JP2016098512A - 円筒型タンクの構築方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】機材等を昇降させる際や、溶接後の内槽側板を上昇させる際などに、機材等や付属品などが足場に干渉しないようにした、円筒型タンクの構築方法を提供する。【解決手段】金属製の内槽とコンクリート製の外槽とを有する円筒型タンクの構築方法である。内槽側板を支持する架台を設置する工程と、内槽側板の上昇と上下の内槽側板間の接続とを交互に繰り返して内槽を組み立てる工程と、を備える。架台を設置する工程では、内槽側板の内側に、内槽側板に対する作業を行う足場を、内槽側板と反対の側を回動軸として内槽側板と反対の側に開閉可能に開く開閉足場によって形成する。【選択図】図10
Description
本発明は、円筒型タンクの構築方法に関する。
内槽と外槽とを有する二重殻構造の円筒型タンクは、LNG(液化天然ガス)やLPG(液化石油ガス)等の低温液体の貯蔵に用いられている。特許文献1には、金属製の内槽とコンクリート製の外槽とを有する円筒型タンクの建設工法が開示されている。
特許文献1には、円筒型タンクの工期の短縮化を図るため、金属製の内槽とコンクリート製の外槽とを同時に施工する手法が開示されている。具体的には、外槽下段の内周面に沿って架台を設置し、次いでこの架台上にて、ジャッキアップ装置により内槽側板の上昇と、上昇した内槽側板の下側への次の内槽側板の溶接とを交互に繰り返し、内槽を組み立てている。また、このような内槽の組み立てと並行して、外槽も下段側から最上段まで順次施工する。
このような円筒型タンクの建設工法では、ジャッキアップ装置によって上昇させた内槽側板の下側の空間に、次に取り付けるべき内槽側板を工事口から取り込み、上昇させた内槽側板の下側に新たに取り込んだ内槽側板を順次溶接している。
ところで、このような上下の内槽側板間の溶接や、溶接後の検査を架台上で行うためには、例えば溶接を行うための下段の足場と、溶接後、ジャッキアップされた内槽側板間の溶接箇所の検査等を行うための上段の足場とが必要となる。その場合、例えば上段の足場における内槽側板の内側では、溶接箇所の検査に用いるレントゲン等の検査装置の設置場所や、作業員の作業空間を確保するとともに、工具等の落下を防ぐため、ジャッキアップされる内槽側板の近傍まで足場を組んでいる。
しかしながら、内槽側板の上方には、例えば内槽側板や溶接装置、検査装置、その他の機材等を外槽の周方向に搬送するためのレールが設けられており、これを利用して機材等を昇降・搬送したい場合に、特に前記の上段側の足場が干渉することで昇降作業が迅速に行えないという問題がある。すなわち、溶接装置や外壁に形成された工事口から搬入した機材等を、外槽内の底面側から下段や上段の足場上、さらにはその上に揚げたり周方向に搬送するとき、特に上段の足場がレールから吊り下げられたワイヤやこれに吊られる機材等に干渉するため、そのままでは機材等の昇降を行うことができず、足場を一端撤去する必要がある。
また、内槽側板には特にその内面、すなわち外槽と反対の側の面に、スティフナーや溶接時に位置決め等に利用するキーナットなどの付属品が設けられている。従って、内槽側板を上昇させる際、このような付属品が特に上段における内槽側板の内側の足場に干渉してしまうおそれがある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、内槽側板の溶接等を行う足場の上方から機材等を昇降させる際や、溶接後の内槽側板を上昇させる際などに、機材等や付属品などが足場に干渉しないようにし、これによって機材や内槽側板などの昇降を迅速に行えるようにした、円筒型タンクの構築方法を提供することにある。
本発明の円筒型タンクの構築方法は、金属製の内槽とコンクリート製の外槽とを有する円筒型タンクの構築方法であって、前記外槽の内側に、前記内槽を形成するための内槽側板を支持する架台を設置する工程と、内槽側板の上昇と、上昇した内槽側板の下側への次の内槽側板の接続と、を交互に繰り返して前記内槽を組み立てる工程と、を備え、前記架台を設置する工程では、前記内槽側板の内側に、前記内槽側板に対する作業を行う足場を、前記内槽側板と反対の側を回動軸として内槽側板と反対の側に開閉可能に開く開閉足場によって形成することを特徴とする。
また、前記円筒型タンクの構築方法において、前記架台を設置する工程では、該架台上に支持する内槽側板の内側に枠組足場を設置し、前記開閉足場の回動軸を回動自在に保持する軸受け部を、前記枠組足場に固定することが好ましい。
また、前記円筒型タンクの構築方法においては、前記足場を複数の前記開閉足場によって形成し、前記複数の開閉足場を、前記内槽側板側にて前記外槽の周方向両側にそれぞれ張り出す張出部を有した第1開閉足場と、該第1開閉足場より小さい第2開閉足場とによって構成するとともに、前記第1開閉足場と前記第2開閉足場とを前記外槽の周方向に沿って交互に配置し、前記第1開閉足場を前記枠組足場に開閉可能に保持させるとともに、前記第2開閉足場を、前記第1開閉足場の前記張出部上に載置することが好ましい。
本発明の円筒型タンクの構築方法によれば、内槽側板に対する作業を行う足場を、内槽側板と反対の側を回動軸として内槽側板と反対の側に開閉可能に開く開閉足場によって形成するので、上方から吊り下げて機材等を昇降させる際や、内槽側板を上昇させる際などに、単に開閉足場を開いて内槽側板側を開口することで、足場が機材等や付属品などに干渉しないようにすることができる。これにより、機材や内槽側板などの昇降を迅速に行うことができる。
