JP2016102271A - ワックスコーティングのリボン布製造花及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】一本のリボン布によりバラ形状等に製織した造花に対し、生花に近い絶妙な艶消し具合から醸し出す重厚間を現出し、しかも、全体の保型及び劣化を防止することができるワックスコーティングのリボン布製造花及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るワックスコーティングのリボン布製造花は、一本のリボンの始端部を数回巻いて花部の芯部を形成し、芯部を中心に下手側のリボンに形成した斜め折り部を渦巻き状に巻回していき、この巻回折り部を花弁とし、リボンの終端部は巻回折り部の下側縁の絞り込みに集合固定して花柄部を形成することによりリボンによる造花を構成すると共に、かかる造花を略80℃のワックス液中に数秒間から数分間浸漬し、その後ワックス液から引上げてワックス表面を乾燥させ、次いで65±5℃のワックス液中に数秒間浸漬したことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係るワックスコーティングのリボン布製造花は、一本のリボンの始端部を数回巻いて花部の芯部を形成し、芯部を中心に下手側のリボンに形成した斜め折り部を渦巻き状に巻回していき、この巻回折り部を花弁とし、リボンの終端部は巻回折り部の下側縁の絞り込みに集合固定して花柄部を形成することによりリボンによる造花を構成すると共に、かかる造花を略80℃のワックス液中に数秒間から数分間浸漬し、その後ワックス液から引上げてワックス表面を乾燥させ、次いで65±5℃のワックス液中に数秒間浸漬したことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、一本のリボン布によりバラ形状等に製織した造花にワックスを浸透させてなるワックスコーティングのリボン布製造花及びその製造方法に関する。
従来、花束等に付ける装飾リボンとしてループリボンと称される装飾造花リボンがある。これは、一定幅員のリボンを根元部分で捻りループ状に湾曲させて根元に戻して更に捻り、次々に異なる方向にループを形成し、これを繰り返すことにより根元から放射状の多数のループを織っていき装飾的な造花リボンを作製するものである。
一般に帯状のリボンは、このような装飾造花リボンとして使用される。他方、リボンをループリボンよりは生花に近い造花に製織する手法も考案されており、例えばバラのように内周、外周に幾重にも重なった花弁を一本のリボンの製織により作るものがある。
そして、ループリボンは花束や贈答品に付して使用されるものであるため、長期間の保存を必要としない。従って、リボンで製織したままのものが多い。しかし、生花に近い形に製織した装飾リボン造花は、鑑賞用として保存するため表面にシリコン樹脂液やワックスをコーティングして保型とリボン生地の劣化を可及的に防止するような処理がなされる(例えば、特許文献1参照)。
しかし、リボンを造花として製織したもの、特に花部のみをワックスコーティングするものにあっては、リボン生地の表面にワックスが塗布されるだけであるため、リボン生地の劣化と共に表面コーティングが剥離するおそれがあり、花部の花弁間に狭い間隙にまでワックスコーティングが行き渡らず、質感のムラが散在して美感を損なうおそれがあった。
また、いわゆるワックスへのどぶ浸けで花部の表面全体にワックスを塗布する場合には、ワックスの温度や浸漬時間によってワックスの厚みが薄くなりリボンの光沢がそのまま表面に現出したり、ワックスの厚みが厚くなりワックスの質感が表面に現出し過ぎて、生花の絶妙な艶消し具合から醸し出される重厚間を現出させることが困難であった。
更には、ワックスの厚みが厚くなり過ぎることで、花部の微妙な生花に近い形状が消失して生花に近い風合いを現出することが困難となり、せっかく一本のリボンの製織により生花に近い花部の形に現出してもどぶ浸けのワックスがその形状を生かすことができずに不具合な造花としてしか鑑賞できない等の欠点を有していた。
