(A)第1の実施形態
以下、本発明による着信対応待ち時間予測装置、方法及びプログラム、並びに、呼処理装置及びシステムの第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。ここで、第1の実施形態の着信対応待ち時間予測装置を有する呼処理装置は、コールセンタシステム(コンタクトセンタシステム)におけるコールセンタサーバシステムに設けられている。
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態のコールセンタサーバシステム(呼処理装置)が適用されているコールセンタシステムの全体構成を示すブロック図である。
図1において、コールセンタシステム1は、顧客電話機11、コールセンタサーバシステム20及び複数(図1はN個の場合を示している)のオペレータシステム30(30−1〜30−N)を構成要素として有している。
顧客電話機11は、コールセンタシステム1を利用する顧客が所持する電話機である。顧客電話機11の種類を制限しても良く、また、制限しないようにしても良い。例えば、顧客電話機11は、固定電話機であっても携帯電話機であっても良い。また別な観点から分類して、例えば、顧客電話機11は、レガシーな電話機であってもIP電話機(ソフトフォンを含む)であっても良い。なお、オペレータの指示等に基づいて、FAX信号やデータ信号を顧客に提供し得るシステムであれば、顧客電話機11に加え、ファクシミリ端末やパソコンなども顧客に係る端末となる。
顧客電話機11は、通信ネットワーク12を介して、コールセンタサーバシステム20に接続可能である。通信ネットワーク12は、顧客電話機11をコールセンタサーバシステム20に接続可能な通信ネットワークであれば良く、その種類は限定されるものではない。また、顧客電話機11及びコールセンタサーバシステム20間に介在するネットワークが複数種類あり、通信ネットワーク12が複数種類のネットワークで構成されていても良い。通信ネットワーク12としては、電話網、IP(Internet Protocol)網、IMS(IP Multimedia Subsystem)網等を挙げることができる。
オペレータシステム30(30−1〜30−N)は、コールセンタ作業を行う対応するオペレータが使用するシステムである。オペレータとオペレータシステム30とは、当日だけ対応するもの(毎日、新たに対応付けられるもの)であっても良く、対応付けが長期に渡って変化しないものであっても良い。以下では、後者であるとして説明する。
オペレータシステム30は既存の構成と同様であって良く、図2は、オペレータシステム30の既存と同様な構成例を示している。第1の実施形態の場合、各オペレータシステム30−1〜30−Nはそれぞれ、オペレータ端末31−1〜31−Nとオペレータ電話機32−1〜32−Nとを有している。
オペレータ端末31は、パソコンなどの情報処理装置であり、通信制御処理部31a及びユーザインターフェース部31bを有している。
通信制御処理部31aは、コールセンタサーバシステム20内の各種サーバと通信する機能や、コールセンタサーバシステム20を経由して顧客電話機11と通信する機能を担い、例えば、LAN(Local Area Network)25を介してコールセンタサーバシステム20と接続されている。以下、LANと接続されているとして説明するが、各オペレータシステム30が、コールセンタサーバシステム20(の全体やその要素)に対して、回線やケーブルを介して個別に接続されているものであっても良い。
ユーザインターフェース部31bは、オペレータへの視覚的や聴覚的な出力を行ったり、オペレータからのキーボードやマウスやタッチパネルなどからの入力を取込んだりするものである。
オペレータ電話機32は、オペレータの音声を捕捉して顧客電話機11側に送出したり、コールセンタサーバシステム20側から与えられた音声信号をオペレータへ向けて発音出力したりするものである。オペレータ電話機32として、例えば、IP電話機(ソフトフォンを含む)を適用できる。図2は、オペレータ電話機32がオペレータ端末31とは独立にコールセンタサーバシステム20側に接続されている場合を示しているが、オペレータ電話機32が、コールセンタサーバシステム20側と接続しているオペレータ端末31に収容されていても良い。この場合に、例えば、オペレータ電話機32としてヘッドセットを適用し、オペレータ端末31内に呼制御を実行する処理部を設けるようにしても良い。以下では、オペレータ電話機32とコールセンタサーバシステム20との間でIPパケットを授受するものとして説明する(但し、オペレータ電話機32の種類が問われないことは勿論である)。
なお、オペレータシステム30に対応するオペレータは、コールセンタ作業を行う一般的なオペレータ(エージェント)に限定されず、それらオペレータを管理する管理者(スーパバイザ)であっても良い。
コールセンタサーバシステム20は、顧客(顧客電話機11)に対してコールセンタ機能を提供するシステムである。
図1において、コールセンタサーバシステム20は、メッセージングサーバ(以下、MSGサーバと呼ぶ)21、コールマネージメントサーバ(以下、CMサーバと呼ぶ)22、リソースマネージメントサーバ(以下、RMサーバと呼ぶ)23、ラインマネージメントサーバ(以下、LMサーバと呼ぶ)24及びゲートウェイ26を有している。
ゲートウェイ26は、通信ネットワーク12とコールセンタ側のLAN25(後述される図3参照)とを接続させるための処理を行うものである。ゲートウェイ26は、例えば、通信ネットワーク12におけるプロトコルと、LAN25におけるプロトコルとの間の変換を行い、通信ネットワーク12からLAN25への信号やLAN25から通信ネットワーク12への信号を、送出先のネットワークに適合するように変換する。
MSGサーバ21、CMサーバ22、RMサーバ23及びLMサーバ24の機能の詳細は、後述する動作説明で明らかになるが、以下では、簡単に機能の概要を説明する。
図3は、コールセンタサーバシステム20の各種サーバ21〜24についての機能的な詳細構成を示すブロック図である。
各種サーバ21〜24はそれぞれ、ハードウェア構成(例えば、専用の集積回路)によって担当する機能を実現するものであっても良く、また、CPU(DSPに搭載されたものであっても良い)が予め用意されているプログラム(このようなプログラムの中には着信対応待ち時間予測プログラムが含まれている)を実行することによって担当する機能を実現するものであっても良いが、機能的には、図3で表すことができる。
ここで、MSGサーバ21、CMサーバ22、RMサーバ23及びLMサーバ24のそれぞれと、物理的なサーバとの関係は1対1に限定されるものではない。例えば、1つの物理的サーバが、MSGサーバ21、CMサーバ22、RMサーバ23及びLMサーバ24としての機能の全てを実行するものであっても良い。また例えば、複数の物理的サーバによって、MSGサーバ21、CMサーバ22、RMサーバ23、LMサーバ24のうちの1つのサーバが構成されていても良い。
MSGサーバ21は、顧客電話機11やオペレータシステム30(30−1〜30−N)に対するメッセージの管理、提供機能を担っているサーバである。ウィスパリングに供する音声情報も、MSGサーバ21が管理しているメッセージである。また、予測待ち時間を顧客に通知するための音声情報(ガイダンス)も、MSGサーバ21が管理しているメッセージ(このメッセージの例については後述する)である。
MSGサーバ21は、メッセージの提供先毎やメディアの種類毎など、異なるメッセージを取扱う複数のMSGサーバで構成されていても良い。以下では、説明の簡単化を期して、MSGサーバ21が1台であるとして説明する。