以下、図面を参照して本発明に係る円筒型タンクの構築方法の一実施形態を詳しく説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。以下の説明では、円筒型タンクとして、LNGを貯蔵する地上式のPC(プレストレスコンクリート)二重殻貯槽を例示する。
まず、図1に示すように、略円板状の基礎版(外槽の底部)1の工事を行い、その上面に底部ライナー(図示せず)を形成する。その際、本実施形態では、基礎版1の外周縁部より内側に、基礎版1の周方向に沿って内槽アンカーストラップ2を設置する。
次に、基礎版1の外周縁部の、内槽アンカーストラップ2より外側に、外槽の側壁(PC壁)3の一部、例えば全部で9段積み上げて形成する側壁3の5段目(#5)までを形成する。
次に、基礎版1の外周縁部の、内槽アンカーストラップ2より外側に、外槽の側壁(PC壁)3の一部、例えば全部で9段積み上げて形成する側壁3の5段目(#5)までを形成する。
なお、ここで形成する外槽の側壁(PC壁)3の一部には、その下段側、例えば2段目から3段目にかけて、工事口4を形成する。また、この側壁3の一部には、その上に残りの段の側壁を積み上げて最終的に9段からなる側壁3を形成するため、残りの段のための型枠を組み立てるなどの必要上、側壁3の一部の上部側、例えば4段目以上の部位に懸垂足場5を設置しておく。
このようにして外槽の側壁3の一部を形成したら、この側壁3の内周面側にその周方向に沿って、内槽側板組立用の脚付架台6(架台)を複数設置する。脚付架台6は、後述する内槽側板を支持するための門型架台である。この脚付架台6を、内槽側板が複数組み合わされて形成される円筒状の内槽が最終的に下ろされる領域となるアニュラー領域Xを跨ぐようにして、基礎版1上に設置する。なお、脚付架台6を形成、設置した際には、この脚付架台6の一部として、この脚付架台上に後述するように下段足場及び上段足場を有する内側足場、外側足場を形成する。
次に、後述する内側足場、外側足場の形成とは別に、図2に示すように側壁3の一部の上にコンクリートを打設し、6段目(#6)の側壁を形成する。なお、このような側壁3の施工にあたっては、その上部側を順次形成するに伴い、懸垂足場5についても順次上側に移動させる。
また、これに並行して脚付架台6上に、内槽の側壁の一部となる内槽側板7を側壁3の周方向に沿って複数立設し、これら内槽側板7を隣り合うもの同士横方向に一体的に溶接する。これにより、各内槽側板7を円環状に組み立てる。なお、このような溶接は、主に後述する下段足場を利用して行う。また、ここで組み立てる内槽側板7は、最上段(本実施形態では9段目[#9])に対応するものである。内槽側板7は、優れた靱性と強度を備えるNi鋼材等によって形成されている。
また、側壁3の内部では、基礎版1の中央部にて屋根架台8を組み立てる。
また、側壁3の内部では、基礎版1の中央部にて屋根架台8を組み立てる。
次に、図3に示すように最上段の内槽側板7の上端部にナックルプレート9(ナックル部)の各プレートを取り付け、これによってナックルプレート9を組み立てるとともにこれを内槽側板7の上端部に取り付ける。ナックルプレート9は、後述する内槽屋根の外周縁部にて下方に向けて湾曲するように形成されるものであり、前述したようにその下端縁部に最上段の内槽側板7の上端縁部が接続される。
このナックルプレート9には、図4に示すようにその外周面に、ナックルサポート10を取り付ける。本実施形態では、ナックルプレート9の周方向に沿ってナックルサポート10を等間隔で複数個(例えば30個)設ける。ナックルサポート10は、後述するジャッキアップ装置に連結する被吊り部を形成するための鋼板製のもので、側面視略三角形状に形成された一対のサポート板10a、サポート板10aと、これらサポート板10a間に挟持された平面視略正方形状の被吊り板10bと、サポート板10a間に挟持され、且つ被吊り板10bの上面側に連結してサポート板10aと被吊り板10bとの間を補強する補強板10cとによって形成されている。
サポート板10aは、ナックルプレート9の湾曲形状に対応して湾曲して形成された一辺部が、ナックルプレート9の湾曲面に接合され、溶接等によって取り付け固定されている。被吊り板10bと補強板10cとは、溶接等によって互いに連結した状態で、サポート板10a間に溶接やボルト止め等によって取り付け固定されている。ここで、被吊り板10bは、その外側端(側壁3側の端部)がサポート板10aの外側端に一致した状態で、サポート板10a、サポート板10a間に固定されている。この被吊り板10bには、ナックルプレート9と反対の側、すなわち外槽の側壁3側に向かって開口する切欠(図示せず)が形成されており、この切欠が、後述するジャッキアップ装置に連結する被吊り点となっている。
次に、図5に示すように屋根架台8上に内槽屋根ブロックを搭載し、内槽屋根14(タンク屋根部)を組み立てる。
また、基礎版1上に高所作業車(図示せず)を乗り入れる。また、脚付架台6の下のアニュラー領域Xにおいてアニュラー部16を形成すべく、その一部を施工する。
また、外槽の側壁3についても順次上側に積み上げていき、外槽の側壁3を最終段となる9段目(#9)まで施工する。なお、この時点では、側壁3形成のための懸垂足場5が、例えば6段目から7段目以上に組まれた状態のまま残っている。