この発明は、一本のリボン布によりバラ形状等に製織した造花に対し、生花に近い絶妙な艶消し具合から醸し出す重厚間を現出し、しかも、全体の保型及び劣化を防止することができるワックスコーティングのリボン布製造花及びその製造方法を提供することにある。
以上のような目的を達成するために、本発明は以下の技術を提供する。
請求項1に係る発明では、一本のリボンの始端部を数回巻いて花部の芯部を形成し、芯部を中心に下手側のリボンに形成した斜め折り部を渦巻き状に巻回していき、この巻回折り部を花弁とし、リボンの終端部は巻回折り部の下側縁の絞り込みに集合固定して花柄部を形成することによりリボンによる造花を構成すると共に、かかる造花を略80℃のワックス液中に十数秒間浸漬し、その後ワックス液から引上げてワックス表面を乾燥させ、次いで65±5℃のワックス液中に数秒間浸漬したことを特徴とするワックスコーティングのリボン布製造花を提供せんとするものである。
請求項2に係る発明では、前記略80℃のワックス液中への浸漬時間を10秒以上15秒以下とし、前記65±5℃のワックス液中への浸漬時間を略3秒としたことを特徴とする請求項1に記載のワックスコーティングのリボン布製造花を提供せんとするものである。
請求項3に係る発明では、一本のリボンの始端部を数回巻いて花部の芯部を形成し、芯部を中心に下手側のリボンに形成した斜め折り部を渦巻き状に巻回していき、この巻回折り部を花弁とし、リボンの終端部は巻回折り部の下側縁の絞り込みに集合固定して花柄部を形成することによりリボンによる造花を構成すると共に、かかる造花を略80℃のワックス液中に10秒以上15秒以下浸漬し、その後ワックス液から引上げてワックス表面を乾燥させ、次いで65±5℃のワックス液中に略3秒間浸漬したことを特徴とするワックスコーティングのリボン布製造花の製造方法を提供せんとするものである。
請求項4に係る発明では、前記65±5℃のワックス液中への浸漬時間は、最初の略1秒間で浸漬させ、次の略1秒間はワックス液中で保持させ、最後の略1秒間で引上げるように浸漬させることを特徴とする請求項3に記載のワックスコーティングのリボン布製造花の製造方法を提供せんとするものである。
請求項5に係る発明では、前記花柄部は外側からワイヤーを巻回して固定したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のワックスコーティングのリボン布製造花またはその製造方法を提供せんとするものである。
請求項6に係る発明では、前記略80℃のワックス液と前記65±5℃のワックス液とは同一材料で構成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のワックスコーティングのリボン布製造花またはその製造方法を提供せんとするものである。
請求項7に係る発明では、前記造花はバラの花部形状に形成したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のワックスコーティングのリボン布製造花またはその製造方法を提供せんとするものである。
請求項1、3に記載の発明によれば、一本のリボンの始端部を数回巻いて花部の芯部を形成し、芯部を中心に下手側のリボンに形成した斜め折り部を渦巻き状に巻回していき、この巻回折り部を花弁とし、リボンの終端部は巻回折り部の下側縁の絞り込みに集合固定して花柄部を形成することによりリボンによる造花を構成すると共に、かかる造花を略80℃のワックス液中に十数秒間浸漬し、その後ワックス液から引上げてワックス表面を乾燥させ、次いで65±5℃のワックス液中に数秒間浸漬したことにより、造花は一本のリボンにより花弁が形成され、かつ、花弁はリボンの斜め折り部の渦巻き状の巻回により形成されているため、形状はあたかも生花の花弁に酷似した印象を付与することができ、しかも、各花弁の上部は開放状となり、その下部、すなわち巻回折り部の絞り込まれた下側縁は、リボンの終端部に集合固定されているため、花部の奥部は緻密に花弁が密集して、更に生花に近い形状を現出することができ、しかもこのような構成とした造花は、二度にわたってワックス液中の浸漬を経ることになり、特に一度目は略80℃の高温で浸漬するため、ワックス液はリボンの布繊維中に浸透しやすく、一部は気化しながら微細な製織間をコーティングすることもでき、ワックス液は花部の全体、特に深部にわたって浸潤することができ、全体の保型及び劣化防止処理が完全に行うことができると共に、花弁に厚みを持たせることができるという効果がある。