MSGサーバ21は、通信制御処理部21a、メッセージング処理部(以下、MSG処理部と呼ぶ)21b、音声自動応答処理部(以下、IVR処理部と呼ぶ)21c及びウィスパリング処理部21dを有する。
通信制御処理部21aは、LAN25に接続されており、主として、他のサーバ22、23、24等との間でIP通信する機能や、オペレータ電話機32との間で通話用IPパケットを授受する機能等を担っている。
メッセージング処理部21bは、主として、電話、FAX、電子メールなど様々な経路で送受信されるメッセージを統合し、一元的に管理するユニファイド機能等を担っている。第1の実施形態のメッセージング処理部21bは、顧客電話機11に対して、オペレータが対応するようになる予測された待ち時間を通知する機能をも担っている。
IVR処理部21cは、音声自動応答機能等を担っている。予測待ち時間を顧客に通知するための音声情報は、IVR処理部21cの制御下で、顧客電話機11側へ送出される。
ウィスパリング処理部21dは、ウィスパリング機能等を担っている。ここで、ウィスパリング機能とは、例えば、コールセンタサーバシステム20が、顧客電話機11から発信信号を受信して、顧客電話機11とオペレータ電話機32とを接続する前に、顧客電話機11に関わる情報を、音声信号としてオペレータ電話機32に送信してオペレータに聴取させる機能である。
顧客電話機11に関わる情報としては、例えば、コールセンタサーバシステム20に接続される(又はシステム内に配置される)データベース(図示せず)に記憶されているその顧客電話機11を利用する顧客情報、顧客電話機11を利用する顧客がIVRに応じて操作した情報等である。顧客情報は、例えば、顧客の氏名、顧客の属性(例えば、会社名、役職、部署等)、顧客の住所、コールセンタサーバシステム20に過去又は前回に接続されたときの顧客の用件等である。また、顧客がIVRに応じて操作した情報は、例えば、テンキー等で特定された「商品を購入したい」、「新製品情報がほしい」、「障害に対応してほしい」等のオペレータへの要求情報である。
CMサーバ22は、主に、コールセンタ側における呼の管理、制御を行うサーバである。例えば、CMサーバ22は、オペレータ電話機32やMSGサーバ21を制御して両者間に音声パスを接続して、オペレータにウィスパリング音声を提供可能とする。
また、CMサーバ22は、コールセンタ側におけるオペレータの状態について管理を行うサーバである。例えば、CMサーバ22は、オペレータシステム30(オペレータ端末31、オペレータ電話機32)と通信して、オペレータの遷移状態を取込む。また例えば、CMサーバ22は、呼シーケンスの段階によりオペレータの遷移状態(ウィスパリングの聴取期間や顧客との通話期間など)を判断する。CMサーバ22は、RMサーバ23と通信して、オペレータの状態などを登録したり取り出したりすることができる。
CMサーバ22は、通信制御処理部22a、呼制御処理部22b及び自動呼分配(以下、ACDと呼ぶ)処理部22cを有している。
通信制御処理部22aは、LAN25に接続されており、主として、他のサーバ21、23、24との間でIP通信する機能等を担っている。
呼制御処理部22bは、顧客電話機11からの着信を処理する機能や、オペレータ電話機32に対して発信する機能や、顧客電話機11とオペレータ電話機32との間を接続する機能等を担っている。
また、呼制御処理部22bは、オペレータシステム30(オペレータ端末31、オペレータ電話機32)と通信したり、呼シーケンスの変化に基づいたりして、オペレータの状態を検出したり認識したりする。呼制御処理部22bは、RMサーバ23と通信して、オペレータの状態などを登録したり取り出したりする。
ACD処理部22cは、複数のオペレータ(従って、オペレータシステム30)の中から、今回発信してきた顧客電話機11に対応するオペレータを選択するACD機能を担っている。この第1の実施形態の場合、オペレータを選択するためのオペレータグループが分けられており、ACD処理部22cは、着信の用件などに応じて定まる1又は複数のオペレータグループに属するオペレータの中から今回発信してきた顧客電話機11に対応するオペレータを選択する。
以下では、ACD処理部22cが、着信した呼の顧客に対して、オペレータが対応するようになるまでの待ち時間(着信対応待ち時間)を予測する(予測待ち時間を算出する)機能を担当しているとして説明する。但し、ACD処理部22cとは別に、着信対応待ち時間を予測する構成を設けるようにしても良い。
RMサーバ23は、主に、コールセンタ側におけるリソースの管理、制御を行うサーバである。RMサーバ23による管理、制御対象のリソースには、オペレータシステム30(従って、オペレータ)も含まれている。RMサーバ23は、例えば、CMサーバ22と通信して、オペレータの状態などを登録(設定)したり管理しているオペレータの状態やその履歴を提供したりする。
RMサーバ23は、通信制御処理部23a、リソースマネージメント処理部23b及びリソースマネージメント記憶部23cを有している。図3では、リソースマネージメント処理部23bがリソースマネージメント記憶部23cを含む構成である場合を示しているが、リソースマネージメント処理部23bの外部にリソースマネージメント記憶部23cを設けて、リソースマネージメント処理部23bがリソースマネージメント記憶部23cをアクセスする構成であっても良い。
通信制御処理部23aは、LAN25に接続されており、主として、他のサーバ21、22、24との間でIP通信する機能等を担っている。
リソースマネージメント処理部23bは、CMサーバ22と通信して、オペレータの状態などをリソースマネージメント記憶部23cに登録したり書き換えたり、リソースマネージメント記憶部23cに記憶されている情報を提供したりする機能等を担っている。
リソースマネージメント記憶部23cは、オペレータの状態やオペレータの対応を待ち受けている待ち呼の数などを記憶する記憶機能を担っている。リソースマネージメント記憶部23cに記憶されるオペレータの状態の情報については後述する。
LMサーバ24は、主に、コールセンタ側において接続する若しくは接続している外線(ライン)の管理、制御を行うサーバである。
LMサーバ24は、通信制御処理部24a及びゲートウェイ制御処理部24bを有している。
通信制御処理部24aは、LAN25に接続されており、主として、他のサーバ21、22、23やゲートウェイ26との間でIP通信する機能等を担っている。
ゲートウェイ制御処理部24bは、主として、ゲートウェイ26が、顧客電話機11と、コールセンタサーバシステム20又はオペレータシステム30との間のプロトコル変換等を適切に処理できるように、ゲートウェイ26を制御する機能等を担っている。
図4は、RMサーバ23で管理されるオペレータ(オペレータシステム30)の状態の説明図である。
オペレータの状態は、そのオペレータに対応するオペレータシステム30が「ログオン」されているか「ログオフ」の状態かに大別される。オペレータシステム30がログオンされているときに採り得る状態としては「ウィスパリング状態」、「通話状態」、「ワーク状態」、「モニタリング状態」、「休憩状態」等がある。
「ウィスパリング状態」は、オペレータがウィスパリングの音声情報を聴取している状態である。「通話状態」は、オペレータが顧客と通話している状態である。「ワーク状態」は、オペレータが直前の顧客対応の内容を紙ファイルや電子ファイルに記述している状態である。「モニタリング状態」は、オペレータが他のオペレータの状態をモニタリングしている状態である。「休憩状態」は、ログオフを実行しないでオペレータがとる休憩の状態である(例えば、トイレや喫煙のための離席はこの状態に含まれる)。
