ナット45を操作孔83を介して雄ネジ部41に螺着させる。このとき、インロー付ナット45を雄ネジ部41に対して螺着する際に操作孔83を介して入れた図示しないトルクリミッタでその締付けトルクを管理して、必要以上の締付けトルクを両偏心カムにかからないようにする。
また、各ピン部材70の雌ネジ73に対してボルト96を螺合することにより、第2側板84と第1側板82とを一体に連結固定する。なお、この連結固定する前であって、インロー付ナット45による雄ネジ部41に対する締付けが完了する以前に、第1偏心カム20、第2偏心カム30の位相合わせを行う。
このインロー付ナット45がカムシャフト40に対して螺合されると、インロー付ナット45の頭部が軸受47の内輪を止め輪49側へ押圧する。また、インロー付ナット45のインロー46により、第2偏心カム30、第1偏心カム20は、押圧される。第1偏心カム20は、カムシャフト40のフランジ44に圧接される。また、皿バネ27が、第1偏心カム20と第2偏心カム30との間で蓄勢状態で保持されることにより、第1偏心カム20は、皿バネ27とカムシャフト40のフランジ44との間で入出力軸線Xの方向の位置が固定される。また、第2偏心カム30は、皿バネ27とインロー付ナット45の間で入出力軸線Xの方向の位置が固定される。
本実施形態では、下記の特徴を有する。
(1)本実施形態の遊星歯車減速機は、入力軸となるカムシャフト40は、複数の第1偏心カム20、第2偏心カム30を有する。また、遊星歯車減速機は、カムシャフト40と同軸の内歯車12と、内歯車12にそれぞれ噛合するように2列に配置されるとともに第1偏心カム20、第2偏心カム30によりそれぞれ偏心揺動される第1遊星歯車50、第2遊星歯車60(外歯車)を備える。また、遊星歯車減速機は、キャリア80と、キャリア80に固定されるとともに第1遊星歯車50、第2遊星歯車60(外歯車)に形成された係合孔54、64(ピン挿通孔)にそれぞれ挿通されるピン部材70とを備える。そして、ピン部材70は、係合孔54、64と内接すること(係合手段)により、キャリア80を第1遊星歯車50、第2遊星歯車60の自転運動に連動させる。
そして、第1偏心カム20の一方側端面がカムシャフト40のフランジ44に当接される。また、第1偏心カム20の一方側端面とは反対側にある第2偏心カム30の他方側の端面がカムシャフト40の端部に締結されたインロー付ナット45(締結部材)に係止される。また、カムシャフト40には、カムシャフト40の軸線方向において、第1偏心カム20に対しフランジ44側に付勢するとともに第2偏心カム30に対しインロー付ナット45側に付勢する皿バネ27、受け板26、28(付勢部材)が設けられている。
この結果、本実施形態によれば、偏心カムを共通化できて、偏心カムのシャフトへの圧入を行う圧入治具を不要にできる。
(2)本実施形態の遊星歯車減速機では、付勢部材は、第1偏心カム20、第2偏心カム30間に介在するように配置された一対の受け板26、28と、受け板26、28の間に位置する皿バネ27とを含むようにした。
この結果、本実施形態によれば、皿バネ及び受け板にて複数の偏心カムをカムシャフトのフランジ側及びインロー付ナット45側へ付勢することが可能となる。
なお、本発明の実施形態は前記実施形態に限定されるものではなく、下記のように変更してもよい。
・前記実施形態では出力軸を第1側板82,第2側板84としているが、第1側板82,第2側板84を固定して、ハウジング10を回転可能に設けることにより、ハウジング10を出力軸としてもよい。この場合は、入力軸としてのカムシャフト40が回転したとき、第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60は公転するが、自転が規制されることになる。ただし、第1遊星歯車50及び第2遊星歯車60が公転することにより、出力軸としてのハウジング10が回転することになる。
・前記実施形態では、遊星歯車及び偏心カムをそれぞれ2列備える構成としたが、3例以上の複数列であっても適用できる。
・また、遊星歯車の歯形は、インボリュート歯形、トロコイド歯形など種々の歯形を適用でき、内歯車と外歯車としての遊星歯車が噛合して回転できる歯形であればよい。