また、基礎版1上に高所作業車(図示せず)を乗り入れる。また、脚付架台6の下のアニュラー領域Xにおいてアニュラー部16を形成すべく、その一部を施工する。
また、外槽の側壁3についても順次上側に積み上げていき、外槽の側壁3を最終段となる9段目(#9)まで施工する。なお、この時点では、側壁3形成のための懸垂足場5が、例えば6段目から7段目以上に組まれた状態のまま残っている。
次に、図6に示すように前記ナックルプレート9上に、外槽の側壁3の内周面から離間した状態で、且つ、前記懸垂足場5に干渉しない高さで、ジャッキアップ装置用足場17を組み立てる。このジャッキアップ装置用足場17としては、環状に形成されているナックルプレート9の周方向に沿って環状に形成し、これによって半径方向への倒れを防止する。また、その組み立てにあたっては、前記ナックルサポート10にほぼ全体を支持させ、さらに倒れ防止材(図示せず)をナックルプレート9や内槽屋根14との間に設けることで、ナックルプレート9や内槽屋根14に固定した状態にジャッキアップ装置用足場17を形成する。本実施形態では、図6に示すように外槽の側壁3のほぼ4段目(#4)から5段目(#5)に対応して、ジャッキアップ装置用足場17を組み立てる。
そして、このジャッキアップ装置用足場17を利用して側壁3の所定位置、本実施形態では5段目(#5)に、吊り架台18(吊り部)を側壁3の周方向に等間隔となるように複数設置する。すなわち、この吊り架台18を例えば側壁3に予め埋め込んだアンカープレート等に強固且つ着脱可能に締結固定し、側壁3からその内方に向けて略水平に凸設する。
次に、吊り架台18とナックルサポート10の被吊り板10bとの間に、それぞれジャッキアップ装置19を取り付ける。ジャッキアップ装置19は、図7に示すようにセンターホールジャッキとして構成されたもので、吊り架台18に係合され支持されるジャッキ本体20aと、ジャッキ本体20aに上端部が取り付けられ、下端部がナックルサポート10の被吊り板10bに取り付けられたジャッキアップロッド20と、ジャッキアップロッド20の下端部を被吊り板10bに取り付けるためのナット19aと、を有して構成される。なお、図7では、見やすくするためにジャッキアップ装置用足場17の記載を省略している。
このようなジャッキアップ装置19の取り付けは、吊り架台18の上にジャッキ本体20aを係合させ固定した状態でジャッキアップロッド20を垂下させ、さらにこのジャッキアップロッド20の下端部をナックルサポート10の被吊り板10bの前記切欠内に差し入れる。そして、予め用意したナット19aによってジャッキアップロッド20の下端部を被吊り板10bに固定する。
なお、図7に示すようにジャッキアップ装置19の下側には、ゴンドラレール11が設けられている。ゴンドラレール11は、全てのナックルサポート10に取り付けられたことにより、ナックルプレート9の周方向に沿ってその外側に円環状に配置されている。このゴンドラレール11には、その周方向に沿って移動可能、且つ昇降可能にフック12が吊り下げられている。また、ナックルプレート9の内側には、その周方向に沿ってナックル内面レール13が円環状に配置されている。このナックル内面レール13にも、適宜な吊り具(図示せず)が取り付けられるようになっている。これにより、溶接装置や各種機材等を昇降させたり、周方向に搬送することが可能になっている。
このようにしてジャッキアップ装置19を、外槽の側壁3の周方向に所定間隔で複数設置し、さらにそれぞれナックルサポート10の被吊り板10bに取り付けたら、図6に示すように屋根架台8を撤去する。
ここで、図6に示すように吊り架台18が設けられた位置は側壁3の5段目(#5)であり、ナックルサポート10が設けられた位置は側壁3の3段目(#3)に対向する位置であるため、前記ジャッキアップロッド20はこれらの間に対応する充分な長さに形成されている。しかし、このような長さに形成されたジャッキアップロッド20は、後述するようにジャッキアップ装置19を稼働させてジャッキアップロッド20を上昇させた際、このジャッキアップロッド20がその直上に位置する懸垂足場5に干渉されてしまう。
そこで、ジャッキアップロッド20は、図7に示すように複数のロッド20bが長さ方向に連結して形成されており、これらは螺子止め等によって着脱可能に構成されている。これにより、ジャッキアップロッド20を上昇させた際、吊り架台18より上方に突出したロッド20bをその下側のロッド20bから切り離すことにより、ジャッキアップロッド20が懸垂足場5に干渉されるのを防止することができる。なお、図6中の符号21は、前記ジャッキアップ装置19の各構成部材の吊り上げや吊り下げを行ったり、切り離したロッド20bを吊り下げたりするための吊り天秤であり、天秤棒21aの一方の端部に錘21bを有して構成された公知のものである。この吊り天秤21は、図示しないクレーンによって吊られており、これによって昇降や水平移動の各動作が制御されている。
また、このような工程中、基礎版1上では、前記アニュラー部16の保冷工事及び中央部の保冷工事を並行して行う。アニュラー部16の保冷工事は、図7に示すように脚付架台6の下で、底部冷熱抵抗緩和材22の上にパーライトコンクリートブロック23a、パーライトコンクリートブロック23b、構造用軽量コンクリートブロック24を組み立て、その上にアニュラープレート16aを取り付けることによって行う。アニュラー部16は、組み立てられた内槽側板7を最終的に支持するものであり、アニュラープレート16aが厚く形成され、またその保冷構造もコンクリートブロック等の硬質なもので形成される。