そして、2回目のワックス液の浸漬ではワックス液の固化温度たる略40℃よりはやや高温の65±5℃で再浸漬するため更なる保型のための固化を促すことができ、1回目のワックスで固型化した花部の形状の表面に2回目のワックスが低温でコーティングされるためワックスの質感に深みが出ると共に、リボンの色彩とリボンの布の質感がマスキングされて布造花の織物としての風合いを減殺して生花に近い絶妙な艶消し具合を醸し出し重厚間を現出することができる。
更には、1回目のワックスが花弁の細部に入り込んでいても、2回目の低温ワックスでコーティングするため1回目のワックスの剥離や変色を防止し、保存性の高い装飾造花とすることができる効果がある。
請求項2、3に記載の発明によれば、略80℃のワックス液中への浸漬時間を10秒以上15秒以下とし、65±5℃のワックス液中への浸漬時間を略3秒としたことで、1回目の浸漬で必要以上のワックス液がリボンの布繊維中に浸透せず薄塗りが可能となり、2回目の浸漬による艶消し具合の現出を促すことができる。
更に、ワックス液中からの引き上げ時に花弁が重くなってリボンが解けることを防止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、65±5℃のワックス液中への浸漬時間は、最初の略1秒間で浸漬させ、次の略1秒間はワックス液中で保持させ、最後の略1秒間で引上げるように浸漬させることで、手作業による浸漬であっても時間管理がシンプルであり精度よく作業が行えると共に、ワックスの質感に深みが出て、更に、リボンの色彩とリボンの布の質感がマスキングされて布造花の織物としての風合いを減殺して生花に近い絶妙な艶消し具合を醸し出し重厚間を現出することができる。
請求項5に記載の発明によれば、花柄部は外側からワイヤーを巻回するだけで固定されると共に、ワックス液中への浸漬時間が短時間であることからワックス液中からの引き上げ時に花弁が重くなってリボンが解けることがないので、花柄部を単純な方法で固定することができる。
請求項6に記載の発明によれば、略80℃のワックス液と65±5℃のワックス液とは同一材料で構成したので、造花完成時のなじみが良く耐久性に優れていると共に、ワックス液の管理が容易となる。
請求項7に記載の発明によれば、造花はバラの花部形状に形成したので、生花に近い絶妙な艶消し具合を現出した造花として長期間に渡って装飾用として観賞に耐えることができる。
この発明は、一本のリボンの始端部を数回巻いて花部の芯部を形成し、芯部を中心に下手側のリボンに形成した斜め折り部を渦巻き状に巻回していき、この巻回折り部を花弁とし、リボンの終端部は巻回折り部の下側縁の絞り込みに集合固定して花柄部を形成することによりリボンによる造花を構成すると共に、かかる造花を略80℃のワックス液中に十数秒間浸漬し、その後ワックス液から引上げてワックス表面を乾燥させ、次いで65±5℃のワックス液中に数秒間浸漬したことに特徴を有する。
以下、この発明の実施形態を図面に基づき詳説するが、左右同一又は左右対称等の構造や部品については、原則として同一の符号を付し、左右何れか一方のみを説明して、他方については説明を適宜省略する。
図1は本実施形態に係るワックスコーティングのリボン布製造花1を示す斜視図で、図2は該造花1をワックス(蜜蝋)W液中に漬した状態を示す説明図で、図3(a)〜(f)は該造花1の花部2の製作手順を時系列で示した説明図で、図4(a)〜(c)は該造花1の花部2の下部に花柄部3を形成して該造花1を完成させる製作手順を示した図である。