その他、オペレータがいずれの顧客にも対応していない「手空き状態」や次の状態の開始を待ち受ける「遷移待ち状態」などがあるが、図4では、これらの「手空き状態」や「遷移待ち状態」などを「ログオン状態」に含めて示している。すなわち、図4の「ログオン状態」は、「ウィスパリング状態」、「通話状態」、「ワーク状態」、「モニタリング状態」及び「休憩状態」以外のログオン中の状態を表している。
第1の実施形態の場合、着信対応の待ち時間の算出機能から見た場合、「ウィスパリング状態」、「通話状態」及び「ワーク状態」が、オペレータの稼働状態として取り扱われる。
「ワーク状態」、「モニタリング状態」及び「休憩状態」の開始(設定)若しくは終了(解除)は、オペレータがオペレータ端末31に対する該当する操作を行うことでなされる。一方、「ウィスパリング状態」及び「通話状態」の開始(設定)若しくは終了(解除)は、CMサーバ22が呼シーケンスの流れに従って定めるものである。
図5及び図6は、リソースマネージメント記憶部23cに記憶されているオペレータに係る情報の説明図である。リソースマネージメント記憶部23cには、図5に示すオペレータグループ情報と、図5に示すオペレータ状態遷移情報とが記憶されている。
オペレータグループ情報は、オペレータグループ毎(例えば、商品クレーム対応グループ、新商品説明グループなど)に設けられており、図5は、グループIDが「GRAAA」のオペレータグループの情報を示している。オペレータグループ情報の1レコードは、そのオペレータグループに属しているオペレータ(若しくはオペレータシステム)についてのオペレータIDのフィールドF11と、そのオペレータの現在の状態がログオン状態かログオフ状態かを示すフィールドF12と、現在の状態がログオン状態のときにその状態が「ウィスパリング状態」、「通話状態」、「ワーク状態」、「モニタリング状態」、「休憩状態」のいずれであるかを示すフィールドF13と、1時間当たりの着信対応回数(平均値)のフィールドF14とを有する。1時間当たりの着信対応回数(平均値)は、例えば、定期的に更新される。例えば、更新周期がオペレータの出勤日ごとである場合であれば、オペレータがタイムカード装置に退社操作を行った以降に更新する。1時間当たりの着信対応回数は、例えば、曜日毎(金曜日と平日の他の曜日の全てとの2種類の分け方でも良い)に算出して曜日毎に区別して記憶しておくようにしても良く、また、早朝や午前や午後や夕方などの時間帯毎に算出して時間帯毎に区別して記憶しておくようにしても良く、さらに、5日の倍数の日にちとそれ以外の日にちの2種類の分けてこの2種類を区別して記憶しておくようにしても良い。このように、1時間当たりの着信対応回数をある観点から区別して記憶した場合には、待ち時間の算出も、そのときに該当する観点の1時間当たりの着信対応回数を適用して実行すれば良い。
オペレータ状態遷移情報は、オペレータ(オペレータシステム)毎に設けられており、図6は、オペレータIDが「OPAAA」のオペレータの情報を示している。オペレータ状態遷移情報の1レコードは、新たな状態(「ログオン状態」、「ログオフ状態」、「ウィスパリング状態」、「通話状態」、「ワーク状態」、「モニタリング状態」、「休憩状態」のいずれか)を記述したフィールドF21と、新たな状態を開始した時刻(年月日や曜日を含んでいても良い)のフィールドF22と、新たな状態を終了した時刻のフィールドF23を含んでいる。このような構成のレコードが、新たな状態が生じる毎に追加されていく。
図示は省略しているが、リソースマネージメント記憶部23cには、その時点でオペレータの対応を待っている待ち呼の数も記憶されている。
リソースマネージメント記憶部23cに記憶されている情報が適宜参照されて、上述した着信対応待ち時間が予測される。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態のコールセンタサーバシステム(呼処理装置)が適用されているコールセンタシステムの動作を、図面を参照しながら場合に分けて説明する。
なお、以下のコールセンタシステムの動作説明において、通信信号や情報などの中継動作を行う通信ネットワーク12、LAN25及びゲートウェイ26の動作については記載を省略している。
(A−2−1)ログオン操作時動作
第1の実施形態においては、オペレータがコールセンタ業務を開始することを通知するために、オペレータ端末31からコールセンタサーバシステム20に対してログオン操作が行われたことを通知するようになっている。コールセンタサーバシステム20のCMサーバ22は、この通知により、通知元のオペレータが、業務が可能な状態、すなわち、着信を受け付けられる状態になったことを認識する。同様に、オペレータがコールセンタ業務を終了するときには、オペレータ端末31に対してログオフ操作を行うようになっている。これにより、CMサーバ22は、当該オペレータが業務を終了したことを認識する。
図7は、オペレータがログオン操作を行ったときの各部の動作を示すシーケンス図である。
オペレータがコールセンタ業務を開始する際には、オペレータ端末31の入力手段に対してログオン操作を行う(ステップS101)。このとき、オペレータ端末31は、ログオン操作されたことを通知すべく、ログオン要求信号をコールセンタサーバシステム20のCMサーバ22に送信する(ステップS102)。ここで、オペレータ端末31に専用キーを設けておいてログオン操作を行うようにしても良く、また、ログオン操作に該当する複数のキーの同時操作や順次操作によってログオン操作を行うようにしても良く、さらに、オペレータ端末31に設けられている表示部にログオン用の選択肢(アイコン)を表示させて選択することによりログオン操作を行うようにしても良い。オペレータがオペレータ端末31に対して行う他の操作も、同様な操作方法を適用することができる。
次に、予めMSGサーバ21とオペレータ電話機32との間において音声パスを確立する場合と、音声パスを確立しない場合について記載される。
なお、以下の図7と後述される図13及び図14に関わる説明は、予めMSGサーバ21とオペレータ電話機32との間において、音声パスを確立する場合をベースとして記載され、音声パスを確立しない場合を変形例として記載されている。
予めMSG21とオペレータ電話機32との間において、音声パスを確立する場合、コールセンタシステムは、ステップS102に基づいて動作した後、次のステップS103〜ステップS108に基づいて動作する。
ログオン要求信号を受信したCMサーバ22は、ログオン要求信号を送出したオペレータ端末31と対をなすオペレータ電話機32に対する発信をMSGサーバ21に要求する発信要求信号をMSGサーバ21に送信する(ステップS103)。MSGサーバ21は、この発信要求信号を受信すると、オペレータ電話機32に発信信号を送信する(ステップS104)。CMサーバ22からの発信信号を受け取ったオペレータ電話機32は、発信応答信号をMSGサーバ21に対して自動的に返信する(ステップS105)。発信応答信号を受け取ったMSGサーバ21は、発信要求応答信号をCMサーバ22に対して返信する(ステップS106)。また、MSGサーバ21は、当該MSGサーバ21とオペレータ電話機32との間の音声パスを接続状態として音声パスを確立する(ステップS107)。
CMサーバ22は、MSGサーバ21から発信要求応答信号を受信すると、ログオン要求信号を送信したオペレータシステム30のオペレータ状態を「ログオン状態」に更新させる情報更新信号をRMサーバ23に送信する(ステップS108)。
予めMSGサーバ21とオペレータ電話機32との間において、音声パスを確立しない場合、コールセンタシステムは、ステップS102に基づいて動作した後、次のステップS108に基づいて動作する。
