JP2016098874A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高地での変速ショックの発生を抑制できる、自動変速機の変速制御装置を提供する。
【解決手段】エンジントルクが推定され、その推定されるエンジントルクを用いて、クラッチC3に供給される係合初期圧が制御される。また、クラッチC3の係合初期圧が実際のエンジントルクに適した値となり、変速指令の発生からタービン回転数が3速段の回転数に低下するまでの時間が目標時間となるように、クラッチC3の係合初期圧の学習が行われる。そのため、クラッチC3の係合初期圧の学習が進んだ段階では、たとえ推定されるエンジントルクと実際のエンジントルクとが乖離していても、クラッチC3の係合時の変速ショックの発生が抑制される。そして、クラッチC3の係合初期圧の学習における学習幅は、大気圧に応じて可変に設定される。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動変速機の変速制御装置に関する。
車両に搭載される自動変速機では、クラッチやブレーキなどの複数の摩擦係合要素が選択的に係合および解放されることにより、変速歯車機構における動力伝達経路が切り換えられて、車両の走行状態などに応じた変速段に自動的に変速される。
摩擦係合要素の伝達トルク容量は、摩擦係合要素に供給される油圧に依存する。そのため、自動変速機の変速制御では、変速ショックの発生を防止するため、摩擦係合要素に供給される油圧の制御が重要である。油圧の制御には、エンジンの出力トルク(エンジントルク)が用いられる。エンジントルクは、たとえば、エンジンの吸入空気量およびエンジン回転数に基づいて、予め作成されたマップに従って推定される。
特開昭61−257332号公報
標高が高くなるにつれて、大気圧が低下し、酸素密度が低下する。そのため、高地では、平地と比較して、エンジンの吸入空気量が同じであっても、エンジンに吸入される酸素量が少なく、エンジントルクが低下する。
ところが、エンジントルクがマップに従って推定されるため、高地では、実際のエンジントルクよりも高いエンジントルクを用いて、摩擦係合要素に供給される油圧の制御が行われる。推定されるエンジントルクと実際のエンジントルクとの乖離が大きくなると、摩擦係合要素に供給される油圧と実際のエンジントルクに適した油圧とのずれが大きくなり、変速ショックが発生する。
自動変速機の変速制御では、通常、摩擦係合要素に供給される油圧の学習が行われる。たとえば、低速段から高速段への変速の際に、変速の指令から自動変速機の入力軸の回転数(トルクコンバータのタービンランナの回転数)が高速段の回転数に低下するまでの時間が計測され、その計測された時間が目標時間に近づくように、摩擦係合要素への供給油圧の学習が行われる。
この学習が進むと、高地における変速ショックの発生が抑制される。しかしながら、学習の機会が少ない場合、学習の進みが遅く、変速ショックの発生する期間が長く続いてしまう。
本発明の目的は、高地での変速ショックの発生を抑制できる、自動変速機の変速制御装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る自動変速機の変速制御装置は、油圧により摩擦係合要素が係合/解放され、当該摩擦係合要素の係合/解放により変速を行う自動変速機の変速制御装置であって、大気圧を取得する大気圧取得手段と、自動変速機が搭載される車両のエンジンから出力されるエンジントルクを推定するトルク推定手段と、トルク推定手段により推定されるエンジントルクを用いて、実際のエンジントルクに適した油圧が摩擦係合要素に供給されるように、当該油圧を学習制御する学習制御手段と、大気圧取得手段により取得される大気圧に応じて、学習制御手段による学習における学習幅を設定する学習幅設定手段とを含む。
この構成によれば、エンジントルクが推定され、その推定されるエンジントルクを用いて、摩擦係合要素に供給される供給油圧が制御される。また、供給油圧が実際のエンジントルクに適した値となるように、供給油圧の学習が行われる。そのため、供給油圧の学習が進んだ段階では、推定されるエンジントルクと実際のエンジントルクとが乖離していても、摩擦係合要素の係合/解放時の変速ショックの発生が抑制される。
供給油圧の学習における学習幅は、大気圧に応じて可変に設定される。
たとえば、高地での供給油圧の学習が進んでおらず、かつ、高地での気圧が低いことにより、供給油圧と実際のエンジントルクに適した油圧とが大きく乖離する場合には、学習幅が相対的に大きい幅に設定される。これにより、供給油圧を実際のエンジントルクに適した値に早く近づけることができ、高地での変速ショックの発生を抑制することができる。