本実施形態に係るワックスコーティングのリボン布製造花1(以下、造花1とする)は、花弁4からなる花部2と、花弁4の下部で花弁4を集合固定した花柄部3とで構成している。すなわち、造花1は葉や長い茎を形成せずに花部2と花柄部3のみで構成している。
また、本実施形態に係る造花1は、生花のバラの形態に近似したものとしているが、花の種類はバラに限定されず、例えば、カトレアやユリ等いかなる種類の花であっても本発明の要旨の範囲内において対象となる。
造花1は一本の布製のリボンRを用いて花弁4と花弁4の中心をなす芯部5を形成して花部2を構成すると共に、リボンRの終端部Reが花弁4の下部となるように集合させつつ絞り込みながら外側からワイヤーFを巻回して固定し、更に外側から布片や紙片で形成した被覆片Hを巻回して花柄部3を形成している。
かかる造花1を略80℃のベースワックスW1液中に十数秒間浸漬し、その後ベースワックスW1液から引上げてワックス表面を乾燥させ、次いで65±5℃の仕上げワックスW2液中に数秒間浸漬させることで、二度にわたってワックスW1,W2液中の浸漬を経ることで、本実施形態に係るワックスコーティングのリボン布製造花1を作製することができる。
なお、本実施形態に係る造花1は、布製のリボンを用いて製作されるものであり、新鮮な生花を脱水しつつ着色液への浸漬と乾燥を繰り返して製作される高価なプリザーブドフラワー(Preserved Flowers)とは異なり、生花を用いずに生花に近い絶妙な艶消し具合を現出し、しかも、全体の保型及び劣化を防止することができるものである。
以下、本実施形態に係る造花1の外形を形成する手順を図3に示しながら説明する。
まず、図3(a)に示すように、リボンRの始端部Rfを長手方向にかけて紙面奥側に3〜5回程度巻いて花部2の芯部5を形成する。
次に、図3(b)に示すように、下手側6のリボンRを後方へ斜め折りしつつ芯部5の上部7も後方に折り込まれるようにして斜め折り部8を形成する。このように形成することで、花部2の表面に現れる芯部5の表面は、一本のリボンRの端部ではなく折り込まれたリボンRの側面を曲面として現出させることができる。
図3(d)に示すように、形成した斜め折り部8は、芯部5の軸芯周りに紙面手前側に向けて渦巻き状に巻回する。この場合、リボンRが2枚に重なった斜め折り部8の重複部9が芯部5の上部と同高さとなるように巻回し、最初の斜め折り部8の終端10が芯部5に巻かれる直前で巻回を停止する。なお、芯部5への巻回においては図3(c)に示すように、斜め折り部8を撓ませながら巻回することが望ましい。
次に、図3(e)、(f)に示すように、最初の斜め折り部8の終端10近傍が起点となるように、同様の斜め折り部8(以降は巻回折り部8aとする)を形成し、同様に重複部9が芯部5の上部と同高さとなるように巻回してその終端10が巻かれる直前で都度巻回を停止しながら同様の巻回折り部8aの形成を繰り返す。巻回においては芯部5の下側縁11を指で摘みながら渦巻き状を保持する。なお、巻回折り部8aによる芯部5の上部7の折り込みは最初の巻回時のみでよい。
花部2の直径L2がリボンRの幅員L1と略同径となったら、図4(a)に示すように、リボンRの終端部Reを巻回折り部8aの下側縁11の絞り込みに集合固定して花柄部3を形成する。すなわち、指で摘みながら渦巻き状を保持していた芯部5の下部が花柄部3を構成する。なお、リボンRの長さが長い場合には、終端部Reに相当する箇所をハサミ等により切断する。
次に、花柄部3の外側を針金等のワイヤーFを用いて巻回(図示せず)する。このように巻回することで渦巻き状に形成された花弁4は花部2としてその形状を保持することができる。
なお、本実施形態に係るワックスコーティングのリボン布製造花1は、後述するワックスW液への浸漬時間が短時間であるため、花弁4に対するワックスW液の被覆量が少量であり軽量となるので、ワックスW液中からの引上げ時に花弁4の重量で花柄部3が解けることがない。従って、花柄部3の固定には上述のようにワイヤーFを巻回するのみでよい。