CMサーバ22は、MSGサーバ21からログオン要求信号を受信すると、ログオン要求信号を送信したオペレータシステム30のオペレータ状態を「ログオン状態」に更新させる情報更新信号をRMサーバ23に送信する(ステップS108)。
コールセンタシステムにおいてステップS108の動作が実行された後、RMサーバ23は、この情報更新信号について受信すると、当該RMサーバ23内で管理するオペレータの状態を「ログオフ状態」から「ログオン状態」に変更し(図5参照)、また、オペレータの状態の変更履歴(変更前ログオフ状態の終了時刻、変更後のログオン状態とその開始時刻;図6参照)を追加記録する(ステップS109)。そして、RMサーバ23は、情報更新応答信号をCMサーバ22に返信する(ステップS110)。
CMサーバ22は、RMサーバ23から情報更新応答信号を受信すると、ログオン要求元のオペレータ端末31に対してログオン動作が完了した旨の通知(ログオン応答信号)を送信する(ステップS111)。このとき、オペレータ端末31は、ログオン動作が完了した旨をオペレータに通知する(ステップS112)。例えば、ブザー音の鳴動によって通知したり、発光素子の所定時間の点灯や点滅によって通知したり、表示部にその旨のメッセージを表示して通知したりする。オペレータ端末31が、他の情報をオペレータに通知する方法としても、上述の通知方法を用いることができる。
図示や詳細な説明は省略するが、オペレータがコールセンタ業務を終了する際には、オペレータ端末31の入力手段に対してログオフ操作を行った場合にも、同様な流れにより、当該MSGサーバ21とオペレータ電話機32との間の音声パスが切断され、RMサーバ23が管理するオペレータの状態が「ログオン状態」から「ログオフ状態」に変更され(図5参照)、オペレータの状態の変更履歴(変更前のログオン状態の終了時刻、変更後のログオフ状態とその開始時刻;図6参照)が追加記録される。
(A−2−2)ワーク状態の変更操作時動作
上述したように、「ワーク状態」、「モニタリング状態」及び「休憩状態」の開始(設定)若しくは終了(解除)は、オペレータがオペレータ端末31に対する該当する操作を行うことでなされる。これら「ワーク状態」、「モニタリング状態」及び「休憩状態」に係る設定動作及び解除動作は同様であるので、以下では、一例として、「ワーク状態」に係る設定動作及び解除動作を説明する。なお、「モニタリング状態」において他のオペレータの対応をモニタリングする動作は、既存の動作と同様であるので、その説明は省略する。
図8は、オペレータがワーク状態の設定操作や解除操作を行ったときの各部の動作を示すシーケンス図である。
オペレータがワーク(直前の顧客対応内容の記述)を開始する際には、オペレータ端末31の入力手段に対して、ワーク状態の設定操作を行う(ステップS201)。このとき、オペレータ端末31は、ワーク状態の設定操作がなされたことを通知すべく、ワーク設定信号をコールセンタサーバシステム20のCMサーバ22に送信する(ステップS202)。
CMサーバ22は、オペレータ端末31からワーク設定信号を受信すると、オペレータの状態を「ワーク状態」に設定させる情報更新信号をRMサーバ23に送信する(ステップS203)。RMサーバ23は、この情報更新信号を受信すると、当該RMサーバ23内で管理するオペレータの状態を「ワーク状態」に設定すると共に(図5参照)、オペレータ状態の変更履歴(変更前ログオン状態の終了時刻、変更後のワーク状態とその開始時刻;図6参照)を追加記録する(ステップS204)。そして、RMサーバ23は、情報更新応答信号をCMサーバ22に返信する(ステップS205)。
CMサーバ22は、RMサーバ23から情報更新応答信号を受信すると、ワーク設定要求元のオペレータ端末31に対してワーク設定が完了した旨の通知(ワーク設定応答信号)を送信する(ステップS206)。このとき、オペレータ端末31は、ワーク設定が完了した旨をオペレータに通知する(ステップS207)。
ワーク状態への設定がなされると、オペレータは、直前に行った顧客対応の内容を紙ファイル若しくは電子ファイルに記述する。このようなワークが終了すると、オペレータは、オペレータ端末31の入力手段に対してワーク状態の解除操作を行う(ステップS211)。このとき、オペレータ端末31は、ワーク状態の解除操作がなされたことを通知すべく、ワーク解除信号をコールセンタサーバシステム20のCMサーバ22に送信する(ステップS212)。
CMサーバ22は、オペレータ端末31からワーク解除信号を受信すると、「ワーク状態」に解除させる情報更新信号をRMサーバ23に送信する(ステップS213)。RMサーバ23は、この情報更新信号を受信すると、当該RMサーバ23内で管理するオペレータの「ワーク状態」を解除すると共に(図5参照)、オペレータ状態の変更履歴(変更前のワーク状態の終了時刻、変更後のログオン状態とその開始時刻;図6参照)を追加記録する(ステップS214)。そして、RMサーバ23は、情報更新応答信号をCMサーバ22に返信する(ステップS215)。
CMサーバ22は、RMサーバ23から情報更新応答信号を受信すると、ワーク解除要求元のオペレータ端末31に対してワーク解除が完了した旨の通知(ワーク解除応答信号)を送信する(ステップS216)。このとき、オペレータ端末31は、ワーク解除が完了した旨をオペレータに通知する(ステップS217)。
(A−2−3)顧客電話機からの着信時動作(IVR終了まで)
以下、顧客電話機11の発信をコールセンタサーバシステム20が着信した際の動作を説明する。この着信時動作を、IVR終了までの動作、オペレータシステムと接続する直前までの動作、顧客とオペレータとの通話を開始するまでの動作、顧客とオペレータとの通話を終了するまでの動作に分けて説明する。
図9は、顧客電話機11からの着信時の各部動作を示すシーケンス図であり、IVR処理が終了するまでの各部動作を示している。
顧客がコールセンタによるサービス提供を求めて、顧客電話機11に対して発信操作を行うと、顧客電話機11(外線)からの発信信号がゲートウェイ26を経由してLMサーバ24に到達する(ステップS301)。
このとき、LMサーバ24はCMサーバ22へ着信を通知する(ステップS302)。CMサーバ22は、LMサーバ24から着信信号を受信すると、着信信号をMSGサーバ21に送信する(ステップS303)。MSGサーバ21は、CMサーバ22から着信信号を受信すると、着信応答信号をCMサーバ22に返信し(ステップS304)、CMサーバ22は、着信応答信号をLMサーバ24に返信する(ステップS305)。LMサーバ24は、CMサーバ22から着信応答信号を受信すると、発信応答信号を顧客電話機11に送信する(ステップS306)。
顧客電話機11とコールセンタサーバシステム20との間の通話路は、上記処理により確立する(ステップS307)。詳細に言えば、顧客電話機11とMSGサーバ21との間において音声パスが確立する。
MSGサーバ21は、上述した着信により、IVRジョブの起動情報をMSG処理部21bに与え(ステップS308)、MSG処理部21bは、現在の状況(着信)を通知してIVR処理部21cを起動する(ステップS309)。IVR処理部21cは、現在の状況(着信)に応じた選択肢情報を含む音声ガイダンスを再生することをMSG処理部21bに指示する(ステップS310)。着信時に送信する音声ガイダンスは、例えば、着番号によって定まる。
この指示に応じてMSGサーバ21が再生した選択肢情報を含む音声ガイダンスは、顧客電話機11に与えられる(ステップS311)。その音声ガイダンスを聴取した顧客は、該当する選択肢に対応したテンキーを操作し(ステップS312)、そのテンキーに応じた選択情報(PB信号)が、MSGサーバ21に与えられる(ステップS313)。
