JP2016101615A - 建造物表面を診断するロボット装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図7に示したロボット装置は、その装置本体aに一対のY軸レール1と一対のX軸レール2とを設けている。また、上記Y軸レール1に沿って装置本体aと相対移動する一対のY方向移動体myと、X軸レール2に沿って装置本体aと相対移動する一対のX方向移動体mxとを設けている。
また、Y軸レール1間にかけ渡し部材7を設け、このかけ渡し部材7に、電磁ソレノイドの鉄心を叩打部材とした診断機構8を上記かけ渡し部材7に対して往復動可能に設けている。
そして、すべての吸盤3,4を図示していない壁面に密着させて真空ポンプ5,6を駆動すると、吸盤3,4内が真空状態になって密着し、装置本体aを壁面に位置固定する。
上記の状態で診断機構8をかけ渡し部材7に沿って移動させ、その移動方向に並んだすべてのタイルを一つずつ叩き、そのときの打音が正常であるかどうかを診断する。
装置本体aを原位置に復帰させたら、X軸方向移動体mxに設けた吸盤4を真空にして壁面に吸着させる。
つまり、この従来のロボット装置は、壁面に対して装置本体aを自走させながら壁面のタイルを診断するようにしている。
このロボット装置の装置本体には、移動体を設けるとともに、この移動体には診断部を設けている。上記診断部は、移動体に保持された状態で往復動可能であり、移動体は、診断部の移動方向に交差する方向に、装置本体と相対移動可能にしている。
そして、上記装置本体を建造物表面に位置固定した状態で、上記診断部が移動する移動幅と、移動体が移動する移動幅のそれぞれを一辺とする面積の範囲内で、上記診断部が建造物の表面を診断可能にしている。
このガイド部材を保持するとともに上記装置本体に移動可能に設けた支持部材とからなる。そして、上記装置本体には、上記診断部を往復動させる第1の移動機構と上記移動体を移動させる第2の移動機構とを備えている。
そして、上記制御回路は、上記駆動機構を制御して吸盤を建造物表面に押し付けて吸着させる第1のステップと、上記第1のステップで吸盤を建造物表面に吸着させた後、再び上記駆動機構を制御して、上記診断部と建造物表面との間隔を、上記診断部の機能や性能によってあらかじめ決められた診断適性距離に保つ第2のステップとを実行する。
特に、建造物表面の異常箇所を目視によって検討をつけ、その検討をつけた箇所と、上記診断部及び移動体のそれぞれの移動幅によって区画される面積範囲とが対応する位置に装置本体を位置固定すれば、装置本体を自走させなくても、上記異常箇所を的確に診断できる。
また、所定の範囲内であれば、診断位置を変えるたびに装置本体を移動しなくてもよいので、その所定の範囲を診断する診断時間を大幅に短縮できる。そして、上記のように建造物表面の異常箇所を目視によって特定し、その特定した箇所に、ウインチ等を利用して装置本体を移動させて当該箇所に位置固定すれば、装置本体の移動時間も短縮できる。
第3のロボット装置によれば、診断部を常に装置本体の外方に位置させることができるので、その診断部を目的の箇所に合わせやすくなる。
第5の発明によれば、移動体の移動方向を、目的に応じて、装置本体の吊り下げ方向にしたり、あるいはその吊り下げ方向に直交する方向にしたりできる。特に、移動体の移動方向を装置本体の吊り下げ方向に直交させたときには、例えば、出窓などの下も診断することが可能になる。
そして、上記第1フレーム部材11のそれぞれには位置固定機構Pを固定している。これら位置固定機構Pのそれぞれに支持プレート13を設けるとともに、これら支持プレート13に、装置本体Aの位置を固定するために必要な各種の部品を設けている。
上記スクリューシャフト15には従動ギア19を固定するとともに、この従動ギア19を、電動モータmと一体回転する駆動ギア20にかみ合わせている。したがって、電動モータmが駆動すれば、上記のように吸盤保持体16が相対移動することになる。
なお、上記電動モータm、駆動ギア20、従動ギア19及びスクリューシャフト15によって、吸盤保持体16を移動させる駆動機構を構成するものである。
さらに、支持プレート13には真空ポンプ22を設けるとともに、この真空ポンプ22は電磁弁23及び図示していない配管を介して吸盤21に接続されている。
また、図中符号24,25は、吸盤保持体16の位置を検出するセンサーで、4本あるガイドシャフトのうち、所定のガイドシャフト18の移動位置すなわち吸盤保持体16の移動位置を検出するものである。つまり、図2において上方に位置するセンサー24が吸盤保持体16の原位置を検出し、下方に位置するセンサー25が、後で説明する診断部Dの診断適正距離を検出するものである。
なお、上記スライダー27は、両第1フレーム部材11に設けた上記レールに懸架されているが、図面では図1において下側に位置する第1フレーム部材11のレールに懸架したスライダーしか示されていない。
そして、上記ガイド部材Gには、診断部Dを、そのガイド部材Gに沿って往復動可能に設けている。すなわち、診断部Dは、図4に示すように、支持プレート30の一方の面に設けたスライダー31を、上記ガイド部材Gの側面に形成したレール32(図3参照)に摺動自在にはめ込んで、上記のように往復動可能にしている。
したがって、パルスモータ36を回転して、タイミングベルト35を走行させれば、診断部Dが上記レール32に沿って移動することになる。
そして、上記パルスモータ36及びタイミングベルト35が、この発明の第1の移動機構を構成することになる。