一方、高地での供給油圧の学習が進んでいなくても、供給油圧と実際のエンジントルクに適した油圧とが大きく乖離しない場合には、変速ショックの発生頻度が小さいので、学習を早く進める必要性が低い。この場合、学習幅が相対的に小さい幅に設定される。これにより、供給油圧の誤学習を抑制することができる。
エンジントルクは、たとえば、予め作成されたマップに従って、エンジンの吸入空気量(または吸気管圧力)およびエンジン回転数から推定されてもよい。
エンジンを制御するエンジン制御手段がエンジントルクを大気圧に応じて補正する機能を有している場合、大気圧が低い高地においても、マップから推定されるエンジントルクと実際のエンジントルクとの乖離が小さく、変速ショックが発生しにくい。そのため、大気圧が低いほど、学習幅が小さく設定されることが好ましい。これにより、供給油圧の誤学習を抑制することができる。
一方、エンジン制御手段がエンジンの出力トルクを大気圧に応じて補正する機能を有していない場合、大気圧が低い高地では、マップから推定されるエンジントルクと実際のエンジントルクとの乖離が大きくなり、変速ショックが発生しやすい。そのため、大気圧が低いほど、学習幅が大きく設定されることが好ましい。これにより、学習を早く進行させることができ、変速ショックの発生を抑制することができる。
大気圧取得手段は、大気圧を検出する大気圧センサを含み、大気圧センサの出力信号から大気圧を取得する手段であってもよい。
また、大気圧を検出するセンサがエンジン制御手段に接続されている場合、大気圧取得手段は、エンジン制御手段との通信により大気圧を取得する手段であってもよい。
本発明によれば、高地での変速ショックの発生を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る変速制御装置が搭載された車両の要部の構成を示す図である。 自動変速機の構成を示すスケルトン図である。 自動変速機に設けられているクラッチ、ブレーキおよびワンウェイクラッチの作動表である。 変速制御によるアップシフト時のタービン回転数、エンジントルクおよび係合油圧の各時間変化の一例を示すタイミングチャートである。 エンジントルクが大気圧に応じて補正される場合の学習処理を示すフローチャートである。 エンジントルクが大気圧に応じて補正されない場合の学習処理を示すフローチャートである。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<車両の要部構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る変速制御装置が搭載された車両の要部の構成を示す図である。
車両1は、エンジン2を駆動源とする自動車である。
エンジン2の出力は、トルクコンバータ3および自動変速機(AT:Automatic Transmission)4を介して、車両1の駆動輪(たとえば、左右の前輪)に伝達される。エンジン2には、エンジン2の燃焼室への吸気量を調整するためのスロットルバルブおよび燃焼室内に電気放電を生じさせる点火プラグなどが設けられている。また、エンジン2には、その始動のためのスタータが付随して設けられている。
車両1には、CPU、ROMおよびRAMなどを含む構成の複数のECU(電子制御ユニット)が備えられている。ECUには、エンジンECU11およびATECU12が含まれる。エンジンECU11およびATECU12は、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルにより、相互に通信可能である。
エンジンECU11には、スロットルバルブの開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ13、エンジン2の回転数を検出するエンジン回転数センサ14および大気圧を検出する大気圧センサ15を含む各種センサが接続されている。エンジンECU11は、各種センサから入力される検出信号および他のECUから入力される種々の情報に基づいて、エンジン2の始動、停止および出力調整のため、エンジン2に設けられたスロットルバルブや点火プラグなどを制御する。