次に、図8に示すようにジャッキアップ装置19でナックルプレート9を吊り上げることにより、このナックルプレート9とこれに支持される内槽屋根14、内槽側板7、ナックルサポート10、ジャッキアップ装置用足場17を含むタンク構成部材Yを上昇させる。具体的には、ジャッキ本体20aを正転駆動させることによってジャッキアップロッド20上昇させ、ナックルサポート10とともに組み立て途中のタンク構成部材Yをジャッキアップする。
ここで、ジャッキアップ装置19によって吊り上げられるナックルプレート9は、内槽屋根14と内槽側板7とを接続するためのもので、内槽側板7より板厚が充分に厚く、強度が高いため、内槽側板7や内槽屋根14、さらにジャッキアップ装置用足場17を含む重量が付加されても座屈等の懸念がない。
ジャッキアップ装置19によってタンク構成部材Yを内槽側板7のほぼ一段分上昇させたら、内槽側板7の下方に形成された空間、すなわち脚付架台6上の空間に、次の内槽側板7を搬入する。内槽側板7の搬入は、側壁3に設けられた工事口4を介して行う。工事口4周辺には第1搬送装置(図示せず)が設けられており、この搬送装置によって側壁3の外から工事口4を通って脚付架台6上に内槽側板7が順次搬送される。また、脚付架台6上には、側壁3の周方向に沿って第2搬送装置(図示せず)が設けられている。この第2搬送装置は、側壁3の周方向に沿うレール(図示せず)等を有して構成されたもので、脚付架台6上に搬送されてきた内槽側板7を、さらに側壁3の周方向に順次搬送するものである。
次に、第2搬送装置で搬送されてきた内槽側板7を脚付架台6上に立て、ジャッキアップされた内槽側板7の下方に円環状に配置する。そして、図9に示すようにこれら内槽側板7を隣り合うもの同士横方向に一体的に溶接するとともに、上下に並ぶ内槽側板7同士も一体的に溶接(接続)することで、これら内槽側板7を一体の円筒状に形成する。すなわち、最上段となる9段目(#9)の内槽側板7の下に8段目(#8)の内槽側板7を取り付ける。
ここで、このような横方向に隣り合う内槽側板7同士の溶接(縦シーム溶接)や、上下に並ぶ内槽側板7同士の溶接(横シーム溶接)、及びこのような溶接に係る検査等の作業については、脚付架台6上に形成した足場を利用して行う。この足場については、前記したように、脚付架台6の一部として、脚付架台6の形成、設置時に形成する。
図10は、脚付架台6の一部として、脚付架台6上に形成する足場の一例の概略構成を示す図であり、図10中符号40は内槽側板7の内側に形成配置する内側足場、符号50は内槽側板7の外側に形成配置する外側足場である。
内側足場40は、脚付架台6の架台本体6a上に設置されたもので、枠組足場41と、この枠組足場41に取り付けられた下段内側足場42(足場)及び上段内側足場43(足場)とによって構成されている。なお、図1〜図9、及び後述する図13〜図19では、内側足場40、外側足場50についての図示を省略している。
枠組足場41は、一般的なビティー枠からなる足場であって、建て枠や筋交い、横パイプ、鋼製板などが現場にて架台本体6a上で組み立てられ、設置される。すなわち、鳥居型の建て枠間を水平に配置される横パイプや斜めの筋交いで連結し、さらに横パイプ上に鋼製板が敷かれることにより、枠組足場41を設置する。なお、各段部を形成する鋼製板については、軽量化のため、金属網板、例えばエキスパンドメタルなどによって形成される。
このような枠組足場41には、その高さ方向の所定の位置に、前記の下段内側足場42及び上段内側足場43が取り付けられている。これら下段内側足場42、上段内側足場43は、本実施形態では同一の構成となっており、図10中に矢印で示すように内槽側板7と反対の側を回動軸として、内側上方に開閉可能に開く開閉足場となっている。
すなわち、これら下段内側足場42、上段内側足場43は、図11に示すように枠組足場41の横パイプ41aに取り付けられたもので、一対の太径の短管44a(軸受け部)と、これら短管44a間に回動自在、且つ、長さ方向に移動可能に内挿され、保持(挟持)された細径の長管44b(回動軸)と、この長管44bに一体に固定された矩形状の板体44cと、を有して構成されている。そして、一対の短管44aが、クランプ45によってそれぞれ横パイプ41aに取り付けられたことにより、長管44bは回動可能、すなわち回動軸として機能する。
これによって長管44bに固定された板体44cは、内槽側板7と反対の側となる内側の上方に開閉可能に開くようになっている。また、この板体44cにはその両側にそれぞれチェーン46が連結されており、これらチェーン46が内側斜め上方の枠組足場41に連結されることにより、板体44cは水平な姿勢に保持されている。すなわち、下側に回動することなく、内側上方にのみ開閉可能になっている。なお、板体44cも、前記枠組足場41の鋼製板と同様に、軽量化のためエキスパンドメタルなどの金属網板によって形成されている。
このような構成のもとに下段内側足場42、上段内側足場43は、図10に示すように枠組足場41に容易に取り付けられ、固定されている。そして、それぞれの板体44c上に溶接装置や検査装置などの機材を設置できるようになっており、従って各板体44c上にて作業が行えるようになっている。具体的には、下段内側足場42上では上昇させた内槽側板7への次の内槽側板7の溶接を主に行うようになっており、上段内側足場43上では上下の内槽側板7間の溶接状態の検査を主に行うようになっている。