この場合、ワイヤーFはできるだけ細いほうが望ましく、例えば直径が0.21mm(#35)のワイヤーFを用いることで、花柄部3を凹凸の少ない生花に近い外観とすることができる。
また、花柄部3の固定については、図4(a)に示すように、花柄部3の外側から針金等のワイヤーFを用いて、ワイヤーFを花柄部3の内部に位置する芯部5に貫通させると共に、花柄部3の表面に貫通したワイヤーFを花柄部3に巻回してもよい。このようにワイヤーFを貫通させ巻回することで渦巻き状に形成された花弁4は花部2としてその形状を安定して保持することができる。
なお、ワイヤーFは表面を被覆せず素地の金属(鉄)が露出した銀色の裸ワイヤーや表面に色彩を施した地巻ワイヤー等を用いることができるが、ワイヤーFを被覆片Hで被覆せず、花柄部3に露出したままとする場合には、花部2と花柄部3の色彩を考慮して適当な色彩を施した地巻ワイヤーを使用することが望ましい。
また、図4(b)に示すように、花柄部3には一方の面に接着剤(糊材)が塗布された帯状の紙片または布片の被覆片Hを巻回して花柄部3を巻回するワイヤーF全体を被覆すると共に、最下部のリボンRが全て被覆されるように巻回することで図4(c)に示すような造花1aの形状が完成する。
なお、被覆片Hの色彩は花弁4を構成するリボンRの色とは異なる色彩を選択することで花部2と花柄部3とのコントラストが生じ、花部2をより強調させることもできる。特に、花柄部3にはモスグリーンの被覆片(フローラテープ)Hを用いることで、より生花のバラに近い色彩を現出することができる。
このように、造花1は一本のリボンRにより花弁4が形成され、かつ、花弁4はリボンRの巻回折り部8aの渦巻き状の巻回により形成されているため、形状はあたかも生花のバラの花部に酷似した印象を付与することができ、しかも、各花弁4の上部は開放状となり、その下部、すなわち巻回折り部8aの絞り込まれた下側縁11は、リボンRの終端部Reに集合固定されているため、花部2の奥部は緻密に花弁4が密集して、更に生花のバラに近い形状を現出することができる。
以上のようにして形成された造花1aは、二度にわたるワックスW1,W2液中への浸漬によりワックスコーティングのリボン布製造花1として完成する。
具体的には、図2に示すように造花1a全体を浸漬可能な大きさのワックス桶SにベースワックスW1を充填する。ワックス桶SはベースワックスW1を加熱するため金属等の耐熱性を有する材料を用いる。
ワックスWは沸点が略200℃で凝固点が略40℃である動物系の蜜蝋や植物系のカルナウバワックス、石油系のパラフィン等を主成分とする様々なワックスWを用いることができる。
なお、本実施形態に係るワックスWは、パラフィン系のナチュレ・メモ(ペガサスキャンドル株式会社製)を使用し、外側のハードワックスをハンマー等で叩いてその内部の透明なワックスのみを用いている。
また、ベースワックスW1と仕上げワックスW2は同一であり、加熱温度のみ異なるものである。
また、ワックスWを着色するには、ワックスWにクレヨンを粉状にしたものを加えたり、油性染料等を加えて溶融させればよい。
次に、ベースワックスW1が充填されたワックス桶Sを加熱してベースワックスW1自体が略80℃となるように維持する。
1回目の浸漬は、花弁4が下方となるように花柄部3の端部12を摘みながらベースワックスW1液中に造花1aをゆっくりと浸漬させる。この場合、花柄部3の大部分を浸漬することが望ましい。
花柄部3の端部を除く造花1a全体の浸漬時間は、浸漬開始から10秒以上で15秒以内に造花1a全体を引上げることが必要である。
ワックス桶S中のベースワックスW1から造花1aを引上げた後、造花1aを被覆するベースワックスW1表面を乾燥させる。浸漬により花弁4が変形した場合には、乾燥時に形を整えることができる。