ATECU12には、自動変速機4の入力回転数(トルクコンバータ3の出力回転数)であるタービン回転数を検出するタービン回転数センサ16、自動変速機4の出力回転数(出力軸24の回転数)を検出する出力回転数センサ17およびシフトポジションを検出するシフトポジションセンサ18を含む各種センサが接続されている。ATECU12は、車両の走行状態(変速段、スロットル開度、車速、タービン回転数、シフトポジションなど)に応じた目標変速段を設定し、自動変速機4の変速段を目標変速段に変更するための変速制御を実行する。
<自動変速機の構成>
図2は、自動変速機4の構成を示すスケルトン図である。
自動変速機4は、前進4段/後進1段の変速段を有する4速ATである。自動変速機4は、トルクコンバータ3を介してエンジン動力が伝達される入力軸21、3個のクラッチC1〜C3、2個のブレーキB1,B2、ワンウェイクラッチF、ラビニヨ型の遊星歯車機構22、出力ギヤ23、出力軸24および差動装置(デファレンシャルギヤ)25を備えている。
遊星歯車機構22には、フォワードサンギヤ31、リヤサンギヤ32、キャリア33、ピニオンギヤ34,35およびリングギヤ36が含まれる。
フォワードサンギヤ31は、クラッチC1を介して、入力軸21と連結される。また、フォワードサンギヤ31は、ブレーキB1を介して、トランスミッションケース26と連結される。
リヤサンギヤ32は、クラッチC2を介して、入力軸21と連結される。
キャリア33は、中間軸27およびクラッチC3を介して、入力軸21と連結される。また、キャリア33は、ブレーキB2およびワンウェイクラッチFを介して、トランスミッションケース26に連結される。ワンウェイクラッチFは、キャリア33の正転(エンジンの出力軸と同方向の回転)のみを許容する。
キャリア33は、ピニオンギヤ34,35を支持している。ピニオンギヤ34,35は、軸長が互いに異なる。ピニオンギヤ(ロングピニオンギヤ)34は、ピニオンギヤ(ショートピニオンギヤ)35の軸長よりも長い軸長を有している。ピニオンギヤ34には、フォワードサンギヤ31が噛合している。ピニオンギヤ35には、リヤサンギヤ32およびピニオンギヤ34が噛合している。
リングギヤ36は、ピニオンギヤ34と噛合している。また、リングギヤ36は、出力ギヤ23に結合されている。
出力ギヤ23の回転は、出力軸24を介して、差動装置25に入力されるようになっている。
図3は、クラッチC1〜C3、ブレーキB1,B2およびワンウェイクラッチFの作動表である。
図3において、「○」は、摩擦係合要素であるクラッチC1〜C3およびブレーキB1,B2に油圧が作用している状態であることを示し、ワンウェイクラッチFがキャリア33の逆転を阻止している状態であることを示す。
<変速制御>
図4は、変速制御によるアップシフト時のタービン回転数、エンジントルクおよび係合油圧の各時間変化の一例を示すタイミングチャートである。
たとえば、2速段から3速段に変速(アップシフト)するためには、図3から理解されるように、ブレーキB1を解放し、クラッチC3を係合させる必要がある。この場合、ブレーキB1が解放側係合要素であり、クラッチC3が係合側係合要素である。
2速段から3速段への変速の指令が発生すると(時刻T1)、ブレーキB1に供給される油圧(解放油圧)およびクラッチC3に供給される油圧(係合油圧)の制御が開始される。
解放油圧および係合油圧の制御には、エンジン2の出力トルク(エンジントルク)が用いられる。エンジントルクは、ATECU12により、エンジン2の吸入空気量およびエンジン回転数に基づいて、予め作成されたマップに従って推定される。具体的には、エンジン2の吸入空気量は、エンジンECU11により、スロットル開度センサ13により検出されるスロットル開度に基づいて求められ、エンジンECU11からATECU12に送信される。また、エンジン回転数は、エンジン回転数センサ14により検出され、エンジンECU11からATECU12に送信される。ATECU12のROMには、吸入空気量およびエンジン回転数とエンジントルクの関係を定めたマップが格納されており、ATECU12は、そのマップを参照して、エンジンECU11から受信する吸入空気量およびエンジン回転数に応じたエンジントルクを推定する。
変速指令に応答して、ブレーキB1の解放油圧が解放初期圧に下げられる。解放初期圧は、ブレーキB1が滑りを生じない程度の油圧であり、エンジントルクに応じた大きさに設定される。また、変速指令の出力に応答して、クラッチC3のピストンの無効ストロークを解消する(がた詰め)のために、クラッチC3の係合油圧が上げられる。
変速指令の出力から所定時間が経過した後、クラッチC3の係合油圧が係合初期圧に上げられる。係合初期圧は、クラッチC3が係合を開始する油圧であり、エンジントルクに応じた大きさに設定される。