また、このような下段内側足場42、上段内側足場43は、上方のナックル内面レール13から吊り下げた吊り具などを利用して装置などの機材を昇降させる際や、溶接後の内槽側板を上昇させる際などに、単に開閉足場である板体44cを内側上方に開いて内槽側板7側を開口することで、下段内側足場42や上段内側足場43が機材等や付属品などに干渉しないようにすることができる。なお、板体44cを内側上方に開いて内槽側板7側を開口した際には、例えば前記チェーン46を図示しない固定装置で固定したり、板体44cを直接ロープなどで枠組足場41に固定することにより、板体44cを開いた状態に固定する。
ここで、下段内側足場42、上段内側足場43の枠組足場41に対する取付位置(取付高さ)については、下段内側足場42は、上昇させた内槽側板7への次の内槽側板7の溶接を容易に行える位置(高さ)とするのが好ましく、上段内側足場43は、上下の内槽側板7間の溶接状態の検査を容易に行える位置(高さ)とするのが好ましい。具体的には、立てられ、あるいは吊り下げられた内槽側板7の上端から、1.2m程度低い位置に配するのが好ましい。
すなわち、溶接や溶接後の検査を行うための作業員が立つ板体44cは、特に上下の内槽側板7間の継ぎ目7a(横シーム)より1.2m程度低い位置とするのが、上下間の継ぎ目7aの位置に作業員の手や目の位置を合わせやすくなり、好ましい。従って、本実施形態の下段内側足場42、上段内側足場43は、それぞれの板体44cが、対向配置される内槽側板7の上端から1.2m程度低い位置に配置される。その際、本実施形態の下段内側足場42や上段内側足場43は、前述したように単にクランプ45によって短管44aを横パイプ41aに取り付けることで枠組足場41に固定することができるため、その高さを所望の高さに容易に合わせることができる。
また、内槽側板7は円弧状に湾曲しているのに対し、枠組足場41は、平面視矩形状に形成されており、従ってその前面も平面視直線状に形成されている。そして、この枠組足場41に対して回動可能に取り付けられた下段内側足場42、上段内側足場43の板体44cも、矩形状に形成されている。そのため、枠組足場41が内槽側板7に正対するように設置されると、隣り合う枠組足場41の下段内側足場42あるいは上段内側足場43の板体44c間では、図12に示すように扇状の隙間47が形成されてしまう。そこで、このような隙間47を埋めるべく、隣り合う板体44c間に、板体49を開閉可能に設けている。
すなわち、板体44cには、図11、図12に示すように、内槽側板7側にて該内槽側板7の周方向(外槽の側壁3の周方向)両側にそれぞれ張り出す張出部48が設けられている。これによって板体44cは、本発明における第1開閉足場となっている。そして、図12に示すように隣り合う板体44c(第1開閉足場)間には、該板体44cより小さい板体49(第2開閉足場)が配置される。すなわち、第1開閉足場となる板体44cと、第2開閉足場となる板体49とが、内槽側板7の周方向(外槽の側壁3の周方向)に沿って交互に配置される。
板体49(第2開閉足場)も、板体44cと同様に構成されたもので、その回動軸(長管)を保持する軸受け部(短管)がクランプ等によって枠組足場に取り付けられたことにより、内側上方に開閉可能に開くようになっている。ただし、この板体49は、チェーンに吊られることでその姿勢が水平に保持されることなく、隣り合う板体44c(第1開閉足場)のそれぞれの張出部48に載置されたことにより、水平状態に保持されている。このように張出部48間に板体49が配置されることにより、図12に示した隙間47が板体49(第2開閉足場)によって覆われる。
このような構成の内側足場40を脚付架台6の設置する工程時に架台本体6a上に形成することにより、前述した横方向に隣り合う内槽側板7同士の溶接や、上下に並ぶ内槽側板7同士の溶接、及びこのような溶接に係る検査等の作業を容易に行うことができる。すなわち、枠組足場41の下段内側足場42によって上下に並ぶ内槽側板7間の継ぎ目7aの溶接を行い、上段内側足場43によって前記継ぎ目7aの溶接の検査を行うことができる。
図10に示すように外側足場50は、内槽側板7の外側、すなわち外槽の側壁3と内槽側板7との間にて、脚付架台6の架台本体6a上に設置されたもので、下段外側足場51と、上段外側足場52とを有している。下段外側足場51は、内側足場40の下段内側足場42と対応する高さ位置に配置されたもので、外槽の側壁3側を回動軸として外側下方(側壁3側の下方)に開閉可能に開く板体53(開閉足場)を有している。この板体53は、その前端側(内槽側板7側)の底部に回動可能に連結されたやらず54(つっかい)によってその姿勢が水平に保持され、作業員や機材等の荷重を支持できるように構成されている。
このような構成からなる下段外側足場51は、その板体53の水平状態における高さ位置が、前記下段内側足場42の板体44cの水平状態における高さ位置とほぼ同じになるように形成配置されている。従って、この下段外側足場51の板体53上にて、上昇させた内槽側板7への次の内槽側板7の溶接を容易に行えるようになっている。また、ゴンドラレール11に吊り下げられたフック12によって機材等を昇降させる場合などでは、やらず54を外すことによって板体53を外側下方(側壁3側の下方)に降ろし、機材等の昇降に干渉しないように内槽側板7側を開口することができる。