図9は、顧客に選択肢を選択させる音声ガイダンスを1回だけ顧客電話機11に送信する場合を示しているが、選択された選択肢に応じて次の段階の選択肢を選択させる音声ガイダンスを送信し、このような新たな段階の音声ガイダンスの送信を複数回実行するものであっても良い。
最終段階の音声ガイダンスに対する選択情報を受信したMSGサーバ21は、その選択情報を受信した際に用意されている音声ガイダンスを顧客電話機11に与えると共に(ステップS314)、最終段階の選択がなされたことをIVR処理部21cに通知する(ステップS315)。このとき、IVR処理部21cは、MSG処理部21bからの音声ガイダンスの送信処理を終了させ(ステップS316)、このとき、MSG処理部21bは、CMサーバ22(の呼制御処理部22b)に対してIVR処理の終了を通知する(ステップS317)。この終了通知には、顧客によって選択された情報(例えば、新製品紹介、クレーム対応など)に関わるオペレータに接続することを通知する情報が含まれていても良い。
(A−2−4)顧客電話機からの着信時動作(オペレータシステムへ接続する直前まで)
コールセンタサーバシステム20では、IVR動作が終了したときには引き続きACD動作が実行される。第1の実施形態の場合、ACD動作の中に、オペレータと接続するまでの待ち時間の予測動作や、予測待ち時間の顧客への通知動作(なお、通知動作は実行されないこともある)などが含まれる。
図10は、顧客電話機11からの着信時の各部動作を示すシーケンス図であり、IVR処理が終了した以降、顧客電話機11をオペレータシステム30へ接続する直前までの各部動作を示している。
CMサーバ22の呼制御処理部22bは、IVR処理の終了が通知されると、ACD処理部22cに対してACD処理を起動する(ステップS401)。
ACD処理部22cは、このACD起動により、まず最初に、IVR処理(ステップS313における選択情報)により対応することに決まったオペレータグループに属するオペレータの状態の情報を取得すべく、RMサーバ23に情報要求信号を送信し(ステップS402)、これに応じて、RMサーバ23は、要求された情報を返信する(ステップS403)。情報要求信号で要求するオペレータ状態の情報には、顧客の待ち時間を予測する際に適用する情報も含まれる。
ACD処理部22cは、返信された情報を利用して待ち時間の予測動作を行い(ステップS404)、予測待ち時間を呼制御処理部22bに通知する(ステップS405)。待ち時間の予測動作の詳細については後で詳細に説明する。なお、対応することに決まったオペレータグループに属するオペレータの中に、直ちに割り当てることができる空き状態のオペレータがいる場合は、予測待ち時間を0秒とする。図5のフィールドF12が「ログオン状態」でフィールドF13が空欄のオペレータは、空き状態のオペレータと判断される。
予測待ち時間が通知された呼制御処理部22bは、通知された予測待ち時間に基づいて、予測待ち時間を顧客(顧客電話機11)に通知する必要性があるか否かや、適用オペレータグループの増大の必要性があるか否かを判別する(ステップS406)。
呼制御処理部22bは、通知された予測待ち時間が第1の閾値(例えば15秒)以上の場合には顧客に通知すると判断し、通知された予測待ち時間が第1の閾値より短い場合には顧客に通知しないと判断する。また、呼制御処理部22bは、通知された予測待ち時間が第2の閾値(例えば100秒)以上の場合には対応するオペレータを決定するオペレータグループを1つから2つへ増大させると判断し、通知された予測待ち時間が第2の閾値より短い場合には対応するオペレータを決定するオペレータグループを1つのままとする。
IVR処理(ステップS313における選択情報)により新商品紹介を顧客が求めていると認識したとき、呼制御処理部22bは、新商品紹介を行うオペレータグループと予め定められているオペレータグループから対応するオペレータを選択(決定)する。さらに、呼制御処理部22bは、通知された予測待ち時間が第2の閾値より短い場合と長い場合において、次のように処理する。
通知された予測待ち時間が第2の閾値より短い場合、呼制御処理部22bは、新商品紹介を行うオペレータグループから対応するオペレータを選択(決定)する。
通知された予測待ち時間が第2の閾値以上の場合、呼制御処理部22bは、実際の待ち時間を短くするために、2つのオペレータグループから対応するオペレータを選択(決定)する。
さらに、呼制御処理部22bにおいて、予測待ち時間の長短に拘わらず常に選択されるオペレータグループも、予測待ち時間が長い場合にだけ選択されるオペレータグループも予め定められており、その情報がCMサーバ22若しくはRMサーバ23に予め格納されている。なお、予測待ち時間が一段と長い場合には、呼制御処理部22bにおいて、3以上のオペレータグループから対応するオペレータを選択(決定)することとしても良い。
第1の実施形態では、2つのオペレータグループから対応するオペレータを選択(決定)することとした場合でも待ち時間の予測をし直すことを実行しない。但し、2つのオペレータグループから対応するオペレータを選択(決定)することとした場合に、2つのオペレータグループに属するオペレータの状態に基づいて待ち時間の予測をし直すようにしても良く、第1の実施形態の変形実施形態となる。
図10のステップS407〜S409は、予測待ち時間を顧客に通知する場合の流れを示している。予測待ち時間を顧客に通知しない場合には、図示は省略しているが、今回の着信に対応するオペレータの具体的な選択動作に移行する。オペレータの具体的な選択方法としては、既存の方法を適用することができる。
予測待ち時間を顧客に通知する必要性があると判断した呼制御処理部22bは、予測待ち時間のガイダンス再生の起動信号(予測待ち時間を含む)をMSG処理部21bへ送信する(ステップS407)。MSG処理部21bは、予め定まっているテンプレートのガイダンスに起動信号に含まれている予測待ち時間を挿入してガイダンスを完成させ、そのガイダンスを再生して顧客電話機11に送信する(ステップS408)。ガイダンスの再生が終了すると、MSG処理部21bは、その旨を呼制御処理部22bに通知する(ステップS409)。
顧客への予測待ち時間を通知するガイダンスとしては、以下のような例を挙げることができる。待ち時間そのものを通知する「オペレータの接続まで90秒程度お待ち下さい」(秒単位)、「オペレータの接続2分程度お待ち下さい」(分単位)を挙げることができる。秒単位や分単位の時間を含める場合、算出された待ち時間に小数点以下の部分があれば切り上げにより整数化してガイダンスに挿入するようにしても良い。また、待ち時間の長さを相対的に伝える「大変込み合っております」、「しばらくお待ち下さい」、「お繋ぎしますので少々お待ち下さい」などを挙げることができる。待ち時間の長さを相対的に伝える方法の場合、予測された待ち時間を複数の閾値と比較することにより、どの時間範囲に入るかを検出して、再生するガイダンスを定めるようにすれば良い。
呼制御処理部22bは、予測待ち時間を通知するガイダンスの再生が終了すると、今回の着信に対応するオペレータ選択の起動信号をACD処理部22cへ送信する(ステップS410)。ACD処理部22cは、呼制御処理部22bからオペレータ選択の起動信号を受信すると、該当するオペレータグループ(上述のように2つのオペレータグループが該当することもあり得る)の中から、今回の着信に対応するオペレータを選択する(ステップS411)。ACD処理部22cは、今回の着信に対応するオペレータの選択が終了すると、選択されたオペレータの情報を有する終了信号を呼制御処理部22bに送信する(ステップS412)。