その後、ブレーキB1の解放油圧が解放初期圧から緩やかに下げられる。また、エンジントルクに応じた勾配が設定され、クラッチC3の係合油圧が係合初期圧からその設定された勾配で上げられる(時刻T2)。これにより、タービン回転数が低下し始める。タービン回転数が低下し始めると、ブレーキB1の解放油圧が待機圧に下げられる。
タービン回転数が3速段の回転数付近まで低下すると(時刻T3)、エンジントルクが僅かに上昇する。タービン回転数が3速段の回転数に低下してから一定時間が経過すると、ブレーキB1の解放油圧が零に下げられ、クラッチC3の係合油圧が最大油圧に上げられる(時刻T4)。これにより、ブレーキB1が完全に解放され、クラッチC3が完全に係合されて、アップシフトが完了となる。
<学習処理1>
図5は、学習処理の一例を示すフローチャートである。
変速制御と並行して、ATECU12により、図5に示される学習処理が実行される。
学習処理では、変速指令の発生からタービン回転数が3速段の回転数に低下するまでの時間が計測される。そして、その計測時間と目標時間との時間差が求められて、時間差が予め設定された目標幅以内であるか否かが判定される。
計測時間と目標時間との時間差が目標幅を超えていることは学習条件の1つであり、その時間差が目標幅を超えている場合、その他の学習条件、たとえば、車速およびスロットル開度などがそれぞれ所定の範囲内であるという条件が成立しているか否かが判定される(ステップS11)。
すべての学習条件が成立している場合(ステップS11のYES)、計測時間が目標時間に近づくように、クラッチC3の係合初期圧の学習値が設定される。たとえば、計測時間が目標時間よりも短い場合には、計測時間と目標時間との時間差が大きいほど係合初期圧が低くなるように、係合初期圧の学習値が設定される。一方、計測時間が目標時間よりも長い場合には、計測時間と目標時間との時間差が大きいほど係合初期圧が高くなるように、係合初期圧の学習値が設定される。
標高が高くなるにつれて、大気圧が低下し、酸素密度が低下するので、エンジンの吸入空気量が一定であっても、エンジンに吸入される酸素量が少なくなる。エンジンECU11がトルク補正機能を有している場合、つまり、エンジンECU11によるエンジン2の制御に、エンジントルクを大気圧センサ15により検出される大気圧に応じて補正する処理が組み込まれている場合、標高が高い場所(たとえば、標高3000m以上の高地)であっても、前述のマップに従って推定されるエンジントルクとエンジン2が実際に出力するエンジントルクとの乖離は小さい。そのため、クラッチC3の係合初期圧の学習を早く進める必要性に乏しく、この場合、1回の学習における学習幅(係合初期圧の学習前の値と学習後の値との差)を小さくして、誤学習を抑制することが好ましい。
そこで、エンジンECU11がトルク補正機能を有している場合、大気圧センサ15によって検出される大気圧が低いほど、係合初期圧の学習幅が小さく設定される(ステップS12)。なお、学習幅は、大気圧が低いほど連続的に小さくなるように設定されてもよいし、大気圧が低いほど段階的に小さくなるように設定されてもよい。
そして、係合初期圧の学習値と学習前の値との差が求められ、その差が大気圧に応じて設定された学習幅以下であれば、次回以降の係合制御に用いられる係合初期圧が学習値に学習更新されて(ステップS13)、学習処理が終了される。
一方、係合初期圧の学習値と学習前の値との差が大気圧に応じて設定された学習幅を超えている場合には、大気圧に応じて設定された学習幅が学習前の値に加算され、次回以降の係合制御に用いられる係合初期圧がその加算値に学習更新されて(ステップS13)、学習処理が終了される。
また、学習条件が1つでも成立していない場合には(ステップS11のNO)、係合初期圧の学習更新は行われず(ステップS14)、学習処理が終了される。
<学習処理2>
図6は、学習処理の他の例を示すフローチャートである。
エンジンECU11がトルク補正機能を有していない場合、ATECU12により、図5に示される学習処理に代えて、図6に示される学習処理が実行される。
図6に示される学習処理においても、図5に示される学習処理と同様に、変速指令の発生からタービン回転数が3速段の回転数に低下するまでの時間が計測される。そして、その計測時間と目標時間との時間差が求められて、時間差が予め設定された目標幅以内であるか否かが判定される。そして、すべての学習条件が成立しているか否かが判定される(ステップS21)。