上段外側足場52は、内側足場40の上段内側足場43と対応する高さ位置に配置されたもので、板体55と、この板体55を水平状態に支持する支持材56とによって構成されている。板体55は、その前側略半分(内槽側板7側の略半分)が、後側に対して下方に回動可能に形成されている。すなわち、前側に配置された前板55aは、後側に配置された後板55bに対して回動軸(図示せず)を介して回動可能に連結されている。また、これら前板55aと後板55bとの間には、前板55aの下方への回動を不能にする公知のロック機構(図示せず)が設けられている。なお、支持材56は後板55bの前端部を支持することにより、前板55aの回動に干渉しないようになっている。このような構成のもとに、作業時には前板55aが後板55bとともに水平に保持され、作業員や機材等の荷重を支持する。
このような構成からなる上段外側足場52は、その板体55の水平状態における高さ位置が、前記上段内側足場43の板体44cの水平状態における高さ位置とほぼ同じになるように形成配置されている。従って、この上段外側足場52の板体55上にて、上下の内槽側板7間における継ぎ目7aの溶接の検査を容易に行えるようになっている。また、ゴンドラレール11に吊り下げられたフック12によって機材等を昇降させる場合などでは、前板55aを下方に回動することで、機材等の昇降に干渉しないように内槽側板7側を開口することができる。
なお、図9に示したように脚付架台6上の空間に次の内槽側板7を搬入する際には、予め複数の内槽側板7同士を外槽の側壁3の外で横方向に連結しておいてもよい。そして、これを側壁3内に取り込んで環状に形成した後、上下に並ぶ内槽側板7同士を溶接するようにする。このように複数の内槽側板7同士を作業空間の制限の少ない側壁3の外で行うことにより、溶接作業が容易になり、効率よく内槽を組み立てることができる。
ここで、内槽側板7の内面には、図10に示すようにスティフナー57やキーナット58などの付属品が設けられている。従って、ジャッキアップ装置19によって内槽側板7を上昇させる際には、このような付属品が内側足場40の板体44cに干渉してしまうおそれがある。しかし、本実施形態の板体44cは、図10中に矢印で示すように内側上方に回動可能に形成され、従って内槽側板7側を開閉可能に開口するように構成されていることから、内槽側板7を上昇させる際に板体44cを回動させておくことにより、このような干渉を容易に、且つ、確実に防止することができる。
また、横方向に隣り合う内槽側板7間の継ぎ目を溶接する場合、この継ぎ目は外槽の側壁3の周方向に所定間隔をおいて位置していることから、溶接装置や検査装置を周方向に移動させる必要がある。その際、特に溶接装置が重量物である自動溶接機である場合などでは、これを人力で移動させるのは困難であり、従って図7に示したナックル内面レール13を利用して移動させる。すなわち、ナックル内面レール13に適宜な吊り具(図示せず)を移動可能に懸架し、この吊り具で自動溶接機を吊り下げ、ナックル内面レール13に沿って移動させることにより、自動溶接機を所望に位置に移動する。その際にも、板体44cを内側上方に回動させておくことにより、板体44cが吊り具に干渉してしまうのを容易に、且つ、確実に防止することができる。
図9に示したようにジャッキアップ装置19によってジャッキアップを行うと、ジャッキアップ装置19はそのジャッキアップロッド20の上端が吊り架台18より上方に突出し、それ以上上昇するとその直上に位置する懸垂足場5に干渉されてしまう。そこで、前記した内槽側板7同士の溶接等を行っている間に、ジャッキアップロッド20を構成する複数のロッド20bの、吊り架台18より上方に突出した部分を取り外す。そして、予めジャッキアップ装置用足場17の頂部に設置したダビット(図示せず)によって内槽屋根14上に降ろしておく。ロッド20bの取り外しは、ジャッキアップ装置用足場17を利用して行う。また、ジャッキアップ装置用足場17についても、懸垂足場5に干渉されないよう、吊り天秤21によってその上部側を順次撤去する。
次に、ジャッキアップ装置19によりタンク構成部材Yを内槽側板7のほぼ一段分上昇させ、内槽側板7の下方に形成された空間にさらに次の内槽側板7を搬入し、以下、前述した8段目(#8)の内槽側板7の場合と同様にして、図13に示すように7段目(#7)の内槽側板7を取り付ける。その際にも、吊り架台18より上方に突出したロッド20bを取り外し、吊り天秤21によって内槽屋根14上に降ろしておく。
このようにして9段目(#9)から7段目(#7)までの内槽側板7を取り付けたら、図14に示すように側壁3の内周面側の懸垂足場5を撤去する。すなわち、ここまでの間に充分な時間が経過していることから、外槽の側壁3は最上段となる9段目(#9)まで完成しており、従って型枠等を取り外すことが可能なため、側壁3の内周面側を撤去することができる。なお、側壁3の外周面側については、後工程で必要となるため撤去せずにそのまま残しておく。
次に、ジャッキアップ装置19の盛り替えを行うべく、図14に示すように外槽の側壁3の頂部に第2の吊り架台25を設置する。また、ジャッキダウンして一旦タンク構成部材Y(8段目や7段目の内槽側板7も含む)を脚付架台6上に降ろす。