ここで、このオペレータの選択は、ガイダンスの再生が終了すると直ちに行っても良く、また、ガイダンスの再生の終了時点などから所定時間の経過を待って行うようにしても良い。後者の例としては、実際の待ち時間が予測待ち時間の所定割合(例えば3/4)の時間になるまでは、該当するオペレータグループのオペレータの中で、手空き状態に変化するオペレータを待ち受け、そのようなオペレータが生じたときにはそのオペレータを対応するオペレータに決定し、手空き状態のオペレータが生じることなく所定割合の時間になったときに今回の着信に対応するオペレータを選択するようにしても良い(例えば、通話状態になってからの経過時間に基づいたり、通話状態におけるフェーズに基づいたりして決定する)。
このように、ガイダンスの再生が終了すると直ちにオペレータ選択を行う場合、呼制御処理部22bのステップS410の処理(今回の着信に対応するオペレータ選択の起動信号の送信処理)は、ガイダンスの再生が終了すると直ちに行うこととなる。また、ガイダンスの再生の終了時点などから所定時間の経過を待ってオペレータ選択を行う場合、呼制御処理部22bのステップS410の処理は、ガイダンスの再生の終了時点などから所定時間の経過を待って行うこととなる。
なお、該当するオペレータグループのオペレータの中で手空き状態に変化した最初のオペレータを対応するオペレータに決定するようにしても良い。なお、手空きでないオペレータを、予め対応するオペレータに定めることを実行しないようにしても良い。
呼制御処理部22bは、ACD処理部22cから受信したオペレータの情報に基づいて、今回の着信に対応することに決定したオペレータの状態を定期的(例えば、0.5秒毎)に取得してオペレータが手空き状態に変化したかを確認し(ステップS413〜S415)、そのオペレータが手空き状態に変化すると、そのオペレータに係るオペレータシステム30におけるオペレータ端末31へ接続要求信号を送信する(ステップS416)。
(A−2−5)1時間当たりの着信対応回数(平均値)の更新
待ち時間の予測方法の説明に先立ち、1時間当たりの着信対応回数(平均値)の更新方法を説明する。
1時間当たりの着信対応回数(平均値)の更新を行う間隔は任意であって良い。例えば、着信呼の処理が終了する毎に1時間当たりの着信対応回数を更新するようにしても良く、1営業日毎に1時間当たりの着信対応回数を更新するようにしても良く、1週間毎に1時間当たりの着信対応回数を更新するようにしても良く、1月毎に1時間当たりの着信対応回数を更新するようにしても良い。
以下では、1営業日毎に1時間当たりの着信対応回数(平均値)を更新するとして更新方法を説明する。RMサーバ23は、オペレータがタイムカード装置に退社操作を行い、そのことを図示しない従業員勤務時間管理システムから通知されたときに、そのオペレータに対する1時間当たりの着信対応回数(平均値)の更新動作を行う。1時間当たりの着信対応回数(平均値)の更新方法は、後述する要素時間でなる稼働時間を利用する方法であれば良く、具体的な方法は限定されるものではない。以下に記載した更新方法は、一例の更新方法である。
図11は、1時間当たりの着信対応回数(平均値)の更新動作の一例を示すフローチャートである。
RMサーバ23は、図6に示した記憶情報から、更新対象のオペレータの当日(業務を終えた日)における総稼働時間を取得すると共に(ステップS501)、その日の着信対応回数を取得する(ステップS502)。ここで、総稼働時間には、上述したように、「ウィスパリング状態」、「通話状態」及び「ワーク状態」をとっている時間を含み、「モニタリング状態」及び「休憩状態」をとっている時間を含まない。着信対応を待たせる状況下では、オペレータが「モニタリング状態」や「休憩状態」をとることが稀で、次々と着信対応を行うと推測できるため、待ち時間の予測に適用する稼働時間に「モニタリング状態」及び「休憩状態」をとっている時間を含めないこととした。なお、「モニタリング状態」若しくは「休憩状態」をとっている時間を稼働時間に含めるようにしても良い。
RMサーバ23は、取得した総稼働時間(単位は「時間」である)及びその日の着信対応回数に基づいて、(1)式に従って、当日における1時間当たりの着信対応回数(サンプル値)を算出する(ステップS503)。その後、当日における1時間当たりの着信対応回数(サンプル値)を適用して、複数のサンプル値を反映させた1時間当たりの着信対応回数(平均値)を算出する(ステップS504)。そして、RM記憶部23cにおけるそのオペレータについての1時間当たりの着信対応回数(平均値)(図5参照)を算出された値に更新する(ステップS505)。
1時間当たりの着信対応回数(サンプル値)
=(その日の着信対応回数)/(総稼働時間) …(1)
例えば、平均に供するサンプル数が固定の場合(ここではNとする)には、当日における1時間当たりの着信対応回数(サンプル値)と、更新前の1時間当たりの着信対応回数(平均値)とから、(2)式に従って、1時間当たりの着信対応回数(平均値)の更新値を求めることができる。
1時間当たりの着信対応回数(平均値)
={(更新前の1時間当たりの着信対応回数(平均値))×(N−1)
+(当日における1時間当たりの着信対応回数(サンプル値))}÷N
…(2)
図示は省略するが、1時間当たりの着信対応回数(平均値)の更新方法の他の例として、以下の方法を挙げることができる。
RMサーバ23は、図6に示した記憶情報から、更新対象のオペレータの当日(業務を終えた日)を含めた直近の所定日数における総稼働時間を取得すると共に、その期間の着信対応回数を取得し、取得した着信対応回数を取得した着信対応回数で割ることにより1時間当たりの着信対応回数(平均値)の更新値を得る。
以上では、1時間当たりの着信対応回数(平均値)を得る場合を示したが、予測待ち時間の通知を考慮し、この段階で、1時間当たりの着信対応回数(平均値)に加え、若しくは、1時間当たりの着信対応回数(平均値)に代え、1秒間当たりの着信対応回数(平均値)を得るようにしても良い。1秒間当たりの着信対応回数(平均値)は、(3)式に従って算出することができる。
1秒間当たりの着信対応回数(平均値)
=1時間当たりの着信対応回数(平均値)÷3600 …(3)
なお、顧客に予測待ち時間そのものを通知する場合であって、通知する予測待ち時間の単位が「分」である場合には、1秒間当たりの着信対応回数(平均値)ではなく、1分間当たりの着信対応回数(平均値)を算出することとなる。
また、以上では、1時間当たりの着信対応回数(平均値)などを演算で得る場合を示したが、システム管理者などが、保守端末等の入力手段を用いて手入力でRM記憶部23cに書き込むようにしても良い。
(A−2−6)着信対応の待ち時間の予測
次に、1時間当たりの着信対応回数(平均値)を適用しながら、着信対応までの待ち時間を予測する方法を説明する。
図12は、着信対応までの待ち時間の予測動作の一例を示すフローチャートである。
RMサーバ23は、図6に示した記憶情報に基づき、対応することに決定されたオペレータグループに属するオペレータの中でログオン中のオペレータを全員認識して、認識したオペレータのそれぞれの1時間当たりの着信対応回数(平均値)を取得した後(ステップS601)、それらを1秒間当たりの着信対応回数(平均値)に変換する(ステップS602)。また、RMサーバ23は、その時点で、対応することに決定されたオペレータグループについての待ち呼の数を取得する(ステップS603)。なお、この待ち呼の数には今回の着信呼は含まれない。
そして、RMサーバ23は、(4)式に従って待ち時間を算出(予測)する(ステップS604)。