・また、前記実施形態においては、ピン部材70の端面を第2側板84に当接する構成としたが、第2側板84に座ぐり穴を設け、ピン部材70の一部を挿入するようにしてもよい。
・前記実施形態では、皿バネ27を第1偏心カム20と第2偏心カム30との間に設けたが、この代わりに第1偏心カム20とフランジ44との間に皿バネ27を設けてもよい。この場合は、第1偏心カム20と第2偏心カム30との間に第1偏心カム20と第2偏心カム30との間隔を保持する間隔保持筒をカムシャフト40に挿通しておくものとする。そして、このようにすると、皿バネの付勢力はカムシャフト40の軸線方向においてインロー付ナット45側に付勢することになる。
・前記実施形態では、皿バネ27を第1偏心カム20と第2偏心カム30との間に設けたが、この代わりに第2偏心カム30とインロー付ナット45との間に皿バネ27を設けてもよい。この場合は、第1偏心カム20と第2偏心カム30との間に第1偏心カム20と第2偏心カム30との間隔を保持する間隔保持筒をカムシャフト40に挿通しておくものとする。そして、このようにすると、皿バネ27の付勢力はカムシャフト40の軸線方向においてフランジ44側に付勢することになる。
・前記実施形態では、インロー付ナット45を使用したが、インロー46を省略したナットで雄ネジ部41に螺合するようにしてもよい。この場合、インロー46と同機能を有するように、前記ナットとロックワッシャ29との間に筒部材を介装するものとする。前記ナットは締結部材の他の一例となるものである。
・前記実施形態では、一対の受け板26、28を使用したが、受け板の個数は、一対に限定するものではなく、適宜の数でよい。
・前記実施形態では、係合手段として、ピン部材70が係合孔54、64に対して内接するようにしたが、係合手段はこの構成に限定するものではない。
例えば、ピン部材の周りに外歯歯車を設け、ピン挿通孔の内周面に内歯歯車を設けて、該外歯歯車と内歯歯車とが一部において噛合させるようにしてもよい。
10…カムシャフト、12…内歯車、14、16…アンギュラ転がり軸受、
20…第1偏心カム、21…偏心孔、22…軸受、26…受け板、
27…皿バネ(付勢部材)、28…受け板、29…ロックワッシャ、
30…第2偏心カム、31…偏心孔、32…軸受、
40…カムシャフト、41…雄ネジ部、42…小径部、43…大径部、
44…フランジ、45…インロー付ナット(締結部材)、46…インロー、
47…軸受、48…軸受、49…止め輪、
50…第1遊星歯車、52…中心孔、54…係合孔(ピン挿通孔)、
60…第2遊星歯車、62…中心孔、64…係合孔(ピン挿通孔)、
70…ピン部材、71…圧入軸部、72…係止頭部、73…雌ネジ、
80…キャリア、82…第1側板、84…第2側板、86、87…外周面、
88…円形凹部、89…円形孔、90…孔部、90a…圧入孔、
90b…小径側凹所、90c…大径側凹所、
91、92…外周面、95…貫通孔、96…ボルト、
X…入出力軸線(カムシャフトの軸線)、Y1…中心軸、Y2…中心軸。

Claims (2)

  1. 入力軸となるカムシャフトであって、複数の偏心カムを有するカムシャフトと、
    前記カムシャフトと同軸の内歯車と、
    前記内歯車にそれぞれ噛合するように複数列に配置されるとともに前記複数の偏心カムによりそれぞれ偏心揺動される外歯車と、
    キャリアと、
    前記キャリアに固定されるとともに前記外歯車に形成されたピン挿通孔にそれぞれ挿通され、前記ピン挿通孔と係合する係合手段により、前記キャリアを前記外歯車の自転運動に連動させるピン部材とを、備える偏心揺動型歯車装置において、
    前記複数の偏心カムのうち、1つの偏心カムの一方側端面が前記カムシャフトに形成されたフランジに当接され、前記1つの偏心カムの一方側端面とは反対側にある他の偏心カムの他方側の端面が前記カムシャフトの端部に締結された締結部材に係止され、前記カムシャフトには前記複数の偏心カムに対して、少なくとも前記カムシャフトの軸線方向のいずれか一方に付勢する付勢部材が設けられている偏心揺動型歯車装置。
  2. 前記付勢部材は、前記偏心カムの間に介在するように配置された少なくとも一対の受け板と、前記受け板の間に位置する皿バネとを含む請求項1に記載の偏心揺動型歯車装置。
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