続いて、図7に示したジャッキアップ装置19のジャッキアップロッド20を、吊り天秤21やクレーン等を利用して一旦ナックルサポート10の被吊り板10bから取り外す。また、ジャッキアップ装置19のジャッキ本体20aを吊り架台18から取り外す。これにより、ジャッキアップ装置19を外槽の側壁3とナックルプレート9との間から取り外す。さらに、吊り架台18を側壁3から取り外す。
続いて、図7に示したジャッキアップ装置19のジャッキアップロッド20を、吊り天秤21やクレーン等を利用して一旦ナックルサポート10の被吊り板10bから取り外す。また、ジャッキアップ装置19のジャッキ本体20aを吊り架台18から取り外す。これにより、ジャッキアップ装置19を外槽の側壁3とナックルプレート9との間から取り外す。さらに、吊り架台18を側壁3から取り外す。
そして、ジャッキアップ装置19のジャッキ本体20aを図14に示した第2の吊り架台25に取り付ける。また、その際にジャッキアップロッド20については、先に懸垂足場5に干渉されないようにその上部側を取り外し、内槽屋根14上に降ろしておいたが、側壁3の内周面側の懸垂足場5を撤去してジャッキアップロッド20を自由に伸ばせるようにしたので、内槽屋根14上に降ろしておいたロッド20bを再度ジャッキアップロッド20に取り付け、ジャッキアップロッド20を長くしておく。本実施形態では、図14に示すように外槽の側壁3の最上段となる9段目(#9)から5段目(#5)まで垂下させるため、予め別に用意した予備のロッド20bを付け足し、ジャッキアップロッド20を所望の長さに調整する。
このようにしてジャッキアップロッド20を所望の長さに調整したら、その下端側を再度ナックルサポート10の被吊り板10bの前記切欠内に差し入れる。そして、ナット19aによってジャッキアップロッド20の下端部を被吊り板10bに固定する。これにより、ジャッキアップ装置19を盛り替えることができる。このようにしてジャッキアップ装置19の盛り替えを終了したら、図14に示すようにジャッキアップ装置用足場17を撤去する。
次に、図15に示すようにジャッキアップ装置19でナックルプレート9を吊り上げ、タンク構成部材Yを内槽側板7のほぼ一段分上昇させる。
続いて、内槽側板7の下方に形成された空間にさらに次の内槽側板7を搬入し、以下、前述した8段目(#8)、7段目(#7)の内槽側板7の場合と同様にして、図16に示すように6段目(#6)の内槽側板7を取り付ける。
続いて、内槽側板7の下方に形成された空間にさらに次の内槽側板7を搬入し、以下、前述した8段目(#8)、7段目(#7)の内槽側板7の場合と同様にして、図16に示すように6段目(#6)の内槽側板7を取り付ける。
次に、内槽屋根14の上に外槽屋根26を取り付ける。このような外槽屋根26を取り付けは、内槽屋根14上に多数のチャンネル型鋼等からなる連結材(図示せず)を取り付け、これら連結材に外槽屋根26を取り付けることで行う。
また、外槽の側壁3の内周面に対して、側部ライナー(図示せず)を貼設する作業を開始する。
また、外槽の側壁3の内周面に対して、側部ライナー(図示せず)を貼設する作業を開始する。
以下、ジャッキアップ装置19によるタンク構成部材Yの上昇、内槽側板7(タンク構成部材Y)の下方への次の内槽側板7の搬入、搬入した内槽側板7のタンク構成部材Y(内槽側板7)への取り付けを順次繰り返し、図17に示すように内槽側板7を最下段の1段目(#1)まで取り付ける。これにより、内槽の側壁が完成する。
なお、このような各段の内槽側板7の取り付けの際に、すなわちタンク構成部材Yを吊り上げてその下方を空間としている間に、内槽側板7の搬入とは別に各種の資材27を側壁3内の基礎版1上に搬入する。また、外槽屋根26の上には作業足場28を組んでおく。
なお、このような各段の内槽側板7の取り付けの際に、すなわちタンク構成部材Yを吊り上げてその下方を空間としている間に、内槽側板7の搬入とは別に各種の資材27を側壁3内の基礎版1上に搬入する。また、外槽屋根26の上には作業足場28を組んでおく。
次に、図18に示すように脚付架台6を撤去し、これによってタンク構成部材Yの下方を空間にする。そして、ジャッキアップ装置19によってタンク構成部材Yをジャッキダウンし、外槽屋根26の屋根骨(図示せず)の外周端を外槽の側壁3の頂部内周面に埋設した取付端(図示せず)に連結し固定する。
続いて、外槽屋根26と内槽屋根14との間を連結する連結材(図示せず)を除去し、これらの間の連結を解除する。
続いて、外槽屋根26と内槽屋根14との間を連結する連結材(図示せず)を除去し、これらの間の連結を解除する。
次に、図19に示すようにジャッキアップ装置19によってタンク構成部材Yを再度ジャッキダウンし、内槽側板7の最下段の下端部をアニュラー部16上に降ろす。そして、内槽側板7の最下段の下端部を基礎版1に設置された内槽アンカーストラップ2に取り付ける。
次に、ナックルプレート9からナックルサポート10を除去する。
次に、ナックルプレート9からナックルサポート10を除去する。
その後、外槽の側壁3の緊張工事を行う。また、外槽の側壁3の内周面に貼設した側部ライナー(図示せず)に対して、冷熱抵抗緩和材であるポリウレタンフォーム(PUF)を吹きつける。さらに、ジャッキアップ装置19、第2の吊り架台25等も撤去する。そして、工事口4の閉鎖、不図示のポンプバレルの設置を経た後、水張りをして耐圧・気密試験を実施する。