待ち時間=待ち呼の数÷(ログオン中のオペレータ全員の1秒間当たりの着信対応回数(平均値)の総和値) …(4)
例えば、待ち呼の数が5であり、対応することに決定されたオペレータグループに属するオペレータの中でログオン中のオペレータが、オペレータIDが「OPAAA」、「OPBBB」、「OPCCC」である3人であり、この3人のオペレータの1時間当たりの着信対応回数(平均値)がそれぞれ、46回、72回、62回であれば、待ち時間として、(5)式に示すように100秒が算出される。
待ち時間=5÷(46/3600+72/3600+62/3600)
=100 …(5)
待ち時間の予測に待ち呼の数は、着信の優先度やオペレータの指定などを考慮しないものであっても良く、考慮するものであっても良い。後者の場合であれば、優先度が高い待ち呼やオペレータ指定の待ち呼のカウントでは1ではなく、1.5など他の値を用いるようにしても良い。また例えば、オペレータ指定の待ち呼があればそのオペレータはログオンしていないとして取り扱って待ち時間を算出するようにしても良い。
(A−2−7)顧客電話機からの着信時動作(顧客及びオペレータの通話開始まで)
次に、今回の着信に対応するオペレータが空き状態になった以降の動作を説明する。すなわち、呼制御処理部22bが、オペレータシステム30におけるオペレータ端末31へ接続要求信号を送信した以降の動作を説明する(図10のステップS414参照)。
図13は、呼制御処理部22bがオペレータシステム30におけるオペレータ端末31へ接続要求信号を送信した以降、オペレータと顧客とで通話が可能となるまでの各部動作を示すシーケンス図である。
オペレータシステム30のオペレータ端末31が呼制御処理部22bからの接続要求信号を受信するとオペレータに向けて通知し、これにより、オペレータは自己が対応する待ち呼の存在を認識する。そして、オペレータが、顧客端末機11と接続して通話処理業務を開始する際には、オペレータ端末31の入力手段に対して接続要求応答についての操作を行う(ステップS701)。このとき、オペレータ端末31は、接続要求応答について操作されたことを通知すべく、接続要求応答信号をコールセンタサーバシステム20のCMサーバ22に送信する(ステップS702)。
CMサーバ22は、オペレータ端末31から接続要求応答信号を受信すると、そのオペレータシステム30のオペレータの状態を「ウィスパリング状態」に設定させる情報更新信号をRMサーバ23に送信する(ステップS703)。RMサーバ23は、この情報更新信号を受信すると、当該RMサーバ23内で管理するオペレータの状態を「ウィスパリング状態」に設定すると共に(図5参照)、オペレータ状態の変更履歴(変更前ログオン状態の終了時刻、変更後のウィスパリング状態とその開始時刻;図6参照)を追加記録する(ステップS704)。そして、RMサーバ23は、情報更新応答信号をCMサーバ22に返信する(ステップS705)。
CMサーバ22の呼制御処理部22bは、RMサーバ23から情報更新応答信号を受信すると、ウィスパリングを起動することを指示する旨のウィスパリング起動信号をMSGサーバ21のメッセージング処理部21bに送信する(ステップS706)。メッセージング処理部21bは、ウィスパリング起動信号を受信すると、ウィスパリング情報を選択依頼する旨のウィスパリング情報の選択依頼信号をウィスパリング処理部21dに送信する(ステップS707)。ウィスパリング処理部21dは、ウィスパリング情報の選択依頼信号を受信すると、オペレータ電話機32に送信するために選択されたウィスパリング情報を有するウィスパリング情報信号をメッセージング処理部21bに返信する(ステップS708)。メッセージング処理部21bは、ウィスパリング情報信号を受信すると、ウィスパリング情報信号におけるウィスパリング情報をオペレータ電話機32に送信する(ステップS709)。
ここで、ステップS706〜ステップS709の処理は、予めMSGサーバ21とオペレータ電話機32との間において、音声パスを確立する場合(図7のステップS103〜ステップS108の処理が実行された場合)の処理である。予めMSGサーバ21とオペレータ電話機32との間において、音声パスを確立しない場合、メッセージング処理部21bは、ステップS706〜ステップS707の処理の間で、次の処理を実行する。追加された処理についてのシーケンス図は省略するが、以下では、追加された処理のステップについて参照符号を対応付けて記述している。
メッセージング処理部21bは、RMサーバ23から情報更新応答信号を受信すると、オペレータ電話機32に発信信号を送信する(ステップS706−1)。メッセージング処理部21bからの発信信号を受け取ったオペレータ電話機32は、発信応答信号をメッセージング処理部21bに対して自動的に返信する(ステップ706−2)。発信応答信号を受け取ったメッセージング処理部21bは、オペレータ電話機32から発信応答信号を受信すると、ウィスパリングを起動することを指示する旨のウィスパリング起動信号をMSGサーバ21のメッセージング処理部21bに送信する(ステップS706)。これ以降のステップS707〜ステップS709の処理は、上述した通りである。
メッセージング処理部21bは、ウィスパリング情報のオペレータ電話機32への送信が終了すると、ウィスパリングを終了した旨のウィスパリング終了信号をCMサーバ22に送信する(ステップS710)。
CMサーバ22は、ウィスパリング終了信号を受信すると、そのオペレータシステム30についての「ウィスパリング状態」というオペレータの状態を解除させる情報更新信号をRMサーバ23に送信する(ステップS711)。RMサーバ23は、この情報更新信号を受信すると、当該RMサーバ23内で管理するオペレータの「ウィスパリング状態」を解除すると共に(図5参照)、オペレータ状態の変更履歴(変更前ウィスパリング状態の終了時刻、変更後のログオン状態とその開始時刻;図6参照)を追加記録する(ステップS712)。そして、RMサーバ23は、情報更新応答信号をCMサーバ22に返信する(ステップS713)。
CMサーバ22は、情報更新応答信号を受信すると、その時点で確立されている2つの音声パス、すなわち、顧客電話機11とMSGサーバ21との間の音声パスと、MSGサーバ21とオペレータ電話機32との間の音声パスとを接続させる音声パス接続信号を、MSGサーバ21に送信する(ステップS714)。MSGサーバ21は、音声パス接続信号を受信すると、上述した2つの音声パスを接続させた後、音声パス接続応答信号をCMサーバ22に返信する(ステップS715)。
CMサーバ22は、音声パス接続応答信号を受信すると、そのオペレータシステム30についてのオペレータの状態を「通話状態」に設定させる情報更新信号をRMサーバ23に送信する(ステップS716)。RMサーバ23は、この情報更新信号を受信すると、当該RMサーバ23内で管理するオペレータの状態を「通話状態」に設定すると共に(図5参照)、オペレータ状態の変更履歴(変更前ログオン状態の終了時刻、変更後の通話状態とその開始時刻;図6参照)を追加記録する(ステップS717)。そして、RMサーバ23は、情報更新応答信号をCMサーバ22に返信する(ステップS718)。
上述した音声パスの接続処理により、顧客電話機11及びオペレータ電話機32間の音声パス(通話パス)が確立し(ステップS719)、顧客とオペレータとの通話が可能となる。
(A−2−8)顧客電話機からの着信時動作(顧客のオンフック操作時の動作)
次に、通話していた顧客が顧客電話機11に対してオンフック操作した以降の動作を説明する。
図14は、通話していた顧客が顧客電話機11に対してオンフック操作した以降の各部動作を示すシーケンス図である。