すべての学習条件が成立している場合(ステップS21のYES)、計測時間が目標時間に近づくように、クラッチC3の係合初期圧の学習値が設定される。たとえば、計測時間が目標時間よりも短い場合には、計測時間と目標時間との時間差が大きいほど係合初期圧が低くなるように、係合初期圧の学習値が設定される。一方、計測時間が目標時間よりも長い場合には、計測時間と目標時間との時間差が大きいほど係合初期圧が高くなるように、係合初期圧の学習値が設定される。
エンジンECU11がトルク補正機能を有していないので、高地では、平地と比較して、前述のマップに従って推定されるエンジントルクがエンジン2が実際に出力するエンジントルクから大きく乖離する。そのため、クラッチC3の係合初期圧の学習が進んでいない状況では、クラッチC3の係合初期圧が実際のエンジントルクに適した値よりも大きい値に設定され、図4に二点鎖線で示されるように、変速指令の発生からタービン回転数が3速段の回転数に低下するまでの時間が目標時間よりも短くなり、変速ショックを発生するおそれがある。したがって、この場合、1回の学習における学習幅(係合初期圧の学習前の値と学習後の値との差)を大きくし、クラッチC3の係合初期圧の学習を早く進めることが好ましい。
そこで、エンジンECU11がトルク補正機能を有している場合、大気圧センサ15によって検出される大気圧が低いほど、係合初期圧の学習幅が大きく設定される(ステップS22)。なお、学習幅は、大気圧が低いほど連続的に大きくなるように設定されてもよいし、大気圧が低いほど段階的に大きくなるように設定されてもよい。
そして、係合初期圧の学習値と学習前の値との差が求められ、その差が大気圧に応じて設定された学習幅以下であれば、次回以降の係合制御に用いられる係合初期圧が学習値に学習更新されて(ステップS23)、学習処理が終了される。
一方、係合初期圧の学習値と学習前の値との差が大気圧に応じて設定された学習幅を超えている場合には、大気圧に応じて設定された学習幅が学習前の値に加算され、次回以降の係合制御に用いられる係合初期圧がその加算値に学習更新されて(ステップS23)、学習処理が終了される。
また、学習条件が1つでも成立していない場合には(ステップS21のNO)、係合初期圧の学習更新は行われず(ステップS24)、学習処理が終了される。
<作用効果>
以上のように、エンジントルクが推定され、その推定されるエンジントルクを用いて、クラッチC3に供給される係合初期圧が制御される。また、クラッチC3の係合初期圧が実際のエンジントルクに適した値となり、変速指令の発生からタービン回転数が3速段の回転数に低下するまでの時間が目標時間となるように、クラッチC3の係合初期圧の学習が行われる。そのため、クラッチC3の係合初期圧の学習が進んだ段階では、たとえ推定されるエンジントルクと実際のエンジントルクとが乖離していても、クラッチC3の係合時の変速ショックの発生が抑制される。
クラッチC3の係合初期圧の1回の学習における学習幅は、大気圧に応じて可変に設定される。
エンジンECU11によるエンジン2の制御に、エンジントルクを大気圧に応じて補正する処理が組み込まれている場合、高地においても、マップから推定されるエンジントルクと実際のエンジントルクとの乖離が小さい。そのため、高地でのクラッチC3の係合初期圧の学習が進んでいなくても、クラッチC3の係合時に変速ショックが発生しにくい。そのため、この場合には、大気圧が低いほど、1回の学習における学習幅が小さく設定される。これにより、高地において、クラッチC3の係合初期圧の誤学習を抑制することができ、係合初期圧の学習値を早期に収束させることができる。
一方、エンジンECU11によるエンジン2の制御に、エンジントルクを大気圧に応じて補正する処理が組み込まれていない場合、高地では、マップから推定されるエンジントルクと実際のエンジントルクとの乖離が大きくなり、クラッチC3の係合時に変速ショックが発生しやすい。そのため、この場合には、大気圧が低いほど、1回の学習における学習幅が大きく設定される。これにより、高地において、学習を早く進行させることができ、変速ショックの発生を抑制することができる。
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
前述の実施形態では、2速段から3速段に変速される際の制御において、変速指令の発生からタービン回転数が3速段の回転数に低下するまでの時間が目標時間に近づくように、クラッチC3の係合初期圧が学習制御される構成を取り上げたが、本発明は、これに限定されない。