上記検出音発生部材39は、支持棒39aの先端に球体39bを回転自在に設けるとともに、この球体39bの周方向に一定間隔を保って突部39cを設け、球体39bを建造物表面に転がしたときに音が出るようにしている。
なお、上記支持棒39aには図示していないスプリングのばね力を作用させ、上記球体39bに対して、建造物表面を押し付ける方向の力が作用するようにしている。
そして、これらマイクロホン40及びカメラ41は、装置本体Aとは別に設けた記憶部に接続され、それらの音及び映像がこの記憶部に記憶されるようにしている。
また、符号42は支持プレート30に設けた位置検出片で、図3に示すようにガイド部材Gに設けた3つの位置センサー43によってこの位置検出片42の位置が検出されるようにしている。上記位置センサー43の一つはガイド部材Gのほぼ中央に設け、他の2つはガイド部材Gの両端に設けている。したがって、診断部Dがガイド部材Gの両端に達したときには、上記位置センサー43がその位置を検出してパルスモータ36を逆転させることができる。
したがって、パルスモータ53が駆動すれば、その駆動力がラック51を介してラック支持部材50に伝わり、ラック支持部材50をレール45に沿って往復動させる。
なお、上記ラック51、パルスモータ53及びピニオン54でこの発明の第2の移動機構を構成するものである。
なお、上記のようにした装置本体Aには図示していない制御回路を搭載し、この制御回路には各部材の動作のシーケンスが記憶されている。
また、上記移動体Sと診断部Dとの移動方向は、それらが交差していれば、厳密な意味で直交させる必要はない。
先ず、診断を必要とする建造物に設置したウインチ等の巻揚げ機のフックを連結部26に引っ掛けて装置本体Aを吊り下げる。そして、建造物表面に対して、目視によって異常箇所の検討をつけ、その検討をつけた箇所と、上記診断部D及び移動体Sのそれぞれの移動幅によって区画される面積範囲とを対応させるととも装置本体Aの吸盤21を建造物表面にほぼ平行に位置させる。
診断部Dの診断最適距離が定められたら、パルスモータ36を駆動して診断部Dをガイド部材Gに沿って移動させる。このように診断部Dが診断最適距離を保ってガイド部材Gに沿って移動すれば、球体39bが建造物表面上を転がるとともに、その突部39cを乗り越えるたびに転がり音を発生する。
上記のようにして診断部Dが所定の移動幅を移動したら、パルスモータ53を駆動して移動体Sを構成するガイド部材Gを所定の距離分だけ移動させる。
このように移動体Sを所定の距離分移動させてから、診断部Dをガイド部材Gに沿って移動させる動作を繰り返すことによって、移動体Sと診断部Dとの移動幅によって決まる面積範囲の診断を完了させることができる。
上記のようにした簡易診断部が、診断過程で異常を検出したときには、上記異常情報表示ランプを点灯して、地上におけるオペレータ等に異常を知らせるようにしている。
したがって、この連結部55に巻揚げ機のフックを引っ掛けて装置本体Aを吊り下げれば、その吊り下げ方向に対して、移動体Aの移動方向が直交することになる。このように吊り下げ方向に対して移動体Aの移動方向を直交させることによって、例えば、上記吊り下げ方向上方から見て影になる出窓などの下側も診断することができるようになる。
Claims (5)
- 装置本体に、建造物表面に対して位置を固定的に保つ位置固定機構を設けた建造物表面を診断するロボット装置であって、
上記装置本体には、
往復動して建造物表面の正常あるいは異常を診断する診断部と、
上記診断部を往復動可能に保持するとともに、診断部の移動方向に交差する方向に、装置本体と相対移動可能した移動体とを備え、
上記装置本体を建造物表面に位置固定した状態で、上記診断部が移動する移動幅と、移動体が移動する移動幅のそれぞれを一辺とする面積の範囲内で、上記診断部が建造物の表面を診断可能にした建造物表面を診断するロボット装置。 - 上記移動体は、
上記診断部の往復動をガイドするガイド部材と、
このガイド部材を保持するとともに、上記装置本体に移動可能に設けた支持部材とからなり、
上記装置本体には、
上記診断部を往復動させる第1の移動機構と
上記移動体を移動させる第2の移動機構と、
を備えた請求項1に記載された建造物表面を診断するロボット装置。 - 上記移動体は、装置本体に対してその外方に突出したり、装置本体側に戻ったりする構成にした請求項1又は2に記載された建造物表面を診断するロボット装置。
- 上記位置固定機構は、
建造物表面に吸着する吸盤と、
上記吸盤を保持するとともに装置本体に対して移動可能に設けた吸盤保持体と、
上記吸盤保持体を建造物表面に向かって移動させたり、建造物表面から離れる方向に移動させたりする駆動機構と、
この駆動機構を制御する制御回路とを備え、
上記制御回路は、
上記駆動機構を制御して吸盤を建造物表面に押し付けて吸着させる第1のステップと、
上記第1のステップで吸盤を建造物表面に吸着させた後、再び上記駆動機構を制御して、上記診断部と建造物表面との間隔を、上記診断部の機能や性能によってあらかじめ決められた診断適性距離に保つ第2のステップとを実行する請求項1〜3のいずれか1に記載された建造物表面を診断するロボット装置。 - 上記装置本体には、
上記診断部の往復動方向と平行な側面、及び上記診断部の往復動方向に直交する側面に、ウインチ等の巻揚げ機から垂らしたワイヤを引っ掛けるための連結部を設けた請求項1〜4のいずれかに記載された建造物表面を診断するロボット装置。
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