顧客が顧客電話機11に対してオンフック操作したことにより顧客電話機11から送信された切断信号は、LMサーバ24に与えられる(ステップS801)。LMサーバ23は、この切断信号を受信すると、顧客端末機11に関わる切断処理を要求する切断要求信号をCMサーバ22の呼制御処理部22bに送信する(ステップS802)。呼制御処理部22bは、この切断要求信号を受信すると、切断要求信号をオペレータシステム30のオペレータ端末31に転送する(ステップS803)。
オペレータが顧客端末機11との通話路を切断して通話業務を終了する際には、オペレータは、オペレータ端末31の入力手段に対して切断要求応答について操作を行う(ステップS804)。このとき、オペレータ端末31は、切断要求応答の操作がなされたことを通知すべく、切断要求応答信号をコールセンタサーバシステム20のCMサーバ22に送信する(ステップS805)。
CMサーバ22は、切断要求応答信号を受信すると、顧客電話機11とオペレータ電話機32との間で確立している音声パスを、MSGサーバ21とオペレータ電話機32との間の音声パスだけに変更することを要求する旨の接続変更要求信号をMSGサーバ21に送信する(ステップS806)。
この接続変更要求信号を受信したMSGサーバ21は、要求されたように、MSGサーバ21とオペレータ電話機32との間の音声パスだけを残すように音声パスの接続を変更して、接続変更要求応答信号をCMサーバ22に返信する(ステップS807)。
以上のような処理により、顧客電話機11及びオペレータ電話機32間の音声パスは終了し、MSGサーバ21及びオペレータ電話機32間の音声パスだけが確立中の音声パスとして残り(ステップS808)、顧客とオペレータとの間の音声パスは解除される。
CMサーバ22は、MSGサーバ21から接続変更要求応答信号を受信すると、そのオペレータシステム30についての「通話状態」というオペレータの状態を解除させる情報更新信号をRMサーバ23に送信する(ステップS809)。RMサーバ23は、この情報更新信号を受信すると、当該RMサーバ23内で管理するオペレータの「通話状態」を解除すると共に(図5参照)、オペレータ状態の変更履歴(変更前の通話状態の終了時刻、変更後のログオン状態とその開始時刻;図6参照)を追加記録する(ステップS810)。そして、RMサーバ23は、情報更新応答信号をCMサーバ22に返信する(ステップS811)。
CMサーバ22は、情報更新応答信号を受信すると、切断要求元の顧客電話機11に対して切断が完了した旨の通知(切断応答信号)を送信する(ステップS812)。
ここで、ステップS806〜ステップS812の処理は、予めMSGサーバ21とオペレータ電話機32との間において、音声パスを確立する場合(図7のステップS103〜ステップS108の処理が実行された場合)の処理である。予めMSGサーバ21とオペレータ電話機32との間において、音声パスを確立しない場合、メッセージング処理部21bは、ステップS806〜ステップS808の処理の間で、次の処理を実行する。なお、シーケンスの図示は省略するが、以下の説明では、図14の処理ステップと対応する処理ステップには、図14での符号に対応する符号を用いている。
CMサーバ22は、切断要求応答信号を受信すると、顧客電話機11とオペレータ電話機32との間で確立している音声パスについて、接続を終了することを要求する旨の接続終了要求信号をMSGサーバ21に送信する(ステップS806−1)。
この接続終了要求信号を受信したMSGサーバ21は、要求されたように、MSGサーバ21とオペレータ電話機32との間の音声パスを終了して、接続終了要求応答信号をCMサーバ22に返信する(ステップS807−1)。
以上のような処理により、顧客電話機11及びオペレータ電話機32間の音声パスは終了し(ステップS808−1)、顧客とオペレータとの間の音声パスは解除される。
CMサーバ22は、MSGサーバ21から接続終了要求応答信号を受信すると、そのオペレータシステム30についての「通話状態」というオペレータの状態を解除させる情報更新信号をRMサーバ23に送信する(ステップS809)。これ以降のステップS810〜ステップS812の処理は、上述した通りである。
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、オペレータの状態を複数の状態で管理し、そのうち、待ち呼がある状況でもオペレータが取らざる得ない状態の時間に基づいてオペレータの稼働時間を算出して、着信にオペレータが対応するまでの待ち時間を予測するようにしたので、待ち時間の予測精度を従来より向上させることができる。
また、オペレータ毎に異なる単位時間当たりの着信対応回数を考慮して、着信にオペレータが対応するまでの待ち時間を予測するようにしたので、この点でも、待ち時間の予測精度を従来より向上させることができる。
このように精度が向上した予測待ち時間を顧客に通知するようにしたので、通知した予測待ち時間と実際の待ち時間との相違が小さくなって顧客満足度を高めることが期待できる。
また、第1の実施形態によれば、精度が向上した予測待ち時間を閾値と比較し、予測待ち時間がかなり長い場合には、対応するオペレータを決定するためのオペレータグループの数を増やすようにしたので、実際の待ち時間を、予測待ち時間より大幅に短縮できると推測できる。
(B)他の実施形態
上述した第1の実施形態の説明においても、種々変形実施形態に言及したが、さらに、以下に例示するような変形実施形態を挙げることができる。
第1の実施形態では、対応するオペレータを決定するためのオペレータグループの増大を予測待ち時間がある閾値より長い場合に行うものを示したが、実際の待ち時間と予測待ち時間との関係に基づいて、対応するオペレータを決定するためのオペレータグループの増大を行うようにしても良い。例えば、予測待ち時間の値がどのような値であっても、当初のオペレータグループを1つとしておき、実際の待ち時間が予測待ち時間の所定割合(100%であっても良い)を超えても空き状態のオペレータが生じないときに、空き状態のオペレータが生じることを待ち受けるオペレータグループを1又は複数増やすようにしても良い。増やした後、所定時間経過しても、空き状態のオペレータが生じないときに、空き状態のオペレータが生じることを待ち受けるオペレータグループをさらに増やすようにしても良い。
第1の実施形態では、予測待ち時間の利用の仕方が、顧客への通知と、オペレータグループの増大の判断である場合を示したが、これ以外の用途で利用するようにしても良い。例えば、顧客に一旦切断し、予測待ち時間後にセンタ側からかけ直すことを通知するように利用しても良い。また例えば、スーパバイザのオペレータシステムに予測待ち時間を通知するようにしても良い。さらに例えば、予測待ち時間の長短に応じて、オペレータにウィスパリングで通知する項目(顧客名、電話番号、直近の着信時刻、今週での着信回数など)の数などを変更するようにしても良い。
第1の実施形態では、ウィスパリング状態と通話状態とを異なる状態として管理する場合を示したが、ウィスパリング状態と通話状態とを1つの状態として管理するようにしても良い。
第1の実施形態では、オペレータ毎に単位時間当たりの着信対応回数(平均値)を管理して待ち時間の予測に用いるものを示したが、オペレータグループ毎にオペレータ1人当たりで単位時間当たりの着信対応回数(平均値)を管理して待ち時間の予測に用いるようにしても良い。
第1の実施形態では、コールセンタサーバシステムに本発明を適用した場合を示したが、他の呼処理装置に、本発明を適用するようにしても良い。例えば、特許文献1に記載のようなPBX装置に対して、本発明を適用することができる。