表面が充分に乾燥したら2回目の浸漬を行う。また、2回目の浸漬には仕上げワックスW2を用いる。仕上げワックスW2自体が65±5℃となるように加熱維持された別途のワックス桶Sに造花1aの花弁4が下方となるように花柄部3の端部12を摘みながら仕上げワックスW2液中に造花1aを浸漬させる。この場合、1回目の浸漬により漬した花柄部3の箇所まで浸漬されるようにすることが望ましい。
なお、仕上げワックスW2の温度は略65℃が望ましいが、使用するワックスの性質により60℃以上70℃以下の範囲で調整することができる。
そして、花柄部3の端部を除く造花1a全体の浸漬時間は、浸漬開始から略3秒として造花1a全体を引上げることが必要である。
なお、本実施形態では、最初の略1秒間で浸漬させ、次の略1秒間は仕上げワックスW2液中で保持させ、最後の略1秒間で引上げるように浸漬させている。
ワックス桶S中の仕上げワックスW2から造花1aを引上げた後、造花1aを被覆する仕上げワックスW2表面を乾燥させる。浸漬により花弁4が変形した場合には、乾燥時に形を整えることができる。
以上のように、二度にわたってベースワックスW1液と仕上げワックスW2液中の浸漬を経ることになり、特に一度目は略80℃の高温で浸漬するため、ベースワックスW1液はリボンRの布繊維中に浸透しやすく、一部は気化しながら微細な製織間をコーティングすることもでき、ベースワックスW1液は花部2の全体、特に深部にわたって浸潤することができ、全体の保型及び劣化防止処理を完全に行うことができると共に、花弁4に厚みを持たせることができる。
そして、2回目の仕上げワックスW2液の浸漬では仕上げワックスW2液の固化温度たる略40℃よりはやや高温の65±5℃で再浸漬するため更なる保型のための固化を促すことができ、1回目のベースワックスW1で固型化した花部2の形状の表面に2回目の仕上げワックスW2が低温でコーティングされるためワックスの質感に深みが出ると共に、リボンRの色彩とリボンRの布の質感がマスキングされて布造花の織物としての風合いを減殺して生花に近い絶妙な艶消し具合を醸し出し重厚間を現出することができる。
更には、1回目のベースワックスW1が花弁4の細部に入り込んでいても、2回目の低温仕上げワックスW2でコーティングするため1回目のベースワックスの剥離や変色を防止し、保存性の高い装飾造花1とすることができる効果がある。
また、略80℃のワックスW1液中への浸漬時間を10秒以上15秒以下とし、65±5℃のワックスW2液中への浸漬時間を略3秒としたことで、1回目の浸漬で必要以上のワックスW1液がリボンRの布繊維中に浸透せず薄塗りが可能となり、2回目の浸漬による艶消し具合の現出を促すことができる。
更に、ワックスW1,W2液中からの引き上げ時に花弁が重くなってリボンが解けることを防止することができる。
また、65±5℃のワックスW2液中への浸漬時間は、最初の略1秒間で浸漬させ、次の略1秒間はワックスW2液中で保持させ、最後の略1秒間で引上げるように浸漬させることで、手作業による浸漬であっても時間管理がシンプルであり精度よく作業が行えると共に、ワックスの質感に深みが出て、更に、リボンRの色彩とリボンRの布の質感がマスキングされて布造花の織物としての風合いを減殺して生花に近い絶妙な艶消し具合を醸し出し重厚間を現出することができる。
また、花柄部3は外側からワイヤーFを巻回するだけで固定されると共に、ワックスW1,W2液中への浸漬時間が短時間であることからワックスW1,W2液中からの引き上げ時に花弁4が重くなってリボンRが解けることがないので、花柄部3を単純な方法で固定することができる。
また、略80℃のワックスW1液と65±5℃のワックスW2液とは同一材料で構成したので、造花1完成時のなじみが良く耐久性に優れていると共に、ワックスW液の管理が容易となる。
更に、造花1はバラの花部形状に形成したので、生花に近い絶妙な艶消し具合を現出した造花1として長期間に渡って装飾用として観賞に耐えることができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
F ワイヤー
H 被覆片