最後に、内槽と外槽との間にパーライト等の保冷材(図示せず)を充填して内外槽間保冷工事を行い、さらに、塗装工事、配管保冷工事を経て円筒型タンク100を構築する。
最後に、内槽と外槽との間にパーライト等の保冷材(図示せず)を充填して内外槽間保冷工事を行い、さらに、塗装工事、配管保冷工事を経て円筒型タンク100を構築する。
本実施形態の円筒型タンクの構築方法によれば、内槽側板7の内側に位置する上段内側足場43や下段内側足場42を、内槽側板7と反対の側を回動軸として内槽側板7と反対の側に開閉可能に開く板体44c(第1開閉足場)によって形成するので、上方から機材等を吊り上げる(昇降させる)際や、溶接後の内槽側板7を上昇させる際などに、単に板体44cを開いて内槽側板7側を開口することで、上段内側足場43や下段内側足場42が機材等や付属品などに干渉しないようにすることができる。これにより、機材や内槽側板7などの昇降を迅速に行うことができる。
また、内槽側板7の内側に枠組足場41を設置し、下段内側足場42や上段内側足場43の板体44c(第1開閉足場)を保持する短管44a(軸受け部)を、クランプ45によって枠組足場41に取り付けて固定しているので、板体44cの高さを所望の高さに容易に合わせることができ、これによって板体44cを作業に適した高さにすることができる。また、板体44cに一体に設けられた長管44b(回動軸)を、これより太径の短管44a(軸受け部)間に回動自在、且つ、長さ方向に移動可能に保持(挟持)しているので、板体44cの、内槽側板7の周方向に対応する横方向の寸法の規制を少なくすることができ、板体44cの寸法自由度を高めることができる。
また、下段内側足場42、上段内側足場43を、張出部48を有した板体44c(第1開閉足場)と、隣り合う板体44cの張出部48間に載置される板体49(第2開閉足場)とによって形成しているので、板体49によって隙間47を覆うことにより、機材や工具等が隙間47から落下するのを防止することができるとともに、隣り合う板体44c間での移動を容易にすることができる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。前述した実施形態において示した各構成部材の形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、前記実施形態の内側足場40では、枠組足場41に対して下段内側足場42と上段内側足場43の2段を設けたが、内側足場40としては、例えば周方向(横方向)に隣り合う内槽側板7間の継ぎ目の溶接を行うため、下段内側足場42と上段内側足場43との間に中段内側足場を設けてもよい。
3…外槽の側壁、6…脚付架台(架台)、7…内槽側板、7a…継ぎ目、40…内側足場、41…枠組足場、42…下段内側足場(足場)、43…上段内側足場(足場)、44a…短管(軸受け部)、44b…長管(回動軸)、44c…板体、45…クランプ、47…隙間、48…張出部、49…板体
Claims (3)
- 金属製の内槽とコンクリート製の外槽とを有する円筒型タンクの構築方法であって、
前記外槽の内側に、前記内槽を形成するための内槽側板を支持する架台を設置する工程と、
内槽側板の上昇と、上昇した内槽側板の下側への次の内槽側板の接続と、を交互に繰り返して前記内槽を組み立てる工程と、を備え、
前記架台を設置する工程では、前記内槽側板の内側に、前記内槽側板に対する作業を行う足場を、前記内槽側板と反対の側を回動軸として内槽側板と反対の側に開閉可能に開く開閉足場によって形成することを特徴とする円筒型タンクの構築方法。 - 前記架台を設置する工程では、該架台上に支持する内槽側板の内側に枠組足場を設置し、前記開閉足場の回動軸を回動自在に保持する軸受け部を、前記枠組足場に固定することを特徴とする請求項1記載の円筒型タンクの構築方法。
- 前記足場を複数の前記開閉足場によって形成し、
前記複数の開閉足場を、前記内槽側板側にて前記外槽の周方向両側にそれぞれ張り出す張出部を有した第1開閉足場と、該第1開閉足場より小さい第2開閉足場とによって構成するとともに、前記第1開閉足場と前記第2開閉足場とを前記外槽の周方向に沿って交互に配置し、
前記第1開閉足場を前記枠組足場に開閉可能に保持させるとともに、前記第2開閉足場を、前記第1開閉足場の前記張出部上に載置することを特徴とする請求項2記載の円筒型タンクの構築方法。
Priority Applications (1)
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JP2014234545A JP2016098512A (ja) | 2014-11-19 | 2014-11-19 | 円筒型タンクの構築方法 |
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Cited By (1)
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JP2021523070A (ja) * | 2018-05-11 | 2021-09-02 | ギャズトランスポルト エ テクニギャズ | 密閉断熱タンクを組み立てる方法 |
-
2014
- 2014-11-19 JP JP2014234545A patent/JP2016098512A/ja active Pending
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