たとえば、クラッチC3の係合油圧が係合初期圧から漸増される際に、タービン回転数の変化率が求められ、その変化率が所定値に近づくように、係合初期圧から漸増される係合油圧(勾配)が学習制御されてもよい。その他にも、本発明は、クラッチC3の係合油圧の制御に広く適用することができる。また、クラッチC3の係合油圧の制御に限らず、本発明は、クラッチC3が解放側係合要素である場合に、クラッチC3に供給される解放油圧の制御に適用することもできる。さらに、本発明は、クラッチC3に限らず、他の摩擦係合要素、つまりクラッチC1,C2、ブレーキB1,B2に供給される係合油圧/解放油圧の制御に適用することもできる。
エンジンECU11によるエンジン2の制御に、エンジントルクを大気圧に応じて補正する処理が組み込まれている場合、大気圧が低いほど、1回の学習における学習幅が小さく設定されるとした。しかしながら、大気圧が所定の閾値以上では、1回の学習における学習幅が所定幅に設定され、大気圧が所定の閾値よりも低い場合には、1回の学習における学習幅が所定幅よりも小さい一定幅に設定されてもよい。
エンジンECU11によるエンジン2の制御に、エンジントルクを大気圧に応じて補正する処理が組み込まれていない場合、大気圧が低いほど、1回の学習における学習幅が大きく設定されるとした。しかしながら、大気圧が所定の閾値以上では、1回の学習における学習幅が所定幅に設定され、大気圧が所定の閾値よりも低い場合には、1回の学習における学習幅が所定幅よりも大きい一定幅に設定されてもよい。
また、学習初期(たとえば、所定回数の学習が行われるまでの期間)は、学習を早く進めるために、学習幅が相対的に大きく設定され、学習初期の終了後の学習通常期は、学習値が良好に収束するように、学習幅が相対的に小さく設定されてもよい。
自動変速機4として、前進4段/後進1段の変速段を有する4速ATを例に挙げたが、自動変速機4は、前進3段/後進1段の変速段を有する3速ATであってもよいし、前進5段/後進1段の変速段を有する5速ATなど、前進5段以上の変速段を有するATであってもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
2 エンジン
4 自動変速機
11 エンジンECU(エンジン制御手段)
12 ATECU(変速制御装置、大気圧取得手段、トルク推定手段、学習制御手段、学習幅設定手段))
B1 ブレーキ(摩擦係合要素)
B2 ブレーキ(摩擦係合要素)
C1 クラッチ(摩擦係合要素)
C2 クラッチ(摩擦係合要素)
C3 クラッチ(摩擦係合要素)

Claims (3)

  1. 油圧により摩擦係合要素が係合/解放され、当該摩擦係合要素の係合/解放により変速を行う自動変速機の変速制御装置であって、
    大気圧を取得する大気圧取得手段と、
    前記自動変速機が搭載される車両のエンジンから出力されるエンジントルクを推定するトルク推定手段と、
    前記トルク推定手段により推定されるエンジントルクを用いて、実際のエンジントルクに適した油圧が摩擦係合要素に供給されるように、当該油圧を学習制御する学習制御手段と、
    前記大気圧取得手段により取得される大気圧に応じて、前記学習制御手段による学習における学習幅を設定する学習幅設定手段とを含む、変速制御装置。
  2. 前記車両には、前記エンジンを制御するエンジン制御手段が搭載され、当該エンジン制御手段は、エンジントルクを大気圧に応じて補正する機能を有しており、
    前記学習幅設定手段は、前記大気圧取得手段により取得される大気圧が低いほど、前記学習幅を小さく設定する、請求項1に記載の変速制御装置。
  3. 前記車両には、前記エンジンを制御するエンジン制御手段が搭載され、当該エンジン制御手段は、エンジン力トルクを大気圧に応じて補正する機能を有しておらず、
    前記学習幅設定手段は、前記大気圧取得手段により取得される大気圧が低いほど、前記学習幅を大きく設定する、請求項2に記載の変速制御装置。
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JPH04300454A (ja) * 1991-03-28 1992-10-23 Mitsubishi Motors Corp 自動変速機の変速制御方法
JPH0587226A (ja) * 1991-09-25 1993-04-06 Japan Electron Control Syst Co Ltd 自動車用自動変速機のライン圧学習制御装置
JPH0552429U (ja) * 1991-12-16 1993-07-13 日本電子機器株式会社 自動変速機の変速時ライン圧学習制御装置

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