R リボン
Rf 始端部
Re 終端部
W ワックス
W1 ベースワックス
W2 仕上げワックス
1 ワックスコーティングのリボン布製造花
1a ワックスコーティングのリボン布製造花(ワックス浸漬前)
2 花部
3 花柄部
4 花弁
5 芯部
6 下手側
8 斜め折り部
8a 巻回折り部
11 下側縁
H 被覆片
R リボン
Rf 始端部
Re 終端部
W ワックス
W1 ベースワックス
W2 仕上げワックス
1 ワックスコーティングのリボン布製造花
1a ワックスコーティングのリボン布製造花(ワックス浸漬前)
2 花部
3 花柄部
4 花弁
5 芯部
6 下手側
8 斜め折り部
8a 巻回折り部
11 下側縁
Claims (7)
- 一本のリボンの始端部を数回巻いて花部の芯部を形成し、芯部を中心に下手側のリボンに形成した斜め折り部を渦巻き状に巻回していき、この巻回折り部を花弁とし、リボンの終端部は巻回折り部の下側縁の絞り込みに集合固定して花柄部を形成することによりリボンによる造花を構成すると共に、かかる造花を略80℃のワックス液中に十数秒間浸漬し、その後ワックス液から引上げてワックス表面を乾燥させ、次いで65±5℃のワックス液中に数秒間浸漬したことを特徴とするワックスコーティングのリボン布製造花。
- 前記略80℃のワックス液中への浸漬時間を10秒以上15秒以下とし、前記65±5℃のワックス液中への浸漬時間を略3秒としたことを特徴とする請求項1に記載のワックスコーティングのリボン布製造花。
- 一本のリボンの始端部を数回巻いて花部の芯部を形成し、芯部を中心に下手側のリボンに形成した斜め折り部を渦巻き状に巻回していき、この巻回折り部を花弁とし、リボンの終端部は巻回折り部の下側縁の絞り込みに集合固定して花柄部を形成することによりリボンによる造花を構成すると共に、かかる造花を略80℃のワックス液中に10秒以上15秒以下浸漬し、その後ワックス液から引上げてワックス表面を乾燥させ、次いで65±5℃のワックス液中に略3秒間浸漬したことを特徴とするワックスコーティングのリボン布製造花の製造方法。
- 前記65±5℃のワックス液中への浸漬時間は、最初の略1秒間で浸漬させ、次の略1秒間はワックス液中で保持させ、最後の略1秒間で引上げるように浸漬させることを特徴とする請求項3に記載のワックスコーティングのリボン布製造花の製造方法。
- 前記花柄部は外側からワイヤーを巻回して固定したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のワックスコーティングのリボン布製造花またはその製造方法。
- 前記略80℃のワックス液と前記65±5℃のワックス液とは同一材料で構成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のワックスコーティングのリボン布製造花またはその製造方法。
- 前記造花はバラの花部形状に形成したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のワックスコーティングのリボン布製造花またはその製造方法。
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JP2014240049A JP2016102271A (ja) | 2014-11-27 | 2014-11-27 | ワックスコーティングのリボン布製造花及びその製造方法 |
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Citations (8)
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-
2014
- 2014-11-27 JP JP2014240049A patent/JP2016102271A/ja active Pending
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